株式日記と経済展望


テレビ朝日正月特番「ビートたけしの戦後七大事件」
「田中角栄失脚は米国のワナ」紙上再現中継(画像25枚)


2005年1月3日 月曜日

ロッキード事件は国際陰謀だったのか (リンク切れ)

◆陰謀説を信じていた田中元首相

田中角栄元首相がロッキード事件で一九七六年(昭和五十一年)七月二十七日に逮捕されてから、もう二十四年がたつ。だが、今でも巷間、「米国の対日弱体化政策の犠牲だった」とか「国際ユダヤ資本の追い落とし」と言った陰謀説がまことしやかに囁かれている。あの事件は本当に国際的陰謀だったのか。
 田中の愛人で越山会秘書の佐藤昭は、その著『私の田中角栄日記』のなかで「何故、都合よくチャーチ委員会なるものにロッキード社の”機密資料”が誤って配達されたのか。何故、世界中の政府高官にワイロが渡されたのか。何故、日本では田中だけが狙い打ちされたのか」と疑問を呈しつつ、田原総一朗(評論家)が書いた『アメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄』(「中央公論」昭和五十一年七月号)を取り上げている。そこで佐藤著から田原論文を孫引きする形になるが、内容をかいつまんで紹介する。
 田原によれば、丸紅に勤める知人Kの話としてロッキード事件の中心人物、フランク・チャーチ議員は「日本こそ国がらみの多国籍企業であり、この超大企業の暴走はアメリカの国益を損ねる」と日本叩きを狙っていたこと、またキッシンジャー国務長官(当時)もニクソン政権の下で米中外交が開けたことで「日本の役割は変わった。身の程知らずの日本の背伸びは同盟国の秩序を乱す」と対日弱体化に同調していたことを挙げる。しかもチャーチやキッシンジャーが日本政治家の中で最も警戒していたのが田中首相の資源外交だったと言う。
 田中の首相時代の秘書官(通産省出向)の小長啓一(現アラビア石油社長)が田中事務所にこの論文を持って現れたので、田中に見せると田中は「そうだよ」と言ったと佐藤昭はその著に書いている。
 田中は、最後までロッキード事件の無罪を言い続けたのも、このような国際陰謀の気配を感じていたからかもしれない。 
 同じく陰謀説では、清水馨一郎(千葉大名誉教授)『破約の世界史』(祥伝社刊)の中の「ロッキード事件の知られざる真相」で次のように書いている。
 「ロッキード社の副社長コーチャンが、航空機売り込みと称して、世界中に金をバラ撒いたように見せかけて、その実、金をニクソンの選挙資金に献金したのがウオーターゲート事件の一端だった。(略)田中をはじめ被告が無罪を主張し続けたのに『コーチャンが金を渡した証言しているではないか』と何の証拠もないのに全員有罪にしてしまった」
 ウオーターゲート事件とロッキード事件がどうつながるのか、また資料の出所も明らかでない。およそ学者の論文としてはお粗末極まりない内容だが、巷間伝えられる陰謀説の内容も、大体この程度だと思えばよい。

◆堀田元特捜検事は陰謀説を全面否定

このような陰謀説に対し当時、ロッキード事件を立件した検察側はどう見ているのか。東京地裁の第一審判決で田中有罪を勝ち取った立て役者、元東京地検特捜部検事堀田力は、私(増山)の質問に全面否定で答えている。丁度、堀田がロッキード事件の内容を扱った『壁を破って進め・私記ロッキード事件』(上、下)を講談社から出版した直後の九九年六月二十八日、日本記者クラブでの懇談会の席上でのやりとりである。
 私の質問は「ロッキード事件について今なお、政界の一部などではユダヤやCIAなどの国際陰謀説が根強いが、本書では一言も触れていない。全くなかったと見てよいのか」と言うものだが、堀田の回答は次のような内容だ。正確を期するため詳しく引用する。
 「全くありません。それはためにする議論だ。田中さんは人気のある政治家だから、いろいろな言い方がされる。そのなかの一つに国際陰謀説があるわけだ。
 しかし、そもそも田中さんをおとしいれる利益が何で、誰がやったのか。陰謀して何の得があるのか。(田中さんが)日中国交回復したからだという訳の分からないものもあるが、そんなものが陰謀の原因になるとはとても思えない。もし、陰謀があれば、もっと巧みに仕掛けて罪に落とす。司法に巻き込むような面倒なことをしなくとも、追放する手はいくらでもある。そういう形跡は全く見られない。ロッキード社が非常に抵抗したが、もし陰謀なら、もっと協力して、もっと早く捕まえられるように証拠をきちんと出したと思う。(五億円の授受を)ロッキード社も田中側も必死で隠していた。陰謀だったら、もう少し捜査がやりやすかった。」
 確かに堀田の言うように当時、コーチャン副社長は日本の捜査当局に非協力だったし、結果的に「司法取引」の”禁じ手”を使わざるを得なかった。一方、キッシンジャー長官など当時の国務当局は日米同盟への悪影響を配慮してこの取引にかなり抵抗していた事実がある。こう見ると米側が田中個人、あるいは日本国をこの事件でおとしいれようとする陰謀説はは大分怪しくなる。

国際陰謀はなかったが・・・

ならば、陰謀は全くなかったかと言うと、必ずしもそう言い切れないフシもある。今、事件の内容に立ち入る余裕はないが、当時の国際状況を振り返ると、複雑な構図が浮かんでくる。七三年の第四次中東戦争の結果、アラブ産油国は石油減産を発表し、西側諸国に石油禁輸政策を採った。一バレル二ドルの原油が一挙に四十ドル近くまで急騰した。いわゆる第一次石油ショックだ。当時の田中内閣の下、「列島改造」で物価急騰が始まっていたが、これに追い打ちをかけたのが石油ショックだった。トイレットペーパーがスーパーの棚から一斉に姿を消すなどパニック状態になった。田中内閣は同年十一月、アラブ寄りの「中東政策」を発表、また田中内閣の副総理兼環境庁長官三木武夫を中東八カ国へ歴訪させた。これが後に「油乞い外交」と言われたものだ。日本はこの経験に懲りて以後、米国追随の中東政策の軸足をイスラエルからアラブ諸国に移し始めた。同時に「日の丸石油」(民族系資本)開発に力を入れた。このような田中内閣の資源外交をイスラエルやその背後に控える国際ユダヤ資本が苦々しく思っていたことは想像に難くない。もちろん、彼らが陰謀を巡らしたという証拠はない。だが、そんなことを考えさせる国際的雰囲気があった。このことが庶民の英雄・田中に対する同情心と相まって「陰謀説」が、一人歩きした真相ではなかったか。(了)


















































(私のコメント)
1月2日のたけしの正月特番で「ビートたけしの戦後七大事件」の陰謀説を紹介していましたが、テレビを見ていてこんな事をテレビでやって大丈夫なのかと言う心配するほど、大胆な仮説を紹介していた。中にはとんでも説もありましたが、「田中角栄失脚は米国のワナ?」では、株式日記の読者では陰謀であると前から知っている事実ですが、テレビでは信じられない視聴者がほとんどだろう。

しかし映像としてこのように証拠物件が示されて、文明子の著書においてキッシンジャーのインタビューではっきりと答えているのだから、陰謀ではなく事実なのだ。しかし番組では胡散臭い事件を取り混ぜているので、どうにでも誤魔化せるように番組を編集していましたが、キッシンジャーならあれくらいの陰謀は朝飯前だろう。

ビートたけしは年末年始になるとこのような特番をよく放送していますが、お笑いバラエティー番組だからこそこのような番組を作ることも出来るし、報道番組としてはとても扱えない内容だ。株式日記にしても個人のサイトに過ぎないから、陰謀説を紹介しても何の影響力も無いから無視されていますが、事実を積み上げていけば陰謀説から事実であると解釈されることもあるだろう。

アメリカ政府にしても田中角栄をこのように失脚させた後は、日本の政治家では誰もアメリカに逆らわなくなり、中曽根総理や小泉総理を見れば分かるようにアメリカべったりの外交をしていればいいという総理大臣ばかりになり、日本の国益よりもアメリカの国益を優先する総理大臣ばかりになった。

もはや日本国民はアメリカの植民地としてやっていくしかないのだろう。田中角栄でも出来なかった日本の自立はもはや不可能なのだ。日本の政治家や官僚たちを責めても仕方のないことであり、日本国民は3S政策によって完全に白痴化されてアメリカの陰謀が明らかになっても誰もなんとも思わなくなっている。

日本国民はアメリカのために働いて税金を納めて、その多くがアメリカに行ってしまう。だから90年以降の日本経済はアメリカに血液を吸われてフラフラになりながらアメリカのために働いている。しかし植民地だからアメリカ大統領の選挙権はなく、森田実氏言うように日本はサイパン化されているのだ。自衛隊も日本のためではなくアメリカの為に命を捧げて戦わなければならないのだろう。

自民党の社会主義者、田中角栄は戦後日本政治の中で唯一政権奪取に成功した革命家なのだ。12月17日 株式日記



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