NHK50周年記念テレビドラマ 「川、そして海へ」(第三話)



第三話は倉本總脚本のテレビドラマですが、私は「北の国から」はほとんど見ていない。何度もいうように映画やテレビドラマが途中でコマーシャルが入り、映画もドラマもズタズタになって、とても鑑賞に堪える雰囲気ではなくなってしまうのだ。だからレンタルビデオ屋でもテレビドラマをDVD化したものを置いているが、「踊る大捜査線」や「やまとなでしこ」などはいつもレンタル中で、なかなか借りられない。「Xファイル」や「ツインピ−クス」などもテレビよりもレンタルビデオで見ました。

自宅でビデオ取りしてもコマーシャルが入り、コマーシャルを抜きに出来るようなダビングをしてもやはり途切れること自体はどうしようもありません。それは製作しているスタッフが一番感じていることでもあり、NHKのテレビドラマと民放のテレビドラマとが質がぜんぜん異なってしまうのは当然なのだろう。「北の国から」も出来たらNHKのハイビジョンで見たかった。

NHK50周年記念ドラマ「川、いつか海へ」のホームページ


(私のコメント)
第三話はエリート建設官僚(柳葉敏郎)と結婚した妻(小泉今日子)が、夫の転任に伴って妻の故郷に帰ってくる。そこにはかつての恋人だった彼(椎名吉平)がいたからだ。娘もいたから夫は単身赴任でもよかったのだろうけれど、親子揃って赴任してくる。悦子(38)は懐かしさで吾一に会いに行くが、20年ぶりに会った彼はかつての彼ではなかった。

故郷はダム建設で賛成派と反対派の二つに別れ、吾一は反対派のリーダーだった。官僚の夫である雅彦はダム建設の推進のために赴任してきた。娘も小学校で反対派の子供達のいじめにあい傷ついて母と娘は東京へ帰ってゆく。雅彦は反対派のリーダーの吾一に立ち退きの対象から外すことで反対派の分断を図り、ダム建設は着工されてゆく。

一時間のドラマにダム工事をめぐる社会問題と、高級官僚の夫とかつての恋人との愛の葛藤と、子供たちのガラス玉をめぐる出来事が絡まっているために、ストーリーが掴みづらく描写不足の感じがする。二時間ぐらいのドラマだったらちょうどよかったかもしれない。豪華な役者を揃えたのだから悦子と雅彦と吾一の淡い三角関係を中心に描いたほうがよかったと思う。

エリート官僚の夫を持つ悦子は何一つ不自由のない恵まれた生活を送りながらも、かつての恋人が忘れられず、心の隙間は埋めきれないでいた。夫の雅彦もかつての吾一との関係を知ったせいか、それとなく探りを入れてくる。仕事一筋の切れ者の夫との打ち解けない関係は、二人の会話から察せられるのですが、妻の悦子はますます心の中に閉じこもってしまう。

ハイビジョン用に撮影された日本の田舎の風景は誠に美しく、都会の子供たちはこのような風景を知らずに育ってゆく。観光旅行やハイキングで山奥へ行くことはあっても、そこへは戻ることはできない。わずかな農業とダム建設の公共工事しか仕事はない。そのために野山を切り崩してダムを建設するというのは、美しい国土を破壊して人々の心も破壊してゆくことを、ドラマは訴えたかったのだろう。




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