株式日記と経済展望



ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


管 直人 著 「大臣」

7月7日
テレビを始めマスコミは「投票しましょう」と棄権防止を呼びかけています。しかし何故投票率が年々低くなってきているのか分かっていないようです。有権者に「何故選挙に行かないか」と聞いたところで、漠然とした答えしか返ってきません。有権者はたとえ選挙に行ったところで何も変わらない事にしらけてしまっているのです。誰が総理になろうと、誰が大臣になろうと、どの党が与党になろうとたいして政治は変わらない事を有権者はうすうす知っているのです。

岩波新書の 管 直人 著の「大臣」と言う本を読めば、何故政治が変わらないかが分かります。内閣の閣議そのものが空洞化しているのだ。閣議と言っても大臣同士の議論は行われず、単なる書類のサイン会になってしまっている。本の中でも「・・・以後は、事務の内閣官房副長官が案件を説明、法案と制令については内閣法制局長が説明するのだ。・・・書類は総理から始まり、次から次にくる。いちいち中身をチェックする事も出来ない。ましてや、その内容をしっかり読んで確認するなど、とても不可能だ。・・・この間、10分から長くて15分。これが、閣議のすべてである。・・・閣議には議事録も無い。これは明治からの慣例だと言う。そもそも議事が無いのだから、必要ないと言えばそれまでだ。」と書かれています。

さらに「この事務次官会議には法的根拠は何もない。慣例で開かれているにすぎない。・・・ところが、現実には、事務次官会議が国の行政の最高意思決定機関となっている。それは事務次官会議で全員一致で賛成したものしか、次の日の閣議に上げられる事はないからだ。・・・更に言えば、そもそも事務次官会議もまた、最終調整のセレモニーになっている。」と書かれています。何故政治が変わらないかお分かりでしょう。

株式相場は低位株の上昇が目立ちます。6月29日に「低位株相場が始まるか」と書きましたが、そのとうりの展開になってきています。このままほうっておいたらみんな外人に買い占められてしまうことに気が付いて、自社株買いで応戦しているのでしょうか。しかし飛びついて買わない方が良いと思います。まだまだ相場は始まったばかりです。


土地と株式を相続税の対象から除外せよ

7月6日
参議院選挙で最後の日曜日と言う事で、駅前にも候補者が来て演説していました。しばし聞いていましたが私も同感の事ばかりです。しかし彼が当選して議員になったところで、どれだけの仕事が出来るでしょうか。無所属では6年間無駄になるだけだし、与党にくら替えしても今度は彼に投票した人たちを裏切る事になります。今度の候補者の中では見識のある人だけに、在野で政治活動した方が良いと思うのだが。

現在の政治家は選挙で勝つ事だけが彼らの仕事で、本来の仕事である法律を立案する能力のある人はほとんどいません。彼らは各委員会で審議はしますが、その中で議員立法されたものはほとんど有りませんでした。つまり立法行為すら役人任せで、あとは党議拘束で票を入れるだけです。だから地盤、鞄、看板を引き継いだ無能な世襲議員でも議員が勤まるのです。

野党は何処も減税のオンパレードです。与党すら恒久減税を言い出しています。どうせ選挙期間中だけで、選挙が終われば大蔵省の主計官達の言いなりになるだけでしょう。選挙の投票率が年々低下しているのも、実際に政治は役人に牛耳られており、誰に投票しようと選挙は茶番である事を知っているからです。

加藤幹事長も言っていたらしいのですが、去年までは役人任せで、役人に「経済は大丈夫か」と聞いても「大丈夫です」と繰り返し、しかしながら不良債権権の額も大蔵省は把握していなかったらしい。金融管督庁が出来て慌てて問題銀行の不良債権を調べています。大蔵省は今まで何をしてきたのだろうか。

野党の主張する減税もピント外れだと思います。所得税や消費税の減税ばかりが議題となっていますが、現在の経済危機の解決法は土地税制と証券取引関係の税制を改める事に有ると見ています。分かりやすく言えば土地と株式を相続税の対象から外せと私は主張したいと思います。相続税は歳入の4%でしかありません。相続税こそ資産再配分思想のもたらしたものだ。


ルービン経理課長はクビか

7月5日
ルービン米財務長官はウォール街出身の人間であり、ウォール街からしか世界が見えない人間なのでしょうか。「強いドルは米国の利益」との発言を繰り返し、ドル高を煽ってきました。それはルービン長官自身がウォール街の危うい状況を一番知っているからでしょう。ドル高で維持された株式市場や債券市場が崩れてしまう事を恐れるあまりの口先介入だったのでしょう。

しかし口先介入も、先月半ばの議会証言で「介入は短期的な効果しか持たない」と発言するや、日本だけのみならずアジアを通じて、ウォール街までもがその発言に驚き暴落してしまいました。そればかりでなく、今まで「人民元の切り下げはしない」と国際公約して信頼してきた中国政府までもが、アメリカの為替政策に批判を始めた事です。これはルービン長官の計算外の事だったのでしょう。

さらに訪中を控え、政治問題化する事を恐れたクリントン大統領の方から協調介入の指示が出され、それが劇的効果をもたらし、為替相場のみならず、世界の株式相場は大歓迎をして急騰しました。これでルービン長官の口先介入のやりすぎが証明されました。つまり世界はこれ以上の円安を望んでいないと言う事がはっきりと証明されたのです。

国際金融資本家から見れば、クリントン大統領は会社の営業部長でしかありません。ルービン長官は本社の経理課長です。国際金融資本家から見れば、資本主義社会を更に発展させる為にも、中国の勤勉な13億の労働者は必要です。その中国を資本主義社会に引きずり込む為に、営業部長を派遣したのですが、なんとか足掛かりは出来たようです。韓国、台湾を始めアジア諸国の人件費が急騰してしまい、会社経営の為には、なんとか安くて勤勉な労働者を採用する必要に迫られているからです。

橋本日本支店長は経理に暗く、放漫経営の後始末が出来ないようなので、本社の経理マンを派遣して、本社と同じ情報化投資をして経理を改革させなければなりません。


株式投資の黄金時代がやって来る

7月4日
最近ではかなり本格的な株式投資のホームページが次々と登場してきました。やはり業界関係の経験が生かされて、素人の私にはとても及ばぬ優れた内容の力作が有ります。私には情報源としては新聞とテレビニュースぐらいしかないのですが、業界にいらした方々は有形無形の情報源が有り、それが次々とホームページとなって提供されるようになりました。

最近の証券業界もインターネットが本格的に営業に取り入れられるようになったためと思われます。アメリカではインターネット上だけの証券会社が有り、既存の証券会社を脅かす存在となっています。ビックバンが日本でも本格化した場合、異業種からの新規参入で無店舗のの証券会社も登場するでしょう。2,3年先の証券業界はどのように変化しているか、とても想像できない姿に変わっているかもしれません。

今までは会員制度と許認可制度で会社はあぐらをかいていましたが、これからは実力のある個人の時代がやってくると言う事でしょう。投資顧問業は個人向きの業種であり、インターネットを利用した営業はまだ試験段階でありますが、2,3年後には有料の会員制度の顧問会社として本格的になっていると思います。その下準備としての株式投資のホームページが次々と登場してきたのでしょう。

私が株式関係のホームページを立ち上げた頃は、金融危機で株は暴落し、証券会社は次々と廃業し、株式関係のホームページも次々と消えていった頃です。しかし今こそ株式投資を始める絶好のチャンスである事を主張せんがために、個人的に書いていた株式日記を去年の10月頃から公開宣伝するようにしました。チャートを見ても何とか大底を脱し、これから10年ぐらいはダウ10万円を目指した株式投資の黄金時代が来るでしょう。


要注意債権処理法私案

7月3日
アメリカではデフォルト(債務不履行)が発生した際の対処法も、日本の常識では考えられないような手法が有ります。その代表がDPO(ディスカウント・ペイ・オフ)と呼ばれる手法です。DPOは、債務者に支払不能もしくは遅延が発生した場合に、その債権を割引価格で債務者に買い取らせるか、別の金融機関に借り換えをさせる方法の事で、アメリカの不動産ローンでは頻繁に使われる手法です。キャッシュフローが確保されている収益不動産であれば、借り手がデフォルトを起こしても、貸し手はDPOを使って、なるべく通常の返済に近づけようとします。

アメリカの金融機関の考え方は、不良債権が発生する原因が、主に担保物件から得られるキャッシュフローが何らかの原因で減少し、ローン返済金額を下回ってしまうことからくることに着目し、キャッシュフローで返済が賄えるレベルまで元本を減額する事さえ認めてやれば、減額後のローン返済は継続できるはずだと言う事が前提に立っています。

つまり、貸し手側が債権を一部放棄する事にそう難色を示さない事が前提条件になります。アメリカでは、デフォルトを発生させるくらいなら、元本を減額してでも支払いを継続させた方が、債権者にとっても、債務者にとっても都合がいいと言う考え方をするのです。

アメリカ流のDSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)を重視するファイナンスでは、物件が生み出すキャッシュフローを上回る返済額の融資はありえませんので、与信の段階から手仕舞いの段階まで、キャッシュフローを重視する点において整合性がとれていると言えるでしょう。

以上は総合法令社の井出保夫著「不動産投資革命」より引用させていただきました。


アメリカの対外純負債爆弾が爆発する

7月2日
30日に米商務省は国際統計を発表しました。それによると世界最大の借金国であるアメリカの97年の対外純負債が前年より78%増の1兆3225億ドルと言う事が明らかになりました。97年末でアメリカの対外資産は前年比15%増の5兆71億ドルに上がったが、外国からの対米投資残高が24%増の6兆3296億ドルと大きく膨らみ、差し引きの対外純負債が拡大しました。

さらにドル高などでアメリカの貿易収支が悪化、経常赤字が昨年は史上二番目の1552億ドルに達した事も明らかになりました。このような事をアメリカはいつまでも続けられるはずが有りません。外国からの対米投資がストップした時、負債の爆弾が破裂します。とても恐くてドル債投資は出来ません。

FRBは30日、各銀行に対し、融資に当たって審査基準を順守するよう求める書簡を送った事を公表しました。都市部の不動産価格が上昇するなどバブルへの懸念も高まっている為、バブルの未然防止とともに、銀行経営の健全さを確保する狙いが有ると見られています。さすがにFRBは、MOF坦の接待漬けで腐れきった日本銀行とは違います。最近の日銀の日本経済に対する感度の鈍さには呆れます。少しはFRBを見習って欲しいものです。

株式相場の方は、外人買いで大商いで、出来高は8億7600万株で532円高です。メリルリンチ証券の日本での営業開始と関係が有るのでしょうか。29日に「低位株相場が始まるか」と書きましたが、ダウに比べ単純平均の下げがきつかっただけに、それを修正する動きが出てもおかしくありません。昨日は大型低位株が注目の的でした。


住友銀行のモラルハザード

7月1日
住宅金融債権管理機構(中坊公平社長)が30日、住友銀行を相手取り総額48億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。住管機構によると、銀行に紹介責任がある134件の内、住友銀行が72件で突出していた事が判明。今年2月から交渉していたが、同行は住専の自己責任を唱え、裁判で敗訴した場合だけ責任を負う姿勢を崩さなかったため決裂し、特に違法性が強い3件について提訴に踏み切りました。

住友銀行の頭取さんに申し上げたいのですが、信用が命の銀行は大衆からの支持を失ったらお仕舞です。最近の銀行の頭取の倫理観や責任感の欠如は甚だしく、中坊社長は「住友銀行だけでなく、全金融機関の倫理とモラルを問うものだ。」と言い、さらに「裁判に問われなければ責任を取らないと言うのはまさに危機感の欠如」と指摘しています。

この裁判の意味は、公的資金30兆円が投入されつつあるとき、中坊社長は「金融システムの為に住専とはケタ違いの公的資金が投入されようとしている今、銀行が何をしてきたかを問いたい。」と述べています。もしこの裁判で住友銀行が敗訴すれば、日本国民の30兆円にのぼる税金負担の恨みを住友銀行は一人で背負うことになりかねませんよ。住友銀行の頭取さん、それでも良いのですか。

借り手の年収を実際より多くごまかした。融資金が株の仕手戦に使われる事を隠した。融資先の経営不安を知らせなかった。これらの事実が裁判情報の公開によって司法に国民の声を反映し、提訴されていない他の紹介融資にも適用できる銀行の法的責任を問いたいと思います。


金融敗戦処理にGHQが必要だ

6月30日
今井経団連会長は、29日の外人記者クラブで住友信託と長銀の合併問題に触れ「長銀が債務超過でないのなら通常の合併に当たるので、すべての債権債務を継承しなければおかしい」と述べ、不良債権を含めて引き受けるよう求めました。住友信託側は「長銀の正常債権だけを引き取る」と述べています。

今時不良債権ごと合併を引き受けてくれる銀行など有りません。もし長銀が自主的に不良債権を分離して処理出来なければ、この合併は御破算になるでしょう。それとも、この住友信託と長銀の合併話は、単なる「受け皿銀行」が出来るまでの時間稼ぎなのかも知れません。

マレーシアを訪問中のルービン米財務長官は、この合併問題に対し「はっきりしているのは世界の市場が今回の対応の仕方を非常に注目している事だ」と語り、この問題で米国の財務省やFRBが日本の当局者とすでに協議したと言う事です。この事からも日本の真の大蔵大臣はルービン長官であり、大蔵省は米財務省の出先機関のようなものです。

何故この様になるかと言うと、日本には不良債権を処理するノウハウが無く、経験も有りません。「受け皿銀行」と言っても、新規融資の審査や、再建計画や、債権を他の銀行に売却する知識や経験者が必要です。さらに債権を売買する市場も育っていません。こうなるとアメリカの経験者をスカウトしてくるしかありません。

株式市場は仕手株の火柱が林立しています。私の持ち株にも仕手化するものが有り、戸惑っています。これだけ低位株が売り込まれた後だけに、ちょとまとまった買い物が入ると値を飛ばしやすい環境のようです。


低位株相場が始まるか

6月29日
昨日の「サンデープロジェクト」のなかで田原氏が指摘していましたが、長銀の合併先をめぐって、日本の1,2を競う大新聞数紙が一面トップで大誤報を報道していました。東京スポーツなら新聞のキャラクターとして許せますが、新聞業界のモラルも金融業界と対して変わらないようです。たぶん当局の要人から仕入れたニュースなのでしょうが、もはや当局は当事者能力を失っており、かつての絶大な指導力を持つ時代は終わりました。新聞業界もMOF担を廃止すべきでしょう。

このように新聞記者はじめ、マスコミ関係者、業界関係者は情報の入り乱れる中を、裏付けを取らぬまま情報を報道し、またそれをいい事に意図的な偽情報を流す連中がいます。こんなこんな事になってしまったのも非常事態にもかかわらず無策の策を続ける橋本政府に有ります。受け皿銀行も2日にならないと具体的な事は決まりません。住友信託も条件が通らなければ合併は御破算でしょう。

相場の方は不良債権の処理の道筋が付いた事を先取りした動きとなっています。状況的には12月頃の状況と似ており、大銀行の倒産騒ぎや円安によるアジア通貨危機など厳しい状況です。ですから二桁銘柄を仕込んでおけば一相場有るかもしれません。98年春先のように低位株はかなり売り込まれており、これからの夏相場で低位株相場が見られるかもしれません。

94年のダウ2万円に対し単純平均は1100円でした。現在はダウ15000円で単純平均は600円です。ダウが25%の下げに比べ単純は50%近い下げです。最近の動きを見ると5月からダウは16000円から1000円下げましたが、単純は600円前後で下げてません。低位株の方が上げ余地が有ると見ています。


住友信託と長銀の合併は成功させよう

6月28日
中国を訪問しているクリントン大統領と、江沢民主席との会談後の記者会見で、円安問題で「多くは日本政府と日本国民にかかっており、日本は正しい決定をしなくてはならない」と述べ日本が金融改革などを早期に実施するよう異例の注文を付けました。その反面「中国は人民元を切り下げない事でアジア地域全体に貢献している」と述べました。

会談全体を見ても、天安門事件や台湾問題においても、今までの双方の見解を繰り返しただけのものでした。友好を深めるためと言うより、中国に人権問題の楔を打ち込み、民主化を迫り、究極的には91年のソ連解体のような共産中国解体を謀るための下準備と見ています。その為には円安が脅しの切り札になります。なぜならば中国は経済開放の深みにはまり、経済が崩壊すれば中国そのものも崩壊の危機に立たされます。そうなれば台湾、香港、チベットのみならずいくつかに分離独立目指す動きが、中国各地で起こされる事でしょう。

さて日本の不良債権問題ですが、住友信託と長銀の合併問題が上手くいくかにかかっています。拓銀が潰れたにも関わらず、日本の銀行業界の再編成は進まず、結局は市場による淘汰に任され現在に至っています。合併が上手く行くためには全面的に住友信託の要求を呑むしか方法は有りません。このように一方的な吸収合併による対等合併方式の銀行淘汰が進められる事により、不良債権問題は片付く事でしょう。

もし出来なければ、長銀の次の何処かと言う魔女狩りが行なわれます。ヘッジファンドは問題銀行から極秘資料を入手しているらしく、集中的に標的銀行を定めて、市場に情報を流し売り浴びせてきます。ですからぜひとも住友信託と長銀の合併を成功させ、再編成のモデルにしなければなりません。


未来を切り開く天才的人物待望論

6月27日
住友信託と長銀は、来年4月を目処に両行が合併する方向で基本合意しました。しかしながら不良債権処理の取り扱いをめぐって両行首脳で隔たりが目立ちます。拓銀と道銀の合併の時も合併に合意しながら、リストラや不良債権処理で食い違い御破算となりました。長銀もこの失敗を繰り返さない様に、リストラと不良債権を自分達で処理してから合併に進んで欲しいものです。

政府は円安の協調介入の時も、無策の策で対応しましたが、長銀問題も無策の策で終始しました。受け皿銀行の大枠すらまだ決まっていません。政府も銀行業界も当事者能力を失っており、まさに日本の金融界はダッチロール状態を続けています。このまま金融界は御巣鷹山に墜落していくのでしょうか。そう言えば自衛隊はもう生存者は居ないだろうと言う事で翌朝まで出動しませんでした。阪神大震災の時も対応は遅れました。

このような非常事態に対応する能力は、もともと日本政府には無いのです。非常事態はない事を前提に日本政府は成り立っているのです。非常事態の対策を考える事すら先延ばし状態です。日本には優秀な人は沢山います。しかしその優秀な人を生かすシステムが出来ていません。追いつき追い越せの時代にはそのシステムが無くても機能しました。

これからはどのような問題が起き、どのような対策を打つべきかを考え、何通りものシナリオを用意しておく、シンクタンクと言うか研究所を作る必要が有ります。金融機関にはシンクタンクを名乗る所が沢山有りますが、バブルにしろ円高円安の問題にしろ何一つ予測も対応策も出来ませんでした。頑張っているのは野村総研のリチャード・クー氏と、個人では堺屋太一ぐらいしか名前が思い浮かびません。アジアの経済危機も最初に予測したのはジョージ・ソロスであったように、これからの時代に必要とされているのは、個人の天才的頭脳だ。


ナビックスラインの株主総会に出席

6月26日
長銀の株がいよいよ昨日50円になりました。株主総会も昨日開かれ、株主からさまざまな厳しい発言にも決意表明だけでお茶を濁す答弁に終始し、「あらゆる可能性の中からベストの道を探って行きたい」と述べるに留まりました。しかし今ごろ相談役制度を廃止する程度のリストラではお話になりません。結局のところ北海道拓殖銀行と同じコースを辿って、合併先も見つからないまま市場から退場するしかないのでしょうか。

本日は定期株主総会の集中日と言う事で、私も毎日株式のホームページを書いている関係もあり、ナビックスラインの株主総会に行って来ました。株主総会に出席するのも始めてなのですが、まさに絵に描いたような典型的なしゃんしゃん総会で、質問も無く25分で滞りなく終了しました。

ナビックスラインの株主総会は平河町の海運ビルで行われるので、自宅からドアツードアで30分もかからぬ所です。国際会議場で行なわれたのですが、立派な会議場でひな壇に30名ほどの役員が並び、株主の出席は89名でした。私が一番最後に来て89番の番号札を貰いました。二千株ほどの株主なので大人しくしていましたが、私が大株主なら、映画の「ウォール街」のマイケル・ダグラス並みのマイク片手に大演説をぶつところですが、二千株では総会屋に間違えられるのが落ちです。

ナビックスラインは去年200円前後で買ったのですが、本日は前場終値で83円です。そろそろ本格的な買い場ではないかと思います。海運株は国策会社でもあり、どんなに株価が下がっても潰す訳にもいかないでしょうし、一発勝負で相場を張るには手ごろな株価だと思います。去年の12月24日に71円を付け、1月29日に142円を付けました。1ヶ月で倍増も夢では有りません。(但し株式は自己責任でお願いします。)


証券会社よさようなら投資顧問よこんにちは

6月25日
昨年11月に会社更正法の適用を申請して倒産した三洋証券が、ついに誰も営業譲渡の引き受け手が無く、会社清算に入るようです。日本上陸を狙っている外資にしても、お荷物付きで買収するより、メリルリンチのように山一にきれいに清算してもらって、まったく新規に従業員なり店舗を取得した方が良いに決まっています。それにしてもあの体育館のような大トレーディングルームは、これからのコンピューターネット時代に逆行したものです。

投資顧問会社の投資契約残高が60兆円を超えました。旧来の手数料稼ぎ型の証券会社は次々と消えて行き、金融のノウハウを売る投資顧問会社が大きく伸びています。この様に証券業界はビックバンが着実に進んでいます。企業の規模やブランドは通用しなくなり、個人の実力が問われる時代となりました。

私も大学を卒業した時に証券マンになろうと思ったのですが、ノルマ経営が嫌で銀行に就職した訳ですが、そこでもノルマ経営が行われるようになり転職しました。ノルマ経営と言うのは、自分さえよければ良いとか、モラルに反した事をしてでもノルマを達成しようとする人が多くなります。それでは会社自体が反社会的な集団となって行き、金融不祥事が続出する原因となりました。

それでは個人個人が実力を付けるにはどうすれば良いかと言うと、自分で判断する習慣を付ける事です。自分で判断するためには、当然勉強をしなければなりません。20代30代で勉強したかどうかが40代50代で結果となって現れます。くれぐれも会社人間に成らず自分を見失わない様に若い人に期待します。


国会議員の世襲を禁止せよ

6月24日
円がまたじりじりと下げ出して139円台です。株も月曜は長銀対策のPKOの買いで少し上げましたが、昨日は254円の下げです。チャートを見ても上昇トレンドへの変化は見られません。ただし日銀がじゃぶじゃぶと資金を市場に供給しているせいで、債券金利がじわじわと上昇しています。本来の資金供給している地銀等が資金を出さないために、都銀の一部に資金がタイトになり、日銀がカバ−してるかたちです。

テレビのニュースでは報道管制が引かれているせいで、報道されていませんが、長銀の支店に行くとロビーは満員で玄関まで人で溢れています。不安を煽ると言う事でしょうが、これではマスコミすら信用されなくなり、口コミしか信用しなくなるでしょう。

政府並びに当局は大手都銀と合併すればと考えていたようですが、昨日表にしたとおり上位都銀ですら自行の不良債権処理だけで手一杯なのです。慌てて政府は受け皿銀行作りを始めましたが、まだ具体策は決まっていません。このようなじたばた振りが市場の不安を煽り、他の銀行にも波及しかねません。当面は泥縄式で行くのでしょう。

本来政治家は法律を作るのが仕事のはずですが、それは官僚任せで、選挙活動そのものが政治家の仕事でした。つまり政治家はは結果的に何の仕事もやってきませでした。内閣ですら事務次官会議で全会一致した議案しか閣議の議題に上らなかったのです。つまり国会議員は何も出来ない、何も知らない人物でも選挙さえ当選すれば良い存在なのです。今国会議員は世襲化され無能議員が溢れています。総理大臣すら世襲議員だ。


銀行は不良債権の金額を公表せよ

6月23日
今日の長銀株は昨日の空売りの買い戻しが入り高くなっています。しかしすでに長銀債の発行は事実上不可能だろうし、その反面債券の解約は、いくら政府が保証すると言っても増え続けるでしょう。受け皿銀行が出来るまで生命維持装置で長銀は命を長らえる事になるようです。大蔵省筋では「すでにいろいろとメニューを渡してある」として長銀自身の判断に委ねてあるようです。

先日来日したサマーズ米財務副長官は政府・党首脳に「ハード・ランディング」という言葉を使い、日本政府が主導して銀行の整理・再編を進めるように迫りました。しかし昨日の政府の対応からすると銀行の選別は市場の淘汰に任せるつもりのようです。それまでの間はさまざまな憶測情報が流れ、不良債権の情報開示が進まぬまま第二の長銀を探す動きが続くでしょう。もっともまずいやり方です。

20日付け日刊ゲンダイに出ていた都銀9行の不良債権への体力の表は以下のとおりです。

A(97年3月)
B(98年3月)
C(A−B)
D(8%基準)
E(98年3月)

引当対象債権
引当金
実質不良債権
償却余力
公表不良債権
富士
2兆2000億
9049億
1兆2951億
1兆2666億
1兆6927億
住友
3兆1000億
1兆1140億
1兆9860億
1兆5565億
1兆4691億
東京三菱
3兆4000億
1兆3178億
2兆0822億
2兆2592億
2兆2501億
三和
2兆4000億
8518億
1兆5482億
1兆5983億
1兆2875億
第一勧業
3兆3000億
1兆0143億
2兆2857億
1兆6439億
1兆4713億
さくら
4兆3000億
9299億
3兆3701億
1兆0157億
1兆4754億
東海
1兆8000億
7142億
1兆0858億
1兆0485億
1兆2216億
あさひ
1兆6000億
6136億
9864億
7712億
9946億
大和
2兆0000億
4483億
1兆5517億
3432億
9581億

Aは第3、第4分類に第2分類の引当対象分を加え、担保分を差し引いた額です。不良債権額が償却体力を大きく上回っている銀行は要注意です。しかしこの不良債権額の情報開示が不透明です。


「長いさようなら」の時代が来る

6月22日
長銀の合併先は見つかったのだろうか。株式市場もまだ開けたばかりで分かりません。合併先が見つかった場合、長銀の1兆3千億の不良債権は公的資金を活用して整理回収銀行が買い取るようです。もう単独でのリストラは手後れです。3月の長銀への2千億の劣後債の公的資金による購入は無意味になる事に成るでしょう。日本のもうだめな銀行は自主再建能力すらもう無いのです。そのような銀行は何行有るのだろう。

10時現在長銀は98円売り気配です。日債銀も128円8円安、大和銀行も200円を割りました。円相場も2円以上安い137円台です。先週末のG7Dで「早急な不良債権処理」を国際公約しました。世界は日本政府の取り組みを見守っています。これで早急な不良債権処理が出来なければ、日本政府自体が自主再建能力が無い事になりります。

これほど自民党政府が経済政策に失政を重ねているにもかかわらず、橋本総理がなんとなくのほほんとしているのは、14日の衆院熊本の補欠選挙で自民党が勝ち、これで衆院補選で6連勝しているからです。これほど経済に失政を重ねながらどうして自民党が勝つのか不思議です。日本国民の経済に対する危機意識は私やマスコミが騒ぐほど感じてはいないのだろうか。たぶん7月の参院選挙も自民が勝つのだろう。

今朝のNHKのニュースのコラムで解説者が言っていましたが、CIAの調査によるとGDPはアメリカが約7兆ドル、中国は約3兆ドル、日本は約2兆ドルで、驚く事に日本より中国の方がGDPが大きいそうです。私も信じられないのですが、なんかの間違いではないだろうか。しかしこれが本当だとすると日本は静かに衰退の道をたどっていくのだろう。ピーター・タスカ氏の本に書いてあるとおり「長いさようなら」の時代が訪れる事に成る。日本人は改革より和を尊ぶ民族なのだ。


政府は今日どのような決断を下すのだろう

6月21日
昨日G7・アジア蔵相会議が開かれ、日本は「不良債権問題の早期処理を緊急課題として真剣に進める」と決意表明しました。国民世論も「経営が悪化した金融機関の整理、破綻について71%が容認」している事が日本世論調査会が6,7日の全国世論調査で明らかになりました。どうやら事態は急速に進みつつあります。

本日中に長銀と日債銀に何らかの動きが有るはずです。もしなければ明日の相場において、この二つの銀行以外にも投機的に売られる銀行が出て来るかもしれません。そして再び投機的に円売りが再開するでしょう。今のところ特に政府発表は有りません。

すでに超低金利政策による6年間の銀行救済政策はもう限界に来ています。ですから強制的な不良債権処理をする段階に来ています。優良銀行は自力で経営を立て直すでしょう。しかし問題銀行は待った無しに、どう処理をするのか明らかにしないと、市場の方で勝手に判断を下すでしょう。明日から市場の投機資金はその問題銀行に狙いを定めています。

もし来週中に問題銀行に対して、市場からの退場命令が出された場合政府はどのような措置を取るのか、今朝の「サンデープロジェクト」の加藤幹事長の話しからは見えてきません。サマーズが緊急来日した理由もそこに有るのだが政府は何をしているのだろうか。

金融帝国からの使者サマーズ

6月20日
サマーズ米財務副長官は18日に榊原財務官、19日に小渕外省、速水日銀総裁、額賀官房副長官、松永蔵相、さらに加藤幹事長、山崎政調会長、宮沢元総理と会談しました。なぜこの様に個別に会談したかと言うと、これから行われる不良債権処理の問題についての根回しのためです。かなり強力な脅迫にも似た約束を取り付けるための各個撃破作戦です。

今年1月にもサマーズ氏はインドネシアを訪れ経済改革を迫りました。IMFからの400億ドルの金融支援を受けながら改革を渋るスハルトに最後通牒を突きつけました。結局スハルトの引き延ばし作戦は失敗し退陣に追い込まれました。橋本総理もここで引き延ばし作戦で問題を先延ばしすればスハルトの二の舞いになるでしょう。

これらの動きから見ても大蔵省の官僚は当事者能力を失っており、彼らによる護送船団政策は完全に否定されました。問題銀行の頭取は自分で経営危機を打開しなければ、市場によって抹殺される時代に変わったのです。長銀、日債銀その他2,3の銀行は自分で何らかの決断をしなければ、市場によって抹殺されるでしょう。

日本の金融機関は都銀から信用金庫にいたるまで、企業経営競争の何たるかを知りません。有るのは規模の拡大競争と、社員へのノルマ競争だけです。そのノルマ競争に勝ったものが経営者に成っている。だからどのようにリストラをすべきかを彼らに求めても無駄なのです。長銀と日債銀を合併させたところで経営を立て直す人材が居ないのだから無駄でしょう。もちろん大蔵省にも居ません。なぜなら彼らは社会主義者で市場原理が分かっていないからだ。


銀行もいよいよ年貢の納め時

6月19日
本来なら2000円高してもおかしくない材料が出たにも関わらずダウは646円高しかしませんでした。出来高は7億株で空売りの買い戻しだけの相場でした。一般投資家が買ってきたのなら10億株以上出来るはずです。当面の問題として長銀と日債銀がどうなるか、当面は不良債権処理がどう処理されるか目が離せません。

アメリカが協調介入に応じたのはあくまでもNY株が影響を受け大きく下げた事や、クリントン訪中を控え中国からの円安放任のクレームに対し貸しを作るためです。しかし円安に一応の歯止めがかかった事は確かでしょう。株安の方は不良債権処理が本格化する事で、銀行株を中心に波乱が予想されます。サマーズの来日も日本の金融機関に印篭を渡すための話し合いに来たのでしょう。

長銀も100円を割りました。米格付け会社も「投機的」なB1に格下げしました。山一証券の自主廃業する前の状況に似てきました。このままだと市場によって淘汰されるのかもしれません。政府ならびに大蔵省はこのような事態に対し、どう対応するのでしょうか。この目処がつくまで株は手を出さない方が良いでしょう。

不良債権問題はすでに92年の宮沢総理の時に公的資金を使って処理する案が出ましたが、大蔵省並びに銀行業界から責任問題化されるのを恐れ潰されました。95年の住専問題も、それ以前から法的な処理をとる事に対し、大蔵省は問題を先送りにしてきた結果、公的資金投入で決着されたごとく、銀行の不良債権問題は公的資金によって処理されるのでしょう。

政治家の不決断、役人の無責任、銀行業界の無知無能、が今日の金融危機がなかなか問題解決しない原因です。橋本総理にはせめて選挙後とは言わず今すぐに決断を求めなければならないし、役人は責任を持って業界を監視摘発し、銀行も有能な人材を登用してリストラに取り組む事が必要だ。


為替ディーラーはルービンの三味線に踊った

6月18日
日米欧の円買いドル売りの協調介入が17日午後9時から一斉に行われました。この数日で146円台から136円台までの約10円もの円高です。先週のルービン長官の議会証言で、一斉に円売りを仕掛けたディーラーは無事に買い戻す事が出来たでしょうか。大なり小なり殺られたはずです。為替相場は政治的思惑が絡むだけに非常にその動きを見極める事が難しい世界です。

私は中国が騒ぎ始めた時点で、クリントン訪中を来週に控え、円安を武器に中国対して交渉カードに使うのではないかと見ていました。思っていたよりも早く協調介入に踏み切った事により、クリントンは日本と中国に貸しを作った事になります。と言う事はルービン長官の発言は三味線だったのでしょうか。松永大蔵大臣の口先垂れ流し介入よりは、暴れん坊どもにキツイお灸となります。

日本政府要人が何を発言しても、米政府は動きませんでしたが、中国がクレームを付け始めたとたんクリントンは動きました。それだけ日本国民のみならず世界からも、日本の政治家は馬鹿にされているのです。山崎政調会長は「25歳の女」を深夜に議員宿舎に呼んで、景気対策を相談していたのでしょうか。私も「25歳の女」なら景気対策を相談したいものだ。これもクリントンにあやかっているのだろう。景気さえ良くしてくれるのなら、女遊びも許されるかもしれない。

サマーズ財務副長官が本日急遽来日します。恩着せがましく日本政府に不良債権の処理を急ぐように迫るのでしょうが、体力の弱っている銀行はいよいよ危なくなります。サマーズは最後の決断を松永大蔵大臣に迫るのだろう。


米政府と米議会は別物

6月17日
中国が日米による円安放置を批判し始めました。中国にとって日本は最大の貿易相手国であり、投資も香港からの投資を除けば日本からの投資が最大です。日本から見ても中国は2番目の貿易相手国で、投資先としても6番目になります。中国の輸出は5月に前年同月比マイナス1,5%となり23ヶ月ぶりの減少です。

「人民元は切り下げしない」と再三にわたり国際公約しており、ここで人民元を切り下げすれば日米の圧力に屈した事になります。また人民元を切り下げればそれだけ、今までの借金が膨らむ事になり、第二の韓国となりIMFの世話になりかねません。しかし下げなければ失業者が街に溢れ、政治問題化します。

米議会でもルービン財務長官を批判する動きが出てきました。サクストン上院下院共同経済委員会委員長は、ルービン財務長官の議会証言が「急速な円安を引き起こし、アジア危機の再燃につながった」と批判する声明を発表しました。米自動車工業界も「米政府はドル高・円安是正のため、他の主要八カ国と協調して市場介入を実施すべきだ」とする緊急声明を発表しました。

このような動きを反映してか、サマーズ財務副長官も急遽訪日して協議するようです。しかしこれも15日のNYダウが207ドルも下げたので、日米の円安共同謀議を再確認に来るためでしょう。米政府はルービン長官をはじめ国際金融資本グループの意志のもとで動いており、世界中から資金をかき集め続け、アジアの次はユーロからも資金を絞り取る動きが出てくるだろう。


アメリカ金融帝国主義は日中共同の敵

6月16日
新聞によると4月の証券投資による国外への資金流出額は3兆7378億円です。5月の約定ベースでも9000億円の資金流出となっています。これは日本の機関投資家が高利回り狙える外債などに資金を振り向けているのが最大の原因です。140円台のドル高バブル、NYの株バブル、米国債バブルで危険が一杯です。これでは生保に加入するのも考えものです。

NY株は15日も207ドル安です。香港、韓国等のアジアの株安がNY株、ヨーロッパ株に広がっています。日本の円安がアジア株の暴落の原因ですが、それでもアメリカは協調介入には協力しそうもありません。大蔵大臣も「断固たる措置を取る」と口先介入だけで、日銀も円安を野放しにしています。

中国国営通信、新華社は14日「日米はなぜ円安進行を放任しているのか」と題した分析記事を配信し、日米両国が自国の利益だけを考え、アジア経済の大局を顧みていない、などと非難しています。アメリカとしては香港のドルペッグ制を変動相場制に移行させ、中国元の切り下げ圧力をかけているのでしょう。

アメリカとしては、香港支配を強める中国に対する牽制の意味があるし、クリントンの訪中で中国自身の民主化を迫る交渉圧力として揺さ振りをかけているのでしょう。これでは日本政府も円安に対してしばらく放置せざるを得ません。だから円安、株安もクリントン訪中の結果次第で動きが変わるかもしれません。

中国共産党と日本共産党は文化大革命以来、関係が断絶状態でしたが、近々不破書記長が訪中して、関係を回復するようです。これも日米中の外交駆け引きの一環でしょう。理想を言えば日本は中国、アジア諸国と手を組んでアメリカ金融帝国主義と対決するべきと思います。いつまでも金融を使った略奪行為を止めさせなければなりません。


日本の銀行は不動産と法律のプロが必要

6月15日
株主総会の通知が続々とやって来ます。みんな26日の午前十時からです。出席したところで粗品一つ出る訳でもなく、20分程度でシャンシャン総会で終わるでしょう。通知の中で半分程度は定款の変更で自社株買いをするようです。私の持つ低位株の会社でも自社株買いの動きで、じわじわと下げながらも底堅い展開で行くと見ています。

銀行株がまたきな臭くなって来ました。アメリカの新聞にもFRBが日本の危ない銀行を名指しで挙げるなどの、露骨な動きで、またしばらく金融不安が燻り始めました。日本政府自らビックバンを乗り切れない銀行を統合して国営銀行化してでも、不良債権を処理する必要があるかもしれません。

日本の銀行が何故不良債権の処理に手間取っているかというと、日本の銀行に不良債権の証券化のノウハウが無いからです。日本の銀行には不動産や法律の専門家がほとんどいません。いるのは上司の命令のもとで兵隊のごとく会社に忠実なロボットばかりで、忠誠心と体力気力根性でしか会社に貢献できない人間達ばかりです。これではいつまで経っても不良債権は回収できません。

一番手っ取り早いのは、このような不良債権処理のノウハウのある海外の銀行と、合弁会社を作り専門家を揃えて不良債権の処理に当たる事です。しかしどのように不良債権を優良債権に変えて、込み入った法律関係を解きほぐすか、一件一件片づけるのはプロでなければ出来ません。


香港返還はアングロサクソンの仕掛けた罠

6月14日
日本の円安により、韓国、台湾、香港、といった日本と競合する製品を作っているところが、輸出のダメージを受け株式市場も数年来の安値を更新しています。これらの国は日本から主要な部品や製品素材を輸入しており、それを加工して組み立てアメリカに輸出していました。

クリントン大統領は今月25日から中国を公式訪問します。更に香港に7月2日、3日と訪問します。最近の円安はこれに対する策略と私は見ています。円安になることにより香港、中国は株式市場にダメージを負い、そこをクリントンが訪中して経済交渉を有利にする下準備と見ています。

アメリカの長期戦略としては、91年のソ連の解体とともに中国の解体を策していると見ています。中国は経済の改革開放政策により、積極的に外資を導入し、経済の活性化をはかりました。ソ連の崩壊を見ての経済開放ですが、共産主義国家に変わりはなく民主化も進んでいません。アメリカとしては中国をロシアのように市場経済と共に民主化をしてもらわないと意味がありません。

私は香港の返還は、アングロサクソンの仕掛けた罠と見ています。中国経済は経済開放に深入りして元に戻れなくなっており、香港に大きく依存しています。香港経済が崩壊すれば中国経済も危機に陥ります。クリントンとしては中国を民主化させるチャンスと見ての訪中だと思います。7月下旬に橋本総理が訪米するようですがアメリカの戦略が分かっているのだろうか。


戦略的な行動の勧め

6月13日
昨日から今日の新聞やテレビのニュースを見ると、97年度の実質経済成長率はマイナス0,7%と戦後最悪の成長率を伝えています。1−3月期の国内総生産は年率換算でマイナス5,3%です。日本の金融危機を先延ばしにしている内に実体経済まで消費を中心に悪化させてしまっています。

大本営発表を繰り返している内にB29が爆弾を投下し始めました。こうなったら山奥に避難して食料品や金などの実物資産に替えてじっとしているのがいいのかもしれません。下手にアメリカに対してカミカゼ特攻したりするとそれこそいいカモにされます。95年の円高の頃も採算が取れないと言う事でアジアに生産拠点を移したとたんにアジアは円安で経済危機に陥っています。戦略の無いままに状況に流された対応は命取りになります。

基本原則を言えば消費地に工場を移して、現地生産、現地販売が一番の基本です。ホンダやトヨタやソニーはそれで成功し、日産や三菱はメキシコやアジアに工場を建てて失敗しています。円高にも円安にも対応できる手段をとる事が戦略的経営です。もしまた円高になればアメリカからホンダやトヨタは車を逆輸入すれば良い訳です。

国内産業も堅実経営を基本として、借金に頼った拡大経営は不況が長引くと命取りとなります。採算重視の経営に徹すれば景気不景気に振り回されない経営が可能です。もしこのような不景気でも採算が合うものならばチャンスでもあるのです。

株式も今週から安い株を買い始めたのですが、昨日の15000円割れにより、パソコン分析で買い信号が消えてしまいました。しばらく様子を見なければなりません。株式投資も戦略的に行動する必要があります。大局的に見ればこのような時に株を買い、5年で倍増から3倍増を目指す無理の無い投資姿勢が必要です。


ルービンの日本金融乗っ取り作戦

6月12日
アメリカの円あぶり出し作戦は最終段階に入りました。何がなんでも日本の円をアメリカに引きずり込もうとする作戦が露骨になってきました。ルービン財務長官は「円の弱さは日本の経済状況を反映している。それを救うのは日本経済の強さを回復するしかない」と述べました。日本の為替ディーラーはマインドコントロールで円を売りドルを買い続けます。

日本の経済競争力は毎年大幅な貿易黒字を出しており経済自体は世界最強ですが、金融に問題を抱えているだけなのです。しかしアメリカの財務長官は「日本の経済は弱い」から円が安いとしています。ではアメリカ経済は強いのかと言うと、ドル高で産業は空洞化しており、強いのはハイテクの一部と金融サービスだけです。

いま円安になれば日本の製造業は利益を得ます。円安と株安で一番困るのは金融です。アメリカは日本の金融を買い占めるために焦点を合せ、日本の銀行と証券が倒産してくれるのを今か今かと待ち望んでいるのです。ルービン財務長官が米大手証券の出身である事からその意図は見え見えです。だからルービンは絶対に為替の協調介入に踏み切る事は当面ありません。

アメリカによる日本の金融買い占め作戦が終了した時点で、第二のプラザ合意がなされ、アメリカに流出した日本の資金ははしごを外されます。日本の大蔵省の官僚や金融業界の人間の金融の能力は、残念ながらアメリカ金融業者の足元にも及びません。ですから好きなように操られています。高給にうつつを抜かし接待で遊び呆けているからこの様になるのです。


サマーズと榊原の陰謀

6月11日
G7Dの先進7カ国蔵相代理会議が10日午前パリで開かれました。ロシアの金融危機対策が話し合われたようです。例によってサマーズ財務副長官と榊原財務審議官がテレビに映ってましたが、ほかに何が話しあわれたのでしょうか。たぶん日本から如何にして金を米国に資金移動させるかを謀議したのでしょう。

ニューヨーク株式市場はもたつきを見せており、さらなる日本からの資金の燻り出す必要に迫られています。サマーズ氏は榊原氏に更なる金利安を、更なる円安を、更なる金融再編を迫り、日本のビックバンで日本の大衆のの持つ金融資産の米国移転を迫っているのでしょう。

このような事は日本のみならずアジア諸国にも行われており、金融危機や通貨安で現地通貨を米ドルへ燻り出し、強引な方法で米国はアジア各国から資金をかき集めています。このようにして集めるだけ集めてその資金は日本初めアジアの企業やロシアの油田の買い占めに使われます。安く買い占めるためにはその国が経済危機でなければなりません。

そのようにしてドル高、株高で金を掻き集め、その金でアジア企業やロシア油田を買い占め、それが限界に来た時点でNYの株やドルを大暴落させます。すると米国に集められた海外からの資金は帰るに帰れなくなります。それはかなり最終段階に来ていると思います。ルービン財務長官やサマーズ財務副長官の円安に対する不気味な態度はその現われです。


日銀は金融政策の大胆な転換を

6月10日
橋本内閣の不支持率が59%に達しました。不支持理由としては「経済政策に期待が持てない」の32%が最も高い理由です。一方支持率は35%で支持理由のトップは「ほかに適当な人がいない」の48%です。現在の自民党内にライバルがいない事が橋本政権の堕落の原因です。経済状況がこんな状況では誰も貧乏籤を引こうとしません。

円安が続いているのも政権に対する不信任が原因の一つです。これでは衆参同一選挙を自民党でも望まないでしょう。橋本総理のみならず他の大臣もこれと言った仕事の出来る大臣もいない。私が期待した小泉厚生大臣も、ただの族議員になってしまっている。それに経済政策に強くない。政策に関しては加藤幹事長と山崎政調会長が仕切っていますが、やはり大きな決断は総理自らでないと出来ません。

米議会内部報告書において日本の総合経済対策は「公共事業や一時的な減税策が中心で、小さな経済効果しか生まない」と批判しています。また「日銀は今後金利政策に重点を置くのではなく国債の買いオペによって通貨供給量を増やし、国民のデフレ予測を払拭し、そうすれば日本の金利が上がり、円は下落から上昇に転ずる」と述べています。このように日銀の金融政策の大胆な転換を求めています。私もそう思います。

私は今週から株を少しづつ株を買い始めました。パソコン分析指標が買い信号を出しているからです。資金の都合で低位株が中心です。最近の値動きを見ると株式のプロも株を買っているのではないかと思います。


為替の変動要因は何か?

6月9日
日本貿易会は8日、98年度の日本の貿易黒字が前年度比9,3%増の14兆8850億円の見通しである事を発表しました。これは平均為替相場が1ドル=130円、米国経済が穏やかな調整に入るとの見通しでの数字です。現在の円安が続けばさらに貿易黒字が膨らむ事になります。

この14兆円を上回る黒字額は1ドル=140円で換算すると1000億ドルになります。日本企業はこれだけのお金を円で持っていても利息も稼げないので、ドルで運用する事になります。1000億ドルの円売りドル買いの発生となると為替相場にもかなりのインパクトとなります。

これは潜在的な将来の円買い圧力となります。アメリカもいつまでも貿易赤字を増やし続ける事は出来ません。それが臨界点まで達すれば、潜在圧力が爆発する事になります。一番大きな転換点の要因の一つは日本の景気の回復です。景気の回復は金利高を招き、金利が高くなると円とドルとの金利格差が縮まり円高となります。

つまりは円安は日本の景気次第で動く理屈になります。しかしチャートを見るとバブル景気の頂点の90年4月に159円と円安のどん底となり、不景気のどん底の95年4月に79円と円高の頂点を付けています。つまり理屈とは逆に日本の景気と逆の動きをしているように見えます。しかし現在は不景気で円も安い。為替は何が原因で変動するのか分からない。


自民党は社会主義政党か?

6月8日
自社株買いを定款に入れた会社が1000社にのぼる勢いです。97億株6兆円の規模だそうです。今までは持ち合い解消売りが出ても、受け皿が無く下げ続けましたが、これで下げすぎれば自社株買いが出て底堅い相場展開になるでしょう。

このように税法を少し変えただけで、大変な景気対策になります。赤字国債を大量発行して公共工事をやるのも良いですが、金のかからない税法の改正で日本経済の活性化につながる事が沢山あると思います。今までは大蔵省主計官任せで、民間の声は無視されてきました。これからはどんどん代議士の先生方に陳情して税法を改正してもらいましょう。

減税も良いのですが、課税最低限が一家4人で500万まで無税だそうです。その反面所得が3000万過ぎると65%の税金を取られます。社会主義的平等政策もここまで来るとやりすぎだと思います。現在の日本は有能で仕事が出来る人ほど税金を取られ、無能な怠け者ほど優遇されています。これでは国際競争に負けるのは当然の事です。現在の日本の税制は平等化政策が行き過ぎ、社会主義政権そのものだ。

民主主義と社会主義の意味を履き違え、マスコミも成り金に対して胡散臭く捉え、世田谷に小住宅を建てただけで豪邸建築などと週刊誌が書き立て、贅沢な暮らしを戒める風潮が強くなっています。税法上何か悪い事をしなければ大金持になれない仕組みがあるからこそ、このような風潮が出てきます。


そろそろ3度目の買い出動

6月7日
株式で利益を上げるには、安値圏で買い高値圏で売る事です。誰も神様ではないのだから、大底で買い大天井で売る事は出来ません。あったとしてもまぐれです。ですから底を打ってある程度持ち直してきた時に買い出動しています。だから底を打ったと思って買ったら、さらに深い底が待ち構えていたりしています。ですから一時にまとめ買いはせず、どんなに確信のある時も余裕資金の3分の2までを買い資金としています。

大局的には92年8月に14190円、95年7月に14300円、97年12月に14488円の3点底を付けたと見ています。今月6月に15000円を割らなければそれは確実になります。もし今回の相場が97年12月が出発点とするならば、今月6月が1番底となり買い場となります。

95年7月の2点底を確認して、97年4月に1番底と見て買い出動しましたが、これは短期的に見て失敗でした。橋本政権が政策を誤り、夏からの暴落で3点底を付けに来たからです。11月に底値圏と見て2度目の買い出動しました。しかし山一と北拓の破綻で12月に大底を打ちにきました。

今までのトータルで見ると、私の持ち株はダウに換算すると17500円ぐらいでトントンです。今月6月に少し資金が溜まったので3度目の買い出動をして、買いコストを下げて16500円ぐらいにしたいと思います。企業のリストラが本格化して景気対策が効果を見せれば、19000円前後までの上昇は今年中に実現すると期待しています。


景気対策としての公定歩合引き上げ

6月6日
日商の稲葉会頭は4日の記者会見で、利上げ論議が出ている金融政策について「金利を上げれば借入金の多い建設や不動産などで倒産が相次ぐ危険がある。上げたくても上げられないのが現状ではないか」と指摘した上で、「社会的な混乱を防ぐため、現状維持が続く。利上げは相当先になるだろう」と述べた。

2年以上にもわたる超異常低金利はまだまだ長期にわたって続きそうです。つまり借入金過多の建設や不動産とそれらに貸している銀行をを救うため超低金利政策が執られている訳です。しかしこの超低金利政策により別の不景気要素が生まれてきました。消費が大きく落ち込んできた事です。

日本の個人金融資産は1200兆円あるのですが、現在の長期債利回りは1,12%です。つまり利息金額は多く見積もっても13兆円にしかなりません。かつては利回りの低い国債でも6%以上ありました。つまり本来なら1200兆円の金融資産から年間72兆円の金利収入が生まれ、その多くが消費に回りました。と言う事は差し引き約60兆円もの消費が落ち込んでいる事になる計算です。

橋本政権は今年度4兆円の所得減税を行いました。しかし金利を平常な金利水準に戻すだけで、約72兆の金利収入が生まれその多くが消費に回る事と比べれば、景気対策としてくらべものになりません。もちろん金利が6%にになれば多くの建設や不動産会社とそれに貸している銀行が倒産します。しかしこのまま消費不況が続けば他のバブルとは無縁の産業まで倒産の影響が出てきます。政府の金利政策の転換期が迫っていると思います。


ロシアの金融危機

6月5日
ロシア中央銀行は4日、公定歩合を150%から60%に引き下げました。債権、株式、通貨のトリプル安に見舞われ27日に公定歩合を150%に引き上げましたが、G7をはじめ経済支援でとりあえず安定したようです。3日にNYの債券市場で12億5千万ドルのドル建てロシア国債の起債に成功したのも一因です。実質利回りは12%で米長期国債の倍になりました。

アジアの経済危機がロシアに飛び火しつつあります。ロシアがインドネシア化した場合、今度はヨーロッパが大きな影響を受けます。日本の民間銀行の融資残高は10億ドル程度ですが、ドイツは304億ドル、米国が70億ドル、フランスが69億ドルに達しています。特にドイツ・マルクが大きな影響を受けます。

NYの株式市場も、この影響も受け軟調な動きをしています。今日はひとまずロシアが安定した事で66ドル高です。しかしながらロシアは炭鉱労働者をはじめ賃金不払いによるデモやストライキが頻発しており、状況はスハルトが退陣する前のインドネシアと同じです。インドネシアとロシアはいずれも1次産品の輸出国で、特に原油相場の低迷は両国に大きなダメージを与えています。

IMFは昨年決めた対ロシア92億ドルの支援策のうち6億7千万ドルの融資を決めました。しかしIMFはタイ、韓国、インドネシアなどのアジア金融危機で大規模な緊急支援を行った為、資金残高は100億ドルそこそこの残高となり、45%の増資を決めましたが米議会が難色を示し、裁決が延び延びになっています。今後ともインドネシアとロシアの経済危機の目が離せません。


メリルリンチ破産したオレンジ郡へ賠償金

6月4日
昨日、94年12月のカリフォルニア州オレンジ郡の破産をめぐる裁判で、メリルリンチは550億円を支払う事で和解しました。オレンジ郡は借入金を含めて2兆9000億円もの資金を運用し金利敏感型のデリバティブ証券に重点投資して、約2270億円の損失を抱え破産しました。メリルリンチは州法に違反するリスクの高い運用をするよう助言をしたとの疑いで訴えられ、刑事裁判で昨年3000万ドル支払う事で和解し、今回は民事裁判で4億ドルで和解した事になります。

この事件の事はフランク・パートノイの書いた「大破局」と言う本に詳しく書かれています。州の年金基金や保険会社が何故リスクの高いデリバティブに手を出してしまうのかと言うと、アメリカ政府系機関が発行し格付けもAAAとかAAと言うレッテルに騙されてしまうのだ。そして買い手が損をした時初めて気が付く事になる。その格付けもS&Pとムーディーズは米証券取引委員会が、国が認めた統計的格付け組織として規定しています。しかしその格付けも小細工をすればどうにでもなる事が書かれています。さらにムーディーズとS&Pはまるで阿呆で、オレンジ郡が破産するわずか数ヶ月前の94年8月には、オレンジ郡の債務にカリフォルニアで最高の格付けであるAa1を与えていました。まもなくこれらの機関は、彼らのデリバティブの格付けのやり方に対して訴訟が起こされているのです。

しかしながら日本ではS&Pやムーディーズがあたかも天の声のごとく崇拝し、盲目的にその声に従う信者が多いようだ。日経新聞やその他マスコミも彼らの格付け発表を神の御告げのごとく報道する姿勢も、フランク・パートノイの書いた「大破局」を読んだのならば少しは変わるはずだ。さらに彼は「モルガン・スタンレーを初めとする米大手証券会社には野蛮人の残党が多く残り、編成替えはしたが今も利益を上げており次の戦闘に備えて命令があれば発砲する用意は整っている」と警告しています。今度の標的の多くはこれらデリバティブに無知な日本人に向けられているのだろう。


今のアメリカ経済は1年前のアジアと同じ

6月3日 経済同友会の牛尾代表幹事は2日の記者会見で、個人消費低迷の一因になっている超低金利について「日銀が判断すべき重要な時期に来ている」との認識を示し、年金生活者などの消費者サイドのの意見を踏まえて利上げ問題を検討すべきだとの考えを表明しました。私も前からこのホームページにて現在の超低金利は円安の原因となり株安を招き、さらに金利生活者の消費が減る原因にもなり、超低金利政策を変更すべきと発言してきました。しかしながら日銀は更なる利下げをも示唆し、長期金利は1,11%まで低下しました。円も139円の円安を招き、アジア諸国をはじめ中国からソ連にまで日本の円安は各国の経済危機の原因にもなっています。
不思議な事にアメリカが最近妙におとなしいのは何故だろうか。むしろ円安容認発言の噂すら出る状況です。以前なら円安による輸出依存を批判し、内需拡大による景気回復をはかれと、言い続けてきたのに不思議です。アメリカ経済は好景気を持続してきましたが、株式市場は微妙な段階に来ています。ドル高が株高を支えそれが消費を刺激し好景気につながり好循環を続けてきました。このようなインフレなき好景気は貿易収支の赤字の増大の原因になり、それが限界に達した時どうなるでしょうか。今まで貿易収支が大赤字のもかかわらず好景気を続けてこられたのは資本収支が黒字だからです。海外からの資本流入がアメリカの好景気を支えてきました。ちょうど1年前までの東南アジア経済と同じ状況です。経済は順調でしたが貿易収支は赤字が増大していました。そこを投機筋にタイをはじめ通貨の売り浴びせにあい、アジアの経済危機は始まりました。アメリカ経済自体もその微妙な時期が近づいており、もし日銀が円を買い支え金利を高めにし始めたらどうなるでしょうか。円を買い支えるには日銀の持つ米国債を売ってドルを売り円を買う事になります。また公定歩合を上げれば日本と米国との金利差が縮まり、日本からの資本流入が止まります。そうなる事をアメリカは今一番恐れており円安を黙認せざるを得ない状況になっています。アメリカの投機筋もそれに気づいており金にシフトしています。今朝もNYは株は安く金が高い。


日興とトラベラーズ資本提携

6月2日 ビックバンもいよいよ本格化してきました。日本の金融機関は何をもたもたしているのだろうと思っていましたが、日興證券とトラベラーズ・グループと資本提携で合意しました。21世紀には世界で金融機関は10行程度しか残らないと予想されています。その中には日本の金融機関は含まれていません。そのような訳で日興は東京三菱と関係が深かったのですが、将来を見据えてトラベラーズと提携に踏み切った訳です。
日本の銀行は図体ばかり大きくて金融に対するノウハウがまるでなく、バブル崩壊の後始末も後手後手にまわり、ただひたすら神風が吹くのを待ち続け、終には終戦を迎えたようなものです。これには大蔵省も責任があり、大蔵省も神風の吹くのを当てにしてここまで来てしまいました。金融に対するノウハウとは時代の変化に対する的確な目と耳を持ち、それに対する対応策を考える頭を持つ事です。日本の金融機関が目も耳も頭も退化してしまったのは、ただひたすら宗教のごとく「土地神話」を信じてしまった事です。土地さえ担保に取れば貸し倒れはないとして、土地担保金融に浸りきってしまい、本来の金融のノウハウを忘れてしまった事です。世界に海外展開してもことごとく失敗しています。生産業ならいやでも技術競争で生産開発のノウハウを積み重ね、販売も不振なら何故かを考えねばなりません。しかし金融は金を掻き集め、土地を担保に金を貸していれば良かったので、巨大化すればそれだけ利益も巨大化しました。現代の恐竜のようなもので、環境の変化で絶滅して行くのかもしれません。
今まで恐竜が生き延びてこられたのは天敵がいなかったからですが、これからは天敵がどんどん上陸してきます。シティバンクも今回の資本提携で日本全国に支店をめぐらすでしょう。日本の銀行も大連合を計るか、外国資本と提携するか決断を迫られています。しかし今のままでは情報開示が十分でなく提携相手も二の足を踏むでしょう。週刊誌にも大合併の噂が出ています。


円安とロシアの経済危機

5月31日 ロシアが株価の下落により公定歩合を今までの3倍の150%に引き上げました。ロシアにも短期の投資資金が流れていましたが、資金の引き上げを防止する為の措置だと思います。投資引揚げ、通貨下落、株価下落の連鎖を食い止めるために金利を引き上げました。香港でも去年パニックが起きた時に公定歩合を2000%まで引き上げ、何とか通貨の下落を食い止めました。何故これほど公定歩合を引き上げなければ成らないかというと、香港の銀行から香港ドルを借りてそれを為替市場で売ると、香港ドルが下落して下落したところを米ドルで買い戻せばその差額が利益に成る訳ですが、公定歩合を引き上げて投機資金の発生を防止した訳です。ロシアでも同じです。
それに引き換え日本はどうでしょうか。日本は0,5%と言う史上空前の超低金利です。これでは国際投機筋に為替投機を進めているようなもので、円を日本の銀行から借りて為替市場で売り込むと円が下落し、下落したところを米ドルで買い戻す。金利が安いものだから僅かな為替差益でも利益に成ります。以前にも公定歩合を引き上げろと書いた事がありましたが、円の流出を防ぐとともに為替投機を防ぐ役割もあります。日銀は公定歩合を更に引き下げようとしており、130円のボーダーラインを割ったにもかかわらず円買い介入をしていません。
これでは円安がますます進み、円が安くなるとアジアの経済危機が再燃します。アジアの経済危機は一次産品の下落を招きます。一次産品の下落は原油等の輸出国であるロシア経済の危機を招きます。それが冒頭に書いたロシアの公定歩合150%に成った原因に成っています。


日本の完全失業率4,1%

5月30日 欧米の高失業病が日本にも伝染しました。米国が4,3%、カナダ8,4%、ドイツ11,4%、英国4,8%そして日本が4,1%になりました。この調子だと不景気な日本が好景気な米国、英国に抜かれるのは時間の問題です。今まで景気対策を何度打っても利かないのは、産業構造が変わってないからです。逆に公共投資を何十兆円打とうと、建設業が一息つくだけですぐに次の対策を迫られます。そして他の企業も業績悪化で人員を抱えきれなくなってきており、その動きが表面化してきたのです。リストラも企業イメージを悪くするので、なかなか手を打てませんでしたが、ここにきて横並びにリストラが本格化してきました。それに139円まで円安になったにもかかわらず輸出産業もぱっとしません。円高が長く続き生産工場が海外へ進出してしまい、人員を吸収できません。今更工場を国内に戻す訳にもいきません。今景気がいいのは高付加価値商品を作り、円高でも海外に工場を移さなかったところです。金融といった国内型企業も政府の保護政策の元で規模ばかり大きくなり、ビックバンで海外から同業企業が進出してくると太刀打ちできない事がはっきりしてきました。これからは大胆なリストラと有能な人材のスカウトで体質を変えていかなければなりません。建設業も公共投資で今まで失業者の受け皿になってきました。しかしそれも限界に来ました。それらに変わる新しい産業はまだ育っていません。なぜならば政府の規制が新しい産業を興す為の障害になっており、長い事規制緩和が叫ばれながら運輸、流通、通信、医療等なかなか官僚や族議員の抵抗で進まず、新しい産業の芽を政府みずから摘んでしまっているのです。このままではどんどん失業者が増加していく事でしょう。政府はこのまま失業者の増加を放置するのか、規制緩和で新しい産業を育てて行くのか、口先だけでない実行する事により示すべき時がきています。


円安なのに輸入インフレがない?

5月29日 円が139円台になりました。日銀はまだ円買い介入をしません。何か胡散臭いです。ルービン財務長官とやはり秘密協定でもあったのでしょうか。アメリカとしても足取りの重たくなったNY株の暴落を防がねばなりません。その為には円安誘導による日本からの資金流入が必要です。日本の機関投資家の中にその期待にこたえてNY株を買っているところがあるようです。私のパソコン分析ではNY株は売り信号が出ているのですが。何しろビックバンと言う事でドル預金がブームとなり、ドル預金をしないとブームに乗り遅れるような宣伝をマネー雑誌がするものだから、日本の大金持のドル預金シフトは続いているようです。しかしドル預金は為替手数料がかかり総合課税で所得の高い人にはメリットはなく、さらに定期預金は中途解約が出来ません。これらの事を考えると、よほどの円安にならない限りドル預金のメリットはありません。NY株はさらにリスクがあります。ドル安株安のダブルパンチを受ける事を考えると、ドル預金NY株買いは出来ません。それでも円のアメリカ流出が続いています。日本人は情報によるマインドコントロールを受けているのだろうか。
日本の円がこれだけ安くなれば輸入インフレが起きるはずです。輸入インフレが起きれば金利が上がり、不況下の物価高が起きるはずです。しかしガソリンは安売り合戦を続けています。WTIも世界的デフレで14ドル台の安値のままです。特にアジアの大不況は商品相場に下げ圧力となっています。ですからこれほどの円安でも輸入インフレは起こらず、超低金利も続く訳です。アメリカでも同じく7年も好景気が続いているにもかかわらず、インフレが起こらないのはドル高と原油を初めとする商品の安値が続いているからです。OPECは何を考えているのだろうか。


世界同時株安はあるか

5月28日 私は毎日、朝の朝刊を見ながら気の付いた事をこの日記に書いていますが、今朝の朝刊は「世界同時株安」と大見出しで書いてあったので心配しましたが、今日は反発しています。昨日も「円安なのに株は堅調」と書いたばかりで、どうなる事かと思いましたが、東京市場はこれ以上下げ余地のないレベルでしたので、世界同時株安も響かなかったようです。日本は世界最大の資本輸出国であり、今のところNYのドル高株高で円がアメリカに流出していましたが、世界同時株安なら円も海外流出せず国内に留まり、あるいは海外から還流してきます。NYもさすがに株の頭も重たくなり、世界のファンドマネージャーも新たなる投資先を見つけなければなりません。ロンドンも株は高値にきているし、フランクフルトも高値でNYに連動して下げる事が考えられます。となると先進国で残る市場は東京しかありません。東南アジアはまだ波乱が続きます。昨日の株安は韓国のストライキによるもので、原因のはっきりしている下げは心配要りません。インドネシアもまだどうなるか分かりませんが、フィリピンのマルコス政権が倒れた時に良く似ており、民主的な政権が出来れば安定するでしょう。


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