株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


鹿嶋春平太著「聖書がわかればアメリカが読める」
米国のキリスト教は1200年の迫害を受けた異端派

2003年1月31日 金曜日
アメリカの建国に先立つこと 150年、オランダやイギリスから「清教徒」の一派である分離派(パブティスト派=浸礼派)が渡ってきた。彼らのルーツはカトリックやプロテスタントとは異なる「聖書主義者」であるという。前二者が聖書の解釈の一致を重要視した教理中心の中央集権的な宗派であるのに対し、聖書主義者は聖書の解釈を比較的自由に行い、食い違いが大きくなると分派して行く。その末裔が現在サザンパブテストと呼ばれている宗派だ。彼らの主張によれば、アメリカに渡るまで1200年間も迫害を受けてきたという。しかし著者の鹿島氏は、1200年前のルーツを歴史用語の○○派という名称を上げて書いていない。彼らの主張どおりであれば、古代ローマ帝国がキリスト教を国教化した時の分派であるからアリウス派が該当しそうである。すると「キリスト教異端」となる。そこを鹿島氏は配慮したのかもしれない。

二回目の大覚醒運動が起きた。1795年頃である。これらが奴隷問題の論争へと発展しパブティスト派は南北に分れることになった。北部の州を中心に共和党ができ、1818年の欧州での奴隷禁止条約をけて、奴隷制度廃止の気運が高まる。リンカーンが大統領に選出されるや、南部は連邦を離脱しやがて戦争が始まった。南部は負けて奴隷解放が決まる。北部のプロテスタント系の人々が社会の支配層につき現実的に事をすすめる。一方、南部のサザン・パブティスト系はその力を宗教・霊的進化へと向かわせることになったと。しかし時々、その霊的覚醒運動は北を巻き込みアメリカ人の心をシャッフルすることがあるのだ。
(モナ丼のホームページより)

「人間はというと、これはサタンの虜となっている。これに自由意志のもとに福音を与えて受け入れたものは救い出します。受け入れないものはそのままサタンの側についている者ですから、大ざっぱにまとめていっしょに滅ぼしてしまいます。これがイエスの全体的作業の構図になっています。」 (『聖書の論理が世界を動かす』 159ページ)

聖書解釈には多くの教義解釈があり、全く異なる誤解のネットワークが生まれ、数多くの教派が存在する。しかしバプティスト派は、いま述べたように、「福音を受け入れないで死んでいく人が少なからず出てもしかたないのだ」という聖書の論理で物を考えると、鹿嶋氏は説明する。私はこの論理から、広島、長崎の原爆投下と、ベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ紛争におけるアメリカを主力としたNATO軍の空爆、そしてアメリカ同時多発テロ後の、アフガニスタンでのアメリカ軍の空爆を想起した。これらの戦争では、アメリカ軍によっておびただしい死者が出た。

バプティスト派はアメリカの人口の一部を占めるに過ぎないが、その聖書主義は広くアメリカ国民に影響を与えているといわれる。それは民主党政権下でも、アメリカに広く潜在的に作用しているはずだ。これらの戦争によるおびただしい数の死者が出ても、なおかつアメリカは兵器を世界中に輸出し、戦争を時には仕掛けてでも続けることに、いま述べた聖書の論理が働いているのではないかと考える。
(キリスト教とアメリカの政治より)

昨日のNHKのBSで「博士の異常な愛情」を放送していた。時節柄とても興味深い内容だった。頭の狂った空軍の基地司令官が、勝手にソ連へ核攻撃をするストーリーですが、その副官の英国の士官にピーター・セラーズが演じていた。ちょうどブッシュ大統領のイラク攻撃命令に右往左往するブレア首相がダブって見えた。当時から英国はアメリカのプードルだったのです。頭の狂った米空軍司令官とブッシュ大統領は瓜二つだ。

以前にも「株式日記」で、去年の11月18日にアメリカのキリスト教原理主義の事を書きました。その中で次のように書きました。

キリスト教原理主義はアメリカ独自の宗派であり、イギリスをエジプトとみなし、アメリカをイスラエルとみなす旧約聖書を絶対視するファンダメンタリストたちだ。ヨーロッパから迫害から逃れてきた清教徒たちにとって、モーゼに率いられてエジプトを脱出しイスラエルに逃れたユダヤ人をダブらせている。おそらくこのような神話を作り上げたのはイスラエルの工作機関だろう。

このようなキリスト教連合組織が出来たのは1989年でまだ新しく、その正体は謎に満ちている。アメリカを神に与えられた約束の地とみなすなど、イスラエルとアメリカとを同一視するなど、ユダヤのシオニストの陰謀のにおいがします。しかしこの事はアメリカにとっては最大のタブーであり、この事を公に議論されることはまずない。しかしアメリカのテレビを見れば頻繁に「ゴッド・ブレス・アメリカ」が歌われている。アメリカは神権政治国家になろうとしている。

このようにして考えれば、アメリカがなぜ広島、長崎に原爆を落とすことが出来たのか、それは「福音を受け入れなかったサタンの虜である」と日本人はみなされたからだ。この事をアメリカ人に指摘したところで、アメリカ人は認めないだろう。あるいは「核による先制攻撃」すら認める論理は、中世ヨーロッパの魔女狩りにも似た論理だ。「悪魔がとり付いた人間は焼き殺す」のがキリスト教徒の仕来りだ。だからイスラム教徒には悪魔がとりついており、このままなら核爆弾で焼き殺されるのだろう。

今夜の「朝まで生テレビ」は、「米国はならず者国家か」という興味深いテーマが話し合われる。もしアメリカが理由もなくイラクを攻撃すれば、アメリカは「カルト宗教国家」とみなされても仕方がない。「テロ支援国家」と名指しすることは、「サタンがとりついた国家」とみなし、先制攻撃も神の名の元に正当化されるのだ。そのように考えなければ、米国が一般市民に対する無差別爆撃を正当化できない。旧約聖書には核により世界の終末が予言されている。「博士の異常な愛情」はそれを予言した映画なのだ。春平太氏は次のようにアメリカを指摘している。

この国は、本当に、特殊な国なのです。人類史にこれまではもちろんのこ と、もうこれからも出現しないだろうと思えるほどです。だから、世界はスト レスを受けるのです。そして、それを最大に受けるのは、イスラム文化の人々 でしょう。春平太は、このまま歴史が進と、ある時全世界がアメリカを取り囲んで、第 三次世界大戦争を起こすのではないか、と心配しています。わからないが故に 生じるストレスに耐えられなくなって、もう、ぶつかっていくしかなくなるの ではないか、と。そういう流れにならないように、何とかしたいなあ、と心か ら思っています。(鹿嶋春平太)

春平太の聖書サロン メールマガジン 



小泉首相と竹中金融相による経済破壊を阻止せよ
地域の金融機関を締め上げる金融庁はハゲタカだ

2003年1月30日 木曜日
「金融機関が多すぎる」として、統廃合を進めている政策は異常です。このような政策のもとで、北海道や栃木県では地域に根ざして町の発展に貢献してきた金融機関がもはや存在しなくなりつつあります。町の企業は相談できる身近な金融機関を失い、大変な危機を迎えようとしています。千葉県の船橋や京都でも類似の傾向が現れており、地元では地域経済を守る運動を起こしています。

景気回復を言うのなら、やっていることがまったく逆なのです。不良債権処理を強硬に進めることが、景気の足を引っ張っていることに早く気付くべきです。バブル期に本業以外に手を染めてバブル崩壊後に行き絶え絶えになっている大企業と、地道に正業を守ってきた中小零細企業を不良債権として同列に処理しようとする政策は、良識ある海外のメディアからも疑問視されています。
(アイデア売りますのサイトより)

「今、東京の銀座と日本橋の老舗街で起こっていることを報告します。それはムチャクチャな金融機関の貸し剥がしです。金融機関は今後長期のデフレを予想しています。このためこれから地価の下落しそうな、銀座では並木通り、日本橋では宝町の老舗をターゲットにして昨年から債権回収をはじめたのです。驚いてはいけません。多くの企業は黒字経営、キャッシュフローもしっかり回っています。……金融庁のご指示だそうです。……老舗の持っている多くの担保物件が昨年処分されました。私の友人の老舗企業は金利と元金を払っているにもかかわらず、突然RCC送りです。売却したビルを買いにやってくるのが外資の投資会社です。……国の誤った政策のため、300年、400年続いた老舗が消えていこうとしています。これは過去400年にもなかった余りにもムチャクチャな政策が今起こっているのです。」

企業や商店に対し容赦のない貸し剥がしが行われている。多くの企業が倒産、廃業に追い込まれ、銀行の貸し剥がし攻勢のなかで地獄の苦しみにあえいでいる。これは、もとをただせば、森・小泉両内閣の従米主義によるのである。日本国民の利益より米国ファンドの利益を優先する従米路線の結果である。日本国民がこのことに気づき、小泉首相と竹中金融相による破壊的改革を阻止しなければ、日本は滅びるであろう。
(森田実の時代を斬るのサイトより)

町を歩いていると駅前の一等地のビルの一階がシャッターが閉まったままになっているところが多くなりました。銀行の統合により重複する店舗を閉鎖しているからです。新宿、渋谷、池袋といった、山手線のターミナル駅前では特に目立ちます。しかし地方に行くと、その町に一つしかない銀行が、不採算を理由に支店を閉められ、そこの住民が不自由をしいる結果になっている。証券会社にいたっては地方都市には縁のないものとなっている。

協同組合的に作られた商店街の金融機関が、金融庁の検査対象になり、次々と潰されている。これは明らかにおかしな政策だ。日銀の速水総裁は日本には銀行が多すぎると指摘している。しかし町に銀行や信用組合が一つもないという状況は、決して銀行が多すぎるとは言えない筈だ。アメリカには8000行以上の銀行があるが日本は850行ほどだ。これで日本の銀行がどうして多すぎるのか、訳がわからない。

金融庁は一律に検査マニュアルに則って検査をしている。しかし地域金融と中小企業金融と、都市銀行の検査内容を一律に検査するのはおかしい。そして大手の企業が数千億の債権放棄を受けて生き延びているのに、中小企業や個人企業は、その分貸し剥がしを受けて倒産させられて、担保が売り飛ばされている。それをハゲタカファンドが買いあさっている。一体地元の政治家達は何をやっているのだろう。

国会審議を見ればもちろん、代議士の先生方は「中小企業を守れ」とか、「地域金融を守れ」とか言っているが、竹中金融大臣は暖簾に腕押しだ。小泉首相は銀行を潰すことが「構造改革」と思っているらしい。自民党の実力者達も、地域経済が極めて悪いのに、妙におとなしい。「北朝鮮カード」が効いているのだろうか。小泉・竹中内閣がこのまま不良債権早期処理を進めていけば、中小企業の倒産がより多くなってゆくことになる。

どうしても早期に処理をしたければ、銀行の不良債権や保有株式を簿価で買い取り、公的資金を注入すればいい。それによる損失の差額は国債を発行して日銀に買い取らせればいい。何でもかんでも税金で穴埋めしようとするから、抵抗が大きくなり不良債権はなかなか処理されない。日銀の官僚たちはこのような意見を極論として聞く耳を持たない。小泉・竹中政権はハゲタカに日本の資産を売り渡すのが使命だから、このような大胆な意見には反対だろう。民主党も「構造改革」論者が多く話にならない。

マスコミももっぱらイラク問題や、北朝鮮問題に話題を奪われて、経済問題は隅に追いやられている。しかし構造改革の痛みはじわじわと小泉改革の支持者達にも及び始めている。生命保険の予定利率の引き下げや、消費税の引き上げや、税金社会保険料の負担増となって跳ね返ってきている。やがては一家の大黒柱が失業して、生活が破綻する時が来るが、その時は自民党内閣ではなくなっているだろう。最後に替え歌をどうぞ。

政治批判替え歌集 (小泉構造改革のムコウ他)

PS:31日のニュースで次のようなニュースが報道されました。私の「株式日記」は小泉首相も読んでいるようだ。読者の中で記事にしてほしい事がありましたらメールください。

金融庁は30日、02年9月中間決算で中小企業向け貸し出しを5兆円以上減らしたみずほホールディングスに対し、週内にも業務改善命令を出す方針を固めた。同庁は過去、UFJホールディングス、あさひ銀行、新生銀行にも中小企業向け貸し出しの減少で業務改善命令を出しているが、年度途中の命令は初めて。(毎日新聞)[1月31日3時2分更新]



「日本を縛る見えない鎖」 元上智大学教授八幡康貞
「この国には有能な本当のエリートが存在していない」

2003年1月29日 水曜日
この国には現在、有能なリーダーを輩出できるような本当のエリート階級が存在していないという事であり、本来リーダーシップを握るべき地位にある人々に、リーダーとして必要な資質が欠けているという事である。このような状況を生み出したのは、この国を統治するシステムそのものである。70年近く前に、戦時経済体制を準備する「国家総動員計画」との関連で、企画院を中心に案出された、「統制」を根本とするシステムが、戦後もGHQ の計画経済派の支援を受けて、戦後経済復興のために存続し続け、今日までその影を落としている。

戦前から戦後にかけて、軍隊は消滅した。現在の自衛隊の政治的な性格も地位も戦前の軍隊とはまったく異なったものとなった。政治も、既に戦前、軍部の大陸侵攻の拡大を押さえられず、ついに軍閥による漸次的クーデターによって乗っ取られて以来、能動的な主体性を発揮した事はほとんどない。特に1960年 以降は、首相の名前と時代の性格とが結び付けられて記憶されることが難しいという世界的に見ても異常な状況にある。日本の首相も大臣も国会議員も、現実を変えるような主体性を発揮するよりも、むしろ「調整」に徹する事しか考えていないようだ。これは、特に60年代以降において顕著な、「政治」の変質である。

政治のシステムが変わり、大地主や資産家階級が消滅し、かつての貴族や華族も姿を消した。ただ一つ、戦前以来の官僚制度だけが、戦後になっても、民主主義のもとでは本来そうあるべき「公僕」になりきる事もなく、戦前以来の慣習や伝統を保持しながら今日まで生き延びている。官僚への任用から昇進、そして 比較的若くして退職し、広義の民間組織に再就職するというシステムは、全ての省庁に共通であり、しかも地方自治体にも見られるほど全国の公務員に共通している。

官僚出身者の多くは政治家にもなり、政府や党の要職につけば、官僚時代の後輩と協力して日本の政治・行政に巨大な影響力を行使する。国会で審議される法案の多くが政府提出、つまり多くはかつて官僚であった政治家と、彼等の後輩である現職官僚の共同作業で作られる法案である。

「公僕」であるはずの現職官僚は、法規に照らして、国民の利益と安全のためにそれぞれ担当の業界を監督指導するのがその責務である。しかし、これまでの官僚制度内部の慣習から、キャリアの官僚ほど早期に退職して(「勇退」等とマスコミもいっているがいったいどこが勇ましいのだろうか?)広義の民間企業に天下りすることになっている。つまり、職務上の監督指導の対象が、将来の天下り先なのであるから、それぞれの業界や企業の利益に反してまで厳しく監督指導する事は、第二の人生の機会を潰す事になりかねないのでやりにくい。実際、最近話題になった一連の事件では、官庁の監督責任が問われる出来事が目に付く。

こうして、「霞ヶ関シンジケート」とでも名付けるべき、官僚組織を軸とした、強固な利益共同体(vested interests)のネットワークが政・官・財の各分野を横断的に結合する形で形成されている。この「裏組織」を破壊しなければ、いくら道路事業や郵政事業を民営化しても、あるいは銀行の自己審査規定を規則上強化しても、現実の事態は改善されない。

このような措置を実行して、公務員と言う職業を、より「フツーの仕事」に近付けていけば、官僚の昇進人事など、本来ニュースになどならないはずの事柄が、毎年のように大々的にマスコミによって報道されるという、世界に冠たる異常事態もなくなるはずだ。このようなマスコミの報道姿勢を見ても、「霞ヶ関シンジケート」の裏構造が、いつの間にか表に出てきてしまって、ごく当たり前の事の様に思われている事がよく分かる。
(元上智大学教授・ザンクトガレン大学客員教授:八幡康貞)

私は連日のように無能な財務省や日本銀行のキャリア官僚を批判している。彼らが有能な本当のエリートならば問題はない。彼らは学歴は申し分がない。進学競争で勝ち抜いてきた秀才ぞろいだ。ところが日本が大きな壁にぶち当たると、彼らは前例がないとして殻の中に閉じこもり、エリートとしての責務を放棄してしまう。しかし彼らが無能であることが証明されても、その地位は剥奪されることはない。汚職などでその地位を追われることがあっても、彼らのネットワークは機能して、しばらくするとより高い地位が与えられる。

元日銀副総裁の福井氏は汚職でいったんは辞任したが、近いうちに日銀総裁に指名されるのだろう。彼らのネットワークが働いて、いかなる攻撃を受けても、彼らの地位は磐石である。彼らの組織は官庁のみならず、国会や財界へもネットワークの網は延びており、一つのロープを断ち切っても、網は切れたところを迂回して機能してゆく。その組織の発端は戦前の1937年にまで遡る。そして組織は敗戦後をも生き残り、GHQとも手を結び現代まで続いている。八幡教授は次のように指摘している。

1937年、林銑十郎内閣の頃、内閣調査局が拡大補充され、資源局と合併して企画院が発足し、戦時統制経済体制の計画策定にあたることになった。ここには、若手の官僚エコノミスト(その多くはマルキシスト)と軍から若手の将校が参加した。彼らはイデオロギーの符号こそ左右に正反対ではあったが、反資本主義・反自由主義である点では同じであった。将校の多くは日本の近代化(維新)によって無産化された旧士族の出身であり、また部下の兵士達から、特に農村の窮状を聞き知っていて、資本主義経済システムに対する反感を、マルキシストと共有していた。彼らは、ドイツと並んでソビエトの政治経済体制に大きな関心を持っていた。

日本の財閥の無力化、或いは資本家・株主の無力化は、実はすでにこのときに始まっていたのであった。国家総動員計画の遂行のために、経済の各分野は業種別の統制会に組織され、統制会は軍需省に直結してその指令を仰ぐことになった。統制会の組織には、資本家ではなく「経営者」が組み入れられ、ここで、資本家は自分の企業の経営に関する命令権を奪われ、「蚊帳の外」に置かれてしまった。戦後の財閥解体への布石とも言える措置である。資金調達が、金融市場を迂回してメインバンクからの融資で賄われる、つい最近まで存続していたメインバンク制度も、さらに、ごく最近まで日本では当たり前のことと見なされていたホールディング・カンパニーの禁止も、このときに考え出された制度である。

戦前から戦後にかけての日本の左翼官僚と、GHQにいたアメリカの左翼官僚とは、戦時経済のための「国家総動員計画」に含まれていた中央集権的・計画経済のモデルを、今度は戦後日本経済・社会の復興のモデルとして利用することで合意したのだ。彼らが、徹底的な財閥解体と、徹底的な農地改革(大土地所有の解体)と、希有なほど高率の財産税・相続税制度を密接な協力の下に、大いなる情熱をもって実現したことは想像に難くない。
(元上智大学教授・ザンクトガレン大学客員教授:八幡康貞)

現代においてはGHQをアメリカ政府と置き換えればいいのだろう。つまり彼らの組織はアメリカ政府と一体であり、小泉首相が連呼する「構造改革」とはアメリカ政府の指令に基づくものである。メンバーの一員である竹中平蔵大臣は、たとえ政策が失敗して大臣を失脚しても、彼にはハーバード大学教授の地位が約束されているのだろう。彼らはアメリカに留学することにより、その組織の一員になることが許される。その組織とは「フリーメーソン」と呼ばれている。

日本を縛る見えない鎖 元上智大学教授:八幡康貞



金文学著 「反日という甘えを断て」
韓国が排他的ナショナリズムに走る理由

2003年1月28日 火曜日
日本のナショナリズムはあまりにも貧弱だが、韓国のナショナリズムはあまりにも過剰である。ナショナリズムの議論になると、日本人はウイルスにでも触れたように萎縮してしまうが、韓国人は誰もが学生の前で講義する先生のように、堂々、かつ激情的に熱弁を吐く。そうだ確かに韓国は、ナショナリズムの強さにおいてだけは、弱小国ではない。その異常なほどの強固さは、世界の他の民族の追随を許さない。

ここではまず、ナショナリズムの土台となる原因の究明から着手しようと思う。皮肉にも「ネーション」の訳語である「民族」という単語すらも、糾弾対象である日本から、100年前に受容したものである。韓国に「ネーション」や「ナショナリズム」という概念が入ってきたのも、きわめて最近のことで、外来の力によって形成されてきたのだ。わたしはこの問題を考える時、三つの歴史的背景を忘れてならないと思う。

一つは、朝鮮王朝時代の内実である。普通韓国人は、教科書でも盛んに記述しているように、早くから単一民族による「国家」を完成したと信じ込み、李氏朝鮮時代もまた、現代でいう国民国家であるかのように思い込んでいる。これはとんでもない誤解である。

当時の朝鮮民族たる人々が自ら同じ民族であることを自覚し、その一員としての国家を求めたかといえば、そうではない。だから、李氏朝鮮王朝も、民族のものではなく、王家のもの、限りなく少数の特権貴族のものに過ぎなかった。したがって「国民」ではなく統治される「臣民」に過ぎなかった。

もう一つは、すぐ隣にあった中華帝国との関係である。韓国人は李氏朝鮮はあたかも独立王国のように思い込んでいるが、実際のところは、不幸にも中華帝国の属国であった。儒教的イデオロギーから、さまざまな制度から文物まで、中国のものであれば何でも取り入れた。国王すら、中華帝国の冊封を受けないと「王」になれなかった。だから、当時の朝鮮の住民は、朝鮮国王と中華皇帝の二重の「臣民」の不幸を甘受しなければならなかったのが実情だった。

さらに三つ目として、日本との関係は特別な意味を持つ。日本が19世紀末から朝鮮半島に進出した結果は、幸か不幸か朝鮮半島のそれまでの中華帝国の属国状態から解放することになった。またその後の日韓併合は、古来朝鮮「臣民」を支配した王朝を消滅してしまうことになった。その結果、今度は日本の「臣民」たることが強要される事になった。

結局、日本の敗戦によって、日本支配が終焉してしまうと、半島の住民たちはようやく「自己ネーション」を自覚するようになる。つまり、中華帝国や朝鮮半島の王朝の「臣民」でもなければ、日本ネーションに含まれるのでもない、本当の「韓民族」たるネーション作りに着手するようになったのである。

こうした歴史的背景を理解すれば、1945年の独立後のネーション作りやナショナリズムの形成には、徹底した反日と反共の実施以外に方法がなかったことが明らかになるであろう。半日と反共は、韓国の基本国策として国家が主導した。教育も反日によって、今までの日本色を完全に消滅させるのが主目的となった。「上からの反日韓民族主義」とも言われるゆえんだ。

このような民族主義教育によって半世紀も一貫して「洗脳」が行われると、当然ナショナリズムの異常なほどの肥大化と反日、排他的行動に走らないはずがない。俗に言うようにキムチを食べて育った人からキムチの匂いがするように、これはきわめて当然なことである。
(「反日という甘えを断て」より)

著者の金文学氏は中国の瀋陽生まれの韓国系三世で、日本に留学して日本語、中国語、韓国語に堪能な方です。だから韓国生まれで韓国育ちの韓国人から見ると、韓国を冷静に見られるのだろう。「親日派のための弁明」を書いたキム・ワンソプ氏も、オーストラリア留学経験から見た韓国のことを問題にしています。金文学氏が指摘しているように韓国のナショナリズムは「上からの教育によって洗脳されたナショナリズム」であり、その事が最近の韓国外交に影響をもたらしている。

この事はワールドカップの韓国の熱狂的な応援からも、私は気がついていた。韓国における異常はほどの反日感情は、そうせざるを得なかった歴史的背景が元になっている。地政学的に見ても朝鮮半島は中華帝国からの支配を受け続けざるを得ない。36年間の日本帝国の支配は歴史的に例外的なものであり、初めて中華帝国からの脱却がなされた。

しかしこの事は日本やアメリカからの支援がなければ、韓国という国家が成り立たないことを意味している。いくら韓国自身が熱狂的ナショナリズムを煽っても、強大な中華帝国からの圧迫が加えられれば、朝鮮半島の独立は成り立ち得ない。この点で韓国のノ・ムヒョン大統領の登場に一抹の不安がよぎったのですが、米韓関係が最悪のコースをたどろうとしている。

もし在韓米軍が韓国から撤退すれば、韓国は戦わずして中華帝国の支配下に入ることを意味している。日本は米軍の代わりに韓国に影響力を及ぼすことは出来ない。むしろ暴走する韓国のナショナリズムは、核武装した北朝鮮と一体となって、朝鮮半島の独立を保とうとしているように見える。しかし中国も米国も、がそのような事を許すはずがない。

病としての韓国ナショナリズム 在日女性の感想



ピーマン頭の政治家や財務・日銀の官僚では
インフレターゲット政策を実行させるのは危険だ

2003年1月27日 月曜日
浜田教授の意見の中で、もう一つ気になったのは「インフレ目標」を達成する手段として、日銀がETF(株価指数連動型上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)を購入することが有効としていることである。たしかに株価を上げたりや地価を安定させることは有望な手段かもしれない。しかし実態経済が悪いのに、株価だけを上昇させることには違和感がある。実際の経済が良くなる政策を行うことによって株価を上昇させるべきである。

さらに日銀がETF(株価指数連動型上場投資信託)を買上げることにはリスクが伴う。今日、資金は国債に集中しており、利回りはとうとう0.8%を割る水準である。このような状況で日銀がETF(株価指数連動型上場投資信託)を買い上げれば、資金がどっと株式市場に流れる。つまり国債市場から資金が流出し、国債の価格が大きく下落する可能性がある。日銀が国債を買支えれば良いが、その保証がない。つまりこの政策は、日銀の行動に大きく依存することになる。

筆者は、土地や株を買うことを否定しているのではない。しかしこれを行うのはあくまでも政府であり、日銀の任務ではない。このような政策は、政府の総合的な需要政策の一環として行うものである。またETF(株価指数連動型上場投資信託)や株式を買うとしたなら、株価が経済実態を反映せず、ずっと低位にある場合と考える。
(経済コラムマガジンより)

長引く不況の原因は日本の経済競争力が落ちたからではなく、大蔵省や日銀が行った金融政策の失敗によるものである。その証拠に円はますます高くなり、それにもかかわらず貿易黒字は増え続けている。つまり日本の技術水準は高く、さらに資本投資による金利収入が海外から入ってくる。円を高くしても日本でしか作れないものであれば、いくら高くても外国は日本から輸入せざるを得ない。

それならばと、国際金融資本は技術を持った日本の中小企業を潰して、中国へ移転させようとしているが、日本人も一緒に移転させる必要がある。ところが中国は長い間、学校教育などで反日教育を行っており、対日感情は非常に悪い。中国人は現実的だから最初のうちは日本人技術者を大歓迎してくれる。しかし技術を習得すると手のひらを返して裏切り行為をしてくる。中国人のプライドの高さは世界一だからだ。

長引く日本の不況は金融が正常化すれば、問題の半分は解決したといえる。どうすれば解決するかといえば株や土地などの資産デフレを解消すれば、不良債権問題も解決する。日本の銀行はすでに90兆円も不良債権を処理した。政府と日銀はその手助けをすればいいのに、逆に金融庁は銀行を締め上げて不良債権を吐き出させようとしている。吐き出させることによりハゲタカファンドは不良債権を安く買える。だから小泉首相のところにはロックフェラーをはじめ「ハゲタカ外資」が頻繁に出入りしている。

昨日のNHKスペシャルで「ハゲタカ外資」の特集を放送していましたが、その「ハゲタカ外資」に日本の年金ファンドが投資をしている。日本の年金資金が外資に預けられ、その資金で日本の銀行や企業を買収している。日本政府はこのような馬鹿げたことをいつまで続けさせているのだろう。「ハゲタカ外資」は金のあるところに追い払っても群がって来る。彼らも何故日本人に嫌われるか分かっている様だ。日本政府が馬鹿なうちは彼らも立ち去らないだろう。

番組の中で4兆円の資産を運用するビル・グロス氏が出ていましたが、彼の相場観と私の相場観がよく似ている。アメリカ企業の利益は底上げされており、NYダウは5000ドルあたりが水準だと指摘している。クリントン時代に会計法が改正され利益の底上げがしやすくなったためだ。私も「株式日記」で平成12年8月10日に「ゼロ金利解除でアメリカ株式大暴落」と書いている。その頃なら11000ドル以上で何千億円でも空売りが出来たはずだ。そして3000ドル以上も利鞘が稼げたはずだ。日本のファンドマネージャーはみんな素人だ。だから年金資金も外資のヘッジファンドに運用を任せるようになる。私の「株式日記」を読んでいただければ何千億円でも稼げる事が「また」あるかもしれない。

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原作藤沢周平・山田洋二監督「たそがれ清兵衛」
グローバル社会における日本文化の原点と時代劇

2003年1月26日 日曜日
原作は時代小説の第一人者、藤沢周平。脚本は「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」の3作を基に作られている。時代は幕末。主人公の井口清兵衛は2人の娘を男手一人で育てる平侍。夕刻にそそくさと帰宅することから「たそがれ」と陰口をたたかれていたが、剣の使い手であることが分かり、上意討ちの討ち手に選ばれてしまう。家族か、主君の命か――その悩みは現代サラリーマンの悲哀にも通じ、共感を得てもいる。

映画評論家の佐藤忠男さんは「時代劇としての立ち回りも見事だが、人と風土と社会と生活を緻密(ちみつ)に描いている。『七人の侍』も試みたが、『清兵衛』の成果はそれ以上。登場人物たちが本当に生きていただろうなと感じさせるほどに人間の描き方は深い。映画史の中で語り継がれる作品だ」と絶賛。“たそがれの邦画界”に久々に登場した大人の映画であるようだ。(毎日新聞2002年11月18日東京夕刊から)

先日のテレビのワイドショーで「たそがれ清兵衛」を紹介していたのですが、私はまだ見ていない。不景気な時代になると「忠臣蔵」とか時代劇が流行るようになります。江戸時代の貧しい生活が日本人のDNAとして蘇ってくるのでしょう。主人公は平侍ですが剣の腕が立つところは、必殺仕置き人の藤田まことが演じた中村主水を思わせます。腕の立つ侍が平侍や浪人をしていたりすると、現代サラリーマンの共感を呼ぶのでしょう。

ホームドラマの時代劇版とアクション映画の時代劇版とを兼ね備えた作りになっている。この映画の観客層は中年以上のお客さんが多いそうだ。最近のハリウッド映画はマシンガンを撃ちまくる戦争映画や、CGを多用したSFX映画が多く若い人向けです。日本人の大人向けの映画が少なく、特にテレビや映画では最近は時代劇が少なかったように思う。

他にも今年に入って「壬生義士伝」という時代劇も話題を呼んでいる。新撰組の一隊士の物語ですが、新しい視点で作られているところが話題を呼んでいる。時代によって新撰組も悪役になったり、義士になったりと評価が変わります。現代においても開国派がグローバリストであり、攘夷派がナショナリストという流れになる。私は現代の尊皇攘夷派の武士ということになる。

テレビのワイドショーで中井貴一が話していましたが、「ビルマの竪琴」のロケで現地にいた時に、熱を出して寝込んだ時に、車の中で「演歌」が流れてきて涙が出たそうです。落合信彦も外国で「無法松の一生」を聞いて日本に帰ってきたと書いていた。長い間外国で生活していると、日本のオリジナルなものが懐かしくなるようだ。グローバル化が進んだ現代でも、日本に固有の文化があるのかと思うほどなのですが、自覚していないDNAがあるようだ。

戦後五十数年たって外国のものがどっと入ってきて、我々の生活は一変した。インターネットの普及は日本と外国との境界を無くした。否が応でも外国の情報や文化が溢れることになる。となるとアイデンティティーを求めて、日本文化や日本語などのブームが起きるのも必然なのだろう。海外旅行に行って外国料理ばかりになって、お茶漬けが恋しくなるのと同じ現象だ。「たそがれ清兵衛」の掲示板に次のような投書がありましたので紹介します。

藤沢周平の娘さんが、映画「たそがれ清兵衛」を見た感想として、「これって、父のことだ」と話しています(1/20読売新聞都民版)。その記事を私は目からウロコが落ちる思いで読みました。身内だから自分のことのように思えた、といえばそれまでですが、でも、これまで誰がこのことに気付いたでしょうか。奥さんと死に別れ、小さな娘と祖母を抱えて、ほそぼそと夜、ペンでアルバイトをしていた会社員、藤沢周平。直木賞を受賞し、認められ、再婚しても決して奢らなかった作家、藤沢周平。それは、ペンを剣に置き換えれば「たそがれ清兵衛」そのものです。藤沢周平ファンであればとっくに気付かなければならないことだったでしょう。

・山田監督はなぜ、あれほどまでに庄内弁にこだわったのか
・なぜ、ストーリーが原作とは違うのか
・なぜ、蛇足とも思えるラストシーンを挿入したのか。

いま、私の心の中ではすべての謎が解けたように思います。山田監督が原作にもない庄内弁にこだわり、あえてストーリーを変えたのは、実は小説「たそがれ清兵衛」の映画を作ろうとしたのではなく、藤沢周平の小説を借りて、藤沢周平自身を描きたかった、監督の藤沢周平に対する敬意のあらわれであり、故藤沢周平に捧げる鎮魂歌だったのではなかったでしょうか。ラストシーンで娘の以登が語る父への想いは、藤沢周平の遺書『書き遺すこと』を思い起こさせます。これは藤沢周平の想いであり、藤沢周平の娘さんの想いでもあったのです。藤沢周平を語る時、あのシーンはなくてはならなかったのです。

「たそがれ清兵衛」 公式サイト



米軍のイラク攻撃は短期間に終わるのか
高まる反戦デモでジョンソン大統領の二の舞か

2003年1月25日 土曜日
ブッシュ政権が石油利権に執着する背景には、二〇二〇年頃に石油が世界的に逼迫するという可能性に対するグローバル資本の危機感がある。国際エネルギー機関(IEA)の予測では、世界の石油需要(日量)は一九九七年時点の七千四百五十万バレルから二〇二〇年時点の一億一千五百万バレルにまで拡大する。例えば、九三年に石油輸入国に転じた中国は猛烈な勢いで石油需要を拡大し、二〇〇〇年に米国・日本に次ぐ世界第三位の石油消費国なった。IEAによれば、中国は二〇二〇年には国内消費の七七%を輸入に依存するようになるという。
とりわけ米国は、七〇年代に輸入原油の三分の一を占めた中東への依存度を八〇年代に約一〇%まで引き下げたが、再び増加に向かい二〇〇一年には約二九%にまで拡大している。現在の原油確認埋蔵量でイラクは一一%と第二位を占める。しかし米石油資本は湾岸戦争での敵対関係からイラクの石油資源に関与することができず、その間にフランス・ロシア・中国がイラクとの間で石油開発計画を着々と進めてきた
それをそのまま放置することは、反米を掲げるイラクの地位の上昇と米国の中東での地位の低下だけでなく、EU(欧州連合)や中国などとの競争で米国の立場を著しく弱めることになる。米国のグローバル資本は、世界市場の争奪競争で生き残り、世界支配を維持するためにも、中東石油資源支配を死活的に重要な問題と考えている。それを、武力によって強引に遂行しようとしているのである。
(統一の旗ウエブサイトより)

図面を見ていただければわかるとおり、イラクの油田開発にフランス、ロシア、中国が石油利権に関わっている。それに対して米国や英国はイラクに対する経済制裁がたたって、石油利権から外れてしまった。米英にとってはフセイン大統領が失脚するのを待ってはいられなくなって先制攻撃を仕掛けるのであろう。

フランスとロシアと中国はイラクの石油の利権を手放すだろうか。米国が軍事的にイラクを支配することが出来ても、傀儡政権を作ることは難しいようだ。アフガニスタンですら満足に統治できていない。軍事的に支配するには数十万の米軍を駐留させる必要がありますが、イラク国民が大人しくしているだろうか。

おそらくアラブ周辺諸国から義勇兵がゲリラとしてイラクに侵入してくるだろう。おそらく米軍兵はイラク国民とアラブ人ゲリラを見分けることは出来ない。だから米国政府は長期戦を覚悟しているようだが、アメリカ経済がそれを許すだろうか。ベトナムですら米軍は軍事的優勢を維持することは出来なかった。そしてイラクへの補給路は長くて、南と北に僅かに出入り口があるだけだ。

フランス、ロシア、中国は米国がイラクの罠にはまって、軍事攻撃することを想定している。フセインも正面から抵抗はせず、バクダッドでの市街戦に持ち込むだろう。ニュースでもフセインは人民を盾とする地上戦を想定している。それに対して数万人の地上部隊で戦えるのだろうか。ベトナム戦争の英雄のパウエル長官はそれが一番よくわかっているはずだ。

ブッシュ大統領が冷静な計算の出来る人物なら、イラク攻撃を止まるだろう。しかしブッシュのことだから、ほんとにイラク攻撃をしかねない。たぶん北朝鮮がその時動き出すだろう。米国は二正面作戦を強いられる。イラクと北朝鮮のバックにはロシアと中国がひかえている。その時アメリカは一方的先制攻撃を仕掛けたわけだから、国連でアメリカが非難決議を受けることになるだろう。

ベトナム戦争が泥沼化した頃、ジョンソン大統領は再選を断念した。反戦デモの高まりで動きが取れなくなったからだ。同じテキサス出身のブッシュ大統領も再選を断念することもありうる。今のところ民主党には強力な候補がいませんが、イラク攻撃が泥沼化したら民主党の大統領が選ばれるだろう。私もブッシュ大統領が登場した頃は少しは期待したが、これほどバカな大統領とは思わなかった。

石油のためのイラク戦争 軍事占領も構想するブッシュ



靖国参拝、国債30兆、ペイオフ解禁で小泉首相は
「この程度の約束を守れなかった事は大したことではない」

2003年1月24日 金曜日
衆院予算委員会は23日午前、小泉純一郎首相と全閣僚が出席して、2002年度補正予算案に関する基本的質疑を行った。首相は補正編成に伴い今年度の国債発行額が公約の30兆円枠を突破したことについて「この程度の約束を守れなかったことは大したことではない」と述べ、公約違反の批判は当たらないとの認識を示した。民主党の菅直人代表への答弁。
 (時事通信)[1月23日13時2分更新]

小泉首相が無責任で無内容なワイドショー政治をつづけている間に日本経済は一層悪化した。企業倒産は増加、失業率は上昇。株価は下降をつづけている。この間、小泉政権は不況を促進させる政策をとりつづけてきた。今も変えていない。日本経済は小泉内閣の破壊的政策によって縮小過程を進んできたのである。

その上、2002年秋、さらに悪いことが起きた。小泉首相は2002年9月12日の日米首脳会談においてブッシュ大統領に対して「不良債権処理の加速化」を約束した。これを実行するため、堅実な金融政策を守ってきた柳沢金融相を更迭し、アメリカ一辺倒の破壊主義者・竹中平蔵経財相に金融相を兼任させた。小泉首相は竹中氏に経済・財政・金融政策を丸投げしたのである。この結果、小泉内閣対メガバンクの深刻な対立が起きた。

小泉内閣のバックにいるのはブッシュ政権、さらにその背後に巨大な米金融資本がいる。米金融資本は日本の金融を握り、それを通じて日本経済の支配を狙っている。この狙いは、ブッシュ政権が小泉政権を手下化することによって急速に具体化している。これが竹中金融相による日本メガバンクの国有化構想であり、そのための政府による強引な自己資本比率の下落の措置である。
(森田実の時代を斬るより)

昨日の予算委員会の菅直人民主党代表と小泉首相の質疑応答は菅直人に軍配は上がった。この点は鳩山前代表には出来なかったことだ。むしろ最初は小泉首相の応援団のような姿勢を見せたことで、国会内で野党が無くなってしまったような状況が生まれた。マスコミも構造改革応援キャンペーンを張って、支持率は90%にも達した。

そのような状況で小泉内閣を批判していたのは、大橋巨泉議員と評論家の森田実氏と「株式日記」ぐらいだ。2001年7月にも「自民党と官僚が作ったアイドル首相」と、小泉内閣の本質を突いて批判しています。巨泉氏が指摘していたように「森前総理と変わらぬ体質の小泉首相に構造改革など出来るわけは無い」のです。むしろ米金融資本と手を組み、日本経済を売り渡そうとしている。「株式日記」では次のように指摘している。

結局は日本経済の崩壊が自民党政治を終わらせることだろう。小泉政権によってそれは確定的になった。構造改革も不良債権処理も景気が回復しない限り解決しない。小泉総理は「株価の上がり下がりに一喜一憂すべきでない」と言っている。宮沢元総理も「株は上がる事もあれば下がる事もある」と言っていた。史上最低の総理だった宮沢氏と小泉氏は共通点が多い。党務をやらない事と株価に無関心なところはそっくりだ。

私は、最初の頃は小泉首相へFAXなどを送って政策提言をしていましたが、公約とは正反対の政策提言だった。もしそのとおり行っていれば日本経済は立ち直っていたはずだ。インフレターゲット政策もその頃から評価して提言していた。しかしまたしても宮沢元総理が出てきてインフレターゲット政策には慎重にというアドバイスを小泉首相にしていた。日銀の国債引受=ハイパーインフレという常識に囚われているのだろう。

私が見るところ財務省の官僚や日銀の官僚たちは、通貨の基本原理をよく理解していないのだろう。彼らは教科書に書いてあることはよく理解している。だから東大を卒業できたのだ。しかし教科書に無い事が起きている時には、彼らは全くの無能集団となる。高橋是清のように実社会で揉まれて来た人物なら思い切った政策を実行できるが、無能集団は前例が無いことは出来ないのだ。この点を熊谷保守新党代表は次のように発言している。

保守新党の熊谷弘代表は23日午後の記者会見で、日銀の金融政策について「小泉純一郎首相がデフレ対策の充実を言い続けているが、一番の政策の柱となる日銀が何ら反応しない。金融政策論議の問題の本質をつかむ能力がない」と批判した。その上で、銀行等保有株式取得機構の株式買い取りのための資金調達に、日銀が何らかの形で関与すべきだとの考えを示した。 (時事通信)[1月23日17時3分更新]

小泉構造改革は失敗した 森田実の時代を斬る




大前研一著「チャイナ・インパクト」「中華連邦」
IT革命を煽った著者が中国を煽っている

2003年1月23日 木曜日
ほんらい企業活動の集積であるはずの「経済成長率」に、市長が責任を持つというのも異常なら、その成長率「目標」が「北京から与えられる」のも異常。さらに、「達成できなかったら」北京の中央政府によって解任されてしまうというのも異常ではないか。こういうのを「中央集権」的社会主義というのではないか。ところが何を思ったか大前氏は≪日本の市長にもこれを導入してもらいたいと思う≫と書く。

「先進的」と思っていた広東省の新開地の行政が、かくも北京のコントロール下にあるとは、コラム子にはいささかショックだった。 ところが大前氏は、朱鎔基(しゅ・ようき)総理の経済政策を賛美しつつ、同じ38頁にこう書くのである。≪朱鎔基革命で地方の自立化が進んだため、今の中国に中央集権という概念は当たらない。≫

なぜ大陸中国の工場が「在庫一掃、大処分販売」をしながらも商品を作りつづけるのか。中央政府から、全国の市のレベルにまで、経済成長率のノルマが課されているからだろう。たとえ赤字であっても生産を止められない事情を、図らずも告白してしまったのが番禺市長である。 ノルマ不達成でクビが飛ぶとなれば、とにかく工場に操業を続けてもらうしかない。それでもダメなら、統計の数字を操作するしかない。
 
日本の新聞にはあまり出て来ないが、米国の『ウォールストリート・ジャーナル』には、中国の年7%以上の経済成長なるものに疑問を呈する論評がしばしば登場している。大陸中国の上海周辺(長江デルタ)と広東省沿海部(珠江デルタ)の繁栄は、誰しも否定しないけれど、大中国全体の経済を7%成長に引っ張り上げるほどの牽引力があるのかどうか。コラム子など、どちらを信じるかと言われれば、やはり『ウォールストリート・ジャーナル』の辛口コラムの方を信じてしまうのだが。
(国際派時事コラムより)

「『中華連邦』は『一国二制度』以上にひどい。台湾人民は受け入れることはできない」との見解を公式に示した。 国家元首が日本の一評論家の論説に反駁するとは異例。それだけ不快感を与えた、ということである。 陳総統は、「中国が主張する「一つの中国」の原則について核心は『一国二制度』。台湾を「第二の香港」「地方政府」、あるいは「特別行政府」にするというものであり、台湾の現況を変更、破壊するものだ。これは2300万人民は受け入れることはできない、また台湾の前途を選択するのは台湾人民だけが持っている」とした。
(宮崎正弘の国際ニュースより)

大前研一氏はグローバリスト中のグローバリストである。外資系証券会社のオピニオン・リーダー的存在である。著者の略歴を見てもコンサルタントのマッキンゼーをはじめカタカナで書かれた肩書きがずらりと並ぶ。以前にテレビ東京で「IT革命」を主題にしたテレビ番組を土曜日に放送していた。 言っている事は終始、英語に強くなれ、パソコンを十分に使いこなせ、といった内容であった。

確かにもっともなことですが、「IT革命」なるものは幻だった。電話や自動車の普及による革命に比べればインパクトは遥かに小さかった。中国に関する大前研一氏の見識も疑いを持たざるを得ない。大前氏が「中国崩壊論者」から「超大国中国」論者に転向したのは、ITバブルが崩壊した頃のことで、外資系証券会社の営業戦略そのものだ。この中国ブームはいつごろまで続くのだろうか。

すでに日本では何度も中国投資ブームがあり、その都度ヤオハンに見られるがごとく、身包み剥がされて追い出されてきた。とくに香港に投資してきた日本企業が、中国への返還でチャンスとばかりに、中国の経済特区に進出している。しかしそこはイギリスの植民地だった香港とは違って、共産党一党独裁国家であることを思い知るのは必然である。コラム子は次のように中国共産党を解説している。

大前氏は「共産党」の本質が分かっていないようだ。共産党というのは、社会のすべてのエリートをその傘下に集めることを目指す利権集団である。共産党の外にいるエリートは、粛清するか、社会的に抹殺するか、党内に取り込むかの何れかである。21世紀初頭にもなって、資本家の「粛清」も「抹殺」も難しいから、あとは「取り込む」しかないではないか。 複数政党制で民主選挙がある台湾と、村長レベルの選挙しか行えない独裁政党制の大陸中国とでは、国家体制がまるで違う。中国共産党が資本家・経営者を入党させることにしたのは、「独裁政党」であり続けるためだ。(国際派時事コラム)

大前研一氏は中国でもビジネスを始めている。これはアメリカと同じ英語国であるインドにコールセンターをもって行ったことを応用したものである。日本語の出来る中国人に、日本で行われていたコールセンター業務をやらせてビジネスにしようとしている。まさにグローバリストの面目躍如している。しかし中国をよく知るコラム子は疑問を投げかけている。あとで痛い思いをするのは目に見えている。

これがアメリカ資本の会社なら、米国の武力の脅しで投下資本を回収することは出来るが、日本政府は何の面倒も見てくれないだろう。政府自身が中国の工作機関の言いなりになっているからどうしようもない。中国がWTOに加盟したところで何一つ変わらないだろう。中国は近代国家ではないのだから法律も、商習慣も日本とは異なる。独裁国家だから裁判を起こしても司法は独立していないから無意味だ。それよりかは賄賂を咬ましたほうが上手く行く。コラム子は最後に次のような予言をしている。

大陸中国は、数年後に何かを契機にやおら「居直る」可能性があると思う。 「WTOは、先進諸国に奉仕する『途上国植民地化』の陰謀集団だ」などと言いつのりつつ、「発展途上国の代表」と称して、「造反有理(反乱には正当な理由あり)」の旗を掲げるかもしれない。 そういうとき、日本人の一定数の人々は、「反米」の匂いを嗅いで、共に燃え上がってしまう。焼け木杭(ぼっくい)に火がつくように。 これは「左」と「右」を問わない。 どうか、大陸中国の 「反米への魔の誘い」 にお乗りになりませんようにと、これはもう今から、申し上げておきたい。(国際派時事コラム)

大前研一氏の「中国論」のチグハグさ 国際派時事コラム



銀行は公募増資で自己資本を増強せよ
頭取は投資家に頭を下げてお願いしろ

2003年1月22日 水曜日
竹中経済財政・金融相は21日の閣議後の記者会見で、みずほフィナンシャルグループが1兆円規模を目標とした増資を計画するなど大手各行で資本増強の動きが出ていることについて、「一般論として、金融再生プログラム(不良債権処理の加速策)がいろいろな形でインパクトを持ちつつあるという点で評価できる」と述べた。その一方、銀行の経営改革の成果については「戦略性や健全性などの観点からしっかり見ていきたい。何より結果を出してほしい」と銀行側に注文をつけた。
(読売新聞) [1月21日19時58分更新]

地域銀行の不振は地元企業や自治体にとって他人事ではない。だから地域銀行の増 資に無関心というわけにはいかない。その銀行から融資を受けていれば余計そうであ る。しかし、そうした心理を見透かし有形無形の圧力を背景に行われる増資は、決し て質の良い増資とは云えない。 ここ数年、地元経済界などの協力を前提とした地域銀行の資本増強が度々行われてき た。そして今現在も行われている。しかし、資本不足に困窮しているのは銀行だけで はない。増資を要請される企業とて同じだ。そうした企業を引受け手とする増資はそ ろそろ限界に来ているようにも見える。

昨年10月、一部の著名経済学者達7名が金融システム再生へ向けて緊急提言を行 った。そこには「資本不足に陥った銀行は市場から資本調達を行うことを義務付ける」 「自力でそれが出来なければ一時国有化する」等が提言されている。提言者によれば 「増資の可否を問うことで市場の信認を受けていない銀行の現状を浮き彫りにする」 のが狙いのようだが、地域銀行の第三者割当増資は市場での資本調達とは対極に位置 する。 足利銀行が市場での公募増資を目論んだとしたらどういう結果が出ただろうか。私の 勝手な推測に過ぎないが、おそらく増資に応募する人や企業は少ないと思う。今のよ うな状況で誰が応募するのかという問題に直面する筈だ。
(メルマガ 中小企業と銀行取引より)

日本企業の一番の問題点は株主総会が骨抜きになり、株主の経営者に対するチェックが効かない事だ。それは銀行と企業とが株式を持ち合い、お互いの大株主になることによる、もたれ合いの経営が行われていた。そして既存株主を無視した安易な増資を行い、特に個人株主の利益は踏みにじられて来た。バブルの頃行われた銀行の公募増資も限りなく第三者割り当てに近いものでった。

それでも一般企業は国内や海外で経営努力をしていかなければ脱落してゆく。銀行には頭を下げて融資のお願いをして、業績が悪ければ銀行からリストラのアドバイスを受け、企業のトップはそれだけの能力を要求される。ところが銀行のトップは、護送船団の保護された状態で、なんらの企業努力も必要が無かった。平の行員に預金集めの号令を掛けていればそれで済んだ。借り手はいくらでもいた。

つまり銀行の頭取とは誰でも務まり、高給が保証されていた。株主総会も機能せず、経営努力は無縁であり、ただMOF担に大蔵省の意向を伺っていれば済んだ。ところが護送船団方式が崩れだし、不良債権問題で銀行経営が揺らぎだすと、銀行の頭取達は対策を何一つ打つことが出来ないほど能力は劣化していた。だから米国政府やハゲタカ達にとって見れば、日本の銀行を陥れるのは、日本政府や大蔵省に工作を仕掛ければ容易なことだった。

普通ならばBIS規制で自己資本の増強を迫られた時点で、資産を処分しリストラを断行し、公募増資をしていれば何の問題も無かった。バブル前のことだからやろうと思えば出来たはずだ。しかし、そんなことをしようとすれば狂人扱いされただろう。銀行経営は横並びが鉄則であり、金融当局が銀行独自の経営も許すはず無かった。銀行経営が危機に直面した場合、リストラを断行し、頭取自ら世界を回って投資家に頭を下げて、増資に応じてもらうように努力するのが常識だ。ところが日本の銀行経営者は人に頭を下げたことが無い。

みずほHDの前田社長は1兆円の増資を成功させることが出来るのだろうか。おそらくUFJや三井住友のように外資から出資を得るのだろう。しかも交渉能力も無いから条件は足元を見られた形になるだろう。日本の銀行経営者がシビアに経営能力を見られることは今まで無かった。経営体質は限りなくお役所に近く、出世するには学歴、年功、派閥がものをいった。

このようにしてみれば日本の金融危機の責任は銀行よりも、大蔵や日銀の護送船団行政に責任がある。金利の自由化や経営の自由化は名ばかりのもので、横並び経営はいまだに続いている。今回の増資も横並びだし、合併してメガバンクになったことすら横並びだ。たぶん倒産も横並びだろう。有能な銀行経営者だったら、単独でリストラをして資本の充実を図って経営を立て直したはずだ。合併して大型化したことにより、かえって身動きがとれずに再建が遅れる結果になっている。

誰が(増資)に応ずるか(銀行の第三者割当増資)



米国の首都ワシントンでは約50万人の反戦デモ参加者
マスコミはロックフェラーとシオニストに支配されている証明だ


2003年1月21日 火曜日
[ワシントン/バグダッド 18日 ロイター] 米国のイラク攻撃に反対する大規模な抗議デモが、世界各地で行われた。米国の首都ワシントンでは約50万人のデモ参加者が、石油利権が目的としてイラク攻撃を非難するスローガンを叫び、「政権交代は米国から」「キリストはイラクを爆撃するか」などと書かれたプラカードを掲げた。ロンドンやリバプールなど英国各地の集会では、ブッシュ米大統領への追従姿勢が指摘されているブレア首相を“米国の犬”とやゆする参加者が目立った。反戦デモは、東京、パリ、ベイルート、ダマスカス、カイロ、パキスタンのラワルピンディでも行われた。
(ロイター)[1月19日14時24分更新]

Half a million people marched through the streets of Washington Saturday and 200,000 demonstrated in San Francisco in the largest U.S. demonstrations yet against war with Iraq.

半分の100万人の人々は土曜日にワシントンの通りを通って行進した、そして、200,000はイラクとの戦いに対してまだ最大のアメリカ・デモンストレーションにおいてサンフランシスコの中にデモをした。
(A.N.S.W.E.Rのホームページより)

イラク反戦デモをサンフランシスコで取材した。今18日午後7時になるがつい先ほどまで現場にいた。警察や主流メディアの発表はいつも政治的に小さい数字となるが、現場で概算すると前回より規模が膨らみ、控えめにみて10数万人から20万人近くの参加者とみられる。地元商店街の店主など30年前のベトナム反戦のデモ行進の記憶を持つ人によると、それよりも大きいと証言した。つまり、サンフランシスコでは史上最大規模のデモ行進となったといえる。
(阿修羅BBSの書き込みより)

私は18日の全米の反戦デモがどのように報道されるか興味を持って見ていましたが、やはり予想どうりだった。NHKのテレビニュースでは報道されず、CNNのニュースでは数万人のデモがあったと報道していた。しかしインターネットのニュースでは50万人のデモが行われたと出ていたので数字の間違いではないかと思ったのですが、インターネットの写真を見るとワシントンの広場の遥か彼方まで人で埋まっている。とても数万人レベルではない。

サンフランシスコでも20万人の参加者があったという。普通ならこのような大規模なデモはテレビのニュースでもトップで報道されるはずですが、一部のマスコミでしか報道されていなかった。イラク攻撃の反戦デモはニュースとしての価値が無いというマスコミの判断なのかもしれませんが、政府やスポンサーからの干渉で報道出来ないのだろう。

これと同じようなことはワールドカップでも見られましたが、マスコミは体制側権力者の世論操作機関に過ぎない。肩書きの立派な学者や評論家がテレビで解説していることを、国民大衆は信じてしまう。世論調査で発表される数字もおそらく操作されているのだろう。アメリカでも9,11直後のような星条旗を振りかざす状況ではないようだ。アフガニスタン空爆は防ぎきれなかったが、イラク攻撃はアメリカ国内世論で抑える事が出来るのだろうか。

万が一イラク攻撃が実行された場合、世界世論からアメリカは激しい非難を浴びることだろう。湾岸戦争の時のような大義が無いからだ。フセインを葬るのは簡単でも、統治することは難しい。イスラム諸国はますます反米的になり、アメリカの信義は失墜する。今回もアメリカは戦争費用負担を同盟国に求めるようだ。またしても日本は金だけ出さされて世界から馬鹿にされるのだろう。

アメリカはもはやマスコミ・テクノロジーに支配された巨大な人間収容所だ。絶えず秘密警察に監視され、羊のように世論誘導されて戦争に駆り出されているにもかかわらず、国民はアメリカを自由と民主主義を守る繁栄した天国と思い込まされている。このようなことを続けていればアメリカは世界から袋叩きに遭う時代が近いうちにやってくるだろう。

サンフランシスコでのイラク戦反対デモを取材して
A.N.S.W.E.Rのホームページの写真
サンフランシスコ20万人反戦デモ写真
ワシントンDC50万人反戦デモ写真



ブレンダン・ブラウン著「ヨーヨー円」
日本経済の破壊者、それは日銀だ。

2003年1月20日 月曜日
1985年以降の10年間、日本経済は未曾有の金融大異変に見舞われてきた。その通貨、円はドルやアジア通貨に対して3倍に増価したのである。90年代半ば以降若干の戻りがあったものの、02年夏現在、それども円は依然として85年はじめに比べてほぼ2倍の価値を維持している。比較のためにマルクを見ると、95年半ばには81−85年の対ドル相場の平均水準に対して約2倍に増価したが、現在ではわずか15%高い水準まで戻している。

10年間で通貨が400%も上昇すれば、しかも大きなインフレ格差があったわけでもないとすれば、その国の経済に壊滅的な影響がないはずがないということは、ちょっと考えれば誰にでも100%自明であろう。そのような現象が起こり得るためには、通常なら市場で作用する均衡化メカニズムが甚大な機能不全に陥っていたに相違ないことも明白だ。金融政策にも重大な誤りがあった可能性大である。にもかかわらず、巨大な円バブルのほとんど信じがたい側面だが、当時の人々は何が起こっていたのかについて全く盲目だったのである。

円相場の激変が日本経済に与えた避けがたい破壊行為が誰の目にも明らかになると、近視眼に対する集団攻撃が始まった。官僚、政治家、エコノミスト、それに評論家など全てが一緒になって、いわゆる「失われた10年」の責任を日本経済の「構造問題」になすりつけたのである。

しかし「大・円バブル」の歴史が楽観的な結末を迎えることは、可能かもしれない。もし日本経済の欠陥が主として為替相場における恐ろしく大きな不整合に由来するとすれば、それならば日本経済構造のいたるところに潜んでいる欠陥ではなくて、為替相場にある欠陥にこそ取り組むことによって、大きな改善を引き出すことが必ずや可能であろう。ミルトン・フリードマン教授が50年前に言ったように、みんなが1時間早く起きようとするよりも、時計の針を1時間だけ戻したほうが簡単であろう。

現在の日本経済についてどうしたら時計の針を1時間だけ後戻りさせることが出来るのだろうか。本書には日本からの資本流出を一挙に活性化させて円を下落させるための政策提言が盛り込まれている。中には従来の通念にとらわれない要素(マイナス金利や対外投資に対する補助金など)を含んでいる。日本が被った通貨ショックの甚大さを考えれば、通念にとらわれない斬新さは実施にとって全く障害とはならないはずだ。

1990年代初めに日本のバブル経済が崩壊した時、円相場は大幅に下落してしかるべきであった。それが理論的および歴史的な教訓である。しかし、95年半ばまでの5年間では円はドルに対してほぼ100%上昇してしまった。つまり、最大級の経済バブルの後に、同じく最大級の円バブルが続いたのである。それが、日本経済にとって災難だった。

円相場が180円水準に戻れば、深刻な過大評価があった時期に始まった産業の空洞化でさえ逆転するだろう。労働集約的で技術水準の低い製造業が、東アジアあるいは東南アジア諸国から日本に復帰してくるということではない。しかし技術的に高度で非労働集約的なさまざまな産業では、円安という環境が整えば、日本企業は海外生産を抑制する一方で国内生産を増加させるだろう。

経済成長が加速すれば、政府は財政再建という野心的なプログラムを推進することが可能になる。構造的に膨大な民間の余剰貯蓄は収益性が低いかマイナスの公共投資に流れ込んでゆく代わりに、外貨資産の蓄積に向かうようになるだろう。対外投資収益の受け取りが急増して、人口の高齢化に伴って著増する若年層の年金負担を軽減するのに役立つことだろう。

日本銀行の総裁二人(三重野総裁と速水総裁)は円高ショックが経済改革の引き金になることを期待して、円高のための円高を信奉した。彼らはバブル経済崩壊後に生じた貯蓄超過の拡大が巨額の経常黒字と円安を誘発するはずだということを宣言することはおろか、理解することすら出来なかった。
(ヨーヨー円 序文およびプロローグより要約)

リチャード・ヴェルナー著「円の支配者」は大きな反響を巻き起こしましたが、それに続く著書がありましたので紹介します。「ヨーヨー円」とは乱高下と均衡からの乖離する「円」という意味を表している。著者はロンドンにある東京三菱インターナショナルで長いこと調査部門で働く研究員です。本書はごく近時点までをカバーする「円相場の戦後史」であり、国内外を見回しても最近では類書がない。ベテランの英国人エコノミストがやさしく書いた一般書です。

著者のブレンダン・ブラウン氏は20世紀末における日本経済の「失われた10年」の元凶は円高、ひいては日銀による金融政策の誤りにあると断罪している。基本的に円高が継続しているのは日銀の官僚たちの誤った政策スタンスにあると痛烈な批判を行っている。他の主要通貨に見られぬほど激しい乱高下があったのは、大蔵、日銀当局の経済金融政策の不適切さを糾弾している。

この事は外為相場に精通している有能な関係者ならば誰もが感じていることだ。しかし三重野総裁から速水総裁は円高にこだわり、円高にする事により日本経済の構造改革を進めるという政策が間違っていることを、私もたびたび指摘してきた。そして構造改革が進まないことのみならず日本経済そのものを破壊しようとしている。しかし私は外為の専門家ではない。学術的に解明することはとても無理だ。

「円の支配者」以降、日本の経済学者からもそれに触発された著書が出始めている。しかし日本人学者ではその能力的限界を感じざるを得ない。サラリーマン学者では日銀や財務省当局の逆鱗に触れるようなことは告発できないだろう。むしろ「円の支配者」をとんでも本として葬り去ろうとした。おそらく「ヨーヨー円」もとんでも本として、経済誌の書評では酷評されるだろう。しかし有能な業界関係者には評価されるはずだ。

「ヨーヨー円」の本で書かれている焦点は日銀当局の金融政策の誤謬がその焦点となっている。詳しいことはこの本を買って読んでみてください。業界関係者でなければピンと来ない部分もありますが、「円の支配者」を補完する本として読んでみると面白いと思います。日銀総裁が近々交代しますが外為相場に精通した人材が望ましいのですが、バブルと超円高を巻き起こした福井氏でいいのだろうか。彼の能力に疑問を持っています。

「ヨーヨー円」の本の注文はこちらへ



マイケル・ムーア監督「ボーリング・フォー・コロンバイン」
普通の国カナダから見るとアメリカは強迫神経症の国

2003年1月19日 日曜日
この映画の中で、カナダは、世帯当たりの銃所持率ではアメリカよりも高いカナダで銃犯罪が少ないのはなぜなのかという、銃社会アメリカを解明してゆくための糸口のような役割を与えられ登場する。ムーアと少年たちの一行は、カナダの様子を見に、ナイアガラの滝近くの国境を超えてやって来る。そしてそこでは、銃犯罪といえば、「そういえば三年前に一件あった」とか、「そうそうアメリカ人が銃を持ち込んで騒動を起こしたっけ」、などという話を聞くことになり、終いには、銃どころか、「鍵もあんまりかけないし……」などと言う若いカナダ人に出会うことになる。

その意味で、カナダは、ただ単純に、普通に安全なだけで、それ以上でもそれ以下でもない。個別には多種多様な犯罪だってないわけではない。ムーアはわざわざアメリカ人を驚かせるために、手近のカナダを、半分は観客の笑いを想定しながら(アメリカ人は伝統的にカナダ人を、うすのろな感じでこき下ろすのが好きだ)使ったかもしれないが、カナダには、普通の国家群にとっての普通の状況があると言った方がいいのではないかと私は思う。国境の向こう側、アメリカ東海岸に住まいし、その後カナダに移って来たときに、私が、真っ先に、そして確かに気がついたのはその「普通の感じ」だった。アメリカから来る友人は、来る度に「気が抜ける」と言い、東京から来る人は「だらっとしてる」と言う。

そういえば今年は、春先にアメリカ人パイロットの誤爆でカナダ人の兵士が亡くなるという事件もあったが、そこにもパニックというのはなかった。ただ、もっと、深く、怒りや不信を見たようには思った。遺体がカナダに到着する、自分の故郷につく、葬儀をする事にいちいち必ず報道することによって、静かに、しっかりと事態の重みが多くの人に共有されていた。(川上直子)

1月5日の日記で最悪人種ランキングで1位中国人、2位米国人、3位韓国人と書いたコラムを紹介しました。悪いやつほど世にはばかるで、銃を持ったアメリカ人の凶暴さを、実際に起きた事件を元にマイケル・ムーア監督は「ボーリング・フォー・コロンバイン」というドキュメンタリー映画を作りました。近々日本でも公開されるらしい。「気違いに刃物」という諺がありますが、「アメリカ人に拳銃」というべき諺が出来てもおかしくない時代だ。

そのような最悪人種の国ほど、「わが国を好きになれ」と日本のマスコミに金をばら撒いて宣伝工作をする。ワールドカップの時にも日本のマスコミは、審判を買収し、汚いサッカーをする韓国チームを応援しようと大キャンペーンをした。そしてやらせに近いニュースを繰り返して放送した。韓国に限らず、米国や中国も同じ事をしている。しかし瀋陽事件やアフガニスタン無差別爆撃を見て中国や米国を好きになれというほうが狂っている。

マイケル・ムーア監督は、このほかにも「アホでマヌケなアメリカ白人」という本も書いている。出版には様々な圧力があったらしいが、発売後ベストセラーになり物議をかもしている。しかしながらマイケル・ムーア監督の映画や本が禁止されなかったのは、お笑いでカモフラージュしているからである。生真面目に真実を告発すれば、政府権力者も黙ってはいないだろう。ところが、お笑いでジョークとして発表する分には逃げ道があるから、政府権力者も弾圧のしようがない。

日曜日の報道番組では焦点のずれた事ばかり討論される。誰もが避けるタブー扱いされる問題はお笑い番組で、お笑い芸人しか言う事が出来ない。米国では9,11の後、お笑い番組でブッシュをからかって、そのお笑いコメディアンが首になった。この事を知って私はアメリカの病気は相当重症であると感じました。最早アメリカは超大国の寛容さをも失ってきている。だから私はアメリカ帝国の先は長くは無いと書き続けている。

覚醒型ナショナリストの住むところ 川上直子
マイケル・ムーアとは何者か。太田龍の時事寸評



マイクロソフトのウィンドウズの時代は終わった
一人勝ちとは米国の様に全世界を敵にすること

2003年1月18日 土曜日
マイクロソフトは、各国公的機関が「リナックス」など、無料のオープンソースOSを活用することを阻止するために、さまざまなロビイングや公益キャンペーンを展開している。オープンソースのOSを活用する場合、利用協定に基づいてソースコードを自由に改良、再配布することができる。リナックス製品を扱うレッドハット(Nasdaq:RHAT)のマーケティング担当バイスプレジデント、マーク・デビッサー氏は、このプログラムの方向性は正しいが、ウィンドウズを改良する余地が限られていることがその魅力を薄めていると指摘した。「共有ソースは、見ても良いが触ってはいけない、と言っているようなもの。良いプログラムには違いないが、道半ばにも達していない」とデビッサー氏は述べた。
(ダウ・ジョーンズ)[1月15日13時55分更新]

MSも劣勢にたつことは、今までもありましたが、声は出しませんでした。声をだしている、ほえている暇があったら、とっとと戦争を挑んで、打ち勝てばいいわけです。行動で戦争をする会社です。営業に精をだし、お得意のマーケティングで責めまくればOKです。当然その際には、既に制覇している分野とうまくからめて商売してきますので、なかなか有利ではあります。また、攻撃するための兵隊と武器(つまり資金)も豊富です。Windowsで市民から定期的に徴収できる税金みたいな資金は巨額ですから、宣伝もマーケティングも容易です。多少失敗しても、何度でもチャレンジできます。チャレンジする分野のトップ企業を攻撃するのは、MSは非常に得意です。その企業のパートナを責め、お得意を責め、ありあまる資金で徹底的に攻勢をかけます。相手のビジネス上の問題点を分析し、そこを集中攻撃します。最後は競争相手は根負けします。

LINUXはどうかというと、この手が通用しません。だって、相手は、企業ではないのです。コミュニティといってもいい連合体ですから、営業攻撃しようにも人材引き抜きしようにも、どうしようもないのです。つまり、LINUX陣営は、オープンソースという概念に近いものなのですから、今までの企業攻撃の手法は通用しません。斧をふりあげようにも、どこにおろせば相手はくたばるかがわからないのです。幽霊相手に、ピストルをうってもどうしようもありませんです。
(伊藤大作のホームページより)

最近はパソコンショップに行くと、パソコンがほんとに安くなりました。新品の最新型が5万円以下で売っている。もちろんWinXPがついているのですから、パソコン本体は3万円台ということになります。自分のパソコンを下手にグレードアップするより、本体ごとそっくり買い換えたほうが安くつきます。パソコンの部品は安い物ばかりですから原価はさらに安いでしょう。

少し前はパソコンといえば一台20万円から40万円位で売っていた。だからNECやエプソンなどのパソコンメーカーは笑いが止まらなかった。一台売れるごとに2,30万円の利益が転がり込んできた。特にNECがPC98の頃はソフトもハードも独占状態で一人勝ちだった。その為に富士通や東芝やシャープなどはいち早くDOS/Vに切り替えた。その為に外国のソフトが入ってくるようになるとNECも世界標準に切り替えざるを得なくなった。

現在はソフトはマイクロソフトが一人勝ちをしている。ウィンドウズが世界標準になっているからパソコンが一台売れるたびにMSにOSの売上代金が入ってくる。OSのみならずソフトもMSがほとんど独占状態である。競合製品を作りたくともブラックボックス化されていて出来ないからだ。これでマイクロソフトの天下になり、会長のビル・ゲイツは世界一の実業家になった。

これでマイクロソフトの天下はどこにも隙は無いように見えるが、一人勝ちすることにより全世界を敵に回したことになる。そしてオープンソースのOSが改良されて、マイクロソフト包囲網が出来上がってきている。この場合敵の姿が見えないのだから、今までの百戦錬磨の戦法は通用しない。利益誘導で相手を切り崩そうにも、相手はボランティアだからどうにもならない。価値観の異なる世界を相手にグローバルスタンダードは関係ない。

現在のマイクロソフトの姿とアメリカの姿がどうもダブって見える。一人勝ちをする事により全世界を敵に回した姿が同じなのだ。アメリカは全世界的に軍隊を配置し、12隻の空母機動部隊が世界の海を航行している。アメリカに逆らう国家があれば、日本やドイツやソ連のように叩き潰される。ところが最近世界各地で反米を旗印にした政権が誕生してきている。中南米諸国はもとよりトルコやドイツや韓国など親米派が選挙で負けている。

イラク情勢を見ればわかるとおり、アメリカを支持している国はイギリスと日本ぐらいだ。イラクの外務大臣が言っているのだから間違いは無い。ところがイギリスもウィンブルドン化し、日本も産業ごと米国資本に乗っ取られようとしている。これでは日本もイギリスも愛想をつかして離れてゆく。やがてアメリカやマイクロソフトは、姿の見えない敵のテロ攻撃に遭い、体力を消耗してあっけなく崩壊してしまう事態が目前に迫っている。

情報コンサルタント 伊藤大作のホームページ



<NY原油>8営業日ぶり終値33ドル台超
イラク攻撃は石油の帝国アメリカの断末魔

2003年1月17日 金曜日
【ワシントン竹川正記】15日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、ベネズエラのゼネスト長期化による米国の原油需給の逼迫懸念などから大幅続伸、指標銘柄の米国産標準油種(WTI)2月渡し物の価格は前日終値比0.84ドル高の1バレル=33.21ドルで引けた。8営業日ぶりに終値で33ドル台を突破し、00年11月末以来の高値を更新した。米国石油協会(API)が同日発表した最新の米原油在庫が、ベネズエラ産原油の輸入の激減で70年以来の記録的な低水準に落ち込んだことが相場の高騰をあおった。
(毎日新聞)[1月16日10時51分更新]

石油の可採量の半分近くは既に産出されており、21世紀の最初の10年間に年間石油産出量はピークを迎えるだろう。石油産出ピークが近づいていることを示す現象として、石油産出国は価格安定を目的に増産させることが困難になったことがあげられる。これは現実に2000年8月に起こったことである。現在石油は世界の一次エネルギー供給の約40%を占めている。他のエネルギー源への切り替えには時間がかかるので、石油供給の混乱や中断に対処するためには、石油価格高騰が起こる数年前より徐々に始める必要がある。

石油の完全な代替物はない。他のどのエネルギー源も効率が低く、簡便性に欠け、コストが高い(たとえばエネルギー利益率という観点から見て)など欠点がある。有限資源は文字通り枯渇する運命である。天然ガスや石炭を使って2050年まで現在のような経済システムが維持できるとは考えにくい。現在の工業システムに近い産業構造でなければ、近代的な食料生産システムを維持するための機械類、化学製品や燃料などを供給するのは困難だろう。(これが北朝鮮の食料不足の主な原因である。逆にこれを克服したキューバの経験も参照すべきである。)(誰が日本を養うのかHPより)

図面は石油の発見量と産出量のグラフですが、産出量が年々増え続けているのに、発見量は1965年をピークとして減り続けている。現在は産出量が発見量の2倍から4倍も多い状態だ。そして石油可採量の半分近くをすでに消費してしまっている。石油というものは地中数千メートルもの地下にあり、強力なポンプで吸い上げて井戸水のように汲めるものではない。世界各地で石油探査が行われているが、巨大油田の発見は1965年以来ない。その可能性もない。

BBSに石油の枯渇問題について書き込んだことがありますが、返ってくる反論は今までも枯渇するといいながら可採掘年数は減っていないというものだ。しかしそこには原油相場の事には触れていない。オイルショック前は原油相場は1バレル2ドルから3ドルだった。しかし今は20ドルから30ドルもしている。おそらく30年後には200ドルから300ドル以上になっている事だろう。

可採年数は生産量から可採埋蔵量を割った数字ですがあと45年で石油は無くなる。実際には原油相場が上がっていって、石油そのものは無くなることは無いだろう。問題は生産量すなわち消費量が増え続けていることだ。特にアジアの発展で消費の伸びは加速する。中国でモータリゼーションの時代が来たらそれだけで、現在の生産量から5割も増産しなければならなくなる。

代替エネルギーも目処はついていない。原子力発電は立地や安全性で問題があり建設は抑制されている。石炭も公害問題や利便性で問題がある。天然ガスも輸送やコストに問題がある。輸送用エネルギーとしては石油しか他に無い状況だ。アメリカがイラク攻撃に執着するのは、中東に存在する石油に目が眩んでいるからだ。アメリカは石油を現在は6割を海外からの輸入に頼っている。その多くは近くの中南米からですが、いずれ中東に全面的に頼る時代が来る。それは下の円グラフを見てもらえばわかりますが、65%も中東に偏在している。

ベネズエラでストライキが起こっただけでアメリカは原油在庫が無くなる危ない状況だ。OPECは慌てて増産しているが、この余力はだんだん無くなりつつある。原油相場はこれから先、着実に上がって行くだろう。ロックフェラー財閥がこれを黙って見ているわけが無い。中東の油田地帯を軍事的に制圧しなければ、アメリカ帝国は10年後までには確実に崩壊する。だからハンチントンは「文明の衝突」を書き、イスラム諸国を敵として祭り上げた。

しかしヨーロッパやロシアや中国がこれを黙ってみている訳が無い。他の国も石油の確保が国の生命を握っていることに変わりが無い。アメリカの独善は世界から非難され、世界中を敵として石油の争奪戦を繰り広げることになる。これはアメリカのブッシュ大統領でなくとも石油の埋蔵量のグラフを見れば、誰でも中東に手を出したくなる。北米はわずか8,7%しかない。

誰が日本を養うのか 21世紀のエネルギー事情
エネルギー学習ランド 石油の確認可採埋蔵量



日銀はインフレターゲットより株価ターゲット政策
日経ダウ20000円目標で無制限で買いまくれ!

2003年1月16日 木曜日
[東京 16日 ロイター] ウォルフェンソン世界銀行総裁は、日本の景気回復に向けて、インフレ目標を設定することは、建設的な動きだ、との見解を明らかにした。東京での記者会見で述べたもの。世銀総裁は、記者会見で、「インフレ目標設定の方向に進むのは理にかなっている」と述べた。また、「日本のデフレは問題であり、金融政策を通じて景気回復を図るのは、建設的だ」との見方も示した。

 同総裁は、経済活性化に向け小泉首相が描いた対策は正しい、と述べ、既に成されている分析に基づいて日本は前進すべき、と述べた。同総裁は、「日本の金融面での弱さは比較的よく知られている。取るべきステップについては、一般的なコンサンセスが出来上がっているはずだ」とし、「分析はクリアだが行動が伴っていない」と述べた。
(ロイター)[1月16日12時21分更新]

今回は、株を買うのが政府ではなく日銀ですから話は違います。なぜなら、政府は株を買う資金に限りがありますが、日銀が意地でも株価を上げようというのであれば、紙幣をどんどん刷って、それを株の購入代金として支払えば良いのでいくらでも買うことが出来ます。ですから、必ず、株価を上昇させることができます。

しかも、いったん株価が上昇すれば、株価の下落で胃の痛い思いをしていた人も、株価上昇で儲かるようになり、消費も活発になるでしょう。消費が活発になれば、企業の注文も増加し、高い株価に見合った企業の業績に改善されていくものと思われます。また、株価が上昇すれば、大量の株を保有している銀行や生命保険会社も持っている株の価値が上昇し、経営体力も大幅に改善され、金融危機も緩和されるはずです。そうなれば、さらに、人々の見通しは明るくなり、ますます、景気は良い方向に進んでいくと思われます。(石川秀樹)

毎日のように、日本の経済の崩壊をあらわす大ニュースが起きているのに、テレビなどのニュースは朝鮮半島情勢や、アメリカのイラク攻撃ニュースに時間を割かれ、日本経済が危機的状況であるニュースは脇に追いやられている。今や上場企業の倒産のニュースも毎週のように起きている。だから誰も驚かなくなり、経済に対する感覚が麻痺してしまったようだ。

メガバンクも、UFJがシティーバンクに、三井住友もゴールドマン・サックスに相次いで外資に、資金援助を仰ぐことになった。朝日生命も東京海上との統合も破談になり、西武百貨店も2440億円の債務超過であると発表されている。IT産業で景気の良かった富士通でさえ債務超過の噂で株価を下げている。これらはいずれも株価下落による、資本市場の麻痺が原因である。

今や株式市場には買い手が不在の反面、売り手は銀行、生保、リストラを迫られた企業など限りがない。唯一資金を持っている個人投資家は株式税制の改悪で、タンスから株券を出して株を売っている。唯一公的年金が買っているようだが、無駄な抵抗だ。これは小泉・竹中コンビの経済政策で、デフレ状況にデフレ政策を行ったつけが今来ている。小泉首相もやっとインフレターゲットに政策転換するようだ。しかし日銀の速水総裁は相変わらず抵抗している。

実際にインフレターゲット政策を実施するにしても、インフレ率のメーターがあるわけではない。膨大なデーター収集と複雑な計算ではじき出し、その数値は大分前の数値となる。だから実際上は感が頼りの名人芸が要求される。日銀にそれを要求することは無理だ。それよりは株価が景気の先行指標であるのだから、株価をターゲットにした政策にすべきだ。

それも実際上は困難があるが、ETF等の買取や、様々なファンドを買って行くようにすれば証券会社も手数料が入る。不動産を対象にした不動産投信も買えば不動産市場も回復する。まさに中央銀行が最後の買い手となって市場に資金供給すれば、金融緩和は実現される。しかし現在の速水総裁では実施は難しい。はたして次の日銀総裁の決断にかかっている。

小泉首相は「デフレ克服は最大課題」と演説しているが、経済政策は竹中大臣に丸投げしてしまっている。その竹中金融大臣は銀行を締め上げている。その為にメガバンクは外資に資金援助を仰ぐようになっている。労せずして外資は巨大銀行に経営参加することになる。金融庁はいったい何をしているのだろう。銀行や生保を潰して外資に売り払っているのと同じだ。

頭の固い政治家や日銀や官僚に何を政策提言しても、政治、行政は機能不全に陥っている。学者や大学教授も政策提言能力がない。マスコミは私のような大胆な提言を全く取り上げない。国民大衆はマスコミに洗脳されて、テレビの言う事にリモコンロボットのように従っているだけだ。これだけ企業にリストラ旋風が起きているのに組合はデモ一つしようとしない。

よくわかる経済 石川秀樹



小泉首相の靖国参拝と日本人の宗教
中国・韓国人と日本人の生死観の相違

2003年1月15日 水曜日
日本人の宗教心には、信仰というような形での「宗教」は無用である(もちろん、それを妨げる理由はないが)。つまり、信仰を核とする「近代宗教」とは別レベルの宗教がニッポン教なのである。ニッポン教の宗教心は靖国神社すら包摂するが、一方の靖国神社は残念ながらニッポン教を包摂できない。

最後に、日本人の死生観についてふれておきたい。私たちは死者をむち打たない。いかなる悪人も死ねばみな仏(ホトケ)である。成仏するとは、本来は悟りを開くことである。ただ死ぬだけでは仏には成れない。仏教世界観によればだが、常人はむしろ地獄や畜生に落ち、あるいは人間として輪廻(再び生まれかわること)することがほとんどであろう。ところが、ニッポン教では違う。「あの世」に逝くのである。

そのとき、死者はすべての罪やケガレを祓い清められてしまう。死者の無罪性、清浄性は日本人にとっては当然のことだ。まさしくあの世とは「善悪の彼岸」にあるのである。しかしこれは普遍的な死生観ではない。中国や朝鮮など儒・道教の死生観では、死者は生前の善悪をそのまま、冥界に持ち込む。だからこそ、罪人や仇敵の墓を暴き、遺体や遺骨をむち打つということも有意味なのである。

つまり、靖国神社に眠る「英霊」は彼らにとっては、死せる「戦争犯罪人」(戦犯)であり、祖父母や父母など肉親の仇敵ということになる(忘れっぽい日本人に対し、決して忘れない中国・朝鮮人と言える)。靖国参拝問題とは、案外彼我の死生観の対立なのかも知れない。

皮肉を止めて述べれば、「天国」はニッポン教の「あの世」の言い換えだし、犠牲者が「天国」に逝ったと言うのは「成仏」したという表明である。つまり、マスコミはニッポン教を語っているのである。ニッポン教徒の特徴は、自分がニッポン教徒であると自覚していないことにある。そのようなマスコミに宗教問題なぞ論じてほしくはないものだ。
(M'S CLINICAL SOCIOLOGYより)

毎年のように繰り返される日本の総理大臣の靖国参拝問題は、今年は正月早々の14日からやってきた。今日は、川口外務大臣は韓国訪問で、金大中大統領への表敬訪問を拒否された。どうやら中国人・韓国人と日本人とでは、宗教が根本的に異なるようだ。同じ仏教やキリスト教を信仰しているとしても、根底の生死観が根本的に異なることを理解しないと、中国・韓国と日本の宗教観の対立は解決しない。

つまりA級戦犯が靖国神社に合祀されている事が問題の原因であるとマスコミや評論家が指摘しているが、それは問題をかえって拗らせる事になる。はたしてA級戦犯が「犯罪人」であるかどうかという問題は、東京裁判が裁判であったかなかったかまで問題が広がってしまう。マスコミの記者たちは無教養でGHQに洗脳されてしまっているから、問題の本質が見えてこないのだ。

たとえA級戦犯が「犯罪人」であったとしても、日本人の宗教観からすれば靖国神社を参拝することに問題はない。それは大東亜戦争を肯定するか否定するかの問題とは関係がない。しかし中国人や韓国人から見れば「犯罪人」を参拝するとは、到底許せることではない。参拝するということは大東亜戦争を肯定し、A級戦犯を称える事になってしまう。

日本のマスコミの記者たちはこの事を煽ることにより、自国の政府と保守派への攻撃材料に使っている。しかしこれは問題の根本を理解していない無教養な人たちなのだ。死者を祀る施設としては靖国神社でも靖国寺でも靖国教会でも靖国モスクでもよく、日本人が拝んでいるのは死者への魂である。はたして靖国神社に祀られている戦死者達は何を思っているのだろうか。

私が戦死者として祀られているとするならば、大東亜戦争がアジアへの侵略戦争であると決め付けられていることを悲しんでいるであろう。少なくとも政府のプロパガンダであるアジアの解放を信じて戦ったはずだし、侵略の尖兵として戦ったのではあるまい。中国に対しても近代国家へ生まれ変わらせるために戦ったのだ。しかし大東亜戦争に負けたことにより、戦勝国により侵略国家とされた。少なくとも戦後の日本人に侵略戦争で戦って死んだと思ってほしくないと思っているだろう。

この事は戦後の子供達に大きな傷となって影響を与えている。日本は犯罪国家だ、日本は侵略国家だと教育されたら、子供達はゆがんだ心を持って成長することになる。そしてゆがんだ精神の新聞記者たちが靖国問題を煽って、政治問題化させているのだ。よく読んでほしいのだが私は大東亜戦争を賛美はしていない。戦略的に見れば大陸進出は間違いだった。真珠湾攻撃も馬鹿げている。だから愚かな軍部は非難されなければならない。しかし無能であったことを罰する法律はない。だからA級戦犯が「犯罪者」であったかについては疑問を持っている。

靖国神社参拝問題の周辺と日本人 M'S CLINICAL SOCIOLOGY




ラリー・S・ジュニア著「ハゲタカは飛んでゆく」
アメリカによる日本封じ込め戦略を解除せよ

2003年1月14日 火曜日
「中国大陸には十三億人の労働力がある。日本や台湾から労働集約型の産業の資金や工場、技術や経営者が中国に出ていき、日台では失業者も増えた。台湾の銀行から借り入れた資金で中国大陸に投資して収益を上げ、負債を台湾に残す企業の問題もある。中国は安価な製品の輸出で、デフレを国際社会に広げているといえる。中国は自由貿易協定(FTA)を東南アジア諸国連合(ASEAN)との間で交渉しているが、実現したとしてもASEANをデフレで圧迫するだけだ」  「なぜデフレが続くのか。一九八五年に(日米英独仏五カ国の蔵相と中央銀行総裁がドル高是正を決めた)プラザ合意で、日本が円高にかじを切ったことに起因する。

(輸出競争力の面で)ドルが安すぎることが問題なのは日本も台湾も同じで、中国や韓国は有利だ。中国大陸から受ける経済での影響はまず、為替レートから調整すべきだろう」  「日本は(塩川正十郎財務相が)一ドル=一五〇−一六〇円が適当だと言い出したが、これにはうれしくなった。そのレートになれば日本では年3%くらいのインフレが起きるだろう。投資家にとっても好ましい。日本はもっと景気を刺激して内需拡大したり外交面でリーダーシップを発揮したりする必要がある。台湾元は事実上、円に連動しているため、台湾元も調整が可能だ」  なんとも正鵠を得た理解をしているのである。
(李登輝・前台湾総統発言「産経新聞」03年1月5日号より)

最近になって日本の長引く不況が1985年の「プラザ合意」が原因であることを指摘する発言が大きくなっている。しかしながら日本の政府、日銀、政治家、官僚、学者、マスコミは示し合わせたかのごとく「構造改革」を連呼して、不況の真実の原因が「いわれなき円高」にあることを指摘しようとしない。あったとしても遠まわしに言っているに過ぎない。

私は1998年の7月28日の「株式日記」で「悪魔に乗っ取られた米国の対日戦略」と題してクリントン大統領が日本を「敵国」と呼んでいる事実を告発している。日本はエネルギーや食糧で米国に縛られているから米国に足元を見られるのは宿命だ。だから政治家や官僚が米国を非難することは控えなければなりませんが、自由な発言を許される学者やマスコミの記者が米国の手先になってしまっているのは日本の国益にはならない。

だから私はインターネットで訴え続けているのですが、ようやく一部に真実を告発する意見が出始めたことに希望を持ち始めました。李登輝氏もその一人だし、最近出版された「ハゲタカは飛んでゆく」という本は、わかりやすく寓話として真実を告発している。ラリー・S・ジュニア氏は実在の米国人かは不明ですが、私と同じ事を指摘している。内容の一部は次の通りです。

「アメリカの経済書には、優れたものがたくさんありますな。たとえば日本人の大好きな経済学者、ドラッガーの本。彼の本には、こんな事が書いてありましたよ。『日本の円だけがなぜここまで高くなったか、説明するのは困難だ』と」

「これはドラッガーの良心なんですよ。まさか御用学者のドラッガーが『アメリカの陰謀だ』とは書けないじゃないですか。私は、日本の円相場にはアメリカの思惑が大きく働いていると思っています。輸出に頼る日本を多少とも元気にしてやりたい時には円安に相場を誘導し、日本を押さえ込もうと思えば円高に誘導する。言ってみれば円相場というのは、アメリカの対日管理政策の重要な武器なんですよ。そしてアメリカの基本的スタンスは『日本は生かさず、殺さず』。この事実をしっかりと認識していないと、日本経済の救済策をいくら唱えても、商店にずれが生じてしまいます」

「そもそも構造改革やリストラで国際競争に打ち勝って不況を脱出した国なんて、世界中どこを探してもないんですよ。あの名経営者、GEのウェルチ会長も『80年代、苦境にあったアメリカ企業が救われたのは、本当は円高のおかげ。リストラによる浮揚度は、円高に比べればわずかなものだ』と明言しています。あのリストラの権化であるウェルチ会長ですら、為替調整が国際競争で最大の影響力を発揮するといっているわけです。」

「アメリカという新帝国の強みは、情報メディアをしっかりと握っていることだよ。そこから日本人を惑わすいろんな経済情報や分析結果が流れていく。その結果、日本人は経済の失策は自国の失策だと思い込まされているわけだ。そして、アメリカは陰ではペロリと舌を出しながら”日本がんばれ”などと励ましている。」

「アメリカは冷戦時代に膨張した日本を敵と見据え、日本の経済力を封じ込める戦略をとった。しかし日本はその戦略に気付かなかった。で、従来どおりの景気対策やリストラ政策を実行すれば乗り切れると信じて、十年間を空費した。まさに『失われた十年』『偉大なる停滞』なんだよ。これは経済政策の問題ではなく、冷戦後のアメリカの戦略転換の問題だったんだよ。」

「今日米間でやっているのは経済戦争なんだ。この戦争に臨むアメリカは、『今から封じ込め戦略を発動する』なんて事は絶対に言わない。そんな発言をすれば、日本国民は一斉に反発するからね。むしろ市場を隠れ蓑にして、言い方を換えれば、市場を味方につけて、罠をしかけて来るはずだ。だから、日本が再び成長軌道に乗るためには、アメリカに日本の経済的な封じ込め戦略を緩和、もしくは解除させるしか方法はないんだ。」
(ハゲタカは飛んでゆく、より)

日本への経済封じ込め政策がこのまま続けば外交問題にまで発展し、日米安保にまで問題は発展しかねない。現に韓国ではこの問題が表面化している。小泉首相はロシアのプーチン首相と長時間会談しましたが、戦略的に非常に重要だ。米国が中国と連携して日本に対して封じ込め政策を続けるならば、日本も何らかの手を打つ必要がある。ブッシュ政権も日本重視派のスタッフが首になり、中国派のスタッフが登用されている。再びクリントン時代の「ジャパンバッシング」が蘇りそうな感じがする。それを見てプーチンが小泉首相に接近してきた。

プーチンはブッシュと準同盟を結んだが何の見返りも得られず、逆にチェチェンテロを仕掛けられた。その為の反撃手段として「日本カード」を思いついた。しかし日本側にはこのような大戦略がまるでない。米国の対日封じ込め政策にすら気がつかなかったくらいだ。下手をすれば戦前の松岡外相のようなピエロになりかねない。しかしこれ以上米国に「生かさず殺さず政策」をやられてはかなわない。日本も「ロシアカード」で対抗する必要がある。そして「ユーロカード」も検討すべきだ。

米中露覇権争奪戦と日本の針路



「緋色の記憶」NHK月曜ドラマシリーズ
原作:トマス・H・クック 主演:鈴木京香

2003年1月13日 月曜日
記憶というノスタルジアが、40年封印されていた事件の扉を開けてしまう。2003年と1963年を結ぶ鮮やかな緋色の記憶の断片の数々、それこそがこのドラマの最大のミステリーだと思っている。そして、心の奥に潜む人間の純粋と邪悪に揺れる登場人物たちこそがサスペンスである。太陽の輝きと月の影の魔性という二面性を秘めた緋色の女の登場が、あらゆる人間達の心を掻き乱し惑わせる。まさにノスタルジックな設定だ。

 ヒロインの鈴木京香さんには美の追求者としての彫刻家になりきる事を、いの一番にお願いした。その情熱と肉体がドラマの核だからだ。夏の暑い盛り、まさに精魂込めての熱演だったと思う。2003年の幕開けに放送されるこの静かなるサスペンスドラマは、現在には置き忘れられた美しき家族たちの肖像のドラマでもある。そこにオールディーズの味付けもしてみた。灰色に感じる事の多いこんな時代に、そんな40年の緋色のノスタルジアをじっくりと味わっていただけたら幸いである。(演出家 渡邊孝好)

アメリカの風土。時代背景。裁判制度の違い。脚色に際しては智恵を絞らなければならないことが多くあったが、この四月、一カ月問で五本の脚本を怒涛の勢いで書き上げた。ラスト、病魔に冒されたヒロインの許に、かつての教え子が訪れる。原罪を背負った少年の耳元に、女教師は囁く。「もう、許してあげる」このセリフは原作にはない。美しいだけなく、優しく、明晰なヒロインを造形したかった。鈴木京香さんはどんな悲しげな笑顔でこのセリフを囁いてくれるのだろうか。(脚本家 野沢尚)

6日の日にNHKで「緋色の記憶」というミステリードラマが放映されましたが、今日の8時から3回目が放送されます。正月のおせち番組に飽き飽きしていたので、たまたま見たのですが、鈴木京香の赤いドレスがとても印象的だったので最後まで見てしまった。アメリカの探偵小説が原作ですが、その中のヒロインをやる女優さんはなかなか難しい。ヒチコック監督の作品に出てきそうな美人女優で、赤いドレスが似合う女優は今までいなかった。

それにはスタイルが良くて、知性的で演技力がないと、作品がしまらないものになる。最近のテレビドラマは視聴率第一主義のトレンディードラマばかりになってしまった。NHKの大河ドラマもトレンディー時代劇になってしまった。朝の連続ドラマも若い女性アイドルが主役の番組だ。民放はドラマ作りを丸投げして、下請けプロダクションが製作している。これではテレビ局と主演人気タレントが制作費を食ってしまい、いい作品が出来るわけがない。

最近では記憶に残るようなテレビドラマを見ていない。少し前のNHKの「腕に覚えあり」という時代劇が面白かった。榎木孝明の敵役が印象に残っている。とかく俳優さんばかりに目が行ってしまうのですが、脚本や演出などに力を入れなければ良い作品は出来ません。もっとも現在のテレビは子供がチャンネル権を独り占めしているから、お子様向けバラエティー番組ばかりになる。

「緋色の記憶」は1963年が時代設定ですが、インターネット世代は生まれてもいない。江利チエミの「テネシーワルツ」といっても時代の感覚がわからないだろう。その頃は白黒テレビで、ケネディーが暗殺され、力道山が刺殺された年だ。主人公の少年は団塊の世代にあたる。戦後は終わったが東京オリンピックの前年で高度成長はこれからという時代です。田舎町は道路も舗装されていなくて新幹線も首都高も建設中だった。ドラマのイントロは次のように始まる。

「ある夏の田舎町、緋色のドレスを着た、若く美しい女性教師が少年の前に降り立った」。ドラマは、昭和38年という時代を背景に、まるで一編の詩を朗読するかのような静寂さの中から始まり、謎解きは“ミステリーの詩情をたたえた一編”と呼ぶにふさわしい趣で進んでいきます。

ここから先はテレビを見ていただくとして、久しぶりに大人向けに作られた、丁寧な作りのテレビドラマです。翻訳ドラマですが無理なく時代設定がされており、美貌のヒロインにあこがれる少年の想いが、40年前の時代のノスタルジーと共に蘇るところが、ドラマの見所でしょうか。

NHKテレビドラマ 「緋色の記憶」 原作:トマス・H・クック



スパイクマンの理論と海洋地政学
大陸に深入りしすぎた米国は破綻する

2003年1月12日 日曜日
ソ連は巨大な外向力をもって着々と内側三日月型地帯を勢力下に収め、次いでアフリカなどの外側三日月型地帯にも進出した。ソ連は東欧を制してマッキンダーの警句の第1段を達成し、第2段の世界島(World Island)の支配に乗り出し、ユーラシアのリムランド(Rimland)はアメリカの強力な支援がなければソ連の手に入りつつあった。その時に出現したのがスパイクマンの理論であり、それを具体化したのが「ソ連封じ込め政策」であった。その後、ソ連は一時的ではあったがシーパワーを利用した"Show the Flag"政策や、"Gun Boat Diplomacy"によって国際政治上に大きな成果を収め、リムランドにある中国やアフガニスタン、さらにはアフリカまで影響を及ぼすに至った。

一方、海洋超大国アメリカは力を失い、海洋一国支配の歴史は幕が閉じられたかに見えた。しかし、大陸国家ソ連は安価大量の物資を運び得る海洋国家、経済的には有無相通ずる国際分業と国際貿易による相互依存関係で結び付く、アメリカを中心とした日本やNATOのシーパワーに対抗し、国家経済を無視して東西両洋に海軍力を増強したため、国家経済を破綻させ、国家を崩壊させ、マハンの理論の勝利が確定した。が、しかし、アメリカがベトナムやフィリピンから撤退すると、この隙間を突いて内側三日月帯の中国が海軍力を増強し、1974年には西沙群島を、1988年には南沙群島をベトナムから武力を用いて奪取するなど南進を開始した。(海洋地政学入門より)

小泉首相とロシアのプーチン大統領の会談は、戦略家の私としては注目に値する。小泉首相自身に戦略家としての素養があるかどうかは分からないが、たぶんプーチンの方から話が持ちかけられたのであろう。去年の日朝会談もどうやらプーチンがお膳立てしたもののようだ。

プーチンにしてみれば、ソ連の崩壊以来、エリティンの失政などで、東ヨーロッパを失い、アフリカを失い、中東のイラン・イラクも風前の灯だ。西も南も勢力圏を奪われ、残るのは東しか出口は見つからない。プーチンはブッシュと手を結んだにもかかわらず、中央アジアまで米軍が進出してきて、何の見返りも得られなかった。

その反撃の手段がジャパンカードだ。中国もアメリカの資本家と手を組み勢力を拡大している。ほっておけばシベリアは中国に実効支配されてしまうであろう。その前に日本の技術と資本を導入してシベリア開発する必要がある。その為にシベリア鉄道の朝鮮半島への延長であり、石油パイプラインのナホトカまでの建設構想を打ち上げた。

アメリカがイラク攻撃に打って出れば、プーチンは北朝鮮を使って揺さぶりに出ることだろう。韓国から米軍を追い出し、朝鮮半島を勢力圏に入れたいのは、中国とも戦略は共有している。スパイクスマンの図を見ても朝鮮半島はラインの内側だ。台湾はラインの外側にあるから、米国は中国の台湾併合は阻止するだろう。

米国のブッシュ政権はイラクの石油に目が眩み、極東をお座なりにした結果、長期的に見て韓国を失うことになるだろう。クリントン政権が中国に協力しすぎて、極東の軍事バランスを狂わせてしまい、韓国は中国の勢力圏に組み入れられてしまった。米国の同盟国である日本は経済的に弱体化し、中国の攻勢にあっている。米国の資本家がそのような謀略を仕組んだからだが、戦略としては失敗であると思う。

プーチン・小泉会談は戦略的なものであり、エネルギーとシベリア開発で日露の関係は深まり、その分日米関係に影響は出てくる。計画が実現すれば日量100万バレルの石油がロシアから供給されることになる。これは現在の輸入量の四分の一にあたる。シベリア開発が成功して資源が供給されるようになれば、日本はリムランドに入るのかもしれない。

米国のブッシュ政権の強硬派の戦略がどうもよくわからない。中央アジアへの米軍の進駐やイラク攻撃はシーレーンの防衛には関係がない。しかし東アジアのシーレーンは中国の膨張政策で危機に瀕している。台湾が中国に併合されれば東南アジアへの航路は寸断される。米国海軍高官はその事に気付いているから、イラク攻撃に反対している。

(米国海軍・シーレーン・海洋地政学入門に関する基礎的な論文)



WBS岩田x榊原インフレターゲット論争
「700兆円の国債を日銀が全部買い取れ」

2003年1月11日
この資産デフレのワナから抜け出すためには、財政支出の拡大は有効ではない。財政支出拡大は景気循環の後退期に、民間需要が自律的に回復するまでの間、需要不足を埋めるつなぎの役割しか果たすことができないからである。財政政策に頼った景気回復政策は絶えず財政支出の拡大を強いられ、国債残高の累増をもたらす。さしあたり、国債残高の累増による金利上昇はおきていないが、すでに家計は将来の増税を予想して消費を抑制していると思われる。

 物価の持続的下落という通常の意味でのデフレと資産デフレの下では、マネタリーベースの拡大によってマネーサプライを拡大させる量的緩和がオーソドックスな金融政策である。大幅な量的緩和を目指すには、消費者物価を3〜4%程度上昇させるというインフレ・ターゲットをはっきり宣言し、市場に大量のマネタリーベースを供給しつづける必要がある。量的緩和を図るうえで、短期国債の買いオペだけでは限界があれば、中長期国債の買い切りオペの増額に踏み切るべきである。

 量的緩和によって、さしあたり、ゼロ金利政策当時と同じ状況が生ずる。日銀が3〜4%程度のインフレが実現するまで徹底的に量的緩和を続けることを宣言すれば、それを織り込んで株価は上昇に転じ、短期名目金利だけでなく、長期名目金利も低下するであろう。それは円安要因となり、輸出を下支えする。

 量的緩和は企業の資金繰りを楽にするため、規制緩和や時価会計の手を緩めなければ、リストラは進むはずである。リストラにより、不良債権の処理や雇用調整などが終了すれば、企業は新規投資に積極的になるであろう。徹底的な量的緩和は地価の下落にも歯止めをかけ、やがて緩やかな上昇をもたらすであろう。
(日本経済再失速のリスク 岩田規久男)

最近は小泉首相はじめ竹中大臣もインフレターゲット政策を主張している。小泉首相は半年前まではインタゲに反対していた。このように経済政策がクルクル変わるのは、基本的な知識と認識に欠けているからだ。日銀をはじめ経済学守旧派は理由は様々であるが反対している。だから問題点をはっきりさせるために、インフレターゲット政策についてテレビなどで論争すべきである。

たまたまWBSで岩田規久男教授と榊原英資教授とがインフレターゲットについて論争していた。それだけインタゲが認知されてきたと言うことです。以前はインタゲは経済政策としては異端扱いされてきた。テレビで見かけるインタゲ論者は参議院議員の枡添要一氏ぐらいで、マスコミからも異端者扱いだった。

岩田教授はインタゲ論者で初めてテレビからお呼びがかかった。しかしながらインフレターゲット政策の全容をわかって貰うには時間がなさ過ぎた。それに榊原教授が一方的に大きな声で捲し立て、司会者も知識が無いから整理して論争が出来ない。部分的な説明だけでは誤解を招くだろう。

「株式日記」でも指摘してきたのだが、常識では日銀が国債を引き受けると、通貨の信用をなくし、国債の大暴落とハイパーインフレが起きると指摘する経済評論家が多い。しかし現実には国債の金利は下がる一方で0.85%まで下がっている。榊原教授も日銀が国債を買っているから国債価格が上がる一方だと認めている。そしてインフレは起きず、デフレが続いている。これは以前からリチャード・クー氏が指摘していた。

これに対して岩田教授はインフレが起きないのなら国債の全部を日銀か買ってしまえば、労せずして700兆円の通貨を創造したことになる。そして買い取った国債を燃やしてしまえば国の借金はゼロになる計算だ。実際にそうなるかはわかりませんが、理論では説明できない現象が日本経済に起きている。どうせなら無期限無利子の国債を日銀が全部買い取れば燃やさなくとも国の利払いと償還の負担はせずに済む。

問題は日銀当局や財務省の頭が固く、現在起きている経済現象が理解できていないことだ。デフレを金融緩和でインフレには出来ないと榊原教授は言っていたが、ニュージーランドではゼロから2%のインフレ率まで上げている。日本では経済規模が違うから相当の規模で行わないと無理だろう。私は政府(日銀)が土地や株まで買い取るべきだと思っている。

何らかの拍子に過剰流動性資金が爆発的に資産インフレを招いた場合、日銀が買い貯めていた土地や株式を放出していけば、過剰流動性資金も日銀に吸収できる。日銀は莫大なキャピタルゲインを稼ぐ事になるかもしれない。日本は土地本位制なのだから土地が値下がりしすぎれば政府(日銀)が買い上げ、高くなりすぎたら放出すればいい。そのことにより土地本位制は安定するはずだ。しかしそれが出来る人材がいない。

日本経済再失速のリスク 岩田規久男



北朝鮮のNPT脱退で米国の面目丸つぶれ
極東の軍事均衡を狂わせた戦略ミスである

2003年1月10日
【ソウル=白川義和】朝鮮中央通信によると、北朝鮮政府は10日、声明を発表し、核拡散防止条約(NPT)からの脱退と国際原子力機関(IAEA)との保障措置(核査察)協定の拘束から完全に脱することを宣言した。

 宣言は、国際的な核不拡散体制からの離脱と核兵器開発に向けた動きを強めることを意味し、朝鮮半島情勢は一気に緊張の度を増した。米国は先の日米韓政策調整会合(TCOG)で、見返りは与えないとの前提で北朝鮮と対話する意思を示したが、北朝鮮がさらに強硬な措置を取ったことで、米国は厳しい対応を迫られることになった。
(読売新聞) [1月10日12時30分更新]


一、パウエル国務長官は、目前のイラク情勢にかまけるあまり、北朝鮮の情勢を「危機ではない」と言い放っているが、そのような情勢判断こそ米国が「危機」に陥った証拠ではないのか。

二、湾岸に派遣している大兵力を1日も早く朝鮮半島に配置換えすべきだが、時間を逸すると核拡散は更に拡大し、世界は危機的状況となるだろう。時間は迫っている。

三、米国が軍事的に選択しうる作戦とはラムズフェルド国防長官のいう「二正面作戦」は不可能であるという事実。それを北朝鮮が十分に認識しているという紛れもない事実から導かれる。即ち (A)ヨンビョンにある核施設を爆撃・破壊するーーただし平壌にある全体的施設の破壊は難しく、81年にイスラエルが敢行したオシラク原子炉の破壊作戦のような選択は出来ないであろう。 (B)であるとすれば、秘密工作部隊やスリーピング・エージェントを北へ潜入させ、平壌への先行攻撃の準備をはかる。 (C)経済封鎖による締め付けを拡大、持続させ、とくに北朝鮮の数少ない港湾を封鎖する。中国は北の全エネルギーと食料の四割を供給しており、韓国は投資を続けているが、それさえも港湾の封鎖により不可能となる。

四、しかしながら右の三点の作戦は、中国と韓国が賛同しないため、実現が難しい。そればかりか「ワシントン・タイムズ」の報道によれば北京は核廃棄物から取り出した高度な化学材料を20屯、最近、北朝鮮へ供給した。こうなると米国に「遺されたカード」は、もはや一枚しかない。それは日本が核武装するためにむしろ米国が積極的に協力し、ミサイルを供与し、日本を北朝鮮の核の脅威から1日も早く取り除くことである。そして日本の核武装こそは中国の悪夢である限り、米国の態度をみれば中国は米国の作戦に協力せざるを得なくなるだろう。
(「シカゴ・トリビューン」03年1月6日号チャールズ・クラウサマー)

日米韓の協議で米国が対話再開のメッセージを送ったにもかかわらず、北朝鮮はNPTからの脱退を通告してきた。これで米国の面目は丸つぶれである。金正日のストリップショーはいつまで続くのだろうか。金正日は米国のイラク攻撃の足元を見て、米国の二正面作戦はないと見ている。中国、ロシアも牽制の意味で背後で北朝鮮を煽っている。ブッシュ大統領は進退窮まり動きが取れなくなった。18日には米国内でも大規模な反戦デモが計画されている。戦争前に反戦デモが起きることは前例がない。

米国がイラクを攻撃するのは、イラクがミサイルも核兵器も持っていないからであり、北朝鮮を攻撃できないのは、ミサイルも核爆弾も持っているからだ。表面上中国は北朝鮮の核に対して反対している。しかし実際は北朝鮮をけしかけて、韓国、日本に対して核で脅しているのだ。米国はどのように対応するのだろうか。何も出来なければ米軍の存在価値はなくなる。

小泉首相がロシアを訪れている。新聞によると、日本が日量100万バレルの原油輸入を保証する内容の親書をロシアに渡していた。日量100万バレルと言えば現在の輸入量の四分の一に相当する。パイプライン計画も実現すれば6000億円の大プロジェクトになる。プーチンとの会談でどの程度話がまとまるかわかりませんが、米国が黙って見ているだろうか。資源外交上米国の失点だ。

米国はアフガン攻撃で中央アジアまで軍隊を駐留させ、湾岸には25万の兵力で武力を誇示している。しかしヨーロッパではロシアが天然ガスパイプラインで供給しており、プーチンは極東へもエネルギー外交攻勢を掛けている。シベリア開発との絡みもありロシアの対日接近は、米国にとって見過ごすことが出来ないはずだ。

日本が米国と軍事同盟を結んでいても、北朝鮮の核に対して何の対応も出来なければ、日米安保の意義がなくなる。核の傘の意義がなくなるからだ。中国や北朝鮮が核で威嚇するのに対して、日本、韓国、台湾は対抗手段がない。日本は米国と軍事同盟を結んでいるにもかかわらず1985年の「プラザ合意」以来、経済的に略奪されっぱなしだ。ハゲタカがこれ以上暴れるようならば、メリットのない軍事同盟は解消すべきだ。

韓国のノ・ムヒョン政権誕生には1997年のIMFによる経済侵略が大きく影響している。これにより韓国の多くの財閥が倒産し、多くの失業者を出した。米韓同盟を結んでいてもこれでは何の意味もない。ノ・ムヒョンの反米はやがては、在韓米軍の撤退につながるだろう。日本も近くIMFの管理下におかれ、失業者の溢れる状態になるのだ。やがては韓国と同じく、日米同盟の解消につながってゆくのだろう。




「現代化の落とし穴〜噴火口上の中国」何清漣著
第一回民間学術選考・98年度中国10大良書受賞

2003年1月9日
歴史の偽造と世論統制の面で、共産党はナチスと同等の「能力」をもっている。そしてこの能力はかれらが「経済改革」と社会の現状をフィクション化するのに役立っている。中国政府は偽情報をつくりだすのに長けており、これは中国と米国の最も重要な新聞『人民日報』と『ニューヨークタイムス』を比較するだけで容易にみてとれる。数年後に読者がこの二大新聞に載ったそれぞれの国内ニュースを閲覧するなら米国社会は問題だらけで中国はほとんど問題のないばら色の世界だという印象を持つにちがいない。 こうした『嘘を1000回繰り返せば真理になる』というゲッペルズの定律が生んだ歴史的な効果はすでにはっきりとあらわれている...。

90年代初頭、中国政府は表面上、労働者階級の利益を代表する姿勢を堅持したが、役人達と経済エリートのあいだには密接な個人的利益関係が築かれた。90年代後期になると中国社会のすべての富の85%が少数のエリートの懐に入った...。最下層の人々の騒擾にたいしては中国政府はますます力ずくで弾圧するようになった。地方の小規模な反抗を撲滅することは地方政府の日常業務となっておりこの方面で彼らは経験豊富である..。エリート集団の同盟が日増しに強化されるなかいかなる資源ももたない社会の最下層の騒擾はあちこちで狼煙をあげている。だが報道規制があるためこれらの事件はある地区だけに限って報じられ、たいていは効果的に鎮圧されるため社会全体の脅威とはなっていない....。

官僚層の危機感は実は中国の知識エリート達よりもはるかに強い。 90年代以降、中国の「資本逃避」現象は日増しに深刻をなっている。 多くの高官は早くから各種のルートを通じ搾り取ってきた金を外国の銀行にあずけ家族を海外の快適な土地に移住させている。かれらの眼中にある中国とはひともうけするのに都合のいい場所にすぎない...。 「党、国家一体」の長期支配により中国共産党の統治が瓦解するときは中国社会が解体する日でもある。これまでの歴史とちがうのは、人口が空前の規模に膨張し、生態環境がひどく破壊され、社会道徳が崩壊しつつあることだ。共産党の統治を経たあとの中国の再建はいかなる時代よりも困難が多く、しかもその困難は極めて大きいということである。
(「現代化の落とし穴〜噴火口上の中国」 何清漣著より)

北朝鮮問題の背後には中国とロシアの影が見え隠れしている。表向きには両国とも核開発に反対している。しかしながら米国のイラク攻撃に対する牽制として金正日を動かしているのだ。だから沖縄に駐屯している米軍の海兵隊は動かせないし、空母キティーホークは横須賀に釘付けだ。金正日はさらに大きなアクションを起こして米国を牽制するだろう。

外交上は北朝鮮は孤立しているように見えるが、中国のエネルギーと食糧支援は入っているようだ。ここで北朝鮮が崩壊すれば中国の政治体制に影響する。政治形態は同じであり、中国は巨大な北朝鮮と見ることも出来る。違いは中国が外資を導入して経済の梃入れをしたのに、北朝鮮はそれが出来なかった。金正日は上海を見て真似しようとしたが中国からしっぺ返しを食らった。

帝国とはそのようなもので、中国は北朝鮮を生かさず殺さずにして、自国の利益のみに植民地を使う。私は今までも中国の実情を書いてきましたが、何清漣著「噴火口上の中国」は、中国の政権内部の実情まで描いている。当初は10大良書として受賞したほどなのにその後発禁処分になって、著者の何清漣氏は米国に亡命している。政権内部の派閥争いに巻き込まれ、利用されて捨てられたのだ。

昨日のNHKの「クローズアップ現代」で中国を取り上げていましたが、上海のハイウエーがガラガラに空いているのはなぜだろう。中国では車が許認可制なので、自由に買うことが出来ない。住民は引越しもままならず、住宅も許認可制だ。このような体制だから許可を貰うには賄賂が必要になる。こんな体制では経済発展するわけがない。

「現代化の落とし穴〜噴火口上の中国」 何清漣著




2002年はネットがマスコミに勝利した年
韓国大統領選挙に見るネット世代の活動

2003年1月8日
日本でもそうだが、今回の韓国大統領選挙は世界的に「ネット選挙だった」とよく報じられる。しかし、ネットが普及しているのは韓国だけではない。アメリカだって日本だってそうだ。ブッシュがゴアを破った大統領選挙だって、ただ単に「ネットが繋がっている社会での選挙」という意味なら、「ネット選挙」になりえた筈だ。しかし、にもかかわらず今回の韓国の大統領選挙がことさら「ネット選挙」と言われるのは何故か。

つまり結論はこうだ。日本でも政治的規制が緩和され、そして社会全体のインフラとしてのブロードバンド社会が普及すれば、「思わぬ政党だったり、思わぬ政治家が出てくる」可能性が高いということである。今の日本の政党の辛気くさいサイトでは人は集められない。音、映像、コミック、アニメ、書き込みなどなどを多彩に使って、女子高生でもアクセスしようと思うようなサイトがブロードバンド時代には俄然注目を浴びる可能性があるし、アクセス数そのものが力となる可能性が強い。

盧武鉉と韓国のマスコミの大きな図式を示すと、三大新聞である「朝鮮日報」「中央日報」「東亜日報」は基本的には反盧武鉉だったそうだ。テレビは国営が多く、立場は曖昧。こうしたなかで、鄭夢準が支持を取り下げた後、19日の投票日にかけてネットがどのような役割を聞き取っておきたいというのがソウル訪問の大きな目的だった。新聞は一日に一回しか印刷できない。テレビもしばりがあって個人の意見や民衆の意見を無制限に載せるわけにはいかない。しかし、ネットは自由だ。

その間にネット(HP、bulletin board、メールなど)、携帯電話、携帯メールなどの新しいメディアは活発に動き、双方向のやりとりの中で意見集約し、投票意志の確認が進んだ。結果は盧武鉉再支持であり、それが選挙の結果に影響を与えたということである。つまり結論はこうだ。既存のマスコミは、その機動性、報道や主張の自由度、即時性、そして双方向性において、台頭しつつあるメディアに対して完璧に負けたということである。
(2002年の韓国 伊藤洋一)

「株式日記」においても12月15日に「インターネットが韓国大統領選挙を変えている」と題して書きました。事実その通りになって、事前の予想とは異なりノ・ムヒョン氏が大統領に選ばれました。おそらく米国の対韓国世論工作責任者は首が飛んだことだろう。同じく対日本世論工作員も、今までの常識が通用しなくなってきた現実を認識すべきだ。15日の日記でも次のように指摘した。

田原総一郎氏と竹中大臣はじめとする学者、評論家、若手政治家をそろえてテレビを使った反論を繰り広げていた。「報道2001」でも竹中大臣と、彼のお目付け役の外資系証券のフェルドマン氏が出演していた。このように彼らのグループは資金豊富であり、テレビなどのマスメディアを使って一方的な宣伝工作をする。

しかしながらインターネットの言論は次第に力をつけて、政治家も無視できないほどの力になってきつつあるのも事実だ。テレビや新聞が世論操作しようとしてもインターネットが反論して思いどうりにならないケースが増えている。北朝鮮問題もテレビが北朝鮮よりの報道をするとテレビ局に抗議の電話やFAXが殺到するようになっている。これもインターネットが原因になっているのだろう。

韓国の大統領選挙においてもインターネットが大きな働きをしている。20代や30代の若い有権者は反北朝鮮感情より、反米感情の方が強いようだ。14日に全国で10万人規模の米軍への抗議集会が開かれている。これもインターネットの呼びかけによるもので、以前だったら大手マスコミさえ抑えておけば起こりえない出来事だ。

日本の政治家もインターネットの認識を改める時が来ている。ブロードバンドはビデオなどの動画配信も出来て、今までの文字や写真だけの時よりも、大幅な視聴者の獲得に貢献するはずだ。現在起きていることは、テレビが登場してきた頃のメディア業界によく似ている。まだテレビが実験放送だった頃、エリートでない新聞業界人やラジオ業界人がリストラされてテレビ局にやって来た。

おそらく近い将来ジャーナリズムの中心はテレビからインターネットに変わるだろう。そしてテレビと同じビデオ配信しても、そのコストは驚くほど安い。現在のテレビ局は東大卒のエリートか、有力者の子弟のコネ入社に限られている。そして銀行員もびっくりの高額な給料を貰っている。だからテレビジャーナリズムは野党的にはなりえない。テレビは体制派なのだ。そして政府権力のプロパガンダ機関に堕落してしまっている。

政治家もネット時代が本格化すれば大きく変わるだろう。高級官僚出身のエリートや二世などの世襲議員は実力を問われることになる。利権を守るだけにある後援会は、ネット活動家の政治運動にお株を奪われるだろう。そうしなければインターネット先進国に日本が追い抜かれる時代がやってくる。伊藤氏は次のようにネット時代の政治家の要件を指摘している。

結論はこうだ。書くに足る、映像、音で載せるに足るコンテンツをもった人間が、ネット社会の政治家には相応しい。エリートでも、庶民でも良い。しかし、その情報を見た人、聞いた人が、「これは面白い」と思わなければダメだ。エリートにはそういう経歴は少ない。だからエリートなのだ。順調に行っている人をエリートという。ということは、今後はアピールする面白さをたくさん持った非エリートが民衆から選ばれる可能性が高く、語るに足る話題を持たない辛気くさいエリートが彼らに仕える形が先進国での政治・行政の一種のパターンになる可能性がある。(伊藤洋一)

2002年の韓国大統領選挙 伊藤洋一



日本経済再生は1ドル170円の円安で。
為替相場は中央銀行の秘密協定で決まる

2003年1月7日
為替のメカニズムからいえば、円安になれば輸入品の価格が上昇し、国産品に比べ輸入品の割安感が薄れ、国産品の需要が増える。結果として国内製品の価格は上昇し、デフレは止まり、生産量も上向いて景気回復のきっかけとなることが想定される。一方で、日本からアメリカなどへの輸出品は円安で価格競争力が強まり、日本経済を支える輸出産業が潤うことになる。二重の意味で恩恵があるのだ。アメリカを例にとれば、あのニクソン・ショック、そしてプラザ合意と、自国の経済力=国力の危機を、いずれも自国通貨の切り下げで乗り切ってきた。

「相当な規模の市場介入で、デフレから緩やかなインフレに変わるのではないかというムードが醸成されれば、債務返済のために現金の確保に躍起となっている企業が、株投資や、設備投資のための用地とオフィスの取得に資金を向けるようになります。その結果、株価は上昇し、地価は下げ止まるでしょう。企業や投資家が先行きの読みを変えると、こうした動きのスピードは意外に速いものです。今までは、それを促す環境の変化がなかったのです」

そこで、過去に例を見ない思い切った為替政策の断行を主張するのは、BNPパリバ証券の河野龍太郎・経済調査部長だ。デフレ解消には、年2・3%のマイルドなインフレで適度な物価上昇が条件になると見る河野氏は、そのため必要な為替水準として1ドル=170円を念頭に置く。「政府・日銀は一時的に1ドル=170円のペッグ(固定相場)を宣言し、その水準に到達するまでは無制限に円を売って外国通貨を購入する大規模な介入をするべきです。政府が円安誘導の強い意志を示せば、市場参加者は間違いなく170円になるまでドルを買い続けます」

国際合意のもとに自国通貨の切り上げを迫られた出来事が、歴史的な円高の流れを作り出したプラザ合意だ。プラザ合意は、対米輸出で大幅な黒字を続ける日本を目の敵にするジャパン・バッシング(日本たたき)緩和という側面も持っていたことになる。しかし、皮肉なことに、このプラザ合意による円高が、日本の株高・地価高騰を招き、海外資産を買いあさるバブル経済を生むきっかけにつながった。のちにバブルは崩壊したが、その影響による深刻なデフレなど現在も続く後遺症から日本経済を再生させるために、今度は円安政策の出番となってきた。
(Yomiuri Weekly 1月5・12日号より)

最近の小泉内閣の要人は揃ってインフレターゲット論を主張している。後継日銀総裁もそれが考慮されるようだ。しかし中央銀行の通貨政策は日本単独で出来るものではなく、アメリカ政府やFRBの了解なしに出来るものではない。また為替相場も日銀独自で行動は出来ない。おそらく日銀総裁や経済閣僚の人事は小泉首相にはなく、アメリカ権力中枢が決めている。

マスコミはこの事を明らかにして、日本国民世論に訴えるべきだ。世論が高まれば日本政府も日銀も動かざるを得ず、アメリカ権力中枢も表立っては反対できなくなる。長引く不況がアメリカのせいだとなれば、反米感情が高まる。それはまずい。だから私は2001年の6月29日に次のように書いている。

日銀は量的金融を引き締め続け、アメリカはドルをジャブジャブ供給して景気の回復を図った。その結果95年には円は1ドル=79円にまで円高が進んでしまった。日銀とFRBの陰謀によるものである。円高にする事により日本の輸出産業の工場のアメリカ進出を促すためである。しかし日本はアジアに工場を持っていってしまった。アジアはドルにリンクしていたからである。

そこでアメリカはアジアのドルペッグを切り離すために円安に持っていき、アジア諸国のドルペッグ制を切り崩した。そのためにアジア金融危機が起きた。日本の輸出企業の工場の海外移転は進み、その恩恵をアメリカやアジア、中国が受けている。日本の製造業の弱体化をアメリカは企んだのだ。それをマスコミでは製造業からサービス業への構造改革と言っている。

これから先、アメリカは円安に持っていき日本の空洞化した輸出企業に大打撃を与える事を企んでいるだろう。その上で日本企業を安く買いたたく。こんな恐ろしいことを国際金融資本(ロックフェラー・ロスチャイルド)は企んでいる。その陰謀の手先として日銀や政府内部で彼らの手先になっている政治家や官僚がいるのだ。

日本のエコノミストや経済評論家はほとんど素人だ。日銀や財務省のスーパーエリートは実態を知っているが、マスコミを使って実態を見えなくしてしまっている。さらには小泉首相を構造改革のサンドイッチマンにした。国民はまだその幻想に騙されている。日米の中央銀行の秘密協定により円高が日本経済を苦しめている。この事に早く気が付くべきだ。

逆プラザ合意を Yomiuri Weekly 2003年1月5・11日号




ピューリッツアー賞受賞「敗北を抱きしめて」
著者ジョン・ダワーMIT大学教授インタビュー

2003年1月6日
ジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』は、日本人が、その歴史的経緯ゆえに描くことができない敗戦直後の時期を、雑誌や歌謡曲といったものにまであたって丹念に描いた作品である。むろん、単なるノンフィクションではなく学術論文的であるがゆえに読みにくいところはあるが、読んでいくと、戦後論議をするなかでほとんど今の日本では忘れ去られてしまっている事実に気づく。

また、問題の東京裁判についても同様だ。ダワー氏は、この裁判の裁く側に日本人がいなかった、ということを指摘する。そのことが、戦犯を除く日本国民をして、頭の悪い指導者に誤って導かれた被害者である、という意識を植え付けることになった、という重要な指摘をしている。もちろんそれは単なる作為ではなく、「自分たちを加害者と思うには、東京の焼け野原はあまりにも残酷すぎた」からでもあるからなのだが。また、天皇の戦争責任の問題と、その責任を免罪しようとしたマッカーサーをはじめとするGHQの動きにも躊躇なく踏み込んでいるところは好感が持てる。(Snobist Clubより)

ジョン・ダワー教授の「敗北を抱きしめて」を検索していたらSnobist氏のサイトが見つかったので、その中から引用しました。東大出のヤングエリートらしい知的レベルの高いサイトです。私などはジョン・ダワーの「容赦なき戦争」を読みかけて机の上に積まれている。「敗北を抱きしめて」などという分厚い本を見ただけで読む気が萎えてしまう。NHKのBSで司馬遼太郎の「アメリカ素描」をやっていたので見ていたら、ジョン・ダワー教授のインタビューが面白かったので紹介します。

「つい先週内務省の会議に呼ばれたのですが、そのテーマは「現代日本におけるナショナリズム」と言うものでした。そこで私は、日本のナショナリズムですって?今は日本よりアメリカのほうがずっとナショナリスティックじゃないですか、と言いました。今一番ナショナリスティックなのはアメリカなんです。私たちは今新しい帝国主義の時代を迎えようとしています。しかし帝国はたった一つアメリカだけです。つまりこの帝国主義にはアメリカと言う帝国しかないんです。

アメリカは一方的で身勝手な国になっています。アメリカは世界の中でも視野の狭い国になり、自分の利益しか見ていないのです。アメリカにとって良いことは世界にとっても良いことと思っていますがそれは間違いです。今アメリカはイラクとの戦争に取り付かれています。その話をしますと、アメリカはサダムフセインの兵器に国民の目を向けようとしていますが、その目的は石油を支配することにあります。

本当の目的はアメリカが如何に石油や資源を支配するかにあります。アメリカの一方的な考え方は環境にとっても大変危険です。アメリカはただ石油がほしい、環境のことなど全く考えずにより大きな車を作りたいのです。昨日も車を運転していたら、前を走るSUV にアメリカの国旗が二つついていて、車のバンパーに、ブッシュにしてほんとに良かった、と書いてあったのです。ブッシュにして石油を使い放題できて良かったとね。

日本の話をすると、最近の動きを見ていて、日本はアメリカに固執しすぎるのではないかと思います。司馬さんは、皆がアメリカのようになりたがる、とおっしゃっていましたが、日本はアメリカのような国ではないのですから、アメリカのようになろうとすべきではありません。むしろヨーロッパの国々と自分を比較すべきだと思います。アメリカの資本主義では勝負に勝ったものが全ての利益を手にします。企業のトップが労働者の何百倍もの給料を取りヒーロー扱いされますが、それはおかしい。

ヨーロッパでは社会民主主義の伝統があり、政府は恵まれない人々の面倒を見ます。この伝統は日本にもあるものです。ブッシュのカウボーイ的な資本主義と帝国主義では先に撃ったものが勝ちです。それはとても危険で、アメリカ本土での戦争の体験が無いからこそ言える事だと思います。それにしても9月11日のテロのトラウマはすごすぎます。世界で爆撃を受けた国はアメリカだけと言う感じです。

しかし日本やヨーロッパは戦争の苦しみを知っていますから、戦争が最後の手段でしかないことをよく理解しています。日本は勇気を持って他の国と連帯し、アメリカの一方的なやり方に対して発言すべきです。もちろんこれまでの関係を壊さずにです。日本はアメリカと親しい関係をもたなければなりません。いつもはいはいと頷くだけではダメです。」

ジョン・ダワー教授の歴史家らしいアメリカへの辛辣な批判は、私が毎日のように述べている事と共通している。ジミー・カーター元大統領がノーベル平和賞を受けたことに見られるように、アメリカの良識派は必死に活動しているのですが、野蛮なロックフェラーに率いられた一派は、アメリカを戦争に引きずり込むことで、自らの利益を膨らませようとしている。

アメリカと言う野蛮な国が、日本というヨーロッパのような伝統を持った国に対して、GHQは日本を見下し、日本人を未開人として扱った。今もそれはアメリカ人の平均的な見方だろう。ごく一部のジョン・ダワー教授のような知日派だけがその事を知っている。日本のような社会先進国に、アメリカは未熟な資本主義を押し付けようとしている。私はそれに反対している。

しかしそれに対して竹中平蔵氏や木村剛氏らは、グローバリストの手先となり、日本を市場原理主義の国へと歴史を逆転させようとしている。社会民主主義国であり先進国である日本を、20世紀的野蛮な資本主義へと戻すことは誤りだ。ジョン・ダワー教授の指摘するとおり、日本はヨーロッパの社会民主主義国を見習うべきなのだ。Snobist氏も次のように書いている。

日本は戦争に敗北したとはいえ、政体を大きく変更するつもりはなかった。1930年、つまり満州事変よりも昔にさかのぼって、15年の間に幅を利かした軍国主義的な要素を除去しさえすれば、天皇を中心とする麗しい国体を回復できると考えていたのである。リベラリストと思われがちな吉田茂においてすら、そうであったのだ。その意味で、明治はまだ続いていた。

 だがGHQは違った。それはバリバリの文化人類学者だったベネディクト・ルースが、未開人を描くように『菊と刀』を上梓したことに典型的である。明らかにマッカーサーは東洋人を蔑視していたし、蔑まれるべき東洋人に普遍の真理を説く宣教師のような出で立ちで彼は占領政策を実行し、また日本国民はそれを受け入れたのだ。まさに、普遍的真理を福音として聞いたのである。共産党ですら、この福音を称えた。ある意味での「理想」が実現された。(Snobist Club)

歴史音痴の歴史のない新興国のアメリカが、日本の歴史と伝統を無視して、国家の政体を弄繰り回されて、日本という国は迷走している。そして野蛮なアメリカ人と一緒になってアメリカを崇拝する日本人が沢山いることは嘆かわしい。そのような人間に限って日本の歴史も伝統も文化も知らず、総理大臣となり、エルビス・プレスリーを聞いている。

ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」評
Snobist Clubのホームページ



ロックフェラーに支配される日米のマスコミ


2003年1月5日
最悪人種ランキングは1位中国人、2位米国人、3位韓国人と変わらないままだが、最悪国家では、1位、2位が入れ替わるかもしれない。まずい。静かなファシズムが世界を包む。その危機を本気で中国が察した時、キャスティングボードを握るかもしれない日本は様々な条件付きで中国側につき、史上初めてアジアが一つになることもなくはない、と考えるのは拙速すぎるだろうか?米国は危険すぎる・・・・。

PS 自由の国・米国で言論統制が日々、強化されていっている。例えば、TV、新聞は全て検閲にあい、ネットで配信してる、ちょっと辛口MLなどは、のきなみ「本日をもって配信を終わらせていただきます」という言葉でいきなり閉じるor削除されていっている。彼等は一様に、 FBIに脅されて数十万ドルを受けとって去る。欧州では今、米国のことを「彼等こそ新しいテロリストだ」と呼んでいるが、米国民には伝わらない。何せ先日のビデオでラディンがもつ極度の嫌米感情と、それに基づく発言に対し「何故米国を憎むのかわからない」と、本気で首をかしげているありさまなのだから。

さらにPS 米国は、と言っているが、日本が元々統制されてることを忘れてはいけない。日本の視聴率リサーチ会社は、ロックフェラー系のニールセンのみ。何故日本の視聴率に外資のみしか関われないか。ノウハウ?そんなもん簡単だよ。誰でもできる。つまりは,全て、本当に米国にとって困る番組は超低視聴率にし、スポンサーをおろさせ、TV局に改編を促すからだよ。以前から、馬鹿マスコミの馬鹿番組が多いと言っているのも、この原因が大きい。日本人を馬鹿にさせるためにここまでバラエティー全盛ってか、バラエティーのみのTVになる。馬鹿番組で、馬鹿国民を育てる→操りやすい(選挙にいかない、その知的レベルが無い)→日本政府の思うがまま→ 米国の思うがまま→遠くない中国との激突の際には、本土にこないように、日本の米軍基地を全力で防波堤として利用する→ 米国は安全。しかし日本は・・・。(P氏のコラムより)

最悪人種ランキングでは中国、米国、韓国、のベストスリーは誰も異論はないだろう。彼らもそれを自覚しているから、日本のマスコミに圧力を掛けて「友好」を押し付けている。本当に好かれているのなら、押し付けられた友好行事などしなくとも親善ムードは上がるはずだ。その反面本国では反日教育をして日本びいきにならないようにしている。米国にしてもジャパンバッシングは記憶に新しい。今はイラクなどのアラブバッシングを煽っている。彼らが世界で最悪人種と呼ばれる原因は教育にある。(ユダヤ人についてはここでは論じない)

米国人は9,11以降おかしくなってしまった。アフガニスタン攻撃もイラク攻撃もはっきりした理由もないままに空爆をして多くの一般人を殺している。これに対して「やめろ」という米国人は驚くほど少ない。米国政府とマスコミのプロパガンダに洗脳されてしまっているから気が付かない。CNNを見てもサダム・フセインは如何に悪者であるかと言う番組ばかり放映されている。世界から見れば米国がいかに狂って見えるか米国国民は自覚出来ないようだ。

米国政府は「USA愛国法」によってインターネットも統制している。日本も「住基ネット」で取り締まられる日も近い。「株式日記」のような辛口サイトは真っ先に消されるだろう。米国みたいに数十万ドルくれれば喜んで消えるが。P氏が指摘しているように、政府権力から見れば国民は馬鹿であってくれたほうが操りやすい。その証拠に正月のテレビ番組を見ればよくわかると思います。どのチャンネルを回して見てもお笑いタレントがテレビカメラの前ではしゃいでいるだけなのだ。

テレビの視聴率リサーチ会社の実態をなぜ誰も調べようとしないのだろう。テレビ局はなぜ独自に視聴率を調べようとしないのだろう。それはリサーチ会社が泣く子も黙るロックフェラー財閥の会社だからだ。つまりテレビ視聴率リサーチ会社がテレビの言論統制機関になっている。さらにはロックフェラー財閥の傘下の会社がテレビ番組のスポンサーになっているから、テレビ局などいくらでも統制できる。日本やヨーロッパには公共放送局があるからまだ救いはあるが、米国には救いはない。

小泉首相の支持率が異常に高いのもリサーチ会社の仕業だろう。ロックフェラーと小泉首相は関係が深そうだ。今は消えてしまったサイトで次のようなことが書かれていた。

B 小売業世界最大手の米ウォルマートが西友を傘下に収めると発表したのには驚いたね。
A 前号で取り上げた3月1日のロックフェラーの首相官邸訪問が関係しているんじゃないだろうか。
B それじゃ、「外人買いによる日経平均の上げの見返りが、米ウォルマートの対日進出だった」ってこと?
A ウォルマートは特に食品の安売りに強味を持つことで知られている。その食品の安売りをサポートしているのが、世界最大の穀物商社カーギル。そのカーギルを資金面で支えていたのが、デイビッド・ロックフェラーが会長として君臨していたチェース・マンハッタン銀行なんだ。つまりウォルマートはロックフェラー財閥の支配下にあると言っていい。だから、ロックフェラーが首相官邸を訪れた週明けから日経平均が外人買いにより急上昇し、その2週間後の3月14日にウォルマートが西友を足場に対日進出を発表、となれば関係があると勘ぐりたくもなる。
(証券マンオフレコ座談会より)

米国のイラク攻撃も石油・軍需産業財閥の指示によるものだ。このように国民から吸い上げた税金で、米軍を使ってロックフェラーは自分の利権を拡大して行く。侵略しても見返りのない北朝鮮は何をしても放置されている。地下資源のあるところ、経済的に繁栄しているところなど、ロックフェラーに目を付けられたら逃げ隠れは出来ない。政治家や官僚はCIAを使ってスキャンダルを握られ、自在に操られる。

辛口ではひけを取らない P氏のコラム



韓国・台湾は米国の支援なしには成立しない
日本から分離独立させたのは戦略的失敗か

2003年1月4日
研究討論会:今後の沖繩米軍基地と日米関係(要約)
出席者(順不同):
ポール・ジアラ 米国防総省顧問,国防大学戦略研究所=NDU・客員上級研究員
マイケル・グリーン 国防問題研究所=IDA・主任研究員
小川和久 国際政治・軍事アナリスト
武見敬三 東海大学平和戦略国際研究所次長・教授

【ジアラ】日本に駐留する米軍の役割は多岐にわたります。その一番目として,日本を防衛するということ。2番目に危機に対応する能力を提供すること。3番目に,アジア太平洋地域の安定を維持していくこと。そして4番目にペルシャ湾岸までの作戦行動を支えるということです。1960年代も,また「砂漠の楯」,「砂漠の嵐」の作戦でも,湾岸地域に一番乗りをしたのは沖繩の海兵隊でした。そして空軍の中でも第5空軍部隊がかなり早い時期に乗りこみました。この事実に加えて非常に残念なことですが,日本が湾岸戦争に対して130億ドルも拠出する貢献をしたにもかかわらず,また,湾岸戦争で果した沖繩米軍基地の役割について,全く感謝もされなかったわけです。

【小川】お金を出す前に,これはジアラさんのお話にもありましたように,戦略的根拠地である在日米軍基地を通じた日本の戦略的役割分担は,7万人近い兵力を湾岸に展開をしたイギリス軍と比べても,劣るものではないわけであります。日本から出撃した部隊の貢献にジアラさんは触れられましたけれども,それとは別に湾岸危機,湾岸戦争の7カ月間,日本と中東の間を往復した米軍の船は,延べ113隻にのぼります。その大部分がオイルとそれから弾薬類を積んでいた。

そして57万人近い米軍が使った燃料と弾薬の,私は80パーセント以上だと言っていますが,大部分は日本から補給をされた。それだけの能力を在日米軍基地は備えている。そして,そのデータはすべて公表されている。それにもかかわらず,日本の官僚機構も政治の世界も,また,ジャーナーリズムもアカデミズムも,そういう事実を踏まえて日米安保を考える姿勢に欠けてきたのは,非常に残念なことであります。そういう中で日米安保条約に関する片務性の議論も,日本においては錯覚に満ちたものが通用してきたということは,日本側で大きく反省をしなければいけないと思います。

先ほどはジアラさんのお話のあと質問をしようかどうか迷っていたのですが,例えば日本との同盟関係を抜きにしてアメリカは世界のリーダーたり得るのか,という確認はしておきたい。(米国軍事思想家)アルフレッド・マハンと同じような考え方で恐らくアメリカは戦略を立案してきて,これからもそうしていくだろうと私は思っています。そのアメリカが日本のような戦略的根拠地なしに,リーダーシップを発揮することが可能なのか。仮に在日米軍基地という戦略的根拠地を失ったとすれば,その瞬間,中国はアメリカの言うことを聞くだろうか。北朝鮮はアメリカの言うことを聞くだろうか。ロシアはアメリカに従うだろうかという問題があるわけであります。これはアメリカに対して恫喝しようということではないのです。

【司会】 非常に重要な問いかけが小川さんからありました。日本との同盟関係抜きに米国は世界のリーダーたり得るかという問いかけであります。その前提として,在日米軍,日本列島はどういうものであるか,米軍基地はどういうものであるか,米国の世界的な戦略的根拠地であるということ。このことについて,日米双方が共通認識を持たなければならないということをおっしゃったわけです。前提,並びに先ほどの問いかけについて,ジアラさん,グリーンさん双方からまずお答えを聞きたいと思います。

【ジアラ】 私がイエスと答えても,それを受けとめてくださることを希望しております。少なくとも先ほどおっしゃいました基本的なコンセプトについて,つまり,日本の貢献の性格につきましても,また,この同盟関係が将来効果的に機能しなくなったときに,どういう結果がアメリカに訪れるかということについても,イエスというように答えたいと思います。

それから,やはり私も同意見なのですけれども,基地の重要性,そして日本の貢献の大きさというものについて十分合理的な話し合いが持たれないかぎり,効果的な解決法というものは見つからないと思います。日本なしにアメリカがやっていけないのと同じように,日本もアメリカなしにはこのまま続けていくことはできないというように思います。

【グリーン】 僕は通訳さんの通訳しなかったところをちょっと通訳します。ジアラさんが一番最初におっしゃったのは,小川さんのおっしゃったことに全く同感で,日米安保は非常にアメリカの利益になること,そして日米安保を強化するためにジアラさんは日本部長になる大分前から努力している。さっきちょっと外務省バッシングがありました。

【武見】実は2週間ほど前に北京で,私は中国の熊光楷副参謀総長と会見をして,特に日中間の対立の原因となっている日米安保の対象に,台湾が含まれることについての議論をいたしました。熊光楷将軍は,私に対して3月の台湾海域における自分たちの合法的な軍事演習に対して,アメリカは二隻の空母を派遣した。

そのうちの一隻は横須賀から出港してきたものであって,この事実はまさに日米安保条約が適用され,中国の内政に干渉したことを意味している。それは中国の軍人の立場から見ると,日本がアメリカの戦車の上に乗ってやって来たのと同じことを意味するのだと,こういう言い方をしたわけであります。

【ジアラ】例えば北朝鮮,韓国,あるいは中国にとっても,海兵隊の削減は,誤解を招く可能性があります。沖繩から海兵隊を撤退させるということになりますと,米軍はアジア地域において作戦を展開することができなくなってしまいます。例えばある都市において危機が発生して,市民を救援しなければならないという非戦闘員救出作戦においても,このような軍事作戦が不可能になってしまいます。ですから,沖繩の基地問題を解決するためには,今現在ありますアプローチの代替的な解決法というものが必要だと考えます。といいますのも,このように部隊の規模を縮小するということは,不可能だからです。
(研究討論会:今後の沖繩米軍基地と日米関係より)

韓国においては反米デモが続いている。これに対してアメリカの議員が訪韓を取りやめたり、一部には在韓米軍の撤退論まで出てきている。来週日米韓の話し合いが行われるが、日米と韓国の間には少し意見の違いがある。アメリカは北朝鮮が核開発を止めたところで「不可侵条約」など結ぶはずもない。韓国の仲裁案では纏まらない。

韓国に駐留する米軍と韓国国民との摩擦は、政府の意図とは別に北朝鮮の工作員の煽りもあるのだろう。しかし大統領選挙でノ・ムヒョン氏が選ばれたことは、韓国国民はアメリカの政策に反対の意思表示を示したことになる。

台湾においても若い世代が中国に対する敵対意識が薄れてきたようだ。おそらく時間と共に韓国のように親中国派の総統が選ばれる時が来るかもしれない。日本は軍事的に頼りにならないし、アメリカの態度が曖昧だ。台湾も韓国も単独ではとても超大国の中国に対抗できない。中国の対外膨張政策は強まる一方だ。日本ですら日米安保がなければどうなるかわからない。

アメリカはイラク攻撃に前のめりになっているが、日本を含む極東に戦争が同時に起きれば、米軍はイラクの戦争を継続することが出来るのだろうか。ラムズフェルド国防長官は二正面作戦は出来ると大見得を切っているが、中国の出方次第ではかなり危険な賭けとなる。中国は火事場泥棒的に勢力を拡大してくるだろう。

日本との同盟関係抜きに米国は世界のリーダーたり得るか



防衛庁 初の無人偵察機を計画
5月に自衛隊初の空中給油訓練

2003年1月3日
防衛庁は、自衛隊としては初の空中給油訓練を今年五月、九州西方の東シナ海上空で米軍の空中給油機の協力を受け実施することを決めた。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作船が頻繁に往来したとされる九州西方での空中給油訓練は、核施設再稼働の動きを加速するなど緊張感を高めている北朝鮮に対して日米連携でけん制する狙いもあるとみられる。(西日本新聞)[1月3日2時46分更新]

 防衛庁は、周辺国の施設を高高度から撮影する滞空型無人機の装備化を目指し、新年度予算に二億六千万円の研究費を計上した。地球を周回する偵察衛星が一日一回しか目標を撮影できないのに対し、連続三十六時間の長時間観測が可能になる。日本初の“スパイ機”ともいえる同型機の開発は、内外の関心を呼びそうだ。滞空型無人機は他国の軍事施設を継続して偵察したり、洋上の工作船を追跡するのが狙い。地上から二十キロ以上の高高度を飛ぶため、地対空ミサイルは届かない。領空侵犯にならない公海上空からでも朝鮮半島の内陸部にある軍事施設が撮影できるという。(中日新聞 1月3日)
日本の国防政策も北朝鮮の金正日のおかげでやっとまともになってきた。これが正夢ならいいのですが、野党の国会議員や自民党の実力者は一斉に騒ぎ出すだろう。なにしろ重要な施設ですら自衛隊の出動はまかりならんと言う、反日の自民党実力者がいるくらいです。重武装した武装集団が襲ってきた場合、警察の自動小銃ではロケット砲に対抗できない。

航空自衛隊機には空中給油装置がわざわざ撤去されている。長時間の警戒飛行には必要な装置なのですが、これも野党議員の抗議で行われた。憲法問題を持ち出されては議論に勝てないから政府も譲歩してしまう。このような国防政策に政府が無責任なのは、防衛政策を在日米軍に丸投げしているからだ。

これからの戦争は、ますますハイテク化されたロボット兵器によって行われることになる。今日のニュースにあった無人偵察機も、コソボ紛争やアフガン攻撃でアメリカ軍は大量に使用している。そのコントロールはアメリカ本土の司令部から操作され、情報も直接本土の司令部に送られる。たとえ撃墜されても人命は損傷せず政治問題化するリスクは避けられる。

偵察衛星も全世界を探る上では有効ですが、集中的な探査には向かない。一箇所を長時間詳しく調べるには、無人偵察機が必要だ。アメリカではグローバルホークが製作されて、アメリカ本土からオーストラリアまで試験飛行に成功している。日本では100機近くのP3Cが飛んでいるが、これの代わりに無人偵察機を飛ばせば、費用の削減にもなるだろう。

計画ではジャンボジェット機並みの大きさで36時間も飛行が出来る。さらに発展させればミサイルを積んで攻撃にも使える。さらには無人戦闘機や無人爆撃機も実用化されるだろう。実験では有人戦闘機は無人戦闘機にかなわないそうだ。巨額の費用をかけてパイロットを要請する必要性がなくなる。むしろコンピューターゲームの達人のほうが国防に役立つ兵士かもしれない。

イラク攻撃の準備で多くのアメリカ軍兵士が動員されている。これも無人偵察機を常時飛ばして、サダム・フセインを探し出し、直接に大統領の指示を貰って、ミサイル攻撃して葬ればいっぺんに片付く。それなのにどうして巨額の軍事費を出して攻撃態勢をとっているのだろう。少なくともフセインは外に出ることが出来なくなり、一生防空壕で生活することになる。SF映画で見るようなロボット同士の戦争が近いうちに現実となるだろう。

米軍の高性能偵察機グローバルホークの正体




日本の電子産業は米国・韓国・中国に包囲された。
国産技術を潰した棚橋・孫・盛田三氏の責任を問う。

2003年1月2日
例えば、日本が、1985年の日米半導体交渉の時には、「技術立国」「電子立国」でアメリカに圧勝したのに、その翌年から大敗北が準備されたのだ。アメリカは、モトローラもテキサス・インスツルメントもヒューレット・パッカードも禄でもない「256(にごろ)」から「16メガビットDRAM(ディーラム)」までの80年代製の汎用半導体チップ(技術の米)しか作れないことを自覚した。

それで韓国を使った。韓国のヒュンダイ(現代)やサムソン(三星)、キア、ダイウ(大宇)などの電機部門をもつ財閥企業(チェボル)に、1986年から、ただで(ただし将来に渡って厳しい縛りをかけられる)、ハイテク先端IC技術と半導体技術を与えた。それで、1997年に、韓国のウォン安もあって、半導体市場の中心商品である「16メガビットDRAM}が、国際市場で暴落して、一個40ドルから、2ドル台にまで暴落した。これで、日本の「電子立国」が打ち破られて瓦解した。このことは私の「悪の経済学」(祥伝社、1998年8月刊 )のP87あたりに詳しく書いた。(副島隆彦 今日のぼやき)

今日のお昼のNHKのニュースでヒューズ社とボーイング社が中国へICBMへ転用可能な技術を輸出していたと国務省から告発されたことを報じていた。1990年代にアメリカ自身の国防に直接関係する技術の輸出まで行われていた戦略的な意図は不明だ。この事は多方面にアメリカから中国へ技術移転が行われた事を証明するものだ。

同じくアメリカから韓国へ半導体技術やIT産業の技術が移転されたことと目的は同じだ。その標的は日本の電子産業を叩きのめすためである。この事は12月13日の「通産省・国売り物語」にも書かれている。90年代の初頭は日本はIT産業分野で先頭を走っていた。ところがCIAのおとり捜査に日立の技術者が捕まって以来、アメリカは通産省にさまざまな圧力を掛けIT技術の芽を潰させた。

アメリカは国防の名の下にCIAを使って日本の先端技術を潰し、その反面、中国や韓国に技術供与をして半導体産業やIT産業を育てた。その結果、製造コストで日本のメーカーはDRAMなどの競争に負け、現在は富士通、日立、東芝などの日本企業は立ち枯れしつつある。そして大手家電メーカーのリストラで多くの技術者が韓国や中国へ転職して行った。

家電量販店に行くと韓国製のプラズマ・テレビや液晶テレビが、日本製より3割も安く売られている。日本独自の製品なのに、これほど早く同じものが作られるのは日本の技術者が海外メーカーへ転職しているからだ。そしてLGやサムソンなどの韓国メーカーに欧米資本は資本参加している。日本は欧米の経営戦略に見事に嵌ってしまった。

マイクロソフトはPCのOSでグローバルスタンダードとなり、情報通信技術は1社が完全支配している。OSがブラックボックスになってしまったから、製品メーカーは開発がお手上げになってしまった。ユーザーもパソコンを買う度に高いOSも買わされ、しかもとんでもない欠陥商品だ。日本製のOSもあったが通産省の棚橋氏やソフトバンクの孫正義氏やソニーの盛田昭雄氏に潰された。彼らは国を売ることで自らの繁栄を図った。その結果どうなったか。

ITRONが、人知れず「物作り日本」の基幹を守り続ける中にも、TRONを潰そうとした人達は、より深い所で日本の競争力を蝕んでいました。「日本の産業競争力」を敵視するアメリカと、それに迎合する自民・官僚・マスコミが、日本の技術を潰すべく世論操作に血道を上げていたのです。天谷直弘氏や加藤紘一氏などの高級官僚や政治家を含め、多くの有力者が、あからさまに明言したように、理不尽な日本叩きをマスコミがあたかも破滅の足音のように煽り、日本人を脅して、その向上心を削ぎ落としていきました。

そしてウィンドウズ支配は日本だけでなくアメリカでも、様々な弊害をもたらした事でようやく、彼等「独占サポーター」の愚かさは白日の元に晒される事になりました。OSの肥大化によって頻繁な「機体買い換え」を強要されて情報化コストが肥大化を辿り、大量の廃棄パソコンが処理場に溢れました。そして「重い・遅い・落ちる」の三重苦がユーザーを苦しめました。 その一方で、ソフトメーカーはOS支配を活かしたマイクロソフトのアプリケーション参入に怯えるようになり、その結果が「独占禁止法」の裁判と、そして、リナックスやJAVAによる新しい動きが産まれる必然性・・・。(日本復活の希望より)

先日アメリカの裁判で最新のMSのOSにもJAVA搭載を命ずる判決が出されました。アメリカの国防政策の名の下に、日本の基本電子技術は潰された。その結果、欠陥OSのPCが世界に蔓延った事に世界は気が付いた。ウィンドウズを医療用には使えない。国防用のPCにも使えない。ゲームにしか使えないOSをグローバルスタンダードにしたMSとアメリカ政府の責任は重大だ。穴だらけのMSのOSとIEはコンピュータウィルスを蔓延させた。それを手助けした棚橋氏や孫氏や盛田氏の責任は重い。

日本復活の星 TRONは死なず
副島隆彦 今日のぼやき



中島みゆき、紅白で歌詞間違えちゃった
レコ大・中島美嘉が満票で最優秀新人賞

2003年01月01日
「第53回NHK紅白歌合戦」が12月31日、東京・渋谷のNHKホールで行われた。初出場の中島みゆき(50)は富山県の黒部川第4発電所付近の洞穴状のトンネルから同局ドキュメンタリー「プロジェクトX」のテーマ曲「地上の星」を熱唱した。中島がテレビの生放送で歌うのは24年ぶり。ワインレッドのドレスを着た中島はマイナス2度の寒さと緊張のためか歌詞を間違えるハプニングもあった。歌合戦は紅組が勝ち、紅組の27勝26敗。(ニッカンスポーツ)

中島美嘉が審査会で16票中16票の満票を得て、最優秀新人賞を受賞した。白の衣装を身にまとった中島は受賞の瞬間、我を失ったのか、無表情のまま。司会の菊川怜(24)から花束を受け取ると初めて笑顔を見せたが、一生に1度しか獲得できない栄冠に「何か、ちょっと不思議な気持ちです」。涙を浮かべながらデビュー曲「STARS」を披露し、途中で言葉に詰まるシーンも見られた。(ニッカンスポーツ)

年末はレコード大賞や紅白歌合戦などの歌番組があります。その年に流行った歌などで一年を振り返るのもいいものです。テレビなどの歌番組もよく見ますが、最近はお笑いトーク番組化して、視聴率第一主義なところが残念です。その為にモーニング娘などの、お笑いも出来るアイドルグループが人気を得ている。しかし彼女たちはタレントであって歌手とはいえない。歌が下手でも売り出し方で売れてしまうのだから、日本の音楽ファンの質も知れてます。

CD売り上げから見ると浜崎あゆみ、宇多田ヒカル、元ちとせ、がトップスリーですが、浜崎あゆみはルックスが売り物の歌手で、金髪も彼女が流行らせたとも言える。デビューした頃の黒髪だと目立たなくて売れなかっただろう。宇多田ヒカルはアメリカ仕込みのR&Bと曲が作れる才能が売り物で、日本を代表する若手女性歌手です。元ちとせはじわじわと売れてきた歌手ですがテレビにはほとんど出ない。

以前には年末には日本歌謡大賞があったのですが、審査員の審査が酷くていつの間にか消えてしまった。この手の番組の一つが日本レコード大賞ですが、内容はテレビ歌謡大賞と直すべきだ。テレビ局のご都合で大賞を選んでいる。業界関係者の慰労のためにやっているのだろう。テレビ向きの歌手が必要なこともわかりますが、それならはっきりとテレビ歌謡大賞としたほうがいいのではないかと思う。

レコード大賞の新人賞には中島美嘉が選ばれましたが、曲に恵まれているのに歌手としては未完成です。ルックスも良いしテレビ向きだ。正面から見るとバーブラ・ストライサンドに似ています。歌もそれぐらい上手くなってくれるといいと思います。これだけカラオケ店があって歌の上手い娘は星の数ほどいるのに、テレビ写りのいい娘はどうして少ないのでしょうか。

紅白歌合戦はやはり話題の中心は中島みゆきですが、やはり貫禄でした。洋楽系のベテラン歌手は沢山いるのですがギャラの関係で出演が難しい。稼ぎ時の年末に3日も拘束されるとそれなりのギャラが必要になる。その点、演歌歌手は紅白に出るだけで営業ランクが上がるから無理してでも出る。紅白は演歌に偏りすぎているのですが、それが売り物だから仕方がない。

最近はパソコンの普及でネットで曲がダウンロードできるのでCDが売れなくなっている。歌謡界はピンチになり、新人歌手が育てにくくなっている。特にテレビ向きの若い歌手はなかなか人材難だ。テレビはオーディション番組まで作って新人を発掘しているが、モーニング娘のように歌の下手な娘ばかりだ。だからBoAのように韓国から新人をスカウトしている。

私はCDを買うことがほとんどなく、テレビでヒットソングを聴く程度なのでそのように感じる。浜崎あゆみは喉を痛めて声が苦しそうだ。プロモーションの場合なら口パクでもいいと思います。歌手のほうでもテレビに出る出ないは自由ですが、中島みゆきのように才能のある歌手はなかなかテレビに出てくれない。

レコード大賞新人賞 中島美嘉 ソニー公式サイト



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