株式日記と経済展望



ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


日本に首相は必要か

2001年7月31日
選挙が終わってさっそく自民党の実力者達が動き始めました。小泉内閣を前倒しで続投が決まるようです。これからは小泉首相の意向にかかわらず、実力者たちによる政治が始まる。森内閣の時の構図がそのまま復活する。3ヶ月間実力者たちはじっと大人しくしていましたが、今日のニュースでは野中氏古賀元幹事長の訪中を報じていました。

小泉首相が無難に職務をこなしている限り、実力者たちは小泉内閣を支え続けるだろう。森前首相はたびたび失言を繰返し、任命した閣僚の交代騒ぎで国民の支持率を失い、実力者達は首を小泉氏に挿げ替えました。選挙が終わったことにより、小泉氏は大臣は代えないと言っていますが、実力者たちは内閣改造に取り掛かるだろう。

大臣病患者が沢山いるから、さまざまな政治工作で小泉首相の意志とは関係なく大臣を代えて行くだろう。そうでなければ派閥のまとまりがつかなくなります。ワイドショーも小泉内閣支持一辺倒から風向きも変えて来るだろう。実力者達がそのように仕掛けるからだ。日本のテレビ・ジャーナリズムは信用出来ない。

小泉首相には解散権という伝家の宝刀がある。しかしそれも有効なのは国民の高い支持率がある時だけだ。実力者がその気になればスキャンダルをマスコミにリークしてやられるだろう。細川首相のときもそれでやられた。以下はウォルフレンの「日本という国をあなたのものにするために」からの引用です。

日本には「首相」という言葉がもつ本来の意味では、首相は存在していない。これは何度も実証されている厳然たる事実である。首相というものは本来、形の上でなく、実質的に責任を負っている存在の筈だ。自分の下にいる閣僚とともに、自国の政治課題の優先順位を決定し、それを実際の政策に反映させて行く責任を負っているのが本来の意味での首相なのだ。

真の権力を持っている政治家が改革を行なうと宣言した場合には、どこかの時点で、誰もが現実的だと納得する政策案を示して、その宣言を信用出来るものにしなければならない。しかし日本の首相には、そうする必要はないのである。小泉純一郎も、この点では例外ではないというわけだ。

小泉のそれも、国際的観点からいうと特殊だった。日本経済の建て直しというような大仕事にどのように取り組むつもりなのか、その具体策が、すでに何度も耳にしている決まり文句以外は、ほとんど示されなかったのだ。具体策が無かったのだから、マスコミで具体策についての本格的な議論がなされることも、もちろんなかった。

(昨日のNHKの2時間半にも及ぶ政治討論の番組でも何の具体策も出てこない。決まりきった議題を決まりきった文句でのやりとりの繰り返しで、政党の政策の違いすらはっきりわからない。司会者の切り込んだ質問もなく何のための討論番組なのだろう。)


なぜ自民党はネットの選挙利用に反対なのか

2001年7月30日
参議院選挙は予想通り自民党の勝利に終わりました。小泉人気はまだまだ衰えてはいなっかった。自民党の選挙戦略がまんまと図にあたり浮動票の獲得に成功しました。野党は小泉首相の「聖域なき構造改革」「自民党を変える」「改革に抵抗する勢力は叩きつぶす」と言ったキャッチフレーズで撹乱戦術にはまってしまった。

自民党の総裁自ら党内の抵抗勢力を叩き潰すと言っているのに、自民党内の抵抗勢力は「小泉内閣を支えて行く」と見え透いたことを言っておとなしくしている。この結果橋本派は郵便や建設といった団体代表を当選させて派閥の勢力の拡大に成功している。小泉首相の言っていることとやっていることは矛盾しているのだ。

まさに小泉内閣は抵抗勢力に操られた見せかけの内閣なのだ。あれほど勝利したのに小泉氏に笑顔はなかった。いずれ人気や支持率が落ちれば使い捨てられる事は分かりきっている。人気や高い支持率の主体は女子高生やオバサンたちだ。こんな事を言うと女性蔑視とか言われるだろう。しかしニュースなどで見ると小泉首相はアイドルのように女子高生やオバサンたちに騒がれている。実際に私も多くの女子高生が日の丸の小旗を振っていたのを見かけた。今まで無かったことだ。

私は大橋巨泉氏に投票した。私の意見に近かったからだ。巨泉氏は「今の自民党では絶対構造改革は出来ない」と断言している。私もそう思う。選挙結果を見れば一目瞭然だ。橋本派が圧倒的だ。多くは抵抗勢力の団体代表だ。政権交代が無くては構造改革は不可能だ。イタリアも政権交代があったからこそ構造改革は出来た。しかし民主党にも労組代表が名前を連ねている。民主党も抵抗勢力を抱え持っているのだ。

テレビの当選インタビューで大橋巨泉氏が言っていたが、なんでインターネットを選挙で使えないのかと民主党に聞いたところ、3月に議員立法で民主党が提案したのだけれども、自民党に潰されたそうです。自民党はITを国家戦略として進めている筈だ。それなのにインターネットを選挙に使うことに反対している。如何に自民党が構造改革が出来ない政党であるかを証明している。

比例代表選挙は候補だけでも二百名以上もいるから、ポスターも貼れない。新聞も名前と顔だけだ。どうやって政策を訴えればいいのだ。インターネットのホームページで訴えるしか方法がない。金もかからない。有権者との問答も出来る。それなのに自民党はネットを選挙利用に反対するのは、抵抗勢力団体の候補者に有利だからだ。小泉首相はメールマガジンを利用しているくらいだから、ネットを選挙に利用出来るよう法案を通すべきだ。それが小泉総理の試金石になる。


中国経済の光と影

2001年7月29日
テレビなどの報道によると中国の経済は大きく変貌しているらしい。雑誌などにも超高層のビルが林立し、高速道路が都市を結んでいる写真が掲載されている。今や世界の企業が中国へと投資が集まってきている。ASEAN諸国も中国へ工場を移す企業があるくらいで、世界の製造工場となっているようだ。

中国経済の一番の強みは安くて豊富で質の高い労働力だ。月給が8000円とか12000円という破格の安さです。日本の10分の1から20分の1だ。為替の自由化がされていないから意図的に安くされているのだろう。貿易収支が黒字だから自由化されていれば是正されるだろうが。

技術力も軍事技術を元にしてあるし、海外からの技術移転もあるし、留学生や海外のハイテク企業で働いていた人が戻って企業を立ち上げているので、トップクラスの技術もかなりあるようだ。外貨を稼ぐために国策として輸出産業を育てている。日本やアメリカやEUの企業も先を競って中国進出ラッシュだ。WTO加盟も近い。

このような事実はNHKのテレビなどで盛んに放送されている。しかしその実態はどうなのだろう。報道されていることは全て当局に許可されたものばかりだ。自由な取材活動は未だに許されていない。以前にも書いたことだが詳しい事は中国研究家の書いた本を見るしかない。あるいは断片的な情報から推測するしかない。

中国に豊富にあるのは労働力だけで食糧も輸入国だし石油も輸入している。そして農業や工業に必要な水がない。黄河は涸れはて、地下水も水位はどんどん低下している。北京の郊外数十キロまでゴビ砂漠は迫っている。一時問題になった電力はどうなのだろう。13億人が一斉に近代的生活をするようになったら世界の資源はパンクする。水不足は絶望的だ。

中国は去年も8%成長をしたと発表しているが実際は2%程度らしい。中国ブームはすでに終わったのではないか。世界的不景気でいつまでも中国への投資が続くわけがない。バブルが弾けて不良債権も巨額らしい。超高層ビルも空室だらけらしい。見かけ倒しの部分がかなりあるのではないか。どうも良く分からない。


政治活動とインターネット

2001年7月28日
毎日株価を見ながら経済や政治や文化の事などをホームページに書いていますが、政治的なことを書く時は気をつけなければいけないのだろうか。特に選挙期間中となると特定の政党を批判したり応援したりすることは、公職選挙法違反になるのだろうか。

私は個人的な意見を書いているだけなので問題は無いと思うのですが、選挙の候補者のホームページを見てもいろいろと制約があるらしく、有権者からの意見やら質問などを掲示板などでやりとり出来れば、政策や人柄などを知るのに便利だと思うのですが、いろいろ選挙法で制約があるらしい。

ホームページ自体を持っていない候補者も沢山います。新聞やポスターを見ても候補者の事がほとんど分からない。有名タレント候補ならある程度のことは分かる。しかし普通の候補者のことは知るすべがない。ネットによる選挙活動を禁止している選挙法は時代遅れなのだ。構造改革を訴えている候補者がネットの利用に無関心なのは矛盾している。

テレビ朝日のニュースステーションで各候補者に政策のアンケート調査をしていましたが、候補者が沢山いすぎて良く分からない。無回答の候補者も沢山いる。政策一つ一つについて賛成反対が良く分からない。政党の政策と各候補者の政策とは全部一致することは有り得ない。しかし党首演説だけテレビなどは限定して放送している。今回の選挙は政党に投票するより党首に投票する意味合いが強い。

有権者は何を判断材料に投票すればいいのだろう。有権者は知る権利を選挙法で禁止されたまま、候補者を選ばなければならない。このような問題点をはっきりと指摘しているマスコミもないのは何故だろう。テレビの討論会でも話題に出ることはない。何度かネットを政治に生かすことを提言したのですが、検討される気配はない。

新聞によるとネットの掲示板などで中傷や業務妨害、迷惑メールを取り締まる法律を総務省で法制化に乗り出しました。そのせいか掲示板の主催者やプロバイダーがかなり神経質になっているようだ。この事が過剰な自主規制をもたらして言論の自由を奪うことになりはしないのだろうか。

テレビや新聞などのジャーナリズムは各方面からの圧力や自主規制で牙を抜かれたような状態になっている。だからネットにも同じようなことをしようとしているのだろうか。間違っていることは間違っていると主張出来なくなったら、世の中はおかしくなっていきます。私のホームページは時々過激な事を書いたりしているので心配だ。


二番底か底割れか

2001年7月27日
現在の株価は二番底か底割れするかの微妙な位置にあります。選挙の結果を待っているような株価の位置です。しかし自民党の勝利の予想は織り込まれているのですが、その後の政局と政策の見通しが分かりません。3月危機を日銀の金融緩和で乗り切り、今度は8月危機が噂されています。

株価が底値をつけている時は悪材料や不安材料が続出してとても買えない。買える度胸があれば良いのですが金も度胸もない。10000円とか8000円とかの株価予想も囁かれ大恐慌前夜のような不気味さが漂っている。出来高が少なくなり外人も模様眺めの状況だ。

構造改革の内容がいまだにはっきりしない。小泉首相は声をからして「構造改革を断行する」と絶叫している。中身のないままに与野党の議論も噛み合わない。与党の作戦としては小泉内閣の信任投票にするつもりのようだ。小泉自民党は女性票を集めて勝利するだろう。しかしその後はどうなるのだ。

小泉首相はどうも信用出来ない。やろうとしていることは橋本行革とほとんど同じだろう。しかし経済状況は橋本内閣当時よりもっと悪くなっている。それでも「改革を断行する」と言っている。このような破れかぶれの政権で大丈夫だろうか。しかし選挙に勝てば小泉内閣は信任されたことになる。

小泉首相は外交も経済政策にも強くない。閣僚にも御粗末な大臣が揃っている。人気だけのワイドショー内閣だ。このままでは日本はほんとに大変な事になりそうだ。経済のみならず外交も大きく世界情勢は動いている。国防的にも大きな決断をしなければならないかも知れない。それにもかかわらず閣僚にはオバサンやタレント教授や御爺さんぞろいで頼りにならない。

参議院議員候補を見てもこれといった人材が見当たらない。国会を馬鹿にしているとしか思えない。当選しても単なる投票マシンになるだけだろう。KSDやオレンジ共済事件も参議院議員が起こしている。参議院の存在自体を選挙の争点として選挙を行なうべきだ。廃止するには憲法を改正しなければならないが、人数を半分にしてしまえばいいのだ。


やらずぶったくりの株式市場

2001年7月26日
今日の日本マクドナルドの初値が4700円で値がつきました。公募価格の400円高ですが、おそらく御祝儀買いが終われば株価は落ち着くところに落ち着くだろう。昨日書いたように日本の資本市場が十分に成熟していないのに自由化されて、株主の利益はどんどん奪われて行く。

株式市場の新規公開も審査がいいかげんで、いかがわしい企業が公開されたり、NTT等のように無茶な高値で公開がされて株主は踏んだり蹴ったりだ。新規公開では公募割れが続出して不透明さはいっこうに改善されない。かといって不当な安値で公募して異常な高い初値をつけるのも不正の温床になる。適正なルール作りがされていないからだ。

増資についても既存の株主の利益は奪われっぱなしだ。時価による公募増資が認められて以来、公募増資が乱発され株価は下落して行く。NTTドコモの1兆円公募増資もひどいものだった。転換社債の乱発も許せません。直接金融の時代だからと言って無秩序な増資は禁止されるべきだ。

本来増資といえば額面増資で株主に割り当てられていた。額面と時価とのプレミアが株主の利益になった。ところが中間発行や時価発行が認められ、既存の株主の利益はどんどん失われて行く。一般株主の権利と保護はほとんどないに等しい。

株式投資は本来長期に保有して株式分割で株が増えていき、会社は株価を高めるために自社株買いで株の価値を高めてゆくのが株主本位の会社の有るべき姿だ。ところが日本では配当も二重課税で、配当利回りも低く、そして増資しても株主への利益還元はない。ルール作りが出鱈目なのだ。これでは誰もリスクを背負って株を買う人はいないのは当たり前だ。

最近では分けの解らぬ転換社債が海外で次々発行されて仕手株が乱高下している。日本の株式市場は今や無法地帯になっている。詐欺行為に等しいデリバティブ商品も出回り、いろいろ物議をかもしている。いったい証券行政はどうなっているのだろう。金融自由化も良いけれどきちんとしたルールも無しに自由化を履き違えているのだ。

日本には株式評論家はいない。出鱈目な証券行政を批判する人がいないのだ。大衆投資家の立場にたった良識的証券投資の専門家がいないのだ。インターネットを見ても様々な不正は断片的にしかわからない。公になるのはかなり時間が経ってから明らかにされる。日本の株式市場はまるでジャングルだ。


日本にアメリカ流資本主義は合わない

2001年7月25日
株価に一喜一憂しないと言っている小泉政権ですが、人気と支持率で持っている政権ですから、N225が最安値をつけて支持率が低下してきたことにより、慌ててPKOをしてきたようです。誰よりも株価に一喜一憂しているのは小泉首相自身でしょう。森政権より株が下落しては何のために政権交代したのか分からなくなってしまいます。

たとえ参院選で勝ったとしても株価が下落して支持率が落ちれば、小泉おろしが始まるだろう。構造改革は5年から10年もかかる中長期的課題であり、景気対策は緊急課題だから株価に一喜一憂せざるをえない。アメリカの景気も下り坂だから日本の株価の暴落は、アメリカの株価に深刻な影響をもたらします。だから株価対策をせざるをえない。

株価の下落が止まらないのに、大型の新規上場が相次いでいる。だから余計に需給が崩れてしまう。間接金融から直接金融への流れは正しいのだろうか。一流企業ほど直接金融になり、銀行にとっての優良顧客が失われて行く。その反面直接金融が得られない信用のない企業は銀行の融資もえられない。金融システムが働かなくなってしまっている。

銀行には充分資金はあるのに、必要としているところには流れず、債券市場に流れている。この金融システムの麻痺状態が日本経済をおかしくしている元凶だ。日本国民が株を買わず預貯金に頼っている限り、直接金融は弊害が多い。限られた株式市場の資金が大型ファイナンスに吸い上げられれば、株価は下落する。

もし本当に直接金融にするならば株式市場に個人の資金が流れるようにしなければなりません。それが証券税制の強化により個人の資金が証券に流れないのだ。もともとリスクのある証券投資は日本人には向かないのだろう。だからよほど有利な証券税制にしない限り直接金融は機能しない。

今の個人の財産が預貯金に偏っている限り、間接金融に戻すべきだろう。そして直接金融を制限するのだ。今の金融状況ならばそうせざるをえない。今銀行が保有している株式を市場で売却しているのを止めさせなければなりません。ますます資金が市場から吸い上げられてしまいます。だからBIS規制は撤廃すべきだ。

個人が株を買わない分銀行や保険会社が株を買ってきた。これが持合株である。これが直接金融に代わる働きをしていたが、会計制度の変更で難しくなった。個人の代わりに金融機関が株式運用をする投資信託が機能すれば、直接金融も上手く行っただろう。しかし元本割れ続出で機能していない。

わかりやすく言えば金融制度をアメリカの言われるままに変えてきたために、金融は機能不全の状態になってしまった。金融の自由化は必然的なものですが急ぎすぎたのだろう。大蔵省の護送船団方式からあまりにも急に自由化してしまった為に法整備も意識改革もちぐはぐになってしまい、金融機能不全になっているのだ。ビックバンが余計に混乱に拍車をかけている。

国民の預貯金に対する指向が変わらない限り、アメリカの金融制度をそのまま持って来るのは無理があります。今の状態では誰も株を買わない。その反面企業は株式市場から資金を調達し続ける。そして株式市場は死んでしまう。


マハティール首相の警告

2001年7月24日
昨日のNHKの「クローズアップ現代」でマハティール首相のインタビューを放送していました。97年のアジア経済危機に対し、ジョージ・ソロス達の投機家達に立ち向かい、撃退に成功した。様々な国際会議でも議論を戦わして一歩も退かない姿勢は日本の政治家には見られません。

マハティールが6月の与党大会に演説し「忘れるな、忘れるな、忘れるな」と繰り返し述べたあと、感極まって涙を流しました。450年に及んだ植民地支配を忘れるなという意味ですが、日本の政治家には日本がアメリカの植民地で良しとする情けない政治家が多すぎるのだ。総理大臣から幹事長などの自民党幹部からそうなのだ。

マハティール首相はグローバル経済は発展途上国を苦しめるだけであり、一番強いところが生き残るシステムであることを指摘している。そして日本に対しても、そのような経済改革を急ぐべきでないと忠告している。小泉首相の「構造改革」のことを暗に指摘している。今すぐ「構造改革」しても生き残るのは一部の国際的大企業だけであり、中小企業は淘汰されてゆくのだ。

小泉首相は「根っからの親米派」と公言している。しかしアメリカはダブルスタンダードの国であり、軍事面で対立しているように見せかけながら中国と日本を敵対させ、その裏で経済面ではますます米中関係を深めている。マハティール首相はその点でも忠告している。

日本はマレーシアなどのアセアン諸国とともに米中関係の狭間にたち一つに纏まるべきだろう。マハティールは次のように言っている。「日本が自らの流儀で築いてきた多くの物事を破壊している。多くの過ちを犯しています。そのため現在の日本は非力な状態に陥った。私たちが日本を手本にしたいと望んでいるのに、逆に日本は西洋の模倣をしようとしています」と忠告している。

日本とASEAN諸国と一体となり強力な力を持つことは、アメリカや中国にとっても許せないことだろう。だからマレーシアを始め、フィリピン、インドネシア、タイなど盛んに政治謀略をしかけて、政界はゆれている。日本もその例外ではないらしい。政界やマスコミにはアメリカや中国の手先がいっぱいいるのだ。

今ハノイではASEANの会議が開かれている。そしてEUやNAFTAのようにEAECの構想があります。それを日本の政治家はアメリカの恫喝によってEAECの成立を妨害しているのだ。中国も対抗勢力が出来ることに警戒している。だから教科書問題や靖国神社参拝などで騒ぎ立てて牽制しているのだ。


京都議定書は合意出来るか

2001年7月23日
ドイツで開かれている気候変動枠組み条約会議(COP6)が難航している。ヨーロッパとロシアとその他の先進国との利害が対立しているからだ。ヨーロッパは石炭からロシアからの天然ガスに切り替えており、削減目標の達成は楽なのに比べ、米国や日本は達成は難しい事情があります。目標を守るためには経済コストに上乗せされる大きな問題です。

要するにヨーロッパのエゴからごり押ししているのだ。発展途上国はこの対象からはずれている。だから米国と日本が一方的に不利になり簡単には賛成出来ない。単にアメリカ追随とはいえないシビアな問題だ。しかしロシアとヨーロッパの連携は強く、ロシアにとっても対米戦略の一貫として仕掛けているのだ。

ミサイル防衛構想についても米国・日本とロシア・EU・中国とは対立している。EUとロシアとは軍事的緊張は収まり、エネルギーなどの面でロシアとEUは一体化している。また中国とロシアとは友好条約を結び、軍事面で利害は一致する。さらに中国はエネルギーもロシアから輸入しなければやっていけない。

ロシアはエネルギーでEUと中国と一体化して、軍事面でも利害の一致から関係を深めている。プーチン大統領の外交戦略はアメリカを孤立させる事に成功している。EUや中国はいやでもエネルギーをロシアに頼らなければならない。最近のEUの一線を画した対米外交の裏にはロシアの影響がある。

日本はエネルギーも軍事面もアメリカに頼らざるをえない。中東の石油を押さえているのはアメリカだ。ミサイル防衛もアメリカに頼らざるをえない。中国や北朝鮮などの潜在的軍事的脅威は増してきている。特に中国の海軍力増強は増してきている。台湾問題は日本にとっても生命線だ。軍事的にアメリカとの関係は集団的自衛権まで認めなければならないだろう。

中国はロシアとの関係を深めたことにより、背後を固め台湾、東シナ海の覇権に乗り出すだろう。EUはロシアとの関係から中立を保たなければならない。日米対中国の対立は台湾、東シナ海をめぐって深まる。ここで京都議定書でエネルギー問題の足枷をかけられては日米の国力も制限される。

日本の野党は京都議定書にも賛成せよと主張し、集団的自衛権は反対している。日本の外交戦略からみてマイナスだ。急激に東アジア情勢は変化している。日本の外務省はスキャンダルに揺れている。田中外相により親米派の官僚は追放され、親中派の官僚が勢力を伸ばしている。これで良いのだろうか。


ハンバーガー帝国主義に反対

2001年7月22日
日本マクドナルドの公募株式価格が4300円に決まったそうだ。3000円台が予想価格だっただけに意外な感じだ。膨大な発行株数からして時価総額か店頭市場で最大になるらしい。しかもマーケットメイク銘柄になる。値がつきにくい品薄株ならともかく、どうも不透明だ。普通なら2000円以下が良いところだ。

マクドの平日半額商法は日本の飲食産業に大きな衝撃を与えている。牛丼まで値下げ競争に巻き込まれている。消費者にとって喜んでいていいのだろうか。合理化努力で出来たということですが本当なのだろうか。売り上げが伸びたから薄利多売で儲かっているということらしい。

商品単価が65円で小さく、立地は一等地で、バイトの店員も多い。しかも24時間営業です。常識では考えられない商法だ。飲食店の原価は売価の三分の一以下でなければ成り立たない筈です。売れ残り商品のロスが多いからだ。商店街の飲食店は商売上がったりだろう。

マクドの商法は価格破壊商法だ。グローバル経済の象徴のようなものだ。フランスなどではマクドの店への焼き討ち騒ぎまで起こしている。いまやモスクワから北京まで世界中にマクドの店が氾濫している。世界中の人々がまったく同じ物を食べているというのは、考えてみると恐ろしい。

飲食というのはその地方の文化みたいなもので、ラーメンにしてもその地方により味付けが異なるし、店によっても異なる。うどん屋そば屋も同じです。西洋料理、中華料理、日本料理などいろいろあって選択の多様さは守られるべきだ。それが価格破壊商法で食文化は消えてゆくのだろうか。

今の若い人の味覚はどうなっているのだろう。味覚までグローバルスタンダード化していくのだろうか。世界中の人が同じ物を食べ、同じ言葉をしゃべり、同じ物を着て生活をする世界がやって来るのだろうか。合理化を徹底追及してゆくとそうなるかもしれない。同じように自動車も電気製品もすべて国際競争でメーカーの数は減ってきて寡占化されてゆくだろう。

今サミットでグローバル経済に反対するデモはますます規模が大きくなってきている。世界企業が日常生活の全てを支配して、地域の経済や文化を破壊していくのはどう考えても間違っている。サミットが世界統一政府的なものを目指していくのならデモはますます激しくなるだろう。


政治家は株価に一喜一憂すべきだ

2001年7月21日
日本の経済力は強いにもかかわらず株だけが売られているのは、結局は銀行が持合い株を売っているから安い。緊急経済対策で銀行の「持合い株買取り機構」の法案が決まりかけて、株価は高騰しました。しかし小泉首相が法案を先延ばしにしてしまったために暴落してしまった。経済音痴の小泉首相らしい決断だ。

小泉政権も3ヶ月がたち「構造改革」というスローガンだけの中身のない、選挙の為の人気取り政権である事が見えてきました。海外の評判も裏まで見透かされて疑問が持たれている。歯切れが良いのは「構造改革」というスローガンのときだけで、経済や外交問題となるととたんに歯切れが悪くなります。このまま経済や外交問題を放置していると取り返しのつかない事になるだろう。

小泉首相も田中外務大臣も盛んに「疲れた」を連発します。動き回ってばかりいて政治をしていない。国民の受けをねらったパフォーマンスだけなのだ。結局は自民党の実力者にこき使われているだけの、お飾りの首相であることを、参院選で示している。実績で国民の支持を集めているのなら、あんなにダウンするまで日本中を駆け回る必要もないはずだ。

サミットも結局は日本代表として写真を撮りに行くだけの行事に過ぎない。京都議定書もNMDもアメリカのイエスマンにすぎない事を世界に示すだけに終わるだろう。日本に帰れば自民党の実力者のイエスマンに過ぎなくなるのだ。田中外相もすっかり牙をアメリカに抜かれてしまった。NMD問題も「理解」から「支持」に変わってしまった。最初は反対の意見を言っていた筈だ。

だから時間が経てば経つほど小泉政権の政策が分からなくなって来る。「構造改革」といいながら言っているのは「見直す」とか「検討する」ということだらけだ。サミットでは日本に景気対策を要求されるだろう。97年の橋本政権の「行革」の失敗を再び繰り返すのは馬鹿げている。日本の不況は世界の大恐慌につながる恐れがある。

世界ではアルゼンチン、トルコ、日本が世界経済危機の発火点として不安視されている。そんな時に小泉首相は「構造改革」ざんまいだ。今や世界経済は株価に一喜一憂しなければならない瀬戸際にたっている。


株や土地の譲渡益課税を無税にせよ

2001年7月19日
N225は12000円を割ったまま低迷を続けています。小泉首相は「株価に一喜一憂すべきでない、構造改革に取り組む」と放置するようだ。国民に痛みを強いる政治家に90%の高い支持率を与える有権者はどうかしている。参議院選挙では野党に投票して政権交代をさせることが政治の構造改革になる。いくら小泉首相が構造改革すると言ったところで、族議員と官僚が支配する体制は自民党政権が続く限り変えることは無理だ。

いくら小泉首相が自民党を変えると言ったところで、首相は飾り物でしかない。たぶん小泉人気で自民党は選挙で勝つだろう。橋本派の青木氏のシナリオどうりだ。選挙で勝てる以上、株が下落したところで慌てる心配はない。亀井前政調会長の緊急経済対策は反故にされた。株式税制も選挙が終わってしまえば部分的な改正で終わってしまうだろう。

日銀は金融の量的緩和に効果がないと否定的だ。信用の増大にはつながらないと言っている。単純に国債の買いオペするだけでは効果がないだろう。政策的にマネーの流れ道を作る必要があります。まず1400兆円の国民資産のうち、預貯金から株や土地に流れるようにする必要があります。そのためには税制の改正が必要です。

そのためには株式や土地の譲渡益課税を原則無税にすることだ。バブル前は株式は制限以内だったら売買益は無税だった。土地に対しても長期所有の土地買い替えは無税で、相続税や保有税も安かった。それがバブル潰しのために高い税がかかるようになり、株や土地を買うメリットがなくなり暴落してしまった。

だから資産税制を改正すれば良いのだが、税制の族議員や官僚が実権を握り、改正することは困難になっている。景気回復が最重要課題になっているのに、景気回復手段として税制の緩和が必要なのですが、官僚は一度手にした財源は放そうとしないからだ。マスコミも金持ち優遇だとか、株や土地で大金持になるのはけしからんといった世論を煽ります。

しかし財政は毎年30兆円もの大赤字だ。景気が回復して税収が上がらぬ限り財政赤字は増え続けます。構造改革すれば不良債権は増え続けるだろう。構造改革は逆効果なのだ。今までの景気対策が効果がなかったのは、公共投資と所得税減税という間違った方法をとっていたからだ。

資産デフレ不況には、金融の量的緩和と、土地や株式に対する譲渡益課税に対する緩和が効果的なのだ。株式相場や不動産価格が上がらなければ、不良債権は増え続け、財政赤字は解消しない。「構造改革なくして景気回復なし」は間違いで、「資産税制改正なくして景気回復なし」が正しい。しかしながらこのような選挙公約をする政党が無いのは何故だろう。どこもかしこも構造改革ばかりだ。


退廃したジャーナリズム

2001年7月18日
最近のテレビや新聞の退廃ぶりが目立ちます。今日の東京新聞に藤本義一氏も同じ事を指摘しています。今のテレビや新聞には消費者金融の広告で溢れ帰っています。このようなマスコミの金になれば何でもやるような姿勢は、良識のなさを現したものだ。読者や視聴者が自己破産しようが自殺しようが関係ないと言えるのでしょうか。

マスコミの金になるさえすれば何でもやる事は、マリナーズのイチローや佐々木選手への仁義なき取材合戦にも現れている。まさに常軌を逸しているのだ。米国のメディアからも顰蹙をかっている。イチローのことを書けば売れるから編集長は記者に突撃取材を命ずる。このようなモラルなき取材は記事の内容も堕落させる。

スポーツ記事ですらこんな具合だから、政治・経済の記事の退廃ぶりはもっとひどい。フジテレビの木村太郎氏の非常識極まりないコメントも珍しくない。新聞の社説の主張も当たり障りのないものばかりだ。ワイドショーも小泉首相や田中外務大臣への迎合ぶりはひどいものだ。田中外務大臣の我が侭で傍若無人な態度は目に余ります。森総理よりもっとひどい。

このようなジャーナリズムの退廃は、新聞は宅配制度が原因だろうし、テレビは無料放送であるために、スポンサー本位の低コストで好視聴率のとれる低俗番組の氾濫になる。一番まともなのは雑誌ジャーナリズムですが、これは内容が悪ければ売れなくなり廃刊になります。市場原理が働いているから質の低下は防げている。しかし一番大衆に影響力を持っているのはテレビと新聞だ。しかし金を払ってまで見るに値しない番組や記事ばかりな事は確かだ。

インターネットにおいても有益な情報を送っているホームページを有料化しているところが増えてきました。有料化しないまでもバナー広告を貼り付ければカウントで稼げるようになりました。私の場合は趣味で書いているだけなので、いつまで続けられるかわからないし、あまり読者が増えるとプレッシャーも大きくなって書けなくなるかもしれない。ミニコミだからこそ好き勝手なことが書ける面もあります。

株式のホームページなのですが、銘柄推奨もしないし、仕手情報も書けない。だけど4月の末頃は低位株が過熱しているとか、結構大局的には的中予想を書いているのでバックナンバーで確認してください。1997年の末頃にはソフトバンクを注目していました。98年末も富士銀行も注目していたのですが自分では買えませんでした。今は95%現金で見ています。


中ロ善隣友好条約と孤立するアメリカ

2001年7月17日
ロシアを公式訪問した中国の江沢民主席とロシアのプーチン大統領は16日に首脳会談を行い「中ロ善隣友好条約」に調印しました。新条約は1980年に失効した「中ソ友好同盟相互援助条約」に代わるものです。これはアメリカを牽制した外交戦略です。かつては一枚岩の団結と言われた関係でしたが、1960年代から関係が悪化していました。

ソ連の崩壊により軍事的にはアメリカの一人勝ちの世界となりましたが、ロシアのプーチン大統領の登場により微妙な変化が出てきました。ロシアはまずヨーロッパとの関係改善を図り、そして今回は中国との条約で、ユーラシア大陸を一つの勢力に纏めることに成功しました。これでEUもロシアも中国も対米関係において強力なスクラムを組んだ事になります。

いつのまにかアメリカは外交戦略において孤立してしまった。クリントンの外交音痴はひどいものだ。だから国防筋が慌ててブッシュ共和党政権を作り上げて、NMDなどの軍事の建て直しにかかっています。中東のアメリカ軍や韓国のアメリカ軍はロシアと中国軍に囲まれた形になり、ユーラシア大陸から叩き出されるだろう。

ブッシュ米国大統領は日本を最重要同盟国と呼んだりしていますが、気がついたら親米勢力は日本しか残っていなかったのです。クリントン大統領は中東やバルカンで勝手に暴れまわり、EUやロシアを敵に回し、中国には台湾をめぐり裏切られたのです。日本に対してもジャパンバッシングで痛めつけてガタガタにしてしまった。

アメリカは京都議定書問題やNMD問題ではEU、ロシア、中国を敵に回し、協力してくれるところは日本しかなくなってしまった。中国は2008年にオリンピックが開けれます。その時までに台湾は中国に併合されているかもしれません。それを祝って全世界から人が集まってオリンピックが開かれるのです。オリンピックはまさに政治ショーなのです。

クリントンはなぜ中国を戦略的パートナーと呼び最恵国待遇を与え梃入れしたのだろう。そのおかげで戦略的バランスが崩れてしまった。経済面の事ばかりに目が向いて、軍事的外交的な面での戦略が御粗末だったのだ。中国は共産党一党独裁の軍事大国であり、改革開放政策をとっているからと言って、民主的な国家になるとは思えない。4000年の歴史から見ても有り得ないことだ。


迷走する日本の政治・経済・外交

2001年7月16日
日本の外交がおかしくなってきている。教科書問題、京都議定書問題、靖国神社参拝問題、次々出て来る機密費問題、TMDと集団的自衛権の問題、沖縄の日米地位協定問題と外交問題が山積している。それらに対し日本政府の対応がはっきりしない。日本外交の中心である田中外務大臣の姿勢がはっきりしないのだ。

日本は参院選で各政党の党首始めとして政治家は日本全国駆け回り、テレビ局を駆け回っている。それにもかかわらず、小泉政権の顔ともいうべき田中外務大臣はチェコへ観光旅行へ行ってしまった。自民党の幹部も、外務省の官僚も怒り心頭だろうが、一体どうなっているのだろう。23日に米国のパウエル国務長官が来日するのに、外交日程を理由に会見しないらしい。

アメリカとも外交問題が山積しているのに、外務省は大臣と官僚とが喧嘩をして機能が停止してしまっている。小泉首相や福田官房長官はこのままの状況を放置していて良いのだろうか。中国、韓国はますます教科書問題でいきり立っている。ヨーロッパも京都議定書問題で騒いでいる。このうえさらにアメリカとも外交摩擦が起きれば、日本は孤立する。

自民党は何があろうと田中外相をほっておくだろう。首にしたら小泉政権の人気はがた落ちだ。だから人気だけの政権は危険なのだ。ワイドショーもすこしスタンスが変わってきて、一時の「真紀子ガンバレ」の調子から中立になってきたようだ。週刊誌は小泉・真紀子政権叩きが過激になってきた。

株式市場は小泉政権になってから下げっぱなしだ。首相みずから、やれ痛みだ、倒産だ、失業だ、というのでは株は上がるわけはない。共産党と自民党の政策が入れ違ってしまったかのようなねじれ現象が起きている。共産党が景気対策を主張し、自民党が改革を叫んでいる。いったい日本の政治はどうなっているのだ。

公明党と保守党は、自民党の政策が180度政策が変わっても、小判ザメのようにくっついているのは何故だろう。民主党や自由党は政策が同じなのに野党にいるのは何故だろう。共産党と自民党の守旧派の言っていることと似ているのは不思議だ。ようするに政党も政策も何もかも入り乱れてめちゃくちゃなのだ。

小泉首相は変人と言われるだけに、テレビを見ていると時々狂気のようなものを感ずる時があります。田中外相はまさに精神分析の必要があります。その内閣に90%の支持率をだす日本国民も恐ろしい。ウオルフレンは次のように言っている。

彼らの誰もが、政治を変えなければならないと主張する。実際、自分が日本の政治を任されたら日本は生まれ変わると、と主張し続けている。さらに自分は常に国民の味方であり、国民が反対するものー保守的な官僚、自民党の守旧派、ーには反対する、という印象を与えようとしている。このような政治姿勢はポピュリズムと呼ばれる。


インターネットを選挙に活用せよ

2001年7月15日
テレビでは朝から党首討論ばかりやっている。報道規制で党首の発言しかテレビに出せないらしい。しかも各党公平に扱わないといけない。有権者の政治意識が高くなる選挙期間中は公職選挙法でかえって政治活動がいろいろ制限されてしまう。ポスターも決まりきったものを決まったところしか貼れない。新聞も各候補者の政権を公平に報道するには限度があります。

だから候補者が選挙期間中にやれる事は、車に乗って自分の名前を連呼することだけになってしまう。戸別訪問も出来ない。個人のビラも配れない。これでは候補者がどんな政見を持っているのかわからない。何を基準に選んだら良いか、判断材料を与えないように選挙法は出来ている。しかしインターネットが出てきてしかも広く国民に普及してきている。

だからネットを使って選挙活動をすれば、各候補者の政見もわかるようになるし、有権者と候補者との質疑応答も出来る。総務省ではネットがまだ出来ていない頃の判例を持ち出してネットを使った選挙活動を禁止している。国会で審議して法律を作ればいいのに、議員の先生方は消極的だ。これでIT国家と言えるのでしょうか。

各党の党首と候補者はこの暑い最中に日本全国を回っている。街頭演説も有権者の反応を見るには良いけれど、全国を遊説して歩くには金がかかりすぎるし、選挙区選挙でも選挙事務所を作り、多くの運動員を雇って活動しなければなりません。インターネットなら金もかけずに一人でも選挙活動が出来る。良い事ずくめだ。

この現状を打破するためには、誰かインターネット党を作り、選挙違反覚悟でネットをフルに使った選挙をしてみる事だ。もちろん選挙違反で捕まるだろう。そして裁判でネットを選挙に使う事の是非を争うのだ。これも立派な政治活動ではないか。今の政府もIT革命を推進すると言っている位だから、何らかの成果は得られるだろう。

小泉総理もメールマガジンで政治活動をするようになった。インターネットで日本の政治も少しずつ変化が起き始めている。「加藤の乱」もそうだし、千葉県の知事選挙における有権者達もメールを使って、集会の連絡をしたり、街頭演説の動員に役立てたそうだ。国や役所が何をしなくとも、ネットを使った選挙はすでに行なわれ成果を上げている。相次ぐ無党派知事の誕生はその変化の現れだ。


特殊法人の日銀を構造改革せよ

2001年7月14日
今日のテレビ東京の加藤寛氏の対談番組で「円の支配者」の著者のリチャード・A・ヴェルナー氏が出ていた。テレビで見るのは初めてですが、外人エコノミストと言えばほとんどアングロサクソンかユダヤ系ばかりですが、明らかにドイツ人とわかる風貌だ。MSのフェルドマン氏はユダヤ系に見えるし、ピーター・タスカ氏やデービット・アトキンソン氏はアングロサクソン系だろう。

加藤寛氏は日本の経済学者の第一人者ですが、日本では数少ない信頼出来るエコノミストだ。対談の内容は本の内容と同じですが、構造改革の内容にも触れていました。間接金融から直接金融へ、外需から内需へ、中央集権から地方分権への構造改革は必要だ。これはヴェルナー氏も意見は一致している。

ドイツでは構造改革に成功しているからバブルは発生しなかった。特にドイツでは地方分権が進んでいる。小泉改革で一番重要な事は中央集権から地方分権を進める事だろう。中央官庁が予算の権限を握り締め、地方は何も出来ない仕組みを変えなければなりません。だから地方交付税や道路特定財源のような仕組みは変えなければなりません。

ヴェルナー氏が特に言っている事は日銀の権力が強くなりすぎている事を指摘している。ライバルである大蔵省の解体に成功して、今や日銀の天下だ。日銀官僚は天下り先にも困らない事だろう。もはやMOF担は死語になってしまった。ノーパンしゃぶしゃぶで遊びまくっているからこんな事になるのだ。

おそらくアメリカ政府と日本銀行は裏では繋がっているのだろう。ルービン元財務長官がやろうとしていた事と、日銀が今言っている事と重なる事が多いのだ。アメリカ経済にとっては日本は太ったブタだ。日本経済を料理するには日銀を自由に操作出来る方がアメリカ政府にとって都合がいい。特に日銀総裁はモウロクした爺さんであってくれた方がもっと良い。

日銀にとっては日本の不況を長期化させ、多くの金融機関を潰し、日本企業を潰して、不良債権を只同然にアメリカのハゲタカファンドに売るのが、日銀の言っている構造改革なのだ。リップルウッドなどのハゲタカファンドにはアメリカの政財界人が連なっている。株式も銀行や生保を絞り上げて吐き出させて外人に買い占められている。

日銀出身の斎藤精一郎氏は週間ダイアモンドで「インフレターゲット論は知的退化現象だ」とまで言っている。「構造改革の痛みがいやだから札を刷りまくれと言っているのだ」とか「量的緩和をしても効果がない」ともテレビで言っている。これは日本国民をバカにした意見だ。

アメリカもヨーロッパも中央銀行は札を刷りまくっている。マネーをジャブジャブ供給しても、中国やアジアから安い製品が入って来るからインフレにはならない。その代わり株式や供給に限度のある石油は高くなる。日本の中央銀行だけが金融を中立に保っている。だから円は高くドルやユーロは安くなるのだ。


自民党と官僚が作ったアイドル首相

2001年7月13日
今回の参院選挙の焦点は何なのだろう。党首討論を聞いていてもどうも良く分からない。小泉改革人気に煽られて野党がその存在意義を失ってしまっている。自民党の巧みな選挙戦術にはまってしまっている。このままでは小泉内閣の信任選挙になるだろう。野党は小泉首相のアイドル人気に太刀打ち出来ないでいる。自民党の大勝利は間違いない。

おそらく選挙後は、守旧派のクーデターで小泉首相は飾り物として首相を続けるか、政権を投げ出さざるをえないだろう。小泉改革と言っても「検討する」とか「見直す」と言っているだけだ。小泉首相本人はどこまで本気なのだろう。総論ばかりで各論を出さないのでは、選挙で信を問うたことにならない。

今の連立政権は信用が出来ない。緊急経済対策もいつのまにか消えてしまった。所詮政治家はその場限りの出任せを言って、後はしらばっくれている。そして株価が下がると同じ事を言い出す。その繰り返しだ。政府の閣僚や党の政策責任者が何を言おうと、彼らには何の実権もない。実権を持っているのは官僚とそれに結びついた族議員だ。

官僚と結びついた族議員との関係を断ち切るには、政権が代わるしか方法がない。田中真紀子外務大臣も官僚と族議員の反撃で大人しくなってしまった。田中大臣がいくら官僚の首を切ったところでどうにもならない。首相や大臣は飾り物でしかない。

小泉内閣の圧倒的支持率によって、政治の構造改革は出来なくなってしまった。自民党内閣が続く限り官僚たちの地位も安泰だ。ワイドショーも相変わらず小泉人気を煽っている。しかし話題になっているのはファッションやパフォーマンスだけだ。芸能レポーターも今回の選挙に出馬している。

日本の有権者は政治家に馬鹿にされているのだ。何の見識もないタレントが議員になったところで、税金の無駄使いにしかならない。学者や評論家も議員になったところでたいして変りがない。国会議員も年功序列がものをいう世界なのだ。自民党の長期政権が安泰である限りこの仕組みは変わらない。

結局は日本経済の崩壊が自民党政治を終わらせることだろう。小泉政権によってそれは確定的になった。構造改革も不良債権処理も景気が回復しない限り解決しない。小泉総理は「株価の上がり下がりに一喜一憂すべきでない」と言っている。宮沢元総理も「株は上がる事もあれば下がる事もある」と言っていた。史上最低の総理だった宮沢氏と小泉氏は共通点が多い。党務をやらない事と株価に無関心なところはそっくりだ。


塩川財務相は一層の金融緩和を希望

2001年7月12日
塩川財務大臣は日銀の政策決定会合に関連して「物価をプラスにするため、一層の金融緩和が大事だとおもっている」と述べました。G7などで各国からいろいろアドバイスを受けての金融緩和発言なのでしょうが、おそらく日銀は意地を張って動かないだろう。財務相は「金融緩和の要望は、正式なものではない」と語り議案提出権を行使しないようだ。

日銀官僚たちに対して、もはや国民の代表である大臣の権限は及ばない聖域になってしまっている。政治家自身が日銀官僚にそそのかされてそのような法律を作ってしまったのだ。官僚に任せきりの政治をやってきたから、馬鹿な政治家は法律を良く検討もせずに法律を通してしまった。

マスコミも官僚たちの仲間だ。記者クラブがその温床になっている。官僚たちが握っている情報を分けてもらうには、マスコミの記者は彼らとは敵対出来ない。田中真紀子外相と外務官僚の対立においても、新聞記者は外務官僚の思いのままに動いた。田中外相も御粗末だが官僚たちの抵抗も強力だ。田中真紀子でなければ首はとっくにとんでいただろう。新聞マスコミは図らずも官僚との癒着をこのトラブルが証明している。以下はヴェルナー著「円の支配者」からの引用です。

日銀法改正は1997年に橋本首相の行政改革の一環として提案された。当時、金融関係のマスコミは、新法は日銀の「独立性をわずかに強化する」だけの意味しかないと報じた。だがそうはならなかった。わたしは新日銀法は日本国民の為にならないと確信していた。

そこで、新法阻止のために最善の努力をしようと考えた。議員のリストとFAX番号を手に入れ、出来るだけ多くの議員にFAXを送ったのだ。私は自分が気付いた事、それになぜ日銀法を変えるべきでないと思うかを出来るだけ説明した。さらに、日銀法改正案を批判する記事を書くため、新聞や雑誌とも接触した。だが、闘いに利はなかった。

法案は通った。そのために、政府は現在、最も重要な政策である金融政策をコントロール出来なくなっている。政治家が意志を実現するメカニズムはない。政府代表は日銀に立ち入って帳簿を監査したり、適切に運営されているかどうかをチェックする事さえ出来ない。日銀は法律を超越し、民主的機関を超越している。景気が良くなるか悪くなるかを決定するのは政府ではなく、日銀だ。

以上がヴェルナー氏の意見ですが、日本はこのように官僚と新聞マスコミに支配されており、国民世論は思いのままに彼らに操られている。さらには日銀出身の官僚も大学に天下り、学者としてテレビに出たり経済雑誌などに記事を書いて情報操作している。反対意見を言う学者はマスコミからシャットアウトされて、論争にもならない状態だ。わずかに雑誌や本などでその存在を知る事が出来る。

現在のデフレ経済を立て直すには、インフレターゲット論も検討されるべきだし、日銀の誤った金融政策を改めさせるにはマスコミも日銀からの情報操作に操られてはならない。歴史的に見ても、海外の中央銀行の政策を見ても、金融の量的緩和政策がデフレからの脱却に成功している事実はあるのだ。理論的に証明出来ないからと言って、その事実が間違っていると決め付けるのは官僚や学者の悪い癖だ。


公共事業は福祉政策だった

2001年7月11日
ナスダックが再び2000ポイント割れました。N225も再び12000円ぎりぎりまで大幅下落している。後は政府の株価対策待ちなのですが、塩川財務大臣のリップサービスしか出てこない。景気回復は株価回復からと見ているのですが、有効な株価対策はうたれそうにない。政府の財政はもう限界に来ている。

昨日のNHKテレビの「プロジェクトX」でも林道建設から森を守った話がありましたが、日本は公共工事の名の下に如何に日本の自然を破壊して来たのだろう。反対運動の活動家に対する地元の妨害も激しかった。政治家、役人、建設業者の鉄のトライアングルが巨額の財政赤字を作り上げてしまった。ウォルフレンは著書「日本という国をあなたのものにするために」の中で次のように言っている。

公共事業は、日本の運営ミスの記念碑、日本の政治・経済が陥っているひどい腐敗と機能不全を示す悲劇的な記念碑なのだ。日本の建設産業は世界最大の規模に成長している。人口一人あたりの金額でいうと、日本は公共事業にアメリカやヨーロッパ諸国の二倍の金を注ぎ込んでいる。

都市の住民は、国民の税金がどれほど組織的に浪費されているかほとんど気付いていない。納税者の目が光っているところから遠くに行けば行くほど、不要なダムが造られやすい。国土交通省の中に置かれている北海道開発局は、当初の役目をほぼ終えているのだから、縮小もしくは廃止すべきものだ。

日本経済が抱える他の重要な問題は、どれもみな、何らかの形でこの運営ミスのドラマと関連している。1955年から現在までの45年間に建設会社の数は約6万2千社から56万社あまりに増えた。公共工事の恩恵を受けるこれらの建設会社がそうとは意図せずして、国庫の金を経済的に恵まれない農村地帯に流し込む方法を築いてきた。

公共事業に注ぎ込まれている多額の金が、経済全体に対する刺激としてはほとんど効果を上げていない事に気付いていない。当局が建設マフィアに望みのものに与えてやるために、その口実として使っているこの主張、公共事業には景気を刺激する効果があるという主張は、実は嘘なのだ。

そのために多くの必要な事業が実行出来なくなっている事に気付いている人は、さほど多くない。例えば高齢者介護のための福祉事業、人口の高齢化に備えた年金関連の事業などだ。日本の医療保険制度は崩壊の瀬戸際にある。日本の当局が取り組むべき課題の優先順位について、緊急に議論を始める必要がある。

(以上のウォルフレンの主張はもっともな事だ。私は無駄な公共事業やるべきではなく、公的資金を金融機関の不良債権の買取りや、持合株の買取りに使うべきと主張してきた。しかし私の意見は少数意見だ。モラルハザードだのと非難されるだろう。しかし無駄な公共事業よりは景気回復に有効な事だと思う。)


小泉首相は日本のゴルバチョフ

2001年7月10日
今日も株価は低迷している。アメリカのITバブルの崩壊の影響が日本の輸出ハイテク企業の業績に影響をもたらしているからだ。アメリカも金利の引き下げや大減税で株価暴落を防ごうとしている。そのために日本発の大恐慌は起こしてはならない。竹中大臣は失業者対策だ、セーフティーネットだと呑気な事を言っているが、このままだと痛みで日本はショック死するかもしれない。

小泉首相誕生の政治的背景はは、ソビエトのゴルバチョフが登場してきた時と状況が良く似ている。ブレジネフの後、何人も書記長が短期間に代わり、切り札としてゴルバチョフが抜擢されました。経済も共産党支配体制も改革が必要だった。ソビエトも日本と同じ官僚国家であり、その弊害を取り除くにはペレストロイカ(改革)が課題だった。

しかしもはやソビエトは改革ではどうにもならず、ソビエトの解体にまで進んでしまった。官僚体制の弱点は非常事態に対応が出来ない事だ。チェルノブイリ原発事故がその良い例だ。日本の官僚制度も同じく神戸大震災にたいしてその欠陥をあらわにした。長引く不況に対しても官僚はマニュアルどうりの事しか出来ない事がはっきりした。

ゴルバチョフは緩やかな改革をしようとした。それがソ連国民にとっても最善だったろう。しかしゴルバチョフのペレストロイカは暴走しソ連の崩壊につながってしまった。共産党の官僚は変化を嫌い守旧派のクーデターが起きて、それに対してロシア国民は決起してソビエトを崩壊させた。

小泉首相の改革に対し、日本の官僚と与野党の守旧派はクーデターを起こすだろう。細川内閣の時も改革の期待が高まったが、官僚と守旧派と社会党の裏切りにより葬られてしまった。社会党はどこよりも改革を嫌う政党だからだ。小泉内閣はどう対抗するのだろうか。国民の支持率の高さは頼りにならない。細川内閣も支持率は高かった。

ソ連の守旧派のクーデターを潰したのはエリティンだった。日本でエリティンの役割をになうのは石原慎太郎だろう。政治家と官僚と業界のトライアングルを断ち切るには、守旧派の政治家を追放し、新しく政党を組み直し、官僚任せの政治が出来ない仕組みを作る事が必要だ。どうしたら官僚任せの政治を防止出来るだろうか。ウォルフレンは次のように言っている。

手紙は政治家と有権者とのコミニケーションをとるための直接的な方法であり、きわめて個人的なものなので、大きな効果を与える事が出来る。しかし政治家とのコミニケーションを強化する方法は、ほかにもたくさんある。特に最近は、新しい方法もいろいろ登場してきた。すでに政治に関心を持つ多くの若者が、民主的な声を結集する重要な方法として、インターネットに注目している。

(小泉総理のメールマガジンは200万件を超えました。国民からの返事も数万件にも及んでいる。急遽スタッフを増員して対応しているそうだ。新聞やテレビは世論を正しく反映しているとは限らない。それならば直接政治家に自分の意見を伝えるしかない。政治家にどんどんメールを出そう。)


日本は半独立国である

2001年7月9日
株式相場はN225が12000円ぎりぎりまで暴落しています。3月の底値まで戻ってしまった。3月の時は森首相が辞めれば2000円ぐらい上げる希望がありましたが、今はそれもない。今の内閣は株価には関心がないようだ。株を売る人ばかりで買う人がいない。買い材料もない。ハイテク株はパソコン携帯不況で特に下落しています。

政治への信頼が高ければ株価は堅調でも良い筈だ。マスコミが発表している高い支持率は正しいのだろうか。それとも株式と政治とは関係がないのだろうか。私は株価こそがすべてのバロメーターとして見ているのですが。株式相場の方が小泉革命の先行きを見抜いているのだろう。

しかし、株式相場をあまり軽く見ているととんでもない事になる。何故ならば外人が大株主として存在しているからだ。株安を放置する日本政府に対して外人は黙っていないだろう。G7でも塩川財務大臣が構造改革を言っているが、外国からは経済を何とかしろという注文ばかりだ。

以下は昨日の続きでウォルフレン著「日本という国をあなたのものにするために」からの引用です。

日本には真の政府も真の首相も存在しないと、私はしばらく前から指摘し続けている。しかしこの真実は外交的には受け入れられない。おまけに国内的にもひどく当惑させるものだ。日本には、通常の政治の中枢に代わるもの、したがって事実上の政府に相当するものは何もないという真実を心底信じられる人間は、ごくわずかしかいない。

当時の日本の首相の中曽根は、一方では「リーダーシップが足りない」と批判され、もう一方では与党内の仲間から官僚の意思決定にあまり口を挟むなと圧力をかけられるという、古典的な日本的状況に追い込まれたのである。何年もあとで彼から直接聞いたところによると、決定的な重要な情報を、自分が必要としている時に官僚が出してくれないということが、しばしばあったという。

現状を維持する事は官僚にとって最も大事な事だ。それはけっして彼らが性悪だからではなく、現状維持が自分の仕事だと思っているからだ。たとえそのために、日本の状況が長期的に見てますます悪化したとしても、彼らはそれに対して個人としての責任は一切感じる必要がないのである。

日本の首相についての現状が存続しうるのは、ほとんど認識されていないある事実のためだ。ブレジンスキーは、日本は「アメリカの保護国」だといったが、この指摘はかなり核心をついている。結局、日本は一種の植民地なのだ。完全な独立国ではないのである。これは日本人にとって決して望ましい事ではない筈だ。

日本でも中枢に決断力のあるリーダーが存在する事はありうる、という幻想は維持していかなければならない。それゆえ、改革を唱える小泉純一郎が舞台の中央に登場すると、内外のマスコミは、再び大きな期待を寄せているというわけだ。しかし、20世紀の大部分を通じて日本を悩ませてきた状況は、いかにすばらしい意志を持つ政治家であろうと、一人の人間が単独で変えられるようなものではない。

(私はこの本をまだ読んでいる途中ですが、非常に中身の濃い本だ。テレビに出ているアメリカかぶれの学者の意見に惑わされてなならない。ウォルフレンはオランダ人であり、「円の支配者」のヴェルナーはドイツ人である。ヨーロッパ人から日本を見ると、日本がアメリカの植民地である事がよく見えるのだろう。)


選挙は儀式であり首相は飾りである

2001年7月8日
今日のフジテレビの「報道2001」の小泉総理を見てどう感じられたでしょうか。最初に「抵抗勢力」と書かれた紙を打ち破って出てきました。テレビ局のディレクターの演出ですが、小泉首相は首相の役割を果たしている「人形」である事を見せていたのです。国民はそのパフォーマンスに拍手喝采で高い支持率を維持しています。

選挙直前のせいかテレビには小泉首相始め多くの政治家が出ていました。政治家の討論ほど聞いていて退屈になるものは他にないだろう。小泉首相も所信表明演説以来、株式は下がりっぱなしだ。彼の言っている事はスローガンだけで中身が何も無かったからだ。見直しや検討する事をいろいろ言っていますが、ひとつも具体性がありません。

小泉総理のポスターがバカ売れだそうだ。キャラクターグッズも売れている。自民党のビルには巨大な小泉総理の顔の垂れ幕がかかっている。どういう意味があるのでしょう。こんな事をしている国はイラクのフセインか北朝鮮の金日成ぐらいではないか。日本は外見や人柄で首相の人気は左右されるようだ。それなら民主党は田村正和でも代表にすればいいのだ。

以下はカレル・ヴァン・ウォルフレン著「日本という国をあなたのものにするために」からの引用です。この本は日本の政治家の問題点を鋭く突いている。

公式な仕組みでは政治家は官僚をコントロールしなければならない筈だが、政治家は今、その役割をはたしてはいない。つまり日本では、長年にわたり、実際に国を運営する上では政治家はいなくてもよいという考えに基づいて、全てが行われてきたのである。政治家は、単なるお飾りとして必要なだけなのだ。

一部の政治家は、過去数年のあいだに、真の討論と官僚のコントロールこそ、日本の政治システムに足りないものだという事を理解してきた。そして、その欠陥を正してゆきたいと発言するようになっている。そのような政治家を応援してゆかなければならない。

有権者は、新聞社に手紙やメールをどんどん送っていただきたい。そして新聞には、官僚ではなく政治家が国を統治すべきなのだという事を政治家に忘れさせないようにする義務がある筈だと、指摘していただきたい。・・・無言の抗議をしても意味はないからだ。あなたが何を考えているかを政治家にわからせていかなければならない。

55年体制が確立してから、政治家が政策に実際に影響を及ぼす余地はほとんどなくなり、政治家の仕事は、資金集めと勢力争い、それにコネによる利権の斡旋ぐらいしかなくなった。したがって日本の政治家は、半世紀近くにわたり、有権者に政策で判断されてはこなかった。人柄から受ける印象、つまり感じが良いかで判断され、選挙区にどれだけ金を持って来るとか、特定のグループや個人にどれだけの便宜をはかってくれるかで判断されてきた。

日本の首相に期待されているのは、通常で言う「首相の機能」をはたしているふりをする事だ。舞台に上がった役者さながらに、首相という役どころを演じる事だ。この点では、森喜朗と小泉純一郎や橋本龍太郎とのあいだには大きな違いがあった。私に言わせれば、それ故に森の方が正直な首相だった事になる。森は就任して間もない内からその役どころをちゃんと演じられない人物という印象を与えた。

彼らをリーダーシップが弱いと批判するのは馬鹿げている。このような批判の仕方が、大方の日本人の目を曇らせ、自国の政治構造の現実を見えなくさせている。日本の総理は、リーダーシップの有無を証明する機会を与えてくれないシステムの中で動いているのである。


円安・株安・債券安

2001年7月6日
小泉内閣が出来た時の熱狂的な雰囲気が収まり、相変わらず支持率は高くとも、株式相場は外人買いもなくなり続落を続けています。小泉首相のアメリカ、イギリス、フランスの外遊も終わりましたが、単なる挨拶回りに終わってしまったようだ。話題になったのはもっぱらファッションで、ラルフローレンのブルーのシャツがワイドショーで評判になっています。ファッションが話題になるのは細川首相以来でしょうか。

4月に発足以来政策は具体化せず、矢継ぎ早に政策を実行して日本を立ち直らせるといった期待は無理なようだ。何事も選挙後に先送りにされ、やはり選挙対策内閣なのかと少し不安が出てきました。田中外相のゴタゴタ騒ぎを見るにつけ、小泉首相の内閣も長くは続かないのではないかと思います。

選挙前だからこそ改革の方向をはっきりと示し、国民に信を問うべきだ。小泉首相の親米と田中外相の親中国路線のずれも気になります。経済も改革優先か景気優先かも最近は揺れだしている。改革をするなら速やかにしなければ景気は落ち込んで行く一方だ。景気が落ち込めば外国が騒ぎます。日本発の大恐慌は起こしてなならない事は最初からわかっている事だ。

構造改革には痛みを伴うといいながら、そのために日本発の大恐慌を起こしては本末転倒だ。株価がこのまま下落を続ければ金融に問題が生じます。構造改革どころではなくなって来るかもしれない。国民的人気だけでは政治は動きません。小泉首相には強力な政治基盤も無く、政策ブレーンもいない。ほんとに日本経済が痛み出した時、国民に我慢しろと言えるだろうか。

橋本内閣の時もアジア諸国に経済的ダメージを与え、突き上げをくらい、行財政改革から景気対策に追われる事になりました。そして選挙に負けて退陣を余儀なくされた。小泉氏はその時の厚生大臣だった。その時の経験を反省していないのだろうか。それとも承知の上で日本発の大恐慌を引き起こすのだろうか。

株式市場が発信している警報に、今の政府は反応が鈍いようだ。堺屋氏や亀井氏がいた時は危機感を持っていた。今の内閣にはそれがない。以前より世界経済は状況も悪くなっている。華々しいスローガンを掲げながら何もせず、景気の落ち込みを横目で見ながら、国民の支持率に安心してしまっている。PKOでも公的資金注入でも早く手を打たなければ手後れになる。


山崎幹事長インフレターゲットを検討

2001年7月5日
世界経済の動きを見るには、最近では金利よりも為替相場の方が重要だ。金利の1ー2%の動きより為替相場の動きの方が何十倍も激しいからだ。その為替相場は各国の中央銀行が裏で話し合って決めているようだ。G7で毎月会合を開いてるのはそのせいだ。各国の中央銀行の総裁たちが主役であり、財務長官は脇役にすぎない。

為替相場は投機筋も関与しているが、中央銀行が動かす資金量に比べればとても比べ物にならない。ジョージ・ソロスも中央銀行の情報をいち早くキャッチ出来るルートがあるから、為替相場で儲ける事が出来るのだ。香港ドルを売り崩せなかったのは相手が中国だったからだ。香港ドルを売り浴びせれば、中国は豊富なUSドルを売って香港ドル買い支える。そんなことをすればアメリカが困る。中国の中央銀行はまだ国際金融資本の支配下にまだ入っていないからだ。

日本は経済状態が良くないにもかかわらず円が安くならないのは、FRBがドルをジャブジャブ溢れさせているためだ。景気や株価を支えるためである。アジアから安い品物が入って来るからインフレの心配も無い。だから日本も景気を良くするには金融の量的緩和をすれば良いのだ。まだ日銀は本気で量的緩和をしているとは思えない。

日銀が本気で量的緩和するにはドル買い円売り介入をすればいい。そして「不胎化」などをせず流通させればいい。そうなると円が安くなるから物価上昇圧力がかかる。EUも同じ事をしているようだ。だからユーロも安い。アジアが一手に安く製品の供給をしているからアメリカもEUもインフレにはならないのだ。日本だけが馬鹿正直に量的緩和をしようとしていない。以下は森永卓郎著「日銀不況」からの引用です。

大恐慌からのアメリカの回復は、ルーズベルトが第33代合衆国大統領に就任した1933年3月に始まる。それから4ヶ月間に卸売物価が14%、株価が86%、そして鉱工業生産は大恐慌期の落ち込みの過半にあたる57%、それぞれ上昇に転じたのである。

この反転が、「経済構造の改革」に由来しない事は明らかである。構造はそう簡単には変われない。33年中の財政支出は横ばいであるから、公共投資の効果で反転したわけでもない。銀行の貸出態度にも変化はない。同期間の貸出増加は、わずか2%である。

ルーズベルト大統領は、ドル減価によるリフレーションで、就任後間もなく新たな金融政策レジームを打ち出す事に成功した。それが人々の期待に作用し、経済を反転させたのである。この事は、株価の動きに端的に読み取れる。

その後の回復期におけるマネーサプライ増大と超低金利政策の継続は、この期待に応えるコミットメントの履行でもあった。注目すべき事に、この時期の実質金利は長期にわたりマイナス水準に据え置かれたのだ。

(日本は今や「構造改革」の大合唱だ。これは日銀の金融政策の失敗を隠すためのキャンペーンに過ぎない。10年も不況が続いているのは経済構造に問題があるという意見だ。それは間違っている。本当の原因は、日銀がバブルを潰すためにメチャクチャ金融を量的に引き締め続けたためだ。ようやく政治家にもそのことがわかってきたようだ。)


中国の改革開放政策の限界

2001年7月4日
中国には12億人、日本の10倍の人口が住んでいる。世界人口の五分の一がそこに集中している。しかし水、食糧、エネルギーには限界があります。改革開放政策がこのまま進めば、これらの問題が世界的に影響を及ぼしてくるでしょう。すでに石油も食糧も輸入国になっている。以下は黄文雄著「醜い中国人」からの引用です。

中国大陸では、森林の喪失とともに、畑地への転用による草原の喪失、そして国土の砂漠化の拡大と河川崩壊も加速度的に進んでいる。水資源の枯渇から、特に華北地方を中心とする大地の乾燥化現象は、全国的規模に拡大しつつある。北京が次第に砂漠に呑み込まれる危機が迫っているし、「遷都論」まで出ているくらいだ。

80年代には約2000万トンに相当する食糧を輸入していたが、90年代に入ってからも、毎年の豊作で4億トン以上の収穫を得たとはいえ、相変わらず、1000万トン前後の食糧を輸入している。耕地は毎年福建省の全耕地に相当する面積が減少しつつあるので、この趨勢でいくと、150年後には、中国の全耕地がなくなってしまうことになる。

中国の人口12億人が日米水準のほぼ半分の近代化を達成するためには、すべての先進国のエネルギー資源、あるいは日本の十倍以上の資源が必要である。中国のエネルギー資源の利用はきわめて悪く、エネルギーの平均消費量は、日本の7倍、インドの約1、5倍もあるので、全世界の年間エネルギーを全部利用しても、12億人にはやはり不足する。

中国では2000年に7000億立法メートルの水が必要になると推定されているが、可能な供給量は、6000億立方メートルだといわれている。約1000億立方メートルが不足することになる。そのうえ、水位の低下、地盤沈下、水質悪化、塩分上昇、地下水や井戸水の枯渇といった現象の上に、湖水の枯渇が昂進される。

中国の400都市の内、三分の二はいまやゴミに包囲され、一千万都市の北京でさえ、ゴミ処理場が無いので、ゴミの山に囲まれ、郊外へ出ると、悪臭が襲いかかるほどである。中国では一日1億トン排出されている工場排水の80%がほとんど処理されずに、直接、河川や湖沼に流れ込んでいる。

匪賊がバス、列車を襲い、いわゆる「資本主義の精神汚染」によって、社会道徳が廃れ、汚職、詐欺、麻薬、が流行る一方、党幹部、官僚、軍警が企業にたかり、会社を食い物にするのが中国社会である。それどころか、凶悪化した中国人はさらに「国流・盲流」として中華社会から流出し、日本を始めとする周辺諸国を襲った。

ここ数年来、中国政府は、それぞれ大幹部を総動員して世界の隅々までまわり、しかもあらゆる手段を使い、各国のマスコミを総動員して、中国市場への投資を誘致した。ではそれほどの巨大市場、世界最大の穴場であるなら、なぜ中国資本が激しく海外へ流出するのか。改革開放後の中国からは、海からも、陸からも、さらに空からも、留学生として、ボートピープルとして中国人の脱走が続く。

90年以降、中国投資に精を出す台湾人企業家が多くなっていったが、最近では、彼らの間では「中国から生きて帰れたら、もう地獄は恐くない」という合い言葉が流行っているほどである。

(隣国なのに中国の実態はよくわからない。両国の交流は盛んなのにマスコミからの情報は断片的だ。東京はもはやチャイナタウンだ。町では中国語の話し声が溢れている。外国人の犯罪が増え、その多くが中国人の犯罪だ。刑務所も中国人でいっぱいだ。石原都知事も悲鳴をあげている。政府は中国を恐れて何の手も打とうとしない。)


21世紀は中国人の世紀か

2001年7月3日
中国と日本との間で、ねぎ、椎茸、畳表などのセーフガードをめぐる貿易摩擦が起きている。報復として車、携帯、エアコンの輸入に100%の関税をかけてきました。日本と中国との貿易が拡大するに連れ様々な問題が起きて来る。これから先はどうなるのだろう。大前研一氏らグローバリストは盛んに中国進出を呼びかけている。

私は中国の存在が不気味でならない。日本のマスコミのほとんどが親中派で一方的な情報しか入ってこないからだ。今までも中国の情報は文化大革命報道のデタラメさを見ても信用出来ない。日本はアメリカと中国の狭間で、双方から内政干渉され、引っ掻き回され、日本はあらゆる面でズタズタに引き裂かれかねません。この点で日本と台湾とは政治的状況は似ている。

中国は「改革開放」路線以来世界の企業が中国進出ラッシュに沸いている。しかしこれで良いのだろうか。一番中国人を知っている台湾人の意見も参考になると思います。以下は黄文雄著「醜い中国人」からの引用です。

科学的あるいは経済的予測として、中国の未来にばら色の夢を与えたのは、世界銀行およびIMFを始めとする多くの経済あるいは戦略研究機構からの経済成長への予測と数字操作である。

例えば、世界銀行の93年レポートでは、中国に台湾・香港を加えた「中国経済圏」の経済規模は、いわゆる「購買力平価」で計算するとすでに日本の水準を超えていて、2000年にはアメリカを抜いて、世界一位になるだろうと予測している。IMFでは92年、中国のGDPはすでに総額1、7兆ドル、米日に次ぐ世界第三位であり、2020年には米日を追い抜いて世界第一位になるとしている。

かくてまったく実態の無い「大中華経済圏」や「21世紀は、中国人の世紀」論まで大流行した。私は中国人の時代など、21世紀はおろか永遠に来る事はないと思うし、中国だけではなくて、中国人にも未来が無い事は、次に述べるいくつかの理由により明らかだと思う。

(続きはまた明日書きます。以前にもNHKがコラムでCIAの調査として中国の実質的GDPが日本を追い越していると報道していました。どうも良く分かりません。どちらが正しいのだろう。)


高支持率と英雄待望論

2001年7月2日
昨日の晩のテレビ朝日の「スクープ21」にも石原慎太郎が出ていた。現在の日本の硬直化した閉塞感に満ちた時代を打破する見識を持った人物が、石原氏しかいないのだろう。学者や評論家もみな小粒になり、当たり障りの無い事しか言えず、毒にも薬にもならない番組が多くなりました。

骨のある人でも、番組のプロデューサーから、あれも言うなこれも言うなと注文を付けられていやになってしまい、テレビに出る事を止めた人が多い。言論の自由は保障されているにもかかわらず、各方面からの圧力で思いどうりの番組が出来ないようだ。

石原都知事はその点で勇気のある人だ。危ない目にも随分とあり、SPいつもがついている。昨日の番組でも不正軽油の摘発をやっていましたが、広域暴力団や大企業が絡んだ取引が多いそうだ。石原知事が言っていたが、これは国がやるべき事だ。大臣たちは環境を守れと言いながら何もやらず役人たちも動かない。マスコミもやばいことには手を出せなくなった。

トップがだらしが無いと組織全体が腐敗して来る。日本自体が自民党長期政権で腐敗堕落が進み、首相を何人交代させても誰も何も手が付けられず、問題は先送りされて深刻化するばかりだった。巨悪と戦える勇気のある人物がいなかったからだ。自民党は人相の悪い人物が実権を握り、マスコミにも露骨に干渉して来るようになった。

テレビのワイドショーも最初の頃は政治経済モノもやっていた。しかし最近は芸能スキャンダル番組になってしまっていた。これが小泉内閣の登場により、ワイドショーも政治ネタをやれるようになった。政権政党がテレビ番組をチェックしてクレームをつけるのは民主国家のやるべき事ではない。小泉内閣ならそんなことはやらないだろう。

むしろ最近おかしいのは経済問題のほうだ。「構造改革」論の学者や評論家がまかりとうり、「景気回復」派の意見は追いやられている。これは長期的な対策と短期的な対策の違いだけで、対立する問題ではなく両方ともやらねばならない問題の筈だ。それが痛みだの失業者だの倒産もやむをえないといった一方的な議論ばかりだ。

最近になり長引く不況は日銀の金融政策の失敗にあるとする本がいくつか出てきました。竹中大臣もインフレターゲット論を「検討に値する」と述べるようになりました。日銀の政策決定委員の一部にもインフレターゲット論を支持する人がいます。しかしテレビ討論ではこのような議論はまず出てこない。「日銀」を批判するのはテレビではタブーなのだろう。


テロの時代がやって来るか

2001年7月1日
石原慎太郎東京都知事の活躍が目立っています。都知事としての支持率は70%代の支持率で、小泉内閣の支持率に負けず劣らずです。東京都知事の記者会見も毎週行われ、テレビ中継も見ましたが都庁の大ホールはマスコミの記者でいっぱいで大盛況だ。

テレビでも昨日はNHKの特別番組の討論番組にも出ていたし、今日もフジや朝日の討論番組に出演していた。本や雑誌で扱われている件数も多い。まさに大統領的東京都知事に関心が集まっているからだろう。まさに「東京から日本を変える」とか「国がやらなければ東京都がやる」といったスローガンが受けているのだろう。

小泉首相の90%の支持率も英雄待望の国民的意志の現れだろうか。「構造改革なくして景気回復なし」というスローガンとともに登場しました。今までの惰眠をむさぼってきた政治は日本をおかしくしてしまっている。巨額の財政赤字を抱えて、それがデフレ経済とともに社会不安の元となっている。

国も地方も政治は硬直化して、官僚たちは天下りの特殊法人を作りまくり、政治家は無駄な税金を使いまくった。これを構造改革しなければ財政はパンクする。すでに手後れかもしれない。景気対策としてあまりにも無駄な公共工事が行なわれ、新しい産業を生み出すような投資や、規制の緩和が行われなかった。

一時「増税なき財政再建」というスローガンがはやりましたが、いつのまにか消えてしまった。そして財政の硬直化は手が付けられなかった。NHKの番組でも道路特定財源のことや地方交付税の事が取り上げていましたが、その金額の大きさに驚きます。小泉内閣の登場により初めて取り上げられた問題だ。経世会の資金源でもあるし、中央官庁の支配権力の元でもあり手が出せなかったのだ。

これはマスコミの怠慢でもあるだろう。支配権力があまりにも強大でマスコミはこの権力に口を塞がれてきたのだろう。だからまともにこの事を論評出来る識者がいないのだ。この事を触れる事が出来るのは石原慎太郎しかいないのかもしれない。それほど経世会と官僚は国家権力に深く食い込んでいる。野党ですら弱みを握られ骨抜きにされている。

小泉内閣の登場で一番戸惑っているのは、民主党を始めとする野党だろう。民主党や自由党の党首ですら経世会の出身だ。だから道路特定財源や地方交付税の問題を取り上げようとしなかった。今頃になって「構造改革」を横取りされたと騒いでいるが中身が違うのではないか。

経世会や官僚を相手にするには、まさに命懸けの覚悟がいります。中川一郎も殺されたという噂もあるし、利権をめぐって彼らも必死で反撃して来るだろう。これには国民的支持が唯一の対抗手段だ。だから石原慎太郎もテレビなどに出て政策を訴えて活動せざるをえない。特に建設業界を相手にするにはヤクザとの結びつきもあるし、地方は特にその結びつきが強い。テロの時代がやって来るかもしれない。


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