株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


ソ連にはノーメンクラツーラ(赤い貴族)と呼ばれる官僚支配階級制度が
あり世襲制を敷いていました。日本も議員の世襲化でソ連のように滅ぶ。


2009年4月30日 木曜日

世襲新人も世襲現職も「お国替え」で出直せ 4月29日 大西良雄

国会議員の世襲制限が総選挙の争点の浮上しようとしています。その是非を論じる前に、社会がエスタブリッシュメント(既成階級)によって支配され、日本社会から活力が奪われている、その原因について考えてみたいと思います。

戦後64年、大空襲の廃墟から立ち上がり、わが国が世界第2位の経済大国にのし上がったのは、官僚がしっかりしていたからでも政治家が優れていたからでもありません。経済人、ひいては市民、労働者が優れていたからだと私は思っています。この優れた経済人と市民・労働者を育てた装置が、誰でも社長になれる、誰でも学者になれる、誰でも官僚・政治家になれるという「機会の平等」の社会装置だったと私は考えてきました。

崩れた「機会の平等」という社会装置
平等には「機会の平等」と「結果の平等」があることを皆さんも良くご存知だと思います。いま盛んに求められているのは、所得格差の是正をはじめとする「結果の平等」です。「結果の平等」を求め過ぎると、怠けものが税金で救われる、いわゆるタックス・イーター(税金のただ食い人)を産むという批判もあります。たとえば、外車を乗り回しているのに生活保護費を貰っている人たちや働く気がないのに仕事先を変えて何回も失業給付費を貰っている人たちのことをタックス・イーターといいます。

しかし、いま起きている所得格差などの「結果の不平等」は、どうやら怠けた結果ではなさそうです。タックス・イーターたちの問題でもなさそうです。いまの所得格差は、経済学でいう「所与の」所得分配の格差から生じる「所得獲得機会の不平等」によってもたらされているといえます。たとえば、親に資産・所得がないために子供が勉学の機会が得られない、成績が良くても進学できない。その結果、まともに就職できない、職を得ても短期の単純労働でスキルが身に付かず正式社員になれないという不平等です。

親に資産・所得があるか、ないか、は子供にすればどうしようもない「所与の」問題です。その所与の所得分配格差で生涯所得が決まるとすれば、こんな理不尽なことはありません。よく指摘されることですが、東大、京大、一橋、早慶などエリート大学の学生の親の平均年収は、それ以外の大学の親の平均年収よりはるか高いというではありませんか。親に資産・資力がなければ、入試学力を身につけることができず、エリート大学には入れない時代になりました。

私の学生の頃は、親が貧乏でも子供が優秀であれば親類縁者が学資を出し合うような助け合いもあって、教育機会が子供たちの間で平等に与えられていたように記憶しています。貧乏人の息子・娘でも勉強ができれば最高学府に入学でき、官僚・政治家あるいは経営者、学者になれたのです。親の資力とは別に親類縁者の支援や奨学金で学び立身出世できるという「機会の平等」の社会装置があったから、誰もが夢を持つことができ、努力を重ねることもできたのです。その市民・労働者の努力と一所懸命さが日本に活力をもたらしたのです。

まるで貴族院のような衆議院
しかし、それも遠い昔のことになりました。いまや「機会の平等」は薄れ「機会の不平等」がどんどん膨らんで来ているように思えます。その膨らむ「機会の不平等」の典型例が世襲議員の跋扈です。世襲候補は親族から地盤(後援会)、看板(知名度)、鞄(金脈)を与えられ最初から有利な選挙戦を戦うのです。親族から譲られるものが何もない対立候補者よりずっと有利であることは疑う余地がありません。それでも落選するとすればよほどのぼんくらなのでしょう。

世襲議員支配には、眼を覆いたくなります。麻生内閣の閣僚17人中12人、つまり7割が世襲議員です。現職の自民党衆議院議員303名のうち107名、つまり3人に一人が世襲議員で「石を投げれば世襲に当たる」という状態です。野党(現職)にも16人と少数ですが世襲議員がいます。民主党代表の小沢一郎をはじめ党幹部には鳩山由紀夫、横路孝弘、赤松広隆、羽田孜と世襲議員がたくさんいます。国民新党代表の綿貫民輔も世襲です。少ないからといって胸を張れる状態ではありません。

世襲議員はさらに増殖しそうです。300の衆院小選挙区には、与野党含め実に184名もの世襲議員及び世襲予備軍がひしめいていると「週刊ポスト」(5月8/15日号)は指摘しています。大変な数です。次の総選挙で彼らがすべて当選するようなことになれば衆議院が戦前の華族世襲の貴族院のようになってしまいます。「機会の不平等」によって選出された貴族のような世襲議員が、教育や就業の「機会の平等」を守り「機会の不平等』から生じる所得の格差を是正するというのですから、なんとも滑稽、面妖ではありませんか。

世襲新人も世襲現職も「お国替え」
かといって世襲現職は放っといて、小泉進次郎さんのような世襲新人の立候補だけを禁止するというのも公平さを欠きます。どうせやるなら世襲現職も世襲新人もすべて国替えさせたらどうでしょう。イギリスでは、「下院議員は親子が同じ選挙区から出馬することを規制している」「政治家の子供が立候補する際、親と違う選挙区に送り込む」(「週刊ポスト」同号)そうです。
小泉進次郎さんを小泉純一郎さんの神奈川11区からではなく小沢一郎さんの岩手4区から出馬させたらどうだろうとも「週刊ポスト」は言っています。

確かに名案です。世襲だからといって世襲新人の立候補を禁止すれば、25歳以上であれば誰にでも与えられる被選挙権を奪い、職業選択の自由を侵す憲法違反になりかねません。しかし、党が所属候補者の選挙区を変える、つまり「お国替え」をさせれば、地盤も看板も鞄もない対立候補との機会の不平等はなくなります。選挙区世襲が地域利権世襲に直結する弊害もなくなります。何より立候補禁止による憲法違反が避けられます。

残る問題は世襲現職の取り扱いです。総理経験者、閣僚、与党の派閥領袖、野党のリーダーなど日本の統治を担う政治指導者のほとんどが世襲現職です。世襲現職がとぐろを巻いて日本の政治を支配しているのです。彼らは、選挙区に利益を誘導するのを民主主義と勘違いしている利権民主主義者たちです。彼らの利権政治が日本国民に莫大な借金を残しました。そのざんげの気持ちがあるなら、この際、彼らに利権民主主義からの離脱を宣言させ、その証しとして党主導のもといっせいにお国替えをさせることです。

残念なことにこの名案は、世襲現職たちによっていとも簡単に葬り去られるでしょう。われわれのできることは、唯一、世襲新人、世襲現職問わず、「世襲候補者」には投票しないことです。ですから、選挙区世襲と地域利権世襲の関連を断ち切る覚悟さえ選挙民にあれば、世襲政治家は次の総選挙から直ちに消えてなくなります。これまで世襲を許してきたのは選挙民ですから。



恐るべき民主主義社会 新 田   論

似非共産主義である社会主義の教義(ドグマ)は、世襲・相続を認め、私有財産を禁じた点に集約されます。
社会主義が似非共産主義である所以が、この矛盾に凝縮されていると言ってもいいでしょう。
真の共産主義は私有財産を認め、世襲・相続を認めない点にあります。
似非共産主義である社会主義は世襲・相続を認め、私有財産を認めない点にあります

私有財産と世襲・相続の関係が、まさに“タマゴが先か、ニワトリが先か”の原因と結果の関係になっているのです。
“私有財産を禁ずれば、相続するものは無いから、相続も禁止したことになる”
似非共産主義者たちは主張するでしょう。
私有財産の禁止を以て、相続の禁止にもなるというわけです。
私有財産禁止が原因で、相続の禁止が結果というわけで、一見道理に適っているように思えます。
似非共産主義者たちは、そこで罠を張ったのです。
世襲による相続の永代継続であります。
財産には有形財産と無形財産があり、有形財産は相続によって継続をするが、無形財産は世襲によって継続する違いがあります

似非共産主義者たちが張った罠とは、有形財産を継続する相続を私有財産の禁止によって否定したが、無形財産を継続する世襲を認めることによって、実質財産の永代継続を肯定したことであります。
ソ連にはノーメンクラツーラ(赤い貴族)と呼ばれる官僚支配階級制度があり、世襲制を敷いていました。
ノーメンクラツーラ(赤い貴族)は子々孫々、永代継続されたのです

私有財産を禁止しても、権力の世襲は認められていたのであります。
権力者にとっての憲法・法律は自分の言葉ですから、私有財産などまったく必要ないのは、北朝鮮の金正日政権が証明しています。
世襲によって永代相続をしているわけです。
相続税はあっても、世襲税がない所以でもあります

世襲さえ維持できれば、相続も相続税も無用の長物になるのです。
堤一族は西武グループを相続ではなくて、世襲で維持しようとしたのです

世襲議員が続出するのも、相続ではなくて、世襲で財産を維持しようとしているのです。
現代社会は何もかも世襲で財産を永代継続しようとする風潮が蔓延しています。

政治家の世襲。
医者・宗教者・弁護士・教師といった聖職者の世襲。
歌舞伎役者から漫才師までの芸人の世襲。
プロスポーツマンの世襲。
近い将来起こるであろう高級官僚の世襲は、塾通いから進学校を経て東大へのエスカレーターシステムが確立された時点で成立するでしょう

私有財産の概念と世襲・相続の概念の矛盾。
世襲を上位とし、相続を下位とする、世襲・相続の階層構造。
相続税の正体は、民主主義社会での被支配者の私有財産の合法的没収に外なりません。
現代先進社会を中心に、貧富の格差がはげしくなっています。
中産階級社会であった日本でも、未曾有の貧富の格差現象が出始めていて、ホームレスの大量発生はその兆候に外なりません。
わたしたちが標榜する民主主義社会とは、嘘と偽りと罠に塗れた恐るべき社会であることを自覚する時がやって来ているのです。


(私のコメント)
選挙が近づいてきましたが、世襲の国会議員が多くなってきて、自民党では51%もの議員が世襲国会議員ということです。選挙で選ばれているからいいではないかと反論する人もいますが、小選挙区制で、自民党の支持者が候補者を選ぼうと思っても、自民党公認候補が世襲議員だったら選びようが無い。

自民党の幹部にとっては世襲議員のほうがやりやすい面もあるのでしょうが、小泉内閣以来四代続けて世襲の国会議員が首相になっている。つまり世襲議員でないと総理大臣になれないといった時代になっているのです。まさに徳川幕府の時代に逆戻りしているような錯覚を覚えますが、世襲がなぜいけないかという事は幕末の世を考えれば分かる事だ。

徳川の旗本八万騎も世襲の旗本でしたが、長州征伐に招集をかけても旗本は子供と老人ばかりしか集まらなかった。だから8万を越す幕府軍が1万足らずの長州軍に敗れてしまうほど旗本も堕落してしまうのであり、国会議員も世襲の国会議員は自ら望んで政治の世界に入ってきたのではなく、父親が国会議員だったから利権を守る為の世襲なのだ。

先週の「報道2001」でも国会議員の世襲について討論していましたが、数が少ない頃はたいした問題ではありませんでしたが、自民党衆議院議員244人のうち126人が世襲議員であり51%を占め、民主党も176議席中48人が世襲議員であり27%になる。世襲議員のどこが悪いと開き直る気持ちもわかりますが、新しく国会議員を目指そうとしても世襲の公認候補にはじかれてしまう。

大西氏のブログでも、現職の世襲国会議員はお国替えで出直せと主張していますが、選挙区を替えても当選できるだけの議員はどれだけいるだろうか? 同じような議員制度のイギリスでも議員の世襲は認められておらず、党が選挙区を決めて立候補させる。自民党や民主党などが世襲を容認してきたのは、そのほうがやりやすかったからでしょうが、弊害も目立ち始めた。

新田氏のブログでもあるようにソ連では「赤い貴族」と呼ばれる官僚支配階級が出来ていたそうですが、日本でも官僚の世襲化が進みつつある。ソ連では私有財産の相続は認められていないが権力の世襲は認められてきた。共産主義国家においても身分の固定化が起きて、貧しい農民は貧しい農民のままであり、赤い貴族は支配階級として固定化されてしまった。

最近の日本における閉塞感は格差社会がもたらしたものと言えますが、ワーキングプアの家庭は子供も教育が受けられずにワーキングプアのままになる。官僚支配階級の家は豊かな学習環境に恵まれて東大を出て中央官庁に就職をする。外務省の小和田家も一つの例ですが、皇族との縁戚関係となって貴族階級化していく。

他にも職業によっても世襲化が進んで、医者・宗教者・弁護士・教師といった聖職者の世襲も顕著になってきた。大分県では教職の汚職事件で教職の世襲化が進んでいる実態がありましたが、地方公務員もコネによる採用が進んで世襲化が進んでいる。このような身分の固定化が進めば社会の活性化が阻害されて停滞していく事になる。

日本でも支配階層の固定化が進んできて、被支配階層の固定化も進んできた。支配階層にとっては奴隷は奴隷のままでいてくれたほうがいいのであり、中川秀直元幹事長は移民を1000万人受け入れようという構想を持っていますが、奴隷は日本人であろうと中国人であろうとかまわないと言うことだ。安い賃金で使える被支配階層は多いほどいい。

ソ連が滅んだ原因の一つは「赤い貴族」たちの腐敗堕落にあるのであり、革命の後継者たちも二代目三代目になると巨大国家ソ連の統率が取れなくなり分解が始まった。中国においても二代目世代になって腐敗堕落が進んできて、ソ連のように三代目にはいると統率が付かなくなって分解していくだろう。日本だって戦後から三代目になって総理大臣も世襲総理になってスランプ状態が続いている。

民主党は党議で世襲候補の禁止を決めましたが、現職の世襲候補はどうなるのだろうか? 小沢代表も鳩山幹事長も世襲なのですが、自分たちはいいが後はダメだというのでは都合が良過ぎる。ならば大西氏が言うように現職議員はお国替えで立候補するようにすればしめしが付く。

有能な人材に政治家になってもらうには開かれた組織にすべきですが、世襲の総理大臣が続けば日本も滅んで行くだろう。三代目になれば会社も国家もおかしくなるのであり、自民党をぶっ壊すと言っていた小泉首相も自分の次男を後継者にするようだ。選挙区の有権者もしがらみがあるから小泉進次郎に票を入れるだろう。


やっぱり「世襲議員」は禁止すべきだ! 鈴木康之 2008/11/30

幕府をぶっ潰した、第15代最後の将軍・慶喜(77、在職1年)の評価は難しい。後年、明治維新の功労者とも評されている。

 麻生太郎首相(2か月在職中)が、解散の時期を失し迷走している。安倍晋三元首相(在職1年)、福田康夫前首相(在職1年)に次いで3度目の投げ出し・辞任劇があるのかもしれない。自民・公明の与党は「もはや麻生では戦えない」からである。ふと、家定−家茂−慶喜と継がれた徳川将軍家の行く末が重なり、思われてならない。

 文芸評論家の野口武彦氏が「政体(レジーム)の末期に人材が払底するのはなぜか」と問い、次のように答えている(中央公論12月号)。「賢者は歴史に学ぶ」べきであろう。

 「古今東西を問わず、落ち目の国家に共通して発現する人間法則が見えてくる。政体の末期にはまず支配層から人材が払底するのである」

 「幕末、将軍・老中をはじめ幕府上層部から人材がいなくなる最大の原因は世襲制である。老中など幕府要職は身分的に固定して停滞するのは避けられない。支配層に統治能力がないのだから、幕府は薩長に倒される前に自壊していたに等しい」

 「生まれたばかりの維新政権が思い切った(大規模修繕)をやってのけたことは疑いない。一つの政体が存続するか否かは、支配層の自己修繕能力の有無に関わっている」


(私のコメント)
国家を統治するという事は精神的にも肉体的にもきつい仕事であり、能力的にも秀でた能力が要求される。二代目三代目にそれだけの能力や精神的肉体的なタフさがある事は極めて希であり、ソ連のゴルバチョフはエリートとしての脆さがあった。最近の日本の総理大臣にもおぼっちゃん育ちの弱さがあるのであり、海千山千の海外の指導者に比べるとひ弱さを感じる。

自民党には総理が担えるような人材がいなくなったという事は国家としても末期症状であり、民主党にチャンスでもあるのですが、民主党の幹部も世襲議員では政権交代の意味がない。だから民主党は小沢代表も鳩山幹事長も引退するくらいの覚悟がないと政権交代は無理だ。




米国のオバマ政権は、世界の主要問題まで、米国がまず中国と協議して
対応しようという二極体制までを考える中国超重視の姿勢をとっている。


2009年4月29日 水曜日

オバマ政権の中国超重視に高まる批判 4月28日 古森義久

予測通り、中国を超重視

 米国のオバマ政権の中国に対する政策がおぼろげながら新たな全体像を見せ始めた。その政策構図は今後もまだ揺れ動くにせよ、現在のところ、アジアの重大課題から世界の主要問題まで、米国がまず中国と協議して対応しようという二極体制までを考える中国超重視の傾向を浮かびあがらせた。

 米国のこうした中国傾斜は日米同盟にも複雑な影響を及ぼし、日本の対米、対中の政策の基本にも再調整を迫りかねない。ただし、このオバマ政権の新たな対中姿勢には米国内部でも強い批判があることは注視すべきである。

 オバマ政権の中国超重視の姿勢は昨年の大統領選挙中のオバマ氏自身の外交政策論文や、いま国務長官を務めるヒラリー・クリントン女史の外交論文からも、ある程度、予測された結果ではあった。この論文でオバマ氏はまず米国のグローバルな姿勢として「中国が21世紀の共通の課題に対応することに協力し、拡大するパワーとして責任ある役割を演じることを奨励する」と中国の役割を強調し、特にアジアに関してはまっさきに「中国の拡大するパワー」への前向きな接近を説いていた。クリントン氏も同論文で「米中関係は今世紀の世界において最も重要な二国間関係である」と明言していた。

 オバマ大統領は4月1日のロンドンでの中国の胡錦濤国家主席との会談で、「米中二国間関係をすべての領域で引き上げ、強化する」ことを合意した。具体的には米中両国間で新たに安全保障、政治の分野での閣僚級対話を始めることを決めた。両国間にはすでに経済・金融分野での「戦略経済対話」があったが、この対話も格上げされ、拡大されることになった。核拡散防止などの国際安全保障の重要テーマも米中二国間で協議するという新方針が発表された。要するに、米国は中国への関与を全面的に広め、強め、グローバルな重要課題に二国が共同で取り組むという姿勢の宣言だった。

とうとうG2を標ぼう

 米中両国がまず二国で先頭に立って世界の主要懸案に対処する、というこの志向は最近のワシントンではオバマ支援陣営からG2という表現でも推奨されるようになった。民主党カーター政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務め、昨年の大統領選ではオバマ陣営の外交政策顧問となったズビグニュー・ブレジンスキー氏が米中両国によるG2の枠組みの推進を提唱したのだ。G8とかG20という呼称でのGは「Group(グループ)」の頭文字である。だから国家群を意味するわけだが、このG2とは文字どおり米国と中国だけの二国がグループを結成し、全世界を引っぱる形で、金融危機から気候変動、大量破壊兵器の拡散や国際テロまで枢要な国際的課題の解決に取り組む、という構想なのだ。

 民主党クリントン政権の国防長官を務めたウィリアム・コーエン氏も4月下旬、「世界は米中協力に依存する」というタイトルの大手紙への寄稿で米中G2の重要性を力説した。「北朝鮮も、タリバンも、国際テロも、気候変動も、世界不況も、米中協力なしには成功裏には取り組めない」として、最近のロンドンでのG20も事実上、米中両国首脳によるG2で始まったのだ、と強調した。

 G2構想とは、要するに世界の主要課題はまず米国と中国とが対等な立場で歩調を合わせて、連携して、共同で取り組むという体制の提唱である。世界を米中両国で仕切るような構想と評しても誇張ではない。そこにはオバマ政権が説く「日米同盟の最重視」とか「日本との関係の優先」などという政策標語の実態はツユほどもうかがわれない。アジアの諸課題にしてさえ、そうである。

 このG2というのは、なにやら中国人民解放軍の海軍幹部が米国海軍に提唱したという「太平洋分割案」までも連想させる。米軍の太平洋統合軍司令官のキーティング海軍大将は昨年12月に「中国海軍幹部から中国が航空母艦を建造したら、太平洋のハワイ以東を米国が、ハワイ以西を中国が管理することで合意をしようと提唱された」と述べた。中国側からおそらく観測気球の意味をも込めて発せられた言葉だろうが、太平洋やアジアはとにかく米中両国が管理する、という発想はG2構想との共通項を感じさせる。

民主主義重視の価値観をかなぐり捨てる

 この米側のG2案には、そもそも米国側が対外政策では超党派で保持してきた民主主義重視の価値観ファクターが排されている。そのうえに中国が自国への脅威もないのに、20年近く一貫して続けている大規模な軍事拡張への抑止のファクターも落とされている。中国の日本や台湾、インドなど米国に近い民主主義の同盟、友好のパートナーに対する高圧的、威嚇的な態度や覇権志向への反対もうかがわれない。

 オバマ政権のこうした中国超重視の傾向が最初に形を表したのは、2月のクリントン国務長官の中国訪問の際からだった。同長官はこの訪中で、中国側の人権弾圧問題が米中間の経済危機や国際テロ対策など他の主要課題の協議の妨げになってはならない、と言明した。米国側としては中国のチベット民族や民主活動家への人権弾圧への非難によって米中関係を損ねてはならない、とする重大な新方針の表明だった。

 このクリントン発言は同国務長官が訪中の際、中国側首脳に人権問題を提起せず、民主活動家たちとも会わなかったことと合わせて、ワシントンでは保守、リベラル両方からの批判を浴びた。共和党のクリス・スミス下院議員は「クリントン発言はオバマ政権が中国に米国債を買ってもらうために、中国側の年来の強制労働や宗教弾圧、人身売買、大量殺害などに対して沈黙するという卑屈な態度を示し、米国の超党派外交の伝統に反する」と抗議した。リベラル陣営でも、「アムネスティ・インターナショナル」、「人権ウォッチ」などの人権擁護団体が「普遍的な人権保護のリーダーとしての米国の地位の放棄だ」というような反対を表明した。

 オバマ政権のゲーツ国防長官が4月5日に公表した2010年度国防予算案に関しても、「中国の軍拡に真剣に対処していない」という批判が起きた。中国が増強を続ける戦闘機、爆撃機や潜水艦、そして各種弾道ミサイルに対する最大の抑止力とみられたF22戦闘機の製造が中止されることとなった。また日本にも大きな意味を持つミサイル防衛の予算が前年比で15%ほどカットされ、とくに発射段階での敵のミサイルを撃破するシステムの開発への予算が全面削減されてしまった。この措置についてブッシュ前政権の国防総省中国部長だったダン・ブルーメンソール氏は「オバマ政権が中国の異様なほどの軍拡への対応を真剣に考えず、宥和策をとっていることの表れだ」と評した。(後略)



「民主」は台湾の救命符ではない 4月16日 AC通信

台湾は民主国家である、だからアメリカが台湾を見捨てる事はない、と言う人がいる。だがアメリカは本当に台湾を守ってくれるだろうか。「民主」は救命護符ではない。自分で国を守る努力をしなければ、他人が守ってくれるはずがない。

台湾が民主国家と言うのはウソである事はみんなが知っている。台湾にある中華民国は諸国から承認されていない台湾人を代表しない国で、台湾に住む蒋系中国人のみが承認する国である。台湾関係法にはアメリカが台湾の安全を守ると書いているが中華民国を守るのではない。

●民主国家なら中国の併呑はない

政界の情勢が日日変っていく中で「台湾は民主国家である」と言えばアメリカが助けてくれる救命符のように信じてきた。

台湾は民主国家であると言い出したのは李登輝が中華民国総統だった時代、中華民国と中華人民共和国が敵対している時代である。当時は中国が独裁国家であり、台湾は曲がりなりにも民主化した時代だった。李登輝は民主選挙で総統に当選して蒋介石の独裁体制を崩し、中華民国を民主国家に転換させた功績がある。

当時は中華人民共和国が独裁で台湾が民主であるといわれてきた時代だったから、民主国家が独裁国家に併呑されるならアメリカは反対する、台湾が中国の武力攻撃を受ければアメリカは武力で対応すると台湾人は信じてきた。(後略)



(私のコメント)
アメリカが中国を二極体制までを考える中国超重視の政策をとることがだんだんと見えてきた。その戦略的な意図はアメリカが中国と組む事で世界の政治的主導権を保つ事であり、具体的に言えばEU外しでありEUの国際的な影響力を米中同盟で排除して行こうという戦略だろう。その為には韓国や台湾を中国に覇権を譲るという取引がなされたのかもしれない。

アメリカがそこまで譲歩せざるを得なくなったのは、アメリカ自身の衰退のせいでもあり、アメリカ経済の象徴でもあるビックスリーが労働組合と政府が経営する会社となり、金融業も全滅状態で、いずれは大幅な軍縮に取り掛からなければならなくなる。アメリカの軍縮と中国の軍拡が交差する時期はいつなのだろうか?

日本ではこのような状況になってもアメリカに追随していれば大丈夫という親米論者が多いが、韓国や台湾が置かれた現状をどのように見ているのだろうか? 中国はさらに東南アジアへも足場を広げており、中国海軍も外洋型の海軍編成になりつつある。アメリカは中国のアジア覇権を認める事でG2体制を維持しながら主導権をとる外交戦略はアメリカにとっては魅力的だ。

キッシンジャーやブレジンスキーが考えた戦略なのでしょうが、EUや他のアジア諸国を敵に回す事であり、米中によるG2体制は認める事が出来ない。アメリカの思惑とは別に中国はロシアやインドなどと上海協力機構を作り、アメリカ包囲網を作りつつあるのであり、中国はアメリカの思惑通りには動かないだろう。

古森氏は「世界を米中両国で仕切るような構想と評しても誇張ではない」と述べていますが、世界は多極化するのではなく米中のG2一極支配体制を目指しているようだ。つまりアメリカは民主主義体制を守るというイデオロギーを棄てて独裁国家である中国と組む事で中国国内の人権問題には目をつぶるという選択をした。

このような外交政策の転換にはアメリカ国内でも批判がありますが、現実的な外交戦略はキッシンジャーやブレジンスキーの戦略であり、民主主義や人権を守れという理想主義的な理念は過去のものだ。F22の生産中止も中国に配慮したものであり、日本にはF22が売られる事は無い。

問題は日本はどのような対応をすべきかということですが、韓国や台湾を中国の勢力下に組み込まれるのを阻止しなければならない。だからアメリカにおけるG2戦略に批判的な勢力と手を組んで変えさせなければならない。EUにとってもG2体制は他人事ではなく、EUが蚊帳の外に置かれる事を意味するものであるからだ。


欧州と中国:ドラゴンの悪夢 英エコノミスト誌 2009年4月18日号

欧州連合(EU)は中国にどう対応するかについて合意できずにいる。

ブリュッセルでのディナーパーティーを台無しにする手っ取り早い方法がある。世界の統治は、欧州諸国が最大で議席の半分を占領するG20、G7、G8その他の協議機関の枠組みをすり抜けつつあると進言するだけでいい。

 そして、重苦しい調子で、未来はG2――中国と米国によって構成される架空の機関を指す新たな流行語――の手の内にあると言うのである。

 欧州の将来の権力に関する公の場での得意気な言動とは裏腹に、欧州諸国は、蚊帳の外に置かれる恐怖に苛まれている。とりわけ、中国が欧州連合(EU)に興味がないかもしれないという考えは大きな痛みをもたらす。

何しろ、21世紀は本来、もっと違ったものになるはずだった。実際、フランスのジャック・シラクのようなかつての指導者たちにとっては、台頭する中国は米国の覇権に挑戦するもう1つの勢力として歓迎された。

 それが、EUが大きな役割を担う「多極化した世界」をもたらしてくれると考えられていたのである。

 もしそれが、中国の要求の前にぬかずいて、台湾を避け、ダライ・ラマを冷遇し、人権の不正使用に対する非難を抑えることを意味するのなら、それはそれで仕方がなかった。

 大半のEU諸国は中国との商業外交を重視し、自国の指導者の訪中が必ずカメラのフラッシュを浴び、うまみのある契約を結ぶ形で終わるように務めた。

 一方、欧州の対中貿易赤字は昨年、1700億ユーロ(2500億ドル)近くまで膨らんだ。EUのシンクタンク、欧州外交評議会(ECFR)が最近まとめた欧中関係に関する痛烈な監査報告書は、中国は欧州企業に対して無数の障壁を築いている、と指摘している。

 この傾向は不吉である。中国は、5年後には中国製の新車の部品の60%を国内生産したいと考えている。これは、自動車部品、工作機械、その他製品のおかげで欧州最大の対中輸出国となっているドイツにとって警戒すべきニュースだ。

 例によって例の如く、欧州諸国はどう対応するかについて意見が割れている。(後略)


(私のコメント)
日本の政治家達は米中G2体制に対して何のコメントも発してはいない。日本が米中によって挟み撃ちに遭う失敗は前の大戦で経験している。米中にとって日本をおとなしくさせて置くためには大戦中の残虐行為を持ち出すことで贖罪意識を植え付けて、日本は反省が足りないと頭を押さえつけることだ。

アメリカにとっても日本が東京裁判史観を覆す事はマイナスであり、日本をおとなしくさせておく事は中国と共通する課題だ。しかしいつまでも贖罪意識だけで日本を押さえつけておく事は無理なことであり、やりすぎれば逆効果をもたらす。


米中のG2体制が上手く行くかどうかは日本の出方にかかっている。アメリカと中国の間には日本という国が南北に長く遮っているのであり、台湾が中国の勢力下に入る事は日本にとっては致命傷になる。もしアメリカが台湾を見捨てるような事があれば、日本はアメリカを見捨てる決断をすべきだろう。アメリカが台湾を見捨てる事は次は日本を見捨てる事であり、アメリカとの同盟は終わりを迎える。

EUにとってもG2体制は好ましくないのであり、日本はEUと手を組んでアメリカ政権内のG2論者を排除すべきだ。日本とEUとが手を組めばアメリカにとっては厄介な事になるのであり、日本の中国に対する影響力はアメリカ以上にあるのであり、日本人がそれに気が付いていない。中国が一番恐れていることは日本がアメリカの頚木を外れて軍事大国になることだ。




外国のリーダーたちは、たとえ米国が正しくても、米国の政府高官
から説教されるようなつもりはないのである。 ポール・クルーグマン


2009年4月28日 火曜日

『タイム』誌はこの三人のことを「世界を救う委員会」と呼んでいた。
「委員会」のうち二人のメンバーが、それ以降、『タイム』の表紙の呪いに屈した
ポールクルーグマンのコラムより


「アメリカ、色褪せた国家」 3月30日 ポール・クルーグマン 

10年前、雑誌『タイム』の表紙は、ロバート・ルービン(当時の財務長官)、アラン・グリーンスパン(当時の連邦準備理事会議長)及びローレンス・サマーズ(当時の財務副長官)を取り上げた。『タイム』誌はこの三人のことを「世界を救う委員会(“the committee to save the world”)」と呼び、当時、恐ろしいものと考えられていた危機から、彼らが世界の金融システムを救出してくれるのだと信頼を寄せていた。(もっとも、我々が現在経験していることに比べれば、当時の危機というのは小規模な一時的下落でしかなかったのだが。)

その表紙で取り上げられた男性全員が米国人であった。しかし、そのことを奇妙に思う人は誰もいなかった。結局のところ、1999年において、米国はグローバルな危機対応に係る疑いようのないリーダーなのであった。そのリーダーシップの役割が米国の富に基づいている部分というのはわずかであった。それはまた、かなりの重要な程度において、模範としての米国の名声を反映していた。誰もが考えていたのだ。米国は適切なファイナンスのやり方を知っている国なのだと。

変われば変わるものだ。

「委員会」のうち二人のメンバーが、それ以降、『タイム』の表紙の呪いに屈しているという事実は気にしないでおこう。持ち上げられた後で評判が低下するのはメディアの中ではよくあることだ。(現在は国家経済会議の委員長を務めるサマーズ氏は相変わらず好調である。)もっと遙かに重要なのは、米国の金融は健全であるという主張は(他国に対して政策の変更をする必要があると説教を垂れる際によく使われていた主張だ)その中身が空洞であることが判明したことである。

実際のところ、最近では、米国は主要経済国におけるバーニー・マドフのようである。長年にわたって尊敬されていたのだが(畏怖の念を抱かれていたことすらある)、最初からずっとイカサマであったことが判明したのである。

1990年代の経済危機が鎮静化していた2000年の前半にサマーズ氏が行った講演内容を現時点で読むのは苦痛である。サマーズ氏は、当時の危機の原因について語り、危機を経験した諸国に欠けていたことを指摘した。そしてそれは、米国には欠けていなかったのだという含意であった。こうした諸国に何が欠けていたかというと「充分な資本を持ち、適切な監督下に置かれた銀行」であり、信頼性が高く、透明な企業会計なのであった。いやはや。

ところで、サマーズ氏がその講演で引用したアナリストの一人は経済学者のサイモン・ジョンソン教授であった。最近の「The Atlantic」の記事の中で、ジョンソン教授は(IMFで主任エコノミストとして勤務し、現在ではMITの教授である)、米国が抱える現在の困難というのは、ロシアやアルゼンチンのような場所で起こった危機と「驚くほど類似しており」、それはクローニー・キャピタリズム(縁故重視型資本主義)主義者が果たしていた重要な役割も含まれるのだと述べている。

同教授は、第三世界と同様に、米国においても「エリート層のビジネス上の利害が(米国の場合は資本家(financier)である)危機の発生において中心的な役割を果たしており、かつてないような規模でギャンブルを行い、政府の間接的な支援を得て、そして、避けようのない破綻を経験したのである。もっと憂慮すべき点として、彼らは今、正に経済を急落から救い出すために早急に必要とされている改革の内容を阻止するために自分たちの影響力を行使している」と述べている。

したがって、オバマ大統領が欧州で受ける反応に関する昨日のニューヨーク・タイムズ紙の記事のタイトルが「審理に付された英語圏の資本主義(“English-Speaking Capitalism on Trial”)」となっているのは全く不思議なことではないのだ。

今、公正な立場から、銀行が身勝手な行動を取っていたのは米国だけでは決してないということを我々は言う必要がある。欧州のリーダーたちの多くが、相変わらず、欧州の経済・金融の困難について認めずにいる。欧州の混乱は、ほぼ間違いなく、米国と同じような深刻さのはずである。もっとも、欧州諸国の方が社会的なセーフティ・ネットは遙かに充実しており、米国の方が人々の苦しみは深いということになるのだが。それでも、今回の危機が米国の信頼性のかなりの部分に犠牲を払わせたことは事実であり、それに伴い、リーダーシップの能力も随分と失われたのである。

そして、それは非常に悪いことなのである。

他の多くの経済学者と同様に、私は世界大恐慌について復習をしており、同じようことの繰り返しを避けるための教訓を探している。そして、1930年代前半の歴史から浮かび上がってくる一つのこととして、危機に対する世界の対応というのは、主要経済国間での協調が不可能だったことによって損なわれていたのである。

今回の危機の詳細は世界大恐慌とはかなり異質である。しかし、協調の必要性というのは全くその通りなのである。オバマ大統領はそれを正しく理解しており、先週、このように宣言している。「経済を回復させるためのステップを我々全体が取らなければならない。一部の国が顕著な努力を行い、他の国はそうではないという状況は望んでいない。」

しかし、我々は正にそのような状況に置かれている。私は米国の経済的な努力ですら適当だとは思っていないが、他の先進(富裕)国がこれまでに実施を表明した内容の大半に比べれば、相当に大規模である。そして、本来なら、今週のG20首脳会議は、オバマ大統領にとっては、特に欧州のリーダーたちを窘め、彼らが役割を充分に果たすよう促すための機会になるはずだ。

しかし、最近、外国のリーダーたちは、たとえ米国が正しくても(今回のように)、米国の政府高官から説教されるようなつもりはないのである。

金融危機は多くの犠牲(コスト)を伴っている。そして、そうした犠牲の一つは、米国の評判にとってのダメージなのである。我々が、そして世界が、最もそれを必要としている際に我々が失ってしまった資産なのである。


オフショア市場「終わりの始まり」 4月24日 山田 生輝

古いワシントン・コンセンサスは終わった」

 ブラウン英首相がステートメントを読み上げ始めた直後、この一言を発すると、記者会見場は静まりかえった。4月2日、ロンドンで開かれたG20金融サミット後の記者会見での出来事だ。

古い国際金融秩序の終焉、グローバリゼーションの退潮、市場原理主義の退場と国家経済統制の復権、中国をはじめ新興経済の台頭とG7体制の没落・・・。様々な「見出し」を頭にめぐらせながら、取材記者は会見場から自社のブースへ一目散。G20を報じる多くの記事の冒頭には、ブラウン首相のこのフレーズがセンセーショナルに踊った。

 ところで、ブラウン首相が終焉を宣言した「ワシントン・コンセンサス」とは何物だろうか。実はきちんとそれを定義し、解説したメディアは少ない。

 この言葉を創り出したのは、著名な経済学者のジョン・ウィリアムソン氏とされる。米国ワシントンのシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所のシニアフェローだ。

 中南米の累積債務国が金融危機に陥るたび、国際通貨基金(IMF)や世界銀行のエコノミスト、そして米政府・議会の要人は債務国にお説教していた。同時に、10項目から成る「政策処方箋」を押し付けており、1989年にウィリアムソン氏はこれを「ワシントン・コンセンサス」と名付けたのだ。

 その処方箋とは、財政赤字の縮減、政府補助金の削減、税制改革、金利と為替相場の市場一任、民営化の推進・・・。1990年代に経済論壇の主流をなした新自由主義経済学の教理が並ぶ。他方、ウィリアムソン氏は、その推進者であるワシントンの「インナーサークル」こそが、この処方箋に自らは従わないのだと指弾していた。

その言葉をさらに有名にしたのが、ノーベル経済学賞を2001年に受賞した元米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長ジョー・スティグリッツ氏。リベラル派の泰斗は、大ベストセラー『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』(徳間書店)でこう書いた。IMF・世銀がワシントン・コンセンサスをグローバル化の「教理」として世界に説いて回ったがために、1990年代後半に通貨危機に陥った新興アジア諸国をはじめ、途上国の国民の多くが格差拡大と経済破綻の淵へと追いやられた・・・。

 ということは、ブラウン首相は「ワシントン・コンセンサスの終わり」を説くことで、IMF・世銀が主導する国際金融秩序の終焉を宣言したのか。いや、そうではあるまい。首相は今回のG20でも、「IMFなど国際機関の機能強化」と「保護主義への戦い」を同時に呼び掛けている。そればかりか、国際金融危機の収束に向け、IMFには「お目付け役」を委任しているほどなのだ。

 では、ブラウン首相は「ワシントン・コンセンサス」という言葉を引いて、「何」の終焉を認めたかったのか。首相はステートメントの最後で、新しい世界秩序が出現しかけており、もっと持続可能でもっと公正な地球社会を建設するとも発言している。

ブラウン発言のカギ、チャーチル演説にあり

 ブラウン発言を読み解くカギは、冒頭ステートメント後の質疑応答の中に隠されていた。

 ある記者が次のように問い掛けた。経済協力開発機構(OECD)によるタックスヘイブン(租税回避地)リストの公表は、タックスヘイブンの「終わりの始まり」か。それとも「終わりの終わり」なのか。


一方、ブラウン首相は「これは、終わりの始まりだ」と説明した。このやりとりは、第2次大戦で英国を勝利に導いたチャーチル首相の有名な演説の一句を下敷きにしている。

 1942年11月、北アフリカのエル・アラメインの第2次会戦。連合軍が、ロンメル将軍率いるドイツ国防軍の精鋭アフリカ軍団など枢軸側を撃破した。

 これを受け、ロンドンの金融中心街シティの首長公邸で昼食会が開かれ、チャーチルは演説で次のように発言している。「これは終わりではない。終わりの始まりですらない。しかし恐らく、始まりの終わりである」。この一節により、対独戦争終戦と安堵するのではなく、反攻はようやく始まったばかりだと、英国民の戦意を鼓舞したのだろう。

 ブラウン首相の「終わりの始まり」は、このチャーチルの演説を敷衍するものだ。「終わり」でもなければ、「始まりの終わり」でもない。この「終わり」という言葉は、ステートメント冒頭の「ワシントン・コンセンサスの終わり」に重なる。首相は冒頭発言で「新秩序の始まり」というより、「旧秩序の終わり」に重きを置いたことになる。

オフショア金融センターの黄昏

 では一体、「何」の「終わりの始まり」なのか。ブラウン首相は説明していく。タックスヘイブンについての国際的原則に、様々な国が続々と署名している。その原則とは、租税当局間の情報交換に関するもの。署名したのは、スイス、オーストリア、ルクセンブルク、アンドラ、香港、シンガポール・・・。かつてはタックスヘイブンとして有名だった国・地域を、首相は名指しした。その多くが、「オフショア金融センター」と婉曲的に呼ばれている。

 オフショア金融センターは、国内金融市場から完全に切り離されるため、国内に比べてはるかに負担の軽い金融税制の恩恵を受け、資産運用のための特定目的会社やファンドの設立、オフショア信託の運用、キャプティブ保険会社の設立なども手早くできる。

 とりわけ、英国法の伝統がある国・地域では、法構造上も手続きが柔軟だという。

 ニューヨーク市場の「裏庭」と称されることの多い、ケイマン、バハマ、バミューダなどカリブ海の旧英領諸国。「規制を嫌うカネ」を運用する中心地として第2次大戦後、急速に発展してきた。香港、シンガポールなどアジアのオフショア金融市場も、「華僑資本」が運用するこうしたカネを集め、発展してきたと言われている。

 国際決済銀行(BIS)の統計によれば、2008年9月末時点でBIS加盟国銀行のケイマン向け対外資産ポジションは1兆7215億ドルに達する、同じく、シンガポール向け8477億ドル、香港向けも7723億ドル。3カ国の対外資産ポジションの総額は日本向け(2兆4665億ドル)を優に上回り、「金融大国」ぶりを示している。

英中銀が画策、ロンドン市場生き残り

しかし、世界で最も発展してきたオフショア金融市場として、賞賛されるべきはロンドン市場だろう。

 第2次大戦直後、英ポンドから米ドルへと通貨覇権のシフトは決定的となった。そしてシティに居並ぶマーチャントバンクが世界の金融を支配していた時代は終わりを告げ、ロンドンが金融中心地として生き残れるのか危ぶまれていた。

 近年の歴史研究により、英中央銀行であるイングランド銀行が1950年代前半、かなり積極的にロンドンをオフショア金融市場に育てようと画策していた事実が判明した。旧ソ連・東欧圏のドルを意図的にロンドンへ集め、ユーロダラー市場を育成したのだ。

 従来の通説によると、米国の規制を嫌い、ロンドンの銀行に自然と集まってきたドルこそが、ユーロダラーとされていた。ところが、事実は違った。規制と税率の垣根を低くし、金融市場として生き残りを図るべく、中央銀行や政府関係者がドルを掻き集めてきたのが、ロンドンのオフショア金融市場の実態だったのだ。


であれば、ブラウン首相が今回のG20記者会見で宣言した「終わりの始まり」は、オフショア金融市場として戦後最大の発展を遂げてきたロンドンへの挽歌ということになる。

 そして、世界各地のオフショア金融市場、別名タックスヘイブンで金融商品を自在に駆使して、カネの流れを作ってきたグローバル巨大金融機関に対し、ビジネスモデルの変更を迫るものである。「国際金融秩序の形成」を大義名分に、それを戦後支えたのがIMF・世銀やワシントンの賢人だからこそ、冒頭の「ワシントン・コンセンサスは終わった」という表現になるのだろう。

 オフショア市場に迫る黄昏、金融のビジネスモデル変化、ロンドン市場への挽歌・・・。ブラウン首相の哲人的な記者会見のやりとりの中に、それを思うのは感傷が過ぎるだろうか。



(私のコメント)
アメリカやイギリスが目指した金融立国戦略は、金融で世界を支配できると言うロスチャイルドやロックフェラー家の陰謀を真似たものなのでしょうが、陰謀はばれてしまえば陰謀ではなくなる。私は1997年のアジア金融危機の頃からアメリカによる世界金融支配の謀略を告発してきた。ハゲタカファンドは彼らの尖兵であり、傲慢不遜なな態度はTIME誌の表紙を見れば分かるだろう。

確かにロスチャイルドやロックフェラーは政府に金を貸して国家を担保に取ってきた。しかしその陰謀がばらされてしまえば身ぐるみはがされて国家を追放されてきたのは歴史が示している。彼らはスペインを追われオランダを追われてイギリスやアメリカにたどり着いた。だからアメリカやイギリスが金融で世界を支配しようと思っても不思議ではない。

ではなぜスペインやオランダやフランスやドイツから追われるようになったのだろう。国家の勢いがピークアウトすると金融によって国家を建て直そうとするが金融では国家を建て直すことは難しい。その失敗はユダヤ人の金貸しに責任を押し付けられて追放されるようだ。

金貸しの多くがユダヤ人であることはウォール街を見ても分かるとおりだ。しかしユダヤ人=金貸しではない。ポール・クルーグマンもユダヤ人だが金貸しではなく学者だ。しかし最近のアメリカ人の反応を見るとナチスドイツ時代のユダヤ人排斥的なヒステリックな反応が見られる。リーマンブラザースの会長の家にデモ隊が押しかけていたが、大衆の恨みは恐い。

アメリカにはKKK等のような人種差別団体がたくさんあるから、その矛先がユダヤ人に向けられてもおかしくは無い。マスコミ業界にもユダヤ人が沢山いて、だからこそグリ−ンスパンやルービンを英雄のようにTIME誌の表紙を飾ったのでしょうが、今ではそれが災いの元になっている。ユダヤ人たちに謙虚さを求めるのは無理なのだろうか?

日本的な常識からすれば、金を持てば持つほど稲穂のように頭を下げて目立たぬようにすべきであり、大富豪が豪邸を建てるのは成金趣味であり、芸能人などは有名になると大豪邸を立てて他人に自慢する。リーマンブラザースの会長の家も大豪邸であり、だから大衆の恨みを買う。日本では40億円もの年収を貰う事は考えられませんが、アメリカでは桁外れの年俸を貰って連邦議会でも叩かれた。

ワシントンコンセンサスはアメリカの首都が世界の首都であり、世界経済の中心がワシントンにあるあるという事なのでしょうが、アメリカ政府はIMFや世界銀行を通じて南米諸国やアジア諸国を経済指導してきた。しかしそれは、財政赤字の縮減、政府補助金の削減、税制改革、金利と為替相場の市場一任、民営化の推進といったとんでもない事であり、現在のアメリカが行なっている経済政策とは全く正反対の事を強制してきた。

まさに竹中・小泉内閣の政策そのものですが、日本もあのまま行けばIMFの管理下に置かれてタイやインドネシアや韓国のような目に遭わされる所だった。日本経済を主導してきた大蔵省も解体されて財務省と金融庁に分割された。これは財務省も金融庁もアメリカの管理下に入ったと言う事であり、いう事を聞かない大臣は中川大臣のように醜態が世界に報道されて失脚する。

イギリスのブラウン首相の発言は「ワシントンコンセンサスの終焉」を意味するものですが、金融帝国アメリカの終焉を意味するものだ。タックスヘイブンという税金逃れの天国もアメリカの後ろ盾があれば認められてきたのですが、金融立国が破綻すれば税金逃れが出来る国など認められるわけが無い。

日本でも新自由主義的な経済学者やエコノミストの転向が相次いでいますが、現在の経済状況ではケインズ政策しか打つ手が無い。ポール・クルーグマンも大胆なケインズ政策を主張していますが、経済の落ち込みは防げても景気がV字型に上向くわけではない。長い時間をかけて不良債権は処理されなければならないし、日本のバブル崩壊も克服には長い時間がかかった。




米国FRBは国債購入を決定している。後、1兆ドルほど増額し、中国の
保有する米国債をそっくり買ってしまうことは簡単なことである。


2009年4月27日 月曜日

紙幣を大増刷すると紙くずになる? 「中央銀行の国債購入」の行方 4月18日 マネージン

■国債を買い始めた中央銀行

 先月、FRB(連邦準備制度理事会)とBOE(イングランド銀行)は正式に国債の購入を発表した。また、日本銀行は以前から、ECB(欧州中央銀行)も事実上ユーロ建ての国債を引き受けていることから、これで4大通貨の中央銀行すべてが自通貨建ての国債を購入していることになる。

 紙幣発行権を持つ中央銀行の国債購入は、「国債という紙を受け取って紙幣を渡す」ことから、紙幣の印刷を意味する。実際にはさまざまな方法が取られており、即座に印刷というわけではないが、この方向に向かっていると理解できるだろう。

■各国とも財政が火の車

 中央銀行国債買い入れの目的は、国債の安定消化だ。3月25日には、英国で満期40年国債の入札が札割れした。札割れは国債の売れ残りを意味し、価格は下落、金利は上昇して経済に悪影響を与える。

 景気の厳しい落ち込みとともに、各国政府は財政出動による景気対策や金融機関への資本注入などで歳出を増加させている。米国は予算教書の中で、09年度の財政赤字が約1兆7500億ドルと、08年度の約3倍になると予想している。

 日本では、先日発表された補正予算を加えると、09年度は歳出が100兆円を突破すると予想されている。景気の落ち込みで歳入も減少しているので、増加する歳出は新規の国債の発行でまかなわれることになる。日本では歳入の内訳で、税収を国債収入が上回ると報道された。国債の増発、そしてその国債の円滑な消化が緊急の課題となっている。

■通貨スワップも通貨の印刷

 通貨の印刷は中央銀行の国債引き受けだけではない。FRBが各国中央銀行と結んだ通貨スワップ協定も通貨の印刷を意味する。

 FRBは新興国のドル資金繰り不安解消のため、各国中銀と通貨のスワップ協定を結び、新興国の資金ショートリスクを押さえ込んだ。たとえば韓国中銀は、2008年10月29日300億ドルの通貨スワップ協定をFRBと結んだ。それ以降、韓国中銀は、数十億ドルずつFRBからドルを引き出して、韓国国内の銀行に供給している。

韓国中銀が20億ドル分のドルを受け取れば、FRBはそれと等価の韓国ウォンを受けとる。韓国中銀が受け取ったドルは市中に出回り使用される一方、FRBが受け取った韓国ウォンは何にも使われない。

 韓国の国債でも購入できれば金利がつくが、通貨スワップの金額に対してウォン建ての投資可能な市場がないためどこにも投資できず、いわば「タンス預金」となっている。実際には使えないモノを受け取りドル紙幣を供給しているということで、これは実質的な紙幣の印刷だと考えることもできる。

■紙幣は紙くずになるか? 

 しかし紙幣を印刷したからといって、すぐに紙幣が紙くずになってしまうわけではない。「米ドルの崩壊」をさかんに強調する向きもあるが、通貨はあくまでも「相対的」なものである。

 通貨が信頼を失い紙くずになるとき、必ず「何に対して信頼を失ったか? 」を考える必要がある。一番分かりやすい比較対象は、他の通貨だ。円の場合、例えば米ドルやユーロより信頼を失ったとき、為替レートは一気に円安になり、円は海外や貿易で使用できなくなり、紙くずとなる。

 今の世界情勢の興味深いところは、世界中の国で同時に紙幣を印刷していることだ。これでは「相対的」な通貨間の信用に大きな差はつかない。また、対「新興国通貨」の場合も、新興国通貨はIMFの大きな傘の下に保護されていることから、1つの通貨だけが信用を失うという事例は今後起きにくい。

 世界中が危機なので、1つの通貨だけが突然紙くずになることのないよう、すべての国で同じ行動をとり、1つの傘の下に入るという行動がとられている。今回の経済危機に対し、国家間でスクラムを組むことにより、国の破綻、保護主義の進展を押さえ込むことにある一定の成功が得られている。

 経済危機は火事ではない。押さえ込んだら消えてなくなるというものではないため、押さえこんだ反動がどこにどのような形で出てくるか、今後注意してみていく必要がある。スクラムを組んで脱落者をなくしましたつもりだが、スクラム全体がインフレという波に押し流されるという可能性も残っている。


中央銀行の国債購入 4月27日 経済コラムマガジン

この表を見て分ることは、国によって国債を主に保有している主体がみごとにバラバラということである。日本は「政府」の保有が大きいが、この政府とは財投、公的年金、郵貯などである。英国とフランスは金融機関の保有比率が突出して大きい。

どのような保有比率が理想的なのか一概には言えない。ただ米国やドイツのように海外居住者の割合が高いことは、後ほど触れるように色々な意味で問題が起こり得る。ところで日本は「海外」の比率が極めて低く、「政府」「中央銀行」「金融機関」でほとんどを保有している。

このような日本の国債をムーディーズやS&Pなどの格付機関が勝手に格付をしてきた。しかし日本の国債の保有形態を見れば分るように、格付すること自体意味がない。ところがばかげたことに日本ではこの格付が下がったと大騒ぎしてきたのである。まず格付機関の格付がいい加減なことは本誌でもずっと指摘してきた。今日、格付機関が問題になっているのは当然のことである。だいたい本当に適切な格付を行おうとしたなら格付機関は現在の100倍くらいの人員を抱える必要があろう。

また国債は個人消化が良いという話が根強くある。しかし先進各国の個人保有比率はいずれも低い。むしろ個人の金が金融機関に預金され、その金融機関が国債を保有するという形が一般的と言える。


中国の脅し
筆者が特に取上げたいのは二番目の「中央銀行」の保有比率である。日本は日銀による国債買い切りオペを増額してきており、これによって15%程度の保有比率になっている。米国の16.3%という比率は、何度も取上げているが、1951年のアコード締結までFRBが青空天井で国債を買っていたなごりと考えられる。これまでこれが氷付けされているのである。

さすがにインフレ警戒が強い欧州各国は、中央銀行の国債保有はほとんどない。もっともユーロを採用しているドイツやフランスは、事実上、中央銀行による国債購入は無理である。一方、英国国債は、今回中央銀行が購入に踏切るということで格下げ観測が話題になっている。

筆者は、株式指数のドイツのDAX指数と英国のFT100指数の動きにずっと注目している。以前は常にDAX指数がFT100指数より1,000ポイントほど大きかったが、最近ではその差が500ポイントほどに縮小している。株式の指数であるから色々な要素が絡んでくるが、これからは国債の中央銀行購入という政策も影響があると考える。もしこれを実施する英国が不況をうまく克服するようだと、ユーロの見直しあるいはユーロの崩壊に繋がる可能性があると筆者は思っている。


日銀の国債保有が比較的高い日本の物価が、先進国の中で一番上がっていない。筆者はこれは日銀の国債の購入額が不足していたからと見ている。関連して言えば政府はもっと大きな財政赤字が必要だった。日銀が国債を購入してもデフレ経済から脱却できていない。それほど本当の日本のデフレギャップは大きいのである。

ずっと本誌が指摘してきたように、内閣府や日銀が公表しているデフレギャップはインチキである。追加の財政支出を行えば、ハイパーインフレーションが起るという御用学者の話も嘘である。また金融の面でも、70年代の列島改造バブルと80年代後半の土地バブルの崩壊を経験した日本には、08/12/1(第550号)「デフレ発生のメカニズム」で説明した通り、凍り付いたマネーサプライ(金融資産)が巨額に積み上がっている。

この凍り付いた金融資産は贈与税軽減ぐらいで動き出すはずがない。政府がその規模に見合った財政支出を行い、それに伴う国債を日銀が買えば良いのである。このような施策を講じておれば、日本は輸出に頼らざるを得ないような経済構造にならなかったはずである。


ところが日銀は、内規で国債の購入の限度を日銀券の発行額としている(銀行券ルール)。しかしこの数字についての合理的な根拠を聞いたことがない。筆者は、発行されている日銀券のかなりの部分がタンスに眠っており、この発行額までは国債を買っても良いと日銀は判断していると推測している。

日本の国債の金利は1.4%台であり、筆者もただちに限度額を増やせとは言わない。まず相当の財政出動が行われ、長期金利が上昇してくるようなら限度額を上げれば良いと思っている。ただし限度額を設定するにしてももっと科学的な根拠が必要と考える。


最後は米国FRBが米国債購入を決定したことの各国に対するインパクトについてである(先ほどから説明しているように再開と言った方がが適切)。まず日銀の今回の国債購入の増額(買い切りオペの増額)の決定に少なからず影響を与えたと見ている。しかし筆者が一番注目しているのは中国の反応である。

中国は米国の今回の決定に予想以上の反発をしている。表向きの理由は、中国が大量に保有している米国債の価値が下がるからというものである。実際のところFRBが米国債を買えば、国債の利回りは下がり、国債の価格は上昇する。この点では中国の言い分は通らない。また中国は米ドルの価値がこれによって下がると主張している。しかしこれについては不明である。米国の景気が良くなると思われれば、米国に資金が流れ、米ドルは高くなる可能性がある。


筆者は、中国の本音は、米国の今回の決定で中国が米国を脅す武器の効果がなくなったことと考えている。以前から米国は、中国が人民元を安くなるよう不当に為替操作していると批難している。しかしこれに対して中国は、米国債を買って米国財政に協力していると反論している。

民主党政権に代わり為替政策に対して攻撃が強まると、中国はとうとう「米国債を売ってしまう」と反撃に出ていた。しかしこの武器が有効だったのは、米国FRBが国債購入に踏出すことに躊躇していた時代である。ところが一旦、国債購入を始めれば話は変わる。

現在、米国FRBは6,000億ドル(3,000億ドル+3,000億ドル)の国債購入を決定している。後、1兆ドルほど増額し、中国の保有する国債をそっくり買ってしまうことは簡単なことである。困るのは中国の方である。それにしても「米国債を売ってしまう」と中国に脅されるなんて、米国は情けない国になってしまったものである。


(私のコメント)
経済コラムマガジンに出ている各国の主体別国債保有比率を見てもらえば分かるように、日本は政府保有の国債割合が40%と異常に高いが郵貯や公的年金などの保有が多いからで、海外の割合が4%と異常に少ない。96%が国内で持たれているという事は国内の資金が国内で使われていることである。

フランスや英国は金融機関がもつ割合が大きく、アメリカやドイツは海外の所有割合が多い。特にアメリカは中国などの割合が多いからアメリカ政府は中国に気を使っているのでしょうが、FRBの国債購入枠の拡大で中国が所有する米国債を一気に手放しても大きな混乱は起きないだろう。つまり中国の脅しが効かなくなった。

現在ではG20で決定されたように世界各国が公共投資額を拡大している状況だから、世界各国が国債を発行して持ち合うような形になっている。つまり日本だけが国債を大量発行している状況ではなくなり、アメリカも英国も中央銀行が国債の購入に踏み切る。問題はユーロですが中央銀行による国債の購入は出来ない。

日本もアメリカもほぼゼロ金利であり、超低金利の国債を買うようなところは各国の中央銀行ぐらいしかなくなるのでしょうが、各国が同じ事をすれば相対的に強弱なはくなり中央銀行による国債購入も皆でやれば恐くないと言う事なのだろう。

韓国のような通貨の弱いところは通貨スワップでドルを調達して危機を切り抜けていますが、日本やアメリカが韓国のウォンを貰っても使い道がないわけで、韓国はウォンという紙切れを刷って渡してドルや円を使っている。ドルや円は強い通貨であり、だから金利もゼロ金利でも資金需要は強くて中央銀行が国債を買って紙幣を供給してもまだ足らない。

「株式日記」ではドルの崩壊を書いてきましたが、新興国の受けたダメージの方が大きくてFRBが各国の中央銀行と結んだ通貨スワップで生き延びている。国家破綻も一カ国なら影響も少ないが、新興国が軒並みデフォルトすると大混乱が起きるから日本やアメリカが通貨を供給して破綻を防いでいる。

1997年のアジア経済危機の時は日本が円を供給してアジア通貨基金を作ろうとしたが、アメリカが反対して潰された。だからタイもインドネシアも韓国もIMF入りして過酷なリストラを強いられましたが、今回の危機はアメリカの金融機関が大元なのだからアメリカはドルを供給する義務がある。

当面は中央銀行が国債を購入して通貨を供給して破綻を防がなければなりませんが、いつまでも続けられるものではない。借りた金は返さなければならないが返せるかどうかの不安が出てきた場合に弱いところから経済破綻が起きるのではないだろうか。日本とアメリカはゼロ金利で円キャリーやドルキャリーで貸しているが、日本やアメリカの金利が上がり始めたら新興国は金利の支払いにギブアップするだろう。

今は円キャリーやドルキャリーで資金が供給されて一息ついていますが、二年前に起きたような逆円キャリーや逆ドルキャリーが起きれば韓国をはじめ新興国は破綻する。つまりドル暴落よりも新興国の経済破綻を心配しなければならないのであり、中国にしてもアメリカやEUへの輸出で稼いできましたが、アメリカも中国の為替介入を放置は出来なくなり、元高になれば輸出産業は全滅して新興国の仲間入りだろう。

ロシアもドルを稼いで溜め込んできましたが外資が逃げてしまうと景気は一気に冷え込んでしまった。中国も54兆円の国内景気対策で持ち直すと宣伝していますが、もっぱらインフラ整備に使われて、消費需要に繋がるものではないようだ。車や家電を買うと補助金が付く政策も限られたもので、輸出産業が中心の経済が回復しないと高度成長も元には戻らない。

日本も輸出頼みの経済構造であり、車や家電に補助金をつけても効果は限定的だ。不思議なのはこれだけ国債を発行してもインフレにならないことですが、信用収縮が起きている時は、信用収縮した分を国が埋めなければならない。金融機関が作り出した信用は膨大だからいくら国債を発行してもその穴が埋まらない。日本は1000兆円の国公債を発行してもまだデフレ経済であり、学者の経済理論は外れてばかりいる。

アメリカのFRBが国債の購入に踏み切ったことは景気対策とインフラ整備と中国の牽制に対する一石三鳥の政策であり、日本も国債を日銀が買いとる政策を拡大して続ける必要がある。いつまで続けるかはデフレが収まるまで続ける必要があると思う。




日本の潤沢なカネをロシアに投資していくということになれば、
アメリカは儲けの機会が減る。カネだけではない。安全保障上も問題だ。


2009年4月26日 日曜日

汚名 国家に人生を奪われた男の告白 鈴木宗男/著


鈴木宗男のこの本がおもしろい 4月26日 二階堂コム

「国策捜査」

 このネーミングを広げたのは鈴木宗男だ。いうまでもなく、検察の横暴を批判したネーミングだ。

 一連の「ムネオ事件」の真実がどこにあるかはわからないが、私は鈴木宗男の一連の主張を同氏の過去の著書で読んできた。いくつかの著書では正直「恨み辛み」色が多かった部分が多いように思えたが、汚名 国家に人生を奪われた男の告白はそうでもない。実に冷静に書かれている。ライターがうまいのか?という皮肉は除いてもだ。

 かつて、私は鈴木宗男という男に二回会っている。一度はある人の紹介で議員会館にて。その次は、2006年10月9日に新宿のクラブハイツで開催した「史上最強のネットラジオ」である。二回目、このイベントの最中、500人近い観客の中で、私は鈴木宗男に質問した。

 「あなたを逮捕させたのは、福田康夫ですよね?」

 このとき、一緒に出演していた平野貞夫さんは私の顔を見てにやにやしていたが、当のご本人には、話をはぐらかされてしまった。まぁ、当たり前なのだが。しかし、この本では「ハメたのは福田康夫だ」と明確に述べている。記者とのオフレコで「鈴木宗男の捜査はどんどんやった方がいい」と言った福田康夫の姿が書かれているのだ。

「5月にも最高裁判決が出て、議員を失職する可能性もある」と噂される鈴木宗男衆議院議員。昔は、「胡散臭いオッサンだ」と思っていた。交友関係などをみても、正直危ないとおもっていた。ただ、実は鈴木宗男はシロではないだろうか。少なくとも、検察の作った容疑事実に関しては。私はそんな気がする。大体、政治家であるならば、一ミリもやましいこと、というか、法律を超厳密適用すれば逮捕される人間が99%だ。私は鈴木宗男が好きでも嫌いでもないというか、「いじるのにおもしろい対象」というのが正直なところだし、むしろその立ち位置で人を見るのが一番だと思っているのでそうしているのだが、今立件されている事件の事実に関しては、シロというのが私の感触だ。

 ところで、鈴木宗男はなんで、あんな訳のわからない国策捜査・・・というか検察に立件されたんだろうか。福田康夫が言ったからだけではあるまい。むしろ、福田康夫なんてのは小物のメッセンジャー。やはり、鈴木宗男はアメリカにやられたような気がする。なにせ北方領土返還をやっていたのだ。橋本龍太郎ー小渕恵三ー森喜朗のラインで日ロ交渉をやっていた人間だ。

 日ロ交渉が成功し、日ロ平和条約が結ばれたとすれば、北朝鮮事案も有利に進めることが出来ただろうし、新たなアジア経済圏も出来る。地の利も悪くない。そうすると困るのは誰か。筆頭はアメリカであろう。影響が出るのは目に見えている。日本の潤沢なカネをロシアに投資していくということになれば、アメリカは儲けの機会が減る。カネだけではない。安全保障上も問題だ。それがなにより、アメリカにとって困ること・・・そう思わないだろうか。

 小泉政権で鈴木宗男はパージされた。「清和会はアメリカと近い」「清和会と検察首脳は近い」という都市伝説があるが、やはり、鈴木事件に始まる”変な検察事件”と、その後の小泉時代の郵政民営化その他、「アメリカ売国政策」は、”アメリカー清和会ー検察”、というルートがあってこそなされたような気もする。ただ、同じ清和会でも森喜朗は、急遽代打で橋本派から変わったばかりなので、何もしなかったのだろう。(そういえばちょっと森のおとうさん・・・この前映画見たけど・・・ぽや〜っとしてる感じだし・・・。)ということは、森のあとから、”アメリカー清和会ー検察=わけわからん捜査と売国制度”がなされたような気がする。

 話がそれた。鈴木宗男は本書の中で「飲んで相手を知り誠意を持って人と話すのがいつでもどこでも基本」という趣旨のことをいっている。そりゃそうだ。それがネタ取り、ひいては交渉の基本だ。その意味で、人間は話せばわかるという生き物なのかもしれない。

 残念ながらこの本の終章の方には、あまり納得できない事も書いてあった。それに、なんとなく左がかった無責任とも思える活動も記載してあるが、それを差し引いても、十分、この本は読むに価する本だ。読むに価・・・というより、なんとなく”ムネオ”に親近感がわいてしまう本だと思う。

 私もしょっちゅうというかいわば毎日、議員会館にいっているが、また今度、鈴木宗男事務所を覗いてみようとおもう。できれば、同じ北海道出身として、ゆっくりと酒でも飲みながら鈴木宗男の話を聞いてみたいものだ。



佐藤優著『国家の罠』を読んで 2005年04月16日 平岩優

本屋で平積みされていた佐藤優著『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社刊)を手に取った。奥付をみると、発行されてからわずか10日しか経っていないのにすでに2刷である。

 著者はマスコミから「鈴木宗男の意向を受けて外務省を陰で操るラスプーチン」として疑惑報道の集中砲火を浴びせられ、その後逮捕された元外務省国際情報局主任分析官といえば思い出す人も多いだろう。小渕政権下で2000年までに日ロ平和条約を締結するために発足した「ロシア情報収集・分析チーム」のリーダーを務め、「鈴木氏と行動を共にする機会が少なからずあった」という。
 著者はこの2月17日、東京地裁で背任・偽計業務妨害罪により懲役2年6ヶ月執行猶予4年の判決が言いわたされ、即日控訴している。

 当時のことを思い出して欲しい。「自民党をぶっ壊す」と息巻いた小泉政権が誕生して田中眞紀子氏が外務大臣に就任。2人の人気はマスコミに煽られて最高潮に達していた。一方、鈴木宗男議員は橋本・エリツィンの平和条約締結に向けた流れを引き継いだ小渕、森政権下で、対ロシア外交の先兵を務め、外務省に強い影響力をもつていた。

 その外交族の鈴木宗男氏と田中外相に軋轢が生じると、当然のごとく鈴木宗男議員は悪役を割り振られる格好となる。しかし結局、外務省は田中眞紀子氏を放逐するために鈴木宗男の政治的影響力を最大限に活用し、「用済み」となった鈴木氏を整理。この過程で鈴木宗男と親しかった著者も整理された。

 権力を巡る争いとしては、なるほどさもありなんという話である。しかし、重要なのは著者が指摘する、この争いの結果として生じた外務省の大きな変化である。

 著者によれば、冷戦構造の崩壊後、反共イデオロギーに基づく親米路線は存在基盤を失い、外務省内部では異なった3つの潮流が形成された。第1の潮流は今後、長期間にわたってアメリカの一人勝ちの時代が続くので、これまで以上にアメリカとの同盟関係を強化しようという考え方。第2の潮流は日本がアジア国家であることをもう一度見直し、中国との安定した関係を構築し、その上でアジアにおいて安定した地位を得ようという考え方。第3は日本がアジア・太平洋地域に位置するという地政学を重視し、日・米・中・ロ のパワーゲーム時代の中で、もっとも距離のある日ロ関係を接近させることで、両国および地域全体にとってプラス効果を狙うという考え方である。

 そして、これらの外交潮流は田中眞紀子氏が外相をつとめた9ヶ月の間に、「田中女史の、鈴木宗男氏、東郷氏(外務省欧亜局長)、私に対する敵愾心から、まず「地政学論」が葬り去られた。それにより「ロシアスクール」が幹部から排除された。次に田中女史の失脚により、「アジア主義」が後退した。「チャイナスクール」の影響力も限定的になった。そして、「親米主義」が唯一の路線として残った」という事実に帰着する。

 一方、「ロシア情報収集・分析チーム」をめぐる捜査の方は著者を含めた2名の外務官僚、斡旋収賄容疑の鈴木宗男議員、偽計業務妨害容疑で3名の三井物産社員が逮捕されたことで、唐突に終了する。いわば、トカゲのしっぽ切りである。鈴木宗男議員と「ロシア情報収集・分析チーム」のロシア工作は森前首相の官邸主導で行われていたからだ。
(後略)


(私のコメント)
日本にはアメリカのCIAのような機関はない。つまり防諜機関も無いわけで外国のスパイを取り締る機関はないわけだ。だから東京ほど外国のスパイにとっての天国は無いわけで、捕まりそうになれば大使館に駆け込んで本国に逃げてしまえば日本政府はどうすることも出来ない。そしてスパイたちは政治家や官僚にアプローチしてきて罠を仕掛ける。

日本には防諜機関がないから、そのような活動も阻止する事が出来ない。有力政治家ともなればあちこちからアプローチがあるだろうし、金銭の提供の申し出があれば一も二も無く受け取ってしまうだろう。外国の機関からもらう金は足が付きにくいから政治家にとってはありがたいカネだ。

佐藤首相の頃まではCIAから金をもらっていたし、旧社会党もソ連から資金援助を受けていた。つまり日本の議会は買収され放題で、これは民主主義国家の宿命みたいなものだろう。もちろん欧米諸国も例外ではなく中国やイスラエルなどは国策としてスパイ機関が買収に動いている。選挙などがあれば金が必要だから政治家はどこからでも金をもらうだろう。民主党が中国や韓国北朝鮮の代理店のようになってしまうのもカネのせいだ。

西松建設にしても外国で造られた裏金が日本に持ち込まれて金が配られている。外国を挟んでしまえば足が付きにくいから政治家にとってはありがたいカネだ。タックスヘイブンが情報公開されるようになれば一番困るのが政治家たちだろう。官僚たちもいったん外国に出ればやりたい放題で、外務省の官僚は外国の大使になれば閣下と呼ばれて一回やれば豪邸が建つ。

鈴木宗男氏や佐藤優氏の本などを読めばヒントみたいな事は書かれているのであり、選挙になればロシアだってカネが必要で、鈴木宗男氏や佐藤優氏はロシアの要人にカネを提供して北方領土問題を解決しようとした事を推測させるような事が書かれている。もちろん本人たちは否定しているが、国際常識として政治家の買収合戦は当たり前の出来事だ。

佐藤栄作首相にしたって非核三原則を出す代わりにアメリカから金を貰ったのだろう。そうすればアメリカにとっても日本の核武装の恐れがなくなるわけであり、佐藤首相は国を売って金をもらったと推測できる。しかしこれは密約だから誰にも分からない事ですが状況証拠で判断すれば推測できる事だ。沖縄の返還も日本からニクソンの選挙資金として金が渡って帰ってきたものだ。だから北方領土も金を渡せば解決が付く事ですが90年代ならそのチャンスがあった。


題名:No.474 M資金について 2001年06月13日  ビル・トッテン

米国のCIAが、共産主義の拡大を防ぐなどの目的で自民党に多額の資金援助を行ってきたことが、1994年10月19日付けの『ニューヨーク・タイムズ』紙の一面で取り上げられ、このOur Worldシリーズでも紹介しました(詳しくは、Our World「自民党のスポンサーはCIAだった」(No.14)をご参照下さい)。今回は、『エイジアン・パースペクティブ』という雑誌から、戦後日本にずっと存在してきたといわれる秘密資金に関するノーバート・シュレイ氏の論文をお送りします。日本の真の民主化を阻害するために使われているというM資金の存在について言及したものですが、日本では、詐欺事件で経営陣が退陣する企業が多く出ていることなど、M資金そのものより詐欺事件として注目されることが多いようです。

安保改正とともに、ニクソン副大統領はM資金の管理を日本にすべて任せることに合意した。ニクソンのこの行動は腐敗した政治的駆け引きの一部だったのではないかといわれている。すなわち、ニクソンは大統領就任への支援と引き換えにM資金の管理を日本に任せ、大統領になった暁には沖縄を日本に返還することを約束したというものだ。


(私のコメント)
民主主義国家にとっては選挙は政治家にとって泣き所であり、アメリカの大統領選挙でも日本の資金が出ている事は当然推測が出来る事であり、ニクソン支援と引き換えに沖縄が帰ってきた。オバマが大統領になれたのもクリントンが選ばれたら大変だと言う日本からの資金が大きく動いた為だろう。ビル・クリントン大統領が日本叩きをしたのも宮沢総理がブッシュが再選されると思ってブッシュを支持したためだ。

鈴木宗男氏もエリティンやプーチンとの人脈を生かして動いていたのでしょうが、アメリカとしては北方領土問題を解決される事は好ましい事ではない。だから鈴木宗男氏は佐藤優氏とともに失脚させられたのですが、これが国策捜査だ。二階堂コムで書かれているようにロシアスクールやチャイナスクールは粛清されてアメリカンスクールが主導権を持っている。

アメリカにとっても日本に米国債を買ってもらうためには中国やロシアと仲良くされるのは困る。その番人として在日米軍もあるのであり、アメリカのいう事を聞かない小沢一郎のような人物が政権を取る事は望ましい事ではない。クリントン国務長官が2月に日本に来た時も小沢代表と会見しましたが、小沢は米国債を買い続ける事は断ったのかもしれない。ならば麻生内閣を梃入れした方が良いと判断したのかもしれない。

プーチンにしても選挙になれば金は必要なのであり、数兆円程度の資金を提供すれば北方領土も返って来る事もあるだろう。韓国が竹島を領有しているのもカネが目当てだ。北朝鮮の拉致問題も核やミサイルも目的は日本のカネであり、領土問題を解決するには巨額な金を効果的に使えば解決されるのではないかと思う。その為には裏工作が出来る諜報機関が必要なのです。竹島も北方領土も法的には明らかに日本の領土ですが、韓国もロシアも金目当てで占領しているのだ。




中国は自国で開発するのではなく、他国が開発したものを横取りして
一気に経済先進国なろうとしているが、ジンバブエのようになる。


2009年4月25日 土曜日

中国が「IT情報強制開示」日本に通告 影響1兆円…WTO提訴も 4月25日 産経新聞

中国政府が日本に対し、中国国内でIT(情報技術)関連商品を販売する際、ソフトウエアの設計図など詳しい情報の提供を義務付ける「強制認証制度」の導入を通告してきたことが24日分かった。一昨年8月に中国が導入方針を表明して以来、日米欧は反対してきたが、中国側は今回、5月1日までに制度の内容を公表して導入を強行する姿勢をみせている。日本などの関係業界は知的財産権保護などの観点から強く反発しており、日本は世界貿易機関(WTO)への提訴も辞さない構えだ。

 中国政府は、家電製品などの安全性を審査する強制認証制度の対象にネットワークのセキュリティー関連の機器やソフトを加える考え。ICカードの基本ソフト(OS)や、コンピューターウイルスの侵入を防ぐソフトなど計13種類で、これらを組み込んだデジタル家電などが幅広く含まれる可能性がある。現地法人も含め日系企業の関連製品の中国出荷は、計1兆円にのぼるとの試算もあるが、認証を受けなければ販売できなくなる。

 中国側の認証を得るためには「ソフトの設計図である『ソースコード』の開示を求められる可能性がある」(電子情報技術産業協会=JEITA)とされている。中国政府は開示された情報は外部に漏らさないとしているが、仮に流出すれば、ハッキングやコピー商品製造などで「知的財産の権利が侵害されかねない」と日本の電機業界は懸念している。

 中国は一昨年8月、制度導入をWTOに通告。「情報セキュリティー対策に必要だ」と主張し、今年5月1日から導入する方針を示していた。その後、制度の詳細を明らかにせず、今年3月にいったんは導入を延期するとしていた。しかし、最近になって「制度の詳細について5月1日までに公表する」と日本側に通告してきたという。関係業界への周知や準備期間を設けたうえで、導入に踏み切る意向とみられる。

 これまで日米欧は「国際的に例がなく、貿易を阻害する」と強く反発してきた。二階俊博経済産業相は24日の記者会見で「あらゆるレベルで中国に再考を求めている。近く行われる日中首脳会談でも日本の関心事項として言及されるだろう」と述べた。

 経産省は、制度内容によっては、WTOの「貿易の技術的障害に関する協定」(TBT協定)違反での提訴も検討する。


中国にジンバブエ・フラグが立ったのかも? 4月25日 the NaKed Moon ++

ソースコードというのは、コンピューター言語で書かれた製品の設計図で、各企業は莫大な資金をつぎ込んで開発をしています。

今回の中国の行動を例えて言うと…
「絶対使わないからクレジットカードの番号教えて!」とか、
「アナタを危険から守りたいの。だから印鑑と通帳出して。」とか、
「ウチの会社に勤めたいのなら家族全員の銀行口座教えるように。」
といったカンジでしょうか…。

中国はあせっているんでしょう。
2030年頃から一人っ子政策の反動で、強烈な少子高齢化社会に陥ることが分かっているので、あと20年くらいしか時間がないのです。

また中国は発展していっているのですから、本来であれば自然な流れとして元高になるはずなのですが、元高になると中国の安い人件費というメリットが消えてしまいます。

なので為替介入を繰り返し、元を安く維持するため元を売ってドルを買った結果が世界1位の外貨準備高なのです。

この後遺症は、元を大量に売る(市場に放出する)ことによる物価の値上がりです。秋刀魚が大漁なら市場価格は安く、不漁なら高くなる原理です。

このような為替の試練は、発展しようとする全ての国に襲いかかるもので、日本も過去にどんどん貿易をした結果、アメリカは日本から物を買うことで膨大な貿易赤字をかかえこんでしまい、それを解消するためプラザ合意という円高ドル安の合意を結ばざるを得なくなりました。

で、重要なのはここからなのですが、この為替の試練に打ち勝つには、より高く売れる商品を開発するしか道がないのです。付加価値の高い製品というヤツです。

日本は幸いにして、この試練に打ち勝つことができ現在に至っています。

でも中国はどうでしょうか?
超少子高齢化まであと20年。その間に他国より付加価値の高い製品を作ることができるでしょうか。

中国政府は無理だと判断したのではないでしょうか。それで今回のソースコード強制開示を決断したのではないかと思います。

自国で開発するのではなく、巨大な中国市場から締め出すと脅しをかけることにより、他国が開発したものを横取りして一気に経済先進国になろう…そういう国家戦略なんだと思います。

既に中国に販売された日本の新幹線は、中国の独自の技術・開発であるということになり、大々的に発表されてますしね。

この件について日本企業では日立がコメントしています。

さて、こういう著作権を守らない国はどういう結末を迎えるのでしょうか?

私が思うに、著作権を守らない、技術を軽く見る国や企業は短期的には大きく発展すると思います。なぜなら開発費やそれに付随する費用が必要ないからです。

が、長期的には疲弊し衰退していきます。著作権を盗まれた国や企業も黙って見ていないからです。対応策を打ち出してきます。その結果、簡単に技術などを盗めなくなるのです。

その上、技術を軽く見ているので自国での開発ができず、結局、技術を持った国や企業から買うしかなくなります。

技術を盗む+盗めなくなったら買うを繰り返した結果、技術を下支えする工場や中小企業が育たないということになります。自国に技術を持った国がないので他国から買うしかない…と悪循環が続いていくわけです。

これらは莫大な費用となり国や企業を襲うでしょう。

なんでそんなことが分かるかというと、某国の経済を観察した結果です。
(〃▽〃)

それで、国の繁栄に寄与している勢力に、その勢力の力の根源となっている物を無理やり奪おうとするとどうなるか?

アフリカ南部の国家ジンバブエでは、白人が所有していた農場を強制接収し、黒人農民に再配分したところ、白人農家が次々にジンバブエを離れたため富が流出し、農業技術は消えうせました。

再配分を受けた黒人農民は農業知識がなく、農作物が出来ないため、物価はどんどん上昇。ハイパーインフレーションが起こりました。

中国にジンバブエ・フラグが立ったのかも?


(私のコメント)
北京でモーターショーが開かれていますが、コピーされた車の展示でにぎわっているようです。ロールスロイスやベンツやマツダのデミオなどそっくり車が並んでいます。そっくり車程度なら笑って済ませられますが、デジタル製品のソースコードを政府に教えなければ輸入もままならないと言う事になると笑っては済ませられません。

家電製品にしても自動車にしてもソフトを組み込む事で他の製品と差別化しているのですが、ソフトこそ付加価値であり、中国政府はそれを教えろと言う事です。今では携帯電話にしても自動車にしても組み込まれているソフトプログラムは数百万ステップの巨大ソフトであり、開発には数万人のプログラマーと何年にも及ぶ開発期間がかかっている。

かかった費用にすれば数百億から数千億円にもなると思いますが、それが只で手に入れば開発費用と時間が節約できる事になる。中国国内には映画や音楽の違法ソフトが氾濫していますが、中国政府は時々違法ソフトをブルトーザーで踏み潰したりする催し物をしますが全く効果が上がっていません。

それだけ知識や技術に対する尊重の気持ちが無く、盗めば只で手に入るものという国民性は改善の見込みは無いようだ。キッシンジャーあたりは中国が経済発展すれば民主化も進んで知的財産権も尊重するようになると言う出まかせを言っているようですが、中国はどうやらジンバブエと同じ事をやっているように見える。

中国は改革開放政策で外資に対して優遇政策で企業などを誘致してきました。中国の高度経済成長は外国からの資本と技術による割合が大きくて、自立的な経済発展ではない。その証拠は中国ブランド商品が無く、外資の下請けとなっている構造だからだ。

家電製品などは同じ部品を仕入れて組み立てれば形だけは同じものを作る事が出来る。車にしてもベンツやロールスロイスそっくりな車でも性能はそっくりではない。現代の車は燃料制御も走行時のシステム制御も複雑化して、簡単にはコピーする事が出来ない。ブラックボックス化して中身が掴めない様になっているからですが、中国政府はそれを公開しろということです。

パソコンで言うならばWindowsはソースコードが公開されておらず日本の家電メーカーもお手上げで改良して差別化する事が出来なかった。Linuxならばソースコードは公開されているから中国などもLinuxのソフトを開発しようとしましたが普及せずに、WindowsのOSやソフトをコピーしてパソコンを使っている。もちろんコピーは違反ですが、中国人は安ければコピー商品でも平気で買うから純正品は売れなくなる。

今のパソコンのOSにしてもソフトにしても巨大化したソフトになっており、ゲームソフトも10億円以上の費用をかけて開発しないと製品にならない。それが秋葉原辺りに行けば中国でコピーされたソフトが5分の1ぐらいの値段で売られている。これでは中国でまともなソフト産業が育つはずも無く外国の不正コピー製品が氾濫する。

中国政府の焦りがIT情報の強制公開を迫る理由なのでしょうが、これで中国のジンバブエ化が見えてきたような気がする。ジンバブエでは白人たちが持っていた農園などを強制接収して白人たちを追い出してしまった。しかし白人がいなくなると農作物も出来なくなり農業技術も消失してしまった。その為に天文学的なインフレが起きている。

中国も進出してきた外資系企業を接収して自前の産業を育てようとしているのでしょうが、中国発のブランド商品が出来ないという事は自立的な発展は難しいのだろう。日本ならばソニーやトヨタやホンダなど日本発のブランド商品が世界に溢れましたが、中国製品で溢れているのはコピー商品か鉛入りのおもちゃや農薬入りのギョウザなどろくでもないものばかりだ。

中国の有人宇宙船もロシアのソユーズのコピー商品だし、最新鋭のジェット戦闘機もロシアやイスラエルのコピー商品だ。新幹線も国産技術で出来ているといっても外形を見れば日本製だと分かるものだ。むしろ中国人にしてみれば外形さえそっくりなら中身はどうでもいいのかもしれない。偽ブランド商品の氾濫も同じ理由であり、見てくれや外見が全てなのだ。

知的財産権などは外見としては目に見えないものであり、そんなものは自ら開発しないで盗んでしまった方が早いと考えても不思議ではない。そんなものは表紙だけの本のようなものであり中身は白紙だ。コピーすれば本は出来上がるが、そんなものはゴミに過ぎない。

もし中国でソースコードが強制公開されるような事があれば、ATMやICカードのセキュリティーシステムが盗用されて不正使用される可能性が出てくる。ソースコードが中国政府に読まれてしまうとインターネットで不正侵入されて何をされるかわからない。セキュリティ関連機器の秘密がばれてしまうのだから泥棒にカギを渡すようなものだ。

だから今回のIT情報の強制公開は非常識極まりないものであり、ジンバブエよりも中国は野蛮な政府であることを証明するものだ。アメリカ政府は昨日も書いたように戦略として中国をパートナーとして育ててきましたが、毒ガスを世界中にばら撒いたようなもので日本への悪影響も計り知れない。もっともアメリカも毒ガスのようなろくでもない国家であり、アメリカも中国も抱き合い心中して消えて欲しいものだ。




アメリカが中国と国交正常化したのは、ソ連を牽制するためだったと
言われているが、日本と西独の工業力を叩き潰すためだったと思います。


2009年4月24日 金曜日

キッシンジャー元米国務長官と握手する麻生首相=22日午後、首相官邸で


悪魔を育てたキッシンジャー博士 4月22日 中韓を知りすぎた男

キッシンジャーは南ベトナム軍の上層部に「当時米国の政権を取っていた民主党より共和党のニクソンの方があなた達に有利な条件で締結できる、」と言って相当な資金援助も約束しました。それに乗った南ベトナム代表団はキッシンジャーの作戦通りに大統領選前日に和平交渉の席をけり、決裂させました。

結果「平和公約」を掲げていた民主党を打ち砕き、見事ニクソンが,大統領に選ばれました。しかし当時ジョンソン大統領の和平交渉はほとんど締結寸前でした。キッシンジャーの邪悪な野望によって戦争終結が4年間延ばされました。

その間2万人を超える米国人と数え切れないほどのベトナム、カンボジア、ラオスの人々の命が失われました。

この裏工作と大虐殺で彼はノーベル平和賞を受賞しました。邪悪な裏の見えない政治家に贈る平和賞は殆ど間違えます。

キッシンジャーの犯した悪事の数々は、クリストファー・ヒッチンスが色々書いています。バングラデシュでの大量殺人、東チモール民族大虐殺の扇動と援助、クルド人をそそのかしてフセインに対して攻撃させ最後は彼らを裏切り見捨ててフセインに大虐殺されました。その他クリストファーはキッシンジャーの多くの悪事を書き連ねています。

しかし私が今日書きたかった事は、この二人の作家が見えていないキッシンジャーの悪事と陰謀です。

キッシンジャーの最大の罪は悪魔の巣窟、中国の竹のカーテンを無理やりこじ開けて毒ガスを世界中に撒き散らした事です。彼はソ連を牽制するために野蛮国中国を世界のグランドに招きいれました。そして中国と取引して台湾と日本を見捨てました。

中国と手を握る事によってソ連を孤立化させました。敵の敵は味方を実践したのです。しかしこの策謀家の最大の弱点は権力欲と金銭欲です途中からミイラ取りがミイラになってしまったのです。

当初彼は、一党独裁の共産国であり、国民を過酷な統制下においていた中国を経済発展させれば資本主義開放経済への道を進みやがては中国も民主国家へとなっていくと思っていました。そして中国発展のために彼はあらゆる便宜を図りました。

ところがこのずる賢い極貧国家中国がキッシンジャーの予測以上に経済発展をとげ魔王に育ってしまったのです。そしてこの悪魔は目もくらむぐらいの大金でキッシンジャーを中国の走狗にしてしまったのです。

中国はキッシンジャーを使ってアメリカ政権内部に入り込み信じられない大金を使ってクリントンを大統領にしました。

中国はクリントン大統領夫妻や民主党有力政治家と癒着して国防総省の機密情報が大量に北京にながれ、ミサイル技術や核弾頭の技術まで中国は手に入れてしまいました。

いまや米贈賄工作は官僚の末端まで浸透して、中国スパイは捕まる事もなく大手を振って政権内を闊歩しています。これは私の妄想ではありません。クリントン夫妻がワン・ジュンというスパイから何回も賄賂を受け取っていた事はアメリカでは周知の事実です。

中国に取り込まれてしまったアメリカを眺めた時、アメリカが日本を守ってくれるなどありえない、核の傘は存在しないと言う事が分かっていただけたと思います。

これら一連の流れを作り日本滅亡に手を貸しているキッシンジャーを2千500万円の大金を払って日本に招き日米関係などを拝聴するなどバカらしくて涙が出ます。



コメント1

一生眠れるブタで居続けさせているのが賢明だったのに
中国を今日の醜悪で傍若無人な、ならず者国家に育ててしまったキッシンジャーの罪は大きいですね
しかし日本にも多少、責任があるのではないでしょうか

アメリカが中国と国交正常化したのは、ソ連を牽制するためだったと言われているが
もう一つ、アメリカはアメリカ工業を脅かす存在だった日本と西独の工業力を叩き潰すためだったと思います

当時、世界から孤立していた中国を国際貿易の中に組み込み、工業国家にすることで世界中をデフレ状態(生産過剰)にし
工業国家であった日本と西独の国力を削ぐのが目的だったのではないかと思います

就労人口が多く、人件費が安い分、日本や西独と中国とでは中国に分があるのは論を待たないでしょう

アメリカはベトナム戦争中で、国力を疲弊させており
同時に日本の対米輸出攻勢で産業が大打撃を受けていた
アメリカに守られながら、対米貿易で経済成長する日本
アメリカの日本に対する怨嗟は凄まじいものがあったのではないでしょうか

中国を国際貿易に組み込み、工業国家にすればデフレで日本や西独のみならず、アメリカも唯では済まないはずだったが
アメリカは金融国家として生き延びる道を選択した


日本はこの時、軽武装&経済重視からの政策転換を図って
アメリカと共同して東アジアの安全保障に責任ある行動を取るようにしていたら
現在は異なる状況だったのかもしれません
今更ぼやいてもしょうがないですね
これから、どう日本の安全と独立を確保維持していくのか
安全で独立した日本を子孫に残していけるのか
知恵を絞って考えていきましょう


コメント2

80年代以降の米国の仮想敵は日本

私もxpさんと同じ見解で、

80年代以降「米国の仮想敵は日本」になったのだ、と思います。

何故か?それは80年代に「米国は日本に負ける危険性を感じた」からです。
そして米国は、日本経済の強みが、政、官、済の共同体システムにあると見抜いた。
まず米国はその共同体を破壊するために、脱米国支配を目指す政治家(角栄等)を潰し、自民党の主流派を従米派で固めました。

それから、マスコミを利用した官僚叩きが始まったのです。
日本官僚の頂点であった「大蔵省」が解体(ノーパンしゃぶしゃぶは忘れません)された(今の財務省主流派は従米派です)のをはじめとしたマスコミの官僚叩きの全ての動機はこの「日本弱体化」です(今は郵政解体と社保庁叩き、農林中金の資産強奪、次はNTT再分割とNHK民営化かな?)。

そして米国は「日本封じ込め」のために中国との実質的な同盟を選びました、この選択は同時に「中国は決して米国を凌ぐ強国にはなれない」と考えていることの表れかもしれませんが。
(「何時でも革命工作で中共をひっくり返すことが出来る」とも思っているかもしれません、しかし中国も甘くはなく、歴史的に優れた戦略論文化を持っているだけあって、逆に米国中枢に食い込んでいますけどね。)

大東亜戦争で共に日本と戦った事を絆(建前)に、米中同盟で日本を押さえつけているのです。
従軍慰安婦問題追求や南京大虐殺映画に米国が協力的なのも、米中共通の対日工作だからです。
この歴史問題攻撃に対する対処方法は、米国は「国民のみなさまの国」なので民意には逆らえませんから、米国民に事実を訴えていくしかないでしょう。

あと、今の日本で組織的に「国益を考えた戦略」を遂行出来る能力を持っているのは官僚だけです、マスコミの安易な官僚批判に流されずに、逆にマスコミの過剰な迫害に怒っている官僚と売国マスコミに反撃していきたいものですね(放送法改正等で)。

コメント3

管理人さんの素晴らしい記事、ならびに皆様の深い知識に敬意を表します。

日本は支那、朝鮮半島を睨んだ直接的な政策と同時に、米国の出方をも十分に考慮した国防を考えなければなりません。ネットに触れることの無い方々には、非人道的な政策をおこなう国家といえば支那がその代表の様に思われていますが、米国もそれに勝るとも劣らない国家であることを理解してもらわなければなりません。

“自由と平等の国”などと自ら評してみても、歴史の浅さからくる他の国家への“潜在的なコンプレックス”は隠しようもありません。日本人にも同様の性質を持つ方々が山の様にいます。古来より連綿と続くバックボーンとなるモノを持たない。国民が共有する価値観に沿えない、沿いたくない…そういった方々です。

普通の日本人であれば、自国の文化や価値観に自信を持ち、恥じることなく世界と対することができる筈です。しかし、そうでない方々もいます。そういった者達は自信が持てない故に“大多数の中の一人”であることに我慢がなりません。そして過剰なほどに“力”や“成功”といった「目で見てわかるもの」に依存します。そして“正義”“平和”“平等”といった一見「反論できない文言」を好んで振りかざします。

自らが拠って立つモノ、価値観を持たないものは、他人のソレにも無頓着です。自らの思い込んだ倫理、価値観を押し付けます。力を持つものがリーダーとなり、“成功”者はこそが称えられるものだと思い込んでいます。結果こそがすべてであり、経過は“後付け”でどうとでもなると思っています。成功者(の一部)が慈善事業などにご執心なのはその最たるものでしょう。

米国は国自体がそういった存在だと感じます。ある意味、人や国家といった存在の“純粋な姿”とも言えなくもありませんが、理性や品位を第一とする人や国家にとっては、ちょっと始末に負えない存在であるとも言えます。…もちろん、日本には無い、真似のできない良いところも多くあることを認めた上での話です。

私は、現状の米国との関係を最低限維持しつつも、防衛機軸は欧州との関係を重視していくべきだと考えます。顕著な例を挙げて言うならば「空自の時期FXはユーロファイターとする」と内々に米国に突きつけても構わないでしょう。

もちろん不慣れなインターフェイスや統合的なデータリンクの問題、整備運用面での初期リスクは十分に考慮した上でのことです。向こうは日本が顧客となることを強く望んでいます。F-22と対照的に、様々な技術を開示し、ライセンス生産なども認める方針です。同時に日本という一流の技術国家が、兵器開発に大きな飛躍を与えてくれることを期待しています。

支那の工作が米国の政策を揺さぶり、その都度日本の国防が揺らいでいるようでは話になりません。欧州と共同で第5世代、第6世代機の検討・開発を開始すべきです。米国に軍事転用可能な技術を一方的に吸い上げられつづけるよりも、欧州から「日本の技術が無ければ困る、日本を守らなければ自分達の安全に直接的な被害を被る」…そう思われる環境を構築することこそが重要だと考えます。

米国のF-22の生産中止は単に対費用効果の問題ではないでしょう。おそらく極東の今後のパワーバランスを考慮しての事だと思います。その一因に支那の工作があったことは十分に予想できます。このままいけば、米国と支那の国益の狭間で踊らされ続ける…そういった危険が現実のものとなりつつあるのではないでしょうか。明確な敵意を持っている支那、朝鮮半島。潜在的な敵意を持ち国益最優先の米国。状況次第でどう動くかわからない露西亜。まさに日本の動き次第で“どうとでもなる”…そういった状況なのだと思います。

正直なところ、露西亜のような国とは「表面上笑顔で握手しながら、実は満身の力で握り合い隙をさぐる」といった関係しかありえないと思いますが、そのような状態こそが、双方共に平和でいられる状態でもあるのだとも思います。…ですが、毅然とした意思と、当たり前の実行力を持たなければ“敵”とも見なしてもらえません。今の日本は米国、露西亜、支那から見るとせいぜい“餌”といった所でしょうか。

核の保有、なによりも情報戦に対する認識と対策を十分に論議しつつ、主権国家として当たり前の、自らの毅然とした意思による国防を構築しなければなりません。当たり前の“大人の国家”になった上で、安全保障や価値観を共有できる国家との同盟関係を積極的に結んでいくべきでしょう。



(私のコメント)
日本の政治家や官僚から見れば、アメリカと中国が連携を組んで日本やドイツを叩き潰しに来たという事実は信じたくない事だろう。しかしキッシンジャーがしてきた事を分析すれば、アメリカの大戦略が見えてくる。しかし日本の多くの政治家や官僚たちにはその事が見えていない。むしろ米中対決による新たなる冷戦時代が来ると見ている人も多い。しかしそれは間違いであり中国は非対称戦略でアメリカを包囲するだろう。

アメリカの政治家やシンクタンクの研究員だってキッシンジャーに踊らされているのであり、彼の考えている事は言っている事よりもやった事を冷静に分析する事が大切だ。キッシンジャーはアメリカの国益よりも自分の利益を最優先しているように見える。そこが中国の恐ろしさでキッシンジャーも買収されてミイラ取りがミイラになってしまったのでしょう。

ベトナム戦争の和平をぶち壊して二ケソン政権を誕生させたのもキッシンジャーなら、イランとの和平をぶち壊してレーガン政権を誕生させたのもキッシンジャーだ。ブッシュ大統領をイラク戦争に踏み切らせたのもキッシンジャーであり、アメリカが大きく動いた時にはキッシンジャーの影が見え隠れする。中国にすれば彼を買収してしまえばアメリカを自由に操れると考えても不思議ではない。

日本に諜報部があればキッシンジャーを逆買収してしまえば良かったのでしょうが、日本には諜報部もないしアメリカの意図を分析できる情報部もない。たとえ作ったとしても人材がいないし外国の諜報の罠にはまっておかしくなるだけだろう。しかしこのような謀略戦は時代遅れのものであり、インターネットを使った公開された情報戦の方が効果的だ。

謀略はばらされてしまえば謀略ではなくなり、何の効果もなくなり、かえって対抗措置をとられて逆効果になる。キッシンジャーの行動も逐一分析していけば何を考えているのか良く分かるのであり、六カ国協議も米中で日本を封じ込めるための機関だと思えば日本も対抗策を打って行けばいい。

キッシンジャーは生い立ちからしてドイツ嫌いであり日本嫌いだ。日本が特にユダヤ人を虐殺したわけではないが、中国人たちから大戦中の日本軍の残虐性を吹き込まれているのだろう。キッシンジャーの戦略とすればチャイナカードを使ってのソ連崩壊は大成功であり、日独の工業力を封じ込める事にもある程度は成功している。アメリカは金融を国策産業としていけば、世界覇権を恒久的に維持できると計算した。

アメリカの金融業界にとっては中国は宝の山であり、ゴールドマンサックスは中国との金融で大きな利権を獲得してきた。キッシンジャーも中国との口利きビジネスで利権を拡大してきた。中国のような独裁国家では政府高官とのコネが絶対であり、中国の政府高官とのコネを作るにはキッシンジャーを通さなければならなかった。このように見ればアメリカの要人が親中国になるのは当然であり日本の影は薄くなっていった。

オバマ大統領にしても中国に取り込まれるのは時間の問題であり、クリントン国務長官は80年代から中国から金をもらって政治活動をしている。中国の汚い外交のやり方は独裁国家である限りは止めさせる事は出来ない。キッシンジャーなどは中国が経済発展すれば民主化が進んで洗練された民主主義国家になると思っているが、現代の中国にその気配はない。

去年のオリンピックにしても完全に封鎖された空間で行なわれて中国の観客の姿が見えてこなかった。ロシアにしてもソ連の崩壊で民主化が一気に進むかと思われましたが、ロシア人には民主政治は向かないようだ。ロシアですら無理なのなら中国で民主政治が出来るわけがない。むしろ国家資本主義体制となって限りなくナチスドイツに似てきた。

面白い事にアメリカも国家資本主義化しているのであり、金融機関も自動車会社も国営化されつつある。つまりアメリカも中国もロシアも国家資本主義国となり、強力な政治指導者と強力な軍隊とによる国家運営がなされる国となり、自由な言論活動や政治運動などは抑圧されるようになる。アメリカも9・11以降は大きく変質してきている。

アメリカ、中国、ロシアが似たような政治体制となるのは巨大国家の宿命であり、大統領には強力な独裁的権限が与えられる。議会はあっても政府の翼賛機構であり、議会が大統領を弾劾できるのはほとんど不可能だ。それに比べると日本の総理大臣はコロコロと代わり多数派工作が大変だ。米中ロがこんな事をしていたら国家が分裂してしまうのであり、過剰な愛国主義教育と軍事増強への姿勢は日本とは相容れないものだ。

このように国家体制が異なってくると国家の価値観も異なってくるのであり、当然アメリカと日本とでは利害も対立する面が出てくる。アメリカもロシアも中国も有人宇宙船を打ち上げていますが日本やヨーロッパの国は有人宇宙船は打ち上げていない。国家の威信を第一と考えるか実利を優先するかの価値観の違いが現れてくるのであり、オリンピックのメダル争いで夢中になるのが米中ロだ。

アメリカがこのまま中国やロシアのような国家資本主義国となるか、昔のような民主主義国に戻れるかはアメリカ次第ですが、金融資本主義モデルが崩壊した以上はかつてのような繁栄は取り戻せない。アメリカは中国やロシア並みの国家に衰退していくのであり単なる大国に過ぎなくなる。

従来の見方からすれば、民主主義国である日本とアメリカ対独裁国家の中国ロシアという見方ですが、これからは国家資本主義国の米中ロ対議会制民主主義国の日本とEUという見方をしていくべきなのだろう。90年代のアメリカの日本叩きはこのような価値観の違いから生まれてきたものであり、在米日本企業への嫌がらせは中国における反日デモと共通したものだ。だから国家主義的な資本主義は米中で共通している。

アメリカ人と中国人は大国主義的であり大言壮語する点でもよく似ている。過剰な愛国教育で中国人は五星紅旗を長野市を埋め尽くした。アメリカ人もまた9・11では星条旗を振り回しましたが、日本人から見ると異様さを感じさせるのもだ。それだけの事をしないと国家として纏まれないのであり、キッシンジャーのような謀略家が必要だ。

従来の超大国であったアメリカならばキッシンジャーのような謀略家は有害無益の存在であったが、70年代から衰退を始めたアメリカはキッシンジャーを必要とした。上手く行けばいいが9・11のような謀略事件も起きるようになって、アメリカは世界から孤立して行くことになる。北朝鮮に対するアメリカの不可解な態度も謀略を感じさせるのですが、ゲーツ国防長官もキッシンジャーの指図で動いているのだろうか?




構造改革の名の下に米国のコンサルタントが大挙、東アジアの金融
政策を牛耳ってきて、地場産業を支える金融機関が壊滅してしまった。


2009年4月23日 木曜日

縮む世界経済と韓日 4月3日 大阪産業大学 経済学部  本山 美彦 教授

世界経済は一体どこに向かっているのか。かつて経験したことのないような経済危機を前に人々の不安感が高まっている。資本主義の総本山というべき米国が危機の震源であり、「資本主義の終末ではないか」という議論まである。世界経済の現実をどう見るべきなのか。アジアで韓国と日本はどのような協力体制を築くべきなのか、大阪産業大学・本山美彦教授に話を聞いた。

 ――世界経済の現状は「百年に一度」の危機ともいわれている。欧米の大手金融機関のパニックが起こり、米自動車業界が苦境に陥るなど、ダメージが世界に広がっているように見えます。

 「百年に一度」という表現は、それほど間違ってはいないと思います。もちろん、いまの金融危機を招いた最大の責任者であるグリーンスパンの居直り発言は、それだけで糾弾されるべきです。ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM、米国コネチカット州に本部を置いて運用されていたヘッジファンド)が破綻した直後の1998年に、米商品先物取引委員会(CFTC)委員長のブルックスリー・ボーンが野放図な金融の動きを規制しなければ、「経済が重大な危機にさらされる」と規制法案作りを開始した時、そんなことをすれば戦後最大の危機に世界が陥るとして法案を撤回させた首謀者がグリーンスパンだったのです。

 クリントン政権下のルービン財務長官、サマーズ財務副長官も恫喝に加わりました。ルービンは91年に「金融近代化法」を作成し、大恐慌の教訓に基づく銀行・証券・保険業務の兼営を金融機関に禁ずる「グラススティーガル法」を破棄して、兼営を認可してしまいました。さらに、グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)前議長はルービン辞任後に財務長官に昇進したサマーズとともに、金融派生商品に対する政府管理の強化に反対する報告書を99年に提出しました。00年には「商品先物近代化法」がグラム共和党上院議員の手で成立し、商品先物の規制が禁止されました。

 グリーンスパン、ルービン、サマーズが、現在の米国発の世界金融危機を生み出す法制的裏付けを与えた張本人たちです。金融派生商品は、1930年代の恐慌時にはまだありませんでした。現在はそれが金融危機の主因になっています。その意味では、「100年に1度」という表現は正しいでしょう。

 ――世界経済はいつごろ回復するでしょうか。オバマ政権の金融政策に対する期待度をお聞きしたい。

 私は、マスコミのオバマ政権に対する高い評価とは反対に非常に低く評価しています。もちろん、黒人を大統領に押し上げるという米国民の民主主義の奥行きの深さには、最大級の称賛を送ります。しかし、政治・経済政策となると問題は別です。この政権は、なにもできない折衷主義だと思っています。

 ルービンが作成したブルッキング研究所の「ハミルトン・プロジェクト」というのがあります。初代財務長官の名を冠したプロジェクトです。いささか異色の建国の父です。このプロジェクトの主張点がオバマの大統領就任演説の骨格を形成していました。06年4月、このプロジェクト発表の席に招待されて演説をしたのがオバマでした。サマーズ、ガイトナーなどのルービン一派のシフトがこと金融・経済政策に関するかぎり強く見受けられます。

 なによりも非難されるべきは、金融派生商品の規制方法、レバレッジ規制、金融派生商品の情報開示、監督官庁の整備等々の具体策がなにも打ち出されないまま、つまり、今回の金融危機発生の主因を取り除く作業をしないまま、やみくもに公的資金をばらまいていることです。手をつけたのは「ストレス・テスト」といって、今以上の激震に金融機関は個別的に耐えられるかの検査だけです。システムの危機なのに、金融機関の個別体力の測定しか行おうとしていない。要するに何もしていないのです。膨大な公的資金の散布は、システムの改善なしには、必ず、ハイパーインフレーションを起こしてしまうでしょう。オバマ政権の政策は、皮一枚でつながっている奈落への転落防止の皮を切断してしまい、経済を本格的恐慌に叩き込むものです。その意味で、今回の危機はさらに増幅され、向こう10年間、経済は地獄の様相を帯びるでしょう。

 ――今回の金融危機を契機にポスト資本主義論議も起こっています。資本主義はどこにいくのでしょうか。

 今後、進行するのは、新自由主義者たちが声高に要求してきた「小さな政府」のなし崩し的後退でしょう。そもそも、金融市場を支配してきたマネタリストたちは「小さな政府」信奉者でした。これは、「自分たちを自由に泳がせてくれ、一切の権力による介入は邪魔だ」という本音を、美しい言葉でごまかしてきたレトリック以外のなにものでもありませんでした。それは、「大きな権力は必ず腐敗する」という民衆の心をとらえるスローガンでした。

 では、自分たちが苦況に陥ったとき、あれほど口汚く権力を罵倒してきた新自由主義者たちが、競って公的資金に救済を求めるとはなにごとでしょうか。いまこそ、権力にはすがらない自分たちの矜恃を見せるときでしょうに。いまの米国は「史上最大の国家」です。これほど、巨大な資金を散布し、これほど巨大な軍事力をもった国家は歴史上、見ることのできないものです。しかも、オバマ政権は口約束だけの巨額公的資金散布を言っているだけで、財源の手当もほとんどしていません。誰も、FRBですら国債を引き受けないのですから。日本や中国に引き受けさせる巨大な圧力をかけてくるしかないでしょう。

 世界的に見ても、とくに、新興国は、「国家資本主義」に傾斜していくでしょう。私は、世界が再度、ナチズムの方向に向かっているという実感を持ちます。

 ――世界のGDPの80%以上を占有している諸国のリーダーが20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)の場で、合意、決定すべき最大の課題は何だと見ますか。

 米ドル一極主義を一刻も早くなくすことです。つい1年前には、「デカップリング」といって、米国が景気後退してもブラジルやインドの経済成長が世界経済を救うと喧伝されていました。今回の危機は、世界がこのような構造ではなく、ドル一極支配下にあったことを如実に示しました。

 各国が共通通貨作りに邁進することが重要です。それから、初期のIMFの理念にあったように、投機的な国際資金移動を規制し、貿易の不均衡を出さないシステムを作るという国際的な努力をすることです。いま、必要なことはドルを国際的に支えるということではありません。米国は自力で自己発の金融危機を克服すべきです。各国は、米ドルに頼らない新しい国際的協調体制を作り出すという合意を形成し、具体的に制度設計を国連総会の場で行うべきです。

 ――世界経済秩序の権力移動はどこまで進むのでしょうか。

 国家資本主義の暴風雨が、近い将来、吹き荒れるようになるでしょう。その場合、世界の権力の担い手がどこに移るかという問題設定は無意味でしょう。人々が現実に生活している地域の場の独自性の強化、地域で生きるという自覚と喜び、そうした場を作る人々の営為に各国の為政者は援助すべきです。

 民衆のサミットが世界のいたるところで開催され、生活感覚に根ざした人の「つながり」(連)があらゆる領域で強化されることが大事です。必ず、「世界市民」は地域連帯を通じて生まれてくると私は信じています。権力者や大富豪に振り回されない世界を構築して行くこと、これが文明の進歩だと思います。それは必ず実現すると信じています。

 ――日本円はドルに対して価値が切り上がっており、韓国はG20の共同議長国を担い、中国は落ちたとはいえ8%の成長を打ち出しています。今後の世界経済において、これら3国の存在感が増してくると思われますが、東アジアは世界経済のけん引役になれるでしょうか。

 すみません。私はこうした発想は採りません。東アジアの方がGDPの落ち込み幅が大きい。これは、市場を米国に求めすぎ、米国の過剰消費社会におぶさってきたからです。金融被害も東アジアの方が大きい。金融のプロではなく、素人が怪しげな金融商品を買わされてきたからです。金融商品を売りつけられてきたいまの大学の惨状を見て下さい。老後資金を根こそぎ掠め取られた老人の絶望を思って下さい。

 構造改革の名の下に米国のコンサルタントが大挙、東アジアの金融政策を牛耳ってきた。そのために、地場産業を支える金融機関が壊滅してしまった。残ったのは、金融商品への投機事業であり、生産も欧米向けのものでしかなかなかった。東アジアは、けっして成長の拠点ではありませんでした。欧米の下請けで安価に最終消費財を作らされる奴隷的な経済圏なのです。こうした惨めな構造から脱却することが東アジアの悲願でなければなりません。(後略)



金融立国か金融亡国か 2008年9月17日 伊藤敏安

● 産業資本と金融資本のどちらが優位かというのは、マックス・ウェーバー以来の古典的な命題です。資本投入によって生産される財・サービスの伸びはしだいに鈍化するのに対し、金融資本はいわば自己増殖的に伸びていきます。その結果、今日では金融資本が産業資本を圧倒しています。世界の貿易額は年間14兆ドル程度であるのに対し、株式市場と債券市場だけで110兆ドルを超え、このほかに原油や金の先物取引があります。日本の株式市場についても内国株式の売買高だけで1日3兆円あまり、年間だとGDPの1.5倍くらいの規模に達しています。

● このような趨勢をうけて、わが国の「金融立国」が喧伝されています。たとえば、櫻川昌哉慶応大学教授による『金融立国試論』(2005年)、野口悠紀雄早稲田大学教授による『モノづくり幻想が日本経済をダメにする』(2007年)、ビル・エモット氏(『エコノミスト』元編集長)とピーター・タスカ氏(ステラテジスト)による『日本の選択』(2007年)などがそうです。

● 論者たちの趣旨は、「日本は産業の高度化と経済のグローバル化への対応が遅れている。成長力の高い分野に資源を投入すべきである。金融関連産業は今後とも成長が見込まれる。わが国では、家計の金融資産が1,500兆円を超えているうえ、江戸時代にデリバティブの原型を発明しているなど、金融分野にはもともと強みがある」というものです。この主張は、分かりやすいといえば分かりやすい。金融関連産業は経済産業のまさしく潤滑油ですし、今後とも重要な産業であることはまちがいありません。

 にもかかわらず、「金融立国論」には懸念を払拭しきれません。主たる理由の一つは、現下のように金融資本にはバブルの発生とその崩壊がつきまとうことです。もう一つは、金融関連産業というのは特定の大都市に集中する産業であることです。エモット氏によれば、「東京を国際都市にする代わりに、その他の地域は昔ながらの日本であり続ければどうか。イギリスはすでにそうしている」といいます。さらにもう一つ、大瀧雅之東京大学教授「“金融立国論”批判」(『世界』2008年3月)によると、金融関連産業の規模はGDPの7%、雇用は全産業の4%にすぎないのに、「金融立国論」を唱えるのは、過保護行政とマスメディアにうまく乗せられているからだと辛辣です。

■ 金融資本の横暴な振る舞いを格差の元凶とみなす見解も少なくありません。石油や小麦の世界的な高騰は、だぶついた資金が原油や穀物に流れ込んだことも影響しているとみられています。アメリカの大手証券会社の社員の年収は、アシスタントを含めても平均50万ドルを超えるといいます。国連大学世界開発経済研究所によると、上位1%の富裕層が世界の総資産の約40%を保有しているということです。その一方、世界の労働人口のほぼ50%は1日2ドル以下で生活をしているといわれます。行き帰りのバスでときどき一緒になる法科大学院の教授などは、温厚な性格であるにもかかわらず刑法専攻であるせいか、「金融資本の身勝手な国際間移動は制限すべきではないか」と憤慨しています。

● この思いには共感できます。ところが、小幡績慶応大学准教授の近著『すべての経済はバブルに通じる』(2008年)を読むと、金融資本を社会的に制御しようとするのはまず無理だとされています。氏は、実体経済と金融経済が主客転倒した構造的な症状を “cancer capitalism”と呼んでいます。みるからにおぞましい表現です。では、このまま悪性腫瘍に飲み込まれてしまうしかないのかというと、そういうわけでもなさそうです。氏の見方では、マネーがあふれ出たせいもあって、モノの値段が相対的に上昇している。これは主客転倒した状況への反動を示唆しており、“cancer capitalism”の完治は「意外と遠いようで近い気もする」ということです。



(私のコメント)
個人でも企業でもおカネが貯まってくれば、それをどのように運用するか考えるのは当然の事ですが、おカネが貯まったからと言って金貸しになるのは当然の事なのだろうか? 普通の人ならば金貸しで生活しようなどとは思わない。しかしアメリカという国は世界中から資金を集めてそれを運用して稼ぐことを国策とした。その中心的人物がロバート・ルービンだ。

金貸しと言えば昔からユダヤ人の職業であり、アメリカの金融業界の主要メンバーはみんなユダヤ人だ。現在のアメリカは昔のアメリカとは異なってアングロサクソンのアメリカではなくユダヤのアメリカだ。大統領こそユダヤ人ではありませんが、政府の主要メンバーはユダヤ人が占める事が多くなりました。アメリカが金融立国を国家戦略産業として育てようとすればユダヤ人が主導権を持つことになる。

しかし金融立国は香港やシンガポールのような都市国家なら規模も知れてるし成り立ちうるのでしょうが、アメリカのような超大国が金融立国を目指せば、ドルの基軸通貨体制とともに金融で世界が振り回されてしまう事になる。1997年のアジア金融危機では金融でアジアを支配するのかという金融帝国主義アメリカの力を見せ付けたような事になりました。

日本にも金融帝国主義の牙が向けられてきましたが、韓国やタイやインドネシアのようなIMFに管理される事は免れた。ハゲタカファンドはアメリカ金融帝国の中心部隊であり、選び抜かれたエリート中のエリートがファンドマネージャーとして世界の金融を仕切ってきた。若くして数億円の年収を貰って自家用ジェット機で世界を飛び回った。

アメリカの強大な軍事力と政府がバックになった金融が手を組めば、アメリカは恒久的繁栄を誇る世界帝国になったかに思われた。しかしその金融帝国の破綻は足元から崩れ始めたのであり、膨らみすぎた金融残高は針の一刺しで風船のようにパンクしてしまった。残されたのは金融機関に滞留する不良債権であり、売るに売れない金融商品の山だ。

それらは金融工学の産物でありデリバティブと呼ばれていますが、素人が説明を受けても理解できない商品だ。世界中の資産家たちがアメリカの金融商品を買って利益を得ようとしたのでしょうが、今では解約もままならず焦げ付いてしまっている。しかし軍事大国のアメリカに文句を言うわけにもいかず泣き寝入りだ。救いなのは日本はさほどは金融商品には手を出していなかった。

バブル崩壊を経験した日本から見ればアメリカの金融立国の危うさは見えていたのであり、アメリカのファンドマネージャーの振る舞いは日本のバブルの頃のバブル紳士とよく似ていた。「株式日記」でもアメリカはバブルであり何時かは破裂して日本と同じようになるだろうと書いてきました。だからサブプライムが焦げ付き始めたと言うニュースで記事を書いています。


米国の住宅ローンの市場がおかしくなっています。 2007年3月30日 株式日記

ところがサブプライムローンなどの焦げ付きが増え始めて不動産市況も暴落の兆しがある。バーナンキFRB議長は金利を下げて住宅市況の下支えをしなければならないが、グリーンスパンの時のような大胆な金利操作ができるだろうか? 

しかしアメリカに資金を供給してきた日本やEUが金利を上げて引き締めはじめているから、アメリカが金利を下げるとアメリカから資金が出て行ってしまうだろう。不動産バブルの場合、焦げ付きが出始めると銀行も貸し出しを締め始めるから金利を下げても効果は無いかもしれない。

いずれにしろアメリカの国民も財産を使い果たしてすっからかんの状態であり、これ以上消費を続けさせる事は難しい。住宅で金が借りられなくなってカードローンで金を使っていることは以前に書きましたが、カードローンは高金利だから家計がパンクするのは時間の問題だ。

「いちカイにヤリ」のブログでも指摘していますが、アメリカではディリパティブがどのようになっているか関係者も皆目分からず、3000兆円もの爆弾を抱えている。REITのような証券がどのように仕組まれているのか、高度な数学的計算で仕組まれているから当事者でないと分からないのだ。


(私のコメント)
アメリカの投資銀行が作ってきた金融商品は世界的規模のネズミ講のようなものであり、最初は高利回りの回転も効くがカモがいなくなればネズミ講は破綻する。ネズミ講は高利回りにつられて騙されるのですが、このような金融業が国の中心的な産業になるわけがない。しまいには全く収入の無い人にまで住宅ローンを組ませて貸し付けてきたのですが、無理にネズミ講を続けようとしたからだ。政府は規制緩和で何もしなかった。

ルービン、サマーズ、グリーンスパンは三大詐欺師であり、サマーズはオバマ政権にも参加している。グリーンスパン元FRB議長は連邦議会に呼ばれて謝罪しましたが、与えた被害は計り知れない。彼らは国家公認の詐欺師だから罪に問われて監獄にぶち込まれる事はない。罪に問わなければならないのはアメリカ自身であり、オバマ大統領はどのようなけじめをつけられるのだろうか?




アメリカのC銀行が、顧客に内緒で利子を30%にしているというのです。
アメリカの銀行は実質ゼロ金利で借りて顧客に30%で貸しているわけです。


2009年4月22日 水曜日

危機後に浮上する国・沈む国 4月22日 ロシア政治経済ジャーナル

アメリカの陥った悩みとはなんだったのでしょうか?「賃金水準が高くなり、製造業の競争力がなくなる」という悩み。ライフサイクルでいえば、成熟期の国家に共通の悩みといえるでしょう。で、アメリカは人類史上初、「人の叡智により、ライフサイクルをこえる」試みをします。それが、「金融立国への道」。

「物づくりは日本や発展途上国にやらせておけ!アメリカは金融で食っていくのだ!」美しい響きです。しかし、これでアメリカは「常にバブルをつくっておかなければやっていけない」状態になった。なぜかというと、貿易赤字でどんどんドルが外国に出ていく。それを、アメリカ株・債権・不動産等々に投資させることで自発的に還流させなければならない。

「アメリカに投資するのが一番もうかりますよ!」と信じさせるということは、なんらかのバブルを作るということ。1990年代半ば〜00年までITバブルで世界中から金を集めた。ITバブル崩壊後は、意図的に住宅バブルをつくり金を集めた。

アメリカ経済はどんどん「カジノ化」していきました。100倍のレバレッジを効かせてデリバティブ市場に投資する。つまり自己資金が1億円でも100億円を操れる。それでなんと6京円に膨れ上がったデリバティブ市場。うまく儲かっている時は良かったですが、反転したとき、取り返しのつかない額の借金が残ったのです。(正確な額は誰もしらない)

結局、アメリカもライフサイクルは超えられないということでしょう。

バーチャルマネーが激減する。大手投資銀行は全部破綻し、残った金融機関も大ピンチ。するとアメリカに残るのは、農業と軍事産業くらいしかありません。もちろん、競争力のあるアメリカ企業はたくさんあります。問題は、これらの企業が生産拠点を労働力の安い他国に移しているということ。

最近恐ろしいニュースを見ました。アメリカのC銀行が、顧客に内緒で利子を30%(!)にしているというのです。アメリカは今、史上空前の低金利時代でしょう?つまり、アメリカの銀行は実質ゼロ金利で借りて、それを顧客に30%で貸しているわけです。要するに、「一般人に不良債権分を肩代わりさせよう」と。

ちなみに日本でも、預金した金は全く増えませんが、借りる時は10〜18%とサラ金並みの利子を払わなければなりません。膨大な借金を抱えたアメリカ金融機関も、サラ金以上に「あこぎ」な商売をしなければやっていけない状況なのです。

もう一つ、アメリカでは最近「時価会計の緩和策」が導入されました。これは要するに、銀行の資産の価値が下落しても、損失を計上しなくてよいのです。つまり、銀行は「国のお墨付きで大っぴらに『ウソ』がつける」ようになった。

これでアメリカ金融機関の表向きの業績は、大幅に改善しました。業績改善を見込んで金融株に「投機」し、儲けた人も多いでしょう。でも、問題は隠されただけで、解決はしていないのです。

アメリカで起こっていることを見ると、「危機を長期化」させる政策が意図的に行われていることがわかります。というか、他に選択肢がないのでしょう。なにはともあれ、金融立国のアメリカ、そしてイギリスは危機後、数ある多極のうちの一極になり下がっていることでしょう。(中略)

▼まとめると

これまで、大国の産業構造から、「危機後の勢力図」を見てきました。もう一度簡単に振り返ってみましょう。ポイントは、「バーチャルマネーの時代が過ぎ去り、実体経済の時代が
きた」ということ。この観点でみると、危機の過程でもっとも衰退するのは、

1、金融立国のアメリカ・イギリス

次いで、

2、資源しか売るものがないロシア(および、その他の産油国)

危機後も現在と同じ位置をキープできるのが、

3、日本とEU

よって、ドル暴落の際には、円・ユーロが急騰する可能性が高いです。もっとも飛躍することになるのが、世界の貧困層に物資を提供する

4、中国・インド

ということでしょう。図にすると

中国・インド > 日本・EU > ロシア・産油国 > アメリカ・イギリス。


【10秒で読む日経】2009/4/21

ここ10年、毎年20%の資産成長を果たし、一時は200兆円もの規模にまで膨らんだのがヘッジファンド業界。

 絶対リターンを追求するので、損失の可能性が少ないということで、個人の富裕層の支持を集めて資産規模が大きく増えた。
 
 2005年時点ではヘッジファンドへの投資家のうち3分の2の67%が個人の富裕層であり、ヘッジファンドは個人富裕層が支えてきたことを示す。

 これが、昨年9月央のリーマン破綻に端を発した金融危機によって、安全なはずのヘッジファンドの多くがマイナスの成績となり、中には破綻に追い込まれたファンドが続出した。

 解約しようにも、多くが月1回の解約しか受け付けず、中には解約を禁止するファンドも出て、投資家の多くは自分の財産が減っていくのを傍観するしかなかった。

 つまり、多くの富裕層個人はヘッジファンドはリスクが低いと思っていたのに、価格下落リスクも、(売りたいときに売れないという)流動性リスクが高いということを身をもって知ることになったのだ。

 2008年のヘッジファンドの解約50兆円のうち、個人投資家の解約が8割の40兆円もあったというのは、このリスクを恐れてのこと。これによって、ヘッジファンド投資家のうち個人は57%にまで割合を減らした。

 中でも、アジアの富裕層個人はヘッジファンドの解約の割合が高く、40兆円の解約の3割を占めるという。これは投資金額割合を超える割合なので、アジアの富裕層個人はリスク回避行動を強くとる傾向があるようだ。

 もっとも、アジアのヘッジファンド投資家の多くは比較的リスクの高いエクイティのロング・ショート・ファンドに投資していることが多かったので損失も多かったのだろう。

 アジアで調査したところ、43%の投資家は2度とヘッジファンドには投資しないと言っている。これは、自らが実際はリスク回避を好むのに自分の投資していることや、投資の機微を知らないため、高リスク投資をしたものの、無自覚だったことの裏返しだろう。

 ちなみに、欧州投資家で、2度とヘッジファンドに投資しないと言うのは0%、アメリカ人投資家は3%だ。今回のような投資結果も予め想定していたからこそ、平気なのだ。

 かつて私の上司だったイギリス人のファンド会社の社長は、「自分のファンドは(お子ちゃまだから)日本人には売りたくないと言っていたが今は「アジア人には売りたくない」と言っているのだろうな・・・


(私のコメント)
ヘッジファンドについては昨日も書いたように殺到する解約に応じていない。あまりにも金額が巨額なので返還しようにも投資物件が換金できないからですが、新興国に投資した債権の半分がすでに破綻して換金のしようが無くなっている。具体的に言えば中国やインドの企業に出資したが倒産して株券が紙切れで、工場も事務所も残っていない状況です。

確かに新興企業に出資して、その企業が株式市場に上場すれば10倍から100倍になって返って来る。中国やインドなどは人件費がただのように安く、そこへ技術と資本を投下すれば成功する確率は高い。すでにある市場をコストの安さで殴り込みをかけるわけだから、競争力のない既存の企業は退場していく。

電気製品なども中低級品の市場は中国や韓国製の製品で世界は溢れている。日本企業は高級品を手掛けているところだけが生き延びていますが、自動車産業もそうなっていくでしょう。インドのタタ自動車は20万円の車を発売しますが、日本の自動車産業はこのような分野で競争してもかなわない。

日本は労働集約的な部分は新興国に任せて、資本財や素材製品や中核部品などを輸出して稼ぐビジネススタイルをとっている。中国や韓国はそれを組み立てて世界に輸出しているわけですから、中国や韓国の輸出が増えれば増えるほど日本からの輸出も増える。逆に最近のように中国や韓国の輸出が減れば日本からの輸出も減る。

だから日本は28年ぶりの貿易赤字を出すようになりましたが、中国や韓国の輸出がそれだけ不振だからだ。昨日も書いたようにアメリカやヨーロッパの経済不振は長く続くだろう。アメリカなどはゼロ金利政策で銀行などはFRBから金利がゼロで借りて闇金利は30%で貸しているようですが、だから四半期決算では利益を計上できるようになった。

これは時価会計を弾力運用して決算のごまかしをしているせいもありますが、闇金融で30%もの高金利で貸し出しているから利益を計上できるようになったのだ。日本のメガバンクも日銀からゼロ金利で借りて系列の消費者金融では18%で貸していますが、それだけ不良債権を償却するには金利差をつけなければならなくなっている。

欧米の金融市場は事実上マヒ状態だから、繋ぎ資金を借りるには闇で高金利で借りないと資金が調達できない。だから欧米の企業は日本でサムライ債などを発行して資金調達していますが、アメリカ政府も米国債を円建てで調達するようになるだろう。あるいは中国と連携して元立てや円建ての米国債を要求すべきなのだ。そうすればどれだけドル安になっても為替損は負わなくてすむ。

おそらく中国もドル建ての米国債をいつまでも買い続ける事はしないだろう。温家宝首相はアメリカ政府に資産保障を要求しているが元立て米国債を要求しているのだろう。このような状況になればドル基軸通貨体制も終焉を迎えますが、アメリカの金融立国戦略が破綻すればアメリカには農業と軍需産業しか残っていないのだから仕方がない。

何度も書いているように金融業は産業の補佐役であり、製造業やサービス産業に付随した産業だ。カネを転がしてカネを稼ぐのは裏方の仕事であり、貸し出し競争でカネを貸してバブルを発生させれば、いつかは破裂して世界的な金融恐慌が起きてしまうのは歴史が証明している。だから金融には規制が必要なのですが、アメリカ政府は規制の緩和をやりすぎた。

ヘッジファンドも金融工学を駆使した合理的投資法で確実に利益を上げて行くという神話が作られましたが、多くのヘッジファンドは解約が殺到して投資資金を返却出来ないでいる。これは一種のデフォルトでありヘッジファンドは信用が失われて解約が殺到している。たとえ投資資金が返ってきたとしても2割とか1割しか返ってこないファンドもある。

10%以上の金利が付くファンドはインチキだと見るべきなのですが、日本でも騙される被害が相次いでいる。金融工学も顧客を騙す為の手段であり、ヘッジファンドはヘッジファンドではないのだ。もちろん株式の世界でも連戦連勝の投資家もいるのでしょうが、それは一部に過ぎない。もしあるとすればゴールドマンサックスのような米政府のインサイダーであり、SECは米政府をインサイダーで取り締まる事は出来ない。

日本にしてもアメリカにしても不良債権は金融機関に利益を出させて償却して行くしかないのであり、その為には日本のように20年もかかる事がある。インフレを発生させれば不良債権は優良債券に生まれ変わると言う方法もありますが、日本で実際に起きているのはインフレではなくデフレだ。国債発行がこれだけ増えてもインフレにならないのは供給が過剰であり消費が落ち込んでいるからだ。

日本の投資家や投資法人もヘッジファンドにカネを預けて大きな損害を受けましたが、損してはならない資金ならば短期国債しかないのであり、ハイリターンを望むのならハイリスクも覚悟すべきだ。保険をかけても保険会社が潰れれば保険金は返ってこない。アメリカにはCDSという巨額な契約残高がありますが6300兆円の残高がある。

最近の日本では振り込め詐欺が暴力団の資金源になっていますが、騙される老人がいる限りは無くならないだろう。考えてみればアメリカも一種の振り込め詐欺を働いているのであり、中国政府や日本政府にカネを振り込めと要求している。返って来るのはドルという紙切れか国債という事になるのでしょうが、ボケてしまった日本政府はドルを振込み続けている。




FT紙は、投資家は、出資の50%くらいに解約申し込みをしていると報じて
います。「08年秋で、ヘッジファンドと投資銀行は終わった」のです。


2009年4月21日 火曜日

わが国政府の、50兆円枠の株価対策の帰結 4月19日 吉田繁治

▼問題になるのは、ヘッジ・ファンドの動き

問題は、日本の株の25%(現在時価で70兆円分)をもつ、米英系のヘッジ・ファンドの動きです。(注)米英と言う理由は、両者がほぼ同じ動きをするからです。世界からマネーを集める世界金融の司令塔は、ウォール街とシティにあります。以降では、あまり知られていないヘッジ・ファンドの動きを、見ます。

■5.ヘッジ・ファンドの動き

ヘッジファンド(約8000本)は、2008年の6月末が、元本出資額のピークであり、合計で$1.9(180兆円)でした。

●この元本に、数倍〜10倍のレバレッジ(商業銀行や投資銀行等からの借金)をかけ、運用資産を1000兆円〜1500兆円に膨らませて、株・証券・社債・国債・穀物・資源・原油・不動産等を、ポートフォリオにし、買っていました。バブル的な価格は、ヘッジ・ファンドが先鞭をつけ、演出したと言っていい。

●2000年代で、米欧の商業銀行と投資銀行大手の、自己資本に対するレバレッジ率(負債倍率)も、10年間も続いた超低金利のため、20倍から30倍へと無理な拡大をしていました。

2008年8月まで、世界のマネー供給は、全開状態だったのです。これを、実体経済を上回る信用膨張(つまり資産価格バブル)と言います。マネーは中央銀行が供給するだけではない。民間金融機関やファンドも、そのレッジで拡大できます。

(注)日本の銀行は預金を融資する商業銀行に当たりますが、米欧では証券と銀行の垣根をなくしたユニーバーサルバンク(総合銀行)になっています。証券の取引が主になっています。

最近、租税逃れのタックスヘブン(租税回避地)の総資金量が、すこし明らかになってきて、総額は$11兆(1045兆円)と言われています。公的集計がなかったヘッジ・ファンドは、カリブ海や太平洋のタックスヘブンや、各地のオフショアを、名目上の本拠地にして、投機しています。

●タックスヘブンの資産額から、ヘッジ・ファンドの、明らかでなかった、レバレッジかけた運用の総額も推計できます。ヘッジ・ファンドは、元本(投資家の出資金)は$1.4兆くらいですが、レバレッジで膨らんだ運用額(投資額)は、その8倍の1000兆円規模でしょう。ヘッジファンドは、その拠点を、運用益に対する各国の課税を逃れるため、タックスヘブンに置きます。

【損失】
これらヘッジ・ファンドの2008年の、元本に対する運用利回りは、株価・資源価格の下落を主因に、平均でマイナス23%くらいでした。当然に、資金を預託する投資家からは、解約が殺到しました。この損失と2008年中の部分解約で、2008年末のヘッジ・ファンドの元本は、$1.4兆(133兆円)に減っています。

●ヘッジ・ファンドへの投資元本が、解約で仮に50兆円減ると、投資額ではその8倍の400兆円余が、株式市場、証券化市場、資源市場、不動産市場、通貨市場が抜けると見ていいでしょう。ヘッジファンドの投資・投機行動は、金融当局の、規制の外にありました。英米の「金融立国論」が、政治に、規制をかけないことを求めたからです。こうした解約申し込みは、世界の市場で、400兆円規模の巨額マネー抜けることを意味します。

後で述べるFT紙は、投資家は、出資の50%くらいに解約申し込みをしていると報じています。自身がクオンタム・ファンド(=ヘッジ・ファンド)を作ったジョージ・ソロスが言うよう、「08年秋で、ヘッジファンドと投資銀行は終わった」のです。

▼ところが・・・ロックアップ条項とゲート条項がある

「ロックアップ条項」とは、契約期間まで、解約できないとする契約です。「ゲート条」とは、仮にロックアップ期間が終わっても、ファンド・マネジャーの裁量で、売れば価格が下がるからと、解約を拒否できる条項です。

多くのヘッジ・ファンドは、ロックアップの契約期間を過ぎても、この「ゲート条項」を盾(たて)に、今は解約を阻止しています。(当然に、その額の公表はない)昨年の12月、ヘッジ・ファンドの元本に対し、100兆円分(約50%)くらいの解約希望が、投資家から出ている恐怖を報じたのは、英FT紙(Financial Times)でした。この恐怖とは、ヘッジ・ファンドが売ることでの、あらゆる市場の、価格下落です。

ところが、解約しようにも、投資していた株価が平均で50%も下げ、住宅証券には値がつかず、資源価格でも原油は$140から$40付近に下落していて、解約に応じることができなかったのです。

(注)今、欧州の、ユニバーサルバンクを通じた、中欧・東欧への投資(総額300兆円規模)のうち、150兆円は回収不能と言われます。金融危機の火種は米国に加え、欧州なっています。

(1)以上をまとめれば、「ヘッジ・ファンドで30%以上の損をした投資家は、解約を申し込みし続けている」
(2)しかし「ファンド・マネジャーが処分売りをすれば、投資したものの価格がもっと下がるからという理由で、ゲート条項を発動している」状況があると言えます。


●更にまとめれば、現在の元本$1.4兆(133兆円)のヘッジ・ファンドは、少なくとも50兆円規模の、強い解約圧力に晒(さら)されています。レバレッジで、金融機関から借りた運用総額では800兆円に相当するでしょう。

■6.50兆円枠で株を買うという政府の愚策は、ヘッジ・ファンドに利益を与えて終わる

以上のような、解約に迫られている状況で、ヘッジ・ファンドは、日本株の時価で、70兆円分(25%)を持ちます。

日本政府は50兆円枠で、
(1)下げれば買い支える、
(2)上げるために買うと表明しています。

こうした買いの手の内を、ガイジン・ヘッジファンドに見せることは、株式投資の世界では愚かです。政府は、政府資金(要は国民のマネー)で愚劣な損をします。結論は、言うまでもないでしょう。

【結論】
今70兆円の日本株をもち、解約を迫られている英米系ヘッジ・ファンドは、政府機関の資金投入で、株が、ある程度持ち上がったというピークを判断し、売りに出るでしょう。売りは、利益を出してあるいは損を少なくして、行うものだからです。

●背景になる理由は、ファンド・マネジャーは「ある程度は、投資元本の回復をして、投資家の解約申込みに応じなければならない」からです。

昨年来の政府は年金資金を11兆円使い、09年4月以降は、政府機関に保証し政府が持ち上げる株価は、いずれ、70兆円の株をもつヘッジ・ファンドから売られ、株を買った政府機関が、損をします。これが結論です。

(注)当然に、政府資金で高くなった株を売る「空売り」を含めてもいい。ヘッジ・ファンド同士で株を借り貸しすれば、空売り規制も逃れることができます。以上のように、政府が手の内を見せた株の買いは、容易に、ヘッジ・ファンドに利益を与えます。

株価下落の損は、政府機関が被りますが、その損を政府が保証すると言うため、政府機関は必要な「投資の吟味」をしません。実に、愚策です。

財務省幹部は、何を、どう考えているのか? 政府機関が株を買うのなら、誰がどう買ったか、分からないように買うべきです。選挙民向けに、50兆円枠での買いを表明してしまったので、後の祭りですが・・・

ヘッジ・ファンドが持つ70兆円の株は、巨額です。10兆円分でも売りに出れば、もともと1日に1.4兆円くらいしかない薄商いの日本市場の株価は、ひとたまりもない。

薄商いの理由は、多くの人が、株を買っていないからです。政府資金を受けた投資信託(元は年金基金)の買いだけが、目立っていた。わが国の個人にも、このヘッジ・ファンドの売りを真似た行動も出るでしょう。

●政府の株買いは、いずれ「終わらざるを得ない」。

政府は、どんなに、損をしても、どんどん買うというわけにはゆきません。公金、つまり政府資金が流失するからです。政府には、説明責任があります。

●ヘッジ・ファンドは、「世界が楽観的になって、株価が上がる時期」を狙っています。実体経済が回復に向かわない限り、株価は上がらないのです。政府策は、一時的なものです。

「政府機関が買って、株価が持ち上がれば、解約を迫られているヘッジ・ファンドに、お土産をつけて、送り出すことにしかならない」

一刻も早く、財務省は、株の買い方で、方針転換をすることです。買うのが、悪いことではない。アナウンスした上での買い方が、株の国際化が進んだ今は、最悪なのです。財務省は、政府は万能と錯覚しているのでしょうか? 相手は、ヘッジ・ファンドです。

●1990年代とは異なります。1990年代は、財務省の株価PKOの相手は、財務省の幹部が頭取に電話をかけて言えば、すぐ従う国内の金融機関でした。そのため、株の買い支えをアナウンスしてもよかったのです。その買い支えによる利益は、国内の金融機関に行きました。今回は、違います。

【結論】
繰り返しますが、今度の政府の相手は、70兆円もの日本株をもつ、ガイジン・ファンド(ヘッジ・ファンド)です。ヘッジ・ファンドの手法は、リスクヘッジであり、市場が高く評価しすぎているものを売り、逆に、低く評価しすぎているものを買うことです。

こうした手法に対し、政府が「50兆円の枠で株価を買い支える」と言うのですから、実に簡単に「高すぎる株」を発見できます。これによってPKOで株に投じた国民の富を、かすめ取られます。

また、世界で、1日の為替市場に投じられる資金量は、数十兆円と言われます。1ヶ月での総計は、おそらく500兆円を超えます。そこでは、政府資金といえども、小さいのです。

【後記】
「日銀しか、大量発行される日本国債の、主な買い手はない。」と世界の金融市場が認識すれば、それは、円の信用下落です。海外ファンドは、円売りに出るでしょう。日本株を売って、円を手にし、米国へ送金すればドル買い・円売りです。

【記憶事項】
(1)なお、日本にある投資銀行を含む外銀の、総資産のピークは07年2月の59.9兆円でした。09年1月にはこれが38.1兆円に減っています。2年で20兆円の引き揚げ(円売り・ドル買い)があったことになります。

(2)海外及びタックス・ヘブン(租税回避地)が本拠の、ガイジン・ファンドは、わが国では、2008年には、10.3兆円の長期債・短期債・株を売り越しています。このうち、株の売り越しは、7.5兆円分です。これが、昨年秋以後の株価下落の主因でした。政府が、4月以後、50兆円枠で株を買うことは、また、ガイジン・ファンドに売り越しの利益を与える機会を作ります。

(3)米欧系の、投資銀行(投資家から預託を受けて投資するヘッジ・ファンドと同じ)は、事実上、消滅しました。今、精算売り(ポジション解消)の機会を狙っているのです。この認識は重要です。


(私のコメント)
昨年9月のリーマンショックから半年以上たっていますが、投資銀行やヘッジファンドで運用されていた資金はレバレッジを効かせて1000兆円以上と想定されています。ところが金融破綻で解約が殺到していますが、ヘッジファンドや投資銀行は解約に応じていないようです。

アメリカの投資銀行やヘッジファンドは世界的な規模で運用してきましたから、その影響も世界的規模になってしまう。FT紙によれば50%もの解約が殺到しているそうですが、金融機関やヘッジファンドは解約払い戻しに応じていない。株式などは換金しやすいのですが下げてしまっては損失が確定してしまうので売るに売れない。

投資銀行が作り上げた金融商品は非常に細分化して複雑な仕組みになっているから清算するのも困難であり、それらの金融商品を市場で売ろうとしても買い手がいないと言う現実がある。ガイトナープランでは政府が資金を出して売れない金融商品を流動化させようというプランですが、高く売れなければ金融機関の損失が大きくなる。

ヘッジファンドにしても情報が公開されていないので見当もつかないのですが、タックスヘイブンで運用されているからなおさら分からない。G20でタックスヘイブンを何とかしようと言うことで決まりましたが、多くが税金逃れの資金であり情報が公開される事を非常に嫌う資金だ。

今まではアメリカやイギリスが金融立国を目指してきたせいもあり、タックスヘイブンに手をつけようとしても米英の金融業界はもちろん反対であり手が出せなかった。しかしアメリカ発の金融破綻で責任追及の声が大きくなり、G20などの国際会議でのタックスヘイブンの情報公開決議で世界中のアングラ資金は大慌てだ。

日本のバブル崩壊もアングラ資金がタックスヘイブンに逃げたからだという説もありますが、日本にも昔は無記名預金や無記名の割引債があってアングラ資金はそこで運用されてきたのですが、規制によって無記名預金や無記名の割引債は無くなって、タックスヘイブンに逃げてしまった。金額にすれば100兆円くらいになるのかもしれない。

日本の資金運用などもタックスヘイブンに資金を預けて、そこから売買されている事が多く日本の税制には引っかからない。情報が公開されないのだから日本の税務署もお手上げであり、税金を払いたくない人はみんなタックスヘイブンに会社を作ったり口座を開いて資金をそこに置いている。

真面目に働いて給料をもらっているサラリーマンには想像もつかない世界ですが、纏まった資金があれば税金も払わずに資金運用で生活している人がたくさんいる。日本で生活していてもヘッジファンドに金を預けて高利回りで運用している法人や個人もたくさんいる。ところが今回の金融危機でそのようなところが軒並みやられてしまった。駒澤大学や早稲田大学など100億円以上もの損失を出しましたが、投資銀行で運用していたからだ。

私などもアメリカの投資銀行が高利回り運用出来るのか、金融工学という秘法でもあるのかと思いましたが、アメリカ政府ぐるみでインサイダー取引をやっていたら、思い切った投資も出来るでしょう。CIAなどは冷戦の崩壊で仕事が無くなり経済スパイとして情報を集めてきた。日米の経済交渉でもCIAが通信を傍受して情報が筒抜けでは勝敗は目に見えている。

アメリカ政府の国家政策とゴールドマンサックスなどの経営戦略とは一致しており、BRICSへの投資は金融で世界を支配しようという目標に沿ったものだ。1997年のアジア金融危機ではタイやインドネシアや韓国などが餌食となり外資によって買収されてしまった。日本に対してもその触手は確実に伸びてきており、三角合併でやられるところだった。

日本の株式の25%がヘッジファンドで運用されていますが、処分されたのは一部に過ぎない。時価総額にして70兆円ほどになりますが、高くなれば売り浴びせてくると見るべきでしょう。不動産投資も売れるものは全部売りたい状況なのでしょうが、日本のミニバブルも弾けてしまった。

中国やインドやブラジルなどへの新興国への投資は金融立国アメリカの金融投資戦略であり、中国やインドの経済的発展はアメリカへの金融収益をもたらすものだ。中国に溜まった巨額なドル資金もアメリカに還流して再投資に回される。まさに金融立国アメリカの繁栄はゴールドマンサックスとともに続くと思われてきた。それがあっけなく破綻したのは彼らの強欲の為であり、ヘンリーカ・ウフマン氏が言うように金融は経済の補佐役に過ぎない。

アメリカの金融と中国の製造業が組み合わされれば、まさにG2体制そのものであり、中国の巨大な人的な資源がアメリカの繁栄を支える原動力になるかと思われた。日本の製造業も中国への資本や技術の移転が行なわれて、アメリカの国家戦略を支えるような形となった。しかし今やアメリカの金融は破局を迎えており、中国の製造業も壁に突き当たって失業者が爆発的に増えている。

まさに米中の抱き合い心中状態ですが、日本はこれに巻き込まれてはならない。ヘッジファンドは運用資産を1000兆円〜1500兆円に膨らませて、株・証券・社債・国債・穀物・資源・原油・不動産等を、ポートフォリオにし、買っていました。それらは解約の嵐に見舞われており、政府や中央銀行が買い支えている。少し状況が良くなってもこれらの債務を解消するには日本のように20年以上もの時間を要するだろう。




「ゴールドマンは財務長官まで出して情報面で政府内部にまで通じていた」
NHKは、ゴールドマンはインサイダーだろ、って言ってるわけよ。


2009年4月20日 月曜日

NHK「マネー資本主義」 投資銀行の大物次々 19日から5回 4月14日  読売新聞

世界を揺るがしている金融危機はなぜ起きたのか。NHKは4〜7月に放送するNHKスペシャル「マネー資本主義」(全5回)で、その原因と背景を探る。19日午後9時からの第1回は「“暴走”はなぜ止められなかったのか〜アメリカ投資銀行の興亡」。あまり公の場に出てこない投資銀行関係者が多数インタビューに応じた。(川辺隆司)

 昨年9月、投資銀行でもあった米証券大手のリーマン・ブラザーズが破綻したことが金融危機の引き金となった。投資銀行は元々、顧客企業の有価証券を発行し、資金調達をサポートすることが主な仕事だったが、米国では規制緩和が進んだ1980年代以降、自己資金とその何倍もの借入金で投資するようになった。投資銀行の好調なビジネスは米国経済の牽引役でもあった。

 その“投資銀行革命”の先駆者と言われるのが、投資銀行ソロモン・ブラザーズの会長を務めたジョン・グッドフレンド氏だ。やはり、ソロモン・ブラザーズで副会長を務め、のちにアナリストに転じたヘンリー・カウフマン氏は、投資銀行の危ういビジネスに警告を発し続けた。

 番組を担当する内藤誠吾・専任ディレクターは「金融危機が起きた後、投資銀行関係者は悪者扱いされているが、製造業で日本やドイツに後れを取っていた米国に繁栄をもたらした立役者でもある。時代を作ってきたという自負心もある彼らの言葉は貴重な証言記録になるはず」と話す。

 実体経済の数倍にも膨らんだと言われる“信用バブル”は、低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付きによって危機的状況に陥っていた。そのサブプライムローンの元となったのが、住宅ローンを債権として商品化し、金融市場で取引できるようにしたモーゲージ債という仕組みだ。そのモーゲージ債を開発したジェフ・クロンサール氏にもインタビューを行った。

 クロンサール氏には昨年11月から交渉を始め、過去のNHKスペシャルのビデオを送って扇情的な内容ではないことをアピール。今年2月になって取材できることが決まったという。

 このほか、投資銀行ゴールドマン・サックスの元CEO(最高経営責任者)で財務長官も務めたロバート・ルービン氏、ルービン氏の元でトレーダーを務めたラリー・ベセラ氏らもインタビューに応じ、投資銀行同士が過剰な競争にしのぎを削った90年代を振り返る。

 角英夫チーフ・プロデューサーは「決して金融危機の犯人探しをするつもりはない。地球全体がマネーゲームにのってしまったというのが実態だろう。番組が現代史を考える材料になれば」と話している。

インタビューに登場する主な投資銀行関係者


ジョン・グッドフレンド ソロモン・ブラザーズ元会長。「ウォール街の帝王」と呼ばれる
ジョーゼフ・ペレラ M&Aの先駆者
ヘンリー・カウフマン ソロモン・ブラザーズの元副会長。のちにアナリストに転じる
ウォルター・ゲラシモビッチ 金融商品のリスク管理プログラムを作成した元ロケット科学者
ジェフ・クロンサール サブプライムローンの元となる「モーゲージ債」の開発者
ロバート・ルービン ゴールドマン・サックスの元CEO。のちに財務長官
ラリー・ベセラ ゴールドマン・サックスの元トレーダー
ジョン・ボーグル 投資信託界の大物



大丈夫か、NHK 4月19日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら

NHKスペシャル、マネー資本主義第一回。

NHKなので楽しみにしてみたんですけど・・・

80年代投資銀行におられた方ならみなさん思いはひとつでしょう。

ひどい取材・・・・・

だいたい、ソロモンのグッドフレンド(元会長)とかに取材してるんだけど、そりゃー、単なる相場観のミスとインサイダーで潰しました、なんていうわけないんだから。自分のことを美化して答えるに決まってるわな(笑)。

聞くならマイケル・ミルケンとかにきかなきゃいかんよね。

取材先と取材方法を間違えるとすべて間違った番組になる、という典型例。金かけてるのにもっていね。
この番組のディレクターはもう一度勉強しなおすべし。まさか俺の同期じゃねーだろーな??

のっけからびっくりしたのはすべての始まりはMBSだと断定したこと。

おーい!

モーゲージバックセキュリティ(MBS)、という住宅債権が債券に再生されたものがあって、その仕組みを発明しその儲けで食っていたのがソロモンで、 さらにそれをレバレッジするためにサブプライムに手を出して、それを仕込むためにレバレッジをかけて結局大量に仕込んだ住宅ローンが住宅バブルの崩壊で損をしてソロモンがつぶれた・・・・

と結論付けてしまった。

大間違いなのはそのMBSそのものは今でもアメリカ国債の何十倍の規模で日々取引されていることでもわかるでしょう。どう説明するのよ!?

MBSとCDOはまったく別物ですし、仕組みも似ているとは言いがたい・・・・多分ですけど・・・CMOをMBSと勘違いしたんではないでしょうかね

CMOは確かにソロモンの発明だしね。こっちは仕組みが似ているといえば似てますね。ほんとは違うけど。イルカとマグロくらいの違いか(笑)。

で、その住宅ローンを仕込んで債券を発行すること(加工すること)を自己勘定と呼んでその調達を巨大化するためにレバレッジを編み出した、と松平さんが解説しますが、そんな非効率なことをする投資銀行ないですし、第一そんなこと自己勘定なんて呼びません。

結論としては自己勘定でリスクをとるということはトレーディングポジション及びそのリスクをとることで、それがあまりにも大きくなりすぎてインサイダーまで手を出した挙句にソロモンはつぶれましたとさ、ということですね。

グッドフレンドは自分でそういうミスを認めないでしょう。単なる賭けすぎ、なだけで今回の事態と一緒にするなよ、とオオワライ。

更にただでさえ問題のあるいろいろなローン債権をわざわざ自分のバランスシートで買い込んじゃうなんてばなか投資銀行は無いわけで、それは別会社で買わせてそれを証券化して手数料をはねる、というのがビジネスの骨子。

繰り返しですが、番組で取り上げていたソロモンの自己勘定はアメリカ国債、MBS、社債などむしろクレジットの高い債券の膨大なトレーディング収益で儲けていたのであって、この手法はその後LTCMで完成され、つぶれることになるのだけれど、その前にソロモンは資金調達に窮して潰れてしまう。

補足ですが、社債の引き受けなど、それまではきちんと買い手が見つかるまでは引き受けなかったんですが、ソロモンは売れるかどうかわからなくても全額引き受けた。年金などの運用資金が莫大に増加していたのでそれでも売れると読んだんですね。これが大当たりする。それらを在庫する資金が必要になるのは当然です。

これでも従来のモルスタやゴールドマンのやり方からすると大革命だったんですよ。

いづれにせよ、今回問題になったCDO、つまりクレジットリスクによるリスクのとり方とはまったく異なります。

金利リスクとクレジットリスクを混同する人。
多いんですけどね・・・

すべての始まりはMBSではなくCDOの発明で、リスクを発散させたのはそのためのレバレッジであってその原債権を在庫するためのレバレッジではありません。

そして番組では複雑化させたことが原因といってましたけど、それが原因ではなく、むしろ透明性は最大限に発揮されていたために細分化すればリスクが回避できると考えたことが原因になったのです。そりゃー作った本人は複雑化した、って言うに決まってるけどさ(笑)。実際は細切れにしただけなんだから。子供の言い訳と一緒だね。切り刻んだだけの野菜をお料理、とか呼ぶんだから(笑)。

引き受け手数料目当てに商品であるCDOそのものを在庫化したことはあるけど、もともとのローンを買い込んだ人はいないよ。

更に言うと原債権をただ切り分けることをCDOとは呼びません。そこにレバレッジをかけるからこそCDOなのです。レバレッジも理解していないとは!!

やっぱり、ABCのAの段階でモーゲージ債券(MBS)とCDOを混同してしまったのが最大のミスかな。 ぐっちーブログの読者ならみんな知ってますぜ、そんなこと(笑)。

その他、突っ込みどころ満載だけど、唯一正しい、というコメントは

ゴールドマンは財務長官まで出して、情報面で政府内部にまで通じていた、

というところかな。

これ、ゴールドマンはインサイダーだろ、って言ってるわけよ。

すげ、大丈夫かよ、と思ったけど、それは正しいと思いましたよ。

このブログでも怖くてかけなかったことをあっさり全国放送してもらっちゃってびっくりしちゃった訳。来週もある意味すごいかもしれんね。

がんばれ、NHK!



(私のコメント)
昨日のNHKスペシャル「暴走はなぜ止められなかったのか」は多くの人が見ているのでしょうが、ブログの反応を見ても、驚くほど反応が少ないです。金融問題は難しいから書きようがないからでしょうが、日本国民の経済問題や金融問題に対する知識レベルの低さはどうしようもないほどだ。だからウォール街のユダヤ人たちにカモられてしまうのですが「株式日記」では10年前からデリバティブに気をつけろと書いてきました。


1998年4月27日 株式日記と経済展望

私はいまフランク・パートノイの書いた「FIASCO」と言う本を読んでいます。ビックバンが本格化してアメリカからどのような投資銀行や証券会社が上陸して来て、そこにはどんな連中が働いているかを知るには最適な本だと思います。著者のフランク・バートノイは、モルガンスタンレーで先端的なハイテク金融商品「デリバディブ」をあつかう部門に所属し、現代の投資金融の最先端を行くハイテク商品デリバディブの創出からセールスまでを担当し、目覚しい成績を上げた。彼らは秀才揃いで、成績が良ければ、二十歳そこそこの若さでも100万ドル前後も稼ぎます。しかし著者はやがて、モルガンスタンレーを始めとする投資銀行が創り、売り、途方も無い利益を上げているデリバティブの多くがただの賭博にすぎず、買い手に無知に付け込むものであり、投資銀行は利益のために客に損をさせ、多くの犠牲者を出す事をまったく意に介しないばかりか、大損をして必死になった犠牲者をさらに食い物にすることで徹底的に暴利を貪るのを当然としていることに気づき、ハイエナのような投資銀行の商法に疑問を抱くようになってモルガン・スタンレーを退職しました。ヤクルトも彼らの餌食になったのです。彼らに掛かれば日本の企業の社長や経理担当重役を罠にかける事ぐらい朝飯前でしょう。さらに日本の金持ちをペテンにかけて巨大な利益を稼ぎ出すことを狙っています。おそらくアメリカでもバブルが崩壊したときデリバティブが大問題となることでしょう。著者も98年中にFIASCO(大破局)が来ると予言しています。



(私のコメント)
私が1998年に書いた事をNHK今頃になって放送しているわけですが、アメリカの投資銀行は国家公認のインサイダーであり、国家公認の詐欺師みたいなものです。だからバートノイ氏もカウフマン氏も投資銀行を去ったのですが、投資銀行の社員たちは幹部からかけられる脅迫的なノルマに罪悪感を持ちながらも利益の追求に突進して行く。

投資銀行の社員たちは4,5年で一生遊んで暮らせるくらいの年収を貰って会社をかわって行く。客から会社が訴えられても担当した社員は転職していないのが普通だ。最近の日本の金融機関もそんな風になって担当者が1年ごとにかわってしまう。これでは顧客の信頼もなくなって、金融業界全体が信頼が無くなって行く。

私自身も銀行に十数年いただけなのですが、銀行員に必要なのは気力と根性であり、がむしゃらな突進力だ。今やっている事が正しい事なのかを考えている余裕などなく、ノルマを達成する社員が良い社員であり、達成できない社員は落ちこぼれるか体を壊して去っていく。こんな事を続けていれば優秀な人材も磨り潰していくだけであり、モラルを失った猛烈な社員だけが残る事になる。

アメリカの投資銀行も結局は暴走して世界的な金融危機を招いたのですが、番組中でもフランク・バートノイ氏が「客の資産をひんむしる」と証言していますが、投資銀行というのはカモがいなければ成り立たない業界であり、日本も彼らのカモに過ぎないのです。

アメリカという国家がこのようになってしまったのも日本やドイツに製造業で追い抜かれた焦りから金融で主導権を取り返そうとしたのでしょうが、ヘンリー・カウフマン氏が言っていた様に「金融は社会の脇役」なのであり、国家を支えるような主要産業にはなり得ない。シンガポールや香港のような都市国家なら金融を主な産業にしないと成り立たないでしょう。タックスヘイブンが規制されればただのミニ国家に過ぎなくなってしまう。

「株式日記」ではゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどをハゲタカと非難して書き続けてきましたが、アメリカの投資銀行が解体されたのは当然の結果であり、日本の政治家や官僚たちも彼らに操られてきました。ルービン財務長官やポールソン財務長官などアメリカの投資銀行は多くの人材をアメリカ政府に送り込んできた。

まさにアメリカの国家戦略=ゴールドマンサックスの経営戦略でもあり、彼らはスーパーエリートとして扱われてきた。日本のテレビでもゴールドマンサックスやモルガンスタンレーのアナリストが一流のエコノミストであるかのように扱われてコメントしてきました。竹中平蔵などはアメリカのインサイダーの手先であり、日本の内閣の情報は全部アメリカに筒抜けだ。

ぐっちー氏も書いていますが、NHKスペシャルは突っ込みどころが満載で、「アジアの一等国」でも恣意的な編集は酷いものだった。しかし多くの国民はNHKの報道した事をそのまま信じてしまう。だから騙されないように{株式日記」を書いているのですが、ブログのコメントなどを見てもレベルの低いコメントしか見当たらない。これだと「株式日記」に書いている事を理解できる人は一割くらいなのだろうか?

NHKだってエリート職員の集まりであり、報道番組でも高いレベルの番組作りが求められるのですが、勉強不足が目立ちます。もちろん専門家や大学教授などを取材して番組作りをするのでしょうが、専門家や大学教授のレベルが低すぎるのだ。だからアメリカの投資銀行の正体に気が付かなかったのであり、「株式日記」は10年前から投資銀行の正体を書いてきました。

アメリカのゴールドマンサックスやモルガンスタンレーの社員は、ソロモンブラザースの元会長が言っているようにギャンブラーや詐欺師達なのだ。彼らに騙されないように「株式日記」を書いてきたのですが、日本の投資家たちは彼らに簡単に騙されてしまう。日本の報道番組のレベルの低さを見れば分かるように、テレビを見れば見るほどバカになって行く。彼らに騙されないようにするには「株式日記」を毎日読むしか方法は無いだろう。




規制を緩和したのと、先物取引の一番の親分が同一人物、ロバート・
ルービン氏だった。彼がサブプライムローンでシティを破たんさせた。


2009年4月19日 日曜日

金融危機の本質は金融腐敗にあり 4月6日 ビデオニュース・ドットコム

広瀬隆氏
 約5兆ドルの財政出動にヘッジファンドとタックスヘイブンの規制の導入等々。4月1日、2日の両日ロンドンで開催された第2回金融サミットで日米欧に新興国を加えた世界20カ国・地域の首脳は、経済危機の拡大を食い止めるために、金融取引に対する踏み込んだ規制を導入することで合意したという。

 金融危機の収束に向けて世界各国が足並みを揃えて動き出したことを好感して、金曜日の各国の株式市場は軒並み続伸、ドルも対円で5ヶ月ぶりに100円台を回復した。

 しかし、「危険な話」の著者で長年世界の金融界の人脈を調査してきた作家の広瀬隆氏は、そのような弥縫策では金融危機の根を絶つことはできないと言い切る。なぜならば、広瀬氏は、今世界を覆っている金融問題の本質は「金融腐敗」にあると確信しているからに他ならない。

 広瀬氏は、現在の金融危機の起源を1970年代の先物取引の解禁に見い出す。先物という実体の無い指標の取引を認めたことで、次々と新たなデリバティブ(金融派生商品)が登場し、実体経済の規模を遙かに上回るマネー経済なる虚構が形成された。そして、それは挙げ句の果てに、昨今問題となっているサブプライムローンの証券化やCDSなどといった投機マネーの暴走を生み出した。

 そして広瀬氏は、先物取引に先鞭をつけたロバート・ルービン元財務長官やその後継者のローレンス・サマーズ氏、そして金融緩和を続けて投機マネーを生んだアラン・グリーンスパン元FRB議長の責任をことさらに強調する。

 特にルービン氏は、シカゴ先物取引市場の理事として先物市場を開拓した後、ゴールドマン・サックス証券で自ら数々のデリバティブ取引に勤しみ、ゴールドマン・サックスの会長まで上り詰めた後、クリントン政権で財務長官の座に就き、グリーンスパンFRB議長との二人三脚で、金融近代化法の制定を実現した。

 この法律によって、大恐慌以来銀行と証券の兼業を禁止してきたグラス・スティーガル法が事実上骨抜きとなり、本来は手堅い資金だったはずの銀行預金が、大挙して投機マネー市場に投入されるようになる。更にルービン氏は、サマーズ氏に長官の座を譲った後、今まさに大量の公的資金が投入され続けているシティグルーブの重役に収まり、そこで「サブプライムローンを売りまくった」(広瀬氏)、現在の金融腐敗の原因のすべてに関わっている存在だと、広瀬氏は言う。しかも、その後アメリカの財務長官の座は、同じくゴールドマン・サックスの会長だったヘンリー・ポールソン氏に引き継がれていった。

 このような腐敗の連鎖を放置している限り、少々ヘッジファンドを規制しても、焼け石に水程度の効果しかないというのが、広瀬氏の一貫した主張だ。

 一方、市民の期待を一手に背負い政権の座についたオバマ大統領は、金融腐敗を正常化することができるのかとの問いに対して広瀬氏は、サマーズ氏がオバマ政権の枢要な経済閣僚(国家経済会議委員長)の座に収まっている上、ガイトナー財務長官も、実はブラックストーン・グループ創始者でレーガン政権の商務長官だったピーター・ピーターソン氏の後ろ盾でニューヨーク連銀総裁に引き上げられた経緯があり、そのような経済人事のオバマ政権では、長年にわたり蓄積した金融腐敗を一掃することはとても難しいのではないかと広瀬氏は言う。

 そして、この金融腐敗が根絶されないかぎり、危機のたびに多少の規制強化などが行われても、投機マネーは必ずやまた行き場を見つけてバブルを形成し、そしてまた金融秩序維持という美名のもとで、一般市民の血税が「金融マフィア」(広瀬氏)によって作られた腐敗の穴を埋めるために注ぎ込まれていくことになるだろうと広瀬氏は言うのだ。

 歴史と人脈を紐解くことで見えてくる金融危機のもう一つの顔を、萱野稔人、神保哲生が、広瀬氏と議論した。

金融腐敗を招いたのは誰か

神保: 広瀬さんは、今世界を覆っているのは金融危機ではなく「金融腐敗」であるとおっしゃられているが、それはどういう意味か。
 
広瀬: 危機はあるのだが、現在の世界経済の崩壊を大火事に例えると、火元を消さないで我々が助かろうと考えているだけのようにしか見えない。たとえば水をかけて火を消しても、火元を消さなければ再び発火する。腐敗から始まっているのだから、これを取り除かなければいけない。

 具体的には、金融サミットでも断片的には出てきてはいる。たとえばヘッジファンドやタックスヘイブンの規制だが、それはどちらかというと腐敗の枝葉の方だ。ヘッジファンドは投機屋の代表ではあるが、ヘッジファンドだけが悪いという論理がそもそも間違っている。

株に投資するのは正常な経済活動だと思うが、金もうけのためだけに取引をすることを投機という。投機屋が一昨年から去年にかけて、原油価格や穀物価格を高騰させ、世界中が苦しんだ。なおかつ、火元のアメリカではサブプライムローンというバブルが起こった。

一体どうしたら良いのかを考えると、投機をなくしていかなければいけない。投機とは何かというと、私は先物取引だと考えている。その制度がある限りは、ヘッジファンドだろうが、タックスヘイブンにお金を隠そうが、二義的なことだ。
 
萱野: 2000年にアメリカで、商品先物近代化法という法律が制定されている。これで、店頭取引や電子取引は当局の監視の外にするという形で、規制緩和がなされた。そういった舞台設定を誰がしたのかという問題になってくると思う。それがあるから、ヘッジファンドは当局の監視の外で、先物取引を自由にできるようになったということなので。
 
広瀬: 歴史をずっと見ていると、それははっきりしている。はっきり言うと、ロバート・ルービン元財務長官だ。なぜかというと、彼が先物取引をしていた70年代、一度原油の先物市場を開いたが儲からなかった。第二次石油ショック以降、価格変動で相当儲けられるということで、原油の先物市場が隆盛し始めた。投資家のジョージ・ソロスたちが言っている、その時代からこの金融バブルが始まったというのは、私は正解だと思う。
 
萱野: 70年代というと、シカゴ先物取引所に通貨先物が導入された時だ。その時は変動相場制に移行するということで、為替の変動リスクをヘッジするために先物取引所を作らなければいけなかった。そのことをフリードマンが論文として書いて正当化し、先物取引所ができた。そこから、金融技術は一気に複雑になった。
 
広瀬: あの頃、腐敗事件が起きて多くの人が逮捕された。日本の本にはほとんど書かれないが、アメリカの本は固有名詞だらけだ。1人1人調べて記録をしていくと、歴然と浮かび上がってくる構造がある。私はそれをずっと見ていたので、なるようになったとしか思えない。
 
萱野: 動かしてきた人間の確固とした人脈は、確かにある。
 
金融は我々が思っている以上に人脈で動く。無味乾燥な、国境をどんどん越えて自由に世界を移動するというのは一つの側面だが、実際のルール策定やお金が実際にどう動くか、価格がどう動くかということには人脈の問題が非常に大事だ。これは、金融を見る時に見落としがちなところだと思う。実際に黒幕が誰かということを置いておいたとしても、その視点は大切だと思う。

先物取引がデリバティブを生んだ

神保: 広瀬さんは先物取引を問題視されているが、先物取引の何が問題なのか。
 
萱野: たとえば、あるものを100円で売りたい。今は100円だが、明日には80円になってしまうかもしれない。そうすると、20円の変動を受けてリスクを取らないといけないから、「明日100円で売る」という権利を売り買いする。その権利を第三者に売るなど、もともとリスクをヘッジしていくやり方だったのが、金融技術として派生していって、デリバティブという大きなシステムになった。
 
神保: 先物取引は、実際にものを売買しているのではなく、ものを売る権利を売買するということは、ものと関係なく値段が決まっていくという点で、サブプライムローンが証券化されて売買されたことと根本的には同じものだ。しかし、今金融取引は規制強化が必要だという話になっているが、先物取引を規制しようという話は聞かない。今更先物を規制するのは無理なのか。
 
広瀬: 難しいだろう。G20では「ヘッジファンドが悪い」ということになったようだが、もっと大きな腐敗は、全世界の金融界がヘッジファンドの尻馬に乗ってきたことだ。ヘッジファンドが原油価格を吊り上げることで、巨大金融機関も儲けてきた。

規制緩和を行って儲けた人物

神保: 広瀬さんは、99年の金融近代化法でグラス・スティーガル法を事実上無力化されたことが、今日の金融腐敗の原因を作ったと言われている。グラス・スティーガル法とは何で、規制緩和されたことで何が起きたのか。そして、広瀬氏が金融腐敗の象徴のような存在として特に批判しているロバート・ルービン氏は、その中でどのような役割を果たしたのか。
 
広瀬: 1929年に世界大恐慌が起きた。ファシズムが出てきて第二次世界大戦に至るという悲惨な時代を生み出した元が、大恐慌だ。この恐慌のもとは何かというと、1920年代のアメリカ、皆さんが映画で良く見るギャングがはびこった時代だ。政治家が賄賂を使うなど腐敗の中で、ウォール街がロンドンから金融主権を奪い、株価が暴騰し落ちた。
 
萱野: 株式バブルがあった。
 
広瀬: 会計不正だらけのバブルだった。その後1930年代に、こういうことでは無関係の一般人までが悲惨な目に遭うということで作られたのが、グラス・スティーガル法だ。証券をきちんと管理して無謀な投機や不正が行われないように、銀行界が証券を売ることを禁止した。

 当時、アメリカの鉄道資本などを支配していたJPモルガンという商会を分割させてできたのが、証券会社のモルガン・スタンレーだ。そういう形で、グラス・スティーガル法は、銀行界には普通の人のお金が入る、証券界は証券界でお金を儲けたい人はやりなさいというふうに分けるというルールができた。

 これを台無しにしたのが、クリントン政権の財務長官時代のロバート・ルービン氏と財務副長官だったローレンス・サマーズ、FRB議長のアラン・グリーンスパンたちだ。金融当局の元締めだから、本来はウォール街が暴走することを規制しなければいけない人たちだが、この人たちは全部野放しにした。

 その結果何が起きたか。アメリカでは普通の人たちが、401Kで年金を投資するなど運用した方が儲かるといわれていた。確かに、株価が上がっているうちは儲かったため、そのように乗せていった。

 そして、99年の金融近代化法で商業銀行が証券業務をできるようにした。今回のバブルのようなハイリスク、ハイリターンという危険な投資に大銀行がのめり込んでいき、しかもそこに、投資に無関係な人たちのお金が全部流れ込むような巨大なシステムになってしまった。

 もともと規制を緩和したのと、先物取引の一番の親分が同一人物、ロバート・ルービン氏だった。なおかつ、ルービン氏は財務長官を退任後すぐに、全米最大の商業銀行シティグループに入って、サブプライムローンにシティのお金を注ぎ込ませて、破たんさせたわけだ。流れは非常にはっきりしている。
 
神保: マッチポンプの典型のようだ。今やっと、アメリカのメディアでは批判され始めている。

 
ルービン氏はまず、70年代に先物取引を自由にできるようにした。その後ゴールドマン・サックスに入り、実際にそれを使って彼自身も高額の報酬を得たし、ゴールドマン・サックスも積極的に金融商品を売った。

 その後クリントン政権に入って、今度はグラス・スティーガル法の緩和をした。そしてシティグループに入って、シティグループでサブプライムローンを売ったと。シティグループは実質的には国有化されたような憂き目にあっているが、彼はしっかりと報酬と退職金を得た。



ウォール街の懲りない面々――シティ取締役ロバート・ルービン氏。(2009/4/5) 日経新聞

血税で救われた金融機関が払った2008年のボーナス、しめて184億ドル。世界経済を大混乱に陥れたウォール街は、今や「巨額報酬」の象徴だ。ごう慢、強欲と批判されても、当然の権利と主張する。壁(ウォール)の中の、懲りない金融エグゼクティブたち――。

開き直りと保身 「偉大な長官」晩節汚す 「他社で働いていたら稼ぎは今以上だったはずだ」

 空気を読まないこの一言が世間の怒りを増幅させた。発言の主は1999年から10年間、米シティグループで取締役を務めたロバート・ルービン氏。手にした報酬は総額1億ドルでウォール街の取締役としては最高水準といわれる。にもかかわらず経営監視役として機能しなかったと批判され、それに反論したのが冒頭のセリフだった。



(私のコメント)
「株式日記」ではロバート・ルービンを何度も批判してきましたが、アメリカでもようやく批判され始めた。ロバート・ルービンこそアメリカ金融業界を大改革して金融革命を起こしてきた張本人なのですが、最後はシティの取締役として金融立国アメリカの舵取りをしてきましたが、金融破綻とともに辞任しました。

日本にしてもバブルの絶頂期の頃までは、証券マンや銀行マンは一番はぶりのいい連中であり、日本経済を金融で背負っているような勢いでしたが、バブルの崩壊とともに所見や銀行の経営者は犯罪人扱いされるようになって、ゾンビ銀行は潰せとテレビのコメンテーターに言われるくらいになった。

これと同じ事が欧米を中心に世界的に起きているのですが、ウォール街の懲りない面々も高額の賞与が問題になっている。アメリカは大恐慌の教訓から厳密な規制が金融に課せられてきたのですが、70年代からの先物の解禁とともに規制がどんどん緩和されるようになって、その中心となってきたのがロバート・ルービン氏だ。

広瀬隆氏はこの先物の解禁が金融腐敗の温床だと言っていますが、先物取引の本来の目的はリスクヘッジのためにあるのですが、小額で大量の売買が出来る為に、株式の先物を始めとして市場操作の為に使われるようになって来た。しかしテレビなどでの解説では商品取引を例にあげてリスクを回避するために使われると解説される。

しかしこのようなデリバティブはプロの業界人にとっては有利だが、素人はますますかもられ易くなってしまう。素人がプロの真似をいくらしても敵う筈が無く、デリバティブという金融のジャングルは金融犯罪の温床になるだけだ。ゴールドマンサックスやモンルガンスタンレーは以前はまともな証券会社だったのですが、いつの間にか金融工学を駆使する投機会社になってしまった。

「株式日記」を書き始めた頃もインターネットの普及でプロと素人の無くなるだろうと書いた事もありましたが、確かに素人でもパソコンを何台も駆使してマルチスクリーンでデイトレードも出来るようになった。しかしそれで儲ける事ができた素人投資家がいるのだろうか? プロは先物などを操作してインサイダーもやりたい放題だ。これでは素人はカモになるだけだ。

ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーはアメリカの国策会社のようなものであり、アメリカ政府の財務長官には金融業買い関係者がなる事が多く、アメリカ政府のインサイダー情報は投資銀行に流されて先回りして投資対象を買い占めてしまう。ブッシュがイラク戦争に踏み切らざるを得なくなったのも投資銀行が戦争関連産業の株や資材などを買い占めてしまったからだろう。石油は147ドルまで吊り上げられたし食料も暴騰して食料パニックが起きた。

このように政府とツウツウになれば相場では連戦連勝で経営者は高額な成功報酬を得る事ができる。このように規制が緩和されればやりたい放題の事をする連中が出てくるものであり、90年代の日本もこのようなアメリカの金融マフィアに狙われて規制緩和で引っ掻き回されてしまった。

本来は金融を扱う銀行と、投資を扱う証券会社とは分離されてきたのですが、銀行も高収益を目指して投機的な金融子会社を作ってヘッジファンドとして投機に乗り出してきた。債権の証券化もそれ自体は合理的なのでしょうが細分化されるとリスクが見えなくなってしまう。格付け会社は相手先から金をもらって格付けしてきたからAAAの最高格付けを乱発してきた。アメリカ国債も未だにAAAの最高格付けだ。

このような規制の緩和をし続ければ収益の獲得競争が起きて、イチかバチかのギャンブルをやるようになり、レバレッジをかけてハイリターンを目指すようになる。中には非合法な事をして利益をあげるところも出てくるだろう。リーマンブラザースが潰されたのも、あまりにも非合法な事をしてきて口封じの為に潰されたのだ。死人に口なしだ。

私が「株式日記」というブログを書きながら株から足を洗ったのも株の世界の腐敗堕落を見てきたからであり、ホリエモン騒動の時にもそれは書いてきた。新興株式市場も結局はヤクザの資金稼ぎの場となり、手を出した素人投資家はみんなカモにされてしまった。

証券会社は証券の仲介業務に徹すべきなのであり、自らがギャンブラーになって利益を出すようになればインサイダー取引にも手を出すようになり、非合法手段にも手を染めるようになってしまう。そのようになればマフィアやヤクザもからんでくるのであり、闇社会と金融業界が癒着すればとんでもない国家社会になってしまう。

ロバート・ルービンが「他社ならもっと稼げた」という発言も、国民の怒りに火を注ぐものですが、金融マフィアの親分だと思えば当たり前の発言だ。オバマ政権にはサマーズも加わっていますがマフィアがマフィアを取り締まる事が出来るのだろうか? アメリカはもはやマフィア国家でありオバマ1人ではどうする事も出来ないだろう。やろうとすればケネディのようにマフィアによって始末されてしまうだろう。




アメリカの戦略は、日本に自主防衛させてはならないが、中国の軍備
増強に反対しない。日本は、米中両国が共同して封じ込めておく事だ。


2009年4月18日 土曜日

仮想敵国日本 4月12日 田中良紹

アメリカが日本を「仮想敵国」と見て作戦計画を立てた事が二度ある。一度目は戦前で、日本が日露戦争を始めた明治37年に「ウォー・プラン・オレンジ(オレンジ作戦計画)」が策定された。計画では米軍がサンフランシスコからオアフ、ミッドウェイ、グアム、フィリッピン、沖縄というルートで日本本土を攻撃する。

 ところがその翌年に日本海海戦で日本はロシアのバルチック艦隊を撃破した。世界も驚いたが、最も驚いたのはアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領である。太平洋が日本海軍に制覇される恐怖を感じた。ルーズベルトは議会の反対を押し切ってハワイの要塞化を進め、大西洋艦隊に太平洋巡航を命じた。日本攻撃の予行演習である。大統領は勿論日本に対しては味方のような顔をした。日本を対ロシアの防波堤にする必要があったからである。そのせいか日本は大西洋艦隊の演習をアメリカが日本との同盟を強調していると勘違いし、時事新報は日本に寄港した艦隊を「友好の印」と書いた。「仮想敵国」に味方と思わせることこそ外交の要諦である。後に太平洋戦争でアメリカは「オレンジ作戦」の通りに日本を攻撃した。

 二度目は戦後の経済戦争である。日本の高度経済成長は世界を驚かせた。そして自動車、家電製品などの集中豪雨的な輸出攻勢に海外の製造業は大打撃を受けた。「日本は倒産と失業を輸出している」と外国は非難したが、日本の輸出攻勢は止まらなかった。最も深刻な影響を受けたのはアメリカである。ベトナム戦争の出費もあり、双子の赤字に苦しむアメリカは反撃を開始した。

 第一撃は1971年の「ニクソン・ショック」である。アメリカのニクソン大統領が突然金とドルとの交換を停止、金に裏打ちされた固定相場制を変動相場制に変えた。1ドル360円時代は終わり、円高が始まって日本の輸出産業は打撃を受けた。しかしそれでも日本の輸出は止まらない。輸出で外国からドルが流れ込み、それを外国に貸してまた利息を得る。1985年、遂に日本が世界一の金貸し国、アメリカが世界一の借金国になった。

 アメリカは第二撃を繰り出す。「プラザ合意」である。1ドル200円台の円相場を100円台に誘導した。日本の輸出産業は再び打撃を受けたが、それでも外需依存は変わらない。それどころか日本の低金利政策はバブル景気を作り出し、国中が土地投機に走り、金融機関の弱みを握った暴力団が銀行の資金でアメリカの不動産を買い漁った。日本経済はアメリカにとってソ連以上の「脅威」となった。日本にもソ連と同様の「封じ込め戦略」が必要と認識された。

 アメリカは日本の経済構造を徹底的に分析し、政官財の癒着構造をあぶり出し、司令塔が官僚機構にあることを突き止めた。日本の弱点を知り尽くした上でアメリカは日本の牙を抜く作業に取りかかった。ところが冷戦崩壊とバブル崩壊が一緒に来て、アメリカの作業を待たずに日本経済は自滅した。

 高度成長のからくりは「官僚主導の計画経済」とそれを支える「国家総動員態勢」にある。官僚の作る「政策」が完全遂行されるように、政権交代を求めない野党と行政指導に逆らわない企業、そして国民の目をくらますメディアの協力で高度成長は成し遂げられた。その構造にひびが入り、日本は「失われた時代」を迎えた。

 日米安保体制は日本をアメリカの核の傘で守ると同時に日本を自立させない方法である。それは中国も北朝鮮も知っている。彼らは日米安保こそ日本を強力な国家にしない「ビンのふた」だと思っている。彼らはアメリカだけを向いていれば自国の安全を図る事が出来る。日米安保の存続は、アメリカ、中国、北朝鮮のいずれにも共通の利益である。

 そこでアメリカは考えた。戦前は日本の軍事的脅威、戦後は日本の経済的脅威にさらされた。冷戦後は二つの脅威を同時に封じ込める必要がある。冷戦崩壊後の世界をこれまでとは全く異なる視点で見ているアメリカが、アジアにだけは冷戦が残っているとの口実で日米安保を存続させ、それに経済を絡めた。

 アメリカにとって中国は最大の市場であり、朝鮮半島、ロシア、中央アジアをにらむ時のパートナーである。北朝鮮の存在は日本にアメリカの軍事力のありがたさを思い起こさせる。奇妙なことだが、中国と北朝鮮は日米安保があるから日本を脅威に感じず、日本は中国と北朝鮮の脅威があるから日米安保を必要とする。そして自力で自国の安全を守れない国はどのような経済的要求にも応えなければならない。

 日米安保はアメリカにとって見事なまでに「日本封じ込め」を可能にした。だから金融危機で苦境に立つアメリカが苦境を分け与える相手は日本である。日本にカネがある限り日本のカネを利用できる。これがアメリカの対日戦略である。何が起きても日本は「日米同盟強化」を言い続けなければならない。こうして「仮想敵国日本」はアメリカの前から消え失せた。 



バラク・フセイン・オバマ大統領(32) 3月9日 chinkoro中国の反日政策

(1)3回のパラダイム・シフトの項では、米政府は1942年から「日本に自主防衛させない」と決めていたと、Michael Sherry, “Preparing for the Next War”YaleUniversity Pressを引用して記述しているが、伊藤貫氏は「正論・1月号」にも「オバマ米新大統領の”チェンジ”が日本にもたらすもの」とする一文を載せている。それによると、1941年8月の時点で、アメリカ政府は既に「戦後の日本を、永久に武装解除すると決めていた」と、キッシンジャー元国務長官は記述している、と述べている。アメリカは「日本を戦争に追い込む」ことを計画し、そして叩き潰して「2度と自主防衛できない国にする」ことを、日米戦争が始る前に既に決めていたのである。

そして2008年の米民主党にも「アメリカは日本に自主防衛させてはならないが、中国の軍備増強に反対する必要はない。日本は、米中両国が共同して封じ込めておくべきだ」と考えている者が多い、と述べている。クリントン夫妻、ホルブルック特別代表(元国連大使)然り。1942年のF.ルーズベルト大統領の「米中による日本封じ込め」政策と同じ考えであり、米民主党の親中嫌日的な政策は、いつまでたっても変わらない。共和党でも同じであると言う。

ブッシュ(息子)は2003年ごろまでは親日的であったが、2004年以降、父親やキッシンジャーに説得されて、「米中両国で日本を封じ込めておく」と言うアジア戦略に賛同するようになる。そして「日本を押さえつけておく為に必要だ」と納得して、2008年米朝合意をしたのである。ジョージ・W・ブッシュは、決して親日ではないし、アメリカに依存する外交政策は間違いである。

米ソ冷戦の終わった後も、政治家や国際政治学者の著作や論文には、「日本は、アメリカの保護領に過ぎない」とか「実質的な属国である」と描写されていると言う。21世紀になった現在でも、「日本に、永久に自主防衛能力を持たせない。日本が2度と外交政策を実行できない国にする」と言うアメリカの日本に対する基本的考え方は継続されており、変わっていないと言う。

今後、オバマ政権が日本に対して表面的にはどんな甘い言葉を使おうが、日米関係のこの基本的な構造からは外れることはない、とこの筆者は結論付けいてる。そして、「オバマは計算高い民主党のポリティシャン(政治屋)であり、2012年の大統領再選に不利になるような言動はしないだろう」と言っている。

彼は信念タイプの政治家ではなく、政治を一種のゲームに勝つように立ち回る「ゲームズマン・タイプ」の政治家とみなしている。そのためオバマは、自分の政治キャリアに不利になるような言動を徹底的に避ける。そのため、「変革」は掛け声だけであろうと予測している。そしてこの対日戦略の枠組みからは決して外れることはないし、中国と真正面から対抗してまで、日本や台湾を守ろうとはしないであろう、と予測している。

たった1回の戦争に負けただけで、「自分の国は自分で守る」と言う当たり前の義務を果たすことをやめてしまった日本は、今後、「偉大な中華帝国」の属領となるだろう。そして、日本が中国勢力に併合されても、世界中、どこの国も日本に同情しないだろう。

日本と言う国は、北朝鮮が核武装し、日本の女性や子供を拉致しても、自国の国民を自分で守ろうとすらしない国である。そんな卑怯な国に同情する国など、世界中に存在するわけが無い。このように結論付けている。しかし、そこから脱却する為の方策も述べている。

それは先に述べたように、

・自主的な核抑止力を含む自主防衛能力を構築すること。

・同盟関係を多角化すること。

これらのことは先に述べた提案と同じであるが、三つ目はまともなものであり是非とも実現させたいものである。

・兵器の確保や軍事技術の開発について、アメリカだけに依存せずに、ヨーロッパ、インド、ロシア、イスラエルとも、共同して進める必要がある、と提案している。

「米中両国に弄(もてあそ)ばれる」日本外交から脱却する為には、多極化したバランス・オブ・パワー外交が必要なのである。日本の同盟関係と軍事・外交・技術の協力関係を多角化し、多極的なバランス・オブ・パワー外交を推し進めることが、日本の生き延びる道である。さし当たっては、F−22なんぞの採用にこだわらず、ブラックボックスを設けないとしている「ユーロファイター」を採用することである。


(私のコメント)
アメリカの見えない国家戦略は、アメリカの外交をよく分析しないと見えてこない。アメリカの大統領の言っている事とやっている事が矛盾しており、同盟国の日本を叩き潜在敵国の中国と戦略的パートなシップを謳う外交は、日本人には理解に苦しむ事だ。北朝鮮のミサイル発射を巡る安保理決議も日本はアメリカに裏切られて議長声明で終わってしまった。

ソ連崩壊以降のアメリカの外交の基本は、ナンバー2である日本を徹底的に抑え込む事であり、戦略的パートナーである中国と組んで日本を弱体化させることだ。日本を弱体化させることで超大国となる中国から守ってやると言う姿勢で在日米軍を半永久的に置いて日本から金を出させるのがアメリカの国益になる。

今週もパキスタン支援国会合が東京で開かれますが、アフガニスタン支援国会合もイラク支援国会合も日本は参加して大金を支援していますが、日本は金をばら撒くばかりでそれを外交に生かしているとは言えない。アメリカは金が必要な時だけ日本にすり寄ってきて金を出させる。EUは全体でも6億ドル程度なのに日本は10億ドルも出す。

経済援助は外交政策として必要ですが、自主的なものでなければならない。イラクにしてもアフガニスタンにしてもパキスタンにしてもアメリカがさんざんボコボコにしてきた国であり、ボコボコにしてから助けてあげると言った自分勝手なアメリカの行動に日本がお付き合いをしてあげる理由は無い。

日本はむしろアメリカの自分勝手な行動を諌めるべき立場なのですが、むしろ日本の首相は従属的な態度を振舞うのが通例になっている。アメリカは世界の警察官と言うよりもマフィアの親分と言うべき国であり、敵であるマフィアには友好的な態度で接して、部下に対しては血の粛清でマフィアの秩序を守ろうとする。

グルジアもアメリカにとってはかわいい子分のはずですが、ロシアのとの武力衝突を避けてグルジアを裏切ってしまった。韓国も台湾も中国との対立を避けるためには切り捨ててしまうかもしれない。イラクやアフガニスタンには戦争を仕掛けておきながら、極東では戦略的な撤退が続いている。北朝鮮が核を開発したりミサイル実験をしても制裁するつもりは無いようだ。

日本の外交は吉田ドクトリンに変更はないようですが、米ソの冷戦構造では有効な戦略でも、冷戦が崩壊して米中によるG2体制を目指しているアメリカに対しては吉田ドクトリンは時代錯誤である事に政治家も国際政治学者も気が付いていない。むしろアメリカは中国と連携して日本封じ込め戦略をとっているものと見られる。それは90年代のクリントン外交を見れば明らかだ。

アメリカは冷戦崩壊以降の敵の姿が見えなくなって疑心暗鬼となり、誰が敵で誰が味方であるかを見失ってしまった。9・11テロ事件における常軌を失ったアメリカの態度は世界を震え上がらせましたが、結局はイラクとアフガニスタンを血祭りに上げて鬱憤を晴らした。だからその矛先がいつ日本に向けられるかもしれない注意が必要だ。

アメリカの唯一の弱点は経済力が衰退して来た事であり、ドルの基軸通貨体制に軋みが生じてきている事だ。アメリカはIT革命だとか金融革命だとか言う幻想を作り上げては世界から金を集めて金融帝国を作って世界支配を目指そうとした。しかしIT革命も金融革命もガセである事がばれてバブル崩壊が起きている。

もしかしたらオバマ大統領はアメリカのゴルバチョフなのでしょうか? ソ連の崩壊も経済の行き詰まりからおきましたが、アメリカも経済が行き詰ってアメリカ軍もイラクやアフガンで勝利なき戦いを続けている。このような状況にもかかわらず日本は能天気にアメリカ従属姿勢を続けているのですが、90年代の日本叩きに懲りてアメリカに対して何も言えない。

アメリカ政府は80年代から何度も日本政府に対して戦略的対話を呼びかけましたが、日本からはなんらの戦略構想も打ち出す事が出来なかった。それがアメリカの疑心暗鬼をよんで日本叩きに繋がったのだろう。しかし叩いたところで日本はアメリカへの従属しか打ち出せなかったから呆れ返ってしまった。集団的自衛権すら放棄しているのだから同盟国ですらないと言う事になる。

しかし集団的自衛権を認めればアメリカがイラクと戦争をすれば日本もイラクと戦争する事になり、アフガニスタンにも軍隊を派遣する事になる。小泉内閣の時にも自衛隊の出動が求められましたが復興支援という名目で自衛隊が出た。インド洋への補給活動も、ソマリア沖での海賊対策でも自衛隊が出動していますが、何らかの戦略に基づいた行動なのだろうか?

アメリカの日本弱体化政策と集団的自衛権は矛盾した政策に見えますが、日本をアメリカの完全なコントロール下に置くという見方からすれば矛盾しない。自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入り植民地軍としての忠誠を求められている。中国がこのまま軍事大国化して台湾や朝鮮半島に戦争を仕掛けてきたら、アメリカ軍の指揮下で自衛隊が中国と戦う事になるのだ。

田中良紹氏のブログでも日本を自立させない事がアメリカの戦略であり、明治維新以来米英にとっては日本は番犬であり、清朝や帝政ロシアと戦争させられてきた。それと同じような状況に日本はあるのですが、集団的自衛権を認めれば再び日本はアメリカの番犬になってしまう。

このような複雑な状況では日本独自の戦略を言えと言っても無理なのであり、日本はアメリカの番犬になるまいと無言の抵抗を続けているのですが、アメリカの方も米中によるG2体制と言うフェイントを出してきた。地政学的に言えば大陸国家である中国とアメリカとは同盟国とはなり得ない。中国が大国化すればするほどアメリカとの利害の衝突が起きる。その点から言えばブレジンスキーのG2体制発言は気が狂ったとしか思えない。

日本は日米安保条約によって国内にアメリカ軍の基地で固められてしまっている。こんな状態で外交や軍事を考えろと言うのは無理な話で、どうしたら日本は真の独立を勝ち得るしか当面の目標は無い。アメリカが衰退して行って自発的に日本から出て行ってくれる事を願うしかないのであり、在日米軍が日本に駐留している限り日本が独立国であるというのは幻想に過ぎない。




トップが数値目標を掲げてイケイケドンドン式に推し進める経営は、
1、2年の短期的な対応としてはいいが、その後に必ずリバウンドがきます。


2009年4月17日 金曜日

ホンダはいかに黒字を死守したか:福井威夫 4月17日 取材・構成 片山修

トップが数値目標を掲げる経営は破綻する

片山 ホンダは今期の業績見通しを下方修正したものの、営業利益は1400億円で黒字を確保しました。この環境下で黒字とは驚きですが、いったいどのような舵取りをされたのですか。

福井 正直いって、ここまでひどい状況になるとは想定していませんでした。ただ、一昨年の夏に米国でサブプライムローン問題が顕在化したとき、芝刈機などの汎用製品の売れ行きがだいぶ落ち込んだんですね。汎用エンジンの売り上げは住宅市場と連動していますから、住宅販売が鈍化するとすぐに影響が出ます。私は、本社にタスクフォースをつくって市場の動向を詳しく調べさせました。その結果、自動車市場にも影響が及ぶかもしれないとにらみ、昨年の初めごろから在庫を絞りはじめたんです。

片山 ところが、2008年の3月から5月にかけて、ガソリンの高騰から小型車の人気に火が付き、在庫が切れて供給が追いつかなくなりましたよね。

福井 ええ。ちょうどガソリンの高騰によって新車の販売が伸び悩んでいた時期でしたから、慌てて生産対応をし、追いつくことができたのが、2008年夏ごろですよ。

片山 いったんブレーキをかけたけれど、またアクセルを踏んだわけですね。

福井 そう。とはいえ、タスクフォースが上げてくるデータを見ると、悲観シナリオが実現しそうな感触があったので、在庫はもちたくないな……と。そこで、9月末に再びギアチェンジをして「在庫をもつな」とすべての現場にお願いをしたんです。

当時、鈴鹿も埼玉の工場もフル生産を続けていましたから、ブレーキをかけるのは大変でしたが、着実な対応をとったことで深手を負わずに済みました。その後、10月になってドーンと需要減がきた。文字どおり底が抜けたような落ち込み方でした。

片山 他社は、ヤードに在庫の山ができていたことに経営が気づかなかったことが対応の遅れにつながったといわれています。ホンダはいち早く気づいた。明暗を分けた理由は何でしょうか。

福井 空気の変化にいちばん敏感なのは現場です。現場の人間が何を感じているかを、つねに知っておくことが重要なんですね。現場が正しい情報を上げてくる。経営は素直に耳を傾ける。そのコミュニケーションがうまくいっていたということではないでしょうか。

むろん、上から号令をかけてイケイケドンドンで行く時期もありますし、2年、3年前ならばそのほうがむしろよかったのかもしれません。しかし、ある時期を境にして、現場は「こんなに売れるのはおかしい」と感じていました。その情報をきちんとキャッチできるか否かなんですね。


通常のオペレーションで上がってくる生産販売情報は平均値ですから、パッと見ただけでは実態がつかみにくい。ですから、タスクフォースをつくって実態を調べ、現場の感じている空気をつかみました。販売台数や利益よりも、とにかく在庫を減らせといったのは正解だったと思います。

片山 その意味で、福井さんは「経営が数値目標を掲げて号令をかける米国型の“コミットメント経営”は破綻した」とおっしゃっています。

思うに、“コミットメント経営”を排除していたことが、ホンダの黒字につながったのではないでしょうか。日本の企業は、今後、経営モデルそのものを変えていく必要があるのではないでしょうか。

福井 トップが数値目標を掲げてイケイケドンドン式に推し進める経営は、1、2年の短期的な対応としてはいいのかもしれません。しかし、その後に必ずリバウンドがきます。

私は、もっと本質的な部分を地道に強化していくことが大事だと思うのです。2008年、「第10次中期計画」(2008〜2011年)を発表したときに、以前から取り組んでいる「源流強化」という言葉を使って、あらためて本質的な部分の強化を訴えたのはそのためです。販売台数や利益についても、数字はあくまでイメージであって、コミットメントではない。

片山 ただ、現場においては、目標管理は必要だと思いますがね。

福井 むろん、営業の最前線などでは、数値目標は非常に重要です。しかし、トップがコミットメントにしてはいけない。組織というものは、トップが数値目標を掲げた途端、それを達成するためだけに突き進むようになってしまうものなんです。短期的には効果があるかもしれませんが、続くわけがない。息が切れて落ちていきます。数字をクリアすることに集中してしまうと、結局、お客さまの信頼を損なうことになってしまいます。

数字はあくまで結果です。重要なのは、お客さまの満足度をいかに上げるかであり、それこそが「源流強化」だと思うのです。これは経営の原点・源流であると同時に、人間の原理原則だと思います。

片山 それから、新社長に就任する伊東孝紳さんは、開発部門の本田技術研究所社長を兼任することが決まっています。兼任を選択された理由は、何でしょうか。

福井 いまこの時期に何がいちばん重要かといえば、スピードなんですね。意思決定のスピード、商品のアウトプットまでのスピード、あるいは状況に応じたフレキシブルな生産シフトなどです。

ご存じのとおり、いまは車が売れず工場は生産余力がある状態です。研究所が一緒になって余力を持て余していてはダメです。売れないときこそ次の商品開発を急がなくてはなりません。研究所の社長を兼務することによって、トップの意思がスパッと現場に通りますから、非常にスピーディかつ的確に物事が進みます。また、研究所員のモチベーションアップにつながります。

片山 福井さんご自身、現場と本社のあいだに距離を感じていたということでしょうか。

福井 そうですね。よく大企業病などといわれますが、業績が好調なときほど現場と本社の距離は開くものです。歴代社長は皆さんそうですが、研究所の社長経験がありながら、本社の社長に就任するや、現場に意思が伝わりにくいといって苦心する。私もそうでした。

片山 2008年12月5日、F1からの撤退の決断は速かったですね。

福井 F1撤退を決断してから現場の空気がガラリと変わりました。あれがきっかけとなって、現場と本社にさらなる一体感が生まれたんです。

来期は正念場ですが、そこでF1撤退の効果がどう出るか。数百億円のF1費用が来期はゼロになりますから、その削減効果が出るはずです。

それに、F1関係に投じていた栃研(本田技術研究所四輪開発センター栃木研究所)の約400人が商品開発の戦力として加わります。そのうちの数十人は、「KERS(カーズ)」というF1マシンのエネルギー回収システムを開発した専門技術者です。この技術はそのままハイブリッド車の商品開発や、新たに立ち上げるバッテリー事業に生かせます。彼らを即戦力として投入できますから、文字どおりスピード感のある商品開発が期待できます。(中略)


「ハイブリッド」という高付加価値戦略

片山 新型ハイブリッド車「インサイト」が189万円という低価格でインパクトを与え、発売直後から月間目標の3倍以上の受注台数を記録しました。3月9日現在、累計受注台数は1万8000台ですね。ピックアップトラックの開発をやめた背景には、ハイブリッド車の開発構想があったのではないですか。

福井 そのとおりです。小型で燃費のいい車を考えるとき、これからは環境対応車が主軸になっていくだろうと考えていました。実際、トヨタの「プリウス」が非常によく売れていましたしね。お客さまは環境型の新しい車に乗るという新鮮なイメージで買われたと思うのです。だから、高めの価格設定であったにもかかわらず、納車まで半年も待つほどの人気が出た。ただ、イメージで売れる時代は長くは続きません。そこで、低価格で競争力のあるハイブリッド車というコンセプトで開発を進めたわけです。

片山 「インサイト」は低価格ハイブリッド車の流れをつくった点で、そうとうのインパクトを与えているのではないでしょうか。

福井 自慢話で恐縮ですが、インサイトは低価格でありながら、室内空間、荷室が広く、また運転してたいへん楽しい車に仕上がりました。その点でいえば、189万円という値段は割安感があるかもしれません。

あのサイズの車は、ハイブリッド車でなければこの値段ではたぶん、売れません。ハイブリッドという新しいシステムを用いて付加価値を高めているところに、この車の魅力がある。逆にいえば、同じ量の資源、部材を使ってつくりながら、より高い値段で売れる車がハイブリッド車なんですね。

片山 「インサイト」はハイブリッド専用車ですが、既存車種のハイブリッド化もニーズとして大きいのではないでしょうか。

福井 燃料電池車、電気自動車が実用化されるまでは、現実的に、既存商品をハイブリッド化して、バリエーションを増やしていく必要があります。ご承知のとおり、ホンダは、すでに「シビックハイブリッド」を商品化していますが、今後は「フィット」のハイブリッド化を決めています。また、中・大型車のハイブリッド化についても考えています。

一時、次世代ディーゼルエンジンをやろうと思っていたのですが、技術的な課題やマーケット事情を考えるとすぐには難しい。その点においても、ハイブリッドは現実的な選択肢だと思っています。

片山 ビジネスモデルとしては、ハイブリッド専用車のほうが優れてますよね。

福井 いや、そうでもないんです。ハイブリッド専用車でないことのメリットは、現地生産の容易さです。ベース車を現地生産していれば、ハイブリッドシステムのモジュールを持って行きさえすれば組み立てられるんですね。「フィット」は、海外で現地生産していますから、部品を持って行くだけで生産できます。

片山 一方、ホンダは、独自に燃料電池車の開発を進めてきました。2020年ごろに実用化されるという声もありますが、見通しについてはいかがですか。

福井 「FCXクラリティ」は、すでに実用レベルに近いところまできています。米国ではすでに一般のお客さまに販売しましたし、国内においても環境省、帝都自動車交通がそれぞれ1台、ホンダも広報車や宣伝用にもっています。したがって、2020年ごろの実用化というご指摘は、かなり現実的な話ではないでしょうか。

技術的な課題はほぼ見通しがついていますから、今後はコストダウンが課題になってきます。その見通しさえつけば、実用化も一気に射程に入ってくる。むろん、スタンドなどインフラ整備の問題もありますが、それよりむしろ、水素をつくる段階でいかにCO2の排出量を減らせるかのほうが大きな課題といえます。

いずれにしても、私は、自動車における環境技術の究極は燃料電池車であると確信しています。この技術さえ極めておけば、バッテリー式の電気自動車にせよプラグインハイブリッド車にせよ、技術的な対応はすぐにできます。ですから、燃料電池車をできるだけ早く実用化しなければいけないと考えています。

環境技術は日進月歩の勢いで進んでいますから、少しでも油断したらたちまち抜かれてしまいます。なかでも、ドイツの自動車メーカーは技術も優れているし、競争力もある。スピーディに開発を進めなければなりません。(後略)


(私のコメント)
ホンダのハイブリッドカーのインサイトは都内でもちらほら見かけるようになりましたが、リーマンショックで車がぱったりと売れなくなった年度においても黒字を維持しています。自動車会社は在庫の調整が経営を左右しますが、輸出自動車用埠頭には船積みを待つ自動車の在庫の山が出来ている。

「株式日記」ではリーマンショックが表面化する前からサブプライムローンが問題になっていると書いてきましたが、大会社を経営をしているような人は「株式日記」も見るヒマはないのでしょう。去年の3月のベアスターンズの破綻で軌道修正すべきだったのでしょうが、本格的な金融危機が襲ってくるまで自動車会社は在庫調整に動けなかったのでしょう。

派遣切りなどに見られるように、去年の秋から生産調整が本格化してトヨタなど派遣切りで批判を受けましたが、実際に輸出がストップするまで生産調整を事前にすることは難しいようだ。ガソリン価格が1バレル147ドルにまで上がって大型車が売れなくなりGMなどのビックスリーは倒産の危機に直面している。

自動車メーカーはモデルチェンジを繰り返しながらも、技術的には変わり映えの無い車を作り続けてきた。だから中国やインドでも国産の自動車が作られるようになり、自動車は価格競争の商品になってしまったのだろうか? しかし車がガソリンで走る時代は先が見え始めている。そしていずれは電気モーターで走るようになるだろう。

日本の自動車メーカーも次世代車の開発には取り組んではいますが、商品化しているのはトヨタのハイブリッドカーのプリウスぐらいで、相変わらずガソリンやジーゼル車ばかりだ。次世代車が燃料電池車になるか水素自動車になるか電気自動車になるかハイブリッドカーなのかは試行錯誤が続いていますが、当面はホンダの福井社長が言うようにハイブリッドカーになるだろう。

私は電気自動車になるだろうと考えましたが、自動車用リチウムイオン電池の量産化が難しいらしい。燃料電池と同じように次世代電池も技術とコストの壁があり、とても一気に普及するような目処は立っていない。三菱自動車の電気自動車も今年は2000台しか生産が出来ないのも電池の生産がネックになっているからだ。

ニッサンやマツダがハイブリッドカーで参入が遅れてしまったのも技術的な動向を掴むことが難しいからであり、経営者の判断の差がここに来て現れてきている。技術のニッサンといいながらゴーン社長はコストを切ってきただけだ。自動車にもエコロジーの波が来ており燃費のいい車が求められている。

しかしガソリン車やジーゼル車では燃費に限界があり、ハイブリッドカーを改良して行くしか燃費を良くする道は無い。電池の改良が進めばプラグインハイブリッドカーも出来るし、小型車なら電気自動車も実用化される。だからハイブリッドカーが飛ぶように売れているのですが、ホンダは燃料電池車に力を入れてきた。福井社長の話では燃料電池の技術があれば電気自動車にもプラグイン車にも技術は転用できると言う事です。

これからの自動車メーカーは大変動の時代を迎えて来た。ビックスリーも倒産して再編成が行なわれるでしょう。日本の自動車メーカーも技術動向を見誤ればニッサンやマツダのように次世代車の流れに乗り遅れていく。福井社長の話ではハイブリッドカーは儲かるらしい。同じ規模の車でもよりハイブリッドカー高く売れるのだからホンダとしても稼ぎ頭になろうとしている。

本田のフィットもハイブリッド化されるようですが、ハイブリッドのモジュールを組み込むだけだからコストは安く付く。今売れているのはプリウスやインサイトと言った専用車ですが、既存の車にも組み込まれて行くようだ。ハイブリッドならガソリンが安くなればガソリンで走るし、高くなれば電気で走る事が出来る。

ただしハイブリッドカーは複雑だから作るのが難しい。電気のエンジニアを確保する事も大変だし、コントロールプログラムも数千人のプラグラマーが必要だ。ニッサンもマツダも外資系企業になりトップダウンの経営が裏目に出てしまった。もはやトヨタやホンダに追いつくのは不可能だろう。

福井社長が述べているように、トップが数値目標を掲げてイケイケドンドンという経営は短期ではいいがいずれ無理が出る。時代の流れに乗っていくには現場の状況が逐一把握できるように日本的な経営をしている企業が発展して行く。アメリカがやってきたような成果主義では現場の状況の情報を現場が抱え込んでしまう為にニッサンやマツダのようになってしまう。

富士通にしても成果主義を取り入れて経営がおかしくなってしまった。技術的な動向は現場の人間が一番良く知っているが、数値目標を掲げた成果主義では結果的に情報がトップに伝わらなくなってしまう。派遣社員を使えば人件費は安く付くが技術の伝承が上手く行かずに積み重ねが出来なくなる。結局はアメリカの真似をした企業は市場原理主義とともに市場から排除されていく事になった。





日本が原爆の罪でトルーマンを告発するようなことがあればアメリカ
も報復として天皇を戦争犯罪で告発するでしょうし、逆もまた然りです。


2009年4月16日 木曜日

現代史についての雑文その18 ドイツと日本4 3月14日 KNブログ

ところが、冷戦の始まりやら朝鮮戦争の勃発やら何やらあって、アメリカによる日本占領統治が東京裁判終了から3年も経たないうちに終わることになってしまったのでした。しかしそうなるとアメリカとしては困ってしまうのです。占領統治が終わるということは、占領軍の作った条例に基づいて行われた東京裁判の判決も無効になってしまうということで、しかも日本国民を縛っている言論統制体制も日本国民の洗脳が完成しないまま終わるということでもあり、もともと東京裁判のような裁判としても政治ショーとしても落第点の陳腐な政治的茶番などに何の権威も正当性も説得力も認めていない日本国民は東京裁判の判決などさっさと捨て去ってしまうことでしょう。

そうなると改めて日本国民によって大東亜戦争の戦争犯罪に関して訴訟を起こそうという動きや、東京裁判における冤罪の損害賠償を求める訴訟を起こしたりする動きも出てくる危険性がありました。特に恐ろしいのは、原爆投下の犯罪でトルーマン大統領を告発する動きが出てくることでした。

しかし、一方で占領統治の終わりによって東京裁判の判決が無効になるということは日本政府にとっても恐るべき事態でした。東京裁判の判決が無効になるということはアメリカなど連合国も大東亜戦争の戦争犯罪の解釈が自由になるということで、日本が原爆の犯罪を告発出来るようになるのと同様に、連合国側も天皇を戦争犯罪人として告発することが出来るということでもありました。占領期間中はそうした動きはアメリカ政府がストップをかけてくれていました。占領統治を円滑に進めるには天皇の存在が必要だったからです。しかし占領統治が終わればアメリカ政府は天皇の存在を特には必要としなくなります。だから東京裁判の判決が無効になればアメリカや他の連合国は天皇を告発するかもしれません。しかしそんなことになれば日本政府は現状の天皇を中心とした中央集権体制が揺らぐので困るのです。

つまり1951年の占領統治終了によって大東亜戦争の戦争犯罪を巡る問題は東京裁判以前の状態に戻ってしまったのです。日本側は原爆でトルーマンを告発出来るし、アメリカは天皇を戦争犯罪で告発出来る状態です。もし日本が原爆の罪でトルーマンを告発するようなことがあればアメリカも報復として天皇を戦争犯罪で告発するでしょうし、逆もまた然りです。

もちろん実力でも当時の価値観においてもアメリカが圧倒的に有利ではありましたが、新世界秩序が崩れ始めていた当時の情勢の中でアメリカの大統領が原爆投下という極めつけの戦争犯罪で告発されるという事態はそれだけで世界全体に巨大な影響を与える恐れがありました。1949年にソ連が最初の原爆実験に成功し、この頃は既に世界は核戦争の可能性を孕んだ時代に突入していました。そのような時に現職のアメリカ大統領の思わぬ大量虐殺者としての余罪がスポットライトを浴びるのはアメリカにとって避けたいことでした。一方、日本も主権を回復してこれから復興していこうという時、また共産主義の脅威に晒されている時期に、天皇の権威が揺らぐようなことは避けねばなりませんでした。

そういうわけで日米両政府の利害は一致し、共に講和条約を結んだ後も東京裁判の判決を護持していき、それ以外の大東亜戦争の戦争犯罪に関する解釈を一切排除して、天皇と原爆の問題に永久に蓋をし続けるという約束を結んだのでした。つまり占領中に自然に出来上がった野合というか共謀関係を講和後もそのまま継続していくことにしたのでした。

そしてそれをサンフランシスコ平和条約の条文の中に盛り込み、条約調印国すべてにもその約束を徹底させ、天皇と原爆の問題は今後は蒸し返さないという約束を結ばせたのでした。日米の同盟関係とは、東京裁判史観を維持して原爆と天皇を裁かないで利用し続けるという一点でかつての敵同士が野合した同盟関係という側面も持って出発したのだといえます。

そして、日本政府は日本が世界征服を企んでアジアを侵略したという荒唐無稽な東京裁判史観を順守していくことになり、アジアに謝罪をし続けていくようになったのでした。また、東京裁判史観に則って、誤った侵略戦争で死んだ兵士たちに謝罪して二度と戦争をしないという誓いをする毎年夏恒例の戦後平和教の式典を開いて新世界秩序への服従の意を世界に向けて示す、一種の服属儀礼をこなしていくようになったのでした。

また決して原爆投下についてアメリカを責めることはしないという立場上、原爆投下は侵略戦争を始めた日本の責任であるという倒錯した「あやまちは繰り返しません」の原爆慰霊碑にあるような公式見解を持つようになり、毎年、原爆記念式典を開いて、まるで日本政府が原爆を投下したかのように反省の意を表明し続ける、これも一種の服属儀礼を毎年夏に行うようになりました。これらの夏の風物詩となった服属儀礼が日本が東京裁判史観、すなわち東京裁判の判決を引き続き守り続けているという証なのです。(中略)

そして、日本の近代史が丸ごと侵略の歴史であるという珍妙な歴史観が発明され、それを基にして、アメリカの世界戦略に則ってのアジア諸国への贖罪を口実とした経済支援や利権ビジネスを正当化するために日本がアジア諸国に悪いことをしたという自虐史観プロパガンダが大いに展開されるようになり、これが日本における自虐意識や贖罪意識を生み出し、若者世代の精神荒廃に繋がっていきました。また贖罪外交の行き過ぎによって朝鮮半島や共産シナにおいて反日政策を生み出して反日感情を激化させることになったのでした。

こうした虚偽の歴史観や誤った占領方針などを正当化するためのプロパガンダや、それらへの批判を封殺するための徹底的な言論統制が占領軍によって行われるようになり、国民には秘密でマスコミ操作、検閲、焚書などが行われました。こうして国民を裏切って占領軍の手先となったマスコミ、言論人、学者、文化人などがアメリカ政府の指示を受けて新世界秩序の安定化のために日本国民や日本政府を監視したり騙して操ったりする秘密特権階級を構成するようになりました。またこの特権階級が作り上げた学会の定説に則って虚偽の内容が学校教育の中で教えられるようになり、歪んだ考え方の日本人が大量生産されるようになったのです。

更に「日本の軍閥が世界征服のために共同謀議して侵略戦争を起こした」という荒唐無稽な東京裁判史観が生まれ、天皇と原爆を不問にするために日米両政府が東京裁判史観を公式史観とすることで協定を結び、日本政府は日本国民が新世界秩序の決めたレールから踏み外して東京裁判史観を否定したり原爆の罪を告発したりしないように誘導したり監視したり真実を隠して騙したりする役目を担うようになりました。
こうして戦後日本政府を構成したあらゆる与野党の政治家や官僚もアメリカ政府と繋がった秘密特権階級を構成するようになりましたが、マスコミや文化人らは政府に従属するのではなく、政府から独立してアメリカに直属して政府の裏切りを監視する役目も担いました。


(私のコメント)
NHKスペシャルの「アジアの一等国」に対する反日的な描き方に対しては先週に書きましたが、NHKがどうしてこのような偏った編集をして放送するのかという疑問が残る。日本による台湾への占領統治政策がどのようなものであったか、当時を知る台湾人のお年寄りのインタビューを中心に編集されていましたが、日本を非難する部分だけ取り上げている。

全体的構成を見ても中国共産党の歴史観と重なる部分が多く、台湾人を漢民族として何度も指摘していましたが、台湾人から見たらどうなのだろうか? 言葉も文化も違うのに漢民族と断定する根拠は何なのか? NHKからすればチベット民族も新疆ウイグル自治区の民族も漢民族という事になるのだろう。これではインタビューを受けた台湾人こそ被害者でありNHKは中国共産党の歴史観で番組を編集したのだ。

NHKに限らず日本のマスコミは教科書問題や総理の靖国参拝問題を通じて、中国や韓国の政府要人の発言を大々的に報じて、中国や韓国を反日国家とする事に成功した。要するに中国人や韓国人に「日本は我が国にこんなに酷い事をしてきた犯罪国家だ」と言い続けさせる事で、日本人にいつまでも贖罪意識で縛り続ける必要があるからでしょう。

NHKがどうして台湾を中国共産党の歴史観で描くのかといと、暗黙のうちに台湾は中国の一部と言う洗脳工作のためでしょう。これではインタビューを受けた台湾の老人たちもたまったものではなく、その後の話では肯定的な話もしたのにことごとくカットされてしまったと話しています。中国も70年代までは親日的であった面もあったのですが、中曽根総理の靖国参拝などで反日国家となってしまった。日本のマスコミ工作でそうなってしまったのだ。

日本のマスコミがどうしてこのような事をするようになったかというと、KNブログで書かれているように、マスコミがアメリカ政府の指示を受けて世論工作をすることで特権階級を形成していることであり、米軍による占領統治は未だに続いているのだ。でなければ「アジアの一等国」のような反日ドキュメントは放送できるはずが無い。それだけアメリカ政府は東京裁判史観をひっくり返される事を恐れている。

田母神航空幕僚長が罷免されたのも田母神論文が東京裁判史観を覆すものであり、自衛隊員があのような歴史観をもたれたら在日米軍にとっては非常にまずい事になる。だから防衛省の浜田大臣や次官は田母神氏を即刻罷免とする事で在日米軍を納得させたのだろう。田母神論文は歴史観の表明であり政府の政策にに反する発言をしたわけではない。

KNブログに書かれているように、問題の根源は東京裁判のデタラメさにあるのですが、「占領軍の手先となったマスコミ、言論人、学者、文化人などがアメリカ政府の指示を受けて新世界秩序の安定化のために日本国民や日本政府を監視したり騙して操ったりする秘密特権階級を構成するようになりました。」だから新聞記者やNHKなどの放送局員の待遇は非常に恵まれており平均年収は1000万円を超えている。

麻生総理も国会議員の世襲制については肯定的なようですが、国会議員も身分が固定されて在日米軍に都合がいい政治家が日本を統治する事は望ましい。小沢一郎のような人物が政権を取れば「第七艦隊だけでいい」と言い出すかもしれないから、検察は動いたのだ。つまり日本の官僚機構は在日米軍の統治機構の一部であり、NHKもその管理下にある。

戦後の日本人はテレビと言う洗脳機械によって見事に洗脳されてしまった。NHKがあのような放送をすれば国民の大部分があの番組を信じて、日本は酷い占領統治をした犯罪国家と言う意識が植え付けられて、東京裁判が正当化されていくのであり、平和憲法も安泰であり、在日米軍も安心して日本にいられるという事になる。支配階層である政治家や官僚にとっても権力の後ろ盾になるのは天皇ではなく在日米軍なのだ。

「NHKスペシャル|シリーズJAPANデビュー」は三年間にわたって放送されるシリーズですが、日曜日のゴールデンタイムに放送されて日本人を洗脳し続けるつもりなのだろう。中国人や韓国人の反日を煽っているのは日本のマスコミであり、日本のマスコミを背後で操っているのは在日米軍の情報部だ。つまり日本に在日米軍が存在する限りは日本の真の独立なないのであり、特権階級化した政治家や官僚が在日米軍を追い出すはずが無い。

日本政府はサンフランシスコ講和条約で東京裁判を受け入れたとしましたが、平和憲法と日米安保がセットで成立して、在日米軍による半永久的占領支配は続くのだろう。北朝鮮が核実験をしたりミサイルが日本上空を飛んだところで、日本の自衛隊が何も出来るわけではない。自衛隊のF15には爆撃装置は無い。イスラエルみたいにイラクの原子炉を空爆できるような能力は航空自衛隊には無いのだ。それだけ日本はアメリカに管理された状態であり、NHKの偏向番組も黒幕は占領統治を続ける在日米軍だろう。


本日発売週刊新潮にNHK台湾報道批判  4月16日 杉田謙一

「歪曲」以上に、台湾の人々の証言が、編集の名の下に恣意的に操作され日本を貶める論調に利用されたことだ

 本日発売の週刊新潮に、NHK台湾報道を、NHK「超偏向」番組 として大見出しをつけた特集記事が載った。副題に歴史歪曲と「台湾人」も激怒したとある。

 記事はまさに日本人が言いたいことを詳細に書きつづってくれている。
金美齢女史の「偏向報道の一語に尽きます。日本は加害者という自虐史観有木でそこから一歩も出ていない」との批判から始まり、台湾研究フォーラム会長の永山英樹氏の「人間動物園」(日英博覧会出の民族舞踊を見世物として使ったとして紹介)批判、さらに寺廟整理は迷信打破であると神社参拝強制論批判。桜井よしこ女史の、「改姓名」強制論批判。

 さらに台湾出演者の、か徳三さんの証言がすごい。「都合の悪いことは言わないでよいといわれていた。私は都合の悪いこととは日本批判かと思いなんでも正直に話すつもりですが聞こえが悪いところがあったらどんどん削ってよといいました。それは日本人を不快にする悪口があれば削ってくれという意味です。ところが放送を見たら、逆に悪口ばかりが使われているので、大変驚きました」

 もうなんでもありの、自虐意識丸出しの放映だったことが暴露されてしまっている。これでもNHKは公共放送といえるのか。


 ドキュメンタリーとしては完全に失格(平野氏)とされ、「ごまかそうとしても必ずぼろが出る、今回の騒動は、番組スタッフがそのあたりを甘く見過ぎた結果」(東工大碓井広義教授)と指摘されてもいる。
 数多くの電話抗議、質問状が出されている。NHKが公共放送であるならきちっと説明をすべきである。

 まだ、私の質問に対し回答は届いていない。NHKよ。誠意をみせよ。




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