株式日記と経済展望

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アメリカは自ら作り出した「格差社会からの反乱」で地獄に落ちる。
米議会の金融安定化法案の否決は弱者の強者に対する反乱なのだ!


2008年9月30日 火曜日

NY株、777ドルの最大の下げ 金融安定化法案否決を受け 9月30日 産経新聞

【ニューヨーク=長戸雅子】週明け29日のニューヨーク株式市場は米下院で金融安定化法案が否決されたことを受け、金融市場の混乱が早期に収束されるとの期待が大きく後退して急落、優良株で構成するダウ工業株30種平均は、前週末終値比777・68ドル(約7%)安と過去最大の下げ幅を記録し、1万0365・45ドルで取引を終了した。 ハイテク株中心のナスダック総合指数は同199・61ポイント安の1983・73で終了した。

 金融安定化法案は「金融危機収束に不可欠」(ロイター通信)であり、ぎりぎりで可決するとみられていただけに市場の衝撃は大きく、米景気の後退(リセッション)入りは避けられないとの見通しが広がった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「08年の暗黒の月曜日」と表現した。

 この日午前は米連邦預金保険公社(FDIC)の仲介で米金融大手シティグループが米銀ワコビアの銀行部門などの資産を買い取ることを発表して不安が再燃、寄り付き直後から急落した。

 米国発の金融危機は欧州にも拡大し、銀行国有化の動きが相次いだ。

 ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3カ国政府がベルギー最大の金融グループ、フォルティスの部分国有化で合意したほか、英中堅銀行ブラッドフォード・アンド・ビングレー(B&B)の一部事業が政府の救済を受けることが決まり、アジア市場への影響など景気の世界的な悪化への懸念が強まっている。 

 ニューヨーク市場の個別銘柄では、バンクオブアメリカが17・6%、ゴールドマンサックスが12・5%下げるなど、金融大手は軒並み10%超の下げとなった。


米国金融安定化法案否決と新自由主義の終焉 9月30日 植草一秀

「金融システムの安定確保」と「自己責任原則の貫徹」のバランスを取ることは難しい。金融機関が経営危機に直面するとしても、自由主義経済の下では、その責任は当事者に帰せられ、したがって、結果についても当事者が負うことが基本である。これが、「自己責任原則」だ。

 しかし、大規模な金融機関が破綻すると、株式市場では連鎖的な破綻予想が生まれ、株価急落が引き金となって、第二、第三の破綻が連鎖することが生じ得る。金融機関の破綻の連鎖は、一般事業会社の破綻を生み出す原因になる。破綻リスクが拡大すると、すべての企業の信用リスクが増大するから、資金を貸し出している金融機関は融資を回収しようとするし、新たな信用創造は途絶えることになる。

 企業破綻の連鎖、信用の収縮は、当然のことながら、経済活動の著しい縮小を招く。これらの経済金融の下方スパイラルを「金融恐慌」と表現する。米国経済は「金融恐慌」の扉を開いてしまった可能性がある。

 日本でも2003年に類似した状況に直面した。2001年4月に発足した小泉政権は、意図的な経済悪化誘導政策を実行した。日本経済は急激に悪化し、戦後最悪の不況に陥れられた。このなかで、竹中平蔵金融相は「大銀行の破綻も辞さず」との方針を提示した。

 日本の株価は順当に暴落した。2003年4月28日に、日経平均株価はバブル崩壊後最安値の7607円を記録した。小泉首相が所信表明演説を行った2001年5月7日の日経平均株価が14,529円だったから、ちょうど2年間で株価は半値に暴落した。

 株価が暴落した最大の原因は、「大銀行破綻容認」の政策方針だった。超緊縮財政政策で経済の急激な悪化を誘導しつつ、「大銀行破綻容認」の政策方針を示すなら、株価が暴落しないわけがない。「金融恐慌」の発生を誘導する危険極まりない政策運営だった。

 小泉政権は「りそな銀行」を「標的」に定め、2003年5月、「りそな銀行」が俎上(そじょう)に載せられた。小泉政権がそれまで示してきた「大銀行破綻容認」の政策が実行されていたなら、日本は「金融恐慌」に突入していた可能性が高い。

 だが、小泉政権は、土壇場で手の平を返した。預金保険法102条の「抜け穴規定」を使い、「りそな銀行」を2兆円の公的資金で救済した。「自己責任」の筆頭にあげられる「株主責任」を一切問わぬ「救済」を実行した。

 その結果、金融市場では「大銀行は公的資金で救済される」との認識が一斉に広がり、株価は急反発した。「金融恐慌」は回避されたが、「自己責任原則」は崩壊した。議会が正当に機能していたなら、議会は「自己責任原則」を崩壊させる「救済」を安易に容認しなかったはずだ。「金融恐慌」回避を目的に「救済」を認めるなら、内閣には「総辞職」が求められたはずである。

 このときに、小泉政権が総辞職していれば、日本の歴史は異なるものになっていた。「政権交代」も、より早く実現していたはずだ。「政権交代」は2008年にまで先送りされた。

 2003年5月、小泉政権の経済政策は「破綻」したのだ。「破綻」した経済政策を、存命させたのは「偏向メディア」だった。驚くことに、日本経済新聞は「自己責任原則」を崩壊させた経済政策を、「大胆な金融問題処理」と絶賛したのだ。

 私は詳細を拙著『知られざる真実−勾留地にて−』に記述した。小泉政権の「金融恐慌推進政策」の最大の「罪」は、一連の経過を小泉政権が意図的に誘導した可能性が濃厚であることだ。日本の資産価格を意図的に暴落させ、最終局面で「自己責任原則」を破壊して、急反発させる。この「シナリオ」を事前に知っていれば、「濡れ手に粟」の巨大利得を手にすることができる。

 小泉政権関係者、ならびに外国資本が、強大利得を得た疑いが濃厚なのだ。罪なき無数の日本国民が犠牲になった。戦後最悪の不況は、戦後最悪の倒産、失業、経済苦自殺を生み出した。政府が経済の安定的な成長を重視した政策運営を実行していれば、これらの人々は「地獄」に投げ込まれずに済んだのだ。

 国家的規模の「風説の流布」、「株価操縦」、「インサイダー取引」疑惑は濃厚に存在し、いまなお深い闇に覆われている。2002年9月から2004年3月までに、日本政府は「ドル買い為替介入」により、47兆円の国費を米国に提供した。「円安誘導」と「47兆円の資金提供」は、暴落させた日本の実物資産を「底値」で、しかも「円安」で外国資本に取得させるための行動であった疑いが強い。

 「売国政策」としか言いようのない政策が実行されたのである。私がいわれのない罪を問われているのは、この問題に対する追及の手を私が緩めなかったからであると感じている。

 話を本題に戻す。「金融システムの安定性」を守ることは重要だが、自由主義経済の下では、「自己責任原則」は最重要の規範として尊重される。日本で「自己責任原則」が踏みにじられても、大問題にならなかったのは、日本の民主主義と自由主義が極めて未熟な段階にあったからだ。客観的に論評すべき経済専門紙までが「経済政策の破綻」を「大胆な金融処理策」と絶賛したのだ。日本では「欺瞞」と「不正」の経済政策が大手を振って存続し続けた。

 米国では、責任処理を明確に伴わない「金融システム安定化策」を議会が簡単には容認しない。「サブプライムローン」の利用者が、端から住居を差し押さえられ、「サブプライム難民」と化して、流浪している。一般的な事業会社が倒産の危機に直面しても、救済の手は差し伸べられない。

 資産バブルの時代に栄華を極めた金融産業が、自己の責任で危機に直面した時に、責任追及を伴わずに救済されることは、「公正でない」との批判が登場するのは当然だ。1998年に米国政府がRTC(整理信託公社)を設立して、S&L金融危機を処理した際、1500億ドルの公的資金が問題解決に充当された。

 しかし、RTCの処理は、預金者保護と金融システム安定化を目的とし、S&Lは「破綻処理」され、S&L関係者の経営責任、刑事責任が厳格に追及された。今回、米国政府が提案した「金融安定化法案」は、「破綻前処理」である点で、S&L処理と決定的に異なっている。

 公的資金投入に際して、金融機関経営者の報酬制限などの措置が盛り込まれたが、責任処理としては、「手ぬるい」との批判が強まったと考えられる。米国は大統領選挙を控えており、劣勢にある共和党が、有権者の支持獲得を目的に、厳しい責任追及姿勢をアピールしたことも、法案が否決されたひとつの背景だ。

 「預金者を守る」政策には大義名分があるが、「株主を救済する」政策には大義名分が立ちにくい。「株式資金」は元々リスクマネーである。連鎖的な企業倒産の恐れが強くても、「株主」を救済する政策を是認する根拠を見出すことは難しい。この意味でも、2003年5月の「りそな銀行」の株主全面救済は「異常」な政策だった。

 政府による不良債権買い取りの条件を厳しくすれば、公的資金を投入する「金融安定化法案」が金融機関の経営危機を和らげる効果は縮小する。最終的には、修正された「金融安定化法案」は議会で可決されることになると考えられるが、修正された法案が金融市場の安定化にどこまで効力を発揮するかは不透明だ。米国を出発点として、金融不安の連鎖がグローバルに波及するリスクは一段と増大した可能性が高い。

 心より尊敬申し上げる副島隆彦先生が、三部作『ドル覇権の崩壊』、『連鎖する大暴落』、『恐慌前夜』で、予言されてきた通りの変動が現実のものになりつつある。米国金融市場の今後の波乱から目を離せない状況になった。

 「市場原理主義の失敗」が表面化していると考えるのが正しい。「市場原理主義」は三つの問題点を内包していた。

@「市場原理は正義」との錯覚
A「市場メカニズム」への過信
B「人間性疎外」の罠

である。

 @「市場原理」に委ねることは、「弱肉強食の奨励」と言い換えることができる。小泉政権が推進した「市場原理主義=弱肉強食奨励=セーフティーネット破壊=格差拡大」の政策は、社会の「二極分化」を生み、「強者」と「弱者」の決定的な対立を生み出す。両者の対立が不幸な結論を生み出す原因にもなる。

 A金融技術の発展を「市場メカニズム」への無条件での信頼に基づいて放置したことが、今日の金融市場大波乱の原因になっている。先物、オプションなどの「金融派生商品=デリバティブ」の取引拡大が、金融市場の混乱を拡大させている。「投機」の増大は「金融市場安定化」をもたらすとの学説が存在するが、現実には、移ろいやすい「投機」の増大が、市場変動を拡大させる側面が強くなっている。

 金融は実体経済を補完する「従者」に位置付けられるべきものだ。それが、金融取引だけが突出して拡大し、実体経済を逆に振り回す現状を生み出している。「市場メカニズム」への過度の信頼が、「経済のカジノ化」を生み出し、経済不安定化の原因になっている。

 B「人間性疎外」の罠とは、本来、人間が責任をもって営んでいた業務が、細分化され、「人間性」が介在する余地が縮小し、「人間性の疎外」=「無機化」することによって問題を引き起こすことを指す。

 住宅ローンは、本来、資金の貸し手が、資金の借り手や取得予定不動産を点検し、貸し手と借り手の信頼関係により、実行されるべきものだ。金融機関が自己の責任で、信頼関係をベースに業務を実施してきたなら、米国のサブプライムローン問題は起こり得なかった。

 サブプライムローンが証券化商品に組み込まれて転売される。サブプライムローンの組成者は、ローンを組むことだけが仕事であり、ローンの行く末など微塵(みじん)も考えない。「ローンを組むビジネス」から、人間性が疎外されているのだ。

 二極分化した社会では、問題が表面化した時に、「金融システムを守るために公的資金投入を認める」合意は成立し難くなる。「強者」に搾取(さくしゅ)され続けた「弱者」は、「強者」を救済する問題解決策に、簡単には同意できないからだ。

 米国発の金融市場混乱がグローバルに波及する最終到達点について、楽観的見通しを安易に提示できない状況が生じている。日本も深刻な影響を免れないと思われる。

 金融市場の混乱は「新自由主義の終焉」を意味するものと考えられる。

@「市場原理主義」から「セーフティーネット・共生」重視へ
A米国追従・米国隷属(れいぞく)の見直し、

が強く求められている。米国の国民は政治の「CHANGE」を希望するだろう。日本でも、政治を「CHANGE」し、新しい「共生社会」を創り出すことが必要だ。そのための「政権交代」が求められる。



(私のコメント)
昨日の「株式日記」で最後のほうで書いたモラルハザードの問題を懸念したのですが、やはりアメリカ下院議会は金融安定化法案を否決した。議会有力者との話し合いが出来ていただけに意外ですが、選挙が近いだけにアメリカの国民世論が法案の成立に反対している。この問題は日本でも問題になり公的資金の導入は遅れた。

アメリカのバブル崩壊はまだ始まったばかりであり、勝ち組である金融関係者たちは多額の報酬を貰って贅沢三昧な生活を送ってきた。それが破綻したから税金で穴埋めしてくれといっても国民感情が許さないだろう。結局はバブル崩壊の影響が大きくなって国民が「公的資金は仕方がない」と言うまで待たなければならない。

しかしアメリカの財政赤字は巨額であり、イラク戦争の出費もかさむばかりだ。植草一秀氏は2003年に47兆円の国費をアメリカに提供したと書いているが、アメリカ政府はイラク戦争の戦費を日本に求めたのみならず、財政赤字の負担を日本に求めてくる事は間違いがない。つまりアメリカ国内には国債を買える金はないから日本に国債を買わせて尻拭いするつもりだ。

昨日紹介した米国債の購入内訳のグラフを見ても、産油国も新興国はあまり買っておらずもっぱら日本と中国が買っている。中国は1兆8000億ドルの外貨準備を持っており、アメリカにとっては中国は救いの神になるはずですが、中国はその期待に応えるだろうか?

こうなると金融安定化法案が通るかどうかの問題ではなく、中国が米国債を買ってくれるかどうかの問題になる。第二の外貨保有国である日本の名前が出てこないのは、日本が買ってくれるのは当然という意識があるのだろう。それだけ日本はバカにされているのですが、湾岸戦争のときもイラク戦争のときもアメリカは感謝してくれたのだろうか。むしろジャパンバッシングで酷い目に会った。

2003年当時も日本はドルを買いまくってイラク戦争を支えましたが、日本の株価は7607円まで暴落して大銀行を破綻させてアメリカ外資に売るつもりだった。つまり日本から提供された金で日本の大銀行が買収されるという馬鹿げた事が行われようとしていた。

アメリカのハゲタカファンドは優良資産を持つ会社を買収して、資産を売り払って株主に配当させて目いっぱい借金をさせて他に売り飛ばしてしまう。まさにハゲタカといわれる由縁ですが、日本が長引く不況に苦しんでいるのはアメリカにマネーを吸い取られているからだ。一部の輸出企業はアメリカで大儲けをしているが、利益は株主に回って従業員には回ってこない。だから日本の消費が回復しない。

小泉・竹中内閣は銀行潰しに走ったのは、モラルハザードの問題があり大衆感情に迎合して、高額な報酬を貰っていた銀行を懲らしめる意味もあったのですが、アメリカは同じ問題に直面している。75兆円という金額は日本の国家予算に近い金額でありアメリカ国民一人当たり25万円の負担になる計算だ。4人家族なら100万円の負担だ。

そのような金融安定化法案が簡単に可決されるはずもないのですが、アメリカ政府は日本や中国が国債を無条件で買ってくれると思っている。日本はともかく中国はこれまでどおりに低利の米国債を買い続けてくれるだろうか? 日本はゼロ金利でも何とかやってこれたのは国内に買い手がいたからですが、2%の米国債を買うのは今では外国政府しかない。

金利を上げれば買う人はいますが、1200兆円の住宅ローンが破綻してしまう。日本のバブル崩壊は日本国内で収める事ができましたが、アメリカのバブル崩壊は世界に影響が及ぶ。ヨーロッパにも飛び火したようですが、日本に飛び火しないように万全の備えをしなければならないだろう。中国にも飛び火して外資も逃げはじめているからとてもアメリカを救うような状況ではないのかもしれない。


【円・ドル・人民元 通貨で読む世界】米「最後の貸し手」は中国 9月30日 産経新聞

「われわれは中国に5000億ドル負っている」とマケイン共和党大統領候補が言えば、オバマ民主党候補は「中国は1兆ドルの対米債権を持っている」とし、米国がイラクに手間取っているスキをついて、中国が世界各地で影響力を高めていると指摘した。26日、両米大統領候補による初の公開討論の一幕である。
中国のマネーパワーをみせつけられるきっかけになったのは、9月初めに表面化した連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の米政府系住宅金融2社の経営危機とそれに続く老舗証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)、大手生命保険のAIGの経営不安である。

米財務省統計から推計すると、中国政府はこの6月末時点で約6500億ドルの両住宅金融2社関連を中心とする米政府機関債を保有し、第2位の日本2600億ドルを大きく上回っている。豊富な石油収入を持つ中東産油国でも240億ドルに過ぎない。

中国はブッシュ大統領が北京五輪出席を正式表明する6月までは政府機関債を買い増ししてきた。ところが、北京五輪が終了した後の8月28日、大手国有商銀の中国銀行は米住宅金融2社の発行債券を約40億ドル減らしたと発表した。このニュースが号砲となって、住宅債券市場の動揺が始まった。中国銀行の発表は、党中央の警告と市場は受け取った。

ワシントンでは、ポールソン財務長官が急ぎ住宅金融2社への公的資金注入の具体策の検討に着手し、2社を米政府の直接管理下に置いて債券を買い支えると、9月7日の日曜に緊急発表した。発表前に、マコーマック財務次官(国際担当)は真っ先に北京の周小川人民銀行総裁に電話し、「安心してほしい」と説明。これに対し、中国人民銀行はただちに声明を発表して「この政策は前向きで市場を安定させる」と歓迎する意向を表明した。

にもかかわらず、市場不安は収まらず、ブッシュ政権は28日未明、議会との間で難航した末に総枠7000億ドル(約75兆円)に上る不良資産買い取りのための公的資金投入法案で合意した。ブッシュ大統領は法案をめぐる議会指導者やオバマ、マケイン両候補との会合でいまいましげに国際的な投資家による株の投げ売りを阻止することが公的資金の目的だと説得した。

米ウォールストリート・ジャーナル紙は「救済の成否は中国と中東次第」と報じた。財源不足の米国は国債を発行し、外国に買ってもらうしかないからだ。しかし、産油国の政府系ファンドは高利回りでなければ買わない。残るは半年間で2800億ドルを積み上げ、この6月末で1兆8088億ドルの外貨準備を持つ中国しかない。

金融恐慌研究で知られる故キンドルバーガー教授は「1929年の大恐慌は最後の貸し手がいなかったために起きた」と断じている。中国共産党という異質で巨大な政治機構を「最後の貸し手」として頼まなければならないという現実が大統領選挙にまで影を落とし始めた。(編集委員 田村秀男)


(私のコメント)
アメリカ政府は中国の財布をあてにしているようですが、中国ほど信用が出来ない国はないのであり、アメリカ大統領候補も中国のカネをあてにしている。しかし中国は日本のようにお人よしではないから一波乱あるだろう。「国債を買ってあげるから台湾を中国によこせ」とか言うのではないだろうか?




世界規模の金融再編に、日本の金融機関が次々に参戦する様相を
呈している。生きた化石といわれた日本の金融機関がハゲタカに変身


2008年9月29日 月曜日

日本勢は救世主となるか?世界金融再編参戦の勝算 9月29日 ダイヤモンドオンライン

米国発の金融危機に伴って進む世界的な金融再編に、日本の金融機関が次々に名乗りを上げている。三菱UFJフィナンシャル・グループがモルガン・スタンレーに出資を決めたのをはじめ、野村ホールディングスも参戦した。日本の金融機関による海外進出はいつか来た道。はたして成功するのだろうか。

「決め手は、FRB(米連邦準備制度理事会)の後ろ楯だった」

 三菱UFJフィナンシャル・グループの関係者は、まさに嵐のごとく過ぎ去った4日間についてこう語る。

 9月19日、三菱UFJ首脳に入った1本の連絡からすべては始まった。

「出資をお願いしたい」

 相手は米証券第2位のモルガン・スタンレー幹部。急速に進む信用不安を食い止めるため、三菱UFJをはじめとする日本のメガバンクに出資を要請してきたのだ。

 これまでも三菱UFJの元には、出資や提携の要請が後を絶たなかった。今年1月にはメリルリンチから、そして7月に入ってからは経営破綻前のリーマン・ブラザーズからも出資要請がきていた。

 しかし答えはいずれも「ノー」。メリルに関しては、検討しているあいだにみずほコーポレート銀行(CB)が約1300億円の出資を決めてしまった。

 これに対し、「決断が遅い」との批判も起きたが、三菱UFJの幹部は、「マイナー出資や純投資では意味がない」と、強がりとも取れる発言を繰り返した。

 ところが、モルガンからの要請には明らかに対応が違った。まさに「千載一遇のチャンス」とばかりに畔柳信雄・三菱UFJ社長をヘッドに据え、即座に折衝をスタートさせたのだ。

 回答期限がニューヨーク証券取引所が開く米東部時間で22日朝ということもあり、資産査定や条件の検討など細かい作業は後回し。ごく少数のスタッフで突貫工事のごとく出資額などを詰め、わずか4日間で結論を出した。

 態度を急変させた背景には、1つの転機があった。FRBが、米証券最大手のゴールドマン・サックスとモルガンの2社に対し、銀行持ち株会社化を承認したことだ。

 FRBの監督下に入れ、不測の事態が起きた場合に、資金供給しやすくするのが最大の狙い。つまり、「もしものことが起きても、FRBが支えるという大きな“担保”が付いたことを意味し、安心して出資できるようになった」(三菱UFJ幹部)というわけだ。

 さらにモルガンが、ゴールドマンなどと違いサブプライムローン関連のデータを詳細に公表。103億ドル分の商品を保有しているもののすべてヘッジし、ネットではゼロだったことも安心材料としてあったことは間違いない。

2兆円の投資余力で攻勢かける三菱UFJの勝算

 もう1つ、金融界を驚かせたのは、他のメガバンク幹部が「まだそんなに持っていたのか」と舌を巻く、最大で20%、額にして9000億円程度という出資額の大きさだ。

 グラフを見ていただきたい。これは銀行の自己資本のうち、Tier1と呼ばれる中核的自己資本の中身について、メガ三グループを比較したものだ。

三菱UFJはTier1自体、8兆2000億円と巨大だが、そこから優先株や優先出資証券、繰り延べ税金資産などを差し引いた、いわゆる真水部分も6兆円と、他グループを圧倒している。

 今年に入って三菱UFJは、子会社の米ユニオン・バンカル・コーポレーションを完全子会社化したほか、アコムを連結子会社化するなど、すでに5300億円あまりの資金を投じている。

 それでも真水部分のうち、「2兆円程度はいつでも戦略的な投資に回せる投資余力」(幹部)だったというから、モルガンの打診を受けて即断即決ができたのもうなずける。

 じつはモルガンは、三菱UFJより前にみずほCBに出資を打診している。これに対し、同行は「メリルにも出しており、そこまでのカネは出せない」(関係者)と判断し出資を見送った模様で、資本力の差が如実に表れたかたちだ。

 三菱UFJは公的資金返済後、着実に積み増した資本力を武器に、「経営に一定程度参画でき、グローバルベースでの投資銀行業務の強化に貢献できる案件」(幹部)を虎視眈々(たんたん)と狙っていたというわけだ。

 ビジネス上のシナジー効果はこれからだが、20%出資すれば持ち分法適用会社となり、それだけで500億〜600億円程度、最終利益を押し上げる効果があるという。

野村がリーマンを買収三井住友の名も浮上

 攻勢をかけたのは三菱UFJだけではなかった。

 国内証券最大手の野村ホールディングスが、破綻したリーマンのアジア・太平洋部門に続き、欧州・中東部門も立て続けに買収を決めたのだ。

価値の下落が心配される不動産や有価証券などの資産や負債は引き継がず、投資銀行最大の財産である「人材」に絞った買収を提案し、英銀大手のバークレイズやスタンダード・チャータードなどに競り勝った。

 同社の渡部賢一社長は、「24時間のあいだにビジネス領域を一気に拡充することができた」とのコメントを発表。

 最重要地域と位置づけるアジアで3000人規模、金融商品の供給基地と位置づける欧州で2500人規模の人員を確保する構えで、一気に攻めに打って出る。

 このほかにもゴールドマンに対する増資で、関係の深い三井住友フィナンシャルグループの名前が一時的に取り沙汰されるなど、サブプライムローン問題に端を発した世界規模の金融再編に、日本の金融機関が次々に参戦する様相を呈している。

 振り返れば、バブル景気にわいた1980年代後半から90年にかけて、日本の金融機関は「ジャパンマネー」にものを言わせ、米国を中心とする海外の金融機関を次々に買いまくった。

 それがバブルが崩壊、いわゆる「失われた10年」に突入するや否や、外資系金融機関から買収されたり、支援を仰いだりする金融機関が相次ぎ、攻守はすっかり逆転していた。

そうした劣勢を、出資や支援を通じて再びひっくり返す「またとないチャンスの到来」(メガバンク幹部)ととらえていることは間違いない。日本国内に限定したビジネスではすでに収益は頭打ちで、海外に活路を求めるほかないからだ。

 しかし、成功するかどうかは未知数。というのも、これまで海外に進出したほとんどの日本の金融機関が、経営管理能力に乏しかったことから現地スタッフをコントロールできず、失敗の山を築いてきたためだ。

 これに対し、三菱UFJは「筆頭株主となって取締役も派遣し、経営にはきちんとコミットしていく」(三菱UFJ幹部)と反論。野村も「コントロールには自信がある」(野村幹部)と意気込むが、はたして同じ轍を踏まずに成功させることができるのか、その実効性が問われている。



(私のコメント)
90年代の日本のバブル崩壊で日本の金融機関は経営破綻危機に見舞われて、次はどこかという噂が耐えなかった。そのお陰で貸し渋りや貸しはがしで資金の回収に追われて、日本の金融機関はゾンビののような存在となり、とても海外に打って出るような状況にはならなかった。

駅前からは証券会社の支店が消えて、銀行も三つに集約されて支店の統廃合で店舗の数が減ってしまった。バブル崩壊前なら駅前には銀行と証券会社の店舗がずらりと並んでいたのですが、今では大きな駅前にしか銀行や証券会社の店舗は見当たらない。

地方都市に行けば銀行を探すのに一苦労で、郵便局すら地方から減りはじめている。駅前の銀行が入っていたビルにはコンビニや大手の流通チェーンが入って、商店街の風景も変わってしまった。政府や日銀は日本は銀行の数が多すぎるという事で護送船団を止めて、ダメな銀行は潰す政策に切り替えた。

その為に銀行は潰されない為に合併を繰り返して三つのメガバンクに統合された。公的資金の注入は二度にわたって行なわれて、債務超過に陥る事は何とか切り抜けることが出来た。ハゲタカ外資は銀行株を売りたたき、虎視眈々と買収の機会をうかがっていた。

しかし去年の夏に表面化したサブプライムローンの破綻は欧米の金融機関の経営を揺るがして、アメリカの5大投資銀行は破綻か、買収されるか銀行に転換して生き残りに汲々とするようになった。大手銀行もシティやUBSなどの破綻が噂されて、どこまで金融恐慌が広がるか目処が立っていない。

今年の9月にはいって攻守ところを変えて、日本の金融機関の海外への出資攻勢が始まって、欧米のマスコミが驚いている。ひと頃は中東の産油国や中国の政府系ファンドが話題になりましたが、新興国にもバブル崩壊の波が押し寄せて株式などが暴落している。

結果的に日本の金融機関はサブプライムなどの金融商品には手を出す事もできず、影響は小さくて済み、欧米の金融破綻騒ぎから逃れている。怪我の功名のようなものですが、欧米の金融工学の進歩に取り残された事で、日本の金融業界は世界からバカにされ続けてきた。

しかしアメリカの投資銀行やヘッジファンドの経営は、レバレッジを効かせたバクチ経営であり、CDSで保険をかけて高利回り商品を世界に販売してきた。サブプライムローン証券も高リスク商品なのですが、利回りの良さに引かれて世界中に販売された。ところがそれはとんでもない欠陥商品であり、サブプライムが混ざった債券は売買不能になり、それが欧米の金融機関に直撃した。

27日にも書いたように欧米の金融市場は機能が停止しており、資金調達は中央銀行の資金供給で翌日物しかやりくりがつかない。金融機関の経営破たんは2,3日で逝ってしまうから疑心暗鬼になってインターバンク市場は停止している。いまや大手の金融機関で信用が揺らいでないのは日本の銀行だけであり、世界の金融機関でどこが破綻するか分からない状況だ。

香港の銀行も取り付け騒ぎが起きており、アメリカから起きた金融恐慌は世界に広がろうとしている。日本としては生き残る対策に全力を注ぐべき時であり、落ちるナイフを手で掴むべきではない。三菱UFJも9000億円をモルガンに出資しますが、必要最低限度の出資であり、モルガンが潰れても9000億円の焦げ付きで済む。

野村もリーマンのアジアや欧州部門を買収しますが、人材のみを引き取るだけで資産には手を出さない。以前の教訓が効いているから慎重にならざるを得ない。アメリカの金融恐慌も始まったばかりであり、7000億ドルの金融対策も先送りにしかならないだろう。


米金融法 1日にも成立 9月29日 産経新聞

【ワシントン=渡辺浩生】米政府と議会は28日、最大7000億ドル(約75兆円)を投じて金融機関から不良資産を買い取る金融安定化法案が最終合意に達したと正式発表した。法案は29日に下院を通過し、来月1日にも上院での採択を経て、ブッシュ大統領が署名し成立する見通しだ。難航した協議の末、経営責任の明確化や納税者保護の観点から妥協が図られたもので、巨額な公的資金による未曾有の政府救済が動き出すことになった。

 法案は米金融機関をむしばんでいる低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)債権などを切り離して信用不安を払拭(ふっしょく)し、米国発の金融危機の拡大と景気の一段の悪化を阻止するのが狙い。11月に迫った大統領・議会選挙を意識し、当初の政府案より納税者保護を大幅に強化した。公的資金枠のうち2500億ドルをただちに支出し、財務省による買い取りを監視する機関を設立する。制度を利用した金融機関に対し、経営者の報酬制限を設けた。

 また、政府が利用金融機関の株式を取得して経営改善後、株式売却益を得ることを可能にするほか、買い取った債権の価格が回復せず、損失が生じる場合、大統領が金融機関に対し、補填(ほてん)費用を求めることなどを盛り込んだ。

 ブッシュ大統領は28日声明を発表し、「法案は、米国が金融システムの安定と信頼回復に真剣に取り組んでいるという強い合図を世界中の市場に送るものだ」と述べた。



(私のコメント)
アメリカ政府は日本の教訓から早期の公的資金を出動させるようですが、S&Lの教訓は忘れ去られてしまったようだ。デリバティブ商品などで詐欺的商法でぼろ儲けをして、銀行経営者は数十億円のボーナスを貰いながら、経営が破綻しても責任は問われないのではモラルハザードの問題が起きる。そのツケは国民に回ってくるのですが、アメリカ政府に150兆円もの財政赤字がプラスされる。結局は日本にそのツケを回して来るのではないだろうか?


アメリカ国債の引き受け先をグラフ化してみる 6月16日 Garbagenews

日本が米国債を一手に引き受けている。最近は中国が急増している。
2003年に急増しているのはイラク戦争に日本が戦費を出した為だ。





地元で利権構造を作って、構造改革とかきれいごとを言っていた人間が、
政治家という古い世襲制を全力をあげて守っているわけです。森田実


2008年9月28日 日曜日

森田実氏が語る「アメリカ経済の混乱と小泉元首相引退」 9月28日 神林毅彦

問:アメリカ経済の混乱、小泉元首相の引退は何を意味するとお考えでしょうか。

 森田:クリントン政権で労働長官であったロバート・ライシュ流に言うと、民主主義と資本主義が両立していた民主的資本主義が石油危機で終わり、より強大な資本主義を目指して、自由市場主義、つまり、市場の原理を使って自由競争を行なって、マネー経済を拡大していくという道に踏み出して30年経つわけです。

 30年というのが時代の大きな切れ目で、この30年が終わったということが特徴で、この30年のアメリカの小さな政府の理論が破綻して、大きな政府でなければ資本主義を維持できない、金融資本を維持できないということで大きな政府に転じざるをえない、規制を強化していかなくてはいけないということになるわけです。

 ですから、規制緩和の時代が終わるわけです。市場に委ねていては破綻がくるから、政府の力でもって支えるということです。今まで政府の力によって公的な社会福祉を実現していくということを否定してきましたが、それが30年ぶりに復活せざるをえないということで、30年間の価値基準がひっくり返ったというのが特徴です。

 世界においては、強大なるアメリカが全世界を安定させる力を失った、つまり、パックス・アメリカーナの崩壊ということが起こっています。日本も世界的な大波の流れに放り込まれて、いやおうなしにもがき苦しんでいます。もがき苦しんでいる時に新自由主義を日本に導入しようとし、いわば「小泉革命」を実行したその中心人物が、退陣してわずか2年で政界を引退せざるをえないというのが、日本においても新自由主義の挑戦が滅んだということなのだと思います。

 同時に自由民主党の政権そのものが動揺し、おそらく次の選挙においては、自由民主党と公明党の連立政権の消滅という事態も近づいています。次の選挙にやっと勝ち残ったとしても、その次の選挙にはなくなる運命にあると思います。次の選挙は5分5分ですが、政権が替わる可能性がだんだん強くなってきています。そういう意味で、世界においても日本においても大きな波が逆流を起こしたということだと思います。

 問:小泉元首相も竹中平蔵元郵政民営化担当大臣も身を引き、アメリカの経済も混乱している。郵政民営化は見直すべきでしょうか。

 森田:これは見直さなくてはいけません。郵便局がなくなることで、どんどん地域社会が壊れています。郵便局を再建するためには今の民営化の流れを一度止めないと無理なのです。とくに理念的な考え方で非現実的な分離をしました。このために郵便局は事実上崩壊しているわけです。いくつかの要素がありますが、なにしろ、「分割」というのが一番内部崩壊を強めているわけです。分割をしないで統合するというのが見直しの第一歩になると思います。これはせざるを得ないと思います。

 問:「戦後最長の好景気」と言われていた一方、いわゆるワーキングプアが増大しました。経団連を責める声もありますが、その責任は?

 森田:これは大きいです。経団連が推進してきたわけですから。しかし、今度は、経団連が景気対策、景気対策と政府に求めているわけです。経団連の人々は日本の国民から信用されません。

 問:御手洗冨士夫・経団連会長や奥田碩・前経団連会長などの方針が大きく間違っていたと?

 森田:そうです。方針が間違っていましたし、明確な哲学を持たない生き方が支持されないということです。最近、銀座で仕事をしている人たちから「銀座にお客さんが来なくなった」という話をよく聞きます。中流階級の崩壊から、今度は中・上流階級の崩壊が始まったというわけです。

 問:小泉政権下でワーキングプアの増大、中流階級の崩壊、地方の疲弊が進んだと言われてきましたが。

 森田:小泉氏が最後に行ったことは、自分の次男を後継者に据えて、もう100年ばかり続いてきた「政治家という家業」をさらに継続させていく、4世を生み出すということです。彼は綿密に計って総選挙の直前まで引っ張って交代します。対立候補がいないから当選できるのではないかと見られています。対立候補が出る時間を与えない所まで引っ張ってやっているのです。引退のタイミングは計画されていたもので、彼の影響力があるうちに次男に譲って、小泉家の家業を守っていくということです。構造改革とかきれいごとを言っていた人間が、政治家という古い世襲制を全力をあげて守っているわけです。

 問:国民に対しての責任というものはないのでしょうか。

 森田:もともとありません。実は、私は1970年代から日本の政治家を調べていますが、政治家の地元に行くと、彼らの本質がよくわかります。結局、地元で利権構造を作って、そして地元のエスタブリッシュメント(権力層)を固め、その上に君臨して世襲制を持っていくというものです。その上に自民党ができていました。今や「世襲制はもうたくさんだ」というのが全国共通の言葉となったので、自民党が崩れるわけです。

 問:地方の方々は今回の総裁選をどのように受け止めていましたか?

 森田:率直に言って、冷ややかです。もう初めから麻生氏で決まっていたわけです。しかも5人も出て、そのうち2、3人はタレントです。結局、皆、しらけてしまったわけです。とくに、小泉内閣で地方を切り捨てた人間が総裁選に出ていたわけですから、非常に冷ややかに見ていました。

 問:毎回のことですが、国民の大多数が投票できない党内の選挙を、メディアはあれほど大々的に報道する必要があるのでしょうか。

 森田:以前から自民党の総裁選はそれほど盛り上がっていたわけではありません。東京のメディアがひとり盛り上がっていただけです。日本のメディアはものすごく中央集権的ですから強力なのですが、メディアの信用が日本国民のなかで薄れたというのも大きいと思います。メディアはけっして論じないのですが、メディアの信用が非常に低下しているということです。メディアはいいかげんなものだと大多数の国民が思い始めたので、メディアの危機なのです。



(私のコメント)
ヤクザと国会議員の違いは、議員バッチを付けているかいないかの違いぐらいしかないのですが、もう一つ、ヤクザ社会は世襲制ではない。国会議員ならボンクラな息子でも何とか務まるが、ヤクザの親分は実力がないと組がまとまらない。日本でこれだけ世襲政治家が増えてきたのは日本が平和な国だからですが、本来の政治の世界はヤクザ社会よりも精神的にも肉体的にもきつい仕事であり能力を求められる世界のはずだ。

しかし官僚内閣制といわれるほど、実務は官僚が仕切っており、外交と防衛はアメリカ任せで日本の国会議員ほど気楽で責任の軽い社会は無いだろう。総理大臣にしても1年足らずで放り出す首相が相次いでいるし、国務大臣も三日で辞める人もいる。陣笠議員ならボンクラ息子でもいいのだろうが、総理や大臣となると実力を問われるのでボロがでやすい。

森田実氏が記事で書いているように、地元で利権構造を作ってその上に乗った一族が世襲して階層を形成していく。後は官僚出身者が担がれて政治家になるコースがあるが、これも官僚がそのまま国会議員になるのだから弊害もある。普通の一般国民が政治を志してもタレント議員ぐらいしか国会議員になる道はない。

必然的に与野党共に世襲議員が多数派を形成して、たたき上げの国会議員は少数派になっていく。地方議会から国会議員になる人もいるが国会議員になるまでに年数がかかってエネルギーを使い切ってしまう。世襲は誰もが良くないと言いながら、選挙制度も変えられない。

アメリカでもブッシュという世襲大統領がなって、アメリカも傾き始めましたが、日本でも世襲の国会議員が首相になるようになって日本も傾き始めた。最近20年間では叩き上げの自民党総裁は竹下氏、宇野氏、森氏の3人だけで後は世襲総理大臣だ。三氏を見れば分かるように、叩き上げの政治家にはブラックな部分もあり叩き上げだから有能だという事にはならないが、有能な人材が政界に入れる仕組みづくりが求められる。

選挙民から見れば候補者の事がよく分からないから、新人議員よりも議員の息子や娘のほうが馴染みがあるから世襲のほうが有利になってしまう。これは議員個人の問題というよりも政治家という家業に一族が関与して利権を守る事が政治的使命になってしまう事が問題だ。


世襲議員、嫌なら有権者が落とせばいい 9月27日 浮雲変幻

私の意見はエントリにも書いたとおり、「世襲の禁止ではなく、世襲に一定の制限をかける」というものです。繰り返しになりますが、英国並みに「親と同じ選挙区からの連続立候補の禁止」はやるべきではないだろうか、ということです。

「親と同じ選挙区から出ることが圧倒的に有利であること」、これは否定できない事実なのですから、他の立候補者との公平性を考える上でも合理的な考えだと思っています。
実際は隣接している選挙区から立候補しても、世襲立候補者の優位性はかなりあるといわれているため、どこまで選挙区に制限をかければいいのかは課題です。

こうした意見を持つ私からすれば、やはり、小泉元首相の次男への後継指名は手放しでは賛成できません。ただし、この問題を小泉さんだけに限って攻撃しているメディアは明らかにおかしい。世襲議員は今や与野党問わず議員全体に広がっており、また、現行制度上許されていることでもあるので、世襲が悪いのならば民主党の小沢代表や鳩山幹事長も批判の対象にならなければおかしいのです。

以前、秘書給与の流用疑惑が発覚した際、調べれば調べるほど与野党問わず行われていたことがわかってしまいました。当時、税金還流の疑惑を招くとして、国会議員が身内を公設秘書にすることへの疑問も投げかけられたのですが、これも与野党問わない問題であったため、結局抜本的な対策が講じられることも無く、問題追及も今ひとつ迫力がありませんでしたね。世襲問題も同じですから、この問題に本気で斬り込むのはかなり困難だと思います。

これは私の想像なのですが、小泉さんが次男を後継指名したことは小泉さん自身の強い希望ではないような気がします。ご長男の孝太郎氏が俳優になる時も反対しませんでしたし、子供に政治家を継ぐよう強制したことなど一度も無いはず。

恐らくこれは小泉家、もっと言えば姉の信子氏を中心とする親族の強い希望があったのだと思います。小泉さんはお姉さんには頭が上がりませんから_| ̄|○
それに、地元支持者の要請も強かったのでしょう。もちろん、進次郎氏本人の出馬意欲は大きかったと思いますが、それ以上に周りの力の方が大きかったと思っています。



(私のコメント)
小泉内閣では規制の緩和を構造改革として推進してきたのだから、選挙制度にも構造改革と規制の緩和を進めるべきだったのですが、この事に関しては小泉元首相は守旧派であることが分かってしまった。今の選挙制度を変えないと世襲政治家はますます増えて国会は閉鎖された社会になってしまう。

小泉政治の功罪については、日頃から書いてきたことなので改めて書きませんが、次男の進次郎氏は早くからアメリカ留学してシンクタンクで仕込まれてきたようだ。おそらくコイズミブランドで政界の出世街道を進んで首相にまで出世が約束されているのかもしれない。政界は年功序列が幅を利かせているから、若くして政治家になる世襲議員が総理になる確率は高い。




ドル市場は壊滅状態。資金の出し手がいなくなり、翌日物以外は取引が
皆無となっている。レートが高い、安いより、レートそのものが存在しない


2008年9月27日 土曜日

ドル資金市場は崩壊寸前、最後の貸し手FRBが膨大な資金供給へ 9月26日 ロイター

[東京 26日 ロイター] 金融機関同士がドルの短期資金を融通するインターバンク市場で、翌日物資金の貸し借り以外は取引が成立しないという異常事態が発生している。

 参加者が信用リスクに極端に敏感になり、短期のドル建てローンが返済されないかもしれないとの危惧が高まっているためだ。民間金融機関の相互不信が続くなか、米連邦準備理事会(FRB)は膨大なドル資金を連日供給しているが、それらの資金は市場に放出されず、機能不全は改善していない。

 <ドル資金市場は機能不全から崩壊へ>

 「ドル市場は壊滅状態。資金の出し手がいなくなり、翌日物以外は取引が皆無となっている。レートが高い、安いという状況ではなく、レートそのものが存在しない」と外銀資金担当マネージャーは言う。

 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は25日、現在の世界的な信用危機はカウンターパーティー(取引相手)に対する「信頼感の極端な欠如」が特徴だとし、金融機関の相互不信で市場の流動性が干上がった結果、「FFレートとLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)の金利差はノーマル状態を逸脱して大幅に拡大している」と述べた。

 3カ月物ドルLIBORは、25日に3.76875%となり、月初の2.8100%から上昇が止まらない。だが、このレートですら市場実勢とはかけ離れているという。

 「実際は(ドルLIBOR)1カ月物以上は5%台、1年は7%台だと思うが、その水準でも出し手がいない。FRBが市場にある全ての資金ニーズに応えるのでなければ、この状況は年末まで続くだろう」(外銀)という。

 ドル資金市場の機能不全はベアー・スターンズ危機以降は恒常化していたが、少なくとも9月上旬までは、1カ月物資金で5億ドル程度の調達が可能だった。

 バーナンキFRB議長は24日、世界の金融市場は「異例の緊張下」にあり、「既に弱まっている米経済に脅威となっている金融市場が機能停止すれば、住宅市場の低迷はより長期化、深刻化する」との見解を明らかにし、今後も市場を支援する姿勢を示した。

 しかし市場では、FRBの公開市場操作(オペレーション)によるドル資金供給が、超短期物に偏り、より安定効果の高い長めの資金供給が十分にされていない、との不満の声も聞かれる。

 <カウンターパーティー・リスク>

 欧米金融機関がお互いの信用力を疑うなかで、金融機関の信用力のバロメーターである2年物のスワップ・スプレッド(スワップ金利と同年限の米国債利回り格差)は24日に過去最大の166.38ベーシス・ポイント(bp)まで急拡大した。

 2年物のスワップ・スプレッドは、市場が米当局の危機収束能力に期待を抱いていた8月下旬から9月半ばまでは90bp台を安定的に推移していた。

 「(スワップ・スプレッドの)異常な拡大は、リーマンを相手とするスワップやオプション取引の清算、入れ替えを反映している側面もある」(証券会社)という。

 9月15日に経営破たんしたリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LEHMQ.PK: 株価, 企業情報, レポート)は、スワップ市場での有力ディーラーだったため、JPモルガンの推計では、想定元本ベースで10兆ドルの入れ替え需要が取引相手に発生しているとされ、既に極限まで高まっているカウンターパーティー・リスク意識を刺激した。

 他方、香港のサウス・チャイナ・モーニングポスト紙は25日、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)が中国の銀行に対し、米金融危機が収束するまでは、米銀への貸し出しを抑制するよう行政指導したと報じた。CBRCの王兆星副主席は25日、同報道を否定したうえで、同副主席は「中国の銀行が米銀への融資に消極的であるとすれば、それは通常のリスク管理の範囲内だ」と述べている。 

 信用収縮が続く中で、デフォルトが無いとされる米国債、特に米政府短期証券への資金流入は止まらず、1カ月物のトレジャリー・ビルの利回りは24日に0.13%まで下落、限りなくゼロに近づいている。 

 <最後の貸し手> 

 ドル世界の最後の貸し手であるFRBは、連日膨大な流動性を供給している。

 FRBが25日に発表した9月24日までの1週間の連銀貸し出しは1日平均1877億5300万ドルで前週の4倍に膨れ上がり、過去最高を記録した。信用危機を背景に、米金融機関や証券会社がFRBからの借入を急激に増やしていることが背景。

 24日時点の貸し出し残高ベースでは、FRBは金融機関及び証券会社に対して合計で2177億ドルの融資を実行中だ。

 うちわけは、商業銀行向けが約393億ドル、証券会社向けが1057億ドル、FRBが19日に導入した政府によるMMF(マネー・マーケット・ミューチュアル・ファンド)の保証措置を支援する新融資制度のもとで、銀行向けに727億ドル融資を実行している。

 加えて、ニューヨーク連銀との総額850億ドルの融資枠契約を結んだ米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)に対して、FRBは446億ドルの融資を実施している。

 また、FRBは18日、ドルの流動性改善のため、欧州中央銀行(ECB)、日銀、英中銀、スイス、カナダ中銀との間で最大1800億ドルの暫定的スワップ協定を締結した。その約1週間後、FRBはさらにオーストラリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの中銀と総額300億ドル規模の暫定的スワップ協定を締結している。

 <消えたドルと金融安定化策>

 FRBは膨大なドル資金を市場に注入しているが、それらの資金は市場に放出されず、金融機関に囲い込まれているのが実情だ。

 ニューヨーク連銀によると、短期金利の指標となるフェデラル・ファンズ金利(FF金利)は15日に一時7%まで跳ね上がり、その後も6%をつけるなど不安定な情況が続いた。このなかで、金融機関は法律によりFRBに預け入れることが義務付けられている所要準備額を大幅に上回る超過準備を、中央銀行にある自らの口座に積み上げている。

 超過準備は今年の4―8月には20億ドル前後で推移してきたが、ライトソンICAPの推計では18日の超過準備は1900億ドル前後に拡大したもようだ。

 他方、米トレジャリー・ビルの利回りはゼロ%に接近していることから、超過準備に回らなかったドルは、とりあえず安全な米国債に投資されているもようだ。

 だが今後は、とりあえず安全な米国債の需給バランスの崩れも懸念される。

 公的資金による不良資産の買取り最大7000億ドルを含む米金融安定化法案は、現在議会での協議されているが、法案が議会を通過すれば、買取り原資調達のため、連邦政府の法定借入上限は現在の10兆6000億ドルから11兆3000億ドルに引き上げられ米国債が増発される。さらに米住宅市況が悪化すれば、不良資産の拡大は避けられず、米国債の増発が一段と拡大するだろう。

 米メリーランド大学のピーター・モリチ教授は22日「米金融安定化策は、無能な米金融機関のマネジメントの問題と、大規模な金融行政改革の必要性を棚上げしている。これらを避けて通れば、金融機関の破たんがまた1、2年後に繰り返され、政府が社会保障やヘルス・ケア改革での目標達成を制約するだろう」 と述べている。



束の間の解決に終わる住宅公社救済策 2008年9月14日 Kより

<眠れぬ夜を過ごしたのは、初めてだ>ゴールドマン・サックスのトップに登りつめ、財務長官となったポールソンにとっても、今回の決断は厳しかったことのようです。<難しい決定だったからではない、できることなら回避したかった。ただ、他に選択肢がなかった>この言葉にすべてが凝縮されています。難しい決断ではありませんでした。2つにひとつ、救済するか、破綻させるかしかありません。

破綻させれば、1兆4000億ドルに上る、両社を対象としたCDS (クレジット・デフォルト・スワップ)が一斉に決済不能となり、CDS市場は崩壊し、瞬く間に金融破綻の連鎖がおきたのです。もちろん世界中にばらまかれた両社債券の五月雨の売りも抑えられなくなったでしょう。すでにじわじわと世界各国から両社の債券の売りは出始めていました。

8月29日に中国銀行は保有額を約46億ドル減らしたと発表し、(保有額の約3割)、農林中金は約3000億円、また各国の中央銀行も持ち高を次から次へと減らしていく流れが始まってきていました。この状態で9月30日両社合わせて、2250億ドルの社債の借り換え償還の期日が迫ってきていたのです。無事に通過できるわけはありませんでした。こんな大量の額を、現在の状況で、だれも借り換えに応じてくれるわけもなく、金利は急騰し、それが売りの連鎖を引き起こすことはみえていました。まさにタイムリミットはきていたのです。(中略)

今住宅ローン債券を野に放てば、市場には買い手がなく、暴落し、それが金融恐慌の引き金になるのは明らかです。ですからこの、ファニーメイ、フレディマックの2社を清算することはできないのです。とは言っても、一気に清算とばかりに米政府が両社のすべてを引き受ければ、米国は巨大な債務を背負ったことが白日の目に晒されます。それはドルの暴落を引き起こさずにはいないでしょう。先送りしか方法がないのです。根本的な解決を目指せば、そのとたんに金融危機が発生するのです。しかし、先に延ばせば延ばすほど、不景気は拡大して、将来の巨大な金融破綻のマグマは溜まっていくというわけです。

ジョージ・ソロスの著書The New Paradigm for Financial marketsで、彼はポールソンについて、洞察力に長けた人物と表し、ゴールドマン・サックスの現役時代、住宅バブルの崩壊を予想して、サブプライムローンのデフォルト保険を大量に購入して、払いこんだ保険料の何倍もの利益を上げたことを紹介しています。そんなポールソンですから、先に待つ金融崩壊が見えていないわけがないのです。現在はとんだ貧乏くじを引いたと思っていることでしょう。彼は次期政権には参加しないことははっきりと明言しています(転載ここまで)。


(私のコメント)
今、アメリカや世界の金融市場がどうなっているのか株式日記で連日書いているのですが、新聞やテレビしかない時代だったら今何が起こっているのか知ることは出来なかっただろう。もちろんテレビでも金融の専門家が解説したりする事もありますが時間が足りなくて十分ではない。取材をする経済記者たちも知識が十分ではないから一番肝心なところをカットしたりして放送してしまう。

ネットの時代になって、ロイターやブルームバーグなどの金融情報が只で見ることが出来るようになって、アメリカのウォール街の状況がよく見えるようになった。金融業界で働いている人のブログなども沢山あって内部情報的な話も知る事が出来る。ただし本業が大変な状況になっているのでブログを書く気力も無くしている人も多い。

「株式日記」は1997年から10年以上も毎日書き続けてきましたが、「アメリカ金融帝国の没落」を実況中継できる機会がこれほど早く来るとは思ってもいなかった。90年代のアメリカはソビエト崩壊の後で世界の覇権を手にして、次の敵は日本だということで金融で日本を支配する事を戦略目標にしてきたようだ。

それは小泉政権の誕生で半分は上手くいった。ボールドマンサックスやモルガンスタンレーなどはアメリカの政府系投資ファンドとして、日本の株式市場の外資系証券会社の売買シェアは6割にも達して、事実上日本の株式市場を支配してしまった。日本の証券会社は影が薄くなり、投資家たちも株式暴落で姿を消していった。

アメリカはIT技術と金融で恒久的な繁栄がもたらされるという高揚感に満ち溢れて、日本でもアメリカを見習えという評論家や学者がテレビなどであふれていた。その姿が一番現れたのが1997年のアジア金融危機であり、タイやインドネシアや韓国などがIMFの管理下に置かれてアメリカの金融資本が倒産した企業を次々買収していった。

しかし日本は何とかアメリカの金融攻撃を何とか持ち堪えてきましたが、日銀が2006年7月にゼロ金利を解除して0,25%引き上げられた事から、世界同時株安などが起きて、アメリカ国内でも住宅市場に変調が見られるようになった。つまり日銀が資金供給の蛇口を閉め始めた事でアメリカの投資ファンドの資金源が細くなっていって、投資ファンドは新興国などから資金を引き揚げざるを得なくなっていった。

つまりアメリカの住宅バブルが起きた原因の一つは政府日銀の常軌を逸した大量のドル買いであり、米国債の金利は異常な低下を示してグリーンスパンFRB議長は日銀に対して「いいかげんにしろ」というお叱りの電話をしてくるほどだった。日本の財務省の官僚政治家たちはアメリカ政府高官たちに対しては絶対服従の精神でアメリカに尽くすように仕込まれている。(ように思える。)

それは1985年のプラザ合意で、日本はドル買いをすることで帝国循環が起こり、アメリカ金融帝国を支える事が決定されたプラザ合意なのだ。このモデルはアジア諸国や中国に対しても行なわれて、帝国循環は世界的な規模になってまさにアメリカは金融帝国の頂点に達した。

その裏ではアメリカの製造業は空洞化してスーパーに並ぶものは中国製品や外国製品ばかりになった。アメリカは金融、不動産、建設といった産業が主流になって、アメリカ国内では乾電池すら作る事が出来ない。そのような状況で住宅建設にブレーキがかかり金融もインターバンク市場は停止状態であり、ドル資金を調達しようと思えば10%以上の金利になってしまう。

問題の原因は金融機関の信用不安にあり、FRBがいくら資金供給しても銀行でストップしてしまって国債ばかり買われるから国債の金利は急低下している。これは日本で起きている事と同じ現象であり、銀行は貸し渋りや貸しはがしに走って企業の資金繰りは厳しくなる一方だ。

このような状況でアメリカ政府は75兆円の不良債権の買取を発表しましたが、議会では法案の成立が難航している。しかし75兆円では砂漠に水を撒くようなものであり、フレディマックとファニーメイの総資産を合計すると700兆円もあり、その2割が焦げ付いていたとしても、140兆円もの救済資金が必要です。すでにアメリカの金融機関も数十兆円もの資本増強を行なっていますが、これから先に金を出してくれるところがあるのだろうか?

23日に6600兆円のCDS爆弾が破裂したらアメリカ経済は吹っ飛ぶと書きましたが、リーマンブラザースが破綻しましたがリーマンがらみのCDSはいったいどうなっているのだろうか? リーマンが発行してきたCDSは300兆円にもなり、これらの債券は価値が急落してしまう。それ以上にCDSを抱え込んでいたのが保険会社のAIGですが、支払い不能の債券は買い手がない。CDSが機能不全だから債券市場もストップしたままだ。従来はCDSが付いていたから格付けも上がったが、サブプライム問題でCDSが信用できなくなってしまったのだ。


リーマンブラザーズ破綻の意味 9月17日 ロシアンゲート

リーマンブラザーズが破綻したことで、リーマンブラザーズが発行ないし保証した債券(デリバティブ金融商品、CDS)などが不履行にななるのですが、債券の 多くには破綻時の債務保証(債券保険)としてCDSの契約がついています。 リーマンの破綻によって、 CDS発行者(他の金融機関)は保険金の支払いを 迫られるのですが、上記のように準備金が無いと言うことで、CDS保険金の支払不能に陥り、連鎖倒産の危険があるということです。

今年3月、投資銀行のベアースターンズがJPモルガンチェースによって救済買収された際に、米当局はJPモルガンに300億ドルの救済融資をしたのですが、このとき米政府が救済融資した理由は、ベアスタは巨額のCDSを抱え、そのまま倒産すると62兆ドルのCDS市場がシステム的に全崩壊しかねないと言うことでした。しかし実はリーマンブラザーズは、ベアースターンズよりも巨額のCDSを抱えていました。リーマンブラザーズ自身がこれまで発行してきたCDSも巨額で(発行総額は非公開)その額は3兆ドル(300兆円)を超えるようです。これらも債務不履行となり、リーマン発行のCDSがかけてあった債券(デリバティブ金融商品) の価値が急落することは自明の理でしょうか。リーマンブラザーズ以上にこのCDSを抱え込んでいるのが、世界最大の保険会社AIGです。 AIGのみならず、こうしたCDSの支払不能の可能性を問題にされている金融機関は多いのですがもはや、現実の世界で処理することは手に負えない規模の金額であることは間違いない。

14日午後、CDSを管轄する国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)が、ニューヨークに店を出す全ての金融機関を集め、リーマン関係のCDSやその他のデリバティブを所有する金融機関どうしが、リーマンを介さずCDSを相殺決済する予防的なシステムを作ろうとしました。しかし各金融機関は、先行きが不透明な中で保有するCDSの内容を機密解除することに消極的で、相殺決済は一つも成立しませんでした。考えてみれば至極当然、現実を超えた金額の取引の実態を明らかに出来るはずがありません。そのとたんに多かれ少なかれ、それら金融機関はみな破綻の憂き目にあうことでしょう。



(私のコメント)
ゴールドマンサックスのポールソンはサブプライムのデフォルト保険を大量に購入して、わずかな保険料で大きな利益を受けた。しかしいまやデフォルト保険が支払い不能になって、政府が公的資金で救済に乗り出した。ゴールドマンサックスはこのデフォルト保険を履行させる為にポールソンを財務省に送り込んで政府資金を出させている。まさにゴールドマンサックスは政府を利用して保険料の支払いを受けて焼け太り状態だ。

放火犯が多くの家に巨額の火災保険を付けておいて、全部丸焼けにしてしまえば保険会社から巨額の保険がおりる。その保険会社が倒産すると放火犯は保険金がもらえないから、保険会社を救うために政府に公的資金を出させる。その為に放火犯は財務省に人を送り込んだ。まさにモラルハザードなのだ。しかしFBIは放火犯を逮捕できるのだろうか? もちろんうやむやにされるだろう。




米国政府の決断が遅れれば遅れるほど、株式市場、債券市場
が危ない金融機関に退場の宣告を下し、それが危機を増幅する。


2008年9月26日 金曜日

金融危機対策、合意至らず  米議会は26兆円提案 9月26日 共同通信

【ワシントン25日共同=杉本一朗】ブッシュ米大統領と議会指導部は25日、公的資金7000億ドル(約75兆円)で不良資産を買い取る金融危機対策法案について協議したが、合意には至らず継続協議となった。議会は同日、当初の投入額を2500億ドル(約26兆円)にするよう提案したが、共和党の一部が公的資金投入に強い反対論を示した。政府・議会の調整の行方は不透明になった。

 協議には民主、共和両党の大統領候補であるオバマ、マケイン両上院議員も出席、超党派による合意を目指した。ただ「小さな政府」を目指し、政府介入を嫌う共和党保守派が対案を出すなど、足並みの乱れも目立つ。議会ではポールソン財務長官らも交え、調整が続いた。

 上下両院指導部が25日に提示した議会案は、政府が要請した公的資金枠7000億ドルを認めた上で、当初投入額を2500億ドルに抑制し、緊急時に大統領が1000億ドル追加する措置を認めた。しかし、残りの資金枠3500億ドルの使用を拒否できると明記し、政府の権限に歯止めをかけた。



米国の金融危機が終わっていない3つの理由 9月25日 原 英次郎

 翻ってアメリカはどうか。9月18日には日米欧の中央銀行が共同して、、総額1800億ドル(約19兆円)に上るドル資金を金融市場に供給すると発表したが、これが資金繰り破綻が起きないようにするリクイディティ対策で、緊急措置に過ぎない。この対策で時間を稼いでいる間に、ソルベンシー問題に解決の道をつなけらばないのだ。しかしである。どこに公的資金を投入すれば、もっとも効果的で、効率的であるかすら定かではない。関係者があまりにも多いからである。

  サブプライムローンを中心とする住宅ローンが証券化され、その証券化商品が世界中にばらまかれた。関係者は住宅ローンを実行した銀行や住宅ローン会社、証券化商品を「製造」すべく、これを買い取り膨大な不良債権を抱えてしまった大手銀行やリーマン・ブラザースなどの投資銀行(日本の証券会社に近い)、証券化商品に投資した世界中の銀行、ヘッジファンド。厄介なことに、銀行の連結対象とならない実質子会社も、これに投資していた。かつて、日本の銀行が連結対象とならない関連ノンバンクを経由して、不動産融資に走り、傷を大きくしたのとよく似ている。さらに、こうした証券化商品を保証していた保険会社のAIGにまで、経営不安が広がった。

 関係者があまりに多岐にわたっているため、さしもの米国金融当局もソルベンシー不足の金融機関を特定できないし、どの機関を救済するのか、そのルールも確立できないでいる。
 
 となれば、結局のところ、政府が金融危機の大本である住宅ローンを買い取って、不良債権を関係機関から分離するしかない。米国政府が最大7000億ドル(約74兆円)を投じて不良債権を買い取ると表明したのも、他に有効な手段がないからにほかならない。それでも実行段階では、まだ越えなくてはならないハードルは多い。常識がある人ならすぐにいくつか思い当たるだろう。

 第1はどの機関まで不良債権の買い取り対象とするかである。ちなみに米国の投資銀行(インベストメントバンク)は、日本の銀行法のように根拠となる法律すらない。例えば、トップのゴールドマン・サックスは、総資産が1兆ドルを超える巨大金融機関であるにもかかわらず、である。バンクとは名ばかりで、銀行規制にも服していなければ、預金保険の対象でもない。逆に、第3位のメリルリンチが大手銀行のバンク・オブ・アメリカに救済合併されたり、2位のモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社への移行を表明したのは、公的資金を念頭にした深謀遠慮があるのだろう。

 第2が買い取りの価格をどうするかだ。そもそも、こうした証券化商品は今や取引がないので適正な価格算定すら難しい。かといって、買い取り価格を高くすれば、売り手側の損失は小さくなるが、政府・国民の負担は増える。買い取り価格を低くすればするほど、売り手の損失が膨らみ、債務超過に陥るかもしれない。果たして、そのような取引に売り手が応じるのだろうか。

 よしんば強制的に買い取ったとして、次々と債務超過の機関が出てくれば、金融危機が再燃する恐れがある。つまり、日本同様に公的資金を投入して資本を増強し、ソルベンシ―を回復させる政策とパッケージでなければ、危機は防げない。第3のハードルは米国政府が、そこまで踏み込むかどうかである。

 1998年の日本では、参議院選挙で自民党が大敗した結果、リーダシップ不在となり、与野党のみならず、自民党内でも権力闘争が激化したことが、危機に拍車をかけた。米国も大統領選挙直前であり、党派を超えて素早く結論が出せるのかどうか。公的資金をどの機関に投入するのか。そもそも預金と違い、投資商品は得も損も自己責任で引き受けるのが筋ではないのか。議論は堂々巡りする可能性がある。

 日本金融不安の第1波が1992年だとすれば、金融危機がほぼ終息したのは、大規模な公的資金の投入が決定される1998年。危機が終息するまでに、実に6年の歳月を要した。さらに、危機への対処に時間がかかったため、バブル崩壊による不良債権に、長期不況による不良債権が加わって、本当の解決までにはさらに5〜6年を要した。

 日本は金融危機の際、米国から対処のスピードが遅いと、厳しい「ご指導」を受けた。日本政府は貴重な経験をもとに、いま米国政府に対して、断固たる行動を求める時ではないのだろうか。なぜなら、彼の国は市場原理を信奉しているからである。決断と行動のスピードが問われている。決断が遅れれば遅れるほど、株式市場、債券市場が危ない金融機関に退場の宣告を下し、それが危機を増幅するからである。



(私のコメント)
最近は次から次へと大ニュースがラッシュアワーのように放出されるので、読むだけでも骨が折れます。麻生内閣の発足もそうだし、小泉元首相の政界引退も大ニュースだ。北朝鮮では金正日が倒れて北朝鮮のメルトダウンが迫ってきているようだ。しかしそれよりも格段に大きなメルトダウンがウォール街から発生してしまった。

バブル崩壊に続く金融危機なら日本人なら誰もが体験した事なのですが、アメリカ人はまだバブルの余韻から目が覚めてはいない。まだ金融危機は一時的なものであり政府が手を打てば落ち着くと見ている人がほとんどだろう。サブプライムの問題が表面化したのは去年の夏の事であり、リーマンを初めとして投資銀行が整理されたが、大手銀行の問題が表面化するのはこれからだ。

日本の経験からすれば、不良債権は公的資金で早く片付けてしまう事が必要ですが、やはり国民感情として莫大な報酬を貰ってきた経営者に対するモラルハザードの問題は避けて通る事はできない。税金で不良債権を買い取る以上は納税者の了解を得なければならず、政府だけでは出来ない。

米議会でも金融危機対策法案が難航しているようですが、大手銀行が幾つか倒産しなければ国民の了解が得られないのではないだろうか? 日本でも公的資金が動き始めたのは山一などの証券会社や北拓などの銀行が潰れはじめてようやく国会も動き始めた。

日本の銀行は含み資産を大量に持っていたから不良債権もなかなか整理が進まず、一気に破綻騒ぎにはなりませんでしたが、アメリカの場合は時価会計が直撃して債券相場が破綻してしまうと一気に投資銀行などの破綻騒ぎになってしまった。大手銀行なども欠損を小出しにしながら先送りしていますが、政府も見て見ぬふりをしている。

90年代はアメリカ政府高官が日本政府に対してああしろこうしろとアドバイスと称して関与してきましたが、今はそれを忘れてしまったかのような「民から公へ」の国有化政策でアメリカは社会主義国家に変身してしまったかのようだ。新自由主義経済はどうなったのでしょうか? 小さな政府もお笑い種であり、ハゲタカ達もアメリカ市場を食い尽くした後はさっさと南の島へ飛び去った。

日本のエコノミスト達も米英の資本主義を見習えと金融立国を主張していましたが、総本山のアメリカが金融破綻してしまって日本に泣きついて来ている。やはり経済は物作りが基本であり、製造業がしっかりしていれば金融がおかしくなっても何とか持ち応える事ができるが、アメリカは製造業が空洞化して金融業と不動産業でアメリカ経済を支えてきた。

確かに金融や不動産は儲かる時はべらぼうに儲かるから、金融や不動産の経営者やマネージャー達は高額の報酬を貰い、製造業など中国に任せてバカにしきっていた。博打でぼろ儲けをすると病み付きになって真面目に働くことがバカバカしくなり、このような風潮がアメリカ人を蝕んで行った。

ちょうどアリとキリギリスの童話のような話ですが、アメリカやイギリスは先祖が海賊であり、博打が大好きで戦争好きだ。真面目にコツコツ物を作る事には向いていない。ドイツ系移民が多かった頃は機械工業なや自動車工業など世界一の製造業大国だったのですが、日本やドイツに追いつかれると金融業や情報産業に切り替えて金融立国を目指すようになった。

アメリカは金融立国を目指す事になったのもユダヤ系アメリカ人が得意な分野であり、ニューヨークで石を投げれば金融マンか弁護士に当たるといわれるくらいだ。つまりドイツ的なアメリカからユダヤ的なアメリカに変わって行ったのですが、金融立国も破綻した。やがては中南米的なアメリカに変わって行ってアメリカはやがてラテンアメリカになる。

金融業は製造業に付随した産業であり、カネが異動するだけの産業だけで国家が成り立つはずがない。現にアメリカは中国やアメリカから物を買って慢性的な経常赤字の国となり、金融がダメになればアメリカもお終いだ。残っているのはサービス業とソフト産業ですがインドなどへのアウトソーシングが進んでこれも空洞化している。

アメリカはこの後どうしたらいいのだろうか? 軍事力だけは健在ですが、やはり戦争で一発逆転を狙うのだろうか? しかしイラクやアフガニスタンで行なわれているようなゲリラ戦はアメリカは苦手でありベトナムでも苦しんだ。つまり戦争で一発逆転の世界ではなくなりアメリカは打つ手がなくなった。


アメリカの議会が金融危機対策法案に難色を示すのは、モラルハザードの問題であり、詐欺的商品を作り出して一部の人間だけが巨額な報酬を得るシステムだからだ。経営者達は会社が破綻したところで我関せずでツケを政府に回してくる。それに対して政府は投資銀行を整理する事で金融危機を乗り切るつもりのようですが、FBIは捜査に乗り出して経営者に経営責任を問われるのだろう。


GS、モルガンの「銀行持ち株会社」転換 投資銀行全滅を招いた戦犯は誰か? 9月26日 町田徹

投資銀行経営者の巨額な報酬への怒り

 やや下世話な話で恐縮だが、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2社が銀行持ち株会社への転換を決断した背景として、庶民感覚では考えられない高額の報酬をウォ−ル街の経営者たちが得ていたことや、それらに対する素朴な反発があったことは無視できない。つまり、税金を投入して、高額所得者たちの不始末の尻拭いをするのは納得できないという反発がイチバン大きかったのだ。

 実は、ある米投資銀行の中堅幹部が「以前は同僚だったが、とても庇う気になれない」と批判するような破廉恥な話が今回のメリル・リンチの破綻劇の最中にも起きたことは決定的だったらしい。

 それは、今夏、メリル・リンチに移籍して、トレーディング部門の責任者に就いたばかりのトーマス・モンタグ氏と、そのボスのジョン・セインCEO(最高経営責任者)を巡る話である。

 このモンタグ氏は、同じゴールドマン・サックス出身のセイン氏に巨額の報酬でヘッドハンティングされた人物だ。中堅幹部によると、「(2人はバンク・オブ・アメリカへの)メリル・リンチの身売り交渉を始めるに当たって、まず、自分たちへの経済的保証の確認を求め、その了解を得てから交渉に入った」という。なんと、部下の6万人の雇用が危ういというときに、2人のトップは、自分たちの経済的な保身を優先したというのだ。

 その結果、2人が獲得した保証の中身は、米通信社ブルームバーグが報じている。それによると、「セイン氏が合併後の新会社に入社しない場合、1100万ドル相当の新会社株を受け取る」「モンタグ氏は、メリル・リンチへの移籍時に貰うことに決まっていた2008年分の3900万ドルのボーナスとは別に、今回の合併に伴って解雇・降格される場合、3000万ドル相当の株と640万ドル相当のオプションを受け取れる」という。

 日頃は身内で経営のトップの椅子を分け合い、庶民感覚で考えられない巨額の報酬を受け取ったうえ、いざ会社が破綻の瀬戸際に直面すると多くの従業員の失業の危機を顧みず、抜かりなく自己保身に走る――。

 それが直接、今回の金融恐慌の引き金となったかどうかは別として、そんな経営者たちが跋扈していることに、洋の東西を問わず、世間の怒りを抑えるのは難しい。

 だからこそ、冒頭で紹介したように、マケイン氏を始めとしたワシントンの政治家たちは、ビジネス・モデルとしての投資銀行を格好の生贄とみて、鉄槌を下そうとしたのだ。

 ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2社は、長年親しんだ投資銀行の看板を捨てて、銀行持ち株会社として存続を図る以外の道がなかったといえる。

 誰あろう。投資銀行を絶滅に追いやった張本人は、強欲な投資銀行の経営者たち自身だったのである。





新興市場経済の破綻は、投資家を根幹から揺さぶるだろう。
この巨大巻き戻しは、未だ始まったばかりだ。


2008年9月25日 木曜日

香港金融管理局、必要あれば東亜銀行に流動性供給へ 9月24日 ロイター

[香港 24日 ロイター] 香港金融管理局(HKMA)は24日、東亜銀行<0023.HK>に対し、必要であれば流動性を供給するとし、同行と香港の銀行システムは健全である、と繰り返し述べた。

 HKMAのジョセフ・ヤム長官は、東亜銀行の経営の安定性に関するうわさについて言及し「うわさに根拠がないことを確認する」と述べた。

 長官は「香港の銀行システムは非常にに健全だ」と付け加えた。 



海外投資資金は中国から流出へ、元の上昇抑制で−M・カーリー 9月24日 ブルームバーグ

9月24日(ブルームバーグ):マーティン・カーリー・インベストメント・マネジメントによれば、外国人投資家は中国からの資金引き揚げを進めている。米国の信用危機で投資資金が枯渇したほか、中国では景気対策として人民元の上昇が抑制されていることが背景にある。

人民元のドルに対する上昇率は6月末以来で0.45%と、このままいけば、四半期ベースではここ2年余りで最小となりそうだ。中国政府は国内の輸出業者が世界的な需要低迷を乗り切る支援策として、元高ペースを抑制している。人民元は2005年7月のドル・ペッグ(連動)制廃止後、これまでに21%上昇し、海外から投機的資金を引き寄せてきた。

上海に拠点を置き、マーティン・カーリーの中国部門の共同会長として30 億ドル相当の資産運用に携わるクリス・ラッフル氏は、「主に金融危機により、外国人投資家は中国から資金を引き揚げている」と指摘。「次の動きは人民元がもはや上昇しないとみられるようになるときだろう」と予想した



ソシエテ・ジェネラルが中国警戒警報発令  9月24日 テレグラフ 今日の覚書

ソシエテ・ジェネラルがクライアントに、極東にエクスポージャーしている銀行株を投げろ指令。

「新興市場経済の破綻は、投資家を根幹から揺さぶるだろう。この巨大巻き戻しは、未だ始まったばかりだ」と同行のグローバル・ストラテジスト、アルバート・エドワーズが言った。

「待ち構えるビッグ・サプライズは、中国で起こるかもしれないことだ。アメリカでの深刻な不況の可能性は、既にレーダー・スクリーンにバッチリ映っているが、僕が考えるように中国経済が縮小すれば、皆仰天するだろうね。投資家は超大打撃を食らうかもよ」と彼。

「先進国での深刻なダウンターンでも、新興市場は回復力があることを証明するだろう、なんて涙が出るような信仰を抱いているんだよね。来年、世界のGDPが一斉に縮小する、って事態も全く可能、というのが僕の見解」。

新興市場ブームなんて100%、この十年間アメリカが経常赤字を膨らませてくれたお陰じゃん。そこでリバース・ギア入れたらってば、何が飛び出て来るやらじゃじゃじゃじゃん♪ビックリするだろうなあ」。

中国の$1.8兆を筆頭にした莫大な外貨準備高は、辺境市場に流動性の「ロケット燃料」を提供してきた、とエドワーズ氏。
アメリカが財布の紐を締めているので、この好循環は悪循環に変身してしまったのだ。

アジアと南米の国々は自国通貨を支えようと介入中。
おかげで彼らの外貨準備は減りまくりなのだ。


「一年以内にアメリカは月間貿易黒字を出すようになると思うよ。新興市場の流動性収縮は、物凄いことになるだろうね。でもって、この地域に結びつけられちゃってる資産が、次の猛毒産廃になるってわけ。これにはHSBCとか、スタンダード・チャータードとか、バンコ・サンタンデールとか、これまで体力満々とか言ってた銀行が含まれてるからね」。

このような陰鬱な見通しが出されたのは、フィッチが中国の銀行の状態が悪化していると警告する中でのことだった。
同国では、国家が融資残高の増加に被せた蓋を回避しようと、債務が帳簿に載せられていないのである。

このパターンは、信用バブルの絶頂時の西側の銀行による「コンデュイット」利用と、不気味なほど似ているではないか。

フィッチの中国チーム、Charlene ChuとChunling Wenは、銀行が貸付のために「地下市場」を大規模に利用していると伝えた。
「殆ど隠蔽されているリスクは益々膨れ上がっているが、伝統的な金融監督の仕組に外れる、この手の融資および/または制度は、このようなリスクに銀行をさらしている。融資の一部を帳簿から外すことで、中国の銀行はそれを超過しながらも、国が定めた融資割当を守ることが出来る」。

この仕組の下、融資は資産商品へとまとめられ、利回り改善を目指す投資家に売却される。
フィッチはあからさまに指摘しないようにしているが、それでも、アメリカのサブプライム危機とは瓜二つである。


更に、中国の銀行は二組のクライアントの間で板挟み状態になって、ポートフォリオ上の貸付金額を保つ「エントラステッド・ローン」を発行しているが、その総額は1.5兆元($2,200億)に達している。

経済に急ブレーキがかかり不動産市場が凍り付く中、このような簿外債務なしでも、中国の銀行はクランチ目前だ。
シンセンの住宅価格など、既に30%も値下がりした。

「中国の銀行システムなんて、銀行の貸付能力にもっと負担をかけずに、これ以上大量の現金引出には対応不可、なポイントに接近中ですから」とのことだ。

モルガン・スタンレーは今月、中国の住宅市場は「メルトダウン」行きだ、と伝えていた。
データはバラバラだし信頼性なんて滅多にないしという状態だが、それでも北京オリンピック、上海、その他東部の都市の住宅売上が夏の間、劇的に減ってしまった、と言うのはハッキリしている。


(私のコメント)
アメリカの金融パニックの発生で、世界的なマネーの逆流が始まっている。すでに株式市場などでは新興国の株式は数ヶ月前から暴落しているのですが、欧米の各紙も新興国からの投資の引き揚げを報じている。アメリカは世界から投資資金を集めて投資採算のいい新興国に投資して来ましたが、アメリカ自身が相次ぐ金融機関の破綻で信用不安が生じて投資資金の調達が出来なくなってきている。

むしろ手っ取り早く換金できる株から売られて、売れるものは全部売っている状態だ。不動産も売りに出しているのだろうが買う人がいない。企業進出も新興国の景気が悪くなれば止まって撤退する企業が多くなっているようだ。新興国だから景気の後退はあっても直ぐに回復するという見方もありますが、アメリカの巨大市場が海外から物を買わなくなれば新興国はどこに輸出するのだろうか?

香港では取り付け騒ぎが起き始めましたが、新興国も外貨が貯まる一方だったのに、最近ではマネー流出が止まらずにアジアでは自国通貨の買い支えが始まっている。アメリカへのドルの逆流が始まってドル不足となり、世界の中央銀行のドルの資金供給が大規模に行なわれている。昨日も日本では300億ドルの資金供給が行なわれた。

中国は一番ドル外貨を貯めこんでいるのですが、ドルの流出が続くと元高は起きにくくなっている。元高を見込んで入ってきた投資資金もこれでは逃げていくだろう。今やアメリカはマネーのブラックホールになってドルがどんどんアメリカに逆流して、新興国は貧血を起こし始めたのだ。

景気の良かった新興国の政府系投資ファンドも最近は動きが止まり、海外にまでは手が出せなくなってきているようだ。豊富だった外貨の流出が止まらないからだ。アメリカの投資銀行への出資や買収も日本の金融機関が出す事になりましたが、今では世界への資金供給を日本が一手に行なっている。

韓国経済の9月危機も先日書きましたが、韓国も外貨の流出が止まらずウォン安が続いている。韓国政府のドル売りウォン買い介入はいつまで続けられるのだろうか? 株式も売られて空売り禁止令も出されるほどだ。これらの動きの源はアメリカの投資ファンドにあるのですが、足元に火がついて投資資金の回収になりふり構わぬ状況だ。


韓国株:外国人持ち株比率30%割れ、01年以来最低に 9月25日 朝鮮日報

韓国の有価証券市場(メーンボードに相当)で時価総額に占める外国人持ち株比率が2001年以降で最低を記録した。

 23日現在で同市場全体の時価総額は753兆6842億ウォン(約69兆4200億円)で、このうち外国人が保有する株式の時価総額は全体の29.77%に当たる224兆3447億ウォン(約20兆7000億円)だった。

 外国人持ち株比率は2004年4月26日の44.12%をピークに減少に転じ、昨年末には32.29%に落ち込んだ。最近は世界的金融危機の余波で外国人投資家が流動性確保を目的として韓国株を処分したため、同比率がさらに落ち込んだ。年初来の有価証券市場における外国人の売り越し額は28兆2363億ウォン(約2兆6000億円)に達した。

 しかし、外国人持ち株比率の低下が昨年末に比べ2.62ポイントにとどまったのは、外国人が相対的に株価が下落しなかった大型株を大量保有しており、空売り戦略を用いたためとみられる。



(私のコメント)
韓国がこのような状況なのだから中国をはじめアジアの新興国バブル崩壊は大きな経済問題となるだろう。アメリカの金融危機も始まったばかりだし、ヨーロッパにも飛び火してUBSなどが心配だ。昨日はシティの事を書きましたが、投資銀行のヤマは越えても、欧米の大手銀行の破綻危機はまだこれからだ。

世界的な住宅バブル崩壊は去年から始まりましたが、さらに新興国バブル崩壊が始まろうとしている。日本の銀行も新興国には大きく貸し込んでいるから巻き込まれるだろう。欧米の銀行は一足早く撤退を始めましたが、日本の銀行が貸しはがしを始めれば1997年のアジア金融危機の再来だ。




市場資本主義を掲げるアメリカにとって中長期的には致命傷となる
可能性のある「モラルハザード」と「空売り規制」という麻薬に手を出した


2008年9月24日 水曜日

<日銀>初のドル供給3兆2千億円 9月24日 毎日新聞

日銀は24日、金融機関が資金を融通する短期金融市場向けのドル資金供給の第1弾として、300億ドル(約3兆2000億円)の供給を金融機関に提示した。米金融危機でドル資金が調達しにくくなっており、米欧の中央銀行と協調したドルの大量供給を先週決めていた。金融機関の実際の受け入れ額や金利は25日に発表する。

 300億ドルの融資期間は1カ月。対象は外資系20社を含む金融機関40社。日銀の供給予定総額は500億ドルで、残りは10、11月に各100億ドルを融資期間3カ月で提供し、年末の資金需要に備える。

 これとは別に日銀は24日、短期金融市場に総額1兆5000億円の円資金を供給した。円資金の供給は16日から6営業日連続で供給総額は14兆円。6営業日での供給額としては過去最大。【斉藤望】


米財務・金融当局が「麻薬」に手を出した理由 9月22日 堀古英司

先週に続き、今週もアメリカ金融市場にとっては歴史に残る一週間となりました。リーマンブラザーズの破綻はすぐに世界最大手の保険会社AIGの危機につながり、週末にかけては米証券取引委員会(SEC)が金融株799銘柄の空売り禁止を発表するに至りました。現在の金融市場を巡る環境はかなり異常な状態である事は確かです。しかしそれを何とか阻止しようと米財務・金融当局は「モラルハザード」と「空売り規制」という、2つの「麻薬」に手を出す事になってしまいました。

リーマンブラザーズの破綻が現実的になってきた9月初め、私が一番気になっていたのはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ:倒産保険のようなもの)市場への影響でした。現在62兆ドルと言われる規模にまでCDS市場が拡大してから、初めて経験する大型金融機関の破綻です。リーマンCDSの売り手はもちろん、CDS市場全体の5%を取引していたリーマンがCDS取引を履行できないとなると、取引相手(カウンターパーティ)の連鎖倒産や巨額損失につながる可能性があったからです。リスクはもはやクレジットではなく、カウンターパーティ・リスクに発展しつつあったのです。

案の定、危機はすぐにCDS市場の大きなプレイヤーであったAIGに飛び火しました。今週水曜日までにCDS取引に関わる追加証拠金170億ドルを収めなければ破綻、という危機に追いやられました。今週月曜日時点でAIGと当局との話し合いは決裂していたようですが、火曜日になって突然再開、結局連銀が850億ドルに上る融資に応じる形で決着となりました。今年3月の証券会社ベアスターンズ破綻以降、あれだけ次の救済はない、モラルハザードを避ける、納税者の負担を最小限にとどめる、と強調してきた割には疑問の残る決着だったと言わざるを得ません。

さらに米証券取引委員会(SEC)は今後最長30日間、金融株799銘柄の空売り禁止という措置を取ってしまいました。空売り規制は直接需給に変化を与える事によって「一回だけの」価格変化をもたらす効果があります。しかし中長期的には流動性の減少という、市場に致命的な悪影響をもたらします。市場資本主義を尊重するアメリカがここまでやってしまった理由は何なのでしょうか?確かに前日、マケイン共和党大統領候補に「私が大統領になったらコックスSEC委員長をクビにする」と明言された事も大きかったのでしょう。しかし、私はもっと大きな理由があるような気がしてなりません。

一度は流れたAIG救済に関する会合は火曜日突然再開されました。SECが空売り規制を発表したのは平日の夜中です。しかも、いずれも市場資本主義を掲げるアメリカにとって中長期的には致命傷となる可能性のある「モラルハザード」と「空売り規制」です。普通に考えれば、それを犠牲にしてまで実施しなければならない、我々には知らされていない、何かとんでもない大きな危機が潜んでいたという事ではないでしょうか。実際18日は、これまで優良と考えられていた某大手金融機関が流動性危機に陥ったと聞いています。

「モラルハザード」と「空売り規制」という麻薬に手を付けてしまったアメリカの金融市場。空売り規制が期限を迎えると見られる10月半ば以降に正念場が訪れる可能性が高まっているように見えます。



(私のコメント)
この数日はリ−マンショックに始まってモルガンやゴールドマンなどの投資銀行に目が向けられていますが、シティのニュースがほとんど流れてこない。アメリカの金融不安の本命はシティなのですが、たった75兆円の不良資産の買取で納まるのだろうか? 議会でもモラルハザードの非難が上がっているし法案が通るかどうかも分からない。

不良債権の買取は早く手を打てば危機を脱するという事もあるが、不良債権の総額が固まらないと買い取っても再び危機が再発するだろう。不良債権の総額は金融機関にとっては機密事項であり、日本の例でもなかなか分からなかった。当時の橋本総理は銀行の不良債権がこれほど大きかった事を知らされなかった。

公的資金の投入は日本ではモラルハザードとマスコミが騒ぎ立てたので年数がかかりましたが、アメリカは金融安定策を発表して1年足らずで公的資金の投入を決めた。しかし銀行が住宅ローンとして貸し出している金額は1200兆円であり、日本の200兆円の6倍もの規模だ。

リーマンなどの破綻はファンドの危機であり、モルガンなどは三菱UFJからの9000億円の資金で切り抜けるようですが、シティは規模が規模が比べ物にならないからすでに中東や中国などの政府系ファンドなどから数兆円の出資があったにもかかわらず経営は改善されていない。

最近は中東や中国の政府系ファンドもおとなしくなって、シティであっという間に出資が半減してしまったのだから腰が抜けてしまったのだろうか? まだまだアメリカの金融危機は始まったばかりであり、政府も第二段の金融安定策を出す事もあるだろう。しかしそれが出来るのだろうか?

今までのところ投資銀行は大手銀行は海外から資金を調達して一息ついていますが、政府から公的資金を受け入れた場合、当然モラルハザードの問題が浮上してくる。住宅ローンを借りた人が返済できない時は住宅をとられてホームレスになってしまうのに、金融機関の経営者やマネージャーは経営が失敗しても高額の年俸と退職金を貰って南の島で一生遊んで暮らせるのだから不公平だという不満は当然出る。

日本でも公的資金の注入が遅れたのはそのせいなのですが、アメリカはモラルハザードの問題をすっ飛ばして行けるのだろうか? 確かに金融安定化策は正しい政策なのですが、金融機関はやりたい放題やって高給もらって失敗したら国が何とかしてくれるという意識が残れば、より大きな問題となるだろう。

株式の空売り規制にしても短期的には効果があっても、ヘッジファンドは株のヘッジが出来なくなり市場に参入する資金が細って長期的にはマイナスだ。空売り規制が入ると暴落した時の買戻しがなくなりフリーホイールになってしまう。株をやっていいる人なら常識なのですが、ポールソンも焼きが回ったのだろうか?

堀古英司氏のブログに書かれているように10月なかばには空売り規制も解かれますが、大手の銀行の決算発表も始まる。9月に起きたリーマンの破綻や信用不安などでシティの決算発表が気になりますが、政府の金融安定策でも株価は20ドルを割ったままだ。インサイダーたちが株を売り抜けているのだろう。

政府には当面これ以上打てる対策がないのだから、ヘッジファンドたちは当然空売り攻勢をかけてくるのだろう。空売り禁止銘柄に指定される事は倒産の危険性があるからですが、アメリカを代表するような銘柄がずらりと並んでいる。市場原理主義を国是とするアメリカが金融機関の護送船団と株式市場での空売り規制を行使した事は、いったい日本における小泉改革はなんだったのかと言いたくなる。

日銀は300億ドルの資金供給をしていますが、この意味が分かる人なら金融のプロといえるだろう。日本のコール市場においても外資系銀行の中に信用不安が起きていて日銀しか貸し手がいない外資系銀行があるのだ。だから300億ドルの資金供給をしているのですが、それはおそらくシティのことだろう。

世界中でいまや金融市場が機能しているのは東京市場だけであり、アメリカでは闇レートが10%以上にもなっている。GMやGEが空売り禁止銘柄になっていますが、資金繰りはどうやっていくのだろうか? 東京ではサムライ債が次々発行されていますが、それだけアメリカはプライドをかなぐり捨てて資金調達しなければならない。


ヘッジファンド業界:空売り規制が打撃、成績は10年で最悪か−WP 9月23日 ブルームバーグ

9月23日(ブルームバーグ):米紙ワシントン・ポストは23日、ヘッジファンド業界が最近の米株市場への規制強化で打撃を受け、運用成績は過去10 年で最悪の水準となっていると報じた。業界団体のデータを基に伝えた。

  同紙によると、一部銘柄の空売りを禁止した米証券取引委員会(SEC)の規則により、幾つかのヘッジファンドが破たんの危機にひんした。空売りはヘッジファンドが株価下落時に利益を上げる主な手法。禁止が恒久化されればさらに多くのヘッジファンドが脅かされるだろうと同紙は指摘している。情報源は挙げていない。

  同紙は業界団体の1つ、マネージド・ファンズ・アソシエーションの会長、リチャード・ベーカー氏の話を基に、ヘッジファンド業界の代表が米財務省とSECの当局者と会い空売り禁止の解除を求めたい考えだと報じている。





世界一の債務国アメリカ。それを支えるのが日本の資金力。
6600兆円のCDS爆弾が破裂したらアメリカ経済は吹っ飛ぶ!


2008年9月23日 火曜日

三菱UFJは無理やり9000億円を出資させられた、そして中国は逃げた。


三菱UFJがモルガン・スタンレーに9000億円出資へ 9月22日 読売新聞

三菱UFJフィナンシャル・グループは22日、米証券2位のモルガン・スタンレーに出資し、発行済み株式の10〜20%を取得することで合意したと発表した。

 出資額は約9000億円。取締役を最低1人派遣する方向だ。

 米低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した米国の金融不安で、米証券大手はリーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)、メリルリンチが商業銀行のバンク・オブ・アメリカに買収されるなど再編・淘汰(とうた)が加速している。

 三菱UFJは、企業の合併・買収(M&A)に強みを持つモルガン・スタンレーと連携し、同社の信用力を補完するとともに海外戦略を強化する狙いがある。


中投公司、モルガン・スタンレーへの出資に慎重 9月22日 朝日新聞

中国投資有限責任公司の上層部は19日、同公司が米モルガン・スタンレーに出資して株式を取得するとの観測に関して、次のように述べた。現在、市場では中投公司が米金融機関を買収するとの憶測が流れているが、中投公司は海外投資については常に慎重な態度を取っている。二大投資銀行であるモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスの現在の自己資本充足率は高く、直面する問題を独自に解決することが可能だ。「国際金融報」が伝えた。


ロシアから日本を見れば 伊勢 雅臣

■1.「私たちには日本人の心が絶対理解できない」■

ロシア在住の北野幸伯(よしのり)氏の近著『隷属国家日本の岐路』[1]の一節。氏が、ロシア政府の高官や大学教授たちと飲んでいると、必ず聞かれることがある、という。

「私たちには日本人の心が絶対理解できない」

「また来たか」と思いつつ、「なんですか?」と聞くと、

「日本人はアメリカが大好きだろう? それが私たちには理解しがたい。だって、アメリカは広島・長崎に原爆を落とし、人類史上最悪の大虐殺をした国じゃないか。なんで犠牲者のあんたたちが、アメリカを好きになれるんだ?」

こう言われてみると、この疑問はしごく合理的かつ常識的である。戦争中とは言え、一般市民への無差別虐殺という犯罪的性格においては、2001年のニューヨークで起きた同時テロと同じである。しかも、犠牲者数は、広島・長崎あわせて30万人とも言われ、ニューヨークの約3千人の100倍規模である。

「そんな日本人がアメリカを好きになるのは、アメリカ人がアルカイダを好きになるよりも、100倍も難しいはずだ。それなのに、なぜ日本人はアメリカが大好きになったのか?」

米国は日本占領中に大規模な宣伝工作、言論検閲を行って、すべては戦争を仕掛けた日本の責任という洗脳を行ったのだが、これに現在まで日本人は騙されてきたのである。[a]

ロシアから見れば、こういう点が一目瞭然なのだろう。

■2.日本の「お人好し」ぶりは世界一■

ちなみに、ロシア人は先の大戦におけるソ連の行動をどう見ているのか。北野氏が「ソ連は日ソ中立条約を破って攻めてきたではないか」といっても、謝る人はいない、という。

「あれは米英と同意の上での行動だ」とか「日本だって真珠湾に奇襲攻撃をした。ドイツも不可侵条約を破ってソ連を奇襲した」とかいわれ、軽くかわされます。

北方領土についても、「あれは元々ロシアの領土だ」とか「そもそも固有の領土なんて存在しない。ある国の領土は戦争のたびに変わるものだ」とかいわれてしまいます。

ただシベリア抑留に関しては、「あれはクレイジーなスターリンがしたことだから許してくれ」といわれたことはあります。[1,p235]

いずれも反駁可能な主張であるが、唯一、北方領土に関して、「領土というのは戦争のたびに変わるものだ」というのは、リアリズムに立った説得性のある世界観ではある。しかし、これとても、北方領土は日本が降伏した後にソ連が攻め取った、という不法性を隠した勝手な言い分である。[b]

要するにアメリカもロシアも、自国に都合のいい歴史だけを教えている。自国に都合の悪い歴史を教えているのは、「世界で唯一日本だけ」と知っておくことも大切です。 [1,p236]

というのが、北野氏の結論である。言わば、日本の「お人好し」ぶりは世界一と言えるだろう。

■3.末期ガンに冒された王様を杖が支えている■
    
現在の日本について、ロシア人はどう見ているのか[1,p236]。

数年前、フラトコフを首相にするようプーチン大統領(当時)に進言した、ある有力者と会った時のこと。その人は、ロシアのトップが世界の構造をどう見ているか話してくれました。

彼は、「世界の構造を一言でいえば、末期ガンに冒された王様を杖が支えている状態だ」といいました。・・・

「王様とは、覇権国家だが、世界一の債務国アメリカ。それを支えるのが日本の資金力」

アメリカのトップは、たとえ、こんな見方をしていても、絶対に口外しない。したがって日本人がアメリカからの情報に頼っているだけでは、こういう「搾取構造」には気がつかない。

その有力者は、王様(アメリカ)から杖(日本)を取れば、アメリカは破産し世界恐慌になるので、そんな事は望まないが、として、

「・・・しかし、私がいいたのは別のことだ。なぜ日本は、そんなパワーをもちながら、アメリカのいいなりになっているのか?」


私は即答できませんでした。

金を貸してやっている国が、なぜ借りている国のいいなりになるのか。これも他国民から見れば「絶対理解できない」日本のお人好しぶりの一つだろう。
(後略)

6600兆円のCDS爆弾が破裂したらアメリカ経済は吹っ飛ぶ!
アメリカのGDPは1500兆円しかないからだ。(クローズアップ現代)


(私のコメント)
三菱UFJがモルガンスタンレーに9000億円の出資をするようですが、三菱UFJはリーマンブラザースの買収の話に時は断って、モルガンに出資をする。リーマンブラザースは闇社会とつながりのあるホリエモンに800億円の融資をして150億円に利益を得た事があるように問題のある会社だった。だからアメリカ政府もリーマンは潰した。

日本でもアメリカでも金融機関と闇社会との繋がりは非常に厳しい制裁を科してくる。バブルの時も地上げ屋を通じて銀行と闇社会との繋がりが出来て潰される銀行が出ましたが、ホリエモンや村上ファンドなどに金を出してきたのが外資系ファンドだ。アメリカでも5大投資銀行が無くなりゴールドマンサックスもモルガンスタンレーも銀行持ち株会社に変わった。

日本においても外資系証券会社はインサイダー取引やりたい放題でも日本の金融庁は見てみぬふりだった。当然アメリカでも同様の問題があってアメリカ政府もこの際に投資銀行のビジネスモデルを潰す事を決定したのだ。そのモルガンに三菱UFJが9000億円出資をする。中国にも出資を打診していたようですが断られたようだ。

アメリカはまさに絶体絶命のピンチなのですが、何とか持ち堪えているのは日本や中国からの金の流れがあるからですが、中国は最終的にはアメリカを裏切るだろう。北京オリンピックが終了して中国は徐々に態度を変えてきた。世界を見回してもアメリカを救える金があるのは日本しかないから、モルガンも三菱に出資を依頼してきた。

三菱UFJも9000億円というのは大金だから中国のように断りたいところなのでしょうが、日米双方の政府から圧力があって出さざるを得ないのだろう。ロシア人や中国人から見れば、広島・長崎に原爆を落としたアメリカを何で助けるのかという疑問がわくのは当然だ。

バブルの頃の日本はアメリカのビルや企業を買収しましたが、その後痛い目に会って手放している。三菱地所もロックフェラーセンタービルを買って1000億円の損失を出して撤退した。今回の三菱のモルガンへの出資も罠にかけられてぼったくられる可能性がありますが、アメリカ人の国民性をよく考えておく事が必要だ。契約などにおいて注意していないととんでもない内容になっている事がある。


「百年単位の転換点に直面する日本 」という講演の内容 Dr.マッコイの非論理的な世界

●勝利のためなりふり構わぬアメリカ

こうしたものが、なぜ不用意な投資であったのか。

ロックフェラーセンタービルは、2年程度で結局、もとのロックフェラーの所有に戻った。アメリカは大変に恐ろしい国で、ロックフェラーセンタービルを三菱地所が買ったとき、「ニューヨークの不動産の売買やテナントの入れ替えについては、前の持ち主との協議のうえ行わなければいけない」という新しい法律を作った。ということは、ロックフェラーは経済的には手放しましたが、権限としてはまだ持っているということになるり、三菱地所は、買ったものの自由にならないという、いま日本が持っているアメリカ国債のようなもので、持ってはいても身動きの取れないことになってしった。

そうこうしているあいだに、既にこの時期、プラザ合意以降なので、ドルの操作はアメリカは自由自在で、ロックフェラーの価値をどんどん下げて、2年で半額になってしまった。三菱地所がこれ以上持ちこたえられないというところで、ではロックフェラーが買ってやろうということで、もとの値段の半分ほどで手放すことになった。

もっとすさまじいのは、ロックフェラーが買い戻した後、先ほど、三菱地所を悩ませたあの法律はどこかへ行ってしまった。本来ならば、三菱地所がロックフェラーに対して、いろいろと発言権を持つはずであった法律が消えてしまったということで、まあ、アメリカというのは自分のためならなりふり構わぬ恐ろしい国であるという事がよくわかる。

●バッシングを受ける成金・日本

それからベブルビーチゴルフクラブはコスモワールドが500億円で買ったのだが、普通に行けばこの投資は、すぐに回収できると思われた。

当時、ならここの会員権は1億円ほどで企業にいくらでも売れるだろうとの思惑で、日本で500社に会員権を売れば、すぐに500億円の投資は回収できると、ほとんどを住友銀行から借り入れて買った。

ところがカリフォルニア州が突然、「ゴルフクラブで法人会員は品位を汚すから禁止する。個人会員以外は禁止。」という法律をつくってしまった。

すると買った日本の企業はお手上げで、あっという間に倒産。結局、住友不動産が後始末をして、アメリカの手に渡った。



(私のコメント)
このようにアメリカ人は日本人をペテンにかけて金をふんだくる例はきりがない。リップルウッドが長銀を10億円で買収する時に瑕疵担保条項をつけていたことは有名ですが、この為に新生銀行は強引な貸しはがしを行って社会的な非難を浴びた。日米安保条約も日本が外国から攻められたらアメリカが守るとはどこにも書いてないのですが、お人好しの日本人はアメリカが守ってくれると信じている。

今度の三菱のモルガンへの出資もモルガンが潰れればパーになる。今後のアメリカ経済はますます落ち込んでいく可能性が大きく、CDS爆弾が破裂したら6300兆円が契約不履行になる。だから中国もしり込みしたように、アメリカに救済の手を差し伸べるのはまだ早くて、これからが金融恐慌の本番がやってくる。

三菱UFJもCDS爆弾のことはよく知っての出資なのでしょうが、9000億円は踏み倒される可能性が高い。それでも日本はアメリカに金を出し続けなければならない。日本はアメリカにとっては金のなる木であり、アメリカの軍事力に逆らう力は無いからだ。だからアメリカの軍事力が弱体化しない限り日本は金を毟り取られなければならないのだ。

中国が懸命に軍事力を強化しているのも、このような圧力から逃れる為であり、いずれは中国はドルを売り浴びせてアメリカを経済破綻させるつもりかもしれない。ロシアはすでにドル売りを仕掛けている。中東の産油国もドルペッグからの離脱を検討しはじめている。アメリカは今度の金融危機で世界から一斉に反乱の火の手が上がり手の打ちようが無くなりつつある。イギリスも火の車で、頼りになりそうなのは日本のみだ。




米政府は自国経済復活の起爆剤とすべく簡単に規制緩和し、金融機関
に自由度を与え、野放しにしてしまったのだ。金融立国は破綻した。


2008年9月22日 月曜日

リーマンの破綻はアメリカン・スタンダード終焉の第二章 9月19日 domanisakaiの日記

世界の会計基準が国際(欧州)基準に統一されつつあるが、これをアメリカン・スタンダード終焉の第一章とすれば、今回のリーマン・ブラザースの破綻はその第二章である。

1980年代の米国経済は財政と貿易の双子の赤字に呻吟し、一方で製造業をはじめとする産業の空洞化が著しく進展した、そんな時代であった。こんな経済環境では無論金融機関もボロボロで、バンカメ等の世界に冠たる銀行も危機に瀕していた。今回の金融危機は何時か来た道なのである。

ではなぜ米国の金融機関は持ちこたえ復活したのであろうか? その最大要因はグローバル・スタンダードという名を借りたアメリカン・スタンダードの押し付けである。

たとえばBIS(国際決済銀行)の自己資本比率規制。失地回復を狙った米英連合が、自己資本比率の低いわが国金融機関をあからさまに狙いうちにした規制策であった。これだけが要因ではないがこの規制を受け入れることによって、わが世の春を謳歌していたわが国の金融機関は凋落の一途を辿ることとなった。

またこの間金融工学を駆使した金融商品の開発が米国を中心に進められ、わが国金融機関は大きく遅れをとることとなってしまった。サブプライム・ローンなどもその産物である。

ここでは金融工学を論ずる暇がないので詳しくは述べないが、これが金融分野にギャンブルを持ち込んだことは間違いない。金融工学は悪魔の知恵なのである。

かって米国には銀行の州際業務を禁止したマクファーデン法と、銀行の証券業務を禁止したグラス・スティーガル法があった。こうした法律が作られたのは、銀行は放っておくと際限なく自己肥大化して産業・国民を支配し、世の中に害毒を流すものであると認識したうえで、その弊害を予め除去することが目的であった。

米国においては第二次大戦以上に、1929年の恐慌が国民のトラウマになって来たという。日本人の平和憲法同様の思いがこの二つの法律には込められていた。米金融機関復活の裏にはこうした思いが反故にされたのだということを忘れてはならない。

金融機関は皆が欲しがり、何にでも化けえるカネという商品を扱っている。金融工学に限らず少し知恵を巡らせば金融機関が儲けることは簡単である。こうした金融の悪魔性を深く理解していた先人は悪魔性が鎌首をもたげないように、種々の手枷足枷を金融機関に課して来た。

カソリックやイスラム教が利子を長らく認めて来なかったのは、そうした厳しい現実を踏まえた背景があったからだ。それを米政府は自国経済復活の起爆剤とすべくいとも簡単に規制緩和し、金融機関に自由度を与え、野放しにしてしまったのだ。この罪の深さは百罰に値する。「地獄に落ちろ」である。

リーマンの破綻、BISの危機も起こるべくして起きた事態である。そうした意味では別段驚くべきことではないが、如何せん影響が大きすぎる。米国民がもっとも恐れる大恐慌がやって来ても少しもおかしくない。金融工学商品の商品化はパンドラの箱を開けてしまったということなのだ。

それもこれも欲呆け人間が多すぎるから。一生使えきれないほどのカネを手にしてまだ欲しいがる輩が存在し、それを社会がヒーローとして奉る雰囲気が存在する限り、今の事態を乗り越えてもまた同じことが生じるのであろう。人間の性とは言え、悲しい現実である。

それにして金融工学という悪魔の研究にノーベル賞を与えるというのは、どういうことであろうか? ノーベル賞はそもそも人々の安穏を期するために設けられた賞ではないのか? こうした研究に賞が与えられるのであればノーベル賞なんか要らない。

それと本件に関して、米政府が独占・寡占を事実上認めてしまっていることも大変罪が重い。これはわが国政府も同様である。

再度マクファーデン法とグラス・スティーガル法に戻ると、両法は全米に展開する巨大金融コングロマリットが出現することを恐れていたと言える。両法の消滅とともに、正しく米全土ならず世界に君臨する超巨大金融コングロマリットが生成され、そしてそれが自ら破綻してしまったのである。

BISの救済に邦貨で9兆円の血税が投入されると聞く。よく考えて頂きたい。BISがこんなに巨大企業でなければ、巨額の血税を費やすことはなかったであろうし、もっと小振りで破綻の影響が大きくなければ、潰してしまってもよかったはずである。

"Too Big To Fail”ということであれば金融機関はますます巨大化の道を選択し、モラル・ハザードの問題に直面することとなる。

「競争の結果として巨大企業の出現を認める」ということを百歩譲って認めたとしても、その競争自体が不公平であれば何をか況やである。米であればFTC、わが国であれば公取委、独占取締り部局の今こそ出番であると思うのだが…。

いずれにしても一連の米金融機関の破綻は、アメリカン・スタンダード終焉の第二章であることは間違いない。ピンボケの総裁選など早く手仕舞いして、為政者は真剣にこの国の行く末を熟慮・熟考し、明日への希望を切り拓いて欲しいものである。


任天堂の従業員はゴールドマン・サックスの従業員よりも稼ぐ―FT 9月18日 インサイド

英紙Financial Timesは独自の試算で、任天堂の従業員一人当たりが稼ぎ出す利益は、世界一の投資銀行であるゴールドマン・サックス(GS)よりも高く、Googleを遥かに上回るというレポートを発表しました。任天堂の2009年3月期の純利益予想は4100億円で、それを従業員数で割ると一人当たり1億6000万円となります。GSは一人当たり約1億3000万円、Googleは約6700万円だそうです。

また、任天堂は利益額が大きいだけでなく、税引前株主資本利益率でもGSと並ぶ成績を上げていて、いかに資本的にも効率的な経営が行われているかが分かります。

一方で、GSの平均給与が約7000万円で、利益のほぼ半分を従業員に分配しているのに対して、任天堂の平均給与は約980万円となっています。日本企業の平均と比較すると良い数字ですが、こちらは投資銀行と事業会社の性格の違いが現れた数字になっています。


(私のコメント)
日本にゴールドマンサックスやグーグルよりも稼いでいる企業があるということですが、それは日本の任天堂です。従業員一人当たりの純益は任天堂が1億6000万円であり、ゴールドマンサックスが1億3000万円でグーグルが5700万円だそうです。つまり金融が製造業より儲かるというのは神話であり事実ではない。

日本のえらい学者先生やエコノミストは、日本は物作りを止めて金融立国や投資立国を目指せといいますが、それは間違っている。シンガポールやドバイのような都市国家ならば金融立国も分かりますが、これらの国は農業立国や製造立国にはなれないからだ。

1億3000万もの人口を擁する国家ならば、農業や製造業やサービス業などのオールラウンドの産業を育成していかなければ成り立たない。アメリカは国家戦略として製造業を棄てて金融立国を目指しましたが、その戦略は破綻しつつあるようだ。少なくとも投資銀行という企業形態は、とんでもない怪物となってアメリカ自身はもとより世界各国に大きな被害をもたらしている。

アメリカにはかつてマクファーデン法とグラス・スティーガル法というもので金融を規制していましたが、国家戦略としてそれを取り払ってしまった。その結果、巨大金融コングロマリッドが出来て、それが暴走してアメリカ経済を一気に破壊してしまった。

巨大金融コングロマリッドはアメリカ政権の一部となり世界を金融支配しようという野望を抱いていた。日本にもハゲタカファンドとして襲い掛かってきましたが、小泉・竹中一派はその尖兵となって日本を「構造改革」して行った。しかしそれは日本を改革したのではなくて、ワーキングプアや格差社会を作り出して野蛮な資本主義国家にしてしまった。

小泉・竹中一派は「75歳以上は早く死ね」法案を作って実施しようとしましたが、国民の怒りに触れて自民党は参院選協で大敗して野党に転落しようとしている。麻生新総理は「早く死ね」法案を作り直すと言っていますが、安倍内閣の時点で小泉改革の全面的見直しをすべきだったのだ。

小泉内閣の政策的なブレーンとしてモルガンスタンレーのフェルドマン氏がいますが、彼が竹中大臣を動かして日本をアメリカに都合のいい国に変えようとしてきた。郵政民営化もそうなのですが、日本を「構造改革」しなければ外国から投資がやって来ないと脅した。

アメリカの国家戦略としてゴールドマンやモルガンなどの投資銀行は中国に集中的に投資をして投資利益を上げてきた。お陰で日本の製造業は多くが中国に移転してしまって日本は空洞化してアメリカの後を追おうとしている。だからエコノミストなどは製造業は棄てて金融立国を目指せと言うのでしょうが、それは間違っている。

アメリカは明らかに間違った選択をしたのだ。アメリカは金融工学と称して多くの金融商品を作り出してきましたが、多く出来ればその中にはサブプライムローンや不動産証券化といった詐欺的商品も作られて、気がついたときは破局的被害をもたらす怪物にまで育ってしまった。

投資銀行という企業形態は日本には無いものですが、ベンチャーキャピタルと混同されやすい。リスクをとって投資をすることは似ていますが、日本の銀行にはそのような事は出来ない。だからエコノミスト達は日本の金融を遅れているとけなして来ましたが、投資銀行は企業を商品のように売買して、資産を食い尽くして転売してきた。

だからアメリカの一般企業は疲弊してしまって投資銀行が一人勝ちして来た。確かに投資銀行は儲かる時は儲かりますが、ゼロサムゲームの世界であり彼らの通った跡にはぺんぺん草も生えない荒野が残るのみだ。最後には石油や食料にまで投機を行なって世界を混乱させた。

アメリカ政府もリーマンブラザースやベアスターンズやメリルリンチを整理したように投資銀行を見直すようだ。投資銀行の役員達は何十億円もの報酬を貰い高額な退職金を貰って逃げ切るようだ。残された巨額な債務は日本にツケを回してくるようだ。それで日本政府の高官は日本の金でアメリカを救えと言っていますが、だから選挙で負けるのだ。


不良債権買い取り、米が日欧に制度導入要請 9月21日 読売新聞

【ワシントン=矢田俊彦】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は20日、米政府が日本やドイツ、イギリスなど主要国に対し、金融機関からの不良債権買い取り制度を導入するよう求めたと報じた。

世界的に拡大する金融危機に対応するには、米国一国の対応では不十分と判断、各国に足並みをそろえるよう協力を要請したと伝えている。


米ゴールドマンとモルガン・スタンレー、FRBの規制下に 9月22日 ロイター

米連邦準備理事会(FRB)は21日、証券大手ゴールドマン・サックスとモルガン・ スタンレーが銀行持ち株会社に移行することを認めた。

 これに伴い両社はFRBの規制監督下に入る。金融市場の混乱緩和に向けた対策の一環。

 FRBは、両社への資金供給を増やすため、両社のブローカーディーラー子会社 に対し、連銀貸し出しやプライマリーディーラー向け連銀貸し出し(PDCF)と同じ 条件で、資金を貸し出すことにも合意した。

 証券大手メリルリンチのブローカーディーラー子会社に対する貸し出しにも、同じ 担保条件を適用する。

 ゴールドマンは同日、同社が4位の銀行持ち株会社になるとの声明を発表。FRBの規制下に入ると表明した。

 貸出業務など、複数の戦略的業務の資産を「GSバンクUSA」に移す方針も示した。

 GSバンクUSAの資産は1500億ドル以上となる見通しで、米銀上位10位の一角を占めることになる。

 ゴールドマンは、買収や既存事業の拡大を通じて、預金ベースを拡大する方針も示した。


(私のコメント)
「株式日記」ではアメリカのハゲタカファンドを批判してきましたが、アメリカ政府もようやくハゲタカファンドの整理に乗り出した。しかしマスコミの経済記者たちのゴールドマンやモルガンなどの投資銀行のアナリストを神のごとく崇拝して、テレビなどに登場してきましたが、ホリエモンや村上ファンドと同じ連中なのだ。やはり詐欺師はFRBの規制下に入るようですが、アメリカ政府自身も投資銀行は規制しないとまずいと考えてきたのだ。

任天堂とゴールドマンサックスとの比較は面白いのですが、やはり物作りこそが一番儲かるのであり、金融立国は間違った政策だ。金融はゼロサムゲームだからいつかは破綻するが、製造業は価値の創造であり国そのものを豊かにして行く。しかし任天堂はハードとソフトを組み合わせた商品を作っているから儲かるのであり、日用品などは中国で作ったほうがいい。つまり日本はソフトを含んだ物作り大国になるべきなのだ。




アメリカ政府は巨額の財政出動で金融危機を乗り切るつもりだが、
その金はどこから出てくるのだろうか? 誰が米国債を買うのか?


2008年9月21日 日曜日

大不況の足音 その5 9月21日 宮崎正弘の国際ニュース・早読み

米財政赤字の累積は10兆6千億ドルから11兆3千億ドルへ
「危機は去った」という楽観論は情報操作、危機は実際には深化している

米国の金融再建策が、大規模かつ大胆であったため世界的に株価が回復、一部には「危機は去った」と楽天的見通しを語るエコノミストがいる。

 ブッシュ政権は主眼として個人財産を守るためにMMF救済に財政出動、不良債権買い取りの二大支柱のひとつに位置づけた。
 ただ、このために財政赤字累積額上限を設定し、これの議会承認が必要である。休会前状態で大統領選挙本番を控える米国議会は、これを承認する模様だ。

 で、累積赤字は11兆三千億ドルになる。
米国のGDPが15兆ドルと推定されるから、対GDP比で75%。日本の累積赤字は建設国債を含めて800兆円とすると、対GDP比は145%。
 日米比較で言えば、まだ米国のほうが「健全」?

 しかし国民の金融資産比でみると日本の1500兆円の金融資産から見れば、日本政府の抱える累積債務は国民の資産の53%。反対に米国は消費優先、クレジットカードで借金している社会だから、担保がない。
 つまり、米国債は販売の25%以上を海外投資家に依存せざるを得ないのである。

 財政の巨額出動で当面の危機は乗り切るかもしれない。しかし本質に横たわる根源的なガンはさらに内部を浸食してゆくだろう。

 言ってみれば財政出動による金融機関と預金の救済は必要だろうけれども、モラルハザードの拡大であり、実質経済は悪質になる。


大不況の足音 その4 9月20日 宮崎正弘の国際ニュース

ブッシュ政権が金融再建のための総合対策を発表したが、砂漠に水をまく行為。
システムの延命と当面の市場安定が得られても、ドルの崩落は不可避的となった

世界市場の大波乱が続いている。
株価の乱高下はジェットコースター相場の再現である。
週末にブッシュ政権が大規模な公的資金導入を発表し、AIG救済、メリルリンチ合併に引き続きての緊急措置として、総合的再建策をまとめた。
 
19日に発表された大枠とは、−
(1)公的資金を使った不良資産の買い取り機関を創設する
(2)貯蓄性の高い投資信託MMF(マネー・マーケット・ファンド)の保護に政府基金最大500億ドル(約5兆4000億円)を使う
(3)金融機関株式の空売り(ショート・セル)を全面禁止する
などを目玉に、投入する公的資金の規模は数千億ドル(数十兆円)になるという。
しかし国民の税金を後ろ向きに投資する金融機関の不良資産買い取りの具体策は議会との調整が必要だ。

 ブッシュ米大統領はポールソン財務長官をともなって記者会見し、「市場は不安定であり、政府介入が必要だ。公的資金を用意している」としたが、顔色はさえず、そもそもブッシュ大統領は個人的にシステムの本質を理解していないだろう。

 直後から世界的規模で株価が反騰した。一瞬の安心感、心理パニックの瞬間的治癒。
 私が注目したのは、三項目の(2)、MMF保護である。
MMFは個人投資家が銘柄選択に躊躇するとき、投資のプロ達が「絶対安心」の銘柄を組み合わせて、安定した投資信託として売る金融商品のベストセラー。よもや、この最後のリゾートであるMMF市場までがこわれかけていたとは!

 現実に老舗パトナムがMMF精算を発表したというニュースに触れて驚いた。パトナムのMMFと言えば、超安全な政府債、社債、超優良企業の株にしか投資せず、今回の金融危機表面化以後も、適切に配当を維持させていた。
そのパトナムのMMFさえ、投資家のパニック売りか、あるいは手元資金充足のための解約か、全米規模で解約要請が集中し、まともな投資信託の運営が難しいとして精算に踏み切ったというのだ。
 これは一種の取り付け騒ぎに近い。

 同時に総合再建策を検討し基本的な事態の本質を整理してみると、中核的解決には結びつかないことが分かる。

 先にもふれたが、米国の住宅証券はすでに600兆円という天文学的市場規模。これが「米国債より安心」というセールストークで海外に売りまくった。おおよそ四分の一が外国勢所有。残り四分の三が米国の金融機関。韓国では公的年金ファンドが購入してきた。日本の保有額が25兆円! 全体の4・2%弱。

 さらにこれを梃子にデリバティブで新しい金融商品に化かしているため、全体の規模は4500兆円。
 まさに信用の膨張と野放図な金融資本主義への信仰だ。

 米国政府はファニーメイ、フレディマック債券の保証として21兆円を投入するとしたが、手元資金不如意のため、日本、EU、英国など六極の中央銀行に呼びかけて共同でドル資金の供給を決めた。
これは三月の「ドル防衛」という三極の密約に従う。

 
英語圏の新聞は「Central Banks Unite to Offer a  Lifeline」と書いた。まさにライフライン確保の資金提供で中央銀行が団結して見せた、とうい意味である。(日本経済新聞の見出しは「六中銀、米危機対応で19兆円、日米欧、ドルを緊急供給」(9月19日)となっていた)。
 日銀は六兆円を供給し、欧米銀の資金繰りを支援した。

 ▲米国にとって次の関心事はドル防衛である。

 だが、こうした小手先の措置は緊急措置であっても、本質の治療とはいえない。肺ガンとわかっているのに、風邪薬を与え、とりあえず睡眠薬を飲ませて静かにさせようというごまかし、換言すれば砂漠に水を蒔くようなものである。
 しばしの延命はかえって本体を危険にさらす。

 国債と住宅債を産油国などが売り浴びせに出れば市場は混乱から損壊へと至る恐れがあり、ドルは下落というより崩落に至る恐れが高まっている。だからブッシュ政権は株の空売りを禁止する挙にでた。
 株式市場での行為が禁止されれば次なる標的は通貨である。
一ドル=80円、70円時代が来ることになり、世界経済の基本が失われる懸念がさらに現実的となってきた。

 日本は米国追随型だから、保有を維持するだけでも、みすみす巨額の損害をだす米国債の引き続きの保有を中断することが出来ない。
まだまだ必死で紙くず化してゆくドルを守ろうとするだろう。

 ドルの価値が下落し、ドル本位制が崩落すれば、日本からの輸出産業が壊滅する懸念があり、これが心理恐慌をきたして、ドルを守ろうということになるわけだが、基本的には軍事力のない日本が米国に安全保障をゆだね続ける限り、ほかの通貨が、その國の国益を守るためにドル離れを起こしても、日本はドルとの心中しか選択肢がないことになる。

 麻生次期政権は、この“どんづまり状況”を独自の経済政策で突破できる「とんでもない構想力」を持っているとも思えないし、小派閥の悲哀から自民党を強引に牽引できる政治的実行力はさらに疑わしいだろう。
 米国の金融危機は日本の存亡をかけた金融戦争になるというのに。


(私のコメント)
アメリカで起きているバブルの崩壊は1年余りで大手投資銀行の5社のうち3社を吹き飛ばし、政府系二大住宅金融公社を国有化して、AIGという巨大保険会社を公的資金で救うという話です。このようにアメリカ政府は次々と救済手形を切っていますが手形が落とせるのだろうか?

連邦準備銀行もほとんど資金を使い切ってしまったし、政府救済案が議会を通って法案が出来てもどこから資金を調達してくるのだろう。アメリカは日本とは異なり経常赤字国でありアメリカは2000兆円もの金を借りまくっています。日本政府だけでも100兆円のドル証券を持っている。

あとは民間が持っているのですが、アメリカの金融破綻の確率が高まってきた以上は売り抜けないとドル債を持っている会社は株主代表訴訟に晒されるでしょう。アメリカ政府の救済策が効果のあるうちが売り時なのですが、日本の農林中金やメガバンクはドル債を売り抜けるつもりが無いようだ。アメリカ政府が直接高官を派遣してきて圧力をかけている。

これだけ世界的にアメリカの金融破綻が影響しているのだから、アメリカをIMFの管理下に置いて1997年にインドネシアや韓国のように管理すべきなのだ。そしてドル離れが起きないように金利を上げるべきなのだ。しかしFOMCでは2%に金利を据え置いた。しかしFF金利が2%の金利でいったい誰が米国債を買うのだろうか? ユーロの短期金利が4%だから誰だってユーロ債を買うだろう。

だから最近の米国債の買い手は外国の政府と中央銀行しかなく、中国と日本が一番買っている。先日も日銀が6兆円の資金供給をドルで行ないましたが、世界のドル債券売りラッシュを世界の政府と中央銀行が買い支えている。2%の金利では民間では買い手が無い。闇の金利相場では10%の金利でドル債券が発行されている。

ところが日本では短期金利が0,5%だから東京ではサムライ債の発行ラッシュが起きていたのですが、リーマン・ブラザースの破綻でリーマンの債券が紙切れになってしまった。アメリカ政府系住宅金融会社の債券も買う人は政府関係だけであり、民間では売るに売れない状況だ。だからMMFですら運用できなくなっている。

MMFといえば証券会社の普通預金のようなものですが、国債や政府債ですら買い手が無いような状況では運用が出来なくなっているということです。不思議でならないのはアメリカの債券市場が機能不全に陥っているのに株式市場は堅調な事だ。金融常識では考えられない事なのですが、アメリカでは金融機関のみならずGMなどの一般の会社も倒産の危機が迫っているのに株が高いのは理解できない。

アメリカ政府は株の空売り禁止を決めましたが、アメリカ版PKOも限界に来ているようだ。さらにアメリカ政府は不良債権の買い取り機関を設ける事を発表しましたが、不良債権の総額が時々刻々増え続けているのに買うことが出来るのだろうか。その資金はどこから持ってくるのだろうか。ニュースでは最大75兆円だそうですがこれでは気休めにしかならない。

なぜならばアメリカの住宅ローン残高は1200兆円規模ですが、10%下がっただけで120兆円の不良債権が出来るわけであり、日本では住宅は半値にまで下がったから最終的にはアメリカも500兆円くらいの損失が出てアメリカの金融機関を吹っ飛ばしてしまうだろう。

アメリカは経常赤字国であり国民の貯蓄はゼロに等しい。金融機関は経営の危機に直面しており、財政を支える国債の買い手はいない。日本や中国が国債を買い支えているからドルは何とかもっていますが、このままでは日本と中国はアメリカと抱き合い心中になってしまう。

日本だけでも何とか切り抜けられる方策を見つけて、出来れば米中だけで心中してもらいたいものです。アメリカとしては世界中を強引に巻き込んでアメリカが破綻すれば世界も破綻だぞと脅して海外政府と中央銀行にドルを支え続けさせるだろう。そのツケを一番引き受けるのが日本である。中国は最終的にはアメリカを裏切ってドル売りを仕掛けるかもしれない。

そうなればアメリカは破れかぶれになって中国と戦争状態にもっていって、借金をチャラにする計画かもしれない。戦争にはならなくても封じ込める事で中国を締め上げてアメリカの借金を帳消しにすれば一気に解決する。そこまでにはならないだろうが日本のようにアメリカに毟られ続ける事もなく、中国はいつかはアメリカに反抗する。

日本としてはそうさせないために、EUや中国やロシアやアジアやアフリカ諸国にまで手を回して、アメリカをIMF管理下に置いて徹底した「構造改革」をさせるべきだろう。アメリカの多くの金融機関や企業は日本などの外資に買収されて、アメリカがタイやインドネシアや韓国のような経済植民地になれば、日本はアメリカからの真の独立の時がやってくる事になる。




汚染米問題で浮かび上がる、官僚が「政策」をつくる、政治家は国会
で認知するだけ。自民と官僚を断ち切るにはいったん下野する事だ。


2008年9月20日 土曜日

事故米騒ぎと官僚支配  ―政治の役割はどこに? 9月14日 田中良太 JANJAN

「ニューズウィーク日本版」最新号は「世界的な食糧危機に、日本は備蓄米を国際市場に放出してリーダーシップを発揮することもできた」と書いている。今の事故米騒ぎの根底には、ウルグアイ・ラウンド合意による大量の備蓄米輸入問題があるが、日本の政治家はだれも言わない。官僚が出す政策を追認するだけの存在となっているからだ。

◆背景にミニマム・アクセス制度
 事故米騒ぎがどんどん拡大している。問題の根底には、事故米が、農水省にとって極めて有り難い存在であるという現実があるらしい。ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意(1993年)によって日本は95年以降、年間約77万tのコメ輸入を義務づけられている。これがミニマム・アクセスの制度で、輸入された米はミニマム・アクセス(MA)米となる。MA米は国産米価格に影響しないよう、購入数年後に加工用で売却する。このため毎年100〜300億円の赤字となるという。

 ◆農薬が見つかっても輸入する
 食用とならない事故米の場合、価格は通常のMA米の10分の1程度。それでも輸入量のうちにカウントされるから、輸入に要する資金は少なくてすむ。だから「食用」として輸入した米から、農薬やカビが検出された場合も、輸出国に引き取らせることはなく、「非食用」に変更し、価格を変更するだけという処理にする。

 ◆糊の原料になるだけ
 事故米は工業用に使うだけだが、せいぜい糊の原料になる程度。買い手は少ない。保管料だけで1tにつき年1万円かかる。焼却するにしても1tあたり1万円の焼却費に加え運搬費がかかる。 

 ◆良いお客さんだった三笠フーズなど
 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)▼食品・飼料販売会社「浅井」(名古屋市瑞穂区)▼肥料製造会社「太田産業」(愛知県小坂井町)など大量に買ってくれるのは、在庫を抱えている農水省にとって、良いお客さんということになる。

 事故米を「加工用」と偽って販売する違法行為についてチェックが甘かったとされるが、そもそも「良いお客さん」を疑いの目で見ることなど、普通はしないだろう。

 ◆「コメ備蓄放出」の提案
 「ニューズウィーク日本版」9月17日号は、英「エコノミスト」誌前編集長ビル・エモットの「政権交代まで日本の漂流は終わらない」という文章を掲載している。

 その中に「日本は世界的な食糧危機に有効な対応を取れなかった。もしコメの備蓄を国際市場に放出したり、アジア諸国に大型の経済支援を実施していれば、中国に対抗してアジアでの発言力を高めることができたかもしれない。WTOのドーハ・ラウンドで、7月に交渉が決裂する前に日本がリーダーシップを発揮できた可能性もあった」と書いている。

 同誌は10日発売だから、エモットは事故米騒ぎを知ってこの文章を書いたわけではないだろう。

 ◆賛同の政治家はゼロ
 日本の国会議員にとってコメ問題は「基礎知識」であり、備蓄米の始末の悪さを知らないのは「もぐり」だと言っていい。「食糧危機だからこそ、備蓄米を放出して国際貢献したら」と言い出す政治家が1人もいなかったのは情けない。

 自民党総裁選の候補者5人の中にも、エモットの主張に触れ、「それこそ政治の役割」と言った人はいない。民主党代表に3選された小沢一郎も同じだ。国会議員本人はともかく、秘書の中にも「ニューズウィーク日本版」の福田退陣ショック論評を読んでいないなどということはあり得ないだろう。読んでいながら、議員に注意喚起するには当たらないと判断したのだろう。

 ◆読売の「備蓄拡大」記事
 国会議員だけではない。新聞の社説にだって、エモットのような提案は皆無だ。社説ではないが、読売新聞は今年1月1日付1面に、「小麦・大豆の備蓄拡大 国際争奪戦激化に対応/農水省方針」という特ダネ記事を掲載した。書き出しは、

 <政府が、輸入への依存度が高い小麦、大豆と、家畜に与えるトウモロコシなどの飼料作物について、現在の備蓄水準を引き上げる方向で検討に入ることがわかった。2009年度からの実施を目指す。> である。

 ◆経済面に「支援」の解説
 経済面トップには超大型の解説的記事が掲載されている。書き出し部分は以下の文章である。

 <農林水産省が食料の備蓄水準引き上げの検討に入るのは、日本の食料自給率が39%(2006年度、熱量ベース)と4割を下回り、先進国で最低水準となっていることに加え、世界の食物供給をめぐる状況が厳しさを増しているからだ。世界的な食料の争奪戦が始まり、一部の輸入食物では、日本企業の提示価格より高い値段で外国勢が買っていき、日本が「買い負け」する事例も出ており、農水省は食料確保に危機感を強めている>

 要するに読売は、この備蓄拡大政策の応援団を買って出ているのである。

 ◆官僚の予算・権限・人員拡大路線
 備蓄を拡大するためには、当然カネがかかる。コメではなく小麦、大豆でも、同様に始末に悪いものであろう。それを管理するには人手も必要だ。官僚はいつも予算・権限・人員を増やそうとするのだが、この場合「食糧危機」をネタにそれをやろうというのが農水省の作戦。それを後押ししたのが読売の記事であろう。

 ◆官僚が政策をつくる「常識」
 この展開こそ、日本の常識なのだ。官僚が「政策」をつくる。その政策を、メディアが「応援」の意味を込めて報道する。政治家は国会で認知するだけ。

 ◆エモット提案に二重のメリット
 エモットの提案のように、
 <食糧危機だからこそ、備蓄米を放出せよ> と言うことこそ、「政治」の役割のはずだ。

 国民にとって、日本の国際社会での地位が上がるというのは大きなメリットだ。他方では始末に悪い備蓄食糧管理のための予算と人員を節約できるというメリットもある。

 ◆官僚の使い走りが「政策通」
 ほんらい政治の役割は、官僚機構からは出てこない判断をするところにある。しかし日本ではメディアを含めて、官僚機構から出てくるものこそ「政策」なのである。食糧政策は農水省が決める。教育政策は文科省が決める。年金政策は厚労省が決める。各省庁が「族議員」という種族を飼っており、その手合いが「政策通」だと評価される。政治全体が、官僚たちの「使い走り」にすぎないシステムが成立してしまっているのだ。

 ◆自民党政権を終わらせるだけで十分か?
 この「日本の常識」を変えるにはどうすればいいのか? 自民党政権を終わらせることも一つの手ではあるが、それで十分かどうかは保証の限りではないだろう。


汚染米飲食は、行政構造改革挫折のツケだ 9月14日 涸沢歩 JANJAN

農林水産省が工業用と強弁した米を中心に使う企業のないことが明らかになった。もはや汚染米は食用に回されるべく卸されたと考えて差し支えないようだ。国民は、ミニマムアクセスとはいえ、国が汚染米を買い取ること自体に首をかしげていた。ついに農業政策の膿が、一気に噴きだした形だ。

 いずれ農水省と業者の癒着が指弾されることになろう。だが、忘れてならないのは、農水省には法令上の犯罪捜査・強制調査・捜索の権限はないことだ。事前連絡による調査権しかない。これがブラックホールと呼ぶべき無責任体制を支える仕組みなのだ。この期に及んで農水省と業者の問題への矮小化は許されない。ミニマムアクセス(農産物の輸入最低限度量)はWTOの協定に100%の義務とは書かれていない。米・韓は協定の指定枠に程遠い量しか輸入していない

 問題のすり替えはここにある。外交上不都合が生じるという説明がなされるのだろうが、そもそも対米政策を始め、外交政策自体が日本国民にとって不都合なものだったのだ。(後略)


(私のコメント)
福田総理が太田農水大臣と事務次官の二人同時に首を切りましたが、汚染米の問題はこれだけでも自公政権が野党に転落しかねないほどの問題だ。だから福田総理は二人同時に首を切って事を収めようとしている。しかし福田総理自身、汚染米問題が出て対策を指示するまでに6日も要している。それだけ農政に対する認識が無かったのだ。

福田総理の選挙区は群馬の農村だ。しかしながら国会議員の多くは農政の事に関しても素人のようで、農政も農林官僚任せで、だから日本の食糧自給率は39%にまで下がってしまったのだ。農林族議員も利権が絡めば関与してくるからこれから解明が進めば政治家関与もあるのかもしれない。現に三笠から数百万円の政治資金が渡っている。

前回この問題を書いた時にも耐震偽装問題と同じく政官業の癒着で問題を引き起こしていると書きましたが、小泉改革による規制の緩和が新たな利権を生んで官界や政界に金が回ってきている。官界の場合は天下り団体を作って天下る利権ですが、政治がそれに深く関与する。

だから役人の天下り禁止法を作れば無くなるという問題ではなく、業者も政治家もがっちりとスクラムを組んで規制緩和の甘い蜜をすすっているから、この政官業の利権のスクラムを崩さなければ、汚染米や耐震偽装のような問題が続けて起こるだろう。今回の汚染米問題にしても関係業者は300社以上にもなり、汚染米は学校給食にも使われていた。

中国から格安で輸入されていた農薬汚染米は工業用に使われるというのは農水省の嘘のようだ。ミニマムアクセスで農水省が外国から輸入した米の量は半端ではないから工業用には使いきれない。食用に使われる事を暗黙のうちに認識していながら業者に落札させていたようだ。

これは食管制度があった頃なら指定業者に限られていた業者が届出だけで米の流通に参入できる事になり、汚染米を転売を繰り返しながら利益を得ていた業者は数百にもなった。これは三笠だけでそうなのであり、もっと調べれば汚染米転売ビジネスは果てしなく広がり、ヤクザも絡ん伝票だけでピンはねして、最終的に消費者の口に入っていった。

耐震偽装も規制の緩和から起きた問題であり、汚染米の問題も規制の緩和から汚染米の転売ビジネスで参入する業者が相次いだ。そして利益の大きいただ同然の汚染米を食用に偽装して高値で売り抜けた。「あきたこまち」や「コシヒカリ」が生産量より多く流通しているように、汚染米がこれらに混入されて売られていたのだろう。

米の転売業者は単価に50円上乗せして転売するだけだから、これほどぼろい商売はない。なぜ汚染米問題がヤクザが関与しているのかというと、「ヤミ軽油」の問題とよく似ているからだ。「ヤミ軽油」とは軽油に安い灯油やA重油などを混ぜて販売するのですが、ブランド米に汚染米を混ぜて増量すれば利幅は大きくなる。

しかも1割程度混入させる程度なら検査してもまずはばれない。以前石原東京都知事がジーゼル車問題として「ヤミ軽油」の取締りをしましたが、多くの地方ではヤクザが絡んでいるので「ヤミ軽油」は手が出せなかった。汚染米の問題も10年間もばれなかったのはヤクザと政治家がからんで検査すべき農水省も黙認せざるを得なかったのだ。

今日もテレビでは自民党の総裁選挙で5人組が討論していましたが、汚染米の事は全く素通りだ。耐震偽装問題もウヤムヤにしたように、汚染米でも政官業とヤクザの支配体制は揺らがないだろう。政治家も官僚も命が惜しいから問題の根幹には触れる事ができない。「ヤミ軽油」に触れる事ができたのは住吉会と関係の深い石原都知事だけなのは、ヤクザから身を守るにはヤクザしかないからだ。


「解体されるニッポン」 ベンジャミン・フルフォード (著) 逝きし世の面影

稲川会幹部からの情報によると、新東京銀行の消えたお金の多くは住吉系のフロント企業に流れた。
また一説によると、消えたお金の一部はオリンピックを東京で開催するための裏工作に使われたとも言われている。
オリンピック委員会と人脈のある設計事務所と既に契約が結ばれたとも言われています。


世の中は、石原慎太郎の外遊先での交通費がどうのこうのとか、オウムだった4男の絵を都に買わせたとか、愛人が首都圏某所にいて子供もいるとか、そんなどうでもいいレベルの話ばかりしてる。
そんなことよりも、秋葉原の再開発で鹿島建設からカネもらってるほうが問題だ。


22 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん[]:2007/12/30(日) 10:38:59 ID:0vwHJFcW 2ちゃんねる

暴力団も絡む「ヤミ軽油」の実態

軽油価格の高騰にあえぐ運送業界で、「ヤミ軽油」が流行の兆しを見せている。
軽油に灯油もしくはA重油等を混ぜて製造するヤミ軽油には、
ガソリンスタンドを含む小売り業者のみならず暴力団関係者も関与しており、
トラックを使う運送業者自らが製造に乗り出す例も少なくない。

各都道府県の税務当局は摘発に必死だが、焼け石に水。当面、「下火」とはなりそうもない。

 2007年4月、千葉県白井市で千葉県警が「ヤミ軽油工場」を摘発した。逮捕されたのは、石川県の石油販売会社社長と、
ヤミ軽油の販売を仲介していた東京都の運送会社社長。ヤミ軽油を1万キロリットルも販売し、軽油引取税3億3000万円を脱税していた。

 ヤミ軽油とは、軽油に灯油もしくはA重油等を混ぜたもの。灯油やA重油は軽油より安価で、
しかも軽油引取税(1リットル当たり32円10銭)がかからない。多少エンジンは傷むにせよ、
灯油やA重油を混ぜたヤミ軽油でもディーゼル車は走るから、運送会社にとってはありがたい代物だ。

 地方・業者によって異なるが、
現在の相場は1リットル当たり80〜100円。ガソリンスタンド店頭価格(約130円)に比べればそうとうに安い。
そのため、各都道府県の税務当局が音を上げるくらい、跳梁跋扈している


 入手はじつに簡単。タンクローリーにヤミ軽油を詰めた業者が、運送会社に直接売りに来る。
ガソリンスタンドがヤミ軽油販売に関与していることも多く、
運送会社間でそうした情報が口コミで広がることもある。


(私のコメント)
このようにネットの記事を探れば汚染米問題もヤクザが絡んでいる事は容易に気がつく事なのですが、ヤクザが恐いから記者もなかなか記事に出来ない。新銀行東京の事もヤクザが絡んでいるのですが、誰も書かない。ヤクザの事はベンジャミン・フルフォード氏の本を読めば分かるのですが、日本のマスコミの記者はほんとに小心者ばかりだ。

ぼろ儲けが出来るところには必ずヤクザと政治家が関与してくるのであり、ヤクザと政治家は持ちつ持たれつの関係であり、それはニオイでわかる。自民党の総裁選挙の5人組も汚染米がヤクザがらみであることを知っているから避けているのであり、この時期に汚染米の問題が出てきたことも山口組と小泉純一郎の稲川会との対立が絡んでいる。




この度のリーマンの破綻は、アメリカ・システムそのものを支えた
覇権システムの中核であり、経済価値観を象徴する存在なのである


2008年9月19日 金曜日

リーマンの破産、擬制の終焉。 9月16日 カフェ・ヒラカワ店主軽薄

リーマン・ブラザースが、チャプターイレブンの適用を申請のニュース。
テレビも新聞も大騒ぎである。
だからなんだというのだ。(と、前にも言ったけど)
金で金を売り買いして肥えてきた会社が、
金で躓き、金に行き詰ったという話である。
勿論、世界は混乱するだろう。
一般消費者も、景気の後退の影響を受けるだろう。
だが、この混乱はモノやサービスを媒介しない
欲得と欲得の交換が巨大過ぎるビジネスになったときにすでに
はじまっていたと思うべきなのだ。
この度の米国経済の破綻は、
信用の収縮と呼ぶべきものではなく、行き過ぎたお金への信仰が、
欲望が再生産を繰り返して作り上げた幻影に対するものでしかなかった
ということが露呈したに過ぎない。
最初から信用というようなものは無かった。
信仰は、幻影には実体がないと分かった瞬間に
一気に萎む。

何度かアメリカを往復し、仕事場をつくり、その社会を見てきた印象を言えば、
この社会はその作り方の根本のところでどこか間違ったものを含んでおり、
いずれそのほころびは目に見える形でもっとはっきりとした
無残な輪郭をあらわすだろうということだった。
すでに、その兆しは街のいたるところに見え隠れしていたように思う。
無理な戦争を仕掛けようが、
世界の富を簒奪するシステムを遂行しようが、
政治的・経済的覇権を正当化し、維持するためには
ひとつの擬制(フィクション)が必要だったということかもしれない。
アメリカの正義は、世界の正義であり、人類の利益に資するものだという
擬制がそれである。

彼らがその擬制を補完するために掲げた、自由も、チャンスも、平和も
まさにその社会の根本に、原理的に欠けているがゆえに、その欠落を隠蔽するために
設えられた「正義」のように見える。
「フェミニズム」は女性蔑視の裏返しであり、
「自由」とはまさに先住民の犠牲の上に築かれた
征服者を正当化する方便であり、
「チャンス」は社会の下層に充満する
不満をなだめるために設えられた決して実現しない夢(ドリーム)を
指し示すサインのようであった。
擬制の仕上げは、金こそが世界を支配する万能のパワーであり、
人は金によって幸福を得る事ができるという信憑であった。

アメリカン・ドリームとは、一夜にして大金持ちになるという
ことであり、アメリカとは、
そのチャンスを平等に分け与える世界でもっとも開かれた場所であるという信憑。

勿論、俺はそういった擬制(フィクション)の上に市民社会というものが
形成されることを否定はしない。
多かれ少なかれ社会というものは、ひとつの擬制(フィクション)の上でしか
運営してゆくことはできないからだ。
デモクラシーもひとつの擬制であり、自由主義もまた
ひとつの擬制だろう。完全に民主的な国家も、真に自由を享受できる
国家も現実には存在していない。
共同体を統合してゆくためには、どこかにそのメンバーが
共有できる信憑の対象が必要であり、それは擬制という形式を取らざるを得ないだろう。
人間は誰もが自分の欲得を求めて行動してよい。それが、社会を発展させる原動力になる。
秩序は市場が作り出す。だから、人々は貪欲に欲望を解放してよい。
お金はパワーである、人間がひとりで生きてゆくにはパワーが必要である。
そう思うのはいい。(俺もそう思っている。)
だが、同時にお金が行使できるパワーは極めて限定的なものであり、
それを万能だと思うことは恥ずかしいことなのだという認識を
お金が重要であると考える同じ分だけ帯同すべきなのである。
擬制は、自らそれが擬制であることを知り、もっと控えめであるべきなのだ。

十年も前から、いやもっとずっと以前から
擬制でしかない価値を、集団的に正義と読み替えたことによって、
この擬制の崩壊ははじまっていたというべきだろう。
ただ、この崩壊は、俺が思っていたよりも速い速度で、
進行している。

サブ・プライムローンの破綻、
住宅公庫・公社の破綻と政府による救済、
この度のリーマン倒産と、メリル・リンチの経営破綻と買収、
この一連の出来事を、
日本の不良債権処理問題との対比で
語る人がいる。
(それも、アメリカは「日本と違って」処理が迅速なので
日本の不良債権処理にかかった期間よりも、
早く解決に向かうという文脈で)。
こういった方々のお見立ては、
まったくのお門違い、頓珍漢だというべきだろう。
経済評論家、投資銀行家、株やさん的には(十羽ひとからげで
もうしわけないけど)この問題は、バブルの崩壊、信用の収縮、金融システムの
調整の問題に見えるのかもしれない。
バブル生成のプロセスと、その破裂と再生の金融プロセスだけ見ていれば、
この度のアメリカ経済の混乱は、
日本が経験した土地バブルの崩壊と、そこからの再建までのプロセスの
アメリカ版の焼き直しに見えるかもしれない。
彼らは金融システムが作り出した世界観の中でものを見、
金融システムのタームで考えているので、(たぶん)
自らが立っている地盤そのものの脆弱性について思考のリーチが届かない。

この度のリーマンの破綻は、
ドメスティックな経済システムの不調という性格のものではない。
金利操作や、財政出動といった金融テクニックによって
切り抜けられるものとは、本質的に異なる地殻変動が起きている。

リーマン・ブラザースや、メリル・リンチという会社は、
日本における山一證券や、長銀とは、
同じ金融ビジネスであっても、意味合いも、役割もまったく異なっている。
金融ビジネスは、アメリカ・システムそのものを支えた
覇権システムの中核であり、
アメリカが世界に振りまいた労働価値観や、経済価値観を象徴する存在なのである。
山一や長銀のような、いち金融セクションではない。
換言すれば、政治と経済における、大戦後の覇権国家が、世界に押し付けてきた
経済成長、環境、民主主義という価値観そのものが、
もともと無理筋であり、もたなくなったことのあらわれだと見るべきだろう。

勿論、経済成長はできるに越したことはないし、
環境は守られてしかるべきだし、
民主主義はいまのところ最善とはいわぬまでも、ベターな政治体制である。
しかし、そのどれもが、
金を積み上げれば手に入るというようなものではない。

世界の経済システムは混乱するだろう。
この危機を回避するために何ができるだろうか。
イギリスの銀行家がいみじくも言ったように
「銀行は、預金者にサービスする銀行業へもどるべき」なのである
そして、ビジネスはビジネスの本義へともどるべきだろう
痛んでいるのがシステムそのものであるならば、
その文脈を替えるしかないのである。
しかし、残念なことに、世界の指導的立場にいて本気で
そのように考えている方々は、
ごく少数であるか、まったくいないかの
どちらかなのである。


(私のコメント)
今週はアメリカの世界的な金融機関の破綻が相次いで、いろいろな情報が錯綜していますが、混乱を極めれば極めるほど遠くからの全体像を眺めて見るべきだろう。アメリカの巨大金融機関の破綻はLTCMやエンロンなどの例を見れば予測できた事だ。アメリカ政府は公的資金で二大住宅金融公社やAIGなどを公的資金で救済していますが、今度はアメリカ政府自身の信用不安がいずれ頭をもたげてくるだろう。

日本みたいに経済力があって国内だけで問題が片付けられればいいが、アメリカは中国や日本からの資金供給が止まればその場でショック死するだろう。だからアメリカ人は日本や中国に足を向けて寝られないはずなのですが、アメリカはいまだに世界覇権の夢を棄てきれないでいるようだ。

アメリカは確かに50兆円もの軍事費を使って世界各地に軍事基地を展開していますが、これはいつまで維持できるかという問題が浮上してくるだろう。原子力空母一隻の年間維持費は1兆円であり11隻も活動させている。そのほかに原子力潜水艦やB1B2爆撃機などの維持管理も大変だし、核ミサイルや宇宙航空軍の維持管理だけでも巨額な軍事費が消えていく。

いわばアメリカの世界の警察官としての自負は分かりますが、ソ連崩壊後のアメリカは独善的になり、これといった理由もなしにアフガニスタンやイラクに攻め込んだ。大義なき戦争を長期間続けていれば巨大帝国アメリカの人心も病んでくるだろう。リーマンブラザースといった投資会社も金融帝国アメリカの象徴でもありましたが今週倒産した。

ベアスターンズもメリルリンチも買収されてなくなりましたが、残るモルガンスタンレーやゴールドマンサックスもどうなるか分からない。カフェ・ヒラカワのブログにも書かれているようにリーマンの破綻はアメリカの覇権システムの中核であり、投資銀行というビジネスモデルの破綻なのだ。

アメリカのドル基軸通貨制度も大きく揺らぎはじめてきましたが、アメリカ政府は公的資金で巨大金融機関を救済してパニックを収めようとしている。しかしアメリカの経済破綻は始まったばかりなのであり、アメリカ政府はこれからも起こる巨大金融機関の破綻を救いきれるのだろうか? あめりか政府の金庫はすでに空っぽであり、アメリカは外国から毎年100兆円の借金をしなければアメリカそのものが破綻する。

「株式日記」では、アメリカとソ連は兄弟国家であり、ソ連が崩壊したという事はアメリカもいずれ崩壊する事を書いてきました。二つの巨大帝国を支えてきたのは石油ですが、ソ連崩壊の原因となったのは石油の増産に失敗でオイルピークを迎えたからであり、アメリカの国内石油もあと10年ほどで枯渇する。そうなればアメリカを支えてきた石油がなくなるのだからアメリカも崩壊する。

サウジアラビアはいつまでドルで石油を売り続けるのだろうか? 今度のアメリカの巨大金融機関の破綻でサウジとはじめとする石油産出する湾岸諸国も、ドルを預ける受け皿が信用不安にさらされているのだ。中東の石油王達はアメリカの投資会社に資金を預けてきましたが、リーマンが発行した債券を買ってきた王様は大損したはずだ。

アラブの石油王はどこに金を預けたら良いのだろうか? 少し前まではドルがダメならユーロでヨーロッパの銀行に預ければよかったが、ヨーロッパも住宅バブル崩壊で金融機関の破綻の噂が絶えない。だからユーロが大暴落しているが世界の資金はどこに行こうとしているのだろう? 金もいいが受け皿が小さすぎる。

アメリカ経済もダメ、EUの経済もダメとなると、日本しか頼れる経済大国は無くなる。しかし日本はアメリカやEUに比べると経済規模が小さすぎる。とてもドルの代わりになれるようなものではない。日本のGDPはずっと500兆円前後で停滞したままだ。なぜならば国内で工場をたたんで中国などに引っ越して中国のGDPとしてカウントされている。

例えば、日本の海外法人の総売上高は1999年で120兆円であり、2000年度には130兆円にもなっている。この総売上高は日本のGDPお約4分の1にもなり、日本企業の海外生産と販売額は中国のGDP並びブラジル、インド、カナダ、韓国、メキシコ、ロシア各国のGDPを上回る規模になる。つまり日本は全世界にまたがった多国籍企業型植民地帝国を築いている。

海外進出企業が雇用している規模も拡大しており1999年時点で316万人にも達している。同企業の国内雇用者数が247万人だから、国内よりも海外のほうが規模が大きくなっている。しかしその数字は日本のGDPにカウントされないから500兆円で停滞しているように見える。だから円経済圏は意外と大きいから円の基軸通貨も検討すべきなのですが日本の役人は円の国際化を嫌がっている。

つまり日本経済はアメリカに叩かれながらも規模を国際的に拡大してきたのであり、国別で見たのでは分からなくなっている。アメリカにおける自動車製造業においてもトヨタがビックスリーを押さえてトップ企業になりましたが、このように見れば日本経済の規模はアメリカや中国のGDPにかなり隠れているのだ。

ところが日本のエコノミストはこのような見方が出来ずに、日本の経済は新興国にも追い抜かれると騒いでいる。確かに一人当たりの国民所得は18位に落ちたと騒いでいるエコノミストがいたがユーロが倍近くも値上がりした影響だ。太田弘子経済産業大臣まで「日本経済は一流とはいえなくなった」と国会で述べましたが、経済の実態を大臣まで知らないのだ。

日本は目に見えない経済植民地帝国としてアメリカや中国を植民地にしつつあるのであり、今回のアメリカの経済破綻と中国のバブル崩壊で日本の経済支配力は高まり、アメリカと中国を合わせれば世界一の経済圏を建設する事が可能になるであろう。もちろんその時は円が世界の基軸通貨になる事になる。




北京はこうしたワシントンの政治状況をにらみながら、米住宅債券の
購入を続けるかどうか、場合によっては再び揺さぶりをかけるだろう


2008年9月18日 木曜日

米住宅金融バブル、影の救済相手は中国 SANKEI EXPRESS

大型金融機関の経営破綻には、必ず救済される者と見捨てられる者との明暗に分かれる。90年代の日本の大手金融機関経営破綻の場合、預金者は保護され、株主と従業員が犠牲になり、経営者は号泣した。

「史上最大の金融機関救済劇」と称される米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の米政府系住宅金融2社の場合、救済の恩恵をもっとも受けるのは驚くことなかれ、中国を筆頭とする米政府機関債の投資家であり、被害者は米国人を中心とする2社の株主である。

ブッシュ政権はなぜそこまで追い込まれたのか。

理由は、米国の金融市場が中国などから入ってくる余剰マネーに依存しており、ファニーメイなどの債券を中国が売却し、新たに買わないと言い出せば、米金融市場は一挙に崩壊しかねないからだ。

米財務省統計から推計すると、中国政府はこの6月末時点で約6500億ドルの米政府機関債を保有しており、世界断トツの投資家である。第2位の日本2600億ドルを大きく上回る。豊富な石油収入を持つ中東産油国は240億ドルに過ぎない。

米政府が住宅金融2社に公的資金を投入しなければどうなるか。2社が米住宅ローンの半分を引き受け発行済みの住宅抵当債券は5兆2000億ドル、米国債の3割相当の社債1兆6000億ドルは暴落し、住宅ローン金利は急騰、住宅市場は壊滅しよう。

そればかりではない。2社は市場から調達する資金の金利の変動に備えて「金利スワップ」など、複雑な金融派生商品(デリバティブ)取引を行っている。米銀行大手は住宅金融2社との金利スワップ取引を中心にデリバティブを膨らませてきた。米銀のデリバティブ契約残高はことし3月末で180兆ドルを超え、そのうち金利関連は80%、142兆ドルで米国内総生産(GDP)の10倍にも達する。住宅金融2社の住宅債券相場が崩れると、デリバティブ市場は潰え、米銀は軒並み経営破綻、米金融市場が根底から壊れる。「デリバティブは大量破壊兵器」と全米最大の個人投資家W・バフェット氏のかねてからの警告通りになってしまう。

ブッシュ政権はこうして住宅金融2社の債券の暴落をどうしても食い止めるせっぱ詰まった事情があった。

北京はこうしたワシントンの窮状に理解を示し、損失を恐れたアラブ産油国や日欧の投資家が住宅抵当証券を売り逃げるのとは逆に、グラフが示しように買い増ししていた。8月の北京五輪を成功させるため北京としてはワシントンに金融面での「誠意」を示し、ブッシュ米大統領の開会式出席を実現する政治的動機もあった。

局面は五輪終了とともに一挙に変わった。中国の国有商業銀行を代表する中国銀行は28日、米住宅金融2社の発行債券を約40億米ドル減らしたと発表した。このニュースに米金融市場の動揺が始まった。中国銀行の住宅債券保有分75億ドルはそれでも中国人民銀行など中国政府の保有額に比べるとはるかに小さい。だが、中国銀行も党の政治的支配下にあり、中国銀行の発表は北京の党中央の警告のシグナルとワシントンは受け取ったに違いない。

ポールソン財務長官を中心に特別作業班が発足し、急ぎ住宅金融2社への公的資金注入の具体策の検討に着手し、9月7日の日曜に緊急発表した。発表前に、マコーマック財務次官(国際担当)は真っ先に北京の周小川人民銀行総裁に電話し、「住宅2社の債券を政府は買い支える安定策をまとめたので、安心して欲しい」と説明した。同次官は中東産油国政府系ファンド、さらに日欧の当局にも連絡した。ワシントンの発表を受けて、中国人民銀行はただちに声明を発表し「この政策は前向きで市場を安定させ確信を高める」と歓迎した。

もとより、米金融市場が崩壊し、中国政府が保有する1兆数千億ドルの資産が紙くずになれば、胡錦濤総書記ら党中央の責任問題に発展しよう。従って、北京としてはワシントンに協力せざるをえない。

だが、ドラマはまだ続く。

今回の住宅金融救済策は、中国などの投資家を優遇し、米国の株主を犠牲にしているからだ。2社を米政府の直接管理下に置き、債券を買い支える。さらにファニーメイ、フレディマック各社に1000億ドルの優先株購入枠を設定、経営状況に応じ段階的に公的資金を注入するが、これまで発行された普通株への配当は後回しになるために株価の暴落は避けられない。広範囲の米国民が株主になっているため、今後政治問題化する恐れもあり、優先株の発行などっ救済策の実行は次期政権の手にゆだねられている。

北京はこうしたワシントンの政治状況をにらみながら、米住宅債券の購入を続けるかどうか、場合によっては再び揺さぶりをかけるだろう。


米住宅公社救済、アジア好感も中国は例外 9月8日 BusinessWeek

アジア各国の株式市場が週明けにこれほど好調だったのは久方ぶりだ。9月7日の日曜日、ヘンリー・ポールソン米財務長官が、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ、FNM)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック、FRE)に対する米政府の救済措置を発表した。アジア各国の投資家はこの措置を好感。日経平均株価は3.3%上昇し、香港のハンセン指数は4.3%上昇した。

 東京や香港より小規模のアジアの株式市場はさらに大きく反応し、韓国総合株価指数(KOSPI)と台湾証券取引所の時価総額加重平均指数(TAIEX)はそれぞれ5.15%と5.6%の高騰を見せた。

 新光証券(本社:東京)の瀬川剛エクイティストラテジストは、投資家は「安心感を得た」とし、ポールソン長官の救済措置発表によって「米国の金融危機は遠のくとの見方が広がる」と述べた。

 ポールソン長官が発表した救済策は、経営難に陥っているファニーメイとフレディマックを事実上国有化する案で(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年9月7日「Fannie, Freddie: Feds Step In」)、この案に市場は安堵した。ファニーメイとフレディマックは5兆ドルの住宅ローン債権と住宅ローン担保証券を保有・保証している。米政府は両社の経営陣を退任させ、両社にそれぞれ最高で1000億ドルの資本注入を行う。

アジアではポールソン長官に対する称賛の声

 米政府の救済措置は、米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)危機がアジアの金融機関にも波及することを懸念していた投資家の称賛を浴びている。ポールソン長官の強いリーダーシップに対し、日本からも称賛の声が出ている。日本では1980年代の不動産バブルが崩壊した後、「失われた10年」と呼ばれた時期に政策責任者が思い切った対策に消極的だったのに比べ、ポールソン長官はかなり迅速な行動を取ったからだ。

 第一生命経済研究所の嶌峰義清・主席エコノミストは、「ポールソン長官は市場の予想よりもはるかに早く手を打った。こうした指導力を持つ人がいる米国を実にうらやましく思う。日本にはそうした人物がいなかった」と語る。

 アジアの中央銀行の中でポールソン長官を最も称賛しているのは、韓国の中央銀行である韓国銀行かもしれない。外国為替市場で続く通貨ウォンの値下がりと国内金融機関のサブプライム問題への関与の大きさから、韓国が流動性危機に陥るのではないかとの噂が絶えず、韓国銀行の当局者は対応に追われていた。

 韓国銀行が十分な通貨防衛ができるだけの外貨準備を持ち合わせていないとの憶測も出て、ウォンは年初来13%下落している。韓国銀行はサブプライム問題へのエクスポージャーがどの程度に及んでいるかを明らかにしていないが、国内メディアはこれを約300億ドルと推測している。韓国の外貨準備高2430億ドルと比べて比較的小規模にもかかわらず、市場の悲観的な見方は解消しなかった。

 米証券大手リーマン・ブラザーズ(LEH)のエコノミスト、クォン・ヨンソン氏は9月8日の調査リポートで、ポールソン長官の救済策は「(韓国銀行の)外貨準備に対する市場の懸念を和らげるのに役立つ」と述べた。


(私のコメント)
「株式日記」では、アメリカが毎年100兆円の借金をしなければやっていけない国だと書いてきました。しかしアメリカの大手金融機関が相次いで倒産して、政府系金融機関も危ないという事になると、誰が100兆円の借金の面倒を見るのだろうか? アメリカは外国政府に頼み込んでドルと米国債を買ってもらうしかない。

日本と中国はアメリカ政府に頼み込まれて米政府機関債を買っていますが、日本と中国が買わないとアメリカの金融市場が一気に破綻してしまう。特に中国は米政府機関債を6500億ドルも買っている。日本も2600億ドル買っている。だからポールソンはファニーメイとフレディマックの米政府機関を公的資金で救えた。

AIGも9兆円を投入して国有化しましたが、アメリカ政府の金庫は空っぽであり、外国からの借金でやりくりしている状態だ。貸しているのは中国と日本であり、中国は米政府系金融機関債を40億ドル売り払いましたが、これはアメリカに対する脅しだ。アメリカ国内には米国債を買うだけの資金力のある金融機関は無くなり、米国債のほとんどを外国が買っている。

日本や中国などの外国政府はドルを協調して支える事を密約していますが、外国政府がドルを買い支えているうちに民間で持っている米ドル債券は全部売り払ったほうがいいだろう。アメリカの大手金融機関がバタバタと倒産しているのだからドルが紙切れになるのは時間の問題だ。しかし農林中金やみずほ銀行などは米政府機関債を大量に持ったままだ。

いあわばアメリカ政府は外国からの借金でアメリカの金融機関の破綻を辛うじて防いでいる状態であり、中国政府の動向には神経質にならざるを得ない。中国政府としては米ドル債券を買ってあげるかわりに台湾をよこせと要求すればアメリカはNOと言えるのだろうか? 北朝鮮にも手を出すなといえば手を出せなくなるかもしれない。このように金の動きが分からなければアメリカの腰の引けた態度も理解できない。

しかしアメリカもいつまでも中国からの輸入を続ける事も難しくなり、中国もドルを買い支えるメリットは無くなっていく。このような米中の相互依存体制は危ういものであり、ポールソンは中国をなだめすかしては米国債を買ってもらわなければならない。以前にも書きましたが借金をチャラにしてあげるから台湾をよこせと言うだろう。どうせドルが紙切れになるのなら、そのように取引したほうが得だからだ。

アメリカ政府の台湾に対する不可解な態度もこれで説明が付く。台湾の馬政権も中国と戦わずして中国に併合されるかもしれない。1兆6000億ドルで台湾が無血で手に入るのなら安いものだ。日本の立場は微妙になりますが、アメリカが台湾を中国に売り渡せば日本国内でもアメリカは信用できるのかという話が出てj来るだろう。

朝鮮半島も北朝鮮が崩壊して中国が軍隊を出してもアメリカは何も言わないだろう。韓国はアメリカに見捨てられない為にはせっせと米国債を買って命乞いをしなければならないのだろうか? しかし韓国は外貨危機で、とてもドルを買い支えられずにドルを売ってウォンを買い支えている。

アメリカにとって韓国はお荷物になりつつあり、台湾よりも安く韓国を中国に売り渡すかもしれない。最近豊後水道の出口に中国の潜水艦が出没しましたが、中国の潜水艦は台湾周辺から日本周辺へと配置を変えてきているようだ。ミサイル配備も台湾向けから徐々に日本向けに配備を増やしていくだろう。

中国は台湾併合に成功したならば、そのパターンを韓国や日本にも適用してくるだろう。中国は米ドルを人質にしてアメリカを身動きが出来ないようにして勢力圏を拡大してくるだろう。

しかしアメリカの金融はメルトダウン寸前だし、中国もバブル崩壊で経済は破綻するかもしれない。いわばアメリカと中国は抱き合い心中するしかない状況であり、日本はそのとばっちりを受けないように用意しておく必要がある。しかし日本はアメリカに400兆円も貸し込んでいるし、中国にも多くの日本企業が進出して引くに引けない状況になっている。

いわば日本がアメリカを金融で支え、中国を経済で支えているような状況であり、米中という二つの超大国が日本という小さな国が支えているというおかしな状況になっている。経済や金融で言えばそのような構造になっている。しかし軍事面で言うと全く異なり、日本は米中という軍事大国によって挟み撃ちになっている。

日本に外交力があるのならアメリカの力を使って中国を制し、中国の力を使ってアメリカを牽制して二つの超大国を操る事ができる立場にいる。しかし日本は外交小国であり政治家も小粒で外交戦略など期待できない。しかしアメリカに対しては中国と協調して金融でアメリカを追い込んで行き、中国に対してはアメリカと協調して軍事で中国を封じ込めていく必要がある。

そうすれば台湾も中国に併合されずに済むし、朝鮮半島も中国は手も足も出せない事になるだろう。朝鮮半島も台湾も戦前は日本の支配下だったのだから、日本がしっかりしていれば台湾も韓国も中国からの圧力を跳ね返す事ができるはずだ。しかし日本の護衛艦が中国の潜水艦にバカにされるような状況では手のうちようがない。





アメリカの経済戦略として、大きくなりすぎたヘッジファンドを潰す
事を目指している。リーマンが潰されたのは「ねずみ講」だからだ。


2008年9月17日 水曜日

『21世紀の国富論』 原 丈人:著

アメリカの真似ではない、新しい資本主義のルールを

景気の変動が、いわぱ秒単位で上がったり下がったりするのを短いスパンで追いかけていき、下がったときだげ「損失」として消していくという時価会計、減損会計の考え方は、正確といえば正確かもしれません。げれども、経済の成長の本質は、もっと長期のスケールで観察する必要があります。そういう観点で見れば、時価会計、減損会計は間違った見方を生み出すことになると思います。

指摘しておかなければならないのは、時価会計、減損会計は、あくまでも投資家であるファンドの立場に立った会計処理であるということです。それは決して、リスクをとって新産業を創造する意欲をもつ事業家の視点からつくった会計基準ではありません。短期的な利益を求める巨大ファンドが支配するアメリカやイギリスはともかく、日本やアジアがこれから地球の未来をつくっていこうとするなら、不適切なものといえるでしょう。

アメリカの会計制度にも、学ぶところはあります。たとえば、日本では一般企業と官公庁の会計基準が違うのはもちろん、省庁によっても異なり、経費項目ひとつにしても解釈がバラバラでわかりにくい。これに対してアメリヵの会計基準は、企業も省庁もすべて同じなのでひじょうにわかりやすい。この点は大いに模範とすべきでしょう。

しかし、たとえぱ企業価値を測るのにディスカウントキャッシュフロー(割引現在価値。事業や資産が将来生み出すキャッシュフローを現時点で予測し、それを現在の価値に置き換えて評価する手法)など、アメリカ式の評価方法を乱用すれば、たいへんなことになります。ディスヵウントキャッシュフローをそのまま適用すれば、この世から研究開発型のベンチャー企業などはすべて消えてしまうでしょう。

したがって、日本企業はアメリカの会計や企業評価の手法を鵜呑みにする必要はないし、アメリカの基準に振り回される必要もありません。いいところだけを吸収し、悪い点をきちんと見極めるということを肝に銘じるべきです。そして、アメリカのシステムを上回るようなものをっくれぱいいのです。

時価会計と減損会計の波に乗り、アングロサクソン流の「会杜は株主のもの」という議論を前提にして、時価総額の大きさを追うような経営を追求すると、その手段として企業の資産を軽くするための手法を提供する産業、たとえば人材派遣業やEMS(製造工程に特化した請負工場)やリース業(法改正については五〇ぺージ参照)は順風満帆となります。しかし一方で、本来の価値を生む産業はその間にむしぱまれ、やがて資本主義が破綻することにもなりかねません。産業を通じて雇用をつくり、人々を幸せにするための新しい資本主義のルールが今、世界でも必要になっているのです。

「企業は株主のもの」は間違い

このようにアメリカ流の企業経営や現在の閉塞状況について、その問題点を考えていくと、最終的にはコーポレート・ガバナンス(企業統治)の要をなす「企業は株主のもの」という考え方に行きつきます。

企業の目的は、株主にとっての価値を上げること、すなわち株価を上げること。しかも、それを短期的に実現することが優れた経営であるとみなされる風潮。二〇〇〇年以降、エンロン、ワールドコムといったアメリカの大企業を舞台に起きた一連の会計不正事件の根本的な原因も、やはり「企業は株主のもの」という間違った考え方にあります。この考えをべースにしているかぎり、経営と監督機能がより分離された委員会等設置会杜がいいのか、それとも折衷型の方式がいいのかなどと議論をしても、話になりません。

本来、企業というものは従業員や顧客、仕入れ先などを含めたパブリックなものであり、決して株主だけのものではありません。もちろん、株式を五年、一〇年といった長期にわたりもち続け、その企業を支えようという株主なら、ある程度は「企業の持ち主」ということもできるでしょう。

しかし、たとえばアメリカの大企業の株主の多くは、短期的な株価の上昇を望み、最高値で売り抜げることしか考えていません。つまり、彼らの興味は企業経営の中身ではなく、自身の利益を最大化することでしかないのです。一般には「よい株主」とされている年金基金なども、しょせんは短期的なキャピタルゲインが狙いです。

このような株主も含めて「企業は株主のもの」とするような考え方がまかり通るのは、短期的に株価が上がることが株主のみならず、実は企業を経営するCEO(最高経営責任者)にとっても好都合だからです。CEOはストックオプショソ(将来の自杜株を現在の価格で買う権利)を所有し、短期的な株の値上がりによる利益を享受しています。彼ら自身の利益を最大化するためには、やはり何としても株価を上げる必要があるのです。

企業をむしばむCEOゴロ

たとえばアメリカでは、業績の悪化した企業が外部から新しいCEOを招聘することがよく行われます。その際によく見られるパターンが、必要以上のリストラです。新CEOは、就任するや過去の累損を一掃する。そして過去の損失だけでなく、将来出るかもしれない負債までも引き当てるまで特別損失を計上するのです。たとえば翌年リストラを行う予定の企業が、その際にかかる費用まで引き当てて、大きな損を出すといった手法が用いられます。

このようなことを行えぱ、当然、株価は大きく下落しますが、そこがCEOの狙うところです。底値を見極めたところでCE0をはじめとする経営陣を対象にストックオプションを付与する。なかには、再度の下落にあたってストックオプションの発行価格を下げるリプラィシングという手法を用いることで、さらに自身の利益拡大を図る経営者も一時多く見られました。

その後、経費を削減すれば二〜三年後には自然に利益が上がるでしょう。リストラによって会社の「見かげ上の再建」を行い、さらにIRを駆使して株価が上がった段階でオプションを行使するのです。CEOは濡れ手にアワの利益を獲得しますが、彼らが何かを生み出したかといえぱ、ゼロなのです。

アメリカにはこうした「CEOゴロ」が多い。これが現在のアメリカで行われているコーポレート.ガバナンスの実態であり、カリスマのごとく崇められるCEOの姿です。そして、それこそがエンロン、ワールドコムといった事件を生む温床となっているばかりか、社会的に有用な企業すらも崩壊に導いてしまう可能性をもった仕組みなのです。

ストツクオプション制度は何のためにあるか?

このような弊害をなくすために、私はまず公開企業におけるストックオプションを廃止すべきだと考えています。

ただし未公開企業の場合には、企業全体の士気を高める意味でストックオプションは必要でしょう。まだ利益の出ていないベンチャー企業などの場合、十分とはいえない給与だげでは従業員のやる気が出ませんから、会杜が株式を公開するまでのあいだ、ストックオプション制度により社員に自社株を購入する権利を与えているところもあります。この制度により、経営陣はもちろん、事務職から受付に至るまですべての従業員が、株式公開時に資本利益(キャピタルゲイン)を得られるため、業績を伸ばそうと、より懸命に頑張る結果となります。

ベンチャービジネスでは、ビジョンやアイディアをもっている創業者、これに出資するベンチャーキャピタル、そして企業のマネジメントを担う人々、この三者がちょうど等分に株式をもつようにすることによって、株式を公開する際には全員が利益を得られるようにしていくことが大切です。資金を出すベンチャーキャピタルや、はじめから会杜をつくる創業者が大株主であるのは当然です。しかし後から入ってきたマネジメント・チームには、高いお金を出して株式を買うといったことはできません。

ストックオプションは本来、このような「オーナー以外の人々」に対して、低い金額で株主になってもらうための機会をつくるものです。したがって、日本のベンチャービジネスでしばしば見られるように、オーナー自身がストックオプションを要求するというのも、原理原則に反する話です。未公開企業におげるストックオプションは、貢献度に合った持ち株構成比率をつくり、効果的に所有権を配分する方法として、関係者の全員にやる気を起こさせるものであるべきなのです。

公開企業のストックオプションは廃止すべき

しかし、株式公開後のストックオプションはまったく違った意味をもってしまいます。株式市場においては仕手筋がっけぱ株価は上がるし、逆に一九八七年の「ブラックマンデー」のようなことがあれば、株価は一気に下がります。また企業の業績が増収増益であったとしても、マクロ経済上で経済が収縮する傾向にあると、その企業の株価が下がるという現象が短期的に起きるものです。つまり、公開後の株価は企業努力よりも、むしろ外部要因による需給関係によって決定されるのです。

たとえば一九九七〜九八年のアメリカにおげるバブル経済下では、たとえサルが経営しても株価は上がっていたでしょう。このような状況で経営者にストックオプションを与えることは、理論的にもおかしい。企業の業績と株価は、数十年という長期で見れば連動するでしょう。しかし、CEOをはじめとする大企業の経営陣のわずか数年という短い在任期間のあいだにおげる株価の変動は、業績とはほとんど無関係であるといったほうが正しいのです。

一九九〇年代のシリコンバレーを代表する企業として一世を風扉したシリコングラフィックスは、二〇〇六年五月に連邦倒産法第一一章の適用を申請し、実質的な経営破綻に陥りました。その大きな原因のひとつが、私はストックオプショソ制度にあると考えています。この制度があると、経営陣は目先の株価を上げるための施策ばかりをやるようになり、従業員もまた優秀であればあるほど、株価が下がると思った瞬間に辞めていきます。

短期的に株価を上げることが上手な経営者は一般にリストラ、資産圧縮などによるROEの改善やIRが上手なタイプであって、彼らだけが短期間にストックオプションを行使し、巨額のリターンを手にできるのです。これでは、従業員もやる気を失います。日本ではストックオプションの長所ぱかりが紹介されがちですが、企業の没落を加速する最大要因になるという悪い側面も認識すべきでしょう。

少なくとも株価と短期的な業績をリンクさせるためのストックオプションという概念は間違っていますし、時価総額をいくら上げたかということで経営者の優秀さを判断することも間違っています。長期的な安定した発展のためには、上場企業はストツクオプション制度を取り入れるべきではありません。これから新しい資本主義の時代を迎え、公開企業におげるストックオプションは廃止の方向に進んでいくはずです。現実に、大企業におけるストックオプションは上層部のごく一部だけにキャピタルゲインをもたらし、所得分配を歪める一方なのです。

私の間題提起とは異なる理由ではありますか、アメリカでも二〇〇五年頃から企業の会計基準が変わり、ストックオプションを給料などと同じ費用とLて計上する流れが一般的になりました。この「費用化」によって、マイクロソフトなどの大企業でもストックオプションを廃止する動きが出てきました。ストックオプションの付与が業績を圧迫し、大企業にとってはむしろ負担の大きな「足かせ」になってきたのです。

ヘッジファンドとは何者か?

東西冷戦の終結後、「資本主義の勝利」が宣伝された一九九〇年代くらいから、アメリカの市場で圧倒的な存在感をもつようになってきたのはヘッジファンドです。このヘッジファンドとは何者なのでしょうか?

端的にいえば、株価や商品の相場、通貨相場などにおいて、「将来の理論値と実態との乖離」に着目して資金を注ぎ込み、利ザヤを稼ぐことを目的としたファンドを指します。これは長期的な視野に立って企業の育成を図るベンチャーキャピタルとは、まさに対極のところにあるファンドといってよいでしょう。大きなリスクのあるところに資金を投入するという意味で似ていると感じられるかもしれませんが、ヘッジファンドが求めるのは、あくまでも短期的な利益です。

かつてのヘッジファンドには、現在とは違う本来の役割もありました。実物経済下で現物の需給関係から成り立つ市場の相場だげでは、価格の変動が著しく激しいものになってしまいます。このような乱高下する価格によるリスクを、ヘッジ(回避)するのが目的だったのです。

けれども、規模の大きくなった今のヘッジファンドは、モメンタム・プレイヤー(株価の勢いを利用して短期利益を求める投資家)として、商品や株の価格を実勢値よりも大幅に押し上げ、または押し下げる役割を果たすことのほうが多いのです。二〇〇四年来の原油価格高も、ヘッジファンドの参入によって大きく上値を更新したことが報じられました。

通貨が投機対象になった例として象徴的なのは、ジョージ・ソロス率いるファンドが演出したといわれる、タイのバーツ危機(一九九七年)でしょう。これはさらに周辺諸国にも波及し、「アジア通貨危機」と呼ばれる事態へと進行しました。

小さな池の中の大きなクジラ

一九七〇年代から徐々に活動をはじめるようになった元来のヘッジファンドは、価格の乱高下を調整するためにありました。そして、これを財テクの機会と考えた一部富裕層の資金運用手段のひとつとして、あくまでも特別な存在にすぎなかったのです。そして資本市場全体の規模の割にプレイヤーが少なかった時期には、たしかに高いリターンを実現できたのです。

しかし、やがてヘッジファンドによって大きく儲かることが見えはじめると、ここに機関投資家の資金までもが流れ込み、現在では広く一般個人も参画するようになってしまいました。一九九七年頃、こうしたヘッジファンドの数は約五五〇〇、そして資金量はおよそ三〇〇〇億ドルでした。それが二〇〇六年になると、一万ファンド、一兆五〇〇〇億ドルともいわれるようになり、加速度的に肥大化を続けてきたのです。

これは市場規模に比して驚くほどの急速な拡大といえるでしょう。現在のヘッジファンドは、まさに「小さな池の中に放り込まれたクジラ」ともいえる存在です。そして、ヘッジファンド自体が投資することで値を動かし、自身が市場価格を移成するようになってしまったのです。

「ネズミ講」の肥大化という悪循環

ヘッジファンドの肥大化がもたらしたもののひとつは、皮肉なことに、ヘッジファンドの運用成績自体の下落でした。プレィヤーが増えすぎたことで、「儲からないヘッジファンドしが増えていったのです。

そのため、多くのヘッジファンドでは、借入金を増やし信用取引を繰り返すなどの手段をとりました。つまり、レバレッジ(他人の資本を使うことで、自已資本に対する利益率、変動性を高めること)をきかせていた倍率をさらに高め、運用可能な資金量をより大きくしようとしたのです。

こうして市場へ投入された額はますます大きくなり、投資が失敗したときのダメージも大きくなりました。結果、リスクの割にはリターソが小さいという状況が進んでいくことになります。ヘッジファンドのライフサイクルは、この繰り返しといえるでしょう。最後のほうに加わった人がババを引くという点では、ネズミ講にも似ています。

肥大化がもたらすさらなる肥大化というこの悪循環は、現代の資本主義経済において実にさまざまな影響をもたらしています。

たとえぱ、本来は価格の乱高下を調整するヘッジファンドが「価格を歪める力」をもってしまったため、大きく相場がきしみます。各国の中央銀行が行う市場介入資金は、一日に一〇億ドル程度と推定されていますが(二〇〇四年に日銀が行った大規模な市場介入は、一日で一〇〇億ドル規模といわれる)、ヘッジファンドはその一〇〇〇倍以上の資金を蓄えています。これか一度に動げぱ、市場への影響は計り知れません。

原油や穀物をはじめとする商品市場にっいても、先物価格が実需だげで決定されれば、価格の上昇には一定の歯止めがかかります。しかし、ヘッジファンドのような実需をともなわない資金が大量に投下されると、健全な価格彩成は望めません。このように、実は「カネでカネを増やしていくことだげが使命」という連中が市場で暴れまくっていることが、現在の資本主義が抱える大きな間題点です。

原 丈人
1952年大阪生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、考古学研究を志し中央アメリカへ渡る。スタンフォード大学経営学大学院、国連フェローを経て同大学工学部大学院を修了。29歳で創業した光ファイバーのディスプレイメーカーを売却後、主に情報通信技術分野で新技術を創出する企業の育成と経営に注力。90年代にソフトウェア産業でマイクロソフトと覇を競ったボーランドをはじめSCO、ユニファイ、ピクチャーテル、ウォロンゴング、トレイデックスなど十数社を成功に導き、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストのひとりとなった。事業持株会社デフタ・パートナーズ会長。アメリカ共和党のビジネス・アドバイザリー・カウンシル評議会名誉共同議長、国連経済社会理事会CISRI常任監視団大使兼UNONG WAFUNIF代表大使、財務省参与、税制調査会特別委員、産業構造審議会委員、(財)アライアンス・フォーラム代表理事、(財)原総合知的システム基金理事。研究開発型ベンチャー企業の育成に適した税制や株式市場のあり方、新技術を用いた途上国の支援など幅広い分野で積極的な提言と活動を行っている


(私のコメント)
最近のアメリカではベアスターンズやリーマンブラザースやメリルリンチが相次いで整理されていますが、これはアメリカ政府の中枢部が、様々な弊害をもたらす投資会社を整理する事を決定したからだろう。原丈人氏の書いた本によれば、すでにシリコンバレーなどにおいても新しい産業は生まれなくなっている。

ひと頃ではITベンチャーが時代の花形になりましたが、マイクロソフトを除いて全部消えてなくなってしまった。マイクロソフトも5年後ぐらいには消えてなくなっているかもしれない。このようにITベンチャーがどうして直ぐに消えてしまうのか? 

2000年のネットバブルの崩壊は、アメリカの新興ビジネスの崩壊を意味しましたが、どうして崩壊してしまったのだろうか? それは十分に完成された技術ではなかったからだ。しかしITベンチャーたちは多くの夢を語り株式を公開して巨額の資金を稼ぐ事に成功した。

そこに目を付けたのがヘッジファンドであり、巨額の資金がシリコンバレーに殺到した。そして第二のマイクロソフトが次々誕生しては消えていった。それはITベンチャー企業がヘッジファンドのおもちゃにされたからであり、ヘッジファンドに新しい産業を育てる機能はない。

ヘッジファンドはアメリカの製造業を次々と買収しては、資産を食い尽くしては売却されていった。まさにアメリカの産業を空洞化させたのはヘッジファンドであり、それは日本にも襲い掛かってきた。ホリエモンや村上ファンドはその先駆けであり、リーマン・ブラザースと手を組んでは日本の従来型産業を飲み込もうとしていた。

このようにアメリカ国内にはすでにハゲタカ・ファンドの獲物となるような会社は無くなり、日本に獲物を求めてやってきた。1997年のアジア金融危機はジョージ・ソロスなどのハゲタカファンドが仕掛けたものですが、そのソロスも焼きが回ってリーマン・ブラザースへの投資では数千億円の損害を受けたようだ。

原丈人氏はアメリカ共和党の経済政策顧問を務める人であり、『国富論』という本に書かれているようにヘッジファンドに対する批判は何を意味しているのだろうか? 金が金を生むような産業は一種の「ねずみ講」なのであり、最後には一般国民を大きく巻き込んで破綻する運命にある。

ヘッジファンドも規模が小さい時には金融の一部門として意味があったのでしょうが、現在では小さな池の中のクジラであり、それはアメリカ政府の政策にも弊害をもたらすほどになってしまった。これはアメリカの権力中枢にいる人たちにとっても、リーマンブラザースのような投資会社は買収されるか倒産させて整理する事を決定していたのではないだろうか?

だからモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスも将来的には整理されるのかもしれない。このような投資会社というビジネスモデルは破綻したのであり、このまま放置していては破綻したときの被害はアメリカそのものを破壊しかねない。不動産の証券化ビジネスが今回の金融破綻のきっかけになりましたが、これも一種の「ねずみ講」なのだ。

原丈人氏はベンチャーキャピタリストですが、ヘッジファンドとはよく似てはいるが対極にあるビジネスであり、本来のベンチャーキャピタルは長期間のリスクを背負って製品を開発して完成させるものであり10年以上もかかる事がある。しかし多くのベンチャーキャピタルはヘッジファンド化して短期のリターンを求めるようになって新しい産業を作り出せなくなってしまった。

昨日の報道ステーションには木村剛が出てきて「アメリカは何でも素早くて日本はダメ論」を述べていましたが、アメリカはもはや金融立国のビジネスモデルは破綻して新しい産業はソフトとサービス業だけの国家になってしまった。新しい産業を生み出すにはヘッジファンドを潰して本来のベンチャーキャピタルを復活させなければならないのだ。

だからアメリカの権力中枢はベアスターンズやリーマンブラザースやメリルリンチを整理して、モルガンスタンレーやゴールドマンサックスも近い将来整理されるだろう。そいしなければ小さな池のクジラは、池そのものを破壊してしまうからだ。ジョージ・ソロスのような人物は金融界の大物ではあっても権力中枢から見ればアウトサイダーであり、アメリカに寄生したアウトローだ。だからリーマンブラザースを破綻させるインサイダー情報を知ることが出来なかった。

ジョージ・ソロスを野放しにしていれば、やがてはイギリスのポンドを売り崩したように、アメリカのドルを売り崩す事をしただろう。だから大きくなりすぎたヘッジファンドはアメリカ政府によって整理されるのだ。(民主党政権だったら分からないが)




ポールソンはアメリカ金融システムで、ロシアンルーレットをやってみる
のが一番いい方法だって思ったんだろう。 ポール・クルーグマン


2008年9月16日 火曜日

<東証>一時646円安 米リーマン破綻で世界同時株安 9月16日 毎日新聞

米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)をきっかけに、日米欧や新興市場の株価が急落している。連休明け16日の東京株式市場の日経平均株価は一時、前週末終値比646円98銭安の1万1567円78銭となった。取引時間中としては、3月17日の年初来安値(1万1691円00銭)を更新した。午後1時15分現在、同625円25銭安の1万1589円51銭。週明け15日のニューヨーク市場のダウ工業株30種平均の終値も、前週末終値比504.48ドル安の1万0917.51ドルまで下落し、06年7月以来、約2年2カ月ぶりの安値。下落幅は米同時多発テロ直後の01年9月17日以来の大きさとなった。


ポールクルーグマン リーマン破綻の解説 9月16日 Translation Note

金融ロシアンルーレット By PAUL KRUGMAN 2008.9.14

アメリカの金融システムは今日、あるいはここ数日で崩壊してしまうのだろうか? 僕はそうは思わない、ただ確信を持ってはそういえない。リーマンブラザース、主要投資銀行のひとつが、あきらかに破産しようとしている。次に何が起きるかは、だれにもわからない。

この問題を理解するためには、古いタイプの銀行、お店が大きな大理石のビルにあって、預金を受け入れ、長期の顧客に資金を貸し出すような銀行は、ほとんどなくなってしまったことを知る必要がある。それは一般に「影の銀行システム」というものに置き換わっている。預金をする銀行、大理石のビルで働いているようなやつは、預金者から貸出者への資金のチャネルとしては、いまや大した役割を果たしていない。金融ビジネスのほとんどは、「預金を扱わない」金融機関がアレンジする、複雑なとりひきを通じて行われているのだ。そういった金融機関が、今は亡きベアー・スターンズやリーマンというわけだ。

新しいシステムは、リスクを拡散したり減らすのが上手いと考えられていた。ただ住宅バブルやその結果の金融危機をみてみると、リスクは減ったというよりは、隠されていたと見るほうがよさそうだ。あまりに多くの投資家は、どれほどリスクに無防備かわかってなかったというわけだ。

知られざる未知が、知られる未知になり、金融システムは、現代の銀行取付け騒ぎを経験することになった。これは一見すると、昔起こったこととは異なっているようだ。固く閉じられた銀行の扉の前に殺到する、錯乱した預金者の嘆きについては、ほとんど例外なくふれられていない。その代わりに、金融機関が融資限度額を引き上げたり、契約相手のリスクを手仕舞いしようとするときに、狂ったように電話をしたりマウスをクリックするのが話題になっている。ただし信用が収縮し、資産価格がダウンスパイラルにおちいるような経済的な影響は、1930年代の大銀行への取付け騒ぎと同じだ。

つまりこういうことだ。当局は取付け騒ぎの再来を防ごうと準備をした。主に預金を扱うような金融機関で、連邦銀行の信用枠にかかわるようなところ、つまり現在の危機の中心ではない大理石のビルにいるようなやつらを守ろうとしたわけだ。これが、2008年にも、1931年の再来が起きる可能性を現実のものとした。

現在、政策担当者はリスクに気づいている。世界を救う責任がある以前に、ベン・バーナンキは大恐慌での経済について最もよく知っている専門家の一人だ。だから昨年は、連邦銀行と財務省は協調して、一連の臨機応変な救済策を講じてきた。発音もできないような頭文字の特別な信用枠が、預金を扱わない金融機関でも利用できるようになっている。連邦銀行と財務省は、ベアー・スターンズの取引先を保護するための取引がまとまるように取り計らった。取引先とは、株主のことではなくて、取引の相手方という意味だが。そして先週財務省は、政府が出資している巨大な不動産融資会社であるファニー・メイとフレディー・マックを配下におさめた。

しかしこういった救済策は、当局を神経質にさせている。ひとつには、税金で大きなリスクをとっているからだ。たとえば、今日連邦銀行のポートフォリオの大部分は、担保が不完全な債務に塩漬けになっている。また当局は、こういった救済策が将来、よりリスク指向的な行動をとらせることにつながらないかも心配している。つまり、コインの表がでれば自分の勝ち、裏がでれば税金で埋め合わせればいいといったような風潮を生むのを心配してるわけだ。

リーマンの話をしよう。多くの不動産関連の損失を抱えて、信用危機に直面している。多くの金融機関同様に、リーマンも巨大なバランスシートをかかえ、巨大な資産と、その反対側に巨大な負債がある。この巨大なバランスシートをすぐに清算しようとすると、金融システムをパニックにおちいらせてしまう。これが政府当局とプライベートバンクがニューヨーク連銀に集まって、週末を費やして、リーマンを救うか、少なくとも破滅をゆっくりにする取り組みをしている理由だ。

財務省長官のヘンリー・ポールソンは、断固として、より税金を投入するような取り組みはしなかった。多くの人は、はったりをかましているだけと思っていたのだが。僕は今日のコラムをもうすこしで「リーマンが危ないなら、助けるしかない」とはじめるところだった。(訳注:実際の意味は複雑で、When life hands you lemons, make lemonade. にかけて When life hands you Lehman, make Lehman aid. と書いてる。レモンしかないなら、レモネードを作るしかない、つまり事態が悪いときには、その中でできるだけのことをするという意味)。しかし実際には、助けはなかったし、あきらかに取り組みもない。ポールソンは、金融システムがリーマンの破産のショックを乗り越えられるほうにかけたわけだ。金融システムが特別な信用枠で強化されることは、言うまでもないが。ポールソンが勇敢なのか、バカなのかは、すぐに分かることだろう。

今回の騒動への本当の答えは、もちろん、こんなことになる前に予防的な措置をとらなければならないということだ。明らかに規制する必要のある影の銀行システムを放置しておいて(つまり銀行のように救う必要のある機関なら、銀行のように規制しなければいけないはずだ)、なぜ今回のようなショックに、なにも準備をしていなかったのだろう? ベアー・スターンズが破産したとき、多くの人は破綻した投資銀行の「整然とした清算」のメカニズムの必要性について主張した。そう、六ヶ月前にだ。メカニズムはどこにいったんだ?

だから事ここに至って、ポールソンはアメリカ金融システムで、ロシアンルーレットをやってみるのが一番いい方法だって思ったんだろう、うわぁー。


(私のコメント)
数年前にミニバブルが起きて、株や不動産などが上がった時がありましたが、いずれアメリカが金融破たんして連れ安するだろうからその時買ったほうがいいだろうと書きました。いよいよアメリカの金融破綻が来て世界の株価は大きく下げる時が来た。アメリカの株だけがどうして高止まりしているのか不思議だったのですが、今回のリーマンブラザースの破綻でアメリカ版護送船団方式を放棄したようだ。

ベアスターンズのように買収される形で存続できれば混乱は最小限に収まるからだ。アメリカは基軸通貨国でありマネーは輪転機を回せばいくらでも作り出す事ができる。アメリカ政府はなぜリーマンを見捨てたのか? 日本の経験からすれば公的資金で救済したほうが混乱と後遺症は少なくて済むはずだ。

100年に一度あるかないかの大金融恐慌なのだから、世界的な影響があるリーマンはベアスターンズのように政府が資金を出せばバンカメが買収したはずだ。しかしポールソン財務長官は最初から政府が資金を出すつもりは無かったようだ。

もともとリーマンブラザースは、ホリエモンに資金を提供したように、いかがわしい部分があり、ポールソンはリーマンのあくどい営業実態をよく知っていたのだろう。だから一気に潰したほうがいいと判断したのではないか? 日本でも北朝鮮に資金の送金口となっていた足利銀行を潰しましたが、あくどい経営をしていた銀行は潰される。

ポールソンが政府資金を出さなかったのはモラルハザードを心配したからですが、600億ドル程度の金は出そうと思えば出せた。バンカメに買収されるにしても株主や経営陣は大きな被害を受けるわけだからモラルハザードは口実に過ぎない。現に世界の株価はリーマン破綻で大暴落してアメリカ金融界は疑心暗鬼になっている。

日本でも97年に護送船団方式を廃棄して銀行を潰す方針に切り替えた。その結果北拓や山一が倒産しましたが、その頃から貸し渋りや貸しはがしなどが露骨になって多くの企業が潰れるようになった。護送船団方式を維持していたならばITバブルなどが起きて株価も上がるなどして不況は長引かずに済んだかもしれない。

しかし橋本内閣はビックバンや消費税率の引き上げなどで経済失政が続いて景気回復の目は摘まれてしまった。北拓も潰さなければ北海道もこれほど悲惨な目には会わなかっただろう。だから私は公的資金の早期投入論者でありリーマンも私は政府資金を入れるべきだったと思う。もちろんモラルハザードも問題があるが100年に1度の金融破綻は例外的に救済すべきではないかと思う。

どっちみち山一のようにダメな証券会社はいづれ潰れただろう。だから緊急避難的な救済はすべきであり、公的資金で出資して再建ができた時点で株を売却すれば政府は黒字が出たはずだ。しかしポールソンはリーマンを潰す事に決めていたようだ。影響は限定されると読んだからだろう。

もともとヘッジファンドというように投資銀行はリスクを最小限にして利益を最大限にする投資手法を持っていると思われていた。それは単なる伝説であり、デェリバティブなどの投資手法もローンの証券化ビジネスも一種の詐欺的な商品だ。危ないローンは証券化して保険をかければ優良な証券として売買された。

リーマンブラザースは、そのサブプライムローンにのめり込んで被害を大きくしてしまった。リーマン破綻の影響は他の分野にも波及していく事だろう。AIGなどの保険会社も破綻の危機に直面している。日本の例を見ても分かるように破綻がある程度の規模を超えると回復不能なほどの長期不況をもたらす。ポールソンやバーナンキなどはよく分かっているはずだ。

ポール・クルーグマンはロシアンルーレットに例えているが、ベアスターンが買収されて生き残り、リーマンは破綻した。だからアメリカの金融機関は疑心暗鬼になって日本の金融機関がそうだったように必死に不良債権を隠し飛ばしも行なって助かろうとするはずだ。リーマンのような投資銀行の破綻は始まりであり、これから保険会社や銀行などに拡大していくはずだ。やがてはアメリカは経済の超大国ではなくなり普通の大国として世界は多極化していくのだろう。


リーマンの破綻、米金融の崩壊  9月15日  田中 宇

しかし今起きていることは逆に、ベアスタは買収されたが、リーマンは買収すらされずに潰されるという結末である。リーマンの破綻は、米中枢で根本的な構造変革が起きていることを示唆している。もはや、ゴールドマンサックスまでが潰れても不思議ではなくなった。(関連記事

 米は、1913年に連銀制度が作られて金融政策の中央集権化が進み、1917年に第一次世界大戦に参戦し、1930年代の金融大恐慌への対策としてさらに中央集権化が進み、覇権国になるための体制が固められた。それから約80年たち、今起きていることは、1910−30年代の逆回しである。米は、イラクとアフガンの戦争で軍事的な自滅の道を進み、昨年からの金融恐慌で金融的な自滅が起こり、覇権国としての力を急速に喪失している。

 連銀のトップに、グリーンスパンやバーナンキといった自滅主義者が選ばれ、連銀を作ったリーマンやゴールドマンは潰れかけている。いずれ、米は財政破綻も引き起こし、米国債は買われなくなり、ドルも危機になる。金融破綻の急速さから考えて、ドル危機に至るまでの時間も、それほど長くはかからないかもしれない。

 米の自滅は、世界の覇権の多極化(覇権共有化)につながる。経済力が低下する米(と欧日)に代わり、BRIC(中露印伯)やGCC(アラブ産油国)の経済力が重要になっていく。米の経済力が破綻したら、発展途上国は、人権・民主・環境といった歪曲された価値観に基づく抑圧をしてくる欧米に頼るより、中露を頼った方が話が早いという気持ちを強める。

 多くの人々は「米の金融危機の行く末」という事態の表層だけを気にし続けるだろうが、本当に重要なことは、金融危機によって引き起こされる、世界的な覇権体制の大転換の方である。




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