株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


アメリカがアフリカでにアフリカ統合軍の司令部をつくりたいのですが、
どこの国も司令部を置かせてくれない。影で中国が妨害しているからだ。


2008年8月31日 日曜日

第1回オーバービューミーティング議事録 「中東情勢の現状と行方 〜資源エネルギー・金融情勢の動向を左右する大国間パワーゲーム〜」 6月6日

<変化する大国間パワーバランス>

米国の中国への脅威認識
【渡部】間接的な話なんですけれども、アメリカの専門家にとって、中国に対して感じる脅威の質がここに来てすごく変わってきているんですよ。表立っていっている中国ステークホルダー論による関与政策とは、乖離傾向があるのかと思います。今年はじめのASAT(衛星破壊ミサイル)などがきっかけになっているような気がします。

【佐々木】 その中国に対する感覚がちょっと変わってきたというのは?

【渡部】つまり脅威認識をわりと表立って出すようになりましたね。わかりやすいのは、国防総省の中国の軍事力のレポートが去年と今年で相当トーンが違うんですよ。警戒心がものすごく強くなっているんです。彼らが表立って外交上、言葉にすることとは違うラインで、安保上の警戒感が膨らんでいるという部分は、今の話とは絡むのだろうなという気がしますけれども。

【佐々木】いや、だって、中国はビルマに海軍基地が、あるいはそれにかわる海軍のファシリティーを持っているでしょう。それでグワダルが完璧になった場合には、アメリカの側からしてみれば、インド洋海域全部を抑えられているということですよね。やはりしかるべき手を打たないわけにはいかないだろう。なおかつ、それがイランが今、アメリカとの緊張関係の中で中国と比較的友好的な立場をとってくれば、なおさらそれが今度は絡まってくるとなると、ますますもってそれは放置できないのではないかなと思えてならないんです。

この前、よくも書いたりと思ったんだけれども、イランを攻撃するならいいですよ、一番最初に第一波攻撃するのはカタールですからね。カタールの空軍基地を破壊しますよと出ているわけです。

それで、おとといの夜会ったイラクの外務次官が言うのでは、クエートに対するインボルブがものすごく強くなっている。それで、クエートの人口の2割ぐらいがもともとイラン人なんだって。1950年代に優先的にイラン人に第一級国民の国籍を与えていた。我々イラク人はもらえなかったんだけれどもと言っていたけれども、バーレーンは半分以上なんです、65%ぐらいがシーアでイラン系なんだね。そうしてくると、やはりちょっと尋常じゃない状態が生まれている。どうも私は渡部さんよりももうちょっと危ないなと思って見ているわけです。

【畔蒜】確かにアメリカにとっての情勢の悪化というのは、多分、中東においても、対中のパワーバランスにおいても、多分どんどん悪化しているんだと思うんです。問題は、じゃあ、どっちかを手をつけたときに、結局これはどっちか手をつけたら、多分どっちかがより進んでしまうという構造になっていますよね。イランをやってイランが混乱してきたら、中国がよりフリーハンドを得る。逆に中国により力を入れようとしたら、イランなんて絶対手が出せない。

【佐々木】そんな中で、今、イラクとアメリカが軍事協定を結ぼうとしている。在イラクのアメリカ大使は、最低50の基地は確保したい。今、430何カ所あると言っていた。何のためか、対イランですよ。もちろんそれは中央アジアとかトルコも含めてそうだろうし、湾岸もそうなんだろうけれども。ということは、相当必死でいるようだ。

おとといの夜、イラクの外務次官が来て歓迎パーティーを大使公邸でやったときに、来ていたのはほとんどは日本の外務省のいわゆる条約関連の関係の人間ですよ。それから、イラク特措法関係の人間。驚くなかれ、メーンゲストの一人はシェーファーだ。アメリカ大使が最初から最後までいて、司令官と海兵隊の人間と4人ぐらいで来たのかな。大使と次官との話の中で、何と言ったか。大使が次官に言ったのは、いや、アメリカがもうちょっと追加のブリーフィングをしたいと言っている。どうすると言って、そうしたら、次官が、いいわ、明日の朝早い段階ででもいいんだったらおれは受ける、明日というのは発つ日だからね。ということは、多分日本の外務省が日米安保というのはこんなふうに決めて、こういうことが問題なんだよとダーッと全部やっていたのに対して、アメリカ側は信頼がおけなかったんだね。だから多分、だめ押しを一発やってやろうということでそれを言ったんじゃないのかなと。
 
【平沼】今までのお話を聞かせていただきまして、話の整理をさせていただきたいんですけれども、そもそもこのアメリカとイランが今、摩擦を起こしているという原因は、いわゆるタリバン政権とフセイン政権が崩壊してしまった後の中東の地勢学的バランスをどっちが有利に運ぶかというところが大きな根本にあって、その表面上にあらわれるのが核問題であったり、イラク、ロシア問題だったりするというものはまず前提にあると。

今の田代さんのお話とかを聞いていくと、実はそこに中国というのが大きく絡んでいて、イランに対して支援をしたり、また、アフリカの諸国に支援をしたり、このレジメに書いてあるとおりに東西から中東への中国の軍事バランスみたいなものを強めてきている。そうなってくると、将来、今、イラン、アメリカという構図だけれども、実は中国、アメリカという摩擦も起こりかねるのではないか、その辺はどうなのかというふうに森尻さんは聞かれてきたということですよね。

そうなってくると、日本として今後考えなくてはいけないのは、ひょっとしたら、将来、また米中がどんなリクションかわからないですけれども、対立の構図になって、そこでまたいつものとおり日本は、じゃあ、日本はどっちにつくんだ、どういうふうにするのかというような局面もあらわれる。そういったことも考えて、今のうちから日本は自分のスタンスを考えておかなければいけないというのが日本の影響かなと思ったんですけれども、そんなような理解でよろしいんですか。

【関山】大変すばらしい理解です。
でも、少なくとも、今お話を伺っていてほんとうに疑問に思うのは、アメリカはおっしゃるとおり、中国に対する脅威が高まりつつあるというのはそうなのかもしれないんですけれども、私自身はそれがやや違和感があって、中国単体で見たとき、米中関係のバイの関係で見たときに、今、それほどアメリカにとって中国の脅威というのが如実に増している状況ではないはずなんですよね。その中でアメリカ側が中国に対する警戒感を高めているというのは、やはりグローバルで見たときの中国のいろいろな動きということにやはり懸念があるのだろうなとは思うんですけれども、そこがどれほどほんとうにアメリカにとって差し迫った脅威なんだろうかというのは、私はやや疑問なんですよね

【佐々木】それが、余計なことかもしれないけれども、前にアジア2025というのが出たでしょう。四、五年前の段階であれは出ているんだけれども、2025年のことを想定して考えているわけです。ロシアが最近出したやつは、アジアではないけれども、2017というのが出たんだね。少なくとも10年、15年先を見て計算して追っていくわけでしょう。だから、我々のようにここ二、三年で見た場合には、それこそさっきのイランの核問題じゃないけれども、いや、まだ大丈夫なんじゃないのとおれなんかは考えるんだけれども、彼らは、もっとロングレンジで見ているから、そうすると、どの時点でたたこうかということを当然考えざるを得ない。

 それから、ある人が言ったのは、そもそも自分たち欧米のテリトリーであるアフリカに対して中国人が手を突っ込んでくるなんてとんでもない話だと。つまり、非常に知性的な知的な判断も一方にあるんだけれども、もう一方では非常に感情的な判断があって、意外にそれがエモーショナルな状況を生み出してしまう場合があるのではないかなという気がするんだよね。

中国のアフリカへの関与
【関山】エモーショナルな部分というのはほんとうにそうかもしれないですね。それこそ昨今、中国がアフリカに対して進出を強めているなんていう言い方がよくありますけれども、これは田代さんがお詳しいと思いますが、中国はアフリカと戦後長らくずっと関係が深いんですよね。

【関山】援助ももう50年代からやっているような状態で、確かに学的に中国自身に力がついてきたから増えているというのはあるのかもしれませんけれども、中国とアフリカの関係というのは、ほんとうにもともと伝統的に強いわけで、そうすると、これは特に日本国内だけではなくて、ひょっとしたらアメリカでもそうなのかもしれませんけれども、何となく台頭してきている中国というのが、何となく世界中ですごく自分たちにとって脅威かのように感情的に見えるという、そういう状況に少し踊らされている部分があるんじゃないかなという気がするんですけれどもね。

【田代】ただ、感情面というよりも、確かにもっと確かな面でも警戒心が増えたというのは、まず、エチオピアにあるアフリカ・ユニオンの巨大な建物は中国が全部つくったんです。
あと、南アフリカの最大の商業銀行の筆頭株主は、中国工商銀行で、20%の株式を持っている。

【森尻】  それはもうインドはものすごい気にしているんです。

【田代】  でしょう。

【森尻】非常にヨハネスブルグとは古い関係にありますから。
いつもインド企業は、南アに出ていこうとするときに中国の壁にぶつかるんですよ。これは現実です。

【田代】北京空港なんかへ行けばわかりますけれども、アフリカ行きの便というのは、中国人のビジネスマンで満席ですね。
しかも、中国から数百万の人々がアフリカに移民しているし、もっと増えていく勢いです。漢民族から見れば、世界中のどの民族も少数民族ですから、自信をもって移民できます。自衛隊関係の方に聞くと、アメリカがアフリカでにアフリカ統合軍の司令部をつくりたいのですが、どこの国も司令部を置かせてくれない。結局、ドイツのシュツットガルトにつくっているんです。

【渡部】 米国アフリカ軍の司令部(AFRICOM)はアフリカにないんです。

【田代】 
ないんです。どこも受け入れない。中国の不興を買って経済援助がパッと切れてしまうのが怖いのでしょう。

【畔蒜】関山さんの論点で何となくわかるのは、それは米中を見ていると、経済の相互依存はものすごい進んでいるでしょうし、それはアメリカの国債をどれだけ中国が買っているのかという問題も含めて、それはアメリカにとって、じゃあ、中国をほんとうに敵視できるのかという問題がある。確かに脅威認識は多分高まっているでしょうね、確実に。実際に高まっているのでしょうけれども、問題は、そのある一線を越えたらアメリカもあきらめの境地に入る可能性があって、じゃあ、そういう中国とどうやって共存していくかという方向に思考が転換する可能性もある。問題は、それがまだ来ていないのか、もうそこを過ぎてしまったのか、渡部さん、その辺はどうですか。

【渡部】人によるのではないでしょうか。グループにもよりますし。ただ、何せ米国のリソースも限られているし、判断するための情報も限られている。だから、その判断を先送りするための知恵が中国ステークホルダー論なんでしょう。

【畔蒜】  なるほど。


(私のコメント)
アメリカの共和党と民主党の正副大統領候補が決まりましたが、民主党の大本命だったヒラリークリントンが大統領候補になれなかったのは、あまりにも中国よりの外交政策が懸念されたからでしょう。90年代だったらアメリカに逆らう国はなかったから中国に対しても警戒する必要はなかった。むしろ日本を叩くことに重点が置かれていた。

日本を叩くことにおいては米中の利害は一致していたから、日本は米中の挟撃にあって経済的な損害は1000兆円にもなり第二の敗戦とも言われるようになった。クリントン政権時代の一時期は日本政府からアメリカ政府に電話しても誰も出るなと言われているくらい日米関係は悪化して、自民党は政権を失い細川政権が誕生した。

幸い2001年に共和党のブッシュ政権が誕生して日米関係は修復されましたが、民主党政権が続いていたら在米日系企業は損害賠償訴訟が連発して起こされて潰されていたことだろう。今年の大統領選挙で再び民主党政権が誕生すれば90年代の悪夢が甦ってくるのだろうか?

アメリカの民主党内には中国ステークホルダー論が強くて日本叩きが復活する恐れがある。共和党内でも中国ステークホルダー路線は健在であり、ブッシュ大統領が反対を押し切っても北京オリンピックに参加したことでもわかる。それくらい米中の経済関係は不可分に結びついているのですが、中国はしたたかに対米包囲網を広げている。

中国が一番力を入れているのが対アフリカ外交であり、アメリカがアフリカ統合軍司令部を作りたいと思っても、それに応じてくれるアフリカの国はない。仕方がないのでドイツのシュツットガルトに置いている。もはやアフリカは中国の勢力圏になりつつあり、ロシアも今回のグルジア戦争を見ても分かるようにグルジアで攻勢をかけて親米政権は潰れつつある。

中東においてもアフガニスタンでタリバンの反攻が始まりアメリカ軍とNATO軍の戦死者はイラク戦争を追い抜くほどだ。パキスタンのムシャラフ大統領の辞任も中国勢力の浸透が進んでいるからだ。パキスタンの軍港に中国の原子力潜水艦が出入りするようになったらインド洋の制海権はどうなるのでしょうか? 

日本の自民党政権は相変わらずアメリカ様さまでいれば大丈夫と思い込みたいのでしょうが、アメリカの国力の衰退ははっきり見えてきてしまった。これはブッシュ政権がお粗末と言うのではなく、9・11テロ以来アメリカは舐められて足元を見られているのだ。

確かにアメリカの軍事力は強大であるが、はたしていつまで強大な軍事力を維持していくことが出来るのだろうか? 原子力空母一隻の維持費でも年間1兆円もかかる。現在の50兆円の軍事予算が削られれば真っ先に海軍と空軍の予算が削られるだろう。そうなれば海外にある軍事基地は整理縮小されるだろう。

アメリカはイラクに恒久的な軍事基地を50ヶ所作る予定ですが、気がついたら周囲を敵に囲まれている可能性がある。インド洋すら中国はビルマとパキスタンに海軍基地を作って勢力圏とするかもしれない。アメリカの第七艦隊もたびたび中国の潜水艦の追尾を受けて脅威にさらされるようになった。

黒海に派遣されたアメリカ海軍の軍艦も目的地のポチにはロシアの軍艦に阻止されて他の港に入港せざるを得なかった。ロシア海軍にもバカにされるようになってグルジアは陸と海から包囲されて、それに対してアメリカ軍は有効な対抗策を取ることが出来ない。

グルジアが落ちればカスピ海から中央アジアの石油と天然ガスの資源を西側に流すルートを失い、ドイツやフランスはロシアからのパイプラインの栓を締められたら重大な損害をもたらすものとなる。ロシアは民主化されて西側とも良好な関係を保ち続けるとアメリカは見ていたのでしょうが、独裁的強権政治はソ連時代と変わらず新冷戦時代が到来しつつある。

アメリカは中国とステイクホルダーとしてパートナーシップを組みましたが、中国も根本的にはエネルギーをロシアに依存しなければならない。それだけではなく陸路と海路から中東の石油を確保する必要があり、サウジアラビアやパキスタンやイランとも外交関係を緊密にしてイラクのアメリカ軍を包囲しようとしている。

中国はアメリカを直接は対峙しなくとも毛沢東戦略で大包囲網を築こうとしている。アメリカの戦略家達はそれに気がついているのだろうか? ウォール街と中国とは親密でありポールソン財務長官は80回も中国を訪問するほどの親中派だ。アメリカの外交路線は一つではなく状況次第で180度変わるから油断できないのですが、それは90年代のジャパンバッシングで骨身に浸みたはずだ。

アメリカは東アジアを中国に丸投げする可能性があるし、そうなれば日本は米中の共同管理下に置かれる可能性がある。外務省はアメリカとの関係を良好に保てば大丈夫と考えているのでしょうが、アメリカ自身がどう変わるか予測が付かない。イラク戦争やアフガニスタン戦争やグルジア戦争の不始末を見ているとアメリカは大丈夫かと心配になるのですが、国会議員は次の選挙にしか関心がない。

手を広げすぎたアメリカ軍は、ロシアの攻勢にあっても反撃が難しいようだ。グルジア軍にはアメリカの軍事顧問が付いて強化してきたのですがロシアに圧倒されてしまった。黒海のアメリカの軍艦は袋のネズミでありロシアの対艦ミサイルで一瞬で勝敗が決まってしまうだろう。

BTCパイプラインもいつでもロシアによって栓をされてしまうだろう。
アメリカに残る選択はイラン攻撃しかないが、出来るのだろうか?





西洋の概念について、基本的には日本人が翻訳したものであり、
中国と西洋の間には、永遠に日本というものが挟まっているのである。


2008年8月30日 土曜日

現代中国語の中の日本語「外来語」問題 王彬彬(日本語訳:松永英明)

五(西方語翻訳にあたっての論争)

西洋の専門用語をどのように訳すかという問題について、当初、中国では論争があった。大体三種の観点がある。第一の主張は、できる限り中国独自の訳し方をし、日本語訳を無条件に借りるのに反対するというもので、厳復はこの観点の代表であった。第二の主張は、できる限り日本がすでに行なった訳語を借用するというものである。さらにもう一つの観点があって、西洋の専門用語の音訳を進めようという主張であった。

 王国維は、日本に既にある訳語をできる限り借用しようと主張した。『論新学語之輸入(新しい学術語の輸入を論ずる)』という文章で、まず新しい学術語を輸入する必要があることを強調し、その輸入の問題については、このような見方を表明した。

王国維はつまるところ王国維である。日本にはすでに訳語があって、それは思いつきで作られた言葉ではなく、「専門家数十人の考究・数十年の改正を経て」最終的に確定したものである。それは実情に合っており、同時に中国人が日本語訳を借用すべき有力な理由だ、と彼は述べている。また、西洋専門語を翻訳するとき、日本人は二文字以上の言葉を組み合わせるのが習慣であり、このために中国人が単漢字を用いるのと比べて正確に原意を伝達できると指摘している。それは熟練した役人が一言で断罪するかのようである。実際、王国維のこの文章で、なぜ日本語訳が中国に全面勝利し、厳復の訳語が淘汰されて尽きてしまったのかを基本的に説明できる。

 当時にあって、もう一つの非常に影響のある翻訳上の観点があった。それは、西洋専門語に対して音訳を進めよという主張で、章士サがこの観点の代表である。実際、いくつかの西洋専門語は、音訳方式が流行したこともあった。たとえば「徳謨克拉西」(民主=デモクラシー)、「賽因斯」(科学=サイエンス)などである。章士サが主に編集した『甲寅』では、西洋専門語は音訳を多用している。厳復もまた、西洋専門用語の音訳を試みて成功している。たとえば「Logic(ロジック)」を音訳して「邏輯(ルオチー)」とするのは、厳復によるものだといわれている。「邏輯」の二字は、音・形・意味の3つの選択が絶妙で、そのために定着した。「邏輯」に対して日本では意訳と音訳の両方があり、意訳は「論理」だが、後に音訳がさらに流行した。「邏輯」という漢語の言葉も日本に伝わって、現代の日本の著作の中でもこの二文字はよく出現するが「ロジック」と読み仮名がふられている(※訳注:これは筆者の誤認と思われる。日本では邏輯はほとんど見られない)。日本では「邏輯」という言葉は中国・日本・西洋の三種の文化が混血したものなのである。つまり、中国の字、日本の音、西洋の意味である。これはもちろん非常に味わい深いことだが、同様に興味深いことに、「邏輯」という音訳用語は厳訳用語の中で最も生命力を有しているということだ。このため、「邏輯」については探究する価値があると思われる。

 厳復と日本の学者はみな漢語を用いて西洋語を訳した。西洋語のレベルでいえば、厳復は決して日本の近代の学者に劣っていなかった。漢文について、日本の学者は精通していたけれども、これは厳復にとっては母語であり、厳復の漢文の造詣が日本の学者のはるか上にあったことは疑いない。しかし、厳復は結局日本人に敗れたのだ。わたしは、その一因として、まさに漢語が厳復の母語であったからだと考える。母語であったために、その語意の精細な体現と深い理解があるため、かえってこれが一種の束縛となり、翻訳には漢語の原意によって厳しく限界が生まれたのである。これに対して日本の学者は、漢語にも精通していたが、それはつまるところ外国語の一種であって、漢語に対して決して厳復のような環状を抱くことはなかった。それゆえに自由に漢語を駆使することができたのである。二音の学者は大胆に漢語の原意を改造し、需要に応じて漢語に新しい意味を賦与していった。漢字を利用して新語を造り、甚だしい場合はある漢語のかつて伝えていた原意と完全に相反する意味を与えることもあった。こういった日本の学者の訳語をかみしめると、彼らは漢字・漢語に対して縦横に筆を揮っており、厳復はかえってそのような境地に達するのが難しかったといえる。

 厳訳が日本の訳語との「生存競争」の中で淘汰された重要な原因は、王国維が指摘しているとおり、古雅にすぎることにある。「信・達・雅」は厳復が訳文に求めた三要素であった。「雅」は最後にあるとはいえ、厳復は翻訳実践の中で訳文の美を重視しており、「信」と「達」の下に置いていたのではなかった。彼は自分の訳文が必ずや絶対的な美文であることを求めており、読めばハーモニーとリズムがあって演奏感に富んでいる。西洋専門用語を翻訳するときに単漢字を常用したのも、訳文自体の語感が重要だったからだ。西洋専門用語を翻訳するとき、厳復は心血を注いでおり、彼自身の言葉を使えば「一つの名を立てるのに、旬月のあいだ踟躇した(行きつ止まりつ歩き回った)」。しかし、厳復は秦以前の文体を用いて翻訳したため、漢語を用いて西洋専門用語の「名を立てる」とき、正確さを考慮するだけではなく、語の雰囲気をも顧慮して、できる限り古雅を尽くそうとしなければならなかった。このため、厳復の作業は、日本の学者に比べて艱難を極めることとなったのである。厳復がこのように古雅な単漢字で西洋専門用語を訳出していたため、原意を伝えることはできなくなり、原意の伝達は非常に曖昧模糊としたものとなった。朦朧として把握されにくいものとなったのである。日本の学者はいささかも語の雰囲気を考慮する必要がなく、用語の古雅を追求することもなかったので、自由度は非常に大きかった。全面的に原意を伝えることをできるだけ正確に行なおうとしたため、二文字以上の語の組み合わせを用いることができた。しかも訳語を選ぶときにはそれが雅か俗かといったことも意に介さなかった。そのため、訳語は明快で直接的なものとなり、一目でわかるものとなったのである。こうして知らず知らずのうちに使うものとなった。このような競争者と出会っては、厳復の訳語が零落し、破棄されたのも仕方のないことである。

 厳復は訳文の美を追究することに力を注ぎ、「立名」の雅を研究していたが、これはまさに苦心するものであった。当時、梁啓超も厳訳の文体に疑義を示している。厳訳は「あまりにも淵雅であり、先秦時代の文体を模倣しようと努力しているため、古書を多読している人でなければ、ひもといてもほとんどが難しくて理解しがたい」。また、このようにも述べている。「ヨーロッパ、アメリカ、日本の諸国の文体の変化は、つねにその文明のレベルと正比例している……これらの学理の深遠な書は、流暢で鋭い筆でなければ、どうして学童が利益を得ることができようか? 著書・訳書においては、まさに文明思想を国民に広めるものでなければ不朽の名誉とはならないのである」。西洋語の翻訳には、啓蒙の意味がある。訳文を使ってできるだけ多くの人に読ませるためには、このように、訳文が通俗的で流暢であり、理解しやすいことを求める努力が必要となる。これは厳復のやり方とはまさに正反対である。このような難詰に対して、厳福の回答は「わたくしの関わっているのは学理の深遠な書であって、学童にふるまって利益を得させることを望んでいるのではない。わたしの訳はまさに中国の古書を多読している人が待っていたものである」であった。もともと、厳復は根本的に学童のような浅学の人を自分の読者として想定しておらず、その訳文は学識ある士大夫が読むものであるというのである。厳復は、古書を多く読んでいて往々にして頑固守旧な思想を持っている人たちを改造することが、最も重要なことだと考えていた。このような人たちの思想改造が起こってから、社会全体の雰囲気にようやく変化が発生するというわけである。そして、中国の読書人はすべて文筆の美を追究しており、厳復は彼らに自分の本を読ませるために、まずは美文をもって彼らを征服する必要があった。あのような本を嫌って西洋の学問を排斥するような人たちに対して、オブラートに包んだ砲弾を送りつけたのである。

 厳訳の専門用語は日本人の訳語に敗北したけれども、それは厳訳が全体的に失敗したということにはならないし、厳復が訳文の美を追究したのは道理のないことだったと言うことも当たっていない。今年(※1998年)は厳訳『天演論』(ダーウィンの進化論)の出版100周年である。100年前、『天演論』が世に問われたとき、知識界は激震に見舞われた。人々は奔走して語り、相争って読んだ。多くの人たちはこの作品を枕元の書とし、一読しては再読、片時も手放せないほど夢中になった。これはなにより、厳復の訳文の優美さと切り離すことができない。人々は争って厳復の訳書を読んだ。それは新しい知識を求めたということもあれば、美しい文を味わったということもある。西洋の学問に抵抗していた守旧者であっても、厳訳のこの作品の美文を鑑賞することを禁じ得なかった。中国の状況と日本の状況は同じではなく、厳復が訳文に対して日本の学者と異なったものを求めたのも不思議なことではない。

 もし、1898年に梁啓超が日本小説『佳人之奇遇』を翻訳したのが日本語「外国語」が中国に輸入された発端だとすれば、現在まさに100周年である。これはもちろん記念すべきことである。

 わたしたちが思考・演説・記述を行なうのに用いている概念の中で、実に70%が日本人の作り出したものであることを思うたびに、わたしはこの問題を考える。この事実は、100年来、中国人の思惟に対してどのような影響を生み出しただろうか? 言い換えれば、もし当初から日本のような隣国がなく、長期間にわたって、人々が厳訳概念だけを使い、厳訳概念を通して西洋思想を理解し、中国の問題を思考していたならば、日本で訳された概念を通過するのと差異があっただろうか、なかっただろうか? 日本で訳された概念の輸入がなかったとしても、もしかしたら厳訳は淘汰され、誰かが西洋文化の概念のためにもっと適合する訳語を探し出していたかもしれない。しかし、これとわたしたちが現在使っている日本の訳語は大多数がみな違っていたことだろう。もしこのようであれば、この100年来の中国人の思考と問題を論じる方式は異なっていた可能性があるだろうか? 最終的にこの100年来、中国の歴史の過程は完全に同じものとなりえただろうか? 具体的にいえば、「政治」「経済」「文化」「革命」「階級」「社会主義」「資本主義」といった概念に替わる言葉がわたしたちの眼前に出現していたら、わたしたちはこれらの問題の感受・理解について変化を起こしていただろうか?

 日本語「外来語」の大量輸入は、100年来の中国人の思惟に対して、100年来の中国文化に対して、100年来の中国の歴史過程に対して、確かに影響を与えてきたといえる。しかし、現代中国語を用いることで全体の思考に与えているこのような影響は、厄介なことでもある。日本語「外来語」の影響を考えるとき、日本語「外来語」を使わなければならない。これは、一匹の蛇が自分のしっぽを咬んでいるようなものである。これは西方の中国学者にとっては極めておもしろい課題にほかならない。

 日本語「外来語」の影響を全体的に論じることはできないけれども、具体的な例はいくつか挙げることができる。

 中国古代に「資本主義」の萌芽はあったか否かという問題について、史学界では数十年間にわたって論争が続いている。しかし、論争が繰り返されても、実質的にはすべてが概念についての争いであって、分岐は「資本主義」という概念の理解におけるものである。同じ歴史事実について、ある人は「資本主義」の萌芽であると説明できると考え、ある人はできないと考える。これは「資本主義」の萌芽についての争いではなく、何が「資本主義」なのかという争いであるということになる。「資本」と「主義」の両方の言葉はどちらも日本人が作ったもので、資本主義は西洋語の「capitalism」を訳したものであり、それは日本人によるのである。もし仮に「capitalism」が別の漢語のことばで訳されていたら、この争議は発生しえたであろうか? 発生していたとしたら、表現方式上、異なるところはあっただろうか?

 80年代以来、中国美学界ではいわゆる「丑学」という考え方が提唱された。「丑学」は「美学」に相対する言い方である。「美学」は日本人の中江兆民が西洋語の「aesthetics」を翻訳したものだ。ただし、「aesthetic」の原義は「感性学」である。もし「美学」という訳し方が最初からなく、たとえば「感性学」というように別の訳し方がなされていたら、いわゆる「丑学」というものは成立していたであろうか?

 わたしたちは現在、短いものは数百字から長いものは数百万字の虚構の作品をすべて「小説」と読んでいる。ここには長編小説と短編小説の区分しかない。長編小説と短編小説という命名は、ただ作品の長さの区別を指すだけであり、これ以外に何ら説明をしていない。これに関して、いわゆる長編小説と短編小説の審美的な意義において、本質的な差異があるか否かという研究と論争がある。ある人は二つの意味は審美方式について違いがあることを意味していると言い、ある人は二者の区別は字数にしかないと言う。実のところ、わたしたちが現在使っている「小説」という概念は、日本の近代作家・坪内逍遙が『小説神髄』で英文の「novel」の翻訳をおこなったものである。英文の「novel」は本来、比較的長編の朔辺を指しており、短い作品については「shortstory」という言葉を使っていた。このように違った命名があるということは、これら二つが一つの分類ではないことを強調しているわけである。「小説」という言葉を用いて「novel」を訳すのは、原意の全体を伝えることはできないといわねばならない。もしわたしたちが長編小説と短編小説をひっくるめて「小説」と言わず、別々の異なる言い方をしていたら、わたしたちはこの二つの認識について最初から違っていただろうか、そうではないだろうか? 長編と短編の論争は、そもそも発生しただろうか?

 例はいくらでも挙げることができる。最後にわたしは言いたい。わたしたちが使用している西洋の概念について、基本的には日本人がわたしたちに替わって翻訳したものであり、中国と西洋の間には、永遠に日本というものが挟まっているのである。

 この意見を知らずして、筋が通るものであろうか?



(私のコメント)
この文は中国の王彬彬氏が書いた「現代国語中的日語“外来語”問題/現代漢語中的日語“外来語”問題」の日本語訳の一部ですが、中国における西洋語をいかに中国語に翻訳することの難しさを語っている。

明治維新の時期において日本から西洋に留学した留学生達は、日本語に翻訳しようとも出来ない言葉に直面した。夏目漱石などもその一人ですが、適当な漢字を割り当てて新訳語を作り出していった。中国人が翻訳した西洋語の訳語はあることはあったが、日本語の訳語をそのまま用いることが多くなった。

中国人にとっては漢字が母国語であるだけに、本体持っている漢字の意味にこだわりすぎて新しい訳語を作ることの困難に直面する。「経済」という言葉も本来は別の意味があるのですが、現代ではエコノミーの訳語として「経済」が使われている。中国人の知識人にとっては新しい訳語を作るうえでは障害になってしまう。

「民主」にしても本来の意味は「民たちの主」という意味であり、「国民主権」の意味とは逆の意味だ。しかし現代ではデモクラシーは民主と訳されている。結局分かりやすく言えば「経済」とか「民主」といった言葉は日本からの外来語であり、西洋語の意味に忠実に訳されているために中国に定着した。

ではどのように外来語が定着したのかと言うと、中国から日本に留学した留学生が小説などを翻訳した時に「日本語」がそのまま用いられて通用するようになった。日本語と言う外来語を用いることによって西洋語の訳語が普及した。つまり中国人にとっては日本が西洋の窓口になり翻訳が進むようになった。

なぜ厳復の翻訳した漢語が用いられずに日本語訳の訳語が用いられるようになったのだろうか? それは西洋の古典が日本語に翻訳されて、それが中国人留学生によって中国語に翻訳される事が多かったからだろう。だから厳復の翻訳した「計学」は用いられず「経済学」が定着した。

このように漢字本来の意味を用いて翻訳語を作ることは厳復も試みたが、日本語と言う外来語を用いたほうが西洋語の訳語として適当だったのだろう。このようなジレンマは現代においても続いており、日本においては漢字で翻訳されることは少なくなりカタカナで音訳されるようになった。

中国においても音訳が用いられていますが、コカコーラを可口可楽と言うような方法ですが、コカコーラのような形のあるものなら翻訳は可能だが、西洋語の抽象的概念となると漢字を用いて訳語を作ることは難しい。漢字本来のもつ意味が新しい訳語の概念を阻害してしまうのだ。

もし明治期に日本人が西洋語を全てカタカナで音訳していたらどうなっていただろうか? 現代はまさにそうなっているのですが、日本人が「パソコン」と呼んでいるものが中国では「電脳」と言う言葉に翻訳されている。もし中国人がパーソナルコンピューターを音訳していたらかなり面倒な文字になるだろう。

しかし現代は西洋からラッシュアワーのように新語が押し寄せてくる。日本語の場合はカタカナで音訳しているが、中国でも音訳で対処しているがどの漢字を用いるかが定着していない。西洋の地名や人名の音訳も厄介な問題であり、日本語のようにカタカナなら音訳だと言うことがすぐにわかるが、中国語だと混乱するばかりだ。

例えばアメリカは亜米利加なのか、亜美利加なのか、花旗なのか、弥利堅なのかいろいろあって混乱する。地名や国名でもこのように混乱するのだから抽象的概念語は音訳では西洋語に通じていないと音訳であることすら分からない。例えばデモクラシーを音訳すれば「徳謨克拉西」だが分かる人がどれだけいるだろうか?

だから西洋語の書物を翻訳する時には中国語に直接翻訳するのは困難を伴うが、日本語に翻訳されたものを中国語に翻訳したほうが容易だった。私は以前に中国はなぜ大量の留学生をアメリカに送るのか疑問に思ったのですが、それは英語の本を中国語に翻訳することは困難であり、中国人がアメリカに留学して英語をマスターしたほうが手っ取り早いからだと思う。

私自身は英語も少ししか分からず中国語もまったく分からないが、英語の意味を正確に中国語に翻訳するのは難しいらしい。英語の複雑な言い回しを日本語に翻訳することは可能だが直接中国語に翻訳するとなると名詞を動詞に変えたり時制を合わせたり考えなければならない。さらに固有名詞や抽象語をどのように翻訳するのかの問題も出てくる。だから中国では日本のような西洋の翻訳文化が育ちにくい。

次のような簡単な文章でも英語から直接中国語に直すのは困難であり、日本語からだと比較的翻訳しやすいようだ。


極めろ!何を?中文を!

I flew to London then took a connecting flight to Paris.
の日本語訳は
私はロンドンへ飛んで、それからパリへの乗り継ぎ便に乗った。
ですが、わたしはこれを英語から中国語に訳すのは結構悩むと思います。日本語からだったらできますが、それでも一瞬考えるでしょう。ちなみにiKnow!中文版では
我先乘机飛到倫敦,然后再跨机到巴黎。
となっていました。ポイントと呼べるような点を挙げるとすれば、日本語では「乗り継ぎ便」と名詞になっている部分を中国語では「乗り継いで」のように処理することでしょうか。


(私のコメント)
日本語なら助詞や副詞や接続詞を用いて複雑な言い回しも出来ますが、中国語ではそれが難しい。日本語はイエスともノーとも取れる複雑な言い回しを玉虫色の表現と言いますが、英語に翻訳することはプロの通訳でも困難なことであり、だから外交交渉でも誤解が起きる。

日本の政治家が用いる「前向きに検討する」という言葉を英語に翻訳することは難しい。だから最近では日本語がそのままカラオケやカイゼンのように通用するようになった。言葉はその国の文化レベルを現しているともいえる。日本では英語やフランス語やドイツ語などの翻訳本が沢山あるが、日本語の本が英語に翻訳されることは希だ。それは日本語の意味を正確に英語に直すことが困難であることがあるからだろう。

大戦の末期に日本の首相が「黙殺する」と返答しましたが英語では「黙殺」という言葉を翻訳できない。新たに「モクサツ」という新語訳を作って理解しなければならない。しかし英語ではNOと誤訳された為に広島長崎に原爆が落とされることになった。




日本の政治家、官僚、自衛官は中国や北朝鮮の美人スパイの罠で
がんじがらめになっている? スパイ防止法はなぜできないのか?


2008年8月29日 金曜日

北朝鮮:女スパイも人の子 ターゲット愛し工作失敗 韓国が摘発 8月28日 毎日新聞

【ソウル中島哲夫】脱北者を装って韓国に亡命し、複数の軍人に近づいて得た情報などを北朝鮮に送っていた国家安全保衛部所属の女スパイ(34)が摘発され、愛人関係にあった韓国陸軍大尉(27)とともに27日、起訴された。検察、警察、軍情報機関、国家情報院の合同捜査本部の発表を聯合ニュースが伝えた。

 この女スパイはウォン・ジョンファ容疑者。偽装交際するうち本気で愛してしまった大尉を誘い、一緒に北朝鮮に渡るのを目標に、まず日本の永住権を得るため訪日し日本人男性と3回見合いしたという。愛人がスパイと知った大尉から自首を勧められ、迷っているうちに、3年前から内偵していた捜査当局に2人とも逮捕された。

 同ニュースによると、ウォン容疑者は15歳の時、工作員を養成する特殊部隊に配属されたが3年後に負傷し除隊。しかし再び工作員の道に引き込まれ、中国での脱北者送還・韓国人拉致、韓国人との同居、出産、中国朝鮮族男性との結婚など複雑な過程を経て、01年に脱北者を装って韓国入りした。

 脱北者収容施設での教育の後、韓国軍部隊を回って北朝鮮に関する講演を五十数回も行い、愛人となった大尉のほか少佐など数人とも交際していた。

 ウォン容疑者は北朝鮮側から毒薬、毒針を受け取り、韓国情報要員の殺害指令を受けたが、知り合った相手を殺せなかったと自供。97年に亡命した黄長〓(ファンジャンヨプ)元朝鮮労働党書記の所在確認にも失敗した。重要情報を握って日本に渡った脱北女性の追跡も指示されていたという。



再び北朝鮮の女スパイについて 8月29日 大島信三

国家保安法違反で韓国当局に逮捕された北朝鮮の工作員、元正花(ウォン・ジョンファ、34歳)の写真が、新聞やテレビで公開された。なかなかの美人である。けさのフジテレビ「とくダネ!」などが伝える彼女の素顔は、これまた映画のようにドラマチック。予想どおりの、おおいに関心をひきつけるスパイ事件だ。

金賢姫のような、正統派工作員とのちがいは、はっきりしている。北の工作員に正統派とか、非正統派の区別をつけるのは、笑止千万かもしれない。ただ、金賢姫と元正花をならべてみれば、前者のほうが、はるかに使命感にもえた筋金入りの工作員であったことは、一目瞭然である。

いい家庭に育った金賢姫は、選抜されて早くから工作員教育をうけた。元正花は、もともとコソ泥である。たくみな逃亡生活が工作員にスカウトされるきっかけになったというのだから、推して知るべし。

もっとも、スパイとしての素質は、元正花のほうが上。彼女を知る男性が、「明るくてポジティブ。外見は清潔で頭もいい」と話していた。端正な金賢姫のほうが、元正花より、外見は清潔で頭もいいと思うが、金賢姫はどちらかというと陰性。男スパイは陰性のほうがいいけれど、女スパイは陽性パイプがむいている。

秀才タイプの金賢姫に頭脳では劣るかもしれない元正花だが、機転のきく点では、金賢姫より元正花のほうが上手にちがいない。結婚相談所へ行って、軍の将校を紹介してもらうなど、目の付けどころがわるくない。

それにしても、北の工作員に軍施設までのぞかれていた韓国当局は、ショックであろう。

元正花がうけた北の指令は、亡命した華長Y・元書記の居場所をつきとめることだったという。これは重要度ランクからいえば、Aクラス。彼女の工作能力が、北の信頼をうけていたのがわかる。

現時点での北朝鮮の女スパイにかんする情報は、本人の証言であっても、真贋が入り乱れている。どれが真実で、どれがつくり話か、ひとつ、ひとつ精査する必要がある。

たとえばファン大尉との恋物語だ。彼女は、大尉と結婚して北へ戻ることを夢見ていたという。日本への潜入も、その実現のためらしいが、真相はわからない。北の意図する工作のもろもろが、彼女の口から洩れるかもしれない。これからも、ずっとフォローしていきたい事件だ。


(私のコメント)
昨日の株式日記で日本の国会や中央官庁は外国の工作員の巣窟になっていると書きましたが、韓国で日本でも活動していた女スパイが捕まったそうです。これは韓国だから捕まってのであり、日本だったら日本の政治家が手を回して国外追放程度の処分になっていたことだろう。金正日の長男が日本で捕まっても国外退去で住んでしまった事がありましたが、国会議員には中国や北朝鮮の美人スパイによって弱みを握られている議員がかなりいるはずだ。


2005/01/30 「たかじん」スパイ防止法、日本がおかしくなった理由は?など

勝谷
「でも政府が認めてる人数、少ない。政府の中枢まで北朝鮮の勢力が浸透してるから。自民党と、あと社民党は全部」

鴻池
「昭和60年代、スパイ防止法作る動きはあった。防衛庁の宮永という職員がソ連に情報売って捕まった。でも懲役1年。国を売ってる奴が1年ですよ。が、朝日新聞がスパイ防止法の反キャンペーンをやった。あと、ど、・・・土井たか子。自民党にもおる。弁護士の自民党のほとんど」

宮崎
「日弁連」

鴻池
「向こうは弁が立つ。だからつぶされた。今の財務大臣、私は仲がいいが、谷垣もそうだし、落選してる白川も、でぶちんで今閣僚の村上誠一郎も。弁護士ばっかり。日弁連に言われて、朝日新聞の尻馬に乗って・・・」

志方
「宮永事件は、紙を盗んだ窃盗罪のみ」

鴻池
「国を売ったら、どこの国でも死刑か終身刑。日本だけ懲役1年。(スパイ防止については)徹底して国のためにやらないかん」(会場拍手)



(私のコメント)
北京オリンピックでも中国人美女がコンパニオンとして大勢動員されていましたが、中国や北朝鮮には人権が無いから、美女をスパイとして養成して、北朝鮮の女工作員、元正花(ウォンジョンファ)のように韓国軍の少佐と深い仲になって機密を盗み出そうとしていた。

彼女達は命がけだからどんなことでもするだろう。そんなのに日本の国会議員や防衛庁の自衛官などが引っかかるのは簡単なことだ。自衛官と結婚した中国人女性が機密を盗み出していたニュースも以前にありましたが、日本人はスパイに脇が甘いからすぐに罠にかかる。

それでも日本にスパイ防止法が出来ないのは、すねに傷を持つ国会議員が沢山いてスパイ防止法が出来ると困る議員が沢山いるからだ。新聞記者だって美人スパイに狙われやすい職業ですが、朝日新聞などがスパイ防止法反対の大キャンペーンを張った。

だから日本ではスパイが捕まっても1年の懲役で済んでしまうからスパイ天国なのだ。だからアメリカなども防衛機密を日本に出したがらず、イージス艦などの見学も中国軍人に許すなど機密に対する認識に欠けている面がある。

中国や北朝鮮はそれこそ命がけで工作活動を仕掛けてきているのに、それに対する日本の対応は緊張感の欠けたものであり、スパイ活動をしても捕まっても懲役1年なのだから簡単に罠にかかってしまう。防諜組織も無いから日本は国家としての体をなしていない。

中国に行く時も日本人は用心しなければならないのですが、旅の恥はかき捨てで簡単に美女の罠にかかってしまう。国会議員や大企業の幹部が罠に嵌るのも目に見えていますが、日本人だけではないらしい。スパイの本場の英国政府要人でも中国のハニートラップに引っかかったそうだ。


【外信コラム】ロンドンの甃 五輪外交とスパイ戦 8月12日 産経新聞

OO7シリーズで凄腕スパイのジェームズ・ボンドが属しているとされる英対外情報部(MI6)と、防諜(ぼうちょう)担当の対内情報部(MI5)が、北京五輪対策のため多忙を極めているそうだ。

 次期五輪開催国の首脳として北京五輪の閉会式に出席するブラウン首相をはじめ、閣僚や政府高官ら100人以上が最近、訪中の際の心得としてスパイ被害に遭わないよう極秘の指導を受けた。

 英日曜紙サンデー・タイムズなどによると、「北京ではスパイがうじゃうじゃ活動している」「常に尾行がついている」「誰も信用してはいけない」「プリペイド式携帯電話を持参して、帰国したらすぐに捨てる」などの警告が与えられた。

 英政府が神経をとがらせているのは今年1月、ブラウン首相が訪中した際、同行した側近の一人が中国人の美女と一夜をともにし、朝目覚めると公用の携帯端末が美女とともに消える“事件”が起きたからだという。

 女性スパイの「ハニー・トラップ」にはめられたとの見方がもっぱらだ。

 エバンズMI5長官は昨年、英国内における中国のスパイ活動について警鐘を鳴らした。英王立統合防衛研究所(RUSI)のニール・アジア安全保障部長は「携帯電話や携帯端末、パソコンから電子情報を盗むのは簡単で、北京に持っていくのは避けた方がいい」とアドバイスしている。(木村正人)



(私のコメント)
このように美女を使ったスパイ活動は映画だけの話と思っていたら、中国やロシアなどでは多いらしい。政府の機密だけではなく民間人でも産業機密を盗まれることが多い。石原都知事も北京オリンピックの開会式に参加して、「中国には美人が多い」と感心していたが、ハニートラップに引っかかりやすいタイプだけに今後の言動に注意が必要だ。




郵貯の次の狙いとして、農林中央金庫がターゲットにされてる。あそこ
にはまだ、アメリカが手を付けていないお金がたくさん眠っているから。


2008年8月28日 木曜日

農林中金、証券化商品への投資を拡大へ=FT 8月25日 ロイター

[東京 25日 ロイター] 25日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、農林中金が資産担保証券(ABS)や債務担保証券(CDO)などの証券化商品への投資を拡大する計画だと伝えた。向こう1─2年間で投資規模を少なくとも6兆円(540億ドル)拡大するという。

 農林中金の幹部はFTに対し「証券化商品に投資しているのは、それらが10年前のようにクリーンになったためだ」と述べた。

 FTによると、農林中金は投資ポートフォリオにおける証券化商品の割合を37%から50%に引き上げることを目指している。



太田農水相に「事務所費」問題 進退問題発展か 8月26日 IZA

太田誠一農水相の政治団体「太田誠一代議士を育てる会」が平成17、18年の2年間、当時政策秘書を務めていた農水相秘書官の自宅(東京都目黒区)を事務所として届け出て、事務所費など計2345万円の経常経費を計上していたことが分かった。

 不透明な事務所費をめぐっては、安倍内閣で閣僚の引責辞任が相次いでおり、農水相の進退問題に発展する可能性が出てきた。



「まもなく日本が世界を救います」 太田 龍/ベンジャミン・フルフォード:著

りそな問題、郵政民営化、売国小泉政権

〔 龍 〕 まず日本の問題から話を進めましょうか。日本の資産が目の前でどんどんとアメリカに持っていかれてしまっている。りそな銀行や郵政民営化のこともあるわけで。金融ジャーナリストであったフルフォードさんに、そのへんのところを一つ、お話ししてもらいたいんですけど。

〔ベン〕 アメリカは、戦後60年間にわたって、日本に立派な工業製品を作らせる代わりに、いくらでも刷ることの出来るドル紙幣と紙くずを与えていたんです。紙くずっていうのは、実質上、日本国内に持ち込めない米国債のことですね。

  最近の話でいえば、小泉元総理と竹中平蔵元金融担当大臣がアメリカに、ああしろ、こうしろと脅されて、言われるがままの経済政策を実行した。それで、すべての民間銀行を外資に手渡すはめになった。いま『会社四季報』を見ればわかるように、外資によって3割以上の株を握られるはめになったわけです。日本の金融機関は、たとえばチェース・マンハッタンとかモルガン・スタンレーとか外資の支配下になったんですよ。

  “りそな問題”とは何だったのか。実際に、りそな銀行を長く取材して、ようやくその本質が分かったんです。これは“国家ぐるみのインサイダー取引”だったということですよ。りそなは小泉・竹中の売国奴政権によって潰された、その代表的な例ですね。

  小泉政権は当初、足腰の弱い企業はどんどん潰れて構わないという市場原理主義の方針だった。竹中平蔵なんかは、「大きくても潰せないことはない」とさらに不安を煽るような発言をしたもんだから、株価が下がりまくって、日経平均はどん底にまで落ちたんですよ。そのいちばん安値のときに、外資が日本株を買いまくっていた。安心して買えたわけは、すでに小泉とアメリカとの間で、シナリオが出来ていたからです。

  小泉が2003年5月に突然、経済方針を転換して金融機関を救済すると言いだして、株価は上昇したんです。外資は“濡れ手に栗”というわけです。


  そもそも、りそな銀行の頭取は、他行のようにへつらわずに、小泉の行き過ぎた規制緩和政策に強く反対していたんですよ。国有化されたあげく、外資に安く払い下げられるんではたまらんと分かっていた。それで監査法人に対しては、健全な経営内容を不当に低く偽装して評価せよとの圧力が掛かった。そんなことは、仕事に誇りを持っている会計士には出来っこないですよ。結果、よくあるように自殺です。ちょっと怪死みたいな状況で、殺されたか追い詰められたかは不明だけど。それで別の監査法人が急に、りそなの経営内容は危ないと言い始めた。

  結局あとから公的資金が注入されました。りそなに必要以上に多い2兆3千億円もの大金が注ぎ込まれた。例えて言うなら、「お財布を安く売りますよ」と言っておいて、もちろん財布にお金は入ってないけれど、こっそり領収書が入っている。これを買っておくと、あとからお金が戻ってくると。ロックフェラーとそのお仲聞たちだけは、あとから2兆3千億円もらえることを知っていて、“超お買い得”という話です。日本国民の血税を、ああいう連中に莫大に渡してしまった。“盗っ人に負い銭”とはまさにこのことですよ。小泉政権はまれに見る悪質な政権で、日本の植民地化がさらに深刻になりました。

  その後も同様です。郵政民営化をなりふりかまわず断行するにあたっては、巨大な規模の情報操作がありましたね。テレビしか観ない、あるいは新聞しか情報源がない、馬鹿な日本人を「B層」と呼んでいた、大衆洗脳の立案書まで暴露されていますよね。そうした騙しやすい日本人の7割に「郵政民営化に賛成か? 反対か?」と、わかりやすく、ごくごく単純化したキャンペーンを張って訴えた。テレビ局にも異常に巨額のお金をばらまいたんですね。

  その工作資金として、アメリカは70億円もばらまいたと言われてるんですよ。70億円ばらまいて、郵貯・簡保の3百50兆円を奪えるなら、安い買い物だと。この話は小泉政権の閣僚経験者から、僕は直接、はっきり聞きましたよ。

  小泉の後を引きついだ安倍晋三政権で、農林大臣が次から次へとおかしくなったでしょ。これはたぶん、郵貯の次の狙いとして、農林中央金庫がターゲットにされてるんじやないですか。あそこにはまだ、アメリカが手を付けていないお金がたくさん眠っているから。

  ちょっとでも手強いそぶりの農水大臣が出てくれば、ピンポイントでスキャンダルをほじくり出して追っ払う。松岡利勝農水相は、農林中金をあの連中から守ろうとしたために、自殺させられたんでしょう。

  さらには、農家のお金だけでなく、農業支配、食糧管理まで狙っている。アメリカの企業が作っている種苗や農薬を継続的に買わせようとする。そういうことまで戦略に組み込まれているんじやないですか。こんな重大なことに誰も気づかない、いや知らされていない。

 ヤクザ幹部の衝撃証言、山口組はロックフェラーの下請けだった! 

〔ベン〕 政治家や官僚だけが、アメリカに従属しているわけではありません。ヤクザの世界もまた同じなんです。これは山口組の幹部から直接、確認したんですが、「オレたちはロックフエラーの下請けをやっていたんだよ」と言っていました。まったく同じ話を、アメリカの軍幹部からも確認しました。アメリカは、ヤクザという暴力装置さえもうまく利用していたわけです。マネー・ロンダリングをはじめとして、日米政財界の裏工作をやっているらしいですよ。あと、元公安調査庁の菅沼光弘さんに聞いた話では、稲川会はブッシュ家と密接な関係にあるとか。

  アメリカとの繋がりの発端が、戦後まもなくの山口組発足当時からなのか、近年に限定されることなのかはわからない。ただ、そういうアメリカの“下請け”をやっていたとは聞いている。今度また詳しく取材してみようと思います。

  実際に、日本で多くの要人が怪死したりとか、いろいろあるじやないですか。アメリカの対日工作の一環として、危険な仕事を頼むのには、ああいう裏社会の協力が必要になってくるんですよ。ライブドア事件で自殺したことになっている野口さん(英昭、エイチ・エス証券副社長)の話もそう。僕も沖縄まで取材に行きましたが、地元の記者の間では、下手人は米軍基地に逃げ込んだという噂があるそうです。

  とある裏社会の人物に見せられたんだけど、その人の指輪に小さな針がついていたんですよ。その針を標的と握手したときなんかにチクッと軽く刺すだけで、殺すことが出来るんだと言っていた。1週間後くらいに脳梗塞で死んじゃうそうです。大平正芳、田中角栄、竹下登、橋本龍太郎、小渕恵三、歴代の首相はみんなそうやって殺されたんだって。


(私のコメント)
ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどは国家ぐるみのインサイダー取引をやってきたから連戦連勝で儲けることができるようになっている。ブッシュから小泉に指令が飛んで竹中が動く。小泉内閣では株価を七千円台にまで落としこんで外資がそれを買いまくった。株の上げ下げは外資の思いのままだから、株は外資の思惑で動く。

今回の太田農水相の事務所費スキャンダルも国際金融資本による嫌がらせであり、農林中金の6兆円の資金を取り込むための脅しだ。逆らえば今回のようなスキャンダルをマスコミに暴露されるし、最悪の場合は農林中金の誰かが「自殺」させられる恐れもある。マスコミもヤクザと同じく国際金融資本の仲間なのだ。

山口組が全国制覇できたのもCIAの下請け機関として働いてきたからであり、政治家の暗殺などの汚い仕事は山口組の仕事だ。歴代の首相の不可解な死は針の付いた指輪のせいだろう。松岡農水大臣の「自殺」も首をつらされて十分に死ぬまで警察に知らされなかった。日本の政界はなんとも恐ろしい世界であり、国際金融資本に逆らえば首相と言えども「病死」させられる。

このように見ればロイターの農林中金の記事も、太田農水大臣の事務所費スキャンダルも関連のある出来事だ。なぜマスコミも政治家自身も国際金融資本と山口組の関係を暴露しないのだろうか? 彼ら自身も汚れ仕事をさんざんやってきたから暴露したくても出来ないのだ。

そこで太田龍氏やベンジャミン・フルフォード氏などを使って少しずつ暴露していく。それだけ国際金融資本も支配体制が磐石になったのか、あるいは揺らいできたのかはまだ分かりませんが、インターネットの登場で既存のマスコミだけを手なずければよかった時代は終わったのだ。

公安や検察にも国際金融資本の支配下にあり「自殺」として処理されれば二度と蒸し返されることは無い。金融庁もアメリカの出先機関のようなものであり外資系証券会社に情報は筒抜けだ。これらは合法的なインサイダー取引であり、状況証拠をつなぎ合わせれば金融庁と外資との関係は明らかだ。りそな銀行も外資が買いまくった後で救済策が発表された。

農林中金の6兆円も証券化商品に投資されるようですが、これでポートフォリオは50%にもなるそうです。証券化商品は内容はよく分かりませんが、サブプライム関連の投信は破綻したビジネスモデルであり、6兆円は国際金融資本に贈与されるようなものだ。


農林中金、サブプライム関連損失1869億円計上 5月27日 IZA

農林中央金庫は27日、平成20年3月期決算で、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題を受けた証券化商品の価格下落に伴う関連損失を1869億円計上したと発表した。


農林中金、米シティの資産5千億円分を購入  7月16日 朝日新聞

農林中央金庫は米金融最大手シティグループから、シティの資産をもとに組成した総額約5千億円分の証券化商品を購入した。サブプライム問題で巨額の損失を出し、資本増強と資産の大幅な圧縮を進めるシティの要請に応じた。サブプライムで痛手を負った欧米金融機関が投融資に慎重なのと対照的に、損失が比較的少なかった日本の金融機関の積極姿勢が目立っている。


(私のコメント)
このように政治家ぐるみで政府機関が取り込まれてしまえば、郵貯にしても農林中金にしても運用資金はアメリカに流れて巨額損失で処理されてしまう。政府日銀にしても円高を防ぐと言う名目でドルの買い支えをしましたが、買い貯めたドルは米国債に投資されて永久に売却されることは無い。その分が日本国債の赤字として国民にツケが回されてくる。

それに逆らえば松岡農林大臣のようにCIAや山口組によって始末されてしまうのであり、それを防ごうと思ったら彼らの言いなりになるしかない。マスコミもCIAや山口組などの事件はめったに記事になる事はないし、記事を書いた記者は東京湾にコンクリート詰めになって沈められるか「自殺」で処分される。


読売社員が自宅で変死…後ろ手に手錠、口の中に靴下  [ZAKZAK]

読売社員が自宅で変死…後ろ手に手錠、口の中に靴下
 東京都文京区白山のマンション室内で5日、後ろ手にした両手に手錠をかけ、口の中に靴下が詰まった状態で死んでいるのが見つかった読売新聞の男性社員(36)について、警視庁は6日までの調べで事故との見方を強めている。

 男性は、読売新聞社でインターネットや携帯電話、CS放送など朝夕刊以外の媒体での報道を行うメディア戦略局の管理部社員。編集局政治部の記者も兼務し、総務省を担当していた。

 男性は母親(65)と2人暮らし。母親は3日から旅行に出かけ、5日午後4時20分ごろ帰宅したところ、玄関に倒れている男性を発見。駆けつけた警視庁富坂署員が死亡を確認した。

 男性の粘着テープが張られた口の中には靴下が詰まっており、後ろ手に回した両手には手錠がかかり、左手に手錠の鍵を持っていた。死因は窒息死とみられる。

 調べでは、玄関は施錠され、室内に物色された形跡はなかった。着衣の乱れはなく、遺書なども見つかっていない。死亡当時、室内に男性以外の人物がいた様子はなく、捜査関係者は「男性が1人で何かをしていて、アクシデントが起こった可能性が高い」として、事件性は薄いとの見方を強めている。室内からは手錠などと関連した用具も多数発見されたという。

ZAKZAK 2007/04/06



朝日新聞 敏腕記者が自殺 2006年12月21日 ゲンダイネット

朝日新聞の48歳の論説委員がさる17日に自殺した。海に飛び込んで亡くなったというが、この人、かつて敏腕記者として鳴らした。80年代後半に起きたリクルート事件の発端となった疑惑をつかんだことで、戦後最大級の疑獄事件の実態が明るみになった。日ごろはボサッとした髪に黒縁眼鏡をかけ冴えない感じだが、いずれは朝日名物の天声人語を担当するとも目されていた。そんな人物がなぜに自殺したのか、朝日社内は大揺れだ。


(私のコメント)
日本には外国の工作機関や彼らの手下になっているヤクザ組織を取り締る機関は無い。日本にもスパイ防止法を作ろうと言う法案が出たが、谷垣禎一大臣が潰してしまった。日本の国会や中央官庁は外国の工作機関の巣窟であり、良識ある国会議員や官僚もいるがCIAや山口組のなすがままになっている。太田農林大臣も農林中金の6兆円投資も止められないのはマスコミを始め腐りきっているからだ。




金融資本主義のバブルが崩れたら、米国は本当にやっていける
のだろうか。米国はものづくりをほとんど捨ててしまったといってよい


2008年8月27日 水曜日

NHKクローズアップ現代「グローバルインフレの衝撃」より
【BS2では、8月30日(土)13:30〜14:43に放送する予定です。 】
左より 国谷裕子 水野和夫 榊原英資 の各氏


原油バブル崩壊で経済のパラダイムが変わる 8月25日 森永 卓郎

原油価格暴落で投機マネーの大半は消滅するしかない

 現在のような賃金抑制と物価上昇という現象は、原油市場に投機資金が集まっている限りは続くだろう。だが、前回述べたように、1年以内には必ず原油バブルは崩壊する。それまでの半年から1年は、家計は我慢が必要だという悲観的な見方しかできない。だが、それ以後の日本経済について、わたしは楽観的な見方をしている。

 投機資金が離れれば、原油1バーレル当たり数十ドルから100ドル近い暴落を引き起こす可能性は十分にある。原油1バーレル当たり1ドル上昇すると、日本経済の負担は1500億円増えると言われており、逆に言えば80ドル下落すると14兆円もの負担減がもたらされるわけだ。不況を吹き飛ばすのに十分な負担減と言えよう。

 では、原油や穀物価格が暴落したときに、どういうことが起きるのか。

 投機資金の一部は日本にやってくるだろう。それによって、国内の不動産や株式が買われ、価格が上がることは容易に想像できる。だが、それはごく一部だとわたしは見ている。おそらく、7、8割の資金は消滅してしまうのではないか。というのも、バブルの終焉というのは、投機資金がどこかへ逃げていくという終わり方をしない。いつの世も、マネーが消えて終わりとなり、破産者が続出するのだ。

 だが、今回のバブル終焉は、それだけでは終わらない。もっと、根本的な変化が世界経済にもたらされるような気がするのだ。

 ここ30年ほどの変化を長い目で見てみよう。事の起こりは、1970年代末、英国にサッチャー政権が成立して、金融ビッグバンが行われたことだった。それによって、従来の金融業とは質の違う金融業が登場した。お金を右から左に動かすことによって、人の付加価値を奪い去り(M&Aがその典型)、巨万の富を生み出すというビジネスモデルが生まれたのである。

 そうした金融資本はどんどんと膨張して、アジアの金融危機の際には、通貨当局が保有する外貨準備よりもはるかに大きな投機資金となって現れた。その投機資金がタイや韓国を攻撃して、国家を資金繰り倒産させた。金融資本はそこに乗り込んで、二束三文で不動産屋や株式を買いたたき、その後に値を吊り上げてから高値で売り抜けた。

 その金が1998年以降に日本にやってきて5年間にわたって暴れ回った。そうして日本の資産をごっそりと海外へ持ち出したわけだ。

 そこまでは勝ちが見えているレースだった。しかし、獲物とする国がなくなってしまうと、金融資本は行き場を失って、欧米の不動産投機に走ることになる。だが、そこはゼロサムであり、全員が勝てるとは限らなくなってくる。さらにそこから逃げ出した投機資金が、現在、原油や穀物市場で暴れているのだが、そのバブルがはじけたらどうなるか。

 もう、行き場所がほとんどない。なぜなら、彼らのあまりに巨大になった資金に耐えられるような投機の対象(市場)がもう残っていないのである。最後には、膨張しつづけてきた金融資本は行き場を失って消えるしかないのである。

 それで、何が起きるのか。パラダイムが変わるとわたしは思うのだ。

日本経済の復活と米国経済の長期低迷が訪れる

 ここ20年間、米国経済は圧勝であった。米国とそのやり方の真似をした中国の経済が圧倒的に強い時代であったといってよいだろう。そのためか、金融経済の分野では、米国型の新自由主義を信奉する人がいかに多いことか。

 だが、そこに大きな落とし穴がある。いま圧勝しているからといって、その金融経済が正しいとは限らないのだ。

 日本じゅうがバブルで沸き立っていた1980年代後半を思い出してほしい。当時の米国では、日本的経営が非常にもてはやされていた。なんと、MBA(経営学修士)コースの7割で、日本的経営が教えられていたほどである。なんのことはない、日本がバブルで圧勝していたから、日本的経営がすぐれていると評価されただけなのだ。

 現在、新自由主義者たちが「米国型経営システムがすぐれている」と言うのも、それと同じことである。たまたま、米国や中国がバブルだからに過ぎないのではないか。

 つまり、「儲かっているものはすぐれている」という短絡的な発想なのである。それが根本的に価値あるものならともかく、現時点でたまたま儲かっているから、それを真似すればいいという貧しい発想なのだ。

 1990年代に入ると、日本のバブルが崩壊して、日本経済はずぶずぶと泥沼に沈み込み、その代わりに、米国は日の出の勢いで伸びていった。

 だが、原油の暴落をきっかけにして、その逆が起きるのではないかとわたしは想像している。つまり、日本経済の復活と、米国経済の長期低迷である。わたしは、この主張をあちこちで披露しているのだが、残念ながら誰もまともにとりあってくれない。

 しかし、実際問題として、金融資本主義のバブルが崩れたら、米国は本当にやっていけるのだろうか。米国はものづくりをほとんど捨ててしまったといってよい。テレビなどとうにつくっておらず、工作機械も風前の灯だ。最大の製造業だった自動車産業を見ても、GM(ゼネラル・モーターズ)が20%のリストラをしている状態である。GMの株価は、昨年の秋に40ドル台をつけて以来、一本調子で下がり続け、いまや1桁に落ち込んでいるありさまなのだ。



(私のコメント)
昨日のNHKの「クローズアップ現代」で「グローバルインフレの衝撃」という特番をやっていましたが、投機資本が商品市況にまで流れ込んできたことによる価格の高騰について特集していましたが、アメリカの金融資本主義の断末魔を物語るものだ。

にほんのGDPは約500兆円で個人の金融資産は1500兆円です。あめりかのGDPは1300兆円ですが金融資産の合計は1京3000兆円と10倍に膨らんでしまっている。日本はGDPの3倍の金融資産なのにアメリカが10倍と言うことは7倍分がバブルなのです。

GDPの3倍くらいの金融資産なら金利なども支払っていけるが、10倍ともなると金利を支払ってファンド資金を運用していくことは不可能だ。アメリカの投資ファンドは最後の活路を金や石油などの商品市場に求めましたが、石油のバブルも弾け始めました。グルジアの石油パイプラインも爆破してみても石油先物価格は上がらなくなってしまった。

アメリカの投資ファンドは90年代のITバブルから00年代の住宅バブルで金融資産を膨らませてきましたが、受け皿になる投資先が見つからない。投資ファンドは投資先さえ見つかればなんとか資金を転がしていけるのですが、サブプライムでの損を穴埋めできるだけの投資先が見つからない。金や石油では1京3000兆円の受け皿にはならない。

投資ファンドは1京3000兆円の金融資産の配当利払いを続けられなくなり、アメリカの金融機関の破綻が相次ぐようになった。アメリカの投資ファンドは何倍ものレバレッジをかけて運用しているから、わずかな値下がりでも巨額の損失を生んでしまう。日本のバブル崩壊は1000兆円の資産が消滅しましたがアメリカのバブル崩壊はどれほどの資産消滅をするのか見当もつかない。

森永卓郎氏が書いているように、あまりにも巨額になった投資ファンドの運用資金を受け入れるだけの大きさを持つ投資先はもう無くなってしまった。だからあめりかのGDPの3倍か4倍ぐらいの金融資産にまでマネーは収縮して行く事になるだろう。

米国のGDPは、1ドル100円換算で1300兆円くらいです。金融的な資産の総額が、1京3000兆円(米国の実GDPの10倍)という巨額です。 7月15日 株式日記

「これが、維持不能であることは、誰にもわかる明白なことでしょう。借りた人やファンドが、利払いできるということがないと、金融的な資産の価値はないからです」

日本のバブル崩壊もGDPと金融資産のアンバランスから生じたものであり、超低金利もGDPと金融資産とのバランスか均衡を保つようになるまで続くのかもしれない。しかしアメリカで日本のような超低金利政策が出来るだろうか? FRBはFFレートを2%まで下げましたが、インフレが激しくてこれ以上金利が下げられない。

アメリカの産業構造は製造業を中国などに移転させてしまって、金融と不動産で成り立たせてきた。しかし金融業も不動産業も破綻が生じ始めている。しかしアメリカは資源大国であり農業大国でもあるので底力はあるが、石油などは大戦当時は自給できたが今では6割も輸入しなければやっていけない。

森永氏はこの20年間はアメリカと中国の圧勝であったと述べていますが、米国型の新自由主義経済でなければ競争に負けると日本のエコノミスト達は言ってきた。しかしこのようなアメリカ経済の破綻と中国のバブル崩壊でアメリカと中国は抱き合い心中しようとしている。

榊原氏も新自由主義経済論者でしたが、最近は少し論調を変えてきた。現在のような状況では新自由主義経済バンザイとは言ってられないからだ。日本にとっても石油の高騰や鉄鉱石の高騰は産業界にとっても危機であるのですが、70年代の石油ショックの時のように、いち早く省エネ技術と省資源技術を持ったところが一人勝ちをする時代が来るだろう。即ち日本の時代がやってくると言うことだ。


恐いほど強い「日本経済」 8月27日 中韓を知りすぎた男

日本経済はバブル崩壊以降毎年その実力を貯え、今やアジアや欧米諸国のビジネスマンは恐怖と畏敬の念すら抱いています。

日本の製造業は大企業だけでなく町工場に至るまで自分達の技術がいかに優れているかを知っています。世界の一流ビジネスマンも認めています。

日本の製造業は無敵なのです。

このようなことを言うと、なにを寝ぼけたことを,と一蹴されそうですが、無敵と言ったのは私ではなく台湾企業の友人が言ったのです。

その友人が言うには「日本から機械を導入し、同じ設計図で 同じ仕様書で作っても日本の工場と同じものが出来ない。だから、日本はこの上もなく恐ろしい、無敵だ!」と言ったのです。

日本が元気なく見えるのは、政治家やエコノミストたちの言葉に惑わされているからです。

日本経済に対するメディアの論調は、暗いものばかりです。物事を悲観的に見ることが、日本メディア全体の思考を支配しています。

日本経済はバブルが破裂してからどのくらい縮小したか?実は日本経済は縮小していない、縮小しているように見えるのは不動産と株が下がった為に縮小しているように見えるのです。

バブル崩壊して不景気になったのは銀行や証券会社といった金融関係とバブルで踊った不動産や建築関係です。

その間 日本の製造業は海外に続々と工場を進出させ、世界経済を支える重要な役割を果たしています。

10数年まえ世界は日本の技術力に怯えていました、しかし今や世界は日本と競争する気はなくなりました、勝てないことが分かったからです。

アメリカも作ることを諦めてしまいました。





北朝鮮のような独裁国とは「密室利権外交」に引きずりこまれやすい。
民主国家において、それを阻止するのは国民世論の役割である。


2008年8月26日 火曜日

日朝「密室利権外交」小史(下) 8月25日 伊勢雅臣

■1.「局長、あなたがやっているのは外交ではない」■
平成14(2002)年9月17日、小泉純一郎首相が平壌で金正日と会談し、その結果、10月15日に拉致被害者5人の帰国が実現した。地村夫妻、蓮池夫妻、曽我ひとみさんである。

帰国から10日目の10月24日、5人の処遇についての会議が開かれた。帰国について北朝鮮側と交渉してきた田中均・外務省アジア大洋州局長は、「5人をいったん平壌に戻し、家族を連れて帰国させる」と主張した。

田中は、北朝鮮側と「2週間程度の一時帰国」という了解をしていたようだ。5人の日程には、おみやげの買い物時間も入っていた。「そうした約束はなかった」と田中は後に国会で答弁しているが、言葉通り受け止める人は少なかっただろう。

安倍晋三・官房副長官と中山恭子・内閣参与(現在は拉致問題も担当する特命担当大臣)は、「5人を戻すべきでない」と主張した。一度戻してしまったら、北朝鮮は5人を脅して「平壌で暮らしたい。国交正常化すれば自由に行き来ができます」などと言わせて、「人質」扱いすることは目に見えている。

田中は「日朝間の信頼関係が崩れてしまう」と抵抗した。「日朝間の信頼」とは、田中がこれまで交渉してきたミスターXなる謎の人物との信頼関係である。「交渉相手のXを失います」と続けた。

中山参与は、「それなら、(交渉を)できる人にかわってもらえばいい」と応酬した。そしてさらに厳しい言葉を口にした。

局長、あなたがやっているのは外交ではない。北朝鮮へのお願いだ。外交官なら、お願いをやめて外交をやりなさい。

中山参与は、田中が謎の人物と密室の中で経済援助を手みやげに「お願い」をする「密室利権外交」そのものを否定したのである。

■2.田中とミスターXの相互テスト■
田中がミスターXと初めて会ったのは、平成13(2001)年秋だった。Xは「金正日将軍の指示で、自分が日本との連絡と交渉を担当することになった」と自己紹介した。

名前と肩書きを 伝えたが、絶対に公表しないでほしい、という。さらに「自分は金正日将軍の直接の指示を受けている。将軍に直接報告できる」と語った。

田中はXの力をテストするために、北朝鮮に拘束されている 元日本経済新聞記者の釈放を求めた。Xは「帰すのは可能だが、滞在費を支払って欲しい。数千万円になる」と答えた。翌年2月12日に元記者は釈放された。同時に外務省が機密費から「滞在費」を捻出したとの情報が流れた。

Xもまた田中の力量を試した。朝鮮総連の傘下にある「朝銀」の捜査に関して、総連本部の家宅捜査や最高実力者の逮捕を避けられないか、と聞いた。

逮捕は時間の問題と見られていたが、なぜか行われなかった。家宅捜査も形だけのものになった。Xは平壌の幹部に「彼(田中)はすごい。小泉を動かしている」と語った。

田中はXに日本の官僚の力を説いた。

北朝鮮が日朝正常化交渉で失敗したのは、政治家に頼んだからである。日本では官僚が力を持っている。私のような力のある官僚に頼まないと、日朝正常化の問題は解決しない。

北朝鮮ははじめに金丸信を引き込んで日朝国交正常化を急ぎ、巨額の経済援助で難局を乗り切ろうとして失敗したのだが、今度は私を相手にせよ、と田中は言ったのである。

■3.日朝国交正常化へのそれぞれの思惑■
Xは北朝鮮の秘密警察「国家安全保衛部」に所属しており、日朝正常化交渉を監視し、金正日に直接報告する立場にいた。

当時、党の工作機関「統一戦線部」のファン・チョルと同部の担当書記キム・ヨンスンが対日交渉を担当し、金丸信との密室外交などを展開していたのだが、この2人は日本からの賄賂を横領して私腹を肥やしていた。Xはそれを徹底して洗い出し、2人を失脚させて、自ら名乗りを上げて、対日外交を引き継いだのであった。

ミスターXと田中が接触を始めた頃、金正日書記は困り果てていた。ブッシュ大統領は北朝鮮を「悪の枢軸」と非難し、テロ支援国家への先制攻撃さえ口に出していた。

また2002(平成14)年12月に予定されている韓国大統領選挙では保守派の勝利が間違いないと見られていた。

そうなると、金大中大統領が首脳会談実現のために、金正日に5億ドル(約 550億円)以上の現金を払っていた事実が発覚し、北朝鮮への援助が全面的に打ち切られる恐れがあった。

米国と韓国がダメなら、日本の財布をあてにするしかない。そうした金正日の意向を察して、Xは「必ず1年以内に日本との関係改善を実現させます」と「将軍様」に約束したのである。

一方、小泉政権も田中真紀子外相の更迭で、79パーセントあった支持率が40パーセント台に急落し、危機に直面していた。

外務省も機密費や経費の不正使用などのスキャンダルで、国民の信頼は地に落ちていた。ある外務省高官によれば、「小泉首相と田中アジア大洋州局長らは、一発逆転のホームランを狙った」。

こうして日朝それぞれの思惑が後押しして、田中とXとの間で、国交正常化に向けた密室での打合せが始められたのである。

■4.90億ドルの覚書■
Xは、日朝首脳会談で小泉首相が持参する「お土産」について「確実な証拠」を求めた。北朝鮮の高官筋によると、日朝国交正常化は2003(平成15)年1月1日から、経済協力の金額は「毎年15億ドル6年間」、1兆円ほどにも上るという「覚書」をXは日本側から受け取った。Xはその「覚書」を、小泉首相名にして欲しいと要求したが、それは実現しなかったという。

もう一つ大きな問題があった。拉致問題である。拉致被害者を帰して貰わないと、日本国民は納得しない。しかも本来の外交なら、拉致は国家主権の侵害であり、国際法上は「原状回復」すなわち「拉致被害者全員の帰国」を求めなければならない。

しかし、Xは、拉致の事実と生存者の存在は認めたが、帰国させることはできないとの立場を譲らなかった。そこで「安否情報の確認」という線での妥協が成立した。

こうしてミスターXと田中は「密室利権外交」を通じて「小泉訪朝」という歴史的イベントの筋書きを書き上げた。この頃が2人の得意の絶頂期であった。

■5.アーミテージ国務副長官の怒り■
実は田中が「密室利権外交」で考慮していない側面がもう二つあった。日米関係と北朝鮮の核開発問題である。田中は同盟国アメリカにまったく相談も連絡さえもせずにXとの交渉を進めていた。「事前に(情報が米国に)漏れれば、(米政府によって)つぶれる」と判断していた。

米国側が小泉訪朝を知らされたのは、わずか20日ほど前の8月27日であった。アーミテージ国務副長官が首相官邸を訪れた際に、小泉首相が9月17日に平壌で日朝首脳会談を行う、と伝えたのである。

アーミテージ副長官は親日家で、日米関係が緊張した際にも常に「日本はアメリカにとって、最も大切な国である」と説き続けてくれていた。それなのに、こんな大事な事を事前に相談もなく、今さら通告してくる日本のやり方に、面子を潰された 副長官は怒った。大統領から解任されることも覚悟した。

アーミテージ副長官は米大使館に飛んで帰り、パウエル国務長官に電話して、ブッシュ大統領に事態を報告して貰った。大統領の判断を仰いだ上で、副長官は外務省首脳に明確に伝えた。

核問題が解決しないのに、正常化はしないでほしい。交渉は慎重に進めるべきだ。日米は、同盟国ではないのか。今後は、事前にきちんと連絡して欲しい。

■6.日米同盟を破局から救った小泉首相の変わり身■
田中局長は米国側の怒りに驚いて、急遽説明のためにワシントンに飛んだ。そこで旧知の重村智計氏に「核問題は米国と北朝鮮の問題ではないのか」と語った。

北朝鮮のミサイルは、日本には届くが、アメリカには届かない。北朝鮮の核問題は米国よりもまず日本が心配しなければならない問題である。外務省高官がこんな基礎的な事を知らないはずはない。

とすれば、この人物は、日本国民の生命・安全よりも、自分の業績を優先していたことになる。こんな人物が得体の知れないXと「密室利権外交」を進めていたのである。

小泉首相は、訪朝の5日前の9月12日、国連総会出席を利用して、ブッシュ大統領と会談した。ブッシュ大統領は「日本が経済協力資金を提供したら、それは核開発に回されることになる。北朝鮮が核開発を完全に放棄するまでは、正常化は困る」と厳しい口調で言った。

カンの鋭い小泉首相は、このまま日朝正常化に踏み切ったら、日米同盟が崩壊すると悟った。「核問題が解決しない限り、日朝が国交正常化することはない」と述べた。この変わり身の速さが、日米関係を救った。

■7.「8人死亡」情報の衝撃■
2002(平成14)年9月17日、秋晴れのもと、小泉首相一行は平壌の空港に到着した。午前11時からの首脳会談に先立って、アジア局長どうしの事前会談が行われた。

この席で、5人生存8人死亡の安否情報が書かれた1枚の書類が、日本側に手渡された。これを手にした田中局長は、半ば放心状態であったという。「8人死亡」では国民が納得しない。

北朝鮮側の情報によると、日本側から「生きている拉致被害者を4人から5人程度出せばいい。後は正常化してから段階的に解決すればいい」と言ってきたそうだ。ここから、北朝鮮側は「拉致被害者を全員出さなくとも、国交正常化できる」と判断したという。

もともと拉致問題を認めること自体に、工作機関「統一戦線 部」や秘密警察「国家安全保衛部」は反対していた。そこに「4人から5人程度出せばよい」と言われたので、5人生存とし、残りの8人は死亡と急遽でっち上げて、終わりにしようとしたのである。

だから、1995年に日本赤軍リーダーの田宮高麿が「(拉致された)有本さんらは元気だ」と語っているのに、 1988年に死亡したとしているなど、辻褄の合わない点が少なくなかった。

しかし、田中にとってみれば、「5人生存」は期待していたが、「8人死亡」とまで言ってきたのは、予想外だった。

実は「全員の安否情報」を北朝鮮に要求していたのは、小泉首相だった。首相は、田中−ミスターXとは別のルートを使って、「全員の安否情報が出なければ、小泉内閣は倒れる」と北朝鮮側に要求していたのである。

この頃には、小泉首相は米国とのやりとりなどから、田中に乗せられている危険を感じていたのかも知れない。

■8.密室利権外交を阻止するのは国民世論の役割■
「8人死亡」の情報に日本国民は激昂し、日朝国交正常化どころではなくなった。こうして、田中がXとの「密室利権外交」で練り上げたシナリオは頓挫した。

田中のシナリオ通り進行したら、どうなっていただろう。拉致被害者5人は再び北朝鮮に戻され、秘密警察の脅迫のもとで、「平壌で暮らしたい」などと言わされていたであろう。

1兆円の経済支援で、金正日政権は核開発を加速しただろう。同時に 日米同盟は危機に瀕し、日本は北朝鮮の核の脅威に今以上に曝されることになったはずだ。

そうした事態を防いだのは、「8人死亡」情報に怒った日本国民の世論であった。先に金丸信の密室利権外交が「戦後45年間の謝罪と補償」まで約束して、「土下座外交」と世論の批判を浴びて挫折したのと、同じ構図である。

北朝鮮のような独裁国家との外交においては、一部の政治家や外務官僚が賄賂や外交功績などを餌に一本釣りされて、「密室利権外交」に引きずりこまれやすい。民主国家において、それを阻止するのは国民世論の役割である。

■9.金丸信、田中均の後継者は跡を絶たない■
最近でも自民党の加藤紘一元幹事長が、「当時官房副長官だった安倍晋三前首相を中心に(拉致被害者を)返すべきでないと決めたことが日朝間で拉致問題を打開できない理由だ。返していれば『じゃあまた来てください』と何度も何度も交流していたと思う」と述べた。

発言内容の不当性は拉致被害者の家族会・救う会が抗議声明を出した通りであるが、もう一つ、なぜ今頃、金正日が喜ぶような事を言い出したのか、に注目する必要がある。

加藤は、1995(平成7)年に北朝鮮に50万トン、国内価格にして1千億円ものコメ支援を行った際に、主導役を果たした。当時、加藤の名代として北朝鮮と交渉をしていたのは、元秘書の佐藤三郎であり、佐藤が支援物質の通関業者としての顔も持っていたために、「利権疑惑」を呼んだ。

同時に山崎拓・元自民党副総裁らが中心となって「日朝国交正常化推進議員連盟」を結成して、北朝鮮への制裁解除と対話姿勢への転換を主張し始めた。山崎は朝鮮総連の許宗萬副議長ら幹部と交友があり、朝鮮総連関係者によると「日本の政界の中では数少ないパイプ役」だという。

いずれも、米国のテロ支援国家指定解除を見込んで、金正日将軍様の歓心を買い、「密室利権外交」を再開しようという魂胆であろう。安倍晋三・前首相が「百害あって利権あり」と激しく批判した通りである。

金丸信、田中均の後継者として「密室利権外交」を継承しようとする者は跡を絶たない。



(私のコメント)
当時の外務省の田中均アジア大洋州局長がどのような交渉をしてきたのか伊勢氏のメルマガを読むとよく分かりますが、外務省の一局長が外務大臣や総理大臣を押しのけて密約外交で利権を独り占めしようとしていたようだ。小泉総理もそれに乗りかかろうとしてアメリカに疑いを持たれてしまった。

日本の外交が単独で行なえるような国家でないことは何度も書いていますが、田中均は単独でアメリカに内緒で北朝鮮と国交を回復しようと動いていた。小泉総理がそれに乗ったのは軽率としか言いようがないのですが、9月17日の金正日との交渉で拉致被害者の5人生存8人死亡と言うとんでもない事実が判明して交渉は宙に浮いてしまった。

ここで田中均とミスターXとの日朝合意は白紙に戻ったのですが、白紙に戻させたのは国民世論だ。金正日が拉致そのものを認めたのも驚くべきことですが、8人死亡というのも驚くべきことだ。生きていても死んだことにされたか工作機関に消されたと見るべきなのだろう。

日本の政治権力を誰が動かしているのかよく分からないのが日本の政治であり、田中均によれば金丸のような政治家ではなく外務官僚が日本の外交をコントロールしていると言うことだ。対中国外交も外務大臣ではなくチャイナスクールが外交窓口となり、外務大臣や総理大臣はお膳立てに乗っているだけだ。だから田中均みたいな外務官僚が出てくる。

毒入りギョウザ事件でも外務官僚から内密にといわれると高村外務大臣も福田総理もそれに従ってしまう。政治家に政治的判断能力があればそんなことは不可能だと分かるはずなのに外務省の言いなりになってしまう。だから大臣は事務次官を首には出来ない。首に出来ないから官僚に言いなりになってしまう。

総理大臣にとって官僚よりもっと偉いのはアメリカ政府であり、アメリカ政府を怒らせたら総理の首が飛ぶ。当時の米朝外交はアメリカにとって北朝鮮は悪の枢軸であり、日本が勝手に北朝鮮と国交回復など出来る状況ではなかった。田中均も小泉総理もその事が分からなかったのだろうか? 

たぶん北朝鮮の利権に目が眩んで話が進んだのでしょうが、アーミテージからの電話で小泉総理は田中均が単独でアメリカに内緒で北朝鮮と交渉している事に気がついたのかもしれない。それくらい日本の政治家は間が抜けているのだ。だから日本で拉致被害者が100人以上出ているにもかかわらず気がつかなかった。(ふりをした)

当時のアメリカ政府はネオコン全盛の時であり、日本と北朝鮮との国交回復などとんでもないことだった。それで小泉総理は北朝鮮との国交正常化を断念したのでしょうが、拉致問題が表面化して国民世論は沸騰して国交正常化は吹っ飛んでしまった。もしそれが無ければ田中均の引いた路線を進めてしまったかもしれない。当時の「株式日記」では次のように書いた。


小泉首相の訪朝は補償金のキックバックが目的だ 2002年9月8日 株式日記

今この時期になぜ小泉首相の北朝鮮訪問が決まったのか。やはり小泉首相の独断的行動らしい。周囲に相談していれば当然誰もが止めていたはずだ。これは派閥次元の問題も絡まっている。中川ー森ラインによる北朝鮮利権をめぐる、橋本派との主導権争いがある。中川元官房長官が北朝鮮の工作員に接触しパイプが出来上がり、森前総理が話を進めた。金正日の狙いはアメリカへの牽制と5兆円とも言われる森首相との補償金の約束の履行である。

もし5兆円の補償金が北朝鮮に支払われれば、森派は仲介手数料として5%と計算して2500億円の巨額の資金が森派の懐に転がり込む。これなら森氏でなくとも目がくらんでしまうだろう。韓国利権や台湾利権はなくなった。中国利権もODAの縮小でなくなりつつある。となると今後大きく金が動きそうなのが北朝鮮だ。だから自民党の各派閥は北朝鮮利権の獲得に血眼だ。

その補償金のキックバックに目がくらみ、不審船や11名の拉致問題は形だけの声明で終わり、経済援助の名目の補償金の話だけが成立するだろう。金正日の国交正常化の餌に小泉首相は飛びついた。アメリカのブッシュ大統領にとっては足を引っ張られる余計な行為だ。アメリカの白けた対応と、新たな不審船騒ぎでアメリカは日本を牽制している。

「拉致」問題を放置してきたチャイナスクールは追放される 2002年9月18日 株式日記

16日の日記で、「北朝鮮も今回の会談で意外な譲歩をするかもしれない」と書きましたが、全面的な譲歩を金正日はしてきた。北朝鮮は中国、ロシアに見捨てられた以上、もはや切るべきカードはない。周りを見回して見たら北朝鮮を救える国は日本しかなく、日本に見放されれば北朝鮮は崩壊するしかない。だからこそ金正日は拉致や不審船などの国家ぐるみの犯罪を事実上認めた。(国内的には認めていないが)

小泉首相はその為にはチャイナスクールの追放をしなければならない。このまま国交回復が進めばチャイナスクールの計画どうりになるからだ。親北朝鮮派の政治家には北朝鮮利権が転がり込む。自民党内には親中派と親米派の熾烈な権力闘争が行われている。それらが対テロ戦争の対応にも現れている。本来ならば日朝国交回復交渉は親中派の主導で行われるはずだった。

しかしブッシュの悪の枢軸発言で北朝鮮の金正日は震え上がり、親米派の小泉首相に接近してきた。親中派の自民党議員ではアメリカのブッシュに顔が利かないからである。親中派の議員は中国からも見捨てられ、北朝鮮からも見捨てられた。小泉首相はチャイナスクールを処分することにより、親米路線を確かなものとしなければならない。アメリカの一極支配体制は日本の政局にも影響を及ぼしている。

アメリカは北朝鮮をどのようにしようとしているのか。悪の枢軸と指名した以上、アメリカの傀儡政権を作ろうとするのではないか。あるいは金正日体制はそのままにしてコントロールするかもしれない。発電所、鉄道、道路などのインフラ整備が求められている。ベクテルなどのアメリカ企業が受注し、資金と施工は日本が行う。そうすれば北朝鮮の失業も解決し国家の崩壊は免れる。どちらにしろ親中派の政治家とチャイナスクールの官僚は追放されなければならない。そうしなければアメリカ政府は許さないだろう。


(私のコメント)
北朝鮮は中国にもロシアにも見捨てられた国家だ。見捨てられたから核に頼らざるを得ない。そして日本とアメリカとの天秤外交を始めた。建国以来北朝鮮はロシアと中国との援助を引き出して生きてきた。しかし冷戦の崩壊で北朝鮮は利用価値がなくなって中国ロシアに見捨てられた。

アメリカにも悪の枢軸と名指しされて日本しか頼る国は無くなった。そこで金正日はミスターXに命じて田中均に接近して利権を餌に国交回復を持ちかけた。日本には利権をちらつかせれば引っかかる政治家や官僚は沢山いる。古くは金丸、野中であり、最近では山崎や加藤がそうだ。

小泉総理にも田中均を通じて工作活動は成功したかに見えた。それがダメになったのは拉致問題で金正日が認めて既に8名が死んだということだ。8名の死亡は衝撃的であり、これで国交回復は吹っ飛んでしまった。いまだに8名の再調査は行なわれず生死は不明だ。

金正日は日本がダメとなるとアメリカに核開発を餌にアメリカに接近して、アメリカの田中均といわれるヒル国務次官補に接近した。02年と今と状況は正反対となりアメリカが国交回復に動き始めた。利権をちらつかせれば田中均やヒルは簡単に引っかかった。北朝鮮の罠に引っかかれば小泉内閣も吹っ飛んだことだろうし、ブッシュ政権も命取りだ。




捕球直後にミットを少しでもずらせば、ほとんどボールにとられるのも、
アマの国際試合では常識だ。審判にクレームをつけるのは下の下だ。


2008年8月25日 月曜日

五輪・抗議する星野監督
野球のキューバ戦の9回、里崎の三振の判定に抗議する星野監督。
日本は2―4で敗れた(13日、北京)(時事通信社)
国際試合では、審判にクレームをつけるのは下の下だ。


遠い五輪野球の金メダル(その1) 8月24日 谷沢健一

NPBから全選手を選抜して編成した星野ジャパンこと五輪野球代表チームの試合は終わった。開戦前は「闘将名将、星野」とか「最高最善のメンバー」とか賛辞と期待一色だったファンの声も、今日からは手のひらを返して、批判の嵐が吹きすさぶだろう。

 8月13日から始まった予選リーグの初戦はキューバ。ベンチの映像を見ていると、スタッフも選手も重圧にがんじがらめだと感じざるをえなかった。「メダルは一番いい色(金メダル)しかいらない」という類の星野発言に示されるように、おそらく、指揮官の一挙一動が陰に陽に緊張過剰の心身の膠着を、全員に生みだしてしまうという素地があったにちがいない。

 とにかく、初戦から決勝リーグまで心身ともに相手を圧倒できるだけの力と結束を維持できたのか。強い興奮が100%以上の力を発揮させることもあり、その時の充実感は競技スポーツの経験者なら誰でも知っている。同時に、チームが普段とあまりにも異質な空間になると、心と体のバランスを失うことも多い。それが、テレビ観戦をしている私にも伝わってきた。

 韓国、キューバ、米国にしても同じ強い緊張現象が起きていた。兵役免除のかかっている(軍役の知らない私たちにはピンと来ない)韓国、帰国後の経済的処遇に天地の差が生じる(貧富差を知らない私たちにはピンと来ない)キューバ、メジャー昇格やドラフトのかかっている(私たちにも少しはわかる)米国は、緊張の質が異なる。一人一人が明日から人生が変わるのである。結果として、かかっているものの重さの順がメダルの順位になった。

 一方、日本にかかっているのは初の金メダルという名誉である。その名誉は、自分が金メダルチームの一員になるというワン・オブ・ゼムの名誉にすぎない。人生が変わるとしたら、星野監督であり、金メダル獲得によって、WBC代表監督就任が確実になり、長嶋ジャパン(五輪)と王ジャパン(WBC)両方の後継者としての地位が確立する。この温度差は大きい。


遠い五輪野球の金メダル(その2) 8月24日 谷沢健一

この文章を記している最中に、韓国の優勝が決まった。土壇場で、1点リードの韓国はストライクゾーンにクレームをつけた捕手が退場宣告を受け、一死満塁の大ピンチ。それを見事に凌いで悲願の金メダルを獲得した。

 アマチュアの五輪経験者たちが口を揃えて言うのは、「アマの試合はもちろんだが、とくに国際試合では、審判にクレームをつけるのは下の下だ。プロの感覚で審判に文句を言ったら、試合後の審判たちのミーティングで槍玉に挙げられるだろう」ということだ。韓国もそれを知っていたろうが、最終試合で堪忍袋の緒を切ってしまった。

 日本は、監督自らがずいぶん早く緒を切ってしまい、危うく退場になりかけた。審判に不信感を与えたことも敗因の一つだろう。また、捕球直後にミットを少しでもずらせば、ほとんどボールにとられるのも、アマの国際試合では常識だ。五輪強化費を使って「世界中からデータを集めた」と豪語したのだから、阿部・里崎・矢野の捕手陣に審判対策が伝授されていただろうが、捕手たちは実行していただろうか。ストライクゾーンに文句をつける前に(プロ意識丸出しでアマを見下す前に)、郷に入って郷に従っていただろうか。(じつは、これは私自身の自戒でもある。)

 それにしても、監督にすべてを負わせすぎではないか。○○ジャパンなどと表現される事態がおかしいのである。最高の権限をもつ組織のトップと、現場で総指揮を執るチームのトップとの間に、それなりの緊張感がなければ、必ず偏向と堕落が生じる。当人にそのつもりがまったくなくても生じるのは、歴史が教えている。

 そもそもJOC(日本オリンピック委員会)に加盟しているのは、BJF(全日本アマチュア野球連盟)である。これは、便宜上創設されたもので、実質的には、JABA(日本野球連盟)とJCBA(日本学生野球協会)である。これまでは、BJFが五輪代表監督を選んできた。永くアマ野球を支えた長船JCBA事務局長が、長嶋ジャパンを生みだし、星野ジャパンにつなげて昨年亡くなった。その直前に雑談する機会があったとき、私に「金メダルをとる最後のチャンスだから、五輪チームをアマからプロへ渡したのだ」と悔しさと期待とが入り交じった微妙な表情で語った。今回の結果を長船さんはどう天国で見守っていたか。五輪野球にプロを加えること自体、問題ではなかったのか。

 8月15日の朝日新聞で、作家の重松清氏が書いている。「星野ジャパンには、もちろんメダルを期待したい。でも、それ以上に「野球の魅力を世界の子どもたちに伝える」という大きな使命があるんじゃないか。(中略)グラウンドを見てごらん。野球っていうスポーツ、面白いだろう?」

 日本の子どもたち、世界の子どもたちに野球の面白さ・楽しさを伝えることを怠っている限りは、再び五輪で野球を見ることはないだろう。そして、ついに野球は世界スポーツにはならないだろう。21世紀の野球人(責任ある立場の野球人)を名乗る資格のあるのは、それを知っている者ではないだろうか。


星野監督が帰国…WBC監督要請に前向き 8月25日 サンケイスポーツ

会見10時間前の北京。指揮官は、批判を覚悟の上で、今後について語っていた。日本プロ野球組織(NPB)から、一本化には至っていないが水面下の打診を受けている、WBC監督問題についてだった。

 「おれが決めることじゃない。最終的にはおれが決めることやけれど…。今はそこまでは考えていない」。星野には任せられない。そう言われればそれまで。しかし、自らは負けたままで、終わるつもりはなかった。「常にチャレンジで来た60何年だった。次の目標? 失敗してもチャレンジするのが、おれの人生。そうやってきたんや」。WBCに限定してのコメントではないが、自らの意志はキッパリと主張していた。

 当然、激しい反発も覚悟している。たたかれて、責められて、そこでやめるのは簡単なことだが、自らの生き方に反する。「失敗してたたかれたら、もう夢を言わない、語らない、チャレンジしないでは、誰も夢を語らなくなる」と、言葉に力を込めた。

 すでに、松井秀(ヤンキース)の契約上の問題や、左ひざの状態などを親しい関係者に調査するなど、次に向けたアクションにも出ている。

 「もっといい会見であればよかったですが」

 静かに“ざんげ会見”を締めた指揮官。必ずもう一度、立ち上がる。どんな逆風の中でも、闘将であり続ける。



(私のコメント)
谷沢健一氏は元中日ドラゴンズの主軸打者でしたが星野新監督と衝突して引退した選手です。野球界は広いようで狭い世界だから仲間内の批判はなかなか出てきませんが、星野監督は現役時代からスタープレーヤーだったし、監督としても中日と阪神を優勝させて監督としてもスターであり続けた。

NHKの野球解説者としても人気は高く、星野監督以外に北京オリンピックの監督は適材はいなかった。長島監督が引退した後は星野氏が王監督と並ぶ球界の柱として背負って立つ存在でもあった。もし北京オリンピックで金メダルを獲得してWBCの大会にも監督として選ばれることは既定路線なのだろう。

しかしキューバやアメリカや韓国など強いチームと対戦してみると監督としての力量に疑問が持たれるようになってしまった。振り返ってみればコーチの人選も選手の人選も最適であったとは思えない。ほとんどが数億円の年俸を貰うスタープレーヤーを揃えたのですが怪我や不調の選手を集めて疑問が持たれる。

このような事は先日も書いたのですが、谷沢健一氏の指摘を読んでみると確かにその通りだ。プロ野球選手がアマの国際試合に出るのだからその違いを十分認識しておくべきだった。ストライクゾーンの違いはテレビ中継のアナや解説者も言っていましたが、アマチュア野球ではキャッチャーの受けた後のズラシはアンパイヤへの欺瞞行為になりストライクでもボールと判定されるそうだ。

プロ野球では当たり前の行為なのですが、キャッチャーにそのことを十分に認識させていたのだろうか。確かにテレビで見ても同じ所に投げたのにアンパイヤはストライクだったりボールだったり不可解な判定が多かった。ダルビッシュ投手などはそれで調子を狂わせて打たれてしまった。キャッチャーもいつもの癖が出たのだろう。

さらに審判に抗議するのもアマチュアスポーツには厳禁であり、例え審判の能力が低くて間違った判定でも抗議は厳禁だ。ところが星野監督はいつもの癖で罰金を食らうような抗議をしてしまった。キューバや韓国やアメリカに全敗したのもその辺のデータ分析がしていないか、守られていなかった為だ。しかしテレビ中継の解説ではその事は解説されなかった。解説者もプロ野球しか知らないからだ。

コーチや選手起用なども現役時代の仲間を集めたり、重用したりして墓穴を掘ってしまいましたが、現役監督時代の選手との摩擦も多く数多くの選手を放出して、投手を酷使して多くの投手を潰してしまった。確かに優勝もしているから無能な監督ではないが全日本のチームを纏められる監督でもない。

谷沢健一氏が指摘しているように、マスコミも星野監督への過大評価も行き過ぎだ。確かにスター性やカリスマ性があるから星野ジャパンで書きたててればスポーツ新聞も売れるだろう。星野監督は芸能界や政界や財界にも人脈が多くその点では球界NO1だろう。だから政治力でWBCの監督にも選ばれるかもしれない。

しかし星野監督では短期決戦の指揮は無理であり能力は直ぐには変えられない。野村監督が言っていたが現役の監督でないと選手の掌握は難しい。実力に差があれば勝てるのだろうが、実力が拮抗していると監督の采配の差が出てしまう。アメリカには二敗したがマイナーリーグの選手を率いたジョンソン監督の方が上手だった。


野村監督&王監督がメダル逸憂い“座談会” 8月25日 サンケイスポーツ

「残念でしたね。まあ仕方ない。ああいう戦いは本当に難しい」。06年WBCの監督を務め、国際舞台の厳しさを知っている王監督はしみじみ。一方の野村監督も、「難しいな。チーム編成も、普段から接していない選手だと気心が知れない」と深くうなずいた。

 両監督の共通する感想は打線の不振。野村監督は、「主軸さえ決まればあとはすんなりいくんだけどな。やっぱり左の大砲が1人くらいほしかった」と迫力不足を不振の原因に挙げた。メンバー発表後から、松中(ソフトバンク)が選ばれなかったことに疑問を感じており、この日は松中本人に「なんで五輪に行かなかったんだ?」と問いかける場面もあった。


(私のコメント)
結局は長島ジャパンも星野ジャパンもスポンサーがそのほうが付き易いからマスコミは命名するのだろう。結局は金の世界だから監督としての実力が無くても人気があれば監督になれる世界だ。しかし選手よりも監督の方がスターであると言うのはおかしくないだろうか? それでは選手のほうが反発してやる気が出ないだろう。

名監督を育てるにはプロ野球チームをもっと増やしてチャンスを与えることが大切だろう。監督として有能かどうかはやらしてみないと分からない。有名スター選手が名監督になれれば一番いいが例外的だ。大リーグのように32チームもあれば意外な人材も名監督としてなれるチャンスがある。日本には12チームしかないから野球監督の人材不足が起きるのだ。




いかに金融機関の貸し渋り、貸し剥がしが異常か、金融庁の政策が
きちんと正されない限り第二、第三のアーバンが9月にかけて続く


2008年8月24日 日曜日

不動産不況突入へ…メガバンク貸し渋りが誘発!? ZAKZAK 2008/07/08

不動産業界にバブル崩壊の足音がヒタヒタと近づいている。先行きを不安視したメガバンクは不動産業界向け融資を減らす傾向にあり、業界からは「資金が回らず、このままでは経済活動がストップしてしまう」(関係者)との悲鳴が聞こえてくる。金融庁も貸し渋りをしないよう“口頭注意”はするものの、実効性はなし。このままでは業界は一気に冷え込み、不動産不況に突入することになる。

 「銀行に融資をお願いしても、『融資より先にマンションの在庫を整理しろ』といわれます。原材料費の高騰などで物件価格が上昇し、在庫が増えているのは事実ですが、これだけ資金を回してもらえないと、こちらの経済活動が止まってしまう」

 大手不動産会社の幹部はこうボヤいたうえで、「銀行の不動産向け融資に対する厳しさは(バブル崩壊のきっかけとなった)総量規制以上」と指摘する。

 総量規制とは、1993年に大蔵省(現・財務省)が行った行政指導のこと。金融機関に対し、不動産向け融資の伸び率を貸し出し全体の伸び率以下に抑えるよう求めた。不動産価格の異常な上昇を沈静化させるのが目的だったが、急に資金の“蛇口”を閉めたため不動産価格が暴落し、バブル経済は崩壊。その後、日本経済は「失われた10年」と呼ばれる長期低迷期へと突入していった。

「資金がなければ土地は買えないし、建つべき物も建たない。状況が長引けば中小はおろか、われわれのような大手の経営も危うくなる」と大手不動産幹部は怒りをにじませる。

 大手金融グループの決算短信をみると、確かに不動産業界向け融資は減少傾向にある。

 不動産業界向け融資の減少額がもっとも大きかったのは三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)。三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行(含む信託勘定)の2行合算で、2007年3月末に約9兆2237億円あったものが、1年後の08年3月末には約8兆9685億円と約2552億円も減っている。

 みずほFGも、みずほコーポレート銀行とみずほ銀行、みずほ信託銀行(含む信託勘定)の3行合算で、08年3月末の融資額が約2038億円減の約6兆5080億円。三井住友FGも三井住友銀行単体で、約582億円減の約6兆3110億円となっている。

 3大金融グループはわずか1年間で計5000億円強も不動産業界向け融資を減らしたことになる。背景には何があるのか。帝国データバンク情報部の中森貴和課長はこう解説する。

 「3〜4年前から、外資による都心の土地の買いあさりや、不動産関連ベンチャーの相次ぐ上場などもあり、東京を中心に不動産バブルが発生しました。金融機関が積極的に融資を拡大したことも背景にあるのですが、こうしたバブルを不安視した金融庁が、金融機関に融資の行き過ぎを抑えるように動いたのが原因です。加えて、警察庁が反社会的勢力と関係のある不動産企業に目を光らせ、金融機関が融資に神経質になったことも影響しました」

 金融界では、事件が噴出するおそれがある不動産会社3社をそれぞれの社名の頭文字をとって「USA」と呼んでいる。このうち、「S」は中堅のマンション分譲会社、スルガコーポレーション(民事再生法適用を申請)で、同社が立ち退き交渉を依頼した会社の社長らが弁護士法違反(非弁行為)で逮捕された。

 そうした状況のなか、追い打ちをかけたのが米サブプライム住宅ローン焦げ付き問題だった。

 「サブプライム問題のせいで、外資が日本から一斉に資金を引き揚げた。金融機関はますます融資姿勢を硬化させ、不動産業界には資金が回らなくなる。これが不動産業界の現状です」(中森氏)

 経営破綻する不動産会社も相次いでおり、帝国データバンクがまとめた5月の全国倒産件数は前年同月比2.2%減の994件だったにもかかわらず、不動産関連を含めた建設業の倒産は271件で同13.4%も増えている。

 6月には、スルガコーポレーション(負債総額620億円)が民事再生法適用を、同業のケイ・エス・シー(同100億円)も自己破産を申請した。

 「ただ最近、永田町では金融機関に対して『やりすぎだ。貸し出せ』との声が高まっています。指導されたところもあるはず」(中森氏)。市場では、金融庁が三菱UFJを呼び、融資姿勢について話し合いの場を持ったとの話も伝わっている。

 今後について、先の中森氏は「さすがに十数年前のバブル崩壊のようなドン底にはならないでしょう」とみているが、それでも不動産業界が活気を取り戻すまでにはしばらく時間がかかりそうだ。

不動産不況突入へ 7月10日 九段下で働く社長ブログ

最近の不動産不況について少し言及したいな・・・なんて思ってました。
少なからず不満を持っている一人ですので。

そもそも不動産融資の規制(オフィシャルには規制はされていないことになってますが)は、昨年夏のサブプライムローン問題の表面化に端を発しています。
サブプライムローン自体はアメリカの低所得者向け住宅ローンなので、日本の不動産開発や投資とは直接的な関係は希薄です。しかしこのローン債権を持っている投資家や金融機関が大打撃を受けました。それにより従来のような海外マネーの日本不動産への投資が減少すると予測されました。つまり不動産市場を買い支えていたプレイヤーが退場すると考えられたわけです。
しかし、であればマーケットの急激な冷え込みによる経済混乱を避ける為には政策的な融資促進がなされるべきだったのではないでしょうか。80年代バブル時代と現在の不動産価格では、その価格形成根拠が根本的に異質である事は誰が見ても明らかなはずです。
にもかかわらず、金融庁はこれを好機とばかりに、過剰高騰した(と彼らは決めつけました。でも過剰な高騰の定義って何でしょうか?)不動産価格を鎮静化する事を目論み金融機関に蛇口を閉めさせました。
これが少々乱暴ですが現在の状況です。

しかし思えばタイミングが色々悪すぎました。
姉歯・ヒューザーをはじめとした構造偽装問題による建築確認の停滞、上記サブプライム問題、金融商品取引法の施行、原油高に端を発する建築コスト上昇etc・・・・・不動産を取り巻く環境は現在ネガティブサプライズばかりが続いたように感じます。今年に入ってからの不動産・建築系企業倒産はまだまだ続くでしょう。

現在グローバルマネーはコモディティに流れているわけですが、商品市場の高騰は日本にスタグフレーションを招く一方です。ガソリンをはじめとした、個人消費者向け商品の価格はどんどん上がる一方で、コモディティ生産国ではない日本の資産価値は一向に上がりません。円も当然下落するでしょう。そしてそれがますますの個人消費の低下を招きます。では現在の商品市場の暴騰の主犯は誰なのでしょうか?それはヘッジファンドマネージャーなのかもしれませんが、そもそも彼らにそういう舵を切らせた日本国政の責任も大きいと思います。

現在の不動産価格は本当に暴騰というべき価格なのでしょうか?
現在の不動産投資は、他の投資商品等に比べて不当にリスクプレミアムが低いのでしょか?
日本の国情からして賃料マーケットが短期間で激変するリスクは高いのでしょうか?
私はそんな事は無いと考えますし、そうである以上不動産投資活動を国策的に抑制する今の状況は、上記のような弊害を招く一旦になるだけだと考えます。


アーバンコーポレイションが倒産 大谷義 日時: 2008年08月14日

昨日付けでアーバンコーポレイションが民事再生を申請しました。負債総額2500億円以上の規模は今年最大のものです。不動産業界では、先日のゼファーに続きまたまた大型倒産となります。

今回の倒産も典型的な資金繰りにともなう倒産で、直近の決算では600億円以上の経常利益を出している(数字だけを見れば)「超優良企業」です。*業務内容についてはいろいろ噂もあり、私自身はわかりません。

その会社がわずか数ヶ月の市況の変化に耐えられず倒産してしまうという状況。いかに金融機関の貸し渋り、貸し剥がしが異常かということを物語っています。社長自身の株式は担保に提供させられていて、すでに担保実行されて売却もされているとのこと。

面識のない方ですが、お気持ちを察するに余りあるところです。当ブログでも再三書いている通り、金融庁の政策がきちんと正されない限り、企業倒産連鎖が続くのは目に見えています。

第二、第三のアーバンコーポレイションが9月にかけて続くと思われます。不動産会社の在庫がさばけず、手形貸し付けの返済期限が迫っており、かと言って借り換えもできないという状況です。

ひとえに金融の問題に尽きます。国民経済の回復が最優先のこの時期、何より大事なのは市場にお金を回すことです。こんな簡単なことは、経済学の常識なのですが。。。



(私のコメント)
フジテレビの「報道2001」でもやっていましたが、金融庁の窓口指導によってマンション業者の倒産が激増しています。窓口指導と言うのは口頭による行政指導のことですが、証拠が残らないから行政当局の責任は問われない。おそらくバブルの発生も崩壊もこの窓口指導によるものだろう。

確かに数年前から外資が日本の不動産市場に目をつけて物件を買いあさっていました。だからめぼしい物件は次々と買いあさられて不動産価格は急騰した。外資から見れば東京などの不動産価格は安くなり、絶好の投資対象になったのでしょう。だからミニバブルとも言うような状況になった。

昔の護送船団方式の金融行政の頃とは違って、中央官庁が銀行の経営に口出しをするという事は少なくなったのでしょうが、銀行もリスクに敏感になって直ぐに貸し渋りをするようになった。メガバンク三行の合計でも5000億円も不動産関係への融資を減らしている。住宅ローンの申し込みをしても融資は厳しくなったようだ。

最近のミニバブルは外国の投資ファンドからの投資によるものであり、国内の銀行の融資を規制しても収まるものではない。逆に貸し渋りでアーバンコーポレーションを始め不動産関連会社の倒産が4−7月期だけでも208社も倒産してしまった。アーバンコーポレーションも600億の経常利益を出した会社が黒字倒産しました。

それだけ不動産の在庫を抱え込んで売れ行きが急激に止まってしまって資金がショートしてしまったと言うことなのでしょう。資金繰りが付かなくなったマンション業者はマンションを値下げして売りに出していますが、銀行が住宅ローンを引き締めてしまったために在庫がさばけない。

これは明らかに金融当局の失政であり、竹中金融大臣の頃行なった銀行の不良債権の厳格査定が影響している。だから銀行は融資をしたくても融資が出来なくなり、中小のマンション業者の集団倒産が発生してしまった。外国の投資ファンドがサブプライムの影響で急激に資金を引き揚げてしまったからですが、外国の投資ファンドこそ規制をかけて勝手なまねをさせないことがバブルの発生を食い止める。

竹中元金融大臣は外国からの投資を呼び込めとよく言いますが、確かに投資が入ってくる時はいいが、ある時点で一斉に引き揚げてしまうことがある。最近ではそれがバブルの崩壊の原因になる。国際金融資本は特定の国に集中投資をしたり引き揚げたりして経済を揺さぶっている。意図的ではないのかもしれないが韓国などを見ても投資の出入りでウォンが急上昇したり急降下したりしている。

韓国はIMFの管理下に入って主要産業は外資に乗っ取られてしまいましたが、投資ファンドにかき回されて経済状況は破綻寸前だ。外国からの投資は短期のものは規制すべきものであり長期のものだけを受け入れるような規制が必要だと思う。短期の投資まで受け入れたら国の経済が引っ掻き回されてしまう。

マンションも一時は売り惜しみが言われるくらい売れ行きが好調な時がありましたが、郊外マンションにまで手を出し始めて、それが売れなくなって過剰在庫を抱えるようになった。それを値引き販売するようになると買い手のほうがもっと下がるのではないかと待つことになりマンション不況を酷くしてしまう。

私自身は分譲マンションは規制すべきであり、賃貸マンションのみ認めるべきではないかと思う。分譲マンションだとヒューザーのような欠陥マンションを格安で販売して売り逃げしてしまう。さらに分譲マンションだと管理が住民任せになるから管理がずさんになりメンテナンスも十分でなくて30年で建て直すようなマンションになりやすい。

賃貸マンションなら管理が不十分なら入居者も入らなくなるから管理に手を抜くことは出来ないし、オーナーの一元管理だから立て直すことも可能だ。ところが分譲マンションだと住民の考えがバラバラだから管理が難しい。時にはヤクザが入り込んでトラブルを起こす。だからマンション業者は別のヤクザを雇って問題を解決したりするからヤクザと関係が出来やすい。

ヤクザと言えばハゲタカファンドも国際金融ヤクザ見たいなものであり、金のあるところにはヤクザと外資が顔を出す。アーバンコーポレーションもヤクザとの関係を銀行に疑われて潰されたのでしょう。仕方なく外資で資金調達しようとしたら裏契約で株価が上がらないとどうにもならないものだったらしい。しかし外資は株を空売りしてアーバンを潰して在庫の資産をごっそりと格安で手に入れるつもりのようだ。ヤクザよりもやり口が悪どい。


東証1部「アーバンコーポレイション」、CB300億円に絡んでBNPパリバ側は「空売り」を仕掛けていた 8月5日 東京アウトローズ

その裏≠フ一端が見えてきたのは、BNPパリバ証券東京支店が関東財務局に大量保有報告書(=冒頭写真)などを提出し始めた7月18日以降からである。まず、その大量保有報告書(報告義務発生日7月11日)を見ると、以下の点が明らかになった。
(1)割当先BNPパリバS.A.は、関連会社BNPパリバ・アービトラージ(平成14年設立)との間で、CB権利行使の株式総数8720万9302株に関して「デリバティブ契約(株券引渡し契約)」を締結していた。
(2)この関連会社アービトラージは、国内外の機関投資家から事前に301万4654株を借入していた。さらに、「60日間の取得・処分状況」(=冒頭写真)を見ると、アーバン株が600円台だった5月には、すでに空売りをかけていたと思われる。また、BNPパリバ東京支店も165万5246株を借入し、同様に5月から空売りを仕掛けていた。
(3)つまり、パリバ側のこうした空売りの「戻し玉」に、今回のCB権利行使株の一部を使った可能性が高い、ということである。



(私のコメント)
つまり外資から金を借りる時には財務状況を徹底的に調べられて、おいしいカモなら金を貸す契約をしてCBを発行させて金を貸す。一時有名になったMSCBも外資がよく扱うものですがそれでカモをただ同然で乗っ取ってしまう。資産は十分にあって経常収支も600億の黒字なのだから潰して乗っ取ってしまえば、、これほどおいしいカモはない。

このような時に金融庁は銀行に貸し渋りをさせてカモを追い詰めていく。「株式日記」でも何度も書いて来ましたが、ヤクザと外資と金融庁は裏では繋がっていて、バブルを潰してカモを料理していく。それで日本の多くのゴルフ場は外資が買い占めてしまいましたが、景気がよくなればゴルフ場会員権ほどぼろい商売はない。マンションも外資に安く買い占められて転売されて利益を手にしていく。不動産取引にはいろいろと裏があるから分からないが外資から金を借りる時は気をつけたほうがいい。




ネットでは星野監督と推定合計年俸約46億円のスター軍団に対する
批判の声が多数挙がっている。WBCでは星野監督では勝てない!


2008年8月23日 土曜日

星野ジャパン惨敗 人選と采配に関しネットで非難轟々 8月22日 アメーバニュース

北京オリンピック野球準決勝で、日本代表は2-6で韓国に敗退。ネットでは星野監督と推定合計年俸約46億円のスター軍団に対する批判の声が多数挙がっている。元々は「金(メダル)しかいらない」と強気の発言をしていた同監督だが、準決勝を含む8試合で4勝4敗と惨憺たる結果となった。

 今回の星野監督に対する批判は大きく分けて「人選」と「采配」だ。「人選」に関して言えば、まずは絶不調の上原(巨人)をメンバーに入れたことが大きい。他にもケガをしていたり体調不良だった川ア(ソフトバンク)西岡(千葉ロッテ)、村田(横浜)を選んだこと、三塁手が不足しているにもかかわらず、小笠原(巨人)や中村(中日)を入れなかったことだ。

 また、公式戦絶好調の岩隈(楽天)と内川(横浜)が入っていないこと、公式戦で8本しかホームランを打っていない新井(阪神)が4番を任されている点についてもネットの各所で不思議がられていた。このメンバーについて「各チームの2番打者と6番打者を集めた」などと揶揄されている。

 采配については、韓国との予選でコントロールの定まらなくなった和田(ソフトバンク)を続投させ、同点ホームランを打たれたことがまず大きかった。準決勝の韓国戦でも大会2敗で防御率10点台と絶不調の岩瀬(中日)を8回の大事な場面で登場させ、イ・スンヨプ(巨人)から2ラン本塁打を浴びる結果となったことや、バントが多過ぎる点、盗塁をしない点なども批判の対象となっている。

 終わったら後がない試合であるにもかかわらず、エースのダルビッシュ(北海道日本ハム)を出し惜しみしたことなども含め、現在ブログを含め、ネットのかなり多くの場所で代表チームへの批判が寄せられているようだ。


8月22日 伊藤洋一 デイバイデイ

(15:05)オリンピック準決勝の日韓戦。同点(2−2)で8回の裏を迎えた時です。岩瀬が告げられたことに本当に驚愕しました。私は直ちにケイタイを取って北京にいる永谷さん(スポーツ評論家)に

 「どうして岩瀬なんですか」

 と聞いてしまいました。だってそうじゃないですか。岩瀬はその前の2回の登板で本当に調子が悪かった。登板するたびに点を取られていた。

 解説をしていた与田さんは解説者らしく、アメリカとのタイブレークは日本としても初めてだったので岩瀬のせいにするのはちょっと違うのではと星野さんが考えたのではないかなど、弁護に近いことを言っていた。

 しかしあの同点の時点で出す選手としての岩瀬には私は納得がいかなかったし、大部分の人はそうではなかったかと。だから北京に電話したのです。永谷さんの答えは、「分からない」だった。永谷さんの頭も ??? だったのでは。

 電話を切って暫くしてからです。8回一死一塁から巨人の元四番のイスンヨブが岩瀬から打った打球がライトスタンドに消えた瞬間に、「やはり。あり得ない」と思ってテレビを消してしまいました。その後また2点取られて結局日本は2−6で負けたそうな。

 17日に私はこのコーナーに

 「星野監督というのは”思い”が強い人だな」
 「その思いの強さが、日本チームの命運を決めるかも知れない」

 と書いたのですが、その通りになってしまった気がする。岩瀬に対して星野さんは、「おまえはこんなもんじゃないだろう」という気持ちが最後まであったのではないか。その「強い思い」が伝わってくるだけに、星野さんは人気がある。しかしそれが故に、つまり「思い」が強いが故に、星野さんは判断を誤ることが多いと思っているのです。

 これはあくまで私の判断です。それでも星野さんを好きだという人はいるでしょうし、それはそれで良いと思う。しかし私は勝負にこだわり、星野さんが言っているように金にこだわるなら、あそこは田中でもダルビッシュでも他のピッチャーを出して欲しかった。岩瀬ではなく。

 ぜひ星野さんには解説をお願いしたいと。そう言えば星野さんが指揮した日本シリーズでも同じようなことがあった。



日本惨敗 8月22日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら

わかってるよ、といわないでくれ。これはどーしても書かざるを得ない。

星野が悪い!! 100%あんたが悪い!!

大体仲良し3人組でやろうとしたこと自体が間違い。 星野監督が日本一を取れなかった(短期決戦に弱い)ということを改めて確認してしまったということです。

大体なぜ、1点差の7回に藤川なのか? 

あの交代の仕方をみると、藤川に7回限定という指示が出ていなかったように思う。同点にされて、あわてて藤川を替える位なら、端から出すべきではない。

韓国にしてみれば1点もぎ取れば藤川を引き摺りおろせるとなったら、同点で、もういけいけです・・・ あのまま投げさせない・・・・ほど信頼していないならあそこで出すな!

そして、8回の岩瀬。

WHY?? ホワーイイ?? なぜ〜〜〜(絶叫)

だって、ゼッ不調の時のスンヨプちゃんは左ピッチャーしか打てないのよ〜〜!!案の定、今まであれだけ泳いでたのにしっかりうっちゃった〜〜!!
まーくん、どこにいってしまったの??

そして・・・・
GG佐藤の長打力に未練が残ったのはわかる。しかし、あの守備はもうプロではありません。それはわかってるはずで、藤川まで出したら、レフトも替えてくれ。

そもそも、DHがあるんだから、こうやって最後の場面でGGの長打力に未練を残さんように松中と小笠原を呼んでくれ、とあれほどいったじゃないっすか??

ということで、日本は女でもつ。

はい、わかりました。

僕は明日から皿洗いでもやってます・・・・

あんたもだぞ! 星野さん!

もう、WBCには手をださんでくれ・・・・・



(私のコメント)
ようやく北京オリンピックも終わりますが、どうしてテレビ中継のアナウンサーは絶叫中継になるのでしょうか? やっている本人は一生懸命なのでしょうが、見ている方はうるさくて仕方がない。プロレス中継ならアナウンサーの絶叫も一つの芸なのですが、スポーツ中継での絶叫はしらけさせる。解説者やアナウンサーの話の中身の無さを絶叫で誤魔化しているとしか思えない。

特に星野ジャパンの中継のアナの絶叫は特に腹立たしく聞こえて仕方がない。今回の野球を見ても日本チームは一生懸命やって勝とうとする気が見えない。アメリカはマイナーリーガーで韓国やキューバにボロ負けをしている。野球は技量の差がでやすい競技だから、選手のレベルである程度見当がついてしまう。

日本チームは年俸を合計すると46億円のスター軍団をそろえましたが、どう見ても選手の選考で疑問に思えて仕方がない。リーグ戦も行なわれているからオールスターというわけには行かないのでしょうが、負傷している選手や絶不調の選手が選ばれているのはなぜなのか? そもそも星野監督は名監督なのだろうか? 実績で見るとリーグ戦では優勝しても日本シリーズでは一度も優勝してはいない。

星野監督はスター監督ではあっても名監督ではない。その点では長島監督とよく似ている。長島監督もアテネ五輪の前に病に倒れましたが、星野監督も体調に問題があり今回のオリンピックでも体はボロボロだろう。名監督と言えるのは川上哲治、西本幸雄、三原脩、水原茂、鶴岡一人、野村克也、上田利治、広岡達朗、森祗晶、王貞治氏の名前があがりますが、WBCで勝てたのも王監督だったからだろう。

名監督と言われるには野球をよく知っていて選手を掌握して監督としての精神的な重圧に耐えなければならないから誰にでもできる事ではない。王監督にしてもWBCで優勝した後に病に倒れましたが、総理大臣より精神的にプレッシャーのかかる仕事なのだろう。

ならば現在の野球界で星野監督に代わる人材がいるのかというと、現役では王監督と野村監督がいますが、年齢面とリーグと掛け持ちでは難しいだろう。落合監督や岡田監督は若いけれども引き受けるだろうか? 監督としての実績があって一癖もあるスター選手を率いるには並大抵の能力や実績では勤まらない。

だから星野監督を責めるよりも、日本に監督が務まる人材を養成するシステムが無いことのほうが問題だろう。総理大臣にしてもなかなか適材な人材が育たないのは養成する為のシステムを作ることが大切だ。大東亜戦争などにおいても名司令官と言う人材不足が敗戦に繋がった。

野球における選手や、国会における議員や、戦争における兵士は厳しく鍛え上げれば養成することは可能だ。しかし監督や総理大臣や司令官となると日本では必ずしも上手く行っていない。名リーダーを養成するようなシステムを作るには実績を積ませて公平に評価できる機関が必要だ。

分かりやすく軍隊で言うならば「名将のもと弱卒なし」で、戦争に勝つには優れた能力の総司令官が必要だ。日本軍は猛訓練で強い兵士を養成するのは成功したが、高級将校の養成には失敗している。ソ連のジューコフは回想録の中で「関東軍は兵士は精鋭で、第一線の下級将校も勇敢だった。しかし佐官クラス以上の上級将校が無能力だった」と関東軍参謀本部を酷評していた。

第二次大戦のジョークに最強の軍隊はアメリカの将軍、ドイツの将校、日本の兵士という言葉がありますが、アメリカ軍のマネジメントは実力主義で成果主義が徹底していた。それに対して日本軍はミッドウェー海戦で大敗北しても南雲連合艦隊司令長官を代えることができなかった。

日本とアメリカとの銅メダルをかけた3位決定戦でも選手の疲れた雰囲気だけが伝わってきてモチベーションは上がっていないようだ。日本のプロ野球選手は46億円のスター選手が揃っているだけに、貰えるのがメダルだけと言うのではやる気が出ないのだろう。同じことはサッカーにも言える事でJリーガーを出場させても3連敗して予選敗退だ。

最近では日本テレビでも巨人戦を放送しなくなったくらいだからプロ野球の人気は落ちてきていることは確かだ。北京オリンピックでも金メダルが取れなかったことでさらに人気は落ちるだろう。超一流選手はみんなアメリカに行ってしまって抜け殻のようなプロ野球ではテレビの視聴率も取れない。このような悪循環は何とかしなければなりませんがプロ選手のモチベーションを高めるのは難しい。

次回のオリンピックから野球は無くなりますが当然なのかもしれない。サッカーにワールドカップがあるように野球はWBCのような大会をアメリカは考えているのだろう。やはりオリンピックにはオリンピックの文化があり、野球やサッカーやバスケットにはプロスポーツの文化がある。いずれはサッカーのように年齢制限を設けてオリンピックに復帰するようになるのではないだろうか?

WBCならプロの大会でもありWBCで実績を見せれば本場のメジャーリーグで活躍できる場ともなるから今回のオリンピックのような試合のようにはならないだろうが、やはり監督の采配がカギを握っている。韓国との試合でもアメリカとの試合でも星野監督の采配には何が何でも勝とうという意思が見られない。何で負け男の岩瀬を出すのだろう?

星野監督の采配は支離滅裂だ。何で8回裏で8−4の負け試合でダルビッシュを出すのだろう? 韓国との準決勝で2−0で勝っている時にどうして出さなかったのだろう? これで負けて銅メダルも取れませんでしたが、日本のプロ野球に悪い影響が出るだろう。Jリーグもプロ野球も実力が伴わなければ人気は離散する。




韓国や台湾とも川上、すなわち上流工程をほぼ完全にスキップしている。
心臓部分は日本に、組み立ては人件費の安い中国が合理的だからだ。


2008年8月22日 金曜日

日本の競争力の源泉(前編) 8月20日 大前研一(抜粋)

BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の台頭や(多少の陰りは見えるものの)依然として強さを見せつける米国経済などを背景にして、「日本はもう駄目だ」と言うエコノミストがいる。浅薄な理解であり言説であるというべきであろう。そこで、不況下にあってもしっかり踏みとどまっている日本産業の姿を見ながら、どのような産業がなぜ高い国際競争力を保っているのか探り、この国の競争力の根元を考えたい。

 では、踏みとどまっている日本の実態とはどのようなものなのか。今回は、素材・部材・化学・機械の分野を例にとって検証してみよう。実はこの業界では日本メーカーが高い世界シェアを持っている。というよりもほとんど独占・寡占状態になっているのだ。

 なぜ人件費の高い我が国で、このような国際競争力を維持しているのか。その本質はどこにあるのか。また、そのノウハウはほかの業界(例えばサービス産業など)にも応用できるものなのか。ほかの国にはない日本の「力の本質」の中には、業種を超えて学ぶべきことも少なくない。

川上である素材・部材で、日本は国際シェアの実に3分の2を占めている。ところが製造設備となると5割、部品となると3分の1と減り、最終製品では4分の1にまで減少している。これは、ある意味では「仕方のないこと」ではある。最終製品の心臓部分は日本に、組み立ては人件費の安い中国などで、というスタイルにしたほうが経済効率の上からも合理的だからだ。

 これが顕著になるのが韓国や台湾だ。両国とも川上、すなわち上流工程をほぼ完全にスキップしているからだ。かの国では日本から素材、部材、あるいは機械などを輸入して組み立てて輸出するという“パススルー経済”がまかり通っている。そのため、韓国は日本に対して常に貿易赤字という構造を持っている。

図の下側に並んでいる総合家電メーカーの営業利益率がせいぜい5%あたりなのに対して、上側のヒロセ電機(30%)、村田製作所(18.3%)、ローム(18%)と、桁違いに大きい経常利益率を持っている。すなわちグローバルニッチトップという地位を得ると高い利益率が得られるということなのだ。実は、こういう会社は世界でもあまり類を見ない。日本独特のものと言える。

このことから分かるように、半導体の素材、製造装置、検査装置で見ると、日本は付加価値の高い分野では高いシェアを取っている。しかし、半導体の完成品、最終製品となると、インテルやサムスンに日本は負けてしまう。汎用半導体やファンウンドリーという分野では台湾勢が世界シェアの75%を占めて日本勢は見る影もない。

 とはいえ、いかなサムスンといえど、日本から機械や素材を買って製品を作らざるを得ないのだ。一般消費者からは見えないところで日本の企業は頑張っていたわけだ。液晶ディスプレイや携帯電話でも同じようなことが言える。完成品でのシェアは低いが、中の素材、部材を見ると日本製のものがほとんどを占めている。

かの国産の名機、YS-11の製造中止以降、日本の航空機製造業界は非常に弱く、「何をやっても駄目」と言われていた。最近になって三菱重工業がようやく小型機を作ると言ってはいるが、それでも世界に比べれば遅れている。ところが、素材では航空業界でも大貢献していたのだ。

 さて、このカーボンファイバーだが、世界シェアを見ると1位が東レ(34%)、2位が東邦テナックス(19%)で、これに三菱レイヨン(16%)を加えると日本がシェアの7割を占める。ここに出てくる日本企業は、かつては繊維不況に苦しめられ、主力商品を次々に整理していかざるを得なかったところばかりである。

 だが、日系メーカーがカーボンファイバーでもうけるところにたどり着くまでは、かなりの時間が必要だったことを忘れてはならない。「カーボンファイバーはいずれ構造材になる」と言う人もいたが、なかなかそうはならなかった。そこでゴルフのシャフトに使うなど小さい市場でやり繰りしながら、東レがボーイングの機体に採用されることに成功したのだ。いまではジュラルミンに代わってカーボンファイバーがメインになったものの、そこまでの40年間は赤字だった。

 例えて言えば赤字を続けた40年間は、歴代の東レの社長が“密造酒”を造らせていたようなものだ。周囲から公認されず、しかもいつ利益を生み出すか分からないものに千数百億円も投資したのだから。今だったらまず間違いなく株主やアナリストにたたかれるような行為である。構造材に使えるという確信を持っていたとはいわれるが、その確信と行動はドン・キホーテに近いものといえよう。

 ところが今ではカーボンファイバーの将来は明るい。今後は自動車その他で構造材としても相当有力視されている。まず軽いので燃費がよくなる。そして頑丈だ。最終的には自動車も鉄ではなく、カーボンファイバーが使われるのも夢ではない。ますます日本の得意分野の用途が広がっていこうというものだ。

半導体製造装置では、伝統的に日本と米国が勢力を二分している。自動車産業や電気・電子産業、機械産業で用いられる金型はダントツで日本が1位だ。台湾や韓国は、こういう機械はほとんど手がけてさえいない。自分たちで製造する技術を育もうなどというこだわりはない。これらを新たに開発しようとしたら時間がかかりすぎるからだ。また、長期にわたって手間もかかるし、人間の習熟も必要となる。ならば「お金で買えるものは日本から買って、それらを使って最終商品で勝負しましょう」という考えなのだ。

 アジアで高品質な工作機械製造にこだわっているのは、企業ではなく、貿易統計を取っている国だけである。国としては日本からの素材や機械で貿易赤字になる構造を何とか改善したいと思っている。したがっていつも国産化を呼びかけてはいるが、産業界は聞く耳を持たない。習熟に5年も10年もかかるようなことで競争するような企業は、中国、韓国、台湾を含めてアジアにはほとんどいない。中国などはそんなことをしなくても、もうかるチャンスはゴロゴロ転がっているのだから。

 例えば金型なら、「バリ(出っ張り)が出ないようにするにはどうすればいいか」「ああでもない、こうでもない」と夜の間に補修したりしている。そういうことをやるのは日本人だ。少なくともわたしが中国人を見る限り、そういう細かいことをやる気はない。韓国でさえもやらないだろう。台湾は微妙だが、少なくともメンタリティ的に夜中に補修などはしない。日本のように「どんどん深く、ゆくゆくはグローバルニッチでトップをねらう」ようなところは、東アジアの企業の中にはほとんど見られない。それを手がけるならでかい市場で(日本から)ライセンスをもらってやったほうがいいと割り切るのが他の国の経営者たちの考え方だ。

 米国ではベンチャー企業が中心となって新しい技術をもたらす。そして「いい技術を作ってくれた」となると、大企業が買収してくる。だからお金はベンチャーに集まってくる。大企業がそういう長期の開発をやろうとすると、アナリストや株主にたたかれてしまうという要因もそこにはある。新技術はM&Aで買収したほうが株主も喜ぶ。

 対して日本は、生産現場と研究開発が一体になっている。そして完成品を作るメーカーと部材メーカーも一体になって「ああでもない、こうでもない」と顔を突き合わせて、形のないものでも「取りあえずやってみようか」と手がけてみる土壌がある。

 何よりも日本には、東京都大田区、東大阪、諏訪湖周辺、浜松という、中小企業が密集している4大「中小企業ハイテク部品業の集積地」がある。部品屋さんで集積しているところは世界的に見ても非常に少ない。これが日本の強さの一つだ(これについては次週解説したい)。

 アジアは、自分たちではR&Dをほとんどやらない。大企業中心、あるいは大学の研究所で行うか、外国から技術を買ってくる。そして中小企業の集積地のようなものは(台湾の新竹みたいに今や大企業の開発拠点にまでなっているところを除いては)ない。技術を持つ外国企業を呼び込んだ(蘇州、無錫などの)集積地はあるが、人的・ノウハウ的な集積が伴うわけではない。せいぜい「最終部品を作ってジャスト・イン・タイムでお届けする」という感じだ。だから、日本とは意外とバッティングしない。

キヤノンやリコーの複写機やプリンターを考えてほしい。実はあの手の製品を全世界で販売するのは難しいことなのだ。

 例えばアリゾナから「インクが乾いて印刷できない」と緊急電話が来る。原因は湿度が低く、インクジェットプリンターのノズル(インクの噴射口)が詰まってしまうからだ。また、ルイジアナからは「紙詰まりが起こって困る」と電話が入る。理由はその逆で、湿度が高すぎて、紙がメロメロになってしまうからだ。

 キヤノンやリコーは、そういう苦情に対応しながら、どんな気候でもインクの詰まりにくく、紙詰まりの起こりにくい製品を開発してきた。こういうことはやったことのある人間でないと分からないのだが、紙詰まりやインクの目詰まりを解消するのは極めてノウハウ部分の多い難しいことなのだ。

 では台湾や中国の複写機、プリンターメーカーはどうか。そういう極端な地域は最初から対象外だ。トラブルの起こりにくい地域のボリュームゾーンに向けて「安くしますからどうぞ買ってください」という売り方である。メーカーの負担は少なくなろうが、極限状態を想定しなければ製造技術は決して向上しない。対して日本企業は、最初からユニバーサルサービスを志向し、きめ細かい努力をしてきた。だからこそこうした「アナログ・インテグラル×クローズド」領域において日本企業の製品は完成度と信頼性が高いのである。



(私のコメント)
北京オリンピックや2002年の日韓共催のワールドカップは、日本と特定アジアの違いを浮き立たせてくれますが、マスコミ報道もスポーツ中継は演出が効きにくいから、その国のお国柄がよく出てしまう。中国や韓国は勝敗にこだわり勝つことで国威の発揚に一生懸命だ。だから日本と韓国が対戦すると日本は今回のオリンピックでも負け続けている。

中国や韓国は「日本には負けるな」という意味合いでもって反日教育をして「日本に追いつけ」と政府はハッパをかけているのでしょう。そのような事がスポーツなどの対戦で効果を現しているのでしょう。昨日も中国人はどうして日本の相手チームを応援するのかと言うことを書きましたが、日本に対するライバル意識が大変強いからだ。

しかし反日教育が行き過ぎて、スポーツ競技に対するフェアプレー精神のようなものが欠けている事をスポーツ中継はよく示してくれる。同じようなことはアメリカに対してもいえることであり大リーグなども薬物を使ってでも勝とうとする。アメリカ人選手の異常なほどの筋肉は薬物によって作られたものであり、ドーピング検査が厳しくなるにしたがって日米の野球などの格差もなくなってきた。

アメリカもまたヨーロッパに対するコンプレックスのようなものがあり、軍事力や経済力で勝ることでコンプレックスを克服しようとしている。北京オリンピックでもメダル争いで中国とアメリカとで1位2位ですが、人口も多くて金のある国がスポーツも強い。それに比較すると日本はもっとメダルを取れてもいいと思うのですが、勝敗に淡白な性格が反映して少ないようだ。

スポーツは勝敗が短時間にはっきりと付くから、負けず嫌いなアメリカ人や中国人や韓国人はメダル争いに国家ぐるみで一生懸命になる。それに比べると日本は福田総理が選手団に向かって「せいぜいがんばってください」と言う位の国で情けない。日本ももっと負けじ魂を吹き込むべきだと思うのですが、戦争をイメージしてしまうせいか国威の発揚には不熱心だ。

逆に言えば国威発揚を抑制しなければならないほど日本は外国に対してコンプレックスが無くなったとも言えるのではないだろうか? 日本には「出る杭は打たれる」という諺があるようにトップには立ちたがらない性格が強いのではないだろうか? それがスポーツ競技にも反映しているように思える。だから個人競技には弱く団体競技になると強さを発揮する。北京五輪でも陸上競技はまったくダメでしたが400メートルリレーは決勝にまで進んだ。

ソフトボールが金メダルを獲得したのも団体競技であり、ロンドン五輪から廃止されて無くなる競技であり強豪国も手を引いてしまったからだろう。日本人はオリンピックであろうが無かろうが地道にこつこつと努力する国民であり目立たないところで強さを発揮する民族なのだろう。この事は経済でも現れており、日本は目立たない素材産業で強い。

大前研一氏の記事はその事を指摘していますが、大前氏はグローバリストであり日本ダメ論の代表的エコノミストであったはずだ。しかしアメリカ経済も変調をきたして中国もバブル崩壊で雲行きが怪しくなってきて、日本ダメ論も説得力がなくなってきたから宗旨替えをしてきたのだろうか? このような事は唐津一氏のような人が書いてきたことだ。

しかし日本経済は製造業においては素材部品産業の川上産業にシフトしてきているのは確かであり、最終製品などでは中国などで組み立てられた製品が世界シェアを占めるようになった。素材産業などでは素材の開発は時間もかかり地道な努力を必要とする。このような事は派手好きなアメリカ人や中国人には苦手な分野であり、なかなか目につかない。

炭素繊維やチタン合金など最初はなんの役に立つのか分からないような素材研究は莫大な研究費がかかり、開発投資の回収も長期間になり中国や韓国はこのような研究に対しては取り組んではいないようだ。だから貿易収支を見ても日本に対しては赤字を続けている。中国や韓国の製品を分解して中身を見ると日本のメーカーの部品や素材が使われている。アメリカのNASAのスペースシャトルなども日本製部品が無くては作ることが出来ない。

このような素材や部品となると目につきにくいから貿易摩擦にもなりにくい。真似して同じものを作ろうと思っても素材となると分析してもなかなか出来ないから日本のメーカーから輸入したほうが早いと言うことになる。自動車などの高張力鋼なども日本の製鉄会社の独壇場ですが、製造の緻密さが要求されるから日本でしか作ることは出来ない。

バカなエコノミストはこのような事が分からないから日本ダメ論を振りまいて、これからは情報産業や金融産業にシフトしろとか言っていましたが、このようなサービス業はゼロサム社会であり、金が金を生むビジネスはねずみ講のように必ずどこかで破綻する。金融で確実に儲けて行くにはインサイダーとなって国家機密まで自由に手に入れられるような大財閥でないと成り立たない。

国際金融資本はこのような日本の製造業を金融で支配しようとしている。自分達で開発するよりも経営を支配してしまえば、確かに手っ取り早くて合理的ですが、金融はメジャーな産業にはなりにくい。金融は製造業の派生的なものであり、アメリカも製造業をおろそかにしたから金融業がこけると国家ごとおかしくなってしまう。




21日の北京五輪女子サッカー日本対ドイツ戦で中国人観客はドイツ
を応援するだろう。それくらい中国の反日教育は深く染み込んでいる。


2008年8月21日 木曜日

この国を永遠に去る前に見ておきたいもの 8月20日 川崎三行 日刊スポーツ

試合当日の夜に書いたのではとてもじゃないが感情的になってしまうと思い、一日寝かせていた題材がある。

 日本−アメリカ戦が行われた、工人体育場のスタンドで目にしたものについてだ。

 アメリカの小旗を持った中国人が多いのも(当然、日本の小旗を持った中国人などいない)、「U・S・A!」を連呼する中国人が多いのも(しかし五輪のために北京を訪れたアメリカ人を殺害したのは、あなた達中国人のお仲間ですけどね。盗人猛々しいとはこのこと)、試合開始5分でウェーブが始まったのも(中国が準決勝に進出すると思ってチケットを買った観客がほとんどだから、サッカーそのものにほとんど興味などないのだ)、日本の得点に静まりかえりアメリカのそれに大声援が上がるのも(後半の2ゴールなどはあざけりに近い笑い声さえ起こった)、別に驚きはしない。日本がそれほどお嫌いなのだろうし、白人が大好きなのだろうし、なんだったら白人になりたいのだろう。

 別にそんなことは構わないのだ。どうぞ御勝手に。

 しかし予測を超えた、腹に据えかねることが2点ほどあったのでここに記しておきたい。

 不快に思ったことの第一は、スタンドの数少ない日本人がなでしこジャパンに声援を送ると、周囲の中国人からブーイングの声が上がったことだ。

 中国をけなしているのではなく、自国に声援を送る日本人にさえブーイングをして当然という彼らの精神構造がわからない。しかも物心のついていない子供までが面白がって一緒にやっている。横にいる親も「みっともない真似はやめろ」と止めるわけでなく、へらへら笑って我が子のやることをながめている。北京五輪のスローガン『同一個世界 同一個夢想』が聞いて呆れる。03年男子アジアカップ中国大会の日本の出場試合や、昨年の女子W杯日本−ドイツ戦での中国人観衆の礼を欠いた態度に国内外から批判が集まり、北京五輪では節度ある応援が呼びかけられていたのではないのか。

 少し中国で過ごしてみると実感するが、彼らは基本的に「俺が俺が」の国民性だ。「自分がこんなことしたら、他人の迷惑にならないだろうか」という思慮や客観性がまるで欠如している。自分さえ、自分の家族さえ、自分の仲間さえよければ他はどうなってもいい。それが同心円的に広がって中華人民共和国という国家にまでは達しても、決してそれ以上の円にはならない。外の世界への敬意を失った愛国者は単なる国粋主義者という。しかし中国の教育は多角的な視点を持つことの重要性を教えていない(それどころかあえて避けている。一党独裁制の堅持のためだ)から、そんなことに気付けるはずもない。ブーイングをしている当人達は愛国心の発露のつもりなのだろうが、結局は中国という国の民度の低さを示していることがわからないのだ。

 しかしそれにもまして信じられなかったのが、公式大会ボランティアが取った行動である。

 後半途中、アメリカが少々日本に押されている時間帯のことだった。突然一人の若い女性ボランティアがスタンドの通路最前列にピッチを背にして立ち、チアスティックを持って周囲の観客の応援を先導し始めたのである。なんと言ったか。

 「美国加油!(アメリカ、頑張れ!)」

 耳を疑った。お先走りの観客ではない。見慣れた青いポロシャツを着た、公式の大会ボランティアなのである。全世界から来る観客の便宜を図るために配置されたスタッフの一員なのだ。

 よく見ていると応援を先導している女の子から少し離れたところで、彼女に身振り手振りで指示を送っている男性がいる。彼も学生と思しき若さだったが、頭にヘッドセットをつけてどこかと『交信をしながら』女の子をコントロールしているのである。そしてひと通り場を盛り上げると、このペアは隣のブロックに移動してまた「美国加油!」をやる。

 わざわざ書くのも馬鹿らしいが、オリンピックの大会公式ボランティアはあらゆる国に対して中立の存在である。世界中のどの国で行われるオリンピックでも、ボランティアはこのようなことをしないし、また許されない。よっぽど彼らを追いかけていって、自分達の行為にどんな正当性があると思っているのか、誰の指示を受けてそんな中国の未開さを晒すような真似をしているのかと聞き出したかったのだが、試合取材が第一だったのでぐっと堪えた。

 百歩譲って準々決勝の日本−中国戦の時のように、公式ボランティアが観衆に中国の小旗だけ押し付けるぐらいなら試合の当事者であるし、そうまでして自国を勝たせたいいじましさもわからないではない。本当はこれとて許されることではないが、大目に見てもいいかという気はした。

 しかし中国など何の関係もない日本−アメリカ戦で、なぜ公式ボランティアがわざわざアメリカへの応援の音頭を取らねばならないのか?

 件のペアを遠隔操作していたのが運営側=北京オリンピック組織委員会=中国政府であることは疑う余地がない。国ぐるみで、日本が好成績を挙げることの邪魔をしたいらしい。子供達への反日教育や日本に関するメディア報道のコントロールにも通じる、国策の一環というわけだ。だったら始めから、北京五輪への日本選手団の参加自体を拒絶すればよかったのだ。

 こんなもの平和の祭典でも友好の掛け橋でもなんでもない。オリンピックのガラクタである。

 感動的だと絶賛された世界的映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)総合演出による開会式でさえ、足型の花火のはずがCG映像だったり、中国の国民歌『歌唱祖国』を歌った少女が実は口パクだったり、56の国内民族の子供達による行進とされたものが実際は各民族衣装を着た漢民族の子供達だったり(チベットやウイグル等の問題を抱えた中国が、各民族から子供達を「徴用」するような危なっかしい真似をするはずがない)、欺瞞だらけだったことを見てもよくわかる。



反日感情と白人崇拝の壁を越えられるのか 8月8日 川崎三行 日刊スポーツ

6日のニュージーランド戦でのスタジアム状況について記してみたい。

 やはりスタンドはガラガラだった。埋まったのはメインスタンドとバックスタンドの一部のみ。(中略)

誇張ではない。観客の大多数は、ニュージーランドを応援していた。これは紛れもない事実だ。昨年杭州で行われた女子W杯ドイツ戦のように日本に対するあからさまな敵意やブーイングはなかったが、両国国歌演奏の後の拍手の数からして違った。両国のチャンスに沸く時のスタンドの音量を比べても、明らかにニュージーランドびいき。日本の好機にもそれなりの歓声が中国人観客から挙がっていただけ、杭州よりましだったと言えるだろうか。

 それにしても同じアジアの、しかも隣国だというのにずいぶん嫌われてしまったものだ。以前の彼らは『阿信』(NHK連続ドラマ『おしん』の中国での放送時の題名)に涙し、高倉健の演技にしびれ、山口百恵の『秋桜』が愛唱歌だった。江沢民の目論んだ反日教育の浸透は、日本に対する中国国民の印象をかくも激変させてしまったわけだ。

 もちろん日中戦争時に我が国が行った侵略行為には、何の正統性もない。そして殴った側は忘れても殴られた側はいつまでもその痛みを忘れない、その原理もわかる。だが一昔前まで、「現代の」日本がここまで中国で敵視されることはなかった。ある時期から、そしてある世代以降、政府の意図によって国民感情が1つの方向へ操作されたのだ。やがてその国策は、スポーツの世界にまで持ち込まれた。

 嬉々として「シンチーラン、加油!(ニュージーランド、頑張れ!)」と声を合わせる彼らを見ていると、なんともやりきれない気持ちになる。作家の佐藤優氏が言うように中国の反日政策や中国人の反日感情はもはや逆戻しされることのない強固な事実であり、日本は今後『中国とはそういうもの』だと認識して付き合っていくしかないようだ

 もっともこの日の声援の分布図には、反日感情だけに起因するとは決め付けられない要素も多々あった。

 中国人は、日本人以上に悲痛なまでの白人コンプレックスを抱えている。日常生活で接した機会が少ないからと言えばそれまでなのだが、中華思想、現代の世界の中心となるためには、まずこの世を牛耳る白人様の御機嫌を伺わなければという強迫観念にも似た国民感情があるように思われる。それはもちろん、アヘン戦争以来刷り込まれた自らの国力や黄色い肌に対する劣等感もあるわけだが。そう、アヘン戦争というほとんど言いがかり的な戦争で敗北を喫した歴史を持ちながら、現代の中国国民はイギリスを尊敬しているし、プレミアリーグサッカーに身をよじるほど恋焦がれている。中国のどの街でもいい、少し歩けばプレミアリーグのクラブのシャツを得意げに来た若者の姿は容易に見つけることができる。日本−ニュージーランド戦のハーフタイムには、若い中国人女性たちがニュージーランド応援団の白人の幼児に駆け寄り、「かわいいー」とばかりに一緒に写真に収まろうとする姿が後を絶たなかった。無理やり付き合わされる子供が初対面の東洋人にいくら恐怖の色を浮かべようとおかまいなしに、である。とにかく『白人の可愛い子供』と一緒に写った自分が誇らしいわけだ。



(私のコメント)
今日の夜は女子ソフトボールがアメリカと金メダルをかけて試合がありますが、女子サッカーの銅メダルをかけた試合もあります。どちらも熱戦を繰り広げてきましたが、オリンピックでしか注目されないマイナーな競技です。だからこそオリンピックの意味があるのでしょうが、ソフトボールは次のロンドン大会から廃止されました。

ソフトボールをやっている選手にとっては残念なことですが、男子の野球も世界的にはマイナーなスポーツだ。普及を図るにしても野球やソフトボールは道具に金がかかるからサッカーに比べると普及させるのは難しい。世界にはバットやグラブが買えない貧しい国が沢山ある。

それに比べるとサッカーはボール一つあれば出来る競技だから男子も女子もサッカーは世界的に普及している。アメリカの女子が強いのは意外ですが、やはりプロリーグがないと強くはなれないのでしょう。日本とアメリカとの試合も見ましたが体力も技術も段違いで強かった。

個人競技なら中国などの国も英才教育で金メダルも取れるのでしょうが、サッカーなどの多人数の競技は層が厚くないとなかなか強くはなれない。例えメダルを取るほど強くなったとしても後に続く選手がいなければすぐ弱くなってしまう。男子のサッカーもJリーグが出来たにもかかわらず、オリンピックでは全敗して予選敗退するほど弱くなってしまった。OAも出さないのだから何のためのJリーグだか分からない。

それに比べると女子サッカーはがんばっていますが、今夜はドイツに勝てるのだろうか? 日本男子サッカーが早々と負けてしまったのだから女子を応援するしかない。男子のサッカーではアルゼンチンとブラジルの試合を見ましたが、OAを使って二年後のワールドカップには代表になるほどのチームを揃えてきた。しかしアルゼンチンのほうがチームとしてまとまりがあってブラジルに大勝した。

日本は黄金世代のプレーヤーが次々と代表から去って弱くなって行く。Jリーグもひと頃の人気は無くなってテレビ中継も少なくなった。にもかかわらずJリーガーは意識だけはスタープレーヤー並みになって、ファンは去っていった。アルゼンチンやブラジルみたいにオリンピックにもベストメンバーを揃えるべきだったのにOAも出さないのではサッカーの人気は落ちる一方だ。

野球にしても小粒の選手を揃えて韓国やキューバやアメリカにも負ける始末だ。だから星野監督にばかりスポットライトが当たって選手の影が薄い。プロ野球との兼ね合いもあるのですがファンあってのプロ野球だしオリンピックでメダルが取れなければプロ野球にも影響が及ぶのではないかと思う。日本やアメリカが全力で取り組まないから野球がオリンピックから除外されるのだろう。

日本の陸上競技はまったくダメで、メダルが有望だった女子マラソンもダメだった。陸上競技はプロ化が難しいが、マラソンだけはスポンサーが付いて日本には強い選手が多い。しかし個人任せであり今回のように故障者続出になると補欠選手に差し替えることもままならないようだ。土佐選手も足の故障を隠していたようですが、スポンサーとの兼ね合いも合って辞退も難しい。

このように今のオリンピックは金が無いとメダルを取るような選手を養成することができない。サッカーのなでしこジャパンは金も無いのに予選を勝ち抜いてメダル準決勝にまで勝ち抜きましたが、Jリーグチームも女子チームを持つようにサッカー協会が要請している。だから女子サッカーがドイツに勝てば、なでしこリーグも人気が出るだろう。

近代オリンピックはヨーロッパの貴族たちのスポーツ大会であり、今日のようなプロ選手による大会ではなかった。だからアマチュアスポーツの祭典でありプロ選手は参加できなかった。それが変わったのは1980年のモスクワオリンピックであり政治が絡むようになり、開催国も多額の出費をするので開催を名乗り出るところがなくなってしまった。そしてロス五輪からプロにも解放された商業オリンピックとなりましたが、北京オリンピックは商業オリンピックの頂点とも言うべき大会となった。

「なでしこジャパン」が準決勝まで来たのも「なでしこリーグ」があるからですが、バブルの崩壊で選手達も生活が厳しいようだ。Jリーグもスポンサーがあるからなんとか成り立っていますが、これ以上人気が落ちればスポンサーも離れて元の木阿弥になりかねない。だからオリンピックで三連敗して帰ってきたのは悪い予感がする。

日刊スポーツの川崎氏の記事は女子サッカーの記事ですが、やはり完全管理された北京オリンピックの中ではサッカーなどはお国柄が出てきているようだ。観客席はガラガラなのに日本からの観客は入れない。入っている観客は中国人がほとんどで、日本と対戦している相手チームを応援していると言うことです。

やはりアジアカップの頃と変わりは無い様で、荒れるのを防ぐ為にスタンドをガラガラにしているのだろう。今夜の準決勝ではどんな中国人の応援振りが見られるのだろうか? なでしこジャパンは準々決勝で中国を破っているからドイツを応援するのだろう。

観客がどちらを応援しようと勝手なのですが、川崎氏の記事に寄れば大会のボランティアが組織だってアメリカチームを応援していたと言うことだ。私もテレビでなでしこジャパンとアメリカとの大戦を見ていましたが、日本のファンを時々映すのみでアメリカを応援する中国の応援団は映さない。しかし「美国加油」の応援の歓声は聞こえていた。今夜も中国人はドイツを応援して日本にはブーイングを浴びせるのだろう。

日本と中国との対戦では中国側は8000人のさくらを用意したとも言われて、アジアカップの時のような荒れ方はなかったようだ。日本人サポーターの周りには厳重な警備がなされて不測の事態は避けられた。しかし今夜は日本人サポーターも席が分散しているだろうからうっかり日の丸を広げると中国人が騒ぎ出すかもしれない。

スポーツのテレビ中継は放送局の演出も出来ないからその国の国情がよく分かるのですが、北京オリンピックに関しては北京市民が完全に隔離されて観客も選ばれた人だけが見ているようだ。マラソンの沿道も完全に隔離されて外人観光客も自由に見ることが出来ない。だから今夜の女子サッカーの日本ドイツ戦はどんなになるのか注意して見たいと思う。


【追加】
3位決定戦は2−0で日本が負けましたが、予想したとおりに中国の観客はドイツを一方的に応援していた。日本チームが攻撃に入るとブーイングが起きる。そしてドイツが攻撃に入ると声援が大きくなる。しかしNHKの中継アナウンサーはその事を一言も言わない。しかしスポーツ中継は編集が効かないから状況がよく分かる。スポーツ中継でも日本のマスコミは中国に配慮してこの事を伝えないのだ。




賃金抑制による労働分配率の顕著な低下が見られたのは大企業
であり、内需自縛の元凶は大企業の経営にあるということになる。


2008年8月20日 水曜日

賃金抑制はもう限界 8月20日 竹中正治

8月13日に発表された今年第2四半期の実質GDP(国内総生産)成長率はマイナス2.4%(前期比年率)となり、第1四半期のプラス3.2%から一転、マイナスに転じた。

 繰り返し指摘されていることだが、2002年以降の日本経済の回復、成長は輸出の伸びに大きく依存してきた。これを実質GDP成長率の内訳として純輸出(輸出と輸入の差額)の寄与度として見ると、2002年以降の年平均成長率1.8%のうち0.7%(つまり成長率の40%近く)は純輸出の伸びによるものである。今年第1四半期の成長率3.2%については、その50%が純輸出の伸びによる。世界経済の成長が鈍化しただけで、日本の成長率が大きく減退、あるいはマイナスになってしまうのは当然のことだ。

 もともと日本経済の成長は輸出依存型だったというイメージを抱いている方は多いかもしれないが、決してそんなことはない。1980〜99年の期間で見ると、年平均成長率2.7%のうち純輸出の寄与度は0.04%に過ぎない(つまり成長率のうちわずか1.5%)。なぜ「世界経済がクシャミをすると日本経済は風邪をひく」ような外需依存の体質になってしまったのだろうか。

「労働分配率=賃金」の抑制が外需依存を助長

 その答えは簡単だ。

 2002年以降の景気回復で企業部門は大企業を中心に史上最高の利益を更新し、高収益、好決算を続けてきた。にもかかわらず、「賃金」の伸びがさっぱりだからだ。これを経済データで確認してみよう。

 国民所得全体は労働の取り分(賃金など)と資本の取り分に分かれる。資本の取り分は、株式配当や利息支払い、役員報酬、内部留保などに分かれる。国民所得全体に対する労働の取り分の比率を「労働分配率」と呼ぶ(少し異なった定義の仕方もある)。

 グラフ1に示した通り、労働分配率は1990年代に大きく上昇した後、2001年をピークに低下が続いている。ほとんどを賃金に依存している勤労者家計の所得の伸びが低く抑えられているのだから、家計の消費も伸びないのは当然の結果だ。

 この点は、政府内部でも議論されている。例えば経済財政諮問会議の専門調査会(「構造変化と日本経済」専門調査会第4回会議、2008年4月開催、会議の資料と議事録は公開されている)では、労働分配率の低下に関連して次のようなデータが提示されている。

(1)2002年1月以降、企業部門の経常利益は年率13.3%で伸びた。一方、賃金(名目)の伸びは年率3.2%にとどまった。

(2)1996年度と2006年度を比較すると、家計が受け取る雇用者報酬は11兆円減少した。一方、家計の受け取る株式配当は5兆円増加したが、そのほかの要因も含めると家計の可処分所得は年間ネットで11兆円減少している。

(3)2000年以降、労働生産性は順調に上昇しているが、実質賃金の上昇はそれをかなり下回る水準にとどまっている。

もっとも、2002年以降の労働分配率の低下のすべてが「悪者」というわけではない。賃金は比較的硬直性が強い。景気後退の局面では企業利益が急減しても賃金は硬直的なので労働分配率は上昇する。実際、1990年代に企業利益が減退する過程で労働分配率は大きく上昇した。反対に景気拡大の局面では企業利益の回復が賃金の増加に先行するので労働分配率は低下する。問題は分配率の程度、あるいはバランスである。

「巨額債務企業」と呼ばれたトラウマが原因?

 では現状の労働分配率は適度な調整を超えて既に過度なものになっているのだろうか。筆者はそうだと思う。そう判断する理由の1つは、企業の債務残高の変化だ。

 グラフ2に名目GDPに対する企業の債務残高の比率を示した。1980年代後半のバブル期に不動産投資を含む企業の投資資産が急拡大し、それに見合って債務残高も膨張した。債務残高のGDP比率は91年にピークとなり、90年代に入っても高止まりした。

企業債務の過剰な膨張とは、裏を返せばかなりの部分が銀行の不良貸し出しの膨張である。そうした過剰債務の修正・圧縮は90年代後半から進んだ。債務残高は1995年から2007年に240兆円も減少した(そのうち約100兆円は銀行の貸出金の損失処理だった)。この過程で「企業利益の内部留保の増加 → 債務の返済・縮小」が進んだのは、ある程度まではやむを得ない、あるいは望ましい調整だったと言えるだろう。

 ところが今日、既にバブル期以前の平均を下回る債務比率になっても、賃金の抑制と内部留保の増加を大企業経営層は続けている。その結果、「家計消費の低迷 → 内需主導の景気拡大の阻害」という自縛状況を生み出しているのだ。

 何が経営者を内部留保・債務圧縮に駆り立てているのだろうか。

 1990年代後半から2000年代初頭の銀行不良債権危機(=企業の債務危機)の時期には、「債務の巨額な企業上位20社」というようなランキングが雑誌などのメディアに出回り、「巨額債務企業=破綻予備軍」のような債務企業バッシングが横行した。支えてくれるはずのメインバンクの体力も細り、あてにならない状態になった。その時の危機感がトラウマになっているのだろうか。しかし、トラウマに駆り立てられるだけなら、経営とは呼べない。

 企業の内部留保がすべて悪いわけではない。内部留保資金が効率的に投資、運用されれば企業価値が増加する。その結果、株主には株価の上昇という形で還元されるならば、最終投資家である家計には資産効果(保有資産の価値が増加することで消費が増える効果)がもたらされ、家計消費も増加しよう。

 十分な投資リターンも生まないのに、内部留保される利益が問題なのである。

内需自縛の元凶は大企業の経営者

 また、企業利益の著しい回復、増加と賃金抑制による労働分配率の顕著な低下が見られたのは大企業であり、企業規模が小さくなるほど労働分配率の下げが鈍っている。これは中小企業の利益の伸びが大企業に比べて劣後している結果である。そのため、大企業と中小企業の労働分配率の格差は1990年代と比べて拡大した。このことは今年7月に出された経済白書でも指摘されている。内需自縛の元凶は大企業の経営にあるということになる。

1997〜98年の不況の時には、減税や賃金アップで家計の可処分所得が増加しても、家計の消費意欲が縮んでいるので所得増加分は貯蓄に回り、景気拡大につながらないという議論があった。しかし、日本の家計の貯蓄率は80年代以降趨勢的に低下が続き、今では2%台でしかない。家計の過剰な貯蓄意欲が内需主導成長を妨げているというようなことは、今日では起こっていない。過剰な貯蓄で需要の拡大を阻害しているのは大企業部門なのだ。

 ところで、賃金だけが企業から家計部門への所得の分配ルートではない。家計の所得格差の拡大をもたらす原因にはなり得るが、株式の配当の増加を通じたルートもある。日本企業の配当性向(=企業の純利益に占める配当支払い比率)は元々低かったが、配当を通じた所得還元は近年急速に増えてはいる。2007年度では上場企業の配当性向は平均で30%に達したと言われるが、欧米の主要企業の30%超から40%前後の水準に比べるとまだ見劣りがする。

問題の核心を突けども対策は打たずという奇々怪々

 ではどうすれば、企業から家計への所得移転を増やし、内需主導の成長に舵を切れるのだろうか。

 実はこの点も、既述の経済諮問会議の専門調査会が重要なヒントを提示している。同調査会で提示された調査資料は、2002〜2007年の期間について、低賃金のパート労働の比率の急増により、この期間の賃金低下のほとんどを説明できることを示している。同時にフルタイム労働者とパート労働者の賃金格差を国際比較すると、日本のパート労働者の賃金はフルタイム労働者の50%そこそこで、主要欧州諸国の70%超(ドイツは80%超)と比べるとかなり低い。

 従って、パート労働者に対する労働条件の改善、具体的には正規雇用、パートの区別なく同一労働=同一賃金の原則、厚生年金の適用拡大などを最低賃金の引き上げとセットにして推し進めれば、労働分配率の向上と家計消費の回復に大きく寄与するだろう。

 ところが奇妙なことに、これだけ十全な事実分析と議論が専門調査会で行われたにもかかわらず、同調査会が7月2日に発表した専門調査会の報告書「グローバル経済に生きる〜日本経済の『若返り』を〜」には、こうした資本・労働分配率の修正の必要性とその政策に関する具体的な提言はほとんど見られなかった。

 その詳しい経緯は知らないが、所得分配を巡る問題はいつでも政治的に厄介な火種である。問題の核心を見て見ないふりをする「政治的リーダシップの不在」が最大の元凶なのかもしれない。

 実は2000年代の労働分配率の低下傾向は日本だけでなく、米国、ドイツ、フランス、英国など主要先進国にある程度共通に見られる。ただし、米国や英国では2000年代の住宅投資ブームで、その資産効果が加わり、家計消費は日本に比べると2006〜2007年までは堅調だった。

 住宅バブルの崩壊で、そうした成長パターンが終わり、米国ではミドルクラス以下が経済的困難に直面している。2007年の中間選挙で上下両院とも多数派となった民主党は、オバマ候補が大統領になれば「パーフェクト・デモクラット」の時代を迎える。そうなれば、米国民主党はブッシュ大統領、共和党政権の下で進められた富裕者層中心の経済格差拡大トレンドの修正に挑戦するだろう。

 果たして日本の政治はどうだろうか。過去の自民党のやり方(補助金と公共事業バラマキ)を超えて、野党に今日の日本経済を閉塞させている所得分配問題に挑戦する覚悟と能力が果たしてあるのか。それを試す日は、いつやって来るのだろうか。



拝啓 竹中平蔵様 8月19日 中韓を知りすぎた男

日本の大手企業はもちろんのこと優秀な中小企業もいまや海外で活躍しています。海外生産額は韓国のGDPよりはるかに大きいです。

ところが現行税制では企業の海外子会社からの配当収入は親会社の国内所得と合算して法人税をとられます。必然的に海外の利益を国内に戻しません。その上 日本の法人税は約40%で他国より最も高い水準です。だから日本企業は海外の利益をそのまま日本に戻さず溜め込みます。

このために資金が国内投資に回りません、不景気の要因です。政府が出来ることは 海外子会社の配当を非課税にすることです。(経済産業省は配当を非課税にする制度の検討に入った情報あり)

竹中氏の言うように構造改革も必要ですが、改革は多くの失業者を生み、社会を混乱させます。構造改革も無差別にするのではなく手をつけてはいけない改革もあります。

政府の仕事は経済の邪魔をするのではなく、上記に書いたような簡単な税制を改革するだけで、資金が日本に還流され国内景気を活性化させます。

また竹中氏は「現政府の取っている政策では、その心もとなさは、経済の基盤が弱い分、中国より、日本の方が深刻とも言える」と言っています。そして

竹中氏は「日本経済が中国経済の基盤より弱い、中国経済以上に危険な分かれ道に立っている、中国の長期的な発展力は間違いなく大きい」と言っています。バカらしくて涙が出てきました。

竹中氏は日本の経済の実態も中国経済の実態についても余りにも勉強不足のような気がします。

経済の基盤の最重要項目は信用と法律と金融です。中国では信用はゼロ、法律はころころ変わる、金融は無茶苦茶、ではどうしてこのようなひどい国で経済はふくれたのか?

実は中国はそれほど主体性のある経済発展をしていない、世界中の先進国が中国の安価な労働力を使って、競争力のある商品を作って世界中に流したにすぎない。

日本企業の生き残る条件は中国をうまく利用して、コストに取り込むことでライバルとの競争に勝つことなのです。しかし先見力のある先進国の一部の企業は中国から逃げ始めています。

余りにも色んな意味でチャイナリスクが大きすぎます。


(私のコメント)
日本は大企業の業績回復がバブル期以上にもなったにもかかわらず、消費に結びつかずにGDPの伸びは名目でマイナスに陥ってしまった。今年は2002年以来のマイナス成長に陥りそうだ。政府がいくら景気は回復していると発表しても景気がいいのは大企業のみで、消費者の給与は毎年減り続けている。だから消費が伸びずに車の販売も落ち込んでいる。

トヨタなどは1兆円の利益を稼いだにもかかわらず非正規雇用労働者を増やして、秋葉原の無差別殺人の犯人もトヨタ系列の非正規雇用労働者だった。なぜトヨタやキヤノンは空前の利益を上げたにもかかわらず労働者に利益を分配しないのだろうか? いったん供与を引き上げると下げるのが難しいからだ。

しかし、「中韓を知りすぎた男」のブログによれば日本のグローバル企業は海外の子会社に利益をプールして日本には還流してこないと言うことです。還流してこないから労働者の賃金にも還元されない。なぜ還流してこないかと言うと法人税や株の配当などには税金がかかるからですが、大企業は国に税金をケチって支払わずに、海外にプールしているのだ。

だから国際的大企業が利益を上げても税金としても入ってこない。利益を労働者の賃金として支払えば利益は落ちても国内にマネーが回るから景気はよくなるはずだった。世界的に法人税の引き下げ競争が起きているから日本も法人税を下げろと御手洗会長なども言っていますが、利益を従業員に分けてしまえばマクロ的に景気は回復するはずだ。

トヨタやキヤノンなどは国内工場をたたんで中国に工場を移転して日本に失業者を増やして賃金を中国と競走させて引き下げてきた。それは冒頭のグラフを見ても明らかだ。だからトヨタやキヤノンは空前の利益を上げることが出来た。中国の工場に製品を作らせて日本で販売すればその分が中国に流れることになって日本に戻ってこない。

「中韓を知りすぎた男」のブログによれば、日本企業の海外生産高は韓国のGDPよりも大きい。だから日本のGDPはその分だけ低下したことになる。実際の日本のGDPは中国の子会社などの生産高も含めれば日本のGDPの伸びはかなり大きいはずだ。つまり大企業が国内で生産してくれれば日本は中国並みの高度成長をしていたのかもしれない。

この事は欧米の大企業も同じであり、だから先進国のGDPの伸びが低くて新興国のGDPは高い。グローバル化が進む前は国別の経済力はGDPを見れば分かりましたが、大企業自身が国際化している為にGDPでは分からなくなった。中国は確かに二桁の高度成長しているが多くが外資系企業の投資によるものであり、中国自身の経済力が上がっているわけではない。だから中国のブランド企業は無いに等しい。

だから人民元を引き上げれば外資系企業は中国から逃げ出してしまうだろう。既に12%元が切り上がっただけで輸出競争力はかなり落ちてしまった。だから中国は必死に為替介入をしてドル残高を積み上げていますが、これはかつて日本がしていたことと同じだ。しかし日本は360円から80円まで切り上がっても耐えられますが中国は無理だろう。自力の経済成長ではないからだ。

日本のGDPの成長が低迷しているのは大企業が工場を海外に移転させてしまった為であり、サービス業だけでは経済成長は無理だ。サービス業で利益を上げるには人件費を引き下げるしかない。景気が良ければサービス業でも料金を引き上げて利益を拡大できるが低成長経済ではサービス業はゼロサムゲームになってしまう

大企業が史上最高の利益を更新しているにもかかわらず消費が伸びないのは会社員の給与が年々引き下げられているからですが、大企業ななぜそこまでして内部留保・債務圧縮に駆り立てているのだろうか? これは竹中平蔵金融大臣の不良債権の企業は潰せと言うトラウマがそうさせているのだ。

田原総一郎もテレビでゼネコンを潰せと毎週のように大キャンペーンをした。だから青木建設が潰れた時は小泉首相は「構造改革が進んでいる」と発言した。まるで政府が会社を潰すことが正義だと言うようなことになり、多くの保険会社や証券会社や銀行が外資系資本に売却された。小泉構造改革とは日本企業を潰して外資に売るのが正体であり、その時のトラウマが内部留保・債務圧縮に駆り立てているのだ。

トヨタやキヤノンは純然たる日本企業ではない。いわば多国籍企業であり日本の利益のためにあるのではない。だから日本国民を低賃金で働かせて利益は海外の子会社にプールして税金も安く上げている。だから消費税を16%まで引き上げろとか、ホワイトカラーエグゼンプションを採用しろとか行った非国民的なことを平気で言う。

派遣社員が製造業にまで広げられたのは経団連の圧力だろう。そして最低賃金も上がらずワーキングプアが定着してしまった。それに対して政治の対応が遅れている。なで大企業が史上空前の利益が上がっているのに従業員の給料が上がっていないのか理解できないようだ。それは小泉・竹中経済政策がそうさせたのだ。

なぜ日本政府は輸出企業のためにドルの買い支えをしなければならないのだろうか? これは一種の輸出補助金であり日本国民の利益にはならない。政府はなぜ大企業が空前の利益を上げているのに賃金に反映させようとはしないのだろうか? 究極の財政再建策は景気が良くなることで税収が伸びることなのですが、ならば消費者の消費が伸びるような政策をとるべきなのだ。

ところが少子高齢化で消費が伸びないだのとか、将来不安で貯蓄に回っているとか経済学者はデタラメばかり言っている。労働者がいくら働いても非正規雇用では低賃金で結婚も出来なければマイホームももてず、車も買えない。そのようにしたのはトヨタの奥田会長であり、小泉・竹中の構造改革のせいなのだ。




今のブッシュ政権はまさに「ミイラ取りがミイラ」であり、ナポレオンやヒト
ラーのように、ランドパワーの内側まで勢力を拡大しすぎて失敗している


2008年8月19日 火曜日

ロシアの大勝利? 8月19日 地政学を英国で学ぶ

今日のイギリス南部は曇りがちで、時々にわか雨と太陽の光が交互に訪れるというイギリスらしい天候でした。

さて、論文で忙しいはずなのですが、またまたグルジア紛争ネタをひとつ。

今回の紛争が勃発してから早くも十日ほど経過したわけですが、新たに色々な動きや識者の意見が出てまいりました。それを以下に簡単にまとめておきます。

1、ロシアの大勝利

これは特に軍事/戦略系の意見なんですが、今回のロシアのグルジア侵攻は、ロシアにとって素晴らしい成功だったという見方が大半を占めております。

その大きな原因の一つはロシアが「統合作戦」を完璧と言えるほどしっかりこなしていたからですね。

まずグルジアが南オセチアやアブハジアに侵攻してくると、それに対してパウエルドクトリン並みの「大量投入で一気に制圧」を行います。その数、なんと兵士が一万人前後、戦車が150台、そして装甲車などが700台ほど。

それと同時に黒海の海軍も出動してグルジアの港(ポチ)を牽制し、グルジア政府のサイトへのサイバーアタック、空軍の投入、そしてなんと英語に堪能なコメンテーターを用意してモスクワを擁護する意見を世界のメディアに向けてしゃべらせるという念の入れよう。

今回の成功でロシア軍の士気が上がっているという報道は多いですね。イギリスの報道でもサーカシビリ大統領がグルジアで言論弾圧をしたことや、今回の紛争で先に攻撃したことなどがチラホラ流れております。

そういえばBBCは大統領の母親(大学で歴史を教えている)をインタビューしておりましたが、あまり肯定的な内容ではありませんでした。

2、リムランドにおける別の戦線の動きが活発になってきている

その代表的なのがアフガニスタンとパキスタンですが、地政学的にさらに重要なのは北極海の動きです。グルジアのどさくさにまぎれて、アメリカとカナダは先週から北極海に砕氷船を出して共同調査を始めました。

ちなみに北極海での対立構造をみてみると、

ロシア vs アメリカ、カナダ、デンマーク、ノルウェイ

というなんとも一方的な構造が(苦笑)とりあえずカナダとアメリカは共同してロシアに対抗することを決めたそうです。

3、コソボ問題とのリンケージ

今回の紛争はロシアがNATOのコソボ独立推進の時に使われたものと全く同じレトリックを使って正当化したわけですが、なんとこれを国連に持ちかけております。外交的にも先制攻撃をはじめたわけですね。うまいもんです。

4、ウクライナも基本的には「二股がけ」(ヘッジング)している

反ロシアの姿勢を示しているウクライナはレーダー基地を西側に提供するというコメントを発表しておりますし、自国の領土内にある軍港のセバストポリからロシアの黒海艦隊を監視するような発言をしておりますが、実はまだ無断で使用させていたりします。

5、ロシア(プーチン)の強みは究極的には二つだけ

彼にとって有利なのは「ロシアのナショナリズム」と「豊富な資源のコントロール」の二つだけ。逆にいえば、このどちらかが駄目になると彼の運命も危うくなるわけです。

とくにエネルギー資源の転換のスピードが世界で早まったり、資源が予想より速く枯渇したりすると、彼も外国と商売できなくなるわけですからヤバいんですよね。

6、アメリカはユーラシアのリムランド支配でつぶれる?

リムランド論ではアメリカのようなシーパワー国家がユーラシア大陸のリムランド内を一つの国家によって支配されないように防ぐことが重要であると説かれていますが、実は今のブッシュ政権はまさに「ミイラ取りがミイラ」であり、ナポレオンやヒトラーのように、ランドパワーの内側まで勢力を拡大しすぎて失敗している、という見方もできます。

7、次にヤバいのはバルト三国、とくにエリトリア

ロシアの次のターゲットはウクライナだという意見は多いのですが、中にはエリトリアが一番ヤバいという分析があります。

8、一番得をしたのは中国?東方拡大の可能性

今回の紛争で一番得をしているのは中国かも知れないという意見もあります。ただしロシアはグルジアでの成功と西側からのMDシステム配備とあいまって、その圧力から押し出されるように東側へ何かしらの形で拡大してくる可能性が大きい。

そうなると現在オリンピックを開催して勃興中の中国ではなくて、リムランドの東端に位置している日本への圧力として出てくるということも十分考えられます。

9、世界はアナキーである

今回の紛争でつくづくわかったのが、国際社会というのは「アナキー」であり、パワーがものを言う世界である、ということ。

アメリカの兵站が全ての方面で伸びきっていることにロシアはつけ込んできたわけで、つくづくロシアというのはパワーの本質というものをよくわかっているんですね。


今の世界情勢について 8月18日 副島隆彦

1.まず、グルジアに8月9日からロシア軍が進駐(これは明らかに侵略だ。国境線を越えて外国の軍隊が侵攻しているからです)して、そして、どうもグルジアのいくつかの都市に居座りそうだ。黒海の側からもロシア海軍が封鎖線を強いている。 

これで、アメリカその他の国は、ロシアを侵略国として非難できる。アメリカは、ロシアを国際世論で追い詰めて包囲できると、思っただろう。

2.ところが、グルジアの指導部(政権)が、アメリカというよりも、イスラエルやネオコン派が、育てた強硬な軍事主義者たちであることが国際社会にばれてしまった。それで、イスラエルの戦略が、丸見えになった。これで、アメリカ国内(アメリカ議会)が身動き取れなくなっている。 

3.イスラエルは、アメリカとイランが取引して、イランの核施設への、アメリカの先制爆撃(バンカーバスターによる)が、7月17日のヨーロッパがお膳立てした会議で、決まった。ネオコン派ではないバーンズ国務副長官が出席して決めた。

4.それに怒った、イスラエル内の軍事強硬派(旧リクード、ネタニエフ派)は、自分たちだけでのイラク爆撃を今も追求している。しかし、戦略爆撃機の航続距離その他、燃料空中給油と帰還路の確保で、アメリカ空軍の支援なしには出来ない。 ライス国務長官や、ロバート・ゲイツ国防長官(CIA内のハト派、穏健派、良識派、反ネオコン派、オバマ時期民主党政権の対応している人物)たちは、イラン爆撃絶対反対であり、チェーニー副大統領の率いるネオコン残党(イスラエル絶対支持派)と政権内で、厳しく対決している。チェーニー解任の動きまである。

5.イスラエル(の強硬派)は、グルジア問題で、アメリカを巻き込んで、中東に米軍の増派をする計画がうまくゆくように思った。しかし、グルジアの今の政権は、自分たちが背後から動かしているのだ、ということを。あまりにも稚拙に国際社会に見せてしまった。それで南オセチアのオセット人たちのグルジア人の居住区での略奪をロシア軍が今も放置している、という事態になっている。この複雑さゆえに、オセット人たちへの国際社会の共感が生まれない。

このように世界のパワー・ゲーム(権力闘争)は、ビンゴゲームのような、あるいは、東洋の囲碁(いご)のような様相を呈している。相手を挟み撃ち、あるいは取り囲もうとして、自分の方がさらに外側から取り囲まれる、という構造だ。

8.そして、グルジア情勢で、ロシア軍が、グルジアの首都のトビリシを制圧しなくても、バクー(カスピ海)からの天然ガスの輸送ルートである、ロシア、ウクライナを経由しないBTC(ビー・ティー・シー)ルートを、どうも制圧したようだ。トビリシの西の黒海沿岸のあたりの都市でだろう。 これで、フランス、ドイツの首脳までが、急激にシュンとなって黙りこくった。とてもサルコジ仏大統領による和平仲介などど、言えなくなった。ヨーロッパは、このBTC(バクー、トビリシ、ジェイハン)ルートの、グルジアを経由した、ロシアを迂回した天然ガスに頼っているからだ。そのことは、下↓の「933」番で少し説明した。ヨーロッパは、エネルギーの生命線を、ロシアに握られたのである。

9.ロシアと中国は、国境線で反目しながらも(勢いのある中国人がどんどんロシア領内に、資源確保と商売でどんどん蚕食するように入り込んでいる)、それでも、ユーロ・アジア(=ユーラシア)の大大陸同盟で、組んでゆくしかないと、プーチンも分かっている。だから、石油資源の確保(国内の電力不足になる。上海でさえ停電の危機にある)で中国は追い詰められているので、ロシアのバクーの石油を分けてもらわなければならない。「上海機構」という、反アメリカ同盟が、インドや中東諸国までも巻き込んで機能している。

10.イスラエルは、上手にグルジアで戦火を拡大させたようにみえるが、それでも、決定的に自国の存亡の危機を招来してしまっている。それで、辞任したオルメルトの次の、首班指名が容易に出来ない状態になっている。強硬派に任せていても、このままでは、イスラエルは、孤立し、イスラム諸国に包囲されたまま、自滅してしまうことがはっきりしてしまったからだ。自分たちは、やりすぎたのだ、とようやく気づいたようだ。なんとかトルコとエジプトとの裏の連絡網で、アメリカの肩入れで、自国の生き残りを図らなければならなくなっている。どうせ、話し合い(和平の交渉)でパレスチナ問題を解決しなければ済まないのである。そうしないとイスラエル国家そのものの消滅の問題になってしまっている。

11・イスラエルは、すでに中国とは敵対関係になっている。(私たちが、世界レベルの重要研究書「イスラエル・ロビー」(講談社刊)と、「次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた」(つい最近、先週から、徳間文庫刊が出ました)の文献で明らかにしたとおりだ。)そして、ついには、イスラエルは、グルジア問題でロシアとも敵対関係に入ってしまった。これが今回、致命的だった。イスラエルは無謀な動きに出たのだ。



(私のコメント)
オリンピックは普段目にしない国が多く出てきますが、ソ連崩壊によってできた国が多い。冒頭の地図を見れば分かるようにロシアは西と南で囲まれた形となり、グルジア戦争はカスピ海と黒海の間の南の玄関先で起きた。BTCパイプラインが通りヨーロッパへの燃料ルートもロシアに押さえられたようだ。

新冷戦時代がやって来たという見方もありますが、ソ連崩壊以来ロシアはアメリカに対してなす術がなかったのが、ようやく反撃体制が整えられつつあることが分かります。その突破口となるのがコーカサス地方のグルジアですが、先に仕掛けたのがグルジア軍であったことがはっきりしている。

オリンピック開会式でプーチンが北京におり、しばらくは反撃出来ないだろうという事で攻撃を仕掛けたのでしょうが、ロシア軍は陸海空の電撃連携作戦で反撃してグルジアの首都のトビリシに迫るほどになっている。停戦に合意がされてロシア軍はい引き揚げるようですが平和維持軍として一部は留まるようだ。

まさにグルジアのサーカシビリ大統領は飛んで火に入る夏の虫になったわけですが、南オセチア侵攻はアメリカの了解なしには出来ることではない。ブッシュ政権の意図は計りかねるのですが、一番慌てたのはフランスやドイツだろう。ポーランドもMDでロシアともめていた。

裏には石油資源をめぐるパワーゲームが繰り広げられているのですが、アメリカによるロシアとEUへの分断工作と見るべきなのだろうか? EUのエネルギー戦略はロシアとの良好な関係を前提にしている。だからフランスのサルコジとドイツのメルケルは慌ててグルジアに飛んでいきましたが、ポーランドは急遽アメリカのMD基地にGOサインを出した。

このようにヨーロッパから中央アジアではグレートゲームが展開されているのですが、アメリカは既に兵站が伸びすぎていてロシアの攻勢に応じきれなくなってきているように見える。パキスタンのムシャラフ大統領も辞任しましたがテロとの戦いにも綻びが生じ始めてきた。

気がついたらイラクとアフガニスタンのアメリカ軍が包囲されていたという事にならなければいいのですが、それに対してイスラエルの強硬派が動いてグルジア戦争へと戦線を拡大したのだろうか? しかしアメリカ軍はグルジアに救援物資を送るのみであり本格的な介入はできないようだ。

アメリカにしても中央アジアの石油は喉から手が出るほどほしいものですが、アフガニスタン経由のパイプラインは計画のみであり、グルジア経由のパイプラインはロシアによって支配されてしまった。EU各国がアフガニスタンにNATO軍を出しているのも石油パイプラインがらみの思惑からですが、形勢は厳しいようだ。

さらには北極海をめぐる争いもロシアとアメリカ、カナダ、ノルウェイとの間でありますが、ロシアは西、南、北と徐々に攻勢をかけ始めてきた。唯一東に対しては無風状態ですが、いずれロシアは太平洋への出口を確保する為に外交攻勢をかけてくるだろう。その時にアメリカはどのように対抗するのだろうか? あるいはアメリカ一国でロシアに対抗できるのだろうか?

ロシアが太平洋への出口を確保するには日本しか障害になる国が無い。ロシアは今のところ海軍の増強にまで手が回りませんが、ロシアの原子力潜水艦が太平洋をパトロールし始めたらアメリカ本土の安全保障に影響が及ぶ。

このようのロシアの復権が進むとまさに新冷戦時代の到来が来たと実感しますが、日本の政治家は能天気であり国内の政局争いしか能が無い。しかしロシアの復権は日本の地政学的価値が再び見直されることであり、アメリカにとって日本の動向が安全保障に大きな影響力を持つようになる。

90年代の日米関係は日本にとって試練の時代だった。アメリカにとって冷戦体制の崩壊は日本の同盟国としての価値を引き下げるものであり、アメリカにとってのアジアのパートナーは中国であるとする勢力が大きくなった。だからクリントン大統領は遠慮なくジャパンバッシングすることが出来た。

エリティン大統領時代のロシアは軍事経済ともガタガタであり、今世紀中は立ち直れないと見られていた。だからこそアメリカは中央アジアの石油を確保しに乗り出したのですが、その戦略はグルジアで綻び始めたのだ。アメリカは手を広げすぎて兵站は延びきってしまった。このような状況ではイラン爆撃など出来る状況ではなくなっている。ロシアがどう出るか分からないからだ。




昨日の女子マラソンで感じた、中国の人々が北京オリンピックで
失うものは私たちの想像を超えて巨大なものになるだろう。


2008年8月18日 月曜日

【沿道ルポ】組織された応援、熱気も国際色もなく…マラソン女子 8月17日 産経ニュース

中国選手が初の銅メダルを獲得したにもかかわらず、沿道の応援はこの日の気温同様、冷めていた。選手の名前も知らない「応援団」や「治安ボランティア」が大量動員され、すべての選手を平等に応援。その結果、友好的な中国が“演出”され、応援者同士のトラブルなども確認されていないが、マラソン特有の沿道の熱気は奪われてしまった。(北京 福島香織、野口東秀)

動員

 「ここからは記者も立ち入り禁止。この先の道路にいるのは、『組織』の人だけだ」

 出発地点の天安門広場南の前門で、警察官がこう説明した。再開発された中国風の街並みが選手の背景に映る。映像的には効果的な場所だからこそ、「組織」を配置したようだ。

 「組織」とは、(1)社区(自治組織)などから動員された年配者ら(2)制服などを着た学生ボランティアたちのこと。こうしたメンバーのほか、地方から来た五輪観光旅行者たちが沿道を埋めていた。

 特にスタート地点付近や、ゴールの国家体育場(鳥の巣)前の沿道では、およそ3分の2が動員・ボランティア応援の人々で占められていた。

 このうち、動員組の応援の特徴は、社区などから配られた北京五輪の旗と中国国旗をもち、すべての選手に平等に声援を送る“文明的応援”を心掛けること。「警備」という役割もあった。胸におそろいのシールを張り、シールのない者が近づくと声を掛けていた。

 西単の沿道にいた動員応援の男性(60)は、警備の厳しさについて「このくらいは普通。国際試合なんだから安全が第一」と話した。また、無職の女性(57)は「秩序だっていて、すばらしい応援!」と自画自賛していた。

 ただ、年配者が多いだけに、中国選手の名前も知らない人がほとんどで、銅メダルの周春秀選手の名前を正確に言えた人は、30人中わずか1人だった。

 組織のうち、ボランティア組の応援は治安維持も兼ねていたほか、疲れた様子で走る選手に「加油(がんばれ)!」と声などを掛けることも仕事だったようだ。中関村付近でリタイア寸前の土佐礼子選手にも、拍手と声援を送っていた。

 外国人の応援はどうだったのか。沿道では、日の丸や英国国旗を掲げた外国人もちらほら見掛けたが、多くはなかった。

 実は、外国の団体応援は公安当局に事前申請しなければならず、応援場所も限定され、隔離されていた。たとえば、北京在住日本人の応援団は36キロ地点の知春路地下鉄付近だった。

 北京在住の日本人会社員は「やはり公安に許可を取らないと、安心して応援できない」と、中国流の応援方式にあきらめ顔だ。

 天壇公園、北京大学、清華大学などの敷地内のコースからは、一般市民が排除された。大学構内のコースの応援は、学生か関係者に限られた。

 マレーシアから五輪応援に来た男性(45)は「天壇公園の中に入ろうとしたら止められた。『中に入れるのは党幹部と動員応援団だけだ』といわれた」と不満そうに話した。

 今回のマラソンのコースは、二重のさくに警官らが約20メートル間隔で立って警備に当たった。そして沿道の応援の中にも、動員された年配者や治安ボランティアたちが配置され、万が一に備える徹底ぶりだった。

 大阪から来た日本人会社員(40)は、「盛り上がりに欠けますね。日本の場合は、もっとワイワイ騒ぐものなんですが…」と驚いた様子だった。


北京オリンピックに思うこと 8月5日 内田樹の研究室

今朝の新聞を読んだら、新彊ウイグル地区で爆弾テロがあった。
北京オリンピックは果たして無事に開催されるのであろうか。
毎日新聞に三ヶ月おきに書いている「水脈」という時事エッセイの締め切りなので、そのことについて書く。

北京オリンピックについては、二ヶ月ほど前にTBSの報道研究誌に寄稿を求められて、少し長めのものを書いたことがある。
あまり人目に触れる機会のない媒体であるから、その後半部分をここに転載しておく。

友人のビジネスマン平川克美くんは「中国人が北京オリンピックで失うものは、日本人が東京オリンピックで失ったものの10倍規模になるだろう」と予測している。私の実感もそれに近い。
中国の人々が北京オリンピックで失うものは私たちの想像を超えて巨大なものになるだろう。


こういう国家的イベントによって失われるものは「かたちのあるもの」ではない。むしろ、「かたちのないことが手柄であるようなもの」である。
日本の場合、それは「何となく風通しのよい敗戦国の脱力感」であった。中国の場合、それに相当するのは何だろうか。

考えてみたが、それは「貧しさとつきあう知恵」ではないかと思う。
端的に経済的に「金がない」ということではなく、貧しさを致命的なものとさせないための「生活の知恵」がこれまで中国にはあった。少なくともそのような「生活の知恵」が必須であることについての国民的合意はあった。
それが失われるのではないかと私は思っている。

「貧しさとつきあう生活の知恵」とは、「貧しさに対する共感」「貧しさに対する有責感」と言い換えることもできる。それは、貧しい人を見ていると、彼らを「私の同胞だ」と感じ、「偶然の幸運が私をそこから引き上げることがなければ、私もまたこのような赤貧のうちで苦しんだかもしれない」というしかたで想像力が働き出し、それゆえに、「この人たちを救う個人的な責務が自分にある」と感じることである。

もちろん、このような共感や有責感に実定的な根拠はない。なんとなくそう感じられるというだけのことである。けれども、貧しい人々がそれでも人間的尊厳を維持して生きるためには、この種の「錯覚」が国民的規模で根づいていることがどうしても必要である。

二十世紀の中国にはそのようなエートスが、少なくとも「そのようなエートスがなくてはすまされない」という考想がたしかにしっかりと存在していたと思う。魯迅や孫文や毛沢東が中国人に根づかせようとしたのは、そのような心性である。その歴史的実験はある程度の成功を収めた(そうでなければ、革命は成就しない)。

それが失われ始めた時期ははっきりしている。それは、ケ小平の「改革・開放」政策からである。ケ小平のこの政策を特徴づけるのは「先富論」という考え方である。
ある特定地域に資本と技術と労働者を集中させる。そこに経済活動の拠点ができ、そこに富が集中する。すると周囲の貧しい地域はその「余沢」に浴することができる。だから、まずどこかを誰かを突出させて富裕にすることが、全体が富裕になるための捷径である、というのが「先富論」の論理構成である。

みんなを貧乏でなくすためには、誰かひとりをまず金持ちにさせればよい、という考え方である。
不思議なロジックであるけれど、これは「中華思想」というイデオロギーから派生したものだから、実は中国人にとってはなじみがよい。

古来、中原には中華皇帝がいて、すべての権力と財貨と文化はそこに一極集中する。そこから「王化」の光があまねく「王土」に同心円的に拡がるのである(その外側には「化外の民」が蟠踞している)。

中華皇帝に一極的に集中されるリソースが巨大であればあるほど帝国の威信は高まり、結果的に皇民たちが享受できる「王化の恩沢」も増大する。だから、全員が文明を豊かに享受するためには、文明の精華を一人に集中させるのが効率的である、とするのが中華思想である。

繰り返し言うように私たちには理解のむずかしいロジックであるが、中国人は数千年来、この考え方に深く親和している。
毛沢東の「農村が都市を包囲する」革命論や「いま、ここ、私において、すべての知識と技術は体現されなければならない」という紅軍兵士論は、中国の歴史の中ではきわめて例外的なものだと私は思っている。孫文の三民主義から毛沢東の大躍進や文化大革命にかけての中国が「例外」だったのであり、ケ小平の改革開放論は清朝末期の洋化政策とほとんど地続きである。私はそう思っている。

先富論は中華思想の忠実な現代ヴァージョンである。だから、北京オリンピックもこの先富論の延長上に構想されている。
北京に国際社会が度肝を抜かれるようなハイパーモダンな都市を建設する。2008年時点で中国人が所有しうる最高に現代的なものを北京に集中させる。ハイパーモダンでない要素は「北京外」に掃き出す。

SF的想像をしてみるとわかるけれど、これは「西太后が北京オリンピックを主催した場合にしそうなこと」そのものである。
私たちは北京と北京外との文明的な落差を、ハイパーモダンな中国と前近代的な中国の悲しむべき位階差と理解するけれど、これは私たちの読み方が間違っているのである。そうではなくて、「2008年の北京」は全中国人がいずれ享受することになる物質的豊かさを先取りした予兆的な記号として読まれなければならない。少なくとも中華思想と中国政府当局は国民たちに事態をそう読むことを要請している。

北京オリンピックは沿海部に富を偏在させたケ小平の先富論のさらに昂進した形態、すなわち一極にすべての富と情報と文化資本を偏在させ、それによって中国全体の底上げを図る「ハイパー先富論」の実験である。
このアクロバティックな政略が果たして成功するのかどうか。私は懐疑的である。


ケ小平の先富論が成功したのは、一つには富が集中するエリアをかなり「広め」に取ったからであり、一つには、地方から都市に出て来て学歴を積み上げたり、ビジネスで成功したりした人々が「故郷に錦を飾る」という美風がまだ残っていたからである。それによって沿海部に偏った富は内陸部にも還流した。

けれども、「郷里に残された貧しい同胞」を救うことを動機づける「貧しさに対する共感」や「貧しさに対する有責感」は、「私もまたかつては貧しい人間であったし、これからも貧しい人間になることがありうる」という想像力なしには存立しない。ケ小平の時代までは、そのような想像がそれでもリアルだった。けれども、それから30年が経った。今の若い中国人の中に「私もまたかつては貧しい人間であったし、これからも貧しい人間になることがありうる」という想像力の使い方が身になじんだ人はもう昔ほど多くない。貧しさを一度も経験したことがなく、それを特別なことだと思っていない若い世代が急速にその数を増している。彼らに向かって、「貧しいものはあなたの同胞だ」と告げても、その言葉はあまり説得力を持たないだろう。その一方で、富を一極集中することの緊急性だけは国論として統一されている。

だが、こんなふうにして、「貧しさに対する共感」「貧しさに対する有責感」を涵養する教育的インフラを置き去りにしたまま、「富が一極に集中することはよいことだ」というメカニズムだけがひたすら昂進した場合、中国社会はどうなってしまうのであろう。

清末の洋化政策はみじめな失敗に終わった。それは、為政者たちには「強力で近代的な軍隊や社会的インフラを整備すること」の喫緊であることへの理解はあったが、それを動機づけたのが外国の侵略に苦しんでいる同胞の痛みへの共感や有責感ではなかったからである。彼らは「中華」の凋落を恐れただけである。だから中華は凋落した。

毛沢東がアヘン戦争以来100年の屈辱を晴らして、中国に国際的威信を回復させた事実は、その無数の失政を差し引いても評価されなければならない。そして、それを可能にしたのは、「貧しい同胞への愛と共感がすべての施策を動機づけなければならない」という原理を(実行されたかどうかは別として)毛沢東は譲らなかったからである。

先富論はたしかに原理的には効率的な分配のために構築されたメカニズムであった。私はその点ではケ小平の善意を信じている。けれども、「貧しさへの共感」「貧しさへの有責感」を失った先富論は効率的な収奪を正当化するイデオロギーに転化する。そのことの危険性に当代の中国の為政者たちはどれほど自覚的であるか。あまり自覚的ではないような気がする。
私が北京オリンピックについて感じる不安はこの「富の収奪と偏在を正当化するイデオロギー」の瀰漫に対してである。

北京オリンピックでは伝統的な街路である胡同(フートン)がそこの住民のライフスタイルこみで取り壊されたけれど、そのことに対する懐旧や同情の声は中国メディアではほとんど聴かれなかった。こんなふうにして、オリンピックを機に北京から中国の前近代性をはしなくも露呈するような要素は一掃されるのであろう。けれども、それと同時に「中国の前近代性をはしなくも露呈するような要素」に対する哀惜と懐旧の気分もまた一掃されるのだとしたら、私は中国人に対して、その拙速を咎めたいと思う。

私たち日本人もまたそんなふうにして、失うべきではないものを捨て値で売り払ってしまった。それがどれほどかけがえのないものであったのかを私たちは半世紀かけてゆっくり悔いている。

貧しさ、弱さ、卑屈さ、だらしのなさ・・・そういうものは富や強さや傲慢や規律によって矯正すべき欠点ではない。そうではなくて、そのようなものを「込み」で、そのようなものと涼しく共生することのできるような手触りのやさしい共同体を立ち上げることの方がずっとたいせつである。私は今そのことを身に浸みて感じている。


私のこのつぶやきが隣国の人々に届くことはおそらくないだろう。けれども、北京オリンピックをビジネスチャンスや純然たる享楽の機会として心待ちにする日本人たちと、北京オリンピックによる中国の国威発揚がわが国の相対的な地位低下をもたらすことを恐怖して、オリンピックの失敗を祈っている日本人たちに立ち混じって、北京オリンピックが中国人にもたらすかもしれない災厄ができるだけ少ないことを祈っている日本人が少数ながら存在することを証言するために、寄稿依頼を奇貨としてここに書き記すのである。



(私のコメント)
昨日の北京オリンピックの女子マラソンを見ましたが、テレビに映し出された光景は想像されたとおりの光景が繰り広げられた。マラソンコースの沿道は妙に人が少なく完全に隔離された環境でのマラソンだった。武装警察官の数は妙に少なくこれで大丈夫かと思うほどだったのですが、動員された人だけなのだからアクシデントが起きる心配はないわけだ。

普通のオリンピックならば、マラソンは唯一入場券を買わなくても見られるのだから、どの大会でも沿道は黒山の人だかりになるはずだ。前回のアテネオリンピックでも妙な人が飛び出してブラジル選手の走りが妨害された。たとえ日本で行われたとしてもオリンピックのマラソンは特別だから妨害等のアクシデントは起きる可能性がある。だから沿道の警備は東京だろうが北京だろうが大変だ。

おそらく男子マラソンも同じように沿道は完全に隔離されて外国からの観光客でも事前に申請して、しかも場所も限定された場所でしか見られない。これくらい警備が万全ならば妨害やテロなどは100%無理だ。サッカーなどの競技場なども妙に中国の観客がおとなしくて礼儀正しいのが気にかかる。おそらくサッカーのアジアカップなどの例もあるので入場者は徹底した管理がされているのだろう。

IOCにとっても大会でアクシデントが起きれば責任問題になるから、中国の徹底した管理体制で行なわれることは好ましいものだろう。10万に近い収容人数のメイン会場でも観客が妙におとなしくて、オリンピック前の予想とは少し違うのですが、観客が荒れて騒ぎになる事はなさそうだ。

心配された天候や大気汚染なども無く青空が見られるようになった。テレビから見る印象としては新設された競技場もきれいで、競技の運営などもスムーズに行なわれて中国のイメージアップに大いに効果が上がっているように見える。現在の日本がオリンピックを行なってもこれほどの豪華で統制されたオリンピックは無理だろう。

中国は既に経済力では日本を上回り、中国は世界の工場となっている。だから北京や上海を始め都市整備が行なわれて超高層ビルが立ち並ぶ近代国家に変身したように見える。中国は共産主義国家でありながら資本主具を取り入れて、アメリカ以上の新自由主義経済を取り入れている。

だからいち早く事業に成功して億万長者になった者が続出して、高級外車を乗り回している人を日本のテレビはよく紹介する。この前もチベタン・マスティフの販売で成功した富豪が紹介されていましたが、まだ23歳で億万長者になれる社会が実現している。日本ではそのようなサクセス・ストーリーがほとんど見かけなくなってしまった。

しかし沿岸の都市部が経済発展してオリンピック景気に沸いていればいるほど、取り残された農村部や奥地の開発の遅れが目立つようになってしまった。ケ小平の改革開放政策は外資を大胆に導入して、なりふり構わぬ経済発展をすることで中国を近代化して均衡の取れた中国を目指すものだった。

しかし北京オリンピックで大盤振る舞いをして盛大なオリンピックを開催して、世界に近代国家中国をアピールすることは、従来の悪い中国の中華思想を甦らせてしまったような予感がする。これは毛沢東が目指してきた「貧しさに対する共感と有責感」の消失を思わせることになるのではないかと思う。

中国は核武装して有人宇宙船まで打ち上げてアメリカの後を追いかけている。国威発揚にばかりに無理をしている様子が手に取るようにわかりますが、国内の経済的な歪みは大きくなっていく一方だ。ケ小平が生きていれば有人宇宙船を打ち上げたりオリンピックを開いたりするような無駄な投資はせずに、遅れた地域へのインフラ整備に投資したことだろう。

中国は悪いタイミングでアメリカの持ち込んだ新自由主義経済に染まってしまって、豊かなものはより豊かになり貧しいものはより貧しくなって取り残されてしまうようなことが社会不安を巻き起こしてしまうだろう。日本でも小泉内閣が取り入れた新自由主義経済が無差別殺人事件や自殺を多発させる不安定社会を形成してしまった。

戦後の日本は先進国型の社会主義経済国家と言われるほどだったのに、税制や規制緩和をして自由競争が過熱してしまってワーキングプアーや非正規雇用が広がってしまって、いつまでも豊かになれない国民を生み出している。しかし中国に比べればましなほうであり、中国は貧しい農村部が取り残されて暴動騒ぎが年間8万件も発生している。

内田樹しによれば先富論は中華思想と馴染みやすい思想であると指摘している。しかし中華思想は戦前の洋化政策を失敗させた原因となっている。清朝末期においても中国は大国であり洋化政策によって軍隊の近代化もインフラ整備も行なわれていたが、貧しき民への政策は行なわれず洋化政策は失敗した。

北京オリンピックも一般の国民とは隔離された状況で行なわれており、満員の大スタジアムも動員されたものらしい。内田氏が言うように西太后が北京オリンピックを開催しても完璧に管理されたオリンピックが開かれていることだろう。そして北京にふさわしくないものは全て壊されて、好ましくない貧民は北京から追い出されている。

だから北京オリンピックが完璧に開催されればされるほど先富論が正当化されて、中華思想が正当化されることになるだろう。新自由主義経済では貧しきものは無能か怠け者であり、成功者は有能で勤勉だからと言う論理で格差社会は正当化されてしまう。

昨日の女子マラソンを見て、あまり見も従来の北京の印象とは違うので違和感を感じてしまうのですが、地元の人もマラソンの応援に出れないと言うような光景はちょっと異様だ。数年前のサッカーのアジアカップで荒れ狂った民衆はどこへ行ったのだろうか?




現実の国際社会では、自国の国民も苦しいときにほかの国に食料を
分けてくれるような国はないのだ。結局頼れるのは自国の農業しかない


2008年8月17日 日曜日

日本の食料安全保障を脅かすもの 7月25日 山下一仁

穀物価格の高騰が話題となっている。2000年に比べ大豆の価格は2.5倍、とうもろこしは3倍、小麦は5倍に高騰している。これは人口・所得の増加による食用需要の増加やエタノール需要の増加等によるものである。しかも、今後さらに需要が増加することが予想される。

世界の人口は20世紀初めの16億人から2000年には61億人となった。国連の推計によると2050年までに92億人へ増加する。さらに、(畜産物1kgを作るのに、牛肉では11kg、豚肉では7kg、鶏肉では4kg、鶏卵では3kgのとうもろこしが必要なので)経済成長による穀物消費から畜産物消費への移行によって穀物需要は大幅に増加する。

世界のエタノール生産は2002年の3407klから2007年には6256klに約倍増した。このうち41.7%のシェアを持つアメリカは国内とうもろこし生産の3割を使用し、32.3%のシェアを持つブラジルは国内サトウキビ生産の5割を使用している。エタノール生産がどこまで拡大するかはわからないが、穀物のエネルギー利用が進むことで、穀物価格と石油価格が連動するという新たな現象が起きている。

これに供給サイドが対応できなければ、国際価格はさらに上昇し、途上国に飢餓が発生する。これまで世界の農業は、人口増加に単位耕地面積当たりの収量(単収)の増加で対応してきたが、単収の伸びは1960年代の3.0%から1970年代の2.0%、1980年以降1.5%へと逓減傾向にある。

また、アメリカやオーストラリアなど世界の大規模畑作地域等において、土壌流出、地下水枯渇、塩害などによって生産の持続が懸念されている。土壌は風と雨によって侵食されるが、アメリカでは、大型機械の活用により表土が深く耕されるとともに、機械の専用機化により作物の単作化が進み収穫後の農地が裸地として放置されるので、土壌侵食が進行する。かんがい等のための過剰な取水や揚水により、アメリカ大平原の地下水資源であるオガララ帯水層の5分の1が消滅した。乾燥地で排水を十分しないままかんがいを行なうと、地表から土の中に浸透する水と塩分を貯めた土の中の水が毛細管現象でつながってしまい、塩分が地表に持ち上げられ、表土に堆積する。これが塩害である。これで古くはメソポタミア文明が滅び、20世紀ではアラル海が死の海となった。さらに、地球温暖化が食料生産に与える影響がいまだ十分には解明されていないという問題がある。

日本の食糧安全保障の現状

ウルグァイ・ラウンド交渉の最終段階で、我が国は輸出禁止などに対し規制を行うよう提案したが、インドの大使から不作の時に国内消費者への供給を優先するのは当然ではないかと反対された。日本は今年4月にも似たような提案を行ったが、これまで国内農業を保護するため高い関税を維持し輸入をしないといってきたのに、足りないときには輸入させろというのは虫がよすぎないかと非難されている。輸出国と供給協定を結んで、不作のときに供給保証をしてもらえばよいではないかという主張もあるが、現実の国際社会では、自国の国民も苦しいときにほかの国に食料を分けてくれるような国はないのだ。日本でも戦後の食料難時代、生産県の知事たちは東京などの消費県への米供出に抵抗した。結局頼れるのは自国の農業しかないのである。

苦しいときには外国は当てにならない。食料安全保障とはそのような主張である。その前提となるのは農地資源の確保である。戦後、人口わずか7000万人で農地が500万haあっても飢餓が生じた。国民へ食料を供給する長野県の農地は長野県民だけの農地ではない。東京都民の農地でもあるのだ。農家が自らの資産運用のため、あるいは地方が地域振興のためだと称して、宅地や商業用地に転用したいといっても勝手に処分を認めてはならない。それが食料安全保障の考え方であり、そのために農業には手厚い保護が加えられてきたはずだ。

しかし、公共事業等により110万haの農地造成を行った傍らで、1961年に609万haあった農地の4割を超える260万haもの農地が耕作放棄や宅地などへの転用によって消滅した。戦後の農地改革は、10aの農地を長靴一足の値段で地主から強制的に買収して小作人に譲渡するという革命的な措置をとった。所有権を与えて生産意欲を向上させ国民への食糧を増産するという大きな目的があったからだ。しかし、それで小作人に解放した194万haをはるかに上回る農地が潰されてしまった。農地を農地として利用するからこそ農地改革は実施された。小作人に転用させて莫大な利益を得させるために行ったのではないはずだ。現在イモだけ植えてやっと日本人が生命を維持できる465万haが残るのみである。これが農林水産省が国際交渉の場で好んで主張する食料安全保障の内情である。

食料自給率低下の理由

食料危機が唱えられる中で60年の79%から39%にまで低下した食料自給率を向上させるべきだと主張されるようになった。しかし、自給率低下の要因を正しく理解しなければ、間違った方向で農業保護を増大することになりかねない。米騒動を起こしたのも戦後タケノコ生活を送ったのも消費者であって農家ではない。自給率向上は本来消費者の主張であるのに、今日では農業団体が自給率向上を叫ぶ不思議がある。

自給率低下は食生活の洋風化のためであるというのが公式見解であるが、米の需要が減少し、麦の需要が増加することを見通していたのであれば、米価を下げて需要を拡大し麦価を上げて生産を増加させるべきだった。米価を下げても農業の規模拡大等の構造改革を行い、コストを減少させれば、稲作所得は確保できるはずだった。これが1961年農業基本法の基本哲学だった。しかし、反対の政策が採用された。戦後農政の最大の特徴は食管制度により米価を大幅に引き上げて農家の所得を保障しようとしたことである。しかし、高米価により消費は一層減少し生産は刺激されたので米は過剰となり、40年近く減反・転作という生産調整を実施している。他方で、農業資源は収益の高い米から他の作物に向かわず、麦は安楽死し、自給率は低下した。

生産調整は年々拡大し、現在では260万haの水田の4割に相当する110万haに及んでいる。約1400万トンの米の潜在生産力がある中で、約500万トン相当の生産調整を実施する一方、約700万トン以上の麦を輸入している。農地が減少したのも、高米価政策により米が余っているだけなのに「農地も余っている」という認識が定着し、誰も農地資源の減少に危機感を持たなかったからだ。

これを象徴する出来事がある。1970年産米からの本格的減反を打ち出した政府に対し、これまで増産運動を行なってきた農家・農村は、いっせいに反発した。しかし、農協は食管制度が崩壊しては農協が困ると判断し、全国一律一割減反を提示するとともに、10aあたり4万円以上の補償金を要求した。1969年末の総選挙では、減反に反発していた農家も補償金で面倒をみる式の選挙公約を乱発されたため、与党は勝利した。しかし、選挙後の大蔵省原案は農林省の要求3万1000円に対し、2万1000円、総額750億円だった。このため、農協に突き上げられた与党と政府との間で一大政治折衝が展開された。その結果、単価を3万5000円にアップさせる一方、財政負担の増加を抑えるため、当初考えられた150万トン規模の米の減反を100万トンに減少させ、残る50万トン分を自治体や農協が住宅用地等へ転用するということで決着をみた。国民・消費者のための食料安全保障に不可欠な農地資源を減少させ、農業を犠牲にすることで、農家、農協の利益を守ったのだ。

また、政府はWTO交渉で関税引下げの例外を主張しているが、代償として低関税の輸入枠(ミニマム・アクセス)の拡大が要求される。これは生産調整をさらに拡大し日本農業、農地資源のさらなる縮小をもたらす。

日本の食料安全保障を脅かすものは国内にあるのである。



(私のコメント)
戦後の日本人は安全保障に関しては完全に思考が停止してしまって日米安保があれば大丈夫だと思っている。護憲勢力も憲法9条を守れとはいっても、日米安保廃棄とは言わなくなった。日米安保が破棄されれば憲法9条が改正される流れになるのはまずいからだ。

自民党が日米安保を堅持しながら憲法改正しようとするのは難しいだろう。日米安保と憲法9条とはセットになっているから、どちらかだけを変えるのは難しい。だから自民党は日米安保堅持と言い、野党は平和憲法を守れと言うから与野党とも戦後の体制を変えることは難しい。

食糧安全保障も、アメリカという世界一の食糧輸出大国があったからまったく考えずに済むようになってしまって「食糧安全保障」という言葉は死語になってしまった。だから日本はアメリカの小麦や大豆やトウモロコシを毎年大量に買い付けてきた。その為に日本の農業はどんどん衰退してしまって、ついには食糧自給率39%にまで落ち込んでしまった。

食糧と言うのは基本的に自給自足が原則であり、食糧を輸出商品としているのはアメリカ、オーストラリア、カナダぐらいで、ヨーロッパなどの輸出国は余剰農産物を輸出しているのであり、国内で足りなくなれば輸出はしなくなる。今年の農産物価格の上昇で今まで食糧輸出国だったところも輸出を停止してしまったところが多くある。

アメリカも石油価格の高騰で直接農産物の価格の高騰につながり、世界的な食糧争奪戦が行なわれている。インドや中国も食糧輸出国だったのですが、生活水準の向上で肉類などを取るようになり家畜飼料などを輸入するようになった。だから金さえ出せば食糧が買える時代は終わろうとしている。

戦後間もない頃も農家はコメを出そうとはしなかったから、都会の生活者は農家に買出しに行って食料を確保して生活を凌いだ。だから一旦食料が不足すると言うことになると農家はコメを出し惜しみをして隠してしまう。1993年に冷害と台風の被害でコメは大凶作となりましたが、小売店は売り惜しみをして店頭から米がなくなった記憶がある。

しかし不作ではあっても外国から緊急輸入するほどではなかったらしい。むしろ農業を知らないマスコミの記者が「面白い映像」を探し出してコメがまったく実らない稲の画像を写し出して食糧危機を煽った。しかし不作は一年で済んだが、これからの食糧危機は新興国の需要が増大するものだから世界的な食糧危機が起きることが考えられる。


食料自給率の裏側を読む〜今年のコメの作柄は平年並み 2007/09/19 JANJAN

米不足の真犯人はマスコミ

1.テレビの時代です。収穫前から各社が競って「面白い映像」をさがして過大に報道した。どのチャンネルを見ても「米が全く稔らない稲」の映像を放映した。

2.現地を知らない都市市民は「今年は米が全くとれない」と早合点した。石油ショックのトイレットぺーパーと同じ心理。ワーッと買い占めに出た。

3.スーパーの米売場から袋が消えた、と放映して、「入荷も滞りがちです」とアナウンス。翌日にお米屋さんに行列が出来ると、これまた面白おかしく放映して、「大変な事態です」とあおる始末。視聴率を稼ぐ為には致し方ないのかも知れません。

4.農水省も収穫予想を農協・或いは生産者団体の言うがままで発表。非農家出身の番記者たちはこれを鵜呑みにした。

5.冷害=不作=米不足  これは事実ではある。在京記者(多くは非農家出身?)たちはそれがどの程度かを現地で「自分の足と目」で確かめようとしなかった。

6.供給不足となれば価格が上昇するのが経済の原則。価格上昇で潤うのはどこか? 多くの在庫で困ってる者はないか?疑問すら湧かなかったのだろうか。

 中間業者も本音は笑いが止まらなかった。と言うと叱られますが、事実です。ただし、欲をかきすぎて儲けたお金で「来年産米」までも買い占めにかかり、多額の予約金を渡して大損をした人もありました。翌平成6年の稲作は、どうみても平年作以下であるはずなのに、この年の作況指数は102でした。この先買い米が出回らざるを得ず指数を押し上げた?


(私のコメント)
日本の農業は兼業農家が多く、週末に農作業するだけの農家が多い。農業の売上げも50万円から100万円程度であり自家消費作物が余って出荷するような農家が多い。これではいったん食糧が足らなくなれば農家はコメを出荷せずに倉庫に置いて置くようにするだろう。

このような兼業農家が多くなったのは戦後の農政のせいですが、食糧安全保障を考えずに済んだ事が国内の農業が衰退してしまった原因だ。アメリカに頼っていればいいのだから国防と共に食糧安全保障の概念は日本人から消えた。減反政策で水田は放置されて転作は進まなかった。兼業農家では畑をフルに使うという事は無理で秋から冬の畑は何も生産はされていない。農業は副業に過ぎないからだ。


兼業農家の必然性 月刊 現代農業 2008年3月号 意見異見

農業の世界でもアメリカモデルを暗黙の前提にして近代化が進められてきた。すなわち、戦後、大農機具導入と農薬化学肥料使用によって大規模化・専業化・生産性向上が推進されてきた。だが結果的には、1960年度に一戸当たり0.66haであった平均経営面積は、2002年度で1.88haと2.8倍に増えるにとどまった。また農家の専兼比率をみると、60年度に専業農家34.3%、第1種兼業農家33.6%、第2種兼業農家32.1%であったものが、02年度では専業農家20.1%、第1種兼業農家13.1%、第2種兼業農家66.8%となっている。大規模化・専業化の歩みは遅々としたものであった。このため農業は日本の産業の中で“劣等生”と刻印され、兼業農家はわが国農業の大規模化・近代化を阻害する張本人だと揶揄されてきた。

 こうしたなかで、実質的に手つかずのままきた構造政策の柱である担い手対策が、品目横断的経営安定対策として実行に移されている。まさに小泉構造改革の農業版である。

 多くの兼業農家の存在が大規模化・専業化を阻害しているとの議論には、「百姓を馬鹿にするのもいい加減にしろ」と声を荒らげざるをえない。

専兼比率とは若干異なるが、作物・畜種別の主業農家比率なるものをご覧願いたい。これによれば02年、米では主業農家比率37%、準主業農家27%、副業的農家36%となっているのに対して、米以外での主業農家比率は、野菜83%、果樹68%、花き86%、生乳96%、肉用牛93%、豚92%となっている。これらの数値は、専業化・規模拡大のメリットのある作物・畜種については、日本でもすでに専業化・規模拡大が進行していることを雄弁に物語っている。

 逆にいえば、米では専業化・規模拡大のメリットが得られがたいがゆえに専業化・規模拡大がすすまなかったと理解するのが素直であろう。「百姓の知恵」が兼業化を志向してきたともいえる。現に、大規模専業米生産農家ほど所得確保に苦労するという「農政の矛盾」を露呈してきた。水田稲作が装置産業化し、土日中心の農作業で生産対応が十分可能になったことが大きいとはいえ、農外収入によって生活費を確保し、赤字覚悟でも米を生産することによって、兼業農家は水田を守り、地域を守り、お墓を守ってきたのである。それなのに、所詮、国際競争力を獲得できるはずもない規模の4ha以上の認定農業者か20ha以上の集落営農を担い手とし、これに絞って支援しようというのである。



(私のコメント)
水田耕作が装置産業化して副業化したのは政治に振り回されて利益が少ない作物だからだろう。土日中心の農作業に適したコメの耕作は大規模専業農家よりも兼業農家のほうが向いているのかもしれない。同じ農業でも果樹や野菜や酪農などは大規模化や専業化が進んでいるが米作はなかなか大規模化や専業化が進まない。農林省などは強引にコメ農家の大規模化や専業化を進めようとしているが、実情を知らないようだ。

むしろ農地法などの改正で遊休農地を貸し出ししやすくするほうが有効だと思う。日本の国会議員は法律を作るのが仕事なのに、法律作りはみんな官僚任せだ。世襲議員が多いから世の中を知らずにみんな耳学問ばかりだ。官僚も農家を知らないからいいかげんなその場しのぎの法律で間に合わそうとする。


小規模兼業農家のサバイバルと農政 2007/08/22 JANJAN

私は数年前から田舎でコメづくりを実際に行っている。集落の農家の多くは小規模兼業農家であり、後継者不足の中で高齢化がすすんだ結果として、2軒の農家に生産を委託する(賃貸=小作契約)家が増えている。小作契約の相場は意外と高く、1反(10a)約2万円だ。例えば5反を貸すと、年間10万円もらえることになる。土日の労働から解放されたあげく、お金までもらえるのだからこれ以上、いいことはない。

 一方、小作は、5反の収穫はすべて自分のものにできる。コメを売ったお金と地主に支払う小作料の差額はかなり大きいが、小作者はその水田にかかる一切の費用(肥料や農薬ほか)を負担し、農機具を用意し、メンテナンス(草刈や消毒)もぜんぶやる。

 いまどきは一家2人、3人のコメを1年間買って食べてもたいしたお金にならない。とにかく、先祖伝来の圃場(田んぼ)を手放さない(売りたくない)、休耕田にしない(土地改良で立派な田んぼになっていて、隣接する集落の田んぼの真ん中の田んぼを草ぼうぼうにはできない)、コメづくりのために貴重な休みである土日をつぶしたあげく、その労賃は出ず、農機代(購入・修理=ローン)や経費(肥料や農薬など各種雑費)で赤字を毎年、補填しなければいけないという悪循環から開放されたい、という課題が、田んぼを賃貸に出すだけで、ほとんど解決してしまうのである。

 集落に大規模化を牽引するリーダー(人材)がいて、受け皿(小作の引き受け)がある場合、確かに、農業は可能性を帯びる。





グルジア戦争が始まったのに北京オリンピック観戦に4日も
費やす無能な米大統領。反応の鈍さはライス国務長官の責任だ。


2008年8月16日 土曜日

ゲーツ長官、ライス国務長官ともに旧ソ連専門家であるにもかかわらず、
ロシアの軍事侵攻を読めないなど政権の対応は後手にまわった感は否めない
(写真は米政権の新3ばかトリオ)


露の侵攻読めず…後手に回った米政権 グルジア紛争 8月15日 産経新聞

【ワシントン=有元隆志】ゲーツ米国防長官は14日の記者会見で、グルジア紛争について米軍の軍事力行使の可能性を否定した。核大国であるロシアとの対立激化は避けたいとの姿勢を明確にしたものだが、今後ロシアに、撤退に向けていかに圧力をかけていけるかが課題となる。ゲーツ長官、ライス国務長官ともに旧ソ連専門家であるにもかかわらず、ロシアの軍事侵攻を読めないなど政権の対応は後手にまわった感は否めない。

 ゲーツ長官は、グルジア国内での米軍の活動について「軍事力行使の可能性があるとはみていない」と述べ、人道支援に限る考えを示した。その理由として、(1)人道支援のための空路が確保されている(2)道路も封鎖されていない(3)ロシア軍が交戦前の位置まで撤退を開始しているように思われる−ことを挙げた。そのうえで「(冷戦時代を通じ)ロシアとの軍事対立を避けるため努力してきた。それを変更する理由は見あたらない」と強調した。

 長官はロシア軍のグルジア侵攻を予測できず、対応が遅れた理由について聞かれると、ロシア、グルジア双方に自制を促してきたとしながらも、「われわれの対応はロシア側から言われたことに影響を受けたところがある」と釈明した。

 侵攻開始前、ゲーツ長官、ライス長官ともにロシアのラブロフ外相、セルジュコフ国防相と連絡をとりあったが、ロシア側は「グルジアに入るつもりはない」と説明したという。

 米中央情報局(CIA)で旧ソ連情勢を分析してきたゲーツ長官は安全保障政策に携わるうえで、「信頼ではなく、国益、現実をもとにすべきと考えている」との信念を披露したものの、ロシア側の意図まで見抜けなかったようだ。

 イラク、アフガニスタン問題に追われるなか、グルジア情勢への米国の情報収集活動、分析が不十分だったとの批判も出ている。

 ゲーツ、ライス両長官からの適切な助言がなかったためか、ブッシュ大統領はロシアとグルジアの対立が激化しても、五輪が開催されている北京から米国に戻ることはなかった。

 保守派コラムニストのチャールズ・クラウハマー氏は14日付の米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、2005年8月末、米南部に被害をもたらした大型ハリケーン・カトリーナの際、ブッシュ政権の初動対応が遅れたのを引き合いに、「大統領はプーチン首相が隣国への侵略を指図していたとき、北京でビーチバレーの観戦と楽しんでいた。この『ミニ・カトリーナ』のような状況の埋め合わせをする必要がある」と批判。主要国首脳会議からの“除名”などの制裁案をとりまとめ、ロシアに撤兵圧力をかけていく必要性を強調した。


グルジア戦争ですべてを失ったブッシュ大統領 8月15日 天木直人

グルジア戦争ですべてを失ったブッシュ大統領

 15日の日経新聞は、13日ホワイトハウスでグルジア戦争に関する声明を発表するブッシュ大統領とライス国務長官の写真を掲載している。

 ブッシュ政権の末路を象徴するこれほど皮肉な写真はない。

 繰り返して私はこのブログで書くが、グルジア戦争は、最大の軍事覇権国家米国と、その米国に軍事的に対峙する軍事覇権国家ロシアの代理戦争である。

 どちらが正しい、どちらが悪い、などという議論はまったく無意味だ。

 悪しき指導者たちによって引き起こされた、およそ無益な絶対悪の戦争である。

 それにしてもブッシュ大統領は愚かだ。

  ブッシュ大統領の8年間は、イスラエル、ネオコンに引っ張られた誤った中東政策のため、イラク攻撃を始め、テロとの戦いを引き起こし、そして国際社会を分断させた。

 ブッシュ大統領の8年間はまた、グローバリズムと言う名の新自由主義によって内外に格差社会をつくり、行き過ぎた金融資本主義によって世界経済を不安定化させた。その末路がサブプライムローン問題の炸裂である。

 そして今度のグルジア戦争である。

 もしブッシュ大統領が冷戦後の安定した米ロ協力関係を構築できていたのなら、そこに一つの評価を認められたはずである。

 しかし、ブッシュ大統領は自らの手で、その可能性を閉ざした。それどころか「新たな冷戦」関係をつくってしまったのだ。

 これでブッシュ大統領の8年間は、文字通り評価すべき何物もない歴史的な不毛の8年間となった。

 それにしてもライス国務長官は無能だ。

 彼女はロシアの専門家ではなかったのか。ブッシュ大統領の教師ではなかったのか。

 ライス国務長官の虚像がついに白日の下に晒された。

 もはやすべての側近が去っていった裸の王様ブッシュ大統領に、最後まで忠誠を尽くした、ただの無能な追従者でしかなかったということだ。

  そんなブッシュ大統領を正しいと叫び、日本をブッシュ大統領の米国に売りわたして国民を塗炭の苦しみに突き落とした小泉元首相の責任を、今こそ我々は追及しなければならないのだ。

  その追求を恐れて小泉元首相は政策を語らないのだと思う。

  にわかボーリング愛好家になってごまかそうとしているに違いない。



(私のコメント)
ブッシュ大統領の支持率が急落するきっかけになったのはイラク戦争の泥沼化がありますが、ハリケーンカトリーヌの被害に対して政府の対応が遅れたのが大きな原因となっている。9.11テロが起きた時もブッシュ大統領は小学校で無駄な時間を費やしてしまった。これでは本当核戦争が始まって核ミサイルが米本土に飛んできても何も出来ない内にアメリカは焦土と化しているだろう。

これくらいアメリカの大統領は緊張を強いられて、間違いがないように有能なスタッフに囲まれていると世界から思い込まれている。しかしそれは間違っているようだ。保守派コラムニストのチャールズ・クラウハマー氏は14日付の米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、「大統領はプーチン首相が隣国への侵略を指図していたとき、北京でビーチバレーの観戦と楽しんでいた。この『ミニ・カトリーナ』のような状況の埋め合わせをする必要がある」と批判しました。

たとえ状況に影響がなくても急いでワシントンに戻るのと、ビーチバレー観戦で4日も時間を無駄に使うのとでは国民に与える印象が異なる。おそらくアメリカ政府はオリンピック期間中でありプーチンも北京にいるのだからロシアの反撃は遅れるだろうと言う甘い見通しでグルジアのサアカシビリ大統領にGOサインを出したのだろう。

しかしロシアは待っていたかのような反撃でグルジア軍は後退させられてしまった。アメリカの情報機関はロシア軍の動向を監視していたはずなのに、ロシアの外相と国防省の発言に騙されたのだろうか? アメリカのCIAやNSAは膨大な予算を使って世界情勢を分析しているはずだと思われていますが、9・11の時も機能しなかったし、イラクの核開発にも偽の情報に引っかかり、グルジア戦争にも読みを誤った。

日本としては外交も防衛も全てアメリカにお任せしているのですが、アメリカは大丈夫かと心配になってくる。「株式日記」としては日本もそろそろ自主防衛体制を組んで外交の国益最優先の外交を取るべきだと主張しているのですが、このままではお粗末なアメリカ外交にお付き合いをして、日本までアメリカの衰退に巻き込まれかねない。

アメリカの軍事力は非常に強大だから、政府の機能もそれに伴っているはずだと日本人は思いがちですが、大統領がバカだと猫に小判、豚に真珠になってしまう。アメリカの北朝鮮外交も金正日に弄ばれている感じですが、このまま北朝鮮に接近すれば日本との関係も壊しかねない。

アメリカは韓国や台湾との関係もギクシャクしてきて、中国との外交を最優先している。だからブッシュは北京に4日も留まったのでしょうが、その間にグルジアでは予想外のロシアの反撃を受けてグルジア政権はピンチを迎えている。ロシアと戦争をするつもりなら米軍をグルジアに投入することも出来ますが、核戦争になってしまう。

超大国アメリカの外交はまさに迷走しているのですが、そのアメリカに日本は同盟を組んで軍事と外交の主導権をアメリカに委ねてしまっている。アメリカはイラクやアフガニスタンに軍隊を派遣して戦争していますが、留まるも地獄、撤退するも地獄の八方ふさがりの状況に陥ってしまった。イラク戦争経費だけでも毎月1兆円以上の出費だ。こんな事を続けていたら経済大国でも破産する。

田中宇氏によればアメリカは自滅したがっているそうですが、そんなアメリカにお付き合いをしていてはパキスタンのムシャラフ大統領のように辞任に追い込まれて政権は崩壊してしまう。アメリカは無能外交を繰り広げることで親米派政権を次々転覆させてアメリカの重荷から逃れる戦略なのかもしれない。福田政権もその一つだ。

まさにブッシュ大統領は徳川幕府末期の15代将軍徳川慶喜なのかもしれない。アメリカにとってイラク戦争は鳥羽伏見の戦いなのだ。それで日本は会津藩になるつもりなのだろうか? ロシアは当分経済的に立ち直れないと見られていましたが、BRICS景気に沸いて立ち直り、軍備も増強されて核戦力は健在だ。

アメリカの衰退を一番よく知っているのはアメリカ自身であり、だからこそ自滅戦略で親米各国と手を切るつもりなのではないだろうか? 日本に対してもアメリカ政府は竹島を韓国領と認め、北朝鮮とは国交回復して拉致問題は放置するつもりなのだろう。それでも福田政権はアメリカに付いて行くつもりなのだろうか? アメリカは本音では世界の流れが読めないKYな日本と見ているのかもしれない。

確かに日本の政治家や支配層から見ればアメリカの権威を借りて支配することは楽だからアメリカとの関係を保つことを第一とするだろう。しかし極東情勢を見ればアメリカは韓国から撤退して台湾を中国に譲るつもりのようだ。日本からも撤退してアジアを中国に任せようというつもりかもしれない。

アメリカは石油を確保するつもりでイラクまで占領しましたが、その為には数十万のアメリカ軍を貼り付けなければならない。しかしそんなことをすればアメリカは経済的にもたなくなる。それが分かったからこそアメリカは戦略的撤退をするために、わざと失敗し続けているのかもしれない。まさにブッシュは徳川15代将軍なのかもしれない。



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