株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


イージス艦『あたご』の自動操舵っていうのは、本来こういう戦闘艦、
軍艦にはありえないことなんです。世界の海軍にとっても非常識です。


2008年2月29日 金曜日

あたご乗員、飲酒か=野党、29日に追及の構え−イージス艦衝突 2月29日 時事通信

海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、あたごの乗員が事故当時、飲酒していた疑いがあるとして、野党が29日の衆院予算委員会で追及する構えであることが28日、分かった。
 海上自衛隊は、艦船の中での飲酒を禁じているが、遠洋航海での停泊中は例外として認めている。あたごは衝突時、米ハワイ沖でミサイル試験を終え、横須賀基地(神奈川県)に寄港する途中で、ハワイ停泊中に乗員が艦内で飲酒した可能性が高い。
 遠洋航海でも、航行中の飲酒は禁じられているが、横須賀基地に向かう航路でも、艦内に酒類があったとみられ、海自は「確認できないが、海上保安庁の調べに対し、事故時の飲酒を認めた乗員がいるかもしれない」としている。


イージス艦衝突新事実と海自の深い闇を青山がズバリ 2月27日 ぼやきくっくり

(抜粋)
青山繁晴
「要するに、この戦闘指揮所にこう、実際にスクリーンがあってですね、360度に見えるこのスクリーンがあって、そこで全部、真っ暗な海の全て見えてるから、すなわち漁船は必ず見えてるんです。見張り員がその、緑の火とか赤の火とか、どっちに見たというのははっきり言うと、その、本筋の話じゃなくて、必ずここ(戦闘指揮所)で見てるから、2分前、12分前も本当は本質的な問題じゃなくて、漁船が、あるいはその漁船団がここにいるってことは、イージス艦は100%間違いなく見てるわけです。だからさっきの別の艦長は、ここにいる見張りの人に責任を持っていくのは全くおかしいと言ってるわけです。ね。で、こうやって全部の情報を統轄してるのはもちろん艦長ですから、艦長が最大の問題ってことになるわけです。じゃあ何で衝突したのかってことになりますね。思い出して下さい。さっき艦長が、別な艦長が言ったのは、見張り員の問題にするなっていうことと、自動操舵、これは今まで報道されましたから皆さんご存知ですね。このぶつかったイージス艦『あたご』は、衝突の1分前まで自動操縦を使ってて、さあヤバイってなって最後に手動に切り替えたけども、間に合わなくて当たったってことになってますね。この自動操縦を使ったってこと自体、僕はびっくりしたんですが、別の艦長もこう言いました」

村西利恵
『自動操舵は使わないはずだった』

青山繁晴
「はい。今ちょっと操縦と言っちゃいましたが、正確に言うと操舵ですね。自動操舵っていうのは本来こういう戦闘艦、軍艦にはありえないことなんです。世界の海軍にとっても非常識です。というのは戦闘艦、軍艦っていうのはたくさんの人間が乗ってます。たくさんの人間で交替にやりますから、つまり必ず必要な人間は起きてますから、自動操縦にする意味がないわけです

一同
「ああー」

青山繁晴
「それは民間の船でね、タンカーとかそういうのは人間が足りないから、安全な所では自動操縦するけれども、本来こういうものはつけるはずがない。じゃあどうしてつけたんだって、その別な艦長に聞いたらですね、『青山さん、これははっきり言うと、この船を造る時にね、日本のメーカーで造る時に、こういうのあったら便利ですよと言われて、そのまま、そうですかとつけちゃったんですよ』と」

山本浩之
「便利?ああ、オプションみたいなもんですか、じゃあ」

青山繁晴
「オプション、便利なオプション。だから車のね、あの、そんなのあるじゃないですか。その、オートクルーズって。そのようなもんでつけちゃったんですよ。僕、その話自体、改めて驚きましたが、しかしその艦長が言ったのはね、『つけたけれども使わないはずだった』と。『まさか使う艦長がいるとは私は夢にも思わなかった。私の艦では一度も使ったことがない』と」

青山繁晴
「絶対手動だと。この人は一回もそんなもの使ったことがないと。それなのに一番トップの『あたご』の艦長、舩渡健さんがそれを使ったっていうのは、『私は膝が震えるほどにですよ、愕然としますよ』と。それだもんで、この艦長は実は問い合わせをした。ね。それは友だちいっぱいいるわけだから、問い合わせをしたら、いったいその時の状況の、これ、真相、真相はどうだったかというとですね、ハワイでミサイル迎撃実験って重大な任務をやりました。やって、さあハワイから日本に帰っていく。その時に順風満帆、天気がずっと良くて、どんどんどんどん船が進んでいった。東京湾に入る頃には、2月20日の午前9時頃、つまり衝突事故の空白の午前9時頃に着けばいいというゆるい話だったから、もう速度10ノットに落として、自動操縦にして、だから艦長も寝てたんですと。もう要するにオフ・デューティーに入ってしまった。要するにそういうサラリーマンのような、つまりさっき言った、その、軍艦に自動操縦ありえないっていうのは、常に緊張してなきゃいけない。なのに普通のサラリーマンのように

山本浩之
「もう気分的には開放されてた」

青山繁晴
「気分的には開放されてた状態にあったから、自動操縦に、えー、自動操舵、ごめんなさい、さっきから操縦と言ってるけど正しくは操舵です。『自動操舵になったままであり、それをあたかも見張りが不十分だったかのような話にするっていうのは、我が海上自衛隊の責任体制はいったいどうなってんでしょうか』と、彼は言ったわけです。そしてその上でね、今日のフリップは……これをお見せしたいんです(フリップ出す)」

青山繁晴
「えー、この別の艦長っていうのは、その、『あたご』の舩渡艦長と階級も同じ一等海佐、国際的に言うと海軍大佐になるわけですね。彼、ふだん船に乗ってるわけですから、僕は帰国してすぐ電話した時に通じないと思ってかけたんですが、偶然船を下りてぱっとつながったわけですね。で、彼は『船下りる時に嫌な予感しましたよ』と。『これ下りたらきっと青山さんから「あたご」の件で電話がかかるだろうと思ってた』と、最初はそういう話をして、で、僕はその、艦長、なぜ出てこないとガーッと怒り出して、それで今の話になってからですね」

山本浩之
「なぜ出てこないというのは、舩渡艦長がなぜ公の場に出てこないってことですね」

青山繁晴
「はい。で、今言ったような話になって、で、長時間の電話になってるうちに、だんだん彼の声が変わってきて、その、要するに涙声になっていったわけですよ。それで僕は内心ちらっと、お前泣くのか、情けないと言おうとしたら、その時彼が言ったのはね、『青山さん、これはもう中国と北朝鮮が本当に喜んでる話であって、このだらしなさ』、まず海上自衛隊は、その、さっき室井さんも言った通り、その、日本国民を守ってるはずのこの人たちが実は、下の階級の人間に責任を押し付けようとする雰囲気があったり、それから東京湾に入ってきた時にオートパイロットにして、艦長が寝てる緩い組織だっていうこと、もう明々白々に見せつけたようなもので、その、会見したり、あるいはその、大臣の答弁も混乱したりしてる間に、どんどんどんどん国民からも海上自衛隊や防衛省が離れていき、結局はこの、中国や北朝鮮という人たちを、中国は別に日本と敵対してるわけじゃないですよ、しかし北朝鮮は日本国民を誘拐したままですから。いずれにしろ『海上自衛隊として考えなきゃいけない相手を喜ばせてる、それを自分たちがやってるってことは本当に血も涙も……思いなんです』ということを言ったわけです。で、僕はそれを、電話切った後にですね、さっき言いました通り、石破茂防衛大臣に電話をして、その、石破さんも苦労されてるのはわかるけれども、なぜその、自分の職を賭して冬柴国土交通大臣にかけあって、その、舩渡艦長をすぐ国民の前に出して、ありのままに、その、どうして説明させないのかと。で、その時に日本の海上自衛隊は、海軍力としては実は世界第二位。ということはアメリカ海軍が上にいるわけですから、世界実質第一位と言われながら、実はその組織の在り方やあるいは法律の整備が極めて不十分で、海軍力なのに海軍じゃない、つまり責任をどこまで持って良いのか、どこまでが自分たちのその、死を賭した、命を懸けた責任なのかっていうのがあいまいのまま、これは僕は国民が悪いって言ってるんじゃなくて、海上自衛官自身がそういう体質に甘えて育って、もう艦長になったらそれでOKとしてる人たちが多い。さっきの記者会見でも、皆さんわかったと思いますが、非常に官僚的な答え方でした。僕さっき憤激した通りですね。で、それを含めた血と涙だと思うんです。だからその、漁民の方の生活にこのような大きな打撃を与えた以上はですね、さっき漁民の方の代表の方がおっしゃってた通り、その、原因の究明を最後までやって、その、東京湾の安全を保つだけじゃなくて、その、海上自衛隊はどうしてこんな組織になってしまったのかっていう根っこを、これ、考えるきっかけにはどうしてもしたいと思うんです」


(私のコメント)
19日に起きた護衛艦と漁船の衝突事故は両方が悪いのですが、一番問題としなければならないのは防衛省の増長とたるみだ。憲法上日本には軍隊は無く、だから軍法会議も無い。衝突事故も海上保安庁が調査するのであり、防衛省は組織防衛のために航海長をヘリコプターに呼んで隠蔽工作とも取られかねない行動をした。

これは日本の政治が、戦後間もない時期に作られた平和憲法をそのまま店晒しにしているからこうなるのであって、軍の規律を取り締る憲兵隊が存在しない。警務隊は存在するが、このような事故が起きたときの警察権は無い。自衛隊は警察予備隊として発足して、実態は警察の下部組織のままなのだ。

だから「株式日記」では海上自衛隊はたるんでいると非難し続けていますが、自衛隊を警察の下部組織のまま放置している政治に一番責任がある。防衛省は出来ても喜んだのは内局の役人だけで、現場の自衛官は日陰者のままだ。このような組織では現場の自衛官もサラリーマン根性が染み付いてしまって、今回の事故のようなことが起きる。

軍艦は24時間体制であり、いつ何処から攻撃されるか分からないから交代制で航行しているはずだ。21日の「株式日記」でも書いたように驚いたのは護衛艦が自動操舵で航行していたことだ。テレビでも元艦隊司令官が出ていましたが、「私の護衛艦にはオートパイロットはついていなかった」と話していました。

その元司令官の話では、漁船団を見かけたら大きく迂回して航行するのが常識であり、漁船団の中に入ってしまったら右にも左にも舵が切れなくなり、護衛艦は停止せざるを得なくなる。それを「あたご」はオートパイロットのまままっすぐ突っ切ろうとした。だから事故が起きたのだ。

護衛艦「あたご」はなぜ汽笛を鳴らさなかったかという疑問も、艦長が寝ていたから起こさない為に汽笛を衝突の直前になるまで鳴らさなかった。艦長が寝ていると汽笛も鳴らさない護衛艦はなんなのか? 当直仕官は何を考えて船を操舵しているのかまったく分かっていないようだ。10人近くが指令所にいたはずなのにみんな寝ていたのか?

護衛艦がオートパイロットで航行すること自体たるんだことであり、常在戦場の気風は何処に行ったのだろうか? これではミサイルを打ち落とすイージス艦でも潜水艦から魚雷一発で轟沈させられるだろう。旧帝国海軍では電子機器が発達していなかったから潜望鏡がわずかに海上に出ていただけで潜水艦を発見していた。だから漁船がどのようの航行しているのか気がつかなかったというのはたるんでいる以前の問題だ。

これは「あたご」だけがたるんでいるという問題ではなくて、防衛省全体がたるんでいる証拠であり、政治そのものが防衛や外交をアメリカに丸投げしているから日本全体がたるんでしまう。自分の国は自分で守るという常識があれば、アメリカ軍には日本からお引取り願って自主防衛体制を整えるべきなのだ。そうしなければ、お隣の国のように宗主国の柵封体制下に入って500年の属国支配になって日本は滅亡するだろう。「あたご」の事故はそれの予兆のようなものだ。

2ちゃんねるの単細胞連中は海上自衛隊をかばっているようだが、このような腐敗堕落を放置していたら、戦前のような取り返しのつかないことになりかねない。「亡国のイージス」という映画がありましたが、イージス艦が反乱を起こしてクーデターを起こしたろどうなるのだろう? オートパイロットで漁船を蹴散らしながら航行するイージス艦に逆上せ上がった気持ちがあったのではないだろうか? そんな気持ちがクーデターに結びつく。戦前の515事件も226事件も逆上せ上がった青年将校が起こしたものだ。

問題の根本原因は、日本が戦後63年経っても国家としての体をなしていないことであり、外交と防衛を自発的な独立した戦略を持ち得ないということだ。国会内では核武装の議論すらアメリカによって封殺されてしまっている。目の前の北朝鮮が核武装したにもかかわらず日本はアメリカに防衛を依存しなければならない。アメリカは善意で行なっているのではなく、日本を軍事的に弱体化したまま保護下に置くことを戦略にしている。

しかしながら防衛省は毎年5兆円もの予算を使って、役人と政治家たちの利権の巣窟になり、現場の自衛官の声は政治家には届かない。石破防衛大臣も軍事オタクらしいが、根本的な日本の防衛戦略は日米安保で膠着してしまっている。アメリカは潜在的敵国である中国と連携して日本を無力化する戦略はキッシンジャーと周恩来の会談で明らかになっている。それでも日本はどうすることも出来ないのだ。

結果的にイージス艦「あたご」のような、たるんだ護衛艦が出てくるのであり、オートパイロットで航行するのならば300名もの海上自衛隊員を乗せる必要はない。タンカーや商船のように数十名の隊員で十分だ。睡眠の妨げになるから汽笛を鳴らさない自衛隊の護衛艦は海上ホテルなのか? 毎週のようにゴルフ三昧の防衛次官がいたが、それに気がつかない防衛大臣もたるんでいる。守屋次官の日焼けした顔を見ればゴルフ焼けは隠しようがない。




歴史上で西欧を除けば中進国から先進国入りを果たした国は日本しか
ない。中国や韓国が先進国になるには礼儀と品格が欠けていると思う。


2008年2月28日 木曜日

【社説】今こそ先進国入りの礎を築け 2月26日 朝鮮日報

李明博(イ・ミョンバク)大統領は25日の就任演説で、「(建国60周年を迎え)新たな60年の1年目となる2008年を大韓民国先進化の元年にする」と宣言した。韓国は建国から半世紀で産業化と民主化を成し遂げるという、世界史でもまれな奇跡を起こした。われわれが乗り越えるべき最後の障壁は先進国入りだ。しかし、韓国はその最後の壁の前に座り込んだまま、内輪での争いに時間を費やしてきた。

 先進国行きの列車は乗客をいつまでも待ってはくれない。チェコ、ブラジル、アルゼンチンなど一度は先進国入り目前まで行った国々は、一度列車に乗り遅れたがために中進国にとどまることさえもできなかった。われわれが今後の5年間も惰性で過ごせば、先進国入りを前に没落した国家の隊列に「大韓民国」という国名が加わることになろう。

 今後10−20年間で世界は根底から変わる可能性が高い。グローバル化と知識産業への再編という流れに乗ることができなければ、現在の先進国でさえも没落を免れない。われわれは少子高齢化が本格的に国家のエネルギーに影響を与える前に先進国入りの礎(いしずえ)を築かなければならない。20年以内に中国は経済規模で日本を追い越すだろう。中国と日本に挟まれた韓国が活路を見い出せる時間はあまり残されていない。また、今後20年で北朝鮮も急変するだろう。それに備える時間も不足している。

 しかし、歴史上で西欧を除けば中進国から先進国入りを果たした国は日本しかない。先進国入りが困難なのは、経済開発5カ年計画のようなものを政府が推進したからといって先進社会が実現するものではないからだ。われわれは政府が計画を立て、発展させていく上では限界に達した国だ。先進国は国民と国家が安全と豊かさを享受する国だが、前提として社会に法と秩序が存在する。今越えなければならない真の関門は、社会の構成員が自由より責任、権利より義務、自己より他人、主張より配慮、「思いのまま」より礼儀と品格を生活に根付かせることだ。先進国入りに失敗した中進国は軒並みこの関門でつまずいた。韓国が先進国を目指す途上で直面した労使、教育、階層問題などさまざまな対立の原因と解決法も、結局はそこに辿り着く。

 李大統領の行く手には、先進国入りのドアを開けるか、終列車を逃すかという分かれ道が迫っている。どちらにせよ大統領が責任、義務、他人に対する配慮、品格のような徳目を率先して実践できるか、それによって国民の心を動かせるかに懸かっている。



ロイヤルティーが高すぎる! 韓国農家が悲鳴 2月12日 朝鮮日報

 ロイヤルティー(知的財産権使用料)は、何も工業製品にだけ要求されるものではない。もしあなたが韓国で生産された一つ1000ウォン(約113円)の「ゼスプリキウイ(チャムダレ)」を買ったとすれば、そのうち200ウォン(約22円)はニュージーランドに支払われる。

 ロイヤルティーの名目で、生産額の約20%をキウイ種子開発メーカーのニュージーランド・ゼスプリ社に支払っているのだ。ゼスプリが今年、韓国のキウイ栽培農家から受け取ることが予想されているロイヤルティーは約40億ウォン(約4億5000万円)に上る。

 このように韓国農家が植物品種のロイヤルティーとして今年海外に支払う金額は、160億ウォン(約18億円)以上と推定されている。種子に対する権利を国際的に保護する「植物新品種保護国際同盟(UPOV)」に加入した2002年以降、02年に13億ウォン(約1億4000万円)、04年に50億ウォン(約5億6000万円)、06年には123億ウォン(約13億9000万円)と、その額は年々膨らんでいる。

 このうち、バラ(76億ウォン=約8億6000万円)、ラン(27億ウォン=約3億円)、キク(10億ウォン=約1億1000万円)、カーネーション(5億ウォン=約5600万円)などが上位(06年基準)を占めている。UPOVで種子の権利が認められている個人や団体は、20−25年にわたってロイヤルティーを受け取ることができる。05年には韓国農水産物流通公社が種子に対する権利を侵害したのを理由に、ドイツにあるバラの種子会社に3600万ウォン(約409万円)の損害賠償を支払った。

 現在、韓国は日本とイチゴのロイヤルティーをめぐり争っている。日本側は韓国で栽培されているイチゴの約65%が日本の種子を無断で使用したものだと主張。年間30億ウォン(約3億4000万円)に上るロイヤルティーを支払うよう要求している一方で、韓国側は「高すぎる」とこれを拒否している。



「日本企業の国内再投資は規制改革のたまもの」 2007年10月8日 朝鮮日報

 韓国経済の持続的な成長と雇用の創出に向け、規制を大幅に改革し、企業経営に適した環境を造成する必要性があるとの主張が出た。最近トヨタやホンダなどの日本メーカーが国内にUターンするケースが増えているのは、日本政府の大々的な規制改革で日本国内の投資環境が改善されたためだという

 全国経済人連合会(全経連)は、7日に発表した「日本企業の自国内への投資Uターン現象とそのポイント」と題する報告書でこのように明らかにし、出資総額制限制や首都圏規制などの規制を大幅に緩和し、国内の工場設立を増やすべきだと主張した。

 全経連によると、日本は2001年に小泉政権が発足して以来、出資総額制限制や首都圏規制の廃止など1500余りの規制改革を断行。その結果、海外に向けられていた日本企業の投資が、再び日本国内に向けられるようになってきたという。日本国内の新規工場の設立は、02年の844件から昨年は1782件へと大幅に増加した。一方、日本企業の海外工場の設立は、同期間に434件から182件へと大幅に減少した。

 企業別では、ホンダが30年ぶりに東京近郊の埼玉県に国内工場を着工したほか、東京製鉄も15年ぶりに日本国内での溶鉱炉建設を進めている。またトヨタ自動車も、ここ3年で日本国内への投資が北米市場への投資の3倍に上るほど、日本国内への投資を増やしている。

 しかし、韓国企業は国内工場の設立が04年の9204件から昨年は6144件へと減ったほか、外国人の国内直接投資も1999年以降、引き続き減少している。

 これについて、全経連の関係者は「日本では、90年代後半からの大々的な規制改革で企業経営に適した環境が造成された上、技術の海外流出を阻むという目的もあり、国内投資が再び増え始めている。韓国も、規制改革と労使関係の安定化を図ることで、海外に向けられている投資を国内に引き止めるべきだ」と主張した。



(私のコメント)
先進国の定義のはっきりしたものはないのですが、サミットに参加している国とか、OECD加盟国であるとか、経済的な規模や国民一人当たりの所得が高い国であるとか、いろいろありますが、日本はすべての条件を満たしている。それに対して韓国は先進国といえるのか人によって異なる答えが出るでしょう。

韓国は経済的規模や水準からいえば先進国といえるのでしょうが、最後の壁を越えてはいない。最後の壁とは知的財産権を尊重する国であるかということであり、道徳やモラルの高い国でないと知的財産権は守られていない。知的財産権という概念が根付いていないと高度な文化的産業が育たないわけで、パクリやコピー商品が出回るような国は先進国とは言えないだろう。

かつてのアルゼンチンはアメリカを上回るほどの将来を期待された国だったのですが、今では破綻国家の仲間入りをしてしまった。東欧などもかつてはヨーロッパ中央に位置してオーストリア・ハンガリー帝国の頃は先進国であっただろう。しかし共産主義国家となって商業モラルが無くなってしまって経済的にも後退してしまった。

このように経済的には一時的に繁栄することがあっても先進国入りに失敗してしまうのは最後の壁が乗り越えられなくて中進国に後退してしまう例が多い。ロシアにしても民度において先進国といえるのかという問題がある。ロシアはサミットの参加してG8となりましたが、ロシアは興亡の波が激しくて一定しない。

中国も最近は世界から外資の導入や技術移転などで毎年10%を越える経済成長をしていますが、このまま先進国になれるのかというと難しいだろう。豊かになれば民主化が進んで経済的にも政治的にも安定した国家になれるのかという問題がある。

韓国も国民一人当たりの年収が10000ドルを越えて豊かな国の仲間入りをしたはずなのですが、イチゴ栽培でロイヤルティーも払わずに栽培していたことが発覚して問題になっている。工業分野でも知的財産権の侵害が多くて韓国に進出した企業が技術を盗まれて撤退したケースも多い。朝鮮日報の社説にも書いてあるように最後の関門が韓国人の前に立ちはだかっている。

国が豊かになれば教育の環境が整って道徳やモラルの教育が徹底してくるはずだ。韓国や中国が経済成長しているのは教育水準が高くなったからですが、問題はその内容だ。朝鮮日報にも書かれているように、「今越えなければならない真の関門は、社会の構成員が自由より責任、権利より義務、自己より他人、主張より配慮、「思いのまま」より礼儀と品格を生活に根付かせることだ」。

日本にしても、このまま道徳やモラルが荒廃していけば、日本が中進国に後退していくのは歴史を見れば明らかだ。道徳やモラルのレベルからいえば現代よりも江戸時代のほうが高かったのだろう。昔は玄関を開けっ放しにしても泥棒がいなくて問題にならなかったのですが、今では地方でも鍵をかけておかないと泥棒が入る。つまり道徳やモラルは豊かさとは関係がないのだ。

日本もバブル前後から道徳やモラルがおかしくなり始めたようだ。経済的に豊かになればなるほど金銭万能主義がはびこる様になって、ホリエモンや村上世彰のような人物が幅を利かすようになる。金銭万能主義になれば男はヤクザに女は売春婦にになって稼げばいいといようになる。そんな国家になれば二流国家に転落するのは目に見えている。

一時は安い労働賃金の国に工場を移転させてきた日本企業も国内回帰の動きが見られるようになりました。世界の発展途上国にとっては先進国から資本と技術を提供してもらって国内で生産してもらえれば労働問題と経済成長が一気に解決できるからだ。しかしある程度経済発展が進めばコストが上昇してメリットが無くなる。後は自立的な発展が出来るかという課題が出るのですが、それには高い能力と知的財産権の尊重などのモラルの問題が出てくる。

工場の海外進出も日用雑貨品などの製造程度なら比較的容易だろう。手作業も多く労働集約的な生産は労賃が安いほうが圧倒的に有利だ。しかし工場もハイテク化してくるとコンピューターの制御も電話帳のように分厚いマニュアルを何冊も読み込んでオペレーションしなければならない。外国人が日本語のマニュアルを読むことも困難だろうし、日本語が読めたとしてもマスターできなければ意味がない。最先端のハイテク工場が日本回帰しているのも、熟練したオペレーターが養成出来なければ機能しないからだ。




「米国はダブルスタンダードで信用できないが、ロシアは約束を守る国だ」
という国際世論ができあがることは米国にとって悪夢であろう。


2008年2月27日 水曜日

米国には「覇権国家」としての世界戦略があるのか?その場しのぎの国益主義に疑問を呈す。 2月26日 じじ放談

第一次・第二次世界大戦で、本土が戦火から免れた唯一の国家米国は、国内産業を温存できた僥倖もあって資本主義陣営の盟主になった。「帝国以後」の著者E・トッドによると、戦後、旧ソビエトを盟主とする共産主義が東欧を勢力下においたため、これを脅威と感じた西欧諸国が、嫌がる米国をたきつけて北大西洋条約機構(NATO)を結成したのだという。米国は不本意ながら、同盟国の強い要請を受け入れ、資本主義陣営の盟主に祭り上げられた由である。

旧ソビエト連邦のスターリンが「世界の共産主義化」という戦略の下、並々ならぬ意欲を持っていたことと対比すると、米国の「覇権国家への消極的態度」が目につく。それでも、冷戦時代はソビエト連邦という「好敵手」がいたから、否応なく「資本主義陣営の盟主らしく振舞う」ことができた。つまり、世界戦略を持たなくても、ソビエト連邦の出方を見て対処しておれば、それなりに「格好をつける」ことができた。

1991年ソビエト連邦が自滅。社会主義陣営が崩壊した後、米国は「好敵手」がいなくなった。それまで、ソビエトの出方を見て対応すればよかったのに、唯一の覇権国家となった米国は「自らの世界戦略を描くべき立場」に立たされた。だが、その後の展開を見ると、米国が「世界の覇権国家としての戦略を持っていた」とは思えないのだ。

米国は世界中から「ダブルスタンダード」とみなされている。米国には行動選択の基準が二つあり、米国の都合で使い分けるとみなされている。ある時は「民主主義と人権」を掲げて経済制裁に乗り出すかと思えば、最悪の独裁国家並びに人権侵害国家と蜜月関係を結ぶという具合である。

現在、米国はキューバ、北朝鮮、イラン、ミャンマーほかに対して「非人権国家」とレッテルを貼り「経済制裁」を行っている。北朝鮮は外国人拉致、偽札づくり、麻薬の製造・販売、テロ組織への武器輸出等に手を染めているから「経済制裁」をしても当然である。だが、キューバ、イラン、ミャンマーは、世界が脅威と感じる悪事を行ったのか?国内の反対勢力を弾圧したかもしれぬが、国際社会は迷惑を被っていない。つまり、当該国の内政問題を「針小棒大」に取り上げ、「人権侵害国家と認定」し、恣意的に経済制裁を課すのだ。キューバ、イラン、ミャンマー以上に国民を武力で弾圧している国は少なくない。特に、中国の宗教団体(法輪功・地下キリスト教会)への弾圧、ウイグル人・チベット人に対する100万人ともいわれる大虐殺には目をつぶり「米中の戦略的互恵関係」を築いている。

米国のダブルスタンダードぶりは目を覆いたくなる。つまり、米国は「世界の覇権国家」としての自覚がなく、かつ覇権国家としての責任意識が欠けているのではあるまいか。時々の「国益を基準として行動する利己的な国家」ではないのか?

古代ローマは「普遍的統治原理」を以って、域内の各民族や国家を平等に扱ったという。覇権国家は、明確な「基準」を指し示すことで、域内の各民族や国家の信頼を克ち得たのではないか。「事の善悪」を横におくならば、旧ソビエト連邦は「覇権国家」としての構えを持っていたのではないか。共産党独裁という硬直的な組織が国家経済を破綻させ、牢獄国家を作り上げた点を無視し、「世界戦略」という観点に絞って考察すると、ソビエト連邦は、世界を統治する「普遍的原理」をもっていたのではあるまいか。(中略)

1967年、反共の防波堤として結成された東南アジア諸国連合(ASEAN)は、以来20年余り米国の縄張りであった。我が国も、アセアンへの経済援助を行い、アセアン諸国の経済発展を支援してきた。冷戦終結後、米国が手を抜き、かつ米国に遠慮した我が国が、自主的東南アジア外交を躊躇している間に、東南アジアは中国の縄張りとなった。昨年だったか、我が国が常任理事国に立候補した際、ベトナムを除くアセアン各国は中国の意向を忖度して、我が国を積極支援しなかった。数十年にわたって金を注ぎ込んできた外務省は、さぞ「ガックリ」したのではあるまいか。いつの間にか、ベトナムを除くアセアン各国は「中国に寝返っていた」のだ。

タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フイリッピンの経済は、客家属華人(華僑)が支配しているという。「血(中国)は水(日本)より濃し」という訳である。日本が米国の顔色を気にして「ウロウロ」している間に、ベトナムを除く東南アジアは、中国の手に落ちた。

だが、中国も安心しておれない。最近、中東イスラムの政府系ファンドが、イスラム国家であるマレーシア、インドネシアへの投資を活発化させている。インドも、地の利を生かしてアタックをかけ始めた。そして、ロシアもミャンマーへの原子炉提供や石油・ガス田採掘及び鉱山探査事業に参入するほか、インドネシアに新鋭戦闘機5機程度を売却する契約を結んだ。

現在、米国は東南アジア諸国から「商品輸出先」としか見られていない。ベトナムを除く東南アジアは中国の縄張りになってしまった。ここに、イスラム、インド、ロシアが攻勢をかけている。我が国はベトナムに重点投資して、かろうじて政治的影響力を残そうと努めている。

東南アジアの現在は、21世紀の世界の縮図であろう。先行逃げ切りを狙う中国を、インド、ロシア、イスラムが追う展開である。米国馬はゲームに参加していない。米国がアフガン・イラク問題に首を突っ込んでいる間に、東南アジアの勢力図は大きく変化した。

(泥縄式の米国の戦闘機売却)

ロシアがインドネシアに新鋭戦闘機を売却したから、米国も放置できなくなった。中国が政治的・経済的支配を強めている間は「ダンマリ」を決め込んでいた米国が、ロシアが東南アジアに進出し始めたのに慌て、急遽、F16戦闘機をインドネシアに売却することにした。戦略もなく、泥縄式バタバタ劇というほかはない。


旧ソビエト連邦は「世界覇権を狙う戦略性を有する国家」であった。ロシアのプーチンも、「戦略的思考ができる」人物とみなしてよい。

先般、ロシア軍参謀長が「同盟国が侵犯される危険が発生した時は、核兵器を先制使用する」と述べた。そして、コソヴォ独立で揺れているセルビアを擁護するため全力を上げる姿勢を見せている。プーチンは「ロシアの存在をかけて同盟国を守る」という原理原則を打ち出している。

「米国から戦争をしかけられるかもしれぬ」と恐怖感を抱いている北朝鮮、キューバ、ベネズエラ、イラン、ミャンマー等が、身の安泰を図るため「ロシアに守ってもらおうか」と考えても不思議ではない。「米国の核の傘」というのはリップサービスであるが、ロシアは同盟国を守るため「核兵器を先制使用してくれるのではないか」と期待をかける国家が現れても不思議ではない。

「米国はダブルスタンダードで信用できないが、ロシアは約束を守る国だ」という国際世論ができあがることは米国にとって悪夢であろう。そして、「中国は右手にナイフを持ちながら、左手で握手して回る油断できない国だ」とみなすアフリカ諸国が増えている。華僑に経済を握られている東南アジア諸国も「中国を油断できない国」とみなしているはずだ。「米国や中国はダブル・トリプルスタンダードであるから信用できない」という国際世論が形成されたならば、どのような事態が生まれるか。

「信用」というのは人間関係の基本であるが、国家にとっても「どの国と同盟を結ぶか」が国家の存亡を左右する。「寝首をかく人間とは友達になりたくない」というのが人情である。

資本主義?共産主義?が行動選択の基準でなくなった現在、国家が存亡の危機に陥った時、何を「行動選択の基準」にすえるべきか?

21世紀。世界が「権謀術数」と「合従連衡」に明け暮れる時、「信用」の持つ価値は大きくなる。他国を信用できない時代であればあるほど、裏切ることのない「信頼できる国」が求められるのではないか。

プーチンのロシアが、そこまで遠謀深慮を持っているのか不明である。昨今の出来事から判断すると、21世紀は、イスラム、インドそしてロシアが世界の第一線で活躍するのではないかと思うのだ。

我が国の保護国にして唯一の同盟国である米国が「普遍的原理」を打ち立て、同盟国を初め世界中から「信頼される国家」となることを期待する。大統領にオバマが就任した場合は「信頼されるアメリカ」に脱皮できるであろうか。

オバマが大統領職に近づけば近づくほど、「狂信的白人主義者」の危機感を誘発する。彼らの「標的」となる危険性が増大する。だが、オバマが狙撃されたならば、米国の民主主義は地に堕ちる。世界は、米国が繰り返す「人権・民主主義」という言葉を信用しなくなる。

米国の不幸は、心の準備をしないで「覇権国家」になってしまったことにある。惰性で「覇権国家」を演じ続けたことにある。米国が世界中の軍事基地から撤退し、北米大陸に留まるとき、米国に「心の安らぎ」が戻るのかもしれぬ。「人類の理想と理念」を高らかに謳うことができるかもしれぬ。

「岡目八目」とはよく言ったもので、傍から眺めると「手が見える」から不思議だ。


プーチン大統領の戦略演説(下) 2月27日 佐藤優 FujiSankei Business i.

2月8日の戦略演説で、プーチンは、〈政府は、イデオロギーと戦略的計画を策定する中心になるべきだ〉と述べている。これは、メドベージェフ大統領の下で首相となるプーチンが国家イデオロギーと戦略的計画の策定に従事する意向を表明したものだ。プーチンはロシアに強力な国家資本主義を根付かせ、帝国主義戦略を推進していくのだと筆者は見ている。戦略演説でプーチンは、〈ロシアは国際舞台に強国として戻った。ロシアは自立している国家と見なされるようになった。われわれは、真剣に外交資産を蓄積し、この資産が国家の発展において機能し、また、国民の民族経済の利益を擁護している〉と述べた。政治、経済両面での国益を増進するために、帝国主義政策を推進することをプーチンは公然と宣言しているのである。

 この演説の2日後、2月10日に東京でクドリン露財務相が額賀福志郎財務相に、〈原油や天然ガスによる収入を運用する政府系ファンドが近く日本企業の株式への投資を始める方針を表明した。(中略)日本で存在感を増す中東産油国や新興国に続いて、ロシアの政府系ファンドも対日投資に踏み切る〉(2月10日asahi・com)と述べた。クドリンはメドベージェフとも親しい。このクドリン発言がプーチン演説を踏まえたものであることは明白だ。〈ロシアの政府系ファンドの資産規模は現在、1500億ドル(約16兆円)。これまでは米ドル、ユーロ、英ポンド建ての高格付け債券を投資先としていた。今月からファンドを2分割し、片方はほかの通貨建ての株式も含めて、積極運用に回すことにしたという〉(同)。

 ロシアの政府系ファンドは、国策に即して、すなわち第一義的には経済的観点からロシアの安全保障を確保することを目的に行動する。対外諜報(ちょうほう)庁(SVR)には経済安全保障局という局があり、ロシアの国益の観点から、各国の経済状況や、どの企業の株式を購入することがロシアの国益に貢献するかを研究している。筆者の見立てでは、水産関連会社、北海道のゼネコン、さらに石油、電力、航空、鉄道などの株式購入にロシアは関心を示している。また、ロシアの投資会社で勤務する日本人の専門家や通訳を高額の報酬で雇おうと働きかけている。

 ロシアの政府系ファンドの規模が小さいからと、軽く見ていると、気がついたときには、北海道の中堅上場企業や水産関連産業の経営権がロシア政府に握られているということは十分ある。ハゲタカファンドは、金もうけだけで動くので、わかりやすい。ロシアの政府系ファンドももちろん損をするような投資はしない。しかし、経済合理性だけで動くこともしない。日本に対するロシアの影響力を極力強化する方向で経済カードを切るのである。

 ロシアは国家資本主義国で、露骨に帝国主義政策を推進していることを認識した上で日本政府の対露戦略を組み立てなくてはならない。日本とロシアは引っ越しすることができない隣国だ。プーチンがこれだけ明確に帝国主義戦略を打ち出しているにもかかわらず、日本の政治家もマスコミにも危機感が皆無だ。ロシアを担当する外務官僚がもっと緊張感をもって、ロシアの変化を国民に伝えていかなくてはならない。


(私のコメント)
日本人は日米中の三国関係で外交を考えがちですが、ロシアが国を立て直してきて新たなる巻き返しに出るようだ。三国関係というのは外交的に不安定になりがちだ。一方が手を組めば残った国が不利になる。冷戦時代は米ソの二極対立でしたが、ソ連崩壊でアメリカが唯一の覇権国家となった。

しかしアメリカには覇権国家としての自覚がなく、国益を基準として動く単なる軍事大国になってしまった。冷戦時代は共産主義に対する民主主義といった理念があったのですが、冷戦崩壊後は自国の利益と打算を優先するようになった。その一番分かりやすい例がクリントン大統領による中国との戦略的パートナーシップですが、何処を対象にしたパートナーシップであったのであろうか? 中国の当面の敵は日本しかない。その中国とパートナーシップを組むことは日本を敵としたということだ。

結果的に日本は長期的停滞した状態となり第二の敗戦を迎えて、サマーズ財務長官にマッカーサーのコーンパイプが贈られて得意になった話がある。アメリカの国務省からは日本部長がなくなり中国担当の副次官補が置かれるようになった。つまり日本は第二の敗戦によって再びアメリカの占領状態になってしまったのです。

つまり、今までは敵であった中国と手を組むことで日本を孤立させて弱体化に成功した。中国の要人には20年後には日本はなくなるという人も出てきた。その結果、日米中の三国関係は米中による日本管理ということになるのだろう。韓国や台湾についてもアメリカの裏切りによって見捨てられようとしている。

アメリカが民主主義を理念とするならば、共産党独裁国家の中国と手を組んで日本を二流国に陥れて、民主主義国家である台湾や韓国を見捨てるのはダブルスタンダード外交だ。韓国や台湾のみならず東南アジア各国は中国の「縄張り」となり日本は東南アジアからも見捨てられた格好になってしまった。米中が連携した結果、日本はアメリカが再占領し、東南アジアは中国の「縄張り」となった。これではアメリカが信用できなくなるのは当然である。

それが一番端的に現れたのは、日本が国連の常任理事国に立候補したときに現れて、共同提案国になってくれたアジアの国はアフガニスタンとブータンとモルジブだけだった。中国の圧力に屈して東南アジア各国からも日本は見放されてしまった。膨大なODA援助など何の役にも立たなかったのだ。日本はアジアからもアメリカの保護国扱いされてしまった。

アメリカの戦略とすれば中国と手を組めば世界的な覇権を維持できるという打算なのでしょうが、EUの登場やロシアの復権がどのような影響をもたらすのだろうか? 中国のアジアに対する覇権においても、ロシアがインドネシアやインドに対して最新鋭機を売却したことによって、米中覇権構想も狂いが生じてきた。ロシアは中国に対して最新鋭機は売らなくなり、対アジア戦略にロシアが加わったことでアメリカは慌てている。

佐藤優氏の記事を見ても、ロシアは日本に対しても積極的な投資戦略を通じて親ロ派を形成しようとするだろう。もともと鈴木宗男議員や佐藤氏はロシア派でしたが外務省のパージにあって失脚した。日本はもともとアメリカと軍事同盟を組んだ仲であるのですが、実態は米中の保護下にはいっている。テレビを見ても討論会には親米派と親中派が出ていて愛国派は出る事が出来ない。国会も親米と親中派に分けられて日本の国益がどっかに逝ってしまっている。

私がアメリカ大統領であっても、中国と手を組んで日本から金を毟れるだけ毟る戦略をとるだろう。日本人は戦略的な発想がないから日米安保条約が日本を拘束している条約であることに気がつかない。核の傘で守ってあげているというアメリカの言い分は北朝鮮を見ればよく分かるように、北朝鮮が核開発していてもイラクのように攻撃しなかった点でも疑念を持たざるを得ない。

六カ国協議の本当の目的は米中による日本の核保有の阻止にある。日本が核を持てば一番脅威に感ずるのは中国であり、中国はアメリカを通じて日本を監理している。台湾や韓国もアメリカを動かして骨抜きにして手に入れようという戦略だ。アメリカはイラク戦争で手一杯であり中国には対抗できない状態だ。だから中国と手を組んでアジアを中国に任せることにしたのだろう。しかし中国もアメリカ以上に信用できない国でありダブルスタンダードだ。

「株式日記」ではアメリカの衰退を論じてきましたが、アジアにおいてはアメリカは中国に勝つことは出来ない。だからアメリカは中国と手を組んで覇権を維持しようと考えた。これは日本に対する裏切りなのですが、日本人が戦略的は発想を持たないから気がつかないのだ。

中国もアメリカ以上にダブルスタンダードだから、ロシアと上海協力機構を持ちつつ、裏ではナイフを突きつけあっている。同盟というのは表では握手しながら裏ではナイフを突きつけあう関係なのですが、日本はアメリカに対するナイフは持っていない。だから裏切られるのだ。

日本もロシアとナイフを突きつけあいながら裏では握手をするような戦略がもてれば一人前なのですが、戦略的な思考は日本人にとっては豚に真珠だ。当面は米中ロの三つ巴を指をくわえて見ているしかないだろう。

アメリカも民主党政権に変わればイラクからも撤退して内政に追われて、中国やロシアとの覇権争いには手を引いていくかもしれない。空白となった日本やアジアには中国かロシアが手を伸ばしてくるはずだ。アメリカも信用できないのなら中国もロシアも信用は出来ない。しかし一番信用できないのは日本の外務省と防衛省でありたるみきっている。




韓国経済が今後も引き続き輸出で生きていくためには、
価格ではなく品質と技術で競争しなければならない。


2008年2月26日 火曜日

【コラム】「韓国に帰りたい」 2月24日 朝鮮日報

東欧に出張したとき、ポーランドで韓国中堅企業経営者のAさんに会った。海外での貴重な出会いという思いから、「東欧は投資天国と聞きますが、たくさん儲かったでしょう」と声をかけた。だが、Aさんの表情は暗い。「(韓国では)よく分からないからそういう話が出るのでしょう。大手はそうかもしれませんが、わたしたちは大変です」

 東欧の投資環境について、明るい見通しを伝える報道を見た覚えがあったため、その言葉にはあまり納得がいかなかった。「2年前に300万ドル(約3億2000万円)投資しました。東欧の労働者の人件費が安いのは事実です。ところが労働生産性は見る影もありません。かつての社会主義時代の習慣が強く残っていて、仕事に対する熱意がないのです。少し前には韓国本社の従業員14人を急きょ呼び寄せ、やっと納期に間に合わせました。高い賃金を支払ってでも韓国のほうがここよりいいと思ったほどです」。そしてAさんの最後の言葉はわたしの胸に深く突き刺さった。「正直言って(韓国に)帰りたいです」

 ポーランドは2004年に欧州連合(EU)に加入した。EU加盟国なら移動は完全に自由だ。このためにポーランドの労働者はさらに高い賃金を求めドイツやフランスに向かい、就職難は非常に深刻な状況だ。

 ルーマニアも状況は同じだ。韓国のある投資企業幹部は、思い出すのも嫌なほど痛い目に遭ったという昨年の経験を教えてくれた。「労働組合がなんと75%も給料を上げてほしいと言い出したのです。開いた口がふさがりませんでした。ルーマニアはEUに(昨年)加入したから、それくらいはもらわなければダメだというのです。断ると、労組がストに入ったため、会社を閉めました。工場を1カ月休ませましたが、23%の引き上げでやっと合意しました。正直言って、今も会社を整理して帰国したい心境です」

先日、中国で事業をしている後輩から電子メールが来た。「中国で物を買い、韓国に売る仕事をして12年になります。ところが最近、中国メーカー各社の製品値上げはひどすぎます。原材料価格に人民元の上昇、これに輸出関税還付率の調整まで加わり、中国製品の値段は大幅に上がりました。むしろ韓国で作ったほうが安い製品もあるほどです」。彼は「韓国に帰ろうという中小メーカーに対し、韓国政府は何らかの支援策を考えるべき時」と書いていた。

 韓国にいると、依然として海外進出を狙う企業のことばかり目につく。だが、外から見れば、全く反対の状況もかなりあることが分かる。つまり、「今後は韓国で事業をしたい」「韓国の労使関係や企業経営の諸条件が少しでも改善すれば、帰国して事業をしたほうがいい」という企業経営者が多くなったということだ。経営者の中には、世界経済が非常に速いスピードで変化していることを指摘、「これからは世界経済の流れに合わせ、韓国であれ海外であれ素早く企業が動かなければならないし、そういう環境を政府や企業が積極的に作っていくべき」と当為論を主張する人も多い。

 李明博(イ・ミョンバク)政権は企業に優しい政策で「7%成長」と雇用拡大を実現させようとしている。経営者らの話を総合すれば、企業に優しい政策が成功する条件には、大きく分けて三つあるようだ。第1に規制を緩和し、企業が海外に流出しないようにすること。第2に外国企業を韓国に誘致すること。そして第3に、これが最も重要なのだが、海外に進出した韓国企業を可能な限り国内に戻れるよう、社会的・経済的なムードを作ることだ。「もう韓国に帰って仕事をしたい」という言葉が、海外に進出した韓国人経営者の間で広がれば、李明博政権の企業政策は成功すると言えるだろう。

李光会(イ・グァンフェ)産業部次長待遇



【社説】米国でのシェアが年々低下する韓国製品 2月26日 朝鮮日報

韓国製品が米国市場で占めるシェアが、2004年の3.14%から05年2.62%、06年2.47%、07年2.43%と3年連続で下がり続けている。主力製品の電気・電子部門のシェアも9.25%から5.37%へと3.88ポイントも低下し、自動車や機械製品のシェアも同じような状況だ。世界で最も大きく競争が激しい米国市場で、韓国製品が急速に淘汰(とうた)されつつあるのだ。

 一方同じ期間に、中国製品のシェアは13.38%から16.46%へと3.08ポイント上昇した。、インド製品は1.06%から1.23%、ブラジル製品は0.81%から1.31%、ベトナム製品は0.36%から0.54%へとそれぞれシェアを高めている。後発の途上国が価格競争力を前面に出して勢いをつけていることが分かる。

 注目すべき点は米国と自由貿易協定(FTA)を締結したメキシコ、シンガポール、チリなど主要8カ国の製品のシェアだ。2005年から07年の間にこれらの国々の製品が占めるシェアは0.75ポイント上がった一方、韓国製品のシェアは0.19ポイント低下した。これは、FTAが価格競争力の回復に大きく作用するという事実を示している。国会で審議がストップしている韓米FTAを1日も早く批准すべき理由がここにある。

 しかしFTAだけですべての問題が解決するわけではない。FTAを通じて無関税の恩恵を受けたとしても、中国・インド・ブラジル・ベトナムなどの国々と価格面で競争するのは不可能だ。韓国経済が今後も引き続き輸出で生きていくためには、価格ではなく品質と技術で競争しなければならない。

 世界最大の輸出国であるドイツは、1950年代中盤から現在に至るまで、50年間連続して貿易黒字を続けている。それにもかかわらず日本のような通商摩擦問題も起こらなかった。ドイツは最終消費財ではなく、そこに入る部品や素材などの中間材を主に輸出してきたからだ。化学・機械・部品など、基礎産業の部門で世界最高の競争力を持ち、貿易黒字に対する抵抗感を持たれることなく内容のある取り引きを行ってきたということになる。韓国経済も同じように、輸出品目の多様化による質的飛躍をなすべき時に来ているのだ。



(私のコメント)
韓国では李明博新大統領の就任式が行なわれましたが、就任演説で韓国経済の建て直しを宣言しました。韓国企業は中国などに積極的に進出して拡大路線を進めてきましたが、中国においても製品価格の値上がりと人民元の切り上げと税制優遇策の廃止によって、進出した韓国企業の撤退が相次いでいる。

中国は昨日も書いたように賃金の安さと人民元の安さで海外企業を誘致してきましたが、インフレと若年労働者不足に見舞われてコストの上昇が著しくなった。それでも賃金も為替も水準から見ればまだ非常に安いのですが、中国の生産性が低くて韓国企業も音を上げはじめている。

日本企業も中国には20000社も進出しているのですが、中国の生産性の悪さには音を上げているに違いないのですが、どういうわけかマスコミはこれを報道しない。韓国のマスコミのほうが中国の問題に関しては率直に報道している。日本のマスコミは中国進出を煽ってきただけに間違いを認めたくはないのだろう。

最近になっては中国の巨大市場を目指せとかNHKなどが煽っていましたが、関税が邪魔をして商売にはならないようだ。中国人がわざわざ東京にまで買い物に来るようではメリットがないだろう。日本のマスコミやエコノミストがデタラメばかり報道するから、騙された日本企業が泣きを見る。

大前研一氏などは東欧に投資をしろと以前に書いていましたが、東欧もEU加盟などで労働者が賃金の高いドイツやイギリスなどに出稼ぎに行ってしまうために、安い労働力は当てが外れたようだ。さらには社会主義国であったためにストライキなどや労働意欲にも問題があるようだ。つまり労働賃金の安いところは東欧にしても中国にしてもそれなりの理由があるから安いのだ。

このように韓国経済は中国の追い上げと先進国との間に挟まって苦しい状態に追い込まれている。これからは品質と技術力で生き残りを図らなければなりませんが、自立した技術開発力があるのだろうか? サムスンが韓国の代表的なハイテク企業ですが、アメリカなどにおいてもシェアを落としているようだ。

韓国のハイテク企業は日本の技術者をスカウトしたり、日本との技術提携などでハイテク製品を製造してきましたが、日本企業の反撃にあってアメリカなどでも苦戦している。ウォン高などが一番の原因なのでしょうが、液晶パネルの製造にしても日本の技術提供がないと大型の液晶パネル製造が出来ない。日本から製造機械を輸入しても微妙な機械操作の技術がないと出来ないからだ。

ソニーはサムスンから液晶パネルを調達してきましたが、最近のニュースではシャープに切り替えたようだ。第10世代の液晶パネルの製造にサムスンは成功していない。ハイテクになればなるほど技術開発競争はスピードが激しい。3,4年経つと新しい技術で高性能で安い物が出来てしまうからノウハウを積み上げていかないと追いつくことは難しい。


サムスン電子社長「ソニーと決別したわけではない」 2月26日 朝鮮日報

サムスン電子LCD総括の李相浣(イ・サンワン)社長は、最近ソニーがシャープから次世代液晶パネルを調達することにしたとの日本での報道について、「ソニーと決別したわけではない」と語った。

 李社長は25日、ソウル・江南のルネサンス・ホテルで開催された韓国ディスプレー産業協会定期総会で、「ソニーとの協力関係に問題が生じているのか」との記者からの質問に対し、このように答えた。その一方で李社長は、「ソニーから液晶パネルの調達先をシャープに変更するとの連絡を事前に受けていたのか」との質問に対しては明確な回答を避けた。

 ソニーは2003年にサムスン電子と2兆ウォン(約2300億円)を共同で出資し、S‐LCD社を設立した。その後ソニーは自社製品に用いる液晶パネルのほぼ全量をS‐LCDから調達していた。しかし最近、シャープから第10世代液晶パネルを調達するという長期契約を結んだことが明らかになり、今後サムスン電子とソニーとの協力関係は解消されるのではないかとの見方が広まっている。この点についてソニーは、早ければ今週中に公式の立場を明らかにする予定だという。



(私のコメント)
韓国は電子産業のみならず自動車産業などもウォン高などの影響で苦戦している。価格などで中国製に追い上げられ、品質で日本製に差をつけられている。国内市場も大きくはないし輸出で勝負するには価格の安さだけでは他の新興国に負けてしまうだろう。必然的に品質と技術力で日本車と対抗していかなければならない。ルノーサムスンのフランス人社長は次のように述べている。


ルノー三星社長「韓国車、高賃金と低生産性の危機」 2007年6月30日 東亜日報

韓国の自動車産業は価格競争力においてすら、日本に追いつかれています

ルノー三星(サムソン)自動車のジャン・マリ・ウィルティジェ社長は27日夜、慶尚南道南海市(キョンサンナムド・ナムへシ)で開かれた「SM5ニューインプレッション」の発表会での東亜(トンア)日報のインタビューで、「韓国自動車産業の危機は深刻なレベルだ」というメッセージを投げかけた。

しかし、韓国自動車業界の労使問題や高賃金、低生産性の問題が解決されれば、世界の自動車市場で、大きな影響力を及ぼすこともできるだろうと展望した。とりわけ、ルノー三星の「現住所」については自信を示した。

――韓国の自動車産業の競争力についてどう考えていますか。

「これまではそれほど悪くありませんでした。しかし、高賃金や低い生産性、為替レートなどで、急速に競争力を失っています」

ウィルティジェ社長は、ルノー三星が韓国に進出した2000年ごろは韓国で自動車や部品を生産するのが有利だったが、いまや韓国と日本の生産コストはほとんど変わらないと診断した。

日本は韓国に比べて賃金は高いが、それ以上に生産性が優れていて、部品の単価に差がないためです





不良債権問題は中国で深刻な問題になっています。もし中国で金融
危機が起きれば、地域内に連鎖反応が生じる危険があるからです。


2008年2月25日 月曜日

デフレ・インフレが進む? 2004.03.07 時の話題2

 その結果、中国国内の産業構造も偏りが出てきています。
 素材産業は経営改革の遅れた国有企業が多く、組立(加工)産業への素材提供は、台湾や日本、東南アジアから輸入せざるを得ない状況で、最終消費地が米国という国際分業体制になってしまっているのです。

 この組立産業は世界の工場といわれているように、大量生産ができる体制ができあがっており(過剰生産体制)、大量の安い製品が製品価格を低下させ、世界に輸出されるのですが、それは取りも直さず輸出された国にとってはデフレを輸出する国となってしまうのです(デフレ輸出国=一般消費財のデフレ)。
 大量生産体制は中国国内で消費する量を遙かに上回る供給量が生産されるのですから、中国国内では在庫が常に大量にできあがっている状態と考えていいのではないでしょうか。

 他方、その材料等を各国から輸入するのですが、供給不足を起こし、輸入価格を引き上げ、インフレを引き起こしだしています(インフレ輸出国=生産財のインフレ)。
 それが冒頭の 「デフレ・インフレが進む」 の趣旨です。

 年7%(名目)の成長率で急激な発展を進めている中国のアキレス腱も解って参りました。
 一つは、水です。
 黄河の水が黄海に達しない断流現象が発生しています。
 黄河の中流域で飲料水、農業用水を多く取っている結果、工業用水が無くなり、農業用水を工業用水に流用することとなり、あの洪水を引き起こしてきた黄河の水が流域途中で無くなり、下流域へ行かなくなっているのです。
 下流域は地下水の汲み上げで凌いでいる状態です。
 2003年度は8ヶ月間この断流状況が発生致しました。
 農業は水がなければやっていけません(農産物は水の塊です)。
 最早農業用水と工業用水の調整という状況を通り越してしまっているのです。

 二つ目は、輸送力(社会資本不足=インフラの遅れ)です。
 急成長の結果、石炭、鉄鉱や鋼板、石油、食料等の不足を引き起こし、輸入に頼りだしたのですが、輸送力が追いつかないのです。
 鉄道、海上輸送(特に港湾荷役)、パンク状態に近い状態です。
 鉄道は内陸輸送の主力ですが、急成長の結果、生活物資はもちろん、生産資材や石炭石油の輸送が滞りがちになっています。

 三つ目は、電力(社会資本不足=インフラの遅れ)です。
 急成長の結果、電力供給能力以上に需要が遙かに勝ってしまっている状況です。
 そのため、停電が既にしばしば発生し、製造加工業に支障を来す状態になっています。
 発電所不足は急に補充できる問題ではなく、補充に相当期間が必要な設備です。
 近い将来、揚子江、三峡ダムでの発電による供給ができるようにしていますが、急いでも後数年はかかるのですから、現在の中国需要を満たすには間に合わない状態です(三峡ダムですらこの状況です)。
 たびたびの停電に音を上げて中国から撤退する企業も出てきています。
 以上が発展を続ける中国のアキレス腱になってきています。
 閑話休題

 日本は、生産現場の多くが中国に移転した結果、従来の工場土地が不要になり、従業員が不要になり、土地余剰が過剰に生じ、関連産業の工場、従業員、更にそれらに供給していた商売も不要になり、それの土地余剰が生じるという結果、供給過剰の土地のデフレ(価格下落)になりました。
 しかし生産現場を中国に移さず、国内生産を貫き通している企業(例:シャープ)があり、国内回帰する企業(例:キャノン、松下電器産業、三菱電機、三洋電機)も目立ち始めています。
 その結果、これらの関連企業もその周辺に引き寄せられるように生産現場の国内回帰が始まりだしています(例:凸版印刷、日東電工)。
 この現象は、いずれそう遠くない時期に、土地デフレにストップをかける原動力となることと確信してます。
(後略)


平成14年度第7回「中国研究会」議事録 Mohamed Ariff マレーシア経済研究所長

次に、中国におけるリスク要因について考えてみましょう。中国は波風を立てる存在であり、誰も中国を過小評価することはできません。過小評価する者は、身に危険を招くことになります。しかしながら、中国は多くの点で過大評価されていると私は考えます。この点については後ほどお話します。

中国における最大の問題は、デフレ問題です。中国は深刻なデフレを経験しています。ですから、中国は工業製品を輸出しているだけでなく、デフレも他の国に輸出しているのです。価格は急速に下落しています。これは、深刻なマクロ経済的な影響を及ぼしますから、十分な配慮を払うべき問題になっています。

基本的な原因は、中国における供給過剰にあります。実際、驚くべき統計があります。中国で生産されているエアコンや電子レンジその他の製品は、極めて大幅な供給過剰になっているのです。事実、中国の中央銀行によれば、工業製品の86%は供給過剰にあります。在庫が蓄積するなか、中国では価格戦争が起こっています。

企業は在庫を減らしたいので、価格戦争が発生し、企業の利益を圧縮しています。そのため、中国企業の利幅は小さく、企業はこれを改善しようと数量を増やしてきました。数量を増やすことによって利益率の低さを埋め合わせているのですが、これが悪循環となっています。価格を一段と引き下げても、供給過剰の問題は解消されません。

もちろん市場経済では、供給過剰の場合、自己修正メカニズムが働き、供給と需要の一定のバランスをもたらしますが、中国はいまだ完全な市場経済ではありません。そうした問題があるため、企業体は一時しのぎに走り、利益は圧縮され、誰もが利益をあげているわけではありません。

現在、中国では500のマレーシア企業が営業しています。もちろん、日本企業の数はさらに多いでしょう。マレーシアの投資家の大半は、儲かっていないと言っています。彼らは中国での足がかりを築きましたが、結果はそんなものです。将来もっと稼ぎたいと言っていますが、利益率は小さいのが現状です。これは何とかしなければならない問題です。

利益率が圧縮されるにしても、それには限界があるからです。損失を出し続けてなお持ちこたえられるかもしれませんが、それほど長くはありません。ある会社は別の会社より長期に亘って持ちこたえられるかも知れませんが、永遠にという訳にはいかないのです。

 不良債権問題は中国で深刻な問題になっています。日本の場合ほど深刻ではないかもしれませんが、中国は深刻な信用リスクを抱えています。公式の統計では、債権のうち23%が不良債権ですが、独立アナリストはこれを40%としています。これは真剣に考慮すべき問題です。もし中国で金融危機が起きれば、地域内に連鎖反応が生じる危険があるからです。

中国には健全な破産法がないため、銀行は破産手続きを取ることを渋ります。銀行は、資産を失わないために、貸出先の会社に返済を強いることはできません。そこで銀行は、脆弱な企業をずっと支援し続けることにする訳です。でもいつまでそんなことを続けられるでしょうか。私たちだけではなく多くの金融アナリストがこの問題を懸念しています。

事実、もし中国の金融危機のような大事が発生すれば、それは地域全体に甚大な打撃を与えるだろう、と彼らは考えています。中国・ASEAN自由貿易地域ができれば、ASEANは以前にも増して中国との関係が深まり、連鎖反応は大きくなります。これは、ASEAN諸国をはじめ、地域の他の国々のリスク要因を増すことになるでしょう。

 懸念すべきもう1つの点は、通貨の過小評価です。中国が既にデフレ問題を抱えていることが背景にあります。価格戦争のため価格は信じられないほど低く、そのため中国は供給過剰の製品の市場を探さなければなりません。1つの方法は、外国に輸出することであり、過小評価された通貨によって中国は大いに助けられています。

人民元がドルにペッグされており、そのドルが弱くなっているため、中国製品の国際競争力は高まる一方です。このように、過小評価された通貨とデフレという有利な要素が重なっている中国の輸出は、輸入国に甚大な影響を与えています。中国の人民元は20%も過小評価されていると推定する人もいます。これが中国に有利に働いている訳ですが、いつまで続くかはわかりません。これは私たちの地域の問題として考慮しなければなりません。


(私のコメント)
昨日は中国の最大の輸出品はデフレだと言いましたが、最近では生産財のインフレも輸出するようになりました。石油などが一番いい例ですが、中国は石油の輸入大国になり世界中の油田を買いまくっている。あり余る外貨で世界の資源を買いまくり、奴隷賃金で労働者を働かせて、安い人民元を武器に格安商品を売りまくる。はたしてそれで中国人民は豊かになるのだろうか?

確かに一部の人は超高層マンションに住み外車を乗り回している。しかしそのような人は共産党の幹部などの特権階級であり、共産党のコネがなければ美味しい商売など出来るわけがない。ほとんどの労働者階級は奴隷的低賃金で働かされて、これで工場の暴動が起きなければおかしい。毒入り冷凍ギョーザ事件もそのような背景がある。

中国に進出した日系企業もいろいろ苦労が絶えないようですが、日系企業だけではなくマレーシアの中国進出企業も苦労しているようだ。中国の超低賃金と元安にはマレーシアも敵わないから進出したのでしょうが、過剰生産体質では市場を食い合って利益が出ない。その分が輸出に回るから中国はデフレを輸出する結果になる。しかしこのようなことがいつまで続けられるのだろうか?


90年代から中国生産を進めたが、工員が半年ごとに入れ替わり、ノウハウが伝承されず、不良品比率は2〜3割にのぼる。 2007年2月27日 株式日記


中国は1983年には1ドル=2元だったものを1994年には1ドル=8元にまで切り下げた。産業が発展しているのなら通貨は切り上がって行くはずなのですが中国は4分の1に切り下げた。そうしないと海外との競争に勝てないからであり、中国が「世界の工場」と大口たたいても元の切り上げには慎重なのは致命的な欠陥があるからだろう。

「時の話題2」や「中国研究会」のサイトにおいても中国が抱えた問題点が指摘されていますが、中国はこのような影の部分は発表はしない。不良債権問題も中国政府は本当の実態を隠していますが、債券のうちの半分は焦げ付いて不良債権になっているようだ。しかし利息を追い貸ししていればいつまでも倒産を先送りにすることが出来る。

中国には水もなければ電気も足りなくて停電は日常茶飯事のようだ。交通のインフラも十分ではなくて雪が降った程度で石炭が火力発電所に運べなくなって停電騒ぎになっている。このような状況で中国に数千億円もかけてハイテク工場を建設してきた日本企業は今どうしているのだろうか? さすがに大手企業も中国に見切りをつけて国内に工場を回帰させている。

アメリカの戦略としては、91年にソ連を崩壊させた後は、経済NO2の日本をたたく為に中国と連携して、ジャパンマネーと日本の技術を中国に移転させる戦略で一致した。人民元を4分の1に切り下げてもアメリカはクレームをつけなかった。プラザ合意以来の日本を円高で吊り上げて、元を切り下げたのだから労働コストは日本の30分の1になってしまった。

アメリカと中国の連携による日本封じ込めは上手く行くかに思われましたが、ハイテク産業になればなるほど完璧な技術力が要求されるのであり、欠陥商品が2割も3割も出るような工場ではハイテク工場としては機能しない。日本企業も熟練工員を養成しようとしても中国人の工員はすぐに辞めてしまうので技術の蓄積が出来ないのだ。

自動車にしても中国には数百の自動車メーカーが出来て日本以上の自動車大国になりましたが、とても輸出できるような自動車ではない。日本の中古自動車のほうが故障しないということで中国の新車より高い値段が付いている。オートバイなどもコピー商品が出回ってホンダやヤマハも苦労しているようですが、これでは国際競争力のある商品を作ることは難しいだろう。だから中国にはブランド化した商品がない。

中国の毒入りギョーザ事件は象徴的な事件ですが、工場の荒廃した環境ではまともな商品作りが出来ないのだ。共産党独裁国家では人心は荒廃してソ連と同じような崩壊の道しかない。公害の問題も放置できない状態になって北京オリンピックでは選手団を直前まで日本でキャンプする国が20もある。選手の健康にも影響があるのだろう。とてもオリンピックが開けるような文明国とは思われない。




「世界の工場」、「輸出超大国」ともてはやされる中国だが、
実は最大の輸出品はデフレなのである。リチャード・ダンカン


2008年2月24日 日曜日

「ドル暴落から、世界不況が始まる」 リチャード・ダンカン:著

バブルからデフレヘ

バブルがはじけた後で発生する、もう一つの困った経済現象が、物価水準の下落デフレーションである。マネー.サプライが急増して資産バブルが発生しているときには、融資の増大なり株価の暴騰なりでふんだんな資金を手に入れた企業は、資産効果で伸びている消費がいつまでも続くと錯覚して大規模な投資を行なうのが常なのである。そして気がつくと、それが生産キャパシティの過剰となっているのだ。一度作られた生産キャパシティはなかなか減らず、製品は供給過剰になり、物価上昇率が低下するディスインフレがまず訪れ、これがついにはデフレに転じてしまう。

デフレは企業にとっては、とても苦しい状況だ。というのも、利潤を上げようとすると、売上価格の下落を補うために、売上をどんどん増やしていかなくてはならないからだ。そうしたなかで企業の債務返済も困難になり、銀行の資産内容はまたしても悪化していくのである。

こんなことになってしまうのも、製造業に対する銀行融資を増やせば、総供給は確実に増えるのに対し、家計の購買力を核とする総需要を増やすのは、至難の技だからである。確かにマネー・サプライが増えれば資産価格も上昇し、資産効果によって一時的に家計の購買力は増すだろう。だが資産価格さえも、購買力からいつまでも遊離した高水準にはとどまっていられないわけで、究極的には総需要は賃金水準によって決まってくるのである。

過去三〇年間にわたる世界総準備資産(世界各国の準備資産の合計)の大膨張は、世界中で巨大な生産設備投資を可能にし、その結果、世界中の製造業の生産キャパシティは急成長した。だが世界中の人間の購買力が同じぺースで伸びてきたわけではない以上、今日の世界的な生産キャパシティの過剰は、必然的だったのである。この一〇年あまりというもの、アメリカの輸入の急増にもかかわらず、世界中でディスインフレーションが観察されているという事実が、この見方を裏づけている(図7・1)。

ところで、世界的な過剰キャパシティが存在するということを証明するのは、容易ではない。データが、いたって乏しいからだ。たとえば、世界各国で生産キャバシティのどれだけが現に使用されてきたかを示す長期統計は、存在しないのである。

議論を進めることを、さらに難しくしているのは、国によって経済のありようが著しく異なっているということだ。たとえば日本や中国は輸出志向だし、他の国々、特にアメリカは、輸入志向としか形容のしようがない経済体質を持っている。この点が重要なのは、国内市場ではなく世界市場全体を目標においた輸出志向国では輸入志向国におけるよりも民問投資の個人消費に対する比率が高くなる傾向があるために、国ごとの投資額を単純に比較することが意味をもたないからである。経済がグローバル化した今日、生産キャバシティの過剰は一国内の総供給と総需要を比べるだけではわからないのだ。

だが、いずれにせよ、多くの産業で世界全体としてのキャパシティ過剰があるというのは、よく知られた事実だ。鉄鋼、半導体、自動車、通信機器などは、最もよく知られた例だろう。現時点では、この認識を材料に、世界的なキャパシティ過剰があるものと判断するのが関の山なのである。

次は、いくつかの国の例を取り上げて、準備資産の急増がバブルを、そしてバブルが過剰キャパシティを、そしてディスインフレやデフレをもたらすにいたった過程を見てみよう。

日本・デフレ出ずる国?

まず、日本の例である(図7・2)。

一九八五年から一九八八年までで、日本の準備資産は二七〇億ドルから九七〇億ドルまで増えた。三年間という短期間で、ほぼ四倍に膨れ上がったのだ。すでに速すぎる観のあったマネー・サブライの伸びは、さらなる加速を遂げていく。この時に不動産と株式それぞれの価格が暴騰したことは、よく知られているし、第三章で取り上げたが、実は工業設備も大拡張していた。日本における民間投資の個人消費に対する比率は、一九九〇年には五一パーセントだったのが、一九八六年には六一パーセントにもなっていたのだ(図7・3)。当然、消費の伸びは投資の増大に追いっかなくなり、ついに一九九〇年には景気の拡張は止まってしまう。

これ以後の日本は、バブルの悪循環局面に突入することとなる。製品価格が下がりはじめるとともに、企業の利潤が下がりはじめた。その結果、今度は賃金とボーナスが削られるようになる。失業率も上昇していった。懐が寂しくなり、将来の見通しも不確かとなった国民は、消費を切り詰めだす。

消費の下落は、もちろん企業利潤にとって、さらなる痛撃となった。株価は消費・利潤と軌を一にして下落していく。企業は新規投資を素早く切り詰めるところまで追い込まれた。そして、すでにだぶついていた生産キャパシティが、さらなる投資を不利益としていたことから、融資に対する需要は落ち込んだ。

金利は下がったが、それも助けにはならなかった。企業は、投資がもたらす利潤が利払いを上回らなければ、資金を借り入れて投資をしようとはしないものだが、ポスト・バブルの日本経済にあっては、生産キャパシティはあまりに過剰で、いかなる新規投資も損失しかもたらさないような状態だったのである。金利がゼロ・パーセントすれすれまで下がっても、企業は借り入れに興味を示さないままだった。

一九九〇年代を通じて物価上昇率は下がり続けた(図7・4)。やがて一九九五年には、初めてデフレが観測される。物価はその後一九九七年と一九九八年にかけて、ごくわずかに上昇したが、一九九九年に下落を再開し、以後下がり続けている。

アジア危機諸国のディスインフレーション

同じ連鎖は、アジア経済危機の舞台となった国々でも観察されている。

一九八○年代後半におけるインドネシア、韓国、マレーシア、タイの準備資産の急膨張ぶりは、すでに第三章で見たとおりだ。準備資産が増えればマネー・サプライは激増する。経験則からいって、融資を五年以上連続して年間一〇パーセント増大させた国は、銀行システム危機に陥る可能性が、とても高い。ところがアジア危機の諸国は、銀行危機が発生した一九九七年に先立つ一〇年間もの間、一〇パーセントをはるかに上回る銀行融資の伸びを見ていたのである。

そして過剰な融資の伸びは、投資の行き過ぎという結果をもたらした。日本におけると同様、プームに沸くアジア危機の諸国では投資が消費よりも早く拡張していったのだ。

一九九七年に先立つ数年間、アジア危機諸国の銀行は、弱体化した企業が債務を返済放棄することを防ぐべく、ひたすらそれまでの融資に対する追い貸しを行なっていた。それだけに、いざ危機が発生すると、アジア諸国の経済は、トランプの城も同然に崩れ去ってしまった。ところが、過剰な生産キャパシティだけは、しっかりと残っているのである。

一九九八年には通貨切り下げのおかげで輸入品の価格が上がり、アジア危機の諸国はどこも急激なインフレを経験した。だが、これもすぐにデイスインフレに転じてしまったのである(図7・5)。ただ一つの例外が、インドネシアである。経済の崩壊があまりに凄まじいものだったために、政府は銀行システムの崩壊を回避するべく通貨を大増発せざるをえなかった。結果は、一九九八年の物価上昇率が五八パーセント、一九九九年が二一パーセントという、本物のハイパー・インフレだった。

中国、デフレの輸出国

お次は、中国である。バブルがまだはじけずにいるということを除けば、中国で見られるパターンは、日本やアジア危機の諸国が経験したものと、まったく同じだ。一九八六年から二〇〇〇年にかけて、中国の準備資産は一一五億ドルから一六八○億ドルまで増加した。一方、国内の銀行貸出残高は、七九四〇億元から一一兆九〇〇〇億元まで、それこそほぼ垂直に上昇している。まさに融資の洪水で、その結果は狂乱の投資ブームであった。おかげで民間投資の個人消費に対する比率は一九九三年に八三パーセントという高率を記録した後も、ずっと七〇パーセント以上の水準を維持している(図7・6)。

一九八○年代後半と一九九〇年代の前半には、インフレこそが中国政府にとっての頭痛の種だったが、製品供給が中国人の購買力からして現実的な需要水準を上回ってしまったおかげで、一九九五年にはディスインフレが始まってしまう。

一九九八年には、経済成長率が八パーセント近かったにもかかわらず、中国はデフレを経験した。一九九九年にも好況は続いていたが、物価はまたしても下落した。二〇〇〇年には物価は上昇したが、それもわずか○・四パーセントだった。

国内でデフレが発生するほどのキャパシティ過剰は、そのまま国際市場における中国製品の強烈な輸出競争力に反映されている。「世界の工場」、「輸出超大国」ともてはやされる中国だが、実は最大の輸出品はデフレなのである。


(私のコメント)
中国の冷凍食品の毒物混入事件は、ギョーザのみならずカツや肉まんやイカ天にまで広がりだしている。つまり中国から輸入される冷凍食品には毒物検査が行われていなかったことが明らかになった。今回の事件のJTなどの輸入業者も生協などの販売業者も中国からの輸入品に対して品質検査をせずに販売していた。

「株式日記」では中国への進出は、いつでも手を引ける程度の用意はしておくべきだと書いてきましたが、日本国内の商習慣は中国ではまったく通じない。日本国内のようなつもりで商売をすると裏切られてとんでもない目にあう可能性が強い。だからこそ中国は労働賃金を日本の20分の1にまで下げて企業誘致をしてきたのだ。

日本企業が中国に進出する場合は中国側と合弁という形になり、中国側が51%で日本側が49%の出資になる。しかしこれは中国側は工場用地などの現物出資になり、日本側は資本と技術や生産設備を出資する。つまり中国側は土地と労働力を提供するだけで只で日本の技術と資本が手に入ることになるのだ。

このようにして中国に進出した日本企業は2万社に及び900万人もの労働者が働いているそうです。それだけの企業移転が行なわれたのだから日本の労働賃金は中国とのコスト競争に晒されて低下に一途をたどった。だから日本企業は空前の好景気になっているのに労働賃金は下がり続けている。だから国内の消費は一向に伸びない。つまり中国は日本にデフレを輸出しているのだ。

このような産業構造になれば、日本は物作りは止めてアメリカのように情報化産業に転換すべきだというバカな学者やエコノミストも出てくる。しかし情報化産業は物作り産業が土台としてあって機能するものであり、アメリカのように製造業を海外に移転してしまって消費と金融だけで経済が成り立っていくものだろうか? 

今回の毒入り冷凍ギョーザ事件は、安易な製造業の海外移転は非常に危険だということの警告ではないだろうか? 中国産の冷凍食品の普及で国内の冷凍食品は競争力を失い廃業していった。そして中国からの輸入がストップすると国内のスーパーから冷凍食品が無くなってしまった。こんな事でいいのだろうか? それでも学者やエコノミストは日本での物作りは止めるべきなのだと言うのだろうか?

最近になって中国も経済政策を転換して、労働法を変えたり、外資への税制優遇を変えたり、人民元を切り上げてインフレ抑制に乗り出している。だから外資は一斉に逃げ出している。だから日本の学者やエコノミストの言うことを間に受けたらひどい目にあうという例ですが、大手の家電産業や自動車メーカーも工場を国内に回帰していますが、中小企業は日本に帰ることもままならず泣いている。

中国はまだバブルがはじけ始めたばかりですが、90年代に他のアジア諸国に見られたような経済現象に見舞われるだろう。アジア諸国ではバブルがはじけることで首切りや賃金の低下に見舞われているのも関わらず、海外からの石油や原材料や食品の値上がりで不況下の物価高に見舞われる。工業製品はオーバーキャパシティーで値下がりを続けて企業は不況になる。

日本のバブル崩壊が他国と違うのは円高でガソリンも80円台なるほどすべてが値下がりをした。しかし最近の円安傾向で日本も不況下の物価高になりつつある。中国では高度成長一点張りでは歪みが社会問題化して混乱をもたらすことになるだろう。中国では水も電気も足りなくなり石油も食料も輸入国になった。このような状況で毒入り冷凍ギョウザ事件が起きたのですが、中国に生産拠点を置いては非常に危険だということだ。

現在の日本は中国の影響を受けてデフレ傾向ですが、中国の生産に何らかの混乱が起きれば供給がストップして、それらの物価が急騰するだろう。供給がストップしないまでも中国からの輸入品が値上がりで競争力を失えば国産に切り替えざるを得ない時が来るだろう。国産になれば物価は上がるがマネーは国内を循環するようになって景気は回復するようになるだろう。JTの冷凍食品も売れなければ国産に切り替えざるを得ない。


中国企業への委託、大幅縮小検討=JT、冷食生産体制見直し 2月23日 時事通信

日本たばこ産業(JT)は23日、冷凍食品の生産体制を抜本的に見直し、中国企業への委託の大幅縮小を検討していることを明らかにした。JTは中国製冷凍ギョーザの中毒事件を受け品質管理体制の再構築を目指しており、安全性確保のため可能な限り自社や子会社の加ト吉の工場での製造に切り替える方針。

2008/02/22-12:18 中国製まな板から鉛溶出の恐れ=ベネトン、5800枚を回収 時事通信

伊ベネトンの日本法人ベネトンジャパン(東京)は22日、中国で生産したガラス製まな板「ガラスカッティングボード」を自主回収すると発表した。裏面に使われている塗料に鉛やクロムが含まれていることが理由。包丁によって付いた傷などから塗料がはがれ、溶け出す恐れがあるという。回収対象は、2005年11月の発売以降に通販や量販店向けに出荷された5817枚。

2008/02/21-01:32 中国カツから殺虫剤「ホレート」=自主回収指示−山東省の食品会社製造・横浜市 時事通信

神奈川、静岡、山梨各県の計6生協でつくる生活協同組合連合会ユーコープ事業連合(横浜市)が販売している中国製冷凍食品「レンジDEロールソースかつ アスパラ入り」から有機リン系殺虫剤「ホレート」が検出されたことが20日、分かった。メタミドホスより毒性が強く、横浜市は「健康に悪影響を及ぼす可能性がある」として、ユーコープに製品の自主回収を指示した。


(私のコメント)
自衛艦と漁船の衝突事件に隠されてしまった格好ですが、中国食品の毒物混入発覚は続々明らかになっている。奴隷的な超低賃金で働かされていれば労働者に不満がたまり毒物を混入させる事件が相次ぐのだろう。毒物食品だけではなく欠陥商品もたくさん出てくる。中国は世界にデフレを輸出するのみならず毒物食品を輸出して信用を失っている。もともと共産主義と資本主義は両立するはずはないのですが、どこかに無理が出てきて問題は大きくなる一方だろう。リチャード・ダンカン氏は香港在住のエコノミストだけに中国の問題点を鋭く書いている。




2010年資本主義大爆裂!』ラビ・バトラ:著 「石油バブル」の崩壊が
進行すれば、アメリカ経済は完全に息の根を止められてしまうだろう。


2008年2月23日 土曜日

2010年資本主義大爆裂!―緊急!近未来10の予測 ラビ・バトラ:著

アメリカを襲う「二つのバブル崩壊」

2000年、ITバブル崩壊が「石油バブル」の出発点

グリーンスパン前FRB議長が生み出したものは「二つのバブル」だと前項で述べた。その二つとは、「石油バブル」と「住宅バプル」だ。バブル経済は、第2章で分析したように、いずれはじける運命にある。そもそも、そんな状態を生み出したことが誤りなのだ。

アメリカ市場は、1999年、ダウ平均株価が史上初めて10000ドルを記録した。それは、「ニューエコノミー」、いわゆる「ITバブル」の頂点だった。このとき、グリーンスパン前議長は、大きな誤りを犯した。原油価格が上昇しつつあったことから、インフレを恐れた彼は、1999年の6月以降、少しずつFF金利(フェデラル・ファンド金利)を上げていった。

FRBは、このFF金利を操作することによって市場金利を誘導する。民間銀行で資金が不足したときに、他の銀行から資金を借り入れる場合の金利がFF金利だ。FF金利を上げれば、銀行間の資金の動きが滅少傾向となって、金融が引き締められ、インフレが抑制される。

FRBは、債券市場でアメリカ国債を買い入れるか、売却するかによって金利を上下させる。短期金利は、通常1〜5年のローンに適用され、FF金利に正比例する。消費者は、この金利を負担してローンを組むのだ。

ローンの金利が高くなれば市民は借金をしてまで商品を買おうとは考えなくなる。その結果、国内需要とインフレ率も低下する。ただし、同時に、個人の購買カに直結する実質賃金も下がる。

グリーンスパン前議長の誤りとは、1980年代の日本のバプル経済当時と同じことをしてしまったということだ。バブルの最中に金利を上げると、ある日、株式市場が大暴落することになる。

2000年1月にはダウが11700ドル台を記録し、ナスダツク総合指数も5000ポイントを記録した。しかし、2000年の春から夏にはナスダックが大幅下落しはじめ、この年の終わりには、それまでの景気がバブルだったことをだれもが知ることになった。

2001年に入ると、株価下落に歯止めをかけようと、グリーンスパン前議長は、1月3日に性急にFF金利を0.5%引き下げ、1月末にさらにO・5%引き下げた。けれども、時すでに遅し。アメリカの株式市場はそれまでの勢いを復活することはなかった。

このアメリカのITバブル崩壊は、即座に日本をはじめ世界の市場に影響した。とくに、日本では、日本なりのつましい「IT景気」で、1990年以降のバブル崩壊後の「失われた10年」がようやく終わりつつあるか、と考えられていたところに、このITバブル崩壊が追い打ちをかけた。

その結果、日本の「失われた10年」が「失われた15年」に延長されることになってしまったのだ。世界の株式市場が大きく下落したのに対して、原油価格は下落することはなかった。これはまず、OPEC(石油輸出国機構)各国が原油市場をうまくコントロールしていたことによる。

そして、もう一つの要因は、ITバブル崩壊で株暴落を経験した投資家たちが、株式市場に見切りを付けて、株式とは別の市場に注目し始めたことだ。とくに、ヘッジファンドなどが注目したのが原油市場だった。2001年9・11の同時多発テロも、株式から原油などの商品に投資がシフトする傾向に拍車をかけた。そして、2003年のイラク戦争開始が、「石油バブル」の進行を決定的なものにしたのだ。

「金利引き下げ」が生んだ「住宅バブル」

アメリカの昔ながらの一般家庭には、鍋やフライパンなど調理道具をピカピカに磨いて長く使い、食事も質素で食材にも無駄を出さず、飾り気のない部屋を、つねにチリ一つない状態に保つ、という「質実剛健」ともいうべき伝統があった。

しかし、今では、「カリスマ主婦」と一時期もてはやされた、「マーサ・スチュワート」に象徴されるような、お酒落なキッチン用品やガーデニング用品をそろえ、「ヒルトン姉妹」のような、「セレブ的」でゴージャスな生活にあこがれ、ビジネスでも「ビル・ゲイツ」のような一攫千金を狙い、車はといえば、国産のフォードではなく、ベンツやBMWを欲しがる風潮が強くなっている。

確かに、「9・11」直後のような社会的動揺と経済的混乱から、アメリカ経済はなんとか脱出したようにも見えるが、だからといって、実質賃金がそんなに上昇したとは思えない。しそれなのに、こうした「セレプ志向」が強まっている背景には、ローンやクレジットでの消費増がある。

米連邦金融監督局の統計では、1975年からの30年間、その他の商品価格が上下しても、住宅価格だけは一貫して上がり続けていたことを示している。かつての日本での「土地神話」と同じように、2005年までは、アメリカでは住宅などの不動産は、持っていれば確実に値上がりする商品だったのだ。確実に値上がりするのであれば、借金をしてでも購入したい、という心理が働く。

ただ、以前は長期ローンを組んで住宅を購入するためには、担保と頭金に加えて、一定の年間所得が必要とされていた。この制約があったために、一定以上の年収がないと、ローンが組めなかったのだ。

ところが、数年前から、「IO=インタレスト・オンリー」という、担保と頭金がいらない新型ローンを組むことができる大手銀行が現れていた。「担保、頭金がいらない」というと、耳触りはいいのだが、実のところ「返済できない可能性が高い」という、ギャンブルに近いローンになる。

ほとんどの金融機関が、「だれにでも資金を提供します。担保も頭金もいりません。今買えば儲かりますよ!さあ住宅を買いましょう!」とあおって、自宅の他に利殖用、転売用のセカンドハウスまで買わせようとしていたのだ。現在と比較して低利だった利子さえ払えば、買った家を転売して数万ドルの利益を,上げることも可能だということで、賭博のようにして住宅ローンを組む人々が増加した。

この「IOローン」登場の背景には、2001年以来の低い金利があった。2000年から01年の「ITバブル崩壊」の株価下落の時に、グリーンスパン前議長がFF金利を引き下げたことを思い起こしてもらいたい。市場に低金利のお金をだぶつかせることで、株価下落を沈静化させようとした。その後、「9・11」の混乱対策で、さらに金利は下がり続け、2004年に引き上げ始めるまで、超低金利が続いたのだ。

このプロセスの中で住宅市場の投機的売買が始まった。住宅価格は高騰しはじめ、低利のローンで買って、転売すればハイリターンになる、という状況になった。アメリカの銀行は競い合うように住宅ローンを貸し付け、個人向け貸付金は、2兆ドル(約230兆円)近くに達していたというデータもある。中には、自行資本金の2倍以上も貸し付けている銀行もあったと聞く。

つまり、FRBのグリーンスパン前議長が、株式市場の下支えのためにだぶつかせた過剰な資金は、「9・11」の影響もあって、先行き不安な株ではなく不動産市場に怒濤のように流れ込んだのだ。これは完壁に「住宅バブル」の状況であり、この状況になるまで放置、いや増長させていたグリーンスパン前FRB議長の責任は重大だ。

「サププライム危機」の出発点とは

もちろん、アメリカ政府は、この過熱した住宅バプルをなんとか「軟着陸」させようと努力した。しかし、ひとたび経済のリセツション=景気後退が始まれば、長期金利は上昇させざるをえない。そうなれば、住宅ローン、力ードローン、自動車ローンなどの債務が支払えなくなった個人の破産が増加し、銀行もとんでもない不良債権を抱えて行き詰まってしまう。個人破産は2005年の終わりには、すでに増加の傾向を示していたのだ。

2007年半ばに、その巨大な危機が明らかになった「サププライム住宅ローン」は、「IOローン」の借り手とも恐らくかなりの部分でダプっていると思われる。「サブプライム住宅ローン」の破綻が、現在のように巨大な「サププライム危機」となって爆発したことの背景には、やはりグリーンスパン前議長の影がちらついている。

「サププライム住宅ローン」は、1990年代後半、グリーンスパンがFRB議長だったときに、銀行が「信用度の低い借り手」向けに、高い利子を設定し貸しはじめたローン形式だ。

2005年半ば頃までは、すでに触れたように、まだ住宅価格が上昇していたため、住宅を購入して売却しさえすれば、元本を大幅に上回って、売却益が手に入る計算だった。その上、「どんどん消費しましょう」という社会的な雰囲気があり、収入やボーナスが上昇することを見込んで、高金利でも借り手がどんどん資金をローンして家を建てたのだ。

ところが、2005年の終わりから06年のはじめには住宅価格の上昇が止まったことで、銀行が住宅の評価価格を見直しはじめた。これが「サブプライム危機」の実質的なはじまりだ。そして、この危機が、2007年半ばになって一般の目にも見える巨大な破綻となったということだ。

問題の根本は、借り手の返済能力以上に銀行が貸してしまったということだが、この「災害」をさらに大きく、深くしたのは、この「サブプライムローン」が「住宅ローン担保証券(RMBS)などに「証券化」され、さらにこれが加工されて「債務担保証券(CDO)」という複雑な金融商品になっていたことだ。

そして、この「複雑な商品」が、S&P(スタンダード&プアーズ)などの格付け機関によって「AAA(トリプルエー)」と最高の格付けがされていた投資商品にも「混入」していた。これは、要するに「良質の食材の食品」の中に、実は「悪質な食材」が混入していた、ということだ。それを、ウォール街の人々も、経済アナリストも気付かずに、または、事実を知りながらも、「良質の証券」として売ってしまっていたのだ。

彼らが、「強欲」に駆られて売りまくった商品が、実は「悪質な商品」だったことには、恐らく2005年か06年の段階で、だれかが気付いていて、それでも最終的な崩壊ギリギリまで隠されていたのだろう。2007年8月、「サププライム危機」が爆発したことで、世界の株価は何度も同時的に暴落し、金融市場そのものの信用が収縮する、「クレジット・クランチ(信用収縮)」の事態になってしまった。

この惨状に遅ればせながら対応して、FRBが07年9月以降、FF金利を下げたことは、FRBが「サブプライム危機」に対処するつもりがあることを世界にアナウンスすることで、他のローンなどの信頼を取り戻すということと、ニューヨークのダウ平均株価の下落を抑制するという機能は果たせたかもしれない。しかし、FRBの対処が、「サブプライム危機」の解決策になるかというと、それは、はっきりと、「NO」と言わざるを得ない。

明日にも自宅が競売にかけられるという事態に陥っているローンの借り手にとって、FF金利が多少下がっても、何力月も滞納したローンは清算できず、破綻に瀕している「投資商品」なども、復活できる見込みはない。「サブプライム危機」全体として見れば、「焼け石に水」の効果も望めないのだ。

この状況を見れば明らかなように、「住宅バブル」は、グリーンスパン前議長が金利引き上げを17回も繰り返したことで、崩壊しはじめたといえる。「サブプライム危機」の爆発によって、現在、大手銀行が軒並み巨額の損失を出し、不良債権を抱えている。しかも、今後、同時に景気後退が進行する、その混乱状態の中で、「石油バブル」の崩壊が激発・進行すれば、アメリカ経済は完全に息の根を止められてしまうだろう。(P118〜P129)


(私のコメント)
アメリカのバブル崩壊は2000年のITバブルの崩壊で始まっていたはずであった。しかしソフトランディングを目指すFRBのグリーンスパン議長は金利を引き下げることによって住宅バブルを作り出すことで消費を拡大させて株価を支えてきた。さらに9・11テロの発生によって金利をさらに引き下げて、テロによる株価の混乱を防ぐ必要に迫られた。

金のだぶつきは金融機関の貸し出し競争を招いて、担保も頭金も要らない住宅ローンまで現れて、それは日本のバブル最盛期の現象を思わせた。9・11テロの混乱が収まって2003年にはイラク戦争が始まり、アメリカは戦争という公共事業まで始めてバブルの崩壊を防ごうとしたのだ。アメリカへの住宅ローンへの資金やイラク戦争の資金を提供したのは日本のドル買いであった。

日本はバブル崩壊以来18年も経っているのに、アメリカ政府やFRBのようななりふり構わぬソフトランディング政策をとらなかった。補正予算を組んでの景気梃入れは行なったがバブルを起こすほどの強力な景気対策は取れなかった。政府日銀は財政再建や行政改革に力を入れて株式市場が低迷しても「構造改革をすれば景気は良くなると」痛みを国民に強いる政策を行なっている。

しかしアメリカに対しては1年間に33兆円ものドル買いを行なってアメリカの景気対策に協力してきた。もしそれだけの金を日本の景気対策に使っていれば、失われた15年はもっと早く終わっていただろう。今ではその金を霞ヶ関埋蔵金と呼んでいますが、30兆円前後の埋蔵金があるようだ。

アメリカ政府は戦争をしてまで景気を支えて株価の暴落を防ごうと全力を注いでいるのに、日本政府は7000円台にまで株価を下げるに任せてしまった。ブッシュ政権のような不退転の株価維持政策はとらずに、日本の政治家は株価に無関心をよそおうのが美徳とされた。4万円近くあった株価が7000円台にまで下がってしまったのだから株式投資をしていた人は一財産を失い、株に手を出す人はいなくなってしまった。

グリーンスパンは2004年から金利を上げ始めましたが、すでに住宅ローンバブルが発生して、日本と同じように破裂寸前にまで行ってしまった。バブルに針をさしたのはサブプライムローンであり返済があまり期待できない人にまで住宅資金を貸し出してしまった。そのローンが証券化されて優良ファンドに紛れ込まれてしまったから、世界の金融機関はそのファンドを買い込んで中毒にかかってしまった。

貸出債権の証券化は金融の革命ともいえる、銀行にとっては夢のようなリスクゼロの商売であり、銀行は金を貸してもすぐに証券化して販売して資金を回収することが出来た。だからこそ返済が期待できないような人にまで金を貸し付けて証券化して転売してしまった。シティやメリルリンチは証券化した商品を大量に抱え持っていたから数兆円もの損失を出してしまった。

サブプライムローンは中国の冷凍食品に混入された猛毒のようなものであり、日本の消費者は冷凍食品には手を出さなくなってしまった。スーパーに行っても冷凍食品は撤去されて空になってしまった。欧米の債券市場も同じようになってしまって債券の借り換えさえも20%の高金利でないと出来なくなってしまった。これがじわりじわりとアメリカ経済に効いてくる。

ラビ・バトラ氏は「2010年資本主義大爆裂!」という本で、2010年前後にアメリカの資本主義の終焉を予測している。ソ連のアフガニスタン戦争によって撤退したことにより国内問題が多発してソ連は崩壊してしまった。アメリカのイラク戦争中は何とかもっても戦争終結後にアメリカ国内で問題が多発してアメリカの資本主義は終決する。

「2010年資本主義大爆裂!」という本では10の予測が述べられていますが、興味のある人は買って読んでください。しかし資本主義が終焉したあとにはどのような経済システムが生まれるのだろうか? ラビ・バトラ氏によれば日本で生まれると予測している。

アメリカの資本主義には会社は株主のものといった、一見当たり前のような論理がまかり通っていますが、日本の戦前の資本主義によく似ている。しかし会社は資本主義が進歩するにしたがって株主だけのものではなくなっている。会社は従業員のものでもあるし地域社会のものでもあるし客のものでもある。

しかしアメリカの資本主義では株主万能であり、一旦ハゲタカファンドが会社を買い取ってしまえば資産を切り売りして、会社を借金だらけにして、最終的には転売してしまう。株主という怪物が会社を食いつぶしてしまうのだ。日本にもホリエモンや村上ファンドが現れましたが、日本ではこのような資本主義は否定されている。アメリカの新自由主義経済はまさに破綻しかかっているのだ。

アメリカではバブルが崩壊しかかっているのですが、株価暴落を防ぐ為の手段は利下げしか残されていないようだ。しかし利下げをすればだぶついた資金は石油や農産物の高騰につながりインフレを助長して、利下げをすればするほどインフレで金利は急上昇してしまう。バーナンキFRB議長はこのような仕組みが理解できないのだろうか? まさに気の狂ったパイロットがヘリコプターの上からドルをばら撒いているのだ。




国防意識の低下または無さが潜水艦の事故等や今回の事故を引き起こ
しています。事故多発のたるんだ自衛隊で自主防衛は机上の空論だ。


2008年2月22日 金曜日

2008/02/22 (金) 国を守る軍艦が「一般の船」を避ける? クライン孝子

<<突然失礼します。

1)・小型船の持ち主(操縦者)は通常は夜間航行はいたしません。
夜間航行に必要な器具、備品類など(含知識)を持ち合わせて
いないのです。

しかし、夜間航行も可能な最低限の装備は持って出航します。

2)・例えば日本近海で小型船で夜間航行するときは死ぬ思いを

するくらい怖いです。
大型船のスピードは15ノット以上ありますので夜間遠くに
見えても直ぐ近くに来てしまいます。


目視では波が高くて波の谷間に小型船が入ると空しか
見えません。
まして大きな船からは小型船は全く見えません。
ライトも明るくないのでまず見えにくい
(全く見えません)です。

3)・今回の事故??は波も小さい状況でしたが、
漁船が海上を良く見ていればイージス艦に気が付くはずです。
小型船は絶対にワッチを怠ってはいけません、
ワッチを怠るという事は「衝突」、「死」を意味します。
今回の事故はそれを意味すると思います。

3)・小型船は夜間、大型船を発見したら、スタコラサッサと
逃げるのが海上の鉄則なのです。

4)・イージス艦のレーダーは敵ミサイルや敵の艦船を早期に
発見し、攻撃する為にあります。

漁船を見つけるためにあるのではありません。
小型船はレーダー反射板をつけますが役に立っているか解り
ません。(気休めでしょうね)

5)国土を守る軍艦が「一般の船」を避けるという例を聞いた
事がありませんし、ある訳がないと思っています。
世界の常識だと思います。

国防意識の低下または無さが潜水艦の事故等や今回の事故を
引き起こしています。


参考になるかどうか判りませんが普通に海の仕事をしている方
々は上記のように考えると思います。

桜花一号: 柳瀬 康雄 >>


船は座ったままでは動かせない 2月21日 ネットゲリラ

で、おいらの最初の見立て通り、イージス艦が

まったく回避してなかったというのが明らかになりつつある。ずいぶん前から漁船の存在を確認していながら、見張りが報告をあげず、衝突する寸前まで速度も緩めず、なんと自動操舵のままで突っ込んでいたわけだ。2ちゃんねるの関連スレでも書かれているんだが、コレは普通の商船だったら考えられない事で、あれだけ混んだ海域だったら水先案内をつけるか、手動で速度を落として、周囲に注意を払いつつ、ゆるゆると航行するのが当たり前だ。まして、優先権のある赤い灯をともした船が右舷から進行してくるのに、見張りが「右舷2時の方向から漁船接近中!」といったように連絡をしなかったとしたら、いったい何のための見張りなのか。

漁船の方も自動操舵だったんじゃないか、という話もあるんだが、そこは不明。まぁ、ありうる話だ。なんせ二人しか乗ってない。ところがイージス艦は300人も乗っているわけだ。で、これも笑ったんだが、自衛艦を動かすヤツは「海技免許を持ってない」と指摘する人もいる。無免許w 実際は個人的に取得したりするらしいが、法律的には自衛隊は別格なので、なくても構わないらしい。まぁ、動く治外法権だw で、300人も乗っていながら誰も舵を握らず、
無免許の自動操舵で東京湾に突っ込み、木っ端漁船を蹴散らすという素晴らしい航行ぶりを今までもやっているわけだ。なので、自衛艦は避けないと誰もが口を揃えて言うわけで、海上保安庁というと「海猿」なんだが、
宿舎のロッカーに「打倒海自」の貼り紙があるという、まぁ、そういう事だ。ここぞとばかりに海保が張り切っている事だろう。

おいらの見解としては、

イージス艦が右旋回して避けるべきだった、とは考えない。法律がどうであれ、それは現実的に考えにくい方法だ。ただ、前方に小型漁船の集団が交錯するのが予想された時点で、スピードを緩めて相手をやり過ごすべきだった。それでも避けきれずにウロチョロするようだったら、遠慮なく霧笛鳴らして追い払うべきだ。相手が眠っていたり、気がついてない可能性もある。実際、「釣りをしてたら真後ろでフェリーに霧笛鳴らされて、振り返ったらあんまり近いので驚いた」という話も多い。手動で操船していたなら、誰でもそうしたはずだ。それが、機械任せの自動操舵だったので、誰も、何もしなかった。300人乗っていた連中は何をしていたんだ? 



(私のコメント)
「株式日記」は自主防衛と核武装を常々主張しているのですが、最近の海上自衛隊の事故などを見るとたるんでいるとしか思えない。ブログ版の「株式日記」に関連ニュースを追加して張ってありますが、不祥事が多発しているのだ。海上自衛隊の管理体制がなっていないから海上自衛隊員の士気もたるんでしまう。

私自身は船に乗らないから海上のことはよく分かりませんが、漁船団の真ん中を自動操縦で突っ切って行けば、海の上は急ブレーキが効かないから無用心な漁船が当たってしまう事故もありえる。東京湾フェリーには何度か乗ったことがありますが、大型船が行き交う中をフェリーが横断している。だから十分注意していれば防げた事故だ。

今回の事故は「あたご」が自動操縦で見張りも十分でなかったし、漁船も大型船が近づいていることに最後まで気がつかなかったようだ。漁船同士の無線連絡も応答がなかったから何らかの作業をしていたのだろう。しかし夜の東京湾の出入り口付近での見張りが十分でなければ小型船は命にかかわる。

護衛艦の「あたご」も海上自衛隊の中からも、あの海域を自動操縦で航行していることを事故の原因としてあげている。7700トンもの大型船が右に左に舵を切っていたら周りの船が迷惑するから直進するのでしょうが、船舶銀座のような東京湾近くではいつでも非常事態を想定して十分な見張りを置いて手動航行すべきだ。

2ちゃんねるでは海上自衛隊を擁護する意見が多いようですが、イージス艦の機密漏えいや隊員が持ち込んだ電熱器具で火災事故を起こした事故は、海上自衛隊員がいかに弛んでいるかの証明だ。「あたご」も「なだしお事件」の教訓が活かされていない。これでは何度でも事故が起きるだろう。とても戦争が出来るような組織ではない。味方の漁船を沈めてどういうつもりなのだろうか? 

「株式日記」では大日本帝国海軍もたるんでいると何度も書いてきた。山本五十六はアメリカのスパイだったとも疑っている。大東亜戦争は本来ならば勝てる戦争を海軍のバカな作戦で負けたといえる。現在の自衛隊も外国のスパイの巣窟であり国防意識の欠如が事件や事故の多発を招いている。こんな事では自主防衛もへったくりもないのであって、今回の事件で海上自衛隊を擁護するような連中は、海上自衛隊の組織的弱体化をねらう外国の工作員なのだろう。あるいは単細胞のバカなのか? 愚かな軍隊を持つことは国を滅ぼすことは先の大戦が証明している。




イージス艦「あたご」は事故1分前まで自動操舵だった。大惨事から
20年、潜水艦なだしおの乗組員は、今も沈黙を守ったままである。


2008年2月21日 木曜日

20年前の潜水艦「なだしお」東京湾衝突事件を振り返る 2月20日 日暮れて途遠し

20年前に今回と同じような場所、条件下で起きた事故とはどういうものだったのか。
イージス艦漁船衝突の詳細を伝えるテレビ報道でも断片的に紹介されている。
「真相はこれだ!『昭和』8大事件を撃つ」祝康成(新潮文庫)から抜書きしてみた。(全体の約60%程度の分量になります)
相手の船を右舷に見る側(航路回避義務がある側)が自衛艦側であったこと、組織的に事実隠蔽の陰が見えることなどいろいろと相似形が見えて参考になります。(中略)

ある海運関係者は、大惨事の原因を次のように推測する。
「事故のあった浦賀水道は、世界でも屈指の過密航路。当時、1日当たり700 隻以上の船が往来していた。しかも南北に航行する船と、横須賀港に出入りする東西方向の船が交差するため、衝突の危険性は常にあった。信号機のない交差点みたいなものです」

加えて「自衛隊の船舶は特別」と、こう言う。
「自衛艦は海上衝突予防法で定められた避航船(他船の進路を避けねばならない船舶)の時でも、民間船が避けるのが当然と思っている。レジャー船なんか蹴散らされていますよ。“おまえらは遊んでいるんだから、自分たちに航路を譲るべきだ”という意識でしょう。近藤さんは、海外の航路が長いから、自衛艦と民間船の関係が良く分かっていなかった。逆になだしおは衝突寸前まで、第一富士丸が避けるはず、と思い込んでいたんじゃないかな」


近藤もこう言う。
「それまでは大型船で外洋に出ていたので、洋上の潜水艦は1、2 度見た程度です。船仲間からは、ギリシャ船というのが“あまりルールは関係ない、気をつけなさいよ”と言われていたんですけどね。ただ、ルールがある以上、ちゃんと守るべきだし、それは自衛隊だろうと同じでしょう。ですから、民間船たるもの、自衛隊の船が来たら無条件に進路を譲るべき、という考え方はとても納得できません」

海難事故の原因究明は、運輸省(現国土交通省)の外局である海難審判庁で行われる。なだしお事件の審理は昭和63年10月3日から始まった。新聞記者が語る。「とにかく、なだしお側の行動に疑問が多すぎた。海上保安庁へ通報したのは事故21分後、という事実も明らかになっており、おかげで巡視艇の現場到着が大幅に遅れた。

一方、富士丸の側にも間題があって、定員44名のところ、48名が乗っていたとか、正確な乗客名簿が作成されていなかったとか、杜撰な点が多々あった」
しかし、審理で最も注目されたのは、なだしおの航泊日誌の書き換え疑惑だった。
「平成元年11月15 日の朝日新聞がスクープしてね。衝突時間を3 時38 分から40 分に書き換えた跡があった、というもの。審理の中で、山下艦長の命令で部下がやったと確認されたが、艦長は“鉛筆の字をペンで清書しただけ”とよく分からない弁明に終始した」

もっとも、2分遅れたことがなだしお側にとってどれだけのメリットがあるのかはっきりせず、この間題はうやむやのまま終わっている。
「ただ、あの一件で、なだしお側の証言はあてにならない、組識ぐるみの改竄も平気でやる、と分かった。他にも何か隠してあるんじゃないか、と疑いの目が向けられた」(中略)

裁判は真相解明とは程遠い、なんとも不可解な灰色決着で終わる。横浜地裁の判決(平成4 年12 月)は山下啓介に禁固2 年6 カ月、近藤万治に禁固1 年6 カ月(いずれも4 年の執行猶予付き)というもの。ちなみに海難審判では一審こそなだしお側に主な過失があったとする裁決が下されたが、二審は「過失は同等」と一転している。
司法記者が語る。

「過去の船舶事故で禁固2 年を超えるものはほとんどないから、判決そのものは軽いとはいえない。ただ、公判の証人尋問で、なだしお側の乗組員の証言がガラリと変わったことが不自然だった。検察の調書の内容を本人がことごとく“違います”“分かりません”“忘れました”と否定し、とぼけたのです。事前に意思の統一があったとしか思えない。


司法記者が続ける。「山下艦長も最後までN1(最高スピード12ノット運転)の試験計画と操艦判断のかかわりを全面的に否定し続けた。乗組員はだれ1人として、検事調書の記述を認めなかった。これでは検察はお手上げ。自衛隊の一致団結した組織防衛の前に敗れたのです。結局、N1計画と事故の関連性は限りなくクロに近いものの、裁判は真相が解明されないまま、うやむやで終わった」

(近藤が)裁判を振り返ってこう語る。
「自衛隊の人の法廷証言が、検事調書とことごとく違っていたのはね… 正直に言ってもらえると信じていたのに、統一した回答になっていたのは、やはり情け無かったです」
民間人30人の命が失われた大惨事から13年。潜水艦なだしおの乗組員は、今も沈黙を守ったままである。


(私のコメント)
昨日は外務省のヒマさかげんと緊張感のなさを書きましたが、自衛隊も外務省に劣らずヒマで緊張感がない。だから漁船が錯綜する東京湾の出入り口で護衛艦と漁船が衝突事故を起こしたりするのだ。ニュースによれば護衛艦「あたご」は衝突1分前まで自動操縦だったそうだ。東京湾の出入り口の漁船のたくさんいる場所で自動操縦で突っ切ろうとしていた。

護衛艦が7700トンもある大きな船だから漁船を避けながら走れというのは非常識だ。しかし「なだしお事件」からみても教訓はほとんど生かされていないようだ。最近は事件が起きるたびに「事件の再発を防ぐ為に全力を尽くす」という文句が流行のようですが、緊張感がなくては再び事故は起きるだろう。

思い起こされるのは13年前の「なだしお事件」ですが、その時の事故の場所も状況もよく似ている。「日暮れて途遠し」のブログを読んでもらえれば分かるように「なだしお事件」も乗組員全員に緘口令が引かれて検察調書にも全員が署名していない。捜査が自衛隊の壁に塞がれてしまったからですが、戦後の文民統制の大原則はどうなっているのか。

自衛隊が軍隊か軍隊でないのか憲法上微妙なところですが、悪しき部分の戦前の軍隊の伝統は生きているようだ。戦前においても警察と軍隊の揉め事があって「ゴーストップ事件」と呼ばれていますが、交通規則違反を咎められた軍人が警察官と揉めたという事件です。「なだしお事件」も今回の「あたご事件」も海上の交通事故であり交通規則は守るべきだ。

「ゴーストップ事件」は軍が統帥権まで持ち出す大事件となり、軍は軍服を着ている限りにおいては軍の命令指揮下にあり、交通規則も警察の指示には従わないという慣習が出来てしまった。戦争中ならともかく平時においても軍隊のトラックが交通規則を守らなかったら交通事故が起きる。今回の海上の交通事故も同じケースであり、戦前の伝統が甦ってしまったようだ。


ゴーストップ事件

事件は1933年(昭和8年)6月17日、午前11時半ごろ、大阪市北区天神橋6丁目の交差点(通称天六信号)で起きた。曽根崎警察署の戸田巡査は、賜暇外出中(兵士の場合、公務とみなされ制服着用)の8連隊(第4師団)所属中村一等兵の信号違反を「オイコラ」と咎め、説諭に及び、もみ合いになり、そのまま天神橋7丁目派出所に拘引した。

中村は「軍人ヤゾ!オマワリの命令に・・・」と暴言を吐いたようである。また戸田が中村を数発殴り暴力をふるったところを目撃されている。

中村から報告をうけた第4師団の大阪憲兵隊はただちに大阪府警に「軍人には敬意を払え」と曽根崎署に抗議した。これに曽根崎署は「兵隊も交通規則に従うべきだ」と反論した。そのうえ、いずれかの手段(府警のリークと思われる)か大阪朝日が情報を得て、全国に報道された。

第4師団参謀長伊関大佐は「皇軍の存在にかかわる問題」だとして、大阪府警に抗議した。こういったことで、陸軍側がより執拗であった。新聞報道がきっかけとなったのであろう。ただ伊関は帝国陸軍ではなく「皇軍」といっており、荒木貞夫と関係がある人物と推定される。ところが粟屋府警本部長は「陳謝の必要なし」と発言したため、問題は中央に移った。

6月28日、伊関は「軍人の体は上御一人に捧げている、従って外出中でも軍服を着ていれば、軍の統帥権内にある。地方人のただなかで面目を潰された時は、昔の武士なら相手を切り捨て、切腹するほどのものだ」と声明を出した。これにたいして粟屋は「当日、軍隊行動をとっておらず、一般人と取り扱いは変わらない」といい返した。

7月3日、荒木貞夫陸軍大臣が第4師団司令部を訪問し激励した。そして7月17日、中村は大阪地検に戸田巡査を傷害罪で告発した。大阪地検は告発を受理したが、未処理のまま放置された。翌年、不起訴処分で終了している。

そのあと、兵庫県知事が仲介し、11月ごろ「手打ち」となったといわれるが、内容は現在に至るもはっきりしない。

この事件をどうみるべきだろうか?

まず、大阪府警の勇気を讃えるのが戦後一般的であるが、これは誤りであろう。休暇中の兵士(将校ではない)は陸軍服務規程等に従わねばならない。この意味で軍人として行動しているのである。戦前のプロイセン式軍法では、軍律に従うことだけが要求されるのであって、道路交通法などや一般刑法に問われることはない。休暇中といえども兵士は公的空間においては上官の命令にのみ従えばよいのであって、信号無視を命令されたならば、それに従う必要がある。すなわち軍律の適用される範囲が時間・地域(すなわち戦時における時空間)でなく、身分によって決定されるとすることに問題があった。すなわちプロイセン式軍法は制服を着た軍人や現役将校の軍事的・政治的行動について、軍律によってしか裁けない欠陥がある。

5・15事件は軍法会議によって裁かれ、微罪適用となった。同じく2・26事件では殺人の実行行為に及んだ下士官・兵士は微罪であった。つまり彼らは、「上官の命令に従った」のである。(後略)



(私のコメント)
「なだしお事件」も自衛隊という壁に阻まれて、検察の捜査は自衛隊員の黙秘によって闇に葬られた。知らず知らずの間に自衛隊員に戦前の「統帥権」が復活してしまって、文民統制に従わない自衛隊になってしまうのではないかという恐れを感じる。自衛隊は今回の事件に関しても幕僚は緘口令を引くべきではない。海上交通規則は軍事機密でも何でもないからだ。むしろ「あたご」のレーダーは漁船には効かない事が明らかになってしまった。

自衛隊の護衛艦にテロリストの小船が近づいても、緊張感のない自衛隊の護衛艦は気がつかないだろう。レーダーも見張りも機能していなかったのだからたるんでいたのだ。しかし事件などが起きると戦前の皇軍の伝統が甦って警察の捜査も裁判も非協力的になり「見えない統帥権」が甦ってしまう。軍人が上官の命令だけに従えばいいというのならば五一五事件や二二六事件も起きかねない。戦後の海上自衛隊は上官だけではなく平時は一般の交通規則にも従わなければならない。

「なだしお事件」も海上自衛隊は検察の捜査に非協力的だったようだ。漁船の発見が遅れたことでも軍の機密もへったくりもなく、イージス艦はゲリラ的な攻撃に弱いことを晒してしまった。アメリカのイージス艦も中東でゲリラ攻撃で大きな損害を出している。「あたご」に関しても軍の機密を持ち出して口裏合わせをするのではないだろうか。そして自動操縦でほとんど見張りもしていないことを隠すのだろう。

「なだしお事件」も灰色決着であり、事件の真相はうやむやにされた。軍の面子が優先されてしまったことは戦前の「ゴーストップ事件」を連想させる。30人も事故で民間人が死にながら「なだしお」の艦長は二年の執行猶予だ。たぶん「あたご」の艦長は漁船のほうが悪かったとして起訴もされないかもしれない。こんなことを繰り返していたら海上自衛隊はますますつけあがって日本近海を自動操縦で走り回るだろう。

外務省も防衛省もアメリカの植民地である日本には必要のない官庁だ。だから職員はたるみきって、イージス艦の極秘情報も中国のスパイに奪われるような事件が起きる。憲法では自衛隊が軍隊でないのだから、スパイ防止法で取り締りも出来ないのだ。CIAの設立も見送られて自衛隊も外務省もたるみきっている。防衛事務次官は私腹を肥やすのに忙しくてゴルフざんまいだった。

どうしたら日本が目覚めて自立した国家になれるのだろうか? 自分の国は自分で守るといった基本的な常識が通用するような国にしなければ、政治家も役人も自衛隊員もたるみきって事故や汚職が多発するようになってしまった。日本人の目を覚まさせるには日米安保も廃棄して、北朝鮮からミサイルも飛んでこないと目が覚めないのだろう。


「海自は緊張感欠いている」! 2月20日 軍事評論家 佐藤守

勿論、現時点で2名の乗組員が行方不明である以上、全力で救出すべきことは当然であるが、事故再発防止の観点から見れば、冷静な事故調査が望まれる。

 ところで、産経は「主張」に「海自は緊張感欠いている」と書いたが、以前から私もそう感じていたのは事実である。一連のPCからの情報漏洩事件、イージス情報漏洩事件、対馬の海上監視隊隊員の上海旅行とハニートラップ、今回の「しらね」火災事故などなど、自衛隊OBとしては実に情けない事件事故が相次いでいることに「弛んでいる!」とチャンネル桜で叱咤したことさえあった。

 今回の事故は、事故調査が開始されたばかりだからこれ以上語るのは控えるが、上層部に「出世争い」でもあるのではないか?と勘ぐりたくなる。上が上ばかり気にして足下を見ないと、必ず「不祥事」は起きるものである。「こんごう」が、MD試射に成功して米海軍から賞賛されても「九仞の功を一簣に欠く」のでは意味がない。

 ただでさえも「前事務次官の不祥事」で防衛省の評判は地に落ちていることを講演先などで痛感する。せめて「防大時代になってから、海自は弛んだ!」「防大教育はどうなっているのか?」と言われぬように、もっともっと「緊張感」を持って日常勤務に励んで欲しいと思う。

 何よりも私が問題にするのは、“それ”を喜ぶのは「どこのどいつか!」と考えているからであり、2008年危機に備えて自衛隊だけでも常に緊張しておかなければ、この国は持たない、と懸念しているからである。





なぜ外務官僚がここまで乱れるか、ひと言でいえば勤務がヒマだからです
私が外務省にいた時から、ほとんどの職員がヒマをもてあましているのだ


2008年2月20日 水曜日

<日本版CIA>政府の検討会議が設立見送る 2月14日 毎日新聞

安倍晋三前首相の提唱で、首相官邸の外交・安全保障の情報機能強化を議論してきた政府の「情報機能強化検討会議」(議長・町村信孝官房長官)は14日、最終報告書を決定した。「対外情報庁」(日本版CIA)設立など抜本的な組織改編は見送り、昨年2月の中間報告の微修正にとどめる内容。教育再生会議に続き、安倍前政権の目玉政策に、また一つ幕が引かれた。

 検討会議は06年12月に発足。情報機能強化は、国家安全保障会議(日本版NSC)とともに、前政権の安保政策の両輪になるはずだった。しかし、NSC構想は議論が生煮えのまま法案化され、先の臨時国会で廃案。情報機能強化も失速した。

 政府には現在、警察庁、外務省、防衛省、公安調査庁を中心とする内閣情報会議(次官級)、合同情報会議(局長級)があるが、情報の「出し渋り」から実効性が上がっていないのが実情だ。

 報告書は「分析能力の向上のためには情報共有の促進が重要」と強調し、内閣情報官を情報の取りまとめ役に指定した。しかし、関係省庁は必要に応じて首相官邸に直接報告することもできるため、情報共有がこれまで以上に進むことは余り期待できそうにない。

 中間報告に盛り込まれた内閣情報調査室への「内閣情報分析官」設置は、今年4月に5人が配置される予定。関係省庁の専門家や民間人の登用を検討している。各機関から集まった情報を分析・評価し、中長期の情報分析レポートを作成する。

 これによって、内調の機能は強化される見通しだ。ただ、内調のトップである内閣情報官は歴代、警察庁出身者のポストで、関係省庁からは「内調が警察の出先と見られている以上、根本的な解決にはならない」との指摘もある。

 政府や自民党は、01年の米同時多発テロ以降、情報機能強化に関する提言書を次々に発表してきた。日本版CIA構想や国会への情報委員会設置などアイデアは多いが、検討会議の最終報告ではすべて見送られた。【古本陽荘】


佐藤優の的確な外務省批判 2月18日 天木直人

18日発売の週刊現代に、「秘トンデモ外務官僚リスト」が流出した!というゴシップ記事が出ていた。

 それは、週刊現代誌が外務省内部から入手した極秘職員リストであり、機密費でお子様ランチを食べさせたり、セクハラを強要したり、長期欠勤にもかかわらず給与が全額支給されていたり、と、問題職員がリストアップされている内部資料だという。

 このリストが本物なのかどうか知らない。外務省は出所不明の文書でありコメントを控えると言っているらしい。しかしこのような醜聞は既に繰り返し報道されてきたものばかりだ。そのような職員がいたことはこの目で見てきた。いずれにしても次元の低い醜聞だ。

 私が指摘したいのは週刊現代の取材に応じて答えている元外務省主任分析官佐藤優のコメントである。彼は言う。

 「なぜ外務官僚がここまで乱れるか、ひと言でいえば勤務がヒマだからです・・・」

 この言葉ほど的確な答えはない。私は佐藤優の言論のすべてに目を通しているわけではない。賛同できない意見もある。しかし彼の外務省批判は見事なまでに的確である。

 私が外務省にいた時からそうであった。ほとんどの職員がヒマをもてあましているのだ。もちろん、残業と称して遅くまで大勢が仕事をしている。しかしどうでもいい事に無駄な時間を使っているのだ。

 やるべき外交は山ほどある。しかしそれをやろうとしない。何を、どうすればいいか、どこから手をつけていいか、わからないのだ。

 外務省がニュースになる時は拉致問題、米軍再編問題、領土問題、靖国問題など後ろ向きの処理案件ばかりだ。しかもいずれも行き詰まっている。張り切って進めた国連安保理常任理事国入りは見事に頓挫した。

 最近はこれらの外交に関する記事も少なくなった。さぞかし外務省はヒマであろう。こんな時こそ事件が起きたり、醜聞が出たりするものだ。外務省は気をつけたほうがいい。



(私のコメント)
外務省OBの佐藤優氏や天木直人氏によれば外務省はヒマを持て余しているそうです。端的に言えば日本には外務省と防衛省は必要が無い。この二つの省はアメリカの下請け機関であり自衛隊はアメリカ軍の指揮下に入っている。これははたして日本が独立国といえるのかという証拠だ。

安倍前総理が提唱した日本版CIAも闇に葬られましたが、日本政府には情報分析機関がない。有ったとしても無能でやる気のない官僚たちの天下り機関にしかならないだろう。外務省も本来は非常に忙しいはずであり、現在の規模では間に合わないはずだ。しかし有能で分析力のある人材でなければ使いものにならない。

佐藤優氏が外務省でスキャンダルに巻き込まれたのも仕事をしていたからで、他の職員並みにグータラやっていれば検察に捕まることもなかったのだ。天木直人氏もヨルダンから小泉総理に意見具申していなければ首になることもなかっただろう。

外務省は仕事をすると外交的な摩擦を生ずるから、事なかれ主義の政府にとっては通訳程度の仕事をする機関に過ぎない。もっとも外務省の英語の能力も怪しいものであり、サンフランシスコ講和条約の翻訳も「判決」と訳すべきところを「裁判」と訳してとんでもない目にあわせている。

このような外務省が腐敗堕落してトンデモ官僚リストが作られて週刊誌に叩かれている。機密費に手を付けたり、セクハラしたり、長期欠勤でも給料だけは一人前だったりと腐敗しきっている。このような外務省になってしまうのも日本には外務省が必要ないからであり、米国務省日本支局と名前を変えたほうがいいのだ。防衛省も米国極東軍司令部と名前を変えたほうがいい。

外務省は公に認められた情報収集機関なのですが、在外公館は毎日が夜遅くまでパーティー三昧で明け暮れて、夏休みになれば日本からのVIPの接待に忙しいようだ。日本にはCIAやMI6のような情報機関がないから海外の情報機関から相手にされない。

外務省に限らないのですが、中国の毒入りギョーザ事件も自衛艦の漁船沈没事件も担当職員の緊張感がなさ過ぎて防げなかったのであり、連絡も遅れがちだ。普段から仕事をしないのが仕事だから緊張感もなくなってしまうのでしょう。外務省はスパイが仕事であり、防衛省は戦争が仕事だ。しかし日本にはスパイも戦争も関係がない。外務省も防衛省も予算を食うだけの無駄な役所だ。




香港ドルは米ドルとの連動から離脱して人民元と連動させるだろう
日本も中国も産油国もドルからユーロに換えて外貨を持つようになった


2008年2月19日 火曜日

米ドル安におびえる香港の悩み 2月19日 日経ビジネス

人民元の切り上げも響く

 香港は160年余りの歴史の中で通貨制度をたびたび変えてきた。アジアの交易の中心地として、そして近年は金融センターとして、強い通貨を維持する必要があるためで、1983年からは米ドルと連動する固定相場制を導入している。

悩ましいのは、香港経済に密接な関係を持つ中国の通貨・人民元が2005年7月に管理変動相場制を導入して以来、ジリジリと対ドルレートを切り上げていることだ。元の当初の基準レートは1ドル=8.11元だったが、昨年初めに香港ドル(1ドル=7.8香港ドル)を抜き、現在は1ドル=7.2元弱まで上昇している。人民元はかつて香港ドルより6%ほど安かったのが、いまや8%弱高い。

やや乱暴に言ってしまえば、香港ではこうした香港ドル安・人民元高を歓迎する企業は多い。香港から中国への“輸出”に好都合であり、中国から香港経由の輸出にも支援になる。さらに中国本土からの投資が増え、買い物客が訪れやすくなるメリットも大きい。

 この旧正月休日期間(2月6〜12日)に香港を訪れた本土の団体客は4割増、と香港紙が推定している。香港ドルと実質的に通貨が連動しているマカオ(通貨はパタカ)でも状況は同じだ。元高で本土から訪れるカジノ目当てのギャンブラーが急速に増えている。昨年の海外からの来訪者は23%増の2700万3300人に達した。うち本土からが55%を占める。

 問題は、今の通貨制度のままだと、香港ドルは今後さらに値下がりしていく可能性があることだ。そうなると海外からの労働者は敬遠するだろうし、何より通貨安はインフレにつながりやすい。

米金利の利下げも重し

 もう1つの悩みが米国金利の下落だ。カレンシーボード制の下では、香港は独自の金利政策を放棄し、金利を米国と連動させる必要がある。そうなると、インフレでも利下げを余儀なくされる。今年に入って米国は2度、合計1.25%、米国の短期金利の指標であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を引き下げた。しかし、香港の市中銀行は貸し出し、預金金利を1.0%しか下げなかった。(中略)

 そうすると、残る手段は1つ。ドルとのデ・ペッグ(非連動)であり、人民元とのペッグである。強い通貨と連動すれば、くだんのフィリピン人たちも喜ぶはずだ。ただし、人民元が自由化されるにはまだ時間がかかりそうで、簡単にはペッグできないだろう。



やがて中国は労働者輸入国になる(4) 2月18日 日経BPネット

中国の入管当局の発表によれば、1995年から2005年までの10年間で、中国側が強制送還した非合法入国、非合法滞在、非合法就労を意味する「三非人員」つまり不法入国・滞在・就労の外国人はのべ6万3000人だった。しかし、2006年一年間で、中国側が強制送還した「三非人員」は1万6000人にも及んだ。しかも、その数は猛烈な勢いで増え続けている、という。

これまで「三非人員」が目指す目的地は、ロシアと川を隔てるだけの黒竜江省、北朝鮮と隣接する吉林省や遼寧省からなる東北地区、ベトナムと陸続きの広西チワン族自治区、ミャンマーに隣り合わせの雲南省などの国境地域だったが、いまや労働力不足に悩む深?、広州など南方の大都市となり、密航ルートも香港、マカオ経由が急増しているという。

中国のメディアが報じた広州社会科学院都市管理研究所の黄石鼎所長の発言によれば、現在広州に6カ月以上の長期滞在をしている外国人がすでに5万人に及び、そのうちアフリカ出身者が2万人以上を占める。しかし、このデータには「三非人員」が含まれていないという。広州滞在の黒人は毎年30?40%増えており、「三非人員」を含めた総人数は20万人との指摘もある。

特に、広州市越秀区の洪橋辺りを中心に、黒人生活圏が形成されている。2002年以降、天秀大厦、陶瓷大厦(「中非貿易城」つまり中国・アフリカショッピングセンターとも言う)、ホテルの登峰酒店にある秀山楼などのオフィスビルには、南アジア人、ラテンアメリカ人経営の貿易会社に混じって、アフリカへの輸出を主な業務とするアフリカ人経営の貿易会社がテナントとして数多く入居している。これらの貿易会社のほかに、家事サービス会社、人材斡旋会社、飲食のテイクアウトなどのサービス提供を業務とする会社もアフリカ人経営である。そこにさらに単純労働を提供するアフリカ人がぶら下がり、「三非人員」の温床となっている。

洪橋にある歩道や天秀大厦周辺の小道を毎日かなりのアフリカ人がうろうろしている。マリ、ソマリア、エチオピア、スーダンなどからやってきた彼らのほとんどは中国語がわからず、英語もあまり話せない。そこら中を徘徊しながらひたすら臨時雇い主から声をかけられてくるのを待っている。月収が数百人民元に過ぎず、複数の人で安アパートを借りて同居生活を営む。同じくこの辺で働いていた中国人の農民工は「仕事を奪われた」と嘆くほどアフリカ人の進出が目に付く。

この辺りで「三非人員」を取材した中国のメディアが次のように描写している。「夕暮れになり、広州市環市東路を中心にして秀山楼、小北路、淘金路、花園酒店、建設六馬路が広がる。もうろうとした夜の街路灯に照らされているこの一帯は、空気に独特の香水の匂いが漂い、まるでアフリカのどこかの都市を散策しているような錯覚を起こす。道理でこの辺を広州のブルックリンと呼ぶ人が現れたわけである」。この広州のブルックリンの勢力図は、05年ごろから北へと伸び続け、現在は白雲区の永平街にまで至っている。

しかし、「三非人員」問題は広州を悩ますだけではなく、すでに中部地域の湖南省長沙市など一部の地方都市でも社会現象となりつつある。その背景には、経済発展が続けているばかりでなく、労働力も不足し始めている中国の現実がある。その需要を満たすように、非合法ではあるがアフリカなどから労働力が中国各地に流入している

おそらく、このような「三非人員」をサポートしているのは、拙著『蛇頭』で指摘した蛇頭たちだ。『蛇頭』は出版後、大きな話題となり、蛇頭という言葉も新語として日本語に定着したほどだ。多いときは、私のところに取材に来るテレビ局が一日で8局にも達した。しかし、これほど話題になった『蛇頭』もいまや絶版となり、市場では中古本しか入手できなくなった。

その背後にある社会背景として、日本を目指す中国人密航者がいなくなったため、蛇頭も日本に目を向けなくなったことがある。いや、それだけではなく、全体的に見れば、海外を目指す中国人密航者の人数も激減している。もう密航者や蛇頭のことをテーマとして取り上げることはないだろう。私はそう信じていた。

しかし、今回取り上げたアフリカからの「三非人員」は蛇頭たちのビジネスを引き寄せる諸条件をクリアしている。水が低きに流れるが如く、貧しい国々からの労働者はいまや人民元の魅力を増し続ける中国を目指し始めた。その津波が押し寄せてくる日はもうそう遠くはないだろう。中国を密航目的地とする新しい『蛇頭』を執筆する必要を次第に感じているこの頃である。

一方、これまで外交関係に気を使い、見てみぬふりをしてきた広州市政府もとうとう見かねて重い腰を上げ、取り締まり作戦を展開し始めた。07年11月から、広東省公安当局が4000人以上の警察を動員して“三非人員”摘発の作戦に踏み切った。年末までにすでに1289件の“三非人員”の摘発を行い、167名の身柄を拘束し、107名を強制送還した。同時に、“三非人員”を通報するよう、市民に広く呼びかける作戦も展開している。

中国の人手不足問題は、単に労働力供給市場が縮小しているだけでなく、この問題に目を付けて流入する「三非人員」とその手引きをする蛇頭たちの問題をも引き起こしている。



(私のコメント)
日本から中国に進出している企業は2万社にもおよび、雇用している人数は920万人にもなるといいます。最近では中国マーケットを目指す進出企業が多くなりましたが、90年代から中国の安い労働力を目指して進出した起業が多かった。ところが最近は労働者不足が表面化して賃金の上昇が止まらないらしい。元もじり高だから中国に進出した企業の生産コストはかなり上がってきている。

韓国企業などは夜逃げする企業も出てきているほどであり、日本から進出した企業のほとんどは利益が上がっていないようだ。中国に進出した企業には香港から本土に工場を移した程度の企業もあれば、アジア各地を点々としてきた企業もあるだろう。しかし多くの企業は日本国内の工場を閉鎖して中国に工場を作ってきた。

親会社の中国進出に伴って中国に進出せざるを得なかったのでしょうが、最近は親会社が国内に工場を回帰させている。マスコミやエコノミストの言うことは無責任なものが多いから痛い目にあっている企業も多いことでしょう。最近では香港と本土との関係も逆転して香港ドルのほうが安くなっている。

最近は円は米ドルと連動性が強まって、韓国のウォンやフィリピンのペソのほうが高くなっている。元も切り上げてきているから円の安さは不可解だ。だから日本にはヨーロッパや中国やアジアからの買い物客が増えている。政府日銀はドル売り円買い介入をしてもいいくらいなのに不可解だ。本来ならば円は90円台くらいでないと不自然なのだ。

中国は貿易黒字が1兆4000億ドルも貯まってしまい、輸出主導経済から国内消費経済に移行を迫られている。だから元を高くしてインフレを抑えて労働者の賃金を高くする政策に切り替えたようだ。そして日本から進出した企業に対する優遇政策も次々廃止されて外資系企業を潰しにかかっている。だから韓国企業は夜逃げをしているのだ。

むしろ中国で深刻になっているのは労働者不足であり、アフリカなどから非合法の労働者を輸入している。普通ならば高品質高級化で労働者も高賃金化していけば問題はないのですが、低賃金でないと採算が取れないから倒産企業が増えている。冷凍ギョーザ事件でも分かるように中国では品質管理や労働者の管理が難しい面がある。

日本国内はグローバル化に伴う影響で労働者の賃金は低下してしまった。賃上げを要求すると工場を閉鎖して中国に移転するという脅迫が効いていたからだ。しかし最近ではそのような状況ではなくなったから賃上げすることで国内の消費を増やすべきなのだ。

90年代はドルしか基軸通貨がなかったから輸出企業はドルを売り上げてもそのままドルで持ち続けてきた。日本国内に持ち帰って円に換えると円が高くなってしまうからだ。しかし2000年からのユーロの登場によって輸出企業は貯まったドルをリスク回避のためにユーロに換えて持つようになった。だからユーロが高くなるのに円が高くならない。いわゆるユーロヘッジである。トヨタやソニーはユーロ高で笑いが止まらないだろう。

このように高くなったユーロのおかげで円は高くならずにすんでいる。中国もおそらくドルを売ってユーロに換えているのだろう。ドル売りユーロ買いは元には関係がないから中国のユーロ買いもユーロ高の原因だ。このようなドル、ユーロ、円、元の多極通貨化はドルの存在価値を低下させてアメリカ国内にドルを滞留させることが難しくなってきている。ドル安政策をとりたくとも日本企業やや中国企業はユーロなどに換えてしまうから帝国循環も効かなくなってきたのだ。

産油国も石油をドルで売ってきましたが、リスク回避のためにユーロに換えている。どうせなら最初から石油をユーロで売った方がいいと思うのは産油国も思っているだろう。だから石油とドルとのリンクも実質には外れてきている。これではアメリカがイラクやイランを叩いても流れは変わらないだろう。

このようにドルが基軸通貨から外れてくれば巨額の貿易赤字が重荷になってくるだろう。どの国もユーロで外貨を保有するようになりドル売りが止められなくなるからだ。だからアメリカはコソボ独立などでEUを揺さぶっている。セルビアにはロシアが付いているからEUとロシアを分断できる。EUとロシアが対立するようになれば地政学的にユーロが売られて米ドルが買われるようになるからだ。

このような状況で日本政府はドル一辺倒ですがドルは売るに売れない状況になってしまっている。民間企業のようにユーロでヘッジができないのだ。日銀はユーロに換えているのに日本政府はアメリカが恐くて出来ない。中国政府はいち早くバスケット制にしているが内訳は公表していない。日本もそうすればいいのですがアメリカが恐くてできないようだ。日本の政治家のだらしなさが日本がアメリカの一部になってしまっている原因だ。

しかしサブプライム問題でアメリカやEUも利下げをして来るようになって、円の利上げが実施されてくれば円が買われて、円が高くなるほど景気が良くなる状況がやってくるだろう。世界的なマネーの流れを分析すればそうなるのだ。




英ノーザン・ロックのような住宅ローン銀行の中堅どころが破綻した時、
そこには「モラル・ハザード」が大いに発生しているということになる。


2008年2月18日 月曜日

英政府が全額保証 ノーザン・ロック公的債務債券化 国有化回避へ救済策 FujiSankei Business i.  2008/1/22

【ロンドン=木村正人】英財務省は21日、サブプライム(高金利型)住宅ローンによる信用収縮で経営危機に陥っている英中堅銀行、ノーザン・ロックが公的債務返済のために発行する債券を、政府が全額保証する異例の救済策を発表した。イングランド銀行(中央銀行)による総額250億ポンド(約5兆3500億円)の緊急融資を債券に転換することで、難航していた民間主導の経営再建計画を後押しし、英国内で批判を集めている国有化を回避する。

 英主要メディアによると、計画では、同行が債券発行で投資家から集めた資金は、昨秋に同行の取り付け騒ぎに対応したイングランド銀行の緊急融資返済などに充てる。英国政府による金融支援としては過去最大規模。

 同行の再建をめぐっては、買収に名乗りを上げている英ヴァージン・グループなどとの調整が資金面で難航。このため、買収企業の資金調達額や納税者の負担を減らそうと、資金面のアドバイザーを務める米証券大手、ゴールドマンサックスが計画をまとめた。

 これを受け、買収企業は2月4日までに新たな再建計画を政府に提出するが、ヴァージンはノーザンへの出資比率を当初案の54%から45%に引き下げる検討に入った。

 ノーザンは当初、国有化案が有力だったが、英メディアを中心に「途上国ならまだしも金融先進国の英国で国有化は時代錯誤も甚だしい」(フィナンシャル・タイムズ紙)などの批判が高まり政府は国有化回避に全力を挙げている。ただ、期限までに買収交渉がまとまらない場合は一時国有化が避けられなくなる。


金融危機は、暗い部屋で暴れるゾウのように フィナンシャル・タイムズ 2008年1月22日

(前略)
この論はつまり、自由化された金融システムは、尋常ならざる利益を上げるチャンスを提供する一方で、間違いが間違いを生む、ミスの自己増殖を可能にするシステムでもある、という主張だ。これはよく聞く話だ。つまり、金融のイノベーションとリスク歓迎の風潮は、信用の急速な拡大を生み、それがひいては資産価値の上昇を呼び、それがさらなる信用拡大を可能にし、またさらに資産価値を押し上げるのだというものだ。どんどん高騰していった挙げ句に資産価値が天井に到達してしまい、パニック売りが発生し、信用は凍り付き、あちこちで連鎖倒産が起こり、そして不況がやってくるのだという。とするとつまり、規制されていない信用システムというのは、その内包している性質からして、不安定なのだということになる。

この主張は、米ワシントン大学で教えていた故ハイマン・ミンスキー教授が提唱したもの。UBS銀行のジョージ・マグナスはかなり早い段階で、今のこの危機は「ミンスキー理論そのもの」だと主張して高く評価された。

つまりここで言うミンスキー理論とは、資産価格の下落に伴う債務構造や債務者の破綻、銀行の「通常」業務の崩壊、そして中央銀行による積極介入??のことを言う。この流れは、直近の周期で信用拡大への依存度が過剰に高まった後に、起きる。

金融システムのこの脆弱性について、エコノミストはそれぞれに相反する解説をしようとするだろう。インセンティブに対する合理的反応を根拠に説明しようとしたり。あるいは、人間は基本的に目先のものしか見えない近視眼的な生き物なのだと説明しようとしたり。今の事態は果して、方向を誤った知性によるものなのか、それとも愚かさによるものなのか。対照的な結論だ。

人間の合理性を強調する人たちは、過剰なリスクにもチャレンジするだけのインセンティブが、金融業界にはあるのだと指摘する。この場合のリスクに対するインセンティブとは、「情報の非対称性」が「モラル・ハザード」と交錯することによって生まれる。「情報の非対称性」とはつまり、インサイダーは誰よりも圧倒的に内部事情に詳しいということ。「モラル・ハザード」とはつまり、もしも複数の金融機関が同時に経営難に陥ったりしたら政府が助けてくれるはずだ、という思い込みのことだ。どちらも、それなりの妥当性はある。たとえば英ノーザン・ロックのような住宅ローン銀行の中堅どころが破綻した時になんとか救済しなければと英国政府がそう思うのなら、そこには「モラル・ハザード」が大いに発生しているということになる。

しかし当事者は誰でも(債務者も債権者も規制当局も)、実に人間くさい興奮やパニックにさらわれて、そのままのみこまれてしまうことだって、十分にあり得る。誰でも間違いはする。人間とはそういうものだ。規制当局の操作が、反周期的であったためしはほとんどない。それはつまり、規制担当者でさえ、その時の興奮やパニックに流されてしまいがちだということだ。直近の周期で起きた金融緩和と証券化の促進は、あまりにも多くの人に、自分たちは勝ち組になれるとぬか喜びさせただけだった。ぬか喜びした人たちは、リスクとコストをいずれ背負うのは自分以外の誰かだと、そう思い込んだのだ。(中略)

私はこの見方に賛成だ。これにもとづくと、FRBが長期的な景気後退や株価下落をよしとしていれば、あれほど過剰に拡大的な金融政策の追求は避けられたかもしれない、ということになる。しかし実際には、FRBには景気後退を是とするつもりもなかったし、是とする権限もなかった。米国で、(民間・公的両方の)資金流入を相殺するだけの国内需要を維持するには、信用ブームを維持するしかほかに方策がなかった。それがFRBのジレンマだった。信用拡大の持続によって、資産価格は過剰に高騰。とりわけ住宅価格が過剰に値上がりした。そしてこの住宅バブルの後に残った苦い遺産は、金融セクター・非金融セクターの両方でパンク寸前のバランスシート。悲しいかな、負債デフレよ、いざ。今はそういう状態なのだ。

こうした様々な分析を読むと、私はあの有名なことわざを思い出す。暗い部屋に入った4人が、何でもいいから手に触れたものをつかんで、それが何かあてようとしたという、あの話だ。ひとりはそれはヘビだと言い、もうひとりはそれはザラザラした帆布だと言い、3人目は木の幹だと言い、残りの1人は紐(ひも)だと言った。

正解はもちろん、象なのだ。4人が触っていたのは。つまり、現状を正確に分析するには、i様々な要素の組み合わせが必要だということだ。グローバルなマクロ経済の不均衡は、金融政策の決定に多大な影響を与えた。そしてそれが回りまわって、住宅バブルにつながり、証券化資産を中心とした資産価値の膨張につながったのだ。今となっては政策決定者は、現状の諸症状に対処していかざるを得ない。と同時に彼らは、今よりさらに大きな混乱を食い止めるため、根本的な原因の解決にも取り組まなくてはならない。国レベル、そしてグローバルなレベルで具体的に何をするべきかについては、ダボスの世界経済フォーラムの後に書く予定だ。


(私のコメント)
欧米で現在起きている事と、90年代に日本で起きていた事とはまったく共通するものがある。それは住宅バブルの崩壊に伴う金融危機が起きているということだ。それは住宅ローン会社の経営危機のみならず、サブプライムローンの証券化に伴う他の金融機関への波及が全世界的に広がってしまったことだ。

イギリスでは中堅銀行のノーザンロック救済に政府が動き始めましたが、問題はノーザンロックだけに収まらないだろうと言われていることだ。アメリカではすでに数兆円もの資本増強をしなければならない金融機関が続出している。それは今期だけでなく住宅価格が値下がりが収まらない限り、評価損が出続けて資本増強が求められる。

最終的には何処も救済に名乗りを上げなければ、ノーザンロックのように政府と中央銀行が救済に乗り出さざるを得なくなるだろう。欧米の場合は日本の時のように全部の金融機関がおかしくなるということは考えられなかったのですが、金融が多様化してイギリスでもどこかが救済に名乗りを上げるものですが、ノーザンロックを救済に名乗りを上げたのはヴァージングループぐらいでそこも難航している。

今まではアメリカやイギリスの金融機関が勝ち組であり、日本の金融機関は負け組とされてマスコミやエコノミストに叩かれ続けてきた。しかし日本の金融機関は含み資産経営であり資産を売却などすれば何とか経営危機を乗り越えてきましたが、米英の金融機関には売れるような資産は残ってはいない。リストラによる合理化経営で一旦おかしくなると簡単に倒産してしまう。

だからこそBIS規制で8%もの自己資本が求められたのですが、時価会計なども資産デフレが欧米の金融機関を苦しめることになるだろう。このようなノーザンロックのような破綻した金融機関が続出した場合には信用不安が広がって次はどこかといった記事が書かれるから、破綻していない金融機関も倒産に追い込まれるかもしれない。

このような状況でアメリカの株式が高止まりをしているのが不思議でならない。債券市場が信用不安で機能が停止しているために、株に資金が流れているのかもしれない。確かにドル安で輸出が好調で企業業績はいいところもある。消費も今のところさほどは落ち込んではいない。このように企業実態は悪くなくとも金融のダメージがだんだんと広がってくるだろう。債券の借り換えなどにおいて企業は20%もの高利で借り換えをしなければならないところもでてきている。それほどアメリカは金詰りなのだ。


経済速報(とうとう20%も登場した借換え債) 2月17日 NEVADA

日本のサラ金でもさえも今では真っ青になる位の高金利で借金をした公的機関があります。
『ニューヨーク港湾公社』です。
今まで4%台の金利で借り換えするとなっていましたが、金融収縮のあおりを受けてなんと20%もの金利を払わないとお金を調達できなかったのす。


シティがアラブに払った11%がなんといい条件だったのか?と思えるようになってきているアメリカの金融状態ですが、いつまでこのような異常な状態が続くでしょうか?

FRBが金利を下げようが、バヘット氏が救済策を発表しようが金融メルトダウンは進んでいっており、このままいけば2月末から3月始めにかけて世界的に金融大崩壊が進むかも知れません。



(私のコメント)
日本人なら90年代に体験したことだから分かることでも、欧米人にとっては現在の状況は「群盲象をなでる」状況であり、バブル崩壊がどういうものか実感がないのだ。世界的なバブル経済の中で日本だけがカヤの外に置かれていましたが、だからこそ新自由主義経済論者はアメリカを見習って構造改革しろと言って来ましたが、FT紙にも書かれているように信用ブームを継続するしかなかったのだ。

1971年のニクソンショック以来、アメリカの輪転機はドルを刷り続けてばら撒いてきた。実体経済以上のドルがばら撒かれればバブルはどこかで発生するものであり、バブルの崩壊によってばら撒かれたドルは価値を失って実体経済に均衡するようになるのだろう。永遠に信用を増え続けさせることは不可能だ。

欧米の過剰な債務は穴埋めできる資本が調達できれば埋まるが、ほとんどの負債は実体経済によって穴埋めするしかないだろう。しかしアメリカやイギリスにそれだけの経済的体力があるのだろうか? アメリカ人は危機に立てば立つほど強気になって現状を認識するのに遅れてしまう。

デリバティブなどの金融テクノロジーが裏目に出ると疑心暗鬼が広がって、銀行が銀行を信用しなくなって債券市場の機能が停止してしまった。アメリカ国債も短期のものしか売れなくなった。今までお得意さんだった日本や中国もアメリカへの輸出が停滞すれば米国債を買えなくなる。となると高利で資金を調達しなければならなくなり、「ニューヨーク港湾公社」のように20%で資金調達しなければならなくなってきている。それでようやく「象」の実態が見えてくることになるのだ。




ユーザーが決めた次世代DVDはブルーレイ。しかし映画会社や
テレビ局がサーバーから直接配信する時代がすぐ先に来ている。


2008年2月17日 日曜日

東芝が「HD DVD」方式から撤退で最終調整、規格争いは収束へ 2月17日 ロイター

[東京 17日 ロイター] 東芝<6502.T>が、新世代DVD規格の「HD DVD」に関連した事業から撤退する方向で最終調整に入ったことが16日、明らかになった。米国の有力な映画会社や小売り業者は、ソニー<6758.T>などが推進する別規格、「ブルーレイ・ディスク(BD)」の支持を相次いで表明。
 東芝は、HD方式のプレーヤーやレコーダーの販売継続は困難になったとの判断に傾いている。東芝がHD方式からの撤退を決めれば、新世代DVDはBD方式が業界標準となり、規格争いは収束することになる。
 規格争いは今年の年明け早々に大きく流れが変わった。HDとBDの両方式を支持してきた米映画大手ワーナー・ブラザーズは1月4日、HD方式の支持を撤回し、新世代DVDソフトはBD方式に一本化すると表明。BD陣営は、米映画大手6社のうち、4社から支持を取り付けた。東芝は米国や欧州でプレーヤーを大幅値下げして巻き返しを図ってきたが、関係者によると、BD優勢との見方が広がり、HD方式は販売不振が続いているという。
 2月に入って、米家電小売り大手ベスト・バイ<BBY.N>や小売世界最大手の米ウォルマート・ストアーズ<WMT.N>、米オンラインDVDレンタル大手ネットフリックス<NFLX.O>がBD支持を相次いで表明。HD方式の劣勢は一層鮮明になっている。
 事業撤退した場合は、どの程度の損失が発生するかも焦点だ。現時点では損失は数百億円規模になるとの見方が出ている。


「勝者はBlu-rayでもHD DVDでもなく、ハードディスク」--シーゲイトCEOが発言 1月9日 CNET

ラスベガス発--Seagate Technologyの最高経営責任者(CEO)であるBill Watkins氏に言わせると、Blu-rayとHD DVDが戦っているが、じつは勝者はハードディスクなのだという。

 ここラスベガスで、米国時間1月7日〜10日の会期で開催されているConsumer Electronics Show(CES)の朝食会で、Watkins氏は「Blu-rayが競争に勝利したと言われているが、それは問題ではない。本当の争いは物的流通と電子的配信との間で行われており、Blu-rayもHD DVDもこの争いでは敗者だ。この争いでは、フラッシュメモリとハードディスクが同じ陣営にいる。決着はすでについており、物的流通の陣営は敗北した」と語った。

 Watkins氏は当然、自分の利害で話をしているのだが、同氏の話には一理ある(元陸軍兵士で、ロックバンドGrateful Deadのファン歴が数十年に及ぶWatkins氏は、テクノロジ業界では楽しくインタビューさせてくれる部類のCEOに属する)。一般ユーザーはまだBlu-rayやHD DVDのプレーヤーを購入し始めてはおらず、一般ユーザーが購入し始めるまでには、テクノロジ企業が洗練されたオンデマンドサービスやIPTVを販売していると思われる。実際、IPTVは今年のCESの主要テーマになっている。シャープやSamsung Electronics、松下電器産業はみな、テレビを使ってネットから項目や動画を見ることを可能にするコンテンツアライアンスを展開している。

 これはSeagate Technologyにとってはよいニュースだ。というのは電子的配信ではハードディスクの売り上げが増大するからだ。「(データが)インターネットの雲のなかにあるなら、何もかもバックアップしなければならなくなるから、ストレージの売り上げが上がる」とWatkins氏は言う。

 続けてWatkins氏は「監視市場も大きい。今この瞬間も撮影されているが(私たちはカジノにいた)、それはどこかに保存しなければならない」と語った。

 ハードディスクのメーカーは現在、好景気の真っただ中にある。1990年代、生産力の過剰と値引きによって多くの企業が売り上げを鈍らせ損失を出した。それ以来、脱落していった企業は多い。やがて、デジタル動画レコーダーなどの新しい市場が、ハードディスクメーカーの前に出現した。その結果、Seagate TechnologyもライバルのWestern Digitalも2桁成長を迎えている。Seagate Technologyはすでに、終了したばかりの四半期の売り上げ予測を2倍に上方修正している。

 また、将来の見通しも明るい。Watkins氏によると、ハリウッドには家庭への大々的なコンテンツ配信に乗りだすしか選択肢はない。人々は家から出ることがどんどん少なくなってきている。映画会社がコンテンツを家庭に配信しないとすれば、人々はインターネットで見つかるものを視聴する。CESではXStreamHDが衛星通信からオンデマンドで映画を入手する装置を披露している。俳優のMichael Douglas氏が出資者の1人だ。

 「簡単に手にはいるなら、人々は質の悪いコンテンツでも見てしまう」とDouglas氏は語った。



(私のコメント)
東芝のHDDVDがブルーレイとの競争に敗れて撤退するというニュースがありましたが、まだほとんど普及していないうちに勝敗が決してしまったように見える。家電量販店でも東芝のHDDVDプレーヤーが格安で販売されていたので、すでに勝敗は1月中についていた。規格が統一できないとユーザーは二つ買わなければならなくなり不便だ。

VTR時代にもVHSとベータマックスとの争いで二つのレコーダーを買ってテープも二種類買って使っていた。レンタルビデオ屋でもVHSとベータの二種類置いていたからプレーヤーも二つ必要だったのだ。しかしアダルトビデオなどでVHSが優勢になってソニーのベータは市場競争で敗れた。決め手はVHSのほうが3倍録画で6時間見られることが決め手になったようだ。

だから次世代DVDでもブルーレイのほうが長時間録画できるから有利に見えた。しかし最近の録画再生機ではH265の採用で従来のDVDでも1時間半も録画できるものが発売されているから次世代DVDは決定的な要素ではなくなってしまったように見える。もし再生機にH365チップが内蔵されたものなら従来のDVDでも二層のものなら3時間の映画も再生できることになる。

私もDVDレコーダーを使いはじめて数年ですが、いまだにVHSのテープはそのままにしてある。几帳面な人はVHSからDVDにダビングした人もいるようですが、面倒でとても時間がかかる。どうしてもVHSが見たいときはVHSプレーヤーを一台用意しておけばいいだけの話だ。DVDも録画機からHDDが一杯になった時はDVDに高速ダビングしてきたのですが、そのDVDの山に囲まれて往生してしまった。

結局はハードディスクを交換できる録画再生機を使って、大容量のハードディスクに交換して録画してみるようにしている。実際に使ってみるとDVDにダビングしたものはDVDをセットするのが面倒で見なくなってしまった。だからじゃんじゃんHDDに録画してHDDが満杯になったら新しい大容量HDDに付け替えればいいだけにしている。だから私にとってはHDDが一つのメディアになっている。

地上デジタル放送も録画再生機に内蔵されたHDDは直ぐに満杯になってしまいますが、IOデータのREC-POTに移して保存して見ている。ブルーレイでもDVDと同じようにダビングしておいてもディスクをセットするのが面倒で見なくなってしまうのではないだろうか。REC-POTなら4台までリモコンで切り替えられるので便利だ。

このように従来の放送も地上デジタルももっぱらHDDに録画したものを見ている。最近では1テラバイトのHDDが安く売られるようになりDVDもブルーレイも私は使っていない。映画にしてもディスクを媒体にしたものではなくなり直接配信されたものを見る時代が来るのだろう。テレビドラマもサーバーから高速配信されたものを見るようになるだろう。

しかし次世代DVD録画再生機もあまり売れていないようだ。せっかくのハイビジョン放送も大画面テレビや地デジ用アンテナなどをセットしなければならず、近所で見ても地デジアンテナはあまり見かけない。大画面テレビも置ける家庭は限られているからかもしれない。20インチ以下ではハイビジョンもブルーレイも高画質が生かされずに宝の持ち腐れだ。

またCPRMのガードがデジタル放送を使いにくくしている原因であり、ダビングに失敗すると全部消えてしまってパーになってしまう。近くダビング10が採用されるようですが、CPRMが採用されているのは日本だけだ。海賊版は映画館でコピーされて封切り翌日には出てきてしまう。著作権を守る為ということなのですが、法律そのものが時代に合わなくなっている。

テレビ番組でも再放送をしようと思っても著作権が厳しくてネット配信もままならない状況になっている。この件に関しては池田信夫氏が書いていますが、著作権法はデジタル時代に出来た法律ではないから、それを無理やりデジタルメディアに当て嵌めるのは本末転倒なのだ。コピーされて不正使用されることを防ぐ為に新しい事を何も出来なくしてしまう事になる。


誰のためのデジタル放送か?――池田信夫氏に聞く 2007年4月26日 IT PLUS

 ―― DVDレコーダーなどの製品を売りたいメーカー側からの緩和要求に対して、著作権を盾にした著作権者や放送局の抵抗はかなり頑強のようです。正直言って、デジタル番組のコピー制限が「消費者利益を損なう」などと正論を振りかざして青筋を立てるほどのことでもないと思いますが、逆に、だからこそ、コピー回数ぐらいのことで一歩も前に進めなくなっている姿は、何だか滑稽に見えてしまいます。

 この問題の根っこにあるのは、放送業界が資本主義のルールで動いていないっていうことに尽きるんです。

 放送番組にコピーガードをかけるなんてことを始めたら、使い勝手が悪くなり、機器が売れなくなり、新たな問題を引き起こしたりするでしょう。常識的に考えればすぐに分かることなのに、放送業界というのは新しいものを拒絶し、一切封じ込めることに異様な熱意を燃やしてきたんです。

 例えば、インターネットを放送的サービスに使う「IPマルチキャスト」の議論ではやはり著作権を持ち出して最後まで抵抗しました。パソコンに録画したテレビ番組をインターネット経由で遠隔地から視聴できるサービスである「録画ネット」とか「まねきTV」に対しては訴訟を起こした。たかが数百人ぐらいしか利用者がいない弱小サービスに対して、NHKから民放キー局から全部集まって大弁護団を結成してですよ。世界に稀に見るおかしな裁判です。あの“情熱”が不思議なわけですよ。

 今回のコピーワンスにしても、自分たちの業界にインターネットの世界から新参者が入ってくるのを防ぎたいということ。そういう恐怖心が、外部からは理解不能で理不尽な状態を引き起こしているんです。全く非合理的なんですよ。だって、下手をすると地上デジタル放送そのものの普及にブレーキをかける可能性がある。コピーワンスが緩和されるまで地デジに乗り換えないで、「現行のアナログ放送のままでいいや」という人が出てくるでしょう。



(私のコメント)
ブルーレイにしても地上デジタルにしても著作権が普及にブレーキを掛けてしまっている。インターネットにおいても著作権を厳密に適用したら、著作権法に認められた引用権すら否定することになり、報道や批評や研究を制約してしまうものになってしまう。グーグルなどの検索行為も日本では著作権法が邪魔をしている。作家などがグーグルを使って作品を書いていても、自分の作品が一部でも引用されていると著作権の侵害だと騒ぎ立てる人がいる。

ユーチューブにしてもテレビ局は著作権の侵害行為として抹消しまくっていますが、このような行為が新しいビジネスを潰す元になっているのだ。グーグルにしてもユーチューブにしても今では無くてはならないものになっていますが、著作権法から言えば巨額な賠償金を取られて潰されているはずですがそうはなっていない。

ブルーレイが勝った事でソニーなどは喜んでいるのでしょうが、デジタル放送が普及しなければ意味がない。それにはCPRMが邪魔をしている。さらにデジタルテレビを買ってもBキャスカードがないと見られないようにしている。これで放送業界は本当にデジタル放送を普及させる気があるのだろうか? ユーザーはこのようなわずかな手間でデジタル放送を見る事を断念してしまうだろう。こんな状態では放送とインターネットの融合など出来るわけが無い。




先端的な産業の分野で、アメリカを凌駕する国が現れれば、その時
アメリカは覇権国の座から降りることになるだろう。それは日本だ。


2008年2月16日 土曜日

アメリカの覇権はもう崩壊したのか 永井俊哉

(前略)
ヨーロッパと日本は、アメリカが支配者として世界を飛び回るために必要な両翼であり、現在一方の翼を失って、きりきり舞いになっている状態であるが、しかし地面に墜落するまでには、まだまだ時間がかかるだろうというのが私の見通しである。だから、私は、アメリカが覇者としての地位を失ったとするトッドの見解には与しない。

アメリカのヘゲモニーが終焉を迎えたかどうかを論じる前に、そもそも覇権国の条件は何なのかを考えなければならない。トッドは、人口や工業生産高や天然資源が多い国を大国と考え、覇権国を最大の大国と考えているようだが、これらは覇権国であるための必要条件でもなければ、十分条件でもない。

トッドは、人口学者らしく、人口を重視するのだが、アメリカ以前の覇権国、すなわち、スペイン、オランダ、イギリスは、人口大国だっただろうか。国内でも、支配者階級は、決して社会の多数派ではなく、むしろ少数派であることが普通である。元や清の場合、支配民族が、被支配民族の漢民族と比べて、無視できるほど少なかったが、その治世は長く続いた。

工業生産高は、人口と比べれば、重要なファクターではあるが、工業生産高がたんに量的に大きいだけでは、覇権国にはなれない。重要なことは、その時代の最も重要で先端的な産業で主導権を握っているかどうかなのだ。

大航海時代に最も重要であった産業は繊維産業だった。スペインは、毛織物工業のおかげで「太陽の没することのない帝国」を築いたが、プロテスタントの抑圧が原因で、オランダが独立し、国内の毛織物工業が衰退して、没落した。スペインに代わって、オランダが毛織物工業を武器に世界の貿易を支配したが、イギリスが、産業革命による綿織物の大量生産に成功して、世界の支配者となった。そのイギリスも、重工業化の波に乗り遅れたために、二度の世界大戦で勝利したにもかかわらず、急速に没落した。そして、イギリスに代わって、世界の覇者となったのは、世界で最初にモータリゼーションに成功したアメリカである。

今でもアメリカは、情報工学や遺伝工学といった、最も重要で先端的な産業の基幹技術を握っている。コンピュターの頭脳ともいうべきCPUでは、アメリカが主導権を握り、他の国は、より重要でないDRAMを作るとか、OSをはじめとする基幹ソフトは、アメリカがデファクトスタンダードを握り、他の国は派生的で泡沫的なソフトを作るといったぐあいに、量では測ることのできない、質的な差異がアメリカとそれ以外の国にある。

最後に、天然資源であるが、これも覇権国になるための条件では全くない。毛織物、綿織物、鉄道、自動車、情報機器といった、各時代の花形産業の原料を提供した国ほど、覇権国から縁遠い国はない。トッドが次のように言って、ロシアを持ち上げることに首をかしげるのは、私だけではないだろう。

なるほど、石油危機のとき、OPECが注目されたことはあった。しかし産油国は、当時、豊富な資金を手にしたが、世界を支配するだけの知的資源を持たなかった。世界を支配するには、富・知・力の三つにおいて、他の国に対して優位に立たなければならない。そして、その中で一番重要なのは知的支配であろう。先端的な産業の分野で、アメリカを凌駕する国が現れれば、その時アメリカは覇権国の座から降りることになるだろう。


(私のコメント)
「株式日記」が反米的なことを書いていると思っている読者も多いようですが、反米とアメリカ批判とは意味が違う。「株式日記」はアメリカを批判はしてもアメリカを憎んでいるわけではない。地政学的にはアメリカと手を組んでいたほうが日本の利益になるだろう。中国やロシアと組んでも民度の低さは日本人とは相容れないだろう。最近はアメリカ人の民度も落ちてきたようだ。

アメリカ人の民度が高ければイラク戦争など仕掛けなかったはずだ。少なくとも80年代頃までのアメリカ人の民度は高かった。映画などの文化作品などで見ればおおよその見当がつく。最近のハリウッド映画にはひどいものが多い。だから最近のアカデミー賞などの作品の題名も思いつかない。文化的にはアメリカはローカルになってしまった。アメリカ音楽にしてもマドンナあたりを最後に世界のスーパースターはいなくなった。

永井氏のブログでも書かれているように世界の覇権国家の条件としては、人口や工業生産高や天然資源などが条件というわけではないようだ。スペインやオランダやイギリスは必ずしも大国というわけではなった。アメリカやロシアはあらゆる意味で大国であり人口や工業生産高や天然資源は大国であり続けるだろう。しかしそれだけでは世界の覇権国家であり続けることは出来ない。

アメリカが世界の覇権国家となることが出来たのは情報工学や遺伝子工学などの最先端の科学技術力によるものであり、人口や工業生産高や天然資源によるものではない。むろん無いよりあった方がいいが、それでは単なる大国に過ぎない。文明が進めば進むほど戦争などにおいても科学技術力が勝敗を左右するようになって来た。

核戦争時代においては人口や工業生産力や天然資源などの大きさはあまり意味がない。核弾頭ミサイルを何千発持っていたところで、ミサイルを打ち落とす科学技術で打ち落とせてしまったら核弾頭ミサイルも無力化してしまう。ソ連はアメリカの科学技術力に太刀打ちできなくなって滅んでしまったのだ。

現在のアメリカはまさに世界の覇権国にふさわしい超大国ですが、科学技術開発力でいつまで世界のトップを走り続けることが出来るだろうか? アメリカの国力を支えてきたのは人口や工業生産高や天然資源の豊富さなどによるものですが、その豊かさを生かして科学技術開発に生かして原子爆弾や宇宙ロケットなどを開発してきた。しかしスペースシャトル計画を最後に宇宙開発は停滞してしまった。

アメリカは情報工学や遺伝子工学に力を入れて資金を投入しているが、最近では日本の科学者が遺伝子工学の壁を突破することに成功した。アメリカはまさに巨額の費用をかけて遺伝子工学に取り組んではいるが卵細胞を用いた研究では倫理的な壁い突き当たっていた。それを日本の科学者が解決したのだ。


マウスの肝臓・胃からiPS細胞、臨床応用に一歩前進 2月15日 読売新聞

 皮膚から様々な臓器や組織の細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)を作った京都大学の山中伸弥教授らの研究グループが、マウスの肝臓や胃の細胞からもiPS細胞を作ることに成功した。

 従来のiPS細胞よりがん化しにくく、体の色々な細胞からより安全なiPS細胞を作れる可能性が広がった。臨床応用に向け、さらに一歩前進した。15日の米科学誌サイエンスに発表する。

 山中教授らは、ウイルスを運び役にしてがん遺伝子を含む4個の遺伝子を、人やマウスの皮膚に組み込んでiPS細胞を作った。しかし、マウスのiPS細胞を使った実験では、3割にがんができた。その後、がん遺伝子を含まない方法でマウスのiPS細胞の作製にも成功したが、さらに安全な細胞の作製研究を進めてきた。


(私のコメント)
アメリカはまさに国家的威信をかけて科学技術開発に取り組んでいるが、巨額な費用をかけている割には成果が上がっていない。「株式日記」では電気自動車のことや携帯電話のことについて書いてきましたが、自動車はガソリンで動くものという時代から電機で動くものに変わりつつある。その本格的電気自動車でトップを走っているのが日本の電気自動車であり来年には発売される。

自動車といえばアメリカの三大メーカーがありましたが、GMはトヨタに抜かれて自動車王国の座を追われた。燃費の良い自動車の開発に失敗したからだ。アメリカは試作品は出来ても量産品を作る技術が低い。燃料電池にしても一台数億円もするのではとても実用化できない。トヨタのハイブリットカーすらアメリカのメーカーは作ることが出来ない。

アメリカ自慢の情報工学にしても、インターネットはアメリカの軍事技術を転用したものですが、パソコンのCPUやOSをアメリカメーカーが独占して情報工学のトップに立った。しかしそのインターネットもパソコンから携帯電話に時代になり技術の独占は出来なくなりつつある。アメリカの携帯電話は2Gの携帯電話だが日本はすでに3Gから3・5Gの時代に入っている。携帯のインターネット端末としては日本がダントツのリードなのだ。




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