株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


日本をアメリカの経済奴隷にしたのは誰か。アメリカの圧力のままに、
大店舗法なるものを改悪し、商店街を潰したのは金丸、小沢です。


2007年10月31日 水曜日

小沢総理なんてまっぴらゴメンだ WILL 2007年9月号 石原慎太郎

アメリカの経済奴隷に

  日本とアメリカの関係の中で、日本をアメリカの経済奴隷にしたのは誰か。金丸・小沢じゃないですか。

  大都市はともかく、地方都市の商店街はほとんど潰れてしまった。そして代わりに郊外に大店舗が出来た。私は自分の選挙区での体験から、こんなものを作ったら商店街は駄目になるとわかっていたし、多くの者が反対した。アメリカの圧力のままに、大店舗法なるものを改悪し、商店街を潰したのは金丸、小沢です。

  それから、やっちゃいけない日本とアメリカの対の経済構造協議というのをやった。


  世界が狭くなってきて、経済先進国同士で問題が起こると世界全体に影響を及ぼすからと、みんなで合議しようということで経済先進国が集まってWTOとかOECDを作った。

  しかし、アメリカは日本の経済に押されて具合が悪くなってきたので日本をとっちめてやろうと、安保条約で恩に着せて、自分達が軍備を使って日本を守ってやっているんだから言うことを聞けといって、バイラテラル(2国間)の経済構造協議をやることになった。

  私達は大反対しました。案の定、アメリカは270項目の要望を突きつけてきた。
中にはとんちんかんなものが随分あった。

  私はそれに反対して、140項目の反対案を作った。私が主宰している黎明の会という政策研究会のメンバーには、今は自民党を離れてしまった亀井静香くんや平沼赳夫くんがいました。

  そして私達がそれを発表しようと恩ったら、自民党の最高議決会の総務会が4回潰された。小沢幹事長が命じたんです。会期末だったので、そのまま国会は閉幕。仕方ないから私達は翻訳して、外人記者クラブでも発表した。アメリカは嫌がるだろうけれど、私はやりました。しかし結局、アメリカの無法な要求はいくつか通りました。

 金丸のひと声で40億ドル

  それをいいことにアメリカが何をやってきたか。毎年、日本はアメリカから年次改革要望書というものを突きつけられている。ああしろ、こうしろといろいろなことを言ってくる。

  例えばアメリカの弁護士は水準が低く役に立たないのが多いのに、日本でも弁護士を増やせ、そしてアメリカの弁護士も日本で弁護できるようにしろと言ってきている。あるいは、金融市場をもっと開放しろとも。

  金丸・小沢が牛耳っていた頃の自民党の歴代の大蔵大臣はたいした危惧も持たずに「ビッグバン」「ビッグバン」とはしゃいで金融の自由化をしました。

  今どうなっているか。ヘッジファンドがどんどん出てきて、日本の会社を買い占めて売っている。ハゲタカファンドが日本で好きなことをして儲けている。こんなことを許したのは誰かといえば、小沢一郎じゃないですか。

  そして1991年(平成3年)に湾岸戦争が起きた。プレディというアメリカの財務長官が日本に圧力をかけに飛んできた。アメリカにはカネがないから、日本はカネを出せと言いに来た。

  当時は傀儡政権の海部政権、これは金丸と小沢が作った内閣です。金丸は海部の言うことなんか全く聞かずに、自分で人事をし、内閣を作った。海部は総理にしてもらっただけで、人事は何もできなかった。

  その海部内閣の主要閣僚、外務大臣・中山太郎、大蔵大臣・橋本龍太郎、通商産業大臣・武藤嘉文、内閣官房長官・坂本三十次の4人で紀尾井町の「福田屋」という料理屋で接待したら、ブレディがいきなり40億ドル出せと言った。

  4人はぶったまげて「そんなカネは急には出せない」と断った。ブレディは繰り返し3回言った後、「駄目なら俺は帰るぞ。駄目なんだな」と念を押した。

  「よしわかった。これで日米関係は悪くなる。あんた方の責任だ。もう1回名前を教えろ。中山、橋本、武藤、坂本だな」。

  そうしたら慌てて一人が立ち上がって「ちょっと待ってください!」。恐らく宣房長官の坂本でしょう。そう言ってある人に電話をかけた。


  当然、相手は幹事長の小沢です。その後には金丸がいたろう。小沢が相談して、金丸が「それじゃあ出してやれ」となって、40億出すことになった。

 刻印のない金の延べ棒が

  ブレディは日本に4〜5時間しかいなかったのに40億ドルせしめて帰ってきて、ワシントンで記者会見をした。

  私は日本の政治家で一人だけ外人記者クラブのメンバーなんです。年中アメリカ人の記者と喧嘩する。喧嘩すると仲良くなるので、こちらに嫌な情報も教えてくれる。その一人からブレディの情報を聞いた。けれども嘘か本当かわからない。NHKの日高義樹くんが当時ワシントンの支局にいたので、帰国した時に裏をとって聞きました。その通りだと。

  記者会見で、記者が「あまり機嫌がよくないけど、日本はやっぱりカネを出しませんでしたか」と聞いた。ブレディは「出したよ」と答える。

  記者が「不機嫌なのを見ると、額が少ないんですね? いくらなんですか?」と聞かれて、ブレディが「40億ドル」と言ったら、みんなぶったまげた。

  日本に数時間しかいなくてそれだけのカネが取れたのなら大成功じゃないですか、と言われたブレディがニヤッと笑って「俺は2日かかると思ったんだが、アイツらちょっと脅かしたら4時間でカネを出した。だったら最初からもっとふっかければよかった」。こんなことまで言われていたんだ。

  その後、さらにアメリカは90億ドルを要求してきた。さすがにこれは内閣の一存では決まりませんから、9月に臨時国会を開いて、結局、合わせて130億ドルを出してアメリカの戦争を助けた。

  ところが出した直後に戦争は終ってしまった。カネをどう使ったか報告がない。日本にキックバックしたという噂があります。日本のメディアはやる能力も覇気もないから調べられない。アメリカ人の2人の記者が書きました。そのカネが誰にいったのか。想像に難くないけれど。

  そして、それからすぐ小沢一郎は党を割って出て行った。

  その後、1992年(平成4年)に金丸事件が起き、金丸さんは略式起訴された。警察が金丸さんの事務所に踏み込んでみると、刻印のない金の延べ棒が出てきた。金塊というのは、それを作った国の刻印が必ずあるんです。刻印のない金塊は北朝鮮です。北とどういう取り引きがあってのことか。途中で当人が亡くなってしまい真相は闇に葬られてしまった。

  小沢・金丸は何をやったんですか。アメリカに約束した8年間に430兆のカネを無駄遣いして日本の経済力を弱めた。

  430兆のカネを使って何をやったか。沖縄の経済需要の全くない島に5万トンのコンテナ船が着くような港ができている。市長が自慢して見に来てくれと言われたけれど、

船が来るのかと聞けばニヤニヤ笑うだけ。

  北海道で熊や鹿しか出てこないようなところに道路を作った。その先に街なんかありゃしない。そういう馬鹿なことをやった。みんな国民の税金です。そのため国債も発行した。それで日本の財政はガタガタになってしまった。

  いまだに670兆という厖大な国債がある。あっという間にイタリアの倍の国債依存率になってしまった。この体たらくを作ったのは誰なんですか。(中略)

  小沢一郎のような人物が日本の親父になったらとんでもないことになります。


(私のコメント)
小泉構造改革というのは、小沢・金丸以来のアメリカ従属路線以来のものであり、現在の自民党と小沢一郎の路線とは同一のものだ。小沢は自民党の対米従属路線を一番よく知っているから、テロ特措法を潰して給油活動を終わらせれば福田内閣が一番困る事をよく知っている。そしてアメリカ政府が怒って福田内閣を潰してくれるだろうと読んでいる。

小沢一郎は小泉純一郎と並んでアメリカの圧力に屈してアメリカの要求を受け入れてきた。アメリカは日本の政治家には強い圧力を加えれば屈する事をよく知っている。湾岸戦争の時にも小沢一郎はブレディ財務長官の脅しに屈して130億ドルも出しましたが、その130億ドルはいったい何に使われたのでしょうか? 

最近でも沖縄の海兵隊のグアム島への移転も日本が7000億円を日本が負担する。外国の軍隊の移動に日本の金がなぜ使われるのでしょうか? この事は「株式日記」でも何度も書いてきたのですが、日本の政治家はなぜアメリカに対してNOといえないのでしょうか? 小沢一郎が給油活動にNOと言っているのも野党の気楽さからでしょう。

しかし小沢民主党が政権をとれば自民党と同じくアメリカに従属した政治を行なうのです。小沢氏が自民党の幹事長時代にアメリカの要求に屈して大店法が改正されましたが、そのおかげで日本中の商店街は巨大スーパーに客を奪われて寂れてしまった。

この頃からアメリカとの経済構造協議が行なわれるようになったのですが、小泉構造改革もその流れをくむものだ。このようにして日本経済はアメリカの要求に言われるままに改悪されて、バブルを発生させて崩壊させて構造改革をしやすいようにした。石原慎太郎が言うように安保条約で恩に着せて日本経済をとっちめてやろうと圧力をかけてきた。

湾岸戦争で日本が130億ドルも供出させられたのも、日本は外国に軍隊を出せないからですが、ならば外国に軍隊を出せるようにすればいい。日本に本当の軍隊がないのだからアメリカに従属しなければならないのだから、憲法を改正して軍隊を認めれば安保条約も必要がなくなりアメリカの言いなりにならずにすむ。左翼が本当の反米なら憲法改正に賛成しなければおかしい。

だから自民党はもとより野党に至るまで親米政党であり、非武装中立と言っていた社会党は消えてしまった。1960年の安保反対闘争は今は完全に消えてしまって、その当時までは民族主義的な反米感情もあったのですが、今ではテレビが登場して日本国民はおとなしくなり洗脳されてしまった。3S政策に嵌められてしまったのだ。

防衛事務次官がゴルフ三昧で明け暮れて、利権の確保に天下りの拡大に一生懸命だ。政治家もアメリカのいうがままの政治では日本が良くなる訳はないのであり、そのおかげで日本は膨大な借金を背負う事になってしまった。

このような状況を打ち破るには国民が目覚めなければなりませんが、テレビはバラエティー番組が氾濫してマンガやゲームに時間を浪費する若者は政治に無関心だ。若者が低賃金の非正規社員でこき使われるのも政治が原因なのですが、選挙になっても若者は選挙の投票にも行かなくなってしまった。

一時はネットの活動によって若者も政治に目覚めるのではないかと思ってきましたが、いわゆるネットウヨは政治勢力には成れないようだ。安倍内閣の退陣によって保守派勢力も後退してリベラルな福田内閣が誕生した。リベラルと言えば聞こえがいいが、アメリカに対しても中国に対しても「人の嫌がることはしない」というNOとは言わない旧自民党内閣なのだ。

小泉内閣の新自由主義路線は格差問題で修正を迫られていましたが、安倍内閣は中途半端な改革路線を継承しなければならなかった。その為に小沢民主党にすきを突かれて参院選挙で大敗した。安倍内閣はもっと明確な新保守主義を目指すべきだったのだ。


新自由主義と新保守主義の狭間で立ち尽くした安倍ニッポン 9月18日 大豆生田 崇志

渡辺 「新自由主義」と「新保守主義」の狭間で、立ち尽くしてしまったことが安倍首相の失敗の本質です。

 安倍首相は本来、新保守主義的で、新自由主義的な構造改革にはなじみのある政治家ではありません。ところが小泉純一郎前首相の後継者として、構造改革をやると言わなければ政権を取れなかったのです。

 安倍首相は小泉政権と同じ構造改革を継承して新自由主義の路線を維持すると同時に、改革の痛みを手当てとして新保守主義を打ち出すという二律背反の期待を集めて登場しました。しかし、そのいずれにも応えられなかったのです。今後誰がポスト安倍政権を担おうと、どの方向に政治を動かすのか明確にしなければならない点なのです。

渡辺 1970年代以前の経済政策といえば、福祉国家的、ケインズ主義的な政策でした。企業と高額所得者から多額の税金を集めて、教育や福祉、医療制度を通じて中流階層に所得を再分配することで、安定した「国民統合」を実現できたのです。

 しかし、ケインズ主義的な政策は不況下のインフレーションを招くようになって行き詰まりました。そこで新自由主義が登場したのです。

 ところが、新自由主義が広がると、今度は労働者階級の中間層が解体され、階層間の格差が拡大します。ひいては社会の分裂が避けられません。

 分裂しそうな社会の統合を目指す政治潮流として登場したのが、新保守主義です。典型的なのは、英国のサッチャー政権や、米国のレーガン政権でした。新自由主義的な規制緩和や構造改革を進めると同時に、伝統的な家族や地域、学校、企業というような共同体の再建を主張し、強い国家を標榜して、国民を統合させるという意識がありました。ところが、小泉さんは新自由主義一点張りだったのです。



(私のコメント)
ネットなどを見ると新自由主義と新保守主義とがごちゃ混ぜになっている記事をよく見かける。新保守主義とはネオコンサバティブの事ですが、外交的タカ派でネオコンの事です。しかし国内的にはもともとがトロツキストが反共に転向したものであり、新自由主義とは相容れない面がある。またアメリカの新保守主義と日本の新保守主義とは同一ではない。

日本の新保守主義とは石原慎太郎氏の思想に現れていますが、外交的には反共タカ派であり、内政的には一方的な規制緩和には批判的だ。アメリカとの経済構造協議にも反対であり、大店法が改悪されなければ地方における商店街のダメージも少なくて済んだはずだ。そのような反省が安倍内閣ではなされず、小沢民主党に弱点を突かれてしまった。





問題は業者とゴルフに興じていたこともさることながら、危機管理の最高
責任者の1人がこういう生活を送っていたという弛緩した態度にある。


2007年10月30日 火曜日

なんたる情けなさ 10月30日 花岡信昭メールマガジン

なんとも言いようがない証人喚問だった。前防衛事務次官、守屋武昌氏。12年間で200回のゴルフとは。相手が業者でなくても、これはあきれる以外にない。

 今後の焦点は、このゴルフ接待が贈収賄事件に発展するのかどうか、政治家への波及はないのか、といった点か。守屋氏は山田洋行元専務との会食の場に、防衛庁長官経験者が同席したことまでは認めたが、名前は明らかにしなかった。

 このなんとも情けないゴルフ接待疑惑が国会の最大の焦点となっていることの情けなさ。新テロ特措法の審議を妨げる最大の要因となっていることの情けなさ。情けないという言葉を何度も使わなくてはならないのは、こちらも情けなくなってくる。

 インド洋の海上自衛隊の給油支援活動は、日米同盟、日本の国益にもろにからむ国家的課題である。それが、こういう情けない前防衛次官の問題で、本質論の論議など吹っ飛んでしまう。そういう国会の現状がこれまたなんとも情けない。

 野党はこの問題で福田政権を追い込もうとする。新テロ特措法の今国会成立はきわめて困難な事態となっているが、与党にとってみれば、成立断念を前提とすれば「守屋問題」は時間稼ぎには格好のものともいえる。

いってみれば、与野党双方にそれぞれの思惑から都合のいい「官僚たたき」テーマとなっている。


<<守屋氏が君臨した防衛省の「危うさ」>>
【日経BP社サイトSAFETY JAPAN連載コラム「我々の国家はどこに向かっているのか」第82回・25日更新】再掲

安倍前内閣で小池百合子氏の防衛相在任は55日間だった。小池氏は「北京の55日」になぞらえて「市ヶ谷の55日」と呼んでいる。この短期間で、小池氏は守屋武昌防衛事務次官の「更迭」を成し遂げた。一般には、なぜ守屋氏の「放逐」にあれほどの執念を見せたのか、疑問に思う向きも多かったのではないか。

 守屋氏に防衛専門商社の元幹部とのゴルフ接待疑惑が発覚して、その疑問が解けたのではないかと思われる。守屋氏は4年も次官を務めたが、小池氏が守屋氏の更迭に執着したのは、単に在任期間が長すぎるということだけではない。守屋氏が君臨する防衛省・自衛隊の「体質」に、国家の危機管理を担う組織としてはあってはならない「危うさ」を感じ取ったからである。そこに、守屋氏個人の行状という次元を超えた深刻な現実がある。

 もう20年以上前になるが、筆者も新聞社在勤時代に防衛庁(当時)を担当した経験がある。そのころ、既に守屋氏は防衛庁内局の超エリートとして、だれもが将来の次官候補を当然視するほどの存在感を示していた。

 防衛庁幹部には当時の大蔵省や通産省、警察庁などからの出向組も多く、生え抜きの実力派に庁内の期待感が集まっていたのも事実だ。守屋氏はそうした声をバックとして着実にエリートコースを歩み、次官にまで上り詰めた。通常では次官の在任期間は2年程度なのだが、その倍を務めたことになる。だれも、そのクビに鈴を付けられなかったのだ。

 防衛専門商社・山田洋行との「関係」は、防衛関係者の間でひそかに問題視されていた。防衛省は武器、弾薬をはじめとして、特殊な装備品の調達が必要な役所である。全国に展開する基地でも膨大な調達品が必要だ。公共事業全体が締め付けられている中で、防衛関連は残された「聖域」だったのである。


  危機管理の視点からも指弾されるべき

 これまでも調達がらみの事件、疑惑が繰り返されてきており、特定企業との「癒着」にはことのほか神経を使わざるを得ない。それが当然のあり方といえたのだが、守屋氏は違った。山田洋行を退社して新会社を興した元専務と年間20〜30回もゴルフをしていたというのだから、これは異常さを通り越している。だれもそのことに諫言できないほど、守屋氏の威光には逆らえなかったということになる。

 さらには、山田洋行の米国子会社の不正経理にこの元専務が関与していた疑惑も浮上した。こうなると、守屋氏にはゴルフ好きのワンマン次官というだけでは済まない責任も生じてこよう。

 防衛省には2000年に定められた倫理規定がある。利害関係者とのゴルフやマージャンなどを禁じる内容だ。守屋氏は、これを承知してはいたが長年の個人的付き合いからやめることができなかった、などと述べているという。

 倫理規定があろうとなかろうと、防衛事務次官がこれほど頻繁にゴルフに通っていたというのは、危機管理の元締めとしてはいかにもお粗末であり、緊張感を欠いている。ゴルフ場は千葉や埼玉など、都心から遠方にある。万一の事態が起きたとき、ゴルフ場にいたことが発覚したら、どういう非難を浴びるか、そこに考えは及ばなかったのだろうか。

 通常ならせいぜい2年間ぐらいなのだから、次官在任中は遠出を避けるぐらいの感覚があってもいい。問題は業者とゴルフに興じていたこともさることながら、危機管理の最高責任者の1人がこういう生活を送っていたという弛緩した態度にある。たとえ、業者と一緒ではなく、個人的な行為であったとしても同様に指弾されるべきだ。

  上から下まで弛緩した防衛省

 防衛省はインド洋での海上自衛隊の米艦への給油量を間違えるという手痛いミスも犯した。それも間違いに気付いていながら上層部へ報告をせず隠蔽したため、イラク作戦への転用疑惑に発展した。80万ガロンを20万ガロンと間違って記載したものだが、「20万ガロンなら1日で費消する量だから、イラク作戦には使えない」と主張してきた根底が崩れてしまったのだ。

 海上自衛隊の給油支援を継続するための新テロ対策特措法の審議は、「守屋問題」と「給油量隠蔽疑惑」によって、野党が勢いづき、おかしな方向に捻じ曲げられようとしている。守屋氏らへの証人喚問も浮上した。喚問をやるのは結構だとしても、日本の国際貢献はいかにあるべきかという基本的な論議が吹っ飛ぶのは間違いない。

 政治的に見れば、この二つの疑惑が主題となったことで、新法の今国会成立はいよいよ絶望的となり、福田政権としては未成立の「格好の」理由ができたという側面もないわけではない。米国や国際社会に対しての「言い訳」にも使えよう。だが、それではいかにも情けない事態といわなくてはならない。

 要は、「平和ボケ」が防衛省トップにも蔓延していたという冷厳な事実を見据えるべきではないか。日本に照準を合わせたミサイルを大量に配備している隣国があり、さらには、「9.11」と同様のイスラム過激派によるテロが日本国内で起きない保証はない。地震などの大災害もあり得る。

 防衛省は防衛白書そのほかで国防・危機管理への備えを強調してやまないが、その肝心のお膝元がこの体たらくである。石破茂防衛相は守屋氏に退職金の返還を求める意向を明らかにしたが、「お仕置き」としてはまだ足りないぐらいだ。

 防衛省にはイージス艦の機密漏洩などの問題も生じた。憲法上は「軍」ではないことになってはいるが、実態は世界有数の実力を備えた軍隊である。本来、軍には特別の軍法が必要で、国家の最高軍事機密を扱う以上、一般の公務員よりも厳しい規律が求められるはずなのだが、憲法の建前がそれを許していない。問題を起こしても一般法が適用される。

 上は業者とゴルフ三昧、下は給油量を間違え、機密を漏らす。厚生労働省の「薬害肝炎リスト隠し」も人命にかかわる由々しき問題だが、防衛省には国家の安全保障が託されているのである。国家が容認した格別の暴力装置を保有する役所なのだ。米国では国防総省としてほかの省庁とは別格で扱われている。「省」に昇格したことでもあり、それにふさわしい組織の在り方を巡る総点検が求められている。


(私のコメント)
昨日の国会証人喚問は例によって例のごとくで、野党議員の追及の手が甘く、終わってから疑惑はさらに深まったと再喚問を要求している。しかし聞いていることはすでに明らかになっていることの再確認に過ぎず、野党自身が独自に調査している気配は見られない。政党には多くのスタッフがいるはずだし、多くの情報も寄せられてきているはずだ。

マスコミも防衛省の事務次官が毎週のようにゴルフ三昧であることに気がつかなかったのだろうか? 毎日防衛省の記者会見もあるしゴルフ焼けをした守屋事務次官がゴルフ三昧であることは気がつくはずだ。大臣も毎日一緒に仕事していれば隠していても日焼けした顔を見ればわからなければおかしい。

防衛事務次官は自衛官であり防衛大臣に次ぐ国防の責任者であり、それが日曜日のたびにゴルフ三昧であることは、日曜日に敵の攻撃があれば事務方の最高責任者に連絡がつかないし、ついても防衛庁に駆けつけるには日が暮れてしまう。このように日本は政治家から官僚にいたるまで緊張感が欠けてたるんでいる。

防衛省では守屋天皇と呼ばれていたくらいだから、大臣はお客様であり情報も大臣には知らせない事が多くあるようだ。だから小池大臣が守屋事務次官の首を切ることも大騒ぎになりましたが、大臣に逆らう事務次官のクビを切ることは当たり前のことなのですが、日本の省庁では例外的出来事らしい。

もっとも大臣も仕事は事務方に丸投げして、国会答弁も事務方任せという現状では政治主導の政治は行なわれていない。安倍内閣が1年で辞任に追い込まれたのも事務方の反抗が原因ですが、福田内閣は天下り規制も元に戻してしまうようだ。天下りが官僚の利権の温床なのですが、これを断ち切るのは政治主導でないと無理だ。

守屋事務次官も山田洋行や日本ミライズとの癒着関係を築いて防衛利権を作っていましたが、小池大臣との抗争やテロ特措法の延長問題が無ければ、ゴルフ三昧の生活も暴かれなかった事だろう。政治も官僚もマスコミも三者の馴れ合い関係は最強のものであり、従来は緊張関係になければならないはずだ。それが緩みっぱなしだからゴルフ三昧が出来るのだ。

今も国会中継を見ているのですが、福田総理大臣は本人の申告がなければわからないと答弁していましたが、総理大臣や防衛大臣の管理能力がどうなっているのだろう。もっとも森元総理大臣がゴルフ三昧で、えひめ丸事件の時にゴルフしていたことは有名ですが、このように日本の政官界は緊張感がない。

これでは北朝鮮からミサイルの二、三発も飛んでこないと目が覚めないのだろう。これも憲法9条や日米安保に安住してしまっている証拠なのですが、今の日本人にいくら正論を述べたところで、国のトップから緊張感のない状況では、「株式日記」でいくら警鐘鳴らしても意味のないことだ。だから国会中継はつまらないのは当然で、国会審議がだらけてしまうのは当然なのだろう。

テレビを見ればお笑いバラエティー番組ばかりであり、ネットを見てもランキングの上位はやはり面白バラエティー風のものばかりだ。それに対して時事問題を扱ったブログはあちこちから圧力などもかかり、イデオロギー的対立などで波風が立ちやすく物議をかもしやすい、だからブロガーも娯楽路線に逃げてしまう。テレビと同じくブログも視聴率を考えれば娯楽路線の方がアクセスも集まる。最近はユーチューブの面白動画が流行ですが、ネットもこのように国民総白痴化現象が進んできる。

やはり日本が目を覚ますには、北朝鮮からミサイルが飛んでこないと、政界からネット界に至るまで目が覚めないのだろう。だから防衛官僚のトップがゴルフ三昧であっても笑えない現実はネットにも及んできている。



日本国民よ目を覚ませ! 朝日新聞に騙されるな!

      ∧朝∧
   ((  (-@∀@) ))  ずんずん・ずんずん・ずーんずずん♪
      _φ  ⊂)__  ずんずん・ずんずん・ずーんずずん♪
    /旦/三/ /|  
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
   | .アサヒるw. |/


      ∧朝∧
     ( @∀@ )   旧防衛庁と山田洋行〜!ウェェェ〜イ♪
      /   \     守屋を証人喚問〜! ウェェェ〜イ♪
  (( ⊂( ( ) つ )) 
   / (_)J  /|  でも、その矢先ぃ〜
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|   実は民主党・小沢も〜
   | .アサヒるw. |/  山田洋行から600万貰ってたのがバレた!


       ∧朝∧
      (∀@ー)つミ  でも、そんなの関係ねぇ!
      ⊂  ⊂彡  
     _ ( (_) ))_    でも、そんなの関係ねぇ!
   /  (_)  /|  
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|   
   | .アサヒるw. |/


.      ∧朝∧
     ∩@∀@)  ハイ! 情報操作、おっぱっぴ〜♪
      ヽ  ⊂ )
     __(  (_⊃_
   /  (_)  /|
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|   
   | .アサヒるw. |/





韓国の「米国離れ・中国接近」と、最近、表面化した北朝鮮の
「中国離れ・米国接近」で、朝鮮半島の構図がますます複雑化


2007年10月29日 月曜日

中国の不満(2007/10/29 ) 鈴置 高史

中国が六カ国協議に関連、微妙な反応を見せる。それは北朝鮮の核に関し適当なところで妥協しかねない米国への警告であり、「中国敵視」を接着剤にしかねない米朝接近への牽制でもあるのだろう。

「北の核放棄は容易でない」

 「北朝鮮は、国際的な圧力によって核兵器を完全に放棄することはないであろう。ただ、国際社会に対しては自身の核兵器放棄への希望を失わせることもしないであろう」(朝鮮日報・電子版、10月6日付)。

 北京大学の国際関係学院の王緝思・院長が10月5日、ソウルで語った。韓国と中国の両国政府が主催したシンポジウムでのことだ。慎重な言い回しだが要は、北朝鮮は核兵器放棄に応じる姿勢は打ち出すが、完全な放棄には踏み切らない、との主張だ。ちなみに、このシンポジウムが開かれた日は南北首脳会談(10月2―4日)の直後だった。

 米国や韓国政府は最近、六カ国協議を通じて「北の核放棄」が粛々と進んでいるかのごとく主張している。王緝思・院長の分析は彼らとはっきりと一線を画した。彼は北の核放棄が容易でない理由をこう述べている。

 「北朝鮮は、核兵器開発を軍事的な目的に留まらず、国際社会から政治的承認と経済支援を勝ち取る手段と見なしている。また、国内政治の安定と権威を維持するための手段でもある」(同)。

 六カ国協議は北朝鮮の核問題などを解決するために中国が主催する。当然、成否には中国のメンツがかかっており、最近の一連の「進展」に関しても中国政府は公式には「前進」と手柄を誇る。

 それだけに王緝思・院長のこの発言の冷ややかさが際立つ。何やら、婚約間際の男女について、引き合わせた仲人本人が「さあて、彼らは結婚までこぎつけられますかねえ」と語るのと似ている。

「北、シリアに核技術移転」

 中国共産主義青年同盟が発行する9月18日付の青年参考(電子版)も、読者に「北の核放棄計画」への疑問を持たせるものだった。

 9月、米ニューヨークタイムズなどの欧米メディアは相次いで、北朝鮮が現在までもシリアに核兵器開発技術の移転を進めている、と報じた。イスラエルが奇襲作戦で核施設を破壊した、とか、北技術者を殺害した、あるいは現場から核物質を持ち帰った、などと相当に具体的な証拠を挙げてである。

 これが本当なら、六カ国協議での「北の核放棄の見返りに米国は国交正常化に動く」という関係改善シナリオの合意は、少なくとも論理的には完全に破綻する。

 北朝鮮は米国に対し「核技術を移転しない」と約束している。「移転しないのだったら、少々核を保有しても目をつぶる」ことが米国の本音ともされ、そうだとするなら、合意の中で最も重要な部分を北が破ったことになる。

 報道後、ブッシュ大統領も会見でシリア問題を突かれ、歯切れの悪い答弁に終始した。今や、米国の世論あるいは国際世論の風向き次第では、米朝合意が頓挫しかねない実に微妙な状況だ。そんな時期に、青年参考は写真付の巨大な記事で、西欧メディアの報じた北朝鮮の対シリア核技術移転説を実に詳細になぞってみせたのだ。

 お見合いの例えを再び使うなら、「『結婚するから、もう、ほかの男の子とは付き合わない』と約束した女の子が、実はまだ、前のボーイフレンドと深い仲を続けているらしいよ」と仲人が世間に言いふらすようなものだ。

縁談壊す仲人

 仲人、中国の一見、不思議な行動。その理由は二つありそうだ。まずは、脇の甘い米国への警告だ。北の作戦は「すでに公表済みの旧式の核施設は廃棄に応じる一方、隠匿してきた核施設の存在は否認し、秘かに核開発を続ける」ことと見られる。

 非公表の核施設が存在することは専門家の間では常識だから、普通ならこんな詐術は通用しない。しかし、外交で失点続きのブッシュ政権が、北の核問題でなんとか成果をあげたいと焦っていることは北朝鮮もよく知っている。とりあえずはこの手で押し通すつもりであろう。

 「クリントン政権の時のように、米国をだますことができるかもしれない。あるいは、交渉途中で北にだまされたと分かっても国内からの批判を恐れ、米政権は敢えてだまされ続けるかもしれない」――。北はこう期待していることだろう。

 ただ、こうしたまやかしの解決は、結局は破綻する可能性が高い。現に、早くも「シリアへの核移転」が誰かの手によって有力メディアにリークされ、世界中が知るところとなった。

 主催国、中国としては、北の核保有への疑惑を完全に払拭しておかないと六カ国協議失敗という外交的失態を招く。さらに、疑惑が払拭されないことを理由に日本が核武装に動くかもしれない。中国にとって核開発の「完全」解消は必須だ。

「米朝共通の敵」中国?

 もう一つの不満は、中国にとってより深刻な問題かもしれない。

 2002年、米国が北の各施設に対する先制攻撃を考えたほど、米朝関係は緊張した。中国は北朝鮮をなだめて六カ国協議を立ち上げ、衝突寸前だった米朝の関係改善に努めた。努力の甲斐あって、今年に入って米朝関係は改善に向け急速に進んだ。

 だが、米朝関係改善の裏には「中国は米朝共同の敵」という暗黙の合意があり、新しい米朝関係は中国包囲網の一環となるのではないか、という疑いを中国は持ち始めている

人権圧殺国家である北が米国から体制の保障を得るのは普通なら不可能だ。台頭する中国を包囲するという共通の目的だけが、米国の保障をかろうじて引き出しうる、というのが常識であろう。

 一方、米朝が核問題を越え国交樹立まで話し合う姿勢を打ち出すなど、予想以上に関係を深め始めた。これを見て「表に出ていない、何かがあるな」と疑うのがこれまた常識というものであろう。

 苦労をして仲の悪い男女の縁談をまとめたら、感謝されるどころか逆恨みされ、結婚式にも来るなと満座の中で言われた――。中国の怒りは大きい。

結婚式に招待されない仲人

 結婚式に招待されない仲人。関係者の間で、たとえ話として語られていた仮説が今や現実になった。10月4日、南北は首脳会談で「3か国か4か国の首脳が集まって朝鮮戦争終結を宣言する」ことに合意した。

 韓国側の説明によると、3者の場合は中国が除かれ、南北と米国で構成する。「3者か4者」を言い出したのは金正日総書記で、中国を含めない理由に関しては、朝鮮半島に軍隊を置く国だけが参加すべきだから、と語ったという。

 「3者か4者の首脳会談」は、南北が主張しているだけで実現する見込みは薄い。仮に実現しても中国を排除するのは不可能だ。中国は朝鮮戦争に最大の兵力を派遣した国であり、休戦協定にも署名している。何より、今も、そして今後ますます朝鮮半島に最も大きな影響力を及ぼす国だからだ。

 金正日総書記も、それは十分承知していよう。だが、あえて「中国排除」を堂々と語ることで、自らの「中国離れ」の姿勢と覚悟を米国に伝えたかったのだろう。

 もちろん、これに対し中国は公式にも非公式にも反発した。首脳会談直後、ある中国の外交専門家は外国人記者に対し「北が中国を排除するつもりなら、中国は今後いかなるサポートも北に与えないであろう」と語った。

 中国も、もちろん自分なしで戦争終結宣言がなされるとは考えていない。だが、そう考えたからといって北への不信感が減じるものではない。

北の「中国離れ・米国接近」

 さて、中国は北の「嫌がらせ」にどう手を打つのだろうか。

 中国にすり寄って来た韓国をさらに取り込もうとするかもしれない。拉致問題を見捨てて北との関係改善に進む米国に憤る日本に対し、何らかの協調行動を呼びかけるかもしれない。あるいは、米中間で小細工を弄しながら右往左往する南北朝鮮は無視し、米国とのビッグディールに動くかもしれない。

 いずれにせよ、韓国の「米国離れ・中国接近」と、最近、表面化した北朝鮮の「中国離れ・米国接近」で、朝鮮半島の構図がますます複雑になっていくのは間違いない。



(私のコメント)
最近のアメリカ外交は複雑怪奇で理解しがたい。トップが馬鹿だと、いくら部下が優秀でもいい結果は生まない。優秀な部下がボンクラな上司を説得するには大変な時間と手間をかけて説得しなければならない。特に二代目とか三代目の会社の社長とかが会社を倒産させた事例には事欠かない。政治でも同じことが言えて世襲政治家は苦労も少ないからピンチに立っても挽回する事は難しい。

ブッシュ政権からは大統領就任前からの側近達が辞めていっている。ブッシュ自身もすでに当事者能力がなく、だからアメリカ外交も漂流している。イラク問題も自ら決断して始めた戦争なのですが、だからイラクから引くわけには行かずに、ずるずると莫大な戦費を使いながら、アメリカという国家を衰亡に導いている。

北朝鮮問題も北朝鮮との二国間協議はしないと当初から言っていたのに、金正日の「韓国以上のパートナーになる」という手紙に惑わされて、アメリカは北朝鮮との宥和政策に傾いた。アメリカ政府は場合によっては核を持ったままの北朝鮮と国交まで結ぶような話まで出て来ている。

北朝鮮は建国以来ソ連と中国との両天秤外交で生きてきた国だ。ロシアが北朝鮮から手を引いたので金正日はアメリカを取り込んで両天秤外交を展開してアメリカがそれに乗ったようだ。イラクで失敗したので外交的成果をあげようとブッシュ政権は北朝鮮に宥和政策で接近したのですが、またしても北朝鮮に騙されてシリアに核開発設備を移転しようとしている。ライスやヒルの首が飛んでもおかしくないのですがブッシュはバカだから首にできない。

イスラエルがシリアを空爆したのも北朝鮮の核施設を移転しようとしていたからですが、アメリカはイスラエルからの情報を信用しようとしなかった。六カ国協議で核の技術移転はしないという取り決めだったから、またしてもアメリカは北朝鮮に騙されたわけですが、ブッシュ外交は失敗に失敗を上乗せしている。

ブッシュ政権のみならずアメリカ連邦議会も日本の従軍慰安婦問題での非難決議や、トルコへのアルメニア人大虐殺非難決議をしようとするなど正気を欠いているとしか思えない。これではアメリカ外交は信用を失い同盟国も次々と離反していくだろう。イギリスですらイラクから兵力を引き上げている。

気の毒なのはアメリカ軍でありバカな最高司令官に勝利なき戦いを強いられて、イラクやアフガニスタンで二万人もの死傷者を出している。兵士たちの士気は最低レベルにまで落ちて精神的に国家を蝕んでいく。ベトナム戦争の頃は共産主義との戦いという大義があったが、イラク戦争には石油の為の侵略という汚名が付きまとう。

朝鮮半島の情勢も複雑なねじれ現象を起こしていますが、韓国が中国に接近して、北朝鮮がアメリカに接近している。こんな馬鹿なことをしているから朝鮮民族は分断されて統一できないのであり、外国勢力と手を組んで国内を統治しようとするから外国に利用されてしまう。事大主義は朝鮮民族の伝統なのでしょうが、自主独立精神は朝鮮半島にはない。

日本もアメリカと中国との狭間に立って揺れ動いていますが、日本が分断国家にならない為には基本的にはアメリカとも中国とも手を組んではならない。アメリカも中国も信用が出来ないからだ。地政学的に見れば海洋国家としてアメリカと組むべきですが、アメリカは日本を裏切って北朝鮮と手を組もうとしている。安倍総理はそれに絶望して総理を辞職しましたが、アメリカを信用しすぎたから裏切られたのだ。


米共和党、「北とシリアの核コネクション」を指摘 10月27日 朝鮮日報

 米国与党の共和党が、北朝鮮とシリアの核コネクション疑惑を本格的に取り上げ、対北朝鮮政策においてより慎重な態度を注文し始めたことから、今後の米朝関係に大きな影響があるとみられている。

 共和党議員たちは、24日と25日の二日間にわたり開催された下院での聴聞会で、ライス国務長官やヒル国務次官補に対し、「北朝鮮とシリアの核取引説」に関し米国務省が沈黙を守っている点について問い詰めた。共和党のバートン議員は25日、ヒル次官補に対し、「北朝鮮がイランのすぐ隣にあるテロリスト国家シリアに核技術を移転したという明らかな証拠があるのに、北朝鮮に対して(テロ支援国家解除などの)プレゼントを与えようとしているのか」と批判した。また共和党のロイス議員は、「北朝鮮が寧辺の核施設稼動を中断し、核プログラムはもちろん外国への核拡散を中断したとして、われわれを安心させることができるのか」と問い詰めた。

 24日には共和党のタングレイド議員がライス長官に対し、「北朝鮮がシリアに核兵器や核関連物質を提供したとすれば、6カ国協議での合意に違反しているのではないのか」と質問した。下院外交委員会幹事としての資格でライス長官から説明を聞いたレティネン議員は、「より多くの議員がこれらの情報を知ったとすれば、現在進行中の北朝鮮との交渉について、さらに多くの心配材料となるだろう」と述べた。これに対しライス長官とヒル次官補は、「北朝鮮による核の拡散は許すことができない」と原論的な発言にとどまった。

 今年9月初めにイスラエルが爆撃したとされるシリアの原子炉疑惑施設があった位置が、爆撃直後には跡形もなく消え去っていた衛星写真も公開された。

 米国とフランスの商業用衛星写真提供業者によると、8月10日にシリア東部のユーフラテス川流域を撮影した写真には、縦横およそ47メートル規模で建設中の原子炉と推定される施設(写真上)が見える。しかし、今月24日に撮影された写真(下)にはこの建物が見えない。イスラエルによる爆撃が行われたのは9月6日。爆撃後にシリアがこれらの施設を完全に取り除いたと推定される。





NOVAの異常な拡大路線を支えた日本人の英語コンプレックス。
英語支配への従属を認める文部省、学者、マスコミ、企業は猛省せよ


2007年10月28日 日曜日

「研修たった3日」 NOVAの功罪検証 10月26日 産経新聞

斬新なキャッチコピーで外国語学校業界に旋風を巻き起こす一方、急激な拡大路線による講師不足や授業の質の低下といったひずみを生んだNOVA。今後の経営再建が模索されるなか、これまでの功罪を検証した。

 NOVAが急成長を果たした原動力は、ネイティブ・スピーカーによる会話主体の指導スタイルが支持を集めたことだった。自由な会話による応用力強化を柱に据え、昭和56年の創業から5年で東京に進出。英オックスフォード大出版局とテキストを共同編纂(へんさん)するなどし、平成5年には売上高で業界トップに躍り出た。

 全国にその名を知らしめたのは、4年からスタートしたテレビCMだ。「ノバおばさん」「ノバでのびーる」から始まり、14年には「ノバうさぎ」が大ヒット。まだ特別な人が通うイメージの強かった語学教室を身近なものにした。NOVA関係者は「CM放映後、『ダンスの振り付けを教えてほしい』といった電話がかかり、すごい反響だった」と振り返る。

 8年には独自開発のテレビ電話設備を通じ、生徒が自宅で教師と双方向のやり取りができる「お茶の間留学」を開始。大阪・難波の「MM(マルチメディア)センター」では外国人講師が交代でテレビ電話の前に座り、教室に通う時間のない人でも語学を学べることが話題を呼んだ。

 11年には3歳から12歳までの子供を対象とする「NOVA KIDS」がスタート。語学教育は幼少期から始めることが最適とされ、英才教育ブームを巻き起こした。この時点までは日本人の苦手とする「異文化の仲間づくり」が奏功したかにみえたが、その後、歯止めのない拡大路線に突き進んでいく。

 8年の教室数は200校程度だったのに対し、13年に約520校まで増加。昨年6月、台湾に進出し、1000校近くまで膨張した。そうした路線を支えたのが、「薄利多売」のやり方。3年間の長期契約を前提に多額の前払い金を支払わせる一方、1回当たりの授業料を安くした。

 外国語学校の業界団体、全国外国語教育振興協会(全外協)などによると、加盟各社の授業料は1回あたり平均4000円前後。これに比べ、全外協に加盟していないNOVAの授業料は長期契約を結ぶと、1回あたり1200〜1800円で済む。ただ、利便性の良い駅周辺で教室を展開するため賃料や人件費といった固定費がかさむため利益の出にくい構造になっており、これを維持する意味でも規模拡大は不可欠だったのだ。

 何より追いつかなかったのは、人材確保と育成だ。教室数の増加で「いつでもレッスン受講可」としながらも講師不足のため受講が集中する時間の予約が困難となり、消費者センターへの苦情が増えていった。7年間、NOVAで働いた英国人講師(50)は「拡大路線になって講師が年中、大量に入ってきたが、研修はたった3日間しかなかった」と漏らす。

 少子高齢化による生徒数の頭打ちで、18年に最終赤字に転落。社長を解任された猿橋望氏は昨年末、「人材育成が追いついていない」と自らの過ちを認め、拡大路線の修正に着手したが、中途解約の返金問題をめぐるトラブルが多発。訴訟に発展するケースが相次ぎ、今年6月、経済産業省から業務停止命令を受けるに至った。

 管理能力を上回る拡大路線は虚偽説明や誇大広告を生み出す背景になったわけで、結果として、消費者への裏切り行為につながったのは間違いない。「猿橋カラー」を排除した形で、消費者重視の再建シナリオが描けるかどうかが今後のポイントになりそうだ。



目にあまる日本の英語病 1996年12月27日付 「論 壇」

英語でまくしたてるFMラジオのディスクジョッキー、アメリカの番組だらけの衛星放送、商店や商品にも英語名がつけられ、そして会社名も横文字化がすすみ、最近はお役所も英語を好んで使っている。このいわば「英語病」とも呼べる英語への過熱ぶりは最近著しく、英語を使わなくともよい時でさえ使うという言語的混乱が起こっている。

この「英語病」を生み出している元凶は、「英語は国際語だから、できて当然、使って当然」という「英語帝国主義イデオロギー」であり、日本人はそれぞれにただ単に同調しているのである。確かに英語の国際語的地位は認めるし、英語教育の必要性を否定はしない。が、その前に、英語支配により英語が権力化し、他の言語を圧迫し、世界のコミュニケーションが英語を母語としない者には不利で不平等な状況を生み出していることを、まず認識すべきではないか。

つまり「英語帝国主義イデオロギー」に乗っかり、同調することは、国内においては、日本人を「英語漬け」にし、「英語病」という言語的混乱と言語的主体性の喪失を生み出し、国際的には、英語を基軸とした「不平等な国際コミュニケーションの階級構造」の 再生産と維持に加担していることになる。

日本は英語帝国主義とのこのような共犯関係にあることをまず自覚し、それからの脱出を、意図すべきではないか。国内の「英語病」関しては文部省、学者、マスコミ、企業が英語帝国主義への同類の主犯格といえる。小学校校への英会話教育導入案に見られるように、最近文部省は「英会話路線」を打ち出しているが、 「うちの子にも英語を」という強迫観念を多くの母親に植えつけていることを知っているのだろうか。

学者の「英語病」も深刻で、私が教えている学生に、不必要に英を使う例を出させたら「大学の講義」とした者が少なからずいた。学者の「英語崇拝」は病的で、英語書かれていない論文は価値が低いという意識が広がっている。マスコミの「英語病」は冒頭にあげたほかにもあり、音楽や英語のタイトルに生の英語がつけられるのが普通になってきている。

また、企業の社名の英語化は凄(すさ)まじく英語名の会社が多数になるのは時間の問題であろう。この行き着く果てを考えると、二十一世紀には「日本」はなくなり、"JAPAN"という名の国が現れるのではないか。その方が「格好いい」と思う「英語礼賛、日本語軽視」がまさに「英語病」である。それは英語支配への従属を認めるものでありそのような意識を助長し、拡散している文部省、学者、マスコミ、企業は猛省すべきではないか。

日本の「英語病」と「英語帝国主義への共犯関係を反省し、英語支配からの脱出を意図することは、世界の言語とコミュニケーションの平等化に貢献する意図がある。私に妙案はないが、糸口となる二つの提言をしたい。 

まず第一の提言は、「国際言語協定」の締結である。日本政府は、国連やユネスコといった国際組織において、英語支配の問題を提起し、非英語圏の国民の利益が損なわれないような「国際言語協定」の締結に向けて努力を傾けてもらいたい。

アメリカに対しては「日米言語協定」の締結により、日本語と英語の地位の平時化を目指したい。英語を政治問題にすることにより、「英語が当たり前」のイデオロギーを打破し、開放されることにより、私たちの「英語病」の症状も軽くなるのではないだろうか。 

第二の提言は、「英語教育の目的の限定」である。現在、「英語=国際語イデオロギー」に煽(あお)られ、英語教育の目的が膨張している。これを「英語の基礎知識の修得」に限定すれば、中学・高校の六年間で十分であろう。

大学では、外国語中心の教育に切り替え、「日本語本位の教育」を実施すれば、欧米文化依存の改善が期待できる。私たちは今英語という「外圧」にたじろぎ、煽られ、そして自らを見失ってはいないか?英語を学び、使うことに満足するのではなく英語支配と「英語病」を生み出す世界の権力構造への問題意識を高めるべきだろう。


(私のコメント)
メジャーリーグベースボールはレッドソックスとロッキーズの第三戦に松坂が登板しましたが、今回は投球も威力があり安心して見ていられました。日本でも日本シリーズが始まりましたが、日本ではテレビの野球中継も少なくなり選手の名前もよくわからなくなってきました。レベル的には日本の野球も近づいてきたのでしょうが、レッドソックスにもロッキーズにも日本人選手が活躍している。

不思議でならないのは、何年も大リーグで活躍しているのにイチロー選手も松井選手もインタビューで日本語で答えていることだ。野球に関することで聞かれているのだろうから野球用語を並べれば英語になると思うのですが、ファンサービスとして英語を使ったらいいと思う。とくにアメリカ人なら片言の英語でも分かってくれるだろう。

野茂選手などは10年以上もアメリカで野球生活を送っているが、野茂選手の英語は聞いたことがない。日常的には英語を使っているのでしょうがインタビューになると日本語で答えている。日本人メジャーリーガーで英語で答えていたのは長谷川選手ぐらいで、アメリカに行く前から英語を勉強していたようだ。

このように日本人は、アメリカに語学留学しても英語をマスターできた人は僅かであると断言できます。私の身近にもたくさんいるし、福田総理大臣も若い頃はアメリカに石油会社の駐在員として何年もいたにもかかわらず現在は英語は使えないようだ。もちろん日常会話程度なら出来ても、正式な英語を仕事で使える人は僅かだろう。

NOVAが会社更生法の適用を申請しましたが、無理な拡大政策が経営破綻の原因になったのだろう。全国に520校もの学校を展開して薄利多売で拡大してきた。駅前にはNOVAの学校があり、テレビコマーシャルも話題を呼んだ。NOVA以外にも英会話学校はたくさんあり、多くの人が利用しているようだ。

学校だけでも中学から大学まで10年間も英語を学び、なおかつこのような英会話学校に通って英語を勉強しても英語がぺらぺらという人は極めて少ない。なぜなのだろうか? 私だって多くの時間を英語の勉強に費やしましたが、ほとんど効果は上がっていない。それにもかかわらず学校教育では英語の学習時間に多くの時間を当てている。

おそらく学校の英語教育に対する基本的な認識がおそらく間違っているのではないかと思う。私は国語教育も英語教育も「語学」という一括りで認識すべきではないかと思います。最近認識されてきたのは英語の達人には日本語の達人も多いということであり、日本語が十分に使いこなせない人は英語も十分なレベルにはならないという事だ。

頭の中には言語脳があって、その上に日本語と言うチャンネルと英語というチャンネルが乗っている。だから言語脳が発達していないと日本語も英語もうまくはならない。だから子供のうちは言語脳を発達させる為に日本人なら日本語で徹底的に言語脳を鍛えるべきなのだ。

ところが小学生のうちから英語を教え込むと、言語脳は日本語と英語のチャンネルが発達していない為に混乱して未成熟になってしまう。だから英語が上手くなりたいのなら日本語を通じて言語脳を徹底的に鍛えた方が英語が上達する近道ではないかと思う。

プロ野球選手は小さい頃から野球ばかりやってきて語学の訓練はほとんどやっていない。だから日本人メジャーリーガーがアメリカで何年も活躍しても英語が使えないというのは彼らの言語脳が発達していない為だろう。だから野球を引退して野球中継の解説者になっても話しが下手な人が多い。

それに対して役者とか俳優さんとか歌手などは台詞や歌詞を覚えるのが仕事で鍛えられているから、渡辺謙や真田広之など何年かアメリカで生活すると使える人が多い。日本の学校教育でも昔は漢詩や論語などを暗誦して言語脳が鍛えられて英語が使える人がいたのに、最近は学校では漢詩や論語や詩の暗誦などはやらない。英語教育をするよりそちらの方が言語教育の効果が上がるだろう。

カラオケなどに行っても歌詞カードが手放せない人がほとんどだ。歌詞は決して長いとはいえないのですが、それでも歌詞カード抜きでフルコーラス歌える人は少ない。カラオケの歌詞が憶えられないでどうして英語を覚えることができるのだろう? 英語の時間はカラオケの時間にした方が英語の為になるのではないかと思う。

大橋巨泉はジャズの歌を覚えて英語を覚えたといっていましたが、英語の歌を歌えば発音の勉強にもなる。ところが学校では英語の勉強でも英語の歌はほとんどやらない。英語の歌詞を覚えるだけでも英会話の練習になるだろう。私はジャズの歌を何曲か歌えるが、そのおかげでカナダ人に発音を褒められた事がある。

とにかく文部省の英語教育のやり方は「語学」というものの基本が分かっていない人がやっているようだ。そのおかげで日本の英語教育の成果が全く上がらないのだ。




イラク戦争で非装甲のハンビーから重装甲のMRAPに変更を
余儀なくされている事は、南アフリカのゲリラ戦を連想させる。


2007年10月27日 土曜日

装甲を強化してもハンビーでの死者が増える 2006年5月3日 USAトゥデー

ワシントン発:

 ペンタゴン米国防総省はイラクとアフガニスタン全土でハンビーその他の軍用車両5万台以上の装甲を強化したのだが、ペンタゴンの記録は道路脇爆弾が今年に入っていっそう多くの米兵を殺していることを物語っている。

 米兵のほとんどはハンビーに乗っていて死亡している。ハンビーというのは、手製爆破装置(IED)の使用が過去3年を上回ってきたなかで、軍があわてて装甲を施してきた働き者の車両(多用途の軍用特殊車両)である。

 ペンタゴンの死傷者報告は、IEDを含めてハンビーへの攻撃で67人の米兵が今年になって死んだと述べた。また、もっと装甲の厚い戦車と兵員輸送車を含めて他の車両へのIED攻撃で22人の兵士が殺された。

 ちなみにペンタゴンの報告とUSAトゥデーの情報によると、2005年の最初の4ヶ月にハンビーで死亡した者は27人、IEDによる他の車両への攻撃では38人が死亡した。

 軍事専門家の話では、反政府ゲリラは戦術を変え、さらに強力な爆弾を仕かけたり、米軍の反撃を避けるために起爆にさまざまな手法を用いている。新式のIEDは重量22トンのブラッドリー戦闘車両やM1A1エイブラムス戦車をじゅうぶん吹き飛ばすことができるほど強力である。

 アーリントンにあるレキシントン研究所の軍事アナリストであるローレン・トンプソンは、「敵はわれわれが何をしても適応する」と指摘した。「われわれが対策を講じなかったのではない。敵がわれわれの対策に有効な戦術を見いだしたのだ」と。

 IEDの脅威に反撃するために、今年初め、ペンタゴンはIED合同対策組織(JIEDDO)を発足させた。IEDを探知し無力化するための技術開発に、今年、37億ドル以上を費やす予定である。

 例えば、2億8900万ドルを投じて、今年1月、ゼネラル・ダイナミックス社に3858件の作動妨害システムを発注した。ペンタゴンの資料によると、このシステムは7月から供用される。

 JIEDDO副局長である米陸軍のダン・エイリン准将は、「こちらの装甲を破るため、敵はさらに破壊力の大きい弾薬を使っている」と指摘する。「わが軍の防禦を保障するような特効薬はない」とエイリンは言う。

 道路脇爆弾で殺される米兵はアフガニスタンでも増えている。2005年の最初の4ヶ月では1人だったのに、今年は既に10人が殺されたのだ。

 イラクのバラドにある米空軍シアター病院で整形外科医の責任者であるポール・グレアソン空軍少佐は、そのうえ爆弾が強力になって治療困難な負傷が増えていると言う。「城壁を破壊する大槌(おおづち)で皮膚を破られたみたいだ」。


対路肩改良爆弾、アメリカ軍の新兵器! May 15, 2007 苺畑より

イラク戦争においてアメリカ兵を一番殺しているのはなんといっても路肩改良爆弾(IED)だろう。2003年フセイン政権が崩壊した直後、まだスンニとアルカエダの反乱分子がテロ行為を始める前まではアメリカ兵は交通手段としてハンビー(HUMVEE)と呼ばれる21世紀版ジープに乗っていた。もともと移動用の乗り物で戦闘用ではないので攻撃からは全く無防備だった。この弱点を最大限利用したのが敵の肩撃ちロケット弾(RPG)とIEDだ。

そこでアメリカ軍はバンドエイド型改良を行いハンビーに装甲を加えたがこれはあくまで臨時対策。そこでもっと効果のある対策としてストライカーと呼ばれる装甲車が2003年の終わり頃からじょじょに取り入れられた。これはハンビーよりも大型で戦車の乗組員は完全に囲まれている。ハンビーより重いし頑丈なのでちょっとやそっとのIEDでは吹っ飛ばせないし、RPGも突き抜けない。ストライカーのおかげで米軍兵の犠牲者はかなり減った。

しかし、敵もさるもの、こちらが強くなれば向こうも対抗して別の方法を考えてくる。ストライカーもデザイン的には下からの攻撃には弱い。ハンビーより重いとはいえ、その分爆薬を増やし地面の奥深くに埋めておけばストライカーでもふっとばすことは可能だ。ほぼ無敵と思えたストライカーも2006年の終わりごろからイランから入ってきた爆発成形弾(EFP)などによって致命的な被害を蒙ることが多くなってkた。(中略)

ストライカーだけでなくエイブラハムもブラッドリーも最近は非常に高い率で損失を得ている。これははっきり言って由々しき状況といえる。我々が気がつかなければならないのは、イラク戦争は湾岸戦争とは違うのだということだ。我々はこれまでのように軍隊対軍隊が戦うような戦争をやっているわけではない。真正面から撃ってくる敵の弾をよければ済んでいた時代は終わったのだ。ゲリラに対する軍事作戦が正規軍との戦いとは全く異なるように、闇に潜む敵と対抗する武器もまたそれに適応して変わっていかなければならないのだ。

ストライカーにしろハンビー、エイブラハム、ブラッドリーにしろ、単に現在のEFPが突き抜けられない装甲装備をするだけでは常により強力な破壊力を持つ武器改良を厭わない敵相手に不十分である。(後略)



IED on cougar 路肩爆弾で破壊されるクーガーMRAP 動画1分1秒

Failed IED Attack 路肩爆弾で攻撃される米軍車列 動画40秒

ABC News in Iraq Hit IED 路肩爆弾に遭った米軍車両内部 動画2分24秒


(私のコメント)
現在のイラク戦争の様子が日本ではなかなかテレビで放送されないのですが、ユーチューブなどには米軍兵士によって撮影されたと思われる戦場の様子が見ることが出来る。米軍兵士が一番やられているのが路肩爆弾による攻撃ですが、死傷者は2万人以上に及んでいる。最初はハンビーなどのジープだったのですが戦闘車両ではないのでゲリラの攻撃にはひとたまりもなかった。

そこでハンピーに簡易装甲を施してもほとんど役に立たなかったようだ。ならばストライカーという装甲車を使用し始めたのですが、銃などの襲撃には強くても、ゲリラの地雷攻撃で弱点を晒してしまった。ストライカーの底は平坦な為に強力な爆弾には弱かったようだ。米軍が装甲を施せばゲリラはより強力な爆薬を仕掛けてくる。

そこで米軍は地雷に強いMRAPという装甲車両を最近開発した。これでIED攻撃を受けてMRAPが大破しても米軍兵士の命は助かる。しかし写真を見てもらえばわかるようにMRAPはまさに装甲バスのような大きさとなり、見上げるような怪物兵器になった。まさに陸上の巡洋戦艦ですがイラクのゲリラはさらに強力な兵器を用意してくるだろう。

新式のIED爆薬はM1A1エイブラムズ戦車を吹き飛ばすほどの威力があるのですがMRAPはそれに耐えられるのだろうか? さらに装甲バスのような大きさで鈍重になって機動力が落ちてRPG7のようなロケット攻撃に弱さを露呈するだろう。ハンビーなら軽量で車高も低く敏捷に走れたからロケット攻撃は当たりにくいが、戦車並みの重量とバス並みの大きさのMRAPだとIEDには強くてもRPG7に側面を貫通されてしまう。

このようにイラク戦争におけるアメリカ軍は守勢に入っており、より強力な装甲を施した軍用車両でないと安全が保てなくなっている。イラクにおける5万台もの軍用車両を全てMRAPに切り替えるのは不可能だ。たとえ切り替えたとしても莫大な費用がかかり、ゲリラがより強力な武器で反撃してくれば防ぎようがない。アメリカはこのような欠陥兵器をどうして採用するのだろうか?


アパルトヘイト兵器がイラクで復活 7月24日ファルージャ・エイプリル2004

対外的な軍事作戦で白人の間でも人気を落とすほどの犠牲者を出していた旧南アフリカ政府にとって、キャスパーはまず、自軍の流血を止めるための解決策として導入された。というのも、キャスパーはゲリラが設置した地雷の爆発をそらし、兵士たちの生存確率を高めるようデザインされていたからである。しかしながら、ブッシュの戦争の記録によると、ナミビアのゲリラたちはすぐにロケット駆動爆弾(RPG)を使うことでキャスパーの装甲を無化することになった。RPGは、方向を反らすことのできる下からの地雷爆破と違い、キャスパーの側面を貫通するからである。

南アフリカのキャスパー[10]と機能的にそっくりに作られた米軍のMRAPも、同様のデザイン上の欠陥を持っている:激しい戦闘地帯で巨大な標的として目立つのである。標準的なRPGが中にいる多数の人々に死をもたらしたとしても驚きではない。さらに悪いことに、米軍への敵意をますます強くするイラク人たちは、前世紀のナミビア・ゲリラの先を行き、高性能爆弾(EFP)を使っている。EFPは、鋳造金属の噴出により装甲を突き抜ける[11]。イラク人ゲリラたちのそうした力を知りながら、新たなMRAPは、イラクの爆発物が並ぶ道路や都市の渓谷のパトロールに用いられることになる。爆弾操作力を持ち、規模を拡大しているゲリラのネットワークを擁する何百万人もの人々の海の中に点在する米軍基地の要塞から要塞へと兵士たちをすばやく運ぶために。

これらのことを考えると、そもそも米国はどうして南アフリカのアパルトヘイト時代の用いられていた遺物を復活させようとするのだろうか? どうして、南アフリカで運の尽きた占領/対ゲリラ作戦の産物を[12]、イラクの危険な高速道路やスラムに徘徊させようとするのだろうか? 答えはみなさんにある。

戦争の犠牲者が増えていくことに辟易した人々が増え、米国議会は撤退を求める手紙や電話の圧力を受けている。これは、どれだけ人命が犠牲になり費用がかかっても充分な説明をすることなくイラクのますます数を増すゲリラと戦い続けたいと思っている者たちにとって憂慮すべき兆しである。MRAPは、撤退を送らせるために見せかけの苦痛軽減をはかるべくIEDに対する高価な対処法として、皆さんに向けて売りつけられているのである。

というのも、MRAPは生死の境にいる兵士たちに偽りの安全のオーラをまとわせるからである。そしてまたMRAPは、米国の反戦多数派を分断するための試みでもある。したがって、この「防衛」的なMRAPは実際にはみなさんの心を標的とした攻撃兵器であり、人々の恐怖と怒りに打ち勝つためにデザインされた技術的解決策なのである。危険のさなかに留まるよう命令を受けた軍にいる皆さんの友人のためでなく、苦境に立たされた政治家をかくまうための移動式防御壁となっているのである。


(私のコメント)
イラクにおける米軍車両からイラク戦争を分析して見ましたが、非装甲のハンビーから重装甲のMRAPに変更を余儀なくされている事は、南アフリカのゲリラ戦を連想させる。旧南アフリカ政府軍の用いていたキャスパーはMRAPと同じ兵器ですが、イラクでそれを使用する事はイラク人の反発を強めるだけであり、力で抑え込むことがいつまで出来るだろうか?

日本ではインド洋における給油法案で国会が揉めていますが、日本にとってもイラク戦争は他人事ではないのですが、日本のマスコミはイラク戦争に特派員も送らずにいる。だからネットでイラク戦争の状況を分析してみたのですが、アメリカ軍は点と線を守っているだけだ。その線にIED爆弾が仕掛けられて米軍兵士が戦死している。

小沢民主党はアフガニスタンの作戦に自衛隊を参加させようとしているが気が狂ったとしか言いようがない。アフガニスタンも戦況はイラクと変わらなくなってタリバンの反撃が強力になってきている。これはアメリカ政府の戦略が間違っているのであり、力でイラクやアフガニスタンを抑えることは不可能だ。




日本の特徴は、日本人自身に覇権(国際影響力)を持とうとする
意欲が全くないことである。覇権とは利権(金権)である。(田中 宇)


2007年10月26日 金曜日

「ポスト北京五輪」議論になにかが欠けていないか 10月25日 宮崎正弘

中国経済のバブル崩壊は、回避不能。ただ時間の問題で、共産党大会が終わったのでそろそろ異様な株価の暴落を含む、諸矛盾の爆発があるだろう。
北京五輪前にも中国経済が失速する恐れも高い、と著者は警告してきた。
 すこし、流れが変わった。

 第一。中国の株式市場の暴落はやや遠のいた。
 理由は、かなり簡単に説明できる。欧米投機筋が、サブプリイムを原因とする欧米市場の株式下落を嫌気して、ババ抜きのカードを中国へひかせようとしているからだ。
 中国にとっても、これは渡りに船となる。
たった一年間で、二倍以上のも膨れあがった上海株価の「高所恐怖症」は、誰でも判ることなのに、なぜ投機筋は資金を上海から引かないのか。
最後のゲームの鉄火場を、ここに選定しなおした節が濃厚である。
 したがって中国株は、絶頂を突くのに、もう暫し時間がかかるだろう。

 いずれ大滑降を演じるだろうが。。。

 第二。不動産暴落もやや遠のいた。
 この原因は複雑だが、初期の不動産投資は共産党幹部と、その子弟らが組んでの物件あさり。トウ小平の娘、李鵬の二人の息子らのスキャンダルの噂がつねにあった。香港の新空港建設は、中国返還前の出来事だったが、空港周辺の土地を買いあさっていたのは、これら共産党幹部筋のカネだった。
 不動産のダミー会社の責任者にトウ小平の長男が担がれたりした。

ブーム第一段階の後半におきたことは香港、台湾そして海外華僑らの積極的投資だった。
 デベロッパーはシンガポール、タイ、マレーシアからもやってきてデパート、ホテル、マンション群にショッピングモールをあちこちに林立させた。
 土地の収容は共産党の命令だから権力とデベロッパーとの癒着が産まれる。
 ここへ比較的廉価の物件に目を付けて香港の投資家が乱入した。
深センのマンションを片っ端から買って、週末別荘から、面倒くさい、通勤用にと利用し始める。
 毎日、深センから、香港へ逆通勤する人間の数、知ってますか。いまや三十万人!
 そして彼らが週末用に広州周辺の物件を買う。
中国の庶民は、まったく関係のない話だった。

 その前後から中国の実業家に「地産大王」なる、新しい階層が陸続と出現する。
 周正毅などが、その典型。フォーブスで一位となった26歳の女性も「不動産王」だった。

 周は、上海書記=陳良宇兄弟とがっしりと組んで長江周辺の開発業者のチャンピオンだった。しかし、陳の失脚前に逮捕起訴され、実業界からは姿を消した。

不動産ブームの中期は、台湾勢が主力で、社宅用、愛人用マンションを片っ端から買う。
福州、アモイ、福清などの物件があがった。しかも、長期的な値上がりがわかると、中国国内の金持ち、庶民でも海外の縁戚から資金を遅らせ物件を買った。
それでもこのころの上海は3LDKで、日本円600万円前後だった。

 ▼ 投機を沈静化する政策を、投機側が逆に読んで対応

投機が起こるのは2000年代からである。
過剰流動性と地下経済の暗躍という二つの要素によって過熱ブームは狂乱の事態をよぶ。
過去数年のブームは温州投機集団の大活躍が背景にある。
 温州商人は「中国のユダヤ人」(詳しくは拙著『出身地でわかる中国人』(PHP新書)。
カネにあかせて、山西省の炭坑を買い、旧満州のロシア国境にまで進出してデパートを建て、地方都市でマンション、別荘群の出物があるときけば、飛行機をチャーターして、鞄にキャッシュを詰め込んで嵐のようにやってきた。
 工事着工と同時に売り切れになる。
かれらが価格をつり上げ、地方によっては売り逃げ(上海、北京では売り逃げた)、そして、いま武漢とか、重慶とか、地方都市の発展急成長のスポットに集中投資している。
温州商人は土地の手当て、当局との折衝、着工、工事という複雑な行政との手続きを回避し、いきなり、それらの党幹部とのコネビジネスが終わった段階での物件を「西瓜を買うように、不動産投機をゲーム化した」(中国人エコノミスト)。

第三。しかしまだ暴落が起きない理由は?
 人民元との絡みが最も重要である。
 人民元の急騰シナリオも、やや遠のいた。
 ポールソン米財務長官が「中国の代理人」と陰口を叩かれるほどに、人民元切り上げ圧力を、中国人民銀行と組んでまでの阻止しているのは、人民元の人為的レートの維持こそは米中共通の利益だからだ。

 ましてやヒラリー上院議員は次期米国大統領に一番近い座に居るが「中国が今世紀最大のパートナー」と絶賛し、日本を軽視する外交論文を発表したばかり(『フォーリンアフェアーズ』、07年11月12月合併号)。

 とはいえ北京五輪は空気汚染、水不足、環境問題がすでに大爆発を起こしており、外国人選手は直前まで日本で練習し、前日に北京入りするなどの話がある。水はカナダから輸入し、料理は特別チームをつくる。
 北京ッ子の関心は、実は競技会そのものにはない。
首都圏の都市構造が瞬く間に改造され、五輪会場施設とその周辺のマンションが値上がり、また選手村が五輪がおわってマンションとして売却される。
その予約販売にも群がる。
 天津大開発が決まったので、関連物件に投資。ようするに五輪そのものにはナンの興味もないのである。

 この中国的ダイナミズムが正確に北京五輪に収斂されており、こうなると、五輪前の暴落は起こりにくいし、共産党指導部も五輪前に株式、不動産の崩壊は困ることになる。
 そもそも共産党の70%が、いまも株式投資に熱中している。幹部のあらかたは都市にマンションを何軒か保有している。

 そこで、中国は密かに米国と組んで、種々の政策をとった。
 人民元の安定、外貨預金の対外活用、外交のソフトポーズ、海外援助の開始と国連に軸足を大きく移す和平路線。人民解放軍のタカ派的な突出を制御する等の施策である。

▼ しかし、しかし。中国経済の大暴落は必ず起きる

 第一のシナリオはクラッシュを伴うハード・ランディングである。
 庶民は株価暴落に不満を高じさせている。貧富の格差是正はママならず、胡錦濤の呪文である「小康社会」「和諧社会」「科学的発展観」なるスローガンは胡乱に映る。

共産党は庶民の不満を反日にぶつけ、すり抜けるという常套手段を用いるだろう。日本企業の工場焼き討ち、日本人殺傷を含む、いやな事件の勃発が予測される。
 義和団事件の再来は、夢想でもあくむでもなく、現実のシナリオである。


 第二のシナリオは対蹠的なソフト・ランディングだが、これはあり得ない。
 「科学的発展観」(胡錦濤)と党の正しい指導を主軸の「三つの代表論」(江沢民などと抽象的論理は絵に描いた餅。
トウ小平の「白猫黒猫論」「先富論」は「改革開放」となって、庶民は高く評価したが、他方で農村の貧困も助長され、農民の反乱を招来させた。
 いつ、これが「太平天国の乱」の規模に拡大するか、だれも予測は不可能であろう。 

 「法治」と「民主」が徹底されない体制下では、マスコミの情報操作が有力だが、いまや中国庶民は携帯電話とインターネットという、過去の歴史になかった庶民の武器を得た。

 第三は『第二の天安門事件』が起き、その反作用としての民主化というシナリオ。
 だが、民主化ロシアでは強権的プーチン独裁が復活し、ウクライナ、グルジア、キルギスの民主化は、形骸化しつつあり、政権の転覆を伴わない限り、つまり易生革命がない限り、中国的価値観と伝統の環境ではおこりにくいのである。

 第四は、守旧派が捲土重来を帰しての権力掌握。そのために必要な措置をとる。
軍を動かすのである。求心力の魔術はナショナリズムに訴えて深刻な国内の事態をかわし、国民のエネルギーを別の方向へ転ずるのだ。つまり、対外矛盾への転化。
 それが台湾への武力行使である。

 もし、中国が軍事的行動にでると、西太平洋で米軍艦隊への封じ込め、在日米軍の抑制のために尖閣諸島から沖縄が焦臭くなるだろう。
それは第三次世界大戦への火蓋を切る懼れが大きく、楽観はひとつも許されないのだ。



(私のコメント)
ヒラリー大統領候補がヨーロッパや中南米やインドや中国との外交を重視する論文では意図的に日本との外交についてはほとんど触れられていない。つまり米中の連携で日本を押さえ込む事が米民主党の伝統的政策であり、日本から中国へ資本と技術の移転を図っている。マスコミをはじめとした中国投資キャンペーンはかなり長い間続けられている。

しかし一昨年の中国の反日デモなどで中国への投資熱は人件費の急上昇や元高などで中国への投資熱は冷めてきている。そこで安倍総理に中国訪問を促しましたが、国際金融資本にとっては日中が経済的には接近する事を望みながら、政治的軍事的には日中が接近する事はアメリカにとってはとんでもない事であり、アメリカの外交はねじれ状態だ。

だから小泉外交で靖国参拝で反日を煽りながら、経済的には日中関係が深まればどこもめでたしめでたしなのですが、反日デモで日本の商店がデモ隊に襲撃に遭うと戦前の記憶が甦って経済的にも冷え込んでしまう。中国が資本主義経済でありながら共産党一党独裁体制であることは矛盾しているのですが、国際金融資本にとっては儲かりさえすれば後はどうでもいいのだ。

今まではアメリカと国際金融資本を同一視してもほとんど問題は無かったのですが、中国に関してはアメリカという国家と国際金融資本とは利害が反している。中国を強化する事は潜在敵国を強化する事であり、このまま行けばアメリカは中国によって滅ぼされることも考えられるのですが、国際金融資本にとっては中国は絶好の投資先でありこれほど投資に適している国は無い。

中国は勤勉な13億の国民と広大な国土を持っている。そこへ技術と資本を投下すれば経済発展する可能性は高い。さらに共産党の独裁国家だから労働者を低賃金で酷使しても不満を国家権力で押さえ込む事ができる。中国もなりふり構わぬ経済発展を望んでおり国際金融資本との利害が完全に一致した。

同じような構造はアメリカとソ連との間にもあり、石油開発やフォードのトラクター工場などの例もあり、冷戦ととは言いながら経済交流はあった。しかし軍事力は中国より格段にあったから軍事的政治的対立の方がアメリカにとっては重要課題だった。中国も軍事大国化するにつれて経済よりも軍事的政治的対立は強くなる事は確実だ。

アメリカの思惑としては経済発展が進めば民主化が進むと言うプロパガンダが米民主党の主張ですが、アメリカ人は中国人をよく知らないからそのようなデタラメがまかり通る。ヒラリー・クリントンもその一人なのでしょうが、中国文化には民主主義を受け入れる土台が無い。香港やシンガポールのような都市国家や台湾のような小さな国でなければ民主主義が定着した歴史は無い。

ソ連崩壊で、ロシアも一時民主化が進んだ事もありましたが、結局は帝政ロシアに戻ってしまった。ロシアにしても中国にしても帝政国家の歴史しかないから、議会制民主主義など定着しようが無い。民主主義が定着するには被統治能力の高い国民で無ければうまくいかない。ロシア人や中国人は強権政治でなければ一つにまとまれないのだ。

歴史的に見れば世界帝国の覇権移動と、国際金融資本の移動とは重なり合っている。ヨーロッパの世界覇権は16世紀からスペインーオランダー大英帝国ーアメリカと覇権は移動しましたが、影には国際金融資本もくっついてきている。資本家も債権を回収するには武力がいる。だから世界一の軍事力を持った国家に国際金融資本は寄生する。

将来的には中国が再び世界帝国に復権する事が期待されている。大明帝国の時は世界一の大船団を持ちヨーロッパ人よりも早く世界一周航路を切り開いた。しかし突然大明帝国は鎖国してしまった。海洋民族としては国民気質が向いていなかったのだろう。中国沿岸には海洋民族はいても少し奥に入ればそこは大陸国家なのだ。

アメリカは世界最大の海軍国家であり、中国やロシアは世界最大の陸軍国家だ。そして戦略的資源をめぐって争奪戦が起きつつあるのであり、その点では米中の利害は衝突する事は免れることは出来ない。しかし熱戦が行なわれるのではなくソ連のように経済的破綻が起きたほうが崩壊して世界覇権は残った方が勝利する。

アメリカと中国とではどちらが先に経済破綻して没落するのだろうか? 国際金融資本はどのように見ているのだろうか? 為替相場から見ればドルは紙切れになりユーロが値上がりを続けている。つまりアメリカも中国も没落してEUが復権すると見ているのかもしれない。

アメリカはイラク戦争で敗北して経済破綻して世界の覇権はEUに復帰するのかもしれない。あるいは日本が軍事大国になれば日本が世界の覇権を持つことも考えられるが、日本人には世界を支配しようという大きな野望を持つような国民ではない。しかし条件的に見れば大英帝国が七つの海を支配できたのだから日本が出来ないわけはないのだ。問題は国民の覚悟にある。


中国の傘下に入るミャンマー  10月25日  田中 宇

 日本の特徴は、日本人自身に覇権(国際影響力)を持とうとする意欲が全くないことである。日本人は、覇権(国際影響力、国際貢献)について、大きな勘違いをしている。覇権とは利権(金権)であり、国家や国民を金持ちにするための対外影響力なのだが、日本では政府にも言論界にも「日本が世界で尊敬されるよう、国際貢献しよう」といった漠然とした概念があるだけで、利権と結びつけた発想が全くない。

 世界を見ると、米英仏中露など明白に覇権を気にする国々以外にも、ドイツや韓国、オーストラリアなど、覇権に対してひそやかな野心を抱く国が多い中で、日本は例外的に、覇権を希求する動きが全く存在しない。戦前の日本は野心的だったが、覇権を捨てた後の戦後の日本人は、覇権について理解する知力も失い、自分たちが覇権を求めないことの異例さも感じていない。覇権を知覚できないので、日本人は国際政治を理解できない。(これが「敗戦」の最大の意味かもしれない)

 日本人に覇権を忘れさせたのは、第二次大戦終結時の英米の戦略だったのかもしれないが、日本人は、その戦略にうまく適合しすぎて、覇権のことを忘れたまま、高度経済成長とその後の先進国としての生活を楽しみ、もはや覇権なしの国家体制の方が性に合っている。

 日本が覇権を求めないのは「平和主義」の具現化であり「悪い」ことではない。だが同時に日本は、アメリカがアジアの覇権を日本に渡したくても、それを拒否して、受動的な対米従属の状態だけを甘受したがっている。日本政府は、アメリカが中国に覇権を譲渡し(押しつけ)ているのを見て、対米従属が続けられなくなるので困ると思っているだろうが「その覇権、中国にやらず、俺たちによこせ」とは決して言わない。アメリカは、日本が固辞するので、仕方なく中国に覇権を委譲している。

 アメリカは、北朝鮮やミャンマーの問題で、日本政府に国際指導力を発揮してほしいはずだ。日本が中国と覇を競い、日中の良きライバル関係がアジアの国際政治ダイナミズムになれば、アメリカは安心してアジアの覇権を日中に譲渡できる。しかし、日本の決定的な野心の欠如(平和主義)が原因で、それは実現していない。どこかの国が覇権を担当しないと、世界は安定せず、平和も維持されない。今後のアジアの覇権は、中国が持つことになる。

 日本は、アジアが中国中心の覇権体制(冊封体制)にあった19世紀まで、冊封体制にほとんど入らず、おおむね孤立に近い状態にあった。元寇を例外として、中国は特に日本を自分の覇権下に置こうとはせず、各時代の日本の政権は、都合の良いときだけ中国に接近し、それ以外の時は中国と疎遠にして、孤立状態を享受していた。

 このような伝統的な日本の状態を考えると、アメリカがアジアから撤退し、新冊封体制とも言うべき中国の覇権体制が復活していく中で、日本が中国の覇権下に入らず、自ら孤立状態へと移行していくのは、自然なことであるとも思える。日本とは対照的に、朝鮮やミャンマーは、伝統的に冊封体制下の国であり、中国の覇権下に入るのが伝統的に自然である。





ヒラリーが対中関係を「今世紀における最も重要な2国間関係」
と大きく謳い上げたのだが、日本に関する言及は驚くほど少ない。


2007年10月25日 木曜日

日米関係は大丈夫か?(4) 10月24日 冷泉 彰彦

日米関係の距離を判断する材料として、日米と米中との比較論は避けられない。

 例えば、ビル・クリントン政権時代には、1995年に北京で行われた世界女性会議に当時はファーストレディーだったヒラリー・クリントンを派遣するなど、何かと米中が重視され、日米は軽視されるという印象論が横行した。

 特に98年には、大統領として訪中したビル・クリントンは中国には9日間滞在しながら日本を素通りして帰国している。日本の官邸は立ち寄りを要請したのだが無視された格好となり、これでは“ジャパン・パッシング”、日本素通りだというような愚痴も聞かれたものである。

対中重視を明確にしたヒラリー次期大統領候補

 2001年に就任したブッシュ大統領は共和党政権ということもあって、就任当初は海南島における米国の偵察機と中国空軍のトラブルなど、米中の間に互いの手の内を探り合うような緊張関係もあった。だが、これまで7年近くにわたるブッシュ政権を通じて、米中はじわじわと距離を縮めてきているように見える。

 世界の生産拠点として、米国はなりふり構わず中国に製造を委託していったし、自由貿易を基本として、大企業の収益向上をサポートするというブッシュの経済政策がそれを加速させていった。その結果として中国の経済は拡大を続けたが、それはそのまま米中経済の一体化が進むという結果となった。

 政治外交の面でも、ブッシュ政権は就任当初には考えられなかったような対中融和に転じている。対北朝鮮政策では敵視姿勢を弱めて、中国による実務的な対応を支持する方向に変わったし、国連加盟を口にする台湾に対する圧力のかけ方を見ていると、共和党にとって伝統的だった親台勢力はどこへ行ったのかという印象がある。

 大統領自身はダライ・ラマ14世との親密な関係を維持しているが、2007年10月の議会での名誉黄金勲章授与に際して、実は中国当局の怒りに対する細やかな気遣いを見せた。それもこれも、経済の結びつきが強まったからだと言えるだろう。

 そんな中、2006年の米国中間選挙では民主党が圧勝、議会では上下両院で多数を確保した。さらにヒラリー・クリントンが民主党の大統領候補選考レースで優位な戦いを進めており、民主党の大統領として「第2次クリントン政権」が誕生する可能性は相当にあると言ってよいだろう。

 ヒラリーは「フォーリン・アフェア」誌の11月/12月号で自身の外交政策論を発表している。「リーダーシップとはブレンドされた戦略を持つことだ」という宣言を掲げたこの論文では、対中関係を「今世紀における最も重要な2国間関係」と大きく謳い上げたのだが、日本に関する言及は驚くほど少ない。

古い友人だが、結局は理解し合えなかった?

では、再び“ジャパン・パッシング”が起きるのだろうか。さらに言えば、米中が手を組んで日本を軽視するような流れが米国にとっての「21世紀アジア外交」の主軸となるのだろうか。筆者は米国に流れる“空気”から、そうした可能性は無視できない水準にまで高まりつつあると感じている。

 まず、価値観の問題がある。一定の教育を受けた米国人の間では、「中国は独裁国家であり言論の自由がない」というのがベースの認識だと言っていいだろう。一方の日本は、アジアでは最も民主的な国家としてよく知られている。だが、ヒラリーに代表されるような民主党カルチャーからすると、日本の国内問題に対しては中国の問題ほど同情も興味もわかないのが実情だ。(後略)



日米関係を無視したヒラリー候補の外交政策 中国こそ最重要だと強調 10月18日 古森義久

アメリカ大統領選挙戦で民主党側のフロント・ランナー(先頭走者)となったヒラリー・クリントン上院議員が、大統領になったら、こういう外交政策を推進しますという意味の論文を外交雑誌に発表しました。
「21世紀の安全保障と機会」というタイトルの論文です。
大統領への展望を踏まえての外交政策発表ですから、当然、グローバルな視点からアメリカの対外政策のあり方を広範に論じています。
この種の包括的な論文を「では日本に対してはどうなのか」という角度だけからみることの偏りの危険は当然、あるでしょう。
だが、それでもなお日本側としては、ヒラリー女史の対日政策がどうなのかをみることは怠れません。アメリカにとって日本は超重要な同盟国のはずです。他の大統領候補も外交政策を語るなかでは、必ず日本との関係、日本との同盟を一つの主要案件として位置づけ、正面から論じています。

しかしこのヒラリー論文を読んで、びっくりしました。日本への正面からの言及がないのです。日米関係や日米同盟について、なにもないのです。日米関係はこの論文では無視されているのです。
他の問題が多々あるから、とか、日本が重要なことは言を待たないから、とか、あれこれ、口実はあるでしょう。
しかし私もアメリカの大統領選キャンペーンは何度もみて、多数の候補の政見も聞き、その外交政策にも耳を傾けてきましたが、日本をこれほどみごとに無視した政見発表はまずみた記憶がありません。
そもそもこの論文では「Japan」はただの二度しか出てきません。その二度とも、日米関係とか日米同盟という文脈ではなく、他の諸国、他の問題といっしょになった記述のなかに、ほんのつけたしとして、出てくるだけなのです。
さてその「日本」についてみましょう。

ヒラリー論文はほぼ終わりの部分で「同盟を強化する」という項を設け、まずヨーロッパとの関係の重要性を説きます。フランスドイツ、イギリスの新世代のリーダーたちに手を差し伸べ、米欧の関係を強化しよう、と述べています。
その次にアジアについて以下のように述べます。

「アジアでは、インドが発展するパワーとしても、また世界で最も人口の多い民主主義国家としても、特別な重要性を有する。私は上院のインド議員連盟の委員長として、インドの台頭によって供されるすばらしい機会と、地域的機関や国連のような国際的機関でインドに拡大された発言を促す必要性とを認識してきた。われわれは、オーストラリアインド、日本、そしてアメリカが対テロ闘争、グローバルな気候管理、グローバルなエネルギー供給の保護、グローバルは経済開発の深化などを含む相互に懸念を抱く諸問題に関して、協力をするための、さらなる方法を見出さねばならない」

日本は上記のように出てくるだけなのです。
そもそもヒラリー女史がアジアの部分で真っ先に名をあげるインドはアメリカの同盟国ではありません。それでも彼女がインドの重要性を力説するのは、上院議員としての地元のニューヨーク州には合計30万ともいわれるインド系米人が住んでいることが最大の理由だといえましょう。

ヒラリー女史はそのほかにもう一度だけ「日本」の名を出します。中国アメリカとのきずなの意義を説く際に、これまたほんのつけたしとして出てくるだけなのです。
その部分につながる「対中関係の最重視」の部分を紹介しましょう。

「われわれと中国との関係は今世紀の世界において最も重要な二国間関係である。アメリカ中国は非常に異なる価値観と政治システムを有しており、貿易から人権、宗教の自由、労働慣行、チベットまで、意見が根本から異なることは多いのだが、なお米中両国が歩調を合わせて達成できること、達成せねばならないことは多々ある。中国の支援は北朝鮮の核関連施設を無能力化する合意の成立に重要だった。われわれはこの枠組みを北東アジア安全保障の組織体の確立への構築していくべきだ」

中国との関係がアメリカにとっては21世紀の全世界で最重要だと明言するのです。そして「日本」がその中国のつけたしとして登場します。

「しかし中国の台頭は新たな挑戦をも生んでいる。中国人たちは自国の経済急成長がものすごい環境破壊の代償を払って、達成されていることをやっと悟るようになった。アメリカ中国と日本とともに、新しいクリーンなエネルギー資源を開発し、より大きいエネルギー効率化を促進し、気候変化と戦うための共同プログラムを請け負うべきだ」

ここでも「日本」は明らかな「つけたり」です。

日本が中国アメリカと共同のエネルギー開発のような作業を地元の東アジアで始めれば、いかにも日本こそが金銭的な貢献をとくにしたい、ということになるでしょう。
要するに「日本」はここでも末端での役割しか演じていません。

以上がヒラリー論文の日本やアジアに冠する最大量の紹介です。
日本は無視、といっても、そう外れてはいないのです。


(私のコメント)
アメリカの大統領選挙ではヒラリー・クリントンが独走態勢になりつつあります。オバマ候補は外交に弱いところを見せてしまった。選挙資金力もヒラリーが独走態勢でカネがものを言う大統領選挙ではオバマも巻き返すのは不可能だろう。どちらにしてもイラク戦争が続いている限り共和党が勝つ見込みは無く、民主党のヒラリーが大統領に選ばれるだろう。

しかしヒラリーが大統領に選ばれれば90年代の日米関係の再来になる事は必至だ。クリントン夫妻が中国びいきであり日本嫌いであることはビル・クリントン時代に十分わかっている。かなりのルートでチャイナマネーがヒラリーに渡っているのだろう。中国は賄賂政治が文化のような国だから、アメリカの大統領を金で買えればこれほど効率の良い投資は無い。

株式日記ではジャパンマネーでヒラリーを買収しろと主張してきましたが、日本にはそのような事が出来る工作機関がない。中国はやりたい放題出来るから、アメリカや日本のような民主主義国家はチャイナマネーで買収されやすい。FBIも目を光らせていますが大統領を買収してしまえばFBIは動けない。

ヒラリーの外交論文ではヨーロッパ諸国や中国との関係を強化する事を言っていますが、日本との関係についてはつけたし的に触れているだけだ。伝統的にアメリカの民主党の外交は中国重視日本軽視だったのですが、中国が人権無視で共産党一党独裁国家であることは民主党にとっては障害ではないのだろう。

もちろん政治的ポーズとしては人権問題などを非難はするが言葉だけだ。これはヒラリーに限らず共和党のブッシュ政権も中国に対しては対立路線よりも友好路線であり、ポールソン財務長官などは70回以上も中国を訪れた親中派であり、アメリカの連邦議会議員たちも年に百数十人も中国を訪れている。それに対して日本へは十数人が来日しただけだ。

このような状況になるものアメリカと中国との経済の繋がりが大きいからで、日本はその陰に隠れがちだ。経済的構図から見れば米中の経済同盟と日本とが対立している構図になる。軍事的には日米同盟が中国と対立している構図になっていますが、アメリカは軍事的競争関係にある中国を経済大国にしている事になる。

日本にとっては中国はすぐ隣の国で歴史的交流も長い。だから中国という国や国民性もよく分かっている。それに対してアメリカと中国の関係は、本格的交流は78年からの改革解放以来でアメリカ人は中国の事をよく分かっていないのだ。だから幻想的な中国イメージだけが先行している。しかし実際に利害が衝突し始めれば米中関係は決して楽観は出来ない。

来年は北京オリンピックが開催されますが、中国はこのような国際的行事をはじめて行ないますが、中国にとってイメージアップになるのだろうか? アメリカ大統領候補を金で買収工作してしまうくらいの国だから決して品行方正とはいえない。天安門事件から17年が過ぎていますが、オリンピックの機会を狙って暴動が起きるかもしれない。天安門事件もゴルバチョフが中国訪問する機会を狙って起こされた。

このような政治的不安定さと、中国のナショナリズムが反米に向かった時に、米民主党やヒラリ−次期大統領はどのように対処するのだろうか? 国際金融資本も中国に莫大な経済的投資を行なったが、はたして最後まで上手く行くとは思えない。他のアジア諸国に対したように債権を回収しようとしても、中国は軍事的大国になりつつあるので軍事力で回収しようとしても上手くいかない。

日本企業は中国に投資はしても何度も煮え湯を飲まされて泣きを見てきましたが、アメリカは上手くやるだろうか? 90年代と現在とでは日米関係も米中関係もかなり変わってきている。中国は対米黒字第一位であり、ロシアとも上海協力機構で同盟を組み、アメリカにとって中国はかなり手強い国になったのですが、米民主党はいまだに一昔前の幻想にとらわれているのだ。




年次改革要望書がマスメディアでタブーであるということは、日本が
アメリカに政治的にも心理的にも隷従していることの証拠に見えます。


2007年10月24日 水曜日

光明が見えてきた「新自由主義」との戦い 10月24日 きまぐれな日々

これまで何度か書いたように、私はサッチャーもレーガンも中曽根も、政権発足当時から嫌いだった。だが、当時はまだインターネットもなかったし、私自身も親のスネをかじる年代だった。

その後社会に出て、何のメリットも実感できなかったバブル時代を経て、バブル崩壊期に新自由主義が恐ろしい牙を剥き始めた頃になって、それにうすうすと疑問を感じながらも、日本経済新聞をとり、主流になってきた思潮を取り入れようとしたが、どうしても強い抵抗感なしには記事を読めなかった。

1998年頃になると、グローバリズムの弊害を説く書物が出版されるようになり、岩波新書まで反米ナショナリズムの影響が見られるようになって少々驚いたが、それまで半ば諦め気味に受け入れようとしていた、当時主流の経済学者たちの物言いに反対する論理を少しずつ知るようになり、それまで漠然としか頭になかった「反新自由主義」の考え方を体系立てようと思うようになった。

しかし、そこからが新自由主義との戦いの本番だった。私は実生活を通じて、新自由主義と戦おうとしたが、なかなか思うようにはいかなかった。そうこうしているうちに、コイズミ政権が発足し、日本人の多くが新自由主義に感化された。この頃にはずいぶん孤立感を感じたものだ。

とりわけ、2005年はひどかった。国民が「コイズミカイカク」を手放しで礼賛し、民主党にはコイズミ以上に過激な新自由主義路線を志向する前原体制が発足した。前原民主党は当初「対案路線」をとり、コイズミ自民党と「カイカク」の速度を競うはずだった。

ところが、歴史はそこから急激に転換する。同年11月に明るみに出た耐震強度偽装問題と翌年初めのライブドア事件。私は、これらはいずれも新自由主義の抱える問題点が噴出した事件だと考えているが、この問題によって民主党は「対案路線」から自民党との「対決路線」に方向転換せざるを得なくなり、内心と異なる方向性で動いていた前原体制は、「偽メール事件」で崩壊してしまう。

あとを受けた小沢一郎は、かつてもっとも過激な新自由主義のプレーヤーだと思われていたのだが、小沢率いる自由党が民主党と合流した最初から、社民主義寄りに転向していた。そして、小沢が代表になると、民主党の経済政策を方向転換させ、これが今年の参院選での民主党圧勝につながった。

ほぼ毎日ブログを更新し、リアルでつらい仕事をこなしていると、なかなか世の中の流れが実感できないのだが、ネット検索で経済問題が論じられた過去の記事に行き当たると、新自由主義がもっとも国民の支持を集めていた頃と現在では、ずいぶん「反新自由主義」が国民の間で広がってきたことを感じる。 (中略)

現実には、社民党も共産党も生活問題より「9条護憲」のイデオロギーを重視して、参院選で敗北してしまった。両党は、「9条護憲」とともに「25条護憲」にも力を入れてほしいと思う。しかし、とにもかくにも民主党が方向転換して参院選で勝利し、さとう記者の言う「日本の国民の利益を考えた新しい福祉国家」への道は開かれたと思う。国民は、コイズミ政権は、勝手にコイズミが総理大臣を辞めたので実現できなかったが、コイズミの経済政策を継承した安倍晋三内閣を打倒したのである。

もう一つ、感慨を禁じえなかった記事が、「Munchener Brucke」「ネオリベからの開放未だ途上」 で、「ただ新自由主義支持は根強い。企業経営者がや都市部のエリートビジネスマン層は新自由主義を信奉するのは止むを得ないと考えてしまっては負けだ」として、今後まだまだ困難な戦いが続くと展望する記事だが、無論それはその通りだが、あのコイズミ自民党圧勝、民主党前原体制発足という絶望的な状況から、よくぞここまで盛り返してきたなあというのが正直な感想だ。

光の見えない戦いほど人心を暗くするものはないが、いまや光明ははっきり見えてきたと思う。


年次規制改革要望書がマスメディアでタブーであるということは、日本がアメリカに政治的にも心理的にも隷従していることの証拠に見えます。 10月24日 村野瀬玲奈の秘書課広報室

今年の日米年次規制改革要望書(2007年10月18日付け)が発表されたのに、マスメディアでは全くといっていいほど報道されません。

ということを何人かのブロガーやコメンテーターの方々と言い続けてはや5日。

「年次改革要望書」の公式的で中立的説明は、Wikipediaを引用するなら、「日本政府と米国政府が両国の経済発展のために改善が必要と考える相手国の規制や制度の問題点についてまとめた文書」となります。しかし、その中身や運用や決定の過程を見ると、個々の項目だけとって見ればもっともに見えることもないではありませんが、実質的にアメリカがアメリカ政府およびアメリカ企業の利益を日本で実現するための要求であることがわかってきます。

すでに指摘されていることとして、要求を表す言葉としてはかなり強い、"urge"という単語でアメリカから日本への要求を記述していること。

"urge"という語の定義は、
To force or drive forward or onward; impel.
To entreat earnestly and often repeatedly; exhort.
というように、「力ずくで前にすすめる」とか「真剣に、しばしば繰り返して求める」という意味合いです。私がこの"urge"という言葉を自分の書いた英文の中で使ったのは、「平穏に言論の自由を行使しただけの政治犯の釈放や公正な裁判をするように『求める』」アピール文を、人権侵害をおこなっているどこかの国の政府機関に対して送ったときだけです。

それに対して、同義語はといえば、
"request"
To express a desire for; ask for.(欲求を表現する)

"demand"
To ask for urgently or peremptorily(急いで頼む);
To claim as just or due(義務を果たすように求める)
というように、使われ方が違いますね。

単なる言葉の選択ともいえるのかもしれませんが、象徴的にアメリカの高圧的姿勢を示していると私は受け取ります。

また、日本からアメリカへの要求事項(日本の外務省のHPにある)とアメリカら日本への要求事項(アメリカ合衆国通商代表部のHPにある)とをくらべると見えてくる、日米の力関係の不均衡。というか、日本がアメリカに要求していることは細かいことであるのに対してアメリカから日本に要求してくることは重大なことであるという、その非対称性。アメリカは郵便局を民営化などしていないのに日本には完全民営化を要求する。日本は、郵政会社における日本側の持ち株比率をが50%超にすることを規定もせずに、つまりアメリカの要求どおりに、郵政民営化法を成立させてしまった。つまり、日本の郵便貯金の経営権を外国企業が握ることが可能になっています。日本をアメリカに切り売りする政策だと言われるゆえんです。

そのほかには、弁護士関連の項目でも、ヤメ蚊さんがそれを指摘していますね。

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
年次改革要望書、弁護士部分で日米の要望事項を比較してみると…おいしいところは米国へ?
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/a9ff922753d380e9603e65cbd3aef601


そして、改革要望書の現物を読んでみればわかりますが、アメリカが日本に要求していることのなんとまあ網羅的で徹底的なこと。「共済」という日本語がそのまま使われ、そんなところまでカイカクを要求しています。日本の最深部まで手を突っ込んで日本を作り変えようとしているのですね。量といい内容といい、読んでいてうんざりしてきます。

これらすべて、アメリカ政府とアメリカ企業がアメリカ側にだけ都合のいいように日本で商売をしやすくするための地ならし。「日本の消費者のため」というような言葉が規制改革要望書の中で繰り返されますが、数行読み進むたびにそれを裏切るような要求事項が出てくるように思えるのは私の気のせいでしょうか?


私も2005年の小泉の郵政カイカク選挙で規制改革要望書のことははじめて聞いたくちですので、えらそうに言うことはできませんが、過ちを正すのに遅すぎるということはありません。(2005年の衆院選では自公に投票しなかったのがせめてもの慰めです...。)


この規制改革要望書のことが密かに注目されているかといえば、私が「今年の日米年次規制改革要望書(2007年10月18日付け)が発表されました」の記事をあげてからここ数日、郵政民営化や規制改革要望書に関するキーワード検索で私のブログに来た人はそんなにいないのが残念ながら現状です。(神州の泉さんやとむ丸さんやRolling Beanさんや喜八さんはどうでしょう?)大手マスメディアで取り上げられなければ誰も関心を持たない、それが現状のようです。

ですから、この件について記事を書いた方々はできるだけ多くトラックバックを送り、国会議員(特に郵政民営化凍結に熱心な国民新党と、野党第一党の民主党)やマスメディアにこの件を訴えるようにする必要があるように思われます。 (後略)


(私のコメント)
「株式日記」では小泉内閣発足当初から構造改革を批判してきましたが、今回の参院選挙で自民党が大敗した事でようやく構造改革路線も見直しの機運が高まってきたようです。構造改革して規制の緩和が進めば一部は活性化しますが、その歪が出てくる。郵政の民営化も公共的サービスの切り捨てになり、1000もの郵便局が廃止されて地方ではサービスが受けられなくなる。

しかし小泉構造改革フィーバーが吹き荒れた当時は、経済政策を批判しても全く注目されず、政治家達は内閣支持率の高さに惑わされて構造改革路線を突っ走ってしまった。亀井前政調会長などが小泉改革路線を批判しても抵抗勢力のレッテルを張られて、しまいには自民党から放り出されてしまった。

小泉構造改革の正体は、アメリカから突きつけられた「年次改革要望書」そのものなのですが、役人達もマスコミも「年次改革要望書」の存在を隠し続けた。10月18日にアメリカから今年の「年次改革要望書」が発表されたのですが、日本のマスコミはほとんど報道していない。日本は戦後から現在に至るまで目に見えない報道管制が引かれている。

「株式日記」でも「年次改革要望書」に対して内政干渉だと批判してきましたが、日本は独立国ではなくアメリカの植民地である実態が見えてきます。一説には日本の役人達がアメリカを使って「年次改革要望書」に盛り込んでいると言う噂もありますが、役人達は日本国民に使えているのではなくてアメリカ政府に仕えているといった方がいい。

日本の中央官庁から親米派とチャイナスクールを排除したら誰もいなくなってしまうような状況だから、役人達を攻撃しても埒が開かない。バブル前は大蔵省などに骨のある官僚もいたのですが、CIAによってスキャンダルを暴かれて大蔵省や通産省は解体されて今は存在していない。アメリカに忠実だった外務省だけが無傷で残っている。

政界も同じようなものであり、国会から親米派と親中派を取り除いたら陣笠議員しか残らない。日本の国益第一主義で政治が行なわれていれば、バブルの発生や崩壊はなかったはずだ。日本の国益からすれば景気を回復させていって、徐々に金利を上げていくべきなのですが、政府日銀はアメリカの経済状況を慮って金利を上げないでいるが、彼らは日本経済よりもアメリカ経済のほうが心配なのだ。

だから日本経済の景気をよくしようと思えば減税して財政を出動させれば回復することは分かっているのですが、金利を上げさせない為にわざと不景気になるような消費税の引き上げや増税を打ち出して景気回復するのを押さえ込んでいる。そうしないと日本のマネーがアメリカに流れないからだ。いま日銀が1,2%の金利を引き上げれば円キャリマネーは逆流してアメリカはクラッシュするだろう。

だからこそ日本はアメリカに対してイラクから引き上げるべきだと強く言えるはずなのですが、テロ特措法延長でドタバタしている様子を見ると日本の政治家の腰抜け振りが情けない。日本国民がこのような実態にもっと怒りを感じて選挙で意思表示をすべきなのですが、マスコミが「年次改革要望書」の存在を報道しないから分からないのだ。

テレビでは朝青龍に始まって沢尻エリカや亀田一家の話題で持ちきりですが、このようにして日本国民はテレビのワイドショーに洗脳されて馬鹿になっていく。一種の愚民化政策ですが、役人達は国民が馬鹿であってくれた方が、天下りやり放題で役人天国が続く。だからこそ株式日記では政府を批判し役所を批判し続けているのですが、ネットの影響力はテレビに及ばない。

日本がアメリカからの内政干渉を防ぐには、日本から外国の軍事基地が無くならない限り、毎年アメリカから「年次改革要望書」が突きつけられて、アメリカに都合の良いようにされていく。日本の円がプラザ合意で240円から120円にまで切り上げさせられたのに、アメリカは中国に対しては元の切り上げ要求は小さい。中国にはアメリカの軍事基地はないから平気なのだ。



小沢も結局はアメリカの使い走りだ!

【政治】 民主・小沢氏 「農業の輸入規制、撤廃すべきだ」…農家への戸別所得補償制度の財源に関して発言
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1193191345/l50
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/56647.html

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潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が、国連の主要なポストに
韓国人を起用していることから内部での反発が相次いでいる。


2007年10月23日 火曜日

主要ポストに韓国人起用、国連内で反発相次ぐ=米紙 10月22日 朝鮮日報

1月に就任した潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が、国連の主要なポストに韓国人を起用していることから内部での反発が相次いでいるとワシントン・ポスト電子版が21日付で報じた。最近コートジボワール特使に任命されたチェ・ヨンジン前国連大使ら韓国出身の国連幹部が増えているのは、国際的な外交の舞台で韓国の立場が強まっている証拠でもあるが、一部の職員や外交官たちは韓国政府の利益を優先しているとの印象を受けているというのだ。

 オーストリアのクルト・ワルトハイム氏やエジプトのブトロス・ガリ氏ら以前の事務総長を輩出した国の外務省は、側近や実務担当者を自国から派遣した。しかし潘事務総長は、事実上のナンバー2とされているキム・ウォンス総長特補、ハン・スンス気候変動特使を初めとして主な部署の管理職に韓国人を重用し、指揮系統に混乱をきたしているというのだ。

 これらの主張に対して潘事務総長は先週、「(批判は)非常に不当だ」と3回も強調し、「あえて韓国と距離を置くために努力してきた」と反論した。実際に潘事務総長就任後、国連内の韓国人は54人から66人へと増加したが、国連への財政支援がはるかに少ないフィリピン人職員の759人に比べると非常に少ない数だ。

李泰勲(イ・テフン)記者


「在日は武器」-面接で靖国や独島の質問答えて内定
就職戦線が間もなくスタートする。「国籍の壁」もいまや能力重視に変わりつつあり、「在日」であることが逆に強みを発揮する時代になってきた。株式会社TBSテレビと大手商社に内定した在日3世は2人とも亥年生まれの和歌山育ち。くしくも生年月日もまったく同じだ。「猪突猛進、自信を持ってチャレンジを」とエールを送る。 民潭ホームページより


日本人に対する「差別」撤廃を! 1月14日 博士の独り言

「在日は武器」-TBSに内定

 公正と中立。その社会的立場を遵守すべきメディアがおかしい。その中でも、TBS(毎日系)の報道が際立って偏向している。まるで、中韓の出張メディアのようだ。そうした読者の声をインラインで数多くいただくようになった。

 偏向放送が増える理由は、その制作に携わる人物に偏向した輩が増えているからだ。その中に、創価学会の隠れ信者や国籍を持たない恨みの民族が増殖する。まともな放送が出来なくなるはずだ。有意な放送をもって刻々と社会に貢献する。メディアに携わる者が持つべきその基本姿勢は無い。ひたすら自らが所属する組織の権益、利害を守るための「社員」でしかない。

 かねてより、TBSに「在日採用枠」がある、との情報を読者からいただいていた。それは、表向きの社内人事制度の中の「採用枠」というよりは、「コネ」「縁故採用」に近い「同志、同胞の増殖」のための見えざる流れ、と指摘してよい。つまり「枠」ならば人数制限があるが、「見えざる流れ」には制限がない。こうした流れを放置し続ければ、この先、臨界点を超えた時点で、危険な宗教の信者や国籍を持たない「社員」によって、TBSが占拠されてしまった、との事態を招きかねない。

 上記の民潭記事(ちなみに、この記事は民潭が自ら削除したのかもしれず、現在は表示できなくなっている)は、その一端を示す証左である。採用側の人物も彼らの同胞であろう。TBSと同様の傾向は、他のメディアにも観られる。忌むべき事態である。ここは日本だ。企業経営者や責任者がこの流れを容認すること自体、真正の日本人学生の就職活動の妨げであり、国籍を持つ日本人に対する明らかな「差別」である!
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各界に広がる在日半島人による侵蝕

 半島勢力を日本国内へと誘導する。この流れの背景には、あの公明党らが制定に躍起になった「個人情報保護法」がある。この個人情報保護法の制定により、企業の採用活動には暗幕が降ろされることになった。出自や宗教、思想信条など、それらの事項を採用判断に取り込めなくなったのである。 (後略)


(私のコメント)
パン・ギブン国連事務総長が要職に韓国人を登用して国連内部では反発が広まっているようです。このようなニュースを目にすると国連と日本とがダブって見えてきてしょうがない。福田内閣の登場と共に外国人参政権が蒸し返されようとしていますが、在日韓国人朝鮮人に地方参政権が認められれば、彼らはその特権をフルに使って地方行政に影響力を広げていく事でしょう。

韓国人にとっては地縁血縁で登用することは歴史的文化なのであり、それが現代においてもコネという形で生きている。それが国連と言う国際社会でも生かされるとなると反発が起きるのは当然だろう。日本においても在日韓国人が一つの塊となって日本社会になかなか溶け込まないのも地縁血縁が邪魔をしているからだ。

「株式日記」でも「TBSは採用枠に“在日枠”が密かに設けられた。2006年8月11日」と書きましたが、採用枠と言うよりもコネといったほうがいいのでしょう。そして在日がTBSで主要幹部になれば地縁血縁で在日がコネで優先的に採用されている実態があるのではないか? だから日本のニュース報道では在日韓国人犯罪などで本名が隠されて通名で報道されたりする。

北朝鮮による拉致問題が長い事報道されなかったのも、日本のマスコミの中に在日勢力がかなり大きな勢力になっているからだろう。人数的には少なくても要職に在日が就けば影響力は大きくなる。報道局が国際的な陣容になる事は言葉や文化の点で理解を深める事は必要ですが、特定国に偏った編成で報道される事になると問題が出てくる。

亀田問題をはじめとしてTBSには不祥事が続発していますが、コネ採用など好ましからざる風習がTBSを腐らせているのだろう。それと同じようなことが国連でも起きようとしている。なぜパン・ギブン氏が国連事務総長に選ばれたのかと言うと、各国へのワイロ作戦が功をそうしたためだ。ワイロも韓国の歴史的文化でありワイロが犯罪という意識は彼らには無い。

国連と言う国際組織で、韓国と北朝鮮と二つに分断された国家の片方から国連の事務総長が選ばれる事自体がおかしな現象ですが、賄賂や女で各国代表を手なずけたのだろう。ノーベル平和賞も金で買うくらいの国だから、カネで国連事務総長の座を手に入れたのも彼らの歴史文化から見れば当たり前のことなのだ。


英メディア「韓国は国連事務総長職を金で買っている」 2006年9月30日 朝鮮日報

韓国政府が、次期国連事務総長選挙に出馬した潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官を当選させるため、国連安全保障理事会の加盟国を対象に数百万ドルの援助を約束するなど金品攻勢をかけていると、英国のザ・タイムズ紙インターネット版が29日に報じた。

 米国のワシントン・ポスト紙も「“世界11位の経済大国である韓国は、自国の経済力を潘長官に対する支持確保のために使っている”と、潘長官のライバルたちは不平をもらしている」と伝えた。

 ザ・タイムズ紙はこの内容をインターネット版のトップ記事として扱い、「韓国政府が国連事務総長の職を金で買おうとしている」という見出しのほか、「アナン事務総長の後継者争い、資金援助がかなめ」という副題を付けるなど、まるで韓国政府が不正行為をしているかのように報じた。(後略)



(私のコメント)
民主党の小沢代表は国連中心主義的な政策をとっていますが、国連と言う組織が賄賂で腐りきった組織である事を知っているのだろうか? またそのような組織だからこそ韓国のパン・ギブン氏が国連事務総長になれたのであり、様々な国際スポーツ団体の要職なども金で買っているようだ。

日本が国連で影が薄く国際的な団体の要職が少ないのも賄賂を使ってまで団体の役員にはならないからだ。韓国の賄賂文化は2002年のワールドカップで審判を買収した事でよく分かったかと思いますが、韓国人には賄賂は悪だという意識が無い。だから朝鮮総連が賄賂を使って日本の政治家を取り込むこともよくあるようだ。

もし彼らに外国人参政権が与えられれば、彼らによって地方の行政府の長が選ばれて賄賂と地縁血縁で公務員も採用されてコネが幅を利かす社会がやってくる。韓国とはそういう社会文化だからだ。


韓国の歴史的社会文化構造 中嶋経営科学研究所 所長 中嶋 隆

この韓国人の血縁関係と一族意識が、韓国人の政治や企業経営、教育に対する意識にも大きな影響を与えている。国会議員の選挙も数十万人、数百万人の一族が当選に大きく影響する。自分がどの氏族に属するかで、どれだけの得票が見込めるか分かり当選が決まる。企業での採用も同族優遇はあたりまえのことである。社長の一族というだけで、社内における立場や昇進は大きく変わる。

そして、日本人と大きく異なるのは教育における韓国人の歴史認識である。小学校の頃から歴史の時間には、多くの子供達の祖先が登場して話題となる。韓国の学校における歴史教育は、祖先の歴史を学ぶ教育なのである。韓国人は歴史を学ぶことで、祖先を知り現在の自分の存在を認識していく。現在の自分のアイデンティティを確認することが韓国人にとっての歴史なのである。

また、大学に進学し地方から上京した血縁の一族と知り合えば、その時点で他人ではない関係になる。昨日まで知らない人間同士であっても、血縁の一族と分かるや否や、まるで兄弟のような関係が成立する。また、どんなに親しくなっても、お互いに同族であり婚姻や恋愛関係が成立しない前提の常識では、大学で知り合った同族の男女が、一緒に旅行に行き、同室に泊まることもあたりまえのこととなる。

韓国では、就職や結婚、友人関係に至るまで、人生がすべて血縁に影響される。社会の様々な集団や組織において、血縁の関係は優位に立つ重要な要素であり、昇進や人事といったことから、個人の意識や人間関係を決定する重要な要因にもなっている。当然、ビジネスにおける取引関係や信用も血縁に大きく影響される。同族であることがビジネスにおいても重要な成功要因となるのである。




トヨタ自動車の欠陥車の爆発的増加はアメリカ式経営が原因だ
非熟練者が増え、コストダウンを進め、結果的に品質が低下した


2007年10月22日 月曜日

トヨタ・クラウンなど48万台リコール 10月17日 朝日新聞

トヨタは17日、(1)クラウンなど8車種約27万7000台(99年9月〜04年10月製造)、(2)シエンタなど4車種約12万台(03年9月〜05年2月同)、(3)bB約7万4000台(06年1月〜07年3月同)について、それぞれリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届けた。

 同省によると、(1)はエンジンの燃料装置で圧力を一定に保つためのゴム製素材が摩耗したり、配管の一部が腐食したりして燃料が漏れる、(2)は燃料タンク内のモーターのコイルがショートしてエンジンがかからなくなる、(3)はハンドルの動きを車輪側へ伝える連結部のボルトがゆるみ、ハンドルが機能しなくなる――おそれがあるという。

 また(3)については、ダイハツのクー約9000台(06年4月〜07年3月同)にも同じ部品が使われているため、同社が同様にリコールを届け出た。



トヨタ リコール 成長のツケ 2006/5/17 J−CAST ニュース

「戦争で言うならば兵站が伸びきっている」

「このままでは高品質で売ってきた“トヨタ神話”が崩壊する」という声が業界では出ている。自動車業界記者は「トヨタ社内では、今後深刻な問題に発展しそうだとして、対策にあわてている」と話す。
   リコールが続く要因について、同記者は「急激な生産拡大」を第一に挙げている。この1年でグループ全体の生産台数が世界で60万台増えた。この台数は富士重工の1社分の生産にあたる。「人材不足で、しかも現場では非熟練者が増えた。戦争で言うならば兵站が伸びきっている」と指摘する。さらに、「コストダウンを進め、結果的に品質が低下した、ことも否定できない、とし深刻な反省が必要だという声が社内に出ている」と明かす。


「自動車の販売減少」について 10月22日 ニュースと感想

自動車の販売台数がどんどん減少している。ここのところずっと前年割れ。しかも、5%〜10%もの大幅減。
 では、その理由は? 読売の記者の見解では、次の通り。
 「自動車の魅力がなくなっているから、自動車が売れない。ITは進歩しているのに、自動車はあまり進歩しない。もっと自動車の魅力が増すようにすればいい」
 (読売・朝刊・経済面 2007-10-21 )

 馬鹿げた話。個別の企業についてなら、「自社商品の魅力を増せばいい」と言える。しかし業界全体については、同じことは言えない。そもそも、自動車に限らず、あらゆる商品が売れなくなってきている。そういう本質を見失うようでは駄目だ。
 思う出すといい。バブル期には自動車はどんどん売れた。なぜか? 自動車の魅力が増したからか? 違う。あらゆる商品がバンバン売れた時代だったからだ。個別の商品の魅力とは関係がない。……こういうふうに理解するのが、経済学的認識だ。
 では、どう考えればいいか? 

 (1) 少子高齢化
 第一に、少子高齢化がある。若者人口が減って、高齢者人口が増えてきている。免許を新たに取得する人口は少し増えるだけだが、自動車運転をやめる高齢者がどんどん増えてきている。
 要するに、自動車を買う人口の総数が減ってきている。これでは、売れ行きが減るのは当然だ。
 なおかつ売れ行きを増やしたければ、国民の所得を増やすしかない。(それなら売れる。)

 (2) 不景気
 では、国民の所得は増えるか? いや、増えるどころか、減ってきている。若年層では、ワーキングプアのような人々が増えている。つまり、
 「車を買いたくても、買う金がない」
 のだ。これこそが問題の本質だ。

 この本質を見失って、「自動車の魅力を増せ」と述べても、何の意味もない。スカイラインクーペや、GTRは、とても魅力があるが、買いたくても買えない。前者は 400万円で、後者は 800万円(かつ維持費が毎年 100万円)だ。普通の若者に返るわけがないでしょう。年収 200万円がざらなのに。
 年収 200万円の若者に、魅力満点の自動車を見せつけても、自動車が売れるようになるのではなく、人々の飢餓感や不満が増えるだけだ。むしろ、そんなことはしない方が、世のため・人のためだ。

 結論
 「品物が売れるためには、供給の側が努力すればいい」
 と思うのは、浅はかである。それは企業の論理(供給側の論理)であって、経済の論理(需要と供給の論理)ではない。
 問題の根源が需要の側にあるときに、供給の側がいくら努力しても、何の意味もないのだ。
 ここで、トヨタなどがなすべきこととがあるとしたら、ただ一つ。次のことだ。
 「労働者の給料を増やして、総需要を増加させる」
 しかし現実には、逆のことをやっている。自分の企業利益を増やすために、労働者の賃金を切り下げている。これでは、お客となって勝ってくれる人の所得が減るばかりだ。

 つまり、自動車が売れない本当の理由は、トヨタなどが給料を上げないでいることなのだ。自動車会社は、自分で自分の首を絞めているのである。
 このことを指摘するのが、経済学というものだ。
 ひるがえって、「自動車の魅力を増しなさい」「生産性を上げなさい」などと述べるのでは、人々を不幸にするだけだ。経済学者のやることではなく、経済学者のフリをする悪魔のやることだ。


(私のコメント)
日本経済が抱えている問題点をトヨタ自動車に例をとれば分かりやすいと思う。行きすぎたコストダウンが部品の信頼性を低下させて、従業員の未熟練化が進んだ事で欠陥車を爆発的に増大させている。部品の信頼性が低下したのはアメリカや中国に部品工場を展開させて、国内においても過酷なコストダウンが欠陥部品を生んでいる。

トヨタ自動車本体や系列化の子会社では利益が増大しているにもかかわらず賃上げは低く、非正規社員の増加が組み立てや欠陥部品を生んでいるのだ。輸出企業全体でもユーロ高などで笑いが止まらないほど儲けているのに従業員の給与は上がらなかった。上がったのは役員などの報酬などで所得格差が広がっている。これは従業員のモラルの低下を招く。

確かにミクロ経済で見ればトヨタ自動車で従業員の低賃金化を続ければ会社の利益は増える。しかし低賃金で働く多くの従業員は自動車を買うことが出来ずに、マクロ経済から見れば正しい経営方法ではない。労働組合の賃上げストはもはや死語になってしまった。「ストをすればトヨタ自動車は中国に移転する」と脅せば組合はストを自粛せざるを得ない。

グローバル経済が進んで日本企業は猫も杓子も中国に進出して国内工場をたたんできた。しかし中国も国内開発を優先する為には元を切り上げて行かなければならないし、従業員の賃金もうなぎのぼりに上がってきている。もはや中国に進出してもコスト削減にはならないのですが、こうなる事は株式日記でも何度も書いてきた。

トヨタ自動車の車種の中には中国製のエンジンが積まれているものがある。このように中国製やアメリカ製の部品が使われるようになれば、生産性は上がるが製品の信頼性は落ちる事になる。一昔前のトヨタの自動車は高品質で売れてきたのですが、最近は欠陥車のリコールが爆発的に増えている。しかしテレビなどではこのようなニュースは報道されない。

日本では構造改革と称して規制緩和が行きすぎて、従業員を対象としたリストラが進んだ。国際競争力をつけるためには当然の政策ですが、利益が上がっているにもかかわらず従業員へ所得が転移せず役員報酬や株式配当に使われるようになりました。アメリカ式の経営手法が日本企業でも実践されて従業員のリストラが進むようになりました。

しかし非正社員化も裏目に出てきて、景気が拡大してくると熟練労働者の人材不足が露呈してトヨタ自動車のような欠陥車続発を起こす事になる。キャノンなども偽装請負などで非正社員化が進んで業績は好調なようですが、トヨタのような欠陥商品を続発させる基盤は出来ている。確かに正社員より派遣社員や請負社員の方がリストラしやすいが質は必ず低下する。

アメリカのような新自由主義経済を真似たのではアメリカのように生産の空洞化を招くだけであり、情報産業や金融産業だけでは一国の経済は成り立たない。ドルをいくら切り下げても海外に出た工場はアメリカ国内には戻らないし戻れない。なぜなのだろう? 

アメリカでは中国製品なしには生活が出来ない。しかし中国製品への信頼は低下してきている。熟練労働者はいったん消滅すると再生する事は困難なのかもしれない。アメリカにしても中国にしても熟練労働者を養成する風土に向いていないからだろう。労働者の流動性が激しいからだ。中国では1円でも給料が高いと他の工場に移ってしまう。日本にこのような風潮が出来たら元に戻る事はないだろう。


日本はあくまでも生産工場は国内に止めておくべきだろう。そうしないとアメリカの二の舞いになるだけだ。品質で勝負すれば日本製品は世界に勝ことが出来る。トヨタやキャノンはどちらの道を選択するのだろう。欠陥車の大量リコールはトヨタにとっては悪しきグローバル経営の警告にもなっている。


製造業の設備投資は国内回帰、品質向上目指しベテラン技術者求人急増! リクルート

求人急増のいちばんの理由は、やはり企業が「品質とサービスの向上」を生命線としていること。経験の少ない若手が「社に持ち帰って検討します」ではユーザーに満足を提供できず、自社の開発/生産部門との連携による相乗効果も生まないと危機感を募らせています。さらに海外の製造技術が思ったよりも向上せず、メーカー各社が国内の設備投資を増加する傾向も後押し。日本の技術、日本のエンジニアの力が設備の国内回帰を進め、それによって「ベテランエンジニア回帰」にも繋がっています。

今、日本の製造業を元気にしている様々な分野で、実力のあるサービスエンジニアが求められています。主には半導体製造装置、医療機器、放送設備、ビル建築設備、そしてこれら製品の検査装置など、精密機器に関連する求人があります。



御手洗会長よ!熟練労働者を粗末にすると泣きを見るぞ!

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        / _____________\へ
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    | /                ヽ .|       
     |ノノ                | /   低収入の奴隷は機械のメンテもできんわ
    ヽノ   ,,,,,,,,,,,,,,丶冫_ .,,,,,,,,, /ヽ    手に入れるのも無理になるだろな
    /^ヽ- √ ̄ ̄ヽ^ ./ ̄ ̄ ヽ | |  
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なぜ韓国人は日本人より知能指数は高いのに、日本を追い越す
ことが出来ないのか? 知能以外にも能力基準が沢山あるからだ。


2007年10月21日 日曜日

ノーベル賞博士が差別発言「黒人、知能で白人に劣る」 10月19日 産経新聞

DNAの二重らせん構造を発見し、1962年のノーベル医学・生理学賞を共同受賞した米コールド・スプリング・ハーバー研究所会長のジェームズ・ワトソン博士(79)が「黒人は知能で白人に劣る」と発言し、新著宣伝のため訪問していた英国内で波紋を広げている。

 政治、宗教、人種問題をめぐる歯にきぬ着せぬ発言で知られる同博士は、14日付の英日曜紙サンデー・タイムズのインタビューで「アフリカの人々(黒人)の知能はわれわれと同じという前提で社会政策がつくられているが、すべての知能テストがそうではないことを示している」と発言。「今後10年内に遺伝子が人間の知能に差をもたらしていることが発見されるだろう」などと語った。

 19日に同博士の講演を予定していたロンドンの科学博物館は17日、「博士の発言は科学的論争の限界を超えている」として講演会の中止を決定した。(ロンドン 木村正人)



なぜ黒人は知能が低いか 10月19日 児童小銃

文明と人種

まず「知能」というのは複雑な概念で、測定したり比較したりというのは困難だ。単純な計算速度や記憶能力、パターン認識能力などについては心理学実験での測定は可能だし、訓練では越えられない個人差があるのは確かで、そこに遺伝子が関わっているのはほぼ間違いないだろう。しかし社会的な価値を生み出す能力の知的な側面を「知能」と呼ぶなら、単純な頭の回転のよさは決定的な要素ではない。

また、集団同士の「知能」を比較する場合は、個人間で見られるような大きな差は相殺されてしまう。どんな集団にもデキる奴もいればダメな奴もいるのだ。個人の能力差に応じて待遇を変えるような社会政策に意味があるからといって、人種のようなくくりで待遇を変えることに意味があるとは限らない。個人差のイメージの延長で集団を差別することに正当性を感じている人は考え直したほうがよい。

しかし、そんな細かい比較をしなくても歴史がその差を物語っているのではないかと言う人もいるだろう。歴史上最も文明を発展させたのはヨーロッパ人だと。優れた科学技術や社会制度を生みだし、他の文明を圧倒するまでに発展させたのはヨーロッパ人だと。アジア人は一時はヨーロッパに匹敵する文明を生みだしたが自力では近代化できなかったし、(サハラ以南の)アフリカ人に至ってはヨーロッパ人の奴隷になるしかなかったのだと。

確かにそれぞれの文明を築いた人たちの顔かたちは目に見えて違う。人種の概念が曖昧といっても、このくらい大きなスケールで見ればあまり関係ない。このスケールで見れば文明の優劣とはっきり相関するのは人種の差しかないじゃないかと。

しかし足もとを見るべきだ。それぞれの人種を「ヨーロッパ人」「アジア人」「アフリカ人」と呼んだように、これらの人々はそもそも住んでいた場所が違うのだ。つまり文明を生みだし発展させるにあたって地理的条件が全く異なっていたのだ。

ジャレド・ダイアモンドは『銃・病原菌・鉄』で、地理的な初期条件の違いで世界の歴史を、つまり文明の発展に差ができた理由を説明できると主張している。その主張の要点をざっくりとまとめると、以下のようになる。

まずそれぞれの土地に元々いた動植物の種類の違いが農業や畜産業の発達を決定付け、食料の生産性が社会の規模と社会制度の発展を決定付けた。また、大陸の形が規模の拡大を制限した。つまり東西に広がる大陸に住んでいたヨーロッパ人とアジア人は同じ農作物や家畜を持ったまま領土を広げていくことが可能で、異なる文明間の交流も生まれたが、南北に広がる大陸に住んでいたアフリカ人(とアメリカ先住民)にはそれができなかった。何千年もの間についた差は大陸を越えた文明の衝突において決定的に・破壊的に作用してヨーロッパ文明に勝利をもたらした*1

要するに文明が誕生したばかりの段階では知識と技術の蓄積を可能にするのに地理的な条件が決定的な役割を果たしたのだ。地理的な条件が経済的な条件を制約しその後の文明の発展を決定付けたのだ。科学技術の発達で地理的な条件をものともせずに活動できる現代人にはピンとこないかもしれないが。

アフリカに関して言えばアフリカで誕生した人類が他の大陸に進出してから文明が誕生するまで180万年経っていて、その間の進化の過程で発生した遺伝的な差異が脳機能にも及ぶということはありえない話ではない。しかし、仮に1万年前のヨーロッパ人とアフリカ人の遺伝子が逆だったらヨーロッパ人がアフリカ人の奴隷になっていたのだろうか? 現代のヨーロッパ人ですら思いつかないような方法で生産性の高い食料生産を、アフリカの大地で、科学技術の誕生を待たずに実現できたと考えるのは無理がある。

黒人の身体能力

黒人の身体能力の優位は認めるのに、話が知的能力の差異に及ぶととたんに反発するのはおかしいじゃないかという人もいる。実際のところ黒人差別に敏感なアメリカでは身体能力の差異に言及することすら細心の注意を払わないと問題になる。人種間の差異を遺伝的に説明するのはタブーだ。


「IQ and the Wealth of Nations (IQと国家の富) 」より。

Country IQ estimate Country IQ estimate Country IQ estimate
Hong Kong 107    Russia 96        Fiji 84
South Korea 106   Slovakia 96       Iran 84
Japan 105      Uruguay 96       Marshall Islands 84
Taiwan (ROC) 104  Portugal 95       Puerto Rico 84
Austria 102       Slovenia 95       Egypt 83
Germany 102      Israel 94         India 81
Italy 102         Romania 94       Ecuador 80
Netherlands 102    Bulgaria 93       Guatemala 79
Sweden 101       Ireland 93        Barbados 78
Switzerland 101    Greece 92        Nepal 78
Belgium 100      Malaysia 92        Qatar 78
China (PRC) 100    Thailand 91       Zambia 77
New Zealand 100    Croatia 90        Congo-Brazzaville 73
Singapore 100      Peru 90         Uganda 73
United Kingdom 100   Turkey 90       Jamaica 72
Hungary 99        Indonesia 89      Kenya 72
Poland 99         Suriname 89      South Africa 72
Spain 99          Colombia 89      Sudan 72
Australia 98        Brazil 87        Tanzania 72
Denmark 98       Iraq 87           Ghana 71
France 98        Mexico 87         Nigeria 67
Norway 98        Samoa 87         Guinea 66
United States 98    Tonga 87         Zimbabwe 66
Canada 97        Lebanon 86        Congo-Kinshasa 65
Czech Republic 97   Philippines 86      Sierra Leone 64
Finland 97        Cuba 85          Ethiopia 63
Argentina 96       Morocco 85       Equatorial Guinea 59


(私のコメント)
人種問題は非常にデリケートな問題であり、「株式日記」でも人種と知能指数の事を書いたことがあります。ノーベル賞受賞者のワトスン博士は「黒人は知能で白人に劣る」と発言して物議をかもしている。しかし発言の状況がよく分からないから黒人を差別して言った訳ではないのでしょうが、知能指数の統計では差があるのは確かだ。

しかし知能指数は人間の能力の一部に過ぎず、人間の能力を総合的に示したものではない。私も小学生の低学年の時に知能テストを受けたが、結果は知らせてくれなかったので自分でも知能が高いかどうかは分からない。確かに知能の高い人は学校のテストの成績も良い人が多かったようだ。

私の小学校の近所に大蔵省の官舎があり、そこの生徒達は非常に知能指数が高く、中にはグラフからはみ出るほどの高い知能の生徒がいた。やはり大蔵省官僚の子供は知能も高く、彼らだけでグループを作る傾向があった。だから東大を出た官僚の息子も東大に入ることも多いわけで、DNAと知能の関係は深いことは間違いない。

だからワトスン博士は間違ったことは言っていないのですが、一部の言葉だけを取り出してニュースにすると誤解を招くのではないかと思う。知能テストと言っても理解力や記憶力といった一部の能力を測定するだけで、知能テストで創造力や忍耐力や感受性が測れるわけではない。

白人の住むヨーロッパと黒人の住むアフリカとでは環境がかなり異なり、それに適応した能力が求められて、アフリカなどでは運動能力や生命力の強さが求められるから黒人の身体能力は白人を上回っている。だから一つの知能テストで人間の能力が測られるものではない。やはり実社会における生存競争で結果を見たほうが正確ではないかと思う。運を掴むのも能力の一つであり、未来を予知するのも一つの能力だ。

だから東大を出た秀才たちに大きな権限を与えて政治をさせれば良い結果が出るとは限らない。高度成長時代までなら東大を出た秀才たちでも良かったのでしょうが、壁に突き当たって正解の分からない問題を突きつけられると東大を出た秀才もボロを出してしまう。彼らは教科書に書かれたことしか知らないからだ。

壁を打ち破るには天才的な頭脳の持ち主が必要なのであり、天才は必ずしも学校でははみ出しがちで秀才ではなかった。発明王のエジソンだって学校では落ちこぼれだったのだ。音楽や絵画などの才能にしても音楽大学や芸術大学を出れば身につくものではない。

私の文章を書くことに関しては小学校の頃から才能はあったようだ。学級新聞を毎日発行して記事を書いていた記憶がある。作文なども決まって私の作文が優秀作として読み上げられた。しかし作文が上手くても東大に入れるわけではないから私の才能はそこで埋もれてしまった。しかし今はネットでブログを書くようになって小学校の頃の文才が甦ってきたようだ。

天才は生まれ持った素質に人並み以上の努力が伴って発揮されるものであり、環境が大きな要素になる。さらには運を掴む能力も必要だし、失敗に挫けない忍耐力も必要だ。これらは学校で身につくものではなく選ばれた人だけが持つものだ。しかし日本では選ばれた才能を持つ人にとっては生き易い場所ではなく、平賀源内のような人は基地外扱いされてしまう。三島由紀夫が自殺したのも天才を評価する風土が無いからだ。

ワトスン博士の発言が人種差別と捉えられるのは誤解によるもので知能テストの意味が一般の人たちに誤解されているのだ。学習能力が高いと言うだけで人間の能力はたくさんの評価方法がある。日本人や韓国人や台湾人などは知能指数が白人よりもダントツに高いのは学習能力が高いと言うことであり、それは一つの能力としてあるだけだ。

しかし韓国や香港が日本人よりも知能指数が高いのに、日本を追い越せないのはなぜなのか? ユダヤ人も知能指数が高く、個人としては非常に優秀なのに、満足に国家が運営できないのはなぜなのか? イスラエルを見れば分かるようにアメリカの支援が無ければとっくに滅んでいただろう。ユダヤ人は知能は優秀でも周囲との協調性が無く寛容性に欠けるからだ。なぜパレスチナ人と協調できないのか?

韓国人とユダヤ人とは共通性があるようだ。国家として滅亡の危機にあることや、知能は優秀なのに周囲との協調性に欠ける。中国やアメリカと言った大国と協調して外交しなければならないのにプライドが高くて周囲とトラブルばかり引き起こす。たぶんEQテストを行なえば低い点数になるのではないかと思う。


EQ(こころの知能指数)

みなさんの周りに、頭はいいけど人付き合いが苦手と言うような人はいませんか?問題解決能力には優れているのに、なぜか人間関係では上手く立ち回れない人ってけっこう多いのではないかと思います。なぜ人間関係において頭の良さが発揮されないのでしょうか。
 この疑問の答えとして、D.ゴールマンはEQ:Emotional intelligence Quotient(感情知性;こころの知能指数)というものを考えました。IQ:Intelligence Quotientというのは聞いたことはありますよね。IQ(知能指数)が高いと頭が良い、と一般的には考えられています。しかし、それはテストで高い点数が取れるというだけで、すべてのことが上手くできるというわけではありません。では、EQとはどのようなものなのでしょうか。
 EQとは自分の感情を適切にコントロールし、自分の持っている能力を最大限に発揮するための社会的知性のことです。EQは、心内知性(セルフコンセプト)、対人関係知性(ソーシャルスキル)、状況判断知性(モニタリング能力)という3つの要素のバランスによって決まります。EQの高い人は自分の感情の動きに敏感で、人の気持ちを察することが上手であるため、相手へのよりよい対処法を考えることができます。そのため人間関係で衝突を起こしたり、すれ違いを起こしたりすることなく上手く立ち回ることができます。
 最近では、人事採用にEQテストを用いる企業も増えてきました。これからは学力よりも、創造性豊かで人間知にあふれる人が求められるようになってくると思います。




NYダウ急落、昨日のバンカメの32%減益にしても、債券価格は
実際に売れない「気配値」を参考に損失を計算したに過ぎません


2007年10月20日 土曜日

NYダウ急落、今年3番目の下げ=企業業績の先行き懸念台頭 10月20日 時事通信

【ニューヨーク19日時事】週末19日のニューヨーク株式市場は、企業業績の先行き懸念が強まり急落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は今年3番目の下げ幅となる前日終値比366.94ドル安の1万3522.02ドルで引けた。ハイテク株中心のナスダック総合指数は74.15ポイント安の2725.16で終了、今年2番目の下げを記録した。


米銀と山一に共通の「オフショア&オフバランス」取引 10月19日 HIT株式教室

日本のバブル崩壊で、「ニギリ」と言われた「利回り保証」の営業特金が大量に損失を抱える一方で、損失補てんが禁止され、証券会社が保証先企業に利益を得させ、損失債券を海外に簿外で飛ばしたことがありました。この最大手が山一證券で、97年に損失が表面化し、破たんしてしまったことは証券史に残る大事件となりました。

現在の金融界はそのような過去の失敗例を参考に、リスクを充分考慮して利益を得ているはずですが、こうした経験が活かされていないという疑惑が今の米銀に広がっています。昨日のバンカメの32%減益にしても、債券価格は実際に売れない「気配値」を参考に損失を計算したに過ぎません。流通市場が正常に機能していない債券や株価次第でどうなるか分からないLBOの評価は正確に行うことは困難です。

それに加えて、金融機関は租税回避地(オフショア)に巨額の仕組み債投資ファンドを簿外で抱えていると伝えられます。損失が明確にならないように仕組まれたファンドであっても、資金に窮すれば母体行からの援助を受けるしか方策がないはずです。これらが、結果的に「山一の飛ばし」と同じような結果に陥るとも限らない構造があります。

その一方で、金融機関の窮状は景気後退懸念につながるはずですが、景気拡大で上昇するはずのWTI原油先物が90ドルの大台を突破するような矛盾した現象が起きています。金融緩和による投機行動はファンダメンタルズを無視してマネーを暴走させているかもしれません。あらゆる面でたいへんボラタイルな状況と言えそうです。


CDOの恐怖・・・再度問う 10月16日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら

昨日野村證券が米国事業でのサブプライムに関連した追加損失が730億円になり、連結で赤字になることを発表した。

これはまさにCDOの恐怖を体現したような話で、日本の金融機関が無事である、といっていた専門家たちの見通しを完全に裏切っている結果となった(あたりまえだ。)

ここでくどくど指摘しているとおり、これはCDOの仕組みからして当たり前の話であり、世界中の金融機関がほおかむりをしているだけ。

野村の場合、皮肉なことにまだ健全な部類に入るかも知れない。
彼らはCDOを組成して、そのエクイティーを売ることができなかった為、自分で抱えて、債券部分を金融機関に売ることで引き受け手数料を稼いでいたのが実態だ。

サブプライムを筆頭にさまざまなローンや債券をスライスしたプールのエクイティーを保有していた為、結局それはゼロだった・・・ということで今回の損失発表とあいなった。これはむしろ健全で、ゼロです、と宣言してしまえばゼロなんだからもうこれ以上は損失がない。

むしろ深刻なのはその上に乗っかってAA,だのAだののレーティングが着いているシニアと呼ばれる債券を買った金融機関である。エクイティーがゼロになったとして、シニア部分がどれだけ毀損しているか正直不明なために、信じられないことだが、そのCDOの売り手であるモルガンスタンレーだとかゴールドマンサックスだとかが出してくる所謂気配値でいまだに評価しているのが現状だ。

ざっと見てみると大体100に対して80くらいですね、という見当で評価が出てきて、これを元に決算書を作成している訳だ。

よく考えてみて欲しい。中身が1000銘柄にもスライスされているプールの毀損をどれだけ正確に測れるというのか。こんなものは作った当人しか査定できないという際物で、しかも作った本人は既に退職しているのという場合がほとんどなので本当の価値は誰にも分からない。モルガンのビットが余りに低いのでゴールドマンに査定してもらう、という訳にはいかない商品なのだ。

金融庁もこの数字を信じるしかなく、ではいざ売ったら本当はいくらなのか・・・という実態は誰にも分かっていないのだ。

事実、わたしの仲間にこのCDOのAAという格付けが今でも着いている債券部分を叩き売った奴がいるが、結局デスパレートビッドの20でも売れなかったと嘆いている。一般企業が倒産した場合、暖簾代や、さまざまな目に見えない価値に根付けをする可能性はあるが、こういう合成商品はエクイティーが飛んでしまえばただのくずでしかない。

そのエクイティーが立ち直って値段がつく可能性がないからだ。だからだれも@20でさえ買わないのだ。結局こういう債券をムーディーズもS+Pもそのまま格付けを放置して、作り手であるモルガンだのゴールドマンだのはいい加減な気配値をだし、それを鵜呑みにして決算書を作成している金融機関はなんなんだ・・・・ということになる。

仮にGMが倒産すれば、その債券であっても価値をつける、或いはモルスタは20でビットするけれど、ゴールドマンのビットは30だから高い方に売ろう、という逃げ道はありうるがCDOだけは作った本人以外ビットに応じなければそれで価値は無い訳であり、理論上まだ価値が残っているのだ、という主張は誤謬以外の何者でもない。

そういう債券を8000億円がらみ抱えている金融機関があるわけだから、日本も無傷とはいえまい。早く、価値がない、ということを前提に決算処理をすべきだろう。

欧米の金融機関は8000億どころではなく、まともにゼロ、と評価したら、総資産がぶっ飛んでしまう・・・・・この現状に対してアメリカも、ヨーロッパも中央銀行及び政府が大恐慌を越える資金供給を繰り返している訳だ。

これが一大事ではなくなんなのか・・・・・

再度象牙の塔にこもる学者、及び年収何億ももらっているエコノミストに答えを求めたいと思う。誰も買わない、価値算定ができなくかつ無形な価値が何も残っていないスライスされたローン債権とは永遠に価値はゼロ、これがCDOという商品の宿命であることはみんな分かっていた筈である。



(私のコメント)
現在の欧米市場では債券市場が機能しておらず、金融機関が保有している債券の評価も、正確に記すならゼロとしか言いようの無いものですが、適当につけた気配値で計算した数字で決算発表を行なっている。債権と言えば株式よりも安全だと思われてきましたが、国債や一流企業の社債なら償還期限が来れば償還されるから多少の相場変動があっても担保される。

しかし住宅ローンを証券化した債券やLBOなどのファンドなどは、対象の投資物件が破綻すれば価値はゼロになってしまうものだ。いままでは住宅ローンも破綻は限られたものであり、それを証券化してもリスクは限られていたから証券化してもAクラスの評価をされてきた。それが危ない住宅ローンの破綻が広がった為に、健全な住宅ローンにも懸念が広がり、それが債券市場の機能を止めてしまった。

LBOなどの仕組みは極めて複雑なのですが、欧米などの金融会社やファンドは多くの資金をLBOに投資をしている。先日もサンヨーの半導体事業部門の売却もアメリカの会社買収ファンドの資金調達が上手く行かなかったのですが、このLBOも債券市場麻痺のあおりを食らっている。

景気が順調な時はアメリカのハゲタカファンドは様々な金融商品を作ってはファンドと称して売って来た。様々なローンのリスクもLBOのリスクも景気のいい時は限定されて、上手く行けばぼろ儲けが出来る商品だった。だから欧米の金融機関は大規模な資金をこれらのファンドに投資をした。

CDOは貸出債権が構成する資産が担保になった資産担保証券なのですが、資産が担保になっているから安全化というと、証券化されて数百にスライスされて販売されたものだから、いったん信用不安が起きて貸出債権が破綻すると、担保となっている資産は数百分の一であり、その分の金銭的価値はゼロに等しい。

CDOの債券部分は叩き売ることは出来るが、資産担保ローンの証券部分は自分たちで抱え込んで、どうやって資金回収するのだろう。サブプライムローンの担保資産は売りに出しても買う人がいない。たとえ優良資産でも権利が数百分の一では只同然で売るしかない。さらに不動産市場もバブル崩壊すれば、日本が失った1000兆円ではきかないだろう。

だから欧米の中央銀行は気がふれたかのように資金供給して債券市場の綻びをつくろっていますが何時まで持つのだろうか? 日本の場合は不良債権は銀行に纏まってましたが、欧米の不良債権は証券化されていて限りなく細分化されて、不良債権の担保処分もどうやって処理するのだろうか? さらにそれらのファンドをレバレッジを効かせて購入していたら目も当てられない。

現在起きている現象は始めてではなく予兆のようなものは1998年のLTCMの破綻がありますが、これからやってくる金融崩壊ではLTCM破綻のような事が立て続けに起きる可能性がある。今まであった債券市場が消えてしまったらどのような金融テクノロジーも通用しなくなってしまうのだ。田中直毅氏は次のように指摘している。


2002/2/22 なぜエンロンの破綻はアメリカ経済を揺るがす問題なのか

LTCMの場合は、ノーベル賞学者クラスの人達が想定した状況が現実とは食い違っていたことから起きました。すなわち、いつでもマーケットは開かれているし、売り出されたものについて必ず買い手が存在する、そういう意味において流動性がどこかのマーケットで消えてしまうわけではない、という想定でリスクの問題が考えられていたわけですが、98年の8月、ロシアで国債のデフォールト が近付くという事態になりますと、突然、少し信用度に問題があるマーケットから流動性が消えてしまう、売ろうにも売れない、という状況が生まれました。これは経済学が想定していた状況とは違って、実際には売れない商品を抱えていたところから次々と破綻が起きるかも知れない、というような問題が起きたわけです。


LTCMの場合は各銀行に奉加帳を回す形で解決しましたが、アメリカもまさにやっていることは護送船団方式なのです。現在もマーケットが消えてしまうと言う現象が欧米で起きているのですが、今回は銀行に奉加帳を回す余裕は銀行にはありません。バンカメの大幅減益決算もまだ予兆に過ぎず、マーケットが消えた債券には値段がつかない。

日本のバブル崩壊の教訓から言えばバブルは潰すべきではなく徳政令を発してでもバブルは潰さない決意を示す必要がある。日本の場合はバカなエコノミストや経済ジャーナリストがバブルを潰せと言う大キャンペーンを行なった。6000億円の住専の救済にもマスコミの大批判はすざましかった。そして自己責任という言葉が流行語になり、銀行経営者が袋叩きにあった。政府日銀は明らかに金融政策を間違ったのだ。

日本では住専救済で大騒ぎをしたエコノミストが、アメリカのサブプライムローン救済には何も言わないのはなぜなのか? 彼らは日本が潰れようがかまわないがアメリカ様が潰れたら困るからだろう。田原総一郎は朝生やサンプロで「徳政令」を批判していましたが、アメリカのサブプライムでは何も言わない。日本のテレビマスコミは世論誘導の為にあるからだ。


「サブプライム」損失銀行支援、米大手銀が基金創設を協議 10月13日 読売新聞

【ニューヨーク=山本正実】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12日、シティグループなどの米大手銀行が、低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」で損失を受けた銀行を支援するため、総額1000億ドル(約11兆7000億円)の基金を創設する方向で協議を始めたと報じた。

 報道によると、協議を呼びかけたのは米財務省のロバート・スティール次官(国内金融担当)で、9月にワシントンにある同省に、大手銀行の代表者らが集まって協議したという。

 欧米の金融機関では、8月以降の金融市場の混乱を受け、傘下の資産運用会社やヘッジファンドが、保有する証券化商品に含み損を抱えたところが多い。基金は、こうした損失の処理に使われるという。

(2007年10月13日14時4分  読売新聞)




福田内閣はじっとしていれば、小沢民主党代表は支離滅裂になる。
テロ特措法を政局の争点にした小沢代表の政略は失敗した。


2007年10月19日 金曜日

10/17放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ” 10月18日 ぼやきくっくり

(要点だけ)
青山繁晴
「えっと、まずですね、さっきこのコーナーに入る時に、ヤマヒロさんが参議院選挙で絶頂だった小沢さんが、今ひょっとして壊れるかもしれないというニュアンスのこと言われましたけどね、まさしくその通りで、皆さんちょっと思い出していただきたいんですが、7月29日の参議院選挙終わった後に、小沢さんが重要な指示を出しました。それはこれからは自民党の法案に対して民主党も全部対案を出して、全部それも法案でやりましょうということを言いましたね。これは責任ある態度でとっても重要な指示ですね。で、それに対してたとえば小沢さんとほんとは距離を置いてた、さっきVTRに出てきた前原さんのような人も、じゃあ一生懸命対案の法案作ろうとみんな走り出したわけです。いわばその時が小沢さんの絶頂期だと。その絶頂期を壊していったのは小沢さん自らのこの発言からです」

青山繁晴
「はい。これ、あの、ISAF、まあアイサフと言ってますけども、だんだん皆さんおなじみにになったと思いますけども、アフガンで展開してるところの国際治安支援部隊と。要するにアフガンは今、治安が非常に悪い。テロ組織のタリバンが好きなようにテロをやってる。その中で武力を使って治安を何とか維持しようという部隊なんですね。で、それは当然、憲法が武力行使を海外で禁じてることとあわせるとできないだろうというのがみんなの常識だったのに、小沢さんが突然、いや、国連がお墨付き出したら全然大丈夫なんだと、10月10日にそれを言ったわけですね。当然、民主党の中は、ま、蜂の巣をつついたようなっていうか、大変な騒ぎになって、ちょっと待ってくれという話になったわけですね。なったら次に小沢さんが何言ったかというとですね、そんなに嫌だったら党を離党してもらうしかないと言ったわけですね。僕もびっくりしました。僕は竹下内閣、小沢官房副長官の頃から小沢さんを担当してましたけれども、壊し屋と呼ばれた小沢さんが復活してしまったのかと思ったわけですね。その後、民主党の鳩山さんが慌てて、いや、あれは言い過ぎだったと言ったんですね。でもその段階ではまだ小沢さん、この中身についてはまだ変えてなかった。変わったのは、10月15日にスポンサーがやってきました。民主党の大スポンサーが党本部に乗り込んできた。……岡安さん、スポンサーって誰ですか?」

山本浩之
連合ですよね?

青山繁晴
「正しいです、その通り。労働組合の高木さんという会長が乗り込んできてですね、武力行使もできるとはどういうことなんですかと、けっこう詰め寄った。そしたら小沢さん、その後に突然言うことを変えてですね、この、同じISAFというけれども、武力行使を言った覚えはない、あくまで民生支援、戦うんじゃなくていわば人道的な部分なんだということを、するりと変えたんです。するりと変えて、菅直人さんのような市民運動出身の政治家は、ああ、それでいいんじゃないかと飛びついたのに、ま、民主党は政権担当能力があるだけあって、前原さんとかさっきの長島さんとか、安全保障にほんとにリアルに詳しい人がいっぱいいる。その人たちはまた怒ったわけです。というのは、民生支援と言ったって、さっき言った通りアフガンは全部もうテロでめちゃくちゃになってるわけですから、活動の中身が何だろうが行く以上は、自衛隊は武力行使をおそらく迫られて、戦死者が出てしまう。じゃあ民主党が自衛隊始めての戦死者を出すことになってもいいのか?ってことになる。それが嫌だったら外国の軍隊に守ってもらうというおかしな話になる」

青山繁晴
「トーンダウンだけならいいんですけど、一番大切なね、今日最初に言いましたが、7月29日の参院選で勝った時に、これからの民主党は政権を担当できる能力を持つためには、全部対案を出してそれを法案にしましょうと言った本人が、いや、別にいいんじゃないのと。これは党内の雰囲気次第でね、どっちでもいいと言ったんで、これがまたですね、僕のところにいろいろ電話がかかってくる原因になった。若手から、小沢さんを古くから知ってる元自民党のベテラン議員に至るまで、このままでは党が壊れるという電話をしてきたわけなんです。だから今日のキーワードとして僕はさっき、このままじゃ『民主党が壊れる?』と。クエスチョンマークをつけたのは、いわば小沢さんへの、何て言うかな、小沢さんも頑張ってるんだから、というところであってですね、むしろこれサービスみたいなもんです」

山本浩之
「実情はもう大変なわけですね」

青山繁晴
「中身がほんとは報道されるより大変なんです。で、その象徴としてですね、さっきの小沢さんの会見っていうのは昨日の会見なんですが、同じ昨日に行われた民主党の役員会の絵をちょっと皆さん見て下さい」

青山繁晴
「(映像を見ながら解説)まず真ん中で小沢さんは異常に嫌な顔をしてて、これ僕も知ってる小沢さんの表情ですが。この人(小沢の向かって左側。輿石東)は旧社会党の人でもう落ち込んでて、それから菅さんは非常に、菅さんの不安な時の顔をしてて、一番右端にちょっと映ってる鳩山さんは、ちょっとこの絵では出てませんが、隣の人とこちょこちょずっと話をしてるわけです。実はね、これ、鳩山さん自身が言ったわけじゃないけど、周りが言ってるのは、ひょっとしたらこのまま小沢さんが壊し屋に戻っていくと、結局、代表降りなきゃいけなくなるかもしれないね、その時にとにかく出てくるのは鳩山由紀夫さんじゃないかという話があるというところまで、さっきの4人出てたそれぞれの姿っていうのはですね、今の民主党内部のもめ事を象徴してる絵なんですね。さて、それでですね、但しやっぱり小沢さんは自らの信念を持って言ってるわけですから、小沢さんの言ってる主張っていうのは、たとえば前原さんのような若手の政策グループはおかしいと言い、それから菅さん、非常に不安になり、その、言ってることが正しいのか正しくないのか、それを検証するのがフェアだと思いますから、ちょっとそれやりましょう」

青山繁晴
「ごちゃまぜになってます。この不朽の自由作戦であれ、この支援部隊であれ、これは当然、弾薬とか水とか食糧とかの補給が必要ですね。で、それをこのPRTが実質担ってたりですね。あるいはPRTはISAFやこの不朽の自由作戦の軍隊にも守ってもらわないと何もできないってことで、これ分けられないわけです。小沢さんはこれ(PRT)だけ入ればいいじゃないかと今は話を変えて、菅さんもそれならいいんじゃないのと言ってるけど、これ分けられないんだから、実は前原さんが言ってるように、もしここに日本が人を出すんだったら、自衛隊が武力行使してでも守るのか、アメリカ軍をはじめ他の国の軍隊に守ってもらうのか、その問題出てきますよっていうのは、小沢さんには申し訳ないんだけども、やっぱり前原さんたちが持つ疑問の方が正しいんじゃないかなということが1つあるわけですね。それからもう1つ、根っこの話としてですね、その小沢さんがなぜ日本国憲法の海外での武力行使の禁止を超えてまでアフガンではできるのかと、小沢さんがなぜ主張したかというと、それは国連のお墨付き、国連決議があるからと言いましたね。これね、きっと室井さんも含めてなかなかわからない話だと思われると思うんですけど、これ僕たちがね、世代関係なく中学ぐらいで習ったことを思い出していただければいいんです。中学ぐらいの時に習ったことはね、国連というのは本来の理想としては、常設の国連軍、その国連がもしも将来、地球政府になったら、そこに地球政府軍としての国連軍がきっとあったらいいねと、そうなったら国家の主権よりも上にありますね。でもそれは理想であってまだできてませんという話を習いましたね。で、小沢さんは恐縮ながらその常設の国連軍とですね、たとえばこのISAFのようにとりあえず1コの国連決議があって、それが保証してるだけの軍事的な部隊と、まあはっきり言うと混同してしまってる。で、このことは避けようがない。つまり常設の国連軍がないのに、国連決議があるからといって、日本の政府や日本の国民と関係なく武力行使をしなきゃいけないということになったら、日本国家の主権はどこに行ったんだという話になりますから、残念ながら小沢さんは分が悪い。小沢さん、分が悪くてひょっとしたら民主党が壊れるかもしれないって話なんですが、じゃあ政府・自民党の出したね、これから出す新法が予定通りいくのか、そこはどうなるんだろうってことが次の疑問ですね。これがどうなるかってことを予言してる人が実は1人いるんです」

村西利恵
「12日に小泉チルドレンの集まる会合で話した内容なんですが、新法案が参院で否決された場合について、小泉さん、こう話してます。『衆院で3分の2の再議決をすると横暴だと言われる。民主党の思うつぼだからやめた方がいい』んだという発言です」

青山繁晴
「会合に出てたこのいわゆる小泉チルドレンの1人が、僕の携帯に電話をすぐしてきたんですけどね。もうイスから転がり落ちたと、彼、言ったわけです。というのはね、本人もね、小泉さんのおかげで当選した人なんだけど、よく小泉さんが横暴って言えるよねと(一同笑)。だってそうでしょう?小泉さんは、皆さん振り返っていただくとね、衆議院を通過した郵政民営化法案が参議院で否決されたからと言って、衆議院を解散しちゃったんですよ。これはっきり言うと憲法違反に近いですよね。僕は個人的には憲法違反だと思ってるわけですよ。しかしこの再議決というのはね、今日閣議決定される新法は、参議院で否決されたらそれは衆議院に戻されますと憲法に書いてあるから、そこで3分の2で再議決できるというのは憲法に書いてあるんだから、○○○(聞きとれず)をやった小泉さんに横暴と言われる筋合いはないと」

山本浩之
「どの口が何を言うてんのっていう話ですよね、つまり」

青山繁晴
「ということになるんですが、しかし僕はやっぱり小泉さんっていうのはあなどれない人だなあと思うのは、この発言に不気味な点が2つあってですね。1つはまず小泉チルドレン、すなわち自分の部下のところで現れて言い出したっていうのはですね、これ政界ではどう受け止められるかというと、え?小泉新党ってひょっとして本気なの?っていうね、やる気はきっとないんだろうけど、その不気味さを漂わせるということをよく計算してる。それからもう1つがこれなんです」

青山繁晴
二階俊博っていう、これは和歌山から出てる総務会長なんですが、一般にはあまりなじみないかもしれないけど、政界では非常に頭の良い人として有名で、しかも大事なことは小沢さんといったん喧嘩したはずなのに、小沢さんと未だにパイプを持ってる自民党の重要幹部の1人なんですね。で、小泉さんが発言した席に二階さんがいたということは、すなわち小泉さんは実は小沢さんの方にメッセージを送ってるんだろうという話にもうなってるわけですね。じゃあそのメッセージというのは何なのか。さっきの小泉さんの発言内容をもう1回出していただけますか」

青山繁晴
「すなわちこの参議院で新法が否決されてそのまま衆議院に出して、そのまま数だけでやっちゃうと、むしろ民主党は喜ぶんだよと。で、そうじゃなくてこれは当然、民主党が受け入れなきゃいけないような修正を加えて出してから、3分の2でやると横暴にならないよということを実は言ってるわけですね。そうするとさっきの岡安さんの説明にあった、要するに国会の事後承認というのは今はずれてるわけですね。それはできないと福田さんは今、答弁してるわけですが、それを載っけたら、実は3分の2をやっても横暴と言われなくなるよ、だからこれは1つには自民党や国民に向けてのメッセージだけど、小沢さんに向けても、あんたはもう孤立しかかってるんだよと。引き際、収め際を図った方がいいよという小泉さんのメッセージがさっきの二階さんを通じて小沢さんに行ってるんじゃないかと。さらにもう1コ小泉さんが予言したことがあります」

青山繁晴
「これは何でもない話をしてるようでいて、やっぱり2つ3つ大事なことを言ってるのは、年内解散をやらそうとして小沢さんは今まで突っ張ってきたわけですよ。だから安倍さんに投げたようなボールを今も投げてるわけですが、もう今年はないと。どうしてかというと、新法はまあそういうわけ、まあ結局は小沢さんが福田さんの首を取るような場面にはならないで行っちゃうよということは、やっぱり来年の春に、3月いっぱい予算を上げて、その代わりに来年の4月頃に総選挙になるよってことを、実は予言してるわけですね」

山本浩之
「その時はまた表舞台に出てくるんですか、この人は」

青山繁晴
「ええ、それが大事なところで、この小泉チルドレンの会合でそれを言う、それから小沢さんとパイプのある場所で言うってことは、その総選挙の結果によっては、政界再編があるかもしれんぞ、俺だって何かかかるかもしれんぞという予言に聞こえてしまう、そこが小泉さんの凄味だと思います」


(私のコメント)
国内の政局の話になりますが、小沢民主党代表の言った法案の嵐作戦はどうなったのだろう。参議院選挙の大勝を受けての民主党の攻勢は、小沢民主党代表の発言のふらつきに民主党内で動揺が広まっているようだ。テロ特措法は国連で承認を得ていないとする小沢民主党代表の主張は、外務省による安保理での給油活動に対する謝意決議で崩されてしまった。

そこで小沢民主党代表は、テロ特措法は憲法違反だと主張を変え始めた。そしてアフガニスタンにおけるISAFには参加できると意見を変え始めた。それに対して自民党はISAFこそ武力行使であり憲法違反だと反論してきた。それに対して民主党内で動揺が広がっているようだ。

それに対して小沢代表は「そんなに嫌だったら党を離党してもらう」と恫喝しましたが、まさに青山繁晴氏でなくともビックリする話で、民主党が海外での武力行使を認めるような話になってしまった。それに対して鳩山幹事長が「言いすぎた」ととりなした。まさに現在の民主党は小沢独裁体制で、小沢代表の意見が民主党の意見として通用してしまう。

国連の決議があれば海外での武力行使が認められるとなると、民主党の基盤である護憲平和勢力が騒ぎ出すのは当然のことであり、連合の高木会長が小沢代表に抗議に来たようだ。そこで小沢代表はまたも意見を修正して民生支援だと言い始めた。テロ特措法を政局にするのは国連安保理の感謝決議で諦めて内政で責めるべきだった。何しろアメリカを怒らせるのは民主党にとってもまずいのだ。

最初の法案の嵐作戦はどうなったのだろう? 今度は自民党が小沢代表の揺さぶり作戦で、小沢代表の政治資金のマンションの家賃問題を蒸し返してきた。どういうわけか小沢代表の政治資金によるマンション購入問題や家賃収入の問題は大問題にされることは無かったのですが、明らかに政治資金規正法違反だ。ところが問題にされることは無いのはなぜなのだろう。

自民党はテロ特措法延長は諦めて新法で給油活動を継続させたいようですが、民主党が参議院で否決するだろう。となると衆議院で3分の2で再可決させてまで押し通すのだろうか? そこで例によって小泉元総理が出て来て「それは民主党の思う壺だから止めた方がいい」と言い出した。

つまり参議院で否決すると解散になると脅しているのか、あるいは給油活動を止めることになったのを民主党のせいにしてしまう作戦なのか? 早期の解散に追い込むことが民主党の作戦ですが、福田内閣に代わって風向きが少し変わってきたようだ。小泉ー安倍と続いた構造改革路線を修正し始めたように見えるからだ。郵政造反組みも古賀選対委員長で復活してきたからだ。

そうなると小泉チルドレンの動きが注目されますが、9・11郵政民営化選挙で当選してきた小泉チルドレンは自民党の政策転換で宙に浮いてしまうことになる。衆院選では郵政民営化フィーバーで大勝利しましたが、その当時も構造改革の歪は地方などには出ていたのですが、造反議員を悪者にした小泉マジックにかかって有権者は自民党に票を入れた。

ところが安倍政権に代わってみると構造改革の歪に気がついて、小沢民主党の「農家への所得保障」などの政策に引かれて、地方の農家は自民党から民主党に支持を切り替えた。従来の自民党の支持基盤が切り崩されてしまったのだから、自民党も構造改革路線を修正せざるを得なくなったのだ。

小選挙区制度のせいもありますが、どうして9・11衆院選と今年の参院選で選挙結果が大きく変わってしまうのか? テレビなどのマスコミによる扇動に大衆は乗せられて票を入れてしまう傾向があるのだろう。「株式日記」でいくらテレビの扇動に乗せられるなと書いたところで蟷螂の斧にすぎない。

テレビのワイドショーから見ればボクサーも相撲取りも女優も政治家も皆同じタレントに過ぎず、波に乗っているときは彼らを持ち上げるが、いったん波が変わるとテレビは彼らをぼこぼこになるまで叩きのめす。小泉純一郎はボコボコにされる前に逃げる事に成功しましたが、安倍晋三が代わりにボコボにされてしまった。

安倍前総理はいまだに自宅療養中ですが、テレビにボコボコにされると精神的ダメージはかなり強いものらしい。亀田大毅も朝青龍も沢尻エリカも自宅療養に追い込まれた。小沢一郎も参院選挙で大勝した時は天下を取ったかのごとくテレビは持ち上げましたが、いったん波が変われば亀田大毅や朝青龍や沢尻エリカのごとくにテレビにボコボコにされて自宅療養に追い込まれるだろう。

小沢一郎も金丸信親分がいた頃は総裁候補を呼びつけるなどをして豪腕幹事長として羽振りを利かせましたが、数十億の金を使って新生党を作り選挙に勝って細川政権を誕生させた。マスコミもこのあたりの舞台裏の経緯を知っているはずなのですが、莫大な政治資金がなければ出来ない事だ。マンションの金などほんの一部にしか過ぎない。だから小沢一郎をテレビがボコボコにする材料はそろっているのですが、それはいつごろになるのだろうか?


日本社会はフルボッコ先を求めている 10月18日 切込隊長ブログ

「亀田問題」といい「相撲問題」といい「ぶってぶって姫議員問題」といい、分かりやすい悪役が往生際悪く対応した結果、問題が隅々まで広がって炎上して、こっちまで延焼するとは思ってもいなかった関係者が右往左往し、余計なとこまでほじくり返され、マスコミに煽動される形で何か国中が酔っ払ってるかのようなフルボッコ体勢に入ったあと、どんな悪党も最終的には世論に押し切られる形で謝罪に追い込まれ、ある者は破綻し、ある者はヤケクソになり、ある者は時間を稼ごうとして失敗していく状況をリアルタイムで楽しんでいる日本人がおるわけです。

 一番大事だった安倍首相の政権放り投げ→テロ特措法延長問題とか完全に国民の目から逸らされて、国民生活の改善には何ら寄与しない亀田一家叩きとかに国民総出で熱中するというのもなんか凄いな。本当に叩くなら、公共の電波に現役の暴力団幹部の皆さんがバッチリ映ってたときにやらないと。(中略)

これと同様に、2ちゃんねる上で展開される陰謀論がネットユーザーに信じられたとして、それを陰謀の槍玉に挙げられた個人や組織が公式に否定するということなど考えられない。よく朝日新聞が2ちゃんねるに叩かれるが、朝日新聞が2ちゃんねる発の情報に対して紙面でことあるごとに否定することもありえない。近いうち書くと思うが、初音ミクにおける電通バッシングは、間違いなく情報カスケードそのものであって、ネットユーザーが「こうであったら面白いな」と考えたであろう虚構以外の何者でもない。電通も嫌われたもんだと思うが、2ちゃんねる発の情報ではそうなっても、ブログではあまり電通陰謀論をまともに書く人は見当たらない。たぶん、場にある情報の「質」と書いている人間の「質」にはある種の相関関係が強く存在するのだろう。

 亀田問題で敷衍して書くなら、じゃあ細木数子はどうなってしまうのかという話も考えておかなければあまりフェアな議論とは言えない。すでに数多報道されているように、具体的な被害者も散見される文字通り経済事犯、悪く言うと詐欺まがいの事件に関与したとされる問題人物が周囲にいると言われる。

 しかし、亀田一家が文字通り滅ぼされて、細木数子がなぜいまだにテレビの画面に映っているのかという事情について、「細木数子は数字が取れるから」という抽象的な議論以上に解説できる有識者は少ない。政治家じゃあるまいしタレントの古傷を触っても始まらないし、そこも含めて魅力といえばそれまでだが、前述の通り放送法に基づいて実施されている許認可事業であって、スポンサーもついて放送されているのだから、なぜ亀田はNGで細木はOKであって、それ以外のNG/OKにはどのようなメカニズムが働いているのか洞察しなければ、私たちはいつまでも良く分からないものを持ち上げられて崇め、良く分からないプロセスで叩きにまわってフルボッコして悪党が叩かれつくして頭を下げる記者会見を見ながら溜飲を下げるという千年一日の如き人の顔をした情報消費を強いられることになるのかも知れぬ。

 結論を言うなら、私ら人間一人が社会で流通しているすべての情報の真贋を見抜くことなど、土台無理な話なのだ。

 だから、それが正しいかどうか判断つかない分野の必要な情報は、必ず誰かに依存している。知らないことそのものが悪いのではない。むしろ、知っている人を探す努力を怠ることこそ、本当の害悪なのではないだろうか。



(私のコメント)
本来ならば情報の専門家である新聞やテレビがボコボコにされるべきなのであり、マスコミは知っていても報道する事は僅かであり、小泉内閣を持ち上げたかと思うと安倍内閣を叩く。その根拠は世論調査なのですが、その世論はマスコミ報道を元に揺れ動く。安倍総理も小泉総理のような役者ならマスコミを動かして支持率を上げる事も出来ただろう。福田総理は小沢一郎と言う悪役がいるおかげで難を逃れている面がある。しかし亀田大毅や朝青龍や沢尻エリカと同じように、政治家もワイドショーにとってはタレントに過ぎない。




トルコ軍参謀総長は、「もし、この決議が米下院本会議でも
採択されるなら、米国との軍事的関係は過去のものとなる」と発言。


2007年10月18日 木曜日

<NY原油>1バレル=89ドル 3日連続史上最高値を更新 10月18日 毎日新聞

【ワシントン斉藤信宏】17日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は続伸し、指標である米国産標準油種(WTI)の11月渡しは一時、前日終値比1.39ドル高の1バレル=89ドルちょうどをつけ、3日連続で取引時間中の史上最高値を更新した。トルコとクルド系武装組織の対立激化に加え、暖房用油の需要が伸びる冬場を控えて需給ひっ迫懸念が強まった。市場関係者からは「価格を下げる材料が見当たらず、90ドルを超え100ドルを目指す展開もあり得る」との指摘も出ている。


90年前の虐殺めぐり米議会で応酬 10月18日 産経新聞

【ワシントン=山本秀也】約90年前のアルメニア人虐殺をめぐる米下院外交委員会のオスマン・トルコ帝国非難決議案にトルコが猛反発している問題で、議会多数派の民主党有力議員がペロシ下院議長に反旗を翻した。トルコがイラク・クルド人地域への越境攻撃に踏み切れば、同党が求めるイラク駐留米軍の撤退が難しくなるとの懸念が強く、議長が目指す決議案の本会議採択は早くも岐路に立たされたようだ。

 下院の同党有力者で議長にも近いマーサ議員は決議案を本会議で議題としないよう議長に要求。17日に議会で記者会見して議長の決断を改めて迫る。マーサ議員は決議案提出後の2月から、議長に書簡で採択を思いとどまるよう訴えてきた。
 民主党の下院軍事委員長、スケルトン議員もトルコ軍が越境攻撃すればイラク情勢の混乱に拍車がかかり米軍撤退の障害になると警告している。

 ブッシュ共和党政権は決議採択阻止に向けて議会説得を続け、下院の同党議員は「反対」でほぼ足並みをそろえている。

 米政府部内では、国務省のケーシー副報道官が「一方的な軍事行動では問題解決の助けとはならない」とトルコに自制を促す一方で、国防総省がイラク、アフガニスタン向けの米軍補給物資をトルコを避けて輸送する計画の立案に入っている。

 16日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは「ペロシ国務長官」と題した社説を掲載、盟友トルコの対米軍事協力をホゴにする内容を含んだ決議案は、「アルメニア人虐殺問題は現在の米国対外政策となるべきではない」と訴えるなど、党外からもペロシ議長への反発が強まっている。


米、トルコ説得に躍起 非難決議案 下院採択阻止を“公約” 10月16日 産経新聞

【ワシントン=山本秀也】米下院外交委員会がオスマン・トルコ帝国時代のアルメニア人殺害を「組織的大量虐殺」とする決議案を採択した影響が拡大している。米政府は国務省と国防総省の高官を先週末にトルコの首都アンカラへ派遣し、釈明に努めたが、エルドアン政権は駐米大使の召還に続き、国務相の訪米も取りやめるなど態度を硬化。トルコ議会は週内にもクルド人武装勢力掃討のためのイラク領内への越境攻撃を承認する見通しで、米側は一段と厳しい局面に立たされそうだ。

 米政府は13日、フリード国務次官補(欧州担当)とエデルマン国防次官(政策担当)を現地に派遣し、攻撃を自制するよう促したほか、モスクワに滞在していたライス国務長官も12日、電話でトルコ首脳への説得に当たった。

 AP通信によると、フリード次官補は、「下院本会議での決議採択を阻止するため、あらゆる手を打つ」と、トルコのテレビを通じて決議阻止を“公約”した。

 だが、オスマン・トルコ帝国時代の事件の責任を取るよう北大西洋条約機構(NATO)の盟友である米国から突きつけられたことにトルコ側の怒りは収まらない。トゥズメン国務相(対外貿易担当)は13日、ニューヨークでの投資促進会議出席をキャンセル。トルコのアナトリア通信は、決議案の外交委採択に対する抗議と報じた。

 さらに、トルコ軍のビュユクアヌト参謀総長は14日付の地元紙で、「もし、この決議が下院本会議でも採択されるなら、米国との軍事的関係は過去のものとなる」とまで言い切った。

 今回のアルメニア人虐殺非難決議案をめぐる問題の拡大阻止にブッシュ政権が躍起なのは、イスラム圏で唯一のNATO加盟国、トルコの動向が米国のイラク政策に大きな影響を与えるためだ。

 イラク駐留米軍の補給物資の7割がトルコの基地を経由するという物流拠点としての重要性が高いだけでなく、トルコからの分離独立を叫ぶクルド労働者党(PKK)が拠点とするイラク北部のクルド人地域に向け、トルコが越境攻撃に出るようなことがあれば、、イラク情勢が一段と混迷するのは避けられない。

 米側は「越境攻撃は持続的な解決とならない」(マコーマック国務省報道官)と自制を求めているが、エルドアン首相は、「米国も誰からの許可なくイラクを攻撃した」などとして、聞く耳を持たない。


(私のコメント)
日本のマスコミ報道は亀田親子の謝罪会見一色で、4チャンネルから10チャンネルまで、チャンネル変えれど画面は変わらず状態で、この民放四社のテレビ報道は全く同じ事をやっているだけなのだ。だからテレビ局がいくらあっても同じ報道をしていたのでは意味が無い。このようにして日本国民は愚民化させられていくのですが、「亀田問題」は去年に株式日記で書いたとおりの事が表面化してきただけなのだ。

それに対して世界ではとんでもない事が起き続けているのですが、それに対してテレビでは詳細に報道される事はない。かろうじてネットでは検索すれば分かりますが、日ごろから関心を持っていないとニュース報道されている事すらわからない。だからこそ株式日記のようなニュースオタクのブログも存在価値があるのでしょう。

原油先物相場が89ドルまで暴騰していますが、これにはトルコ軍のイラク領内のクルド攻撃が懸念されている為だ。なぜトルコ軍がイラク領内のクルドを攻撃するのかと言うと、アメリカ下院議会で約90年前のオスマントルコ時代のアルメニア人殺害に対する非難決議が行なわれようとしているからだ。

なぜアメリカがトルコとアルメニアの歴史上の問題に対して下院議会で非難決議をするのかという疑問がでてくるのですが、アメリカのユダヤ人たちの策謀によるものだろう。なぜアメリカのユダヤ人が米下院議会でこのような決議をさせるのかと言うと、大虐殺があったことが風化させないための努力なのでしょう。ナチスによるユダヤ人大虐殺も風化してしまう事への恐怖感が、このような狂った行動にかきたてるのだ。

なぜアメリカのユダヤ人がナチによる大虐殺を風化してしまう事を恐れるのかと言うと、アメリカにおいてもユダヤ人への偏見差別が激しいからで、ユダヤ人たちは大虐殺をアピールする事でユダヤ人への差別を押さえ込んできた面があるからだ。つまりユダヤ人を差別する事は大虐殺したナチと同じだと言い立てることが出来るからだ。同じような問題は欧州にもある。「ニュースの地層」というブログでは次のように書いている。


欧州はアルメニア人虐殺問題を「踏み絵」にした 2006年 10月 31日 ニュースの地層

【フランスともあろうものが】

フランス国民議会が、オスマン・トルコ帝国のアルメニア人虐殺を演説や出版物で否定する者は1年以内の禁固刑ないし4万5000ユーロの罰金刑に処す、という法案を可決した(10月12日)と聞いて、ちょっと驚きました。
アルメニア人虐殺は、歴史家の間で評価が分かれている厄介な問題です。150万人が虐殺されたという説もあれば、30万から50万という説もあります。虐殺の事実にしても、はたして組織的な殺戮行為があったかどうか、歴史的評価は定まっていないようです。

こういう厄介な問題ですから、歴史家や言論人がそれぞれの立場から、いろいろの説を立てることは、あってもいいはずです。それを、150万人のアルメニア人が虐殺された「史実」を否定したら禁固刑だなんて、乱暴な話じゃないですか。
人権宣言の国を自他ともに任じるフランスの議会が、言論封殺みたいな法案を可決したのですから、驚くのです。

【いったいアルメニア人虐殺とは何か】

フランスがアルメニア人虐殺に関する法律を制定したのは、これが初めてではありません。
2001年1月、シラク大統領は、オスマン帝国時代の1915年に起きたアルメニア人虐殺を「ジェノサイド(民族の組織的殺戮)」とする法律を布告しています。
トルコのエチェビット首相はこの法律に抗議して、駐仏大使を召還しました。
米国でもブッシュ(父)政権時代に、連邦議会が「アルメニア人虐殺追悼記念日」制定の法案を可決しようとしたことがあります。この時、トルコ政府は米・トルコ防衛経済協力協定の破棄も辞さないという強い態度で対抗しました。
ブッシュ政権は1990年の湾岸戦争突入を前にして、トルコとの協力関係にひびが入ることを恐れました。議会内部にも、アルメニア人問題より米国の安全保障を優先させる意見が強く、結局、この法案は僅差で否決されました。
ところで、フランスが法律まで制定して「ジェノサイド」と決めつける虐殺事件とは、いったい何でしょうか?
オスマン帝国のアルメニア人強制移住政策から派生した虐殺事件を、欧米では「アルメニア人大量虐殺」と言っています。
事件が起きたのは、オスマン帝国の末期、帝政ロシアとの戦争の時です。ロシアに後押しされて、反政府活動を画策するアルメニア過激派を抑圧するため、オスマン帝国は東アナトリアのアルメニア人をシリアに強制移住させました。この非人道的政策で150万人にのぼるアルメニア人が殺されたというのです。

【虐殺されたのはアルメニア人だけなのか】

トルコはアルメニア人の大量殺戮の事実を否定しているわけではりません。
19世紀に始まった東アナトリアのイスラム系トルコ人とキリスト教系アルメニア人の対立、オスマン帝国の没落を早めようとする西欧列強の介入、オスマン帝国のアルメニア人弾圧政策、帝政ロシアのアルメニア支援戦略などが、複雑に絡み合う国際情勢の下で、トルコ人とアルメニア人の双方に30万人以上の犠牲者が出たことは認めています。
しかし、虐殺をもたらした諸要素を相対化した議論は、西欧では許されないのです。
オランダでは、11月22日に予定されている議会総選挙のトルコ系候補者3人が、アルメニア人虐殺を認めなかったという理由で、与党民主勢力と野党労働党の双方の候補者リストから外されてしまいました。
オスマン帝国は、600万人のユダヤ人を虐殺したナチス・ドイツのように、アルメニア人を150万人も殺したのだ。これを認めなければ国政選挙に立候補させない。なんて、まるで「踏み絵」じゃないですか。

【史実は政治が決定するものなのか】

トルコの立場でいえば、欧州の歴史認識は一方的で不公正なのです。
トルコのエルドアン首相は10月10日、議会で演説し「トルコ人もアルメニア人同様、30万人が殺されている。フランスは過去アフリカで行った植民地支配を反省すべきだ」と、フランスを非難しました。
こうなってくると、泥仕合です。
確かに、フランスがアルジェリアやベトナムでやったことは非難されなければなりません。フランスだけでなく、オランダ、スペイン、ポルトガルがアジアやラテン・アメリカで行った植民地支配だって、褒められたものではないですよ。
それにしても、なんで今さら、アルメニア人虐殺を法律で明確化しなければならないのか、不思議でなりません。その政治的意図が不明瞭なのです。
トルコはEUへの加盟を切望してきました。しかし、欧州は時々、トルコを仲間に入れたくない底意をちらつかせます。
フランス、ベルギー、オランダなどの本音は、非キリスト教国のEU加盟に反対なのです。フランス国内には50万人のアルメニア系住民がいるそうですが、この人たちはトルコ人に対して強い歴史的反感を持っているでしょう。そういう民族感情がフランス人の潜在的ナショナリズムと混合して、アルメニア人大虐殺の「史実」を法制化したのかもしれません。

【政治の歴史介入は困る】

トルコは1987年にEU加盟を正式申請しましたが、受理されませんでした。不受理の公式理由は、トルコの経済開発レベルがEU基準に達していないことと、人権問題でした。しかし、実際の理由は、ギリシャの猛反対と、トルコがイスラム教国であることのようです。
トルコは心からEUに加盟したいのです。しかし、これからも、いろいろ理由をつけられて拒否され続けるのではないでしょうか。
アルメニア人問題は、おそらく、EUとトルコの間に立ちはだかる大きな壁になっていくと思います。国政選挙の候補者リストからトルコ系市民が外されたオランダや、トルコ本国では抗議行動が起きています。
しかし、ぼくが問題にしたいのは、欧州の移民排斥の風潮とか、トルコのEU加盟問題とかではありません。
一国の立法府が他国の歴史を規定するのはいかがなものか、ということです。
歴史の解釈に政治が介入してもらっては困ります。自由な歴史論議が法律で規制されるのは、もっと困るのです。



(私のコメント)
「株式日記」というブログなのに、なぜ株式とは関係ないようなことまで書くのかという疑問を持つ人もいるかとおもいますが、原油相場が89ドルまで上がった理由を突き詰めていくとアルメニア人大虐殺まで遡らないと分析できなくなるのです。経済はグローバルに結びついているから国際感覚も無ければとても国際金融資本に太刀打ちは出来ません。

「ニュースの地層」に書かれているように、「史実は政治が決めるものなのか」という問題は日本も無関係ではなりません。アメリカ下院議会では日本軍による従軍慰安婦問題に対する非難決議がありましたが、安倍総理はヘタレにもアメリカに対して謝罪を繰り返しましたが、非難決議は可決されて、安倍総理の「戦後レジームからの脱却」は歴史を風化させるものだというアメリカのユダヤ人たちの反発を招いてブッシュ大統領によって失脚させられました。

トルコと日本とは国際状況が異なる事はありますが、アメリカの下院決議に対する態度は日本はトルコを見習うべきであったと思う。断固アメリカに抗議して「政治の歴史介入」は避けるべきなのだ。しかしながら日本の戦後はアメリカ軍によって書き換えられてしまって、日本は侵略戦争を行なった犯罪国家とされている。しかしこの問題は議論の余地がある問題であり、私は大東亜戦争は人種差別と植民地解放のための戦争であったと思っています。それは歴史年表を見れば分かる事です。アメリカはそれを恐れているのだ。





企業はアルバイト等を使い人件費コストを下げる事で、
自分で自分の会社を「倒産に追い込んでいる」事に気付かない。


2007年10月17日 水曜日

なぜ日本は借金だらけになったのか 5月24日 オルタナティブ通信

北海道の夕張市を始め、日本全国の自治体が破産の危機に直面している。なぜこうした事態が発生したのか。会社というものは営利企業である。出来るだけ利益を出そうとする。働いている者に支払う給与が安ければ安い程、当然会社経営者の手元に残る利益は増える。

人件費のコストが安くなった事により、コストを低く押さえ利益を増加させる事が、会社経営者としては「当然の行動」になる。一企業の行動としてはこれが「合理的」となる。

しかし、働いている者はもらった給与で食料品や自動車等、様々な商品を買う。給与は消費に回り、「商品を買う力」=購買力になる。


企業が自分の利益を増加させるために、働いている者の給与を低く押さえようとする「当然の合理的な行動」が、社会全体では購買力の低下=商品が売れ残るという結果になる。企業は自分で自分の「首を絞めて」いる事になる。

企業は商品が売れ残れば、当然生産を止める。働いている者をクビにし、あらたに人間を雇う事を止める。働いている者はクビになり、給与が入らなくなり、 ますます消費しなくなり購買力は落ちる。商品はますます売れ残る。

企業は生産を止め、要らなくなった人間をクビにする事でますます商品が売れなくなる。最終的には企業は倒産する。

企業はアルバイト等を使い人件費コストを下げる事で、自分で自分の会社を「倒産に追い込んでいる」事に気付かない。人件費コストを下げるという目先の利益しか見ない。商品が売れ残ったので従業員のクビを切るという場当たり的な対応しか出来ない。

こうして社会全体に失業者があふれ大不況が来る。10年以上に渡った平成大不況等、定期的に大不況が来る理由はここにある。


利益を追求するという、企業としてはある意味「当然」の合理的な行動、エゴが社会全体を破壊する結果になる。

こうした不況を解決する唯一の手段は戦争である。戦争になれば毎日戦車やジープが破壊される。自動車、トラック、ブルドーザー等の工場は、ジープ、装甲車、戦車の工場になり、衣類企業は毎日破損する=需要の大きな軍服の工場になる。

軍隊を動かす食料やガソリンも要る。軍隊は「何も生産せず」、ひたすら物を破壊し消費する。

企業は売れ残った商品の在庫処分が出来る。アルバイト等を使い人件費コストを安く押さえるという企業の行動が戦争を生み出す。そして不況の唯一の解決方法が戦争である。

企業がコマーシャル費用を出しているテレビは、「北朝鮮が悪い」「イラク、イランが悪い」・・様々な理由を付けて、定期的に「戦争をやろう」とする。本当は「北朝鮮、イラン、イラク」などどうでも良いのだ。ただ戦争がやりたいのだ。

アルバイトを禁止し正社員のみとし、世界中で最低賃金を月給30万円にし、違反した企業経営者を「戦争引き起こし罪」で終身刑にすれば、戦争は無くなり世界中は大好景気を継続し世界中の人間の生活が豊かになり、アフリカ等の貧困は消えて無くなる。

・・・だがそれは有り得ない。

企業はアルバイト等で人件費コストを減らすという「目先」の利益しか頭に無く、社会全体の事を考えて企業は行動出来ない。

彼等はアルバイトの若者達が月給10万円で貧乏な生活をし、結婚も出来ず将来への夢も希望も失い、また世界各地で人間がバタバタ餓死し、戦争で人間がバタバタ死んで行く事が「好きなのだ」。そして一生懸命経営してきた自分の会社が「不況で倒産する事が好き」なのだ。

こうして、1930年代の大不況を「解決」するため第二次世界大戦が起こされ、大量の人間が殺害された。

企業が「人件費コストを押さえる」事を禁止もせず戦争も避けたい・・そう考えた経済学者ケインズは、「人件費コストを押さえた結果」の売れ残り商品を、国が「買い付け」消費する事を思い着いた。

余った商品を国が買い付け、公共事業の名前で全国に道路や巨大な橋、ビル、公民館等をどんどん建設すれば良い。 道路も橋も公民館も「公共」の役に立つのだから良いであろう。建設費用はとても税金では足りない。国が借金する事になる。

単純化すると、企業は生産された商品1000万円分に対し、給与300万円を支払い、給与をもらったサラリーマンは300万円を消費して商品を買い、生活する。

700万円分の商品が「余っている」のであり、サラリーマンの給与300万円に課税した300万円のごく一部の金額の所得税や、企業利益700万円に課税した700万円のごく一部の金額の法人税で、700万円分の「売れ残り」を全て購入出来ない事は原理的に明らかである。(企業のその他のコストは便宜上除外)

そして700万円の「売れ残り」を毎年購入した政府と地方自治体の借金が、700万円と300万円の「ごく一部」を税金として得た政府、自治体の収入で将来的に返済出来ない事=国家と地方自治体が将来破産する事は原理的に明らかである。

ケインズの政策は「その場しのぎの先送り」でしかなった。公共事業を行う国や地方自治体の借金は「必然的」になる。

経済成長し経済の規模が大きくなれば成る程、「人件費コストを押さえた」結果の「売れ残り」の規模も大きくなる。「本当に必要な公共事業」だけでは「売れ残り」を処理し切れない。

地方の誰も利用しない道路まで舗装し、人口500人の町に2万人を収容出来るオペラハウスを建設する事になる。500人の住人の内、オペラが好きな人間など1人もいなくても「そんな事はどうでも良い」。

「売れ残った」セメ ント、鉄骨、ダンプカー・・商品を何とかして消費「しなくてはならない」からだ。

しかし、国も地方自治体もついに借金で破産状態になった。小泉総理の時代に「公共事業はもう止める、道路建設、新幹線は止める」と大合唱が始まった。

だが元々公共事業は戦争を回避するために始まった。公共事業がストップすれば、次は戦争しか無い。安倍政権では「憲法を改正し軍隊を認めろ」と大合唱が始まった。

拙稿「会社で働かなくても生きていける」に紹介したドイツの地域通貨リーフのように、地域経済が多国籍企業の世界市場から自律してしまえばこの問題は根本的に解決する。「売れ残り」商品の在庫処理のために、不必要な公共事業や戦争を行う必要は全く無い。

作り過ぎて「売れ残った」お菓子マドレーヌは、 リーフ市場(いちば)の友人の八百屋、肉屋のオジサン、オバサンに無料でプレゼントすれば良いのである。お返しに「売れ残った」野菜や肉をくれるであろう。今晩の夕食の材料が無料で入手出来るだけである。

どうやっても戦争など起こりようが無い。穀物や材木等、生産し過ぎ売れ残った物資は、不作の年に備えて倉庫に保管しておけば良い。不作の時のための「保険」になる。

多国籍企業の世界市場では、戦争と無用な公共事業=環境破壊の原因となる過剰生産は、地域自律経済では不作の備え=保険となる。戦争という不安の原因は、万一への備えという安心の原因となる。

悪は善に転換する。

過剰生産=富が安心を与えるのは 当然であり、過剰生産が戦争を生む多国籍企業の世界市場が狂っているだけである。訳の分からない事を言って暴れる狂人は「無視するしか」無い。多国籍企業の狂った世界市場など無視すれば良い。

※・・ロックフェラー等の指揮下にある軍隊が、こうした地域自律経済を軍事力で破壊する事は十分考えられる。

それを行わせないための多国籍企業への対抗力、封殺力を地域側は戦略として持たなければならない。それが無いと簡単に軍事力で潰されてしまう事になる。


犯罪企業トヨタ自動車 5月22日 オルタナティブ通信

拙稿「会社で働かなくても生きていける」で示したように、国内にいた大企業が安い賃金等を求め海外に出て行く時代になると、大企業により正社員として雇用される人間が大幅に減る。

大部分の人間達はアルバイトのような半失業、あるいは完全な失業状態に置かれる。こうした状況は日本、アメリカ、ヨーロッパ、そしてフィリピン、タイ等のアジア、中南米、アフリカ諸国で強度の差はあっても一様に出てくる。

こうして半失業状態に置かれ、いつ解雇され仕事を失うか分からず、将来の見通しも立たない圧倒的多数の人間達の不満を押さえるため、国は街頭の監視カメラ等を使った徹底的な市民への監視体制を作り、警察と軍隊を強化する。

拙稿「あなたは24時間監視されている」に示した日本国内でのNシステム等が、それに該当する。これは国家が一般市民に対して行う「眼に見えない戦争」として「低強度戦争」と呼ばれる。

「低強度戦争」は、まず学校教育を丸暗記中心の勉強とし市民から思考能力を奪い、政治・社会問題について「考えさせない=考える能力を奪う」所から始まる。

そこでは「日の丸・君が代」の強制のような、「国家への忠誠心」を徹底的に植え付ける「洗脳」が行われる。そしてテレビ等では政治・社会問題を極力避け、その場しのぎの「お笑い」等で「問題に気付かせない、目を反らさせる」心理誘導が日常的に行われる。
 
社会に出てからは、低賃金を改善しようと労働組合でも作れば、即座に警察の監視と暴力を使った弾圧が加えられる。日常生活は、クレジットカードを使った資金の出入りの監視により、「気付かぬ内に」生活の細部まで監視下に置かれ、そこに街頭の監視カメラが加わる。

そして企業や政府に批判的な行動を取ると、 警察は適当な理由を作り、その人間を逮捕し社会から抹殺する。

拙稿「警察はヤクザと同じ」に示したように、国の裏金作りという犯罪を告発した人間が、たまたま自宅近所の建設現場をなんとなく見物していた際に、その建設現場の敷地に足が10センチ程入っていただけで住居不法侵入で逮捕され刑務所に入れられてしまう。

こうして警察は、国の行う犯罪を告発する事も社会に訴えかける事も完全に阻止し、抹殺するのである。独裁者のような警察の横暴がまかり通る。

こうした「アルバイト=低賃金状態」への「抵抗、異議」を完全に抹殺する「静かな徹底的な」市民に対する戦争=「低強度戦争」の究極の形が、警察による市民の殺害である。

国に対して批判的な発言をしただけで、深夜突然、特殊警察が自宅に踏み込み家族と共に誘拐・殺害される。死体さえ出て来ない。こうした状況はフィリピンで既に現実化している。そこには日本の未来が見えている。

フィリピンでは、アロヨ政権の国軍や警察による、政府に批判的なNGO活動家やジャーナリスト、労働組合関係者、宗教者に対する殺害が繰り返されている。

今年の2月には国連専門家が同国を訪問・調査を実施し、その結果、アロヨ政権は政治的殺害の防止に取り組む行動計画を発表せざるを得ない状況になった。

しかしその後も、国連調査に協力して証言した女性が殺害されたのをはじめ、5月14日の中間選挙前に多くの左派系政党の関係者が殺害されている。

詳細はウェブページ
http://ngo-ph-rights.jugem.jp/

こうした状況は日本国内と連動している。

今期トヨタ自動車は連結決算で一兆五千億円もの収益を上げ、生産台数もGMを抜き世界一位の自動車会社となった。一方でトヨタ社内には期間、派遣、請負などの非正規雇用で、正社員の三分の一程度の低賃金で働かされている多くの人間達がおり、ワーキングプアと呼ばれる階層が生み出されている。

またトヨタの関連企業では、海外からの研修生を法定賃金以下で働かせる違法行為が日常的になっている。こうした一般市民の「生活破壊=人生破壊」によってこそトヨタの莫大な利益が生み出されている。


一方、フィリピン・トヨタ工場では、勤務状況や低賃金等の改善を求める労働組合に対し警察、軍隊による力づくの弾圧が加えられている。こうしたフィリピンの一般市民への暴力「生活破壊=人生破壊」によってこそ、トヨタの莫大な利益が生み出されている。

日本国内のアルバイト問題とフィリピン・アジア諸国の貧困は連動し、「悪の根源」は「1つ」である。アロヨ政権は、警察・軍隊を使い、トヨタの利益のためにトヨタの「私設軍隊」としてフィリピン市民を殺害している。名古屋のトヨタ本社とフィリピン・トヨタ工場は「悪の枢軸」である。


(私のコメント)
「株式日記」ではミクロ経済とマクロ経済の違いについて書いて来ました。一企業が合理化とリストラで人件費を削減した事で企業の利益を上げる事を、どこの企業も一生懸命になってやっている。企業利益が上がれば株かも上がるし重役達のボーナスも上がる。

しかしそんな事を日本中の企業が一斉に行なえば、リストラされて非正社員となり給与が半分になれば消費も半分になり企業の売上げも半分に落ちる。バブル崩壊後の日本はこんな事を続けてきたから消費不況を抜け出せないでいる。これをマクロ経済で言えば合成の誤謬と言う。

小泉構造改革でも規制緩和という、企業によるリストラ推進策を行なったからこれが加速した。一企業単位で見れば正しい行いでも、社会全体で一斉に行えばかえって景気が悪化してしまう悪循環が起きてしまう。

もし長期的な戦略経営を行なうならば、このような不況期こそ優秀な新卒者を採用するチャンスでもあった。ところが企業は企業を支えてきた中堅ベテラン社員をリストラして新規採用を控えて人件費を減らしてきた。ところが景気が拡大し始めると企業は一斉に新卒者の大量採用を行なっている。

以前の日本企業は不況でも首切りを行なわずに配置転換などで対応してきた。そして首切りを行なわなかった企業が好景気にいち早く対応して企業規模を拡大してきた。長期的な経営戦略から見ればそれは正しい事であり、経営の神様である松下幸之助のやり方だった。

経営者は人と同じ事をやっていたら経営者としての資格は無く、松下電器が大企業に成れたのは人とは違ったやり方をしてきたからだ。ところが最近の経営者は周りと同じ事ばかりする。いま松下幸之助が生きていたらどう言うだろうか? 経営の神様は従業員の首を切ったり賃金カットすれば自分にツケが回ってくる事を知っていた。


松下幸之助〜七転び八起きの心意気 国際派日本人養成講座

ある日本人の経営コンサルタントが、アメリカはフロリダにあるジュース工場を指導した。従業員に教育を行い、設備はぴかぴかに磨き、その結果、生産性、品質とも見違えるように良くなった。ところが、経営者はその工場を従業員とも他社に売却してしまった。
   
せっかくここまで良くしたのに、と日本人コンサルタントが文句を言うと、だからそのお陰で高く売れたんじゃないか、心配するな、まだ工場はたくさんあるからお前の仕事はいくらでもある、と答えたそうな。
   
従業員も設備や建物と同様に金儲けの手段だと考える、いかにもドライな現代アメリカ流の経営思想であるが、最近の日本の経営者の中にも派手な人員削減策を打ち出して、株価を上げようという手合いも見受けられるから他人事ではない。
   
ここで思い起こされるのが松下幸之助である。「松下電器は何を作っている会社ですか、と聞かれたら、人を作っている会社です。あわせて電気製品も作っていますと答えなさい」と幸之助は社員に教えた。人を事業の手段だと考えるアメリカ的経営とはまったく異質な発想がここにある。そこには現代の日本人が忘れてしまった大切な教えがあるのではないか。(中略)
 
この年の10月24日のニューヨーク株式市場の大暴落に端を発した世界大恐慌は、日本経済も痛撃し、巷には首切り、人員整理の嵐が吹き荒れ、失業者が街にあふれた。次々と新工場を設立していた松下の売り上げもぴたりととまった。12月の半ばには出荷がほとんどなくなり、連日生産される製品で倉庫は充満し、工場の土間一杯に積み上げられた。井植は療養中の幸之助に情況を説明し、ひとまず従業員を半減して窮状を打開するしかない、と訴えた。
 
幸之助も思案に暮れたが、腹をくくってみると打開策が閃いた。
   
明日から工場は半日勤務にして生産は半減、しかし、従業員には日給の全額を支給する。そのかわり店員は休日を返上し、ストックの販売に全力を傾注すること。・・・半日分の工賃の損失ぐらい、長い目ぇでみれば一時的の損失で大した問題やない。それよりも採用して仕事に馴染んだ従業員を解雇して、松下工場への信頼にヒビが入る方が辛いのや。
       
翌日、井植が工員や店員を集めて幸之助の決断を伝えた。いよいよ首切りかと覚悟していた所に、思いも寄らぬ話で皆「うわっ」と躍り上がった。店員たちは鞄に商品見本を詰め込んで、「さあ、売りまくりじゃあ!」と市中に飛びだしていった。販売は心意気である。2ヶ月後には在庫の山がきれいに消え、半日待機をしていた工員たちもふたたびフル操業を開始した。(中略)

松下が発展した大正から昭和前期の日本は不況、震災、恐慌、台風、敗戦と、危機また危機の連続であった。それらの危機を乗り越え、そのたびに松下は大きく発展していった。結局、製品や設備を開発したり、問題を解決するという創造性は、人間
のみが持ちうる能力である。幸之助の「人を作り、人を大切にする」という経営は従業員や得意先との「和親一致の協力」を引き出し、そこから生まれた想像力と心意気で度重なる危機を乗り越えてきたのであった。
   
現在のわが国もバブル以降、10年に及ぶ不況の底に沈んでいるが、危機の大きさからすれば幸之助の時代とは比べものにならない。それなのに一向に危機を乗り越えられないのは、多くの企業で「人を作り、人を大切にする」という理念を忘れ、「和親一致」の精神を見失ってしまったからではないだろうか。それでは企業が繁栄できないだけでなく、従業員を仕合わせにすることもできない。幸之助が生涯をかけて示した繁栄と幸せへの道筋をもう一度、思い起こすべき時だろう。
(文責:伊勢雅臣)


(私のコメント)
松下幸之助は1989年の平成元年になくなりましたが、日本から経営の神様がいなくなって日本は貧乏神が住み着いてしまった。日本的経営の良さは人作りにあったのですが、最近の経営者はアメリカ流に従業員を消耗品か道具のように使い捨てる。育て上げた会社ですら経営者は売り飛ばしてしまう。アメリカ経営法の悪いところを学んだ経営者が日本を腐敗堕落させてしまった。それが小泉・竹中構造改革の正体だ。




湾岸戦争は、米国の唯一の超大国としての世界支配の始まりだった。
12年後に『イラク侵攻』と『占領』をもって、米国の力の限界を露わにした。


2007年10月16日 火曜日

イラク占領―戦争と抵抗 パトリック・コバーン(著)

ぐずぐずに崩壊するイラク 書評 松浦 晋也

 本書は2002年のイラク戦争前夜から、2006年前半までのイラク情勢を扱っている。原著は2006年10月に出版され、邦訳は今年の4月に発売された。原著出版からそろそろ1年が経過したが、本書の価値は下がっていない。歴史や生活習慣から、政治情勢に至るまで、イラクを熟知した練達のジャーナリストが、現地の生の状況を取材して情勢分析を行った ―― わたしは、本書をイラク情勢を把握するための必読書であると評価する。(中略)

 宗派や民族とは別に、イラクの人々は、強固な地縁血縁の社会的網目の中に生きている。地域や血縁に対する忠誠心は、時として国家への忠誠心を上回る。

 また、彼らは一般に日本人と比べて血気盛んであり、しかもごく当たり前に武装している。イラクは、男ならば銃を持ち家族や血族を守るのが当然という、米国以上の銃社会だったのである。

 実のところ、イラク国民の暴発を防いでいたのは、強固な連帯を誇る各派の社会的コミュニティだった。一族の族長の命令は絶対であった。

 しかし、湾岸戦争以降の経済封鎖による困窮がコミュニティを弱体化させていた。困窮は犯罪を多発させ、軍からの武器横流しが横行した。その結果、イラクは一般市民に至るまでが、「血族を守る」という理由から近代的兵器で武装するという状況にあった。

 弱体化したコミュニティと、生活苦を背景とした不満の中に、イスラム原理主義が浸透していく。原理主義は、シーア派、スンニ派を問わない。むしろ「血族がやられたらやり返す」というイラク人のメンタリティに、イスラム教の一部の教義がお墨付きを与えたと言うべきだろう。

 一神教を信じる血気盛んな人々が、貧困に苦しみつつも近代的兵器で武装している。彼らは三派に分かれており、長年の圧政で相互不信は増大している。人々の忠誠心は独裁者フセインが仕切る国家ではなく、地縁血縁に向けられている。さらに周囲の国には反米と対になったイスラム原理主義が横溢している ―― これほど、テロリズムにとって理想的な培地は他に存在しないだろう。

 そんな状況の中に、米国軍は、石油利権に引かれて異邦人の占領者として乗り込んでいったのだった。(中略)

 本書の末尾は以下の言葉で結ばれている。

 「クウェートからイラクを追い出した1991年の戦勝は、米国の唯一の超大国としての世界支配の始まりだった。それは同時期に、ソ連がうまい具合に崩壊してくれたからでもあった。
 そして2003年以降の米国のイラク占領‥‥。それは米国の没落の始まりかも知れない。

 サダム・フセインは発作的な傲慢さでもって、クウェート征服という身の丈を超えることをした。それと似た傲岸さでジョージ・ブッシュは12年後に『イラク侵攻』と『占領』をもって、米国の力の限界を露わにして見せたのである。」(本書p.363)(中略)

サダムにはスターリンと違って、あの『ピンクパンサー』の映画に出てくる、クルーゾー警部的なところがあった。自分が仕出かした過ちに学ばず、自信過剰を反省しないで、いつも失敗ばかりしている、あのキャラクターである。」(p.38)

 そんな人物が四半世紀近くも権力を維持できた理由は、秘密警察にあった。密告を奨励し、恐怖で国民生活そのものを締め上げる手法で独裁政治を維持してきたのである。

 独裁の維持には戦争も有効だった。外敵が存在すれば、国内の締め付けに理由を付けやすくなる。1981年から8年続いたイラン・イラク戦争は、フセインの独裁体制維持にはプラスに働いたろう。1991年の湾岸戦争以降の国際的な経済制裁も、独裁体制維持という観点からすれば、むしろフセインにとっては有意義だったと言えるのかもしれない。

 しかし、戦争は同時にイラク国民と経済の両方を疲弊させた。

 このように考えてくると、それなりに機能していたイラクという国家が、ぐずぐずに崩壊した理由は、まずなによりもフセインという特異なキャラクターによる独裁政治にあることが分かる。そして、独裁の維持にあたって、秘密警察と戦争が有効であったということも。

 いや、むしろ、「独裁者」「戦争」「秘密警察」は、相互に関係していると考えるべきなのかも知れない。この三つは、国家におけるがんのようなものと考えるべきなのだろう。とするならば、これらの発生を防ぐことが、国家の崩壊を回避するにあたって重要だということになる。

 逆に、これらを回避できなければ、日本であっても、イラクのような混乱に陥る事があり得る。「日本は単一民族だ」「抱える歴史的経緯が違う」という考えは、たしかにあり得る。しかし、かつてのイラクだって、多民族多宗派で複雑な歴史を抱えつつも、まずまずうまくやっていたのである。

本書を最後まで読み終えて感じるのは、著者のようなベテランジャーナリストの重要性だ。著者は、30年近くイラクを含めた中東を取材し続け、歴史も社会も知り尽くし、取材相手から信用を勝ち得て人脈を作ってきた。

 ひとたび戦争や占領というような異常事態になると、このようなジャーナリストが発信する情報が、非常に重要になる。日ごろの取材と人脈なくして、正確な情報を入手することが難しくなるからだ。

 著者はアイルランド出身で、英国の新聞社に勤務している。このような「中東スペシャリスト」とでもいうべきキャリアを歩むにあたっては、英国という国が何世紀にもわたって植民地を支配してきた老かいな国であることも無関係ではないだろう。優れたジャーナリストは、国家の安全保障や諜報活動、ひいては世界の安全保障にとっても重要なのだ。

 このようなスペシャリストは、2〜3年で記者を別の分野に異動させるような人事システムでは育たない。5年、10年と一つの取材対象を執念深く追い続けることによってのみ、著者のようなスペシャリストになることができる。

 現在日本の報道機関は、どこもほぼ例外なく、2年程度で記者を次の部署に異動させる人事システムを採用している。新聞社にもテレビ局にも、スペシャリストと呼べる記者はほとんどいない。日本においては、主に組織のくびきを逃れたフリーランスのジャーナリストがスペシャリストとなって活動している。

 フリーランスに頼っているということは、日本の大メディアがスペシャリストを育成する責務から逃げているということでもある。

 特にイラクのような場所のスペシャリストになるということは、生命の危機をも受け入れて取材を行うことを意味する。大メディアとしては、社員が誘拐された死亡したりという事態をなるべく避けたい。面倒な取材対象は、後腐れないフリーランスに任せ、ニュースを買い上げるほうが会社経営としては安全だ。

 だが、それは資本力のある大メディアが、日本の、ひいては世界の安全保障という責務から逃げていることを意味する。

 わたしたちの不幸は、このような本を翻訳によってのみ読むことができるということだろう。本来ならば、本書のような対象に肉薄した本を日本語で書く記者がいなくてはならないはずなのだ。

 そのような人材を育成することは、日本のマスメディアの責務であろう。混沌とする世界情勢の中で、今後、スペシャリストとしてのジャーナリストの需要は増えることこそあれ、減ることなどはないはずだから。



(私のコメント)
13日に「国家情報戦略」のことを書きましたが、政府のために情報を扱う仕事が情報部であり、国民の為に情報を扱う仕事がジャーナリストということになるのだろう。だから情報部員とジャーナリストとは仕事としてはほとんどダブっており、スパイのカバーとしては新聞記者などが多い。

日本の報道機関には在日の人が多いようですが、情報部員がカバーとして入り込んでいるのだろう。世論操作も情報部員の重要な仕事の一部だからだ。だから国家として情報部員兼ジャーナリストを養成しているところもある。テレビなどで活躍しているデーブ・スペクターも情報部員兼タレントとして活躍している。

昨日も書いた事ですが、情報部員や国際ジャーナリストとして活躍する為にはその国に20年から30年は暮らして根を生やさないと、とてもその国の情報を得ることは出来ない。ところが日本では大新聞社にしても大テレビ局にしても特派員を2年程度で移動させてしまう。松浦氏の書評にあるように日本企業はスペシャリストの養成を避けている面がある。

企業としてはスペシャリストが出来てしまうと、自由な人員配置が出来なくなり、人事の主導権が奪われることを異常なほど恐れる。スペシャリストは他の人に代えがたい存在となるから企業と対等な関係になり人事を扱いづらくなる事を恐れるのだろう。私もサラリーマン時代に一つの仕事に慣れてくると、こんな楽な仕事で高い給給料もらえるのなら天国と思える時もありましたが、会社はそんな天国のようなポストに安住させてくれはしない。

日本には中東を専門とするジャーナリストはおらず、イラクの状況がどうなっているのかを知る手段は無い。それに対してイギリスには中東に30年も在住するパトリック・コバーン記者がいる。FT紙やインディペンデント氏などの特派員をしていますが、湾岸戦争の時もイラクに留まり報道した。現在もバクダッドなどの危険なところでの取材を続けている。

日本には国家情報機関がないだけでなく、あったとしても優秀な人材がいなくては機能しない。外務省や公安調査庁があったとしても機能しなければ意味がない。アメリカのCIAにしてもカーター時代のリストラで中東の専門家の多くが解雇されて、それがイラク問題を拗らせる原因となった。いったん解雇するとそれに代わる情報部員を養成するのに20年も30年もかかる。

日本の大メディアがこのようなスペシャリストを養成しないのは、国家的にも損失であり百人以上いる大使館よりも一人の有能な情報部員が重要な役割をする。それに対して2年や3年の駐在員では言葉を憶えるのもままならず新聞の切り抜き程度の情報収集しか出来ない。「株式日記」で情報機関を作れと書いて来ましたが人材の養成が一番の問題だ。

私はこの「イラク占領」という本をまだ読んではいないが、歴史的な分析に基づいた記事は読み応えがあるようだ。日本語版の翻訳者である大沼安史しのブログでも次のように書いている。


〔イラクから〕 P・コバーン著、 『イラク占領』(仮題) 翻訳を終えて 大沼安史

 本書を翻訳しようと思ったのは、蜃気楼のようにつかみがたい、「イラク戦争」「イラク占領」の実態を見事に結晶化させ、描き出しているからだ。「イラク戦争」「イラク戦争」の現実を、内側から「活写」しているからだ。

 ぼくは湾岸戦争直前のバグダッドに、新聞社の特派員として二度入り、カイロにも駐在して、その後もそれなりに「中東ウォッチ」を続け、生意気にも「ちょい中東通」を自認していた。が、本書はそんなぼくの「過信」を粉々に打ち砕いてくれた。ぼくはほんとうに何も知らなかった。バグダッドもイラクも、「戦争」も「占領」も。

 本書の内容紹介は重複になるので省くが、読み終えた読者はたぶん、コバーン記者の歴史的なパースペクティブの深さに感心させられたことだろう。イラク戦争を歴史のなかに位置づけ、過去の出来事と比較することで、その特殊性を浮き彫りにする(たとえば、一九四五年のベルリンと二〇〇三年のバグダッドの比較、アメリカのイラク支配と大英帝国のインド支配の違い、など)。これは歴史の素養なくして出来ることでない。

 もうひとつ、本書を読んで印象に強く残るのは、細かい事実、逸話にこだわるコバーン記者の取材姿勢である(たとえば、イラク人の果樹園をなぎ倒す米軍ブルドーザーの拡声器からジャズが流れていた、との記述)。ジャーナリズムの神もまた、細部に宿り給うのだ。

コバーン記者の諧謔も、読後に余韻を残すものである。絶望的な状況を描きながら、この人は決してユーモアを忘れないのである。(「ダイハード2」というニックネームがついたカナリアのこと、バグダッドのホテルのエレベーターを占拠した「空飛ぶ族長」の話、同じホテルの玄関口のフロアにあったパパ・ブッシュの「踏み絵」と、それを飛びそこなって股グラを痛めた米政府当局者のエピソード、「グリーンゾーン」内の売春宿の逸話、等々……)

 そして何よりも、コバーン記者の眼力の鋭さ――。

 たとえば、「もし、ブッシュとブレアが、イラクの独裁者が『大量破壊兵器』という、中東にとって脅威となりうる軍事力を保持していると本当に思っていたなら、たぶん攻撃は仕掛けなかったろう」という指摘など、実に鋭利である。

 言われてみれば、確かにその通り! ブッシュ大統領は、イラクには「サダムの核」はない、とわかっていたのだ。「大量破壊兵器」はないとわかっていたからこそ、「大量破壊兵器」があると言い立てて、それを口実にイラクへ攻め込んだ……。



(私のコメント)
日本の一番の弱点は情報活動が低調な事であり、日露戦争に勝つまでの日本は、情報宣伝活動にも重点をおいていた。しかしそれ以降の日本は軍隊が強力になるにつれて情報よりも作戦に人材の重点を置くようになった。次第に欧米の政治状況にも疎くなり、国内では軍国主義的な動きが主導権を持ちはじめて、特にアメリカの動きを読み誤った。

外務大臣の松岡洋右もアメリカ留学して9年間滞在してもアメリカの動きを読み誤った。英語が出来るだけといった中途半端なアメリカ認識でかえってアメリカとの外交関係を拗らせてしまった。アメリカのイラク戦争のつまづきもイラクからの亡命者からの情報に頼り、イラクの状況分析を誤った。石油の確保が目的ならばむしろサダム・フセインを買収してしまった方が手っ取り早かったのではないかと思う。

パトリック・コバーンが指摘しているようにアメリカのイラク占領はアメリカの国力の限界を示すものとなり、僅か10年余りで世界帝国アメリカの滅亡のきっかけになるのだろう。サダム・フセインが絶えず戦争を必要としていたごとく、アメリカもまた絶えず戦争を必要としていた。戦争によって栄えた帝国は戦争に敗れることでもろくも滅亡する。


911テロ事件からイラク侵攻までの全容が解明されたら、アメリカがいかに狂った国家であるかが分かるだろう。またその国家ぐるみの陰謀を見抜けぬアメリカ人の間抜けさにも絶望感を感じる。911テロには米政府の一部とイスラエルの工作機関が絡んでいる。もし全容が明らかにされればイスラエルの立場はどうなるのだろう?

ツインタワー崩壊の疑惑を追え(世界まる見え!テレビ特捜部)1

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