株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


後出しジャンケンをルールで認めたヒル氏の甘さ。それを追認した
ライス国務長官の焦り、それを認めたブッシュ大統領のやるせなさ。


2007年7月15日 日曜日

北朝鮮、参院選を注視 “宿敵”安倍の退陣願い  7月1日 ZAKZAK

北朝鮮が、7月29日に投開票される参院選の行方を注視していることが30日、分かった。北の拉致事件や核・ミサイル実験を受け、安倍晋三政権は対北制裁を強めている。金正日キム・ジョンイル)総書記の“金づる”だった朝鮮総連も青息吐息だけに、将軍さまとしては日本の「天下分け目の戦い」を祈るように見つめているようだ。

 消息筋によると、6月21日、米国のヒル国務次官補と北の金桂冠(キム・ゲグアン)外務次官が平壌で会談した。そのなかで、ヒル次官補が日本との話し合いに前向きに取り組むよう要請すると、金次官は「参院選が終わるまで様子を見る」という趣旨の発言をしたという。北の将軍さまの望みはズバリ、安倍首相の退陣とみられる。安倍首相は拉致問題で名をはせ、制裁でもギリギリ北をしめつける圧力路線を突き進んでおり、北にとっては“宿敵”だからだ。

 参院選は「消えた年金」問題などで自民党は逆風ムード。もし、大敗を喫した場合、安倍首相の責任論が浮上することは間違いない。北の思惑どおりになってしまうのか!?


北朝鮮米朝軍事会談提案  7月14日 海洋戦略研究

13日北朝鮮の朝鮮人民軍板門店代表部代表は、朝鮮半島の平和と安全保障に関連した問題を協議するため、国連代表を交えた米朝軍事会談の開催を提案したと朝鮮中央通信が報じたという。

 米朝中韓4か国による朝鮮半島の和平体制を目指す機構の創設が検討されるなか、北朝鮮は、米国との直接交渉を呼び掛けた。

 同代表部代表は、在韓米軍の駐留について、朝鮮戦争の停戦協定違反だと批判し、米韓合同軍事演習を続ければ、6か国協議が吹き飛ぶといのは火を見るより明らかと警告し、機会は逸しやすいが得難いものであると会談に応じるよう求めた。

 米国が今後も北朝鮮に圧力を加え続けるならば、米国の核・先制攻撃に備え、相応の水準の対応打撃手段を更に完備していくと述べ、核開発強化もあり得ることを強調している。

 北朝鮮は、BDA北朝鮮資金凍結問題と同じく、軽水炉要求問題に続き6か国協議合意事項履行問題と米朝軍事会談を絡ませてきた。

 寧辺核施設停止が14日に始まる期待となり、次回18日の6か国協議では「初期段階」に続く、「次の段階」の措置について協議しようというタイミングで、6か国協議崩壊が嫌であれば、この条件を飲めと突きつけたのである。

 北朝鮮のいつものやり方であるが、合意が履行され次の段階に移行しようとすると、新たな条件が突きつけられr、それをクリアーしないと次の段階に移れないのである。これは主導権を取る上手いやり方である。本来は北朝鮮が初期段階措置を履行して、それを確認して次に移るのであるが、新たな条件を突きつけて、あたかもそれが本来からあったように振る舞い、順序をすり替え、交渉相手に条件を飲ませる後の先である。後出しジャンケンである。

 米国は、BDAでそれを認めたから、北朝鮮は次から次に思いも掛けない条件を後出しジャンケンで出してくる。それをクリアーしないと6か国協議が駄目になる。これまで積み上げたものが駄目になる。まるで博打に損した人が元を取り返そうと博打にのめり込むようなものである。

 ところが飲めば飲んだで米朝直接交渉なので、6か国協議が無意味となる。

 ヒル氏が、ベルリンで直接交渉し、BDA問題を飲み、与しやすいと北朝鮮に思われた結果である。後出しジャンケンをルールで認めたヒル氏の甘さ。それを追認したライス国務長官の焦り、それを認めたブッシュ大統領のやるせなさ。

 後は米朝で勝手にやって、対テロ支援国指定解除も、国交回復も、絡ませられて為す術もない米国外交の無様さを世界に見せ、イラン、ベネズエラ、ブラジル等々の諸国は勇気づけられるであろう。


 かくしてNPT体制は崩壊している。
 日本は日本の道を行くしかない。



(私のコメント)
アメリカにとっては北朝鮮はどうでもいい国であり、冷戦が終わった朝鮮半島は地政学的にも半島であり大陸の一部に過ぎない。冷戦時代は大陸の橋頭堡として意味がありましたが、今では中国の一部になろうがどうでもいい地帯だ。だから米朝の外交交渉はアメリカ政府の真剣さが感じられない。

日本としては朝鮮半島は目の前だから国防上重要ですが、対馬海峡が安全に航行できれば問題はない。むしろ政治的にも経済的にも安定して外交が出来る国になってもらえばそれでいいのですが、政治的にも経済的にも韓国、北朝鮮共に安定せず、絶えず海外からの援助がなければやっていけないとなると問題だ。

北朝鮮は日本に害悪をかけてこなければマスゲームでもやらせておけばいいのですが、麻薬や覚せい剤や偽札や偽タバコなどを周辺国に撒き散らして困らせる。まともな産業もなく農業も土地がやせていて作物も育たない。戦前の日本が統治していた時代はインフラも整備されて人口も増加した。

大東亜戦争もなくて日本が負けていなければ日本の一部としてもっと繁栄した生活が送れたことだろう。これから北朝鮮が中国のように改革開放路線で行こうとしても、上手く行けるのだろうか? 脱北した北朝鮮人が韓国でなかなか生活に馴染めないでいる。言葉そのものが韓国と北朝鮮とは少し違ってきて通じない事もあるようだ。

このように北朝鮮は国家として成り立っていないのですが、政府自体は瀬戸際外交で援助を引き出しては功績として金正日が称えられている。北朝鮮は外交に全力をかけているからアメリカも振り回されている。6ヵ国協議も今月再開されますが、北朝鮮としてはどれだけ援助を引き出せるかが一番の関心だ。

北朝鮮にとっては安倍内閣の対決姿勢には困っているだろう。だからアメリカを絡めて様々な外交攻勢をかけてきている。アメリカもイラク問題で手一杯だから北朝鮮にはかまっていられないのですが、中間選挙で民主党が主導権をとるようになり国務省も融和的な外交に切り替えてきたようだ。

日本としては後一歩まで北朝鮮を追い込んだのにアメリカはへたれてしまった。核実験までした国をテロ支援国から解除して、国交回復までしようとしている。ならばイランやイラクとも同じように国交を回復してテロ支援国家から解除したらと思うのですが、アメリカのダブルスタンダード外交は訳が分からない。

このように9・11テロ事件があった頃の強面外交とは違って、アメリカの弱腰は日本にとっては不安材料でもある。アメリカを支持しても何の見返りもないのでは同盟国も離れていくだろう。今やアメリカを支持しているのは日本とオーストラリアくらいなもので、イギリスのブレア首相は退陣してしまった。

アメリカの対北朝鮮弱腰外交は安倍内閣をも窮地に追い込んでしまった。安倍内閣の強硬姿勢がアメリカの裏切り外交によって揺さぶられているからだ。アメリカとしては同盟国を裏切ってまで北朝鮮に宥和政策をとるのは、それだけアメリカが弱ってきているのだろう。だからこそ日本は自立の道を探っていかなければならない。



中国産うなぎに気をつけましょう!
                 ?
               ∧_∧
               ( ´∀` ) アレ、ウナギって、こんな味だったかモナ?
               (つ=u ;O 久しぶりに食べたので味を忘れたモナ・・・
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つづく・・・


456 :<丶`∀´>さん:2007/07/13(金) 23:03:51 ID:mL34YeKi ?2BP(200)

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               ( ;l|l´ 3`)´・∴; ブー
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              ; ∧_, ._∧;ガクガクブルブル
              (((;l||`Д´)) モ・・モナァ・・ァ・・アィ・・・ャ・・
              ((( つ と)))'";. ,__ガシャ!
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               ∧_, ._∧
               (; `ハ´ )=3   ふぅー、・・・びっくりしたアル!
               (;つ  と)__ やっと、おさまったアルね!
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「多極化の時代」へという趨勢は当初から明らかであったが、日本人は
その大局観をもとうとせず、それゆえに国家目標を見失ったのである。


2007年7月14日 土曜日

『帝国の消滅 ローマとアメリカ』 中西輝政 ボイス7月号

ローマと同じ末路を恐れたハンチントン

冷戦の勝者となり、湾岸戦争でも圧倒的な力を見せつけたアメリカは、以後十年以上にわたり、急速に勢力を広げ、経済のグローバル化も進めていった。またこれはクリントン政権の八年、ブッシュ政権の八年のアメリカ経済に、持続的で大きな好調をもたらした。

だが、「グローバル化」を推し進めることによって、アメリカは長期的に超大国としての生命力を強めるのか、弱めるのかということについては、じつはよく考えられていないところがあった。歴史的に見ると、アメリカのように世界帝国としての覇権を握っている国がグローバル化することは、ごく長期的にはマイナスの結果をもたらすことがあるのである。これを暗示するのが、まさに古代ローマ帝国である。

一般に帝国は統治の範囲が広くなり、多くの異民族を率いるようになると、経済をはじめとするさまざまな人間活動を、どの地域にも一つの基準で通用させるべく、自己の固有性を薄めたルールをつくり、自らの国内社会のあり方を率先して開放し、普遍化させる方向に向かおうとする。

古代ローマ帝国も同じで、社会・経済の国境を取り払った「普遍帝国」をめざし、黒人であろうと、アラブ人であろうと、またゲルマン人やスラブ人などであろうと、すべての異民族に市民権を与え、「ローマ市民」として扱うことが重要だと考えた。それは宗教においてもそうだった。ローマは多神教の伝統をもつ社会であったが、この多神教というローマの「国体」とは根本的に相容れないキリスト教などの一神教も流入してこざるをえなくなった。

その結果どうなったか。やがてローマ帝国は「ローマ」というアイデンティテイを失い、跡形もなく消滅してしまったのである。過去に輿隆し、衰退した大国はいくつもある。だがローマのように滅亡して「跡形もなくなった」ケースは、ほとんどない。大英帝国をはじめ、かつてのスペイン帝国も、世界の海に覇を唱えたオランダも、小さくなりはしても国として残っている。ところがローマ帝国は、完全に地上から姿を消した。


では、アメリカはどうなるのか。これこそが今後、アメリカが直面していくことになる最大の問いなのである。これを敏感に感じ取り、アメリカ社会に警鐘を鳴らしたのが、『文明の衝突』を著した政治学者のサミュエル・ハンチントンであった。

彼もその議論のなかで、今日の世界は、一極体制を維持しようとするアメリカと、それを追い上げ、アメリカとの対時・対抗を図ろうとする多くの「極志向」の国々とのせめぎ合いと見る「ユニ・マルチ(一極・多極)論」を展開したが、彼の議論のなかでは、いわば「当て馬」的に用いられていただけの論点に、人びとの関心は向けられた。それは、冷戦後の世界は文明と文明の衝突が対立の主要軸となるという点であった。そしてこれは、九・一一テロに象徴されるイスラムとキリスト教の衝突を見事に言い当てたと評価された。

だが、ハンチントンがこの本でもっとも訴えたかったのは、「アメリカが消滅する」という危機意識だったのである。ハンチントンは個人の家系からも、メイフラワー号でイギリスからアメリカに渡り、マサチューセヅツ植民地を築き上げた植民者の子孫であり、独立戦争や南北戦争を経て二十世紀のアメリカをつくりあげてきたWASP(ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント)の直系の人物である。

そのようなアメリカの中枢を辿ってきた家系に生まれ、現代アメリカの「知性の代表」でもあるハンチントン。彼の目には、いまのアメリカは「アメリカの本質」を失いつつあるように映った。ヒスパニヅクをはじめとする移民の増加や、「多様化」の名の下にアメリカ的な意味での「普遍的な価値」を否定する姿勢が、二十世紀の末に至ってWASP的な価値観をどんどん薄れさせていたからである。

この「アメリカがアメリカではなくなっていく姿」こそが、世界におけるアメリカ国家の未来を示唆していると、ハンチントンは考えた。だからこそ彼は、アメリカ独自の価値としての「普遍主義」あるいは「アメリカニズム」や「グローバリズム」を無理に世界中に推し進める道は、むしろアメリカ滅亡の道であると訴えた。その問題意識が、世界は今後、キリスト教文明、イスラム教文明、ロシア正教文明、ヒンズー文明など、バラバラに分かれるのであり、それゆえにこそ「アメリカは、もっとアメリカらしくなるぺきである」という彼の見方に結びついたのであった。

つまり、各文明の衝突とともに、併存や共生を説くことで世界をよりスムーズに多極化させ、それによってアメリカを誤った普遍主義から引き離し、アメリカがより「アメリカらしさ」を取り戻す方向へ向かわせる。これがハンチントンの『文明の衝突』の真のメッセージだったのである。

たしかに、「文明間の衝突のない世界、つまりすぺての文明が解消される『グローバル市民社会』が築かれ、世界政府のようなものがつくられる。ワシントンか、あるいはニューヨークがその首都になり、アメリカが世界を支配する国になる」というのは、すべてのアメリカ人にとっての「夢」かもしれない。だがそうなると、アメリカは「アメリカの本質」を失い、ローマと同じ「完全消滅への道」を歩む。それがハンチントンの真のメッセージであったといえる。

文明的な二律背反

「ローマの本質」とは、元老院の支配であり、さらにはロムルス、レムスに始まる多神教の伝統であり、ローマが攻められれば真っ先に兵士として前線に赴く堅固な独立自営農民とそのモラルであった。それらの力を基盤として、口ーマ帝国は広大な版図を確立していった。

アメリカも建国以来、独立自営農民という素朴な中産階級が自由と民主主義、さらには独立宣言の理念を草の根で支えてきた。その原型を形作ったのはメイフラワー号以来の植民者で、彼らはたんなる移民ではなく、建国者として大西洋の波頭を越え、その子孫たちも一身の危険も顧みず、アメリカ国家とWASPのモラルを堅持してきた。

その歴史のうえにつくりあげられてきた。「アメリカの本質」とは、プロテスタントの理念によって成り立つ、「理念の共和国」としてのアメリカであり、ジェファーソンがアメリカ独立宣言に記し、リンカーンがゲティスバーグの演説で強調した、「創造主に直結するアメリカ」である。これこそ民主党も共和党も関係ない、アメリカ政治の根幹となる考えであり、「アメリカの国体」である。

このアメリカの価値観からすれぱ、自由と民主主義というものは、たとえ世俗化していても、つねに「神」なしには人間や国家は存在しえないとするプロテスタンティズムだけが支えうるものである。この「宗教文明」としての核心なしに、「アメリカの本質」を保ちえない。ハンチントンの世代まで、この信念は揺るがなかった。

それを原初において端的に示したのが、神は「人間を皆平等につくりたもうた」というアメリカ独立宣言の一節である。その考えに基づいてこその「自由」と「民主主義」なのだ。「平等」「人権」も、汚れなき「アメリカの神」の下の平等、人権であり、だからこそ「それは世界一、神聖なもの」となる。それに反するのは神をいっさい認めない無神論と同じで、「地獄行き」つまり究極のアウト・ローとなる。独立・戦争に際し、バトリック・ヘンリーが「自由を与えよ、しからずんば死を」と叫んだのも、こうした、神に直結しているという思想に基づく国家観からである。

その後、南北戦争が起きたのも、連邦を離脱しようとする南部の各州に対し、「神に選ばれた国」からの離脱を北部が認めなかったためであった。南北戦争は、第一次、第二次大戦をしのぐアメリカ史上最大の戦死者を出したことで知られるが、その真の原因は奴隷制度ではなく、「神の国」の民主主義からの離脱は究極の悪であるという理念、あるいは宗教的情熱に発するものだったのである。このような姿こそが、じつはいまも深く、アメリカ国家の神髄なのである。

しかしこれだけが「アメリカ」であれば話は簡単なのであるが、じつはそうではない。もう一つ、プロテスタンティズムの精神に基づく「アメリカの本質」は、尋常ならざる「富」に対するこだわりである。そしてこれも原初のピューリタンの移民時代から始まるもので、当時アメリカに渡った多くの敬虔なブロテスタントたちが、じつは「お金が儲からないアメリカには、何の価値もない」と書き残している。彼らピューリタンにとっても、お金が儲かる国だからこそ、アメリカは特別の存在だったのである。

アメリカは建国以来「マネー・ゲーム」の国なのである。実際、マサチューセッツをはじめ多くの植民地は、何を隠そう正真正銘の株式会社として建国されたのである。まさに「儲からなければ、アメリカではない」というのも、原初よりあの国の本質だったのである。

しかしこれは偽善でも何でもない。ピューリタンの考えでは、お金はただのお金ではないからである。フランスの宗教改革者カルヴァンは「予定説」のなかで、「神がその人を救うかどうかは、彼がこの世に生まれるはるか大昔から決まっている」としている。つまり全知全能の神の下、どうあがいても救われない人は救われない、というのである。

ここでブロテスタントは、「神はその人を救うか救わないか、一つの兆しをお見せになる」と考えた。誰よりも勤勉で、どんな障害があっても乗り越えようとあらゆる情熟を傾け、それによって経済的な成功をつかむ。これこそ神の示すしるし救いの兆候であり、「この世の成功をめざしたアグレッシブな努力が、神の救いを無るための道」としたのだ。

宗教色は色あせてはいるが、この考えが、いまもアメリカに強く流れている。彼らにとってお金は、神の恩寵を信じて一生懸命働いた結果もたらされるものであり、それは即、神に救われる兆候なのである。逆に金持ちになれないのは「神に選ばれていない」ことを意味し、いくら悔い改めようと救われはしないという究極の恐怖に突き落とされることになる。要するに金持ち、つまり豊かになることは、来世の救済つまり「魂の救済」の証しという意味をもつわげである。

だからこそアメリカ人にとって「金儲け」は「命よりも大切な営み」ということになる。当然、国家はすべてのアメリカ人が豊かになれるよう、あらゆる手を打たなければならない。「レッセフェール」といいつつ、ほかのどの国とも違ってアメりカの政府が経済政策にただならぬ重きを置くのは、「税収の確保」などというだけでは到底説明できない。お金が儲からなけれぱ、国家の存在理由がなくなるからである、アメリカでは、国家と経済とは、その根本において切っても切れない密接な関係にあるのだ。文字ど為り株式会社として発足した国家としてのアメリカは、「配当」としての国民の成功を保証しなければならないのである。

冷戦後の世界でアメリカが、あの迫力でグローバル化を進めたのも、この点で、それがピューリタニズムに由来する建かな国理念に適うからである。ピューリタニズムに発する民主主義の思想を世界に広げ、同時に経済的に豊かになる。また、それまではソ連というもう一つの大国によって封じ込められていた世界に、唯一の超大国となったアメリカがどんどん広がろうとするのは、「真空空間の駆逐」と同様、一種の必然だったのである。

アメリカ人のピューリ、タニズムからすれぱ、超大国になり、グローバリズムを推し進め、世界を支配するのは、けっし,て悪いことではない。だが、アメリカのアイデンテイテイを保ったまま超大国として君臨することは文明的な二律背反であり、そのことは何よりもローマの歴史が示している。ここに、二十一世紀のアメリカにとっての最大のジレンマがある。

「強烈な理念」と、「世界の覇権」とが両立しがたいのは、カトリックのスペイン帝国と修道会イエズス会の歴史を見てもわかる。彼らは燃え立つような理念を掲げ、一時は世界中に教区を広げていった。だが世界に広がれば広がるほど、理念の純粋性が失われることがわかり、「縮み志向」に転じたのである。しかし世界帝国の道を歩もうとするローマは、このスペインとは逆に、理念性を薄める道を選ん定。長期的には「支配の効率」に合致するからである。

大英帝国の場合は、初めから明らかに、思想よりも支配の効率を優先させることで、少しでも長く超大国として君臨しつづける道を選んだ。しかし大英帝国は、徹頭徹尾「血の論理」に基づく帝国であったから、イギリス人という血と、非白人、非アングロ・サクソンの血とをつねに画然と区別することで統治を確立したのであって、理念などもともと必要ではなかった。

では、到底「血の帝国」とはなりえないアメリカはどうするのか。これから先も世界にさらに「べったり」と広がるアメリカが、ローマのようなのっべらぼうな世界帝国でありつづけようとしたなら、「理念の共和国」を放棄しなければならない。だが、そんなアメリカを、ほんとうのアメリカといえるのか。(中略)

「強国型」の体制が不可欠だ

ここで日本はいかなる戦略をとるべきかである。もはや、核もGPSも大型旅客機も論議しなくなった日本。この十五年ほど、「フルセット自前主義」は市場原理に合わないとして、もっぱら揶揄の語となってきた。日本はどこで間違ったのか。冷戦終焉直後の「一極時代」から、「一極・多極の時代」を経て、より明瞭な「多極化の時代」へという趨勢は当初から明らかであったが、日本人はその大局観をもとうとせず、それゆえに国家目標を見失ったのである。

しかし当面、中国の軍備拡張が進み、アメリカと正面からぶつかるようになれば、アメリカは日本をますます必要とする。その意味では中国の軍拡も、もっばら懸念すべきものではない。これを「奇貨」として、日本は積極的にアメリカを支えればよいのだ。それが最終的に、日本を強くする道につながるからである。つまり中国の軍拡は、場合によると日本の国策転換の「突破口」となりうる可能性を秘めているのである。少なくとも、このように考えることのできる精神の活力こそ、いまの日本がもっとも求められているものなのである。

この道に歩を進めるためにも、日本の政治体制を「強国型」にしていくことが重要である。それには政権の安定を制度的に保障しなければならない。たとえば一つ挙げるならば、日本の首相の権限が弱いのは、内閣法第六条で「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する」と定めているからである。

閣議は全員一致が原則だから、一人が反対すれぱ、もう指揮監督権を発動できない。たしかに、首相が反対者を罷免すればよいのだが、それは政党内力学でそうそうたやすくできることではない。この六条を変えれば、首相の主導権は大いに強まる。これは日本がアメリカと対等の同盟関係を結ぶうえでも、そして中国、ロシアと並び立つ「列強」の一員となるためにも不可欠な体制なのである。

いまの日本は、アメリカを追い上げる第二勢力にすらなれない「三等国」である。この状態を続ければ、日本の国家としての生命力は必ず枯渇する。また、多極化が進み、もし「列強諸国」による地域覇権が確立していくならば、かつてフランクリン・ルーズベルトが構想したように、東アジアは「中国に面倒を見てもらう地域」と一括される恐れすらある。

それゆえ、日本はいま、自ら多極のうちの「一極として立つ」のか、それとも「第三ランク」の国として〃ホスピス"に入るのか、今後数十年から百年にわたる選択の、恐らくは最後の分岐路に立っている。そしてもし前者をとるなら、それはアメリカとの同盟を通じるしか、ほかに道はないことも併せて認識すべきであろう。「一極として立つ」覚悟さえもてば、日米同盟の運営はうんとスムーズになるはずである。

冒頭に述ぺたとおり、その間、日米関係を良好に保つためにも、日本の国益について主張すぺきを主張し、同盟の緊張関係を保ちつつ、お互いの必要性を確認することができるようになろう。そのうえで日本は、つねに大局を見据えつつ、今後は「自ら立つ覚悟」をアメリカにもはっきりと示していくべきなのである。


(私のコメント)
「株式日記」では日本の自主防衛体制と核武装の必要性を主張してきましたが、東アジア地域において中国と対峙できる国は日本だけである。中国は北と西にはロシアがあり、南にはインドに囲まれて出口は東しかない。東には日本があり日本を攻略することが中国の戦略目標だ。

日中戦争においても中国はアメリカを取り込むことに成功して日本は米中の挟み撃ちにあった。二正面作戦は戦略として絶対避けなければならない事ですが、日本はその罠にはまってしまった。アメリカと戦争するなら中国を味方につけるべきだし、中国と戦争するのならアメリカを味方につけなければならない。

だから中国にとっては日米を分断してから日本を攻略する必要がある。だから中国はアメリカに大勢の工作員を送り込んで、従軍慰安婦や南京大虐殺のプロパガンダをかけて日米分断工作を続けている。日本国内においては朝日新聞や民主党などと手を組んで安倍降ろしの攻勢をかけている。

参院選で安倍内閣が大敗すれば安倍総理を辞任に追い込めると計算しているからだろう。その為に小沢民主党は中国の意向を反映した公約を掲げている。外国人に参政権を与えるとか、沖縄に一国二制度の制度で中国に沖縄を献上するような公約を掲げている。

しかし自民党にしてもアメリカから「年次改革要望書」を突きつけられて郵貯簡保の340兆円が外資系ファンドに流れようとしている。全く日本は独立国の体をなしておらず、外国勢力の走狗となることが国会議員になることの早道なのだ。これを改めるには日本が一極となってアメリカとも中国とも一線を画す覚悟が必要だ。

その為には自主防衛と核武装が必要なのですが、親米ポチ保守派はアメリカに隷属する事こそ日本の生きる道と言い、小沢民主党は国家主権を放棄して3000万人の外国人を沖縄に呼び寄せるそうです。それで沖縄で外国人参政権で中国の傀儡政権が出来て合法的に沖縄は中国のものとなる。

年次改革要望書の自民党と、外国人参政権の民主党はまさに不毛の選択だ。しかしアメリカに比べれば日本は地理的にも文化的にもアイデンティティーは保つのは楽だ。アメリカは白人、黒人、アラブ人、東洋人の寄り合い所帯であり、文化的にも宗教的にも衝突が生まれやすい。ハンチントンの「文明の衝突」」もそのジレンマを警告している。

ローマ帝国もアメリカも領土を広げ国が発展しているうちは一致団結して纏め易いが、内憂外患が重なると国は分裂の危機を迎える。ローマ帝国も東西に分裂したが、アメリカもいずれは分裂するかもしれない。ヨーロッパだってもともとはローマ帝国が細かく分裂して現在に至っている。

アメリカもこのままグローバルな覇権主義で行けばアメリカはアメリカではなくなって行くだろう。ハンチントンの「文明の衝突」は世界の多文化を認め、国内における多文化の衝突を警告している。神に選ばれし国家が宗教や文化で衝突して宗教戦争や文化戦争が起きるかもしれない。

このままアメリカが一つの国に纏まっていこうとするならば戦略的撤退を行なって孤立化政策に戻る事が必要だろう。ところが二つの世界大戦によってアメリカは国際金融資本に乗っ取られてグローバル化を推進してきた。国際金融資本が世界経済を支配すればアメリカの軍事力でそれを守ってきた。しかしもはやアメリカそのものがアイデンティティーを失いかけている。

アメリカの戦略的撤退が実現化されれば日本は嫌が上でも自立を迫られる。その時期はすでに迫っているのであり、いつまでも憲法9条と日米安保にたよっていられる時期ではなくなりつつある。このような事を参院選挙の候補者達は言っているだろうか? 候補者達は年金とか福祉とかいった身近な事しか話さない。

中西輝政氏は日本が一極として立つ覚悟を求めている。このままではルーズベルトが抗争したように日本を米中で共同支配される国家に成り下がるだろう。憲法改正は自民党と民主党の枠組みを壊すものとなるだろう。今のところ憲法改正を安倍総理が一番力を入れている。それに反対するのが朝日新聞であり社民党だ。その背後にはアメリカの民主党がいる。

2009年にはアメリカに民主党政権が出来るだろう。そしてイラクからも撤退して孤立化政策をとるようになるかもしれない。そうなれば東アジアの覇権は中国に移るかもしれない。米軍も韓国や日本から撤退してその空白を中国が埋めるかもしれない。日本はそれでもいいのだろうか? それでも日本の自主防衛や核武装はタブーなのだろうか? 


日本でも多文化共生は認められるべきか?

 ∬∫∬
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<#`Д´> もう許さん!こんな国、出て行ってやるニダ!
( つ つ  
ム_)_)  〃∩ ∧_∧
        ⊂⌒( ´∀`)  
          `ヽ_っ⌒/⌒c 
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ズズズー         ハフハフ 
    ∧_∧   ∧,,_∧
   ( ´∀` )  <`Д´#>  こんな国、出て行ってやるニダ!
   (っ=|||o)   (っ=|||o)
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.   ∧,,∧        こんな国、出て行ってやるニダ!
  <#`Д´>つ≡つ))
  (っr. .)∧_∧ /              __
 (_/⌒ ( ´∀`)つ≡つ))           | i \\  /
     (っr.  )    /            | i  l=l   ワンモアセッ!
    (_/⌒\_)/                 | |_ノ ノ  \
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   ( #´∀)         <∀´ ;>  許してやるニダ
  _| ⊃/(___     _| ⊃/(___
/ └-(____/    / └-(____/
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|  帰れよ!(# |
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サミュエル・ハンチントン(著) 『文明の衝突』 中国が東アジアの
覇権勢力になりはじめたら、他の国々はどのように対応するだろう?


2007年7月13日 金曜日

『文明の衝突』 サミュエル・ハンチントン(著)

中国が東アジアの覇権勢力になりはじめたら、他の国々はどのように対応するだろう? これにたいする答が、まったくぱらぱらになるのは間違いないだろう。中国はアメリカを主要な敵と位置づけているから、アメリカのほうでは明らかに主体的なバランサーとして行動し、中国の覇権を妨げようとするだろう。そのような役割をはたすことは、ヨーロッバやアジアで一国が突出した力をもつのを妨げてきたアメリカのこれまでの態度と一致する。

そのような目標は、いまではヨーロッパでは意味がないが、アジアでは必要かもしれない。西欧のゆるやかな連合は文化的、政治的、経済的にアメリカと結びついており、アメリカの安全を脅やかすことはない。統一された強力で独断的た中国は脅威になるかもしれない。東アジアでの中国の覇権を防ぐために、必要とあれぱ戦争を覚悟することは、アメリカの利益になるだろうか? 

もし中国の経済成長がつづげぱ、二十一世紀の初めにアメリカの政策立案者が取り組むべき唯一最大の重要な安全保障問題になるかもしれない。東アジアで中国が圧倒的な力をもつのを防ごうとアメリカが本気で望むなら、その方向に向けて日本との同盟を結びなおし、その他のアジア諸国と密接な軍事提携をすすめ、アジアにおげるアメリカの軍事的プレゼンスやアジアに集中できる軍事力を高めたけれぱならない。

アメリカに中国の覇権と戦う意思がないなら、その普遍主義をきっぱりとすてて、中国の覇権と共存することを覚え、太平洋の反対側の問題をとりしきる能力が急激に落ちることを受け入れねばならない。どちらのやりかたも、多大なコストと危険がともなう。最も危険なのは、アメリカがはっきりした選択をせずに、ずるずると中国との戦争に入りこんでしまうことだ。それが国家の利益になるかどうかを充分考えずに、さらにそのような戦争を効果的に遂行できる準備なしに戦争をはじめてしまうことだ。

理屈のうえでは、どこか他の強国が中国にたいする主体的バランサーになるなら、アメリカは二次的なバランシングの役割をはたして、中国を封じ込めようとすることも可能だ。バランサーとして考えられる唯一の可能性は日本だが、そのためには日本の政策が根本的に変わる必要がある。

日本は急速に軍備を拡大し、核兵器を入手し、他のアジア諸国からの協力を積極的にとりつげることが必要だ。だが、絶対にとは言わないまでも、中国に対抗するために、日本はアメリカ主導の連合にすすんで参加するかもしれないが、中国にたいする主体的なバランサーになることは考えにくい。そのうえ、アメリカは二次的なバランシソグの役割をはたすことにあまり興味を示さないし、その能力があるかどうかもはっきりしない

ナポレオンの時代に、アメリカは新しい小国としてその役割をはたそうと試みたが、結局はイギリスおよびフラソスの双方と戦争することになってしまった。二十世紀の前半を通じて、ヨーロッバやアジアの国が勢力均衡をすすめるのにアメリカは最小限の努力しかしなかった。その結果、勢力の均衡が保たれず、それを回復するために二度の世界大戦に参加するはめになった。

冷戦中には、ソ連の主要なバラソサーになる以外、道はなかった。このように、アメリカは強国になってから一度も二次的なバランサーになったことがない。そうなるには、徴妙で、柔軟で、不明瞭で、ときには陰険た役割を担わなけれぱならない。それは一方への支持を他方への支持にかえたり、アメリカの価値観からすれぱ道徳的に正しいと思える国への支持を拒否したり反対したりすると同時に、道徳的に間違った国に協力することになるかもしれない。

たとえ日本が、アジアにおける中国への主体的なバランサーになったとしても、その影響力を支える能力がアメリカにあるかどうかも疑問である。脅威になりうる二つの勢力を均衡させるよりも、現存する一つの脅威にたいして直接結集して戦うことのほうが、アメリカはずつと得意だ。最後に、バンドワゴニソグに傾く傾向が、アジア諸国には存在すると思われ、彼らはアメリカが二次的なバラソサーになろうとするどんな努力も妨げるだろう。

(中略)

世界秩序をこのように見るために、国内政治で中国がバンドワゴニングに傾く傾向は、国際関係の場面にも見られる。個々の国家の外交政策を中国が観定する程度は、儒教的な文化をどの程度共有するかによって、また中国との歴史的関係によって異なる。韓国は、文化的に中国と共通点が多く、歴史的にも中国寄りだった。シソガポールにとって、冷戦中は共産中国は敵だった。しかし一九八○年代になると、シンガポールはそのスタソスを変え、アメリカをはじめとする他の国々は中国の力の現実を直視すべきだと、指導者たちが積極的に論じるようになった。

中国系の住民が多く、指導者たちに反西欧的な傾向があるため、マレーシアもまたきわめて中国寄りになった。十九世紀と二十世紀に、ヨーロッバと日本の帝国主義を受げ入れることで、タイは独立を保ったし、中国にたいしても同様な態度をとるつもりがあるうえ、ヴェトナムから安全保障上の脅威を感じているために、ますます中国向きの姿勢をとるようになっている。

インドネシアとヴェトナムの両国は東アジアの国のなかで、バランシングと中国封じ込めに最も傾いた国である。インドネシアの領土は広く、イスラム教国であり、中国からの距離も離れているが、他からの援助なしには、中国が南シナ海での主権を主張するのを阻止することはできない。

一九九五年の秋、インドネシアはオーストラリアと安全保障条約を結び、たがいの安全に「敵対するもの」があれぱ相談しあうことになった。これが反中国の条約であることを両国とも否定したが、最も可能性のある「敵対するもの」が中国であることは認めた。ヴェトナムは儒教的文化の強い国だが、歴史的にも中国とは激しく敵対する関係にあり、一九七九年には短期問ながら中国と戦争をした。

ヴェトナムも中国も南沙群島の領有権を主張しており、一九七〇年代、八○年代には両国の海軍は時々交戦している。一九九〇年代の初めになると、ヴェトナムの軍事力は中国にたいし相対的に弱くなってきた。そのため、ヴェトナムには東アジアのどの国よりも中国との力の均衡を保つための同盟相手を探す理由がある。一九九五年にASEANへの加入が認められ、またアメリカとの国交も正常化したことで、この方向へ向かって二点で進展したことになる。

しかし、ASEAN内でも意見が分かれており、連合としては中国に対抗する意思が薄いため、ASEANが反中国同盟になったり、中国との対決でヴェトナムに強力た援助をする可能性は非常に小さい。中国を封じ込めようとする意思はアメリカのほうが強いだろうが、一九九〇年代半ぱ現在で、南シナ海にたいする中国の主張に、アメリカがどこまで反対するつもりかは明らかでない。

そういうわげで、ヴェトナムにとって「害の最も少ない選択肢」は中国に順応し、フィンラソド化することかもしれない。そうすれぱ「ヴェトナム人の誇りを傷つけるかもしれないが……国家の存続は保証されるだろう」

一九九〇年代には、中国と北朝鮮をのぞく東アジアのほとんどすべての国が、この地域でのアメリカの軍事的プレゼンスがつづくことを歓迎すると表明している。しかし実際には、ヴェトナムをのぞいてすべての国が中国に順応する傾向にある。フィリピンはアメリカの主要な空軍および海軍基地の継続使用を拒否したし、日本の沖縄ではアメリカ軍が広範囲にこの島に展開することへの抗議の声が高くなっている。

一九九四年には、タイ、マレーシア、インドネシアは、六隻の補給船をその海域に係留し、東南アジアと南西アジアのどちらでも、アメリカの軍事的介入を容易にするための浮かぶ基地にしたいというアメリカの要求を拒絶した。中国に追随するもう一つのあらわれとして、ASEAN地域フォーラムの第一回会合では、南沙群島問題は議題に入れないとする中国の主張を受げ入れたし、一九九五年にフィリピン沖合のミスチーフ岩礁を中国が占拠したときも、ASEANの他の国からは抗議の声があがらなかった。

一九九五年から九六年にかけて、中国が声明と軍事力で台湾を威嚇したときにも、ASEAN諸国はまったく口をつぐんでいた。彼らのバンドワゴニング的傾向を、マイケル・オクセンバーグは少ない言葉で巧みに表現している。「アジアの指導者たちは勢力の均衡が中国側に傾くのを懸念しているが、将来が不安なため、いまの時点で北京との対立を避けており、反中国運動でアメリカ側につこうとはしないだろう」

中国の台頭は日本にとっては大きな難題で、日本はどちらの戦略をとるべきか、意見が大きく割れている。なんらかの交換条件、たとえぱ中国の政治的・軍事的優位を認めるかわりに、経済問題での日本の優位を認めさせるなどして、中国に順応しようとするべきだろうか? あるいは日米同盟に新しい意味と活力を与えて、中国と均衡を保ち、封じ込めるための提携の核となるべきか? 中国からなんらかの侵略があった場合にそなえて、自国の軍備拡張を試みるべきか? おそらく日本は、この問題にたいするはっきりした結論をできるだけ先おくりするだろう。

中国との勢カバランスを保ち、封じ込めるための意味ある試みの核になるのは、日米軍事同盟しかないだろう。時問はかかっても、日本がこの目標にそって同盟関係を見直すことは考えられる。日本がそうするためには、次の点で自信をもてるかどうかによる。

(一)アメリカが世界で唯一の超大国でありつづけ、世界の問題に積極的に指導力を発揮しつづけられるか、
(二)アジァにおける軍事的ブレゼンスおよび影響力を広げようとする中国と戦うことをアメリカが確約するか、
(三)莫大な資源という犠牲を払うことなく、戦争という大きな危険なしに、アメリカと日本に中国を封じ込める力があるか。

アメリカがはっきりした決意も公約も示していないし、その可能性も低いので、日本は中国に順応することになるだろう。一九三〇年代と四〇年代に、日本は東アジアを征服するという一方的な政策を追求して、壊滅的な結果を招いたが、この時代をのぞいては日本は歴史的にも、自国が適切と考える強国と同盟して安全を守ってきた。一九三〇年代に枢軸に参加したときでさえ、日本は当時の世界政治のなかで最も強力な軍事志向をもつ勢力と考えた相手と提携したのである。

二十世紀の初めに日英同盟を結んだが、当時の世界問題でイギリスが指導的国家だということをよく認識していたのだ。一九五〇年代になると、同じように世界で最も強大で、日本の安全を守ってくれる大国であるアメリカと日本は提携した。中国と同じように日本も、国内政治が階層的なので国際政治の問題も階層的なものと考える。日本のある著名な学者は以下のように述べている。

日本人が国際杜会における日本の立場を考えるとき、日本の国内モデルから類推することが多い。日本人は国際秩序を、日本の杜会の内部では明らかな、縦の組織形態の関連で特徴づけられる文化の形態を外部に示すことだと考える。国際秩序をこのように見るのは、長きにわたった前近代の日中関係(進貢システム)で得た経験によるところが多い。

.このように日本の同盟にたいする感覚は「基本的にはバンドワゴニングであって、バランシング」ではなく、「最強国との提携」だった。日本で長く暮らしたある西欧人は、これと同意見だ。日本人は「不可抗力を受け入れ、道徳的にすぐれていると思われるものと協力するのが、他のほとんどの国よりすみやかだ。そして道徳的に不確かな力の衰えはじめた覇権国からの横暴な態度を非難するのも一番速い」。

アジアでのアメリカの役割が小さくなり、中国のそれが増大するにつれ、日本の政策もそれに順応するだろう。事実、すでにそれは始まっている。日中関係の基本的た問題は、キショール・マフバー二ーの見るところ、「どの国が一番か?」ということだ。答は明確になりつつある。

「口にだして公言したり、了解を示してはいないが、まだ北京が国際的にかなり孤立していた一九九二年に、日本の天皇が中国を訪問したのは意義深いことだ」日本の指導者たちや国民が、過去数十年と同じかたちで最強国アメリカの傘の下にいるほうが、理想的にはよいと思っているのは間違いない。

しかし、アジアにおげるアメリカの影響力が小さくなると、日本は「再びアジア化」すべきだとする考えが日本国内で勢いを増し、東アジアの舞台で中国が改めて強い影響力をもつのは避けられないと考えだすだろう。たとえば一九九四年の世論調査では、二十一世紀にどの国がアジアで最大の影響力をもつかとの質問に、日本の一般市民の四四バーセソト」は中国、三〇パーセントがアメリカだと答え、日本だと答えたのはわずか一六パーセントだった。

一九九五年に日本のある高官が予想したように、日本には中国の興隆に順応するだけの「自制心」があるだろう。そのあと彼は、アメリカにそれがあるだろうかと質問した。最初の説は当たっていそうだ。あとの質問にたいする答は不明である。

中国が主導権をもてぱ、東アジアにおげる不安定な状況や紛争は減るだろう。同時に東アジアでのアメリカや西欧の影響力は衰え、歴史的にアメリカが妨げようとしたもの、つまり世界の重要な地域で他の一国が圧倒的な勢力をもつことを受げ入れざるをえないだろう。だが、この覇権が他のアジア諸国やアメリカの利益にどの程度の脅威を与えるかは、ある意味では中国がどうなるかにかかっている。

経済的に成長すれぱ、軍事力や政治的影響力も強くたるが、同時にそれは政治的な成長を助長し、もっと開かれた多元的な、そしておそらくは民主的な政治制度への移行をうながすかもしれない。議論の余地はあるが、すでに韓国と台湾にその兆侯があらわれている。しかし、どちらの国でも民主主義を最も積極的にすすめている指導者はキリスト教徒である。

中国の儒教的な伝統は、権威、秩序、階級などを重視し、個人よりも集団に重きをおくため、民主化には障害になるだろう。それでも経済成長により、南中国はかなり裕福になり、活気のある中産階級が出現し、政府の管理のおよぼない経済力が蓄積され、中流階級層が急速に広がっている。そのうえ中国人は、貿易、投資、教育などの面で、国外と深いかかわりをもっている。これらすべては、政治的な多元主義へ向かう杜会的な基礎となる。

政治的に開放されるための必要条件は、通常、専制主義の体制のなかで、改革派が権力をもつことである。中国でこれが起こるだろうか? ケ小平以後の第一世代ではおそらくないだろうが、第二世代ではそれが起こるかもしれない。新しい世紀には、南中国に政治的な目標をもった集団が生まれるだろう。これらは、名目上はちがっても、事実上は生まれたぱかりの政党であり、おそらく台湾、香港、シソガポールなどの中国人と緊密な連携を保ち、彼らから支持されるだろう。

もしそのような動きが南中国に生まれ、北京で改革派が権力を手中にしたら、なんらかのかたちで政治的た変化が起こるかもしれたい。民主化により政治家が民族主義に訴え、戦争の可能性が高まるかもしれないが、長い目で見て、中国に安定した多元的なシステムが確立すれば、他の強国との関係は穏健なものになるだろう。

フリードバーグが言って'いるように、ヨーロッパの過去はおそらくアジアの未来である。もっと可能性が高いのは、アジアの過去はアジアの未来だということだ。アジアが選択できるのは、紛争を対価とした勢力の均衡か、覇権を対価とした平和のどちらかである。歴史、文化、そして強国の出現の現実性から見ると、アジアは平和と覇権を選ぶ可能性が高い。(P352〜P361)


(私のコメント)
ハンチントンの『文明の衝突』という本に書いてあるとおりに、日本はバランシングではなくバンドワゴニング戦略でやってきた。それは日英同盟であり、日独伊三国同盟であり、日米安保がそれを証明している。しかしナチスドイツは米英の反撃によって滅ぼされて、日本もその巻き添えを食らってしまった。

戦後はアメリカとの同盟で60年間やってきましたが、中国の台頭でアジアの不安定化が懸念されている。中国が経済的に発展して民主化が進むという見方をアメリカ人はしていたようだが、それは中国人の正体をアメリカ人は知らないからだ。たとえ民主化しようと思っても中国は一つには纏まらなくなり分解するだろう。

もし中国がアメリカを上回るような超大国になれば、アメリカはアジアから撤退して日本は中国との同盟関係になるかもしれない。しかしそれは対等の同盟ではなく朝貢外交の復活した形となるだろう。しかしハンチントンが期待するように韓国や台湾のように民主議会政治は中国では難しい。シンガポールのような都市国家でしか中国民族は一つにまとまらない。

ハンチントンはアジアの専門家ではないから中国の将来を予測する事は難しいだろう。問題なのは著書の世論調査にもあるように日本がアジアで最大の影響力を持つ国になると言う気構えがないことだ。そのことがアメリカのアジア外交戦略の迷いに繋がっている。日本には憲法9条があり軍隊を持つことが出来ないとされているから中国の台頭に対抗する事ができない。

アメリカが軍事超大国でいるうちはアジアの安定は保たれるでしょうが、アメリカがアジアから撤退して行ったら中国はその穴を埋めることになる。日本が憲法9条を堅持している限りそれは確実だ。だから中国は日本の野党をそそのかして憲法を守れと言う運動をさせているのだ。

朝日新聞をはじめとする左翼マスコミにとってはアジアとは中国と朝鮮半島を意味しているようですが、タイやインドネシアやベトナムやフィリピンや台湾はアジアではないようだ。ASEAN諸国にとっては中国とはとても対抗できる国はないから中国の覇権主義はすでに確立されている。アメリカもタイやフィリピンからは軍隊を引き上げてしまった。残っているのは日本と台湾と韓国だけだ。

最近のアメリカ外交は国務省が主導権を持って中国よりの外交に揺れている。北朝鮮とも国交を回復して韓国から米軍を引き上げさせるだろう。台湾も中国が武力占領してもアメリカは台湾を見捨てるかもしれない。アメリカは中東で手一杯であり、だからこそ中国は朝鮮半島や台湾で外交攻勢をかけているのだ。

アメリカは中国がアジアで覇権を持つことを容認するのか、それとも中国に対する主体的バランサーをを二次的にバックアップするのかのはっきりした態度を示していない。その原因は日本がはっきりした態度を示さないからであり、憲法9条を堅持している限り日本は中国の抵抗勢力とはなれずに中国がアジアの覇権国として自動的になれることになる。

現状ではアメリカ軍が前面に立って中国と対峙していますが、中国は海軍力と空軍力を増強している。自分の国も満足に守ろうとしない日本と、年々軍事力を増強してやる気満々の中国は対照的ですが、日本はいまだに60年経っても敗戦ボケが治らず、自立した独立国になれないほど精神的ダメージが大きいようだ。

このような状況で中国はさらにアメリカに外交攻勢をかけて、従軍慰安婦問題などで日米関係に楔を打ち込もうとしている。アメリカの下院議員たちはその意味が分かって対日非難決議をしようというのだろうか? ハンチントンの『文明の衝突』の中では中国を封じ込めるバランサーとして日本を考えている。アメリカの外交戦略からすれば当然なのですが、日本には憲法9条という障害がある。

朝日新聞や社民党の福島党首は懸命になって憲法9条を守れと訴えていますが、それがどのような意味を持つか日本国民のほとんどが分かっていない。私が自主防衛や核武装を訴えるのも中国に対する対抗勢力が日本しかないからであり、アメリカの支援がある限り日本は中国と対抗できる。

『文明の衝突』はイラク戦争前に書かれた本であり、ハンチントン氏はイラク戦争に反対している。しかし本の題名からしてイスラムとの対立を預言したような連想が浮かびます。西欧文明と非西欧文明の対立構図は中国やインドなどの台頭が念頭にあるのだろう。アジアにそれを当て嵌めれば西欧文明側の日本と、非西欧文明の中国との対立という構図になる。




5月高、10月安というバブル時の特徴が今回のバブルに現れるなら、
9月中旬から大暴落が始まる。10月に向けて大きく下げていくのだろうか。


2007年7月12日 木曜日

サブプライム問題、システミックリスクにつながらず=米FRB理事 7月12日 ロイター

[ワシントン 11日 ロイター] ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)理事は11日、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手への住宅融資)市場問題はシステミックリスクにつながらないとの見方を示した。
 理事は下院金融委員会での質疑で「金融市場は現在の状況の下、住宅市場のリスクおよびより広範にリスクを確実に再評価している」と指摘。「われわれが監督している機関については、差し迫ったシステミックリスクの問題はみられない」と話した。
 ただ、今後、サブプライムモーゲージ市場の問題に起因する一段の損失が出てくる可能性があるとの見方を示し「損失があることは確実で、この事態は底打ちしていない可能性があるというのがFRB全体の見解だと思う」と話した。
 ウォーシュ理事はまた、同委員会での証言で、市場参加者がリスク管理を強化しなければ、ヘッジファンドの急速な成長は金融安定に対するリスクとなる可能性があると述べた。
 金融政策や経済見通しには言及しなかった。


動き始めたぞ・・・ 7月11日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら

最初は大丈夫だよ、といってサブプライムを買い下がったベアスターンズのHFが実はしこたま損を抱えていたことが判明、結局ナンピンしただけだったのだ。サブプライムのナンピンなんて聞いた事ないけどコラテラルマネージャーとしては自分の首を考えれればありうる判断でしょうね。

このブログでは1ヶ月以上前からサブプライムがGDPの数パーセントだから問題ない、などというCDOを作ったことも売ったこともないエコノミストのことを聞いちゃだめよ、と警笛を鳴らしてきたがようやく昨日ムーディーズもS&PもこれらCDO債券のシニア部分を格下げすると発表。

しっかしね〜、S&Pにいたっては120億ドル!! 1兆5千億円分の債券、しかも当然A以上の投資適格にいしているものを一気に格下げというのだから、世の中の基準的には詐欺、と言われても仕方ないです。

サブプライムが急落した時点でそれらが株式に組み込まれたCDOのエクイティーは吹っ飛んのはみんな知っていた訳で、クッションのないシニア債券が格下げするのはわかっていた筈。明らかな確信犯で相場が戻ってくれるまで待っていよう、という態度は歴然。信じてはいけない訳ですね。

たくさん頂く御質問の中に「私の持っているファンドは大丈夫ですか」、というのがありますが、残念ながらその一つ一つにはお答えできないです(笑)。買った証券会社に問い合わせ、ひとつでも良くわからない債券が入っていたら調べること。こういうときにどういう証券会社と付き合うべきか、しっかり判断しなければなりませんが、私の知る限り彼らは全くあてにならない。

今回のサブプライム事件がおきたときも、モルスタ、ゴールドマンはもちろん、野村、大和各社とも「たいしたことはない」とまず書きます。本当に無知でそう書いているのかもしれない。でも考えてください。彼らはその間、つまりみなさんが待っている間に売り逃げる訳ですよ、基本的には。大丈夫といいながら自分だけ逃げるというのが証券会社の本質です。ですから私は基本的に証券会社の進めるものは基本的に買わないように申し上げております。

自分自身で判断するしかないのですよ。

 ということでアメリカは今頃サブプライムのマグニチュードに気が付いて株を売り始めました。テマセック化した中央銀行は逃げ足が速いですからドルもしばらく売られるでしょう。困ったことに、G7には既にメジャープレーヤー(トップ10)は日本しかいませんから今回のドル安はG7でも止められないでしょう。



まさかの事件 7月10日 松藤民輔の部屋

まさかの事件はいつ起こるのか?上海市場の天井、米国株式市場の天井をとらえた僕の目には市場参加者の心理を考える余裕が出てきた。

上海株は3600ポイントを割り込めば本格的な長期のベアになる。ピーク時の出来高の半分になったこの市場が再びバブルになる事はない。

米国10年国債のトレンドが金利上昇に転換した。3ヶ月物の短期金利は、FRBにその政策金利の下げを促すかのように下がっている。政策金利は、市場追認型により決定される事を体験!?できるに違いない。次のFOMCでは短期金利を下げなければならない事件?金融機関かファンドの崩壊が問題になるはずである。

日経新聞のどこを捜しても行き過ぎた株式市場に対する警告はない。大手証券会社のエリート達の市場分析にもそれは見当たらない。「まさか!?」は市場のエリート達が油断した時に起こるものなのだ。

北米の銀行株の全てがいつ暴落してもおかしくない状況に直面している。そして、円は各通貨に対し最も弱い通貨になってしまった。この現実に起きている市場の変化をとらえ、過去の実例に照らし、未来を読む努力が実るタイミングにさしかかっている。

5月高、10月安というバブル時の特徴が今回のバブルに現れるなら、9月中旬から大暴落が始まる。これから1ヶ月程、大きな上下ではなく、適当な上下を繰り返し、10月に向けて大きく下げていくのだろうか。

このブログは、米国資本市場のバブル崩壊を冷静に、日本から眺め続ける、バブルの観測ノートのようなものだ。

様々な視点からこのバブルの崩壊を眺めて来た。しかし、バブルの華の上海が大きな頂点を形成した事、米国長期金利の上昇への転換等でその終わりの始まりがスタートしたと確認できる。

米国銀行株に暴落の予兆あり、今週かな。



(私のコメント)
「株式日記」でも前々からサブプライムローンが危険信号を発している事を指摘してきましたが、いよいよその兆候が現れ始めました。ぐっちーさんが言うごとく、業界筋は問題ないととぼけていますが、彼らはいち早くポジションを整理しています。気がついたときは取り残された一般投資家が大暴落の被害を受けることになるのでしょう。

昨日の11日に証券会社の前を通ったら青三角が並んでいたのでなんでだろうとニュースを見てみたらサブプライムローンでS&Pが債券の格付けの見直しを行なうそうです。バーナンキFRB議長にしてみれば金利の引き下げで株を支えたいところでしょうが、金利を下げればドル売りが止まらなくなり、株はもっと下げるでしょう。

これとは別に、サブプライムがパンクすれば債券の金利が急上昇して株は暴落する。つまりバーナンキFRB議長は打つ手がないのです。金利を無理に下げればドルが暴落してユーロに資金が逃げて行くことでしょう。日本にドルを買い支えろと指令が来るかもしれませんが、日本も円安傾向なのでむしろドル売り円買い介入したいくらいだ。

アメリカの信用不安が金利を上昇させて、株とドルを暴落させる。投資先を失ったマネーはアメリカから逃げ出すからだ。当面のドルの受け皿はユーロになるからユーロはますます高くなる。なぜ円に流れてこないのだろうか? 金利が安いからだ。

2000年のアメリカのITバブルの崩壊で、エンロンやワールドコムといったバブル企業が倒産して、LTCMなどのファンドも破綻した。それに対してアメリカ政府はイラク戦争という公共投資と、低金利政策による住宅政策で消費を拡大させた。その資金を提供したのが日本からのマネーだ。日本政府は日本のバブル崩壊はほったらかしにして、アメリカのバブル崩壊を防ぐ事には積極的だ。

そのアメリカもイラク戦争は泥沼化して、住宅ローンの消費振興も限界に来たようだ。あとどんな手段があるだろうか? 金利を下げて株と消費を刺激するしかないが、サブプライムリーンなどの信用不安が債券金利を押し上げている。そしてそれが臨界点に来れば株と債券の大暴落がやってくるだろう。松藤氏によれば10月にやって来るという。

8月に日銀は金利の引き上げを検討しているようですが、それはアメリカの9月から10月の株の大暴落の引き金を引く事になりはしないだろうか? 日銀がわずか0,25%金利を引き上げただけで世界同時株安を招いたくらいだから、タイミングが悪いと日本がアメリカ滅亡の引き金を引く事になりかねません。

アメリカがクラッシュしたら日本の株を買っていたファンドは一斉に手放すから日本の株も大暴落するだろう。日本企業にとってはそれが外資ファンドから株を買い戻す一つのチャンスである。ブルドックとスティールパートナーズとの買収合戦のような事は、アメリカ本体がクラッシュする事でハゲタカファンドが日本企業を買い捲る事は出来なくなるかもしれない。

いずれにしても今は資金を温存しておくべき時であり、円やユーロで分散して持っているだけでもユーロの値上がりで大儲けができた。アメリカのドルと株の大暴落で高くなったユーロによるアメリカの買い占めが始まるのかもしれない。そうなる事をアメリカの要人たちもよく知っている。少し怪しげなブログによればEUが世界政府の中心になるそうです。


やはり秘密結社の世界政府の中心はEUになるのか? 6月25日 ベンジャミン・フルフォード

ロシアの政府の幹部Vladimir Bukovskyによると1980年代に中曽根康弘とフランスの大統領Giscard D'estaingとデイビットロックフェラーとヘンリーキシンジャーが、Michael Gorbachoffにソ連崩壊の協力をしてくれれば将来的にEUを中心とした新しい世界支配共産帝国を作る約束をしました。

彼はソ連時代の秘密文章の中からこの情報を得た。現にEUの権力構成をみると旧ソ連にとても似ている。私も日本のフリーメイソンの幹部にこれからアメリカを潰して、EUを中心とした世界政府を作ろうとしているといわれた時、半信半疑でしたがこのロシア人の彼の説明には説得力があります。

このシナリオですと将来日本人もEU議会に議員を派遣することになります。しかし議会はあくまでも形であり、本当の権力は極少数の人数が影で握ることになる。



(私のコメント)
今から思えば、ソ連の崩壊はEUの誕生に大きく貢献している。ベルリンの壁の崩壊がなければドイツの統一はなかったし、EUの中心はドイツとフランスだ。ロシアのプーチンはEUと手を組む事でアメリカのドル基軸通貨体制を壊そうとしている。このような状況でアメリカのドルを支えているのは日本ぐらいなのですが、日本がアメリカを見捨てればアメリカはおしまいだ。

サブプライムローンの破綻がアメリカのお終いにまで繋がるかどうか分かりませんが、日本が生き延びていく為には、アメリカなしでも生きていけるように戦略を組まなければなりません。ところが日本人にはそこまで考えている人がほとんどいないから、ベンジャミン・フルフォード氏の言っていることが電波発言にしか思えない。

アメリカのイラク戦争の失敗と国内の経済政策の失敗が、ソ連崩壊のような事が起こるかもしれない。ソ連も経済が破綻してアフガニスタンでも敗北した。それが政治の不安定化で一気にソ連は崩壊した。それにはゴルバチョフが大きく貢献している。アメリカにもゴルバチョフのような人物が大統領に選出されて、アメリカの分解につながるだろう。




17世紀の日本は、世界で最も強大な軍隊を持っていた。日本が一方的に
鎖国を宣言しても、武力でその国策の変更を強制できる大国がなかった。


2007年7月11日 水曜日

リスク頭脳を持っているか 長谷川慶太郎/著

「ボトムアツプの国」の利点

ことに日本は、組織の方針や社会の制度をトップダウンで変更する国じゃない。なんでも下から順に積み上げていく。ボトムアップでいく。こういう国では、世論の大勢が新しい認識に達するまでに大変な努力をしなくちゃならない。一度定まれば、非常に安定した強固な社会ができるんだが、それまでの変革は容易なことじゃない。歴史的に見て、日本ほど安定した秩序を持続した国はありません。日本人のこういう行動様式は、その歴史に根ざしている。それを無視することはできない。

ことに江戸時代の長い鎖国の影響が強いが、あの時代に鎖国ができたということ自体大変なことなんです。第一に当時の日本は、世界で最も強大な軍隊を持っていた。日本が一方的に鎖国を宣言しても、武力でその国策の変更を強制できる大国がどこにもなかった。そのころヨーロッパではフランスが最初の常備軍を持ったが、その軍隊は一万五千人。ところが織田信長は長篠の合戦だけで三万人を動員してる。しかも当時の日本ほどたくさんの鉄砲を持っている国はなかった。だから通商を許すとか、布教を許すとか、一方的に日本の為政者が決めてる。恩恵としてその権利を与えてる。

第二の理由は、徳川幕府が覇権を確立してから島原の乱までは、国内に武力抵抗する勢力が皆無になった。完全に鎖国をして、安定した社会をつくれた。関ケ原の戦いは一六○○年ちょうどだから、欧州では、それから三十年戦争、最後の宗教戦争が始まるんです。日本のように早い時期に国内を統一して、安定した秩序をつくりあげた国は世界にない。イギリスがようやくクロムウェル革命で統一に動き出したが、ドイツもイタリアもまだ完全な分裂国家だった。

この時点では、ヨーロッパ文明の一歩先を行っていた。当時の日本はまず世界一の産金国、産銀国でした。ということは世界一豊かだった。それもこの時代に始まったことじゃない。大陸で「元」王朝が銅銭に不足して紙のカネ、紙幣を発行したころ、室町時代ですが、日本はもう為替手形を通用させていた。博多で発行させた手形を持って大阪へ行けば、そこで即座に銅銭に取り替えられたし、刀剣でも衣装でもなんでも買うことができた。完全にいまの銀行と同じ制度ができていた。もし銅銭や金貨で運んでいたら、大変な費用がかかるし、危険でもある。手形ならどこに隠してでも持っていける。これは大変なことです。安定した秩序が相当に続かないことには、こういう制度は定着しません。(P32〜P33)

まさに「投機の時代」が来た

プラザ合意による円高の恩恵の三つ目は、世界の金融界に対する日本の発言権が急速に大きくなったことです。当然のことですが、円高によって日本の金融機関が運用している資産の国際価格が急激にふくれ上がった。その結果、日本の海外投資がものすごく楽になった。たとえば一j三六〇円の時に、百万j海外に投資しようとしたら、三億六千万円必要だった。それがプラザ合意で一j二四〇円になったら、二億四千万円で済む。昨今のように一j八○円なら、なんとたったの八千万円でできる。これはものすごく楽ですよ。

この間のインフレ率を考えても、円の値上がりの方がはるかに上回ってる。海外では百万jはやっぱり百万jなんです。日本へすぐ持ち返ろうという計算をするから「損した」というんで、海外でつかえば立派に百万jのつかいでがある。それが八千万円で手に入るんだから、とんでもなく楽になったんです。

ですから日本企業は、どんどん海外に投資するようになった。楽にできるんだから当然です。内外の設備投資比率で、かつては海外が一割程度だったものが、最近では三割にもなった。その結果、世界経済における日本の存在がますます重くなる。そういうことが、円高の進行と平行して起こった。日本がこんなに巨大な存在になるなんて、実は、プラザ合意の時は、誰も意図してなかった。目的は、ドル高の是正でしかなかった。

こういうところが自由経済の面白いところです。アメリカの見込違いというより、そういうのが自由経済の本質なんです。自由経済では、未来を完全にコントロールすることはできない。予測することもできない。必ず予想外のことが起こる。結局、やってみなければ、どういう結果になるか分からない。

そこが計画経済と違う。だからどんなに綿密な市場調査をして、万全の経営計画を立てても、計画どおりにいくことはない。絶えず景気が変動し、市場で厳しい競争が行われている以上、次々に起こる状況に素早く対応するしか方法はない。「投機の時代」が来たということの意味は、そういうことなんです。経済が自由になればなるほど、そうなる。そして投機で肝心なことは、何度も言いますが、いかに「損切り」を早くやるか。損切りのできない経営者は、経営者の資格がない。(P176〜P177)

非価格競争カの脅威

プラザ合意の時、アメリカ政府の当局者、エコノミスト、経営者は、誰ひとり今日の結果を予想しなかった。」ドル安円高になれぱ、アメリカ商品の競争力が上がり、日本商品の競争力が下がる。日本への輸出が伸びて、対日貿易赤字が減る。そう思い込んで疑わなかった。

ところが日本は、部品の輸出に重点を移した。しかも高度に技術の高い、非価格競争力の強い部品の生産に集中した。完成品の生産は、どんどん海外に移した。自杜工場が進出する場合もあるし、海外メーカーに生産をまかせる場合もある。しかしいずれの場合も、そこへ部品を輸出するから、輸出数量が減りません。

こういう水平分業をやり始めると、相手国は文句の言いようがない。その部品で、自国のメーカー、あるいは日本との合弁企業、たとえ日本企業の現地法人であっても、そこが輸入する日本製部品は、間違いなくその国の工業生産に寄与する。完成品を日本が逆輸入してくれる場合もあるし、その国の製品としてアメリカやヨーロッパへも輸出できる。そのために企業が買うんだから、なにも悪いことはない。

部品というのは、非価格競争力が決定的なんです。値段は二の次、三の次。性能、品質、信頼性、納期の確実さ、そういう価格と関係ないものの方が決定的になる。そうするといくら円高になっても、価格で競争する製品は影響を受けるが、非価格競争力で売れている製品は、なにも影響を受けない。

「日本商品は安かろう、悪かろうで売れている」。「彼らの行き過ぎたサービスもダンピングの一種だ」なんて決め込んでいたアメリカ人は、そこがまったく分からなかった。アメリカの企業は、そんな行動はしないんだから仕方ないですがね。人は、自分の経験で他人を推し量る。カニは甲羅に似せて穴を掘るんです。

日本の企業が、こういうことを始めたのは、第一次石油ショック以後です。それまではやはり価格競争力が決定的だった。それが石油ショツクで百八十度変わった。変わらざるをえなかった。「これからは量より質だ」。そういう判断が定着して、質の向上に全員が血にじの湊むような努カをしてきた。

それがプラザ合意以後の円高で急速に花開いた。実を結んだ。それが、巨額の貿易黒字の構造的な定着なんです。アメリカの期待したこととは、正反対のことが起こった。(P178〜P179)

なぜ日本車は売れるのか

海外生産の場合に、日本が輸出する部品がどういう役割を果たしているか。たとえば、九三年に日本を抜いて世界一になった韓国の造船で、建造コストは船体とエンジン、補機関係がそれぞれ半分ずつです。そのうちのエンジンと補機関係は八十%が日本の造船会杜からの輸入品です。船のディーゼル・エンジンは地上のものとまったく違うんです。

韓国製のエンジンでは、ロイズ保険の規格に合格しない。つまり保険がかけられない。韓国も苦労して、何度も自杜生産しようとしているんですが、成功しない。エンジンというのは非常に複雑で高度の生産技術が要る。鋼飯を張っただけの船体のようにはいきません。裾野の広い部晶生産の技術も要ります。

保険の国際規格に合格しないのは論外ですが、技術水準を如実に物語るのが、下取価格です。これが特に自動車の場合、露骨にあらわれる。アメリカの新車販売の四十%はリース向けです。まずレンタカー会杜がまとめて買って、それを長期契約で一台一台個々の消費者にリースする。そうすると五年後に、中古市場に出した時にいくらで売れるか。それが問題です。たとえば三万jで新車を買って、五年後に一万jで売れれば、五年間に償却すべき減価分は二万jです。それがもし千jにしか売れないとしたら、償却すべき減価分は二万九千jになる。償却負担が重いから、リース料金も高くしなくちゃならない。

アメリカは車検がありませんから、下取市場で中古を買う人も多いんです。その際、日本車の市場価格が図抜けて高い。つまりレンタカー会杜にとって償却負担が少なくて有利だということです。日本車は五年ぐらい使っても性能がまったく落ちない。アメリカ車の中古市場価格は、その日本車より三割も安い。ですからビッグスリーは中古市場で自社の中古車を高く買い取って価格の維持に腐心してる。ところがそうすると、その経費が新車に跳ね返る。苦労してますよ。韓国車なんかスクラップ同然です。こういう市場の評価というのは、一朝一夕ではどうにもならない。

アメリカは九四年に一千二百万台の車をつくりましたが、そのなかで日本車が二百六十万台なんです。トヨタ、日産、ホンダ、三菱。本来のアメリカ車の生産台数は減ってるんです。メーカーは空前の利益を上げたと自慢してますが、それはものすごい人員削減をやった結果でしかない。技術力が回復したわけじゃない。短期の利益を上げたに過ぎない。(P208〜P209)


(私のコメント)
7月9日の「江戸のダイナミズム」でも、日本は西欧よりも一足早く近代に入った事を書きましたが、軍事力でも織田信長の軍事力は常備軍を創設して鉄砲隊を主力に置いた。当時は西欧でも火縄銃が普及し始めたばかりであり、弓や槍とは違って火縄銃は扱いが難しく常備軍兵士でないと扱えない。信長がこのような軍事革命を行なったのも宣教師達からの話がヒントなのでしょうが、規模からいって世界一の軍事力を持っていた。

だから鎖国したから300年の平和が保てたのではなくて、当時のスペイン軍やイギリス軍を追い払うだけの軍隊を持っていたから鎖国する事ができたのだ。このような解釈は歴史教育では行なわれていませんが、鎖国するには強力な軍隊は必要だったのだ。現代の日本にアメリカ軍が常駐するようになってしまったのも自衛隊が弱体な為であり、憲法9条がある限りアメリカ軍は出て行ってくれないだろう。

このように日本の17世紀には宗教と政治の分離においても、軍事力においても、さらには金融においても為替手形の流通など、日本は西欧よりも先に近代に入っていた。だからこそ日本は鎖国する事ができたのであり、鎖国というと引き篭もってしまったような印象を与えますが、外交的孤立政策であり西欧や中国との貿易が閉ざされたわけではない。

日本は経済大国といわれるようになりましたが1ドル=360円から1ドル=80円まで値上がりしたことがその証明です。アメリカはその間にオイルショックやドルショックなどを仕掛けてきましたが、逆にアメリカはオイルショックで自動車産業は疲弊して、ドルショックでも流れを変えることはできなかった。ならばということで金融によるM&A攻勢をかけて日本企業を買収する作戦に変えてきた。

しかし金融においても日本は独自の金融システムを築いてきた歴史がある。江戸時代には為替や手形の流通なども近代的なものの象徴だ。このような基盤があったからこそ明治に入って西欧から近代工業化文明が入ってきても、すぐに取り入れることが出来た。しかし中国や朝鮮などはそのような近代的なものの基礎がないから近代化は遅れているし、これからも果たして定着できるのだろうか?

韓国などは造船業などで日本を追い越したとかいっていますが、そこに積まれているディーゼルエンジンの多くがドイツ製か日本製だ。自動車なども現代などがアメリカに輸出していますが、積まれているエンジンは三菱製か三菱のエンジンのライセンス生産されたものだ。中国も同じであり造船や自動車も船体や車体は国産でもエンジンなどの中枢部品は日本製なのだ。


船舶用エンジン:三菱重工業、2010年までに生産倍増へ 2007年5月29日 朝鮮日報

三菱重工業は船舶用ディーゼルエンジンの生産を2010年までに2倍に増やす計画だ。

 28日、日本経済新聞によると、三菱重工業は10年末までに船舶用の大型ディーゼルエンジンの生産台数を現在の2倍となる年200台に引き上げるという。

 これにより、神戸造船所(神戸市)など国内でのみ生産してきた独自のディーゼルエンジン「UE」を、08年以降は中国とベトナムの提携企業でライセンス生産していく予定だ。

 同社は、大型船舶エンジン(380万馬力)の生産台数を倍増することで、世界市場シェアを2割にまで引き上げるのが狙いだ。

 現在大型船舶用エンジンの世界市場シェアは、ドイツの機械大手MANグループが7割を、フィンランドのバルチラが2割を、残りを三菱が占めている。

 同社は、造船市場が成長を遂げている中国とベトナムでの販売を増やすため、同地域での船舶用エンジンの生産体制確立は不可欠とみている、と同紙は伝えた。



【ヒュンダイ ソナタ 日本発表】2.4リットルエンジンは新開発 2005年9月7日 

ヒュンダイ『ソナタ』に搭載されるのは、クライスラーグループや三菱自動車と共同開発した2.4リットル直4の「θ(シータ)エンジン」だ。出力は164ps/23.1kgm。アルミ製のシリンダーブロックを持ち、可変バルブタイミング機構(VVT)を装備。最近のトレンドを取り入れている。

このエンジンはヒュンダイが生産を手掛けたものだが、三菱が生産したエンジンについては、今秋から発売開始予定の『アウトランダー』から搭載が始まる。公称スペックには両社で若干の差異があるが、これは微妙なチューニングの違いによって生じているようだ。デビューはヒュンダイ製の方が一足早く、文句なしに最新鋭のエンジンといえるだろう。


(私のコメント)
「リスク頭脳を持っているか」という本は1995年の本ですが、現在でも事情は変わらないようだ。韓国の新聞などは盛んに造船業で日本を追い越したとか、日本車に負けない韓国製自動車などと書き立てていますが、積まれているエンジンは日本製か三菱などのライセンス製品なのだ。

日本はアメリカからの貿易摩擦で圧力を受けた結果、アジア各地に生産拠点を展開して、アメリカからの貿易摩擦を回避した。だから中国や韓国で作られている自動車やエレクトロニクス製品の中枢部品は日本製なのです。このような水平分業体制を築いて日本はアジアの繁栄を支えている。

中国や韓国が日本になかなか追いつけず、日本からの技術導入などに依存しなければならない状況になっている。エンジニアなどの養成も上手くいっていないのだろうか? 昨日もアメリカにおける中国人や韓国人の博士号の取得の多さを書きましたが、裏を返せば国内では優れたエンジニアを育てられない事情があるのだろう。

日本のマスコミは自虐的であり、外国のものはなんでも過大に評価して、日本のものは過小に評価する。歴史の見方も同じであり、日本は17世紀には西欧を追い越すほどの先進国であり超大国であったのですが、それが鎖国という手段をとらざるを得なくなったのは、キリスト教という悪魔的宗教の侵入を恐れたからだ。

キリスト教がいかに悪魔的宗教であるか、17世紀の西欧における宗教戦争がそれを証明している。信長や秀吉や家康は宣教師を通じて西欧の情報をじつによく収集して分析していた。江戸時代の最中でも幕府は西欧の状況を把握していたが、明治維新においてイギリスやフランスの影響を排除したのも幕府は海外の状況をよく分析していたからだ。

このように鎖国というのはなんでも排除してしまうと言うのではなく、名誉ある孤立政策であり、そのようなことが出来たのは、最強の軍事力を持っていたからだ。だから軍事力を強化する事は外国の干渉を排除する為であり、戦争をするためではない。だからこそ日本は自主防衛体制と核武装が必要なのだ。




欧米の有名大学院に派遣された各省の若手エリート官僚の中に、
以前にはなかった悲惨な落ちこぼれ現象が起きているのはなぜか?


2007年7月10日 火曜日

【やばいぞ日本】序章 没落が始まった(1)「ダイナミズム失う」 7月3日 産経新聞

グラフを見ていただきたい。米国で博士号(自然科学系)を取得したアジア人留学生数の年ごとの変化を示している。日本はわずか200人前後で低迷し、中国は逆に日本の10倍以上の2500人レベルを維持している。中国にかなり離されて韓国、インド、台湾が続き、日本は5位に甘んじている。

 この数字がすべてではないが、日本人留学生の低迷や劣化を示す指標として霞が関の官庁街でささやかれている。それどころか、欧米の有名大学院に派遣された各省の若手エリート官僚の中に、以前にはなかった悲惨な落ちこぼれ現象が起きているという。経済学や論理学の授業についていけずに単位を落とすケースが増えつつある。

 東大法学部卒のある若手官僚は、優秀な人材として出身省でも将来を嘱望されていた。彼は欧州の大学に研修留学して現地語はみるみる力をつけた。

 ところが、数学力不足から経済理論がこなせず、論理学は古代ギリシャ哲学など基礎を学ばないから論理的に崩れのない文章が書けない。1年後に担当教授から呼び出

され、学業不振で退学処分になってしまった。

 日本の大学入試は、記憶力にたけた学生に有利にできている。「ゆとり教育」が行き渡って受験科目を絞る大学が多いから、数学を受験しなくても法学部や経済学部に入ることができる。国際的にはこれが通用しない。

 欧米の経済学は株価の変動など金融を中心に新しい理論が次々に導入されている。三角関数やフーリエ変換など日本の文系には縁遠い計算式が解けないと歯が立たない。肝心の日本のエリートにして惨憺(さんたん)たるありさまなのだ。

(中略)

 しかし、米国は国家の危機を感じたときにこそ、力を結集して反転させてきた国だ。現職のブッシュ大統領はいま、科学分野で追い上げる中国とインドを「新たな競

争相手」と位置づけている。

 年頭の一般教書演説で大統領は、この分野で優位を狙う「競争力構想」を打ち出し、基礎研究の拡充や理数科教師の7万人採用を表明した。軍事機密の分野では、外国人研究者に頼らないよう人材を育成する。

 日本は経済力が伸び悩み、軍事力は貧弱であり、教育の低迷によって、相対的な没落ぶりは明らかだ。とても、与野党が足の引っ張り合いをしている余裕などありはしない。(湯浅博)


【やばいぞ日本】序章 没落が始まった(6)完  7月8日 産経新聞

中東の泥沼から抜け出そうともがくワシントンでは政治・外交の構造変化が起きている。

 それに乗じる中国。日本はその地殻変動についていけない。

 「今や中東情勢はまるで第三次世界大戦前夜だ」。この6月13日、国防総省の地下会議室に各政府機関の国際情報分析専門家約30人が極秘裏に集まった。イラクの大量破壊兵器存在説を流す過ちを犯して以来、評判の芳しくない中央情報局(CIA)抜きで、本音で討論し、「巨大な衝撃が将来起こりうることで議論は白熱し、結論どころではなかった」と会議に参加した国防総省筋は言う。

 「国務省内では今、バルカン化(balkanization)という言葉が流布している」(元国務省幹部)。

 バルカン化とは、中東のように地域全体がばらばらになり、互いにいがみ合って紛争が頻発し、収拾がつかない事態をさすが、「中東問題を最優先しないとバルカン化が世界に広がる」(国務省筋)。

 ライス国務長官はヒル国務次官補ら東西冷戦の専門家を東アジア担当に据え、朝鮮半島問題を重視してアジア専門家を事実上一掃した。ネオコンと呼ばれ、民主主義イデオロギーを浸透させるためには強硬論で譲らないボルトン元国連大使らも政権から離れた。

 中国、韓国と組み、北朝鮮を懐柔し、とにかく核の放棄の道筋を付ける。北の核はそれ自体が米国にとっての脅威という意味ではない。その核が中東やテロリストに拡散する恐れを取り除くことが優先する。そのために金融制裁も事実上解除した。 核合意を確かなものにするために、ヒル次官補は中国の北朝鮮への影響力に頼る。北京との関係強化を通じてライス長官の訪朝、国交正常化交渉すら仕掛けかねない。中国の比重が米外交にとって高まっていく。

 一方で米議会のほうでは、中国に向かって逆風が吹き荒れている。人民元の切り上げなど通商問題や、スーダンでの人権抑圧などで集中砲火を浴びている。中国は逆に対話の好機到来とみるのか、「民主党、共和党を問わず在米中国大使は主要候補者の選挙区を精力的に回っている」(米地方紙記者)。

 中国の「知略」は急速に洗練されつつある。ことし4月末、ワシントンの国防大学で「宇宙行動規範」に関する超党派のシンポジウムが開かれた。

 中国は1月に、自国の気象衛星を標的に衛星破壊の実験を実施し、米国や日本は中国の暴挙を一斉に非難した。出席者の顔ぶれの中にはクリントン政権当時のレイク国家安全保障担当補佐官とホルブルック国連大使の重鎮二人と並んで民主党大統領候補としてクリントン上院議員を急追しているオバマ上院議員のアドバイザーもいる。

 中国大使館の安全保障担当は発言を求め、「米国の衛星が中国の脅威なのは当然」。一呼吸置いた後、「でも軍部との対話は難しいね」と言ってのけた。

 中国といえば党の指示通り、大国の横暴ばかり非難すると思いきや、あっさりと本音を公言、会場は沸いた。それにつられたのか、衛星破壊批判では共和党と一致しているはずの民主党系の専門家が、「破壊実験は宇宙の軍縮管理に消極的なブッシュ政権に警告したかったのだろう」とボルテージを下げた。

 目の前で演じられた米中のゲームに日本政府からの参加者は沈黙したままだった。

 「最近の国際会議ではよくあるパターン」と会議を傍聴した知り合いの知日派米国人は言う。日本は米中のはざまに埋没している。

◆退場した知日派

(中略)

 日本政府や政界の対米議会工作は、空白の状態が続いている。日米経済問題は無風なのに、ワシントンの日本大使館スタッフのうち、議会担当はわずか4人、約40人もの経済担当スタッフという布陣は通商摩擦が激しかった1980年代と変わっていない。官庁の縦割りがそのまま持ちこまれ、見直しは一向に進まない。

 ワシントンが中国をたたいてもニューヨークは全く違う。「中国の軍事的脅威論は誇張のしすぎ」(JPモルガン・チェース・インターナショナルのパール副会長)、「有害食品問題なんかは米国で19世紀末に深刻だった。民主主義でなくても、市場競争で解決できる」(米国の大学教職員年金ファンドのマネジャー)。

 金融は軍事と並ぶ超大国米国の要だ。中国は政府機関としては今や日本をしのぐ米国債の最大の買い手で、米金融市場安定のカギを握っている。政治のパイプがたとえ細っても、経済面では米国での存在感で日本は優位というのも今や過去、中国の台頭で薄れていく。(田村秀男)



(私のコメント)
産経新聞の記事によれば、東大法学部卒の若手エリート官僚が欧米の有名大学院に派遣されても落ちこぼれてしまう例がよくあるようだ。ゆとり教育がもたらした当然の結果ともいえますが、天下り規制が厳しくなってキャリア官僚のなってもメリットが無いと言う事で中央官庁には二流の人材しか集まらなくなったせいでしょうか?

東大法学部のみならず、日本の大学生の質の低下は年々ひどくなってきて、今では大学さえ選ばなければ誰もが大学生になれる時代だ。それでも大学に入って勉強すればそれなりの意味はあるが、もっぱらアルバイトに明け暮れて、トコロテン式に卒業できるのだから学力が低下した大学生が量産されて行く。

こうなったら、文部省が大学卒業検定試験を実施して一定の合格点を取らなければ卒業させないようにしないと、学力の低下は避けられないだろう。そうすれば大学側も真剣に教育するようになるかもしれない。今の大学はガラガラの教室で熱のない授業が行なわれて、学生は試験の時だけやってきて記憶した模範解答を書くだけで卒業できる。

現在の日本の長期にわたる停滞は、危機感のない弛緩した日本人の精神が反映されたものだろう。世界的にバブル景気沸いているのに日本だけがデフレで悩まされているが、政界や財界のトップは景気が良いと何度も言い続けているが、所得の伸びが止まっているから消費が伸びず国内の景気は停滞したままなのだ。

経済評論家やエコノミストは日本がなぜデフレから脱却できないのか答えを見つけ出せないでいる。「株式日記」では様々な政策提言をしてきたが、政府や国会はなんとしても景気を良くしようという意思が見られず、財政赤字ばかりが問題にされて緊縮財政が続いて増税が論議されている。

日本の景気を低迷させてデフレで超低金利にさせて利益を得ているところはどこか考えた人はいるのだろうか? 日本がゼロ金利で欧米の金利が5%なら日本の金が欧米に流れて欧米は好景気が続いている。逆にもし日本が好景気になり金利が上がれば欧米の金が日本に逆流して日本はますます好景気になることが考えられる。

だからこそ財務省や日銀は恒久減税を廃止して景気が良くならない様にコントロールしているのだ。日本の政財界はなぜそこまでアメリカに配慮しなければならないのだろうか? 日銀が金利を0,25%上げるたびに世界同時株安が起きたのは日本が世界に資金供給してきたからですが、日本の景気が良くなればその流れは逆転する。

日本の教育のレブルダウンも文部官僚が「ゆとり教育」という名で仕組んだ事だ。少子化にもかかわらず大学の数ばかりを増やして大学のレベルを低下させたのも文部省だ。日本の経済競争力がこれ以上強くならないように大学生のレベルを低下させるような事ばかり文部省はしてきた。

経済分野もこのように日本みずから弱体化させるような政策を行い、日本は自殺行為に等しい事をしている。以前にも「通産省国売り物語」を紹介しましたが、「文部省国売り物語」も書けるのではないかと思う。文部省にとっては大学は増えた方が天下り先が増えた事になり、その為に大学生の質が落ちようが関係ないことなのだ。

日本が経済大国になるにつれて国防力をつけることは、経済利権を守る意味でも当然な事ですが、日本は防衛力をアメリカに頼るあまり、アメリカの内政干渉に対して拒否が出来なくなってしまった。「年次改革要望書」などが良い例ですが、日本にとって有利でない事も受け入れざるを得ないようになってしまった。

だからこそ日本も自主防衛を考えざるを得ない状況になってきたのですが、日米安保に頼りすぎて、その影響が外交にも出てきてしまう。中国は経済も国益最優先ですが、日本の政治家には国益最優先という自覚はないようだ。とにかくアメリカを怒らせないことが国益だと考えているような政治家が多すぎる。宮沢総理はその代表のような人物だった。

北朝鮮による日本人拉致事件も日本の政府や政治家にとっては、7月6日の株式日記に書いたように占領軍に取り入って出来たのが日本政府なのであり、アメリカの傀儡として統治することが彼らの正体なのだ。だから日本人が拉致されようが彼らにはどうでもいいことなのだ。

アメリカにとっても日本人が拉致されようがどうでもいいことであり、そのようなアメリカを頼るよりも、日本独自で北朝鮮を追い込んで解決するようにしなければならない。それが当たり前なのですがアメリカ依存体質が染み付いた傀儡政府は時代遅れなのだ。

アメリカの国務省は日本との同盟関係を裏切り、中国に接近して北朝鮮問題を解決しようとしている。このようになってしまうと傀儡政権的体質の外務省では動きが取れなくなってしまう。このようなアメリカの傀儡政権では政治家は利権の獲得にはしり、官僚たちは日本のことよりも自分達の利益を考えるようになる。社会保険庁の堕落した体質もそこから来ているのだ。

このような状況ではアメリカ政府が日本の存在を無視して、中国と話し合ってアジアの事は決着つけるようになるのは当然だ。特にライス国務長官やヒル国務次官補などはその傾向が強い。だから日本の安倍総理や麻生外務大臣がアメリカを訪れても、ブッシュやライスのリップサービスで誤魔化されてしまう。

従軍慰安婦問題はそのような状況でアメリカで持ち上がった問題であり、日本政府の対米世論工作や議会工作は行なっていないに等しい。同盟国だからいつでも日本を支持してくれるわけではないことが証明された。日本政府や外務省の動きが鈍いのも日本のためよりもアメリカの統治機関として存在しているからだ。つまり飾りに過ぎない。

米中対決が日本にどのような影響をもたらすかは分からないが、アメリカが頼りにならなければ日本が単独でも中国と対峙できるだけの軍事力は必要だ。それが出来てこそアメリカとの対話も出来るようになる。アメリカの国務省あたりは米中が連携して日本を統治することを考えているようだ。これは日米安保の裏切り行為なのですが、日本人はこの事実にまだ気がついていない。


アメリカ国務省と朝日新聞に洗脳される日本国民

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  邪教徒の言うことに耳を貸してはいけません       | ̄ ̄∫ ./ 憲法 //∫ ̄ ̄|
  平和は憲法9条によってのみ達成できるのです・・・    ̄ ̄∫/  9条. // ∫ ̄ ̄
  さあ今こそ祈りましょう・・・                        ∫======= ′∫
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日本における「近代的なるもの」は日本史の内部から熟成して出て来た
のであり、場合によっては西洋史よりも早く姿を現わしている。西尾幹二


2007年7月9日 月曜日

江戸のダイナミズム―古代と近代の架け橋 西尾幹二(著)

ヨーロッパというものの正体が何であったか、今にしてわれわれにはやっと分るわけですが、どうやって江戸時代の日本人にそれが分ったでありましょうか。しかし本能的になにかが分っていたのかもしれない。家康だけではなく先立つ秀吉にも分っていた。日本人の知恵、直感が働いていた。だからキリシタンの拒絶と、ポルトガル、スペイン船を近づけないという蛮族打払いの政策を実行することが可能であったわけでしょう。

まあ、それはともかくとして、先の引用からも、ヨーロッパにだって未来は見えていなかったということを申し上げておきたい。

聖書と神道

江戸の日本はヨーロッパをほんの少し知っていたけれど、しかしながらそれとは無関係に、自分の独自の価値観念を、閉ざされた江戸の空間のなかで追求していたのです。ヨーロッパも自らがどこへ向かうか分っていないと今申し上げましたが、日本は日本で、ヨーロッパはヨーロッパで、それぞれが独自の道を歩んでいたのであります。

いいでしょうか、読者の皆さん。江戸時代は明治のための手段ではありません。それがまず最初に言いたかったことであります。

明るい近代的なもののイメージを江戸時代に投影して、江戸を「初期近代」と呼ぶのも、みんな西洋からきた観念です。江戸を初期近代と言うといって、英語の研究書の中にそういうことが書かれてあるものだから、最近日本の国史学者たちは一部で、ああ、アメリカ人がそう言っている、イギリス人がそう言っていると慌てて近世の概念を疑うとか言いだしたり、江戸時代は初期近代だと言ったりしていますが、遅いんですよ。

やっとそのレベルのことを言いだしていますが、遅いんです。遅いというのは、私はその逆を今言っているからです。つまり、江戸時代は近代明治のための手段ではなかった、と。江戸時代の人は明治を目的にして生きていたわけではない。

徳川体制が壊れて、再び「朝廷の時代」がやってくるとは、江戸の人たちは想像だにしなかった。幕末になるまで、誰も考えていなかった。その時代にはその時代に閉ざされた特有の価値観があると、ランケが言いました。「各時代には各時代に特有の神がある」と。われわれは江戸時代を「近代的なるもの」の実現のプロセスの目盛りの程度で解くようなことをやめましょう。江戸の人が生きた、閉ざされた固有の価値観の内部でこれを評価しなくてはなりません。そこで第三の命題です。

日本における「近代的なるもの」は日本史の内部から熟成して出て来たのであり、西洋史とは関わりなしに、場合によっては西洋史よりも早く姿を現わしているということ、そしてそれが先進的であるのは西洋の場合と同様に深く自らの過去の歴史に遡って、そこから養分を取り、そこへ戻り、そこをばねとしていること、そしてまた各時代の閉ざされた固有の内部の価値観を通じて確立されていったということであります。

それならその閉ざされた江戸の空間の固有の内部での価値観とは何か。一口で申しますが、それはとりあえずはまず儒教であります。室町から戦国時代にかけて成立したいわゆる神の国この神の国はいつごろできたかと正確にいうのは難しいけれども、江戸時代になると、ここに明らかに儒教が入ってまいりまして、この国のかたち、まとまりといったものを考えだす。儒教が日本という国のまとまりを初めて自覚するきっかけになるのです。

ここでいう"儒教"とは、もとより西洋とは無関係であり、また中国の儒教とは現われ方が違うものでありまして、日本的な儒教でありますが、しかしながら儒教は儒教ですから、おしなべて中国研究であることには変わりはないのであります。そこらへんが非常に難しいのですが、同時代の中国では考えられないような方向へ日本の儒教は展開し、そこでは予想外に巨大なスケールの仕事がなされたのであります。

日本という国は、いつどのようにして、この国の国家的まとまり、国のかたちというものを自覚するようになったのでしょうか。通例は江戸の儒教とは関わりなく、元寇のときに、北条時宗の鶴の一声でまとまり、あれが神の国の始まりだという説もありますが、すると平安時代のいわゆる国風文化はどう考えたらよいのでしょうか。ともあれ、神の国の自己認識がいつ始まったか、文献学的に議論しても仕方がありません。そうではなく、私どもによく知られている明らかないくつかの道標を思い出してみましょう。

例えぱ、豊臣秀吉は、スペインのフィリピン総督に宛てた手紙で、日本は神の国だからバテレンの布教はまかりならぬと応答しております。さらに秀吉は、日本で初めて自ら求めて神社に祀られるこおくとを希望し、日本で最初に「神」となり、朝廷からは「豊国大明神」の号を贈られております。家康も自ら神になることを求め、日光東照宮において「権現様」となっている。どうも神の国は、戦国から江戸にかけてのこの前後ですでに確立していることは間違いがないようです。

今、「明神」とか「権現」という言葉を申しましたけれども、本来的には神道は偶像を持たないものです。が、神仏習合という仏教の影響であの美しい仏像彫刻を見せつけられているうちに、神道のほうでも明神様とか、権現様とかやってみようということでそうなったようです。これは、仏教が神道に与乏た影響です。

江戸の二百五十年のこの国の枠、国のまとまり、それをつくったのは、秀吉と家康の知恵です。秀吉がバテレンの禁止と中華秩序からの離脱を実行した。中国何するものぞという、秀吉の態度をそのまま、そっくり内向きに引き受けたのが、二百五十年間の江戸幕藩体制の外交政策です。

この方針を決定したのは、精神的には神の国を言っているけれども、実は神道でもなければ、仏教でもなく、中国研究でもあったところの儒教であったという逆説を申し上げなければならないのであります。というよりも神道と合体した儒教というか、垂加神道というふうな名前で呼ぱれるものです。日本には、「外来の思想を厚化粧のごとくまとった神道」と「化粧を落して神道本来の裸形に近くなった神道」との二種類があります。

「化粧を落して神道本来の裸形に近くなった神道」のほうが、どちらかというと純粋な神道で、「外来の思想を厚化粧の、ことくまとった神道」は複合したものということなのですが、私の直感では、日本の歴史に二度大きな宗教が外から入ってきています。古代に仏教が先ず入ってきた。儒教も入ってきていますが、影響力はまだそれほど大きくない。そうして次に、室町時代以降に儒教、つまり朱子学が流入しています。

その「外来の思想を厚化粧の.ことくまとった神道」は、最初は「本地垂迹の思想」という。垂迹というのは仏が本地、仏教が本体で、神としてそこに現われるというものであります。つまり両部神道といいまして、仏教と習合したということですが、やがてそれに対する反発が起こりまして、「化粧を落して神道本来の裸形に近くなった神道」のほうへ行く。これが、本来の神道であり、伊勢神道、または度会神道とも言いますが、反本地垂迹思想です。

つまり仏教から脱するということで、神様が、本体で仏教がむしろ垂迹なんですから、仏教が外に現われるということになる。.神様が本体で仏教が外に現われる。いや、反本地垂迹といっても、脱仏教といっても、仏教を完全に離れるのではなくて、要するに薄くなるだけです。

室町時代になりますと、こんどは道教、儒教、仏教合わせて全部一緒にしたごた混ぜのものになる。ある人に言わしめると、「錦織りの綴れ織りを鎧に纏ったような神道」となる。ここに「吉田神道」という巨大な伝統を持つ神道が生まれます。これもやはり反本地垂迹思想で、神が本体ということになる。ただ、神が本体であっても、ごたごた、こたといろんなものを身に纏っておりますので、こんどはそれを否定する、脱吉田神道が出てくる。再び、伊勢神道がもう一度、吉田神道の厚化粧を脱ぎ捨てて登場してくる。

そこへ朱子学がどっと入ってまいります。そうしますと朱子学と神道がくっつきまして、それは林羅山、山崎闇齋などが代表する、儒教と習合した「垂加神道」や「理当心地神道」が生まれてくる。これらに対してしぱらく経ってから、いや、こんどは儒教も仏教もだめだ、『古事記』の神話に立ち戻れと言ったのが本居宣長の「古学神道」ということになります。彼の弟子の平田篤胤は、厚化粧のほうに回り、幕末になってキリスト教と習合するというおかしな話になってしまう。もっとも宣長も「聖書」を読んでいたという説もあることはあるので、キリスト教の影響もあったかもしれません。

明治になると、厚化粧の神道は「国家神道」に向かい、戦後の神道は、憲法の規定などによって、存在するための根拠を失い、薄化粧というか、可哀相な神道となってしまった。森喜朗元首相の「神の国」発言でぐらつくほど頼りなくなっている。なぜそうなったかというと、たった一人、津田左右吉という人物が現われただけで、そうなってしまった。

別に、津田左右吉が悪いのではなくて、自然科学というものに対して神道は防衛力を持っていなかったためでしょう。日本の神遺は何にでもまといついて、何にでも自然なかたちで習合する思想ですけれども、自已の存立のために戦う理論武装が弱く、本格的に思想家として自己防衛をしたのは本居宣長一人であったのではないかと思われます。

過日、中西輝政氏と対談して、『日本文明の主張』という本を出しました。この中で、中西氏が、キリスト教にはたくさんの護教論(教義を護る議論)があるのに、日本の神道を守ろうとしたのは本居宣長一人だけだった、だから神道は脆いんだという指摘をなさいました。それはそうだと私も合点し、次のように付言しました。ヨーロッパの思想は、アンチクリストの思想まで実は「護教論」なんです。

ドストエフスキーの『罪と罰』、二ーチェの『ツァラトゥストラかく語りき』はみんなアンチクリストの流れですが、これらとても、結局は「聖書」のパロディです。カントの『純粋理性批判』は、自然科学を基礎づける書であると一方では言っていいわけですが、実は「信仰の領域」と「自然科学の領域」は別物だと指摘し、信仰の領域を守ろうとしている。

そういう意味ではカントの『純粋理性批判』も「聖書」のパロディかもしれない、とあえて言ってみたくなるのが西洋の宗教世界なのです。何を論じても全部「護教論」に通ずるものすごい世界なのです。それに比べると、目本の神道には防衡思想があまりにもないということは認めざるを得ません。

仏教の堕落

もっとも、今お示しした二系列の神道の図式[図@]に関しては、素人の考えであって、余りに便宜的で、いささか大雑把な捉え方なので、私としては内心忸怩たるものがあるのですが、それはお許しいただくとして、神道はなにか外来のものにまといついて自らを守る、そういう不思議な力をもっていることをこの表でむしろ言いたかったのです。

江戸時代になって日本の国のかたちを意識させたのは、先述のとおり儒教でした。しかしその儒教を背後からささえたのは神道でした。通例は神仏儒のイデオロギーの連合が強く出ているというふうに言われ、神仏は一体で祀られていましたけれども、しかしながら日本の国の全体の統一のまとまりを意識させたのは儒教だということを、今私はこれから少し説明します。

神道は単一体としてみれば、江戸時代に入ると旗色が悪くなる。それはなんといっても天皇家と結びついておりますから、神道が盛んになると幕府の存在がそれだけ相対化されます。時の幕府からは疎んじられていました。一方、仏教は国教化して、幕府に保護される。幕府はとにかく一向一撲もいやだったし、もう坊主どもやキリシタンが荒れ狂ったら手に負えないのを知っていたので、宗教をいかにして自分たちの保護監督下に置いて管理するかということに力を入れた。政治の知恵ですが、それ故に保護された仏教は堕落します。

たとえば檀家制度は民衆をお寺の管理下にくり入れるものであり、本末制度はお寺を本寺と末寺に分けて、住職の任命権を本山に限定するなどの制度ですが、どこまでも幕府がお寺を管理する制度です。これで政治による宗教の序列化がはっきりしましたが、ただ民衆の立場から言いますと、十六世紀まではろくなお弔いもしてもらえなかった。

偉い人たちはちゃんとお墓も持てたけど、庶民にはお墓もなかった。ですけれども江戸時代になると、とにかくいろんなことが現在のわれわれの生活に近くなってきて、庶民もまたお弔いをしてもらえるし、戒名が頂戴できるようになった。これはありがたいことであって、広い意味での庶民の救いにつながづたと考えることはもちろんできるだろうと思います。

お寺が民衆の日常の救いの場となり、ともあれ仏教が国民的宗教とレて確立した。現在残っているお寺の九〇パーセントは十六世紀、十七世紀の二百年問に創立されたと言われております。そのうち約八○パーセントは寛永二十年(一六四三年)までに成立しているということです。

江戸学者の尾藤正英氏が、この事実からすれぱいわゆる本寺、末寺の制度などとか、あるいはまた檀家制度などというものは、権力による人為的なものではなく、それ自体としては自然発生的に成立し、江戸幕府はただそれを政治的に利用しただけであったと見るのが妥当であろうと、大変お寺さんに好意的な評価を下しています。そういう一面もたしかにあったと思いますが、お寺が庶民にとってありがたい一方の存在であったかどうかはまた別の問題です。

というのは、お寺は、庶民に対してキリシタンでないことの証明をするかわりに、次々と彼らからカネを巻き上げるなどのことが多かった。庶民はそんな体質にウンザリして、お祈りの場としては山伏や占い師だとかに救いを求め、必ずしも仏教寺院を頼りにしないようになってしまった。つまり現在と同じような「葬式仏教」に堕ちてしまったのは事実のようであります。

なにしろ葬式を行う資格は、幕府によってお寺にのみ与えられたために、当然お寺は傲慢になり堕落します。民衆は民衆で、お寺とはべつのところの信仰に走る。姓名判断とか、家相を見るとか、お祓い、お浄めとか、陰陽道だとかが盛んになります。これは現代にまでずっと続いている民衆宗教の流れです。今と変わらない同じ構造ですね。江戸時代の民衆の心のかたちは現在とあまり変化がないと私は見ています。現代の仏教不信は、むしろ江戸時代に始まっている。

だから神仏分離が明治の初期に行われたときに、廃仏段釈(仏像破壊)が起こりましたが、政治的弾圧ということだけでは説明できません。政府の関与があったにせよ、民衆自らが率先して協力した側面もあったわけです。それだけ、お寺が憎まれていたということでしょう。(P30〜P38)



(私のコメント)
日本の教育は憶える事にばかり重点が置かれて考える事に対する教育があまり行なわれていない。もちろん低学年においては憶えなければならないことに重点が置かれますが、高校大学においてもその傾向は変わらない。歴史教育も何年に何があったという事ばかりであり、そこからの価値観や意味づけなどは教育の場では避けている。

もっとも歴史教育は、入学試験からも排除されているから高校のカリキュラムからも排除されて、世界史などは学ばないまま卒業してしまう学生もいる。しかし毎日の政治や経済を見る上では世界史などが分からないと現代の政治や経済も理解する事ができなくなる。日本の教育は一番大切な科目を排除して教育しているのだ。

西尾幹二氏の「江戸のダイナミズム」という本は、江戸時代に対する歴史的解釈において、西洋よりも先に近代の芽が出てきた事を指摘している。西洋に近代の芽が出てきたのは、宗教戦争の後からであり、それまでは政治と宗教の区分けが出来ていなかった。

西洋における16世紀から17世紀におけるカトリックとプロテスタントの宗教戦争は、政治の世界に宗教が持ち込まれると凄惨な結果をもたらすことになり、政治と宗教は明確に区分けされるようになった。しかし日本では信長や秀吉や家康が宗教勢力と一線を画して政治を行なうようになったのであり、近代的日本が中世的ヨーロッパを排除したのがキリシタン禁令だ。

そのような意味で言えばアメリカははたして近代国家といえるのだろうか? アメリカはヨーロッパと違って宗教戦争を経験していない。だから今頃になっても第九次十字軍遠征軍をイラクやアフガニスタンに送っている。その目的はイスラエルの支援であり、ユダヤ・キリスト教の聖地エルサレムの恒久的な確保がその目的だ。

アメリカがキリスト教原理主義の国家であることは、福音派の信者の数からも明らかなことです。中には聖書を絶対視するファンダメンタリストに至っては進化論を否定して神が7日間で世界を作ったと信じて、ハルマゲドンの戦いが近いうちに起こってキリストの降臨を信じている人がブッシュ大統領の有力な支援団体になっている。

日本やヨーロッパの人から見れば、このようなアメリカはバカバカしく思える。しかし非キリスト教徒に対する無慈悲な扱いが時々出るのであり、日本に原爆を投下できたのも日本がキリスト教国家ではなかったからだ。ハルマゲドンの戦いではキリスト教徒だけが生き残ると書いてあるそうだから、非キリスト教徒は死んでもかまわないとも解釈できる。

近代人である日本人は、信仰の領域と自然科学の領域を一緒くたにすることはありませんが、アメリカのキリスト教の一派は聖書の絶対性を信じている。そして旧約聖書の中の預言された世界を実現させようとしている。そのようなアメリカ人を近代人であると見ることが間違ってる。

日本には7世紀に仏教が入ってきて、その後から儒教や朱子学などが次々入ってきましたが、神道をベースに仏教や儒教や朱子学などが地層のように積み重なっている。秀吉や家康がキリスト教を禁令にしたのも、キリスト教の教義に疑念を抱くだけの信仰の基盤がすでにあり、キリスト教の背後に隠された侵略的な意図に気がついたからだ。

家康は宗教勢力を東西に分裂させることで宗教が政治に口出しをすることを排除することが出来た。このような結果が葬式仏教といわれるほどに骨抜きにされてしまったのですが、明治になって基盤にあった神道が国家神道となりました。日本人は基本的に仏教も信じていなければキリスト教も受け付けていない。

しかし神道には教祖も経典も無い古代宗教であり多神教だ。アメリカ人にはこのような日本人が野蛮人に思えたことだろう。しかし実際の日本は戦国末期には宗教と政治とは分離された近代国家であり西洋よりもそれは早かったのだ。日本の歴史教育ではそのようなことは教えられず、鎖国によって近代化に遅れた日本を教えている。

先日はアメリカの高官が原爆の投下が100万人の日本人を救ったと述べていましたが、やはり原爆を投下したことに対する後ろめたさがあるのだろう。しかし投下を決断したルーズベルト大統領は選民思想から非キリスト教徒である日本人を抹殺しようとしたのだ。

このようなアメリカ人の精神的な発作はキリスト教の選民思想が原因であり、ブッシュは”神の声”を聞いてイラクに侵攻した。宗教戦争を経験していないアメリカ人だからこそこのような”神の声”を信じてしまうのでしょう。


神のお告げでイラクに侵攻=ブッシュ大統領語る

【ロンドン6日】英BBCテレビは中東和平をテーマに今月3回に分けて放送するドキュメンタリー番組で、ジョージ・ブッシュ米大統領が「アフガニスタンとイラクへの侵攻は神から命じられた」と語った事実を公表する。

ブッシュ氏は2003年6月にエジプトのシャルムエルシェイクでパレスチナ自治政府のアッバス首相(現議長)とシャース外相(現情報相)と会談した際ににそのように語ったという。

 シャース氏によれば、ブッシュ大統領は「私は神に与えられた使命によって行動している。神は『ジョージよ、アフガンのテロリストと戦え』と命じた。そのようにすると、神は今度は『ジョージよ、イラクの圧制に終止符を打て』と命じた。私はそのようにした」と語った。

 ブッシュ氏は、パレスチナ国家の創設も神から命じられたことを明らかにしたという。

 BBCは、ブッシュ氏の神のお告げ発言についてホワイトハウスに問い合わせたが、私的な会話には論評できないと断られたと述べている。BBCの番組は今月10日、17日および24日に放映される。
〔AFP=時事〕

時事通信社:2005年10月07日



(私のコメント)
9.11テロ事件以降のアメリカは、明らかに発狂しているように思える。日本人やヨーロッパ人ならあの程度のテロ事件は戦争被害から見れば取るに足らない被害だ。しかしアメリカにはあのような攻撃を受けた経験が無いから、気が動転してしまっているのであり、眠っていたキリスト教の選民思想が呼び起こされて、中東で世界核戦争を起こそうとしている。まさにハルマゲドンを実行しようというのだ。

アメリカ人がもし悲惨な宗教戦争を体験していれば”神の声”などありはしないと分かるはずだ。秀吉や家康の時代のスペイン人やポルトガル人はまさに”神の声”を聞いて世界征服に乗り出したのですが、秀吉や家康は彼らの狂気に気がついて鎖国に踏み切ったのだ。

だからこそ、狂気にとりつかれたアメリカとは”鎖国”も覚悟しなければならないのかもしれない。





伊東美咲&深田恭子主演 フジテレビ 「山おんな壁おんな」
デパート業界の内幕を描いた業界ドラマだが、話題は胸ばかり? 


2007年7月8日 日曜日

Yama Onna Kabe Onna THEME SONG(ユーチューブ2分30秒)


伊東美咲&深田恭子主演 山おんな壁おんな 第1話 ボタンが飛ぶ!? 7月6日 ドラマレジェンド

期待度未知数の伊東美咲のドラマがスタート! 期待していいのか悪いのか? 伊東美咲は当たり外れが多い女優だという先入観がすでに出来上がっているために、このドラマも十差には見て見ないと分からない状態で構えて見ましたが・・・。

実際のところ、結構笑わせていただきました! というか伊東美咲のイメージからすると、良くこんなキャラをやってくれたものだと関心ですね。

先日のスターボーリングで山おんな壁おんなチームで小池栄子が短冊に書いた願い事が・・・

「一日、伊東美咲になりたい」 などと書いたようで、理由は、女優から見ても、ほんとに綺麗だから、一日でいいから伊東美咲になってみたいと・・・。

なるほど、女優や芸能人からみても伊東美咲ってほんとに美人なんだ! って改めて思いました。 その伊東美咲がこのドラマでは丸越百貨店のバッグ売り場で4年連続売り上げNo,1座に輝いているキャリアウーマンの演じ、しかしながら貧乳にコンプレックスを感じている青柳恵美「壁おんな」役を。

ドラマの中でも、かなりイケテルようで、いけてない役を演じてくれていまして、笑わせてくれたのは伊東美咲だったというのが意外です。

一方このドラマでは「山おんな」役を演じている毬谷まりえに深田恭子が!? もともと隠れ巨乳だといわれ続けてきた彼女だけに、この役はかなりいい感じだった印象があります。 Hカップというサイズだそうですが、実際には何かを入れているそうで、その何かは秘密!? こういった特殊メイク的なのをみますと、かつての金曜ナイトドラマ「OLヴィジュアル系」を思い出してしまいます。

深田恭子、連続ドラマでは富豪刑事デラックスの神戸美和子以来の登場。 美和子のイメージが強烈にある彼女、お嬢様のイメージにある種、一番あっているのが彼女かもしれません。 今回は主役ですが、伊東美咲と共演しているためにサブ的な感じし、逆にその方が深田恭子の持ち味が十分に発揮出来ているように感じました。

主役にすると、富豪刑事の時のように、周りを豪華キャストで固めなければ彼女の持ち味が発揮できなかったような印象、しかし今回は見事にバストも可愛らしさもダイナマイト級になったかもしれません。

ちなみにスターボーリングで深田恭子は短冊に「お姫様になりたい・・・」と書いていました。

伊東美咲が化粧室でアゴを打ち付けているシーンでは、嫁と鑑賞していて大爆笑! なんてバカバカしい役を伊東美咲が演じているのか!? 機嫌が悪くなると花の穴が大きくなるというキャラ。 これまでの彼女は電車男で終わった・・・とまで言われ・・・sかしながら、めぞん一刻でクールビューティーこそ彼女らしいとまで言われるようになったが、今回は・・・一番のバカ女役を演じて新境地!?

なかなかこう印象で、ドラマ事態も悪くない! 逆に面白いですね。他のキャストも気になる存在が多数いるために、久々に、木曜10時のフジは楽しくなりそうな予感が!?

ゲストの鷲尾真知子さん、大奥では「美味でございます〜」とやってましたが、今回はうな重で「美味でございます〜」ってやってほしかったところです。 大奥もこの時間帯でしたので・・・。

谷原さんもここのところ連続ドラマ連投でなんか凄い勢いを感じます。 ミッチーもいい感じ!小池栄子もやはり面白いです!



「デパート攻防 三越VS伊勢丹」 2004年10月 【“ビジネスマン必見番組”レビュー】

10月11日、160億円を投じたという三越・日本橋本店の新館がオープンした。地下2階から10階までのべ1万5000平方メートル。

三越の中村社長は言う。「まずやってみて、“変える”ということが大切。考えているうちに時間はどんどん流れていく」。

7階にはイベントスペースを設けた。「ディズニーランドの一つの形が百貨店の中に生まれてくるとよい」(中村社長)。業界平均の客の滞在時間が20分といわれる中、日本橋本店は96分を誇る。これを120分にまで延ばすことが目標だ。

本店の新館をオープンする一方で、三越は9月30日、緊急のリストラ会見を行った。大阪、横浜、倉敷など赤字10店舗を閉鎖することを発表。「改善はされているが、赤字解消までには至らなかった」とは中村社長の弁。

新館の華々しいオープンの後、中村社長は閉鎖店舗の説明のために倉敷へと向かった。

デパートはここ10年間で100店以上が閉鎖に追い込まれた。デパート業界は未だ長い不況をさまよっている。デパート業界は7年連続して前年割れ。そんな「冬の時代」の気を吐くデパートがある。それが日本橋・三越本店だ。

三越本店の強みは徹底した「おもてなし」戦術にある。あの手この手で高齢者層を囲いこむ。

■「テレビから家具まで、すべて三越」
三越営業部の川村雄太郎さん(52歳)。この日、川村さんは30年来の付き合いがあるというお客さまの家を訪ねた。このお宅の屋根裏部屋には美術品が700点以上もある。すべて三越から買ったものだ。中には漆を150回くらい塗って掘り出した彫漆の水差しは200万円もする。

このお宅は美術品のほか、テレビから家具まで、すべて三越から買っている。この日も川村さんは美術品の紹介にやってきた。好みに合いそうなものがあれば、真っ先に案内に来るという。「自分は丁稚、まあ昇格して番頭だ」と川村さんはいう。「基本は基本中の基本をやること」(川村さん)。

■三越を支える「お帳場客」
川村さんのお得意さんが三越本店にやってきた。車寄せで出迎える川村さん。ハイヤーが横付けされると、すかさず駆け寄ってドアを開ける。「どうぞ、ご案内します」。川村さんは店内をエスコートし、ほかのものには目もくれず、美術品の展示場に向かう。

そのお客さんは九谷焼の壺が気に入ったようだ。決済のためにカードを取り出す。そのカードは「三越カード」ではない。「お帳場カード」と記載されている。三越ではツケで買い物ができる上得意客を昔から「お帳場客」と呼んできた。

三越のお帳場客11万人を担当するのが318人から成る「お得意様営業部」同部の部長の黒部さん(49歳)はミーティングで檄を飛ばす。「常日頃からコミュニケーションをたくさんの人とたくさんとっておかないと、イベントにお客様を動員できない。電話がつながる率が79.5%では低い。9割以上を目指せ。最低でも1月に1度はお客様と会話すること」−−。

同部の社員は月に何度も集められ、商品の説明を受ける。すべての商品の知識を身につけることを求められているからだ。この日は2310万円の時計の説明を受けていた。

お得様営業部の売上高は99年は240億円だったが、昨年は400億円に達した。


(私のコメント)
最近はテレビや映画もマンガが原作のものが増えてきました。だから漫画家もドラマ化を意識したマンガを描くようになってきたのでしょう。脚本家によるオリジナルのテレビドラマはどうしても下調べが雑になって、業界ドラマはありきたりなものになりやすい。だからマンガや小説が原作のものの方が確りしたストーリーになる。

もちろんマンガが原作であり、コメディードラマだからありえないシーンやストーリーが沢山ありますが、うけねらいという事で観ればいいのだろう。実際のデパートはあんなに若くて美人の社員ばかりではないが、テレビドラマだから仕方がない。

ドラマの舞台は銀座の三越デパートですが、一階はデパートの顔であり高級化粧品や高級バックなどの売り場が占めている。ブランドメーカーの直営店もテナントとして売り場を占めているが、銀座や丸の内はそのようなブランドショップが軒を並べている。

最近は格差社会の影響で高級ブランド品を買う客層も増えてきているようだ。ドラマの中でも数万円もするバックを買っていく客が沢山いますが、日本でもセレブ社会が出来てきているのだろう。だから三越とか伊勢丹とか言う老舗のデパートが復活してきている。

私は東京生まれで、小学校に入る前からデパートが遊び場として育ってきた。デパートは新しい文化を紹介する文化センターとしての役割をになってきた。生活も洋風化してリビング用品も最先端な物が陳列されていたし、女性ファッションも最新流行のファッションリーダーでもあった。

しかし大型の専門店チェーンが売上げを伸ばしてきて、衣類にしろリビングにしろデパートは価格競争やサービス競争に勝てなくなった。パソコンなども最初の頃はデパートでも電気製品売り場に売っていたが、デパート店員にパソコンスキルが無い為に大型パソコンショップに負けてしまった。

「山おんな壁おんな」のドラマの中でもデパートの幹部が「人材が大切」と言っていたが、彼らに関心があるのは売上高だけであり、商品知識やサービス内容はおざなりな教育しか行なっていない。バイヤーなどの方が商品知識はあるが販売店員の中にはブランド物のバックの由来などを知らない店員が大勢いるのだ。

最近のデパートは不動産賃貸業化して、売り場を貸しているだけの業態になってしまった。だから以前のようなファンションリーダーとなって製品企画を立てて売るということも無くなり、リスクを負うって商売をすることも無くなり、売れ残った商品はみんな問屋に返品してしまう。リスクをとらないから人材も育たない。

日本の老舗のデパートは江戸時代からの呉服屋が多く、日本のファッションの流行を作ってきた。リビングの家具なども北欧の家具メーカーのものを並べて新時代の先端を担ってきたが、デパートは商品に対するセンスなどが、ただ商品を並べているだけの熱意を感じさせないようになってきた。

デパートは価格競争などでは大型スーパーや専門店チェ−ンにかなわず商品知識も劣る。しかし三越や伊勢丹と言った老舗のデパートが復活してきたのは、売り場そのもののブランド化であり、同じ洋服を買うにも「三越で買った、伊勢丹で買った」というのがブランド化することだ。その為にはスーパーや大型チェ−ン店と同じ事をしてはだめなのだ。

究極で言えば百貨店は「商品」を売る場所ではなく「文化」を売るべき場所なのだ。三越や伊勢丹には古くからの文化があるが、戦後できたような新興デパートにはそれがない。特に地方のデパートは品が無くスーパーと変わらない百貨店が多かったが、そのような地方のデパートの多くが潰れた。

この違いが出るのは歴史と伝統と文化の違いであり、安くていい物を売ればいいとする文化とは違うのだ。最近では中国から安いものが多く輸入されて売られていますが、ユニクロなどもこれからは中国製であることが足を引っ張る事になるだろう。その中国に日本のブランド米が輸出されるようになった。結局は価格よりも品質で勝負する事が大切であり、それを大切にしてきた百貨店が復活してきている。

百貨店業界に限らず、日本企業は価格競争に巻き込まれて、国内の工場を閉鎖して中国に生産を移してしまった。確かにその事で安く製品を作ることが出来るようになったが、品質が犠牲になってしまった。日本製というブランドを育てる事をせずに価格競争に巻き込まれたところは新興デパートと同じ運命をたどるだろう。

伊東美咲と深田恭子の「山おんな壁おんな」はこれからどうなるのか分かりませんが、デパート業界を描いた業界もののドラマなのだろう。女性の胸の話は一つ間違えるとセクハラになりますが、女性の中には胸に強烈なコンプレックスを抱いている人もいるので注意が必要だ。伊東美咲の青柳主任もその一人ですが、その為に男性にもてないというわけでもないのだから大きければいいという話でもないのだろう。


TORAはオッパイが大好き!

    _  ∩  伊東美咲の
  ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
  (  ⊂彡
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   し ⌒J

    _, ,_∩∩  小池栄子の
   (;`Д)彡彡 おっぱいっ!おっぱいっ!
  ((⊂⊂彡
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   ヽ_つJ

∩∩_, ,_ _, ,_∩∩   深田恭子の
ミミ(Д´≡`Д)彡 おっぱい!おっぱおっぱ!オッパオッオッ!オッオオー!
 ミ⊃⊃⊂⊂彡
   |   |
   し ωJ




過去数百年というのは、要するにスペイン・オランダ・イギリス・アメリカと
つづいた「白人による世界支配の終焉」を意味している。キッシンジャー


2007年7月7日 土曜日

◆米ロ首脳会談、ミサイル防衛やイラン核問題を協議

7月2日、ブッシュ米大統領とロシアのプーチン大統領は首脳会談でミサイル
防衛やイラン核問題を協議(2007年 ロイター/Jim Bourg)(ロイター)


プー
チン新提案の真意(アメリカのウソを逆利用する) 7月7日  ロシア政治経済ジャーナル

(前略)
▼MD問題のこれまで

まず、出発点までさかのぼります。アメリカは「東欧MDは、『対北朝鮮・対イランだ』」と主張している。北朝鮮のミサイルがユーラシアと欧州を通過してアメリカに届く?これを信じれる人は、相当重症です。イランはどうでしょうか?プーチンは2月、ミュンヘンでこうコメントしています。

プーチン「いわゆる問題国と呼ばれる国のうち一カ国も、欧州の現実脅威となる5000〜8000kmの長距離ミサイルはもっていない。そして、近い将来持つこともないし、その可能性すらない。」

そうなのです。イランも明確に否定しています。

「<イラン>最高安全保障委幹部、米のミサイル脅威論皮肉る

6月5日10時22分配信 毎日新聞
【テヘラン春日孝之】イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は4日、米国が東欧に配備を計画しているミサイル防衛システムを「イランのミサイル攻撃から欧州を守るものだ」と主張していることについて、「イランのミサイルは欧州に届かない。今年一番のジョークだ」と述べ、イラン脅威論を皮肉った。国営イラン通信が伝えた。」


そして、欧州の指導者も、「東欧MDは対イランだ」などと考えていない。そう、明らかに「対ロシア」なのです。しかし、あからさまにいうと問題なので、「対イランです」といっている。MDが配備されるとロシアは困るのでしょうか?理論的には困ります。軍事バランスが崩れる。

今は、

1、アメリカが核ミサイルをロシアに撃ちました。
2、ロシアがアメリカに核ミサイルを撃ちました。
3、アメリカとロシアは地上から消滅しました。
4、両国、こういう事態を恐れているので、核ミサイルを使えません。

これを「核抑止力」といいます。しかし、東欧にMDができると

1、アメリカが核ミサイルをロシアに撃ちました。
2、ロシアがアメリカに核ミサイルを撃ちました。
3、MDがロシアのミサイルを全部うちおとしました。
4、ロシアは地上から消滅し、アメリカは無傷でした。

そう、MDが将来完璧になれば、アメリカは反撃をおそれることなく、ロシアに核ミサイルをぶち込める。理論的にはですよ。それで、プーチンは、「東欧へのMD配備はロシアの脅威になるので容認できない!」と怒っている。しかし、アメリカ側は、「だから対ロシアじゃないって〜」とシラをきるのでラチがあかない。

▼ブッシュのウソを利用したプーチン

で、どうすることになったか?ロシア側は、「アメリカが対イランと主張するなら、イランを前提として話をすすめよう」となった。もう一度プーチン提案を振り返ってみましょう。

1、米MD網に、ロシアと欧州諸国が参加すること。
2、MD問題はNATOーロシア理事会で協議すること。
3、MD網共同運用のための情報交換センターを、モスクワと欧州(例えばブリュッセル)に置くこと。

どうですかこれは?

「アメリカのMD網にロシアが参加すること」を提案しています。もしアメリカのMDが対イランであるなら、問題ないでしょう?しかし、本当は「対ロシアMD」なのに、敵のロシアが参加したら困ったことになります。

次。

4、旧ソ連アゼルバイジャンのレーダー施設を共同運用する。施設が古いというのであれば、近代化すればいい。

5、それでも不十分であれば、ロシア南部の施設をMD網に含める準備がある。

地図がある人は見てください。チェコ・ポーランドは、イランからめちゃくちゃ離れていますが、アゼルバイジャンはイランの北の隣国です。そして、ロシアはアゼルバイジャンの隣国。もし、アメリカのMDが対イランであれば、東欧に配備するよりアゼルバイジャン・ロシア南部に施設をつくるのがいいに決まっている。

しかし、「対ロシア」なら?「対ロシアMDシステム」を「ロシア領内」に置く???想像してみてください。「日本は対北朝鮮MDを、ピョンヤンに配備します」ありえないでしょ?

6、以上の提案を受け入れれば、チェコ・ポーランドにMDを配備する必要はまったくない。

もし、MDが「対イラン」であるなら、そのとおりです。

7、この提案をアメリカが受け入れれば、「両国関係は新たな段階を迎えるだろう」

もしMDが「対イラン」であるなら、アメリカ・ロシア・欧州が共同で一つMD網を運営するのですから、そのとおりでしょう。しかし、東欧MDは「対イラン」ではなく「対ロシア」なので、ありえない。

▼プーチン発言の真意

アメリカはおそらく、なんやかんやと理由をつけて、東欧へのMD配備をすすめるでしょう。では、プーチン提案は無意味なのでしょうか?そんなことはありません。さっき理論的な話をしましたが、MD配備には政治的理由もあります。そう、「欧州とロシアを分断する」こと。

アメリカの立場で考えてみましょう。欧州とロシアが、完全に一体化した。ロシアは欧州にユーロで石油・ガスを売る。これでドルはローカル通貨になる。アメリカはただの赤字大国となり没落するでしょう。

ロシアの立場から見ると、欧州と一体化することで、多極化を進めたい。(米一極主義をぶち壊したい)

欧州の立場はどうなのでしょうか?これは分裂しているのです。まず、独仏を中心とする勢力は、ロシアと一体化したい。ロシアと一体化しイラク戦争に反対したドイツ・シュレイダーさん、仏シラクさんは去りましたが、基本的構造は変わっていません。しかも、欧州はロシアに石油・ガスを依存している。仲が険悪になると困るのです。

アメリカ絶対支持のイギリスと東欧は、ロシアと西欧を分裂させたい。なぜか?東欧は、つい18年前までロシア(ソ連)の支配下にあった。それで、非常にロシアを恐れている。東欧は、「独仏ではロシアの脅威に対抗できない。ロシアに対抗できるのはアメリカだけ」と考えている。で、東欧は親米反ロなのです。


アメリカもそのことを知っていて、ポーランドやバルト3国を使って、反ロ運動を推進しています。

さて、MD。アメリカが東欧にMDを配備する。そして、ウクライナやグルジアをNATOに入れる。これは、ロシアの脅威ですから、当然対抗措置を取る。

例えば、


「ロシアが欧州国境にミサイル配備の可能性示唆
7月5日10時0分配信 ロイター

[モスクワ 4日 ロイター] ロシアのイワノフ第1副首相兼国防相は4日、米国が欧州におけるミサイル防衛(MD)システム計画に関して協力しなければ、ポーランドおよびリトアニアとの国境地帯にミサイルを配備する可能性があることを示唆した。」


東欧MD配備とNATO拡大で、欧州とロシアを分断するのが、アメリカの戦略。

ロシアは、どうするべきなのでしょうか?

第1に、「対イラン」と主張するアメリカに対し、リーズナブルな提案をすることで、アメリカのウソを暴露する。

第2に、実際に対抗措置を取る段階になっても、「アメリカが先に紛争のたねを持ち込んだ。ロシアに責任はない」と主張できる。

第3に、MDが配備され、NATOが拡大され、ロシアが対抗措置を取った後も独仏・西欧諸国との関係を悪化させない。

結局MD問題は、米ロによる欧州の取り合いなのです。

▼進展のなかった首脳会談

今回の首脳会談は、ブッシュパパの別荘で行われました。ブッシュ(子)がここに外国の首脳を招いたのは初めてのこと。そして、ブッシュパパ一家も登場したり、一緒に釣りをして、米ロ和解の演出をしました。アメリカ側が必死である様子がうかがえます。なぜかというと、アメリカはイラン問題でどうしてもロシアの協力を必要としている。

イラン問題は「通貨問題」であること、皆さんもご存知ですね?

「イラン、原油の輸出代金受け取りでユーロ建てを要求

06年12月22日10時39分配信 ロイター
[ロンドン 21日 ロイター] 世界第4位の産油国であるイランは、外貨準備のドル保有比率の引き下げに伴い、原油の輸出代金受け取りに関して、ユーロ建てでの支払いを求めている。

イラン国営石油公社(NIOC)幹部と業界関係筋が21日明らかにした。」「NIOCの幹部によると、こうした措置の結果、日量238万バレルとなっているイランの原油輸出による収入は現在、約57%がユーロ建てとなっている。」


これは当然、強力な「ドル下げ圧力」になっている。アメリカはイラン問題を解決する必要がある。しかし、アメリカは「ウソをついてイラク攻撃した」ことがバレバレ。今回はどうしても、国連安保理の支持を取り付けてイランを征伐したい。そのために安保理常任理事国ロシアの助けがいる。

もし、イランが逃げ切ったとします。すると、全世界の国々(特に産油国)は、「なんだドル以外の通貨で売ってもおとがめなしなのね」と思う。

それで、

1、中東産油国が湾岸共通通貨を創る(10年予定)
2、ロシアはルーブルでの石油輸出を増やす
3、ロシアは欧州にユーロで石油・ガスを売るようになる
4、中国は、ユーロ(あるいは人民元・湾岸共通通貨等)で中東から石油を輸入するようになる

要するにドミノ式にドル離れが起こり、ドルは大暴落。アメリカはタダの財政赤字・経常赤字大国として没落するでしょう。アメリカはロシアの協力をどうしても必要としている。しかし、アメリカは頑固で、イラン問題・コソボ問題・MD問題で妥協しないのですよ。ゴルバチョフ・エリツィンは、ブッシュパパとベーカーさんのスマイルでだまされましたが、プーチンとKGB軍団はだまされません。

打つ手なしですね。

アメリカ上層部も、いよいよ「米幕府は大政奉還するときが近づいて来た」と気がつきはじめているようです。

「過去数百年間、我々が経験しなかった勢いで国際システムが変化している。かつては、米国は解決策のある問題と取り組んできたが、今や長い時間をかけて調整する時代にさしかかっている」(キッシンジャー)

キッシンジャーが、過去50年とか100年ではなく、数百年といっていることに注目。

過去数百年というのは、要するにスペイン・オランダ・イギリス・アメリカとつづいた「白人による世界支配の終焉」を意味しているのではないでしょうか?

日本はどうするべきか?


「ああ、アメリカはダメなので、中国につけということですか?」このような思考パターンを、「奴隷根性」といいます。アメリカの奴隷はダメなので、今度は中国の奴隷になれというのです。

アメリカは腐っても鯛。一国で世界総軍事費の50%以上を占めている。アメリカとの同盟が強固なうちは中国も静かにしている。ですから、アメリカが没落するまでの間に、自立の準備を進めていけばいいのです。

自立とは、

1、経済の自立
2、防衛の自立
3、食糧の自立
4、エネルギーの自立
そして、
5、魂の自立

その他詳しいことは、長くなりすぎるので書ききれません。


(私のコメント)
政治家や官僚たちは毎日の仕事に追われて、長期的な大戦略を考える時間が無い。そのようなことはシンクタンクや大学の研究所などで行なわれるべきものですが、日本のシンクタンクや大学の戦略研究の活動は不活発であり、ネットやブログで検索しても、そのような研究を活発に発表しているのは、ブロガーの数えるほどの人たちだ。

アメリカでは国防総省にアンドリュー・マーシャル氏がいますが、20年先30年先の戦略を考えてレポートを発表している。それに対して日本の20年先の戦略を考えている人はいるのだろうか? 日本ではやたらと危機感の煽るだけの本は沢山出されていますが、4,5年経つと使いものにならないことばかり書いてあることがばれてしまう。

「株式日記」では「アメリカの衰退に伴う日本の戦略」について書き続けてきましたが、ドルや石油の動向を分析すれば明らかなのだ。その流れがはっきり見えてきたのは9・11テロ事件以降ですが、イラク戦争に突入した事で流れが速くなってきている。

90年代のアメリカではソ連崩壊によるアメリカの慢心が出た年代であり、ソ連の次は経済大国日本を叩き潰せと襲い掛かってきた。クリントン外交があのまま続けられていたら日本は潰されていたかもしれない。その間に日本の総理大臣は8人も変わり、小渕総理は病に倒れた。同盟国のアメリカの裏切り行為になすすべが無かったのだ。

クリントン外交の誤りを糾す意味で「アジア2025」というレポートが1999年に出されましたが、そのレポートをまとめたのがアンドリュー・マーシャルだ。アメリカは軍事超大国であるだけに、その戦略は全世界的なものですが、日本で「アジア2025」を読んでいる人は僅かしかいない。


アメリカが予測する2025年のアジア 米国防次官1999年夏季研究最終報告(「アジア2025」) 東京財団

以下の報告書は、国防次官(政策担当)のために実施された夏季研究の要約である。この夏季研究は、アンドルー・W・マーシャルとジェームズ・G・ロッシュの指導の下、S・エンダース・ウィンブッシュが主宰する作業グループが、一九九九年七月二五日から八月四日にかけて、ロードアイランド州ニューポートの海軍戦争大学に集まってまとめた。これは、国防計画プロセスにとって根本的な諸問題や重要性のある問題を再検討するために実施された一連の夏季研究の第一三回である。

ここで検討の対象となるアジアは、太平洋からロシア中部、北極海からインド洋・ペルシャ湾に広がる地域と規定する。われわれは努めて長期的視野でこの地域を見て、限定された数の別のアジアを創造し、分析した。

シナリオが示唆するところによれば、中央アジアで起きたことは北東アジアあるいは南東アジアで直接的もしくは二次的な結果をもたらすかもしれず、インドネシアでの出来事は、北方の日本と西方のペルシャ湾の双方に伝播するかもしれないこと、すなわち、伝統的な「地域」や、それと同時に米軍の統制を超えるかもしれないことを示している。こうした世界においては、動く要素や動き得る要素が多く、それらの要素の間の結合の仕方も多い。

これらのシナリオの示唆するところによれば、米国が現時点で特定国に集中するのは、将来に対する計画の場合、間違っているということになるかもしれない。本グループは幾つかの劇的な役割の逆転にぶつかった。例えば、予想される世界では、現在米国の思考の中心にある数カ国が将来の世界で重要でなくなるだろう。ロシアがそうした例であり、日本がもう一つの例である。


(私のコメント)
現在の時点で「アジア2025」を読んでみると、レポートが発表されて8年しか経っていないのに、ロシアや日本が重要でないと予想しているが、プーチンのロシアの復活は予想できなかったようだ。確かに1999年の頃のロシアは半世紀は立ち直れないと思われていた。エリティンは酔っ払いの大統領であり、ロシア軍は給与も満足に支払われていなかった。

ところが現在のロシアは海外からの借金を全て完済して、解体寸前だったロシア軍を再建させてアメリカを脅かす存在に戻りつつある。こうなると、はたしてアンドリュー・マーシャル氏が大戦略家と言えるのかとなりますが、日本の存在が重要でなくなると言う指摘にも疑問が持たれる。

アメリカは東はヨーロッパやアフリカでロシアや中国とは隔てられており、南北はカナダやメキシコで隔たっているから問題ありませんが、西は太平洋に面しており、ロシアや中国が直接脅威を与える可能性がある。北極海から西太平洋からインド洋にいたる地域において、そのど真ん中にあるのが日本である。

以前の「株式日記」にも書きましたが、アメリカは世界の覇権を維持できるかどうかは日本にかかっている。日本がアメリカを見捨てれば世界の覇権を維持できない事は明らかだ。最近のアメリカの専門家も同じようなことを言っている。だから日本がどのような外交防衛戦略を持つかアメリカの専門家も注視しているが、日本にはそのような大戦略を考える人材が国家機関にはいないのだ。

ブッシュ大統領とプーチン大統領の首脳会談を見ても、イランをめぐって駆け引きが続いていますが、アメリカがイラクから撤退すれば中央アジアの米軍基地もアフガニスタンからも撤退を余儀なくされて、ユーラシア大陸の足場がなくなってしまう。「アジア2025」ではインドを戦略拠点として再構築しようとしているが、インドの核も容認しているが、決してインドはアメリカの意のままには動かない。

アメリカは極東においても北朝鮮に対して融和的な政策をとり、日本との同盟関係を揺るがせていますが、台湾にもこの影響は及ぶだろう。ライス国務長官が何を考えているのか理解に苦しむところですが、アメリカの衰退の影響がここに現れてきているのだ。ロシアとも新たなる冷戦が始まろうとしているのに、9・11テロの影響でアメリカの中枢神経がおかしくなっているのだ。

この事はアメリカの上層部は認識しているが、ブッシュはイラクで頭が一杯であり、足元がおかしくなっている事に気がついていない。ブッシュ政権の高官が相次いで辞めているが、政策スタッフの忠告もブッシュやライスの耳には届かないようだ。

ドイツはすでにアメリカを見限ってEUを立ち上げてユーロを通貨にしましたが、ユーロがドルの覇権を脅かしている。日本はアメリカにべったりくっ付いてアメリカと運命を共にするつもりなのだろうか? 今のうちから自主独立と核武装を真剣に考えないと2025年にはアメリカはアジアから手を引いているかもしれない。




終戦後、占領軍に取り入った連中ばかりが集まって作られたのが日本
政府であり、だから日本国民が拉致されても平気だったのだろう。


2007年7月6日 金曜日

時代が動き出そうとしています 7月4日 KN2ブログ

(前略)
いったい戦後日本政府とは何だったのか?日本政府は日本国民の味方なのでしょうか?実際は日本政府は日本国民に敵対する存在なのではないでしょうか?終戦後、占領軍に取り入った連中ばかりが集まって作られたのが日本政府であり、この機関は占領軍の傀儡となって日本国民を監視し管理し、戦勝国(戦勝国の保護国である朝鮮も含む)の利益のために使役させるために作られた植民地総督政府ではなかったのでしょうか?だから、日本国民が拉致されても平気だったのであり、むしろその事実を被支配階級である日本国民に知らせないように積極的に隠蔽に動いたのも当然だったのでしょう。

これは日本政府、つまり官僚機構のことであり、政党政治家の中には当初はまともな人も大勢いました。これは国民が選ぶわけですから、そのような「国民の敵」のような人物はなかなか選ばれなかったからです。しかし戦勝国や日本政府は政党にも徐々に工作を及ぼして、官僚機構出身の「国民の敵」が多く立候補するように仕向け、いつしか政党においても「国民の敵」たちが多数派となり、政党組織もそういう連中に都合のいいものに作り変えられて、一般の候補者もそういう空気にどんどん染まっていきました。

そういう怪しげな、顔相が醜い、どことなく腐臭を放った人間ばかりが立候補するようになり、表面上は聖人君子面をしていても本性はどことなく分かるものであり、選挙民はもう顔を見るだけでウンザリして投票も行かなくなり、国民の政治への関心はますます低下していき、ますます「国民の敵」たちは好き放題やるようになっていきました。これは与党も野党も関係なく同じです。与党も官僚出身議員ばかりでしたが、野党も官公労出身議員ばかりで、それぞれ東西両陣営に分かれた戦勝国の傀儡という点で、根本は同じなのでした。

この行政府と立法府に巣食った「国民の敵」たちは、自国民の拉致を幇助し、空想的平和主義を唱えて自国民を他国の軍事力や犯罪行為の脅威に晒し続け、自国民の財産を外国にバラ撒き続けたという意味で、まさに模範的な植民地総督政府の構成員であったといえますが、それだけに飽き足らず、国民の財産を強奪して自分たちの懐に収めることに狂奔し続け、その余ったエネルギーはひたすら主導権争いの醜い仲間割れに費やして、その醜態を日々、テレビなどを通じて国民に見せ付けて、国民の精神衛生すら圧迫しているのです。

拉致問題について、よく「全国民が一丸となって」と言われます。内輪揉めしている場合じゃない。一丸となって北朝鮮に当たらなければいけないと言います。確かに一見正論です。しかし北朝鮮に強いことを言ったところで実質的に何か効果があるのでしょうか?結果的に何にも効果は無かったのです。無視されただけです。

本当は日本が北朝鮮にとって軍事的な脅威となっていれば良かったのです。また、日本が東京裁判史観を克服してアメリカも説得できていれば、慰安婦問題で足元をすくわれることも無かったのです。そうした努力を妨げていたのは誰でしょうか?北朝鮮ではありません。それは日本国政府にいる「国民の敵」たちだったのです。真の敵は北朝鮮ではなく国内にいたのです。日本政府こそ敵だったのです。

だから、一見回り道のように見えても、まずは「内輪揉め」をするべきだったのです。国内から「国民の敵」を一掃してから、外の敵である北朝鮮に当たるべきであったのです。それを怠ったために、今日こうして惨めな敗戦を迎えたわけです。

今回は日本の負けです。しかし、まだ拉致被害者は北朝鮮で生きており、また取り戻せる機会も巡ってきます。また、まだ全国民が北朝鮮の核ミサイルの人質に完全になったわけではなく、まだ全財産が奪われたわけではありません。まだ日本国民にはやるべきことは残っているのです。

それは、今こそ大いに「内輪揉め」をすることです。今回の拉致問題の敗戦を踏まえて、そして数々の行政や立法における不祥事の発覚を受けて、現在の日本政府というものが国民にとって本当に必要であるのか、もう一度、日本国民は一から考え直す必要があるのではないでしょうか。

「国民の敵」でしかない現在の日本政府ならば、この日本国には不要です。本当に日本の未来のために、上記のような暗黒の未来を阻止するために真に必要なことをやってくれる新しい政府を国民の手で作るべきではないでしょうか。そういう時期が来ているような気がします。

安倍内閣に対するマスコミの倒閣キャンペーンは熾烈を極めています。私は安倍内閣の実績を考えると、倒閣にまでは当たらないと思いますが、マスコミはまさに「国民の敵」の意図を受けて安倍内閣を倒そうとしているのでしょう。そして安倍内閣の支持率が急降下しているのは国民がそうしたマスコミの扇動に乗せられているからだという見方もあります。

しかし私はそうは思いません。国民はそこまで愚かではありません。内閣支持率が下がっているのは安倍内閣そのものへの低評価というよりは、とうとうここに来て、国民の日本政府不信が頂点に達しつつあるということの現われだと思います。安倍首相の個人的な主義主張はともかく、安倍内閣が政府の首班である以上は、日本政府への不信はそのまま安倍内閣への不信任となって現れるものでしょう。

今回の拉致敗戦によって、日本政府はその存在意義すら問われることとなるでしょう。その時、国民のための新しい政府の形を示せる政治勢力が現れなければいけません。そのためには政界再編が必要です。「国民の敵」ではない政党政治家が、いったん既存の政党の枠を外して団結しなければいけません。それは安倍首相とて例外ではありません。

そうした政界再編の呼び水となるのならば、今回の参議院選挙で自民党が大敗するというのも意義のあることだといえるでしょう。いや、もはや国民の多くは潜在的にそれを望んでいるので、もう自民党大敗の流れは変わることはないでしょう。

実は今次の安倍内閣の歴史的使命は国民投票法案を成立させた時点で終わっており、その後の日本再生の動きは、憲法改正が絡んでくるので、政界再編後でなければどっちにしても不可能なのであり、既存の政党の枠組みでは不可能なのです。特に日本再生の最大の妨げとなっている自民党と公明党の合体政党をまずはバラバラに解体しなければいけません。そうして民主党が一時でも政権を握れば、民主党もすぐに分裂し、社民や共産などはその余波で消えていきます。

そうやって政界再編が起きて、その中で真に国家国民のためになる新しい日本政府を創造する新しい政治勢力が生まれてくるのです。そうした大きな時代の変わり目がとうとう到来しつつあるのだと思います。



(私のコメント)
いよいよ参院選に向かって動き始めましたが、29日の投票日前にアメリカの下院は従軍慰安婦問題の非難決議をしてくることでしょう。これには北朝鮮の拉致問題に強硬な姿勢を示す安倍内閣への牽制の意味もあるのでしょうが、日米関係に大きな亀裂を生じさせることになるだろう。しかし日本が真の独立を目指す意味で目が覚めるには可決された方がいい。

憲法九条と日米安保は日本をアメリカの植民地にしておく為の条約なのであり、決してアメリカが日本を守ってくれる為の条約ではない。80ヵ所もある米軍基地は日本政府を監視する為の基地であり、同盟国だから基地を提供しているわけではない。対等の同盟国と言うのならば日本もワシントン郊外に自衛隊の基地を作って戦車やミサイルで固めたらどうだろう? そんなことをアメリカが認める訳がない。

日本の長期戦略としては自主防衛と核武装は持たねばなりませんが、その前に国内の世論を固めなければなりません。その国内世論を固める為には、アメリカの下院で対日非難決議をしてもらう必要がある。70年も前の戦争中の出来事であったかどうかも分からなくなってから非難すると言うのは、卑劣千万だ。

従来の日本ならば第二の河野談話で謝罪を繰り返すのが普通でしたが、今回は民間団体がワシントンポストに意見広告をするなどしている。本来ならば外務省がもっと動くべきなのですが、事なかれ主義の役所だから河野談話を繰り返すのみだ。それがかえって中国系や韓国系の政治活動団体を勢いづかせる元になっている。

KN2ブログによれば日本国政府は「占領軍の傀儡となって日本国民を監視し管理し、戦勝国(戦勝国の保護国である朝鮮も含む)の利益のために使役させるために作られた植民地総督政府ではなかったのでしょうか?」と指摘していますが、全くその通りだ。これに対して政治家や役人を責めてもしょうがないのであり、日本国民がその事に気がつかずに反対してこなかったからいけないのだ。経済成長に気をとられて植民地状態にされている事を容認してきた。

60年安保の頃まではまだ独立自尊の気概もあり反安保闘争も反米勢力はもとよりナショナリズムが大きな動きとしてあった。その為にアメリカは経済成長で日本のナショナリズムの動きを封ずる作戦に出た。アメリカは日本企業に技術を提供して作らせて製品をアメリカが買った。アメリカという市場がなければ日本の高度成長はなかった。

しかし80年代からその流れも変わって、豊かになった日本に負担を求める事が多くなり、アメリカ経済を日本が支えるような立場に逆転してしまった。にもかかわらず国防に関してはアメリカ依存状態にいるのはおかしい。経済大国になれば軍事大国になるのが常識であり、自主防衛はもとより、市場としてのアメリカを守る為に日米安保があるべきなのだ。

日本人が、このような発想が出来ないのは精神構造が植民地的になってしまったからで、憲法9条も片務的な日米安保もおかしいと気がつかないように教育されてしまった。だから左翼も保守も親米に変わりがなくなり70年安保も線香花火に終わってしまった。だからイラク反戦運動も日本では起こりようが無く、反安保運動も左翼よりも反米保守派が言うようになっている。

以前に書いたように、私が反米保守的になったのも1997年のアジア経済危機からであり、アメリカの国際金融資本はアジアに対して経済侵略で新たなる植民地政策を打ち出してきたからだ。そのおかげで東南アジア諸国や韓国はIMF管理下に置かれて主な企業は国際金融資本に買収された。これで国としては独立していても企業利益はみんな株主配当へ吸い上げられる体制が出来た。

日本もその例外ではなく、1985年のプラザ合意以降の長期戦略は続いているのですが、20年以上経っても日米経済戦争の決着はまだついていない。それよりもアメリカのドル暴落や株暴落で国際金融資本の足元がぐらつき始めた。日本の国防予算を5兆円しか使っていないのにアメリカは76兆円も使っている。これではアメリカも悲鳴を上げるわけだ。

いずれアメリカ経済はパンクして国防予算も大幅に削減せざるを得なくなるのは確実だ。そうなれば海外の軍事基地も削減されてアジアに軍事的な空白も生まれるだろう。中国はその空白を待って台湾侵攻作戦を開始するだろう。朝鮮半島はアメリカはすでに投げている。だから北朝鮮も放置状態であり核武装も解除できずに放置するだろう。

日本周辺はこのような状況が来ているのですが、日本の国会は国防問題を議論する事はタブーになってしまって、核武装も論議する事ができない状態だ。左翼政党も保守政党も対米依存体質は変わらず、久間防衛大臣の「しょうがない」発言には激しく辞任要求するのに、アメリカ政府高官の「正しかった」発言には民主党も社民党も共産党も辞任要求を出さないのはなぜか?

戦後の官僚機構もマスコミも日本を反日的にリードしてきたのですが、だから日本国民が北朝鮮に拉致されても官僚機構もマスコミも動かなかった。自主独立や核武装を訴えれば学界からも異端者として排斥されたから学者も知識人も黙ってしまった。テレビでも「朝生」で核武装論議が主題だったはずなのに田原総一郎は話題を北朝鮮問題にすり替えてしまった。誰が圧力をかけているのだろう?

朝日新聞の安倍降ろしの執念はたいしたもので、アメリカの民主党や中国系や韓国系の反日団体と連携して従軍慰安婦決議で安倍内閣を退陣に追い込もうとしている。北朝鮮に融和的なのも米民主党や国務省であり、朝日新聞は彼らの機関紙だったのだ。だから在日朝鮮人などとも連携しているのはそのせいだ。朝日新聞のみならず新聞系列は皆同じようなものだ。



朝日新聞はいつ転向するのだろう?

流石に今回はやべぇよ…そろそろ方針転換するか?
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   |= |  \  ̄\_ | l ̄\と )    \  ∧ ∧
  「二二二二二二二二「二二二|      ⊂<^ヮ^*>  < 昔の心に戻る魔法ニダ
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.   ||___] .    ||___]. ロ=O            ∪


撃ちてし止まん!一億総火の玉!
鬼畜英米!大東亜共栄圏!
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
   ___ ____
   | ◎|  /.   /|| ∧_∧
   |.][:|  | ̄ ̄|  ||(,@∀@ ) カタカタカタ
   |= |  \  ̄\_ | l ̄\と )                ∧_∧  アイゴー!!
  「二二二二二二二二「二二二|                <|i|`Д´>戻しすぎたニダ!!
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.   || \       ||. \ ||               三  人  Y
.   ||___] .    ||___]. ロ=O    ──☆    三   し'<_>





選挙に強いのが党首の第一条件。郵政選挙に続いて、参院選でもヒロイ
ンを演じられたら、小池百合子は次期総裁の有力候補に躍り出るだろう。


2007年7月5日 木曜日

大穴・小池百合子氏、「ポスト安倍」急浮上? 7月4日 ZAKZAK

小池百合子首相補佐官(54)が4日午後、日本初の女性防衛相に就任した。自民党内では、久間章生前防衛相による原爆「しょうがない」発言や消えた年金問題で地に落ちた党のイメージを刷新する役割が期待されている。29日投開票となる参院選の票読みは極めて厳しいが、小池氏がジャンヌ・ダルク級の活躍を見せれば、「ポスト安倍」の大穴候補に浮上する。

(中略)

■切羽詰まれば「あり得る」

 4人とも帯に短し、タスキに長しというわけだ。そこで「大穴」候補として小池氏の存在がクローズアップされてくる。

 自民党ベテラン秘書は、「選挙情勢は極めて厳しい。過半数どころではなく、『負けをどこまで減らせるか』という段階。仮に、小池氏が選挙戦で『初の女性防衛相』として日本全国を駆け回って、ブームを起こし、安倍自民の負けを食い止められれば、自民党のジャンヌ・ダルクとして『ポスト安倍』に担ぎ上げられる可能性が出てくるだろう」と明かす。

 政治評論家の有馬晴海氏も、「自民党では支持率が落ちてくると、目先を変えるという意味で女性総理が取りざたされる。かつて田中真紀子元外相や野田聖子元郵政相も名前が挙がった。小池氏は見た目が若く、発言もしっかりしている。そつなく意欲的で言葉を知っている。『下野するぐらいなら何でもアリ』という状況になればあり得る」とみる。

 実は、安倍首相が「小池防衛相」を思い付いた一因に、ジャンヌ・ダルクの故郷フランスがかかわっているとの見方がある。政府関係者は推測を交えて、エピソードを披露する。

 「今年3月中旬、フランスのミシェル・アリヨマリ国防相が来日して、安倍首相と会談し、意気投合した。首相は当時、久間氏が反米的発言を繰り返していることに頭を痛めていた。金髪のショートカットで颯爽とした知的美人のアリヨマリ女史は小池氏のイメージと重なったのだろう」

 大統領候補にも名前が挙がったアリヨマリ女史は、今年5月のサルコジ大統領就任に伴い内相に就任した。

 「ポスト安倍」の有力候補として小池氏は大化けするのか。



【根性初披露】 7月4日 山本恵子の政界夜話

久間事案をネタに、ネチネチと自民党を苛めてやろう。
そうすれば参院選は我が方に有利に働く。
それが民主党を始めとする野党の思惑だった。
安倍晋三のことだ。
久間を守り続けるに違いない。
1日守れば十万票、10日守れば百万票が減っていく。
その票は当然ながら野党に流れる。
しめたもんだと野党諸君が喜び勇んだのも無理はない。

が、突然に久間は辞めた。
野党の目前から、攻撃すべき対象物が消滅したのだ。

その代わりと言ってはなんだが、イヤな女が現れた。
郵政選挙の悪夢を思い出させる女性である。
それも、史上初の防衛大臣という肩書きを引っ提げての登場だ。
自民党は、いざとなったら何でもやる。
なりふりなど構っていられないのだ。

造反議員の小林興起と民主党の鮫島宗明、男二人を一刀両断にした百合子の長ドス。
その斬れ具合は健在なのか。

負け戦のムード漂う安倍晋三一家。
女一匹の助太刀で、挽回できるとは思えないが、微かな希望も見えてきた。
それは、民主党のお通夜のような雰囲気が物語っている。
藪をつつき過ぎたばかりに、大蛇ならぬ女刺客を出現させてしまったのだ。

8対2の状況不利が、7対3にまでは挽回できた。
これを5分にするのは大変だが、それでも民主党のことだ。
もう一回くらい藪をつついてくれるかも知れないのである。

もしこれで、小池効果が尋常でなく、参院選で救いの女神となったら政界模様は大きく変わる。
選挙に強いのが党首の第一条件。
郵政選挙に続いて、参院選でもヒロインを演じられたら、小池百合子は次期総裁の有力候補に躍り出るだろう。

そうなったらそうなったで、割を食う人物が現れる。
安倍晋三の愚鈍につけ込み、次は俺の番だと心に期していた人たちである。
特に麻生太郎の心中は穏やかでない。
8月には総裁の席に座れるだろう。
その腹づもりで二冊も本を出版したのだ。

麻生太郎も先走りしすぎた。
次は俺だ・・・その態度を露骨に示したことで、愚鈍宰相の怒りを買ってしまったのだ。
愚鈍には愚鈍なりのプライドがある。
そこで、麻生封じに小池を担いだ。
寝首を掻かれるくらいなら、小泉親衛隊とでも手を組んでみせる。

政権の座に就いて九ヶ月余、安倍晋三は、始めて政治家らしい根性を見せたのである。

【百合子の恋・・・追談】

郵政選挙のヒロインが、必敗必至の参院選、その救世主の役割を求められることになった。
小池百合子と言えば、自他共に認める小泉親衛隊。
安倍晋三にとって煙たくて仕方のない人物なのである。

しかし、背に腹は代えられない。
己が政権を維持するためには、劇薬であろうと毒薬であろうと飲まざるを得ないのが安倍晋三。
切羽詰まってのサプライズ人事なのである。

女性初の防衛大臣。
小池百合子は、女の花道を更に進める。
残りの階段は女性宰相の席しかない。
大した者と言えば大した女性なのである。

流れは変わった。
この人選は、自民党に大いなる福音を与えることになるだろう。
反面、民主党には悲運の調べとなるはずだ。

安倍晋三には出来過ぎた人事。
当然これには裏がある。
その裏事情は、後日に判明するだろう。



人は見掛けによるラスプーチン 7月5日 ネットゲリラ

一番の味方は一番の敵、という言葉がある。なければ作れば良い。安倍政権を作ったのも小泉だが、足を引っ張っているのも小泉一派、ラスプーチンは色々と工作しているようだね。早くから政界のサラブレッドと名高かった安倍を、力をつけないうちに持ちあげて、失敗させて潰しておくのが目的だった、だから、もう安倍の用は済んだ、という説も根強い。で、そろそろ次を考えなきゃならないんだが、そこで囁かれるのが小池百合子=ジャンヌ・ダルク説で、
聞いた話では、巨漢と安倍晋三が会談して、何某かの援助を小泉がするのだそうだ
それは、思い切った人心一新で安倍ヴィジョンを発表し、それを選挙で問うと言うものだそうで
新党結成も視野に入れた形だろう
という闇の声の書込みが示しているのは、小池を送り込んでのリモコン内閣という路線も考えられる。さて、小池は誰の女なのか? 羽田から森に乗り換えたという説もあるが、いやいや、小泉の隠し妻だという話もなきにしもあらずだったりして、よく判らない。頭は切れるし、片山さつきや野田聖子と違って敵を作らない人あたりの良さを持っているし、見掛けによらず武闘派でもある。まぁ、しょせん、小泉も安倍も、意志を持たない操り人形でしかないわけで、自分の仕事をしようとすれば切り捨てられる。それが今までの日本の首相たちの実績だ。

はてさて、これからの政局は、官邸に送り込まれた
くのいち百合子が、アベッチをサポートするのか、それとも内部から食い荒らすのか、楽しみだね。



(私のコメント)
三つのブログを並べてみましたが、これでこれからの政局が見えてきます。ところがテレビではこのような解説が出来ない。政治評論家などの解説も今やブログに追い越されて後追い講釈を行なっている。しょせん新聞やテレビの政治記者たちも質に問題があるから記者クラブで発表したものしか書けない。

今では新聞記者もブログを読みながら記事を書いているような状況であり、ブロガーは只で記事を書いているのに、政治記者たちは年収1000万円も貰いながらブロガーの後追い記事を書いているのは情けない。

小池百合子防衛大臣が誕生しましたが、この人事の背後には小泉前総理の差し金があるわけですが、実質的に安倍・小池内閣になるわけで、参院選で成果が上がればポスト安倍には小池百合子が急浮上する事になる。

小池百合子新大臣は政界渡り鳥と呼ばれるほど世渡り上手で、小泉純一郎を見事にたらしこんだ。小池氏の書いた本を読むと悪運の強い女で、二度にわたる航空機事故に奇跡的に巻きもまれずに済んだ。カイロ大学を卒業してアラビア語も出来て中東諸国の人脈もあるから、イラク・パレスチナ問題を梃子に日本も一枚かめるかもしれない。

アメリカはイラク・パレスチナ問題では全く外交的成果を上げられずにいますが、ライス国務長官では無理だ。ライス氏はソ連崩壊の立役者ですが、それでも中東外交では全く歯が立たない。そこで我が日本の小池百合子防衛大臣が乗り込んでイラク・パレスチナ問題の解決の糸口がつかめれば、アメリカのブッシュ政権に大きな貸しが出来る。

所詮は中東問題は、ユダヤ・キリスト教国のアメリカが力で押さえつけようとしても無理なわけで、ブッシュ大統領もライス国務長官もアラビア語が全く出来ない。そこにユダヤ・キリスト教国でもないアラビア語が出来る日本の国防大臣が乗り込めば、何らかの解決の糸口がつかめるのではないかと期待する。

イラクやゴラン高原には日本の自衛隊も行っているから何らかの関与はあるわけで、経済大国の日本がこれからも生きていくには自衛隊を活用して外交を切り開いていかなければならない。日本には外務省もありますが、御用聞き外交で全く役に立たない。だから北朝鮮問題でアメリカにも裏切られるわけだ。

ポスト安倍には麻生外務大臣が有力でしたが、強力なライバルが現れたわけであり、小池百合子を担ぎ出したのは小泉純一郎と巨漢のタコ坊主だ。そして参議院選挙で何らかの成果をあげられればポスト安倍には小池百合子が急浮上する事になる。

自民党にとっても選挙に勝てる総裁なら誰でもいいわけで、女性初の総理大臣候補となればミーハーなテレビマスコミも飛びつくだろう。小池氏は選挙にも強くて東京10区に落下傘降下しましたが大差をつけて圧勝した。まさに世渡り上手がここでも生きているわけで、外交問題にも生かされれば、麻生外務大臣よりもやり手かもしれない。

日本初の女性総理大臣としては野田聖子が有力でしたが、郵政問題でみっともないところを見せ付けた。あのような場面ではジタバタせずに自分の主義を貫き通すのが政治家のあり方ですが、政治の流れをつかむのは小池百合子の方が上手いわけだ。

以前の日本なら女性の総理大臣は到底不可能でしたが、小選挙区制になって派閥のしがらみが無くなり、党の顔としての選挙が戦える人材が総理になれるようになりました。かっこいい若手の安倍氏が総理になりましたが、それに対して民主党の小沢氏ではイメージが悪い。

今月末の参院選挙では自民党が大敗すると予想されていますが、この体制を挽回する切り札は小池百合子新大臣を前面に押し立てる作戦なのでしょう。小池大臣がその期待に応えられればポスト安倍には小池百合子が有力になる。


藪を突いたら女刺客が出てきたブーメラン党の民主党

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│ 日本のチャンスをピンチに   ヽ  ー--‐     //:::::::::::::         │
│ 変えろ!ブーメラン党      /\___  / /:::::::::::::::          │
│                  ./::::::::|\   /  /:::::::::::::::::          │
│ 【ブーメラン党】は、用量・用法をよくお守りの上お使い下さい。       │
│ 【用量】  衆院15議席、参院7議席までとして下さい。            │
│ 【用法】  政権へのご使用は絶対におやめ下さい。              │
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ジョゼフ特使は、アメリカによる広島と長崎への原爆投下について
「さらに何百万人もの日本人の命を奪うところだった戦争を終結させた」


2007年7月4日 水曜日

米特使“原爆で命を救った” 7月4日 NHK

これは、前の国務次官で現在は核不拡散の特使を務めるジョゼフ氏が、3日、アメリカ国務省で行った記者会見で述べたものです。

この中で、ジョゼフ特使は、アメリカによる広島と長崎への原爆投下について「さらに何百万人もの日本人の命を奪うところだった戦争を終結させることができたというのは、ほとんどの歴史家が同意するところだ」と述べて、原爆投下によって結果的に多くの日本人の命を救ったという認識を示しました。

折しも日本では、久間防衛大臣が「悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理の中で、しょうがないと思っている」と発言したことの責任を取りたいとして辞任しており、原爆投下について日本とアメリカの認識の違いをあらためて際立たせる形となっています。

ジョゼフ前国務次官の発言について、長崎の被爆者で原水爆禁止日本国民会議の川野浩一副議長は「無理やり理由を付けて原爆投下を正当化しようとするもので、許せない発言だ。こうして原爆投下を正当化するかぎり、ほかの国には核兵器を持たせない一方で、アメリカは『正義の核兵器だ』として持ち続けることになり、わたしたちが求めている核兵器の廃絶は実現できない」と話しています。


アメリカの歴史教科書が描く「戦争と原爆投下」  5月26日 草莽崛起

いまから10年ぐらい前、在日米軍の将校と話をしていたときのことです。
 大東亜戦争をどう見るのかという話題になって、相手の米軍将校が「ミスター江崎は、原爆のことをどう考えているのか」と聞いてきたのです。そのときのやり取りはいまも忘れません。

「もちろん、一方的に非戦闘員がなぶり殺しされた恨みは忘れていませんよ。いつか仕返ししてやりたいと思っていますが、同盟国であるから、あからさまにそうしたことを言わないだけです」
「ああ、やっぱりそうですか。安心しました」
「安心ってどういうことですか」
「自分が日本人だったら、絶対に原爆投下の恨みを忘れないはずだ。しかし、私が会った日本人はみな、『原爆のことは忘れましょう』といってこだわっていない様子なのです。それで、きっと日本人たちは、私たちアメリカ人に本心を言わないんだと思い込んでいました。ミスター江崎は、本心をきちんといってくれる信用できる人だ」


 まあ、私を籠絡するつもりだったかもしれないので、額面通り受け取るつもりはないのですが、「恨みを忘れていない」とはっきり言った時の、相手の将校の安心した顔つきはいまも忘れません。
 その後、その米軍将校とは折につけて食事をしたりして、米軍の資料の読み方を教えてくれたり、米軍の司令官の夕食会に招待したりしてくれました。(いまは退役しています)

 米軍の軍人からすれば、「同胞を無残に殺された恨みを持ち続ける方が、まっとうな人間だと」思っているわけで、むしろ、原爆の恨みを忘れている日本人の方が気味が悪いのです。

 このことがきっかけとなって、自分たち日本人の感覚でアメリカ人と付き合ってはいけないことを、常に自分に言い聞かせてきました。そして、実際にアメリカが何を考えているのか、できるだけ謙虚に知ることが、わが国の国益を守るために重要だと思っています。

 その意味で、このほど、渡邉 稔氏が明成社より出した『アメリカの歴史教科書が描く「戦争と原爆投下」――覇権国家の「国家戦略」教育』は、たいへん参考になります。(江崎)

 明成社の新刊 http://www.meiseisha.com 03-3412-2871 fax03-5431-0759

『アメリカの歴史教科書が描く「戦争と原爆投下」』
 
http://www.meiseisha.com/katarogu/amerikano/genbakutouka.htm 
 ・渡邉稔/著 ・税込1470円 ・四六判単行本 ・172頁

 昨年の北朝鮮の核実験をめぐって、我が国の核武装と日米同盟の関係に関する議論が起こりました。特に「我が国が核武装することは、同盟国に対する不信感を表明することになる」との意見が出されました。

 しかし、そもそも同盟国のアメリカが核武装についてどのように考え、また、過去の原爆投下をどのように学校教育で教えているのか。私たちはほとんど知りません。果たしてこれでいいのでしょうか。我が国の命運を左右するアメリカが、対日戦争と原爆投下をどのように教えているのかを正確に理解することは、我が国を守るためにも必要です。そう考えて、このたび渡邉氏がアメリカの歴史教科書を集め、その重要な部分を邦訳し、分析しているのです。

 この「原爆投下」問題については長年、左派イデオロギーをもつ反米運動に利用されてきたため、国益派は積極的に取り組んできませんでした。しかし、アメリカ議会が我が国の「慰安婦」批判決議を検討する動きをしている以上、「我々も原爆投下を忘れていないぞ」という形で今回のアメリカの傲慢な態度を牽制するためにも、我が国も原爆問題については理論武装をしておく必要があると信じます。
 あわせて、我が国の歴史教科書がいかに軍事や国家戦略について避けているのかについても、詳しく分析しております。是非ともご一読くたざい。



(私のコメント)
今日は松坂がデビルレイズの打線を零点に抑える好投を見せて10勝目を上げましたが、ようやく松坂も本調子が出てきたようです。しかし日本でプレーをしている時はテレビ中継も無かったから日本での活躍はあまり知らない。テレビ中継のスタンドを見るとちらほら日本人の姿も見える。このように野球の世界では日米の関係は上手くいっているようですが、政治の世界では軋みが生じ始めている。

NHKのお昼のニュースを見ていたら、アメリカ政府の高官のジョセフ特使が、アメリカによる広島と長崎への原爆投下について「さらに何百万人もの日本人の命を奪うところだった戦争を終結させることができたというのは、ほとんどの歴史家が同意するところだ」と述べていた。

日本では久間防衛大臣が「しょうがない」発言で辞任に追い込まれましたが、選挙のせいもあるのでしょうが、日本中が辞任要求のオンパレードであり、それほど日本人は広島長崎の悲劇を忘れてはいないのです。しかしその非難は日本政府に向けられており、アメリカを非難する声は小さい。広島の慰霊碑を見ればそれは分かる。

このような日本人の卑屈な態度はアメリカ人には気持ち悪く思われるだけであり、日本人はアメリカ人に対して本心で語るべきなのですが、東京裁判史観を小学校の時から洗脳されてしまって反米的なことは言えなくなってしまう。おそらく久間発言で辞任要求した人たちはアメリカ政府のジョセフ特使の発言に対して「辞任要求」を突きつけるのだろうか?

私の歴史観から言えば、その国にはその国独自の歴史観があり、どのような見解を持とうが自由だと考えています。しかし日本周辺には思想信条の自由というものが理解できない国があり、首相が靖国神社に参拝するのもままならない状況にある。

もっとも歴史的な評価は歴史家などに任せるべきであり、政治家が発言をすれば政治問題や外交問題に発展してしまう。だから「株式日記」では個人の立場で自由に意見を書いて来ましたが、最近では中学高校では日本史や世界史を満足に教えていないらしい。履修不足問題があったように受験に関係の無い歴史はカリキュラムから平気で歴史教育を排除してしまうのは間違っている。

原爆投下の問題についても、アメリカでは原爆投下は戦争を早く終わらせる為に行った事として正当化して教えている。日本人から見ればけしからんと思っても、アメリカ人から見れば後ろめたい気持ちはあっても正当化させることで納得している。

ならば、日本人から見れば「大東亜戦争は植民地解放と人種差別撤廃の為の戦争であった」と解釈しても、外国からとやかく言われる事ではないはずだ。ところがそのような見方は歴史修正主義だとアメリカの知識人たちは非難する。つまり勝者の歴史観に対して敗者が反論する事は歴史修正主義だということですが、力でもって勝者が敗者の意見を押さえつける事は歴史学から見れば常識だ。

だから原爆投下問題についても日本の見方とアメリカの見方が真向違っていても不思議ではないのですが、「戦争を早く終わらせる為」か「実践的核実験」であったのかは、これからの歴史論争によって見方は変わってくるだろう。

従軍慰安婦問題も南京大虐殺問題も日中韓の事実認定に大きく食い違いがあり、歴史的な事実認定がなされるには多くの資料などを揃えて検討する事が必要だろう。原爆投下問題も事実認定には問題が無くても解釈上の問題があり、投下が正当なものだったのか不当なものだったのか日米の論争で決着されるべきものであり、講和条約がなされた後は政治家が口を挟むべき事ではない。

しかし日本においては大東亜戦争そのものに対する論争も平行線のままであり、東京裁判史観に対する疑問もネット上で始めて声が出てきたくらいで、日本の歴史家や知識人の怠慢が中国や韓国などからの歴史カードに利用される隙を作ってしまった。

原爆投下問題も、久間防衛大臣の発言は被害者から見ればとんでもないと言う事になるが、アメリカから見れば当たり前の見解であり非常識なものとは見えない。むしろ大臣のクビを取ることで選挙に有利にしようという意図が見え見えだ。久間大臣発言と同じようなことは天皇陛下の発言や教科書にも書かれていることだ。

私の意見としては、広島長崎の原爆投下は戦後の後々のことまで考えれば政治的に非常にまずかった事だと思う。アメリカが歴史上始めて原爆を実戦で使用した国というレッテルが残り、アメリカ人の罪悪感として底の方に残ってくるだろう。特に9.11テロ事件以降のアメリカの核テロに対する恐怖感は普通ではない。


正論】評論家・鳥居民 継続すべき原爆投下の裏面史検証 【産経新聞 2005/08/05

≪「米兵百万人救う」のウソ≫

 広島、長崎に原爆が投下されてから60年がたつ。

 アメリカの政治家は、日本に原爆を落としたのは百万人のアメリカ兵の命を救うためだったと今日なおも語り、アメリカの学校ではそのように教えてきている。

 原爆投下の本当の理由を承知しているアメリカ人は当然ながらいる。トルーマン大統領が原爆を日本の都市に是が非でも投下したかったのは、4年の歳月と20億ドルの巨費をかけた究極兵器の力を議会と国民に教え、戦後の核計画への支持を獲得し、スターリンに対しては、その絶対的な威力を誇示し、脅しをかけるためだった。

 だが、その二つの目的はニューメキシコの砂漠の公開実験で十分に達することができたのであり、広島、長崎の市民とその二世までを殺す必要などあるはずもなかった。

 多くのアメリカ人が「百万人」のウソを言い続けるのは、人間誰もが持つ道徳色の濃い自己愛に他ならない。

 私が残念に思っているのは、日本での論議だ。

 「百万人」の話をする日本人は、さすがに今はいない。だが、鈴木貫太郎内閣がポツダム宣言を「黙殺」したがために、原爆が投下されたのだと語る歴史研究者は今もなお存在する。

 1945年の五月末から六月、七月に戻ってみよう。

 陸軍長官スティムソンと国務次官グルーは、日本に降伏を勧告するときだと大統領トルーマンに何回も説き、日本側が受け入れることができるように、天皇の地位保全を約束すべきだと主張した。それでも日本が降伏を拒否するのであれば、そのときこそ原爆の投下を警告すべきだと説いたのである。

 海軍長官フォレスタル、陸軍参謀総長マーシャル、海軍軍令部総長キングもまた、警告なしに日本の都市に原爆を投下することには反対の立場であった。

 ≪日本を翻弄した降伏勧告≫

 ところが、トルーマンと彼のただ一人の協力者である国務長官バーンズは、日本に降伏を勧告するスティムソンの草案から天皇の地位保全を認める条項を削ってしまう。

 また、スティムソンの草案では共同提案国にソ連の名前が入っていたが、トルーマンとバーンズは、日本がソ連に和平の仲介を依頼していることを日本外務省とモスクワの日本大使館との間の往復電報から知り、ソ連の名前を削り、重慶の国民党政府に差し替えたのである。日本にソ連への期待を持ち続けさせ、降伏勧告を無視させようとしてのことだった。

 さらに、その降伏勧告をホワイトハウス、国務省からではなく、宣伝機関の戦時情報局から発表させた。日本側をして宣伝文書と思わせるようにしたのである。

 さて、トルーマンとバーンズは、広島と長崎での“原爆実験”に成功した後、直ちにスティムソンとグルーの計画に立ち戻り、天皇の地位保全を日本側に告げることにした。バーンズが手の込んだごまかしをしたことから、日本の歴史研究者はそれが事実上のスティムソン草案の復活であることに気づくことなく、その解明をも忘れている。 (後略)





戦前の日本を悪と決め付けることで、自らの罪を誤魔化す孤独な
アメリカ。でも、それではいつまで経っても、罪の意識は消えない。


2007年7月3日 火曜日

久間防衛大臣発言を読む 所謂「従軍慰安婦」法案との関係  7月2日 言語学研究日誌

(前略)
以上、今ひとつぴんとこない久間発言を解釈する鍵は、先日、アメリカ下院の外交委員会を通過した、いわゆる「従軍慰安婦」(実態としては、追軍職業売春婦ですが)法案にあるのではないかと思います。この法案については、日米離間を目論んだ中国共産党の策略と評する論者(中国の人権侵害を非難する法案も同時に下院外交委員会を通過しています)もいますが、法案の中身が、そもそも捏造された事実に基づいて日本を非難している以上、くだらない、腹立たしいという他ありませんが、この法案に対する一種の牽制ではないかと思えてならないのです。

 「従軍慰安婦」をアメリカが持ち出すのであれば、日本は、サンフランシスコ平和条約で解決済みのはずのアメリカによる広島・長崎への原爆投下、それから東京大空襲を民間人の大量虐殺として持ち出しますよ、米軍が日本に命じて作らせた慰安所も持ち出しますよ(お互い様じゃないか)という牽制です。実際に、日本の国会で原爆投下非難決議がなされるかと言えば、まずやらないでしょうが、久間発言は、彼の発言をきっかけとして日本国内で広まった反発をアメリカ側に伝えることで、慰安婦法案の審議に間接的に影響を与えようとしたのではないかと思えてなりません。彼が、最初の反響に対して、「アメリカ側の見方を紹介した」と弁明しているのも、このように考えてくると納得できます。

 久間大臣が単なるおっちょこちょいなら、それで終わってしまう話ですが、今回の発言は、一大臣がうっかり口を滑らせたとみなして終わらせてしまうには、不可解な部分が多すぎるような気がします。


慰安婦決議と赦す力  7月3日 日比野

1.罪の意識

慰安婦決議案が米下院外交委で可決された。ただマイク・ホンダ議員の案から修正され、「日米同盟がアジア太平洋地域に占める重要性の確認」や「日本の首相がこの問題で公式謝罪すれば、これまで繰り返された日本側の声明と誠実さへの疑問を解く助けとなる」−などが盛り込まれた。 

これら修正条項の中でも、特に「日米同盟がアジア太平洋地域に占める重要性の確認」という点に注目している。

アメリカ側の日本が過去の戦争を正当化し、歴史修正の動きに出ているのではないのかという懸念を示していると同時に、アメリカから離れるつもりなのかという警鐘が含まれている。

要は日米同盟を大事に思うのであれば、戦前の日本が悪の権化であり、それをアメリカに開放してもらったのだ。日本の歴史修正は認めないという立場を宣告しているということ。

その根源には、日本に対する罪の意識がある。

慰安婦問題に関する米議会調査局の報告書の中で、決議案の日本側へのこれ以上の謝罪要求に懐疑を示した上で、諸外国が日本にいま公式の賠償を求めれば、「日本側は戦争中の東京大空襲の死者8万人や原爆投下の被害への賠償を求めてくる潜在性もある」と指摘している。

これらは、アメリカが東京大空襲や原爆投下などが人類に対する罪として捉えていることを示している。

だから東京裁判史観を押し付け、戦前の日本を悪であったとすることで、原爆投下も止むを得なかったと自分自身の罪の意識を誤魔化している。

2.孤独のアメリカ

小泉前首相がブッシュ大統領との最初の首脳会談(二〇〇一年六月)で、有名になったハイヌーン外交にもその心理が垣間見える。

ハイヌーンとはゲーリー・クーパー主演の映画、邦題「真昼の決闘」のこと。

主人公は、保安官役のゲーリー・クーパーと相手役のグレース・ケリー。二人の結婚式の当日、自分が捕まえた悪漢たちが町に戻ってくる。クーパーは、保安官を辞めていたが、戦うことを決意する。

町の人々は、尻込みして誰も手をかそうとしない。ケリーまで町をでていく。クーパーはひとりで悪漢に立ち向かう。

という有名なストーリーだけど、小泉前首相は、ブッシュと会うなり、開口一番、

 小泉  「ドゥ・ユー・ノウ・ハイヌーン?」
 ブッシュ「ン?」
 小泉  「ゲーリー・クーパー」
 ブッシュ「オオ」

とやった。その瞬間に日米同盟はOKだ、何も問題ないとその場にいた一同スタッフはみな確信したという。

「いとしい人よ私を見捨てないでほしい」で始まる主題歌に当時のアメリカの心理が現れている。そして、イラクに苦しむ今も。

その意味で「日米同盟がアジア太平洋地域に占める重要性の確認」という一文は「日本よ、アメリカを見捨てないでほしい」というメッセージにも聞こえる。

3.アメリカを救う方法

戦前の日本を悪と決め付けることで、自らの罪を誤魔化す孤独なアメリカ。でも、それではいつまで経っても、罪の意識は消えない。

そこに”赦し”がないから。”赦せる”のは、日本だけ。

だから、日本はアメリカを赦すと宣言すればいい。

「慰安婦決議案に関して、それが事実かどうかは歴史学者に任せる問題だ。真実は歴史が証明するだろう。一意見広告ごときに乗せられて、事実だったかどうかは兎も角、60年前の、しかも謝罪が済んでいる事象を云々するのが正当な行為なのであれば、過去すべての遺憾な出来事に対して謝罪し続けなければならない。

日本は東京大空襲や原爆投下について、言おうと思えばいくらでも言える。しかし、我々はそうしない。イエスも汝の隣人を愛せ、罪を赦せと言ったではないか。我々はそれに習って、アメリカの過去の罪を赦した。日本はアメリカを罪に定めない。

広島・長崎は確かに悲しい出来事ではあったが、その後はアメリカの協力のもと、見事に復興し、日本は新しい民主国家として立ち直った。アメリカは日本を復興させたことで、その罪を購った。日本は決してアメリカにブローバックしたりはしない。

日本と日本人はアメリカを赦しており、これからも赦し続ける。同盟国として世界秩序の維持と発展に共に貢献しよう。」

こう宣言すればいい。

実際はこんな宣言で核も戦争もはなくなりはしないけれど、この宣言によってアメリカの日本に対する深層意識が変わる。従軍慰安婦問題はアメリカにとっては他人事だけど、原爆と民間人虐殺の罪を赦すという宣言はアメリカに直接届く。

東京裁判史観に対して何も反論しないことは、アメリカ側の善悪判断を受け入れていることと同じ意味になる。でも、それが逆に、アメリカから贖罪の機会を奪っている。

アメリカ側に善悪があったように、日本側にも善悪はあった。それをお互い認めた上で、互いの善悪を超えて赦すといえばいい。日本から。アメリカを罪の意識から救えるのは、実は日本なのだ。 

4.赦す力

この日本がアメリカを赦すという宣言は世界に計り知れないインパクトを与える。アメリカ自身がこの宣言を受け入れるか否かは実はあまり関係ない。

非キリスト教国であり、且つ有色人種である日本が、イエスの赦しを実践した、という事実が限りなく重い。

 
イエスの教え自身が全世界的に普遍なものであることを証明すると同時に、本家であるキリスト教国にイエスの教えの根幹を問い直すことになるから。

この宣言は、キリスト教の教義を何一つ傷つけることなく、同時にアメリカのこれまでの行動を内省させる力を持つ。

グローバルスタンダードの名のもとに、自国の価値観を他国に押し付け教化しようとする行為。その考えが傲慢ではなかったか。そういう深層意識をこの宣言は炙り出す。

ヨハネパウロU世は自身の暗殺未遂事件後「私が赦した、私の兄弟のために祈ってください」と人々に語り、実行犯を赦した。今度は、日本が赦したアメリカのために祈ってくださいと世界に宣言する。ローマ法王が説く、世界はひとつであること、宗教を超えて平和を実現すべきというアピールと同じものがそこにある。
 
この宣言はキリスト教国以外にも強烈なインパクトを与える。

やられたらやりかえすのが普通の世界で、「赦し」を行うことで報復の連鎖を断ち切ることができるということ。
 
原爆を二発も落とされたにも関わらず、「報復」を捨て、焦土から世界有数の大国になった日本。この事実が宣言に説得力をもたらす。

文明が衝突し、紛争が耐えない地域にとってはひとつのアンチテーゼとなる。

アフリカ諸国にとっては、有色人種がイエスの教えを実践した事実が、人種平等の証明と世界への宣言となり、彼らのわだかまりを解く力となる。

日本攻撃のプロパガンダを繰り返す国にとっても、この宣言はアンチテーゼとなり、他国、とりわけアメリカでのロビー活動の効果がなくなるだろう。


世界を救う鍵は日本が握っているのであり、人類にとって日本の存在そのものが福音なのだと思う。


(私のコメント)
久間防衛大臣の「しょうがない」発言は、野党が一斉に反発して罷免要求が出されていますが、これはアメリカを断罪する事であり、安倍総理大臣が久間防衛大臣を罷免すればアメリカを暗に断罪する事になる。

その意味ではアメリカの下院の従軍慰安婦をめぐる対日非難決議は、サンフランシスコ講和条約を無効にする決議であり、東京裁判批判が蒸し返される結果となるだろう。その意味では反米保守はにとっては米下院で対日非難決議が可決される事ほど喜ばしいことはない。

毎年夏になると広島長崎の原爆慰霊の催しが行なわれますが、この慰霊祭にはアメリカ代表が出席する事はなかった。アメリカの大統領が来日しても広島長崎を慰霊訪問した事はない。それくらいアメリカにとっては原爆投下は重い罪の意識が潜在しているのだろう。

その為にアメリカの民主党や国務省などは、中国や韓国を背後から煽って、靖国などの歴史カードを突きつけては、日本の政治家達に謝罪と反省をさせてきた。そうすれば東京裁判史観は万全であり、贖罪意識を植え付けることで、アメリカは日本を解放した善良な国という司馬遼太郎史観が定着する。

このような司馬遼太郎史観は、小泉首相もテキサスの牧場でブッシュ大統領に「アメリカによって日本は解放された」という発言がされましたが、アメリカに対するおべっかなのだろう。イラク戦争に介入した論理も、イラクを解放して民主国家にするという偽善ですが、日本がその成功した例としてブッシュ大統領は上げている。

親米ポチ保守に徹していれば日米関係は万全という人もいますが、アメリカ下院での対日非難決議案は、そのような意見が間違っている事を示している。アメリカの中国系市民団体はマイク・ホンダ議員を動かして従軍慰安婦問題で日米間の離反工作を行なっている。それに対して親米ポチ保守はおとなしくしていればいいと言っている。

アメリカの民主党勢力と日本国内の反安倍勢力が結びついて安倍降ろしに動いていますが、従軍慰安婦問題がその一つの手段になっている。ブッシュ政権も安倍内閣のアメリカ離れを警戒している。北朝鮮政策で妥協を続けるアメリカは、強硬な態度の安倍内閣を裏切りましたが、民主党が米議会の多数派になった現在では裏切りも仕方がないのだろう。

久間防衛大臣の「しょうがない」発言で、久間大臣を罷免せよと言う動きが強まっていますが、ニューヨークタイムズオオニシ記者の記事はまだ出ていないようだ。日米関係の大問題なのだからアメリカの新聞の反応が気になりますが、従軍慰安婦のときとは違って反応は無いのだろうか? 韓国もこの問題では記事がまだ出ていませんが、同じ歴史問題でも扱いが違うのはなぜなのか?

従軍慰安婦問題をアメリカで決議されれば、アメリカによる原爆投下問題が蒸し返されるのは必然なのですが、それでも米下院は従軍慰安婦問題で決議するのだろうか? そうなれば日本でもアメリカを断罪する動きは当然出てくることになり、久間発言はそれを意識したものという見方もある。

ルーズベルト大統領がどのような意図で原爆投下を決めたのか分かりませんが、有色人種に対する懲らしめ的な意図もあったのではないだろうか? いわば実験場代わりに広島や長崎に投下して、実際の被害がどれくらいか実験してみようと言う意図があったのだろう。実験台にされた広島市民や長崎市民にとってはたまったものではない。

アメリカにとっては従軍慰安婦問題は日本の歴史修正に対する牽制のつもりなのでしょうが、日本の反発を招く事になり、日本のブロガーもアメリカ断罪の記事を書く事によって、東京裁判史観を見直す動きが強まるだろう。日本を侵略戦争をした犯罪国家という自虐史観が引っ繰り返されるかもしれない。そうなればアメリカこそが原爆を最初に用いた犯罪国家ということになってしまう。アメリカはそれを恐れているのだ。

本来ならば講和条約で政治的には決着が付けられた問題を、中国や韓国やアメリカは何度も蒸し返す事で、日本に対して何度も謝罪と反省をさせることで外交的優位性を保とうとしているのだろう。それに対して日本は謝罪ばかりして反論をするということをしてこなかった。ところがネット社会になって「株式日記」のようなブロガーが反論をするようになった。

歴史的事実を用いて一つ一つ反論して彼らの言う事を覆していけば、単なるプロパガンダに過ぎない謝罪要求はやぶ蛇になるだろう。私は謝罪が良くないといっているのではなく、講和条約で和解が済んだ後も何度も繰り返し謝罪を要求する事は良くないと言っているに過ぎない。従軍慰安婦問題も何度も謝罪を求める行為であり、アメリカも中国や韓国のまねを始めた。

その事でアメリカ人も道徳的に劣化し始めていることを感じる。劣化していなければイラクに戦争を仕掛けることも無かったのでしょうが、忠告をしてくれる国が無かった。アメリカに忠告できる国があるとすれば日本しかない。ところが小泉総理はポチ保守であり、アメリカゴマすり外交に終始した。

「美しい国日本」の総理大臣であるならば、日比野氏の書いているように、

「広島・長崎は確かに悲しい出来事ではあったが、その後はアメリカ の協力のもと、見事に復興し、日本は新しい民主国家として立ち直 った。アメリカは日本を復興させたことで、その罪を購った。日本 は決してアメリカにブローバックしたりはしない。 日本と日本人はアメリカを赦しており、これからも赦し続ける。同 盟国として世界秩序の維持と発展に共に貢献しよう。」

と宣言すればいい。文明人のアメリカ人なら何割かは分かってくれる人もいるだろう。しかし中国人や韓国人は文明人ではないから何度も謝罪と反省を日本に求めてくるだろう。

日本政府に対して反日的な記事を書きまくる朝日新聞も、戦前や戦中の戦争を扇動するような記事を書いていた。従軍慰安婦問題捏造もそのような後ろめたさがあるから反動的な行動に出るのだろう。朝日新聞は日本のブロガーたちからも馬鹿にされる存在となりましたが、いまだにそのような朝日新聞を熱心に読む読者も沢山いる。

朝日新聞はアメリカの民主党系のプロパガンダ紙ですが、戦前の日本を悪と決め付けている事はアメリカ民主党と共通している。しかしそれは自らを誤魔化していることであり、それもアメリカと朝日新聞は共通している。しかしそれでは何時までも罪の意識は消えないのだ。




◆チョンを利用して、表面的にはチョソが目立つように動いてるサヨが悪い肝駿河な。
もっとも、利用してるつもりが利用されてるような所もあるけどw

          888888  /
          <丶`∀´>  じぇんじぇん足りないニダ!
          ( ミ`y'ミ)  もっと謝罪して賠償シル!
           / / | | ト、 \
         ん-レl⌒l-レゝ  ____  ∧_∧
             _| ::|_       | |Θ|.  (-@∀@)
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|  (|    |)
        |___|__|_|  |_,|   し―-J



          ((⌒⌒))
      ファビョ━ l|l l|l ━ン!
          888888    /
         ∩#;`Д´>/'')  ウリはチョッパリに従軍慰安婦の
.          〉 ミ`y'ミノ    性奴隷にされたニダ!
           / / | | ト、  \
         ん-レl⌒l-レゝ  ____   ∧_∧
             _| ::|_       | |Θ|   (-    )
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|Iとヽ    )
        |___|__|_|  |_,|    し―-J
                / チャリーン♪ \





ペイラントはオラン ダ商人で同胞がスペインに対して独立戦争を戦ってい
るのに、 「商売は自由」と主張して、スペインに大量の武器弾薬を 売った


2007年7月2日 月曜日

地球史探訪:オランダ盛衰小史  H11.11.27  国際派日本人養成講座

■1.大英帝国になり損ねたオランダ■

地球史の上で、オランダは偉大な足跡を残しているのだが、それらのほとんどは大英帝国によって「上書き」され、消されてしまった。
   
たとえば、オーストラリアはイギリスよりも1世紀前にオランダが発見し、ニューホラントと命名している。ホラントはオランダの中心的な州で、日本語の「オランダ」の語源である。
 
ニュージーランドの方は、もう一つの大州ゼーラント(英語では Seeland、海の土地)からとられたオランダ名がそのまま残ったものである。
 
ニューアムステルダムと言われた都市もあった。今のニューヨークである。ハドソン湾として名を残しているイギリス人探検家ハドソンは、実はオランダの東インド会社の社員として、航海に出たのである。オランダは、現在のニューヨーク付近とデラウェア州以北の北米東北部を領有していた。[1,p155]
 
その他、オランダは、アフリカ最南端の喜望峰から、セイロ ン、ジャカルタ、広東に植民地や通称拠点を置き、17世紀の世界貿易の中心を担っていた。長崎の出島はその終点なのである。
 
これだけの勢力圏を築いたオランダが、その勢いを続けていたら、英国などの出る幕はなく、南アフリカから、インド、インドネシア、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどを支配する大蘭帝国が成立し、英語ではなくオランダ語が国際語となっていたであろう。
 
なぜ、オランダはイギリスよりも先頭を走りながら、大英帝国になり損ねたのか? 世界貿易の中心を占めた経済大国が、なぜ急速に衰退したのか? オランダの盛衰の歴史は、現代の日本にとって他人事ではない。(中略)
 
■7.卑怯な商人ども■

こうして両国は運命共同体として、スペインとの80年戦争の大半をともに戦ってきたのだが、1648年にスペインとの講和が成立するや、わずか4年後には英蘭戦争が始まっている。なぜか?
   
1584年、ウィリアムがスペインの刺客に暗殺されると、その子マウリッツ公が軍事指導者となる。マウリッツは父の志を受け継いだ名将であったが、まだ若く、政治的な実権はホラント州のブルジョワ政治家たちが握った。オランダ商人の利益を代表するこれらの政治家たちは、スペインとの戦争よりもオランダの商圏拡大に重きを置いた。
   
スペインとの戦争中に、オランダは経済的躍進を遂げ、世界一の海上帝国を建設したのだが、それはオランダが金はかかるが利潤のない地上戦闘は同盟国の援助に頼り、もっぱら海上勢力を充実したからである。当時の重商主義者トーマス・マンは言う。
   
オランダ人が東西両インドを征服し、その交易の果実をわれわれからむしり取っている間、われわれはオランダの防衛のために血を流しているのである。[1,p219]
       
自由貿易を信奉するオランダ商人のなかには、敵国スペインに大量の武器弾薬を売って大儲けするものもいた。その一人ペイラントは、逮捕されても「貿易は万人にとって自由でなければならず、戦争によって妨げられてはならない」と主張して、裁判で無罪を勝ち取った。この主張を「ペイラントの自由」と呼ぶ。[2,p337]
   
当時のイギリス人は、何の良心の呵責もなく敵に武器弾薬を供給するオランダ商人に呆れはてたという。バーカーも次のように述べる。
   
英国人は繰り返し同じ疑問を持った。われわれのように強く勇敢な国民が貧乏していて、自分達のための戦いも金を払って他国民に戦ってもらっているような卑怯な商人どもが世界の富を集めているのは、果たして正しいことなのであろうか?[1,p219]
   
■8.「ペイラントの自由」の信奉者たち■

1651年、英国は、アジア、アフリカ、アメリカの産品は外国船(当時はほとんどオランダ船)で輸入されてはならない、などと、オランダを狙い撃ちした航海条例を制定した。これをきっかけとして、翌年、第一次英蘭戦争が勃発する。

ブルジョワ政治家たちは、戦争の危機を叫ぶと、軍事指導者モウリッツ公を利するという判断から、事態をわざと甘く見て、英国との戦争にはならないと主張した。英国を圧倒する造船能力を持ちながら、海軍増強には金を使おうとはしなかった。これら政治家も、私利私欲のためには国家全体の危機も省みないという、「ペイラントの自由」の信奉者であった。
   
1665年の第二次英蘭戦争の前には、すでにオランダ船200隻が拿捕されていたにも関わらず、オランダ商人は英国に大量の軍艦用資材を売りつけて、倉庫を空にしていたという。これまた「ペイラントの自由」である。
       
政敵を利すまいと国家の危機にも目をそむける政治家と、儲けのためには、敵国にも資材を売る商人たちと、国中に「ペイラントの自由」の信奉者がはびこっては、さしもの経済大国オ
ランダにも勝ち目はなかった。
   
英国は西アフリカや北アメリカのオランダ植民地を次々と奪取していった。ニュー・アムステルダムが、ニューヨークとな ったのも、この時である。これを契機にオランダの海上覇権も失われ、世界貿易の中心はアムステルダムからロンドンに移っていく。


■9.二つの自由■

 なぜ、オランダは繁栄したか、それは自由があったからだ。17世紀の最盛期に生きたスピノザの言葉である[2,p101]。 オランダは、オレンジ公ウィリアムの私心なき自由への志を中心に結束して独立と自由を勝ち取り、繁栄を実現した。
   
しかし、その後は「ペイラントの自由」を振りまわす商人やブルジョワ政治家が、同盟国イギリスを怒らせ、国内の分裂抗争から、急速な衰退を招いた。

「オレンジ公の自由」がオランダの独立と興隆を築き、「ペ イラントの自由」が分裂と衰退をもたらした。自由にもこの二 つの種類があること、そして国家の命運はそれらに大きく左右されることをオランダの盛衰史は教えている。

オランダは、その後、共和制から君主制に移行する。現在の王室はオレンジ公ウィリアムの子孫である。オレンジ家は代々 ウィリアムの私心なき自由独立への志を継承し、国家に奉仕してきた。その精神はまさに国民統合の象徴にふさわしい。


金正日の共犯者 H12.05.07 国際派日本人養成講座

■4.米国クリントン政権の宥和政策■

93年6月からのアメリカとの交渉で、NPT脱退は一応凍結されたが、北朝鮮は94年3月、IAEA代表による寧辺の核施設の査察を拒否、入国差し止めや国連代表達の身柄を拘束するなど、暴挙に出た。
   
3月19日には板門店での南北対話実務者レベル会議の席上で、北朝鮮代表が「ここ(板門店)からソウルは遠くない。ソウルは火の海になるだろう」と発言し、南北会談は決裂した。
   
国連での経済制裁決議採択は時間の問題とみられていたが、北朝鮮外務省高官は、「もし日本が国連の対北朝鮮経済制裁に参加したら、日本にははかり知れない災害がおよぶだろう」と恫喝した。

米国クリントン政権は宥和政策をとることを決定し、94年10月北朝鮮との「合意枠組み」に到達した。黒鉛減速型原子炉と関連施設の活動の凍結、将来の解体と引き替えに、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)を設立しての50億ドル以上と言われる軽水炉建設の資金援助、その完成までのアメリカによる毎年50万トンの重油供与、さらに人道的米援助を約束した。50億ドルのうち、10億ドルは日本が負担する。

クリントン政権は、ヒットラーに対して宥和政策で増長させ、かえって第2次大戦を招いたイギリスのチェンバレン首相になぞらえて、共和党などから「現代のチェンバレン」と批判され た。

■5.オルブライト国務長官のうそ■

98年4月、米国国防情報局(DIA)は、北朝鮮の核開発 が依然として進められていることを極秘報告書にまとめた。それによると金倉里と泰川に秘密地下施設が作られ、ミサイル搭載用の核兵器の開発・生産が行なわれている。
   
DIAは、韓国軍情報機関が金倉里から持ち出した土と水を分析し、プルトニウムの痕跡を検出した。また偵察衛星により起爆装置の実験が少なくとも3回は成功したこと、および、反応炉の防護壁用の部材が移送されている事を掴んでいる。[2,p42-84]
   
しかし、米国国務省は、北朝鮮で核開発が続けられていることを認めたがらない。宥和政策による「合意枠組み」が失敗であった事が明らかになってしまうからだ。
   
98年7月、オルブライト国務長官は上院の財政委員会で、合意のおかげで「北朝鮮の危険な核兵器開発は凍結された」と語った。それまでにオルブライトは何度も、議会で同様の発言をしていた。[3,p164]
   
8月、北朝鮮の核開発が続いているとのDIAのブリーフィ ングを受けて、怒った上院議員たちが問いつめると、オルブラ イトは、自分も7月までは知らなかった、と答えた。そこにD IAのヒューズ局長が「国務長官、それは正しくありません。 」と割って入った。DIAは1年半も前から、この情報をオル ブライトに届けていたのだ。オルブライトは口をつぐんだ。

   
金倉里の地下施設への米国調査団の立ち入り調査は、99年 5月に行われたが、「施設全体は未完成で、地下には空の巨大 なトンネルしかなかった」として、国務省はシロの判定を下し た。
   
しかし、疑惑発覚後9ヶ月も経っており、核開発疑惑につな がるような建造物があったとしても、この間にすべて撤去でき たはず、と言われている。また監視カメラの設置や土壌、水のサンプル採取なども行われず、プルトニウムの抽出を行ってい るといわれる泰川は対象から外された。北朝鮮はこの調査の見返りとして60万トンの食糧支援をアメリカから受け取った。
   
■9.チェンバレンとペイラントの責任は?■

「ペイラントの自由」という言葉がある。ペイラントはオラン ダ商人で同胞がスペインに対して独立戦争を戦っているのに、「商売は自由」と主張して、敵国スペインに大量の武器弾薬を売って大儲けした。
  
上記の日本メーカーが北朝鮮と知りつつ、ハイテク部品や車両を売っているわけではないが、国全体としては、核ミサイルで恫喝している相手に、わざわざその資金を与え、部品を買わせているということになる。
   
金正日政権という狂犬は、「現代のチェンバレン」クリント ン政権によって国際社会の目から隠されている間に、「現代の ペイラント」日本が餌を与えて育ててしまった。国際社会に対して、その責任はどうとるのか?


(私のコメント)
世界帝国の覇権はポルトガル・スペインから始まって、スペインの無敵艦隊が敗れたことでオランダに覇権が一時移った。しかしその覇権は数年しかなくて英蘭戦争でオランダは敗れて世界中のオランダの植民地はイギリスに移った。しかし大英帝国の世界覇権も第一次世界大戦と第二次世界大戦の結果、世界の覇権はアメリカに移った。

これらの世界帝国の興亡は海洋支配の歴史であり、海を制するものが世界の覇権を持つことになる。現在ではアメリカは押しも押されぬ大海軍国であり85隻の原子力潜水艦と12隻の原子力空母は他の国では持つことも不可能だ。ソ連も一時はゴルシコフ提督のもとに大海軍を創設しようとしたが、経済的に破綻してソ連は滅んだ。

アメリカもおそらくソ連型の崩壊をたどる事になるだろう。ドルの為替相場や国内石油の産出量や経常収支や財政赤字の増大はそれを予感させる。国家の経済的破綻は予測する事は出来ても何時起こるかは予測する事は難しい。アメリカ軍がイラクやアフガニスタンに何時まで留まるかでも違ってくる。

スペインやオランダは戦争に敗れて覇権を失いましたが、大英帝国やソ連は植民地が独立したり内部の反乱によって崩壊しました。アメリカの場合は経済破綻で大海軍が維持できなくなり、国内の政治的混乱などが重なって19世紀以前のアメリカに戻るか、いくつかの国に分裂してアメリカは東北部の一部に残るだろう。

いずれの世界帝国も経済の興亡を伴っていますが、「国際派日本人養成講座」では触れていませんが、ユダヤ資本の移動もそれに伴っている。ユダヤ資本は国の勃興期には、経済活動と国の政策が一致して国もユダヤ人も協力して世界覇権を確立しますが、ユダヤ商人の強欲さは敵対勢力とも商売をして国と対立する事になり、スペインもオランダもユダヤ人が逃げ出して経済も衰退した。

「ペイラントの自由」とはユダヤ商人の強欲さを言ったものであり、ユダヤ人は敵対する双方の国と商売をして勝った方に付いてきた。だからこそ長い歴史をユダヤ人は生き抜いてきたのであり、特定の国と運命を共にするという人生観はユダヤ人は持ち得ない。

二つの世界大戦においても、ドイツと連合国とを戦争させて勝った方についてきた。二つの大戦は実質的にはイギリスとアメリカとの覇権争いだったのですが、アメリカが勝利してヨーロッパのユダヤ人たちはアメリカに移住した。

1929年の大恐慌はユダヤ国際金融資本がアメリカ企業を乗っ取るための陰謀ですが、それによってほとんどのアメリカ企業がユダヤ資本になった。ヘンリー・フォードがユダヤ人嫌いだったのもユダヤの陰謀を知っていたからだ。

1997年のアジア金融危機も、そのおかげでアジアの企業は国際金融資本に買い取られましたが、一番の目標は日本企業だ。80年代からのバブルの発生から崩壊に至るまでの壮大な計画が実行されている。本来ならとっくに主要な日本企業は国際金融資本に乗っ取られていたはずですが、いまだにがんばっている。

日本の経済発展はオランダやイギリスやアメリカと違ってユダヤ資本の世話になっていない。だからユダヤ資本による日本乗っ取り計画もまだ上手くいっていない。確かにバブルの崩壊は日本から1500兆円もの資産を消滅させた。普通ならばとっくに日本は崩壊していたはずだ。

国際金融資本もアメリカの覇権が陰りを見せ始めて、次の覇権国を探している。それがEUがなるのか、中国がなるのか日本なのかは見えてこないが、EUは歴史的なしがらみがあるし、中国は政治的に不安定であり、日本が有力なのですが、乗っ取り計画が完了しなければ日本を世界の覇権国にするわけにはいかない。

そもそもスペインから始まるユダヤ・キリスト教の世界覇権はEUに戻るのが一番自然ですが、アメリカとEUとを競わせて勝ったEUにユダヤ人は再び移住するのだろう。現代の戦争は砲弾や銃弾が飛びかうのではなくドルやユーロが飛び交って勝敗が決せられる。

「ペイラントの自由」から見ればアメリカのユダヤ資本はアメリカやドルを裏切ってEUやユーロに味方してもおかしくは無い。ユダヤ資本にとって祖国というものは無く、勝った国に付いて行くのがユダヤ人の生き方だ。

ブッシュ大統領が北朝鮮に宥和政策に転換したのも「ペイラントの自由」によるものかもしれない。外交的には敵対していても商売になると思えば味方の日本をも裏切って敵と商売をする。アメリカはユダヤ国家なのだから敵味方どちらとも商売をして、勝った方の味方なのだ。だから従軍慰安婦でアメリカが反日決議をしてもちっともおかしくは無いのだ。




7万円もするテレビも見れない時代遅れのiPhoneに米国民は狂喜!
外国を何でも称賛して日本のものは何でもけなす自虐的日本人


2007年7月1日 日曜日

アップル、携帯電話「iPhone」を全米で販売開始 6月30日 ロイター

[サンフランシスコ/ニューヨーク 29日 ロイター] 米アップル<AAPL.O>は29日、全米で携帯電話「iPhone」の販売を開始した。
 販売開始の午後6時、アップルの販売店は多くの購入客で混みあった。一部購入客は、最初2年間の独占販売権を持つ米通信大手AT&T<T.N>の販売店にも列をなした。
 「iPhone」には、音楽・映像再生機能などが搭載されており、価格は500ドル(約6万1000円)と600ドル(約7万3000円)の2種類。
 アップルは、2008年は全米だけで1000万台の売り上げを目指している。一部のアナリストは、発売開始からの数日間で40万台近くを売り上げる可能性もあるとみている。
 アップルは、今年後半に欧州、来年にはアジアでの発売を予定している。



Re: iPhoneが日本で発売されない理由 2007年1月11日 しゃおの雑記帳はてな支店

iPhoneが日本で発売されない理由 -閉鎖的携帯電話市場「日本」とGSM を読んで 05:14

はてブのhotentryに挙がっていたページだが、読んでみたらとても言いたいことだらけになってしまったので、言及させていただく。

以下、引用箇所は当該「iPhoneが日本で発売されない理由 -閉鎖的携帯電話市場「日本」とGSM」記事からとなる。

日本でGSMが普及しなかった理由は、端的に言えば総務省の指導があったからだ。

総務省の指導があったというよりは「日本独自の事情」を満たした規格を携帯電話に採用しなくてはいけないというのが本当の事情。GSM圏に比べて日本では

都市部を中心に世界的に類を見ない、基地局あたりの待ち受け/通信中端末の数の多さ*1

・とりわけ駅や電車の中では携帯電話がよく使われ、端末の密度が著しく高くなる

・欧米に比べ電車の高速移動中に使われることが多く、ハンドオーバーをスムーズにこなさなくてはならない。



たとえば半径500mをカバーする基地局がターミナル駅にあるとしたときに、そこにラッシュの通勤電車が4編成ぐらい到着したとする。少なく見積もっても5000台以上の端末が一斉に圏内になるのだ。

このような事態でもPDCのシステムは問題なく端末の位置登録を行えるようになっている。

GSMに比べて効率の高い電波利用ができるということが、採用のいちばん大きな理由である。

欧州ではヨーロッパの電話会社が多額の負債を抱えており、第三世代方式への十分な投資ができない状態が続いているため、GSMの技術を改良し既存の設備を利用して高速な通信が行えるGPRSやEDGEといったシステムを利用している。

欧州のキャリアが負債を増やしてまで第三世代方式に投資することはない、と判断したからであろう。そもそも欧州での携帯事業は音声通話やSMSが主流で、パケット通信によるコンテンツやeメールサービスの利用者が広まらないよう現状では第三世代方式を求めるユーザの声もほとんどなかったであろう。だから欧州キャリアはGPRSやEDGEなどのシステム改修による2.5世代方式で当面を乗り切るという道を選ぶほかなかったのである。

欧米で売っているBlackberryやNokia端末、Treo等は軒並み日本では発売されず、2005年に発表されたW-ZERO3が初めての「スマートフォン」だった。現在、au以外の各社がスマートフォンを発売しているが、その中でもまじめに取り組んでいるのはWillcomとSoftbank だ。

日本人のコンセンサスとして「携帯電話は片手で入力するもの」というものがあるのではないだろうか。携帯を使うシチュエーションが電車の吊革につかまりながらだったり、鞄を片手に持ちながらだったりするような日本において、片手で入力できないQWERTYキーボードを持つ携帯は決して「スマート」ではないと考えられているから受け入れられない*2のではないだろうか。

Appleはこの端末の製造に数年間を費やしたという。それに引き替え、日本の携帯電話の発売サイクルは半年程度だ。最近話題の戸田絢子氏(auのデザイン担当者)も、メーカーは、携帯のビジネスモデルの何たるかを全く分かっていないんです。

家電+ネットの、検索+比較(価格.COM)モデルで考えられると困るんですよね。メーカーが勝手な競争を始めないよう、常に私たちの指導が必要なんです。  

…団塊の世代などと異なり、たまごっち世代・ゆとり世代はカタログ仕様や契約書の理解・比較力が低いのが救いです。彼らには、感覚的な満足度のみが重要なので自らが選択・決定している気分を常に与え、不満を具体化させない演出が必要です。

と、「高度な機能を詰め込んだ携帯電話を出すと自分たちが携帯を売れなくなるからやめてほしい」的発言をしている。

戸田氏の発言の真意についてはわかりかねるため、以下は推測の域であることを先に断っておくが、私はこのような意味であるととらえている。

・日本における携帯のビジネスモデルは着うたフルやアプリなどのコンテンツサービスをはじめとした、通話メール以外の利用をユーザに対して促進することにより一人あたり収益を上げている。

・実際には通話やメールしかつかわないようなユーザが決して少数ではないため、需要に基づく端末開発をメーカーが行えば、(独身向け白物家電のような)とてもシンプルで低コスト、端末ライフサイクルも長い携帯電話が出ることが予想され、シンプル低価格*3路線での「勝手な競争」がはじまってしまうであろう。

・そこでキャリアは端末に最低限盛り込むべき機能をメーカーに指導するなどして、端末の機能が一定以下にならないようにしている。


こうであるとすれば、thir氏の解釈とは正反対に「機能を削った携帯電話を出すと自分たちのコンテンツや付加サービスの売り上げが落ち込むからやめてほしい」という解釈をすればいいと思うのだがどうだろう。

これを見ると、やはり日本の携帯というのは成熟を目指していないというか、先進的な機能を何も搭載せず、ただ単に「ブラウザ」「メール」「電話」「JAVA」「ワンセグ」などと、いくつかある機能の中からコンビネーションを選んで搭載しているだけで、何もおもしろみがない。

これらの機能が先進的な機能ではない、ということを言いたいのだろうか。是非これに勝る欧米携帯の「先進的な機能」を具体的におしえてほしい*4。少なくとも日本では、iPhoneが出るよりはるか前から数百万画素のデジカメやフルブラウザなどを搭載している携帯電話ばかりではないか。

一度、ユーザーの視点に立ち返った商品開発をする気はないのだろうか?なぜメーカー同士に勝手な競争をさせ、「次々とよい製品が生まれていく」状態にならないのだろうか。日本の携帯電話市場は何かおかしい。

ユーザの視点が電話やSMS(auではCメール)に機能を絞り込むというところにあるならば、日本の携帯はユーザのニーズにそぐわない製品をつくっている、ということになるであろう。しかしユーザの視点が携帯の多種多様な進化に向けられているのであれば、現状の日本の携帯市場は「次々とよい製品が生まれている」状態ではないだろうか。

日本と韓国の携帯各社は、CHTMLブラウザやマルチメディアメール、アプリをはじめとしたコンテンツサービスを強く推し進めてきたために、利用者はパーソナルな通信メディアとして携帯電話を使うようになった。それに対し欧米各社の携帯通信サービスはあくまでビジネスソリューションとしての展開に頼っているようである。パーソナルエンタテインメント端末としての利用の道を、見えない壁で閉ざしてしまっている欧米各社の携帯電話のほうがよほど閉鎖的ではないだろうか。

そういう意味でもiPhoneが欧米に普及することにより、遅ればせながらも携帯網のパーソナルエンタテインメント分野での需要が喚起され、日本のような高機能端末や3G網の普及につながるのではないかという期待を持ち続けたいものである。



(私のコメント)
昨日は朝から晩までテレビのニュースは、アップルが発売したiPhoneの話題で持ちきりでしたが、何でニュースとしての価値がそんなにあるのだろう。確かにタッチパネルを採用したデザインはユニークだが、機能としてはインターネットをするのがやっとの携帯電話に過ぎない。場所によってはインターネットは実用にならないはずだ。

iPhoneに採用されたソフトは、さすがにアップルだけあってボタン式の携帯にはないユニークな機能を持っている。それらのソフトを開発するだけでもかなりの費用と年数がかかっているはずだ。これだけの高機能なソフトを持ているのに、インターネットにも制約があり、GSM−EDGEの制約でより高機能な携帯になれないのは致命的欠点だ。

それでもデザインがいいから安ければ大ヒット商品になったことだろう。しかし7万円もする低機能携帯では売れるのは限られてくる。メールを打つのもタッチパネル式では反応にも問題が起きるだろう。iPhoneでメールを利用する人はきっと後悔するだろう。表示されるのが非常に時間がかかり所詮はGSMの旧式携帯に過ぎない。

そもそも現在ではGSMが世界標準となり、日本のPDCは日本だけの孤立した方式になってしまった。だからiPhoneは日本では使えない。だからユーザーの中には日本の排外主義的な日本の政策はけしからんという人もいる。しかし日本でGSMを採用しようとしても基地局あたりの端末の密度が極端に違うからauですらGSMの採用が見送られた。

欧米では携帯は相変わらず音声電話とメールがほとんどであり、日本のようにインターネットでEメールが当たり前という国は、後は韓国位である。だから日本では携帯は電話機から情報端末に進化しているが、iPhoneの発売があれほど騒がれるのはインターネットが出来る携帯が珍しいからだ。


図表[6] 主要国・地域における携帯電話のインターネット対応比率(携帯電話契約数に占める携帯インターネットの契約数の割合)(2003年9月末現在)


つまり、現在では日本の携帯と欧米の携帯を比べるのは次元が違ってきておりナンセンスなのだ。日本では3G携帯が主流になり、インターネットはもとよりワンセグテレビなどが当たり前になりつつあるのに、欧米では今頃やっとGSMの拡張規格を使ってインターネットに対応しようとしている。だから欧米のは2・5G携帯と言われている。このような状況をパラダイス鎖国という。日本は世界を置き去りにしてどんどん進化し始めている。


パラダイス的新鎖国時代到来 2005年8月3日 海部美知

さて、パラダイス鎖国は、文化や意識の面だけではない。私の専門分野である携帯電話の業界では、「パラダイス鎖国」現象が近年著しい。

1990年代半ば頃まで、すなわちアナログ(AMPS)時代には、アメリカでも日本製の携帯電話端末が活躍していた。私も最初に買った携帯電話はパナソニックだったのを覚えているし、NEC、富士通、沖、三菱電機などの電話機が店頭を飾っていた。この頃、アメリカの方が普及率は高く、技術やマーケティング面でもアメリカは日本よりも2年ほど先を行っている感覚であった。

しかし、その後デジタル化でアメリカはつまづいた。政府主導で業界標準を決めるのが嫌いで、日本のドコモ(当時はまだNTTの一部だった)のような明確な市場リーダーもいないアメリカでは、「いくつかある世界標準から好きなのを選んでいい」ということになった。この結果、TDMA、GSMCDMAという3つの方式が乱立し、いずれもそれぞれを担いだメーカーが、数多いキャリア(通信事業者)に売り込みをかける乱戦となった。無線通信の技術というのは、実際に設備を打ってみると、理論どおりいかないことが多いので、こうした新しい方式のどれがよいかの論争は、水掛け論に近い「宗教戦争」の様相を呈する。キャリアとしては、間違った選択をすると生死に関わるので、慎重に検討する。(実際、間違った選択をしたAT&Tワイヤレスは、10年たたないうちに消滅した。)当然、時間がかかる。泥仕合が数年続くアメリカに対し、日本はアナログがまだあまり普及しないうちに、さっさとドコモが独自方式のPDCを全国展開して、一気にデジタル化で先行した。日本の端末メーカー各社は、この時期にアメリカに見切りをつけてしまったのだ。混乱の果てにようやく98年頃から本格化した米国のデジタル携帯電話では、日本メーカーの姿はすっかり消えてしまった。(後略)




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