株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


We also need to acknowledge our own African-American comfort women, who were sexually enslaved for more than two centuries. (By Jonathan Zimmerman )

我々も2世紀以上に亘って性的に奴隷にされたアフリカ系
アメリカ人慰安婦を認める必要がある。(ジョナサン・ジマーマン)


2007年3月15日 木曜日

日本を批判する前に考えるべき時がきた ニューヨーク大学教授 ジョナサン・ジマーマン 2006年5月6日 今日の覚書、集めてみました

Should history textbooks make you love your country? Most people would say "yes." And that's why textbooks inevitably distort the past - even here, in the good old USA. Americans like to think they've reckoned with their history, while other nations remain mired in propaganda and distortion. Americans should think again.

歴史の教科書が、貴方に国を愛させるだろうか?殆どの人々は「させる」と言うだろう。また、だからこそ、教科書は過去を歪曲せざるを得ない…ここ、我が母国アメリカですら。アメリカ人は彼等が自分達の歴史を評価していると考える傾向があるかも知れないが、その一方で、他の国々はプロパガンダと歪曲に陥ったままだ。アメリカ人は再考すべきだ。

Consider the recent controversy over history textbooks in Japan. Last month, Chinese and Korean protesters took to the streets to condemn a new set of Japanese junior high school texts. The books omit mention of "comfort women," the roughly 200,000 females - mostly from Korea and China - whom the Japanese forced into sexual bondage during World War II.

先日の日本の歴史教科書に関するもめ事を考えてみよう。先月、中国人と朝鮮人の抗議者達が新しい日本の中学校向け教科書を非難すべくデモを行った。これらの教科書は日本人が第二次世界大戦中に性的奴隷の境遇を強制した約20万人の女性(殆どが朝鮮および中国出身)「慰安婦」についての記述を省略した。

But scour the textbooks that Americans use in schools, and you won't find any serious discussion of our own comfort women. I speak, of course, of female African-American slaves.

だが、アメリカ人が学校で使っている教科書を徹底的に調査しても、我々自身の慰安婦についての真剣な議論は全く見付けられないだろう。勿論、アフリカ系アメリカ人女性奴隷の事を言っているのだ。


History of sex abuse (性的虐待の歴史)

Sure, today's textbooks - unlike earlier versions - contain lengthy descriptions and denunciations of American slavery. So far as I know, though, not a single commonly used textbook explains one of the most brutal aspects of the institution: coerced sexual relations. And I'm betting that most Americans would just as soon keep it that way.

確かに、先のバージョンとは異なり、今日の教科書にはアメリカの奴隷制度に関する長々とした説明と非難が含まれている。だがしかし、私が知る限り、この制度の最も残虐なポイントの一つについて、一般的に使われている教科書の一冊として説明していない。つまり、強制的性的関係の事だ。また、賭けても良いが、殆どのアメリカ人が現状維持をするだけだろう。

Take the example of Harriet Jacobs, who was born into slavery in North Carolina in 1813. She was sold at the age of 12 to James Norcum, who soon began making sexual overtures to her. As Jacobs later recalled in her memoir, Norcum told her that "I was his property; that I must be subject to his will in all things." And so she was. Although Jacobs occasionally managed to escape her owner's clutches, he did own her. To get sex from her, Norcum sometimes promised her new clothes and other presents; at other times, he simply held a razor to her throat. And that, my fellow Americans, is what we call rape.

1813年にノースカロライナで奴隷の家庭に生まれたハリエット・ジェイコブズの例を挙げてみよう。彼女は12歳の時にジェームズ・ノーカムに売られ、彼はほどなく彼女に対して性的交渉を持ち始めた。その後ジェイコブズが彼女のメモワールで回顧しているように、ノーカムは彼女に「私は彼の持ち物だった;全てにおいて彼の意志に服従しなければならない」と告げたのだ。そして、彼女はそうした。ジェイコブズは時には所有者の手をなんとか逃れる事が出来たとはいえ、彼は確かに彼女を所有していた。彼女とセックスをする為に、ノーカムは時には彼女に新しい洋服や他のプレゼントを約束した。時には単純に彼女の喉元に剃刀を突き付けた。そしてそれは、我がアメリカの同胞よ、我々がレイプを呼ぶ行為だ。

You do the math. Between 1850 and 1860, the number of blacks in slavery rose by about 20 percent. But the number of enslaved "mulattoes" - that is, mixed-raced slaves - rose by a remarkable 67 percent, as historian Joel Williamson has calculated. To put it most bluntly: Black slaves were getting lighter in skin, because white owners were raping them. It's really that simple - and that awful.

算数をしよう。1850年から1860年の間に、黒人奴隷の数は約20%増加した。だが、歴史家のジョエル・ウィリアムソンが計算した通り、奴隷にされた「ムラート(混血奴隷)」の数は驚きの67%も増加したのだ。もっと率直に言えば、黒人奴隷の肌は色が薄くなっていった。白人の所有者達が彼等をレイプしたからだった、という事だ。本当に単純な事だ…そして、酷い事だ。

As the great African-American abolitionist Frederick Douglass recounted in his autobiography, the black female slave was "at the mercy of the fathers, sons, or brothers of her master." Black women were also abused by slave traders, who often raped them before selling them to the next white man - and the next round of sexual coercion. Undoubtedly there were slaves who may have chosen to have sex with their owners. But what does it mean to "choose" sex, when you know that the wrong choice might get you sold, or even killed?

偉大なるアフリカ系アメリカ人奴隷廃止論者フレデリック・ダグラスが自伝で物語った通り、黒人女性奴隷は「彼女の所有者の父親、息子、もしくは兄弟のなすがまま」だったのである。黒人女性は奴隷商人にも虐待され、彼等は次の白人に彼女達を売り飛ばす前によくレイプした…そして、次の性的強制劇に入る。疑いの余地もなく、所有者とセックスする為に選ばれたかもしれない奴隷はいただろう。だが、間違った選択肢が自分を売り飛ばしたり、酷い時には殺されたりすると知っている場合に、セックスを「選択する」とはどういう意味なのか?

Some masters seem to have treated their slaves like spouses, sharing living quarters and doting upon the children of these liaisons. More often, though, they simply pretended that it all never happened. So did the masters' white wives and daughters, who turned a blind eye to what was occurring right under their noses.

所有者の中には生活スペースを共有したり、この関係から産まれた子供達を可愛がったりして、奴隷を伴侶のように扱った所有者達も中にはいるようだ。だが、もっと頻繁には、彼等は何事もなかったように振る舞っただけだった。自分達の鼻先で起こっている事態を無視した所有者の白人の妻や娘も同じだった。


Some obvious whitewashing (幾つかの明らかな糊塗)

And so do we. How many American children know that Thomas Jefferson, father of our Declaration of Independence, fathered children by his slave? And how many American parents want their children to know that?

そのようなわけで、我々もやっている。何人のアメリカ人の子供が独立宣言の父であるトマス・ジェファーソンが彼の奴隷に子供を産ませた事を知っているだろうか?そして、どれだけのアメリカ人の両親が子供達にこれを知って欲しいと思っているのだろうか?

Let's imagine that a coalition of West African countries - say, Ghana, Sierra Leone, and the Ivory Coast - staged demonstrations against American history textbooks, demanding that the books include our sordid history of sexual coercion against black people. I think most Americans would scoff at "outside interference" and invoke their own patriotic imperatives.

西アフリカ諸国連合、例えばガーナ、シエラ・レオネ、コート・ジボワールがアメリカの歴史教科書に反対し、黒人に対して行われた性的強制の忌まわしい歴史を本に入れるよう要求するデモを行うのを想像してみよう。殆どのアメリカ人は「外部の干渉」を嘲り嗤って、自分達の愛国的義務を行使するだろうと考える。

In other words, they'd behave just like the Japanese. Defending the omission of comfort women from schoolbooks, the Japanese society for History Textbook Reform argued that other nations have no right to define the Japanese past. Only Japan can do that, a statement from the society says, because history aims at "deepening love towards our country."

言い換えてみれば、彼等は丁度日本人のように振る舞うだろう。教科書から慰安婦を削除する事を弁護する事で『日本の歴史教科書をつくる会』は他の国々が日本の過去を定義する権利はない、と主張したのだ。この会の声明は、歴史は「我国への愛を深める事」を目的にしているので、日本人だけがそれを行う事が可能だ、と言っているのである。

And that's precisely the problem. Of course the Japanese should admit the terrible harm they inflicted upon Chinese and Korean comfort women between 1937 and 1945. But we also need to acknowledge our own African-American comfort women, who were sexually enslaved for more than two centuries. It might not make us feel more patriotic, but at least it would be true.

そして、それこそが正に問題なのだ。勿論、日本人は1937-1945年に中国人と朝鮮人の慰安婦に対して行ったおぞましい害悪を白状すべきだ。だが、我々も2世紀以上に亘って性的に奴隷にされたアフリカ系アメリカ人慰安婦を認める必要がある。我々を愛国的な気分にはさせないかも知れないが、少なくとも本当だろう。

Jonathan Zimmerman teaches history at New York University's Steinhardt School of Education. He is the author of 'Whose America? Culture Wars in the Public.
ジョナサン・ジマーマンはニューヨーク大学のSteinhardt School of Educationで歴史の教鞭を取る。


(私のコメント)
『株式日記』というブログの名前からわかるとおり経済コラムを書くべきなのですが、話題がどんどん広がっていってしまって映画芸能から歴史文化にまで手を広げてしまっている。昨日はニューヨークや東京が株が暴落しているのでその解説をしたいのですが、日米の外交関係に亀裂を生じかねない事態が生じている。

ニューヨークタイムズ紙が反日的なことを書くのは毎度の事ですが、今回はアメリカの下院議会が対日非難決議を採決しようとしている。それに対して日本政府は河野談話で謝罪しているといったスタンスで、アメリカ議会に対してロビー活動らしい事はしていないようだ。駐米大使も書簡を手渡す程度で外務省の宣伝広報活動はフジヤマ・ゲイシャのパンフレットを配る程度だ。

アメリカ人が何故sexually enslaved (性的奴隷)という言葉に過剰に反応するのか分析してみる必要があるのですが、ニューヨーク大学のジョナサン・ジマーマン教授の論文が見つかったので紹介します。しかし公正に書かれている記事の中でもまだ少し誤解があるようで、アメリカの性的奴隷とは内容がかなり異なる。アメリカの性的奴隷とはまさしく黒人女性を奴隷にしていた。

いわゆる従軍慰安婦の場合、残されている募集パンフレットや日本軍関係の文書を見る限り、日本軍兵士を相手にした売春婦の事であり、勤務年数や給与なども決められていたハケン労働者だったのだ。しかし当時は貧しさのために自分の娘を身売りする事もあったし、売られた娘にすれば強制連行されたと思っても不思議ではない。このような事情をアメリカの歴史学者は知っているのだろうか?

昨日もアメリカ人の歴史感覚のおかしさを指摘しましたが、ハリウッド映画の時代考証の酷さを見れば彼らの歴史感覚は中国人や韓国人と対して変わりがない。例えば『ラストサムライ』にしてもとても最後まで見る気になれないひどい映画で、『硫黄島からの手紙』にしても現実とかけ離れている場面が幾つもある。

日本に対して好意的に描かれた映画ですら違和感を感ずるほどだから、『パールハーバー』のような反日映画はまさにプロパガンダ映画だ。日本帝国海軍が戦国時代のような旗ざし物を立てて作戦会議をするのだろうか? ハリウッドはユダヤ系アメリカ人が多いからどうしても日本軍とナチスドイツとを連想させる描き方をする。

アメリカの新聞なども従軍慰安婦を性的奴隷と書きたてて、反論すればホロコーストを否定するような行為と書き立てる。新聞記事が十分な裏付けがなされているかどうかを見るには「20万人」という言葉がキーワードだ。南京大虐殺の「30万人」と同じように数字が一人歩きするように彼らは計算しているのだ。

アメリカのこのような異常なほどの扇動的な記事に恐れをなして日本の政治家達は例によって例のごとく謝罪外交に戻ってしまったが、安倍内閣ですらこの体たらくでは日本の真の独立はいつ来るのだろうか? 安倍総理の下院で議決されても謝罪しないという発言は、アメリカ人にとっては東京裁判史観の否定と受けたられたのだろう。つまりアメリカ人の本性が出てきたともいえる。ロスアンゼルスタイムズは次のように天皇陛下に謝罪まで求めてきている。


Paging the emperor  March 7, 2007 Los Angeles Times

天皇陛下、いらっしゃいますか。 3月7日 ロスアンゼルスタイムズ

PRIME MINISTER Shinzo Abe's attempt to finesse the Japanese government's role in forcing about 200,000 Asian women to work as sex slaves during World War II is worse than unfortunate. It is counterproductive ? and the best person to repair the damage is Emperor Akihito himself.

第二次大戦中にアジアの女性20万人をセックス奴隷となるよう強制したことについて 日本政府が果たした役割を誤魔化そうと、日本の安倍首相が試みているのは、不幸 なことという以上のものだ。逆効果である。このダメージを修復できる最良の人物は、 アキヒト天皇自身である。

Abe took office trying to improve relations with China and South Korea, but he has now torpedoed them by pandering to the Japanese right wing's most disgusting tendencies toward historical revisionism. With Asia in an uproar, Abe insisted there was no backtracking on the nation's remorse. No one will be mollified. The incident sets back regional peace and security ? not to mention the national interests of the United States, which lie in fostering far closer Asian cooperation to deal with issues such as North Korean nuclear disarmament.

安倍首相は就任後、中国・韓国との関係の改善に努力していたが、今では忌むべき 日本右翼の歴史修正主義に迎合するようになり、両国との関係を傷つけている。アジ ア諸国で怒りの声が上がると、安倍首相は「謝罪を撤回するものではない」と主張し た。しかしこれで鎮まるものではない。今回の出来事はアジア地域の平和と安全を後 退させたのみならず、米国の国益をも害する結果となった。北朝鮮の核放棄のような 問題を解決するにはアジアでの一層の協力関係が必要だからである。

The insistence by Japan's extreme nationalists that their country has "apologized enough" for its wartime atrocities, while its politicians and ersatz historians regularly attempt to downplay or simply falsify historical fact, is supremely self-defeating. Moreover, it plays into the insatiable appetite of some Chinese and South Korean leaders to exploit wartime grievances for their own political purposes. Matters have been made worse inside Japan by intimidation against politicians and others who have dared to speak out against official visits to Yasukuni Shrine, a memorial to the nation's war dead, including several war criminals.

「既に十分に謝罪した」と日本の過激民族主義者らが主張し、政治家やエセ歴史学 者が史実の矮小化・捏造を飽くことなく試みていることこそ、日本自身を傷つけている のだ。それ以上にそうした態度は、戦時中の出来事を政治的に利用しようと考える中 国・韓国の指導者らに、付け入るスキをいつまでも与える結果となっている。靖国神社 (戦死者を祀る記念施設で、幾人かの戦犯も合祀されている)への公式参拝に敢然と 抗議した一部の政治家などに対して脅迫が行なわれていることも、日本国内の状況 を一層悪化させてきた。

Japan is a peace-loving democracy, and its heightened self-assurance on the global stage is a welcome development ? at least when its historical obstinacy doesn't get in the way. The awful truth is that nearly 62 years after the end of World War II, true amends have not been made with South Korea and China. The ruling Liberal Democratic Party's failure to discipline its World War II- atrocity minimizers has damaged Japan's international reputation by undermining the 1995 apology of (Socialist) Prime Minister Tomiichi Murayama. And because it erodes Tokyo's ability to be an effective partner in Asia, Japan's reluctance to fully acknowledge its wartime behavior has hampered the potential of the U.S.-Japanese alliance.

日本は平和を愛する民主主義国家であり、国際社会における自信の高まりは本来 歓迎すべきことである。しかしこれは、歴史についての日本の頑迷さが払拭されれば、 の話だ。驚くべきことに、大戦終結から62年近くが経とうというのに、韓国・中国との 真の和解は、いまだなされていないのが事実だ。大戦中の残虐行為を矮小化しよう とする勢力を与党自民党が押さえ込めないでいることが、1995年の村山首相(社会 党)による謝罪をぶち壊しにして、日本の国際的評価を傷つけている。そして、アジア において米国の有力なパートナーたりうるという日本政府の資格を蝕んでいるゆえに、戦時中の責任を十分に認めることに後ろ向きな日本の態度は、日米同盟のポテンシャルを損なっている。

The person who could do the most to reconcile the people of Japan and their neighbors with the past is Akihito, the son of wartime emperor Hirohito. He is also the one person who could lift this issue above the political fray. In 1992 in Beijing, he spoke eloquently about his nation's tainted past. "There was an unfortunate period during which our country inflicted severe suffering upon the Chinese people," he said. "This is a deep sorrow to me. When the war ended, our people, in deep self-reproach that this kind of war should never occur again, firmly resolved to tread the road of peace."

日本国民と近隣諸国が過去について和解するために最善の役割を果たせる人物は、 戦時中の天皇であったヒロヒトの息子、アキヒトである。また、この問題を政治的争いの次元を超えたものにできる唯一の人物でもある。北京で1992年にアキヒトは、自国の不名誉な過去について率直に語った。「両国の関係の永きにわたる歴史において、我が国が中国国民に対し多大の苦難を与えた不幸な一時期がありました。これは私の深く悲しみとするところであります。戦争が終わった時、我が国民は、このような戦 争を再び繰り返してはならないとの深い反省にたち、平和国家としての道を歩むことを固く決意しました。」

The emperor could now go one step further and offer a more forceful apology for all crimes committed in his family's name. Such a gesture would be far more definitive and meaningful than any statement issued by a Japanese politician. It's time for both Japan and its neighbors to move on.

今こそ天皇は一歩を踏み出し、父の名においてなされたすべての犯罪について、よ り強力な謝罪をすべきではないだろうか。そうした姿勢は、日本の政治家が出すいか なる声明よりも決定的で、意義あるものとなろう。今こそ、日本にとっても近隣諸国に とっても、前に進むべき時である。


(私のコメント)
この記事を見る限り、国際法に違反した東京裁判史観をひっくり返すにはかなりの時間と労力が必要だろう。日本右翼の歴史修正主義はユダヤ系アメリカ人にとってはまさに悪夢であり、彼らのホロコースト神話をもひっくり返されかねない危険性を持っていると思われているのだろう。

株式日記としても彼らとの論争はやぶさかでないが、歴史的事実を直視しないのは彼らの方であり、ユダヤ系アメリカ人監督が作るハリウッド映画を見る限りにおいて確信犯的悪意を感ずる。我々が歴史をコントロールしてきたという絶対的な自信があるからだろう。しかしそれは昔の常識だ。ネットの時代では神話は崩されつつある。


< 反 日 偏 向 常 習 記 者 >

・ニューヨーク・タイムス東京支局(朝日新聞社内) オオニシ・ノリミツ
・WaPo(フォーリンサービス)極東特派員 Anthony Faiola、 Akiko Yamamoto
・WaPo中国特派員 Edward Cody
・フリー契約 マーチン・ファクラー (東京在住で各社日本支局と契約)ニューヨーク・タイムス、ヘラルド・トリビューン、ウォールストリートJなど
・ル・モンド東京支局  フィリップ・ポンス
・フランクフルター・アレゲマイネ東京特派員  アンネ・シュネッペン
・南ドイツ新聞 特派員  ヘンリック・ボルク、 ゲプハルト・ヒルシャー
・中央日報 東京特派員 オ・デヨン
・ニューズウィーク日本版 高山秀子
・タイム誌 JIM FREDERICK
・タイムズ紙 東京特派員 Richard Lloyd Parry、 Leo Lewis
・フィナンシャルタイムズ 東京特派員 Michiyo Nakamoto、David Pilling
・ロイター通信 東京特派員 Linda Sieg
・BBC Sarah Buckley
・ガーディアン 東京特派員 Justin McCurry
・クリスチャン・サイエンス・モニター紙 Robert Marquand
・シュピーゲル誌 元東京・現上海特派員 ヴィーラント・ヴァグナー
・AP通信東京支局長 Joseph Coleman
・AP通信 KOZO MIZOGUCHI、Hiroko Tabuchi、CHISAKI WATANABE
・インディペンデント紙 東京特派員 ディビッド・マクニール
・NewsWeek Toko Sekiguchi





アジアで米国の同盟国と呼べる国はわが日本しかない。その
日本と日本国民を貶(おとし)めるような決議をする米国議会


2007年3月14日 水曜日

仕組まれた米・反日世論に反撃せよ! 3月13日 依存症の独り言

今日も、今回の米国下院における、いわゆる“従軍慰安婦”をめぐる対日非難決議案についてのエントリーだが、重要な問題を含んでいるので再度言及したい。

今回の決議案は、明らかに北朝鮮と、それと連携した「反日」ネットワークの陰謀である。今月2日の読売新聞のインタビューで、知日派の代表格であるマイケル・グリーン前・米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長も「(今回の決議案の裏には)反日、反米、親北朝鮮の民間活動団体(NGO)などが絡んでいることもある」と指摘している。

では、なぜ北朝鮮が、韓国人・元慰安婦を利用して今回のような米国議会や米メディアを使った「反日」キャンペーンを展開する必要に迫られたのか、その理由を明らかにしたい。
それは先月13日に、北朝鮮の核開発をめぐる6者協議で「日本を除く4カ国は60日以内に5万トンの重油に相当するエネルギー支援の最初の輸送を始める」という合意が成立した点にある。つまり、この合意には、北朝鮮がもっとも期待する「日本からの支援」が抜け落ちているのだ。
日本が対北支援を拒否した理由は言うまでもなく「日本人拉致問題」である。この日本の“大義名分”を打ち砕くためのいちばん有効な手段が“従軍慰安婦”=日本国による韓国・朝鮮人の拉致・性奴隷化を騒ぎたて、米国内の世論を「日本非難」に誘導することなのだ。 (中略)

つまり、「日本人拉致問題」と“従軍慰安婦”に関しては北朝鮮と韓国は一心同体なのである。
この北朝鮮と韓国が一体となった「反日」策動に、在米の北朝鮮系NGOや朝鮮系カナダ人でありながら日系を装っているノリミツ・オオニシ(大西哲光:ニューヨーク・タイムズ東京支局長)のような米国内の「反日」メディア人が加担している。

さらに看過できないのは、朝日新聞のような国内の「反日」メディアがこれに同調する
ことである。
朝日は3月6日付の社説で、安倍首相の発言について
「だが、いわゆる従軍慰安婦の募集や移送、管理などを通じて、全体として強制性を認めるべき実態があったことは明らかだろう。河野談話もそうした認識に立っている。細かな定義や区別にことさらこだわるのは、日本を代表する立場の首相として潔い態度とは言えない」
と書いている。
さすがの朝日も“従軍慰安婦”の前に「いわゆる」を付けているが、その本音・本質は
まったく変わっていないということがよくわかる。
また、山崎拓のような政治的野心と嫉妬に囚われた「反日」政治家も与党内にいる。
山崎は8日、安倍首相の発言に対し「弁解がましいことは一切しない方がいい」などと
批判している。
かつて、わが国の政治を牛耳っていた野中広務(当時自民党幹事長・2003年引退)は
「確かにテポドン、不審船、拉致疑惑といろいろある。(拉致疑惑で)先方と話をすれば『三十六年間の(日本の)植民地支配はどうなる。日本は多くの人間を(朝鮮半島から)拉致していった』という互いにむなしい議論の戦わせ合いになる」
と述べた(1999年11月)。
この野中の系譜に連なる政治家が、まだまだ与党・自民党内にも少なからず存在するということだ。

要するに、北朝鮮・韓国・在米北朝鮮系NGO・米国内の「反日」メディア・国内の「反日」メディア・与党・自民党内の反日政治家、これらが時には意を通じ、時には渾然一体となって日本国を攻撃している
――これが、今回の騒動の背景に隠された構図である。
その目指すところは「日本人拉致問題」の風化―6者協議における日本の孤立化―
北朝鮮に対する日本の軟化と妥協―である。
(中略)

提案した議員のスタッフや支持者の多くは日本事情に詳しい「専門家」だ。日本でどんな議論が展開されているかは熟知している。
戦時中の日本の行動を批判して謝罪を求めた決議案も今回が初めてではない。日本
企業が戦争捕虜を強制労働させた、と非難するものもあれば、今回同様、従軍慰安婦問題を理由にしたものも数回提案され、日の目を見なかった。
彼らは「誤解」しているのでなく、「確信」で動いている。日本側がいくら「事実誤認」を
指摘しても改まらないゆえんだ。


つまり、今回の対日非難決議案を推進している連中(議員スタッフや支持者)は「確信」的「反日」主義者なのだ。これに歴史的、文化的、道徳的に優越意識を持つ白人社会(主にメディア)が同調し、事を大きくしている。
まさにわが国は「反日」ネットワークが描いた絵図に完全にはめられたわけだ。
この分では、おそらく対日非難決議案は下院で可決されるだろう。(中略)

われわれは米国内の「反日」主義者たちを糾弾し、米国議会を弾劾しなければならない。その結果、米国世論の反応がより悪化するようなことになってもまったく問題はない。
西欧で米国の同盟国と呼べる国は今や英国しかない。アジアでも同様だ。アジアで米国の同盟国と呼べる国はわが日本しかない。その日本と日本国民を貶(おとし)めるような決議をする米国議会に断固とした抗議もできないようでは、真の同盟関係などありえない。
それこそ「反日」ネットワークの思う壺である。

8日付の米・タイム誌は「(拉致問題を優先させると)北朝鮮への積極対応に転じた同盟国・米国との歩調にも乱れが生じる」と書いたが、乱れてけっこう。
日本国と日本国民の名誉を守り、そして北朝鮮の国家犯罪犠牲者の救出に全力を
挙げることは、独立国として当たり前のことであり、それがあってこそ初めて同盟関係が成り立つ。

米国の「反日」世論に遠慮なんかいらない!



慰安婦 対日非難は極東軍事裁判と同じ 3月12日 依存症の独り言

(前略) 今回も同様である。
米軍が日本を占領した時、最初に進駐した神奈川県では、一ヶ月に何と2千件もの「大きい男」による婦女暴行事件が起きた。「大きい男」とは米兵のことである。連合国軍総司令部(GHQ)が、新聞検閲で米兵をそう表記するように命令したのだ。
米兵による婦女暴行事件の続発に驚愕したGHQは、既に日本政府から申し入れのあった、米兵のための「慰安所」を急ぎ用意させる。
GHQの意を受けた政府は、1945年8月26日、特殊慰安施設協会(RAA=Recreation and Amusement Assoiation)を設立。大義名分は「良家の子女の防波堤」づくりであった。
翌27日、施設第1号として大森小町園が開設され、初日から米兵の乗ったジープが
群がって行列を作った。政府は、この日以降、東京に3カ月間で25カ所の施設を設置し、慰安婦は1,600人に及んだ。
この慰安婦たちの大半は、焼けたり潰れたりした工場で働いていた、農村出身のうら
若き女工たちだった。

この、敗戦直後に慰安婦として働かざるをえなかった農村出身のうら若き女工たちの
経験は悲劇ではないのか???米兵が相手だったから恵まれていたというのか???
米軍は朝鮮戦争のときも韓国に慰安所を設営させている。この場合、韓国人が韓国女性を慰安婦として斡旋したから悲劇ではない、と米国人は言うのか???
まったくのダブルスタンダード、偽善以外の何ものでもない。

自分たちのやったことには口をぬぐい、そ知らぬ顔をしてわが国だけを非難する。悲劇性の原因は、時代的背景と戦争にあるのに、それが日本という国家の体質にあるかのごとく非難する。

米国などで、南京事件を扱った映画が続々と製作されていることを受けて、元外務省
北米第1課長の岡本行夫氏は次のように指摘している。
「どの国にも、触れられたくない殺戮や虐待の歴史がある。この映画で『近代史上最も残虐な行動』として語られる日本軍の6週間の所為は、アメリカを含め、自国がしてきたことに後ろめたい意識を持つ全ての国の人々を、『自分達はこれほどひどくない』と安堵(あんど)させ、連帯させてしまうかもしれない」と。
今回の対日非難決議案をめぐる動きも同様である。自分たちも戦場で慰安婦を買ったが、『自分達はこれほどひどくない』と自己弁護したいのだ。が、本質はちっとも変わらない。女性たちの悲劇性も同じである。違うのは、買う側の兵士が白人(米国兵)かアジア人(日本兵)かの違いだけだ。(後略)



(私のコメント)
今回の従軍慰安婦問題は中国による日米分断工作ではないかと書いてきましたが、米国下院議会などの動きからすると、どうも米国の反日勢力がが中国や韓国や北朝鮮のNGOと連帯して活動しているようだ。米国の一般国民は極東の歴史上の問題などには興味はない。ブッシュ政権も議会が共和党優勢の頃は対日非難決議はお蔵入りしてきたのですが、民主党優勢になってからは決議は通りそうだ。

先日のフジテレビでマイケル・ホンダ議員がインタビューを受けていましたが、事実がどうであるかという事よりも、河野談話が出された事を根拠にしていた。このように曖昧な形であれ認めてしまえば、それを根拠に更なる謝罪と賠償を求めてくるだろう。

これは従軍慰安婦問題のみならず、講和条約で決着された事をいくらでも蒸し返して責め立てて来ることを意味する。これはヤクザのやり方でありヤクザはいったん弱みを握るとそれをネタに強請りたかりを止めない。国家同士の交渉でそんな事をしていたらお互いの為にはならないのですが、政治的に未熟な民族はそれがわからない。

アメリカの新聞が従軍慰安婦問題で派手にキャンペーンを始めたのも、6カ国協議で日本が拉致問題が解決しなければ援助はしないという日本の決意を揺さぶる為のものだろう。5カ国の政府間では了解ずみな事でも、米中韓のNGOなどの団体が普段から交流のある民主党などと連携して、日本政府を拉致問題を棚上げにさせて援助させようという目論見だ。

それは昨日の株式日記でも紹介したとおりに朝日新聞は社説として示したのだ。つまり拉致は棚上げにして北朝鮮を援助しろという事だ。アメリカのヒル国務次官補も北朝鮮とどのような秘密交渉をしているのか日本には伝えられてこない。場合によってに日本を裏切って核を持ったままの北朝鮮と国交正常化まで行ってしまうかもしれない。

つまり北朝鮮の核は認めるが日本の核武装は認めないというのがアメリカの本音なのかもしれない。そうしないと日本にMDシステムが売れなくなる。アメリカの誇るハイテク兵器はGPSでコントロールされて威力を発揮するが、宇宙衛星を打ち落とす衛星が開発されてしまえばGPS衛星は無効力になりローテク兵器しか役に立たなくなる。

中国や韓国やアメリカが友好を前提とした日本外交を見透かして、様々な言いがかりをつけてきて日本が譲歩するという謝罪外交は戦後の日本外交の特色ですが、中国にしても韓国にしてもアメリカにしても日本からの経済支援がなければ困る立場の国だ。日本から金を出させるには脅すに限ると思っているようだ。米中韓はヤクザ国家と何度も書いてきましたが日本は人が良すぎるのだ。

日本やヨーロッパのような歴史の古い国家は歴史の傷跡を背負っている。歴史をネタに相手を脅せばお互いが傷つく事を知っている。しかしアメリカは230年しか歴史がなく韓国や中国は戦後建国されたばかりの歴史の無い国だ。だから平気で日本の歴史的過去を責めたてて来る。中後や韓国は歴史が古いという人もいるが、ハングルや簡体文字で戦前の書物は現代の中国人や韓国人は読むことが出来ない。

かつてのアメリカ人はヨーロッパからの移民が多く自分の故国の歴史を身に付けていたが、現在のアメリカ人は石器時代からいきなり南北戦争にまで来てしまうから、ほとんど現代の事しか知らない。だから同じアングロサクソンといってもアメリカ人とイギリス人とは歴史に対する認識に断絶がある。

アメリカのイラク攻撃に対してもイギリスやフランスのような中東に対する過去の因縁がないだけに、中東の複雑な歴史や文化や宗教などに対して理解しないまま平気で踏み込んでくる。そして軍事力で何でも押さえつけようとする。だからアメリカ人は英語を話してはいるがイギリス人ではないのだ。

日本人がアメリカに63年も支配されたまま平気でいるのも、歴史的に中国の栄枯盛衰を見てきている歴史感覚があるからだ。アメリカの歴史的なピークの時代は過ぎており、それは経済などを見れば明らかだ。いずれアメリカが衰退すれば在日米軍も本国へ引き揚げるだろう。韓国人にはそれが分からない。

少し本題からずれたが、アメリカの民主党議員たちが平気で日本の歴史上の問題を政治的につつき回すのも、中国人や韓国人とよく似て歴史の無い国民だからだ。マイケル・ホンダのような日系人で、日本人の顔をしていても日本人ではなくアメリカ人だ。だから平気で日本の歴史の傷を平気で突き回すのだ。

このようにアメリカという国を見てみれば、下院議会で従軍慰安婦問題や、トルコのアルメニア人虐殺非難決議などばかげた事をしているが、アメリカ人の歴史に対する認識は中国人や韓国人と同じ野蛮人そのものだ。だからいくら歴史的資料でアメリカの下院議員に説明したところで、歴史に対する認識が無いのだから無駄なのだ。彼らにとっては歴史は作られるものであり普遍的事実などの歴史認識を説いても無駄なのだ。



             ∧_∧
:              (@∀@-) < 学術レベルでは「強制連行」はなかった。?
  .            ( 朝  )
           //三/  /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| │
        | 捏造の力 |/


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                (@∀@-) ポイ
             _ ( 朝 つ
           /       /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| │   〜 /三/
        | 既成事実 |/

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:              (@∀@-) < 愚民共は俺らに従ってりゃいいんだよ!!
  .           φ 朝  )
           //三/  /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| │
        | 捏造の力 |/





北朝鮮の機関紙である『朝日新聞』は北朝鮮による拉致問題と
従軍慰安婦問題を同列にすることで帳消しする事を狙っている


2007年3月13日 火曜日

慰安婦と拉致を並べる朝日の暴挙 3月10日 憂国のシャングリラ

さすが慰安婦専門紙だ…

『朝日新聞』は3月10日付け社説で「慰安婦問題-国家の品格が問われる」と題して本格的にケンカを売ってきた。

《 首相発言の内容は、河野談話が出されて以来、それを批判する人たちが繰り返し持ち出す論理と似ている。業者がやったことで、日本軍がさらっていったわけではない。だから国家の責任はない、というのが批判派の考えだ。今回、一部のメディアが「問題の核心は、官憲による『強制連行』があったかどうかだ」と主張したのも、それに相通じるものだろう(朝日社説) 》

一部のメディアとはズバリ産経新聞と読売新聞のことだ。更に、拙ブログでも“従軍慰安婦”論争のポイントは、「軍・官憲による組織的関与があったか、なかったか」だと繰り返し主張してきた。

売られたケンカ、買います。

まず、戦時下の公娼、売春・買春は多くの国と地域で存在したものだ。平時でも同じである。

当初、我が国の老害サヨクが絶叫してきたのは、日本統治下の特異性、すなわち軍が組織的に管理・運営し、世界でも例のない“従軍慰安婦”が存在した…というものだった。

それ故に、旧日本軍を“悪魔の軍隊”と断罪し、永遠に名誉を剥奪しようと狙っていたのだ。対して幻派は「ならば証拠を出せ」と主張してきた。

そんな過去にあった論争の経緯を度外視して『朝日新聞』社説は、こう言い放つ。

《 何とも情けないことだ。いま大切なのは、問題は何が幹で何が枝葉なのか、という見極めである。 》

何が言いたいのか?

『朝日新聞』が揺るがぬ証拠だとして突き付け、河野談話発表に直接結びついた『吉見資料』は枝葉末節に過ぎないと開き直るのか…

【重箱の隅をツツいて失敗した朝日】

92年1月11日の『朝日新聞』1面を飾った“歴史歪曲スクープ”の論旨は、それまで「民間任せ」としてきた日本政府に対し「軍の関与示す資料」があったとして追及したものだった。

この“曲解スクープ”の核心は、今になって朝日新聞が枝葉末節と切り捨てる“官憲による強制連行”である。

記事の元になった『吉見資料』が粉砕され、10年以上も沈黙していた『朝日新聞』は、この期に及んで「そんなモノは関係ない」と力説している…

恐るべき開き直り方だ。

これこそ老害サヨクの悪辣な方便である。旧来の慰安婦論争は、朝日新聞サイドが打ち出してきた『吉見資料』との決戦だった。

非常に細かな部分から追及し、旧日本軍の全体を悪者に仕立て上げる構造だった。「こんな資料があるが、さあ、どうする?」と突き上げて、当時の宮沢内閣を窮地に追い込んだはずだ。

その後、『吉見資料』が、単に慰安所に絡んだ犯罪防止に取り組んだ文書だと判明するや、    『朝日新聞』は誤報を訂正することなく、頬かむりを続けてきたのだ。

枝葉末節の論争だったことを充分承知しているはずなのだが、更に『朝日新聞」の社説は、こう断言する。

《 細かな事実にこだわって弁明ばかりするよりも、民族や女性の人権問題ととらえ、自らの歴史に向き合う。それこそが品格ある国家の姿ではないか。 》

細かな“事実”に拘って来たのはどっちだ?
更に、言葉の巧妙なすり替えも行われている。

【消え失せた最重要キーワード】

“従軍慰安婦”というキーワードが使用されていない。消え失せているのだ。単に「慰安婦問題」と表現している。

「従軍」という言葉が明示しているのは、軍または官憲との密接な関係だ。

それが根本的な論争の基軸であり、朝日新聞が絶対に譲れない部分であるのだが、あっさりと消去している…

慰安婦はそのものは、悲劇的ではあるが、何ら我が国だけが反省・謝罪を強いられる問題ではない。「従軍」を取り外して単なる慰安婦問題に落とし込むのは、余りにも乱暴な論理のすり替えだ。

軍による強制性が関係なのなら、朝日新聞が糾弾していたイアンフと、普遍的な売春婦はどこがどう違うのか?

『朝日新聞』社説は、NYタイムズの8日付け紙面を受けて「元慰安婦たちの生々しい証言」と表現している。しかし、訴える老女たちが果たして軍に強要されたものなのか、どうか…といった視点は見事に置き去りにしている。

(中略)
更に『朝日新聞』の同社説は、末尾で暴言を吐き捨てている。

【再び登場した由々しき拉致相殺論】

《 日本は北朝鮮による拉致を人権侵害と国際社会に訴えている。その一方で、自らの過去の人権侵害に目をふさいでいては説得力も乏しくなろう(朝日社説) 》

拉致被害者と慰安婦を同列にした暴論である。
同じ人権侵害であると『朝日新聞』は断定するのか?まるで辻元清美の「フェアじゃない」発言と同じの論旨だ。


90年代末、横田めぐみさんの拉致が明らかになった後、拉致を否定したい反日ファシストは、社民党を筆頭に慰安婦=強制連行と拉致事件をセットにし、日本には北朝鮮を責め立てる道理がない、と主張してきた。

「何万人に酷いことをしておいて、たかが9人、10人でガタガタ言うな」というのが辻元発言の根底にある理屈だ。そして、それに同調するような世の風潮も確実にあった…

だが、カネを貰っていた売春婦と、学校帰りに工作員によって攫われた少女の悲劇が同じであるはずがない。

拉致事件は、人権侵害であると同時に国家主権の侵害でもあるのだ。

そのような批判を受けて『朝日新聞』は猛省していたはずなのだが、10日付け社説では、見事に元に戻っている。そして、非常に強気な姿勢も感じられる。

反日ファシストは、再び拉致事件を慰安婦問題で相殺することを狙っているのではないか…

先の日朝作業部会でも北朝鮮側は敢えて慰安婦問題に触れて日本側を追及してきた。実際に最新号の『タイム』誌も拉致と慰安婦を同列にする論調を掲載したようだ。


この辺りの動きにはデリケートにならざる得ない。

甦った慰安婦論争の真の狙いが、拉致事件潰しにあるとしたら、最悪の展開を辿る恐れもある。

しかし、ここで怯んではならないだろう。拉致問題と“従軍慰安婦”問題は、まったく次元の異なるものだ。

一方は捩じ曲げられた偽りの歴史であり、一方は現在進行形の悲劇だ。

それを同列にする愚かさこそ声を大にして糾弾しなければならない。


(私のコメント)
3月10日の朝日新聞の社説はまるで北朝鮮の機関紙であるかのような内容ですが、そもそも従軍慰安婦問題は朝日新聞が仕掛けたことがきっかけになっている。それに対して韓国が巻き込まれて国民が騒ぎ出し、結局は日本政府と韓国政府の政治的な決着で河野談話が出されましたが、それが元で今度はアメリカでマイケル・ホンダという下院議員が対日非難決議を提出している。

安易な政治的妥協が日米間の外交問題にまで発展しそうな情勢ですが、安倍総理の国会答弁がきっかけになってアメリカのリベラル新聞が一斉に従軍慰安婦の問題を書き始めた。ニューヨークタイムズは一面に掲載されるほどの力の入れようですが、オオニシ記者いう朝日新聞社内に支局を置くニューヨークタイムス日本支社の記者だ。

しかし新聞の内容は報道機関とは思えないような扇動的な記事であり、慰安婦をセックス・スレイブ、性的奴隷と書きたてている。このように書き立てられるとアメリカの下院議員たちも対日非難決議に賛成しはじめている。アメリカにおける中韓の活動家達の猛烈な働きがあるようだ。

朝日新聞が中国や韓国を巻き込むようになったのは、91年のソ連崩壊以降イデオロギー論争では左翼は勝てなくなり、論争に中国や韓国を巻き込む事で外交問題として勢力を維持しようとするようになった。靖国参拝問題や南京大虐殺問題や従軍慰安婦問題はいずれも朝日新聞などの記者が中国や韓国に炊きつけて外交問題化したものばかりだ。

それに対して自民党などの保守勢力も国内では勢いがよくても外交問題となると腰が引けて論争するよりも謝罪と賠償で収めようとした。これらの問題は中国や韓国との講和条約で政治決着がついた問題なのですが、河野談話に見られるように謝罪を繰り返し、アジア女性基金のような保証金が払われるようになるとさらに賠償を求めてくるようになる。

しかし靖国問題に見られるように日本も反論するようになると、中国や韓国などは戦術を変えてきてアメリカを巻き込む事で日本を揺さぶるようになった。特にアメリカの中間選挙で民主党が議会で多数派になったことで日米間にも隙間風が吹き込むようになって来た。

北朝鮮との6カ国協議においてもアメリカの政策が変わり制裁よりも妥協を選ぶようだ。安倍内閣では拉致問題解決なくして国交正常化なしとしているが、アメリカは北朝鮮をテロ支援国から外すかもしれない。つまり拉致問題ではアメリカは日本を見捨てたのだ。従軍慰安婦問題もアメリカの新聞が大きく取り上げるのも何らかの関連があるのだろう。

3月10日の朝日新聞の社説で北朝鮮の拉致問題と従軍慰安婦問題を同列で扱う事で帳消しを図っているようですが、アメリカの意向も働いているのかもしれない。安倍総理も従来の河野談話を継承して謝罪を繰り返すようになった。しかしそうしたところでアメリカの下院では対日非難決議は採択されるだろう。

そうなればアメリカのお墨付きを得たことで朝日新聞は安倍内閣を攻め立てるだろう。共和党のブッシュ政権はほとんど死に体でありイラク問題以外では民主党政権と政策は変わらなくなってきている。対中国政策も中国の軍事拡大路線にも目をつぶり先日訪中したポールソン財務長官は、元の切り上げ問題に対しても容認するようだ。日本に対する時とはかなり違う。

日本の在米大使館は河野談話で謝罪しているというスタンスですが、ニューヨークタイムスなどが勝手な事を書き立てても抗議する在米日本人は少ない。日本では朝日新聞などにはネットで集中砲火を浴びていますが、ニューヨークタイムスやロスアンゼルスタイムズなどの左翼新聞にも強烈な批判記事を浴びせてみたいのですが、私は英語が出来ない。

いずれは東京裁判の不当性や原爆投下の違法性など『株式日記』の英語版で世界に訴えていくつもりですが、当面は朝日新聞などの左翼マスコミを撲滅していかなければならない。ネットの世界では右翼や保守派のブログがアクセスランキングの上位を独占して左翼のブログはある事はあるが下位に追いやられている。

世界のブログのシェアでは日本語と英語のブログが一位を争っているようですが、日本語の情報発信力は質量共に世界最高レベルなのだろう。言葉の壁さえなければアメリカのリベラル新聞など論破する事など訳はないのだが、外務省や政財界では外交的配慮ばかり優先して謝罪に明け暮れている。



  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (-@∀@) < アメリカが「日本人拉致問題は関知しない」と言いましたよ
 (φ    )   .\_______________________
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 (__)_)         ∧_∧   
              (´Д`;)  え! ウソっ!?   
     がびーん!   ( つ|\/|


 はい。ウソです。
  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ∬∫∬
    ∧_∧     ∧_∧
   (;@∀@)   (Д` #) 新聞がウソついちゃ駄目モナ!
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 すみません。ウソをつくのが趣味なんです。


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 (-@∀@) < ところで今年のノムヒョンは反日のトーンを落としましたね
 (φ    )   .\______________________
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 (__)_)         ∧_∧   
               (  ´Д)   あれ、そうだっけ?
               ( つ|\/|

  ウソですけど。
  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ∬∫∬
    ∧_∧     ∧_∧
   (*@∀@)   (Д` #) 新聞が読者を騙すなんて駄目モナっ!
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 すみません。つい・・・


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 (-@∀@) < そういえば、自民党が河野談話の見直しを止めましたよ
 (φ    )   \______________________
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               (#´Д`) -3  どうせウソモナ! 
               ( つ|\/|

 そうですけど?                   __人_人,_从人_.人_从._,人_
  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄      ./ヽ      /ヽ    )
 +. ∧_∧       /  ヽ    /  ヽ   )  これ以上、
. +(∀@- )      /   ヽ__/   .ヽ   )  新聞を疑って読むのは
   (   |)    /        :::::::::::::::.\  ) 嫌モナっ!
    Y  人     // ___   \   .::::::::::::::|  )
   (__)__).   .|U |   |   U    :::::::::::::|  ⌒Y⌒Y⌒l/⌒Y⌒Y⌒Y
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中国政府自身は大変な物わかりがよく、微笑外交で日米欧に
接しながら、水面下で国際社会で日本を道義的に貶めていく


2007年3月12日 月曜日

桜井よしこさんの講演 1月17日 国を憂い、われとわが身を甘やかすの記

(前略)

【中国の微笑外交】

日本にとって今年と来年、とても怖いのは中国の軍事力だけでない。アメリカが不安定の弧から引いていく空白を日本がなんとしてでも埋めなければならないということとつながってくるが、中国は軍事力を増強しながら世界各地に手を伸ばすと同時に外交的にはまったく違う政策をとりはじめている。微笑外交に転換するだろうと思われる。

 安倍総理が10月に中国を訪問した。どういう条件でいったか。小泉総理のときは中国はかたくなに言った。靖国神社に参拝しないと約束しなければ首脳会談してやらないよという態度だった。小泉さんは一生懸命、それでもなんとか中国と折り合いをつけようと8月13日に行ったり、4月、1月に行ったり迷った。でもいつ行っても同じだと言うことが分かって、最後に8月15日に行かれた。中国は烈火のごとく怒った。

 で、安倍総理にも同じことをするかと思ったら、安倍総理はあいまいにしたまま中国を訪問した。安倍総理が参院選(総裁選の間違い?)の前に靖国神社にお参りをするかしないかを曖昧にしたのは極めて賢い選択だった。テレビで私は正しい道だったといった。あのとき、参院選(同)で行くか行かないということばっかりが問題にされているような感じがした。政治的にそんなところに焦点を持っていくのはおかしいと思ったから、国内政治をみてそのことを曖昧になさったのはよろしかったと思う。

 けれども、今は少しく事情が変わったという認識だ。中国は何故に安倍総理を、小泉総理とは違う対応で迎えたのか。彼らは学習した。非常に賢い国だ。過去の事例を研究し、どこで自分たちが間違えたのか成功したのか検証する。小泉総理の5年間、いくら強い態度に出ても日本は言うことを聞かなかった。それに対して日本国民が中国と同調路線をとるかと思ったが、だんだん中国が嫌いになってしまった。内閣府の世論調査をみると明らかだ。5年前の調査ではだいたい7割の国民が中国に好感をもっていたが、いまは7割の人が、中国ってあまり好きじゃないといっている。どうも我々の強硬路線は間違っていたんだな、ということに彼らは気づいた。そこで柔軟路線に転じた。

 柔軟路線に転じることは中国にとっても多くのメリットがある。中国は日本に微笑外交を展開することによって、まず日本国民の友情を再び勝ち取ろうと考えている。そしてまた微笑外交を展開することによって、国際社会によりよいイメージを広げていこうと考えている。ニューヨークタイムズでさえ、日本も悪いが、靖国問題を中国が利用しているのではないかというところまで彼らも理解するところまできた。アメリカのリベラルな新聞に対しても、中国の微笑み外交への転換はよい印象を与えるだろう。

 中国は常任理事国の1つで、北京五輪、上海万博を控え、中国の経済をみると世界中の資本と技術を必要とする。これが日本と決定的に違うところだ。日本は自らの資本と自らの技術で、このすばらしい経済を発展させてきたが、中国はほとんど借り物だ。彼らが提供できるのは安い労働力だけだ。水もない。電気もない。中国はなんとしてでもいまの経済成長を続けるためには世界の協力が必要で、そのためには国際社会が白い目で見るようなことは、なるべくしないほうがいい。

 そこで中国は、ある意味常識ある国家に変身を遂げていくふりをするだろう。心から変わるわけではない。政治的に国際社会に対して変わるだけの話で、国内では農民への弾圧は続くだろうし、法の支配は徹底せず、汚職はこれからも続くだろうし、さまざまな思想信条を異にする法輪功の皆さん方への弾圧も続くだろうから、本当の意味で中国が民主主義の国家になるとは当面思えない。

しかし、国際社会に対しては常識的な国家のふりをする。その兆候はすでに出てきている。北朝鮮に対して彼らは制裁に一応同調した。紆余曲折はあったが、最終的には。いままでの中国から考えると本当に驚くべき変化だ。イランに対しても制裁に反対し続けてきたが、去年12月にイランへの制裁に一応参加した。もちろん中身は骨抜きだが。国際社会に対し、PKOにもものすごく熱心だ。

 中国は国際社会に対するイメージをドンドンよくしていくだろうなと考える。このとき日本はとても大きな問題に直面する。中国がガンガン強面でやってくれているほうが日本としてはむしろやりやすい。しかし中国が日本国民に微笑外交を展開し、国際社会に対してものすごく柔軟で物わかりのよい国家のイメージをふりまくとき、日本は道義的に中国に劣るのではないかという立場に立たされていく。しかもそのからくりを中国はずっと展開してきた。

 米欧における中国系の皆様の団体に対し、陰に陽に中国政府から援助のお金や知恵が回っていて、彼らがそれぞれの国で、日本の慰安婦の問題や靖国神社遊就館の問題や、今年は南京事件から70周年だが、米国では南京事件があのアイリス・チャンという人が書いた、多くの根源的な間違いを含んでいる本の内容に沿ったかたちで映画が製作されていく。こうしたことについて中国は国運をかけてものすごい広報、情報戦をやっている。その結果、いま見えてくる構図は、中国政府自身は大変な物わかりがよく、微笑外交で日米欧に接しながら、水面下で働き掛けて、ほかの団体が国際社会で日本を道義的に貶めていく、批判していくという構図になっている。

 

【安倍首相は靖国参拝を、中曽根の二の舞になるな】

それに対して日本はどのようにすべきか。2つのことをしなければならない。1つは安倍総理が行っている年来の主張、集団的自衛権をちゃんと行使する、憲法をきちんと改正することによってわが国もまた責任ある、自立ある国家として誇りある外交をする。侮られる国家ではないということを実践していくことだ。これは安倍総理がすでに欧州で言ったことだ。それを非常に高く評価している。

もう一つもすでに安倍総理が言っている。4つの価値観、民主主義、人権を擁護する、自由を保障する、法の支配を尊重する。これを日本は戦後60年間守ってきたし、これからも守るし、その価値観をアジア、世界に広げていく先頭に立つんだという決意を語ったと思うが、そうしたことをもっともっと力を入れて行うことだと思う。

そうしたときに現実に今まで日本と中国がやってきたこと、安倍総理が靖国神社に行かれるのかどうかについて曖昧にしてきたこと、また外務省当局には今年安倍総理が靖国神社に参拝しなくても言いように、日中首脳会談を断続的に行うという考えがあると聞いている。日中首脳会談の前には安倍総理は靖国神社に行かない、その直後にも行かないというふうに考えてくださっていいという話があったやに聞いている。

 だから温家宝首相が4月に来る。春の例大祭。胡錦濤さんも今年日本を訪問する。時期がいつかは知らない。中国はまた、安倍総理を中国においでくださいと招待している。そうすると春と夏と秋とちょうど、もしそのように配分すれば、私が間違っていることを期待するが、もしそのようになれば、日本外務省が考えているように、いろんな理屈がつけられて、国民の前に参拝をしなくても総理が批判をされないような政治的状況というのが出てくる。これは今年1年の問題を解決してくれるかもしれないが、日本の将来を見るときには大変な間違いだ。

自民党本部に来てこんなことを言うのは申し訳ないが、中曽根さんの二の舞をふんではならないと私は考えている。安倍総理は今年、そのような小手先の技術によって靖国参拝を避けてはならないのか。それこそが中国が言う、あなたの国は戦争で何をしたのか、加害者だったでしょ、悪い国だったでしょ、侵略国家だったでしょ、だから靖国はいけないんですよということを受け入れることになるからだ。戦争というのは互いにさまざまな事情があって起きるものだ。日本一国が悪くて起きるのでは、断じてない(拍手)。私たちは歴史を学んで、そのことをしっかりと冷静に理論的に話せるようになっていかなければならない

 中国が微笑外交の影で、他国の支持を中国に引きつけ、国際社会で日本を道義的に貶めることが想像される今年、南京事件から70周年の今年、日本はかつてないほどに冷静になって、歴史というものをきちんと説いて、それを語って、日本の立場を主張して、そしてそれを外交に反映させていかなければ、これから1世紀の間、悔いを残すだろう。

 中曽根総理は1985年の参拝の後、中国に批判されて参拝をやめて、いまはA級戦犯と言われる方々の分祀を主張し、中国と同一歩調をとっている。私はいまの安倍晋三総理大臣に、そのようになってほしいとは思わない。そしてこの自民党の皆さん方にも、日本を愛するならば、そのような政党には絶対になっていただきたくない(拍手)。

 どうぞこうしたことを胸に刻んで日本のためにいい政治をなさっていただきたい。私はそのようにみなさんが努めるときに、自ずと多くの問題は解決されていくだろうと信じている。国民は非常に賢い存在だ。小手先の技術で問題を解決しようとしているのかどうか、すぐに見破ってしまう。小手先の問題解決なんて、ふっと吹けば吹き飛んじゃう。そんな軽い存在にならないでほしい。一緒に、私たちの世代のみならず、次の世代のためにも、この国が本当に美しく愛しくすばらしい国であるということを若い人たちに伝えていく役割を果たしたいと思う。ともにがんばりましょう。(了)》



(私のコメント)
1月18日の株式日記で桜井よし子さんの自民党での講演の前半部分を紹介しましたが、今日は後半部分を紹介します。なぜならば今日起きている従軍慰安婦問題は中国の情報宣伝工作によるものですが、桜井さんの講演でもその事を指摘していたからだ。

情報宣伝戦においては中国は自国内では反政府活動を禁じているから安心して対外宣伝戦を仕掛けてくる。それに対して日本やアメリカは言論の自由があるから中国はそこに付け込んでくる。朝日新聞や毎日新聞などには金や情報で自由に使えるし、自民党内にすら中国の賄賂漬けになった議員が何人もいる。

アメリカに対しても中国は様々な団体や研究機関や大学などに金をばら撒いて巧みにてなづけているようだ。それに対して日本はこのような対外宣伝工作をまったくやっていない。その半面でODAのような外交的に役に立たない事には派手に金をばら撒いている。

ODAなどの援助資金は死に金であり、いくらばら撒いても日本はアジアで国連の常任理事国に賛成してくれた国は1カ国しかなかったように何の役にも立たない金の使い方をしている。それに対して中国は戦略的に目標をはっきり立てて金をばら撒いている。

中国の一番の重要課題はいかにしてアメリカの大統領選挙でヒラリークリントンを大統領にして90年代のような米中蜜月時代を作って、台湾や韓国や日本を中国の勢力圏に引き入れるかということだ。アメリカの民主党は中国をアジアのステイクホルダーとして米中が連携して日本などを共同支配しようという戦略を持っている。

アメリカにおいてこのようなばかげた戦略をとるとは考えられないが、ヒラリークリントンが大統領に選ばれれば中国こそアメリカの戦略的パートナーであり日本は同盟国に値しない国だとされかねない。なぜならばクリントン夫妻は80年代から中国の工作員から金をもらってズブズブの関係だからだ。

日本の政界も自民党はアメリカの共和党との関係が強すぎるから、90年代の時のように細川政権のような非自民党政権が出来てもおかしくはない。90年代の日本は政治的にも経済的にも試練の時代であり、野中広務のような親中派議員が政治の主導権を持つ事になるのだろう。中国へのODAの資金が経世会の政治資金になっていたからだ。ODAの資金が小さくなるにつれて経世会は機能が停止したように中国からのキックバックが資金になっていたのだ。

このように中国はきわめて効果的に日本やアメリカの政治家を効果的に買収していく。賄賂をもらう政治家にとっても民間から金をもらうとばれて政治生命を失う恐れがあるが、外国の秘密工作機関からもらえばばれるような事は決してない。特にアメリカの大統領選挙は金がかかる選挙で有名でありこれから2年間も選挙戦を戦うわけだから莫大な選挙資金を必要としている。

中国などの対外工作機関は日常的に献金組織を作って合法的な買収活動を行なっている。日本にしてもアメリカの大統領が誰がなるかによって大きな影響があるから中国に負けない工作活動をすべきなのですが日本にはそのような工作機関はない。ニューヨークタイムズがやたらと反日的な記事を書くのも中国の工作活動によるものだろう。

アメリカにおいてもCIAやFBIがこのような秘密工作を監視しているはずですが、クリントンのように大統領から買収されているとCIAやFBIも中国の工作活動は黙認されてしまう。だから核弾頭技術が中国に供与されても誰も捕まらない。だからヒラリークリントンもチャイナマネーで当選する事は確実だろう。

従軍慰安婦問題も南京大虐殺問題もアメリカにおける反日気運を高めるものであり、大統領選挙にも影響が出るだろう。「株式日記」では早くから日本も工作機関を作って対外宣伝工作をしてアメリカ大統領選挙でも親日的な人物を資金援助して選ばれるような事をすべきだと書いてきましたが、すぐに出来ることではない。

桜井さんの講演にあるように中曽根総理は上手く中国の外交に手玉に取られて靖国問題を作ってしまった。中国は国家ぐるみでいかに政治家を諜略するか研究している。安倍総理に対しても様々な罠を仕掛けては嵌め込んでいく。小泉総理のように一人でスタンドプレーが出来る人物ならいいのだが、安倍総理は育ちがいいから騙されやすい。

政治の世界はヤクザもびっくりするような陰謀が渦巻いているところだ。女や金で買収するのは序の口であり、警察や検察も意のままに動かして国策捜査で政敵を葬り、アメリカから5000億円の金でマスコミを買収して9・11総選挙で勝利するなど、政治の世界できれいごとなどありはしない。それをスマートに行なうのが政治家の力量なのだ。




  ∧_,,∧     ∧_∧  日帝の慰安婦動員に強制性を立証できる公文書の
  < `Д´>    (・ω・` )  決定的な証拠資料を見つけたニダ!
  (    つ■ (    )  その資料を抜粋したものが、この本ニダ!
  し―-J     し―-J

  ∧_,,∧    ∧_∧
  <*`∀´> -3 (´・ω・`)    どうニカ?グウの音も出ないはずニダ!
  (    )   (⊃{丁}と)     ホルホルホル!
  し―-J     し―-J

           ?   ・・・・強制的に誘拐してるなら募集する必要ないじゃん!
  ∧_,,∧    ∧_∧
  <  `Д>   (・ω・;` )  これって、慰安婦の募集と関連身分証を
  (    )  ⊂    )   持っている人の上船などの保障、あと和歌山での
  し―-J     し―-J  「給与が良いよ詐欺」の取り締まりの記録じゃないですか?

 ∫∬∫∬
  ∧_,,∧     ∧_∧
  <#`田´ >    (・ω・;` )  募集なんて嘘っぱちニダ!ちょっと想像してみれば
  6   9))   (    )  領事館が”誘拐”に関与していたのは明らかニダ!
  し―-J     し―-J  「給与が良いよ詐欺」も軍がやっていたに決まってるニダ!

   !
  ∧_,,∧    ∧_∧
  <*`Д´ >   (・ω・;` )    あの、想像だけでは、強制動員の証拠にはならないん
  6    9  ⊂    )    ですけど・・・
  し―-J     し―-J

゜         ○    ゜
   o 。     ゜゚  ゚ .    o      ○o
        r⌒ヽ  (⌒⌒)  r⌒ヽ/,  チョッパリは想像力が、じぇんじぇん足りないニダ!
     、、;(⌒ヾ   ((⌒⌒))  /⌒) ),  , 。
  、 ヾ (⌒ ファビョ━ l|l l|l ━ン!⌒⌒);;)/. ,
 、\(⌒ゝ;(⌒ヾ   ∧_,,∧    ⌒)/)) .,/ ,,        ∧__∧
((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;(⌒∩#`田´>'') ,⌒⌒);;;;;)))⌒)       (    )
 (;;;;(⌒(⌒;;;(⌒   ヽ    ノ / ))⌒));;;;)-⌒))    、_ノ   ,つ
ゞ (⌒⌒=─      (,,フ .ノ    ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)  ∠_,,冫 ノ'
((⌒≡=─  人从;;;;  レ' ;;;从人─=≡⌒)丿;;丿ノ    レ''
     どっかああああああああんんん!!!






アメリカ人は、我が国に原子爆弾を落としたトラウマから逃れよう
として、無意識のうちに我が国を「悪」と決めつけておきたいのだ。


2007年3月11日 日曜日

今こそ、歴史の復興期もしくは回復期 3月10日 西村眞悟

皇后陛下には、春風の吹く自然の中で十分にご静養され、
 ご健康を回復されますよう、切に祈り申し上げます。

 さて、ここ一ヶ月ばかりの情報に接していて、感じるのは、
今が歴史と精神の復興期であり回復期ではないか、ということである。つまり、今は一つの時代の転換点という思いがする。

 では、具体的に何を観てそう感じたのかというと、平成五年の宮沢内閣における河野洋平官房長官談話を前提にしていては、もはや国益も国民の命も守れなくなっている事態である。
 
 周知の通り、その河野洋平官房長官談話とは、
大東亜戦争時に、我が国政府が、朝鮮人婦女子等を強制的に拉致して戦地に連行し、兵士達の「従軍慰安婦」つまり性的奴隷にしたことは事実でありますから、心から謝罪致します、
というものである。
 この談話発表後、平成七年の、国会におけるいわゆる戦後五〇年謝罪決議に至る二年の間、内閣は、宮沢、細川、羽田、村山とめまぐるしく変遷しても、我が国は近隣諸国民に被害をもたらし迷惑をかけた国なので謝罪しなければならないという強迫観念のようなものに我等の精神は束縛されていた。
 そして、この時期の「謝罪派」は、良心的とみなされ、私のような「謝罪無用派」は、戦前を賛美する好戦的な右翼呼ばわりされたのである。

 そこで、謝罪派は、もう忘れているであろうが(謝罪派は、無責任な人達である)、私のような謝罪無用派が警告した通りの事態が今現れている次第である。
 即ち、アメリカ下院では、日本が婦女子を強制連行して兵士の性的奴隷にした所業は許し難いので、日本政府に謝罪を要求するという決議が現在上程されている。

 また、一昨日のハノイで終わった日朝会談において、北朝鮮代表は、日本は八百万人の朝鮮人を拉致して数十万人の朝鮮人婦女子を「従軍慰安婦」にしたことの賠償をせよ、と記者会見で述べている。これは、我が国の北朝鮮に拉致された日本人を返せという要求に対する反論である。
 北朝鮮は、朝鮮人を八百万人も拉致して未だに賠償もしない日本から、拉致被害者を帰せといわれる筋合いはないと国際社会に向けて反論しているのである。もちろん、アメリカ下院に上程されている決議を念頭に主にアメリカ世論に訴えているのである。

 そこでいよいよ、これほど露骨になれば、従来の路線では、我が国の誇りも国益も国民の命も、守れないということが明々白々になってきたといえる。この従来の路線とは、謝罪派がよって立つ処の東京裁判史観である。
 そして、ここから脱却して我が国自身の歴史を回復すべき時期が今なのだ。


 六十年前には、国土に戦災の焼け跡が広がっていた。日本人はここに佇んで、復興に邁進した。これは、そこに佇む者すべてが観た焼け跡だった。
 そして、六十年後の現在の我々は、敗戦による歴史の喪失と精神の荒廃というもう一つの重大な「焼け跡」の前に佇んでいるのである。これは、敗戦の後から進行したもう一つの「戦災」による荒廃である。なかなかこの戦災には気付き難かった。
 しかし、気付けば、六十年前と同様に、復興に邁進しなければならない。

 そして、その復興に踏み出すか踏み出さないかの、紙一つの境目に、今の安倍内閣が立たされているのである。
 
 安倍総理は、アメリカ下院の決議案に関して、我が国政府が多数の年若い堅気の娘を従軍慰安婦にするために強制連行した事実はない、従って、我が国が謝罪する必要はないと述べた。

 この総理の発言に対して、日本は河野洋平氏以来度々謝罪しているのであるから、さらにまた謝罪する必要はないという前提で動いてきた外務省などは、困っているらしい。
 さらに、本日の産経新聞によると、駐日アメリカ大使は、アメリカ下院での謝罪決議案に関して、「日本が河野談話から後退していると米国内で受けとめられると破壊的な影響がある」と述べ、安倍内閣に河野談話を踏襲するように要求したという。これは、脅迫か。アメリカ人の多くは、我が国に原子爆弾を落としたトラウマから逃れようとして、無意識のうちに我が国を「悪」と決めつけておきたいのだ。

 そこで、東京裁判史観という従来の惰性にもどり、河野談話を後生大事にするのか、明確に否定するのか、この岐路に安倍内閣は遭遇しているといえる。
 しかし、国家のための結論は決まっている。
 即ち、河野談話は事実に基づかない談話であるから否定しなければならない。
 
 虚偽の事実が流布されて国家の名誉が毀損され続けているのである。国家の名誉を守るのが政府の任務であるとするならば、安倍内閣は断固として虚偽を否定し、真実を堂々と国際社会に明らかにすべきである。
 ゆめゆめ、既に謝罪したのだから、さらに謝罪する必要はないというような論理に戻ってはならない。

 今こそ、この根本の虚偽の禍根を断つ絶好のチャンスと観るべきである。反作用に怯んではならない。これは、我々自身の戦災からの復興なのだから。

 それにしても、河野洋平氏には、今も国家に対して重責を負う衆議院議長なのであるから、次のことを「公務」として期待できないのであろうか。期待できないとすれば、一体いかなる人物が我が国の衆議院議長なのであろうか。
 即ち、平成五年の官房長官談話に至る日本と韓国の一切のやりとりと資料を明らかにすること。


安倍首相のスタンス 3月8日 神楽坂通信社外堀分室

またまた、いわゆる従軍慰安婦の問題関連の報道がメディアでなされています。安倍さんは、いわゆる「河野談話」を引き継ぐといった主旨の発言をしたのですが、その一方、国会の答弁では、「政府や軍が直接命令したという事実はない」といった発言をしています。

「政府や軍の従軍慰安婦への積極的関与は歴史的事実」と考える人たちは、安倍首相の発言の矛盾性を非難し、「河野談話を引き継ぐといったのに発言が矛盾している。河野談話を尊重しろ!」といった点、「河野談話を否定するのではないか?」といった点、大雑把に言うとこの二点で騒いでいます。

「日本の行った戦争は違法である、それ故に東京裁判、その判決や刑の執行は正当である。」といった一応の戦後処理という総括を否定する動きであることを、諸外国は懸念しているわけです。

「日本のおこなった先の戦争」は「違法ではなく正当な国家の行為」であり、「東京裁判等の戦後処理は不当である」といった主張がわが国の世論の主流になってしまうと、それが盛り上がって、わが国が「復讐戦」を行う動きにまで発展してしまうのではないか?と懸念している人・組織・国が・・・・大勢いるということです。

「戦前・戦時中に日本のおこなった行為は違法である」という命題が、「従軍慰安婦の否定」によって、「戦前・戦時中に日本の行った行為」には、「違法であった事もある」が、「合法なものもある」という事になってしまい、そうなると「東京裁判を筆頭とする戦後処理」の正当性に疑いが生まれ、そうなると・・・

いろいろ連合国が行った戦後処理があらためて議論されることになり、「歴史」が変更される可能性が生まれてしまうので、わが国の周辺国は勿論、連合国諸国も・・・いやなのです。それで、そのような動きを「歴史修正主義」というレッテルを貼り、まるで「陰謀論」のように扱うのです。

戦後ずっと「東京裁判等の戦後処理」の正当性を守ることが、周辺諸国や連合国諸国の一致した利益であり、そのため、それら戦後処理の正当性の補強材料として、周辺諸国や連合国諸国は、ことあるごとに、また継続して、いわゆる従軍慰安婦問題や石井部隊の問題や化学兵器の遺棄の問題や南京の問題とか、戦前・戦時中のわが国の政府や軍が「数々の犯罪を行っていた」と問題化、そうする事で「わが国の政府や軍の犯罪性」を・・・ことあるごとに言及してきたというのが狙いであると思います。

なぜ「わが国が復讐戦争や報復戦争をおこすのではないか?」と考えるのかというと、「歴史」を変更する方法が「先の戦争の戦勝国に挑んで(闘って)勝利する」ことしかないからです。それを米国はじめとする戦勝国=連合国と周辺諸国はしっているから・・・。

安倍首相の「河野談話の扱い」と「いわゆる従軍慰安婦の問題にたいする態度」が問題にされる理由が、なんとなくわかったのではないか?と思います。

ところが、安倍首相の実現を望み、支持していた人たちが、「安倍首相が河野談話を引き継ぐ」といった態度に期待を裏切られたと感じた人が多かったようで、安倍首相の態度を批判する人が多いのですが、この方達は安倍首相の言動の真意を誤解しているのかもしれません。近親憎悪というか、安倍首相に期待していただけに・・・がっかりしたのでしょうが・・・。

私見で恐縮ですが、「安倍首相の真意」は、「安倍内閣が主導して、発議して、河野談話の見直しや変更や取り消しは行わない」という事ではないだろうか?と私は思います。

つまり、自民党とか、民主党の一部の議員とか、「河野談話に否定的な人たち」が議論を起こして、政党や国会で、河野談話の議論を発議し、変更を求めるといった流れになれば・・・、ということを安倍首相は・・・狙っているのだと思います。

あくまでも、安倍内閣が積極的に働きかねないが・・・。なぜなら・・・政権が崩壊してしまえば・・・河野談話と引き換えに「他の重要課題を自らの手で行う可能性」を放棄するかもしれないというリスクを考えると・・・とても・・・冒険できないという判断だったのかもしれません・・。

まあ・・・そういった考え方もあるので・・・短期的なことでの一喜一憂は・・・心臓にも悪いので・・長い目でみたほうがいいと思います。


(私のコメント)
アメリカの下院議会でなぜ今頃従軍慰安婦問題で対日非難決議が上程されたのかというと、中国や韓国などからの移民がカリフォルニア州などで多くなり、反日をひとつのスローガンとして政治活動をしているのだろう。その中には中国の工作資金も入っていることだろう。アイリスチャンの「レイプオブ南京」を原作にした映画などの製作も行なわれている。

アメリカで何故今頃このような運動が活発化しているのか? 中間選挙で民主党が多数派になったことによりアメリカにおける親中派が議会を通じて日米関係を揺さぶりに来ている。共和党のブッシュ政権下ですらこのような政治活動が活発化しているのだから、二年後の大統領選挙で民主党大統領が誕生すれば、政府と議会とが一体となったジャパンバッシングが復活するだろう。

何故アメリカの民主党は日本に対して敵意を抱く政党なのだろう? F・Dルーズベルト大統領は民主党の大統領であり、日本を追い込んで戦争を仕掛けてきた張本人だ。7年間にわたる対日占領政策も民主党政権下で行なわれた。アメリカの民主党は東京裁判も当然関与している。

だから東京裁判の正当性をひっくり返される事は米民主党にとっては許しがたい行為であり、だからこそ米民主党は中国や韓国の反日を背後から煽って東京裁判史観を日本人に徹底的に叩き込もうとしているのだ。従軍慰安婦問題もその一つなのだ。

だから日本では一貫して教育、マスコミ、ジャーナリズムなどが東京裁判史観に基づいて、大東亜戦争が侵略戦争であることを言い続けてきたのです。しかしインターネットが普及してくるにつれてブロガーの中に大東亜戦争はアジアの解放戦争であり人種解放戦争であることを主張するサイトが増えた。

それが根も葉もない事であるならば民族主義者の暴論として誰も相手にされないが、歴史年表を見ればわかるとおり大東亜戦争を契機にアジア、アフリカ諸国は植民地から独立して、人種差別の激しかったアメリカでも公民権法案などの法律が出来て人種差別は無くなったのだ。もし大東亜戦争がなければ欧米の帝国主義はそのままだっただろう。

そのような意見が世界の歴史学会で多数派になってしまうとアメリカをはじめとする旧連合国は困った事になる。だからこそアメリカは中国や韓国を炊きつけて、背後から歴史問題で日本は侵略戦争をして悪い事をしたと言わせているのだ。だから日本にとっての本当の敵はアメリカの民主党なのだ。彼らこそ中国と手を組んで日本を潰そうとしている。

しかしこのような問題では、騒ぎ立てれば騒ぐほど問題の矛盾点が明らかにされて、今までの様に左翼マスコミや左翼政治家だけで世論は動かなくなってきている。朝日新聞や筑紫哲也氏や田原総一郎氏などの左翼ジャーナリストがテレビで何を言おうが、ネットで集中砲火を浴びて捏造報道が暴露される時代になっている。

従軍慰安婦問題も南京大虐殺問題もネット上での議論では決着が付いている問題ですが、気がついていないのはマスコミや政界であり、これからは中国や韓国やアメリカのネット上における言論合戦に焦点が移っていくのだろう。

「株式日記」でも英語版などで情報を世界に発信していきたいと思ってはいるのですが、日本語と英語のいい翻訳ソフトが出来るのを待っているのですが、それが出来れば世界のブロガーとも言論を通じて日本の主張を展開していきたい。もはや新聞やテレビなどのマスコミだけで世論は形成される時代ではないのだ。




  焚き付けたのは【朝日新聞】

   ちょっとお話が・・・               煽ったのも【朝日新聞】
    ∧_∧
    ( @∀@∩ @@@@@            ヴァサ ' ⌒ヽ   プスプス・・・
    (つ   /  <`Д´ > ナニニカ?         ミ丿   |    ( )
    人⌒lノ  _|⊃斤/(___           (  煽 │ミ   (
    し(_) / └-(____/      .∧_∧ ゝ/__ ノ   @@@@@ アレッ?
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        ( -@∀)/      < #`Д´>
             (⌒⌒)         /  、 つ ヴァサ  (つ y斤)
             ((⌒⌒))        (_(__ ⌒)ノ   彡   < /_ヽ、>
.         ファビョ━l|l l|l━━ン       ∪ (ノ         レ  レ
              l|l l|l
    ∧_∧ シュボッ @@@@
    ( -@∀) 火 ∩#`Д´>'') 火をつけたのも【朝日新聞】
    /    つ□ ヽ斤y斤ノ
   ((_,. )    < /フヽ、>.
     しし'        レ'

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::口::口::口::口::口::口::口::  |.  \
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::口::口::口::口::口::口::口::  |   |   尻に火が点いてるのも【朝日新聞】
                |   |
::口:: 从 ::口::口:     人,   |
:   ヘ::人    ,,   从):::::::(  |
 从 ゴ オ オ ォ ォ ォ … ::::(::
人 (:::::ヘ::::)  ):::::::)ノ:::|  人 (:::火::::)
):( )::ゝソ::(  ):( )::ゝソ:::(  ボ オ オ ォ ォ …






従軍慰安婦問題で安倍総理訪米の訪問先々でデモを仕掛ける。
朝日新聞や中国や北朝鮮の情報宣伝戦の日米分断作戦だ。


2007年3月10日 土曜日

従軍慰安婦情報戦に打ち勝つには?(1) 3月10日 クライン孝子

そういえば、全く偶然だが1昨日、インド総領事館の招待で、数人の外交官と最近のアジア状況について語る機会があった。早速6カ国協議と核+拉致問題を話題にした。彼らの話を整理するとこうだ。

ハノイでの日朝作業会については、例の従軍慰安婦問題とは一対として捉えるべきで、北は日本がこの拉致解決問題を必ずテーブルに上げると予期し、すぐさま先回りし例の従軍慰安婦問題を米下院決議に掛けるべき行動に移したと見ている。

そしてこう言い放ったものです。、

「これ情報戦争ですからね。今回は中韓朝トライアングルによる情報戦略でして、これにより日本を何が何でも屈服させてしまおうというので陽動作戦を展開している。

彼らの筋書きはこうです。

この問題を突きつけることで、日本政府に揺さぶりを掛け、官邸内部、はては自民党内の足並みの乱れにつなげようという。お互いの競争心を利用し、仲間同士に不信感を募らせることで、不安を煽り立てる。その上で日本国内の世論をメデイアを通し分断してしまう。

今回の安倍首相による従軍慰安婦問題での強気な発言では、、彼らはこの作戦が見事に成功したと判断し、次の筋書きへと駒を進めていく。

その作戦とは、

分断作戦により、官邸内の足並みが揃わず、一枚岩でことが進まず、苦慮するのをいいことに、次は、安倍総理訪米に焦点をあてる。そして、安倍総理訪問の訪問先々で、米国民のシンパを抱きこんで、中韓朝三国の国民を、至るところに配置し大々的にデモを仕掛ける。

当然全世界のメデイアにとってこの画像は効果的で、ニュースとしては一級品です。そうなればしめたもの!日本屈服作戦は大成功!恐らく彼らはそこまで計算した上でシナリオを描いている。

そうさせないようにするにはどうすべきか。国民一致団結し、一本化することで、特に東京とワシントンの風通しを良くし、緊密に連絡を取り、慎重にことにあたること!」

さて日本の政治家さんにその決断ありやなしや?


共産勢力の「工作」の温床「日中友好」「日韓友好」を考え直そう 平成17年4月8日

 朝日のように繰り返し「反省せよ」「謝罪せよ」という面ばかりを強調することは、韓国や中国の内政干渉に対して抗議するどころか、不当な非難に迎合し、それを呼び込む態度である。

 韓国の反日キャンペーンは、すべて背後に北朝鮮の意思と指令が働いていると思わなければならない。今や韓国という国があるのではなく、北朝鮮があるだけと考える必要がある。やはり本日の『朝日新聞』「私の視点」欄には、朝鮮名の東大助手が、朝鮮は一つという見方をすべきだと書いている。朝鮮半島は今や北朝鮮主導で思想的に統一されようとしているのである。

 米軍の少女轢き殺しとか、竹島とか、何かきっかけをつかんでは反米・反日を煽り、民族の一体感を利用して左翼的な統一を図るのが北朝鮮の戦略である。最も恐ろしいのは武力による侵攻ではなく、思想宣伝戦による浸透である。その戦略を韓国政府が実行させられているのである。両者は一つだという現実を見なければならない。

 したがって、その挑発に乗って、ますます反日の火を盛んにするのは北朝鮮の思う壷だとしても、逆にびくびくして言うべきことを言わないのも、これまた北朝鮮の思う壷である。

 そうした巧妙な共産主義者らの揺さぶり、情報宣伝工作に対して、日本は難しい舵取りをしなければならない。

 こうした状況の中で、今までどおり「韓国とも中国とも対立しない」ということを絶対の前提にするかぎり、にっちもさっちもいかなくなる恐れがある。日本政府は奥歯に物のはさまったようなことしか言えないでいる。情報宣伝戦において、負けっぱなしという状況である。

 この辺で「日中友好」「日韓友好」というスローガンを一度捨てたらどうであろうか。言うべきことをきちんと言う、それで関係が悪くなるなら、一度悪くなったところから出発し直してはどうか。そこから徹底的に「歴史の真実」とやらを日本人の中でまず明らかにしたらいい。そうでないと、今のままの「日中友好」「日韓友好」では、「反日的日本人」を増やすばかりである。

 ただし、それをやると、経済界が反対するし、アメリカのアジア戦略と抵触するのだろう。アメリカは韓国をこちら側につなぎとめておきたいので、日韓の対立を極力抑えようとしている。また北朝鮮に6ケ国協議を拒否する口実を与えないようにと、拉致問題で制裁をするのにブレーキをかけているらしい。

 しかし、その戦略に従っていると、日本国民はどんどん反日にされていくのに、対抗的な宣伝教育ができないまま、共産「工作」が浸透していくことになる。日本が韓国のように北朝鮮の傀儡になるというのも、決して杞憂ではない。自民党中心の政権が崩れて民主党主導の政権ができれば、韓国の二の舞いにならないという保証はないのである。

 そうした状況の中で、アメリカの思惑に反しても、日本は中国や韓国の思想教育と宣伝に対抗する教育と宣伝をもっと積極的にやるべきではないか。アメリカは韓国を自由陣営にとどめておくという戦略でやってきたが、日本のラインで食い止めるという戦略に転換した方がいいのではないか。でないと、中国批判、韓国批判ができないでいるあいだに、つまり思想的に無防備でいるあいだに、日本まで韓国化して、「向こう側」に取り込まれてしまう危険がある。

 アメリカは韓国から地上軍の一部を引き上げまたソウル近辺から撤退させたが、もしかすると韓国からの撤退の可能性も考えているのかもしれない。しかし今のところは、当面の6ケ国協議を保つために日本の手足を縛っている。日本は「穏便に、穏便に」と言っているだけでは、思想・宣伝戦に負けてしまうだろう。

 日本はアメリカの都合のいい戦略に従っているだけでなく、日本独自の立場から、戦略を持たなければならない。その中で対中国、対韓国の態度を決めていかなければならない。

 少なくともこれだけははっきりと言える。政府が率先して「反日」感情を煽っているような国とは、絶対に友好関係や同盟関係は持ち得ないということである。つまり日本は中国や韓国・北朝鮮とは、友好関係ではない、別の関係を持つことを覚悟しなければならないかもしれない。もちろん政権は固定しているわけでも、永遠に続くわけでもない。事態は流動化するかもしれないので、固定した見方は禁物である。しかしどういう事態になっても対処できるように、日本は長期的・短期的戦略を整えておかなければならない。



(私のコメント)
朝日新聞の社説を見ればわかるとおり、中国や北朝鮮は拉致問題に対抗して従軍慰安婦問題を持ち出してきている。朝日新聞はまさに北朝鮮の機関紙でありアメリカのニューヨークタイムスとも連携している。新聞などの言論機関だけなら勝手なのだろうが、アメリカの下院議会までが反日決議をしようとしている。

問題の根源は河野談話によって政治的な決着をつけようとしたことが、かえって彼らにつけこませる理由を作ってしまったことになる。中国や韓国や北朝鮮は一歩譲ると調子に乗って二歩も三歩も要求を拡大させてくる。反論しようとすれば友好を損なうとして自制してきたことが裏目になってしまっている。

彼らの常識からすれば黙っていれば認めたことと同じ事になってしまうようだ。たとえ講和条約で決着が付けられた事も中国や韓国や北朝鮮は何度も持ち出してきます。日中戦争当時も何度も休戦協定が結ばれても協定は守られず挑発してきて戦争が拡大してしまったのと同じです。

彼らに対するやり方は北朝鮮が拉致問題は解決済みと取り合わないように、従軍慰安婦も講和条約で解決済みと突っぱねるしかなかったのですが、河野洋平議員のような彼らに迎合するやり方が問題をこじらせてしまいます。朝日新聞や民主党の一部の議員は北朝鮮の工作員なのでしょう。

小泉首相が靖国問題で最後まで中国や韓国の言う事を聞かずに靖国参拝を続けたように、安倍首相も最後まで主張を貫き通す事が中国や韓国に対する最善の策だ。困るのは中国や韓国であって主張を貫き通せば靖国カードが出来たように従軍慰安婦カードで主導権をとるくらいの覚悟が必要だ。

中韓朝の情報宣伝戦のシナリオによれば、安倍総理の4月末の訪米に合わせて、従軍慰安婦問題をキャンペーン材料に使って大規模なデモを計画しているようだ。アメリカ下院の反日決議も安倍訪問まで延ばされてデモを盛り上げようという計画なのだろう。

ニューヨークタイムスやロスアンゼルスタイムスのような元々親中反日新聞が騒ぐ程度なら問題はないのでしょうが、アメリカ下院で反日決議が通るとなると外交問題になる。中韓朝の反日トライアングルにアメリカが加わると厄介になる。さらには南京大虐殺の映画がアメリカで作られるなど中国の工作は本格的になっている。

中韓朝のアメリカにおける反日宣伝工作に対して日本は何もしてこなかった。従軍慰安婦問題ではじめて日本大使が抗議の書簡などを送っていますが、普段から中国の誤った事実の宣伝工作に対抗する宣伝戦を仕掛けておくべきだった。放置していれば問題を大きくされるだけなのだ。

親米ポチ保守派も従軍慰安婦問題ではおとなしくしていた方がいいというスタンスですが、安倍総理のアメリカ訪問で大規模な反日デモが計画されてもおとなしくしていれば問題は片付くのだろうか? 反日デモで勢いが付く事で下院の反日決議が通る社会的な状況が作り上げられてしまう。それが彼らのシナリオだ。

ここまで来たらダメ元で徹底した言論戦をアメリカに対しても行なうべきなのだ。親米ポチ保守派は日米に亀裂が出来る事を心配するだろうが、アメリカ下院で反日的な決議がなされる以上は放置していれば問題はますます拡大してしまう。中韓朝以上の徹底した情報宣伝戦を日本は仕掛けるべきだ。

日本の新聞やテレビなどのマスコミは在日社員に主導権を奪われて、朝日新聞と同じように中韓朝の宣伝機関に成り下がっている。従軍慰安婦問題も朝日新聞が仕掛けたことであり、それによって利益を得るのは中韓朝なのだ。その新聞を日本人は読み続けているのですが、我々日本人はこの事に気かつくべきだ。

今回の事では日米関係にも亀裂が入るのは避けられない事だろう。しかし反日を仕掛けてきたのはアメリカの下院議会であり反日決議が下されればその事実は消す事ができない。この反日決議は1924年に出来た「排日移民法」に相当するような日本における反米意識を盛り上げる決議になるだろう。





     ∧_∧  
   ⊂(・ω・ ) <強制連行された従軍慰安婦など、存在しません!
     ∧_∧と)
     <゚`Д´゚ >⊃ <歴史の検証は、データより国民感情を優先すべきではないかーっ!
    (つ  /J                            by 東亜日報
    | (⌒)
    し⌒

     ∧_∧  
    ..(・ω・ )⊃ <彼女たちは正式に雇用された「職業売春婦」です!
     ∧_∧ )
  ⊂<゚`Д´゚ヽ>゚ <民族の自尊心を挫く現実など、とうてい受け入れられないーっ!
     ヽ ⊂ )                               by 朝鮮日報
    (⌒) |
      三 `J

 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |  2006.02.21    |
 | 従軍慰安婦は  |
 |  存在しない!  .|
 |     ∧_∧   |  
  ̄ ̄∩(・ω・ )∩<これがアメリカ連邦最高裁判所の“最終判断”です!
     ∧_∧  )
     <゚`Д´゚ >⊃ <韓国に対する愛情はないのかーっ!?
    (つ  /J                      by 韓国歴史学会
    | (⌒)
    し






アメリカ経済終わりの始まり 松藤民輔(著) ゼロ金利解除
が意味するもの 2006年現在、円は世界の基軸通貨になった


2007年3月9日 金曜日

100円が75円に 3月7日 松藤民輔 の部屋

この図を眺めれば、いかにサブプライムローンの話が深刻か解かる。2006 年8月には100あったサブプライムモーゲージボンドの価格インデックスが先週は75ポイントまで下げているではないか!!

サブプライムモーゲージボンドとはサブプライムという比較的信用度が低い消費者層に対し、少し危険だけど金利が高いので・・・という理由で銀行がこの数年、積極的に貸し出していたローン。そのモーゲージ(住宅ローン債券)を証券化した債券の価格である。
100円のものが75円になった。(実際は2月27日に73まで下げた。)100兆円残高があれば25兆円が損した事になる。今年、住宅ローン関係の借換えが1兆ドル(120兆円)はあるという。だとしたらサブプライムローン債券からの損失は膨大なものであろう…。
全てのローン債券の劣化が始まっている。これらの債券を持っているのが、金融機関関係だとすれば、金融株が1ヶ月で21%下げた理由はこれだろう。流動性の危機は始まっている。



サブプライムローン 3月2日 松藤民輔 の部屋

HSBCという世界3位の銀行がサブプライムローンの件で100億ドルの貸倒引当金を積んだとの事。2月20日に、フォークロージャー100件と書いたが…。

今週末、トールブラザーズという高級住宅販売会社の前期の売上が67%減と発表された。明らかに米国不動産販売は減速というより急ブレーキがかかってしまった。フォークロージャーとは物件差し押さえの事。ニューヨークで前年同期比18%増のフォークロージャー。ブルックリンとクィーンズで毎週100件のフォークロージャーが起きている。
ブルックリンからクィーンズまで歩いたことはないが、大変なスピードでサブプライムローンの市場で変調が起きている。
という事は、日本の10年前、銀行がおかしくなった時と似ていないか。銀行がおかしくなり、銀行の手持ちの株や債券を売却しなければならない。貸しているお金は相手に物件を売らせても返してもらう。米国の金融のトラブルが実はドルを強くしていく構造なのだ。ユーロは207円かな…。



アメリカ経済終わりの始まり』 松藤民輔(著)

◆ゼロ金利解除が意味するもの

円は世界の基軸通貨になった

目を転じて日本の金利の変遷を考えてみると、1989年12月に4・25パーセント、翌90年に6パーセントに上がる一方、株価は89年から90年にかけて3万8000円台から2万5000円台にまで下落して、いったん戻る。

「国債が売られながら株価は反転する」という事態である。日銀が公定歩合を上げるとインフレが沈静化する、と思っているエコノミストや投資家は少なくないが、先にも述べたとおり、じつは金利を上げると株価も上がるのだ。

というのも、インフレには「資産インフレ」と「商品インフレ」の2つがみるからだ。80年代に株価が上昇した要因は、資産インフレ、すなわち不動産価格と株価のインフレだった。しかし、それ以降は一貫してデフレである。2006年7月、日銀は金利をようやく0パーセントから0・25パーセントに上げたけれども、これを契機として、日本の株価は上下動をくり返しつつ、結局、上昇していくことになる。

ところで、過去の「金利0パーセント」ということがいったいどんな意味を持っのかといえば、じつは「円は世界の基軸通貨になった」ということなのである。日本の資金流出は年問1兆ドルもある。NYダウの上昇にしても、不動産価格の上昇にしても、短期金利が上昇しているのに長期金利が低いままで推移したことにしても、すべて、日本からアメリカヘの資金流出がなければ起こりえなかった現象ばかりである。

アメリカ人は消費好きだから、2000年に可処分所得に対する負債比率が120パーセント以上になり、貯蓄率は1929年の金融恐慌時と比較してもマイナス4パーセントである。家計も国家財政も債務超過であり、いつ金融恐慌が起こってもおかしくない。一方、アジア、とくに韓国は現在ものすごく不景気である。06年夏ごろから、街を歩いてもタクシーの空車がとても目立つ。

アジア諸国は基本的に不動産価格がどんどん下落している。アジアはアメリカの住宅投資に支えられているが、その恩恵をいちばん受けているのは中国だ。アメリカは対日本、ドイツ、カナダには140億-180億ドルの貿易赤字である。ところが、中国だけで800億ドルもの貿易赤字なのだ。アメリカはG7ではなく、中国との間で大きな貿易不均衡があることに注目しておきたい。

ただし、これからも引き続きアメリカからの需要を期待できるかどうかはわからない。中国政府はそれがよくわかっているから、外国人や外資系企業に頼らない政策に方針転換しつつある。 (P73〜P75)


ゼロ金利でも世界のマネーは日本をめざす

金持ちのいない国が繁栄したことはない!

ドルの価値は、この30年間で実質的に3分の1になっている。いわゆる「ドルショック」により変動相場制になったおかげで、為替はどんどん円高に振れた。

1ドル=360円が1ドル=120円になったのであれば、それだけでドルは従来の3分の1しか購買力を持たないことになる。ドルの弱体化であり、逆にいえば、円がそれだけ強くなったということだ。いわゆる、円高ドル安である。

すでに円はこれだけ高くなっているのだから、1ドル=140円、1ドル=160円になったところで、30年前と比較すれば円高基調であることに変わりはないのである。

これだけ弱くなったドルに対して最も上がっているのは円なのだ。たとえ超低金利でも、人気があれば世界中から資金が集まってくる。一方、通貨の弱い国は、金利をどんなに高くしてもお金は集まらない。たとえ「金利20パーセントで回します」といわれても、元本が返ってこなければ話にならない。危なくてしかたがないからだ。

たとえば、もしあなたがアジアや南米、アフリカを旅したことがあれば実感しているはずだ。現地で通用するのは現地通貨とドル、そして円だ。しかも現地の人々は、自国通貨よりもドルや円をほしがる。なぜか?自国通貨は、ドルや円に比べて価値がないからである。

通貨も商品の1つだから、人気のある通貨には価値があり、人気のない通貨には価値がなくなる。円は戦後、どん底からドルの3倍も価値を高めてきた。1995年4月には、1ドル=79円75銭という超円高になったことさえある。

ドルが不人気になるのには理由がある。たとえば、その後、98年10月には、わずか数日間で1ドル=135円から1ドル=111円台まで急激に円高が進んだことがある。この年、ドル暴落の要因はルーブルの切り下げ、対外債務凍結といったロシアの通貨危機に端を発し、先に述べた巨大ヘッジファンドであるLTCMの破綻があった。当時、アメリカはドル高政策で株式市場をバブルにしていたものの、中南米の通貨不安の影響まで受けて先行き不安が強まり、一気に円高ドル安へと進行したわけである。

ゼロ金利でも買いたいと世界中から人気の円は、2006年現在、すでに基軸通貨になっている。日本の政治家には世界を支配しようという野心などないから自覚がないけれども、すでに日本は円という通貨で世界をコントロールしているのである。

世界のお金はどこに向かっているかといえば、もちろん、もっともっとお金持ちになれるところである。すなわち少しでも税金が低いところ、少しでも利回りの高いところである。

いままでは、優良企業の誘致合戦がくり広げられていたけれども、今後は「お金持ちの誘致合戦」になるだろう。関西弁でいうところの"えげつない〃ほどの誘致が展開されるのではなかろうか。もちろん、アメリカも例外ではない。これまでも、アメリカは金利を高めに誘導することで世界の資金を自国に誘致していたのである。利率が上げられなくなったら、今度は税金の引き下げ競争になることは間違いない。

世界史の中で、金持ちがいない国が栄えたことはない。世界が日本にやってもらうと困るのは、国債を非課税にしたり、所得税をゼロにしたりすることである。税制は国家の戦略だから、日本国債をある程度購入したら相続税を免除するとか、資産家の外国人に永住権を与えたり、国債の購入額によってビザを用意したりすることだってできる。しかし、それをされたら世界中の資産家が日本に集まってしまい、ほかの国々は困ってしまう。

しかし外国を見れば、たとえばカナダでは、25万ドルでビザを発給している。おおいに消費してくれるからぜひ住んでほしい、というわけだ。これだけの資金で資産家として歓待してくれるのだ。

言葉も通じない、職業教育も受けていない不法移民とは歓迎度が百八十度ちがうが、それは当たり前なのである。資産家のたくさんいる国はそれだけで税収が増えるし、消費も期待できる。ビジネスでも展開してくれたら、自国の労働人口も吸収してくれる。なにより、資産家は自国民の労働機会、平たくいえば「職場」を奪うことがない。つまり、国にとって歓待すべき人間たちなのだ。資産家をたくさん抱え込めれば、その国は経済的に豊かになる。

「清貧の思想は?」というなかれ。「恒産なくして恒心なし」のほうが現実的ではなかろうか。 (P80〜P83)


(私のコメント)
欧州中央銀行が金利を0,25%引き上げて3,75%にしましたが、ユーロが独歩高の中での利上げは日本銀行の常識では考えられない事ですが、欧州中央銀行の本当の狙いは何だろうか? 更なるアメリカからの資金流出を加速させているのだろう。

日本も二度にわたる金利の引き上げで徐々にアメリカから資金を引き揚げさせようとしているように見える。日銀と欧州中央銀行が共同歩調で金利を引き上げればアメリカも金利を引き上げる環境が出来ましたが、実はアメリカは「松藤民輔の部屋」で指摘されているように、サブプライムローンが破綻の危機にある。

サブプライムローンについては、2月28日の株式日記での「ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」でも指摘していますが、要するに住宅ローン破綻が生じ始めているのだ。このような状況でアメリカのFRBは金利を引き上げる事ができるだろうか?

株式も世界同時株安でニューヨークの株式は一時サーキットブレーカーが働くほどの暴落が起きて株式市場も亀裂が生じてしまった。いわばミニブラックマンデーが起きてしまった事であり、1987年のブラックマンデーはドイツ銀行の利上げが引き金になっている。

ブラックマンデーの余波は世界を何週も回り、結局は東京市場がそれを食い止めた。しかし当時の日本はバブル発生の真っ最中であり、ドイツ銀行のように金利を引き上げるべきであった。そうすればバブルの発生は防げたのだ。しかしブラックマンデーでアメリカ経済を支えざるを得なくなり、政府日銀は金利を引き上げなかった。

当時の私は千葉にマンションを建て、都内にオフィスビルを建てていましたが、鉄筋工や型枠工が確保できないほど建設ラッシュが始まっており、これほど景気が過熱しているのもかかわらず日銀は金利を引き上げないのは何故だろうと感じていた。

ブラックマンデーの再発を恐れたアメリカから猛烈な利上げに対する圧力がかかっていたのだ。ドイツ銀行は利上げが出来たのに日本銀行は利上げが出来なかった事がバブルを発生させて失われた15年を日本にもたらしたのだ。

当時と現在の状況も似ている。日本は企業業績も回復して一部にミニバブルも発生している。EUもインフレ気味で利上げでインフレを押さえ込みたい。このような状況で日本とEUとが金利を引き上げれば、アメリカからの資金引き揚げが行なわれてアメリカも金利の引き上げで食い止める必要が出来ている。しかし住宅ローンバブルの崩壊が始まっている。

このような状況は松藤民輔氏の「アメリカ経済の終わりの始まり」を読めばよくわかるだろう。ニューヨークの株式も28日の世界同時株安の時からの反発力も弱く、アメリカの株バブルの崩壊が始まったように見える。欧州中央銀行の利上げと日銀の利上げがきっかけとなったと後世言われるほどの暴落が起きるかもしれない。

株式日記では2000年頃もアメリカの株式は天井を打ったから近いうちに暴落すると何度か書いてきましたが、ナスダックの崩壊や9,11テロの暴落などがありましたが、イラク戦争という公共事業や日本のゼロ金利による資金流入でアメリカの景気は支えられてきた。

ところが欧州と日本の利上げはアメリカのバブルを崩壊させる事になるだろう。ブラックマンデーもFRB議長がボルカーからグリーンスパンに代わったばかりでしたが、今回の世界同時株安もグリーンスパンからバーナンキに代わったばかりだ。

1987年当時と現在とが一番違う事は、当時はドルしか世界の基軸通貨がなかったが、現在ではユーロが出来ていることだ。松藤氏の『アメリカ経済の終わりの始まり』によれば『円』が世界の基軸通貨になっているということですが、28日の世界同時株安は円キャリートレードの逆流によるものですが、円も実質的に基軸通貨になっているようだ。

基軸通貨とは紙に印刷すればそのまま通貨として通用する通貨体制ですが、ドルも円もその条件を満たしている。日本政府や日銀は円高やゼロ金利が何を意味しているのか気がついていないようだ。だから財政再建などと財務省のバカ官僚は言っているようですが、日銀総裁もその事に気がついているのだろうか?

アメリカがドル安で通貨価値を年々失い始めて、金利を高くして日本や欧州からの資金流入でなんとかアメリカ経済を支えてきましたが、アメリカ経済が破綻すればドルは世界の基軸通貨でなくなるだろう。アメリカはもはやパソコンソフトと農産物しか売るものがない。

アメリカが誇る軍事力もイラク戦争を見る限り作戦能力のある陸上部隊は数千人の海兵隊しかいない。これではイランに攻め込めといっても出来るわけがない。北朝鮮への譲歩もアメリカの軍事力が空洞化していることの証明だ。日本の政治家も早くこのことに気がついて日本の自主防衛を考えるべきだろう。


パックスアメリカーナは終わりの始まりの時代が来ているのだ。




米国が核の傘で日本を守ってくれるという保障は消滅した。
北朝鮮の核は米国へは抑止力、日本に対しては攻撃力となる


2007年3月8日 木曜日

北朝鮮の核保有で劇的に情況が変化 3月8日 極右評論

北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で設置が決まった作業部会が開催されている。ニューヨークでは米朝、そしてハノイでは日朝が交渉をおこなった。この作業部会を見ても分かるように、この北朝鮮の核問題というのは、日米VS北朝鮮という図式なのである。

 日米が中国やロシア、韓国を交えた6カ国協議の中で進めてきたのは、中国やロシアが北朝鮮に対してそれなりの影響力を行使して欲しいとの思惑からだった。

 しかし、中国もロシアも北朝鮮の存在を日米に対する戦略的な牽制の道具くらいにしか考えておらず、そのような影響力を期待したのが間違いであったのである。

 今回の6カ国協議で際立つのは、何と言っても北朝鮮の外交的勝利である。先ず悔しいがこれを認めないわけにはいかない。6カ国協議は本来は北朝鮮の核開発を断念させ、それを阻止することに最大の眼目があった。

  だが、現実には北朝鮮の核保有宣言と核実験によってそれは吹き飛んでしまった。現在行なわれている交渉の前提は、北朝鮮がその核を放棄するか、どうかである。

 ここにきて日米間の足並みが微妙に揃わなくなってきた。その理由は米国の方針転換によるもので、日本側は苦しい選択を迫られている。なぜ、このような結果となってしまったのか?

 そのことをマスメディアは書こうとしない。真実を書けば日本国民が衝撃を受け、日本人が戦後抱いてきた平和という幻想が明白な事実として露呈されてしまうからである。

 例えマスメディアが書かなくとも、多くの日本人は既に気が付き始めています。米国は北朝鮮が核を保有したという、その現実の前に屈したのです。

 北朝鮮は米国の通貨であるドルの偽札を大量につくり、それを世界中にばら撒いていました。米国と北朝鮮は停戦状態であり、表向きはドンパチはありませんが、裏ではこのように熾烈な戦いの中にあったのです。

 敵対国の通貨を偽造してそれを大量にばら撒くというやり口は、北朝鮮という国家がいかに無法な犯罪的国家であることを証明していました。だからこそ、米国も必死に経済制裁、金融制裁を実施してきたのです。

 米国はご存知のように世界最大の軍事覇権国家です。しかし、現在はイラクに足を取られ、またイランの核開発の脅しによって身動きが取れなくなっています。

 その隙を突くかのように北朝鮮は核開発を急テンポで推し進め、ついに核実験まで成功させて、核保有国家への道を歩みだしたのです。我々が今目にしているのは、このような冷徹なまでの現実です。

 つまり、何を申し上げたいかといえば、いくら規模の小さな核兵器といえども核戦力を保有したという、その事実が巨大な軍事国家である米国をも屈服させてしまうということなのです。

 北朝鮮がこれまで執拗に繰り返し主張してきたことが実は間違いではなかった。北朝鮮は核開発は抑止力という主張を見事に証明して見せたのです。米国の方針転換はそのためであったことは言うまでもありません。

 北朝鮮の核戦力が米国に対して抑止力になりますが、日本にとってはどうでしょう。米国が北朝鮮との核戦争を覚悟するなら、今回のような妥協はありえなかった。

 もはや、米国が核の傘で日本を守ってくれるという保障は消滅しかけています。北朝鮮の核は米国へは抑止力になり、逆に日本に対しては攻撃力となります。日本はもろに北朝鮮の核戦力の脅威に晒されることになりました。

 現在の特亜の情況とは、北朝鮮が核保有国家となり、これまでの戦力的なバランスは崩れ、米国はその北朝鮮との対決を避け、対話による共存を選択し始めたという事実です。

 こうなった場合、我が日本の選択肢はどうあるべきなのか?これまで述べてきた前提が日本では重要視されていない。今でも北朝鮮は経済力の乏しい国だとか、貧しい国であるということしか放映されない。

 経済力の違いなど現代の戦力には全く関係がない。核兵器が出現する前までは、戦争とは経済力を加えた総力戦であった。だから経済力のない北朝鮮など問題ではなかった。

 しかし、我々が今目にしているのは全く違うのです。それはどのような最貧国であっても核兵器を保持することによって、強大な軍事大国に対抗できることを見せ付けたのです。

 我々はこの現実を直視して、日本もまた特亜の軍事大国に対する戦略を固めなければなりません。その選択肢はおのずと限られます。日本が自国を守るために何をなすべきなのか。

 そのことが今問われています。その自国を如何に守って行くのか。それさえも口に出来ない政治家がなんと多いことか。国会で「北朝鮮の核戦力に対抗し、日本も核武装すべきではないか」そのような質疑を耳にしたいものである。 (後略)



(私のコメント)
6カ国協議でアメリカは北朝鮮を拉致問題が解決しなくともテロ支援国家から外すようです。金融制裁にしてもマカオ当局に任せる事で実質的に制裁は解除されるようだ。このようなアメリカの裏切り行為は懸念されていましたが、このままでは北朝鮮はいつでも核開発を再開できる体制で援助だけを勝ち取るつもりなのだろう。

ベトナムで行なわれている日朝協議も予想されたごとく北朝鮮の会談拒否で前には進みそうもない。問題なのは日本とアメリカとの北朝鮮に対する交渉態度にズレが生じ始めていて、アメリカと北朝鮮はドイツでどのような合意がなされたのだろうか? 日本はその内容を知っているのだろうか?

株式日記でも北朝鮮がアメリカに寝返る可能性について書きましたが、そのような合意がドイツでなされたのだろうか? 北朝鮮は海外駐在員の子供などを引き揚げさせているようですが、北朝鮮国内で何が起きているのだろう? 北朝鮮からの外国への亡命は増え続けていますが、北朝鮮崩壊の前兆なのだろうか?

これ以上は想像するしかありませんが、あらゆる可能性を検討して日本は手を打たなければなりませんが、日本における情報分析力はほとんどないに等しい。北朝鮮がアメリカに寝返る事にしても可能性の一つなのですが、戦国時代の常識からすれば敵を寝返らせるのが一番の上策なのだ。しかし金正日にそれだけの外交的なセンスがあるのだろうか?

アメリカが日本を裏切って北朝鮮に全面譲歩するならば、日本も何らかの手を打つことが必要だ。北朝鮮と日米は敵対的関係があるからMDシステムを導入しようとしていますが、中国が衛星破壊実験で成功した事からも、アメリカの防衛システムは無力化される可能性が出てきた。GPSがなければアメリカのハイテク兵器は役に立たない。だからMDシステムは無駄だから不採用も検討すべきだ。

アメリカとイランも一触即発の状況ですが、イラクの戦況からしてイラン攻撃は墓穴を掘りかねない。イラクのゲリラ達はアメリカのヘリを8機も撃墜している。イランを攻撃するのは簡単だがそれ以上はどうする事もできない。むしろ反撃されてホルムズ海峡が封鎖されればイラクの米軍は袋のねずみになってしまう。

アメリカはイラクに対しても北朝鮮に対しても手詰まり状態になり、最悪の状況で手を引く事になるだろう。肝心のアメリカ本国の経済状況がおかしくなり始めている。最近の世界同時株安はニューヨーク市場においてサーキットブレーカーが働くほどの大暴落となったわけですが、アメリカのバブル崩壊が本格化してくるとイラクや北朝鮮にはかまってはいられない状況となる。

つまりはアメリカが日本を裏切って北朝鮮と妥協してしまうのならば、日本としては金利をどんどん上げていってアメリカから資金を逆流させてしまえばいいかもしれない。株は大暴落して海外の事にはかまっていられなくなり、イラクからも撤退するかもしれない。

金利の引き上げは日銀の専管事項だから日本政府は関係がないからアメリカ政府も文句の言いようがない。しかし何の為に日本はアメリカを経済的に支えているのか説得して、イラクやイランから手を引かせて北朝鮮問題に対して強く出るように説得すべきなのだ。しかし日本の政治家は口が裂けてもそんな事は言えない。

日本が金利を0,25%上げただけでアメリカの株価はショック死寸前まで行ってしまった。アメリカにとって日本は資金の供給源でありドルの基軸通貨体制を支えている重要な同盟国のはずですが、北朝鮮問題に対する裏切り行為や、従軍慰安婦問題で下院で対日非難決議を出すなど、嫌がらせ的な態度が目につく。

しかし日本政府もアメリカ政府もこのような状況を認識しているのだろうか? 先日の世界同時株安は日本が世界を動かしているとも言えることを明らかにしたとも言えるのですが、日本は外交面においてはアメリカにまかせっきりにしているが、アメリカが日本の思い通りに動いてくれないのならば、日本としてはアメリカに引導を渡してもいいのではないかと思う。




元慰安婦に米国で日本政府を相手どって訴訟を起こさせ、勝訴
して日本政府から補償金をせしめられれば、弁護士は儲かる。


2007年3月7日 水曜日

米国議会が「慰安婦」問題にご執心の理由 3月7日 国際派時事コラム「商社マンに技あり!」

 慰安婦問題で、ほんらい当事者でもない米国の議会下院が、日本に謝罪を求める決議案を審議しつつある。 百歩譲って韓国の議会がこれをやるなら理解の余地があるが、何でまた米国の議会が?

 米国人女性の慰安婦がいたとはついぞ聞いたこともないし、 もし米国人女性を(ありえないことだが)日本軍が拉致して慰安婦にしていたとしたら、戦後裁判で関係者は全員死刑となり、とっくに解決済だったろう。

■ 儲けそこねた弁護士ら ■

 なぜいま、慰安婦問題のためにここまで米国の議員たちが動くのか? まず、100%の確信をもって言えるのは「正義感から」ではない、ということだ。 ひょっとしたら日米を離反させようという朝鮮国、中国あたりの工作資金が動いているのかもしれないが、

むしろコラム子が思うに、米国の弁護士連中が、慰安婦をネタに日本政府を相手どった訴訟を起こせるような環境を整えようとしているのだと思う。

 米国では日本軍に虐待された(とされる)捕虜への個別補償を求める訴訟が、いっときブームだった。 米国の弁護士連中は、騒げば日本政府からカネがふんだくれるかもしれないと、博打(ばくち)を打ったのだ。


 ところが米国連邦政府が、昭和26年のサンフランシスコ平和条約で解決済という当然の事実を再確認したから、日本政府からの補償金は取れず、弁護士連中は基本料金をせしめただけ。チンジャラの世界は、見果てぬ夢となった。

■ 捲土重来(けんどちょうらい)■

 そこで周りを見渡してみたら、ありました! カネ儲けのネタが。

 元慰安婦に米国で日本政府を相手どって訴訟を起こさせ、勝訴して日本政府から補償金をせしめられれば、弁護士は儲かる。儲け話になるなら、やってみるのが弁護士である。

 日本の議員さんは(とくに地方議員は)、本職は土建業者だよなんて人がけっこういるのはご存知のとおりですが、米国の議員さんたちはほとんど全員が「弁護士」です。

 落選したらシンクタンク入り、滑り止めは弁護士稼業。じつは米国というのは「弁護士のために弁護士が社会制度を決める国家」なのです。

 この補助線を引くと、理解不能な出来事がすっきり理解できることがあるので、覚えておいてください。

 読者のなかには、米国国籍もない韓国人やフィリピン人の元慰安婦が、なぜ米国で訴訟を起こせるのか?と疑問を持たれる向きもあると思いますが、これが、できちゃうんですねぇ。

 米国には50州にそれぞれ異なる州法がありますからね。そのなかで自分の主張に見合った州法を探して、これぞという州で訴訟を起こせばよいのです。

 勝訴しても、日本にある資産の差押えはできませんが、米国にある資産の差押えは、やればできる(かも)。(ここでまた弁護士の活躍の場が……!)

勝訴するには、日本政府からもう一声の謝罪がほしい

 おそらく米国の弁護士たちは、慰安婦訴訟で勝訴して日本政府から補償金を せしめられるようにするにはどうずればよいか、悪知恵をめぐらしたはずです。

 ところが「まずい」ことに、日本政府から補償金をとりたてられるような犯罪的行為の証拠がないことなんですね。だって、日本軍による「慰安婦にする女性の拉致」なんて事象は1件も見つかっていないわけですから。

 証拠不十分のなかで裁判に勝つには、被告側(日本政府)に四の五の言わずに頭(こうべ)を垂れてもらうしかないわけです。そこで、平成5年のいわゆる河野洋平官房長官の談話でもって、勝訴の材料にできるか検討したわけですが、あの談話は曖昧模糊としていて(だから安倍政権でさえ踏襲すると言っているわけですが)補償金を分捕るための材料としては今ひとつなのですなぁ。

 しかも既に古い!

 日本政府に対して、いま新たな訴訟を起こそうとするなら、河野洋平談話以上の新たな謝罪を日本政府から言明してもらう必要がある。

 それさえあれば、「お聞きなさい。日本政府がようやく謝罪しました。これはサンフランシスコ平和条約では手つかずの問題でした。だからこそ、わざわざ日本政府が今になって正式に謝罪したのですよ。ですから、補償金の問題も一から議論する必要があるのです」と論理展開ができる。

 だから、弁護士連中の都合としては、どうしても新しい形の、一歩踏み込んだ新たな謝罪を日本政府から引き出すことが欠かせないわけです。

■ 突っ込みどころ満載 ■

 日本政府が新たな謝罪をすれば、それをベースにカリフォルニア州あたりで新たな州法を作り、元慰安婦が日本政府を相手どって訴訟を起こせる環境を作れるわけです。

 そうなれば米国人の弁護士は儲かるし、訴訟の進展で否応なしに日米は感情的に離反するから中国・朝鮮はウハウハです。(だから「日米友好」のためにも、日本政府は新たな謝罪行為などぜったいしてはいけない。麻生さん、頼みますよ!)


 3月6日の『ニューヨーク・タイムズ』紙の社説は

                No Comfort(「慰安なし」)

と題して、虚偽に満ちた、読むにたえない議論を展開しています。「日本軍は強制的な女性狩りを行って、女性を強姦しつくすための施設をつくったのだ」という、突っ込みどころ満載の主張で始まるのですが、まぁ この新聞のバカ正直なこと。最終段落にホンネが集約されています。

 以下、訳文とコラム子の突っ込み。コラムの最後に、この最終段落の英文原文もかかげておきます。

≪1993年の声明(泉注:「河野談話」のこと)は、うやむやにするのではなく、もっと詳しく踏み込むべきだ。

日本の国会は率直な謝罪を行い、存命中の犠牲者たち(泉注:元慰安婦のこと)に対して公的資金による惜しみない補償金を供するべきである。≫

 そぉら、出てきたでしょ。

「公的資金による惜しみない補償金」が目当てなのですよ。 もちろん、そのかなりの部分が米国の弁護士の実入りになります。


■ 第一歩 ■

≪いまや日本の政治家たちに、それもまずミスター安倍を筆頭に、認識してもらいたいことがある。恥辱に満ちた過去を克服するための第一歩は、それをはっきり認めることなのだと。≫

「過去を克服する」とは、きわめて韓国人好みの言い方ですなぁ。そんな発想、英語にあったのかねぇ。『ニューヨーク・タイムズ』はいつから韓国紙になったの?

 安倍首相が頭(こうべ)を垂れるとしても、それはただの

            第一歩。

 そのあとには「公的資金による潤沢な補償金」を求める訴訟の山が待っているのであります。 世界に向けてじつに分かりやすく楽屋裏(がくやうら)の事情を語ってくれた『ニューヨーク・タイムズ』紙でした。それにしても何と罪深い社説!

 日本側の動きについて言えば、安倍首相はコメントを控え、自民党の国会議員こそが日本代表としての発言をおこない、メディアに乗せるべき。だって、米国側も動いているのは「立法府+(中国・韓国ペースの)メディア」であって、行政府ではない

 日本側が先走って、行政府の長(安倍首相)が応戦に回ってはいけない。

■ 将来を見据えた課題 ■

 安倍首相のすべきことは、河野談話の撤回を視野に置きつつ、日本および米国の(および中国、ロシアにあるところの)歴史文書を分析し、デマ情報をそぎ落としつつ、戦争中の日本軍・日本勢の動向を一日単位で把握するデータベースを整えることです。

 日本は独裁国家ではないのだから、官房長官談話を首相の個人的見解で撤回させることはできない。 撤回には、膨大な官僚の人知の投入が先行せねばなりません。それを、はじめることです。

『ニューヨーク・タイムズ』社説の最終段落、英文原文を掲げます。
 a frank apology(率直な謝罪)generous official compensation(公的資金による惜しみない補償金) the first step(第1歩)などがキーワードです。

The 1993 statement needs to be expanded upon, not whittled down.  Parliament should issue a frank apology and provide generous official compensation to the surviving victims.  It is time for Japan's politicians -- starting with Mr. Abe-- to recognize that the first step toward overcoming a shameful past is acknowledging it.

===

▲ 後記 ▼

 いやぁ、優等生はつらいですなぁ。戦後61年余り、いい子にしてきたのに、この調子。隣りの中国など、さる1月12日に深刻な宇宙ゴミ事件を起こしてもオトボケ。今日ただいまの姿に、環境問題、農民搾取問題、チベット支配
をはじめ、大問題がてんこ盛りで、文化大革命問題はおろか天安門事件さえ、議論のまな板からずり落ちてしまっている。

 わたしが米国の弁護士軍団にお奨めしたいのは、文化大革命の被害者が中国共産党に対して賠償請求訴訟を米国で起こせるような州法を続々と立法することです。

 文化大革命の被害者のうち相当の数の中国人が米国国籍を取っているはずですから、慰安婦問題よりよほど似つかわしい。 もちろん中国は、それを阻止するためにカネをばら撒きます。米国の弁護士集団(=政治家軍団)は、まずそこで儲かります。

 それでも立法してしまえば、米国のそこここで巨額の補償金を求める訴訟がはじまります。 またここで弁護士は儲かります。中国共産党は、裁判に敗けても1ドルも払わないでしょうが、米国の弁護士軍団は中国共産党がさまざまな名義で海外にもっている資産を差し押さえです。

 さぁ、そうなると中国は米国国債を一気に売りにきますかな。


(私のコメント)
従軍慰安婦問題でまた騒がしくなってきましたが、「株式日記」でもたびたび書いてきました。今回の問題の発端はマイケル・ホンダという下院議員が中心になって「日本政府に謝罪を求める決議案」を議決に持ち込もうとしていることです。中間選挙で民主党が優勢になったので決議案は通るかもしれない情勢になっている。

そのような状況になってしまったのも、河野談話が原因になっているのですが、日本の政治家の甘い態度につけ込んで、日本政府を訴えれば補償金がもらえると日本やアメリカの弁護士連中が韓国などの元慰安婦に対して炊きつけて活動しているのだ。

金になると聞けば何でもする連中は韓国やフィリピンやインドネシアなどには沢山いる。現にアジア女性基金などの民間団体が設立されましたが、十分ではなかったようだ。いわば曖昧なかたちでの決着では収まらないから、今度はアメリカで訴訟を起こして日本政府から公的な資金を引き出して大規模な補償金をもらうのが目的なのだろう。

日本政府と韓国政府とでは戦時賠償問題は日韓基本条約で片付いているのですが、河野談話が出された事で、人権派の弁護士連中は、もう一押しすれば日本政府の正式な謝罪が出されて、裁判で賠償請求すれば巨額な賠償金をもらえると見込んでいるのだ。

一時期アメリカにおいて戦争被害の個別補償問題が起きましたが、これもサンフランシスコ平和条約で片付いた問題なのですが、戦争被害を個別に補償していたら何万件も訴訟を起こされてとんでもない事になってしまう。韓国や中国は講和条約で解決された事を、韓国や中国では何度も蒸し返しては補償金を要求してくるのだ。

だから日本政府としては講和条約で決着済みと突っぱねればいいものを、河野談話が出されたように日本の政治家のふらついた態度が中国や韓国につけこまれてしまうのだ。人権派弁護士といってもソ連の崩壊で共産主義活動では食っていけなくなった左翼連中が看板を付け替えたに過ぎない。

従軍慰安婦問題や南京大虐殺問題などは日本政府が対応すべき問題ではなく、歴史学会や言論界で問題にすべき問題であり、政府が動いては外交問題になってしまう。だから左翼議員の挑発には乗らずに、歴史上の問題は歴史学者に任せると受け流した方がいい。

ネット上では従軍慰安婦問題や南京大虐殺問題は議論にもならないほど左翼の論理は破綻しているのですが、物的な証拠も何もないのに単なるプロパガンダとして騒いでいるだけなのだ。問題なのはいまだに左翼政治家が自民党内にもいて韓国や中国の言いなりになって活動している事だ。

中国のハニートラップにかかったのかもしれませんが河野洋平衆議院議長は中国や韓国の言いなりだ。今回はアメリカの下院議会をからめて攻勢をかけてきていますが、彼らの狙いは日本政府の正式謝罪を出させる事で、従軍慰安婦訴訟を起こさせる環境を作って、訴訟を起こさせて巨額な補償金を出させる事だ。

つまりは中国も韓国もアメリカも日本が金になると思えばいろいろな手段でたかってくるヤクザ国家なのだ。それに対して日本の政治家は毅然と突っぱねればいいのですが、ふらついた態度が彼らにつけこまれる隙を作ることになる。戦時賠償問題は講和条約で決着済みとはねつけないとヤクザみたいな人権派弁護士につけこまれるだけなのだ。



◆日本の外務省は海外に向けての情報宣伝戦をまったく行なっていない。だから中国や韓国のプロパガンダに押し切られてしまう。このようなことに対してはネットを通じて反撃していかなければなりません。チャンネル桜の放送がユーチューブにありましたので見てください。

「河野談話の真相」中村粲(H19.1.21)(動画)

「河野洋平は責任を取れ」2-1(H19.2.26)(動画)

「河野洋平は責任を取れ」2-2(H19.2.26)(動画)

「河野洋平、強制の根拠を説明しろ!!」(H19.2.20)(動画)

米下院「慰安婦問題をめぐる決議案」に抗議する(H19.2.22)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−1(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−2(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−3(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−4(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−5(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−6(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−7(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−8(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−12(H19.1.13)(動画)

「討論『南京』日中情報戦争」13−13(H19.1.13)(動画)





ドルが基軸通貨でなくなれば? 通貨が暴落しハイパーインフレ
が起こる。ユーロの普及で、ドル体制がマジでやばくなってきた


2007年3月6日 火曜日

世界同時株安 3月5日 ロシア政治経済ジャーナル

(前略)
▼補足−円キャリー取引について

「円キャリー取引が株安の原因ですか?」という質問が何件かきました。わけのわからない質問ですが。

まず円キャリー取引ってなんでしょうか?

日本は世界的に見て金利が異常に安いですね。だから円を借りて、もっと金利の高い国に投資すればどんどん儲かる。円を借りて、それを他国で投資するために外貨を買うから、円がどんどん安くなっていった。

なんでも去年、日本は7兆ドル(840兆円)世界に貸したのだとか。それで、世界中に金がありあまって、新興市場株急上昇の原因になっていた。つまり、円キャリー取引は、世界中のバブルを作った原因なのです。

「この逆現象が今回の株安の原因」という人がいますが、これは原因ではなく結果でしょう。株が下がったから、借りた円を返すために、外貨を売って円買いをしている。(円キャリー逆現象)


だから株安と同時に猛烈な円高になっている。もう一度。

1、金利の安い日本で円をどんどん借りる
2、それを外貨に変えて儲かる外国に投資する
3、金がありあまり、新興市場がバブル化する
4、皆、「うわ!いつはじけるんだろう」と不安になる
5、売りのきっかけを待ち始める
6、アメリカと中国でネガティブな情報が出る
7、中国とアメリカで株が暴落し、それが世界に波及
8、世界同時株安に
9、円を借り外国に投資していた人たち(例欧米ファンド)は、株を売った
10、現金化した外貨で円を買い、日本で借りた金を返している
11、だから急激な円高が進んでいる


となります。

▼根っこの問題

ここからは、一般の解説とはちょっと違います。短期的な予測はひかえますが、長期的にはもっと深刻な問題があると思います。世界の経済構造が、激変しているということです。

しょっちゅうRPEに登場しますが。。。


「<ユーロ>現金流通から5年 米ドルを超えた模様

12月30日19時46分配信 毎日新聞

【ロンドン藤好陽太郎】欧州単一通貨ユーロの市中での紙幣流通量が今月、初めて米ドルを超えた模様だ。ロシアや中東地域などユーロ圏外でも保有する動きが広がっているほか、ユーロ高でドル換算した額が膨らんだ。

旧ユーゴスラビア連邦のスロベニアも来月1日から新たにユーロに加盟し、ユーロ圏は今後も拡大が予想される。通貨として誕生してから丸8年、現金流通開始から5年。ユーロは国際通貨としての存在感を強めつつある。」



つまり、「ボロボロになった覇権国家」や「ぶった斬り国際情勢」で予測してきたことが、いよいよ現実化してきた。アメリカは世界一の貿易赤字・財政赤字・対外債務国でしょう?でも、ドルが基軸通貨なので、ハイパーインフレも国家破産も起こらない。

じゃあドルが基軸通貨でなくなれば?当然、普通の国のように、通貨が暴落し、ハイパーインフレが起こる。ユーロの普及で、ドル体制がマジでやばくなってきた。これ、別に私だけがいってるんじゃないですよ。

ごく最近の記事。

「ヘッジファンド、ドルと米株に対して弱気に=調査
3月2日13時39分配信 ロイター

[ニューヨーク 1日 ロイター] 米コンサルタントのグリニッジ・オルタナティブ・インベストメンツLLCが1日発表したヘッジファンドに対する月例センチメント調査で、マネジャーらが米ドルと米国株の見通しについて一段と弱気に傾いており、今月は双方ともに下落すると予想していることが分かった。」

「調査によると70%のヘッジファンドがドルは他通貨に対して3月に下落すると考えている。」(同上)

「グリニッジのケン・ミラー上級副社長は同調査について、サンプル数は1兆4000億ドルの業界規模に比べると少なめながら、結果は米経済成長減速の可能性に対する懸念の強まりを反映していると指摘した。

同氏は
「ドルに関して言えば、「ここまで劇的なマインドの変化は過去に例がない」
              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と述べた。」(同上)


こういうことです。ドルの下落は、すなわちアメリカの没落ですから、そんな国の株なんて買っても仕方ない。
投資の神様はこんなことをいっています。    


「バフェット氏、米国民の債務水準と貿易不均衡に懸念を表明
3月2日15時30分配信 ロイター

[ニューヨーク 1日 ロイター] 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は1日、米貿易赤字が拡大する中で国民があまりにも多くの債務を抱えているため、
米経済はソフトランディング(軟着陸)を享受できないかもしれない
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との懸念を表明した。」「 昨年の米貿易赤字は6.5%増加して過去最大の7636億ドルとなる一方、個人貯蓄率は2年連続でマイナスとなった。」(同上)


どうですかこれ? 1年間に約91兆円(!)の貿易赤字。日本の貯蓄率は3%、アメリカはマイナス(!!!)。アメリカは、国も個人も借金まみれで、なんで存続しているのか不思議なくらいなのです。

(ドル基軸通貨体制で存続している)


▼アメリカの危機対策1(第2のカリスマを呼ぶ)

ピンチに陥ったアメリカ。一体どうやってこの危機を乗り切るのでしょうか?06年7月に、元ゴールドマンサックスのポールソンさんが財務長官になりました。その後、アメリカの株は一貫して上がり続けていた。

06年9月28日には、ダウが1万1724.86ドルをつけ、2000年1月14日以来の史上最高値をつけています。ところが、アメリカのマクロ経済について、いい話は聞こえてこなかったですよね?

06年9月28日の時事通信。

「ダウ、史上最高値を突破=6年8カ月ぶり−米株式

【ニューヨーク28日時事】28日午前の米株式相場は、減速傾向にある米景気のソフトランディング(軟着陸)への期待が高まり、優良株で構成するダウ工業株30種平均は取引開始直後に1万1724.86ドルを付け、2000年1月14日に記録した終値ベースでの史上最高値(1万1722.98ドル)を6年8カ月ぶりに突破した。」


この理由どうですか? 「減速傾向にある米景気のソフトランディングへの期待が高まり」史上最高値をつけたのだそうです。これ、論理的ですか? 「ソフトランディングする」というのは、「悪くなるけど、ゆっくり悪くなるよ」ということでしょう?

悪くなるとわかっているのに株買いますか、皆さん?

結局、今のアメリカは90年代後期のように、「IT革命!」「ニューエコノミー!」といった投資家を興奮させるイデオロギーにかけている。

「じゃあなんで株が上がったの?」といえば、結局、「神様ルービンさんもゴールドマン、ポールソンもゴールドマン、悪くはしないだろう」という信仰なのではないでしょうか?

危機に直面したブッシュ政権はどうしたか?


「米財務次官にJPモルガン幹部のライアン氏を指名=ホワイトハウス
2月28日14時9分配信 ロイター

[ワシントン 27日 ロイター] 米ホワイトハウスは27日、辞任を表明しているティム・アダムズ財務次官(国際金融担当)の後任として、JPモルガン・チェース幹部のティモシー・ライアン氏(61)を指名すると発表した。」


指名は、世界同時株安が起こった日。

しかし、そうなる前から、グリーンスパンさんのいうような客観的条件はあった。カリスマをもう一人連れてきて、資金を呼び込む作戦です。

▼大公共事業は?

ブッシュが大統領に就任したとき、ITバブルは後の祭りでした。日本はバブルが崩壊して暗黒の15年になりましたが。。。さすがアメリカは、うまいことソフトランディングしましたね。どうやって乗り切ったんでしたっけ? そう、悪の公共事業。

01年にアフガニスタン公共事業、03年にイラク公共事業。
07年は、イランで公共事業をしたい。
工作はつづいています。
(後略)



アメリカ経済の延命策の終わりとその後  3月6日  田中 宇

(前略) 今後、円キャリー取引が縮小するとしたら、その影響は、円高として表れるだけでなく、アメリカの株式相場の急落にもつながりかねない。円キャリー取引の終わりは、アメリカの機関投資家にとって、自国の金利上昇から逃れて低金利の資金を得る方法の消失になる。資金のコストが上がり、投資をやめざるを得なくなり、株価を押し下げる。

 アメリカ経済は、01年に低金利政策が導入されて以来、低金利という「お金のコストの安さ」をテコにして成長してきた。低金利の住宅ローンで家を買い、みんなが家を買うので住宅価格が上がり、住宅を担保にして金を借りることが流行し、米国民はその金で自動車や家具を買ったり、株式投資をしたりした。株価は上がり、米経済は成長した。

 しかし、04年からの利上げによって、住宅ローンのかなりの部分を占める「金利変動型ローン」を組んでいた人々がローンを支払えなくなり、アメリカでは昨年、住宅ローンを組んでいる92世帯に1世帯が破綻し、住宅ローンのノンバンクが2カ月間に22社倒産している。住宅着工は減り、自動車など耐久消費財の消費も急減している。住宅バブルの崩壊で、米経済は不況に陥りつつある。(関連記事その1その2その3

 自宅を担保に金を借りて株式投資していた人々は、代わりに証券会社から金を借りざるを得なくなり、株式の証拠金取引の残高が急増している。今後、米経済が不況の兆候をさらに強め、株価が下落傾向に入ったら、証拠金取引をしている人々は「追い証」の支払いを要求されて投げ売りせざるを得なくなり、株価の下落に追い打ちをかける。非常に危険な状態が始まっている。前回、アメリカで証拠金取引が急増したのは、2000年のハイテク株バブル崩壊の直前だった。(関連記事その1その2

 資金の流れを見ても、すでにアメリカは投資先として敬遠されている。昨年後半以来、世界からアメリカに流入する投資資金が先細っている半面、アメリカから世界に流出する資金が急増している。マスコミの論調に騙されている一般市民の投資家は、まだアメリカ市場に投資しているのだろうが、状況を冷徹に分析している大手の機関投資家は、すでにアメリカ市場に見切りをつけ、逃げ出している。関連記事) (後略)



(私のコメント)
日本のバブル崩壊後における大蔵省の財政や日銀の金利政策には首を傾げざるを得ない部分がありましたが、日本の景気を回復させるのは簡単なのですが、日本の景気が回復すると当然金利が高くなってしまう。日本の金利が高くなるとアメリカに資金が流れなくなり、アメリカの株が大暴落してアメリカ経済が破綻してしまう。

その為に85年のプラザ合意以降、日米の金利差を確保する事で日本からアメリカに常に金が流れ込む仕組みを作り上げた。アメリカのドル基軸体制はゆるぎないものであり、日本企業はアメリカにどんどん物を売る代わりに、紙に印刷されたドル紙幣を溜め込んだ。それを還流させる為には金利差が常に必要だ。

90年代のクリントン政権時代はそれが一番上手く行った時代であり、グリーンスパンFRB議長とルービン財務長官のコンビは政府の財政赤字を解消し、IT革命やニューエコノミーの神話を作り出してアメリカ経済が永久的な繁栄を続けるかのような話がまかり通った。

しかし2000年のITバブルの崩壊はその神話をぶち壊した。クリントンの後を引き継いだブッシュ政権はもはや打つ手がなくなっていた。そして9・11テロ事件が起きてアフガニスタン侵攻やイラク戦争でアメリカのバブル崩壊を吹き飛ばそうとした。 2007年はイラン戦争で同じ事を続けるのだろうか?

しかし9・11テロ事件はもう一つの流れを作り始めた。ユーロの誕生で世界の金持ち達はアメリカは危ないと見てユーロに資金を静かに移し始めたのだ。世界的投資家のウォーレン・バフェット氏もアメリカの双子の赤字を憂慮してユーロに投資をしている。

このようにアメリカ経済はヨレヨレ状態なのですが、日本からの資金還流が株価を支え、アメリカの財政赤字を支えている。ところが日銀が金利を引き上げ始めてから世界同時株安が起き始めるようになった。去年の7月のゼロ金利解除の時もわずか0,25%の金利でもアメージングマーケットは株が暴落した。

2月の追加の金利引き上げで0.5%になりましたが、ニューヨーク、東京、ロンドンと世界に波及するようになった。それでもまだ0,5%だから、これが1%、2%と上がっていったら世界的株価の大暴落が起きるだろう。それはアメリカ経済の終わりを意味する。そして世界の基軸通貨はドルとユーロの二本立てとなるだろう。

このようにアメリカのドルが唯一の基軸通貨でなくなるときは、アメリカといえども巨額の貿易赤字や財政赤字を続ければハイパーインフレに見舞われることになる。ドルは暴落して紙切れになり、90年代のロシアのような状況になることも考えられる。

90年代の日本は何度か景気が回復しかけましたが、その度に政府日銀は財政再建と称して支出のカットや消費税などを引き上げて景気回復の芽を潰してきた。日本には1500兆円もの金があるのだからそれを有効に使えば景気の回復は出来るのですが、政府日銀は財政支出をカットして緊縮政策でデフレ経済にしてしまった。

日本を常に円高と超低金利とデフレ状態にすることでアメリカに資金が流れるようにする為なのだ。日銀はどちらかというとユーロ派であり、日銀の外貨資産の30%はユーロである。ところが政府の外貨準備はほとんどがドルで持っている。このねじれ現象は何なのだろうか?

9.11テロ事件以降アメリカは半狂乱状態となり、中東の石油を武力で支配する為にイラクに攻め込んだ。もしかしたらイランにも攻め込むかもしれない。アメリカとしてはイチかバチかの賭けなのですが、アメリカの軍事力を見せ付けることでドル基軸通貨体制を守ろうとした。しかし中国にも衛星破壊実験でアメリカの弱点を攻撃されてしまった。

今度の世界同時株安は円キャリートレードの実態を浮かび上がらせましたが、日銀が世界への資金供給源となって世界の景気を支えてきましたが、資金がだぶつけば引き締めなければならない。今回は三重野日銀総裁のバブル崩壊の時のような無茶なバブル潰しではなく、グリーンスパンFRB議長のとったようなバブルを潰さない金融政策が望まれる。




中国の07年予算案の国防費は、前年当初比23.6%増
軍事費大増強を間接支援する「元安」を容認するアメリカ


2007年3月5日 月曜日

中国 国防予算23.6%増 19年連続2けたの伸び 3月5日 毎日新聞

【北京・飯田和郎】中国国務院(政府)が5日開幕の全国人民代表大会(全人代=国会)に提出する07年予算案の国防費は、前年当初比23.6%増の約3509億元(約5兆3300億円)に上ることが明らかになった。2けたの伸び率は89年から19年連続。前年当初比で20%以上の増加は94年以来となる。

 全人代の姜恩柱報道官が4日の記者会見で公表した。前年実績比では17.8%増になる。
 中国が1月にミサイルによる衛星破壊実験を実施したこともあり、国防費の透明性が向上しない現状では、日米などで対中軍事脅威論が勢いを増しそうだ。温家宝首相の4月訪日を控え、改善基調にある日中関係にも影を落とす可能性がある。

 姜報道官は国防予算増加の理由として(1)現役軍人の給与など待遇向上や退役者の生活保障(2)兵士の訓練や生活条件の改善(3)情報作戦能力向上のための装備強化−−の3点を挙げ、「05年の国防費は米国の6.19%、日本の67.52%にすぎない」と脅威論の打ち消しに努めた。

 中国は近年、海軍、空軍、戦略ミサイル部隊などのハイテク化を進める一方、05年末までに20万人の兵員削減を完了し、兵力は230万人体制となった。現役、退役を問わず軍人の待遇改善に力を入れている胡錦濤政権は、国防費の大幅増による軍への「厚遇」で配慮を示したと言える。

 中国は日本との間で問題化している東シナ海のガス田開発など経済成長の維持に不可欠なエネルギー資源の確保に奔走。海洋権益を守るためにも軍事力の整備を急ぐ。

 また、来年3月の総統選を控え、中台関係が緊張することも視野に入れている。日米安保が台湾海峡危機を想定していることから、ハイテク戦への対応の一環として「情報作戦能力向上」はとりわけ急務のようだ。

 ただ、自民党の中川昭一政調会長が先月26日、「20年ぐらいの間に、ここ(日本)は中国の何番目かの省になるかもしれない」と発言し、日本が軍事的に中国に支配される可能性に言及するなど関係国は中国の軍事力増強に懸念を抱いている。

 中国人民解放軍の廖錫竜・総後勤部長は4日、「経済発展に見合う適度の増加」と主張したが、各国の疑念は膨らみそうだ。

中国の07年度国防予算案は、日本の同年度の防衛関係予算案の4兆8000億円を上回ったが単純な比較は難しい。中国国防費には新兵器を独自開発する国防科学技術工業委員会の予算は含まれておらず、ロシアをはじめ外国からの先進兵器購入費も別枠になっている。

 日本など西側諸国の国防・防衛費の定義を適用した場合、中国の実際の国防費は公表額の2〜3倍に達するとの見方が一般的。英国の有力シンクタンク、国際戦略研究所は1月、中国の06年度の軍事費は推定約1220億米ドル(約14兆3000億円)と算出した。4日公表された06年度の国防費は実績ベースで約2986億元(約4兆5400億円)。実際はその3倍以上だったといえる。【北京・飯田和郎】



対中国政策の鍵を握るポールソン米財務長官:なぜ財務省は元相場切り上げに消極的なのか? 2月20日 中岡望

中国側に押し切られた米中戦略経済対話」

米中戦略経済対話の設置に見られるように米中の間の経済問題は深刻の度合いを増している。議会では、貿易不均衡を理由に中国制裁法案が相次いで提出されるなど、保護主義的な動きが強まっている。特に産業界や労働組合から人民元切り上げの要求が出されている。ポールソンの財務長官としての最初の任務は、国内での保護主義の動きを押さえ込みながら、中国政府に為替相場の弾力化を求めることであった。

ポールソン長官は9月19日の訪中から帰国してすぐ中国の輸入品に一律27・5%の課徴金を課すことを求める法案を提出しているシューマー上院議員とグラハム上院議員に法案の撤回を求め、説得に成功している。議会での保護主義の動きを牽制しながら、同長官は12月の戦略経済対話に臨んだ。この対話で中国からなんらかの妥協を取り付けることで事態の改善を図るというのが、彼の戦略であった。だが、その思惑は成功を収めたとは言いがたい。

対話の最初に中国側代表の呉儀副首相は「アメリカの友人たちは中国の現実についてほとんど知識を持っていないし、非常に誤解している」と、延々と中国の歴史の説明を始めた。2日にわたる対話も具体的な成果のないまま終わる。ポールソン長官は、中国に金融改革を引き続き継続することを求める一方、米中不均衡はアメリカにも責任があり、アメリカも過小貯蓄問題に取り組むと約束させられてしまった。

現実的な穏健路線を取るポールソン長官に対して、バーナンキFRB議長は為替問題に対してさらに突っ込んだ発言を予定していた。同議長が中国社会科学院で行う演説で、当初の原稿には「中国の為替政策は輸出業者への“実質的な補助金”である」という文言を織り込んでいた。しかし、最終的にその文言は落とされ、“輸出業者へのインセンティブ”であるという言葉に置き換えられた。中国の為替政策を“補助金”と断定することは、中国に対する報復を容認する意味合いが含まれているからである。アメリカ代表団の中国批判は迫力を欠いていた。

対話終了後、ポールソン長官は「米中政府は中国が改革を必要としていることで全面的に合意した。問題はそのタイミングである」と語っているように、中国政府は為替政策、金融改革も独自の路線を譲ることはなかった。ポールソン長官も、本音では、急激な元高を実現は米中経済にとって好ましくないとの認識を持っており、中国の金融改革に時間がかかることも熟知している。

「日米円ドル委員会」で大蔵省が「一歩一歩改革を進めていく」と主張したのに対して、当時のリーガン財務長官が「大またで改革を進めるべきだ」と強硬に主張したのと比べると、「米中戦略経済対話」での財務省の姿勢は大きく異なる。それは、日米経済関係は日本の一方的な対米輸出超過であったのに対して、米中経済はアメリカ企業の直接投資やアウトソーシングを軸に互いに補完し合う関係にあるからである。また、改革に伴って2000万人の失業者が出るとの推計もあり、失業問題を処理するために中国は高い成長率を維持する必要がある。急激な元高は輸出依存の中国経済の成長を阻害し、それが中国の社会不安をもたらす懸念もある。中国政府は内需転換を政策課題に掲げているが、中産階級が未熟な中国で消費増加を促進することは容易なことではない。中国を熟知するポールソン長官が、そうした事実を知らないはずはない。



(私のコメント)
中国が経済成長を大きく上回るペースで軍事費を大増強していますが、ついには日本の防衛予算をも上回る金額になってしまった。実質的な予算規模は14兆円にもなるということですが、日本にとってはただ事ではない。中国は原子力潜水艦の増強や、宇宙衛星撃墜実験に見られるようなスターウォーズにも力を注いでいる。

このような中国の軍事増強は日本にとっては脅威なのですが、アメリカは元安を容認しつつ中国の経済発展を支援している。中国の元安については2月27日にも書いたように83年当時は1ドル2元程度だったのが94年には1ドル8元にまで対ドルレートが引き下げられた。

順調に経済発展がなされていれば貿易黒字なのだから対ドルとの交換レートは切り上がって行くはずなのですが逆に切り下がっている。最近では5%ほど切りあがっていますが1ドル7,8元程度でほとんど上がっていない。世界最大の対米貿易黒字を溜め込みながらドルに対して切り上げられないのはおかしい。

中国は国民を只同然の安い賃金で働かせながら経済発展をさせて、それを軍事増強に使っている。アメリカのポールソン財務長官は中国の元安に対して寛容な態度で臨んでいる。ポールソン財務長官は親中派と知られており、過去70回も中国を訪れている。

アメリカがどのような思惑で中国の元安を容認しているのかわかりませんが、中国の軍事予算が大幅に伸びている事に対してどう考えているのだろうか? 80年代の日本に対する貿易不均衡に対する態度と現在の中国に対する寛容な態度とは不可解なのですが、アメリカの議会も対中制裁決議などを出そうとしてもアメリカ政府は押さえ込んでいる。

アメリカ政府は日本に対しては強い圧力をかければ言う事を聞くという認識があるが、中国は外国からの圧力には屈しない外交的な伝統がある。本来ならば中国がこれだけ経済発展すれば労働者の賃金も上がって、元のレートも上がって購買力が出来て輸入が増大するはずだ。ところが中国政府はそれを押さえ込んでいる。

このような状況が続けば中国の輸出依存体質は変わらず、労働者の賃金は低いまま抑えられて消費も拡大しないから中産階級も育たない。この事は中国にとってもアメリカにとってもマイナスである。一部の都市部の住民は経済発展の恩恵を受けてマンションに住んで自動車を乗り回しているが、農村にはその恩恵が及んでいない。

そのような貧富の差は革命前の中国と大して変わらぬ情景であり、やがては中国の内乱を予感させる。貧しい農村の暴動は年々増えつつあり、巨額の軍事費を国内経済のために回せばと思うのですが、軍部のタカ派はますます勢力を拡大して軍国主義化を進めているのではないかと思う。

中国が軍事大国に変貌した時は、東南アジアなどはその勢力下に置かれて、台湾も戦わずして併合されているかもしれない。そのようになることをアメリカの奥の院も考えているのだろうか? 最近のアメリカ政府の外交戦略が猫の目のように変わり外交が迷走している。北朝鮮に対する外交も大きく変わりつつあるが、このような秘密外交は日本を疑心暗鬼にさせる。



最近の中国発の世界同時株安は世界の金の流れを浮かび上がらせていますが、今日の東京市場の株の下落が止まらない。日銀は0,25%の利上げをしただけで円キャリトレードの逆流が始まり円高株安の流れが止まらない。「株式日記」では利上げはまだ早すぎると書いてきましたが、円高株安が回復しかけた景気を悪くしそうだ。


円急伸、3カ月ぶり115円台=世界株安で円買い継続−東京市場 3月5日 時事通信

週明け5日午前の東京外国為替市場の円相場は約3カ月ぶりに1ドル=115円台まで急伸した。世界的な株価下落を背景にドルを売って、円を買い戻す動きが継続している。午前9時現在は116円10〜12銭と、前週末比1円54銭の円高・ドル安。
 朝方発表された2006年10〜12月期の法人企業統計で、設備投資額が市場予想を上回る伸びを示したことで、円買いが一段と活発化した。「日経平均株価の下落幅が一時400円を超えたことも円買い材料になった」(準大手証券)という。





どの指標を用いてもユーロ高を説明できない中で、
金利差でしかユーロ高・円安を説明できなくなっている。


2007年3月4日 日曜日

「なぜユーロ高」 2006年9月3日 関係性

ユーロが円に対して高くなり続けている。それも01年以後、急激に上がり続けている。それに対して、ドルは円に対して03年と04年に急落したが、ほぼ120円前後で推移している。
 実際の数字で見ると次のようになっている。01〜05年までは12月末で、06年は8月31日で、およその数値で表示した。
       01   02   03   04   05   06
1ドル = 131円  120円 106円  103円 116円  117円
1ユーロ=118円  125円 135円  138円 140円  150円



 日本経済新聞(8月8日付け朝刊)に「『円の実力』低迷続く」が掲載された。ユーロやポンドに対して円安が鮮明になってきた。
 この要因について、次のように説明している。
 「ユーロ圏の金融政策を担う欧州中央銀行(ECB)は、好調な域内景気や物価上昇に対応、昨年12月から利上げを進めている」。そして、「国内では7月に日銀がゼロ金利政策を解除し、円安の最大の要因となっていた主要通貨との金利差拡大に歯止めがかかるとみられていた。ただ、市場では『日銀は当面追加利上げに動かないとみており、金利が低い分だけ円そのものの実力が弱まっている』(BNPパリバ銀行の好川弘一FXトレーディング部長)」とこの記事では説明している。

 これを要約すると、金利の高い地域の通貨に世界の資金が集まるため、ユーロが円に対して強くなった。金利が高い貨幣が他の貨幣に対して強くなる

 日経新聞(8月15日付け朝刊)に「ユーロ圏 6年ぶり高成長」が掲載された。
 この記事では、EU統計局が4−6月期のユーロ圏12カ国の域内総生産(GDP)を実質ベースで前期比0.9%増と6年ぶりの高成長を伝えている。国際比較でも米国と日本を上回った。
 ユーロ圏の失業率が6月に7.8%と04年に比べて1ポイント近く下がり、雇用環境も改善している。

 また、円安・ユーロ高は日本の輸出企業に大きな恩恵を与えている。自動車、電機、精密機器がその代表例である。例えば、06年6月中間決算で、キャノンはこの為替による営業増益効果が430億円あり、マツダ自動車は4−6月期で34億円あった。

  欧州での営業利益が多い主要企業
順位  社名   欧州での営業利益  連結に占める割合
 1 トヨタ自動車   939億円       5.0%
 2 日産自動車   671億円       7.7%
 3 キャノン      332億円       5.7%
 4 ホンダ       263億円       3.0%
 5 武田薬品工業  245億円       6.1%

 8月末になり、ついに朝日新聞(8月30日付け朝刊)で「ユーロ一時150円台」の記事が載った。その背景をユーロの金利高、円の追加利上げ観測が遠のく、ユーロ圏の成長、としている。
 結局、日経の記事と同じ見方をしている。


 以上の三つのニュースから、米ドル、ユーロ、円の相対的価値について、金利動向で動かされるカレンシーレートは真実を表現しているのかを次の三点から見ていく。

 @経常収支は「貿易収支」「サービス収支」「所得収支」「経常移転収支」のトータルで見たもので、ここでは単純に輸出額と輸入額との差(単位:億ドル)によって見ることにする。
       01    02    03     04    05
アメリカ -3860  -4760  -5280  -6650  -7920
 EU   +490  +310  +190   +40   -440
 日本  +500  +820  +960  +1160  +750


 アメリカは貿易赤字を拡大し続け、EUは貿易黒字を減少させついに05年には赤字に転落した。それに対して、日本は永続的に貿易黒字を維持し続けている。

 A失業率について統計数値(単位:%)で比較する。
          01  02   03   04   05
アメリカ    4.7   5.8   6.0   5.5    5.1
EU(フランス)8.7   9.1   9.9  10.0    9.9
EU(ドイツ)  9.4   9.8  10.5  10.5  11.7
日本      5.0   5.4   5.3   4.7   4.4


 この失業率で比較すると、アメリカは03年以降徐々に低下し、EUは10%前後で推移しかなり高率であることを示している。日本は02年以降徐々に低下し続けている。

 B実質GDPで見た成長率で比較する。
       01   02   03   04   05
アメリカ  0.5    1.6    2.7    4.2    3.5
 EU    1.8    1.2   1.2    2.4   1.6
 日本   0.2     1.1   2.3   1.7    2.6


 アメリカとEUの実質GDPが04年に上がり、05年に落ち始めている。それに対して、日本の04年が落ち込み、05年から上昇し始めている。生活実態や庶民感覚とは大きくかけ離れているが、それぞれの国の総経済力を表している筈である。

 ドル、ユーロ、円のレート関係がどこから出て来ているのかを検証する意味で、@経常収支、A失業率、B実質GDPを用いて、アメリカ、EU、日本の比較をしてきた。
 経常収支で圧倒的に日本が強く、失業率でEUのひどさが目立ち、実質GDPでEUと日本に大差がないことが理解できる。
 そこで、どの指標を用いてもユーロ高を説明できない中で、三つの記事で示された“金利差”でしかユーロ高・円安を説明できなくなっている。基本的に、貨幣価値はモノとの交換比率によって測定される筈である。だから、デフレが進行していた日本の円の価値は高まったといえる。それに対して、ドルもユーロもインフレに対応して金利が上昇してきた。貨幣そのものの価値を下げるインフレの中で、それを是正する方向に金利が上昇してきたと見るのが普通ではないのか。
 結果論として、“金利差”で説明するしか指標が見当たらないユーロ高・円安であり、これで説明する無理が@経常収支、A失業率、B実質GDPの実態がある。

 では、
ユーロ高・円安の本当の要因は何処にあるのか
 ほんの一握りの機関投資家に集中した資金が世界中を動き回っている。この資金はそれ以上に膨れ上がる場、金が金を呼ぶ場を探している。デフレと円安の日本に外資が入り込んだこと、急激なオイル高、貴金属の高騰、そしてユーロ高。
 その高騰を演出するために、経済評論家やメディアが動員され、無意識に“金利差”を合唱している。そして、老人も含めた個人の資金をその方向に誘導する金融機関(外貨預金等の投資信託)がその後追いで、高騰を実体化させた。
 お客と接する銀行員も一律にこの“金利差”で外貨預金を勧めている。

 03年は1ドル=110円を切るなら、04年は1ドル=105円を切るならという方向性から、政府による凄まじいドル買いによって円安を誘導し、輸出で大きな収益を上げている大手企業を応援してきた事実も、一握りの機関投資家への同調である。この中で、機関投資家によるドル売り・円買いからユーロ/ドル高騰の演出を行ったと考えられる。
 要するに、市場取引の公平さではなく、一握りの機関投資家の意向と政府の利用による行動をあたかも市場取引に見せかけている。そして、その成果は一握りの機関投資家の利益だけではなく、背後で癒着している大手企業の企業努力と関わりない利益が円安によってもたらされている。
 日本経済新聞(9月1日付け朝刊)で、「ニコン、営業益41%増」が載り、ニコンの想定為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=135円であり、1ユーロ=150円を突破し対ユーロによる円安効果だけで数十億円出そうだ、と説明している。
 ここでも、大きな利益を大手企業は手にしている。

 そして、郵便局まで投資信託で収益を上げ、庶民のお金が一握りの機関投資家の意向と同調させられている。そして、庶民は自分たちの小銭資金を守るために、「新自由主義」を継続する今の政権を応援することになる。最後の全ての資金(貯金、退職金、年金)を吸い取られるまで、泣きを見るまで、この庶民は気が付かないのかも知れない。
 ここでも、お金をかき集める機関投資家や大手企業が太りかえることによって、「経済格差」が拡大する。

 既に多くの庶民は毎日の生活で四苦八苦している。この庶民にとってはユーロ高・円安ニュースとの
関係性がないように映るが、円安による輸入品(ガソリン、水産物等々)の高騰がズシリと生活を圧迫することになる。


(私のコメント)
先週起きた世界同時株安は円とドルやユーロの金利差を利用した円キャリトレードが、日銀の金利引き上げによる巻き戻しによるものという見方が定説になりました。今日のテレビなどではフジテレビで世界同時株安を取り扱っていましたが、竹中氏は日銀の利上げはタイミングが悪かったと言っていた。

日本の経済状況を知る上では今回の世界同時株安は多くの問題点を浮かび上がらせている。2004年頃までは円はユーロと共にドルに対して高くなってきたのに、05年06年とユーロが独歩高になった。円はユーロに対して大幅安、ドルに対しては小幅安になった。

理由としては金利差を利用した円売りドル・ユーロ買いによる円キャリによるものとしか理由が見つからない。ドルが安くなるのは双子の赤字やイラク戦争などの泥沼化などによるものでしょう。となるとユーロがドルの代わりに買われやすくなる。日銀をはじめ世界の中央銀行などがユーロの割合を増やしている。中国や中東などのドルを多く持つ国もユーロの割合を増やしているのだろう。

ユーロが発足してまだ10年経ちませんが、だんだんと信用を増してきて高くなってきているのだろう。それに対して円は90年代とは環境が変わってきて、対米貿易黒字に関しては中国が日本を追い抜いてきたし、マルクやポンドはドルの受け皿としては小さすぎて円にしわ寄せが来ていましたが、ユーロが99年に登場して重荷が取れた。

いままでの動きからすれば、円は100円を超えていてもおかしくはない。それが今では120円近くでEUからは円安の悲鳴が上がっている。これからも円高傾向は続くと思いますが、90年代のようなドルの暴落があっても逃避する資金は円とユーロに分散されて高くなるから円の独歩高はなくなる。

キッシンジャーが3年前のインタビューで巨額な資金を運用するマーケットはドルしかないと豪語していたが、流通量ではユーロがドルを追い越している。このような状況ではアメリカはドル安を放置できなくなるはずだ。今まではドルに代わる基軸通貨がなかったからドルを乱発しても日本が買い支えてくれたが、ユーロの登場でドルの乱発は出来にくくなった。

このままの状況続けばドルは大暴落するのは時間の問題だ。しかし円ではドルの代わりにならないがユーロならドルの代わりになりうる。このままドルからユーロへの資金移動が進めば二大基軸通貨体制になる。このような体制ならドルもユーロも暴落して円が独歩高になるということは考えにくい。

今から考えれば90年代の円高は異常だったのであり、いまが円の普通の水準といえるだろう。日本の異常低金利は中国の異常な人民元安にともなうデフレ不況なのであり、アメリカの元の切り上げに対する圧力の低さは円に対する時とはかなり違う。それは中国が核ミサイルを持つのに対して日本は何も持たないからアメリカは日本に対しては強硬な圧力をかけて来る。

しかしアメリカもこのまま中国の元を安く放置していたら、中国にとってもマイナスであるしアメリカの貿易赤字も増え続ける。国際競争力を維持する為に元安のままでは、いつまでたっても国際競争力は付かない。国際競争力が付かなければいつか元が高くなった場合に致命的なダメージを負ってしまう。

韓国のウォンも高くなって韓国の輸出品はピンチに陥っていますが、中国にもいずれこのようなときが来る。自国通貨が高くなっても耐えられるように国際競争力をつけなければなりませんが、通貨安に頼っていると国際競争力は付かない。日本は20年にわたる円高でも黒字を維持しているのは国際競争力をつけてきたからだ。




「株安、日銀利上げが原因」 中国紙から批判火の手 雷管を
引いたのは中国だが、核爆弾級に爆発した真の要因は、米国株


2007年3月3日 土曜日

中国発の世界同時株安、不安の根源は米国 3月1日 朝鮮日報

4年間上昇を続けてきた世界株式市場の「祭り」は終焉するのか。中国発の黄砂が全世界の株式市場に吹き荒れた。専門家らは「来るべき時が来た」「懸念していたことが現実のものとなった」との反応を示している。これらは9カ月間、世界の株式市場がこれといった調整もなく上昇していたことに伴う当然の結果という意味だ。
 雷管を引いたのは中国だが、核爆弾級に爆発した真の要因は、米国株にあるという指摘もある。

◆問題は中国でない
 中国株式の時価総額は、韓国株よりやや多い程度だ。それにもかかわらず、中国株の暴落が世界市場に波及したのは、中国経済のグローバル経済に及ぼす影響力がそれだけ大きくなったということを示している。また最近、中国株が世界株式の中で最も上昇しており、「バブルの象徴」であったことも世界同時株安を引き起こす要因となった。

 しかし専門家らは、本当の問題は中国ショック自体ではないと分析する。中国株式の暴落が中国経済自体の深刻な問題によるものではないことから、世界株式暴落の起爆剤になったとはいえ根本要因ではない、と専門家らは説明する。

 中国株が暴落した27日、これといった反応を示さなかったアジア株式が1日遅れでその影響を受け暴落した。一方、世界株式暴落の発端となった中国市場は28日に反騰したのもこのような主張を裏付けている。

 2004年4月にも中国政府の緊縮政策により世界株式が急落するという「チャイナショック」が起こったが、今回とは状況が異なるという。景気過熱を沈静化するための当時の緊縮政策は中国経済全体をソフトランディングさせる懸念があったが、今回の措置は株式市場の過熱を沈静化させるのに限った措置であることから、波及効果が大きくないというのだ。

 韓国証券キム・ハッキュン専任研究員は「今回の世界同時株安は中国ショック自体より、米国株の不安要因がより大きい」と話した。今回の暴落は単に株価急騰に伴う健全な調整局面ではなく、米国をはじめとする世界金融の緊縮政策とインフレ懸念など世界経済の不安要因を反映しているというのだ。

 英紙ファイナンシャルタイムズは「今後の新興市場は米国市場にかかっている」とし、米国株式と金利動向に世界株式が左右されると分析している。グリーンスパン前FRB(連邦準備制度理事会)議長は最近、「米国経済が年末に景気後退局面へ入る可能性がある」と警告した。そして米国の景気後退により、世界株式は構造的な下方局面に入る可能性がある。

◆世界株式の4年好況は終わったのか
 また、日本の低金利資金を借りて海外のリスク資産に投資する「円キャリー取引」の日本回帰が始まったという点も、世界の株式暴落のもう1つの要因として注目されている。

 「円キャリー取引」の資金は、世界市場を席巻し、株式をはじめすべての資産価格を上昇させた功労者だった。それゆえ、これらの資金が回収されれば世界株式は最悪のシナリオを迎えることになるだろう。

 大韓投資証券の金永翊(キム・ヨンイク)副社長は「3‐5月にも米国が利下げを実施する可能性がある。円キャリー取引の資金が引き上げられれば、米国をはじめ全世界の株価は追加下落するだろう」と見通した。


「株安、日銀利上げが原因」 中国紙から批判火の手 判断に一層の説明責任 3月2日 フジサンケイビジネスアイ

 中国株急落をキッカケに世界で株価が急落したことに、市場の一部では追加利上げに踏み切った日銀の判断に批判が出始めている。中国の一部報道で、株安の原因として日銀の追加利上げを指摘。福井俊彦総裁が「世界経済に対する不安は和らいでいる」ことを利上げの理由の1つにあげたことも批判の原因になっているようだ。ただ、欧米に比べ日本の金利は依然として低水準のため、利上げを決めた日銀だけに株安の原因を押し付けることに同情する声もある。

 中国の経済紙が1日、28日の世界同時株安に関して「日銀の追加利上げによって投資家が低金利で資金を調達できなくなった」などとし、投資家が市場から資金を引き揚げたことが株安の原因と報道した。

 一方、米国株も急落したが、利上げを決めた2月の会見で福井総裁が「米国でソフトランディング(軟着陸)の可能性が高まっている」などと発言していたこともあり、市場には追加利上げの判断が甘かったとの指摘が出ている。

 これに対して、日銀は「株価の下落がより深刻化するファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)にはない」(水野温氏審議委員)として、株安を冷静に受けとめている。

 第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「中国市場で、日銀の利上げなどが資金収縮を連想させて、株安につながった可能性がある」とした上で、「欧米と日本では依然として金利差があり、株安をもって日銀に非があるかといえば別の問題」と指摘。利上げ判断と株安の相関に疑問を投げかける。

 日銀は1日、短期金融市場の機能向上に関するフォーラムを開催。福井総裁は冒頭の挨拶で「市場機能は着実に回復しつつある」と強調した。

ただ、日銀の水野審議委員は28日、市場が織り込みながら1月に利上げを見送ったことに関し「金融政策の予測可能性が低下した」と発言。日銀が政策決定過程に対する説明責任を十分に果たせなければ、市場からの信認を失いかねない状況だ。


(私のコメント)
今週は世界同時株安に翻弄されましたが、問題の本質は日本の超低金利の金がアメリカ経済を支えているわけですが、21日の日銀の利上げが日米の金利差を縮める事になり逆円キャリが起きた事だ。アメリカのヘッジファンドは日本から超低金利の金を借りて中国やインドなどに投資をしていることが、今回の世界同時株安で浮かび上がってきた。

中国の株式市場は韓国と同じ程度の市場だから、中国が暴落したから世界に波及したというのは正しくない。むしろニューヨーク市場がサーキットブレーカーを作動させなければならないほど暴落した事の方が、今回の世界同時株安の原因である。

「株式日記」ではアメリカ経済を支えているのは日本からの資金供給だと指摘し続けてきました。イラク戦争の資金も日本から調達している。このような資金供給システムは金利差を生かしたものですが、85年のプラザ合意からずっと続いている。そのことは2月19日の株式日記に書きました。

21日の日銀の利上げは世界からの円安批判に答えたものなのでしょうが、日本が利上げをして資金供給を絞れば世界同時株安が起きるほど、日本の資金供給の影響は大きい。だから円安防止のために日銀がどんどん利上げを進めれば世界の株式が暴落するし、利上げをしなければ円安が起きて日本の経済競争力が強まってしまう。

日本がなぜ世界経済の資金の供給者となれるほど強くなったのだろうか? それを理解する為には「通貨とは何か」という経済学の基本が分かっていないと理解できない。昔の野蛮な時代ならば「金」が通貨の価値を保証していた。しかしそれでは「金」を通貨としていたのでは「金」の量に経済の拡大は制約されてしまう。

現代では通貨の価値を位置づけているものは「生産力と労働力」である。日本はその「生産力と労働力」においてダントツの力を持っているから円を通じて世界に資金を供給する力を持った。戦略的商品といえる自動車にしてもいまやドイツを追い抜いてハイブリットカーを生産しているのは日本だけである。

テレビ・ビデオにしてもハイビジョン機器を供給しているのは日本だけである。時計やカメラや主な電子部品を作っているのも日本だけだ。つまり日本からの部品や素材などの供給が止まれば世界の工場の生産がストップしてしまうほどの地位を占めている。それらはどんなに円高になっても日本から買わざるを得ない。

日本の経済的な台頭に対して危機感を持ったアメリカは、70年代にオイルショックを仕掛けて日本経済の息の根を止めようとした。アメリカは石油をほぼ自給できるが、日本は100%輸入していたから石油が4倍に値上がりすれば日本は参ると計算したのだろう。しかし逆に日本の燃費のいい小型自動車が世界にバカ売れして、アメリカの自動車メーカーは自滅的な戦略ミスをした。

ならばとアメリカは通貨の切り上げで日本を追い込んでいったが対日黒字は解消しなかった。電子工業などでも差をつけられて軍需産業ですら日本製の部品に頼らざるを得なくなっている。このような現状を見れば「生産力と労働力」においてアメリカよりも日本があることは明白だ。だから日本が世界の通貨の供給者になっている。

通貨の価値が「金」とは関係がないことに始めて気がついたのはイギリス人たちで、信用通貨を使えたからヨーロッパの列強に勝ことが出来た。産業革命によって生産力が飛躍的に増大して、それにともなって通貨を発行させれば通貨の信用が保てる事を発見した。戦争期間中は「金」から離脱して通貨を発行しても問題は起きなかったからだ。

ドルが世界の基軸通貨になれたのも二度にわたる世界大戦から戦禍を逃れて世界の生産を一手にになってきたからですが、ヨーロッパと日本の復興で相対的にドルの地位は低下してきた。かろうじてドルが基軸通貨でいられるのも石油と軍事力が後ろ盾になっているからですが、軍事力を支えているのは経済でありそのアメリカ経済を支えているのが日本なのだ。

もし日本が金利を引き上げて資金の供給を絞れば、双子の赤字を抱えたアメリカ経済は90年代のロシアのようになるだろう。91年のソ連の滅亡は石油と軍事力をもってても経済がダメなら国家は滅ぶ事を示している。世界一の軍事力は現代では役に立たない。

問題は日本がいつまでアメリカ経済を支えていられるかですが、それは日本国民の意思次第だ。お人よしの日本人はその事実を知らないが、日本の政治家がアメリカの政府高官の前に出るとビビリまくるのはみっともない事で、日本がアメリカを支えているから覇権国家で居られることを認識すべきなのだ。


アメリカはイスラエルロビーにそそのかされてイラクを攻め、イランに攻め込もうとしているが、それを止められる力があるのは日本だけだ。もしイランに攻め込むのならば日本はアメリカに対して資金は貸せないと言えば、アメリカは戦争が出来なくなる。しかしそう言える日本の政治家はいない。いつの世も金持ちが一番強いのですがユダヤ人よりも日本人が力がないのは紳士的過ぎるからだろう。




日本が知らぬ間に世界一の金融超大国になっていた。
去年日本は世界にゼロ金利円資金を7兆ドル分を貸した。


2007年3月2日 金曜日

日本は第三次世界大戦を戦わずに勝った 3月1日 ベンジャミン・フルフォード

日本は戦わずに第三次世界大戦に勝った。その自覚がないだけ。理由を説明します。

現代の世界は宗教や軍事で物事を決めるより、やっぱりお金で決める。世界のお金の蛇口を管理しているのは日本。ニューヨークタイムズ紙の計算によると、去年日本は世界にゼロ金利円資金を7兆ドル分を貸した。一部のお金持ちがそのお金を使って世界中の資産を自分達の名義に書き換えている。しかし日本がそんなくだらない連中にお金を貸す必要はない。

国連の計算によると世界から貧困をなくすために必要なお金は年間2000億ドル。有名な経済学者の別の試算によると温暖化をとめるために必要なお金は年間4000億ドルだ。ようするにもし日本は去年世界から貧困や環境破壊のためにお金を使っていたら、おつり6兆4000億ドルが戻ってきていたし、一切生活水準を下げる必要もない。それは非現実的な話じゃない。そんな理由で日本が自分のお金を運用しようとしたらケチのつけようがない。逆に世界の世論が圧倒的に「日本バンザイ」となる。20年間のベテラン経済ジャーナリストとして誓います:これは本当の話です。



中国市場急落は野村の「中国株ファンド」? 2月28日 株式市場新聞BLOG

◎中国市場の急落をきっかけにしてのインド、NY市場安から東京市場も大幅安に見舞われているが、後場に入ってはやや落ち着きを取り戻している。中国、インドともに景気の過熱を心配して金融引き締め=利上げを実施しているが、市場では、今回の中国市場急落の一要因となったのが野村証券の「中国株ファンド」との見方が強い。市場規模の小さい中国市場に大量の資金が流れ込み、バブルとなったが、金融引き締め下で、そのバブルが崩壊したというわけだ。

 ◎そのバブル崩壊で思い出されるのが東京市場の90年。当時、東京市場の1部市場の時価総額は、GDPに対して約2倍にまで膨れ上がっていた(逆に、03年の安値時には、GDPの約半分にまで縮小)。ちなみに、足元・2月27日現在の時価総額は約588兆円。対してGDPは約550兆円。今年度の成長率予測4%を加えるとGDPは570兆円ということで、GDPと時価総額はほぼイーブン(一方、NYはすでに1・7〜1・8倍に達しており、すでに危険水域であった)。

 ◎こうしたことから、本日のところはツレ安となったが、「東京市場急落の心配は乏しい」というのが市場の見方。もっとも、本日の下げで追証発生が見込まれ、朝方は軟調推移が予想される。また、明日3月1日はホンダ(1700億円)の値決め、6日は任天堂(600億円)の値決めで、この2銘柄で2300億円が吸い上げられることもあり、「大幅な下げはないが、日柄が必要」とする声も聞かれる。


日本のゼロ金利政策の解除がもたらす中国経済への影響 2006年8月24日 CRI

7月10日、日本の5大銀行は相次いで預け入れ期間が1年未満の定期預金の金利を引き上げました。また14日には、日本銀行は金融政策決定会合で、ゼロ金利政策の解除を決め、短期金利の目標を0%から0.25%へ引き上げ、5年余りにわたって実施してきたゼロ金利政策を解除しました。

 日本の決定は国際的な投資家に低コスト資金を提供することが終了することを意味しています。

 長い間、日本の超緩和的な金融政策は国際市場に大量の低コストの資金を注ぎ込みました。「キャリートレード」(低金利の通貨を借りて高金利の通貨などに換えて運用すること)が商品市場と株式市場で盛んに行われたことは、世界の資産バブルに一段と拍車をかけました。その大部分は新規の市場に流れ込み、これらの市場のこれまで数年間の繁栄をもたらしました。日本の今回の金利引き上げは世界的な通貨の過剰流動性を抑制することにプラスになると見られています。

 同時に、日本のゼロ金利政策の解除は、日本の経済成長の基盤がすでに強固になったことを示しています。アメリカ経済の減速の兆しがますます著しくなっている中で、日本経済の景気回復は明らかに、世界経済の持続的な成長を可能にします。

 こうしたことから、「もし、金利引き上げが日本経済の持続的で安定した発展を保証することができれば、中日両国の経済貿易にプラスとなり、中国経済の発展にもプラスとなる」という見方が出ています。

 しかし、そうでしょうか。「日本の金利引き上げが中国にも恩恵をもたらすと考えるのは楽観的すぎるのではないか」と思います。その理由は以下の5点です。

 まず、金利引き上げは日本経済の回復によるものです。しかし、これまで日本経済の回復は主に消費と輸出によるもので、外国からの輸入に対する需要の増加はほとんどありません。従って中国の過剰な生産能力を解決するためには、あまり意義があるとは言えません。

 第二は、日本の金利引き上げの結果、人民元に切り上げの圧力をもたらしました。現在、中国の資本は完全に自由かしていないが、対外貿易依存度の上昇と金融開放が加速するにつれて、中国の通貨政策はますます国際市場の影響を受けるに違いありません。世界各国の中央銀行が相次いで金利引き上げのシグナルを出したことに継いで、日本が金利引き上げに踏みきったことは中国にも利上げの圧力をもたらしています。これにより、さらに多くのホットマネー(短期運用が中心の資本のこと)が中国に流れ込み、人民元切り上げの圧力をいっそう増加させることになります。

 第三に、日本の金利引き上げは外資の中国への進出の規模を減少させる可能性があります。金利の引き上げにより、大量の日本投資家が手持ちの外国の株式や外国の債券を投げ売り、資金を国内に回収するようになっています。これは、中国の株式と債券への投資に影響する一方、アジアのその他の国の金利引き上げを刺激する可能性があり、中国の外資誘致の難しさを増加させることになります。

第四に、日本の金利引き上げはある程度、円高をもたらす要素があることです。日本経済が回復している背景の下で、円の国際通貨としての地位を一層強める可能性があります。従って、アジア通貨が一体化に向って進むプロセスの中で人民元はさらに大きなチャレンジに直面する可能性もあります。

 第五に、日本の経済回復による今回の利上げは世界貿易の需要構造の変化をもたらし、中国経済が直面している貿易環境がさらに悪化する可能性があります。世界経済の成長が日増しに安定化している中で、日本の輸出の多くは競争力が強いハイテク製品に集中しています。これは、貿易への依存度が比較的に高い中国にとって、直接または間接的な影響をもたらす可能性があります。

 以上の事から言えることは、日本の金利引き上げが中国経済にもたらす影響をいかに小さくさせ、同時に経済のグローバル化の中で日本経済の回復がもたらしたチャンスをいかに分かち合うかということが、われわれが直面している重要な課題となっているということです。



(私のコメント)
日銀の金利の引き上げが世界同時株安を引き起こしたということは間違いのないことであり、それが中国発であるということは、日銀がこれからどんどん金利を引き上げれば中国やインドがパンクして、ニューヨークやロンドンに飛び火するという事です。日本からの資金供給がそれだけ規模が大きくなってきている。

2001年3月から2006年7月まで続いたゼロ金利政策は量的な緩和をともなっており、それをヘッジファンドが借りまくって世界に投資されてきた。ベンジャミン・フルフォード氏の記事によれば7兆ドルというとてつもない金額ですが根拠がある金額なのだろうか? 私には見当がつかない。

しかし長い間の日本のゼロ金利政策で大量の金が世界に貸し付けられていることは確かであり、その証拠は二度にわたる日銀の小幅な金利の引き上げだけで世界同時株安を引き起こしていることだ。

日本がなぜゼロ金利まで金利を引き下げるのは、日本の金融政策が異常だからですが、日本の円が異常な高値に吊り上げられている事に原因があります。円高になると国内に資金がだぶついて金利をどんどん下げていかないと借り手がいなくなる。それがゼロ金利でも借り手が見つからない状況になってしまった。

それを国際的なヘッジファンドがゼロ金利で金を借りて世界に投資している。しかし日本にどうしてそんなに金があるのだろうか? 円高ということは通貨価値が強いという事であり、それだけ経済力があるということです。アメリカも経済力がありますが質よりも量がある。日本は質的な面でダントツにリードしている。だからいくら円高でも経済力は落ちない。

日銀がゼロ金利を解除して金利を上げる事ができるようになったのも、ユーロの登場でドルの受け皿が出来た事で円高から少し円安になってきたからだ。ユーロが強くなったのはアメリカを上回る経済規模の市場を持つからですが、経済の質と量のバランスが取れているからドルに代わる基軸通貨になれるという思惑もあるからだ。

アメリカは以前は質量共に最高の経済力を持っていましたが、日本の台頭で身の回りは皆メイドインジャパンになってしまった。それに対してアメリカは円高にすることで調整をしようとしたのですが円高でも日本製品の競争力は落ちなかった。

例えば燃費が悪くて故障ばかりする100万円のアメリカ車と、燃費が良くて故障しない200万円の日本車と、アメリカ人はどちらを買うだろうか? 自動車は故障したらただの鉄のゴミにしかならない。宇宙ロケットを打ち上げるような国ほど自動車の品質が悪いのはなぜだろう?

日本がもしアメリカが得意としている軍用機や宇宙ロケットまで本気で作り出したらアメリカにとっても脅威になってしまう。だからアメリカは日本に航空宇宙産業には手を出させない。しかし自動車にもコンピューターや電子機器が本格的に装備される事により軍需産業と民間との境目がなくなってきた。

問題は世界に貸し付けた金をどうして回収するかですが、アメリカという世界最大の暴力団に債権の回収をお願いするしかない。中国の株の暴落は先行きの不安を感じさせますが、日本も中国に投資しすぎているから中国がおかしくなれば日本も無傷ではいられない。しかし中国への投資環境は悪化しておりデフォルトも予想しておくべきだろう。

一番問題なのはアメリカに流れ込んだ金をどのように回収するかですが、アメリカは基軸通貨だから紙に印刷すれば金はいくらでも返せる。だからいくらでも借金は出来ますが、石油とのリンクが外れればドルはおしまいだ。

アメリカが借金できるのは石油が担保になっているからだ。つまりイラクからの撤退(敗退)はアメリカのおしまいを意味する。





市場では、2月利上げを断行した日銀の判断は甘かったと批判
する声も出始めている。昨日の暴落は予行演習で本物は来る


2007年3月1日 木曜日

日銀、株価急落でも冷静=市場では利上げ批判も 2月28日 時事通信

日銀は28日の株価急落について、「中国市場の株価の大幅下落が新興市場や欧米市場に波及し、日本にも影響した」(福井俊彦総裁)と分析、国内の景気拡大基調に変化はないとして冷静に受け止めている。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長は同国経済の後退局面入りの可能性を指摘しており、これが米国株急落のきっかけの1つになった。市場では、2月利上げを断行した日銀の判断は甘かったと批判する声も出始めている。


世界同時株安、円キャリー(借り?)取引、そして日銀 2月28日 本石町日記

いきなり世界同時株安、ちょっとびっくり。昨夜、帰り間際に米耐久財受注が悲惨な結果となり、グリーンスパン氏のリセッション懸念(本当のところの言いっぷりは不明)が頭をよぎって嫌な感じだな、と思いきや、グローバルに一気にショックウェーブが走った。個人的には順調に上がり過ぎた感のある株価に調整が入り、改めて堅調地合いに戻る、と期待したい。これでリセッション入りとなるとやりきれないですから。
 さて、先週利上げしたばかりの日銀。利上げと世界同時株安を直結させる気はないのだが、タイミングの悪さ(良さ?)は絶妙、というか、ある種の才能を感じる。日銀ウォッチの醍醐味はこの辺にあるとも言え、彼or彼女らは一生懸命にやっているのだけど、得てして漫画チックな状況になりがち。私が経済小説をあまり読まないのは、目の前にもっとドラマティックな存在がいるからでもあります、ハイ。(セントラルバンキングのオタク的な面白さがあるのは別として)。
 さて、日銀戦犯説である。私自身はそうは思わないが、そういう見方が浮上する可能性はある。まずは、利上げのロジックが容疑となる。バブル抑止の理屈を半分掲げて利上げした手前、世界株安がバブル崩壊となったら、日銀がそうしたかのように見える。特に円キャリーが世界中に投機マネーをばら撒いていると主張する向きは、利上げ→円キャリーの巻き戻し→投資マネーの退潮という理屈を振りかざしそうだ。FTなんかそういう論調掲げそう。
 もちろん、株価の調整が健全なものであり、格好のガス抜きとなってさらに息の長い上昇相場(&世界経済の安定成長)になっていけば日銀は英雄なんだが、まあそのときは無視されるだけでしょう。株価が落ち着くのを祈るしかないね。

 ところで、Tori Boxさんが取り上げていらっしゃったネタだが、日経新聞は円キャリー取引を「円借り取引」と表記するようになった。私も最初は語呂合わせかな、と思ったのだが、マスコミは真面目に表記を考えるので、その結果なのであろう。いずれ業界統一の用語になるのだろか。そのときは私も本業で使わないと。なお、このブログは「用字用語ブック」には捉われないので、みなさん馴染みの用語を使っていくつもりです。そういえば日銀講演テキストで、カタカナ表記に絡んだ面白いネタがあったのを思い出した。機会があれば紹介しますね。


<2月27〜28日>(火〜水) 溜池通信

〇昨晩は疲れていて9時間も寝てしまったのですが、朝から「世界同時株安」と聞いたら妙にワクワクしてしまい、なんだかハイになって一日を過ごしてしまいました。これはこれで一種のビョーキかもしれませんな。

「227事件」とか、「上海ショック」とか、今回の下げはいろんな言われ方をしていますが、変わったところでは「おじさん相場」という命名もあったそうです。その心は「1987年のブラックマンデーを思い出して、オジサンたちが喜んでいるから」とのこと。そうか、今時、ブラックマンデーを覚えているのは年寄りなのですね。世界のどこかで原因不明の株安が発生し、それが全世界を駆け巡るという体験は、1987年10月20日のあの日が初めての経験でした。そして大幅な下げの後にはバブルの大相場がやってきた、というのがこの記憶の甘美なところでありまして、その辺の経験談を得々と語る方が、本日の証券業界には少なくなかったと思われます。

〇それにしても、時価総額でいえば東京の4分の1に過ぎない上海が、こともあろうにNY様の相場を揺るがすとは許し難い。仮にですな、日経平均が1日に9%下げたとして、それが翌日のNY市場に与える影響はといえば、あんまり大したことはなさそうです。それが「上海発NY経由全世界行き」になった、という点に、昨今の世界経済の面白さがあるのではないかと思います。

〇世界的な余剰マネーがあって、それが方々に出かけては摩擦を起こしている、ということはかねてから指摘されていたこと。例えば先週号の本誌でも触れたごとく、為替レートがフロー(貿易)ではなくアセット(投資)で決まるようになったという背景には、少しの金利差でもすかさず国境を越えてしまう巨額のマネーがあるということです。そうしたマネーが、中国やインドのようなエマージング市場に流れている。そして去年1年で倍になった上海市場で調整が起きると、その余波が思いがけず世界各地に広がってしまう。いわば世界的なミニバブル調整ということだと思います。

その背景には、先週の日銀による利上げがあったのではないか。確かなことは分かりませんが、世界的な余剰マネーの一因に円キャリートレードがあったことは間違いないでしょう。G7会合の前後には、「それがあるから日銀は利上げすべきだ」という声が欧州方面から聞こえてきた。考え過ぎかもしれませんが、本石町方面では本日は祝杯をあげたのではないでしょうか。その心は、「やっぱり上げて正解だった」「バブルが小さいうちにつぶしたのは、われわれの功績」、そして「下手をすれば利上げができなくなるところだった」。(←ここ、笑うところですからね)

〇どちらにせよ、この下落は長引くことはないと思います。米国経済のソフトランディング、という路線は不変でしょうし、日本の景気も偶数年は弱いが、奇数年は強いというリズムが続いている。だったら戻りは早いはず。それでは震源地であるところの、中国やインドの市場がどうなるかというと、正直なところ良く分かりません。エマージング市場では、バブル崩壊はめずらしいことではない。元気な子供が冬に外で遊んで風邪を引くようなもので、大いに結構、どんどん薄着で遊べ、ってなものです。もっとも中国株ってのは、いろいろ人工的な問題がありますので、調整が長期化しても不思議はないと思いますが。


(私のコメント)
昨日の世界同時株安は日銀の金利引き上げによるものという見方は玄人筋では定説のようですが、テレビの解説などでは「円キャリートレード」の言葉は出てきていなかった。7月に日銀がゼロ金利解除した時もエマージングマーケットの同時株安が起きたわけですが、今回は東京、ロンドン、ニューヨークと世界的に同時株安が起こった。

しかし金利自体が0,25%の小幅だから心理的な反応ですが、時間が経つとじわりじわりと効いてくる。ゼロ金利解除からまだ半年なのに追加利上げですから説明責任は必要なのですが、23日の予算委員会でも追加利上げを示唆した事から世界同時株安を引き起こした。

肝心の日本の景気動向はどうなのだろうか? 世界的に見れば日銀の金利引き上げはバブル気味の世界景気に対する引き締め効果がある。はたして福井日銀総裁は日本のことよりも世界のバブルのほうが心配なのか? とは言っても追加利上げといっても0,5%の超低金利には違いはなく心理的な反応に過ぎない。

本筋の対策としては日本の景気を回復させてから金利を上げていくべきなのですが、景気回復よりも先行させて利上げを実施している事だ。その理由が世界的なバブル解消の為なのだろうか? 中国ではオリンピック景気で沸いているが、日本や韓国では金属盗難が起きるほど中国の資材不足は酷いらしい。

日本の景気回復は中国の景気に引っ張られている面があるから、日銀の利上げは中国や世界を回り巡って日本にブレーキを掛ける事にもなる。いずれにしろ日銀の金融政策が世界経済の舵取り役を担っていることは確かな事が二度にわたる利上げで証明された事になる。しかしまだ0,5%だから心理的な反応に過ぎないが、1%2%に上げるとなると本物の暴落がやってくることになる。

昨日はテレビのニュースなどで世界同時株暴落のニュースを見ていましたが、専門家の解説は夜の報道ステーションの伊藤洋一氏ぐらいで、NHKは経済記者が解説をしていた。しかし円キャリートレードの事は一言も出さずに、中国経済がこれほど世界に影響を与えるようになったというような事を解説している。伊藤氏の方はエマージングマーケットに流れた資金の引き揚げということを言っていました。

現在ではニュースでも質量共にネットで得た方が早くて詳しい解説を得ることが出来る。マスコミの解説は遅くて不正確だ。大衆が動揺してパニックが起きるといけないから、ぼかした事をわざと言っているのかもしれない。伊藤氏もテレビでは日銀の利上げの影響であるとは言えなかったのでしょう。

確かに世界経済では金はだぶつき気味であり、投機的になって土地や株に資金が回ってリスキーになっている。金をだぶつかせているのが日銀な訳でヨーロッパあたりからは金融を引き締めろという圧力が来ているのでしょう。しかし日本の金利の引き上げは景気の状態から無理だと思うのですが、23日の日銀総裁の追加利上げの示唆は、まさに三重野日銀総裁を髣髴とさせるものだ。マスコミは当時の三重野総裁を平成の鬼平と絶賛した。

もし当時に経済の事がわかる総理と日銀総裁がいればバブルを上手くコントロールしてソフトランディングさせることが出来たのだろうが、今度は世界のバブルをいかにソフトランディングさせるかが日銀総裁の金融調整能力にかかっている。しかし日本については日銀にばかり責任を押し付けるのではなく、景気回復は政府が財政でやるべきことなのだ。ところが財務省は財政再建を最優先している。

2月3月は確定申告のシーズンですが、所得税と消費税を今月中に支払わねばならない。定率減税も半分になり年金や健康保険の負担も増える。その分だけ消費が減ってしまう。日銀の利上げで借入金の返済額も増えるからどうやって返済していったらいいのだろう。マスコミは景気回復で新卒の採用が大変だといっていますが景気のせいよりも団塊の世代の退職の為なのだ。

日本は経常黒字大国であり好むと好まざるとに関わらず金融大国にならざるを得ない。金を持ったまま貸さないわけには行かないからアメリカ国債などを買って金を貸す。しかしどうやって返済を迫るのだろう。相手は軍事大国で強制執行は出来ない。85年のプラザ合意の時のように半分借金棒引きさせられる。しかし現在は中国がアメリカ国債を買っているが中国は核ミサイルを持っているからきちんと返すだろう。日本は核ミサイルを持っていないから泣きを見る事になる。だからアメリカは日本には核武装させないのだ。



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