株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


防衛「省」への昇格を国内兵器産業は期待の目で見つめている。
大型無人偵察機を開発して、中国や北朝鮮のミサイルを迎撃せよ


2007年1月15日 月曜日

世界最大の無人機を開発=弾道ミサイル迎撃も想定―イスラエル 1月9日 ライブドアニュース

【エルサレム8日】イスラエルが世界最大の軍用無人機の開発を進め、数日中に初飛行を実施することが8日分かった。発射された弾道ミサイルの迎撃も想定しているという。≪写真は、既に実用段階にあるイスラエル空軍の無人機≫

 イスラエル当局者はAFP通信に対し、「エイタン」と名づけられた無人機は、イスラエルの防衛企業IAI社が開発したもので、ボーイング737型旅客機に匹敵する翼長35メートルの大型機であることを明らかにした。

 イスラエル紙イディオト・アハロノトによると、無人機は長距離・高高度飛行を想定して設計されており、多数の最新型カメラやミサイルを装備、地上から発射された長距離弾道ミサイルを識別して撃墜する能力を保有しているという。

 イスラエルはここ数年、宿敵イランがイスラエルにも到達可能な長距離弾道ミサイルを獲得したのを受け、ミサイル迎撃に関する軍事技術開発を強化している。イランのアハマディネジャド大統領のイスラエル破壊を呼び掛ける発言や核兵器開発疑惑などにより、イランはイスラエルの最大の脅威となっている。イランは昨年、2000キロ前後の標的を破壊できる弾道ミサイル、シャハブ3の発射実験を行っている。〔AFP=時事〕〔AFP=時事〕


日本防衛庁、北朝鮮・中国を見据え無人偵察機の導入へ 1月2日 朝鮮日報

日本の防衛庁は、北朝鮮や中国など周辺国に対する長時間にわたる広域的な偵察と監視が可能な滞空型無人偵察機の導入に本格的に着手する、と西日本新聞が1日付で報じた。

 同紙によると、防衛庁は無人偵察機の機体導入に先立ち、無人偵察機搭載用レーダーを 2010年までに独自開発することにし、今年度予算に研究開発費15億円を計上する方針だ。

 無人偵察機を導入するのは、北朝鮮のミサイル発射や核実験などを受け、情報収集能力を強化するのが狙いだ、と同紙は指摘した。

 また、高高度を飛行して相手国の領空に接近する偵察機の配備は周辺国との緊張を招く恐れもあり、専守防衛を基本とする日本の国防政策上、議論を呼ぶ可能性があると見通した。

 防衛庁は、無人偵察機の機体開発には時間を要する点を勘案し、当面は米国製グローバルホーク(1台当り57億円)かプレデター(8億円)の購入を検討している。

 また、無人偵察機のレーダー開発経費15億円のほか、米軍による無人偵察機の運用実績や効果などを調査するための予算、約100万円も計上した。

 防衛庁は北朝鮮情勢や中国の軍事力増強に対応し、独自の情報網を構築する方案の一環として、まず無人偵察機を取り入れ、技術研究本部で飛行時間を最大限に伸ばすための技術開発に乗り出すことを決めた。

 米国が実用化している滞空型無人偵察機は、精密な軍事情報の収集を目的に配備され、相手国の領空や防空識別区域付近を飛行している。

 日本で導入する無人偵察機の場合、北朝鮮や中国を見据え、九州に近い東海(日本海)や東シナ海の上空を中心に運用される可能性が高い、と西日本新聞は付け加えた。


防衛『省』法案 成立すると… 12月2日 東京新聞

教育基本法「改正」、共謀罪の攻防の傍ら、防衛「省」昇格法案が衆院を通過した。昇格の理由は防衛庁のホームページ上の説明でも不透明だが、予算を強気に獲得したいという点は確か。受注先の兵器産業には「朗報」だ。自衛隊も兵器産業も市民には「遠い話」に聞こえるが、民間社員も海外の現場へ派遣され始めた。兵器産業の視角から「省」昇格と海外活動本務化の意味を探ってみると−。 (中略)

実際、防衛「省」への昇格を国内兵器産業は期待の目で見つめている。ある重工メーカーの幹部は「省になると立場が上がり、予算獲得力は確実に上がる。大いに歓迎で喜んで納入させてもらう」と語る。

 ただ、日本は「平和国家」の建前から、武器輸出については「武器輸出三原則」で制限してきた。とはいえ、八三年には、政府は米軍向け武器技術供与を例外化。〇四年十二月には「ミサイル防衛(MD)システムは日米安保体制に寄与する」として、日米共同開発の際は三原則の適用外とすることを決めた。

 独協大学の西川純子名誉教授(アメリカ経済)は「『省』昇格で防衛大臣が登場するようになれば、すべての面で軍備増強に走るのは明白」と警告する。

 西川氏は防衛「省」昇格の背景には「米国防総省へのあこがれ」があるとみている。「日本の兵器産業はは米国の下請けで、対等な関係になることまでは米国は許さない。とはいえ、米国の国防長官はすべての兵器産業の権限、予算を握っている。日本もそれにならい、本格的に兵器生産を始めたいのだろう」

■自衛隊の歴史 「大きな転換」

 では、具体的な中身はどうなるのか。MD問題の分析を続ける杉原浩司氏は「自衛隊が海外展開を普通の任務とすることは、その歴史からすれば大きな転換」と指摘しつつ、MD開発での協力関係を重視する。

 杉原氏によると、地上型の米国製パトリオットミサイルは三菱重工がライセンス生産したものが〇八年度から配備される。さらに強力な防空システムをもつイージス艦に搭載される次世代のスタンダードミサイル開発については、すでに三菱重工など複数の日本企業が参画しているという。

 ただ、MDをめぐる国際的な流れは、世論の反発や予算難からカナダやチェコなどで撤退表明が相次いでいる。それでも、杉原氏は日本は突き進むとみる。

 「次世代ミサイルが完成すれば、米軍はもちろんその他の友好国にも輸出されるだろう。日本は武器そのものの輸出はしてこなかったが、その一線は完全に崩れ去ってしまう。これを突破口に次はロボット、無人機、戦闘機などへと拡大することは間違いない」

■日本市場でも専業へ傾く?

 立命館大学の藤岡惇教授(アメリカ経済)も杉原氏の見方に同調する。「日本の軍事産業は防衛庁の発注という安定した市場が小さいため、米国の部品提供のような形だった。軍事専業でなく民需と兼業していたが、防衛『省』誕生で米国のように専業に傾いていくのではないか」

 さらに、その方向として「米国がする戦争に積極的に加わり、航空・宇宙産業にも本格的に参入する。米国は現在、中国のミサイルを上昇段階で撃ち落とすことを狙っている。これには膨大な資金が掛かるので日本も負担せよ、となる。日本の兵器産業には願ったりだろうが、資源を宇宙の穴にどんどん投げ込むようなものだ」と語る。

 加えて、民間企業の動員も増えると予想する。「自衛隊が海外で大手を振って行動できるようになれば当然、民間人にも協力を求めやすくなるだろう」

 前出の渡辺氏も防衛庁の「省」昇格によって「兵器産業は注文が来るまで技術者も設備も寝かせているしかないので、海外に売らないと産業として成り立たない。省昇格は武器輸出の欲求を加速させる」とみる。

 それに伴い、関連社員の事実上の戦地出張も増えると予想する。「省」昇格には権威の拡大で、防衛機密の名の下にその実態を一段と見えにくくする効果もあるのでは、と懸念する。

 「自衛隊が派遣されて五年たち、外国からみれば、日本はすでに戦争をしている国。憲法九条があるから戦争をしていない、と思っているのは日本人だけだ」


(私のコメント)
1月9日に防衛庁から防衛省に昇格しましたが、これで独自の予算要求が出来る事になり、日本の防衛産業にとっても朗報だろう。しかし現代の戦争は戦車や軍艦や軍用機の時代ではなくミサイルの時代である。専守防衛の為ならばミサイル防衛システムが防衛問題の要になる。

今のところミサイルの防ぐ手段はありませんが、MDシステムの話は政治がらみでずいぶん話題になっています。しかし北朝鮮のミサイル攻撃を防ぐには直接ミサイル基地を叩く方法がありますが政治的に難しい。液体燃料のミサイルならば燃料注入などの前兆がありますが、固体燃料のミサイルだとそれがない。

またノドンミサイルは移動発射式だから目標が定まらない。だからミサイルを打ち落とすには発射間際に打ち落とすのが一番可能性がある。その方法として考えられるのが大型の無人偵察機からのミサイルやレーザーによる攻撃だ。イスラエルではイランからのミサイル攻撃を想定した大型の無人軍用機が作られるようだ。

現在でも無人機は偵察用に使われていますが、無人だから打ち落とされても人的な被害はなく、アメリカを始め世界各国で無人偵察機の開発が行なわれている。アメリカでは無人偵察機にミサイルを積み込んでテロリストをやっつけたニュースが以前にありました。「シリアナ」と言う映画にも無人偵察機による要人殺害が行なわれたシーンがありました。

最近では偵察と言うと軍事衛星による偵察が思い浮かびますが、時間的距離的な制約があり、一定の地域の一定時間の偵察には無人偵察機による偵察が欠かせない。イスラエルではミサイル防衛の機能を持たせた大型の軍用機を開発するようですが、日本もこのような無人偵察機を開発すべきだろう。

モデルとしては米軍のグローバルホークが考えられますが、ミサイル迎撃用としてはより大型でより高高度を飛ぶ機体が要求される。イスラエルの開発する物も同じような物になるだろう。これが完成されれば北朝鮮はもとより、中国の沿岸地域からのミサイルの打ち落とせる事になる。

さらには巡航ミサイルの迎撃や中国の奥地からのミサイル攻撃にも、より早く探知して迎撃する事ができる。もはやミサイル戦争時代には、有人の戦闘機や軍艦などは役には立たないだろう。ミサイルの高性能化で一発で軍用機や軍艦は破壊される。

日本はロボット大国であり、無人の兵器の開発には一番製造能力があり、ミサイルやコンピュータの開発も金をかければアメリカを追い抜くことが出来るだろう。このように最近では軍事技術と民間の技術には境がはっきりせず、軍事技術の民間転用や民間技術の軍事転用などで、どれが兵器かどれが民生品か分からなくなっている。

防衛庁から防衛省に変わったからといって、徴兵制の復活とか自衛隊の増強などを心配する向きもありますが、これから行なわれる戦争はミサイルと無人兵器によるロボット兵器の戦争なのだ。だから鉄砲を担いだ兵士は治安維持活動などの海外派遣が主な任務となるのだろう。


無人偵察機グローバルホーク 2002年02月18日 世界の軍用機

グローバルホークは1997年2月に完成した完全自動操縦の無人偵察機で、高度2万メートルを無給油で35時間飛び続けることができます。 プレデターがプロペラ駆動なのに対して、こちらはジェットエンジンを搭載。翼幅はボーイング737型機とほぼ同じで、形状はイラストにあるように丸い先端とV字形の尾翼が特徴です。

グローバルホークは1機約2,000万ドルと、プレデターに比べかなり高額です。しかし民間ジェット旅客機の約2倍の高度を飛行するため、地上からの攻撃で撃墜される心配はまずない。昼夜を問わず、どんな気象条件下でも偵察飛行が可能です。搭載されている光学式カメラは、たとえば地上を走る小型車を2万メートル上空から瞬時にとらえ、その動きを正確に追跡できるといいます。

グローバルホークはまだテスト飛行段階にもかかわらず、すでに昨年11月の時点でアフガンでの軍事作戦に投入されたことが、米国防総省の発表で明らかになりました。


米空軍はこのグローバルホークを2005年以降、正規の偵察任務に就かせる計画です。一方で、米陸軍でも無人の対戦車用ロボット兵器の開発が進んでいるとの噂がある。上空からは無人の航空機が敵の情報をキャッチして攻撃を加え、地上では無人ロボットが敵軍と戦闘を交える──ひと昔前のSF小説に出てきたようなシーンが、21世紀に入ってにわかに現実味を帯びてきました。




日銀が金利を引き上げれば、金融市場から潮が引いたように
お金が遠ざかって、まさに1989年に起こったバブル崩壊が起こる


2007年1月14日 日曜日

総括 1月1日 ワールドレポート

2006年を振り返りますと、個人投資家が踊らされた一年だったとも言えます。
デイトレーダーがはやされ、為替証拠金取引がはやされ、不動産投資がはやされた一年でしたが、一年を締め括り、果たしてどれだけの個人投資家が満足した利益を挙げえたでしょうか?

バランスのよい資産ポートフォリオをしっかり組んでいた個人は、殆ど損得ない状態になっているか、ないしは若干なりとも利益を確保しているはずです。
弊社から稀少金貨・銀貨を購入され、売却された方も10名を超えますが、2年以上保有されてきた方は誰一人として損をしていません。平均すれば10%を超える収益を確保して現金化されていますが、中には、『2年でたったこれだけしか儲からなかった、株ならもっと儲かる!』として、この稀少金貨を売却した資金全てを店頭株等の信用取引に投入して、全て吹き飛ばした方もいます。

そして、その方が売却された稀少金貨はその後も順調に値上がりしています・・・。
<儲けたい>と思うのは誰でもそうですが、<儲けられる>とは話が違うのです。
自分にそれなりの知識があり、情報もあるのなら、利益も挙げられるかも知れませんが、そのような個人はそう多くはありません。
一年を締めて10%を超える収益を上げた方は、個人投資家の10%もいないはずです。
大方の個人は損を抱えて身動きできない方が多いと思います。
では、その損は悪いことなのでしょうか?

この損は2つに分かれます。<よい損>と<悪い損>です。
よい損>とは、投資する前に会社をしっかり分析し、この会社なら一時的に株価が下がっていても、いずれは回復するであろうという見通しがあれば、何も心配することはありません。
株価は上がる時も下がる時もあるからです。
投資した会社が素晴らしい会社であれば、そのまま保有しておけばよいのです。
いずれ株価も回復して、配当金も入り、総合的に素晴らしい収益をもたらしてくれるはずだからです。

悪い損>とは、会社を何も知らずに、週刊誌・新聞・ネット等で『この会社が動く、儲かる』という情報を仕入れ、闇雲に株を購入し、損をしている場合です。
このような個人投資家は多いのですが、この場合その後どのような株価になるか、誰も予想できないのです。下がり続けるのか、それとも回復するのか。
このような動く株は単なる需要と供給の話であり上がることもあるし下がることもあるのです。
上がり下がりは<当たるも八卦、当たらぬも八卦>ということになります。
結果、個人は右往左往して損を膨らましていくのです。
これでは、いつまでたっても資金を減らし続けることになります。

中でも、2006年初頭に流行りました【デイトレード】は、いまや殆ど聞かれません。
一時は、主婦や子供までもが【デイトレード】にいそしんでいるとマスコミでも持て囃されましたが、いまや大損をして撤退したかいまだ損を抱えて身動きできない状態になっています。
何せ、【デイトレーダー】が精を出して売買していました店頭株等の新興市場は2006年一年間で50%もの下落をしているのです。これで利益を出せというほうがおかしくなります。

ところが【日経平均】は、2006年は7%程値上がりしていますが、ここにもからくりがあります。
指数を引き上げるために超大型株が年末に向けて買い上げられたためであり、個人が多く保有しています中小型は、大方は下落して終わっているのです。
12月には超大型株である【新日鉄】が100万株、200万株単位の売買が繰り返し行われ、個人の1,000株単位の注文などどこにあるのか?とも言える猛烈な売買が行われていたのです。

このような中、【新日鉄】等の超大型株に空売りを仕掛けた個人も多く、これら個人は年末の急騰で物凄い損を出しながら買戻しを迫られたはずです。
今の相場は、個人が<買い>でも、<売り>でも簡単に儲けられる相場ではないということがこの【新日鉄】が如何なく示していると言えるのです。
このことをしっかり理解していませんと、貴重な資金を失うことにもなるのです。

『ネット掲示板で○○株急騰!へ、という書き込みがあった』という噂を信じて投資をして損をした個人も多いようですが、このような場合、この当該株を保有している個人・ファンドがこのような書き込みをして売り抜けを狙っている場合が多く殆どの場合値下がりしており、それも半端ではない値下がりをしています。見事にいっぱい食わされたとも言えるのです。
2007年もこのような事例が多く見られるはずです。

では、2007年はどのような市場になるのでしょうか?
2007年も個人にとり非常に難しい市場になることは確かです。
マスコミ等では『景気は良い、世界の投資市場の環境は最高、株価は上昇へ』ということが言われていますが、では昨年に最も値下がりした市場は一体どこだったでしょうか?

原油高で資金が集まり、景気が絶好調と言われた<アラブ諸国の株式市場>なのです。
値下がりワースト5>(海外市場は2006年12月27日時点)

第1位

アラブ首長国連邦

−65%

第2位

日本(東証マザーズ)

−56%

第3位

サウジアラビア

−52%

第4位

カタール

−36%

第5位

ヨルダン

−32%

通常なら最も資金が集まっている市場であるアラブ諸国の株が上がっても良いものです。
ところが、軒並み急落しているのです。
そして戦後最長の景気回復をしているとされています日本の【マザーズ指数】がワースト2という惨状を示していますが、これもアラブ諸国と同じ次元ということが出来ます。
即ち、株式市場には本当の投資資金が投入されていないということです

超短期のヘッジファンドや投機資金が徹底的に投入された市場はどのような理論でも説明できない水準にまで上昇しますが、そうでない市場は、理屈なしに徹底して売られる(買われない)、極めていびつな市場になっているのです。
本当の投資資金が投入されているのであれば、株価収益率10倍以下、解散価値(PBR)一倍以下という異常な数字は表れることは殆どありません。
なぜならそのような超安値が出たときには、バーゲンを狙って買いが入るからです。
2006年に株価指数の上昇を下回ったファンドが多くありますが、その中でもある大手資産運用会社の著名マネージャーが運用するファンドの収益が過去15年間一度も市場平均を下回ったことがなかったのですが、2006年は見事に運用に失敗したのです。
同氏は徹底した逆張り戦術を取っていたものですが、2006年はこれが完全に裏目に出てしまったのです。
売られるものは徹底して売られる以上、逆張り戦略は有効ではなかったのです。
しかしながら、同氏の戦略が間違っていたのでしょうか?
答えはNOです。
同氏のような長期戦略で投資を行っている運用者は、2006年のような年には『これは仕方ない』としてあきらめているからです。それより、『こんな安値でたくさん購入が出来てよかった』と思っているはずです。
そして2007年以降に2006年に達成できなかった収益を挽回できればそれはそれでよいからです。
2006年が異常な一年であったのなら2007年な正常化するのが当然だからです。

その異常な姿といえば不動産がありますが、東京都内・名古屋市内・大阪市内のごく一部の不動産は公示地価の2倍〜3倍という物凄い価格で取引がされていますが、一旦その枠から外れたところは悲惨というほかない惨状を示しています。
六本木・青山・麻布では、妥当価格の2倍、3倍、中には5倍近い超高値でファンドが買い取って転売を繰り返している事例もありますが、地方にいけば年率20%、30%値下がりは当たり前という惨状を示しているのです。

和歌山県白浜ではその典型例があります。
4ヶ月程前に1,700万円で売りに出された土地がありますが、12月はじめには1,480万円まで値下げされているのです。それでも買い手はいません。
半年も経たないうちに<13%値下げ>されているのです。
売り手の個人は、『今、不動産ブームだから簡単に売れる!』と思ったのでしょうが、そこにはファンドの資金はありません。ましてや個人の資金などありません。
今の不動産バブルは、ファンドバブルであり、ファンドが何度もキャッチボールを繰り返して価格を吊り上げており、この吊り上げの対象になった不動産の価格はするすると上昇していきますが、そうでない不動産は買い手がおらず叩き売られているのです。
たまに個人が『安い』として買いに入った場合でも、後から後から売り物が出てきますから、一向に価格下落が止まらず、借金で買い取った土地なら、買ったその場で含み損を抱えるという事態になっているのです。

見事な≪二極化≫だと言えますが、株式でも不動産でも同じことなのです。
2007年はこの≪二極化≫が極端にまで進むはずですが、不動産に限っては金融当局が不動産向け資金を締め始めており今後猛烈な値下がりを示すところも出てくるはずです。
高値まで買い上げた不動産ファンド・不動産会社が転売に失敗し投げに転じた場合、後ろには買い手はいませんから、10%の値下げ、20%の値下げをしても売れません。
それをみていた他のファンド・不動産会社は事態の変化に気づき、慌てて保有する物件を売りに出すでしょうが、今まで値上がりするからとして売り物件を抱えていたファンド・不動産会社が多いですから、売り物が大量に出てくることになるのです。

凡そ30%下がったところで資金に余裕のあるファンド・不動産会社が買いに入るため一旦は売り物が消化され価格も安定するでしょうが、同時に損をして売ったファンド・不動産会社の資金ショートが表面化するはずであり、その際には更に保有する不動産を処分せざるを得なくなります。これを見た金融機関は、他の不動産会社・ファンドから我先に資金を引き上げますから、まさに<負の連鎖>が起こることになるのです。
上昇が一転急落になるのです。

これに日銀が金利を引き上げれば、金融市場から潮が引いたように<お金>が遠ざかっていきますから、まさに1989年後に起こったバブル崩壊が起こることになるのです。事はこれだけではありません。

夕張市の破綻の影響が日本国中に吹き荒れることになり、地方自治体の破綻があちらこちらで見られ連鎖破綻が見られることになり、その際には地方自治体の債務250兆円(一般的には200兆円と言われていますが、一部では250兆円にも上ると言われています)と国の短期・長期債務700兆円、合わせて1,000兆円もの債務がクローズアップされるはずです。
1%金利が上昇するだけで、単純計算で10兆円もの金利支払いになるのです。
今の国債利息(予算計上ベース)である2%が昔の6%になれば40兆円もの金利増になり、税収の殆どが利息支払いで消えてしまうというまさに破産状態に陥るのです。
地方では既に預金(積立金)が枯渇した自治体も多くなってきており、もはや後がない状態になっている自治体も多いにもかかわらず危機感がない自治体が圧倒的な数になっていますが、一旦破綻の連鎖に陥れば、職員数は半減以下になり、給料も35%以上引き下げられ、退職金も出ないところも出てくるでしょう。住民にも物凄い負担を強いられますが、そこまでいって始めて、『そこまで悪かったのか』と気づくのでしょうが・・・。

※この地方の借金問題ですが、実情を正確に表した報道は殆どありません。例えば大阪市ですが公表されています借金は3兆円ですが、実際にはこれに2兆3,000億円を加えた5兆3,000億円という金額になるともいわれているのです。集計方法を変えるだけでいとも簡単に2兆円以上も借金が変わるのです。ところで、日本一金持ちと言われます東京都は一体どれだけ借金があるでしょうか?税収もあるし、オリンピックにも立候補するくらいだからさぞ裕福と思っている国民・都民も多いと思いますが、13兆8,000億円を超える膨大な借金となっているのです。そして、日経新聞の報道(12月23日付け)では、全国の市のうち14市は2008年ごろに破綻し、2009年には更に14市、2010年には更に14市が破綻すると報道しています。これらの時期については当該市からの指摘であり甘い判断でしょうから、実際にはもっと早い段階での破綻が想定されると言えます。いまや、自治体の破綻のカウントダウンが始まってきているのです。

国は来年度予算に21兆円もの国債費(利息等)を計上しており、これは国の予算の25%にも達する膨大な金額なのです。しかも年々増加しています。
今後金利が上昇していけば、地方の破綻どころか国の破綻が待った無しになります。
本来なら3年前に国家破産してもおかしくはなかったのです。
それを先送り続けてきたために、いまや、借金が膨らみ続け、もはやどうしようもない事態に追い込まれてしまっているのです。
2007年も先送りするのでしょうか?そうしている間にも、地方自治体の破綻が一つ、また一つと増えていき、気がつけば日本国の足元がガタガタになっているはずです。

個人投資家が、目先、目先と右往左往している間にも、日本の基礎は着実に劣化してきていると言えます。



日銀 年0.5%に利上げへ 週明け以降に最終決断 1月13日 毎日新聞

日銀は17、18日に開く政策委員会・金融政策決定会合で、追加利上げを決める方向で調整に入った。昨年7月のゼロ金利解除に続く利上げで、短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を現行の年0.25%から0.5%にする案が有力。日銀は景気の動きに先手を打って金融政策を運営する手法をとっており、決定会合で福井俊彦総裁が利上げを提案すれば、政策委員の大勢は「景気拡大の基調は維持され先行きも拡大が続く」とみていることから、賛成多数で決定される見通しだ。
 週明け以降に発表される経済指標や株価の動きを確認したうえで、最終決断する。


(私のコメント)
最近のテレビや新聞などの報道は政府日銀の報道広報機関であり、そのフィルターを通して見る必要があります。新聞記者たちは記者クラブ制度でがんじがらめにされて当局の意向に逆らった報道が出来ないからです。最近では戦後最長の景気回復などと言う根拠は一部大企業の業績に過ぎません。

いままでは銀行やバブル企業つぶしが行なわれてきたのですが、これから行なわれるのは政府日銀による金利引き上げによる地方自治体の財政破綻の促進でしょう。テレビなどでは夕張市の破綻がよく報道されていますが、夕張市なみの地方自治体は報道されないだけで、金利の上昇で利払停止のデフォルトがあちこちに起こるかもしれません。

夕張市の例を見れば分かるとおり、市の職員の半数以上が退職して、市の病院や学校なども一つに統合されて、警察や消防も十分でないから、事件や火災が起きてもほったらかしと言うこともありえます。大阪や東京も例外ではなく金利が上がればどのような影響が出るか分かりません。

このような状況でどうして日銀が0,5%もの金利の引き上げに踏み切るのか分かりませんが、アメリカの奥の院からの命令によるものだろうか? アメリカは株も不動産もバブル状態であり、アメリカのヘッジファンドの業績は絶好調で新入社員でも数千万円のボーナスが出た。日本のバブルの頃も証券会社のOLが百数十万円ものボーナスが出た事を連想される。

アメリカがこのようにバブルと言われるほど景気過熱状態なのに、日本がデフレ状態なのはなぜなのだろうか? アメリカはイラク戦争と言う公共事業で派手に財政を支出しているのに、日本は緊縮財政で公共事業を縮小しているからだ。銀行も大企業も経営の健全化で借金を回収したり返し続けている。これでは景気が良くなりようがない。

日本が超低金利なのも国がもっと金を使えというサインであり、民間が支出を切り詰めて借金を返していたら経済は縮小する一方だ。だから国が代わって支出を拡大しなければならない。橋や道路や箱物は作っても後の維持費が増えるから、いろいろな補助金を地方自治体や各家庭にばら撒いて使わせれば景気は良くなる。いわゆるヘリコプターマネーですが、貯蓄に回っては意味がないから期限付きのマネーをばら撒いたらどうだろう。

このような常識外れの景気回復プランなどが検討されるくらいでも、国民の不安感ががらりと変わって消費嗜好になるかもしれない。頭の固い日銀官僚が聞いたら発狂するかもしれませんが、アメリカみたいにイラクに爆弾をばら撒くよりはまともだと思う。

問題なのは政府日銀官僚に景気を回復させようと言う発想がないことであり、政治家達は景気回復思考でもアイデアがない。国債を発行して使うことは市場通貨を回収して使うことであり経済規模は拡大しない。それに対して国が自ら通貨を発行して各家庭に1000万円づつばら撒いて期限付きで使わせるようにする。そういう噂が出るだけで株や不動産は暴騰するだろう。

その結果消費ブームが起きて景気回復で税収が大幅に伸びて財政はかえって健全化するかもしれない。このような発想が出来るのは自動化による驚異的な生産性の拡大によるものであり、消費がそれに追いつかないためだ。これをデフレギャップといいますが、それだけ政府は通貨を発行できる余地があるということだ。つまり日銀官僚たちは通貨と言うものが何であるか知らずに金本位制の頃の理論を信じている。そしてすぐにインフレだと言い出す。通貨と言うものが何であるか知らないからだ。生産性の革命が起きてデフレギャップが生じているのにインフレを心配して金利を上げたがるのだ。


デフレ・ギャップこそ超巨大な「真の財源」 丹羽春喜

私が提案している景気振興策は、「国の貨幣発行特権」という「打ち出の小槌」を財源調達手段としたケインズ的財政政策によって、年額4050兆円程度の有効需要を政策的に経済に追加注入し、それからの乗数効果で、その22.5倍に所得が増えると見積もって、23年ほどのあいだに、少なくともGDP100兆円ぐらいは増加させようという程度のものです。この100兆円のGDP増加から生じる現金通貨の流通量の増加も、10兆円ぐらいのものです。その程度のことで、数千兆円あるいはその十数倍ないし数十倍にも達するほどの超膨大な総需要の拡大が誘発されるなどといったことは、金輪際ありうることではありません。この程度の政策を10年続けても、まだ、インフレ・ギャップは発生しませんから、大丈夫です。

 実は、私自身は、日本経済における乗数効果の乗数値が、上記で言及したように22.5であるということを実証ずみです。しかし、現在、わが国のエコノミストたちの多くは、わが国経済の乗数値が1.0割っているとさえ考えているのが現状です。であるというのに、ハイパー・インフレ論者たちは、日本経済における乗数効果の乗数値を100以上とか1000以上といった、まったくありえない桁外れに大きな数値として想定しているわけですから、まさに狂気のさたです。

 しかも、「総需要拡大政策などやっても、カネはみな貯蓄されてしまうから、効果はないよ!」などとうそぶいているような人ほど、ハイパー・インフレーションの脅威を言いたてていることも多いのですから、ますますもって、精神異常です。




「アメリカの終わり」 ネオコンの中心的人物の多くはユダヤ人で、
彼らのイスラエルに対する姿勢にフクヤマは批判的になっていた


2007年1月13日 土曜日

アメリカの終わり フランシス・フクヤマ著

政治学者フランシス・フクヤマとネオコン:フクヤマのネオコン批判の論理 中岡望

イラク戦争の状況は、当然のことながら、それを論理的に支えてきたネオコンの論理に対する懐疑も生み出している。現在、アメリカでは外交政策を巡る論争は、混迷と混乱の様相を呈している。そんな状況の中でネオコンに真正面から挑戦する本『岐路に立つアメリカ』(America at the crossroads)が3月に出版され、大きな波紋を呼んでいる。しかも、著者がネオコンを代表する論者であるだけでなく、『ニューヨーク・タイムズ』紙の書評欄で評者が「考え方が最も創造的で、最も面白く、また最も野心的な人物」と紹介するほど政治学者フランシス・フクヤマであることが、その波紋をいっそう大きなものにしている。ネオコンは、イラク戦争での厳しい現実だけでなく、思想の面においても深刻な挑戦を受けているのである。

フクヤマとクラウサマー論争の始まり

だが、フクヤマは次第にネオコンの主張に違和感を覚え始める。02年4月に新アメリカ世紀プロジェクトがブッシュ大統領にイスラエル政府を強力に支持することを求めた書簡にフクヤマの署名はない。ネオコンの中心的人物の多くはユダヤ人であり、彼らのイスラエルに対する姿勢にフクヤマは次第に批判的になっていた。それは、後述するクラウサマーとの論争の中にも顔を出している。フクヤマは、クリントン大統領宛の書簡でサダム・フセインの排除を主張したが、「その時点でイラク侵攻のカードは入っていなかった」と述べ、自分はイラク戦争を支持していたわけではないと弁明している。03年3月のアメリカ軍のイラク侵攻で、フクヤマはネオコンの主張に同調できなくなる。彼は、アメリカのテロに対する過剰反応を懸念していたのである。

イラク戦争が始まる前の03年1月のある土曜日、バージニア州アーリントンにある表札も出ていないビルの一室で国防総省ネット・アセスメント部の会合が開かれた。同部は四つの専門家グループに国際的なテロの長期的な脅威について分析を依頼していた。その日、各グループが分析結果を報告するために会合がもたれた。フクヤマは、四つのグループのうちの一つのグループの責任者であった。ウオルフォウィッツ国防副長官は、四つのグループのうちフクヤマが責任者を務めるグループのプレゼンテーションにだけ顔を出した。その席でフクヤマは、「アメリカは9月11日のテロに過剰反応すべきではない」と報告し、特に軍事行動を取ることに慎重な対応を求めた。おそらく、その分析は、彼のメンターであるウオルフォウィッツを失望させたであろう。

フクヤマのネオコン批判を決定的にしたのが、04年2月にワシントンのヒルトンホテルで行われたアービング・クリストルを記念する晩餐会でのチャールズ・クラウサマーの「民主的現実主義−一極世界におけるアメリカ外交」と題するスピーチであった。クラウサマーがスピーチの中でイラク戦争を“実質的に完全な勝利”と主張し、会場にいた多くの人々がそのスピーチに喝采する様を目の当たりにしたフクヤマは当惑する。翌日、『ナショナル・インタレスト』誌のジョン・オサリバン編集長に会った彼は、クラウサマーのスピーチに対する反論を書かせてくれるように頼んだ。オサリバンは即座に了承し、同誌の04年夏号に「ネオコンサーバティブ・モーメント」と題するフクヤマの論文が掲載された。これが、フクヤマが公然とネオコンに向けて放った最初の批判の矢であった。

レジーム・チェンジと国家建設

では、ネオコンはイラン戦争でなぜ間違を犯してしまったのだろうか。フクヤマは、それを理解するためには冷戦勝利まで遡らなければならないという。冷戦の頃は、ネオコンはアメリカの保守主義グループの中できわめて少数派でしかなかった。レーガン政権は彼らの主張であるレジーム・チェンジを外交政策として採用することになる。そうした政策は、現実主義者や外交の専門家には無視されていた。しかし、結果的にレーガン政権の対ソ強攻策によってソビエト体制は崩壊し、ネオコンのレジーム・チェンジ政策は見事に無血で成功を収めたのである。すなわち、ソ連の“民主化”は成功したのである。

ネオコンは、ソビエト崩壊から幾つかの教訓を引き出した。まず、全体主義の国家は“最終的”に崩壊するというということである。しかも、ソビエト崩壊後、東欧では雪崩を打ったようにレジーム・チェンジが起こる。これが、ネオコンにレジーム・チェンジに対する自信を深めることになった。そして、ネオコンは、「イスラム世界でも同様なレジーム・チェンジがどうして不可能だといえるか」(クリストル)主張し始めたのである。イラクは生存にかかわる脅威であり、イスラム世界のレジーム・チェンジは可能であるとの過信が、ネオコンのイラク戦争を推進する論拠となった。

しかし、フクヤマは、イスラム社会のレジーム・チェンジについて次のように反論する。イスラムの特殊な社会構造はネオコンが想像する以上に複雑なものである。東欧の民主化はもともと民主主義のルーツを持っている社会であり、イスラムの世界とは基本的に異なっている。多くのネオコンは、そうした事実を無視して、楽観的なレジーム・チェンジの絵を描いたのである。その結果、ネオコンは、アメリカは自ら積極的に状況を変えていくことができるという“レーニン主義”に陥ったと批判する。

もう1つのポイントは国家建設である。フクヤマは、04年に『ステート・ビルディング』と題する本を出版している。フクヤマは、ネオコンは国家建設でも、伝統的なネオコンサーバティズムから逸脱したと指摘する。伝統的ネオコンは、ジョンソン大統領の「偉大な社会計画」を徹底的に批判した。そうした社会工学(ソーシャル・エンジニアリング)は、国家の過剰な介入を招き、予想したとは反対の結果を生み出す可能性があるからだ。だが、イラクでネオコンがやろうとしていることは、まさに社会工学的な国家建設であり、伝統的なネオコン思想に反するものではないかと批判する。フクヤマは、国内で上手くいかなかった社会工学的な国家建設がどうして上手くいくのかと疑問を呈す。しかも、1899年のフィリピン統合後、アメリカは一八カ国の国家建設に携わってきたが、ドイツ、日本、韓国以外はすべて失敗していると、国家建設の難しさを指摘している。

これに対して、ネオコンはどう反論しているのであろうか。クリストルは「イラクの国家建設は長期プロジェクトである」と反論する。現在、イラクが内戦状況になっているのは、民主化のプロセスとして避けがたいことであると主張する。さらに民主化や安全保障の確立が進まないのは、アメリカ政府が十分な軍事的、金銭的な資源を投入していないらであると、イラクの民主化と国家建設は可能であるという立場を崩していない。アメリカが十分な軍事的展開をしていないのは、ラムズフェルド国防長官に責任があるとして、同長官の辞任を求めている。

さらに、クリストルを含めた三四名が、05年1月28日に議会に「アメリカ軍は私たちが求める責任を果たすにはあまりにも規模が小さすぎる」と主張し、軍の増強を求める公開書簡を送っている。彼らは、まだイラク戦争が負けたとは認めていないし、またアメリカ主導のもとに民主化、国家建設は可能だと考えているのである。クリストルは「アメリカ軍が長期にわたってイラクに駐在することが民主化にとってきわめて重要である」と、早期撤退計画を批判している。

フクヤマはネオコンと決裂したのか

では、フクヤマは、完全にネオコンと絶縁したのであろうか。彼は「20世紀の中葉から始まったネオコンサーバティズムは一貫性のある原理である」と、その思想性を高く評価している。それが90年代に政治によって利用され、歪められたとも述べている。「ブッシュ政権の外交政策の代名詞になってしまったネオコンサーバティズムという言葉を取り戻す努力は現時点では不毛である」と、厳しいコメントをしている。

彼は自ら『アメリカン・インタレスト』誌を創刊し、独自の活動を始めている。ネオコンサーバティブの祖の一人であるアービング・クリストルは『パブリック・インタレスト』と『ナショナル・インタレスト』という二つの雑誌を創刊し、ネオコン思想の普及に貢献した。『アメリカン・インタレスト』という誌名からすれば、フクヤマは伝統的ネオコンサーバティブに対する拘りは持ち続けているのかもしれない。ある論者は、「マルクス主義者がスターリンからマルクス思想を切り離すことで、その思想を救おうとしたように、フクヤマはブッシュ政権と一体化したネオコンからネオコン思想を切り離すことで、ネオコン思想を救おうとしているのかもしれない」と分析する。

フクヤマは「クラウスサマー批判はあなたの思想のパラダイムの転換を示しているのか」と聞かれたとき、「そのことがパラダイムの転換を促すことになるのかどうかわからない」と答えている。さらに、「ネオコンサーバティズムはテストに直面している。変化する現実に対応して調整するか、あるいは硬直的な原則に固執するか。その選択によって、ネオコンの時代は終わるか、生き残るかが決まるだろう」と述べている。

ブッシュ政権の中ではライス国務長官を中心に“ネオ現実主義”の動きが出ている。競合する外交思想の中で、どれが次のアメリカの新しい外交思想になるのであろうか。ネオコンの「民主的現実主義」なのか、フクヤマの「現実的ウィルソン主義」なのであろうか。思想は、現実によって試されることになるだろう。最初のウィーバーの言葉に戻ろう。「思想は結果を生む」ものである。言い換えれば、思想は結果によって判断されるのだろう。ネオコンサーバティズムは、まさに結果によって判断されようとしているのかもしれない。



<イラク新政策>ISG提言とのかい離目立つ 1月11日 毎日新聞

 ブッシュ大統領の新政策には、保守系シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」がまとめた米軍増派を含む提言が反映されているとの指摘もある。「強い米国を求めるネオコン(新保守主義)勢力の主張と、イラクでの勝利にこだわるブッシュ大統領の要望が、現実的対処を求めるISG提言に勝った結果」と指摘する元米政府関係者もいる。



(私のコメント)
中岡望氏の記事と毎日新聞の記事を見ていただければ分かるとおり、ブッシュ大統領のイラク政策が何も変わっていないことに気がつく。ラムズフェルド国防長官の退任も、兵力が少なすぎたというネオコンの批判に基づくものであり、イラクの新政策はネオコンが望むとおりに兵力は増強される。

この期間中にイスラエルによるイラン攻撃が行なわれて、イラクにいる増強されたアメリカ軍が巻き込まれて中東大戦争が勃発する危険性もある。ネオコンとしてはブッシュ政権のうちにイチかバチかの賭けに打って出て、イランとシリアをもアメリカとイスラエルの勢力下に置こうとするだろう。

しかしそのような事は可能だろうか? アメリカは今でも毎月一兆円の軍事費を使っているが、戦争をイランやシリアにまで広げたらアメリカ経済はパンクする。民主党が優勢になった議会はどのような対応をとるのだろうか? 与党の共和党内にもイラクへの軍事増強には反対する議員もたくさんいるようだ。

フランシス・フクヤマ氏の「アメリカの終わり」は、ブッシュ政権のネオコンはイスラエル寄りになりすぎた事に対する批判の書ですが、ネオコンの変質はソビエトの崩壊による成功体験が原因となっていると指摘している。それと同じ事をイスラム国家にも適用しようとしている。しかしソビエトの崩壊はアメリカにとっては無血で行なわれたが、イラクに対してはすでに数万人のアメリカ兵の血が流されている。

フランシス・フクヤマ氏はイラクのフセイン政権の崩壊の目的は同じだが軍事介入によるイラク戦争は「レーニン主義」と批判する。社会工学的な国家建設がネオコン本来の政策ではなく、そんなことがイスラム国家で成功するとはとても思えないのですが、ネオコンは長期的な計画でイラクを民主国家に再構築できると思い込んでいる。

フランシス・フクヤマ氏の伝統的なネオコン思想と、クリストルなどのレーニン主義的ネオコンとの決別はイラク戦争がアメリカの思いどうりに行くかどうかにかかっている。しかしイラクでも上手くいっていないのにイランやシリアにまで武力介入を拡大する事は、失敗によるダメージを大きくするだけになる。

昨日はミアシャイマーのリアリスト的な政治思想を紹介しましたが、勢力均衡こそ国家間は安定化するという理論は、ソビエトの崩壊でアメリカに誤った自信過剰をもたらして一国覇権主義とネオコンが結びついた。イラクで成功すればその他の中東諸国や世界にも民主主義を広める事ができると思い込んでいる。

しかしフランシス・フクヤマ氏は、「アメリカは18カ国の国家建設に携わってきたがドイツ、日本、韓国以外は失敗している」と指摘している。ブッシュ大統領も演説で何度も日本の例を持ち出してイラク戦争の正当化を主張しているが、日本人から見ればきわめて独善的に見える。

ソビエトの崩壊でも民主的なロシアが建設されると思っていましたが、プーチンの登場はかつてのソビエトの復活を思わせるものであり、ドイツや日本の民主主義もアメリカによってもたらされたものではなく、ナチズムの崩壊や軍国主義の崩壊が原因で民主主義が復活したに過ぎない。

イスラエルにとってはパレスチナ過激派を支援していたイラクを民主国家に変えさせて、さらにシリアやイランに対してもアメリカを使って民主化させるつもりなのだろう。アメリカはいつからイスラエルの使い走りになって言いなりになるようになってしまったのだろう。

リアリストから見ればイラク侵攻は中東の勢力バランスを崩すものであり、イラクが民主化されれば周りのイランやサウジアラビアなどの国家にとっては国家体制の危機になり中東大動乱のもとになる。南米諸国も反米左翼政権が次々出来て、ネオコンの思惑から大きく逸脱している。

レジュームチェンジが必要なのは、皮肉な現実だがアメリカ自身であるように思える。それが「アメリカの終わり」なのだ。




「明日の東北アジアの構造と紛争」 ジョン・ミアシャイマー 米国
は撤退し、日本が圧倒的な大国になるきっかけをつくることになる


2007年1月12日 金曜日

明日の北東アジアの構造と紛争 ジョン・ミアシャイマー 奥山真司(訳)

現在の北東アジアでは、三つの国家が「大国」に値する十分な冨と人口を持っている。中国、日本、ロシアである。しかしその三カ国のうちのどれもが「潜在覇権国」(訳注、ある地域の全ての大国を支配する可能性を持つ大国のこと)ではない。

日本はこの地域の中では豊かな国である。日本の国民総生産(GNP)は、中国の約三.五倍、ロシアの十二倍の犬きさである。しかし日本はその経済的な豊かさを、北東アジア全域に脅威を及ぱすことのできるような圧倒的な軍事カヘと変化させることはできないのだ。

日本は中国やロシアと比べて経済的には遥かに豊かではあるが、とくに中国と比ぺてみた場合、比較的人口が少ないことがわかる。中国の人口は日本のほぼ十倍であり、次の五十年間にその差はさらに広がりそうなのである。

よって、日本が中国よりも強力な軍隊をつくりあげることはほぱ不可能であろう。日本は質的な面においては中国より優秀な軍隊をつくりあげることができるかもしれないが、中国の巨大な人口によって維持される十倍という数の差をそれによって乗り越えることができるかどうかはむずかしいのだ。

また、日本は北東アジアを軍事的に圧倒しようとする場合、深刻な「兵力投入能カ」の問題に直面することになる。日本は島国であり、アジア大陸からは海という水の塊によって切り離されている。よってアジア大陸に足場を確保できない限り(もちろんこれはほぼ不可能であろうが)、日本はアジア大陸を海上から侵略しなけれぱならないことになる。

一八九五年から一九四五年までの間は中国と朝鮮があまりにも弱く、大陸に大規模な軍隊を簡単に展開できたため、これは日本にとって問題にはならなかった。しかし今日の中国と朝鮮は相当手ごわい相手になっており、彼らは日本のアジア犬陸侵略に対して確実に軍隊を使って抵抗することになる。

中国と朝鮮によって支配されている領域に対して陸と海からの侵攻作戦は、かなり困難な作業になるのだ。まとめていえば、もし次の十年間ほどで日本がアメリカから離れて一つの大国になるとすれぱ、二十世紀前半の頃の日本よりも、十九世紀半ばのヨーロッパにおけるイギリス(訳注、大陸からの覇権国の出現を防ぐために外交・軍事を駆使して大陸内の勢力均衡を保った)のような存在になるだろう。

ロシアが二〇二〇年までに北東アジアで「潜在覇権国」になる可能性も少ない。ロシアが日本よりも強カな経済を短期間に築き上げることはほとんどあり得ないからだ。もしロシアが目覚ましい経済発展をしたとしても、日本が直面しているような中国どの人口の差の問題がある。

中国はロシアに比ぺて八倍もの人口を持ち、時間の経過とともにその差は広がりそうなのである。よって、豊かになったロシアでさえ、中国より強力な軍隊を編成できることにはならないのだ。

このようなロシアが抱える懸念は、ヨーロッパ方面での安全保障問題や、ロシアの南側の国境地帯における紛争(北東アジア方面へ展開するための軍事力を制限してしまう)などによって、さらに複雑化してくるのである。

中国は北東アジアの将来のカのバランスを理解する上で、鍵を握る国である。今日の中国は日本ほど経済的に豊かではないので、明らかに「潜在覇権国」ではない。

しかし中国の経済が次の二十年の間、一九八O年代からの割合か、もしくはそれに近い数値で拡大して行げぱ、中国は日本を凌いでアジアで一番裕福な国になる可能性はある。しかも実際はその巨大な人口規模のため、日本、もしくはアメリカよりも、遥かに豊かになる可能性をもっているのだ。

中国の潜在的なカを示すためには以下のようなシナリオを考えてみて欲しい。日本の一人当たりのGNPは、現在の中国の四十倍である。もし中国が今日の韓国と同じくらいの一人当たりのGNPを持つレペルまで近代化すると、中国は国家として実質的に日本の四・〇九兆ドルという経済規模よりも大きい一〇・六六兆ドルのGNPを持つことになるのだ。

もし中国が一人当たりのGNPで現在の日本の半分程度になったとすると、中国は二〇・O四兆ドルのGNPを持つことになり、これは国家として日本の五倍の豊かさを持つことになるのである。

もし中国人が最終的に一人当たりのGNPにおいて日本と同じ数値を持つことになれば、中国は日本より十倍も豊かなことになる。なぜなら中国は日本の十倍の人口を持つからである。

経済がこのまま急速な成長をつづけた場合に中国がどれだけ強力になるかということを示すもう一つの良い方法は、アメリカと比較することである。アメリカのGNPは七・九兆ドルである。もし中国の一人当たりのGNPが韓国と同じになると、中国全体のGNPは一〇・六六兆ドルになり、これはアメリカのGNPの規模の一・三五倍になる。

もし中国の一人当たりのGNPが日本の半分になると、アメリカのGNPの規模よりもほぼ二・五倍も大きくなる。念のために他の国と比較してみると、たとえばソ連(ロシア)は冷戦時代を通じてはアメリカの約半分ほとの経済カを持っていただけである。簡単にいえば、中国はアメリカよりもはるかに強力になれる潜在的な力を持っているのだ。

二十一世紀に中国経済がどこに向かうのか、そして中国は日本を追い越して北東アジアの「潜在覇権国」になるのかどうかを予測するのはむずかしい。しかしながら、この地域の軍事力の構成がこの先何十年の間にどのようになるのかは、実は二つに一つのシナリオしかない。

一つ目は、もし中国経済の急速な成長が止まり、日本が北東アジアで引き続き最も豊かな国でありつづけれぱ、日中のどちらも「潜在覇権国」にはならず、アメリカも軍隊を引き揚げることになるというシナリオである。

これがもし実現するならぱ、日本はほぱ確実に大国として振舞うようになり、独自の核抑止力を持ち、通常兵力の規模を大幅に拡大することになるだろう。それでもこの地域には.「パランスのとれた多極構造」日本がアメリカの立場に取って代わり、中国とロシアはそのまま大国の位置を保持する、は残ることになる。

ようするに、アメリカの撤退は北東アジアの基本的な力の構造を変化させることはなく、おそら<戦争が起こる確率を今より高めることはないだろう。しかしながら、日本がアメリカに取って代わることになれぱ、北東アジアが不安定になる確率を上げることにはなりそうである。

アメリカは平和を保つための強カな核抑止カを持っているのに対して、日本は現時点では核兵器を持っておらず、これを自前で確保しなければならなくなるからだ。しかしこのような核拡散のプロセスは、とくに中国、そしておそらくロシアとの衝突の危険を伴っており、核武装した日本の出現を防ぐために武力攻撃が行われる可能性も否定できない。

それに加えて、一九三一年から一九四五年にかけての日本の行動がアジア詰国に植えつけた根強い恐怖心は、日本が核抑止力を手に入れることになると確実に強まることになり、安全保障競争を激化させることになるのだ。

さらに「オフショア・パランサー」(訳注、ユーラシア大睦の沖にある、イギリスやアメリカのような海で隔てられた海洋国家のことで、大陸からの覇権国の出現を防ぐために外交・軍事を駆使して勢力均衡を保つ傾向がある)という立場から、アメリカは北東アジアの土地を征服することにはほとんど興味を持っていない。

すでに述べたように、中国がそれなりの大国として大陸に君臨している限り、日本がアジア大陸に軍事カを展開させることはほぽ不可能なのだ。

日本には中国と「尖閣諸島/魚釣島」、韓国とは「竹島/独島」、そしてロシアとは「クリル諸島(千島列島=北方領土)」をめぐっての領土争いがある。

また、中国は強力なアメリカとの大規模な戦争を戦うにはまだ軍事的に弱すぎるのだが、元々人口が少なく、アメリカの軍事力に取って代われるような軍事力を備えるだけの富を持っていない日本に対して戦争で負けるということは考えにくい、ということも指摘しておくべきだ。

二つ目のシナリオは、中国経済の急速な成長が続き、最終的に「潜在覇権国」になる、ということである。アメリカは北東アジアに居残るか、もしくは中国が競争相手にならないことを確実にするために、一度引き揚げてもいつの日か北東アジアに戻ってくるかもしれない。

ロシアと日本の二カ国だけでは、たとえインド、韓国、ペトナムが「反中(バランシング)同盟」に参加したとしても、中国を封じ込められる可能性は少ない。

このシナリオが実現すると、中国は経済的に最も豊かになるだけではな<、その巨大な人口によって、ロシアや日本よりも強力な軍事刀を築き上げることができることになるのだ。また、中国はさらに強力な核兵力を入手するだけの財源を手に入れることになる。

もし中国が北東アジア全域を支配しようとすれば、この地域は明らかに「不安定な多極構造」になり、現在よりもはるかに危険な場所になってしまう。過去の全ての「潜在覇権国」がそうだったように、中国も本物の「覇権国」になろうとする傾向を強めるだろうし、アメリカを含むその周辺の中国のライバル国家たちは、中国の拡大を防ぐために包囲網を築こうとするだろう。

ところが介入政策やその他の政策でも、中国の拡大への強烈な欲望を抑えることはできないのだ。簡潔にいえぱ、現在のヨーロッパや北東アジアの力の構造はほぼ安定した状態ではあるのだが、このような状態を今後二十年間持続させることはできない、ということになるだろう。

最も実現可能なシナリオによると、アメリカ軍のヨーロッパ撤退は、ドイツが欧州で支配的な国になると同時に起こることになり、これによってこの地域は現在の「二極構造」から「不安定な多極構造」に移り、ヨーロッパの大国の間に激しい安全保障競争を巻き起こすことになる。

その一方で、北東アジアの現在の力の構造は、以下の二つのシナリオの方向に向かいそうだ。

@中国が潜在覇権国にならないシナリオ。 この方向で行けぱ、アメリカはこの地域から撤退し、日本が圧倒的な大国になるきっかけをつくることになる。よって、この地域の多極構造は安定したものとして推移しそうなのだが、軍拡競争は現在よりもやや激しさを増しそうである。その理由は、日本がこの地域の大国の一員であるアメリカの立場に取って代わる点にある。

A中国が潜在的な覇権国として浮上するシナリオ。 この方向で行けば、北東アジアの多極構造はさらに不安定になり、アメリカは中国を封じ込めるためにこの地域に軍隊を残すことになる。

(諸君 2005年9月号 P102〜P105)


(私のコメント)
株式日記が民族主義的愛国主義的保守派でありながら現実主義的なリアリストである為に、とかく観念的に凝り固まった人からは白い目で見られることもあるのですが、株式日記は地政学的には親米派でありながら、経済的な内政干渉に関しては反米的なことを書き続けている。

まさにこのような考え方をリアリストと言うのでしょうが、理念や観念で凝り固まってしまうと柔軟な対応が出来なくなり、昨日の敵は今日の友といった事もできずに自分を孤立させてしまう事になる。ブログなどを見ると反共主義に凝り固まって毎日のように中国を非難攻撃しているブログも見かけますが、もっとリアリスト外交を身に付けないと外交戦略を誤ることになるだろう。

株式日記では2005年8月7日にミアシャイマー氏の論文を紹介しましたが、結論部分だけでしたので、今回は中盤部分の論文を紹介させていただきます。

ミアシャイマー氏の最近の論文としてはイスラエルロビーを批判した論文が話題になりましたが、アメリカでは非常に勇気のいる内容の論文であり、どうなる事かと心配してみていましたが、最近のイラク情勢はまさにイスラエルロビーによる活動でアメリカ外交は蝕まれているのだ。

イラク戦争に対してもミアシャイマー氏はネオコンと対立してイラク侵攻に反対しましたが、当時のアメリカでネオコンに反対意見をぶつける事は非常に難しい状況だった。しかしその後のイラク情勢はミアシャイマー氏の言ったとおりになり、ネオコンは理念に凝り固まって外交を見誤った。

それに対してリアリストは現実をよく見極めて最善を尽くすのが心情だから、すでにアメリカの国力をよく見極めてイラクに侵攻しても押さえ切れないと見ていた。株式日記でも衰退しつつあるアメリカとよく書きますが、イラク戦争の泥沼化を見ればアメリカの軍事力は明らかに弱っている事が証明されている。

それに対してリアリストのミアシャイマー氏は日本をロシアや中国に並ぶ「大国」と評価していますが、株式日記でも日本は超大国だと書いてきた。人口で見ても経済力で見ても経済水域を含めた国土で見ても日本は「大国」なのだ。にもかかわらず日本は大国としての外交戦略を持とうとしない事は、日本の政治家達の無能とアメリカ頼みの腰抜けポチ保守が蝕んでいるからだ。

リアリスト的に東北アジアの将来を展望すればミアシャイマー氏の書いたとおりになる可能性が高い。アメリカが衰退して東北アジアからも米軍は撤退していく事だろう。そしてその穴を埋めるようにして日本は軍事的にも大国化して、ロシアや中国ともバランスのとれた力をもつ必要がある。

その意味からいえば日本の核抑止力を持つ事は避けられないものであり、日本の核武装はロシアや中国が東北アジアの覇権を防ぐ唯一の方法なのだ。その意味においてアメリカ外交がリアリズム外交に徹するならば日本の核武装は認めることがアメリカの利益になる事になる。

リアリストのキッシンジャーも前々から日本の核武装を予言していますが、バランス・オブ・パワー理論からすれば当然の結論だ。しかし中国がどの程度まで経済発展するか変動要素があるので、それによっても将来の見方は違ってきますが、中国は経済発展と同時に軍事の拡大と内乱の激化で崩壊するという見方がある。

中国が内乱で崩壊してくれればアメリカが衰退して東北アジアから撤退してもバランスは崩れず、日本も軍事大国になる必要はないが、中国が軍事大国化して地域覇権国になる場合はアメリカは軍隊を東北アジアに残す必要がある。しかし衰退するアメリカにとってそれは可能だろうか? いずれにしろ日本の軍事大国化の可能性は準備しておく必要がある。

東北アジアの軍事的なバランスは北朝鮮の核武装によって崩れつつあるのですが、アメリカは韓国からも撤退しつつある。日本からも沖縄の海兵隊がグアムへ撤退しますが、いずれアラスカーハワイーグワムのラインに撤退するのだろう。それが実現すれば日本は好むと好まざるとに関わらず軍事大国化しないとパワーバランスは崩れる事になる。


東アジア共同体という危険な誘惑 2004年12月15日 園田 義明

この点でライス論文はミアシャイマー理論と驚くほど一致している。さらに過去の事例から、ミアシャイマーはライバルがバランス・オブ・パワーを崩そうとした場合の具体的な戦略として「ブラックメール(blackmail=恐喝)」と「戦争(war)」をあげ、危険なライバルに直面した時にバランス・オブ・パワーを保つために使う戦略として、「バランシング(balancing」と「バック・パッシング(buck-passing=責任転嫁)」を取り上げている。

 「バランシング」とは自国単独もしくは他国と協力しながらライバルに対する勢力均衡を維持しつつ、その力を封じ込め、必要とあれば戦争をして相手を負かすことであり、「バック・パッシング」は大国が脅威を与えてくる相手国に対して、他国に対峙させ、時には打ち負かす仕事をやらせることである。そして双方が消耗しきった時に大国の出番となる。他にライバルに追随、従属するバンドワゴニング(bandwagoning)もあげられる。

なお、このネオ・リアリズムに属するウォルツやミアシャイマーが中東における軍事バランス崩壊の観点から、イラク戦争に関して明確に反対し、2003年2月に行われた外交問題評議会(CFR)でネオコンと大激論を繰り広げ、ネオコンが惨敗を喫したことは友人であるコバケン氏論文「リアリストたちの反乱」に詳しい。理論で負け、実戦でも予想以上の苦境に陥る現状にあって、ブッシュ政権内の主導権がネオコンからライス国務長官のオフェンシブ・リアリストへと移ったのは当然の結果である。

日本は戦後、憲法9条を盾に安全保障を米国に依存する「バック・パッシング」を採ってきたが、米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)における陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間(神奈川県)への移転や横田の第五空軍司令部の第十三空軍司令部(グアム)への移転・統合などを見る限り、ブッシュ政権は対中戦略に際して、日本の「バック・パッシング」を封じつつ、日本を中国にぶつける「カウンター・バック・パッシング」をシナリオに組み入れたと判断すべきであろう。




外資のM&Aを推進、日本企業の解体・外資売り渡しを加速
労働関連法を次々に改悪し、派遣社員やニート激増の小泉改革


2007年1月11日 木曜日

【新春に聞く】お茶の水女子大学・藤原正彦教授 FujiSankei Business i.  2006/1/1

■活字文化の復興を

 −−藤原教授の著作「国家の品格」がベストセラーになっている。どう、ご覧になっていますか

 「国民のなかに、なんかおかしいぞという気持ちがあるのではないでしょうか。政府は市場経済、市場経済と唱えて改革を進めていますが、社会全体がなんかおかしいぞと。そのことが、本が売れている理由ではないでしょうか」

 −−具体的には

 「たとえば、地方分権。これが実現されれば夢のような世界が待っているかのよういっているが、しかし、違うのではないかと思っている。耐震強度偽装問題も、建築のすべての世界にわたっている可能性があるし、金融の世界も同じ。要するに、政治家も官僚も財界も学界までも含めて今、史上最低の状態にある。人間としてね」

 −−手厳しいですね

 「一番悪いのは、ある意味で国民です。たとえば、一連の株買い占め問題で国民はIT企業家らを時代の寵児であるかのように支持した。しかし、彼らはヒーローでもなんでもない。『カネでできないことはない』などとうそぶく人間をもてはやすような風潮は、金銭至上主義の蔓延(まんえん)の結果で、市場経済万能の悪い面が出ているとしか思えない。勝ち組、負け組に分けて、何でも勝ち組にのるという、そういう世の中です」

 −−企業は誰のものか、が議論になりました

 「従業員のものに決まっています。一週間、一カ月、一年、極端な場合、朝買って夕方には売るのが株主。企業に対する愛情など何もない人たちですよ。単にキャピタルゲイン(売買益)を狙っているだけ。それが、どうして企業は株主のもの−などといえるでしょう」

 −米国式の企業経営がもてはやされています

 「それは、世界のスタンダードなどではない。日本にも日本式の資本主義があって、実は日本型の資本主義は、世界で最も優れたものだったのです。一九八〇年代は、日本の独り勝ちですよ。そのときのことを日本人は忘れている」

 −−たしかに、日本の企業活力の源泉だった年功序列型経営や終身雇用制度は、世界のだれにもまねのできないすばらしいものでした

 ≪行き過ぎた緩和≫

 「それが、バブル経済が崩壊した程度で狼狽してしまい、アングロサクソン型に変えようとした。新会計基準の導入や株主中心主義、四月からの自社株で他社の株を取得できるようにする制度だってそうです。いわば、『会社は株主のもの』などという、ひと昔前の遅れた資本主義を採用しているわけです。これは何もかも行き過ぎた規制緩和の結果。いまや日本の力の源泉である国柄というものを失いかけているのです」

 −−国家の品格とは、つまり国民一人ひとりの品格・品性のこと。どこに根源的な問題があるのでしょう

 「政府がお先棒を担ぐ形で、日本の国柄を壊しているわけですが、なにも政府だけが独走しているわけではない。昨年九月の総選挙でわかったように、国民は小泉純一郎首相を圧倒的に支持しているわけです。ある意味では、国民が日本を滅ぼしつつある。なんでそうなったかというと、その根源にあるのが、祖国に対する誇りと自信を失ってしまったということです。たとえば、いまの多くの学生は『日本は恥ずかしい国だ。侵略ばかりして』などと平気で言っている。そういうふうに学校で習ってきたのです。学生ばかりではありません。その親や先生だってみんな同じです。この国には何一つ誇るべきものがない、自信がない。そうなると、他国のことをまねしようとする」

 −−それが米国式のやり方となる

 「ええ。ところが、米国と日本は一蓮托生ではない。たしかに、軍事外交上、日米は最大の盟友だが、経済の面で米国は最大のライバルなんです。そこが悩ましいところで、米国は日本に対し、『経済では最大の敵だ』とみなしているのに、日本だけが区別できないでいる。軍事外交上の最大の盟友だから経済でも味方だ、と考えるのが間違いなのです。味方だからといって、日本は米国の経済上の要求を全部受け入れてしまった。昨年は株価がかなり上昇したが、それなのになぜ円安になるのか。いまの経済は現物でなくて先物。未来が経済を決めており、素人が手を出せるような状態でないのです。それでも、誰かが出てきて、きちっとやれば経済はある程度よくなるかもしれない。だが、それだけのことで日本人の魂が変わるわけではありません」

 −−なぜ、日本人は誇りと自信をなくしてしまったのでしょう

 「戦後のGHQの目的が、日本が再び立ち上がり米国に歯向かわないようにする、ということだったからです。戦前の文化や伝統、歴史をすべて否定し、『人間みんな平等にする』という方針のもと、エリートを外して庶民だけにしてしまった。庶民だけで国はリードできませんよ。それだけでなく、当時、ソ連・モスクワのコミンテルン(共産主義の国際組織、第三インターナショナル)の指導を受けていた日教組が、その指示通りに動いて同じようなことをしました。日本の教育は、米ソに完全にやられてしまったわけです。終戦から六十年。一つの国家を滅ぼすのに武力は要らない。教育を壊しておけば、あとは寝ながら、熟した柿が落ちるのを待てばいいというわけです。まさにいまの日本はそういう状態です」

 −−日本人が立ち直るにはどうすれば?

 ≪教える人いない≫

 「もう手遅れかもしれませんね。結局は子供たちに託すしかないのですが、そんなに大きな期待もかけられない。子供にとって教育は非常に重要なのに、先生や親が総崩れの状態で、教える人がいないからです。できるだけ早く、子供たちによい教育を与えることができれば、二十−三十年後には彼らが大人になり、いまの状況が変わってきます。そうすれば、われわれの孫の世代が日本を再生してくれるはず。日本人は非常に優秀な民族ですからね。とにかく、いますぐ取り組まないと、ひ孫の世代まで日本再生を待たなければならなくなります」

 −−いまの日本人は、先人に学ばなければならない日本の貴重な制度や伝統の多くを失いかけているようです。どうすれば取り戻せるでしょう

 「一番手っ取り早いのは、家庭では子供にテレビ視聴を制限することです。たとえば、一日二時間に制限すれば、親も当然そうなる。空いた時間に本を読むとか、親子で話をするとか、ただボーっとしているだけでもいい。なかでも、いい本を与えることですね。非常に長い道のりですが、活字文化の復興以外にはないんです。ですから、初等教育では一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数が重要だと申し上げている。なぜ国語が重要かといえば、初等教育で一番大切なのは、自ら本に手を伸ばす子供を育てることなんです。本さえ読んでいれば、あとは学校へ行かなくてもいいくらい。自然に直感的な物の見方とか大局観ができてくるのです」

 −−子供たちの教育に日本再生を託し、そのために活字文化を再生させていけば、日本はいまの状態から抜けだせる、と

 ≪武士道精神大切に≫

 「その通りです。もう一つは、日本の宝物である『情緒と形』。形をきちんとたたき込むということです。ほとんどの形は武士道精神からきています。忍耐とか、誠実とか、勇気も、正義も、そして惻隠、卑怯(ひきょう)を憎む心。それから名誉と恥も。こういう武士道精神をきちんとたたき込むことですね。大切なのは、こうしたことを子供に教える際には、説明するのではなく、問答無用でいくことです」

 −−読書することの重要さを再三強調されていますが、ビジネスマンに薦める本を三冊挙げてください

 「まず、私の『国家の品格』、二冊目は新渡戸稲造(にとべ・いなぞう)さんの『武士道』ですね。それに戦没学生の手記集『きけわだつみの声』ですかね。この本を読んだら、学徒出陣兵がどんな気持ちで国家に殉じていったか、日本の平和と繁栄をどれだけ願って逝ったかが、よく分かります。彼らがいまの日本の現状を知ったら嘆くでしょうね」


(私のコメント)
昨日のテレビ朝日のスーパーモーニングで「国家の品格」の著者の藤原正彦氏のインタビューを放送していました。まさに小泉構造改革批判のオンパレードなのですが、日本全国各地からの講演依頼が殺到して断りきれないくらいらしい。それくらい国内には小泉構造改革に対する批判が高まっているのでしょう。

株式日記も徹頭徹尾に批判してきたのですが、国民は痛みばかりで景気がいいのは外資系企業か大企業ばかりのようだ。つまり国民は騙されてきているのですが、なぜ外資系企業や大企業にばかり有利な法律が次々と可決成立していくのだろう。現在もホワイトカラー・エグゼンプションという法律を通そうとしている。

現在は適用基準を800万円とか900万円とか言っていますが、いったん法律が出来てしまえば官僚たちはタイミングを見計らって基準金額を引き下げて最終的には400万円くらいにするのだろう。つまりは年収400万円で後はいくら働いても残業代は付かないということです。

消費税にしても最初は3%で適用は3000万円以上の事業者と言うことでしたが、財務省の官僚たちは5%にして適用基準を1500万円まで引き下げてきた。人材派遣も最初は業種が限られていたのに現在ではほとんどの業種に適用されるようになった。このように官僚はずる賢く信用が出来ない。

結果的に小泉構造改革は国民の所得を引き下げて企業を優遇しただけのことですが、企業だけ大儲けをして国民は非正規社員やニートやフリーターが多くなっては社会が荒廃する一方だ。所得水準が下がって消費が伸びないのはもちろん子供の教育にも影響が出てきて、新卒社員を採用しても使い物にならない社員が増えて3年以内に半数が辞めていくような会社が増えている。

藤原正彦氏も日本を教育から立て直さなければいけないと指摘していますが、子供の学力の低下に現在の教育問題の歪が現れている。藤原氏が「本を読むのが人間であって、本を読まないのは獣である」と言っていますが、現代人は半数が月に一冊も本を読まない。

本を読まなければ知識が蓄積せず、ただの獣的生活しているわけですが、知識がなければ思考のしようがないから感覚でしか物事を判断できなくなる。小泉構造改革はその盲点を突いたもので、改革と叫べば世の中が良くなると感じた国民が小泉改革を支持した。その結果が所得水準の引き下げであり、儲けているのは外資系企業と大企業だけだ。国民は騙されたのだ。

去年はホリエモンや村上ファンドが叩かれましたが、「金さえあればなんでも出来る、女にももててウハウハ」とホリエモンは豪語していましたが、日本人がこれほど劣化してしまったのだ。80年代頃までは戦前に生まれ育った人が残っていて、経団連でも土光さんのような清貧の美徳のある人が日本を支えていましたが、最近の奥田経団連の会長などは最低だった。彼は本当に日本人なのだろうか?


【残業代ゼロ】 「基準は年収"900万円"以上」…ホワイトカラー・エグゼンプションで、厚労相★2  2ちゃんねる

◆212 :名無しさん@七周年:2007/01/11(木) 01:56:38 ID:m5L2NXfu0

.   18年度成長率を下方修正へ 家計再びマイナス成長に転落
.   一人当たりGDP、世界上位20位より脱落(英独仏、カナダに抜かれる)
.   8年連続でサラリーマン所得減少、自殺者8年連続3万人突破
.   労働者の34%、15〜24歳限定では44%以上が非正規雇用に
.   ワーキングプア急増により、5年間で出生率が1.31から1.25に激減
.   労働生産性、相変わらず先進国最低水準(年々アメリカに水をあけられる)
.   実態の伴わない失業率、政府統計粉飾で景気偽装
.   賭博マネーゲーム横行で、資本主義の機能劣化
.   ホリエモンを新しい時代の息吹と絶賛、粉飾決算、風説流布、相場操縦横行
.   資本主義を破壊する企業の過剰貯蓄、いまだ高水準
.   デフレ脱却、2005年度も失敗


         ____
      /  \    ─\   ????経済わかんないけど
    /  し (●)  (●)\  小泉さんの痛みの改革は間違ってないよ・・・
    | ∪    (__人__)  J | ________
     \  u   `⌒´   / | |          |
    ノ           \ | |          | 

◆213 :名無しさん@七周年:2007/01/11(木) 01:57:46 ID:d+0zFlv90

■ホワイトカラーエグゼンプションとは■ (まとめコピペ・改訂版)

■残業代  ・・・何時間でも0円
■残業時間・・・制限撤廃 (青天井)
■労働時間・・・制限撤廃 (週40時間労働の制度が消滅する)
■サビ残  ・・・合法化
■過労死  ・・・合法化 (企業の健康管理義務が消滅、労災対象外へ)

労働無制限。サビ残青天井。残業代0円。過労死自己責任。
まさに「奴隷化法案」です。

★年収は・・・「年収決まらず」  「政令でいつでも年収は変更できる」 (厚労省案より)
★役職は・・・「管理職の一歩手前」 つまり一般の正社員が対象。 (厚労省案より)・・・・管理職「以外」が対象(ココ注意)
★職種は・・・どこにもホワイトカラーとは書いてない。つまり曖昧。(厚労省案より)

●影響1・・・残業代0で平均15%年収ダウン。ローン破産多発予想
●影響2・・・サビ残青天井だから、超長時間残業が多発。
●影響3・・・社員が鬱病・過労死しても会社の責任がゼロ。病気・死人が多発。
●影響4・・・正社員の労働時間がコスト0円で急増するので、派遣大量解雇へ
●影響5・・・年収大幅ダウンで消費減少、不況に突入。 (→超少子化)

◆235 :名無しさん@七周年:2007/01/11(木) 02:08:30 ID:2/ltxr4r0

.   1. 外資のM&Aを推進、日本企業の解体・外資売り渡しを加速
.   2. 労働関連法を次々に改悪し、派遣社員やニート激増
.   3. 不良債権処理を推し進め、中小企業を破綻させ失業者激増
.   4. 銀行資本を政策操作して国民の血税を外国資本に
.   5. 定率減税廃止など中間層の負担増やし少子化加速
.   6. リストラ・コスト削減の横行で国力(GDP)激減、成長率はベスト10から転落
.   7. 「財政危機」「年金危機」の官僚ダブル大嘘キャンペーンを演出し、過剰貯蓄を加速
.   8. 企業優遇策の積み重ねで大企業を金余り状態に放置
.   9. 空前の自殺数。自己破産・家出の高水準とピンハネ企業の蔓延
.   10. 金余り現象(デフレ)を放置し、余剰金を富裕者のマネーゲ−ムに回す
.   11. 郵政民営化可決で国民資産をハゲタカの賭博ゲームに
.   12. 内需拡大を目指さずアメリカ国債をバカ買い、アメリカ人の消費を下支え

小泉信者、いまごろダマされたことに気づく
         ____
      /  \    ─\   
    /  し (─)  (─)\    なんてこった!
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     \  u   `⌒´   / | |          |
    ノ           \ | |          | 

◆192 :名無しさん@七周年:2007/01/11(木) 01:47:20 ID:jimAceOf0

       ______
      /  \    /\   小泉さんは構造改革で新しい道のりを
    /  し (>)  (<)\  指し示したんだよ・・・。
    | ∪    (__人__)  J | ________
     \  u   `⌒´   / | |          |
    ノ           \ | |          | 
         ____
      /  \    ─\   チラッ
    /  し (>)  (●)\
    | ∪    (__人__)  J | ________
     \  u   `⌒´   / | |          |


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      /::::::─三三─\
    /:::::::: ( ○)三(○)\   
    |::::::::::::::::::::(__人__)::::  | ________
     \:::::::::   |r┬-|   ,/ .| | 構造改革は20年前のカルト理論
    ノ::::::::::::  `ー'´   \ | | 
.   構造改革はアメリカで流行したカビ臭いカルト理論
.   構造改革を採用した国は貧乏化へ一直線
.   アメリカは自国内政ではアンチ構造改革、保護関税、積極財政主義
.   アメリカは他国に構造改革を強制し、グローバル企業の他国資産収奪を支援
.   構造改革は、グローバル企業による他国民収奪の道具として機能

.   4年間で失業者300万人増、非正社員230万人増
.   先進国2位の“高貧困率国”へ急上昇
.   フリーター・パートら低賃金層、固定化
.   派遣会社、人身売買化、“使い捨て”偽装請負普及
.   企業収益と雇用者報酬の急速な乖離
.   「生活苦しい」過去最高の56%に

.   非正社員の比率「3人に1人」…階級格差の超大国
.   経済諮問会議(輸出大企業)の政治介入権を飛躍的に拡大
.   「貧困層」比率 先進国2位の衝撃度 
.   企業献金は35%増加 大半は自民党へ
.   社会保障を次々に削減、企業の減税幅UP

.   一人当たり名目GDP、下落の一途
.   労働法改悪で格差拡大
.   生活保護100万世帯突破、過去最高
.   銀行締め付けで貸し渋り横行、零細企業倒産、破産世帯激増
.   過労死、長時間労働は拡大の一途
.   日本人の低賃金化、底なし沼の様相

.   受刑者7万人突破 、終戦直後以来最高
.   5年間で自殺者20万人、家出35万人、自己破産100万人 
.   ワーキングプア拡大で少子化止まらず
.   人心荒廃、「正直者がバカを見る」詐欺天国に
.   市場原理奨励で東京の一極集中加速、地方過疎で国土放棄
.   集団自殺やカルト宗教、街はサラ金の看板だらけ
.   リストラ・コスト削減の奨励で内需はますます低迷




イスラエルとイランの戦争が起きた場合、軍事的、外交的、
経済的なアメリカの覇権失墜が早まり、日米同盟の崩壊も近づく


2007年1月10日 水曜日

「アメリカはイランを攻撃するか」 2007年01月09日 佐々木 良昭

新年早々、二人の国際情勢分析の専門家が、全く異なる意見を私に開陳してくれている。そこで彼らの主張の要点をここでご紹介しよう。

「アメリカのイラン攻撃はある」
  :アメリカの大統領選挙は2008年11月。
  :その前に共和党、民主党の候補を決める動きがすでに始まっている。
  :ジュリアーニは本年多額の資金を選挙に投じる。
  :予備選挙は2008年2−3月に行われる。
  :その前に大勢が決まっている。
  :大統領選挙は半年前に実質的にスタートする。
  :予備選挙も今年9月にはスタート。
  :すでにオハイオ州では民主党候補の選択のプロセスが始まっている。
  :ブッシュ政権、及びその支持層は現在の雰囲気を肯定して、予備選挙に入らざるを得ない。
  :それは共和党だけではなくて、民主党に反戦候補を出せなくすることも重要。
  :そう考えると今年6月頃は極めて重要な時期にあたる。
  :イランの核問題への対応は6月頃を目安に今動いている。
  :イラクへの米軍の増派の成果はこの頃に問われると思われる。
  :ブッシュ周辺はこの時期を一つの目安として動いている。


  確かに、ブッシュ政権と共和党は次期大統領も、自党から選出したいと考えているであろう。そのためには、あらゆる手段を講ずるであろう、ということになる。その手段には、イランに対する戦争の開始も含まれるということだ。

「アメリカのイラン攻撃はない」
  :全てを米国内選挙で説明する、A先生のアプローチが破綻していることは、年末に証明されたばかりです。
  :国連でのイラン制裁決議もあり、英米はペルシャ湾岸に軍艦を派遣していますが、それはあくまで示威行為です。
  :むしろ、ブッシュ政権は、対イラク2万人増派と共に、湾岸諸国を糾合して、イラン、シリアの外交的孤立化政策を遂行中と見るべきでしょう。
  :ただし、外交的孤立化の狙いは、軍事攻撃準備ではないでしょう。これにより、イラン国内でのアフマディ・ネジャド大統領の権力基盤を弱体化させるのが目的です。
  :また、米国が、この地域への関心を完全に失わない限り、イスラエルもイランに対する軍事攻撃に踏み込まないでしょう。

  両者の主張はともに論理的であり、全く正反対な立場にあるのだが、この両者の主張を読む者には、いずれもが正解であるように思われる。

  それでは実際はどうなのであろうか。そこで幾つかの客観的なデータを並べ加えてみることにする。

「他のファクター」
  :アメリカのライス国務長官など政府高官は「創造のための破壊」「必要な痛み」という言葉でアメリ
   カ政府がしかるべき犠牲を覚悟し、その上で中東対応を断行することを明らかにしている。
  :アメリカの軍需産業、石油産業界などは未曾有の利益を上げている。
  :イラク戦争で明らかになったように、アメリカでは軍人が決定的に不足している。
  :アメリカ国内では厭戦気分が拡大している。
  :イラク戦で緒戦は優位に立ったが、その後出口が見えなくなっている。
  :イランは地形的にも複雑で難しく、陸上戦闘能力を十分に発揮することは
   困難。
  :イランの核関連施設はイラクとは異なり、分散し国内各地に存在し、一気に攻撃し破壊することは困難。
  :イランは対岸の油田地帯やイスラエルをミサイルで攻撃できる。
  :イランはペルシャ湾の戦闘艦や商業船を攻撃できる。
  :イランはペルシャ湾の出口のホルムズ海峡を封鎖できる。
  :イランはイラクのアメリカ軍に対する攻撃を、イラクのシーア派と協力して実施できる。
  :ドルの国際決済通貨としての地位が低落している。
  :ドルがユーロに対し値下がりしている。

 こうした要素を考え合わせて見ると、アメリカによるイランに対する軍事攻撃は必要なものではあろうが、実行には相当の困難を伴うということではないか。

  しかも、先般のイラン地方選挙ではアフマディ・ネジャド大統領派が惨敗し、改革派が勝利している。つまりイラン国内では民主化、宗教政治体制に対する離反が見え始めている。

  ドバイを拠点にして、アメリカ政府はイラン国内への謀略工作を活発化している。それはドバイばかりではなく、イランの他の周辺諸国からも行っているということだ。

  イラン国民の間でも、次第に開放政策を求める声が拡大しているということであろう。そのためか、昨年末にはイランでイスラム的衣服のファッション・ショウが行われもしたし、その関連の雑誌も発刊されたということだ。  イラン政府は、緩み始めたタガをこの辺で締め直さなければ、どこまでも緩んでしまい、最後には収拾がつかなくなる、という不安感を抱いたからであろう。

  こう考えると、アメリカはイランが自身で瓦解していくのに、手を貸せばいいということになるのだが、そうばかりは言っていられない問題がある。それはイランの核兵器開発問題だ。

  イラン政府は核開発を、あくまでも石油枯渇のタイミングに合わせた、自国のエネルギー政策と主張しているが、周辺諸国も他の国々も、そうはとっていまい。イスラエルやアメリカが主張するほど早くはないが、いずれイランは核兵器を持つことになろうと見ている。

  こうして考えてみると、アメリカは以下のようなことから、強硬な手段を選択する可能性があるのではないか。

  :エネルギーの独占支配。
  :ドル価格の堅持。
  :イランの核兵器開発阻止。
  :イラクへの介入を阻止する。
  :中東再編に必要な混乱の創出。
  :アメリカの軍需石油産業界の意向。
  :ブッシュ大統領の異常性。

  イラクに関するベーカー提案も、よく見るとイラクにだけ言及しているのではない。イランとシリアへの対話路線も主張しているのだ。このことは、米国保守層の一部にはブッシュ政権がイラン攻撃を考慮していると危惧している人達がいるとみられる。

  こうした状況から、これからアメリカの保守勢力内部で路線をめぐり、秘かに激しい闘争が起こっていくのでないか。

  アメリカのイランに対する軍事攻撃の可能性は、皆無ではない以上、今のうちから非常事態に備えておくべきであろう。そのひとつは、当事者であるアメリカとイラン双方と、何時でも連絡が取れる状態を維持することではないのか。


イスラエルがイランを核攻撃する? 2007年1月9日  田中 宇

アメリカがイスラエルに要請して行わせた昨年のレバノン戦争が、イランとの戦いの第1段階(前哨戦)であるなら、今後行われるかもしれないイスラエルのイランへの攻撃は、第2段階(決戦)ということになる。

 とはいえ、イスラエルはこの決戦に勝ちそうもない。そもそも昨年のレバノン戦争も、イスラエルにとって失敗だった。ヒズボラは戦争の後ますます政治力をつけ、今やレバノンの親米シニオラ政権を倒そうとしている。今後イスラエルがイランを攻撃したら、イランの核施設は破壊されて核開発は阻止されるかもしれないが、イランは報復として、ヒズボラやハマスを使ってイスラエルを全面攻撃し、イスラエルはゲリラ戦の泥沼に陥って国を滅ぼすのではないかと予測される。前哨戦に負けたイスラエルは、そのままの態勢で決戦に臨もうとしており、より大きく負けそうである。

 私は、以前の記事に書いたように、チェイニー副大統領はオルメルトをだまして戦争に引き込み、イスラエルを潰そうとしているのではないかと疑っている。ここで湧いてくる疑問は、イスラエル側には軍事や国際政治の専門家がたくさんいるのに、なぜ何回もチェイニーに騙され、祖国を失うかもしれない失敗に陥ろうとしているのか、ということである。

イスラエルとイランの戦争が起きた場合、アフガニスタンからソマリアまでの西アジア全域が戦争になる。石油価格は急騰し、中東の石油への依存度が異様に高まっているアメリカのインフレが再燃し、世界経済にも多大な悪影響を及ぼす(関連記事)。軍事的、外交的、経済的なアメリカの覇権失墜が早まり、日米同盟の崩壊も近づく。イランとの戦争の話は、このように重要なテーマなので、今後も頻繁にこのテーマについて書くかもしれないが、飽きずにお読みいただければと思う。


(私のコメント)
ブログブームの終焉を書いているブログを見かけますが、確かにブログの数は数十万と増えましたが、書いて半年以内にやめてしまう人が多い。株式日記は1997年から書き始めて今年で10年になりますが、現在も書き続けているということは経済状況がちっとも好転していないからだ。

不動産業界も格差社会で大手の不動産会社は超高層マンションなどで景気はいいらしいのですが、私のような零細な不動産業者は銀行が金を貸してくれないので相変わらず開店休業状態だ。優良物件があって事業として有望で、銀行がノンリコースローンで貸してくれれば私の仕事も忙しくなるが、そんな気配はない。

私はプロのジャーナリストではないから無料のブログで書いていますが、日本の新聞記者やジャーナリストのレベルは低すぎる。韓国の日本語版の新聞記事がネットで読めますが、そのほうが読み応えのある記事を書いている。これでは外国とのプロパガンダ戦争で負けてしまうので、素人の私がブログでレベルアップを図りたいと思う。

昨日も中東問題を書きましたが、なにやらきな臭い臭いが立ち込めてきました。日本の報道はホルムズ海峡で日本のタンカーと米原潜が衝突したというニュースを伝えていましたが、その背景を説明する記事がない。イランとイスラエルやアメリカが一触即発の緊張状態にあるのですが、一旦戦争が勃発すればホルムズ海峡は閉鎖されて世界経済は大パニックが起きる。

アメリカがイランを先制攻撃することはないだろう。しかし追い詰められたイスラエルがイランの軍需工場や核関連施設などを攻撃する可能性がある。イスラエルにとってはアメリカを引きずり込んでイランと戦争をするしかヒズボラを撃退する手段がない。ロシアや中国の新兵器を使って武装したヒズボラにイスラエルは追い詰められているのだ。

昨日書いたようにイスラエルはヒズボラに勝つ事は出来ない。それはフランスのテレビ取材班が作ったドキュメンタリーを見ればすぐにわかる。その局面を打開するにはイスラエルはヒズボラを援助しているイランを叩くしか方法はない。しかしイランを空爆すれば田中宇氏が書いているようにイランも反撃して中東大戦争が勃発する。

このような危機的な状況があるにもかかわらず、日本の新聞もテレビも報道しないのはなぜなのだろうか? ホルムズ海峡で日本のタンカーと米原潜の衝突事故はそれだけ緊張した状況になっているのですが、ネットなどを見ても中東問題に詳しいところだけが触れている程度だ。

株式日記のブログなどを見ても、国内問題に関しては多くのコメントが寄せられるのに昨日の「イスラエル対比ズボラ」の記事に関しては1件しかコメントがないのは、それだけ関心の薄さを証明するものですが、日本のマスコミがほとんど中東問題を報道しないからだ。しかしイランがホルムズ海峡を封鎖する可能性はかなり高くなった。

「イスラエル対ヒズボラ」のNHKのドキュメンタリーを見てイスラエル軍の苦戦ぶりが分かったのですが、これを見てイスラエルがイランを空爆する可能性を感じるようになった。日本のテレビ局はほとんど堕落してしまいましたが、NHKのBS放送だけはまともな放送をしている。おなじNHKでも紅白では全裸ヌードみたいな衣装のダンサーが出たそうですが、NHKの総合放送は民放の悪影響で堕落してしまった。私は裏番組の「TVタックル」を見ていました。




BS世界のドキュメンタリー「イスラエル対ヒズボラ」 イランのミサ
イル工場への長距離空襲をすることも考えられないことではない 


2007年1月9日 火曜日

BS世界のドキュメンタリー「イスラエル対ヒズボラ」

2006年 フランス トニ コミティ制作

2006年7月、レバノンのイスラム教シーア派組織・ヒズボラがイスラエル軍兵士2人を拉致したことへの報復として、イスラエル軍はレバノン南部への空爆を開始し、地上軍を投入した。こうして、6年ぶりとなるイスラエルのレバノン侵攻が始まった。国境付近の街を、レバノンとイスラエルの両側から取材。市民の生活を一瞬にして変え、両者の対立を深めることになったこの戦闘の実態に迫る。

ヒズボラのロケット攻撃を受け逃げまどうイスラエル兵

ロケット攻撃で負傷したイスラエル兵

イスラエルのメルカバ戦車は国境からほとんど進撃できず


中東全体に拡大の恐れ 重くのしかかる敗北の記憶 7月19日 日刊ベリタ

(前略)
1982年から1985年の3年間は、ゲリラは待ち伏せ攻撃と自爆攻撃に熟達して、ますます自信をつけ、IDFには激しく、鍛えられる経験となった。1985年までに、IDFはレバノンの最南部を除いて全面的に撤退することを迫られ、その過程で500人の兵士の命が失われた。40年近い国家としての存在の中で、イスラエル軍にとって最も明白な敗北となった。 
 
 この前例は、今日の紛争と極めて関連している。これに比較される例がある。1956年のスエズをめぐる英国の屈辱は、英国の若い海軍将校が育つ上での影響を与え、彼らが幹部将校として1982年にアルゼンチンとフォークランド戦争を戦った際に、彼らの展望を深く特徴づけた。米国の軍事指導部は、クウェートをめぐる1991年の湾岸戦争をベトナムでの経験を清算するものと見なした。同じように、現在のIDFの指導者は、ヒズボラによる以前の経験の影響を強く受けている。 
 
イスラエルの新しい脆弱性 
 
 同時に、イスラエル人の肩にかかる歴史の重みは、必然的に現在の文脈のごく一部である。近年、イスラエルは単独主義の立場を展開させた。それは、ガザからの撤退とヨルダン川西岸からの部分的な撤退を基にしている。イスラエルを安全に保つため、巨大な壁と電流の通った防壁で囲まれた、まったく自立できないパレスチナという存在を残した。ガザから発射される低性能のロケットとレバノン南部から発射される高性能なロケットは、イスラエル人にとって、この政策が役に立たないことを示す最初のしるしである。 
 
 最初の危機は、ハマスの民兵が国境の地下深くトンネルをイスラエルまで掘り、イスラエルの兵士、ジラード・シャリートを6月29日に拉致したことによって引き起こされた。これだけでも厄介な問題だったが、7月12日のヒズボラの越境侵入は、ハマスと呼応したかどうかは別にして、もっと厄介であった。ジラート近くのイスラエル・パトロール隊への攻撃があったため、イスラエル軍が襲撃者を追跡した。世界で最も強力な戦車のひとつである重装備のメルカバ戦車が1300キログラムの爆弾で破壊され、5人のイスラエル兵士が死んだ。 
 
 直後の拡大で、イスラエルはレバノンへの数次の空襲を行い、ヒズボラはイスラエル北部へ、イスラエルの内部奥深く到達可能な新しいタイプのカチューシャ・ロケットを含む無誘導ロケットを打ち込んだ。最も目立ったのは、イスラエル海軍のサール5級ミサイル艦コルベットへの攻撃で、4人の乗組員が死亡し、同艦は大破した。 
 
 Ahi―ハニトは同級の3隻のうちひとつである。すべてイスラエルで設計され、米国で建造された。イスラエル海軍で最大で、最も防備が固い戦艦である。西側の水準では小型であるが、東部地中海での制海のため、“ステルス”の機能を持ち、巡航ミサイルに対して地点防空システムも備えている。Ahi―ハニトがベイルート国際空港を攻撃している時に、ヒズボラの部隊が発射したふたつのミサイルのうちひとつが当たった模様だ。ひとつのミサイルはそれたが、別のがヘリコプター・デッキ地域に当り、大きな損害を与え、4人の水兵が死亡、同船は沈没しかかった。 
 
 イスラエルからの未確認の報道では、そのミサイルはC−802対艦巡航ミサイルで、中国製のシルクウォーム・グループとよく呼ばれるものの変種であった。IDFがそのようなミサイルがレバノンに配備されていたことを知っていたか、明らかでない。そのミサイルはレーダーで制御され、十分な「対妨害電波」能力を持っているが、サール5級コルベットは、そのような攻撃に対して、特に設計され、装備されていた。 
 
 それによる不気味な側面のひとつは、そのミサイルがレバノンでヒズボラと行動をともにしているイラン革命防衛隊の特別部隊によって発射された、というIDF筋からの話である。これが正しいかどうか別にして、このことは、現在の拡大にはシリアとイランの影響が見えるため、米国の介入が必ず必要になるというワシントンでの声高な議論に拍車を掛けている。(ネオコン雑誌Weekly Standard参照 訳注2) 
 
 ヒズボラの侵入、Ahi―ハニトへの攻撃、ハイファへのミサイル攻撃とすべてが立て続けに起き、IDFは国際的な反感から休止を強いられる前に、即時、大規模行動をとるという以前のパターンで応じている。レバノンでの現在の爆撃作戦は、ふたつの目的がある。さらなるミサイルとロケットの発射を阻止するために、輸送体制とヒズボラの兵站ネットワークに損害を与えることと、レバノン人に懲罰を加え、レバノン軍にヒズボラを抑えさせるために、レバノン経済を大規模に標的にすることである。 
 
 どちらもうまくいくという見通しは、ほとんどない。ヒズボラは1万2000以上のロケットとミサイルを保持していると伝えられる。そのほとんどが107ミリと122ミリの無誘導カチューシャ・ロケットで、後者は最大30キロメートルの射程を持っている。だが、ハイファへの攻撃は、40キロメートルの射程を持つ、より強力な240ミリのファジル3を使用した可能性を示していそうだ。さらに、7月16日のずっと内部のガリラヤのアフラへのミサイル攻撃は、70キロメートルの射程を持つ、333ミリのファジル5が実戦配備されているのかもしれないことを示している。 
 
 ヒズボラの膨大なミサイルの備蓄は何年もかかって築かれ、レバノン南部で複雑に分散されて、配備された。このことは、もしヒズボラが武装闘争を続けていく気なら、レバノン南部に全面的な侵入だけが、さらなる攻撃の実行を阻止することができる。 
 
 ヒズボラに損害と懲罰を与えて、レバノンがヒズボラを抑制するようにさせるというイスラエルの意図については、7月17日のレバノン陸軍と海軍部隊へのイスラエルの攻撃は、そのような政策の存在自体に疑義が生じる。もし、レバノンがヒズボラを統治するよう「促される」なら、レバノン軍を攻撃することは意味がない。 
 
 このことは、大規模爆撃の継続は、IDFが数日内に大規模な地上攻撃を起こす準備ではないかと言うことを示唆する。イスラエルが空襲を、ヒズボラへの武器と装備の輸送に使われている空軍基地などシリアの特定の標的に拡大する可能性もある。実際、IDFがヒズボラへの支持を抑制するようイランへの警告として、イランのミサイル工場のひとつかそれ以上への長距離空襲をすることも考えられないことではない。 
 
 レバノンの施設への攻撃を続けることと、シリアとイランの特定の場所を標的にすることは、ヒズボラにはほとんどか、まったく影響を与えないであろうし、地域全体に反イスラエル、反米ムードを大いに増すことになるであろう。それでもイスラエルを止めさせることはできないであろう。7月16日のサンクトペテルブルクでの先進8カ国首脳会議で出された声明で減じることはない、ワシントンからの強力な支持があるからである。 
 
 イスラエル社会は、ある程度まで、ここ数日の経験で精神的なショックを与えられた。この意味において、イスラエルの政治指導者がハイファへの攻撃はすべてを変ると言っているのは正しい。イスラエル人は、軍事力とパレスチナ地域の圧倒的な支配を通じて高度の安全保障を得たと思っている。しかし、それが期待できなくなったいま、脆弱になった。 
 
戦争挑発か和平か 
 
 外部からの介入だけが、数日内の大幅な拡大を阻止するであろうが、米国や英国からそのような介入がくる兆しはない。トニー・ブレア政府も、シリアとイランのせいにした。欧州連合がその影響力を行使する機会であったかもしれないが、その筋からの指導力の兆しはない。国際平和維持軍をレバノン南部に派遣するというコフィ・アナン国連事務総長とトニー・ブレアからの提案は、イスラエルが断固として拒否した。 
 
 ヒズボラが、イスラエルの脆弱性を実証して十分な政治的進展を達成したと判断しない限り、ヒズボラは引き下がりそうにない。仮にヒズボラがそうしても、IDFは自制しないであろう。1980年代の敗北の記憶は、イスラエルの軍幹部将校の心に重く、苦い重荷になっている。それが現在の危機が非常に危険で、地域全体に拡大する可能性のあるひとつの理由である。 


(私のコメント)
1月7日のNHK-BS1で「イスラエル対ヒズボラ」というドキュメンタリー番組が放送されていたので見ました。去年の7月から8月にかけてのレバノン南部でのイスラエル軍とヒズボラとの戦闘を記録したものですが、ニュースでは分からなかった戦闘の模様を知る事ができた。

フランスのテレビ番組なのですがイスラエル軍側の様子とレバノンの住民達の様子が詳しく取材されていた。イスラエル軍の士気は低く厭戦気分が漂っていた。イスラエル軍はヒズボラの攻撃を恐れて昼間は移動せず、夜間移動して前進するのですが、ヒズボラも夜間暗視装置を持っていて攻撃してくる。

取材班が同行した部隊は戦車と兵員輸送車の部隊ですが、数百メートルも離れたところからロケット砲を打ち込んでくるのでどこから攻撃してきたのか掴めずに逃げまどうばかりで、戦車を歩兵部隊が守るというおかしな戦闘だった。ヒズボラは高性能の対戦車ロケットも持っているので戦車を先頭にして進撃が出来ず国境からほとんど進めない。

空にはイスラエルの無人偵察機が飛び、動くものを空爆や砲撃で攻撃するのですが、レバノンの住民もゲリラ兵も見分けがつかないから、フランスの取材班もイスラエルの攻撃にさらされた。イスラエル軍の地上部隊はレバノン領内にあまり進撃が出来ず、もっぱら空爆による攻撃しか出来なかったようだ。

もしヒズボラが対空ミサイルを装備したら空爆もできなくなりイスラエルに深刻なダメージを与えるだろう。イスラエル軍は200名近くの戦死者を出したが多くが戦車兵であり、ヒズボラのロケット攻撃でイスラエル軍の戦車部隊はほとんど国境線で足止め状態だったようだ。

番組の最後に負傷したイスラエルの衛生兵のコメントで「我々は何一つ戦果を上げられなかった」と述べていましたが、明らかにイスラエルの敗北であり、ヒズボラに高性能なロケットを供給する国がある限りイスラエルは勝ことが出来ない。せいぜい報復爆撃をすることぐらいであり、それはヒズボラではなくレバノンの一般住民を攻撃するだけなのだ。

イスラエルとヒズボラの戦闘は外国の新聞報道ぐらいでしか知る事ができませんでしたが、フランスの従軍取材班が映したドキュメンタリーは戦争の状況を生々しく知る事ができた。

イスラエルとしてはヒズボラを支援しているイランを叩くしか方法はないだろう。しかしイランを空爆すればイランも反撃して一挙に中東大戦争に発展する危険性がありますが、それを警戒してアメリカは空母を二隻アラビア湾に派遣していますが、イランを攻撃するためと言うよりもイスラエルの暴発を防ぐ為ではないかと思う。

イスラエルからすればイラクにアメリカ軍がいるうちにイランを攻撃してアメリカ軍を巻き込んで戦争したいところだ。しかしアメリカの支援なしにはイスラエルは何も出来ないから、ブッシュの決断次第になります。ブッシュは10日に新たなイラク政策を発表しますが、2万人の増派は気になる。


ブッシュ大統領、10日に新たなイラク政策を発表 1月9日 ロイター

[ワシントン 8日 ロイター] スノー米大統領報道官は8日、ブッシュ大統領が米東部標準時間10日午後9時(日本時間11日午前11時)に国民に向けて演説し、新たなイラク政策を発表することを明らかにした。
 同報道官は「ブッシュ大統領は、イラク問題や世界的な対テロ戦争に関する今後の計画について演説する」とし、ホワイトハウスが米テレビ各局に中継を依頼、放送局側がそれを検討していることを明らかにした。
 大統領は政策の最終調整を行っているという。政府当局者によると、イラク駐留米軍の最大2万人の増派が盛り込まれる見込み。




親米保守派はアメリカ政府のグローバル資本主義導入の手先
であり、利益を受けるのは外資系企業や経営者ばかりになる。


2007年1月8日 月曜日

ホワイトカラーエグザンプションで露呈した安倍政権の限界 1月7日 木走日記

 政府・与党は、残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入に関して、予定通り次期通常国会に法案を提出する方針を強調している中、「ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入すれば、結果的に労働時間短縮につながり、家で過ごす時間が増えれば少子化対策としても有効であると会見で述べた安倍首相なのであります。

 ・・・

 うーん、安倍首相就任以来4ヶ月目にして、正直一番考えさせられた首相コメントであります。

 残業代をなくすという経団連労働基準法改正案「ホワイトカラー・エグゼンプション」について、その内容を本当に正しく理解しての発言なのでしょうか。

 二つの点でこの安倍発言は政治家として甘いですね。

 まず一点目は、この改正案が結果的に労働時間短縮につながる保証など何も担保されていないことをご存じないのか、理解していないのか?

 このホワイトカラーエグゼンプション制度は、経営側が悪用すれば時間外労働に対する賃金の支払いを免れたり、労働時間をかえって実質的に長くする可能性が指摘されていることをご存じないのでしょうか?

 そしてより致命的だと思えるのは、その政治家としての判断の甘さ、発言のタイミングの悪さです。

 なぜ、統一地方選・参院選を控えた2007年この時期に、このようなアメリカ圧力による大企業優先の労働法改悪案を支持表明してしまうのか?

 このタイミングで実質庶民の減収に繋がりかねないリスクのある、少なくとも慎重に徹底議論すべきホワイトカラーエグゼンプション制度を安易に支持表明するその政治センスの無さには呆れてしまうのです。

 失礼ながら、もしかしたら安倍首相は税制・労働問題などに関しては庶民感覚に疎く政策に明るくないのではないかと、うすうす疑念を持っていたのですが、今回のこの安直な発言で私の心の中でその疑念は確信に変わってしまいました。

 あまりにもピンボケで能天気な安倍発言なのであります。

 ・・・

 ふう。

 今日はこの多くの問題を抱える安倍政権が次期国会で導入法案を目指しているホワイトカラーエグゼンプション制度についてその問題点を徹底的に検証いたしましょう。

●まず今回のホワイトカラーエグゼンプション制度が外資企業及び大企業以外誰も利益を得ないことが自明なその胡散臭い経緯を押さえておく

 まずホワイトカラーエグゼンプション制度がなぜ今この時期に導入が検討されているのか、その経緯についてしっかり押さえておきましょう。

 ここに昨年6月に発行された日米投資イニシアチブ報告書である「成長のための日米経済パートナーシップ」というレポートがあります。

 このレポートにはアメリカ政府が正式に「ホワイトカラーエグゼンプション制度を日本に導入するよう要請」したと報告されています。

つまりアメリカ政府が世界的に進めるグローバル資本主義導入の一環として日本国政府に対しホワイトカラーエグゼンプション制度を導入するよう要請したわけです。

 このレポート自体、それ以前よりのアメリカ政府の日本における自国企業の収益性・効率性を上げるための日本の親米保守派に対するグローバル資本主義導入圧力の結果なわけですが、実はこの昨年6月のレポートは、その一年前2005年6月に公表された日本経団連の提言を受けてのものであります。

 在日米国商工会議所は、ホワイトカラー・エグゼンプション制度を日本政府が導入する際にはきっと労使で揉めるだろうから、「労使協定の締結や労使委員会の決議を義務付けるべきではない」と、ごていねいに日本政府に注文を付けているのであります(苦笑

 もちろん日本進出を果たしている自国企業のためなんですが。

 ・・・

 ここまで検証した通り、ホワイトカラー・エグゼンプション制度のその導入目的は、明らかにアメリカ政府が世界的に進めるグローバル資本主義導入の一環として日本国政府に対し要請した結果に応えるためであります。

 そしてこの「外圧」を利用したのか利用されたのかは微妙(苦笑)ですが、好都合だったのが日本の財界です。

 実は過重労働やサービス残業に対する行政の監督強化に不満を持ち規制緩和をいっそう推し進めたいという財界側の意向にこの「外圧」はとても好都合だったのであります。

 ・・・

●「ホワイトカラーエグザンプション」制度そのものは良しとしても、それを運用するフェアなルールが今回の提案ではまったく担保されていない

 私は小さいとは言えIT関連業を営んでいる経営者です。

 本来なら企業家として、人件費が削減できるので競争が激化するグローバル資本主義化が進む未来においても競争力を維持することが可能になるホワイトカラー・エグゼンプション制度の主旨には大賛成なのであります。

 たとえば同じ賃金の二人の従業員が同レベルの仕事をこなすのに、優秀なA君が8時間で完了し残業もなく定時に帰宅、対する不出来なB君は12時間掛かり4時間の残業の後ようやく完了したとします。

 現状ではB君に比し時間当たり生産性が1.5倍も優秀なA君には残業代はつかず、不出来なB君には残業代が発生してしまい、これでは労働者間の公平・意欲創出・生産性向上・企業の競争力の確保、あらゆる面で企業経営にとってはマイナスなわけです。

 同じ仕事量でも、だらだらやった方が高収入になるのはやはりおかしいですし、このようなことを認めていては労働意欲の向上を阻害するだろうことは否めません。

 原則としてですが知的労働者に時間基準ではなく成果物基準で報酬を与えるという意味でホワイトカラー・エグゼンプション制度の主旨には何も異議はありません。

 しかしです。

 今回のアメリカ圧力の安倍政権の目指すこのホワイトカラーエグザンプション制度には断固反対なのです。

 なぜなら「ホワイトカラーエグザンプション」制度そのものは良しとしても、それを運用するフェアなルールが今回の提案ではまったく担保されていないからです。

 具体的に説明しましょう。

 今回の目的は財界側がどんなにきれい事を並べても、企業側としてのその真の目的は、残業や休日出勤の割増賃金を払わなくて済み、試算では11兆5,851億円もの人件費が削減できる点にあるのは明らかです。

 また達成すべき成果をもとに時間という概念を考えないで人員配置などの経営計画をたてやすくなり、残業の多寡による給与変動がなくなること、さらには、対象従業員の健康管理義務が無くなることも経営側の大きな狙いのはずです。

 このような経営側の狙いは理解はできるのですが、問題はそれを運用するフェアなルールが今回の提案ではまったく担保されていないことです。

 日本経団連の提案では、労働時間という基準をなくした中で、給与はどう支払われるべきかといった点について法案化を含めた具体的な対策がまったく示されていません。

 また、超過労働への対処策については基本的に個々の企業の問題としているため、短時間で成果を上げた労働者に賃金はそのままで次々に仕事を与えるだけ(労働強化)ではないのか、無賃金残業を合法化しようとするだけ(労働時間強化)ではないのか、労働者の健康管理コストを削減したいだけではないのか、といった疑問点に対して回答がありません。

 これらの疑問は決して杞憂ではありません。

 日本の大企業が今回の「ホワイトカラーエグザンプション」制度を安易に導入したらいったい何が起こるでしょうか。

 体力のある一部大企業でも労働環境は激変するでしょうが、下請け中小企業は目も当てられない惨状になるでしょう。

 生き残り競争に勝つために一部の中小零細企業でこの制度の悪用が始まるのは必至と思われるからです。

 一部の中小零細企業を中心に労働時間の長時間化、サービス残業の合法化を招くでしょう。

 その流れは一度始まったら誰も止められないでしょう。

 悪貨は良貨を駆逐すると言いますが、適法な労働時間や賃金体系を守ってきた良心的な零細企業には、この生存競争に勝ち目はまったくないでしょう。

 高い賃金に耐えかねて廃業するか、制度の悪用に手を染めるか、いづれかの選択肢しか残されていないでしょう。

 ・・・

 私は経営者の立場として、このアメリカ式「ホワイトカラーエグザンプション」制度の安易な導入には、フェアなルールが今回の提案ではまったく担保されていないという一点で、断固反対なのであります。

●露呈した安倍政権のアメリカ追従のネオリベ政策の限界

 今回のホワイトカラーエグザンプション制度ですが、選挙への影響を心配して与党内でも慎重な意見が少なくないようです。

 おそらく議会にはかられることは安倍さんはこのタイミングにおいては断念することでしょう。

 ただ油断はできません。

 小泉政権以来安倍政権においても新自由主義(ネオリベラリズム)を標榜し、成果主義などアメリカ政府が世界的に進めるグローバル資本主義に追従する施策が目に付いてきたのは衆目の一致するところだからです。

 ・・・

 ここに来て非正社員と正社員間の所得格差拡大や企業間の業績格差拡大など、ネオリベ政策の限界が目に付くようになってきました。

 そしてこの傾向は日本だけではなくアメリカを始め国際的にも顕著な傾向にあります。

 ・・・

 安倍首相は、アメリカ式「ホワイトカラーエグザンプション」制度の安易な導入は、諦めるべきです。

 今回の「ホワイトカラーエグザンプション」制度導入検討は、安倍政権のアメリカ追従のネオリベ政策の限界が露呈したのだと思います。



(私のコメント)
昨日は「アメリカの日本改造計画」と言う本を紹介しましたが、親米保守派=新自由主義者=小泉信者とみなしているのですが、安倍内閣も小泉路線を継承すると公約している以上、日本に新自由主義的法律を次々と可決導入していくのだろう。

一昨年の9・11総選挙では郵政民営化法案で自民党の分裂を招きましたが、アメリカが狙っているのは郵貯と簡保の340兆円だ。それを外資系金融機関に渡す事が日本の国益になるのだろうか? ところがマスコミはこのような実態を報道しようとはせず、国民に十分な情報開示をしていない。

株式日記でこのようなことをいくら書いたところでマスコミにはとてもかなわないが、新自由主義の弊害が現れてくる事によって国民もようやくこれで良いのかと言う流れが出てきた。

ホワイトカラー・エグザンプションもアメリカの政財界からの要望で日本でも法案化されて審議されるようですが、これはサービス残業の合法化につながるものだ。サービス残業は私が銀行員時代も十分に経験してきたが、今までは労働法違反行為だ。ところが年収が400万以上はいくら残業しても残業代を付けなくても済む。

これを営業職に適用したらどうなるだろう。ノルマを達成するまで深夜まで働いてノルマを達成しなければならず、家に帰るに帰れなくなる。各自に平等に適正な仕事量が配分されれば問題はないが、経営者側は従業員に能力以上のノルマを与えて残業させれば人件費の低減に役立つ。

現在は残業代が生活費の一部になっている面もあり、ホワイトカラー・エグザンプションは合法的な残業代カットにつながるものだ。このような現実から見れば安倍総理の発言は現実が分かっていない発言としか思えない。

私の銀行員時代も、入社して5年くらいはお客様扱いで、仕事が終わればすぐに帰ることができた。ところが主任になり係長になるにつれて支店の流儀を押し付けてくるようになった。いわゆるサービス残業ですが、それ以外にも上司のお付き合いで連日深夜の帰宅となり、体を壊して退職した。

日本の会社は就業規則で5時終業と決めてあっても5時では帰らせてもらえない。ホワイトカラー・エグザンプションが導入されても、仕事が終わったからといって他の人より早く帰ることは許されないだろう。結局は仕事の遅い要領の悪い社員の手伝いをさせられて、有能な社員ほど酷使される。

日本の会社は年功序列だから上司だからといって有能とは限らず、威張り散らす事で上司の権威を守ろうとする。このような会社では有能な若い人が磨り潰されて、無能でも上司に従順な者が会社の出世階段を上って行く。しかしこのような会社は無能な人物が社長になる事で経営が傾く。

だから日本的なやり方にも問題があり、失われた15年の原因は日本企業の経営体質にも問題があることは確かだ。しかし成果主義などのアメリカ的なやり方も上手くは行っていない。また正社員の代わりに派遣社員に切り替えることで会社は業績を上げているが、その結果、熟練社員がいなくなりトラブルが生じて信用を失う事が増えてきた。

このように日本的な会社経営方法とアメリカ的な経営方法とでは一長一短があり、無理やり成果主義を取り入れた富士通やソニーは業績を落としてトラブルが多発するようになった。だから派遣社員や契約社員から正社員へと戻す企業も出てきたようですが、企業モラルを守る為には正社員でないと無理だろう。

だから闇雲にアメリカ的な経営手法や法律を取り入れても、アメリカで起きた超格差社会が日本にも起きるという事であり、アメリカの悪い面まで真似をする必要がどこにあるのだろうか? アメリカで起きている事は資本主義の退化現象であり、勝ち組と負け組を生み出す制度は間違っている。それは社会的な負担となってくるからだ。

親米保守派はアメリカのやることは何でも正しく、日本はそれを見習えと言っていますが、このような弊害が出てきても見習えという事なのだろうか? アメリカに留学をしてアメリカの手先として帰ってきて、逆に日本の事情も分からずにアメリカ政府が要求するままに新自由主義を取り入れている。

竹中平蔵も岡崎久彦も吉崎達彦も日本人の顔をしたアメリカ人であり、日本のことよりもアメリカを第一に考えている親米派なのだ。この勢力は政界も官界にもマスコミにもネットワークを築いて、情報統制している。確かに日本はアメリカと手を組むべきなのですが、日本の国益を考えた上で手を組むべきであり、アメリカの言うがままであってはいけない。




日本の保守なら、本来「親日保守」でなければならない。固有の
歴史や伝統文化を「保守」することで、「親米保守」は自己矛盾だ


2007年1月7日 日曜日

アメリカの日本改造計画―マスコミが書けない「日米論」

サンプロ一に情報操作された「年次改革要望書」

関岡
小林先生がいつもお書きになっているように、情報から知識を読み取ることが大切ですが、いまは情報すら本当に必要なものは流れないようになっている。冒頭の鳥越さんの「オーマイニュース」の件もそうですが、情報操作の動きがどんどん強まっているように思います。

小林
鳥越氏も自主規制でやっているのが、何かの圧力があるのかわからないんだよね。

関岡
二〇〇六年六月二五日に『サンデープロジェクト』が「年次改革要望書」を特集で取り上げたんですが、出演者は自民党から竹中平蔵と町村信孝、公明党の高木陽介、社民党の福島瑞穂、共産党の小池晃です。民主党からは誰が出てきたかというと、なんと代表をクビになった前原誠司がボサーツと座っている…。

与党側は当然、「年次改革要望書」はいいものだと擁護する。それを社共が批判すると、民主党の前原が冷ややかに軽くいなすのです。民主党にだって桜井充参議院議員のように「年次改革要望書」に真面目に取り組み、国会質疑で竹中を問いつめた信念ある政治家もいるのに、ですよ。

要するにこの番組の狙いは、「年次改革要望書」を批判的に取り上げているのは社共だ、左翼の奴らだ、と視聴者に刷り込むことなんです。

さらに念が入ったことに、コメンテーターとして吉崎達彦さんが出ていました。吉崎さんは某商社の調査部にいた人で、名前も似ていますが、岡崎久彦先生のお弟子さんです。以前、私は「諸君!」(文嚢春秋、二〇〇六年四月号)の企画で吉崎さんと対決させられたんですが、そのとき吉崎さんは「年次改革要望書なんてたいしたものじゃない」と、もう一所懸命に言っていたんです。その吉崎さんのほうだけが『サンプロ』に呼ばれてるんですから、番組の意図はもう見えみえです。

小林
『サンプロ』から関岡さんに声はかからなかったわけ?

関岡
はい、局からは出演の打診など、いっさいありませんでした。

小林
それもすこい話だなあ…。マスコミ関係者は「年次改革要望書」のことを知っているはすなのに、あえて関岡さんを呼ばない。そのやり方は意図的だよね。

関岡
「年次改革要望書」がテーマで吉崎さんを呼んだということは、企画の段階で「諸君!」に目を通しているということです。まあ、無位無官の私が呼ばれないのは仕方がないですが、「自民党は殺された」(ワック、二〇〇六年)を書いた堀内光雄さんや平沼赴夫さんのような自民党の保守本流の重鎮政治家が取り上げているにもかかわらす、『サンプロ』は「年次改革要望書なんてたいした問題じゃない、騒いでいるのは社共だけだ」という粉飾を凝らしたうえで「情報」を流したわけです。

ところが、しばらくしてテレ朝から家に電話が来たんです。「今度、日米関係をテーマに田原総一朗(ジャーナリスト)の特番をつくるので録画取材させてくれ」って言うんで私は激怒して、「このあいだのサンプロを見たぞ。また社共と同類扱いする気だろう」と出演を拒否すると、「あれはたしかに、何を言いたいのか…ちょっと変でしたね。今度はそんなことありませんから」と言うんで、どうも現場の感覚はちょっと違うのかなと感じたんです。それで私は、出演者のバランスを考慮することを条件に録画取材に応じました。現場に行ってみると、田原さんはいませんでしたが、スタッフはけっこう真面目で、きちんと勉強してるんですね。

その特番は、二〇〇六年八月二二日の日曜日の午後に放送されました。竹中平蔵や岡崎久彦先生も出ていて、私の『拒否できない日本』についてどう思うかという田原さんの質問に、竹中が「政策決定プロセスを知らない素人の妄想ですよ」と一笑に付すところも流されましたが、一方では、その政策決定プロセスの渦中にいた平沼赴夫さん、小林興起さん、城内実さんのインタビューもちゃんと放送している。スタッフはアメリカにまで取材に行って、「年次改革要望書」が現実に政策に影響を及ぽしていることを裏づけるアメリカ政府関係者の証言も丹念に紹介され、非常にバランスの取れた、良心的な内容になっていました。それで私は現場のスタッフの誠意に感動して、テレ朝を少し見直したんです。お盆の最中だったから、ほとんどの人が見てなかったようですが(笑)。

しかし、その後はまた、どの局もまったく取り上げなくなりました。私が全国ネットのテレビに出たのは、後にも先にもそのときだけです。別にいちいち私を呼ばなくていいから、最新版の「年次改革要望書」が公表されたときくらいは、普通のニュースの枠で客観的事実の一つとして淡々と報道すべきだと思いますがね…。

小林
『サンプロ』には、番組をつくるうえで田原総一朗の影響力がかなりあるわけだね。田原は明らかに竹中シンパで、後ろから安倍政権を支えるというくらいの勢いです。構造改革路線は田原も支持していて、気に食わないのは靖国参拝だけなんだよね。

安倍政権は「歴史の転換」の瀬戸際にある!

小林
日本固有の価値や伝統を実感させるのは難しいのよ。不文律だからね。みんな明文化されているところだけしか見ていないし、日本人の精神の中に流れているものがなんなのかということには、みんな無意識なんです。だから、ある意味、この保守崩壊の危機を迎えているという状況が、かえってわしたちにとってみれば、何かの拍子に大衆の支持を全部こっちに持ってこられる逆転の可能性があるのかもしれない。

関岡
それは先ほども話題に出ましたが、遊就館が歴史観を書き換えることに、小林先生の読者や草の根の保守がどう反応するかにかかっていると思います。

小林
岡崎久彦が「つくる会」の教科書をどう書き換えたかということを、わしは『ゴー宣』に克明にビツチリ書いて発表したわけよ。すると、ただシーンとしているだけだからね。「こんな教科書の書き換えはおかしい1」という声が上がってこない。

『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論』(幻久舎、一九九八年)など、本ができるたびに、わしは靖国神社に奉納に行くんだけど、宮司さんからはまったく正式なやり方で対応してもらえます。それで、しばらく宮司さんと話すんだけど、やっぱり、保守派の中でも対立の図式があるから用心深いね。

靖国神社で青年指導もやっている高森明勅(歴史掌者、神道史家)に聞いたんだけど、「遊就館の展示は変えるにしても、いろいろなところを変える。決してアメリカから言われたところだけを変えるだけではない」と言うんだよ。あんな小規模なところで日本の近代史を説明しようと思っても無理があることは、こちらもわかっている。これまでも変だなあと思うところがあっても、こちらも黙っていたんだよ。どんなふうに遊就館の展示を変えるか、見に行かないとね。

関岡
シーンとしているのは、おそらく脳の中で葛藤が起きているからでしょう。いま、日本人の脳の中でアメリカの洗脳が解けかかっているのかもしれない。マインド・コントロールから自我を解き放つのはすこく苦しいでしょう。でも、その葛藤を克服して、既存の思考の枠組みを打ち壊すことができれば、一気にこちらの陣営に来てくれるかもしれませんね…。

しかし、日本人は、与えられた条件に従順で、現状を肯定して受け入れ、みすから現状を変えようとしないまま、戦後六〇年が過ぎてしまいました。安全保障から外交、内政、規制緩和や構造改革に至るまで、全部アメリカ様に決めていただくのは非常に楽で居心地がいいわけですが、いま、日本人は、そこから脱却できるかどうかの瀬戸際に立っていると思います。

小林
そうだね。いま、どれだけの言挙げができるかが問題なんです。わしは安倍総理に対する批判の仕方や期待の仕方を、どんなバランスで描けばいいのか、ものすごく悩んでいるんだよね。

親米保守を批判できるメディアとは?

小林
産経新聞は絶対にアメリカにつくことは見えているし、そうなれば産経紙上という「世間」での発言はおのすと決まってくる。

「正論」(産経新聞社)や「諸君!」も産経と同様、それぞれの「世間」を持っている。彼らは「世間」の中で生きている人間で、いかにも日本人的なんだよ。西洋的な個人主義の感覚はないんだ。「世間」の反応を一番気にし、コネクションで動くでしょう。個人の倫理観では動かないんです。「世間」を断ち切ることができなければ、いまの保守論客たちは、わしたちのほうには来ないんだよ。でも、読者について言えば、そもそも分厚くて文章だらけの論壇誌を、よほどの暇人でなければ全部読む奴はいないと思うね。忙しい杜会人は、せいぜい論文を一〜二本読むのが精いっぱいでしょう。やっぱりテレビで頑張ってくれるところが出てこないとね…。

関岡
民放はかなりアメリカ系企業のスポンサーに支えられていますし、日本企業だって株主にアメリカ資本が相当入っています。なにしろ経団連会長企業のキヤノンですらそうです。広告収入に頼る民放では、グローバリズム批判、アメリカ批判はなかなかできないでしょう。だから、私はNHKに期待できないかと思っているんです。

小林
先生は先日、安全保障問題の討論番組に出演されていましたね。

小林
NHKの『日本の、これから』(二〇〇六年六月一〇日放送)にわしが出たとき、日米同盟、自主防衛、外交努力の、三つの選択肢のうちどれが一番重要と思うか、視聴者からアンケートを取ったら、なんと日米同盟がビリになっちゃったんだよ。自主防衛は二位、外交努力が一位でした。

関岡
さぞNHKも慌てたでしょうね(笑)。

小林
自主防衛への投票が圧倒的に多くて、日米同盟への投票は少なかった。でも、ちゃんと話を聞けば、一般の視聴者は素朴にわかるはずなんだよ。

戦後六一年もたっているのに、日本のこの狭い領土の中に巨大な外国の基地があるということ自体、そもそもおかしい。沖縄には大きな迷惑をかけている。そのことを理解したら、さっきの三択からは自主防衛しかないことがすぐわかるはすでしょ。そのくらい、人間は情報を伝えればあっという間に意見を変えるんです。

関岡
竹中が総務大臣に横滑りしたとき、いったい何をやり出す気かと思ったら、やっぱりNHKの民営化とか、CMを解禁するとか言い出しましたよね。

受信料システムというのは、要するに日本の国民が放送局を直接所有しているわけです。だから、NHKは日本の放送局で唯一、外資のスポンサーの影響から中立なわけで、私は日本の唯一の民族系メディア、「日本のアル・ジャジーラ」(カタールのアラブ系衛星テレビ局)として国民が支援すべきだと思うんです(笑)。

NHKだって、「年次改革要望書」はいっさい取り上げようとしませんから、私はなんの義理もありませんが、必要なのは、民営化したりCMを解禁したりすることじゃなく、「受信料は払ってやる。その代わり、われわれに必要な情報は必す流せ」と国民が監視できるようなシステムをつくることで、それが担保されれば日本の国民だってきちんと受信料を払うようになると思います。

小林
NHKは、絶対に民営化なんてしちゃいけないね(笑)。(二〇〇六年一〇月一四日収録)


「親米保守」の自己矛盾

佐藤
獄に入った結果、私は共和制というものの恐ろしさを痛感しました。首相公選制の議論がありますが、万一、日本がアメリカのような共和制になってしまったら、田中眞紀子大統領とか杉村太蔵大統領が出現しかねないという恐怖を実感したんです。

関岡
私も二〇〇五年の郵政解散・総選挙で、まるで中国の文化大革命のような衆愚の恐ろしさを見せつけられ、保守的人間の一人として戦標を覚えました。

佐藤
アメリカの共和制とは、権力と権威が一体化した政治制度ですね。われわれ日本には皇室の伝統がある。私はコミンテルン用語である「天皇制」という言葉はできるだけ使いたくないのですが、言論市場で流通しているので仕方なくそう表記することもあります。皇室の伝統のポイントは何かというと、権力と権威を分離するということです。

国史をひもとけぱ、権力と権威を分離するこのシステムが、ギリギリのところで行きすぎを防いできたことがわかります。権力と権威の分離という日本のシステム、これが戦前にいわれた「国体」の概念です。いまは「国体」というと、国民体育大会のことだと誤解されてしまいますが(笑)。

冷戦期には、ソ連や中国の共産主義が日本に浸透し、日本の国体を破壊するかもしれないという現実の脅威がありました。共産主義はイデオロギーですから、対抗イデオロギーとしての反共主義があります。その反共主義を担保していたのがアメリカの存在です。この回りくどいメカニズムを前提としたうえで初めて「共産主義の脅威があるのだから、反共主義の中心であるアメリカと手を握る」というロジックで「親米保守」が成り立ちうるわけです。

しかし、ソ連が崩壊してイデオロギーの時代が終焉すると、世界各国は露骨に自国の利益を追求する時代になりました。なかでも一番強い国は、関係国に対して「さあ、競争だ、自由に競争させろ、競争を邪魔するな」と市場開放や規制改革をどんどん要求するようになった。自分と同じやり方でやれ、自分のルールを受け入れろ、と。

駆け足が一番速い人は、物事をすぺて駆け足で決めるのが一番有利です。そして「ウィナー・テイク・オール」、勝者が果実を独占する。『拒否できない日本』(文春新書、二〇〇四年)を私なりに解釈すると、そういうことだろうと思います。

関岡
正確に酌み取ってくださって、ありがとうございます。アメリカが、日本はともかく発展途上国に対してまで市場開放させて富を独占しているのは、大人が真剣な表情で小学生に「さあ、勝負しよう」と強引に迫った挙げ句、「勝った、勝った」と一人で悦に入っているようなものです。だから、みんなから嫌われるんです。

佐藤
駆け足が一番速い人は、それを悪いことだとは思ってないんです。しかし、いつもこうでは、二番手以下の人々にとっては全然おもしろくないわけですね。そういう時代になっていのんきるのに、「親米保守」なんて呑気なことを言っていられるのかと思います。

日本の保守なら、本来「親日保守」でなければならない。アメリカにおける保守なら、親米保守しかありえないんです。同様に、中国では親中保守、ロシアでは親露保守。保守とは、自分たちの固有の価値観、固有の歴史や伝統文化を「保守」することだと考えた場合、首尾一貫してそのことをわかりやすく主張しているのが大川周明です。



(私のコメント)
株式日記は愛国保守主義を主張するサイトですが、親米保守とは反共主義では共闘しても、アメリカとの関係については意見が対立している。私自身はアメリカとの同盟は肯定しても、日本国内に米軍基地を置く事には反対している。駐留なき日米安保はかつての民社党の公約ですが、アメリカはいずれアラスカからハワイまで撤退するだろう。

アメリカは中国と戦争する事はないだろうし、アメリカは朝鮮半島からも台湾からも手を引いて、日本に極東の安全保障を任せるかもしれない。日本からもアメリカは全面撤退して日本に丸投げするかもしれない。しかし親米保守派の人から見れば戦慄すべきシナリオであり考えたくない事だろう。

NHKの「日本のこれから」と言う特別番組では、日米同盟、外交努力、自主防衛の三つのうちどれが一番重要かと言うアンケートをとったら外交努力が一番であり二番目が自主防衛で、日米同盟が一番少なかった。このことは当時の株式日記でも書きました。日本に外国の軍事基地があるのは明らかにおかしい。

NHKスペシャル「変貌する日米同盟」 6月11日 株式日記

アメリカはこのような愛国主義的な保守の流れを一番警戒している。だから親米保守派を全面支援して、テレビの討論番組などには絶対に出させないようにしている。左翼はもはや言論勢力としては影響力はなくなり、保守派内の親米保守と愛国保守の二つの流れの対立の時代になっている。しかし佐藤優氏の意見によれば親米保守は自己矛盾なのだ。

『アメリカの日本改造計画』と言う本が出されましたが、愛国保守派の論客が総結集して出来た本だ。中には左翼の人も混ざっていますが、これからの日本の言論界はこれらの人が台風の目となっていくだろう。

左翼は中国や北朝鮮や韓国などの勢力と一体となる事で言論界の勢力を維持してきましたが、北朝鮮の拉致問題が表面化したことで左翼は決定的なダメージを負ってしまった。外国の勢力と手を組む事はこのようなリスクがあり、ひとつの事件で決定的なダメージを負ってしまう。

親米保守派もアメリカのバックアップを得てテレビやマスコミの主導権を持っていますが、イラク戦争などのアメリカの失敗などで親米保守派も左翼のように外国の勢力と組む事で自らの墓穴を掘っているように見える。

アーミーテージ氏などの元政府高官が靖国神社の遊就館の歴史観に対する言論弾圧はその転機になるかもしれない。もし大東亜戦争における歴史観で日本とアメリカとの論争が本格化した場合、親米保守派はアメリカの味方をするのだろうか? 東京裁判や原爆投下などの見方は日本とアメリカとでは今でも決定的に違う。

当面は外資系企業や日本の輸出産業などがテレビなどのマスコミを使って洗脳工作を続けるだろう。だから「年次改革要望書」のような事はマスコミでは報道されない。しかしネットや雑誌などで問題が大きくなれば政治家達も対応せざるを得なくなるだろう。

親米保守派はアメリカによる日本の植民地支配の道具なのだ。吉崎達彦氏や岡崎久彦氏などの評論家がいくらがんばっても愛国保守派との言論戦では勝てる見込みはない。アメリカはいずれは日本から撤退するからだ。




安倍総理の言う「美しい国」とは「美国」のことか? ホワイト
カラー・エグゼンプションも「美国」からの要求によるものだ。


2007年1月6日 土曜日

本当に、日本は「美しい国」になれるのか-2  1月4日 鈴田孝史

この日本人は、「キャッチボールのできない国」であるとの判断は、米国がいかに効果的に日本に対して外圧をかけるのか、日本人の性格を研究した「公式、日本人論」(対日貿易戦略基礎理論編集委員会、編)の中の一節だ。日本人は、相手の要求が不満でも、黙っている。だから相手は、要求を呑んだので、さらに要求をエスカレートさせる。

日本大使館への投石など、中国で反日運動が高まった時、当時の町村外相は、中国の外相に向かって「なぜ素直に謝罪できないのか」との趣旨の発言をしていたが、中国人の性格からだけではなく、中国共産党の幹部が、そう簡単に謝罪できるはずもない。そして、我慢して、我慢してプッツンとなる。挙句は、奇襲に転じる。お決まりの日本人的な対応だ。

 では、なんでもすぐに「すいません、すいません」と謝罪する日本人の性格は、「美徳」なのだろうか。しかも、日本人同士では、謝罪すれば、それで「水に流す」こととなり、しつこくこの問題を取り上げれば、逆に世間知らずな人だと非難されかねない。しかも、謝罪して罪や罰を認めたら、その責任を負わねばならないはずだが、日本人の謝罪には、そこまでの責任追及問題が含まれていない。要するに、日本人の伝統、習慣などは、外人はもとより、グローバル化した今日では、「美徳」であるかどうかは、簡単には決められない。

 少なくとも、米国の交渉担当者などは、主語のない日本語を駆使する日本人は、本来的に物事の判断基準があいまいであるため、その性格分析から圧力のかけ方を研究し、そして、実行しているのだ。
小林興起氏の「主権在米」を読むと、多くの政治家が、米国の「年次改革要望書」の存在を知らなかったとある。これには驚かされた。これでは、「主権在米」の状態から脱するための「キャッチボール」、交渉もできない。

ところで、06年11月、米国商工会議所は、「相利共生」と名づけた「ビジネス白書」を発表したが、そこでは、日本に対するさまざまな「要望」が網羅されている。第一章では、日米の「経済統合協定」(EIA)を締結するための土台作りをすべきである、と主張している。それが「アメリッポン」構想の実現に動き始めたということにもなるのだが、そうなると、これまで以上に、日本の諸制度、法律などがアメリカンスタンダードとなっていくことになるだろう。

そして、安全保障問題では、同盟強化というよりも、米軍の自衛隊の一体化が進んでいるが、それにあわせて経済も統合して、まさに一体化しようというものだ。北朝鮮の核問題が解決しない以上、日本は米軍に頼むほかなく、同盟関係の強化は、国民の多くが望むところでもある。

しかし、米側の言う「相利共生」とは、簡略化していえば、米国の強みである防衛力で日本を守ってやる代償として、経済、金融分野で米国に協力しろということに他ならないだろう。そのためには、外資系が直接投資をしやすい環境を整備し、また、三角合併、株式交換方式で、日本企業をM&Aで続々買収したとしても、米国側は、命をかけて防衛しているのだから、当然であり、そうでなければ、「相利共生」とはならないだろう。すなわち、長引く北朝鮮問題は、日米経済統合の有力なカードでもあるということだ。

そして、経済統合へとさらに進むということは、今以上に日本の優良企業の大株主に外資系資本が名を連ねると言うことでもある。外人保有が増加するのみならず、すでに東証の日々の売買高のシェアでは、外人投資家が、5−6割を占めているが、このことは、企業が株主の意向に沿って運営されるということでもある。

一昔前、株式投資に無縁な知り合いが、「なぜ、リストラを発表した企業の株価は上昇するのか」との疑問を投げてきたことがあるが、それは、人件費を削減し、生産性を高めてーーーなどという投資家にとっては当たり前のことを言う前に、市場の主役が外人投資家となり、その外人投資家の価値基準に合わせねばならなくなったからだ。そうでなければ、外人投資家は投資してくれず、逆に株価低迷で、M&Aの餌食にされてしまう。

それは、仕事のやり方や価値観を外人投資家に評価してもらえるように変更しなければならないということであり、大企業が効率重視で経営されれば、その業界の中小企業も、そのような価値観にあわせねば、生き残れないということになる。しかも、グローバル化の急なる進展で、世界的に業界再編が起こっている現状では、外人投資家に評価されないような日本的な「美徳」などは、存在価値が希薄化してくる。オンリーワンの技術を持つ一部の非上場企業を除いては、日本的な経営を維持することは、簡単ではない。

日本は、急速な米国化で価値観が混乱している。日本的な、あるいは社会主義的な日本型資本主義は、見直すべき点が多数あるとしても、それぞれの伝統、習慣は、島国や気候風土という環境で、しかも長い年月を経て培われたものであり、簡単に変われるものではない。

強引にやれば、日本は発熱し、拒否症となってしまうかもしれない。いや、すでに発熱し、それが社会的な混乱にまでなってきている。東証を「占拠」されれば、それは文化や伝統にまで影響する。現在の「美しい国」作りは、まったく資本主義の屋台骨である株式市場の視点に立った思考が欠落している。
それは、簡単には新しい「美しい」国になることが難しいということでもあろう



平和ボケの国、日本の末路  1月3日 鈴田孝史

(前略)
もっとも、その行動パターンの読めない若い投資家たちは、新興市場の低迷によって傷つき、軍資金を大きく毀損してしまったけれどもーー。そしてまた、日本の金融資産の保有者である高齢者が、さらに加齢されることにより複雑化した株式市場から撤退を始めている。世間知らずの若者は、小額なりといえど、集まればパワーを発揮する余地はあったものの、ホリエモンに心酔していたことを考えれば、前途は知れている。

すなわち、東京証券取引所は、完全に外資系の支配するところとなり、法人税の引き下げ問題が議論されているが、それは、増配要求の外人株主には利益があろうと、従業員の利益はほとんど関係ない。韓国の優良企業の多くは、外人保有比率が50%を突破しているが、それは、もはや韓国企業といえるのだろうかということである。そして、従業員は、株主のために汗水をたらして働く。日本もそのような状況になりつつある。「ホワイトカラー・エクゼンプション」にしても、適用者の年収が「700万から900万円以上」などと報道されているが、そのような管理者は、すでに残業代などはない。あえて米国が、この制度の導入を強固に「要望」しているのは、まずは制度を導入して、その跡で適用年収を大幅に下げるためだろう。確かに、知識資本主義の時代には、労働時間の長短ではなく、その質が問われているので、「ホワイトカラー・エクゼンプション」の導入について議論することは必要だ。
だが、米国が強く要望している裏には、何があるのかも忘れてはならない。もっとも、唐突な形で浮上したこの問題が、米国の強い要望によってであることさえ、ほとんど報道されてはいない。

いまさら、「属国、日本」の現状を訴えてもせん無いことではある。もはや、そのような状況ではない。
興味のある方は、月刊誌「ニューリーダー」の07年1月号(06年12月末発売)に「日本改造の総仕上げ”アメリッポン”の実現に動き始めた米国の思惑」とのタイトルの記事を書いたので、参考にしてください。
 
 それはともかく、加齢とともに、私の発想の原点が世間の流れとミスマッチをしていることを自覚しなければならんだろう、と思った。
 ただ、若者にはない判断力というものも加齢とともについてきていることも、忘れてはならない。
 というのも、二次会の後、若い編集者は、中国人の経営する、なんと言うのか、公言することをはばかれる店に行った。私は、途中で退席したが、何人かは一夜を、かどうかは分からぬが、数時間をともに過ごしたことだろう。政治家で、中国に行き、情報機関所属の女性と関係して、裏でさまざまな圧力を加えられているとの話が、よく話題になるが、いまや、中国本土だけでなく、日本でもそのような罠は多数張り巡らされている。政治家、官僚、自衛官ばかりをアホだと罵れる状況ではない。

私自身も、睡眠薬を入れられたようで、西武線の線路に寝かされたことがある。早朝で、新聞配達の人が発見し、池袋署に連絡してくれたとのことでパトカーが来て一命を取り留めたが、ただ、警察に連絡してくれたのは、警察で言うような新聞配達の人ではないであろうと思う。
 というのも、その後、自宅には、無言電話で、「ヨーク考えよー、お金は大事だよー」とのあるテレビCMが幾度となく送られてきたからだ。「ヨーク考える」ことなくしても、私が助かることを知っていたのであり、それは、犯人が連絡したのであろうことを示唆している。すでに外資系企業の政治献金が認められる方向にあるが、外資支配は、東証のみならず、広告減少で苦境にあるマスコミもスポンサー大事で、外資系企業の意向を無視できない。国民向けの報道が難しくなっていることは、サラ金規制問題で明らかだろう。

外資系企業の政治献金問題は、大手新聞でも大きく取り上げられることさえなかったが、「狂った日本」では、もはやそのような議論さえ虚しいものなのかもしれない。すでに外人保有比率が50%を突破している企業も散見されるが、そのような企業は、日本企業を名乗ろうと、実態は、外人保有の企業であり、そのトップの発言は、当然外人株主の利益を反映したものである。おめでたいのは、若い編集者だけではない。オールジャパンだろう。そしてまた、警告を発する気もなくなってきた。すでに、「日本」は独立国家としての気概も失い、坂道を転げ落ちている。ただ、いまさら、たわごとを繰り返してもせん無いことではあるという気もするがー。
 新年早々、グラスを片手に、酩酊しながらーー・


(私のコメント)
安倍内閣ができて100日以上が経ちましたが、早くも次の総裁は誰かと言う話が出てきている。財務省あたりが閣僚などのスキャンダルをリークして安倍内閣を揺さぶっているようですが、つまりは総理大臣と言うのは小泉総理もそうでしたが官僚たちの操り人形でしかないのだろうか?

国会答弁ひとつとっても官僚たちに書いてもらわないと答弁できないようでは主導権は無きに等しい。もちろん法制度上は日本の総理大臣はアメリカの大統領よりも権限が大きく議会の解散権まで持っている。その総理大臣が本当の実権を持つようになるには、予算と人事を通して1,2年の任期を経てはじめて実権が揮えるようになる。

西欧でもサッチャー、ブレア、コール、ミッテラン、シラクと10年以上も政権を担当する政治家が多いのに、日本はイタリア並みに政権が2年と持たない。政治家の資質に問題があるのか、制度に問題があるのか分かりませんが、日本のような大国を動かすには5年から10年ぐらい政権が担当できる政治家を養成する必要がある。

そこで日本も小選挙区制にする事で首相公選に近い制度になりましたが、党の顔となれるような党首を養成するには時間がかかる。今までの総理は金さえばら撒けば竹下登のような人物でもなれたのですが、選挙で第一党となるには国民的な支持を集められる人物でないとなれない。

今までなら安倍でだめなら密室協議で次の総理に代えればよかったが、党の顔となるとそんなに人材はいない。党をまとめる力と国民的な支持を集められる人材は限られる。安倍総理にしても選挙で勝てれば支持基盤は固まるが、今までのところは不安要素は一杯だ。

安倍総理の当面の政治課題としては小泉政治の後始末をつけることですが、構造改革でアメリカ的な法制度が多く成立して、格差社会になってしまった。今話題になっているホワイトカラー・エグゼンプションもアメリカからの「年次改革要望書」によるものですが、要するに残業代をカットするということだ。

8時間の労働時間で16時間分働けという事ですが、労働コストは半分に出来る。今までのようにだらだらと働いて残業代を稼ぐという事は出来なくなるのはいいが、日本の企業文化では自分の仕事が終わっても帰らせてはもらえない会社が多い。上司が先に帰らないと自分も帰れないのだ。

小泉構造改革で派遣業法などが改正されて多くの企業が正社員をクビにして人材派遣やパート労働者に切り替えた。それで企業は空前の好業績になりましたが労働者の賃金は低下して消費は低迷してしまった。このような事はアメリカでも80年代から起きている事であり、このような弊害が起こることは前々から分かっていた事なのに、弊害が表面化しないと国民には分からない。

時価会計制度やBIS規制や会社法の改正など次々と改革と称して取り入れられたが、結局のところ株式の持合が出来なくなり、安値で吐き出された株を外人が買っていって、今や外人の持ち株比率は50%を超える企業が増えてきている。経団連会長のキャノンも実質的に外資系企業だ。

テレビなどのスポンサーも外資系企業の割合は大きく、だから「年次改革要望書」のようなアメリカによる内政干渉のようなことが公然と行なわれるようになってしまっても、大きく報道される事はない。ネットやブログでいくら騒いでもほとんどの国民はテレビしか見ない。

いずれ日本企業のほとんどが外資系企業となり、企業の上げた利益は株主に還元されて従業員には行かないようになってきている。日本人がいくら一生懸命働いてもその利益はみんな外人投資家に行ってしまう。このように見えない金融帝国主義がアジア諸国を支配している。それは韓国などを見れば分かる事だが、やりすぎれば反米運動となって政治も不安定化してくる。

安倍内閣がすべきことは小泉改革の歪を是正する事ですが、三角合併やホワイトカラーなんとかも取り入れるのだろうか? それを当面は見守って行きたい。


海外勢の日本株回帰、三角合併の課税で期待外れも 12月22日 ロイター

[東京 21日 ロイター] 海外勢が日本株への注目度を高めている。世界の株式市場で企業の合併・買収(M&A)が大きなテーマとして浮上するなか、日本でも来年5月に外国企業が日本の子会社を通じて日本企業を買収する三角合併が解禁されるためで、国際的な再編の進む鉄鋼株などへの買いが強まっている。
 ただ、三角合併にあたっては、外国企業の子会社が事業を行っていないペーパーカンパニーなどの場合、政府は税制上、譲渡益課税の繰り延べを認めない方針で、実効性の観点から海外勢は失望する可能性があるとの懸念が出ている。





米国は、シリア・レバノン・イラン連合に戦争を仕掛けるのか?
行えば、待つのは軍事費も海外に依存する米国の自滅です。


2007年1月5日 金曜日

ユーロの利上げの可能性 1月3日 ビジネス知識源

ECB(欧州中央銀行)のトルシェ総裁が折りに触れ言うインフレ懸念を理由に、ユーロが07年に利上げを誘導すればどうなるか?

米ドルとの金利差の縮小から米ドルが売られ、ユーロは買われます。ユーロは現在の水準(1ユーロ=157円)から更に上げます。

以下はユーロ発足後の長期相場です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1999年      130円
2000年      105円
2001年9.11     90円(最低価格)
2002年      120円
2003年      120円
2004年      140円
2004年      140円
2005年      140円
2006年12月末    157円(最高価格)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2001年の9.11以降は、90円からほぼ直線的に157円まで74%も上昇しています。円で示していますが、円はドルと連れて動いているので、対ドルの変化と見てもほぼ同じです。

「9.11」を契機に世界で米ドルが売られ、ユーロが買われ続けていることを、この表は如実に示しています。なぜ日本が米ドルを買わねばならなかったかも示します。

利上げの観測からユーロが更に高騰するなら、ユーロの経済成長は、低下します。今も高すぎる西欧商品の価格競争力がなくなるからです。ドイツ、フランスの失業率の増加を意味します。

●ユーロも目立った利上げはできない。上げても、0.25%幅の微調整です。

【暫定的な結論の(4)】
ユーロも、大きな利上げはできない。世界の資産インフレ・株インフレは持続する。

暫定的とした結論の(1)〜(3)を振り返ってみます。

【暫定的な結論(1)】
2007年の日銀は、日本政府と米国政府の要求によって、金利の微調整(0.25%レベル)は行うことができても、1%レベルの利上げ誘導はできない。

07年に限って言えば、世界の資産バブルと株バブルの崩壊は、おそらく避けることができる。

07年中に日銀の利上げが起点になる世界の債券バブル・資産バブル崩壊が起こることはないだろうと見ることができます。

(注)懸念は、後で述べるドルの崩落です。

【暫定的な結論(2)】
暫定的な結論(1)と同様、日銀は、07年は利上げができない。そのため、世界の資源インフレも継続しそうです。

【暫定的な結論の(3)】
後発国35億人の経済成長によって、近未来の需要増加が確実に見込まれる国際コモデティの価格は、ゴールドの価格を含め、低金利と過剰流動性の持続によって上げるトレンドを続ける。

ジム・ロジャースのコモディティ投資論は、07年に金利の上昇がなければ、正しいということになります。

▼しかし米国経済は悪化する

世界経済の4%〜5%成長の中で、07年の米国経済は、成長率が鈍化します。

ここ10年続けて住関連の好調な需要を示してきたホームデポの直近の売上も、「住宅景気の終わり」を象徴するかのように、06年秋からマイナスに転じています。これは驚くべきことです。

06年5月〜7月期の同社の売上高は260億ドルでした。同年8月〜10月期は231億ドルです。4半期比で−12%。相当な落ち込みです。

この景気後退は、自然な流れではユーロ買いと円買いが起こり、両通貨に対し、ドル安に向かうことを示しています。

日銀の量的緩和の停止が始まったあとの06年7月以降の米国経済は、明らかに変調しています。米国の公式発表はこれを言わない。投機でダウ平均が上がっているからです。これは日本の1989年の株価に似ています。「豚は太らせて食べろ」の格言。空売りでの利益の機会が近づいています。

■8.中東地域における米国の威信の低下

赤字通貨の米ドルが、貿易黒字国と産油国から買い支えられてきた理由は、9.11以後、ユーロに対しどんなに価値が下がっても米ドルだけが、世界のどこでも通用する基軸通貨であるという共同認識に基づいていました。

世界の政府がもつ外貨準備のうち、米ドルのシェアは65%、ユーロは25%です。ユーロ経済圏の規模(GDP)は、ユーロ高で米国の1.5倍になりましたが、国際通貨はやはり米ドルでした。

世界の外貨準備での65%(米ドル):25%(ユーロ)は、通貨への人気投票を示すと言っていい。

●米ドルとユーロの差は、商品の競争力をもつ中国と日本が、米ドルの勢力圏に含まれているためです。

米ドルが基軸通貨であり続けるためには、3要素がそろっていることが必要です。

(1)中国の外貨準備が80%米ドルを続けること、
(2)日本からのドル買いがあること、
(3)世界の原油決済が米ドルであることが、どれも欠かせない


今、イラクへの無謀な侵略から、中東のかつての親米国の中にも、嫌米の機運が高まっています。

イラク侵攻を行った理由は、フセイン政権を倒すためでした。本当の理由は、イラクが原油の代金をユーロに変え、フセインがアラブ諸国にユーロでの原油決済を提案していたからです。いまアラブと世界にとって、イラク戦争の原因は周知です。

イラクの内戦は、
・北方の少数派クルド族、
・少数派のスンニ派(フセインのバース党がスンニ派)、
・60%の多数派のシーア派(イラン系:南部油田地帯)が、イラク
の埋蔵量1500億バーレル(1000兆円相当)をめぐって争う原油争奪戦です。

中東の産物は地下資源。いったん枠が外れると領土争奪が起こる。

▼焦点になっているイラン

シーア派のイランは昨年から、OPEC(石油輸出国機構)の総会で、原油の決済代金をユーロに変えることを提案し続けています。

07年の米国は、イスラエルともに、シリア・レバノン・イラン連合に戦争を仕掛けるのか? 行えば、待つのは軍事費も海外に依存する米国の自滅です。

日本の財務省は、自国の財政赤字の累積の中で、ドル債を過剰にもつため、米ドルを買い支える余力をなくしています。

(注)今、日本から米ドルを買っているのは、金利差をもとめ外債投資信託に集まっている個人マネーです。
 
■9.85年のG5(米、英、仏、独、日)による「プラザ合意」が再来するのか?

【G5が機能していた】
貿易赤字通貨の米ドルが、黒字通貨の西ドイツマルク、そして円に対し大幅な切り下げを行うことができた理由は、G5の中央銀行と財務省によるドル基軸を守るという合意と、通貨調整での協調があったからです。

当時の世界は、共産圏と自由経済圏の冷戦下でした。自由圏の盟主が米国でした。ヨーロッパはNATO、日本に対しては日米安保でした。いずれも、米国が自由圏を守る役割です。それを自由圏は認めていました。米国が盟主でした。

▼9項の変化

プラザ合意から21年、世界は変りました。

短くまとめれば、
(1)共産圏が崩壊した。
(2)米国は一極主義に変化した。
(3)中国の外貨準備は$1兆で日本を抜いた。
(4)産油国の貿易黒字が急増した。
(5)米国経済より大きなユーロが誕生した。
(6)イラク戦争の後は、内戦になった。
(7)BRICsとVISTAの35億人経済が7%〜10%成長に変った。
(8)ヘッジファンドは元本140兆円に増えている。
(9)日本政府にドル買いの余力資金はない。

以上の結果、G5のような米ドルの切り下げへの「波乱ない国際協調」は、もうできないのです。85年当時は、西ドイツと日本だけの協調でよかった。単純な世界でした。金融の自由化も進んでいなかった。

▼国際協調の不能

●今は、中国、日本、産油国、そしてドルに代わって世界覇権を狙っている通貨のユーロがあります。これらの国々が、ひとつの方向にまとまってドル基軸を支える協調をするとは到底思えません。

中国、イラクを含む産油国、ロシア(サウジに匹敵する石油生産)、そしてG5(米国、英国、フランス、ドイツ、日本)が一堂に会し、波乱が起こらないように「ドル切り下げをする」ということは、想像もできない。

改めて本稿で示した、世界の対外資産と負債を眺めてください。

▼ユーロしかないが・・・

米ドルを買う余力をもつのは、ユーロ(ドイツ・フランス)しか残っていません。

日本、中国、産油国は、十分すぎるくらいにドルを買っています。スイスと英国の資金は、産油国と世界の富裕者からの借り入れです。英国政府やスイスの資金ではない。運用利回りが低ければ逃げます。

●レバレッジ(信用借り)で、元本の数倍を運用するヘッジファンドは、自分の投機利益には忠実でも、米国という国家に誠実ではない。

米ドルが下落すると見れば、逆にどこよりも早く売りに転じます。損をすれば投資家が引き揚げ、自分が破滅するからです。

残るは、世界で最大の資金量をもつようになったユーロ(ECB)のみです。

利に敏(さと)いユーロが、下落する米ドルを買い支える決定(損をする決定)をするかどうか、米ドルの命運はここに絞られます。

もともと、米ドルの勢力圏を逃れるのがユーロの目的でした。そのユーロが、通貨連合の目的に反する決定ができるかどうか疑問です。ドイツとフランスは米国に忠実かどうか・・・

07年の8月ころから、欧州と日本が破壊された第二次世界大戦をまたいで、約80年も続いた米ドル基軸通貨体制の「終わりの始まり」になる可能性が高いように思えます。返せない債務は、利払いで時間とともに増えるからです。


米がペルシャ湾に空母増派へ、イラン・シリアをけん制 1月4日 読売新聞

【ワシントン=五十嵐文】ロイター通信は3日、米空母「ジョン・C・ステニス」と護衛艦などで構成する空母戦闘群が、月内にペルシャ湾に派遣されると報じた。

 ペルシャ湾にはすでに空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」が展開しており、2隻目の空母派遣は、核開発を進めるイランや、シリアをけん制する狙いがあるとみられる。

 同通信によるとステニスは当初、太平洋に派遣される予定だったが、中東などを管轄する米中央軍司令部の要請でペルシャ湾に向かわせることになった。

 空母の増派は、各種の作戦活動での柔軟性を高めるのが目的という。ただ、今回の増派は一時的なもので、ペルシャ湾に2つの空母群を常時配置するかどうかは今後、検討される見通しだ。


(私のコメント)
昨日のビジネス知識源の続きになりますが、アメリカ政府は現在の状況がよく分かっているのだろうか? アメリカがペルシャ湾に空母を派遣したところで手も足も出せないのはイランもお見通しだろう。それとも経済封鎖を行なおうというのだろうか? そうなるとイランの原油の輸出がストップして世界は大混乱になる。

株式日記は株式から見たニュース解説のサイトですが、為替相場から世界を見ると真相がよく見える。ユーロの誕生からの長期トレンドを見れば2001年09月11日に起きたことの真相がよく見えてくる。新聞やテレビのニュースはよく嘘をつきますが株式や為替相場は嘘をつかない。真相を知るものが金を動かすからだ。

ユーロは130円で発足しましたがじりじりと下げ続けて、9・11までに90円まで下落してしまった。それだけユーロは信任されずヨーロッパからアメリカに金が流出していました。ところが9・11の後は金は逆流してアメリカからヨーロッパに流れ始めた。

このことはアラブの王様達から見ればよく分かるだろう。アメリカはイスラムを敵視していつ資産凍結されるか分からないから、アラブの王様はドルからユーロへと資産を移し始めたのです。イラク侵攻後はアメリカ経済を危ぶむ世界の資本家たちもドルからユーロに移し始めた。アメリカは自分で自分の墓穴を掘っているのですが、これではアラブの石油輸出国もユーロでないと石油は売らないと言い出すかもしれない。

9・11の前はユーロは使い道がないからドルに変えていた世界の金持ちも、9・11の後のアメリカを見てドルに見切りをつけたのだろう。それに対してアメリカは軍事力を世界に見せつける事で食い止めようとしたが、イラク戦争の泥沼化がアメリカの弱点を見せ付ける事になりドル離れが拍車をかけた。

それにもかかわらずアメリカの株式は新高値をつけていますが、バブル崩壊前の日本の株式を連想させる現象だ。バブルを崩壊させるには一旦大きく膨らませる必要がある。ドルがじりじり下がっているのに株だけが上がるというのはおかしな現象だ。日本からの金が株式相場を吊り上げているのだろう。

このようなドルからユーロへの世界の金の流れで、日本の低金利がアメリカを支えている事を昨日述べましたが、日本が1%金利を上げれば円とドルとの流れも逆転する。アメリカ殺すには刃物は要らぬ日本が金利を大幅に上げればアメリカはショック死する。

さらには85年のプラザ合意の頃はG5だけの話し合いで大幅なドルの切り下げが出来ましたが、現在の状況は第二のプラザ合意は不可能だ。むしろ世界の基軸通貨はユーロに傾き、石油はユーロで決済されるようになるだろう。すでに通貨流通量でユーロがドルを追い抜いている。

だからアメリカが第二のプラザ合意で対外債務を一挙に50%も実質的に放棄させる事はできない。アメリカに預けた金が一気に半分になってしまったのですから日本とドイツは泣きの涙なのですが、ユーロの登場でアメリカはそのような荒業が出来なくなってしまった。第二のプラザ合意はドルが唯一の基軸通貨でなくなることを意味する。

不思議なのはユーロ高にもかかわらず円が高くならずにドルにリンクして動いている事ですが、世界の金持ちはもはやアメリカ経済と日本経済が一体化していると見ているのだろう。ならばドルが大暴落した時に円もつられて大暴落するのだろうか? ならば円資産もユーロに変えておいたほうが良いかもしれない。


世界のドル離れの雪崩をブッシュ政権は是非にも止 めなければならない。危機にゆで蛙の日本政府 2004年11月25日 株式日記

異常なことに対し正常心理をばらまく日経新聞、そして官庁エコノミ ストの感度は相当鈍っています。 日本人は一般に「財務省−日銀」が管理する円の世界にどっぷりと漬 かっている。為替への感度は鈍い。世界でも特殊です。 例えれば、米国以外に世界はないと思えてしまう米国大陸の内陸部の ような感じですね。

ロシアや中国がドル連動からユーロを主体としたバスケット制に変われば、ドルの基軸通貨としての信任は揺らぐことになり、アメリカ経済はアルゼンチン化するだろう。つまりドルは紙切れ同然となり、売るに売れない米国債は砕いてトイレットペーパーにするしかなくなるだろう。バカな日本の財務省の役人達は米国債を90兆円も買ってしまった。

どうせ紙切れになるのなら、財務省は銀行が抱える不良債権を買うべきだった。90兆円もあれば大手都市銀行の不良債権はほとんど処理できた金額だ。また定率減税を廃止して3兆円程度の増収を財務省は企んでいるようですが、増税すれば税収がそれ以上落ち込む事がわかっていないのだ。円が高くなっている時は減税と歳出の増加でバランスをとるべき時であり、その理屈が財務省やエコノミスト達に理解できないらしい。

世界の通貨制度は金本位制から管理通貨制度に切り替わりましたが、その通貨の管理の目安となるのが金利と為替相場だ。日本の金利はゼロ金利でこれ以上下げられないほどの低金利であり、為替も102円台と高くなる一方だ。ということは政府はどんどん財政を出動して紙幣を刷りまくって需要を作り出せということであり、国民の手取り収入を増やす政策をせよということだ。




日本の利上げで金利差の縮小が起これば、日本が90年代
に経験したバブル崩壊と同じ事態が、米国に起こります。


2007年1月4日 木曜日

月内にも追加利上げ実施、日銀が検討 1月1日 読売新聞

日本銀行が、1月にも追加利上げを実施する方向で検討する見通しとなったことが、31日、分かった。

2006年末の経済指標で日本経済の底堅さが確認されたとして、利上げに向けた環境が整いつつあるとの判断を固めた模様だ。

 12日の支店長会議などで景気・物価情勢などを見極め、政府・与党との調整を経たうえで、17〜18日に開く金融政策決定会合で最終判断する。ただ、政府・与党との調整次第では利上げが2月以降にずれ込む可能性も残されている。

06年11月の物価、消費、雇用、生産などの指標が改善したことで、金融政策を決定する9人の政策委員(正副総裁3人と審議委員6人)の中で、日本経済が日銀の描く景気拡大シナリオにおおむね沿った動きを示しているとの判断が大勢を占めている模様だ。


ビジネス知識源 2007年1月3日号 吉田繁治

さて新年です。われわれの資本主義に、どんな変化があるのか?

「世界経済は、わが国の低金利策をアンカーとして、グローバルにリンクした債券と資産バブルの上にある。」 前号で述べたようにこれが私の見方のベースです。

金利の変動が、2007年以降の経済変化の50%、またはそれ以上を決めると見ていると言い換えても同じです。これが、金利を論じる理由です。

今の低金利を続けることができるか。あるいは上がるか。これによって日本経済のみならず世界の経済が変ります。

●低金利を続けるなら、07年の8月ころまでの世界経済は、日本も含め、バブル的な好況を続けるでしょう。

●11年も続いている低金利時代が、期待インフレ率の高まりを原因に終わり、日米欧の金利が1ポイント(%)超上げれば、まず米国経済からリセッションに入るでしょう。2ポイントなら米国経済は90年代のバブル崩壊後の日本のような様相を見せるでしょう。

金利が、経済の先行きを決めるもっとも大きな要素になったのが、2000年以降の経済です。

金利が、年を追うごとに重大になった理由から述べます
 
■1.根底は低金利:日本政府の債務は史上最大

日本政府の総債務(国、地方、特別行政法人)は1000兆円を超え、毎年30兆円以上増えます。

90年代の政府予算の拡大によって、年金・医療・福祉・公共事業を含めれば、日本経済(GDP)の約44%部分(220兆円)は「官が関与する経済」になっています。

地方の景気が総じて悪い理由は、言うまでもなく大都市より重要な位置を占めていた公共事業の削減のためです。

(1)資本主義史上で最大の債務を抱えた日本政府は、超低金利によって、財政破綻を免れています。
(2)金融機関と企業は、低金利の所得移転を得ています。
(3)米ドル・ユーロとの金利差を主因とする円安が、輸出企業の利益(トヨタがある名古屋の景気)になっています。

1000兆円の政府債務は、金利が1%上がれば10兆円、3%なら30兆円の利払いが増えることを示します。そのため日本政府は日銀の利上げには強く抵抗します。

2兆円の輸出をする企業なら、1%(1.15円)の円安で330億円の超過利潤があります。(●でポイントを要約しています)

●日本政府と米国の利害は「日本を低金利のままにしておく」ということで一致しています。

日本の政府部門(国+地方+特別行政法人)は1年30兆円規模以上の赤字のため、金利が上がり利払いが増えることに耐えられない。

米国は、1年100兆円規模の貿易赤字のため、対外負債が増加し続けなければならない。米国が(現在の)5%レベルの金利であっても、海外から債券が買われ続けなければならないからです。

仮に日本の長期のベース金利(現在は1.6%)が3%に上がれば、世界が米国債を売ります。

●「世界の期待インフレ率」が高まっているに係わらず、政策的に、日銀が今の低金利(短期0.25%:長期1.6%レベル)を保つよう、マネー量の調節で誘導すれば、結果として続くのは、世界の資産(不動産・株)と債券のバブルの高揚です。

今の世界の株価は、個人の買いによって上がったものではない。ヘッジファンド(元本140兆円)と年金ファンド(米国1000兆円、他の世界1000兆円)が、主に、株式益回り(1÷PER=日本は現在4.72%)と金利の乖離幅を見ながら買いあがっています。

PERの逆数である株式益回りは、不動産投信(REIT)の利回りにも似ています。世界の都市部の不動産の価格水準も、REITが先導しています。
(注)PER=株価÷1株当たり純益=株価収益率

▼暫定的な結論(1)

2007年の日銀は、日本政府と米国政府の共通要請によって、金利の微調整(0.25%幅)は行うことができても、1%レベルの利上げ誘導はできない。07年に限って言えば、世界の資産バブルと株バブルの崩壊は、避けることができるでしょう。

07年中に、日銀の利上げが起点になる世界の債券バブル・資産バブル崩壊が起こることはないと見ることができます。

06年3月の量的緩和の停止(20兆円の資金吸い上げ)が、6、7月に世界の株と米国の不動産を下落させ、米国・西欧から非難された記憶が日銀には残っています。

■2.米国の対外債務も史上最大

米国経済は、貿易黒字国からの資金還流がなければ、ドルとともに崩落します。米国の貿易赤字≒世界の貿易黒字という構造があります。

米国債や社債のみならず1000兆円の住宅ローンも証券化(モーゲージ証券)され、海外に売られています。(海外が買っています)

●米国には、毎年、100兆円分の資金流入(米ドル債券買い)が必要です。世界からマネーを呼び込むため、米国は他国より金利を、数ポイント(%)は高く維持しなければならない。

米国の債券や株が、中国(外貨準備115兆円)と日本(同100兆円)を含むアジアの貿易黒字国、及び原油高騰で余剰資金をもつように変った産油国に保有されている理由は、米国債券・株の相対的な高金利・高配当・高い株式益回りのためです。

日欧と米国の金利差を原因に、米国債券と株を買うワールド・ダラーが、米国経済を崩落から防いでいます。

日本とユーロの金利が上昇し金利差(スプレッド)が縮小すれば、米国への資金流入は減ります。これは米国債券・米国株の価格低下と同じ意味です。

以下に主要国の、対外資産と対外債務の最新データを示します。
(2005年末:日銀国際局の集計:単位兆円)

【主要国の対外資産と債務】
   対外資産 対外債務 対外純資産 純資産のGDP比
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【対外資産巨大国】
日本   506   326    180    36%
スイス  206   158     48    119%
香港   143    99     44    256% →中国マネー
中国   144   110     34     13%
        
    
【ほぼ均衡している国】
ドイツ  483   455     28     9%
フランス 455   440     16     7%
ベルギー 156   144     12    29%
ロシア   41    41     0     0%


【債務超過国】
イタリア 188   201    −13    − 7%
カナダ  102   120    −18    −13%
英国   977   1020    −44    −18%
豪州    56   104    −48    −60%
スペイン 157   215    −58    −46%
米国   1038   1303    −265    −22%

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)産油国は集計からもれていますが、日銀は時にいいデータを提供してくれますね。

一般に、債権と債務を相殺した対外純資産が取り上げられ、日本は180兆円(GDP比36%)の対外純資産、米国は265兆円(GDP比22%)の対外純債務と言われることが多い。

●しかし、国際資金移動で問題になるのは、相殺後の対外純資産や純債務ではない。注目すべきは、相殺前の対外資産(=対外債権)の金額、及び対外債務の金額です。

わが国は、506兆円(名目GDPとほぼ同じ額)の対外資産を持ちます。米国の国債の約40%を買っています。

国民1人当たりで400万円、世帯当たりで1200万円相当を米国に貸し付けているといえば、巨額さが分かるでしょう。

(補注)日本の対外資産の中身は、直接投資(45兆円:9.0%)、株(48兆円:9.5%)、債券(201兆円:39.8%)、貸付金(76兆円:15.7%)、政府の外貨準備(99兆円:19.6%)、預金(29兆円:5.8%)、その他(3兆円:0.6%)です。

米国は逆に1303兆円と、名目GDPの1年分に匹敵する対外負債を持ちます。3億人の米国民1人当たりで434万円、世帯あたりで1300万円に相当する額です。

日本は、米国の対外債務のうち40%を引き受けていると見ていいでしょう。この米国の対外債務は、常態になった貿易赤字のため1年に100兆円、1日4000億円の速度で今日も増加中です。

資金を提供しているのは、日本、中国、そして中東の産油国です。(注)これは「対外債券投資」と言われます。

根底をいえば、
●最大の債権国である日本が、米国の債券(国債・社債・株式)を増加保有し続けているという理由から、
●中国も産油国も(そして英国もスイス)も米国債券を買っています。

世界は、「日本は国防で米国に依存。米国の要請を断ることができない。円は、米ドル基軸通貨体制を支える付属通貨である。」と見ています。

(注)知られていないことですが、世界がもつ米国債の現物は、米ドル基軸通貨体制を維持するため、米国のFRB(中央銀行)に預託されていて、多額に売るには、米政府の許可が必要です。世界は権利だけをもつと言っていい。米ドル基軸通貨体制は、米国にとって最大の国益。これが米国政府の義務である経済安全保障です。

こうした中で、日銀が11年続けた超低金利(短期0.25%:長期1.6%)を上げ、「金利が正常化」に向かうとどうなるか? 

金利差が小さくなるので、米国に行っている個人マネーと金融機関のマネーが、日本回帰を起こします。ジャパンマネーが回帰を起こせば、米ドルが安くなって損をするので世界の資金も米国離れを起こしまず。

そうすると、資金不足から米国金利が上がり、株価は下げ、米国債の価格も下げます。米ドルも更に安くなる。当然に、2000年以降の米国の消費増加を支えてきた住宅価格も下がる。

日本の利上げで金利差の縮小が起これば、日本が90年代に経験したバブル崩壊と同じ事態(デフレ経済)が、米国に起こります。

米国は世界の消費市場です。米国が、日本の金利上昇を起点にバブル崩壊を起こせば、輸出で成り立っているアジア経済と、米ドルへの資金仲介で成り立っている英国・スイスの金融経済も同時に崩落します。

●米国政府もアジアも、この事態がもっとも怖い。そのため、日本政府と日銀には、今の低金利の持続を要求し続けるはずです。


▼暫定的な結論(2)

暫定的結論(1)と同様、日銀は07年は目立った利上げができないでしょう。そのため次に述べる世界の資源インフレも継続しそうです。 (後略)


(私のコメント)
年末年始のテレビなどの討論番組を見てみましたが、いずれも株式日記で書いているような問題は討論では触れられなかった。「朝まで生テレビ」で宮崎哲弥氏が一言「財務省が安倍政権に抵抗している」と言うような発言をしていましたが、田原氏にスルーされてしまった。

もはや左翼と保守の対立ではなくて、左翼は中国や韓国などに頼るしか手がなくなり、朝日新聞などは中国に見放されて部数を落としている。むしろ保守派内における親米派と愛国派の意見対立のほうが火花を散らしているように思える。

それは経済問題での対立が顕著であり、竹中平蔵氏を中心にする市場原理主義とケインズ主義的景気回復路線との対立だ。安倍内閣は景気回復路線ですが、財務省や日銀が抵抗して財政再建増税路線を主張している。日銀の利上げのアドバルーンも景気回復路線への牽制だと思います。

財務省や日銀はアメリカからの要請で利上げはするなとの厳命を受けているのですが、政府内でも利上げをすると国債の利払いが増えて財政再建が遠のいてしまうから利上げはさせたくはない。その結果として日銀が利上げのアドバルーンを揚げて景気回復の芽を摘んで金利を抑えるという複雑な操作で金利の上昇を抑えている。

景気の見通しが明るいのならほっといても金利は上がっていくのですが、日銀は低金利は異常だから上げようとしている。だから速水総裁の時も無理やりゼロ金利を解除して失敗した。福井総裁も去年にゼロ金利解除して量的緩和も止めましたが新興市場や途上国の株式が暴落して影響を与えた。

日銀は追加利上げを検討しているようですが、それほど景気見通しは明るいのだろうか? 利上げといっても0,25%位づつの小幅なのでしょうが、利上げの影響は3ヶ月から半年ぐらいのズレが出る。去年の7〜9のGDP統計を見ても名目でのマイナスの数字が目立つ。テレビなどでは景気回復の刷り込み操作が行なわれているようですが、ゼロ金利解除の影響は出ている。

四半期別の名目成長率

確かに輸出企業などは円安傾向などで利益は良いようだ。しかし私のように銀行から巨額の借入金があるところでは、たとえ0、25%の小幅利上げでも毎月の返済額は○万円も増えてしまう。さらに所得税増税と消費税の支払いが増えてどうやって支払うか頭を抱えてしまう。サラリーマンでは気がつかないだろうが零細企業家にとっては大きな問題だ。

吉田繁治氏の記事を読んでもらえばわかるとおり、日本の資金供給が世界経済を支えている構造がよく分かると思うのですが、日銀の低金利が資金供給の源泉だ。グラフを見てもらえば分かるとおり日本は世界最大の対外資産巨大国だ。

その日本が1%も2%も金利を上げたらどうなるだろうか? 世界に金融の流れは逆流して、世界から日本への還流現象が起きるだろう。まさに日本がアメリカ経済を支えて世界経済を支えている構造があるのですが、日本の政治家や学者が小粒なのばかりだから、その事を外交政策などに反映させることが出来ない。

90年代は日本がアメリカの国債を買うか買わないかの問題だったのですが、最近では金利の上げ下げの主導権は日本が持っている。アメリカ経済をショック死させようと思ったら日銀総裁が資金供給のバルブを締めるだけでいい。それくらい日本はアメリカに対して影響力を持っているのですが、日本の政治家はその事に気がついていないようだ。

アメリカがなぜ執拗に日本に対して市場開放だの規制の緩和だのと内政干渉してくるのは、日本の金がアメリカの命運を握っているからだ。日本の政治家や学者にフランスほどの気骨のある人物がいたのなら、日本はまさに超大国としてのステータスを持っている事だろう。




アメリカは日本がアジアの安保を担当するように願っている。
日本が韓国と台湾を保護することを願っているのだ。(仏評論家)


2007年1月3日 水曜日

仏評論家ギ・ソルマン「韓国の反米、日本の立場強化するだけ」 1月2日  中央日報

「韓国一国で統一を成すことはできない。同時に韓国一国で潜在的な中国の脅威を阻むことができない。したがって誰かと連合をしなければならず、その対象は日本でなければアメリカだ。こんな状況で韓国の反米は、アジアで日本の立場を強化させることになる。」

フランスの世界的な文明評論家ギ・ソルマンは本紙との新年インタビューで朝鮮半島情勢の一端に対してこのような分析をした。同氏はまた「南北統一は、中国が北朝鮮を捨てる瞬間、急に訪れる可能性がある」と見込んだ。北核解決のための6者会談に対しては当事国がみな現状をある程度好んでいるから大きな進展を期待しにくいと言った。

-北朝鮮核問題が解決される気配を見せない。

「北朝鮮と関わるすべての問題の鍵を握っている中国が核問題を解決する意志がない。これは北朝鮮の核問題が自国に有利に作用していると見るためだ。北朝鮮の核問題がある限り中国は外交問題において中心を占めることができる。中心にいるというのは名誉を重視する中国には重要なことだ。中国の政治体制が今年も同じ状態だったら、北朝鮮問題はあまり変わらないだろう。」

-核実験をする北朝鮮に対して中国は一体どのような考えを持っているのか。

「中国は確かに北朝鮮の核実験準備状況が分かっていた。そして、中国は北朝鮮の核実験が小規模で行われることに賛成したと思う。これに対してアメリカと日本が大きく抵抗しないと判断したからだ。したがって、この事態は外交ゲームに臨む国々の表と裏が異なる微妙な観点で見なければならない。中国は核実験をした北朝鮮を責めたが、これに対して後では北朝鮮側に'それは私たちがずっと交渉の中心にいるため'というふうに説明したはずだ。」

-これ以上失うことがない北朝鮮の境遇を勘案する時、6者会談では根本的な解決策を探しにくいのではないか。

「ここには各国の普遍化された偽善がある。現在の状態にとどまっていることが各国の利益に当たる。中国についてはもう話をした。日本は北朝鮮の核武装を恐れながらも一方では北朝鮮の核事態で自国の核武装論を起こすことができるという点を狙っている。そして日本は統一された強い朝鮮半島を恐れている。したがって、日本が今の北朝鮮事態に不満を持っているとは言いにくい。ただ表では、不満が多いように言わなければならないということだ。」

-それならアメリカにはどんな利益があるのか。

「アメリカは日本がアジアで軍費を強化して行くのを願っており、日本がアジアの安保を担当するように願っている。日本が韓国と台湾を保護することを願っているのだ。北朝鮮核事態が日本の立場を強化する助けになるはずで、これはアメリカが願う方向だ。アメリカはこの地域にこれ以上関与したがらない。北朝鮮核問題で日本が軍費を強化するならアメリカは反対するわけがない。現状がアメリカにもあまり悪くないという話だ。言い換えればこの問題はすべての当事国に少しずつ利益になるわけだ。苦労をするのは北朝鮮住民たちだけだ。」
(後略)

ソース:中央日報(韓国語)韓国で反米は日本立場強化するだけ`
http://news.joins.com/article/2553579.html?ctg=10


憲法改正は実質的に既に完了した 平成16年12月20日 片岡鉄哉

新防衛計画大綱の敵は中国・北鮮 新大綱の内容を一読すると平和憲法は既に実質的に改正されたことが一目瞭然である。今や自衛隊は北の守りを解いて、陸続と南西方面に移動する。

ソ連との戦争を前提とした戦車や重火器は放棄され、ミサイル防衛、対潜警戒、北鮮ゲリラ攻撃への対処に重心が移る。海外派兵はアメリカとのお付き合いが目的で、重点でない。

日本の仮想敵国は中国と北朝鮮である。テポドンやノドン・ミサイルの発射が探知されると、現地司令官の裁量で数分内に迎撃ができる。内閣はこれを追認するだけだ。

敵のミサイルで日本本土が被弾すると、戦闘爆撃機と空中給油機が飛び立って、報復攻撃を行う。宮古島に近い塩路島には空自の一個飛行中隊、米海兵隊の一個航空団が配備され、台湾に対する中国攻撃を牽制できる。

米軍再編で朝鮮は日本に全面委託 日本のメディアは米軍再編成の本当の意義を国民に伝えていない。米軍は韓国からだけ撤退し、日本には第一軍団司令部が来るのだから基地反対運動をやろうという旧態依然とした態度だ。

アメリカがイラク戦争に勝てない理由は兵員の欠如である。兵隊が足りないのだ。予備役は実質上の徴兵制下にある。

米軍再編の第一目的は、朝鮮半島を全面的に日本に委託することである。朝鮮問題は第二次大戦の落とし子であり、日本が憲法に固執するので、54年間も世話してきたが、もう自分でやれというのだ。

第二に日本が中国との地域的勢力均衡を維持し、米軍は戦略的予備軍として日本の後ろ盾になる。司令部は戦闘部隊でない。戦闘部隊は中東に転進する。

小泉純一郎再評価の時が到来 総理の初期の公約は「自民党をぶっ壊し、憲法を改正する」だった。彼は二期満了の前に、既に公約を貫徹したのだ。

靖国参拝は中国との緊張をつくり、それをテコに外務省ODA予算から対中援助を削るのが目的だった。ODAは橋本派の資金源であり、これを切られた橋龍が日歯連の一億円に手を出したら、検察が待ち構えていた。これで田中軍団は「ぶっ壊された」。

総理は二つの公約を守った。形式的には憲法改正は先の話しだが、これに反対するには米軍再編成を逆に戻すことが必要になる。それは不可能だ。自民党内に改憲反対の声は消滅し、朝日だけとなった。私にとって、小泉純一郎は未だに謎だが、偉い政治家であることは疑えない。


(私のコメント)
正月早々から日本の外交問題を書いて来ましたが、精神的なアメリカの柵封体制から日本人は抜け出せないでいる。核武装の議論すらアメリカの顔色を伺って政治家達は議論すらするなとかん口令が引かれてしまった。最近では非核三原則ではなくて「議論するな」と言う言葉が加わって非核四原則になってしまった。

日米関係だけを考えればアメリカは日本をいかに支配するかだけを考えればいいのですが、アメリカは世界的に見れば世界から孤立して総スカン状態であり、イギリス国内もブレア政権は批判されている。あれだけイギリスはアメリカに協力したのにアメリカは何の見返りも与えなかった。

それほどアメリカは余裕を失ってきているのですが、それに気がついている日本人は少ない。ならばフランスから日米関係を見ればどのように見えているのだろうか、だからエマニュエル・トッド氏やドゴール主義を紹介してきました。今日はフランスの評論家のギ・ソルマン氏のインタビューを紹介します。

ソルマン氏は、アメリカは東アジアに関してはこれ以上コミットしていくつもりは無く、朝鮮半島の問題や台湾問題については問題を日本に投げ返してくると見ている。アメリカは朝鮮戦争やベトナム戦争で勝利を得ることは出来なかった。この時点でアメリカの限界は見えてきた。

ならば大東亜戦争で日本から朝鮮半島や台湾を日本から取り上げましたが、最近になってようやくその誤りがアメリカ人にも分かり始めてきたようだ。そもそも日清戦争や日露戦争を背後からけしかけさせたのは大英帝国なのですが、大英帝国は日英同盟で東アジアを安定させようとした。

しかしちょうど米英の覇権が移行する時期でもあり、そのきっかけとなったのが日英同盟の解消であり、大英帝国は日本との同盟を失う事で香港要塞とシンガポール要塞を失う結果となり、将棋倒し的にインドとスエズ運河を失い世界覇権をアメリカに譲る結果となった。つまりは大東亜戦争は大英帝国からアメリカ帝国への切り替わりの象徴でもあったのだ。

この結果アメリカは日本と組む事で世界覇権を得ることに成功した。日米安保が有ればアメリカは西太平洋からインド洋に至る海域の制海権を維持する事が出来る。アメリカ海軍はこの事をよく知っているが、アメリカの国際金融資本家達はこの事を知らないようだ。そして米中が組めば東アジアの覇権を持てると誤解しているようだ。

しかし英仏の知識層から見れば歴史的にみてアメリカは朝鮮半島と台湾問題を日本に任せざるを得ないと見ている。東アジアで米中が対決すればアメリカが勝てる見込みは無い。このままでは戦わずしてアメリカは朝鮮半島と台湾を中国に明け渡す事になる。そうなれば中国は太平洋に進出して将棋倒し的に東南アジアからインド洋を支配下に置く事になるだろう。それがアメリカにとって利益になる事とは思えない。

片岡鉄哉氏の記事もアメリカの戦略家の考えを写したものと考えられますが、アメリカは敵としてはならない国を敵として大東亜戦争に勝利して、日本から朝鮮半島と台湾を取り上げた。しかし今やアメリカは朝鮮半島と台湾をもてあましている。そして中国海軍の外洋進出によってアメリカ自慢の空母機動部隊は台湾にすら近づけない状態になりつつある。

株式日記でもアメリカ空母が中国の潜水艦に追尾されたというニュースを紹介しましたが、もしアメリカが台湾を失えば西太平洋の覇権は中国に移る。このようなことを考えれば得られる結論は決まっている。かつての大英帝国の戦略を踏襲せざるを得ない。日本を強化して中国とロシアを封じ込めるしかない。

しかしアメリカには中国と組む事で世界覇権を維持しようとする勢力もあり、クリントンやFDルーズベルト大統領などは親中反日の代表的な例だ。だから日本が憲法を改正して軍を強化しなければ日本を捨てて中国を組まざるを得ないだろう。それだけアメリカは追い詰められているのですが日本の国民はそこまで読めていない。

日本としては、アメリカが中東からどのように手を引くのか、極東の北朝鮮や韓国や台湾に対してどのように出るのかじっくりと見ていれば良い。アメリカが台湾を中国に委ねるのなら、日本にとっては危機であり日米安保の危機でもある。日本はアメリカに見捨てられて中国の覇権に入らざるを得なくなるだろう。

それともアメリカは日本の核武装を認めて朝鮮半島と台湾を保護させるのかは分からない。今のところアメリカは日本の核武装を認めないようだが、そうなると朝鮮半島と台湾の命運は風前の灯であり、アメリカは中東からも撤退し極東からも撤退して単なる地域大国となり、日本は中国に吹き寄せられてしまう。それが中国の戦略でもあるからだ。

アメリカの対日政策は大きな転換点を迎えているのですが、アメリカはイラクで頭が一杯であり、北朝鮮問題も中国に丸投げしている。しかし中国はアメリカの思惑には乗らずに北朝鮮を使って揺さぶりにきている。このように衰弱しつつあるアメリカを見て日本は核武装体制をとることが長期的戦略になる。場合によっては単独で中国と台湾をめぐって対決せざるを得ない場合も出てくるかもしれない。韓国は切り捨てざるを得ない。




「日本は強く叩けば必ず譲歩する」という確信をアメリカに抱か
せて、それが日米関係に存在する諸問題の根源となっている


2007年1月2日 火曜日

反米原理主義者を解剖する。 11月29日 外交と安全保障をクロフネが考えてみた。

(前略)
 アメリカはボランティアでもなければ、理想の国でもないが、それに対して別段驚きはしない。

世界のすべての独立国は、自らの国益(つまり自分のエゴ)のために外交を行っているのであって、たとえ外国と同盟関係を結ぶ時でも、それが自らの国益のため、つまり彼らなりの打算と欲得があってのことであるのは明白だからだ。

世界最小の国の一つ、サンマリノだって世界最強の経済力と軍事力を持てば、それに応じた対日外交を始めるだろう。

 もちろん日本政府・外務省の中には「アメリカにハイハイと言って付いて行けば、ともかく間違いはないんだ。」と考える人たちがいて、彼らにも困ったものだとは思うが、だからといって「日米同盟を破棄せよ。脱米だ!」といった極論には私は走らない。

 日本も独立国なのだから日米同盟を維持しつつも、アメリカに主張すべき所は主張して「これ以上は譲れない」というところを示せばいいだけである。

そして日米同盟の維持がアメリカの国益にもつながっていることをよく説明し、日本の国益のためにアメリカの持つパワーを賢く”利用”させてもらえればそれでいい。

(これまで宮澤喜一・河野洋平両氏のような”譲歩原理主義者”の自民党・旧宏池会系の実力者が、中国・韓国に対して「おっしゃる事はごもっともです!」とひたすら従ってきた事が中・韓の”既得権益”となって、現在の日本との外交摩擦の原因となっているが、

彼らがアメリカに対しても同様に、日本として「これ以上は譲れない」というところを示さず、「ごもっともです!」とただひたすら譲歩を重ねてきた事が、「日本は強く叩けば必ず譲歩する」という確信をアメリカに抱かせてしまい、それが現在までの日米関係に存在する諸問題の根源となっている。

プラザ合意以後の急速な円高と、その後のバブル経済をふくらましつづけた時の経済政策の責任者が誰かを考えれば一目瞭然だろう。

対中・韓・朝だけでなく対米関係も含めて、近年における日本の外交政策の失敗の諸悪の根源は、自民党・宏池会の連中である)

 しかし”反米原理主義”に陥るような人たちは、”アメリカのエゴ”に今さらながら驚愕して、動揺して、あげくのはてに錯乱しているように見受けられる。

そして出た結論の一つが「日本は日米同盟を捨てて、自立した誇り高き国になるべきだ」といったものだ。

「日本は日米同盟を捨てて、”自立した誇り高き国”になる」その心意気や良しとするが、じゃあ現実問題として、どうやってそれを実現していくのか?

”脱米”を主張するからにはアメリカと本気でケンカする覚悟は出来ているものと見なすが、まず安全保障はどうする? 

アメリカの”核の傘”から離脱するなら、アメリカを含む他の核保有国に恫喝された時に備えなければならないが、国民や国際社会の反発を覚悟して独自核保有の道へと突き進むというのだろうか?

次に日本が経済活動をしていくのに必要な石油などのエネルギーや天然資源の調達をどうする?  日本自身が権益を持っている世界の油田は、日本が必要とする石油量の半分にもはるかに満たないはずだが。 それに日本まで資源を運ぶシーレーンの防衛を日本自身でやるというのか?

そして日本で生み出された商品・サービスをアメリカ以外のどこに売る?
中国?じょうだんじゃない、中国自身の国内消費の落ち込みによって、行き場を失った中国産工業製品の輸出ドライブに拍車がかかり、対米黒字が膨らむ一方だというのに。

 「現時点で”脱米・自主独立”政策を求める」というのは、「補給が受けられない戦場で戦争をおっぱじめる」ようなものだ。 その結果は日本の自滅以外ないだろう。

 アメリカと距離を取った外交をしているフランスは独自の核戦力と海外権益を守る空母艦隊を保有しているし、”ダッソー”をはじめとする軍需産業をかかえ、ある程度自前でフランス軍に最新兵器を供給できる。

また石油メジャーのひとつ”トタル”が全世界において石油権益の確保につとめ、それでもエネルギーの海外依存度を減らすために、先進国では異例なほど原子力にエネルギーを頼っている。

ロシアも巨大な核戦力と自前の軍需産業、そして石油・天然ガスの豊富なエネルギー資源を持っている。 だから両国とも、ある程度はアメリカとケンカができるわけだ。

 クロフネも「日本の自主独立」という選択肢を100%排除するわけではないが、それをやるには重いコストや痛みを伴うし、長期に及ぶ国家戦略に基づく準備が必要になり、現時点においては現実的な政策ではない。 今日明日からはじめられるという政策ではないのである。

だから「自主独立のコスト」と「日米同盟維持のコスト」を天びんにかけた場合、私は後者をとる。 「アメリカ・アズ・ナンバーワン」なんてくれてやれ、安いものだ。

もし前者の政策を取るのであれば、日本は長期にわたる準備と多大なコストをかけて”補給線の確保”に全力で努力しなければならないだろう。

 ”自主独立”を主張する人たちは、自称も含めて”ガチガチの右翼”といったタイプの人が多いようだが、戦前の日本を破滅へと導いた軍部の”軍人官僚”の発想と驚くほど似ている。

これについては別の機会にでもふれよう。
(中略)

GHQの占領が終わってから現在まで、少なくともアメリカは日本の言論・思想の自由を認めてきた。
 
アメリカ政府や大統領が表向き公式に日本の歴史教育に異議を唱えてきた事は無いし、首相が靖国に参拝しても日米首脳会談を拒否してまでそれを阻止しようとした事は今の今までなかったはずだ。

たとえ民主党政権であっても、「内政干渉はしない」という最低限のモラルは守っていた。

それに民主党が間違った対日政策を取っても議会の共和党が反対するし、政権交代によって共和党が対日政策を修正するという、自浄能力がアメリカにはある。

(中略)

左翼リベラルは別としても、こういった考え方をする人たちは、「アメリカと対立したから、ナチス・ドイツやムッソリーニのイタリアと組もう」という戦前の松岡外相の発想と似ている。 松岡外相も日本を破滅へと引きずり込んだ人間のひとりである。 

彼は「日本が強大なナチと組めば、アメリカも日本の重要性を認識して、対米関係が好転するだろう」と踏んだのだが、結果的に「日本もナチのような犯罪者と同類」とアメリカに見なされて、日本とナチにイタリアを全部ひっくるめて、アメリカにコテンパンに叩きのめされたのである。

自民党の加藤紘一氏が「日本が中国と組めば、アメリカは日本の重要性を見なおして、日米関係もうまくいくのだ」と主張しているらしいが、松岡外相の発想と酷似しているように見えないだろうか?
(後略)


(私のコメント)
日本の外交政策の討論を聞いていると右か左か、イエスかノーかの二者択一的な議論になりやすい。一つ一つの問題については賛成と反対の意見は当然ある。しかし一つの意見が反米だからといって反米派とは限らないし、親中派と言うことも出来ない。議論が細かくなれば入り組んだ主張が絡み合うから単純ではなくなる。

昨日はドゴール主義について書きましたが、ドゴールはアメリカには逆らっても反米ではない。アメリカと同調していたらフランスの国益を損なうから、用心深くアメリカの干渉を避けて影響力を排除した。しかしフランスは人口6000万人足らずの中規模国家であり経済力も日本よりはるかに小さい。にもかかわらず外交力があるのは核武装の決断に踏み切ったからだろう。

アメリカがイギリスやフランスの核武装を認めたのもソ連に対抗する為ですが、NATOと言う枠組を作ってアメリカとの連携を深める事もしている。ならば東アジアについてもロシアや中国や北朝鮮の核に対して対抗できる核と言うのはアメリカ一国しかないという事は危険なバランスだ。

もしアメリカに何かあった場合に東アジアは中国やロシアや北朝鮮の核に対抗できる手段がなくなってしまう。もしアメリカにクリントンのような親中派の大統領が生まれた場合、韓国や台湾はどうなるのだろうか? とても韓国や台湾単独では中国に対抗できない。だから戦わずして中国は東アジアの覇権を握る事が出来るようになるだろう。

ならば東アジアにもヨーロッパのNATOのような軍事同盟を作って、イギリスやフランスのように日本のような主要国には核を持たせたほうが軍事力はバランスするだろう。このような構想は現在の日本にはなく、日本にはこのようなことを考える外交的戦略家がいない。中国の核に対抗できるのはアメリカの核だけと言うのはアジアを不安定にする。

だから単純にアメリカに対して核を持たせてくれと言うのではなく、アメリカが乗ってくるような構想を説明してアメリカを説得できるのならば日本の核武装は可能だろう。だから日本の核武装はアメリカと対決する事だと単純に考える馬鹿者が多すぎる。六カ国協議を見ても中国やロシアや北朝鮮が核を持っているのに西側の韓国や日本が核を持っていなければアメリカにとっても不利なのが分からないのだろうか?

私はアメリカも中国もロシアも信頼はしていない。しかし地政学的に見ればアメリカと利害が一番共有できるから同盟を結んでいるに過ぎないのであって、親米ポチ保守のような無条件の親米政策はアメリカの過度な内政干渉を招く事になる。クリントンのような親中派の大統領が出てきた時に日本は打つ手がなくなってしまう。

日本が一番恐れなければならない事は米中が連携して日本叩きに出てくることだ。中国も江沢民のように巧みにアメリカに取り入って日米関係を揺さぶり亀裂を生じさせようとしている。クリントンはその誘いに乗って日本を素通りして中国に9日間も滞在して中国を戦略的パートナーとした。日本はそれに対して何の手も打つことが出来なかった。

アメリカにとって中国と手を組む事が利益なのか、日本と手を組む事が利益なのか意見は分かれるところだ。中国は国内の巨大市場をアメリカに解放する事でアメリカを取り込もうとした。アメリカはそれに乗った。そして日本を締め上げて日本の技術と資本を中国に移して利益を得ようとした。クリントンはその誘いに乗った。

しかし中国市場はそんなに甘いものではなく、日本や東南アジアに比べて民主的ではなく、難しい市場である事がわかってきた。経済レベルが上がれば民主化が進むと思われたがその思惑は外れた。だから最近ではインド市場にシフトしてきている。

日本の外交戦略としては日本からASEAN諸国からインドの対中包囲網を形成して、ロシア中国を中心とする上海協力機構に対抗する組織を作ることだ。ヨーロッパではワルシャワ条約機構とNATOが対決したように日本も東アジア版NATOを形成する必要がある。そして日本とインドの核で中国を牽制する必要がある。

このような戦略構想が日本の政界では話される事は無い。現状では憲法上無理だからですが、核武装論議も封印されている現状では無理なのだ。

安倍総理は今月9日から訪欧しますが、NATO本部に訪れて演説するようだ。アメリカよりも先に訪欧する事の意味は何だろうか? もしかしたら安倍総理の構想としては拡大NATOとして東アジアNATOを形成する構想があるのかもしれない。イギリスやフランスは日本の安保理常任理事国入りにも賛成しているが、拡大NATO構想から見れば理解できる。


NATOとの連携強化へ=安倍首相の訪欧日程固まる (時事通信)

安倍晋三首相の欧州訪問日程が26日、固まった。来月9日から英国、ドイツ、ベルギー、フランス4カ国を歴訪。ブリュッセルでは北大西洋条約機構(NATO)を訪れ、国際平和や災害援助などの分野での日本とNATOの連携強化を確認する。14日にはフィリピン・セブ島に入り、台風のため延期になった東アジアサミットなどに出席する。
[時事通信社]


(私のコメント)
クロフネ氏の記事からも分かるとおり、日本人はあまりにもアメリカ中心的な外交に硬直してしまっている。日本もドゴールのような独自外交戦略を繰り広げたいのなら、ASEAN諸国やインドやNATO諸国などとの外交も必要だ。ところがアメリカと言う国は疑り深いから安倍内閣に疑心暗鬼となって、財務省を通じて安倍おろしを始めたのかもしれない。




  謹賀新年 2007年

.     (~ヽ                    γ~)
     |ヽJ         あ      |し' |
     |i (~ヽ           け    γ~)| |
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   |ヽJ i| .i|     お .し     |  |  し' |
   |  |  |  |     め て     |  |  |  |
.  ミリ( ´D`)ノ     で        (´D` )ミリ彡
  ミソミソ彡ミ彡     と      (/ミソ彡ミソミ彡
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米国占領下の改革や戦後民主主義教育によって、国益という視点
を欠落させた「観念的平和愛好」国民が大量生産されてしまった。


2007年1月1日 月曜日

大国フランスの戦後外交に学ぶ 中島  健

1、はじめに
 東西冷戦の終結後、我が国の外交政策は、引き続き日米安保条約を基幹とする日米同盟による、事実上の米国外交追随路線を継承した。96年の日米安保共同宣言以後突入した日米安保の新時代は、何より我が国の(憲法の制約を含む)自国不信と、アメリカにおける日本「不信」及び「信頼」の、3つの思惑による合作であった。

冷戦時代のような明白な「ソ連の脅威」が消滅した中で、アメリカの世界戦略の一貫を担う米軍基地の継続使用を認め、その影響力が極東に及ぶよう担保することで、東アジアにおける我が国の地位維持を保障する。ロシア、中国といった大国がひしめく東アジアにおいて、我が国の立場を強化するために、太平洋の彼方から世界最強国の支援を仰ぐ、というこの方式は、現実性という面では相応のものがあるにしろ、客観的な我が国の国力ということからすれば、あまりにも自国を矮小化した政策であると言わざるを得ない。

そういった意味で、現在の我が国の外交は、歴史的に朝鮮半島の政府が中国の顔色を伺わねばならなかったのと同様、あたかも我が国が太平洋の彼方の宗主国の顔色を伺うかのようである。そしてそれは、共産主義の防波堤=自由主義の「柵封体制」下にあった冷戦時代ならともかく、冷戦集結後の独立国家、特に(最近では陰りが見えてきているとはいえ)世界第2位の経済大国のとるべき選択としては、必ずしも全てが最適では無いように思えるのである。
(中略)

4、ド・ゴール主義外交の背景
 フランスがこれらの独自外交路線を歩むことができた背景には、文化的及び経済的、の2つの側面があるように思える。

文化的な側面としては、正にあの偉大なフランス文化ということが挙げられるだろう。啓蒙主義の思想、デカルト以来の合理主義、理性主義の精神風土は、「明晰でないものはフランス的でない」という言葉でも表現される通り、フランス文化の一つの特徴である。そして、このような合理主義的発想が、国益追求に際しての冷徹な計算と、名誉ある現実主義外交に結びついているのである。

また、こうした明晰性の追求の一つの帰結が、責任の所在やリーダーの顔がハッキリとした第5共和制大統領の誕生だったのではないだろうか。その意味で、集団主義と「わび、さび」のあいまいさを文化的特徴とする我が国とは、精神風土上も大きな違いがあるといえるだろう。

更に、フランスの長い歴史と伝統の誇りが、西側の盟主たる新興国家・アメリカに対する「独立自尊」の立場を宿命的にとらせているのも事実である。戦後の西側世界はある意味でアメリカの時代であり、パックス・アングロ・アメリカニズムの時代であったといえるだろう。アメリカは、その強力な軍事力と自由、市場原理、民主主義といった価値観を武器に、西側資本主義諸国の盟主となり、中には我が国のように文化的にもアメリカニズムに席巻された国まであった。

だが、そんな西側諸国の中で、政治から言語に至るまでアメリカニズムを撥ね付けたのが、フランスなのである。例えば、現在フランスには「フランス語使用法」という法律があり、表向きには「フランス語しか理解できない国民の保護」を謳っているが、その根底にはアメリカニズムに対する文化的防衛ということが含まれている。

その点、国籍不明のカタカナ語や、英単語をそのまま音だけ写したカタカナ英語が氾濫し(官庁用語や経済学用語、更にはコンピューター関連用語で特にその傾向が強く、また若者は簡易な英語を、知識人は態と難しい英単語を使う悪しき傾向も散見される)、英語表現(決して仏語や独語は入らない)それ自体、何だか格好いいように思われる風潮がある我が国とは、対照的である。

そもそも、「自由、平等、博愛」というフランス革命の精神や「自由」を大切にするというフランスの国是は、アメリカのそれとよく似ており、それだけに「こっちが老舗だ」という意識が一層強く出てしまうのだろう。加えて、ピューリタニズム的価値観が未だに残存し、あるいはアメリカ支配層の民族的宗教的傾向を示すWASP(白人アングロサクソン新教徒)という言葉が示すように、アメリカはなおプロテスタント(新教)優位の国家である。

これも、宗教的寛容性を特徴とする我が国とは異なり、伝統的にカトリック国家であったフランスにとっては「相容れない」理由の一つになっているのではないだろうか。フランスの宗教的不寛容性は、ユダヤ教に対する偏見からおきた有名なドレフュス事件や、最近では公立学校における、イスラム系移民の師弟のスカーフ着用問題(イスラム教的色彩の強いスカーフの着用と、公立学校の非宗教性とが対立した問題)などでも、見られた現象である。

 経済的な側面に関しては、フランス経済の均衡性ということが指摘できる。フランスは西欧最大の農業国であり、かつ農産物は最大の輸出商品となっている。それでいて、国内資源の存在も手伝って重工業も発達しており、殊に前述のような武器国産政策の結果、航空宇宙産業の発達は注目すべき特質である。独自開発のアリアン・ロケットや欧州共同のエアバス産業などが、その代表格である。

1982年のフォークランド紛争では、アルゼンチン軍に5発販売されたフランス製「エグゾセ」対艦ミサイルが、諸島奪回を目指して南下してきたイギリス海軍の駆逐艦を撃沈し、フランス航空宇宙産業の優秀性を世界にアピールした。こうして見るように、フランスにおいては、自国の国家経済の構造が、自づとフランスに誇りある独自外交路線をとることを担保してくれているのであって、これは、「石油」というたった一種類の資源を切断されただけでたちまち国家存立の危機に陥る、砂上の楼閣的な繁栄をしている我が国の国家経済とは、これ又ずいぶんと異なっている、といえるだろう。

 いずれにせよ、これら2つの側面に支えられていたからこそ、フランスの孤高のド・ゴール主義外交は数々の成功をおさめてきたのである。

5、日本外交の不甲斐なさ
 翻って、我が国の戦後外交をフランスのそれと比較するとき、我が国外交の独自性の欠如、即ち顕著なる米国追随の傾向(これを対米追随と見るか対米協調と見るかは難しいところだが・・・)には、何とも情けなくなるものがある。あくまで国益の追求という命題の下、現実的な視野に立った外交を実践してきたフランスと、専ら米国外交に追従する形で他の選択肢を失い、「国益」ということに無頓着又は拒絶的だった我が国とでは、やはり大きな違いがあると言わねばなるまい。

勿論、我が国とフランスとでは、その置かれた歴史的、地理的環境が異なるのであり、一概に比較することはできない。例えば、我が国の対米貿易依存度や食糧自給率、更には自衛隊の兵力構成等を鑑みれば、フランスと全く同じ外交を為すのは、やはりむずかしかっただろう。歴史的に見ても、フランスは第2次世界大戦の戦勝国であり、戦後世界の形成に参画できる立場にあったのに対し、我が国は敗戦国であって、当時の我が国の国際的な地位は低かった。

そして、戦後の我が国経済の復活は、東アジアの共産化防止という共通の利害を持った(そして、反共の「柵封体制」への加盟を許した)アメリカ合衆国の強力な支援の下に行われたのであり、例えば我が国の関税と貿易に関する一般協定(GATT)、あるいは経済協力開発機構(OECD)への加盟も、アメリカの助力なくしては有り得なかっただろう。

 しかし、問題は政治や国民の意識の有無である。その点、ド・ゴール的愛国心によって国益追求を為せる健全な体質を持つのがフランスであるのに対し、我が国に於いては、米国占領下の改革や戦後民主主義教育によって、国益という視点を欠落させた「観念的平和愛好」国民が大量生産されてしまった為、政治や国民に多くを期待することができなくなってしまった観がある。その最たる例が、日本国憲法第9条の非武装規定であろう。

太平洋戦争という大きな悲劇の反動で、一時的に非現実的な条文が着想されてしまったのは致し方の無いことだったにせよ、今日なお改正されずにあるこの規定は、国民の無条件的軍事忌避の傾向、ひいては、排他的な主権国家の集合体である国際社会の現実に対する無知を、如実に物語っている。

最近では、湾岸戦争の際、冷戦終結後の世界戦略無き状態で、我が国は「平和憲法」に束縛されて人的貢献を拒否し、多国籍軍への資金提供のみで事を済まそうとして、世界の失笑をかって「湾岸戦争における第2の敗戦国」とまで揶揄されてしまった。

私は何も、戦前の偏狭な民族主義的外交に回帰せよ等と言うつもりは全く無いが、しかし戦後の我が国外交とフランス外交とをくらべて見れば、我が国が如何に毅然とした主権国家としての振る舞いをしばしば忘れ、国際的な失笑と疑念の目を以って見られてきたかということは、一目瞭然である。

6、おわりに
 冷戦後の混沌とした世界情勢の中で、我々日本人は自国を一体どのように規定するのか、あるいは21世紀に向けて我が国は一体どこへ向かってゆくのか。今、我が国が未曾有の不景気に直面するなかで、根本的に問い直されねばならないこれらの事について、今日の我が国の政治は、何も語ってはいない。その様な状況の中で、フランスが戦後行ってきた、威風堂々とした独自外交路線は、我が国にとっても示唆に富むように思えるのである。



(私のコメント)
新年明けましておめでとうございます。とはいってもコンビニは元日から営業しているし、大手家電販売店も元日から営業している。銀行のATMも今年から元日から利用できるようになり、感じとしては普段と変わらぬようになりました。昔は盆と正月しか一斉に休める時がなかったからでしょうが、生活習慣も変わってきたから正月の風景も変わってくるのだろう。

しかし役所関係とマスコミだけは年末や正月休みがあって、28日の御用納めから3日までの参賀日が休みと言うのは海外との関係でロスがあるのではないかと思う。少なくとも民間は海外と同じように1月1日が正月休みとなっていくのではないかと思う。


株式日記は政治的スタンスとしては親米保守でもなく親中左翼でもなく自主独立の民族主義のスタンスですが、現実主義の見かたも持っている。例えていえばフランスのドゴール主義に近い考え方です。しかしフランスと言う国は人口6000万人で人口もGDPも日本の半分以下であり韓国と比べた方がいいくらいな中規模国家ですが、外交的には大国としての地位を保っている。

それに比べると日本は人口でも経済規模や水準でも、領土領海等を比べてみれば超大国規模の国家なのですが、日本国民にはそのような自覚がない。GDPで言えばアメリカと日本がダントツの超大国であり、人口で見てもトップ10に入る大国であり、国土は狭いように見えるが経済水域の広さは第6位の広さを持つ大国であり、総合的に見ればどう考えても超大国なのだ。

ところが日本人のほとんどが超大国意識は持っていない。日本は国連の常任理事国ではないし、世界からはアメリカの属国扱いであり、中国や北朝鮮や韓国から何か言われるたびに政界やマスコミが右往左往する情けない国だ。 日本は軍事力がないといわれていますが日本の軍事費はイギリスやフランスよりも大きく、日本は軍事でも世界第二位の軍事大国である。

にもかかわらず日本はフランスほどの外交的なプレゼンスがなく、世界に対する存在感が薄い。これは国連の安保理の常任理事国でないとかいう以前の問題であり、日本には外交戦略も国防戦略も経済戦略すらない。そして何かあるとアメリカの政府やシンクタンクにお伺いをたてに行く。

日本がこのようになってしまったのもアメリカに逆らった政治家や官僚たちはスキャンダルを暴露されて失脚する事を繰り返してきた。だからすっかりアメリカ恐怖症にかかり、日本の政治家はアメリカの政府高官の前に出るとおべっかを使うか震え上がってしまって何も言えなくなってしまう。小泉首相のエルビスプレスリーの物真似を見るにつけ日本の誇りはどこに行ったのかと思う。

つまりはそれほどアメリカと言う国は恐ろしい国であり、60年も経つのにいまだに大東亜戦争の敗北の後遺症が残り、それ以上に戦後のアメリカ占領軍による占領統治の後遺症が続いているのだ。自民党の実力者はアメリカ大使館に呼びつけられて総督であるアメリカ大使に小泉内閣を支持しろと命令された。そこまでアメリカは平然と日本の内政に干渉してくる。

このような状況では日本の独自外交はありえず、実質的には日本は独立国ではない。中国との関係ですらアメリカから仲良くしろといわれると素直に安倍総理は村山談話を踏襲して日中会談に踏み切った。クリントン政権時代にはサマーズ財務長官が「日本人は俺が命令すればパンツも脱ぐ」と言ったそうですが、ハーバードでもセクハラ発言で学長をクビになったから本当なのだろう。

それくらいアメリカ政府高官から見ると日本の政治家は従順であり、フランスのドゴール大統領と比べると比較のしようがない。フランスのような中規模国家でも政治家が立派であるならば立派な外交が出来る。そして中規模国家で大国でないからこそ核武装に踏み切りましたが、日本のはそれだけのことをする政治家がいない。

アメリカは結局のところ北朝鮮の核武装を止める力はなかった。インドやパキスタンの核武装も止められなかった。北朝鮮の核は日本に向けられたものですがアメリカの核の傘は破れ傘だ。中国やロシアが日本に核を打ち込んでもアメリカは自国を犠牲にしてまで核の報復はしないだろう。ならば日本としては断固として決断に踏み切るべきなのですが、国会では議論すらまかりならんとかん口令が引かれた。

もし日本にドゴールのような首相が存在したならば、28日紹介したエマニュエル・トッド氏の言うように核武装する事が核戦争を防ぐ切り札なのだ。ところがアメリカは日本への支配力を維持したいがために日本の核武装に反対している。アメリカにとって見れば北朝鮮のような貧弱な核はたいした脅威ではないが、ハイテク国家である日本の核武装は脅威になる。

日本のような超大国はアメリカに頼らずとも自国の防衛は出来るはずだ。とはいってもアメリカと敵対する事は国益ではない。ドゴールにしてもアメリカに逆らいつつもアメリカとは敵対しなかった。現実的な判断力が働いたからですが日本にはそれだけ現実的な判断が出来る政治家がいないのだ。



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