株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


爆笑問題の「太田光の私が総理大臣になったら」の番組で
自民党の山本一太、甘利明議員がイラクはどこ?で不正解


2006年4月15日 土曜日

日本テレビ 『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中 』より

イラクはどこ?という問題を出されて考え込む甘利明議員

山本一太、甘利明議員はシリアをイラクと間違えている。

イラクの場所を間違えて弁解をする山本一太議員

山本一太議員は自民党の外交部会長です

画像は株式日記ブログ版でどうぞ。

山本一太・・・自民党外交部会長

参議院議員
1958年、群馬県生まれ。
国際協力事業団(JICA:当時)、
国連開発計画(UNDP)ニューヨーク本部勤務を経て、
95年参議院議員に当選。
参議院自民党副幹事長、党遊説局長などを歴任後、
99年外務政務次官、03年参議院外交防衛委員長に就任。
現在、参議院外交防衛委員会および
イラク・事態特別委員会理事、
党外交部会部会長などを務める。

甘利 明労働大臣
 
1949年神奈川県生まれ。1972年慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、ソニー鞄社。1983年衆議院議員初当選(以来5期連続当選)。1989年通産政務次官(宇野、海部内閣)、1993年自民党商工部会長、1995年衆議院商工委員会委員長、1997年同党中心市街地再活性化調査会事務総長、同党副幹事長、1998年緊急経済対策に関する特別委員会筆頭理事、労働大臣に就任


小泉政権下での撤収判断、微妙に=麻生外相が言及−イラク自衛隊

麻生太郎外相は9日、NHKの番組に出演し、イラクの南部サマワで活動している陸上自衛隊の撤収を決める時期について「9月までにできるかできないかは何とも言えない」と述べ、小泉純一郎首相の在任中に撤収を判断できるかは微妙との認識を示した。
 外相は、英豪軍と同時期に撤収する考えを示した上で「イラクの政権がいつできるかに懸かっている。先日豪州の外相らと話したが、ここが読めないのが一番の悩みだ」と語った。 
(時事通信) - 4月9日23時0分更新


(私のコメント)
日本の政治家がいかにバカで無責任であるかは、株式日記でも散々書いてきましたが、昨日の日本テレビのバラエティー番組を見ていたら、山本一太議員と甘利明議員がイラクはどこ?と聞かれて、いろいろ考えてシリアに印をつけていた。イラク問題は毎日のようにテレビや新聞で報道されて、国会でも自衛隊派遣をいつまで継続するかで大問題になっている。

アイドルタレントやお笑い芸人が、イラクはどこ?と聞かれて分からなくても笑って済ませられますが、イラク問題を審議する国会議員がイラクの場所を知らなかったのは笑えない。ましてや山本一太議員は自民党の外交部会長であり、平成11年10月外務政務次官就任(2期)○現在外交防衛委員会理事、イラク・事態特別委員会理事、国家基本政策委員会委員でもある。

いわば山本一太議員はイラク問題の自民党の最高責任者でもあるのですが、地図上でイラクの場所が分からなかった。国会議員と言うのは学歴や経歴は絢爛豪華であり、日本のエリート中のエリートが多いのですが、それがこのレベルなのだ。偽装メール事件の永田議員も東大を出て大蔵省のエリート官僚だった人ですが、どうしようもないバカだった。

テレビなどでも山本一太議員は自民党を代表して出ていることも多い議員ですが、討論番組など見ていても人の発言中に大声で反論して相手の発言を封じてしまうマナー違反が多い。バラエティー番組ならそれでもいいのでしょうが、「朝まで生テレビ」のような討論番組でもそうなのだ。これではろくな討論も出来るはずもなく、国民は白痴化されてゆくのだ。

山本議員も甘利議員も民主党の永田議員もみんな選挙で選ばれた議員であり、彼らの選挙区の有権者は何を基準に選挙しているのだろうか。選挙公報の学歴や経歴でみんな誤魔化されてしまうのだろう。しかしイラクが何処にあるか分からないで、どうして自衛隊のイラク派遣問題が討議できるのだろう。

しかし日本の国会議員をバカにしたところで日本の政治が良くなる訳ではない。それ以上に選挙民である国民が馬鹿なのだ。国会議員がテレビなどで話をしていても、国民は話の内容よりもファッションやヘアスタイルなどを見ている。小泉総理の支持率が高いのも顔がいいからで、民主党も逝け面の前原代表を選びましたが、国民は見た目で人を判断してしまうのだ。

「たけしのTVタックル」も「太田光の私が総理大臣になったら」もお笑いバラエティー番組だから、国会議員もお笑いタレント化して、頭の中身もお笑いバラエティータレントになってしまったようだ。どうせならビートたけしや太田光を党首にしたら選挙で大勝利するのではないかと思う。大阪府知事選挙も横山ノックが当選した事もあったし、東京都知事も青島幸男が当選した事もある。

しかしその結果はどうなったのか?大阪や東京は何も変わらず何も出来なかった。国だって同じようなもので総理大臣といってもレベルはお笑いタレント並なのだ。人生もいろいろ、会社もいろいろ、総理大臣もいろいろ答弁でも野党は納得してしまう。与野党が伯仲していた時代なら総理や大臣の首がいくつも飛んでいたはずだ。

小泉首相の前の5人の首相はと聞かれて橋本首相の以前が間違い

これが正解

山本議員と甘利議員は日本の国会議員なのだろうか?


視聴者は、やはりよく観ている 4月15日 青山繁晴個人HP
http://blog.goo.ne.jp/shiaoyama_july/d/20060415

▼2チャンネルに、ぼくがイラクの場所を知らなかったような書き込みがあるけど、ここは中東をも専門分野にする者としてちょっと見逃せないので、事実を書いておきます。

 放送された「抜き打ちテスト」は3種類。
 このテストは、ぼくの知る限りほんとうに抜き打ちだった。そこは、この番組はフェアです。嘘をついていない。

 一つは、白地図にイラクを書き込むテスト。
 2人の自民党議員は、なんとヨルダンを塗りつぶした。
 社民党の福島さんは、正解だった。
 ぼくは当たり前だけど、正解です。
 これについては、正解者リストがちゃんと放送された。
 ぼくは収録で自民党議員に、「いくらなんでも、これはひどい。ヨルダンの人も怒るよ」と言い、それから「言い訳をしちゃ駄目だ」とも言った。
 放送では、完全にカット。

もう一つは、官製はがきの値段。
 2人の自民党議員も、ぼくも、それから、たぶん出演者の半分ぐらいが正解。

 残る一つは、小泉さんの前の首相を5代ほど書かせるテスト。
 これも自民党議員は2人とも間違えた。
 さらに、言い訳もあった。
 だけども、これは記憶違いで済む話じゃない。政治の流れが分かっていないのではないかと思ってしまう。


 政治の流れとは、たとえば宮沢政権を最期の自民党単独政権として、細川政権で非自民連立政権が誕生し、その細川さんがあっというまに退陣して、羽田政権ができたけれど、小沢さんが社会党とケンカしたために2か月でつぶれ、怒った社会党が自民党と組んで自社政権の村山政権が成立、おかげで息を吹き返した自民党が橋本政権、そして小渕政権と続け、小渕さんが小沢さんとのトラブルのあと急死し、森さんが急遽、政権を担ったけれども、無惨に崩壊したために変人と言われた小泉さんが首相になることができたーということです。
 小沢さんの表舞台への再登場で、政界が活気づいているのに、この流れが分かっていないのなら困ったことです。

 このテストの正解者はなぜか、太田総理を支持する側に割り当てられていた出演者、福島さんらだけリストアップされて、太田総理を支持しない側にいた、ぼくを含む正解者はリストアップされなかったのです。
 特別な意図があったとは思わない。
 しかしリストを出す以上は、最低限、誤解がないようにして欲しかった。

 ただし公平のために言うと、ぼくは実は放送前、自民党議員のあまりに問題の多い間違い2つ、なかでもイラクの場所を知らなかったシーンは、放送されないのじゃないかも知れないと思っていたので、それがちゃんと放送されたことは、この番組には、そのフェアネスはある。そこは評価する。


その後 4月16日 青山繁晴個人HP
http://blog.goo.ne.jp/shiaoyama_july/d/20060416

そのHPへのコメントのなかで、自民党議員がイラクと間違って塗りつぶした白地図が、ヨルダンではなくてシリアだったという指摘を読んだときは、ひっくり返った。
 しかも、放送で「ヨルダンでもなくシリアです」というテロップが流れたという。

 収録のとき、スタジオのいちばん端だったぼくの席から、スタジオの中心に席があって、ぼくからもっとも遠かった自民党議員の持つ白地図を垣間見たときは、いま思い出しても、ヨルダンに見えた。
 イラクは塗られないまま白く残り、イラクの半分ぐらいの大きさのシリアも白く残り、シリアの下の、さらに小さいヨルダンを、議員は黒く塗りつぶしているように見えたけど、テロップが流れたのなら、ぼくの間違いだろう。
 それに視聴者が放送を見るときは、その白地図がアップで映るのだから、コメントを書き込んだひとが、きっと正しい。

 言い訳と思う人がきっといて、それは仕方のないことだけど、断じて言い訳じゃない。
 ふだん講演で白板に、中東諸国の国境線がいかに人工的に英仏によって作られていったかを図に書いて、そこから説き起こして話を進めている。
 シリアやヨルダンを知らない、などということはありません。
 スタジオで、自民党議員の持つ白地図まで距離があって、見間違えたと思う。

 だけども、間違ったことを書き込んだのは事実だから、ごめんなさい。
 それに、放送でテロップが流れたのにも、まったく気がつかなかった。
 このHPへの書き込みで、どなたかが「シリアの人も怒るよ」と書いているのには、自分の失敗なのに、笑いました。
 その通りです。

物書きとは、自分の心の動きをプライバシーとはせずに、広くみんなへ、さらけ出す仕事です。
 ぼくが胸に定めた覚悟のうちの、もっとも大切な一つです。
 だから、ぼくが削除したぼくの書き込みが2チャンネルに転載されたことには、異議がない。




小説「温故一九四二」 日本軍は、餓死寸前の
中国の農民に軍糧を放出し、飢餓農民を救った


2006年4月14日 金曜日

小説「温故一九四二」を邦訳、映画化も  中国飢餓農民救った日本軍 4月11日 産経新聞

【北京=福島香織】一九四二年、大飢饉で河南省の農民を救ったのは、日本軍だった―。そんな歴史の真実を捉え、ロングセラーとなっている中国の小説がこのほど日本で翻訳出版された。劉震雲さん著、劉燕子さん翻訳の「温故一九四二」(中国書店)だ。日中政府が歴史問題で対立を深めるいま、庶民にとっての歴史とは何か、二人の「劉さん」にたずねた。

 「庶民にとって、歴史とは生活の連続。生活とは、食うこと。食べるものがなければ飢え死にするしかない」と、劉震雲さんは力をこめる。同小説は、日中戦争の最中の一九四一年―三年、河南省を襲った旱魃による被災者三千万人、餓死者三百万人という大飢饉の状況を農民、蒋介石ら指導者、米国人記者、日本軍の立場から多面的に描き出した。

 飢饉の原因は天災だけでなく、中国軍の容赦ない軍糧のとりたてのせいでもあった。その中で、日本軍は餓死寸前の農民に軍糧を放出した。他の中国人から収奪したものだったとはいえ、農民はこれに応えて、猟銃やクワを握って武装し、軍糧を巻き上げてきた中国軍を武装解除させた。

 「民衆が死んでも土地は中国人のもの。兵士が死ねば日本人がこの国をわがものとする」と軍糧の過剰なとりたてを黙認する蒋介石に対し、食べることが何より優先事項だった庶民。「最後に歴史を動かすのは庶民の基本的生活の要求だった」と劉震雲さんはいう。

 河南省生まれの劉震雲さんは、当初は故郷の災害史をまとめるつもりで、祖母や叔父らをインタビューし新聞記事を集めていた。史実に初めて触れて驚愕すると同時に「人の記憶は意外にあいまい。こんな大事件をみんなあまり覚えていない」と、ショックを受けた。それではいけないと、九三年に小説として発表。以来、読者の圧倒的支持を得て、今も重版が続くロングセラーになった。”中国の山田洋次”と称される馮小剛監督による映画化も決定。当局の審査が厳しくクランクインが遅れているものの「遅くとも来年の冬には完成する」という。

 翻訳者の劉燕子さんはこの小説に魅了された一読者だった。九一年に留学。今は大阪で、文芸誌「藍・BLUE」編集長を務める。「日中の懸け橋になりたいと思って文芸誌を編集してきた。この小説こそ日本の人々に読んでほしい」と、日本語で「劉震雲文学」の世界を再現した。翻訳に当たっては、防衛庁の戦史と照らし合わせ、史実を確認した。

 昨年四月の反日デモから一年。しかし劉震雲さんは「故郷(河南省)の老人たちは、日本人に好感を持っている。子供のとき日本兵にアメをもらったりしたそうです」とほほえんだ。


台湾228事件(1) 2006年03月13日 高あきら

(承前)1945年、台湾が解放されて大陸から進駐してきた「祖国」の国民党
政府と国民党軍の台湾人に対する暴虐圧政は目に余るひどさだった。

官公庁の主要ポストはすべて大陸からのものが占め、軍隊による台湾人への
強姦、略奪、強盗殺人などは日常的で、台湾の特産品の米はほとんど大陸
へ運び出された。それまで豊かだった台湾で、餓死するものが出るようになった。
規律正しい日本軍が去って国府軍が来たことを、台湾人は
「犬が去って豚が来た」といった。犬は「番犬」になるが豚は「貪り食う」だけ。
台湾人の国民党政府、軍に対する怒りは暴発寸前までになっていた。

国民党軍進駐の翌々年の1947年2月27日、台北市で闇煙草を売っていた
老婆が警官に暴行(後に死亡)され、これに抗議した群集に警官が発砲、
市民の一人が射殺された。
これが発火点となって、台湾全島に反乱、暴動が広がっていった。
「228事件」の始まりである。

翌28日、台北市では台湾人が放送局を占拠し、台湾全土に決起を訴えた。
これに呼応して、暴動は全島に広がり、台湾人は怒りをたぎらせて大陸から
やってきた「外省人」に暴行を加えた。
外省人を区別するのに、日本の歌を歌わせたという。歌えないものは
外省人というわけだ。
ただし、殺すことはせずもっぱら暴行を加えるだけだったという。

大陸の国民党政府は、共産軍と内戦の最中で、敗戦が続いていた。
国民党政府は、最後の砦となる台湾の状況の悪化に驚き、鎮圧部隊を
台湾に送り込み、島内各地で台湾人の虐殺を繰り広げた。
国民党軍と話し合いを続けてきた台湾人の代表委員はほとんど殺害
された。だまし討ちにあったのだ。

台北駅の西にある台湾鉄路局のベランダからの機銃掃射で、多くの市民が
バタバタと倒された。
暴動に関係ないものでも、台湾人であるということだけで、その場で手足を
縛られて射殺された例もある。
基隆市では、多くの台湾人が手のひらに針金を通されて射殺され、そのまま
港の海に投げ込まれた。

もっとも暴動が激しかった南部の嘉義市の駅前では、たびたび公開処刑が
行われた。
私が少年時代によく遊んだ台南駅前の広場でも、公開処刑が行われた。
この暴動は日本の新聞でも「南京発」の情報として報じられた。
李登輝・元総統も、身の危険を感じて一週間ほど山中に身を隠していたという。
反乱の掃討戦は一ヶ月ほどで終わり、台湾各地に血の跡を残し、台湾人と
大陸人(外省人)との間に、深い溝ができてしまった。

ところが、国民党政府の弾圧は、これだけでは収まらなかった。
この事件を契機として、日本時代の台湾人インテリを対象にした「虐殺」が
始まった。「白色テロ」である。
突然逮捕され、身に覚えのないことで裁判もなく処刑されるものが相次いだ。
台湾大学のキャンバスに、針金でぐるくる巻きにされた射殺死体が捨てられて
いた。文字通り「暗殺」である。こんなことが珍しくなかった。
台湾人は恐怖のため、夜も安心して眠れない状況に追い込まれた。

李登輝・元総統が、故司馬遼太郎氏との対談で「かつてわれわれ70歳代の
人間は夜はろくろく寝たことがなかった」といっている。
大戦中の軍部独裁といわれる、わが国の治安警察(特高警察)と憲兵による
圧政下でも、国民に不安を与えることはなかった。
それはいまの台湾からは想像もつかない「恐怖の時代」であり、それを体験した
人々が現在も生きているのである。


(私のコメント)
戦後の日本では大東亜戦争を冷静な目で検証しようと言う動きがなかなか現れず、中国や韓国などからの靖国参拝批判などで、日本の総理大臣が右往左往している姿はほんとに見苦しいものだ。特に90年代はそれが酷くて歴代の総理は靖国参拝もままならず、戦前の日本を肯定的に言うだけで大臣の首が飛んだ。

終戦からすでに60年も経つというのに大東亜戦争がまだ冷静に検討が出来ないのは、日本の歴史学界の思考停止状態がまだ解けないのだろうか。その原因の一つとしてはGHQの流れをくむ米軍が日本国内に数多くの軍事基地を持って日本政府を監視している事だ。

もはや戦後ではないのだからGHQによる検閲体制は解かれているのですが、戦前の歴史は書き換えられて大東亜戦争も太平洋戦争と書き換えさせられた。特に東京裁判などで30万人の南京大虐殺などが裁かれてA級戦犯は7名が絞首刑にかけられましたが、一部の人の証言だけで学術的な検証もなされず、中国からの政治プロパガンダが繰り返されて、日本政府は反論らしい反論もしないでじっと黙っている。

日本軍が中国で8年間も戦争をしていたのだから、多くの戦死者が出たのは間違いはなく、多くの一般国民も戦闘に巻き込まれて死んだ事だろう。しかし日本軍の戦死者の数は191、250名で一般人を含めれば465,700名とはっきり分かっているのに中国側の死者の数はまるで分からず、数百万人から3500万人と年々増え続けている。

南京大虐殺といわれる30万人説も疑わしいのですが、なぜ学術的に検証が行なわれないのか、中国側の政治的な思惑が妨げているのだろう。むしろ日本軍による残虐行為よりも国民党軍による残虐行為のほうが激しくて、調べるとやぶ蛇になる可能性があるからではないかと思う。

小説「温故一九四二」によれば、戦時中に大飢饉が起きて3年余りの間に300万人が餓死するという事態が起きたそうですが、、中国軍による容赦のない軍糧の取立てが原因らしい。それに対して日本軍は軍糧を放出して救ったという話ですが、統制がとれていた日本軍は中国軍よりは中国国民に対してはましだったようだ。

統制のとれない国民党軍は大陸本土を追い出されて台湾に逃れましたが、台湾でも国民党軍の暴虐圧制は酷かった。台湾でも食料を取り立てて餓死者を出したり、略奪強盗殺人強姦などやりたい放題で、日本軍統治時代とはまったく変わってしまった。

このような状況から判断すれば、中国大陸においても日本軍のほうが統制が取れており、住民に対する略奪暴行殺人強姦などの行為は少なかったと思われる。もちろん戦場だから多少はあったのでしょうが、中国政府のプロパガンダほどではない。だから日中戦争の実態を調べると中国側が都合が悪くなってしまう。

中国における反日教育は日中戦争時代の日本軍の残虐性を教え込んでいるようですが、国民党軍や共産党軍による圧制による被害者の方が圧倒的に多いはずだ。しかし中国は共産党による独裁圧制国家だからその不満を訴える事ができない。そして中国政府は戦争被害を日本軍に押し付けている。

このように情報の公開が十分になされない中国の後進性は、ゆがんだ歴史を教え込まれて今日の反日運動につながっている。その中国のプロパガンダをそのまま信じているのが日本の反日左翼ですが、それに反論しているのはネットのブログや雑誌程度で、自民党の一部や民主党や社民、共産などは中国のプロパガンダに同調している。

ソ連の崩壊によって戦前戦中の共産党の秘密工作が次々と明らかになってきましたが、盧溝橋事件や張作霖爆殺など共産党によるものと言う資料が出てきた。日本の政界や軍部にも共産党の工作員もいて謀略に日本軍は引っかかってしまったのだ。政府も軍部も不拡大方針だったのに引きずり込まれたのだ。

このような謀略や陰謀工作はいつかはばれるもので、ばれた時の仕掛けた方の打撃は大きいだろう。北朝鮮も拉致問題はでっちあげと誤魔化していましたが、それがばれると日本人の怒りは爆発していますが、中国の一連のプロパガンダもでっちあげがばれれば反動が大きい。靖国問題も日中双方が引くに引けなくなり国際問題になっていますが、最初から日本政府が内政干渉と厳重に抗議していればよかったのだ。


劉震雲「温故一九四二」 『中国当代作家選集還書 劉震雲』(人民文学出版社、2000年9月、第1刷)

(あらすじ)
1942年春から43年秋にかけて、河南省では110県に及ぶ広範な地域で旱害、蝗害、水害の三大自然災害が発生し、大きな被害をもたらした。飢饉のために省の全人口の十分の一に当たる300万人が、餓死、あるいは病死し、流浪者(「逃荒」)も300万人となり、罹災者は合計で600万人とのぼった。そして、流浪の途中での餓死、病死、汽車にひき殺される等々による死者は数えきれなかった。

  罹災者は、木の皮、雑草、柴、泥などを食べたが、それらさえもなくなった。子どもや婦人が売られた。家庭を支配している者が、支配される者を売った。男も女も、その値打ちはいずれも普通の作柄の時の十分の一となった。若い女は妓楼に売られ、成年男子は国民党軍に捕まえられて、兵士に徴発された。しかし、彼らは喜んだ。軍隊にいれば、ご飯が食べられるからだ。

  人間が人間を食う。アメリカ人記者白修徳は、河南省に行く前に、この世で人間が人間を食うことを信じられなかったが、しかし、彼は自分のこの目で見た。一人の母親が、自分の二歳の子を煮て食べた。一人の父親が、自分が生き延びるために、二人の子どもを縄で絞め殺し、蒸して食べた。・・・・・「易子而食」、「易妻而食」などなど()。

  飢饉は、全てを支配した。この時、同情心、親族の思いやり、習俗のきまり、道徳心、宗教心などは「蕩然無存(跡形もなく消える)」となった。大量の死体が野ざらしとなり、飢えた犬の食料となった。1943年の河南省罹災地区では、犬の方が人間よりもずっと元気があった。

  しかし、政府は、罹災地区からも変わらずに現物税と「軍粮(軍隊に供給する食糧)」を徴収し続けた。

  民衆の本音を伝える流行歌謡に、次のようなものがある。“説真語、会卿官、半真半假保住官、置天大姿恂大官(本当を言えば、官職を失い、半分本当で半分嘘なら官職を保ち、嘘八百並べれば高官になれる)。”

  蒋介石委員長も、「嘘、でっち上げ、水増し、上乗せ」の統計という中国の官僚病をよくわかっていた。だから、蒋は河南省政府に対して、自然災害の報告を偽りと決めつけ、さらに、河南省の徴税項目や分担金などで緩和や免除を絶対に許さないと厳しく命じた。これは、現実には、政府が刀をもって自然災害の仲間となることを意味していた。

  『大公報』記者、張のわずか六千文字の「豫災実録」の報告、および評論は蒋を激怒させ、『大公報』は三日間停刊させられ、関わったジャーナリストが処分された。

  他方、数百万の罹災者たちは、「洋人(白人)」のアメリカ人記者白修徳、イギリス人記者込里儼・福櫛曼、中国駐在アメリカ人外交官たちに、大いに感謝していた。白修徳は、アメリカのマスコミに呼びかけた。また、白と福は、宋慶齢(1893.1.−1981.5.孫文夫人)を通じて、蒋介石と20分ほど会見した。中国人は白人の気にさわることを願わないため、多くの河南省の罹災者が救われた。

  アメリカ政府は、蒋に対する信任を割り引いた。外国からの救援物資は、全て宣教師を通じて配給された。白人たちは、宗教の教義から出発し、教会におかゆの給食施設、医院、孤児院を設立した。

  これらの少数の外国人は、中国人に生命が高貴であることを意識させた。一人のカトリック神父は、おかゆ給食施設設立のきっかけについて問われたとき、このように答えた。

  「少なくとも、彼らを人間のように死去させてあげたい。」
  中国政府も救済活動を始めた。陝西省や湖北省には、豊富な食料が貯蔵され、即座に調達すればよかったが、政府は同意しなかった。中国では、一貫して政治が人間よりも高いのである。

  数ヶ月後に、中央政府の救済金の二億元が河南省にまでたどり着いたとき、わずか八千元になっていた。省政府役人は、この八千元を銀行に預け、利息が増えるのを待っていた。さらに数ヶ月後、一部の地方役人は救済金を受け取ってから、農民の未返済の税債務を差し引き、農民の手元ではゼロになった。

  また、中央政府の紙幣は全て百元札で、食料を買いだめする投機売買人は百元札を拒絶し、農民はやむを得ず国家銀行に行き両替したが、その時、銀行は17%の手数料を抜き取った。罹災者にとって必要なものは、食料、穀物であったが、しかし、政府は無視した。

  確かに、慈善による募金や公演も行われた。しかし、これらの救済金も政府に渡さなければならない。そして、政府が罹災者に配給する過程で、省から県、県から郷、郷から村というように、多くの中間機関を経て、幾重にも重なって、救済金は収奪された。上から下へ行く中で、次々に奪い取られた。どれだけ、罹災者の手元に届いたのだろうか?

  その中で、皮肉で驚くべきことには、政府の公務員は「一回食べれば、一週間飢えない食品」を発明して、普及させようとした。実際には、1943年、蒋介石政府の救済キャンペーン中に、農民たちは毎日飢え死にして、それが常態となっていた。大通りで、野原で、駅のそばで死んでいた。総じて言えば、蒋の救済キャンペーンは、ただのドタバタ劇であった。白人、白人の政府、世界に見せびらかすドタバタ劇であった。

  1943年秋、イナゴの災害もやってきた。しかし、河南省の人が全て死んでしまうことはなかった。50年後には、中国で二番目に人口が多い省となっている。それは、中国政府が災害救援措置を実行したからか、それとも、イナゴが自分から飛び去ったからか。否。

  1943年冬、日本軍が河南省罹災地区に来た。罹災者が救われた。侵略者が罹災者に「軍粮」を配給した。

  生存のためならば、売国奴であれ、「漢奸(漢族の裏切り者が原意、転じて民族の裏切り者、侵略者の手先)」であれ、「私」の親族、友人、同郷人で、日本軍を助け、中国軍を武装解除した者は数えきれない。50年後、「漢奸」を追究するならば、皆そうだ。私たちは皆、「漢奸」の子孫だ。

  1944年春、日本軍6万人は、中国軍30万人を殲滅した。それは、日本軍の「軍粮」が民衆を救ったからだ。中国政府に腐敗がはびこり、民心を失い、政権を保つことができなくなってしまった。

  日本軍は比較的見識があり、民心の向背に注意を払った。「吃(食べる)」は民衆にとって根本的なものである。飢え死にして中国の鬼になるよりも、むしろ、飢え死にせずに亡国の民(奴隷)になりたいのか。飢え死にの瀬戸際にある罹災者は、この問題に直面したとき、後者を選択した。





肥大した欲望に結局ソ連のシステムが対応できなくなって
壊れていった。中国も同じ理由で崩壊してゆくのだろう。


2006年4月13日 木曜日

「国家の崩壊」佐藤優X宮崎学対談

4月2日 『国家の崩壊(にんげん出版)』刊行記念講演会 三省堂本店

(前略)
佐藤
 結論からいうと、同質のものを持っている。しかし私が見る限り小泉さんは新自由主義的と新保守主義的の二つの軸足がある。図式的に整理すると新自由主義的な流れというのは、竹中平蔵さんや堀江貴文さん。新保守主義的なものというのは靖国参拝になどの伝統的なものにこだわる要素。ゴルバチョフもその両方の要素があった。

 例えば人類共通の価値、グローバルスタンダードそれから欧州共通の家というような発想、 新思考外交はこういう新自由主義と同じような普遍主義的な傾向である。それと同時に復古主義的というか保守的な伝統を使うということではゴルバチョフは教会の復権をしてる。そこのところは小泉さんの靖国へのこだわりに似ているかもしれない。

 ただ、ゴルバチョフは新自由主義や資本主義にしようとは考えてはいなかった。彼は明らかに世界革命を考えていた。実は世界革命という考え方はプロレタリアートによって全世界で社会主義、共産主義の体制を作って行こうということであるから、一つの普遍主義的な考え方になる。ロシアというのはその普遍主義と、私はユーラシア主義と言っていますが、ユーラシアとアジアに関わるところにあるロシアという内向きの自己完結した大東亜共栄圏にも似た共栄圏の中にいるという発想。これが交代で出てくる。

 最初レーニン、トロツキーがロシア革命をやったとき「全世界でプロレタリアート革命が出来るんだ、 遅れたロシアから始まってもそれは必ずヨーロッパに波及して全世界の社会主義革命になる」と思った。 あのスターリンも初期はレーニンやトロツキーと同じ考えですがマルクスレーニン主義を表では使ってるんですが、実際にはユーラシア主義の地勢学論者で大東亜共栄圏に近いようなユーラシア共栄圏の思想を持っていた。その共栄圏の思想によってナチスドイツに打ち勝つわけですよね。

 その後スターリンの時代が終わってフルシチョフが出たときに、フルシチョフはソ連の科学技術をもってすれば、やはり世界革命は出来ると思った。 平和的共存という形であれば必ずソ連陣営が勝つと。しかし結論に走りますが、ブレジネフという非常に頭のいい奴がいたんです。

ブレジネフは気づいたんですね「西側と共通の価値観を持って、西側の市場原理みたいなものがソ連に入ってしまうと、 人間の欲望というのは無限に膨れてしまう。欲望が膨れだしたらそれは止めることはできない。だから欲望を抑えないといけない。 そのためには外界と遮断しなくてはいけないんだ」ということで、またユーラシア共栄圏を作った。


 ロシア人の共産党幹部が「欲望」を説明してくれたんです。 「フルシチョフというのは世界革命を考えたんだけど、ブレジネフは本当に頭が良かったんだ」と。「アイスクリームを見てごらん、今モスクワで人気の31アイスがあるよな、アイスクリームを31種類も食いたいか?そもそも我々の国はアイスクリームはチョコレートでコーティングしたエスキモーとスタカンチクというカップに入ったアイスだった。十分うまい‐(確かにうまいんです)‐それにチョコレートが載っていればいいんだ。

それで欲望が満足されてたんだけども人為的な欲望というものがコマーシャルによって作られて、みんな31種類のアイスが欲しくなってしまった。今まで我々はラジカセを持っていればそれ以上欲しいものはなかった。ところがミュージックコンポが欲しくなる。あるいは映画館に行けばいいのにビデオが欲しくなる。 欲望というのは無限に拡がって来る。それには絶対に追いつかない。

ブレジネフはむしろ国境は閉鎖してしまったほうが良いと考え、それで円環をなすような社会を作ればよいと考えた。佐藤さん、エコロジーという観点から考えれば、あのソ連のシステムというは結構良かったんじゃないか。 人間の欲望というは思想によってしか抑えられないといううイデオロギーを考えた。ブレジネフは反体制派を銃殺にしたか?」


(中略)

 そこでゴルバチョフに戻すと、こんなオイルマネーが入ってきて国民が仕事をするふりをする。 実際は全然仕事しない。国家は給料を払ったふりをするんだけど実際にはそれでは全然物が買えない。 そういうような情況ではまずいと。なぜまずいかと「そんなことだったら我々の国家は競争に負けてしまって、革命で勝てない」 から。ゴルバチョフは真剣に革命を考えたと私は見ています。

その時彼は一つの方法を考えたわけですね。共産主義革命でコミンテルンみたいな形で各共産党をモスクワから操って革命しようとしても失敗したと。失敗したことは繰り返しても意味はない。そこで何を考えたかというと、共産主義と社会民主主義は一緒であると。欧州共通の家というのは基本的には社会民主主義者と共産主義者というのは一緒なんだという形にして、西欧社会主義革命を考えたと私は見ているんです。

ここは普遍主義的な原理なんです。ところが西欧社会主義革命をしようとして国境を開いてこの競争であれば我々は勝つと、このまま核軍拡競争をしているならば人類は偶発戦争で滅びるかもしれないという理屈は正しいんです。

その理屈でいけば必ず西側はソ連になびいて、社会民主主義は勝利し、社会主義社会ができると思ったら、それと同時に市場経済が入ってきちゃった。それによって、ソ連国民の欲望が無限に肥大しちゃったんですね。それで肥大した欲望に結局ソ連のシステムが対応できなくなって壊れていったと。大きな図式だとそういう風に見てます。 (中略)


宮崎
 余談になるが日本のシステムの問題について少し話すと、実はこの間ヒューザーの耐震構造偽造事件の取材をし、そうした時に国交省の役人の問題に突き当るわけなんです。国交省の役人が2-3年前に法改正を行って民間検査機関というものを作る。これが「民営化」で、建築確認の申請書類のいわゆる検査済書をそこが提出するようになっていくわけで大半は今回のヒューザーの問題でのERIという民間の検査機関があるんですが50%を超える人たちが天下りである。

つまり天下りが良いか悪いかという問題は別にして、「日本に建っている建物というのは地震が来れば倒れる可能性がある。壊れた場合に許可を与えていた役所が当然責任を問われる可能性がある。その責任を問われないようにするため、尚且つ自分達の天下り先を確保しておくためには民間にしたほうがいい」ということで、つまりは民営化というのは支配体制の再構築に過ぎないわけである。

尚且つ再構築するにあたって役人に責任が来ないようにしていき、最終的に民間の検査機関が許可を下ろした建物が壊れた場合「民間の検査機関がけしからん。厳罰に処すべきである」ということで今国会で法律が改正されると。しかしながらその根本にあった国交省の役人達は絶対にその責任を問われることのないようなシステムをつくる。尚且つ民営化という形によって生まれてくる新たな利権的なものは全部自分達が頂く。

 「おいしいところは全部食べる。ただしお金は払わない」というような形は非常に似ているし、 むしろ日本のほうがソ連共産党官僚とソ連の政府の関係などより、より一元的な官僚支配みたいなところがあるように思われるんですね。


(私のコメント)
ソ連の崩壊については研究されているようで意外とあまり研究されていない。ソ連の崩壊過程を研究すれば、中国がこれからどのように崩壊して行くかの資料になるだろう。東欧とソ連の共産主義が崩壊したのだから、アジアの共産主義も続いて崩壊するのかと思ったら、中国はとりあえず改革開放政策で崩壊を食い止めた。

しかし、沿岸部の大都市はビルが立ち並び経済発展して欲望の不満の爆発は防ぎましたが、取り残された大陸奥地の農村は暴動が頻発するようになった。中国政府は大陸奥地の開発も進めようとしていますが、交通などのインフラ整備が思うように進まず、経済発展から取り残されてしまった。

共産主義体制をそのままにして、経済は資本主義を大胆に取り入れましたが、強大な共産主義官僚組織と新自由主義的な資本主義が両立できるものだろうか。まったく両極端の対立するイデオロギーが並立した状態は、都市部の支配階級と農村部の被支配階級が出来た社会はいずれ対立が激化して、第二次文化大革命が起きるのではないかと思う。

ソ連のブレジネフはユーラシア共栄圏を作って、外界と遮断した国家を作って国民の欲望の肥大化を防いで、国家を維持しようと努めた。現在の北朝鮮がそれに一番近い体制国家ですが、ビデオやDVDや携帯電話などが入り込んで、外界との遮断は難しくなってきている。結局はソ連は西側の価値観が入り込んできて鉄のカーテンは崩れ去った。

共産主義では肥大化する人間の欲望は満たせないと分かったからですが、中国では改革開放で開発独裁体制で欲望を満たさせる事をしていますが、共産主義のエリートたちが外資と組んで大金持ちになり、新自由主義的な金銭万能主義と独裁体制とが融合している。東南アジアでもよく見られた光景ですが一部の特権階級だけが豊かな生活を謳歌している。

このような体制は共産主義や社会主義とは矛盾する体制なのですが、独裁体制がそれを可能にしている。だから中国が崩壊する時とは独裁体制が緩んだ時ですが、独裁体制を守るためには巨大な警察組織や軍事組織が必要だから、巨大な官僚国家になる。一人の国民を監視するために一人の警察官が必要となる管理国家だ。

中国ではインターネットを監視するためにも数万人もの監視官がおり、有害なサイトを閉鎖して監視していますが、こんな非効率な国家はない。個人の欲望と言う個人的な問題をブレジネフのように外界と遮断して欲望を持たないようにしたり、有害なサイトを見ないように国家がネットを監視するような無駄な事をしていては国家が持つはずがない。

佐藤氏が指摘するように共産主義と社会民主主義とは似ているようでいてまったく異なるものだ。共産主義とは結局のところ独裁体制の事であり、発展途上国には向いた体制である。しかし社会民主主義は西欧に見られるような、民主主義と社会主義とが合わさったもので、成熟した資本主義国家のものだ。

その意味では日本は一番進んだ社会主義国であり民主主義国家ですが、アメリカ仕込の竹中平蔵が市場原理主義を持ち込んで日本の社会主義を壊そうとしている。アメリカは明治大正の頃の野蛮な遅れた資本主義国であり、会社は資本家のものであるとする資本原理主義国家だ。しかし会社が資本家よりも従業員のものでもあるとするのが日本の資本主義だ。会社が資本家のものとするとホリエモンのような反社会主義的な人間が出来てくる。

資本家は会社を商品のように売ったり買ったりしてマネーゲームにうつつをぬかして、これではアメリカのように会社は疲弊して海外に移転するか潰れるかして、国家的には巨額な貿易赤字を出すようになる。やはり会社は従業員のものと言う民主主義的な運営でないと従業員も働かなくなる。中国はアメリカの悪いところを真似て市場原理主義を採りりれているが、労働争議が頻発するようになるだろう。

しかし社会民主主義もある程度は競争原理を働かせないと非効率になり、特に終身雇用や年功序列も行過ぎれば日本のお役所のようになり、無能な経営者が会社を経営するようになる。そうなると社会にも活気がなくなり経済も停滞してくるようになる。それを打開するには規制緩和したり外資を導入する事も一つの手ですが、手加減が難しい。

規制緩和したり規制したりは官僚の仕事ですが、公平無私な倫理観が必要であり、共産主義国家のような特権官僚になってしまうと官僚独裁国家になってしまう。それを防ぐには国民の監視が必要であり、そのために民主主義で選ばれた政治家がいるのですが、独裁国家はそれがないから官僚の腐敗は止められない。だから中国のような国は腐敗が激しく先はないのだ。




大東亜戦争を侵略戦争だと言う間抜けな政治家がいるから
中国に舐められるのだ。マッカーサーも自衛戦争と認めた。


2006年4月12日 水曜日

小沢民主代表の発言評価=靖国神社参拝問題で新華社

【北京9日時事】中国国営新華社通信は9日、民主党の小沢一郎代表が、同日のNHKテレビの番組で、靖国神社参拝問題でA級戦犯合祀(ごうし)の現状を改める必要性を主張したことを東京発で伝えた。
 新華社電は「小泉純一郎首相は靖国神社を5度にわたり参拝し、中国、韓国などアジア各国の怒りと抗議を巻き起こした」と指摘した上で、小沢代表の発言を評価する姿勢を示した。 
(時事通信) - 4月9日17時0分更新


大東亜戦争の根本的原因を考察する 日下部晃志/松下政経塾第25期生

(前略)

 第三には、日本移民が農業の白人労働者に対する競争者として警戒されたこと。日本人移民は、勤勉で、総体的に教育水準も高かったため、良地を開拓し、農園を所有するところとなったためである。

 以上のように、日露戦争後に大陸政策の食い違い、そして日本または日本人に対して恐れと憎悪が生まれ、日本への追いつめが始まった。それが、排日移民法という形で現れた始めたのである。年代順に列挙すると、

1906 サンフランシスコ市教育委員会、日本人・コリア人学童の隔離教育を決定
1907 サンフランシスコで反日暴動
1908 日米紳士協定(日本が移民を自粛する代わりに、排日的移民法を作らないことをアメリカが約束)
1913 カリフォルニア州で排日土地法成立
1924 絶対的排日移民法

 以上のようになる。当初は主として西海岸で、州単位での立法であったし、守られなかったが日米紳士協定を結ぶ余地はあったのだ。しかしながら、24年の絶対的排日移民法は連邦法で、これは別名「帰化不能外人移民法」ともいい、日本移民は禁止されたのである。これが何を意味するだろうか。まず、アメリカ社会の根底に日本人に対する差別があったことであろう。確かに、移民の受け入れについては、各国の自由に任せられるべきだが、ヨーロッパからの移民は受け入れるが、非白色人種の移民は受け入れないということは、どう解釈しても人種差別である。経済の面からみると、日本にとっては労働力の供給先を失ったということである。そのため労働力が過剰になり、新たな移民できるような場所を大陸に求めざるをえなくなったのである。アメリカがホーリー・スムート法によって関税障壁を設け、世界恐慌を誘発したのが1930年で、日本が満州事変を起こしたのが1931年ということを考えればわかりやすい。大恐慌とそれにより発生した失業者をどう解決するかという問題を抱えた日本が満州に目を向けたことには、こういった背景もあったのである。付言すると、ワシントン条約(1922)によって、日英同盟が破棄されたこともアメリカの圧力によるものである。日本は「国際協調」を信じて、日英同盟にかわる四カ国条約を結んだが、これは全く機能しなかった。このことは、アジアにおいて、ロシア革命(1917)によって誕生し、拡大しつつあったソ連や中国共産党などの共産主義勢力に日本一国で対処しなければならないということを意味する。ソ連との間に緩衝地帯を作り、共産主義に対する防衛の前縁を少しでも本土から離したところに設定したいという誘惑に日本が駆られたとしても無理はない。

 これらの観点があれば、日本が満州事変から日中戦争、そして大東亜戦争に至ったことを単に「愚かな指導者が無謀な戦争に突入した」と斬ってすてることはできないように思われるが、どうだろうか。

3 マッカーサーが認めた自衛戦争

 「日本は八千万に近い厖大な人口を抱え、それが四つの島の中にひしめいているのだということを理解していただかなくてはなりません。その半分近くが農業人口で、あとの半分が工業生産に従事していました。

 潜在的に、日本の擁する労働力は量的にも質的にも、私がこれまでに接したいづれにも劣らぬ優秀なものです。歴史上どの時点においてか、日本の労働者は、人間は怠けている時よりも、働き、生産している時のほうがより幸福なのだということ、つまり労働の尊厳と呼んでよいようなものを発見していたのです。

 これほど巨大な労働能力を持っていたということは、彼らには何か働くための材料が必要だということを意味します。彼らは工場を建設し、労働力を有していました。しかし彼らは手を加えるべき原料を得ることができませんでした。

 日本は絹産業以外には、固有の産物はほとんど何もないのです。彼らは綿がない、羊毛がない、石油の産出がない、錫がない、ゴムがない。その他実に多くの原料が欠如している。そしてそれら一切のものがアジアの海域には存在していたのです。

 もしこれらの原料の供給を絶ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであろうことを彼らは恐れていました。したがって彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。」

 この証言は、日本人のものではない。1951年5月3日、アメリカ合衆国議会上院軍事・外交委員会におけるD・マッカーサーの証言である。東京裁判で日本を裁いた張本人が、大東亜戦争は日本にとって自衛戦争だったと証言しているのである。
この証言は、マッカーサーが朝鮮戦争(1950)において、共産主義勢力と対峙し、満州の 爆撃及び経済封鎖戦略を採ろうとしてトルーマン大統領と対立して解任された後のものであるから、なぜ日本が大陸で共産主義の浸透を防ぐために満州を抑えざるをえなかったかを理解しているものと推測できる。

 アメリカは、人種差別的排日移民法、保護貿易によるブロック化、日英同盟の解体と、徹底的に日本を追いつめようとしていたとしか考えられない。それが極みに達したのが、石油・くず鉄等の禁輸を含むABCD包囲網の構成である。日支事変に入っていた当時、経済的に支那を支援するアメリカとイギリスはともかくとしても、直接的には利害の衝突はないはずのオランダまで抱き込んで、経済封鎖をしたのである。アメリカが日本への石油禁輸をした直接のきっかけは南部仏印進駐(1940)であるけれども、これはフランス政府との協定に基づいている平和裡な進駐であって、国際法違法ではない。にもかかわらず、アメリカは在米日本資産の凍結、石油の全面禁輸をおこなって、報復したのである。

 当時の日本の経済産業構造は大雑把にいうと、生糸などを売って外貨を稼ぎ、そのカネで買った原材料で安い雑貨類を作って海外に輸出するということで生計をたてていたのであって、その日本に対して、原材料及びエネルギーを手に入れられなくするということは、戦争を誘発することに他ならないことは明らかで、アメリカがこれを理解できないとは考えられない。もはや意図的に戦争を誘発したとしか考えられないのである。

 人間にたとえてみれば、首を絞められて朦朧としているときに、その相手と握手をしようという人間はいない。何とか助かろうと思って、意識があるうちに一撃を食らわしてやろうというのが自然な感情ではないだろうか。 (後略)


(私のコメント)
最近はポスト小泉をめぐって中国が靖国カードをかざしてきましたが、安倍晋三に対抗する福田康夫をバックアップしている。この二人の違いは靖国参拝をするかどうかにありますが、新たに民主党の小沢一郎新代表も加わってきたようだ。小沢一郎は自民党の田中派出身だから親中国派であり、それで尚且つアメリカの言いなりと言う人もいる。

中国は靖国神社そのものはともかく、A級戦犯合祀を問題にしているようですが、A級戦犯であるかどうかは大東亜戦争をどのように評価するかで大きく違ってくる。中国大陸だけを取って見れば侵略戦争の見方も出来ますが、中国の内乱に巻き込まれたという見方も出来る。つまり一方的に攻め込んだというよりも邦人被害に対する制裁でもあった。

最近の中国も治安状態が悪く抗議デモが頻発して、中国政府も隠しきれないようですが、いつその矛先が邦人に及んでくるか分からない。戦前も南京(1927)、済南(1928)、通州(1937)と襲撃事件が拡大してきましたが、いずれも共産主義者の扇動があったようだ。その目的は中国の内乱に日本軍を巻き込んで蒋介石軍と相打ちさせようとした。

それに対して蒋介石はアメリカからの援助を得る事に成功して日米の対立は決定的になった。日本軍が中国に出れば利権を持っていた米英との衝突になることは誰もが知っていた事であり、日本の戦略的なミスですが、当時の政治家はそれが止められなかった。このような謀略に弱いのが日本の政治家の特徴ですが、大局観を持たずに戦略ももたないから謀略にはまってしまう。

アメリカとの関係も中国の利権をめぐって衝突するようになりましたが、アメリカ国内の日系人に対する差別問題があり、国内の余剰労働力をアメリカから満州に移さざるを得なくなった。しかし満州に進出すれば中国との摩擦も大きくなり、日本は米中に挟まれるような形で大東亜戦争にまでいってしまった。

だからアメリカの人種差別問題が排日運動になり、やむなく満州に新天地を求めて米中と対決する事になった。本来ならばソ連との戦争を想定していたのに急に米英との戦争になったのは共産主義者の謀略でしたが、日本は対米戦争をまったく想定していなかった。

日本海軍は想定としては考えていても勝てないことは分かっていた。経済封鎖をされれば石油がなくなる前に打って出ざるを得なくなりますが、戦わずに白旗を揚げることは軍部に出来る事ではなく、破れかぶれでアジアの開放を目指して大東亜戦争を始めてしまった。

マッカーサーの発言も朝鮮戦争を戦ってみて、日本軍の置かれた状況が分かるようになった結果の発言ですが、国内に大勢の失業者を抱え、アメリカからは排日移民法で差別されてしまった。さらに経済封鎖で国内の産業もアウトになれば日本は自衛のために戦争をせざるを得なくなる。このように考えれば大東亜戦争は自衛のための戦争であった。

この状況は現在でも変わりはなく、中東からのオイルレーンが遮断されれば日本の産業はストップして数ヶ月も経てば餓死者も出るような状況になるのですが、そのようになれば無力な自衛隊でも戦争せざるを得なくなるだろう。しかし今の日本の政治家も国民も日本が経済封鎖される恐さを誰も知らないのだ。東條英機の弁明書を読めばよく分かる。




投資家たちは、誰もがいつどこでも軍事力で、紙切れを商品に
交換するよう強要できる間しか、印刷された価値を信じない


2006年4月11日 火曜日

「敗戦国ドイツの実像」 ユルゲン・エルゼサー著

米国のイラク侵攻の本当の狙いは何か

▼ブレジンスキーの「チェス盤」 
 
 米国エリートの脅威分析における変化は、90年代の先駆者による重要著作3冊に示される。フランシス・フクヤマは1990年、「歴史の終焉」を予言した。社会主義の崩壊後、リベラルな資本主義が世界を制圧し、ゆえに闘争や戦争の時代は過ぎ去るだろうというのである。

サミュエル・ハンチントンは1993年、正反対のテーゼを打ち出した。西側は脅かされ、イスラム原理主義や中国の儒教をまとった危険な敵が台頭し、「文明の衝突」が迫っているという。ズビグニュー・ブレジンスキーもその4年後、「唯一の世界強国」にとっての危険を見たが、それは別方向からであった。彼は、中国についてはその他大勢の扱いをし、ムスリム原理主義もついでに言及しているにすぎない(ブレジンスキー自身、70年代末、アフガニスタンで神の戦士らと協力し始め、彼らを現実的に評価できるからかもしれない)。

彼の分析の中心は、石油資源の豊富なコーカサスからカスピ海に至る地域を支配することでもない。この問題は、全7章中1章で扱われているだけで、批評家たちはその意義を過大に評価している。原典のタイトルは「大チェス盤」というが、この意味は、そうしたこととはいささか異なる。「ユーラシアは今後も、世界の覇権をめぐる戦いが繰り広げられるチェス盤」なのである。「ユーラシアの西端、ヨーロッパには世界有数の政治力と経済力をもつ国がいくつもあるし、東端のアジアはこのところ、世界の経済成長の中心になり、政治的な影響力が高まっている。

したがって、世界政治に関与するアメリカがユーラシアの複雑な力関係をどのように管理していくか、とりわけ、圧倒的な力をもつ敵対的な勢力がユーラシアに出現するのを防げるかどうかが、世界覇権国としてのアメリカの力を保つうえで、決定的になっている」という。今のところ、その危険は小さい。ブレジンスキーにしてみれば、西欧が、「ほぼアメリカの保護国の立場にあり、……古代の属国や進貢国のよう」だからである。しかし、それはいつまでも続くのだろうか? 
 
 ブレジンスキーは、米国のほか、フランス、ドイツ、ロシア、中国、インドと、地政上の主要5アクターを挙げている。彼が一息に、ユーラシアの対抗勢力を米国覇権にとっての脅威と見る時、それはインドや中国ではありえない。両国は中心から離れすぎている。となると、ドイツ、フランス、ロシアで、これは実際イラク戦争で、ワシントンにとって深刻な邪魔者となった国々である。

もちろん同書もNATOへの忠誠を誓ってはいるものの、その内的論理から、モスクワ、パリ、ベルリンへの挑戦が生じている。ドイツ語版の序文で、ゲンシャー元外相は、この挑戦を察知し、「読者のなかには、著者の語法が、多くの箇所で、19世紀から20世紀初期の権力政治・勢力均衡政策の思考を想起させるため不快感を覚える人もいるだろう。

また、米国の永続的覇権をこれ見よがしに要求し、却ってユーラシア圏での反米傾向を強めかねないとの異論もあろう。覇権の追求がたいてい対抗勢力の形成を引き起こすという歴史的事例は、枚挙にいとまがない」と述べている。 

▼ライヒスマルク、ドル、ユーロ 
 
 改めて確認しておくと、「9・11」以前、米国経済は不況に陥っていた。ドイツ銀行のアナリストたちは、「米国と日本は不況だ。ヨーロッパは、さほど被害を受けないで済むよう願うしかない。株式市場は世界中で、少しずつ、しかし全体としては明確な修正を経験した。この状況では、深刻な不況の危機を認め、1929〜33年の世界大恐慌と対比したくなる」と憂慮していた。

実際、看過できない類例がいろいろあった。1929年も、2000/01年も、たくましい成長期が長年続いたあげく、世界経済の冷え込みと株の損失が起こった。20年代米国におけるGDPの実質的な増大は平均4・2%で、1991〜2000年の3・8%を上回ってさえいた。 
 
 それでも、ドイツ銀行は、大恐慌再現の危険があるとは見ていなかった。「その根本的理由は、金融・財政が、1929年世界経済恐慌の経験から学習したことにある。……1929年の株価暴落後、米国発券銀行は、流動資産を用立てるのをためらい、金利は高いままであった。通貨の流通量は、1931年末までに4分の1下がった。……これに対し2001年、米国発券銀行は、即座に積極的な利下げ政策を始めた。……米国は、膨張的な金融・財政により、世界経済を支えようとしている」からであった。 
 
 「9・11」後、この膨張的な政策がさらにはっきりした。冷戦期のような大規模な減税・軍需委託計画で、ブッシュ政権は、景気のテコ入れを試みた。その結果は破滅的であった。なるほど景気は、2002年第1四半期に上向いたが、その後再び下降した。さらに国家予算が、再びはっきりマイナスに転じた。「米国に破産迫る」と、2002年6月、新聞は報じた。

2004会計年度、政府は3070億ドルという赤字記録を見込んでいる。こうして、天文学的な対外債務と爆発的な国際収支の穴の後、空虚の恐怖が、最後に残った米国経済の借方項目、国家予算における黒字をも食い尽くした。 
 
 ブッシュはヒトラーと同じことを恐れなければならない。軍が勝利に勝利を重ね進んでいる間は、架空資本のバブルは潰れない。米国が軍事的に撃破されれば、すさまじい通貨下落が巻き起こる。1929年暴落の繰り返しはありえないという擬似薬にもかかわらず、ドイツ銀行も「とは言え、この危険は残る。とりわけ、軍事行動が長引くか、さらなるテロが起こった場合がそうだ」と、危険を認めている。 
 
 今日ドル(およびドルで値段のついた有価証券)には、第二次大戦中のライヒスマルクと同じことが当てはまる。つまり投資家たちは、誰もがいつどこでも軍事力で、紙切れを商品に交換するよう強要できる間しか、印刷された価値を信じないということである。米国が、世界で2番目のイラクの石油資源を管理下に置けば、その国民経済の信用状態は高まる。 
 
 続いてサウジアラビアも「ならず者国家」と宣告され、米国にあるサウジの在外預金──1兆ドルとすら推定されている──が敵国資産として凍結されたとしたら、米国の対外負債の大部分が賄えることになる。また、中国や日本も、やはり1兆ドルという保有外貨をユーロに替えようとする誘惑にかられることはもはやないだろう。両国は、6割方イラクの石油に依存しており、これは米国系多国籍企業の完全な支配下に入るからである。

さらに米国は、イラクの備蓄石油を安く市場に投げ売りすることで、ロシアがユーロ陣営にこっそり移行するのを阻止できる。原油価格が世界中で、1バレル17ドル以下になれば(2003年初頭は30ドル)、ロシアの石油収入も下がり、プーチンに国家破産が迫るわけである。このことで、米国の批判者は数多く従順になった。 
 
 つまりイラクでは、「石油のための血」だけでなく、米国の支払い能力の防衛が問題なのであって、石油の支配は一面しか表していないのである。とどのつまり行われているのは、資源戦争ではなく世界通貨戦争、ドル対ユーロなのである。 

【ユルゲン・エルゼサー略歴】 
1957年プフォルツハイム生まれ。1980〜84年に教員生活を送った後、ジャーナリズムの世界に転身し、ハンブルクの『コンクレート』誌の編集部に在籍。最近では日刊紙『ユンゲ・ヴェルト』や週刊新聞『フライターク』などに寄稿。特にバルカン情勢の分析には定評がある。 



(私のコメント)
アメリカがなぜイラクに侵攻したのかという理由については、いろいろ書いてきましたが、石油を確保するためとか、ドルの基軸通貨体制を守る為とか、イスラエルの脅威になるイラクを取り除くための三つ考えられます。それにアメリカのそれぞれの勢力が協力しあっての戦争なのでしょうが、計画は上手くいっているのだろうか。

アメリカの軍事力を世界に示す事によってドルの価値を守るという発想は13世紀のモンゴル帝国の紙幣を連想させます。同じく日本で紙幣が通用しているのも政府の支配権力が日本の隅々まで及んでいるからで、日本政府が崩壊してしまったら紙幣は通用しなくなり、幕末の時のような藩札が通用するようになるのだろうか。

中南米諸国のように経済が不安定な国も、自国の通貨よりもUSドルのほうが通用するようですが、アメリカが巨額の双子の赤字を抱えていてもドルが信用されているのはアメリカの軍事力の後ろ盾があるからなのだろう。そのアメリカの軍事力を世界に見せ付けるためにもアメリカは10年おきぐらいに戦争をしている。

逆に考えれば日本の円が世界の基軸通貨になれないのも軍事力の後ろ盾がないからで、いずれ日本の円はドルに飲み込まれてしまうのだろうか。EUのユーロがドルに対しての挑戦者となっていますが、ユーロがドルに取って代わるにはアメリカを上回る軍事力の後ろ盾が必要になる。

もっとも軍事力だけあれば通貨が信用されるのかといえば、アメリカと並ぶ軍事大国だったソ連の通貨のルーブルはあまり信用がなかった。ソ連の崩壊とともにルーブルは紙切れ同然になりましたが、通貨の信用度も国家の行く末を反映するようだ。

ブッシュ政権にとってショックだったのは、9・11テロのようなゲリラ的な攻撃にアメリカ本土がさらされた事ですが、これは古代ローマ帝国の軍隊が辺境に固定化されて、西暦410年に首都のローマに西ゴート族が進入してきてローマが占領された事を連想させる。当時の西ローマ皇帝のホノリウスの権威は失墜し、476年には西ローマ帝国は滅亡した。

9.11テロ事件に対するアメリカの反応は異常とも思えるほどで、ブッシュ大統領は「敵か味方か二つに一つ」と世界を脅した。犯人がはっきりしないにもかかわらずアフガニスタンとイラクに攻め込んだアメリカは軍事力を見せ付ける事で国家の権威を保とうとした。それはドルを守る事を意味した。

しかしアメリカがイラクの支配に失敗してアメリカ軍がイラクから撤退するような事があればドルは暴落するだろう。アメリカの誇るハイテク兵器や核兵器は使えない兵器である事が証明されて、やはりその国を支配するにはソフト面やハード面における人的な力が必要なのだ。しかしアメリカには経済的にも文化的にも60年代のアメリカの輝きはもはやない。

アメリカの国力の源泉であった国内の巨大油田は枯れようとしている。それに伴って石油は1バレル100ドルとか200ドルへと高騰して行くだろう。そうなればアメリカの自動車文明は衰退して、ゼネラルモータースも潰れかかっている。いずれボーイングの飛行機会社も潰れるだろう。

「敗戦国ドイツの実像」を書いたユルゲン・エルゼサー氏はヒトラーとライヒスマルクの関係を述べていますが、ドイツは敗戦がもたらす貨幣価値の暴落を何度も体験している。日本も敗戦後はハイパーインフレで国債や紙幣が紙切れになってしまった。しかしアメリカは敗戦によるハイパーインフレはまだ経験がないが、ベトナムで敗れた時は二桁インフレを体験した。

アメリカの1ドルは360円だったがドルショック・ニクソンショックで120円になってしまった。アメリカがベトナムと言う小さな国と戦争をしても勝つことが出来ず経済が疲弊してしまったからだ。そしてイラクに侵攻して3年たっても目処もつかない状況で13万人足らずの兵力でも維持する事も苦しいようだ。

テロリストたちはハイテク兵器も通常兵器も通用しないような方法で攻撃を仕掛けてきますが、テロリストを制圧するには膨大な兵力を必要としている。イラクの石油を手に入れようとするならばイラクに40万人の兵力を常駐させる必要がある。そんな事はアメリカでも出来るわけがない。ソ連でもアフガンに10年ものゲリラ戦で国は疲弊して崩壊してしまった。アメリカも同じ運命をたどるだろう。




ソフトバンクなど、今もっとも大きな負債リスクの会社に
なって、ジャンク債(ボロ債券)の水準と判断しています。


2006年4月10日 月曜日

金融の潮流が変わった 2006年4月3日号 ビジネス知識源

(前略)
たった3%の金利上昇で、世界の金融の破綻が起こる

個人でも、企業でも国家でも、所得に対し負債が大きすぎれば、金利の2%の上昇でも、打撃を受けます。3%も上がれば「国際金融破綻」が必然です。低金利が10年以上続いたため、金利が3%も上がれば、利払いの金額は3倍〜4倍になります。低金利の10年は、いたるところに、金融リスクをバラまいてしまっているのです。

例えばソフトバンクなど、今もっとも大きな負債リスクの会社になっています。私は、すでに、ジャンク債(ボロ債券)の水準と判断しています。世界における大規模な買収は、いずれも、買収に使う資金の低金利を前提にしたものです。株式交換も株高を背景にしたものです。

(注)ノンリコース・ローン(本体の資産を担保にしない負債)ですが、企業信用の面からは同じことです。

金利を払えない人が増えると、貸した金融機関は破綻します。金融資産は、借りた人が利益を上げ、金利を払うことのできるから価値があります。それがなければ、1兆円の金融資産も、紙の数字にすぎません。

個人でも企業でも、所得の増加以上にお金を借り続ければ、待つのは破綻です。1京38000兆円の総負債で、今、世界がそうなっているのです。金融資産が多いことは、一見ではいいことです。裏には、同額の金融負債の多さがあります。

低金利とマネー増刷で膨らんだ金融の貸し借りによって、金融リスクをかかえてしまったのが、日本と世界経済です。90年代半ば以降の世界は、金融資産と金融負債の双方がじゃぶじゃぶになった、金融バブルの経済であることを意味します。世界の不動産も、です。世界の低金利のアンカーが日銀でした。

■5.意識の「茹(ゆ)で蛙」現象

わが国は、バブル崩壊以降、日銀が、金融市場のプールに入れるマネーの蛇口を全開にしました。借りたのは政府です。今度は、蛇口を止めるどころか、プールの栓を抜き25兆円分の水を減らすと言っています。その宣言で、金利は、わずかですが上昇しています。

ここまで言っても、ファンドマネジャーは、「金利が上がる気配があれば、日銀がまた、ロンバート型貸し出し(国債担保による公定歩合(今0.1%)で貸すだろう」と安心しています。怖いのは意識の「茹で蛙」現象です。

皆が認識を変えると、一斉に同じ国債売りの行動をとり、必要以上の金利上昇が起こるからです。これが市場の性格です。株価でも、DCF(ディスカウント・キャッシュフロー:将来純益の割引現在価値)での理論値を越え、行き過ぎるのが市場です。

金利が3%上昇すれば、1000兆円の負債を抱える政府部門の利払いは、借り換えが進んだとき30兆円/年増えます。4%上がれば、今の40兆円の国税は全部が、借金の利払いになります。

400万人公務員の給料(直接人件費で30兆円)が税収では払えず、給料と、高齢者年金は財務省証券、退職金は国債になることを意味します。


(注)わが国の個人金融資産は、総額で1500兆円、そのうち400兆円は負債(住宅ローン等)です。純金融資産は1100兆円ですが、この分は、ほぼ全額が政府部門の借り入れ1000兆円に化けています。

▼認識は2年も遅れる

思えば、92年に日本の地価が下がり始めたとき、「まだまだ上がる」と考えた人たちが過半数でした。目の前で起こっている現象を解釈できなかったからです。そして最も高い価格で買い、あるいは保有し、実に多くの個人、世帯、企業が破綻します。

そのあと、日本経済がなんとかやってきた理由は、
(1)政府が国債を発行し公共事業で景気を浮揚し、
(2)日銀がそれを買って、
(3)銀行の不良債権をカットし、埋めたからです。

当時はまだ、国債発行の余裕(国債が売れる余裕)がありました。世帯が年40兆円も、貯蓄を増やしていたからです。94年ころになってやっと「この地価の下落は、今までと違う。何か大変なことが起こっている」と皆が思い始めます。

世界の風景、建物、土地、人々、服装は変わらない。しかし、同じ風景を見る人間の認識は、ある時点で急転します。これが金融や株価、地価です。下がり始めてから2年もの長い、認識のタイムラグ(時差)があったのです。今回も、認識の時差で似ているでしょう。2年後、3年後に困らないように今から対策を打っておくべきです。

地価は、これ以上下がらないと最後まで(96年ころまで)言っていたのが旧大蔵省でした。記憶しておくべきことです。組織は認識が遅れます。大蔵省の認識は、当時も4年遅れていました。本稿は、皆の認識が変わる前に、それを予見しようとする論です。

【意識の古色蒼然】
そして今回、[金利は上がらない、上げない、上げさせない]と最後まで言い続けるのが財務省でしょう。これは、確定的です。理由は、2%の利上げに耐えられない財政構造だからです。そして経済とマーケットを、法律や政令で統御できるという意識があるからです。

日銀と金融機関に圧力をかけ、国債を買わせればいいと未だに思っている、意識に古色蒼然たるカビが生えた集団が財務省でしょう。過去の、米国と世界情勢を読めなかった陸軍に似ています。

■6.債券バブルの時代

今は、債券バブル、国債バブルです。いずれ、破綻するところまで、行き着きます。債券を減らすには返済が必要です、国債も同じです。返済できなければ、減りません。むしろ増え続けます。

金利が払える間はいいのですが、金利が上昇すれば、当然に払えなくなる。そして、債券と国債価格の下落(=金利高騰)で決着します。世界の低金利が10年も続いて、負債が増えたため、普通の金利になれば返せない負債であり、それが、今日も増え続けています。金融論も何も要らない、単純なことです。

問題は、年々煮詰まってきています。負債は返さない限り減らないからです。金利は時間です。サラ金の例を言うまでもないでしょう。金融資産の価値は、借りている側が「普通の金利(3%〜7%)を払える」から価値があるという当たり前のことを、記憶しておいてください。

ところが、低金利に皆が慣れれば、この意識すらなくなるのです。世界の金融資産(=金融負債)の1京3800兆円を見て、そう思います。本当に、みんな、よく借りたものだと感心します。

【奨められること】
今、短期負債を長期の固定金利に変えることができる企業は、力のある企業でしょう。今はまだ、長期金利は十分に低いのです。リスクヘッジです。長短の金利差が、保険料です。

【低金利が続くならどうなるか】
今の低金利が、今後も2年続くなら、債券バブルはもっと大きくなります。結果は、破綻のリスクが、今よりも大きく高まるということです。膨らみすぎた負債は、破綻の直前まで、外見だけは平静に膨らみ続けます。地価がそうだったでしょう? 

債券の低金利は、ゼロ金利に近い低い利回りのものが、高く売れているということであり、その価値は、普通の金利にもどればバブルになります。

▼注目点

米国の今後の金利が、注目点です。現在、長期のベース金利4.5%(=長期国債の利回り)、短期金利4.5%(政府短期証券の利回り)です。

今、米国から資金が逃げ始めています。1兆円を超える赤字で破綻寸前のGMが、米国経済を象徴しています。米国政府と、企業、そして住宅金融での世帯の資金繰りが問題になっています。個人破産は急増しています。

【利上げする米国】
米国は、企業、国、世帯の資金繰りに必要な資金を呼び込むには、利上げをせざるを得ないでしょう。利上げをしなければ、大規模なドル安が起こるでしょう。住宅は、NYやロスの高い物件は下げ始め、売れない在庫が溜まっています。危険な状態にあるのが、今の米国経済です。

そして同じ危険度をもつのが、日本の民間経済ではなく、政府財政です。いずれも、負債で、経済をまかなってきたからです。

米国FRB(バーナンキ新議長)が0.25%の利上げを決定とのことです。理由として、景気がよく物価上昇圧力が強いことが挙げられていますが、これはまるで違います。

逆に資金の海外からの流入を促し、消費を増やし物価の上げを継続するためです。マスコミ向けの理由付けって妙なものですね。逆のことを言っています。金融当局は、理由付けに嘘を言っても許されます。

世界の金融資産と負債額が1京3800兆円にまで増えています。たった2%の金利上昇で、利払いが276兆円も増えます。これを借りている国や企業が払えるわけがないでしょう?わすかな金利の上昇が大きな意味をもつ理由は、世界の負債額が1京3800兆円もあるからです。

金融資産の価値では、その使い途である負債を見なければなりません。これが本稿のメッセージです。世界の金利が今、同時上昇を始めています。金利は、物価を後追いします。

簡単な原理です。5%の物価上昇が見込まれれば、資金を貸す人は、5%以上の金利でないと貸さないでしょう。それを示すのが以下の、名目金利の理論式(フィッシャー)です。

名目金利=実質金利+期待物価上昇率

これと同じ意味ですが、
名目金利=実質経済成長率+期待物価上昇率

世界の金余り(1京3800兆円)で、まず資産価格(不動産、株)が上がり、次に、資源をコアに、物価が上がり始めています。消費者物価が、資産価格の上昇に遅れるように変わった理由は、世界の賃金の低い国が、消費財生産力を増加させたためです。

そのため、金利の上昇が遅れ、借り入れて投資する人と企業が増えたのです。金利シグナルが働きにくくなったため、負債が増え続けています。その金利シグナルを働くなせたのが、日銀の[量的緩和]でした。

企業がお金を借りても、衣食住の消費財は買いません。そのため、消費者物価の上昇はあまり大きくならず、資金は資産に向かって殺到します。従って、金利上昇で下がるのも、まずは資産です。それを示すのが、1京3800兆円の[金融資産=金融負債]です。

ここで、世界の金利が、同時に上れば、2年後はどうなるか。もう、予測はつくでしょう。金利の1ポイントの上昇なら、まだいい。2ポイントで危険になります。3〜4ポイントの上昇なら、明確に破綻です。



(私のコメント)
株をやっている人なら金利の動向は目が離せないのですが、超低金利時代が十数年も続いていると、金利が普通だった頃や高かった頃の株式がどうであったかを知る人も少なくなってきてしまった。だから現在の株式は超低金利が前提の株価なのですが、金利が本当に1%も上がったら株価はどうなるのだろう。

例としてソフトバンクを上げてみましたが、ボーダフォン日本の買収で1,7兆円もの資金を投入しますが、そのほとんどがLBOなどの借入金で賄われる。現在のような超低金利が続いて、ボーダフォンの事業が成功すれば思惑どうりなのでしょうが、金利の動き次第ではソフトバンクは金利に潰されてしまうだろう。

ソフトバンクといえばIT企業の代表的な企業でもあり、ライブドアのホリエモンもソフトバンクを目標にして追いかけていた。つまりソフトバンクは巨大なライブドアであり、通信業界と放送業界の覇権を目指しているのですが、それぞれに既に巨大なライバルがいて、それと小泉内閣の規制緩和の勢いで殴り込みをかけて時代の波に乗っている。

ソフトバンクが2兆円近くの資金調達が出来るのも超低金利と金余りと株高で可能になったのですが、日銀が金融を引き締め始めれば三つとも危うくなってしまう。携帯電話事業も飽和状態になりDoCoMoとAUとの三つ巴になって、更なる投資も必要になってくるから楽観は出来ない。

ソフトバンク以上に大変なのが国の財政ですが、政府部門は1000兆円の負債を抱えて1%の金利の上昇は10兆円の金利負担となり、それが3%や4%になったら国の税収が全部金利負担に消えてしまう事になる。債券は金利の受け取りがあるから価値があるのですが、国が国債の金利も支払えないとなると国債は買う人がいなくなって暴落してしまう。

だから国としては景気は良くしたいけれども、景気がよくなると金利が上がって国債の利息が支払えなくなってしまう。かといって不景気が続くと税収はますます落ち込んで財政赤字は増え続ける事になる。となると政府日銀の打つ手はなくなる。後は人工的に一気にハイパーインフレを作ってご破算にしてしまうしかないのだろうか。

現在のアメリカは金利を徐々に上げてきて4,5%ですが、この金利水準になると景気にも影響が出てきて来るし消費が落ち込む。しかし金利を上げないとドルが値下がりして、ますますドルがアメリカから逃げてゆく。日本はすでにゼロ金利だからこれ以上下げようがないからアメリカは金利を上げるしかないのだ。

しばらくの間はゼロ金利でも日本にドル買いをさせてアメリカも低金利でやって来れましたが、日本がドル買いをストップさせるとアメリカは金利を上げざるを得なくなる。だからアメリカはとてもイラク戦争どころではないのですが、国内的な経済事情でアメリカはイラクから撤退せざるを得なくなるだろう。

最近の日本は景気が回復して景気の拡大がいざなぎ景気を超えそうだというような話も出ているのですが、景気がいいのはリストラの済んだ企業ぐらいで、一般消費者は収入が減って消費は伸びるわけがない。企業の景気がよくなれば賃金も上昇して消費も伸びるのですが、正社員からパートに変わっているから失業者が減った程度だ。

以前は景気がよくなると従業員の確保が大変で、バブルの頃は大卒者が大量に採用されて正社員になれたのですが、現在は企業が景気が良くても工場は中国に行ってしまったし、サービス業もパート労働ばかりだから労働者にメリットはあまりない。企業は金は借りても衣食住の金は使わないから消費は伸びずに、株や土地などを買って金融で儲けようとする。

だから国の政策としては金融緩和が企業よりも消費者に金が行くようにすべきなのですが政策が悪いから金融緩和も消費の拡大にはならない。私が総理大臣なら住宅ローンの借金を棒引きさせて、その分を消費に回せるようにするのですが、そのような大胆な政策が頭の固い財務官僚にできるわけがない。しかし企業の借金は数千億円単位で借金が棒引きされている。

だから企業は景気が回復したのであり、国民に対しても住宅ローンの借金の棒引きは出来るはずだ。全額は無理にしても半額ぐらいは銀行に棒引きさせれば返済は楽になり消費は拡大して、少子化ももう一人くらい子供を産もうかと言うことになる。それくらいの大胆な政策をやる国会議員はいないのだろうか。




現在の日本は第一次世界大戦後の「空想平和主義」の
蔓延による思考停止という情況が非常に似ているのだ。


2006年4月9日 日曜日

「中国の『核』が世界を制す」伊藤貫著を読んで 4月4日 西村眞悟

この度、「中国の『核』が世界を制す」(PHP)を読んだ。
 実に、私にとって待望の本である。
 よって、是非,諸兄姉にお読みいただきたいと念じて、ここに紹介したい。

 この本は、日本の核武装の必要性を正面から取り上げた初めての論考ではないか。少なくとも,私は他に知らない。
 そして、この一点を取り上げても、我が国は「特異」であったことが分るであろう。
 何故なら、
 我が国は世界唯一の被爆国である。
 そして、我が国は,北から南にロシア、北朝鮮、中国という二つの核兵器を保有する独裁国家と一つの独裁国家的傾向を強める核保有国に囲まれ、これら三国の核は既に昔から我が国に照準をあてて実戦配備されている。
 さらに、海の向こうには我が国に二発の核爆弾を落した核保有国アメリカが存在し、我が国に核爆弾を落したことは正統だと未だに大統領が言明している。
 
 斯くの如き核の真下にいるような状況にある国家は,世界広しといえども、我が国だけである。まさしく,六十年前に核爆弾を落されてから今に至るまで、核の現実的脅威により包囲されている国など我が国以外にあり得ない。
 従って、このような状況下に置かれた国家なら、
核の脅威から自国民の安全を如何にして確保するかという課題、
即ち、いかにして「核抑止力」を獲得し確保するかという課題が、
政治の中心的責務として議論の中心でなければならない。
 
 しかるに,我が国では「核抑止力」獲得の為に政治家が議論することも、マスコミが特集を組むこともなく打ち過ぎてきた。正逆である。
 つまり、我が国では「核についての議論」はタブーであって封印され、石に「過ちは繰返しません」と刻んでおれば核の脅威は無くなると信じられてきたのだ。
 これを「特異」と言わずして何が特異であろうか。核一発で数十万人の国民が死亡することを考えれば、その核の抑止を考えないということは、まさに、政治の犯罪的不作為であり思考停止である。

 そこで,本書であるが、
 今までの我が国の状況が特異であり異常であることを示すと同時に、この長い思考停止の後にもかかわらず、読者の「核」に関する認識を一挙に国際政治の水準にまで引き上げる力をもっているのだ。
本書は,我が国の思考停止の空白を見事に埋めて遅れを一挙に取り戻してくれるのである。つまり、一書で、新次元を啓いたのだ。

 アメリカのワシントンDCに二十年以上住んで日本とアメリカと世界を観察している著者は、東京にいるより日本をよく知っている。恐らく,既に述べたように、「特異」な日本の東京にいるよりもタブーのないワシントンの方がよく見えるのだろう。
 著者は,アメリカの国防総省や国務省やCIAの役人や、議会人また研究者と議論し彼らの本音をつかみ出してくる。加えて、中国軍や中国政府の要人の発言の真意を見抜いたうえで,核を中心とするアメリカと中国の力関係の現在と近い将来を解析していく。
 本書に結実した著者のたった一人の情報収集の努力には、使命感に裏打ちされた執念が感じられ、読んでいる者は、まるで著者と共に国際的スパイになってアメリカや中国という核保有国の偽善のベールに隠されている剥き出しのエゴイズムを掴み出したような達成感を感じることが出きる。
 
 これは実は、非常に貴重で歴史的業績であると思う。
 第一,六十年間封印されてきた国家の存亡を左右する「核」の分野に光をあてたこと自体が歴史的であろう。
 さらに、戦後日本人がともすればコロリと誤魔化されてしまう中国人やアメリカ人の本音とエゴイズムを日本人の前に提示したこと自体が貴重である。
 何故なら、我が国においては、今でも中国大好き爺さんは若い者を引き連れて中国詣でをして天安門のうえに登る権力者と会談してもらって悦に入っており、他方、アメリカ追随者はアメリカの「核の傘」の盲目的信者であるからだ。
 この点,マスコミもマスコミになっていない。同じ追随者に過ぎない。

 著者は,本書のなかで、チャーチルやド・ゴールを引用している。
それは、著者が,祖国日本を愛しているからである。
 大東亜戦争後の祖国日本を見て、この異常な危うい情況からの再興を念願するとき、少しでも歴史を学んだ者ならば、第一次世界大戦後の祖国イギリスやフランスの脆弱な情況に警鐘を鳴らし続けたチャーチルやド・ゴールのことが想起されるのである。
 
 大戦後の「空想平和主義」の蔓延による思考停止という情況が非常に似ているのだ。
 
 その空想が支配するなかで、チャーチルやド・ゴールは,信念に基いて祖国に警鐘を鳴らした。しかし,それによって祖国の大勢から排除され痛めつけられた。
 彼等が,志にふさわしい役割を与えられたのは、祖国が彼等の警鐘どおり危機に瀕してからであった。
 
 現在の日本において、著者のように「核武装による抑止力獲得」を説くことは、チャーチルが紅茶一杯の節約による軍備増強を説いて戦争屋と罵られ、ド・ゴールが機械化師団の創設を説いてフランス陸軍から排除されたのと同じことをすることである。
 従って,それをまさに本書でしているということは、著者がチャーチルやド・ゴールと同じ愛国心を有していることを意味するのだ。
(事実、本書の出版をはじめは請け負っていて大手の出版社は、間際になって出版を辞退して逃げたという。我が国のマスコミ界とは未だこういう情況にある)

 さて、平成十一年になるが、私が「日本も核武装するか否か議論せないかん」と発言してマスコミが狂奔したことがあった。
 その時、圧倒的な数の賛同と共鳴の手紙やファックスのなかに、忘れ得ぬ無礼な手紙がきた。アメリカ人からであった。
 そこには、自分は日本に二十年以上住むアメリカ人で妻も日本人であるが西村の考えは間違っていると前置きして次のように英語で書いていた。
「五十年前は,おまえたち日本人は悪でありアメリカ人は正義であった。だから,日本人には原爆を落されるのが当たり前である。
 そして、これからも、アメリカは正義であり日本は悪であることに変わりはない。従って、お前がこの度のような発言をすることはまったく馬鹿なことであり、アメリカから離れてアメリカと戦いたいのか。喜んで戦ってやる。そして、アメリカは再び勝利するであろう。
何故ならアメリカは正義であり日本は悪だから。」


 この手紙に接して,親日家ぶっているアメリカ人のどうしようもない日本人に対する偏見を知ったのである。
 その後しばらくして,本書の著者である伊藤 貫氏に会ったとき、
彼も,日本人なら誰でも親日家として心を許すアメリカ人が、如何に人種的偏見を日本人に対して有しているかをとうとうと述べた。伊藤氏は、日本核武装に関して議論した産経の正論に時々論文を載せるアメリカ人の偏見を私に説明してくれたのである。意気投合した。
 
 伊藤氏と西村は,当然のこととしてアメリカ人に頼っていて祖国防衛はあり得ない、祖国防衛は日本人自身によってなされるべきであるという,当たり前の結論を共有している。

 その後,伊藤氏は「諸君」等に「日本核武装論」を展開し、心強く拝読しているうちに本書出版となった。
 先月三月に短期間だけあわただしく帰国していた伊藤氏に会って昼飯を共にしたが、私自身もあわただしく,不覚にも本書出版のことは伊藤氏と会うまで知らなかったのである。
 昼食時の会話は、ただ、日本核武装の必要性と、アメリカの欺瞞と中国の欺瞞を見ぬけない日本政治の貧困である。

 本書は、四月二日の大阪から熊本に向かう機中で読了した。
 「日本が独立国であるために」と題した最終章の最後には、ド・ゴールのことが出てくる。
 ド・ゴールはアメリカの「核の傘」を信用せずフランス独自の核を保有する。ド・ゴールがケネディーにアメリカのフランスに対する「核の傘」が信用できるのか否かと問い詰めたとき、ケネディーは顔面蒼白になった。彼は言う。
「アメリカ人はしょせん,アメリカ人だ。彼らはヨーロッパ人ではない。我々は,欧米の同盟関係を維持しなければならない。しかし,ヨーロッパ人がアメリカの覇権主義をそのまま受け入れるならば、我々は自分自身に対する信念さえ失ってしまうだろう」


 このド・ゴールにおなじ頃に会ったアメリカのフランス駐在大使は、次のように報告したという。
「私にいわせれば、ド・ゴールは反米だなどというのは、とんでもない誤解だ。ド・ゴールは反米でも何でもない。彼はフランスの運命を真剣に考えているだけだ」

 このド・ゴールに対する報告文を読んだとき、私は不覚にもこみ上げてくる思いを押さえることができなかった。
 戦後日本は,このド・ゴールのように外国の駐日大使から報告される政治家を生み出しているのだろうか。これが,現在の我が国の低迷に繋がっている。無念である。

この西村は、平成九年の尖閣諸島魚釣島上陸以来、マスコミから「過激」だとか未だにろくなレッテルを貼られていない。しかし、私もただ,「日本の運命を真剣に考えてきただけだ」
 そして、ド・ゴール将軍の域に達するのを目標にして、逆境は天の恩寵であることを自分の人生で実証していきたい。



(私のコメント)
西村眞悟氏や平沼赳夫氏などは、親米派や親中派の左右からの攻撃にあって自民党や民主党から追い出されて無所属となり、国会でも隅に追いやられてしまいましたが、これが現代の日本の状況をよく現している。国会議員でも経済人でもジャーナリストでも、アメリカの手先になるか中国の手先にならないと日本では出世が出来ないシステムが出来上がってしまっている。

この事は一昨日にも書きましたが、日本の国家主権を放棄させて、中国やアメリカは裏では手を組んで日本を植民地として利用しているだけなのだろう。だからアメリカは日本に憲法を押し付け、中国は必死に日本を反核運動を煽っているのだ。日本が非核武装国家である事はアメリカにとっても中国にとっても利益であるからだ。

日本が見習わなければならないのは、西村眞悟氏が言うようにフランスのドゴールなのだ。フランスは第一次世界大戦で大きな被害を出し多くの戦死者を出した。その結果「空想的平和主義思想」が蔓延して、ヒトラーのナチスドイツが台頭してきても、何の手も打つことが出来ずにアットいう間に征服されてしまった。

現代の日本も中国と言う独裁国家に核の脅威にさらされているのに、日米安保を頼りに思考停止状態が続いている。このままでは日本は米中の軍事的緩衝地帯となり米中両国に監理された状態になってしまうだろう。既にそうなっているのですが、日本人の多くが見て見ぬふりをしているのだ。

そうなってしまったのも、戦後の日本で徹底した反戦平和教育がなされて、軍事のことを考えることもまかりならんと言う風潮が蔓延してしまった。しかしアメリカは国力が衰えてきたので、少しは軍事的な協力も必要になってきて、兵器なども買って欲しいから自衛隊などと言う中途半端な軍隊が出来ましたが、毎年5兆円もの予算を使いながら、何の役にも立たない国家機関なのだ。

その結果、毎年思いやり予算を6000億円もアメリカに供出し、海兵隊のグワム移転に対しても7000億円もの金をアメリカから要求されている。常識的に考えれば日本がアメリカに軍事基地を提供してあげているのだから、本来ならばアメリカが軍事基地の借地料を日本に支払うべきものだ。しかしその発想が日本の国会議員にはない。

もし本当に核戦争を覚悟してまでアメリカが日本を守ると考えているのなら、本当に日本人はオメデタイ人間である。アメリカは核をもっていないイラクを攻撃して、多くの国と戦争をしてきましたが、核保有国とは一度も戦争をしていない。北朝鮮を攻撃しないのも核を持っているからできないのだろう。だから中国が核戦争を覚悟して日本に攻めて来たらアメリカは日本を助けないだろう。




聖アウグスティヌスが、ユダが代表すると見なされていた
ユダヤ人を悪者に仕立て上げる陰謀があった?


2006年4月8日 土曜日

1169ユダの福音書 太田述正コラム#11692006.4.7

1 始めに  

今般、米国ナショナル ジオグラフィック協会は、エジプトの砂漠の洞窟で1978年に見つかった約1700年前(220〜340年頃)のパピルス文書がキリスト教の黎明期に教会から異端とされた幻の書『ユダの福音書(Gospel of Judas)』(注1)の現存する唯一の写本(注2)であることが判明したと発表するとともに、この文書を修復した(注3)上で英訳したもの(http://www.nytimes.com/packages/pdf/national/judastxt.pdf。4月7日アクセス(以下同じ))を公表したのですが、これが全世界で話題になっています。

(注1)この福音書の存在は、180年頃、リヨンの司教のイレナエウス(Irenaeus)が書いた反異端書(Against Heresies)によって知られていた。

(注2)この冊子状の写本(codex)は、イエスやユダの死後100年以上経った紀元150〜180年頃に書かれたギリシャ語の原典をコプト語(当時のエジプトの言語)に訳したもので、この写本が作られた年代は3〜4世紀とみられている。

(注3)8割程度しか修復できなかった。

2 内容

 イスカリオテのユダ(Judas Iscariot)は、新約聖書のマタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの福音書(gospels of Matthew, Mark, Luke and John)(注4)によれば、イエス・キリストに選ばれた弟子の一人でありながら,銀貨30枚と引き換えにイエスを裏切り、接吻を合図に敵の手に引き渡した使徒であり、その名は今も裏切りの代名詞となっています。

 (注4)このうち、一番最後に書かれたヨハネの福音書でさえ、『ユダの福音書』より数十年早く書かれている。

しかし、今回新たに発見された『ユダの福音書』に描かれたユダ像は、まるで違い、ユダこそイエスの一番弟子であり、他の弟子たちと違ってキリストの真の教えを正しく理解しており、ユダがイエスをローマの官憲に引き渡したのは、イエス自身の言いつけに従ってのことだった、とそこには書かれています。

『ユダの福音書』の記述には、グノーシス派(Gnostics)と呼ばれる、2世紀にキリスト教主流派から分派したグループの思想・・後に異端とされた・・が反映されています(注5)。グノーシス派は、物質世界は至高の神ではなく下等な創造神のつくった不完全な世界とみなし、善の究極の源泉である神性は物質世界の外側にあると考えていました。『ユダの福音書』の中で最も重要なくだりは、イエスがユダに「お前は他のいかなる者(使徒)より卓越した存在となろう(exceed)。何となれば、お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とするであろうからだ」と語る箇所です。つまり、ユダがイエスを死に追いやったのは、イエス自身の望みに従った行為であり、イエスをその肉体から解き放つことによって、真のキリスト、つまり内なる神が解放されるというのです。ユダがこの役割を任されたのは、弟子達の中で特別な地位にあった証拠である、とこの福音書には書かれているのです。

(注5)65年前から、様々な福音書が発見されてきており、グノーシス派の手になるものだけでも、トマ(Thomas)、マグダラのマリア(Mary Magdalene)、フィリッポ(Philip)の三つの福音書がこれまで発見されている。

 しかしイエスは、この結果ユダは「同時代の人々(=他の使徒)によって呪われることだろう。しかし、お前は彼らに君臨する(rule over)することになるだろう」(注6)とも言っています。

 (注6)ご存じのように、前段は実現したが、後段はまだ実現していない。

3 意義

 そもそも、新約聖書の中のヨハネとマルコの福音書においても、ユダは使徒の中でも尊敬されていた重鎮の一人であったことを示唆する箇所がありますし、学者の中には、新約聖書の原典のギリシャ語のparadidomiが「裏切る」と翻訳されたところ、本来の意味は「引き渡す」であるとし、ユダは単に神の意思を従っただけであることを示していた、と指摘する人もいます。

 つまり、ユダが悪者に仕立て上げられたのは、聖アウグスティヌス(Augustine)等の初期キリスト教徒達がユダが往々にして代表すると見なされていたユダヤ人を悪者に仕立て上げる陰謀の一環であったのではないか、というのです。

 最近、カトリック教会は、ユダヤ人差別につながってきたこのような考え方を是正する努力を行っていますが、『ユダの福音書』の英訳の公表は、かかる努力の追い風となる可能性があるのです。



古代の文書『ユダの福音書』の鑑定と翻訳 4月7日 ナショナルジオグラフィック

『ユダの福音書』の記述
 『ユダの福音書』の冒頭には、こう書かれています。「過越(すぎこし)の祭りが始まる3日前、イスカリオテのユダとの1週間の対話でイエスが語った秘密の啓示」。福音書の初めの部分で、イエスは「お前たちの神」に祈りを捧げる弟子たちを笑います。この神とは、世界を創造した旧約聖書の劣った神のことです。そしてイエスは、この私を直視し、真の姿を理解せよと迫りましたが、弟子たちは目を向けようとしません。
 最も重要なくだりは、イエスがユダにこう語る部分です。「お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とし、すべての弟子たちを超える存在になるだろう」。つまり、ユダはイエスから物質である肉体を取り除くことによって、内なる真の自己、つまり神の本質を解放するというのです。
 この福音書には、ユダが弟子たちの中で特別な地位を与えられていることを示す記述がいくつかあります。たとえば、イエスは次のように語っています。「他の者たちから離れなさい。そうすれば、お前に[神の]王国の神秘を語って聞かせよう。その王国に至ることは可能だが、お前は大いに悲しむことになるだろう」。イエスがユダにこう語りかける場面もあります。「聞きなさい、お前には[真理の]すべてを話し終えた。目を上げ、雲とその中の光、それを囲む星々を見なさい。皆を導くあの星が、お前の星だ」
 さらに福音書は、ユダは他の弟子から嫌悪されることになるが、彼らより高い地位に昇るだろうと予言します。「お前はこの世代の他の者たちの非難の的となるだろう――そして彼らの上に君臨するだろう」と、イエスは言います。ユダ自身も、他の弟子たちから猛反発を受ける幻視を見たと報告しています。「幻視の中で、私は12人の弟子から石を投げつけられ、[ひどい]迫害を受けていました」
 福音書には、ユダの覚醒と変容を示唆すると思われる一節もあります。「ユダは目を上げ、光輝く雲を見て、その中に入っていった」。地上の人間たちは雲から聞こえる声を耳にするが、この部分のパピルスが損傷しているため、その言葉が何だったのかはわかりません。
 福音書の記述は、次のような場面で唐突に終わっています。「彼ら[イエスを捕らえにきた人々]はユダに近づき、『ここで何をしているのだ。イエスの弟子よ』と声をかけた。ユダは彼らが望むとおりのことを答え、いくらかの金を受け取ると、イエスを引き渡した」。イエスが十字架にかけられることも、復活することも、この福音書には何も書かれていません。

専門家の見解
『ユダの福音書』に描かれたイエスとユダの関係に対する「もう一つの見方」について、著名な聖書研究者たちは当時の信仰のあり方を探る貴重な手がかりであり、初期のキリスト教の多様性を示す重要な新しい証拠だと考えています。
 「この見解に同意するかどうかはともかく、きわめて興味深い見方です」と、グノーシス福音書の世界的権威である米国プリンストン大学ハリントン・スペアー・ペイン研究所のエレーヌ・ペイゲルス教授(宗教学専攻)は指摘します。「『トマスの福音書』や『マグダラのマリアの福音書』など、2000 年近くほとんど知られていなかった他の古代の文書と同じように、『ユダの福音書』もなじみ深い福音書の物語に斬新な見方を与えてくれます。これらの発見は、キリスト教の始まりに対する私たちの理解を変えつつあります」
 米国チャップマン大学のマービン・マイヤーはこう語っています。「これまで未発見だった福音書の文書が世に出ることはめったにありません。特に初期キリスト教の文献で言及されている文書の発見は、きわめて珍しいことです。『ユダの福音書』は、キリスト教の発展の道筋を知る重要な史料であり、初期キリスト教の豊かな多様性に改めて光を当てるものです」
 カナダ・アカディア大学神学大学院のクレイグ・エバンズ教授(新約聖書研究者)も、『ユダの福音書』の修復と出版を高く評価しています。「『ユダの福音書』は、キリスト教徒の中にイエスと弟子たちに対する多様な見方があったことを示す、重要な2 世紀の証言です。この発見によって、新約聖書に収められた正典福音書の内容に対する理解がさらに進む可能性もあります」
 写本の修復と文書の復元・翻訳作業は現在も続いています。まだページのどの位置に置くべきか判明していない写本の断片についても、カッセルは写真撮影と保存処理が終わり次第、公開したいと考えています。これらの断片を多くの研究者がじっくり分析できるようになれば、パズルがさらに完成へと近づき、欠落したページの復元と解読が進むと期待しているのです。


(私のコメント)
この数日は中国が仕掛けてきた陰謀について書いてきましたが、陰謀と言うのは見抜かれたら効果が無く、たとえ陰謀が成功しても、その成果が大きければ大きいほど、ばれた時の反動が大きい事を覚悟しなければなりません。アメリカにしても陰謀国家の最たるもので、ケネディー暗殺や9・11テロなどには陰謀の臭いを感ずることが出来る。太平洋戦争もアメリカの陰謀の一つのような気がする。

キリスト教やユダヤ教についてもいろいろ書いてきましたが、成り立ちを探ってみると謎が多い。旧約聖書や新約聖書などは研究対象になるのですが、どのようにして聖書が出来たのかを探ってみると、キリスト教の正体も見えてくるような気がする。そのことに関しては2003年12月22日に書きました。


イエス=キリストは実在の人物ではない 『聖書』は中国の古典からのパクリである 2003年12月22日 月曜日 株式日記

《 それは、「『新約聖書』はそのすべてが、西暦301年から360年の間のある時期に、易を熟知した人物の指導のもとで書かれたのであって、キリストが架空の人物であることは無論だが、旧約もそれと同時に内容を一部改められた」 ということである。 》


新しく発見された「ユダの福音書」の写本についても、西暦300年前後に書かれたものらしく、かなり風化が激しくて偽造されたものとは考えられない物らしい。株式日記で紹介したサイトでも「西暦301年から360年の間のある時期に、易を熟知した人物によって書かれた」としているので矛盾は無い。旧約聖書もそのときに一部書き換えられたらしい。

一番の疑問点はイエス・キリストが亡くなってから新約聖書が書かれるまでに300年のブランクがあるのですが、イエスの弟子たちが書いたものであるにしろブランクが長すぎる。旧約聖書ですらローマ教会がラテン語でまとめたのは西暦405年の事であり、イエス・キリストと聖書の成立に間が空きすぎている。

つまり聖書をまとめる際にしては、交流が盛んになり始めた中国の古典から知恵を拝借して書かれたものではないかと言うことだ。内容からしても推察できる事が多く中国の易学から見れば一目瞭然らしい。


《 西暦166年。ローマ帝国と中国の後漢との間に交流が始まったと、『後漢書』にある。それから150〜200年くらい経った西暦300年代前半。中国は西晋の終わり、あるいは東晋の初めといった時代で、北方では五胡十六国が覇権を争っていた。

 そんな頃、とあるローマの旅人が中国を訪れ、「仁」や「愛」すなわち「他人に対する思いやり」という観念に触れ、その素晴らしさに感動した。武力と財力を権威の象徴とし、弱者を非人間的に支配しても、何の後ろめたさも持たないローマ帝国の治世に、人々の心は荒れ果て、憤りを感じていたのだろう。

 何とかヨーロッパに紹介できないものかと考え、中国の学者達と相談した。
 手っ取り早いのは、「四書五経」や『墨子』、その他の漢籍をそのまま翻訳することだが、あまりにも文化が異なるので、それでは真意が伝わりにくく、まして権力者には耳が痛い話ばかりなのだから、彼等が受け入れる可能性も低い。 》


つまり新約聖書は中国の古典をパクッたものであり、そのまま翻訳してはまずいので、当時滅んでしまっていたユダヤ教を拝借して旧約聖書と新約聖書にまとめたとすれば辻褄が合う。キリスト教が世界に広まっても中国や日本などといった漢学が盛んな国ではキリスト教は広まっていないない。聖書を読んだところで中国の古典に書かれた事と似たような事が書かれてあるだけだからだ。

一番端的なのは日月火水木金土の1週間の名称も中国の古くからある名称であり、キリスト教の神が1週間で世界を作ったとする話からも窺えることだ。1年が12ヶ月である事も易学の由来から来ている。しかし漢学の素養がなければ気がつかないからキリスト教が中国の古典のパクリ宗教だとは気がつかない。私自身は学生時代は老子や荘子などを読み耽ってその雄大さに感銘していたから、聖書を少し読んでも中身は充実しているが特に絶対的なものとは思えなかった。

「ユダの福音書」はグノーシス派のものらしいのですが異端として排斥された。精神が肉体を超越するという思想は東洋的な思想であり、東洋の古典の反映といえるのですが、それがイエス・キリストにとって一番忠実な教えといえるのではないかと思う。このあたりは老子や荘子の教えと似てくるのですが、ローマ教会はグノーシス派を異端として排斥した。


《 グノーシス派やマニ教も、キリスト教から分派したのではなく、ユダヤ教エッセネ派という集団がギリシャ哲学や仏教と融合させて起こしたのではないだろうか。エッセネ派とは、西暦紀元前後に盛んに活動していたとされるユダヤ教禁欲主義の異端集団で、1947年以来死海近郊のクムラン地方の洞窟の中から、いわゆるクムラン文書と呼ばれる相当数の『旧約聖書』の断片や戒律などを記した書物の断片が発見されて脚光を浴びたが、その洞窟も活動拠点のひとつだったのだろうとされている集団である。(後略) 》


このようにキリスト教の創成期には、さまざまな宗派があって主導権争いで消えて行った宗派があった。「ユダの福音書」なども異端視されて歴史は改竄されて本は残らず燃やされてしまったのだろう。ところがエジプトの洞窟の中の一冊は残って発見された。これは明らかにローマ教会が仕掛けた陰謀であり、その為にユダヤ人はイエス・キリストを裏切ったとしてユダヤ人排斥につながったのだろう。




なぜ「スパイ防止法」が日本には出来ないのか?
既に多くの政府高官やマスコミ関係者がスパイだからだ


2006年4月7日 金曜日

「人神共?!SONY?工在中国的淫?丑?」の写真より


【中国】上海領事館員の自殺、人民日報が反論「遺書は怪しい」

 在上海日本総領事館の館員が自殺した際に残したとされる遺書の内容を日本の一部メディアが報じたことに関連して、5日付の人民日報は遺書の信憑性に疑問を呈する論説を掲載した。

 人民日報はまず「館員には外交特権があったので、死を選ぶとは論理的に考えられない」などと指摘。

 また、館員がカラオケ店の女性と交際していたと伝えられている点に関して、「日本の外交官が買春を行うことは珍しいことではない」と説明。「2002年5月に日本の国会議員がモスクワを視察に訪れた際、外交官が買春の段取りを整えた」「01年には、外務省・要人外国訪問支援室の松尾克俊・室長(当時)が騙し取った5億円を愛人に貢いでいたことなどが明らかとなり懲戒免職になった」などと付け加え、「女性問題から自殺に至ったとは理解できない」と主張。

 さらに、遺書が全てパソコンで作成されていたと報じられていることについても、「容易に偽造できる」と強調している。その上で、「領事館員の自殺問題は中国と日本の間でトラブルが出るたびに浮上してくる。マスコミと日本政府がでっちあげているのだろう」などと伝えている。

 なお麻生太郎外相は5日、遺書として伝えられた内容について「限りなく本物に近いと思った」と述べている。(編集担当:菅原大輔)

(サーチナ・中国情報局) - 4月6日11時41分更新

記事によればSONYの社員はこのように夜の国際親善をしている?


中国の「密の罠」 〜 上海領事・自殺事件  3月12日 国際派日本人養成講座

(前略)
■4.「ハニー・トラップ(蜜の罠)」

     Aさんを脅迫した中国情報機関の手口は、「ハニー・トラップ(蜜の罠)」と呼ばれる古典的なものである。冷戦初期にソ連のKGB(国家保安委員会)や、中国情報機関が使った常套的な手段で、欧米の外交官や政治家が自殺する事件が起きた。

     アメリカやヨーロッパ諸国は、60年代にその対策として、 ハニー・トラップで脅された場合、直ちに担当機関に届け出る ようにした。アメリカであれば、大使館や領事館にFBI(連邦捜査局)やCIA(中央情報局)のセキュリティ担当官を置き、ハニー・トラップに引っ掛かった外交官は、彼らに届け出て、包み隠さず事態を話せばよい。

     セキュリティ担当官は、醜聞は公開せず、処分もしないという事を前提に、対策を指示する。ときには、その外交官に脅迫に従う振りをさせて、相手がどんな情報を欲しがっているのか探らせることもある。

     さらには、わざと真実の情報を渡して、相手の信頼を掴んでおき、ここという時に虚偽の情報を流して、相手国の政策を誤らせる。

     70年代に入ると、欧米諸国ではこうした防諜システムが当たり前になって、ハニー・トラップは効果がないとして使われなくなった。

     こんな古典的な手口に乗るような国は、今や日本ぐらいしかない。欧米諸国で30年も前に実施している「ハニー・トラップ」対策が実施されていれば、Aさんが自殺する事もなかったのである。[2]

■5.「諜報戦争の備えを怠れば、、、」

     Aさんの例は氷山の一角に過ぎない。内閣情報調査室室長だった大森義夫氏は、こう語っている。[3]

 《        私は1963年に東京大学を出て警察庁に入り、警視庁に配属されました。その頃、大学のクラスメイトだったH君が自殺しました。H君は外交官の名門出で、自身も外務省に入りました。ドイツ語は教授よりもうまく、とても優秀でした。

彼も諜報工作、今回の事案と同じく女性を使った「ハニー・トラップ」に引っかかったと我々は聞かされました。場所は当時、東西冷戦が火花を散らすベルリンでした。 ・・・

あれから四十年余の歳月が流れました。私は友の死を想うと同時に、彼が外交官として順調に出世していたらどうなっていたか? と思います。諜報戦争の備えを怠れば有為な人材の生命だけでなく、国家利益の長期にわたる流出につながるのです。

H君以外にも、あるいは自殺に至らなくとも、旧ソ連東欧圏を中心に、日本人の「被害」は私の聞いているだけでも何件もあります。旧ソ連KGB要員で1979年に日本を経由して米国に亡命したスタニスラフ・レフチェンコの米国議会における公式証言によっても、日本人公務員、政党関係者、ジャーナリストなど多数が「獲得」され、金銭報酬と引きかえに日本の機密を売り渡していたのです。 》

■6.国を売った「ミーシャ」

     一国の中枢に潜り込んで、出世し、外国に機密を売ったり、場合によっては政策までねじ曲げてしまう人間を、イギリス情報部の言葉で「モグラ」と呼ぶ。AさんやH君が自殺せずに、そのまま国家機密を売り渡していたら、その「モグラ」になっ ていた処である。

     最近、公開された旧ソ連時代の公文書では、KGB史上、最も特筆されるべき「ハニー・トラップの成功事例」が明かされているが、それも日本外交官が「モグラ」となったケースであった。

    「ミーシャ」というコード・ネームで呼ばれている、日本人外交官は1970年代にモスクワの日本大使館で、Aさんと同様、電信官を勤めていた。そして、ハニー・トラップに引っかかり、モスクワ時代にKGBに機密情報を流し続けた。

     ミーシャは、その後、帰国して、本省で電信暗号関係のより重要なポストについた。KGB東京支局は、何人ものKGB部員を専属としてつけた。この頃には、ミーシャは大金を報酬として受け取り、積極的に情報提供を行うようになっていた。

     東京の外務省本省と全世界の在外公館との文書が、全てKGB側に流れた。さらにミーシャは日本の暗号システムもKGBに知らせていた。ミーシャのもたらす情報は、常にクレムリン のトップまで報告されていた。特に重要なのは、ワシントンの日本大使館が本省に送ってくる情報で、アメリカ高官の情報や、米ソ関係、NATO関連の情報がソ連に漏れていた。Aさんや H君と違って、ミーシャは金目当てに国を売ったのである。

     前述のレフチェンコ証言でKGBの東京支局は機能停止に陥ったが、ミーシャの存在は暴露されなかったので、闇から闇に葬られてしまった。今頃は、多額の退職金と年金を貰って、幸福な晩年を送っているかもしれない。

■7.「外務省としては何も手を打っていない」

    「モグラ」は現在の日本にも大量に生息しているようだ。

     昨・平成17(2003)年、中国のシドニー総領事館の一等書記官がオーストラリアに亡命する事件が起きた。彼は日本国内にも現在1千人を優に超える中国のスパイが活動していると証言している。[2]

     また、ある外務省職員は匿名で次のような内部告発をしている。[3]

 《  彼が自殺したからこうして発覚したのですが、こういう「ハニー・トラップ」を受けている大使館員はけっこういると聞きます。氷山の一角なんです。何度も中国に勤務しているキャリアで工作を受けていると噂されている人はい ます。でも外務省としては何も手を打っていない。

    ましてや、今回のことはノンキャリアの身に起こったことで、面倒くさいなくらいが、上の感覚じゃないんですか、正直なところ。

    そういうことにたいして、チャイナ・スクールの若手や ノン・チャイナスクールの人たち、われわれノンキャリアのなかには、猛烈な不満を持っている人たちが多いことは確かです。私だってそのうちの一人です。

   いずれにせよ、早急に求められているのは、カンウンター・インテリジェンスのルール確立です。でなければ、自殺までした彼が浮かばれないと思います。  》

■8.事件を握りつぶそうとした外務省

    「何も手を打っていない」外務省は、今回のAさん自殺事件でも、まさに「面倒くさいな」とでも言いたげな対応しかしていない。

     A領事自殺の数日後、調査チームが派遣され、約1週間にわたって、事情聴取を行った。電信システムに異常は見られなかったが、念のために、暗号システムを変更した。そして、最終的に、「A領事の自殺の原因が、中国の情報機関当局の脅迫によることは揺るがしがたい事実である」と結論づけた。

     そして中国政府幹部に、川口外相の名前で「厳重に抗議する」と申し入れたが、相手は「調査する」という回答のみで、いまだにまともな返事が返ってきていない。

     川口順子外相は、本件を小泉首相に報告もせず、また中国政府からまともな回答もないのに、後任の町村外相に引き継ぎもしなかった。外務省内でも厳重な箝口令が敷かれ、Aさんの名前は翌年の外務省職員録から静かに外された。外務省は明らかにこの事件を秘密裏に葬り去ろうとしたのである。

    「文春」のスクープで、事件が発覚すると、中国大使館は次のようなコメントをそのホームページに掲載した。

 《   中日双方はこの事件の性格についてつとに結論を出している。1年半たったいま、日本側が古いことを改めて持ち出し、さらに館員の自殺を中国側関係者と結びつけているのは、完全に下心をもったものだ。われわれは、なんとかして中国のイメージを落とそうとする日本政府の悪質な行為に強い憤りを表明する。[5] 》
(後略)

これでは日本の政財界人も親中国派になるのも無理はない?


(私のコメント)
以前にもなぜ日本に「スパイ防止法」が作られないのか書きましたが、日本の国会や政府関係者やマスコミのジャーナリストなど、身に覚えのある人が多すぎて潰されてしまうのだろう。人民日報にも報じているように日本の国会議員が海外視察をする時には、現地の日本大使館員が夜の女の世話までしているのだそうだ。

最近も親中派の政財界人が中国を訪れましたが、彼らが頻繁に中国を訪れるのも何かいいことがあるからだろう。べつに中国に限らずとも日本がスパイ対策に甘いと見れば、諸外国の工作機関はさまざまな罠を仕掛けて外交交渉を有利にしようとするだろう。小泉・竹中コンビがアメリカの言いなりなのも、このような罠にかかっているからだ。

欧米諸国なら防諜対策は採られているのですが、日本にはスパイ防止法がないから対抗手段がなく、たとえ捕まっても機密漏洩罪で1年の懲役で済んでしまう。日本の政治家が中国や韓国や東南アジアにODAをばら撒きたがるのも、利権や女で美味しい思いをしているからで、そのお金は我々の税金から賄われている。

このようなことは政財界人のみならず、中国などに進出している会社の社員も同じ事であり、企業機密などが中国人社員や、弱みを握られた日本人社員によって流出してしまっている。中国はこれによってコピー商品を作って国内や海外に輸出して金を稼いでいる。SONYやHONDAなど中国に進出したはいいけれどコピー商品を作られて、それが東南アジアなどに輸出されて被害を蒙っている。それでも止められないのはこのような止められない事情があるからだ。

朝日新聞などマスコミが中国に都合の良い記事ばかり書くのか不思議だったのですが、最近明らかになったニュースなどで類推すれば利権や賄賂や女で弱みを握られてしまったからだ。しかし欧米諸国も政府要人などは防諜機関がガードするのでしょうが、民間レベルまではとても目が届かないから、日本ばかりではなく欧米に対しても同じ事を行なっている。

このような事は中国や韓国のみならず、日本も貧しい頃は酒池肉林の接待攻勢で商談をまとめたりしていたのが普通であり、聖人君子では会社経営は出来ない。会社の幹部が接待旅行で宴会や美女の接待を受けなければ商談も進まないから倫理観も麻痺してきてしまう。しかし民間ではなく政治家や政府高官が外国で酒池肉林の接待攻勢で嵌められたら笑って済ませられる事ではなってしまう。

特に地方の議会議員などは好色漢が多くて、海外視察や国内の視察などテレビなどでも問題になりましたが、彼らは倫理観が麻痺しているのだ。以前にも西武の堤義明の女性問題を書きましたが、会社の幹部ともなると愛人がいるのは珍しくもないのですがマスコミが記事にしないだけで、国会議員にも愛人の一人や二人いるのは珍しくない。そんなのが中国に行ったらどうなるのか火を見るよりも明らかだ。

冒頭の中国における酒池肉林の写真は中国のサイトのものですが、本物であるかどうかは分からない。でっち上げなのかもしれないし、女性がみな若くて美人なので演出写真かもしれない。自殺した日本の領事館員もこのようなところで遊んだだけなのですが、一つ間違えば公安に狙われてスパイにされてしまう。つまり日本でスパイ防止法が出来ると議員さんが中国で女遊びが出来なくなるからスパイ防止法が出来ないのだろうw




韓国のウォン高でサムスン・LG、昨年度業績が大幅に悪化
主要企業の外人持株比率が42%にまで高まってきている


2006年4月6日 木曜日

高騰を続ける韓国ウォン為替相場(現在は1ウォン=0,12円)


サムスン・LG、昨年度業績が大幅に悪化 4月5日 朝鮮日報

昨年、韓国の10大グループのうち、サムスンとLGの業績が大幅に悪化したことがわかった。一方、現代(ヒョンデ)、GS、SKグループなどは良好な業績を上げた。

 証券先物取引所が4日発表した「2005年12月の決算法人業績分析」の資料によると、サムスンは昨年の売上(−0.27%)がやや減少し、純利益は29.4%急減した。

 2004年に過去最高値の10兆ウォンを突破したサムスン電子の純利益は、昨年の世界のIT景気の低迷で輸出が伸び悩み、7兆6402億ウォンにとどまった。サムスンSDIも業績が67.6%減り、サムスン電気は670億ウォンの赤字に転じた。LG電子とLGフィリップスLCDも純利益が半分以上ぐんと下がった。これにより、LGグループの全体純利益も49.7%減少した。IT景気の低迷で二つの大手グループが直撃弾を受けたのだ。


 一方、現代自動車グループはウォン高という悪材料にもかかわらず、業績を伸ばし続けてきた。現代自動車(32.6%)・現代モービス(19.6%)・起亜(キア)自動車(2.9%)などの主要系列会社が、上場会社の純利益上位20社にランク入りし、グループ全体の純利益が30%も伸びた。

 現代重工業とGSグループは純利益が倍以上伸び、SKテレコムが善戦したSKグループも12.6%増加した。ロッテグループもやはりロッテショッピング(80.6%)の業績改善に支えられ、純利益を大きく伸ばした。しかし、韓進(ハンジン)と錦湖(クムホ)アシアナは原油高の直撃を受け、純利益がそれぞれ40.2%と17.3%減った。

 サムスンとLGの不振により、10大グループの上場系列会社の純利益は2004年に比べ14.9%減少した。昨年、原油価格証券市場に上場している534社全体の売上高は631兆8160億ウォンと、前年より3.93%伸びたが、営業利益は9.76%、純利益は2.1%減った。メーカーは昨年1000ウォン相当を売って77ウォン程度の利益を残すなど、前年度(97ウォン)に比べ利益の少ない商売としたと集計された。


【ソウル外為】ウォン8年ぶり高値1ドル=956.20ウォン 4月5日 朝鮮日報

5日午後のソウル外国為替市場のウォン相場は続伸。対ドル相場では前日比5.8ウォンのウォン高・ドル安の957.40ウォンで取引を終了した。株式市場が好調で外国人投資家の資金が流入していることに加え、960ウォン前後では機関投資家の損失覚悟のウォン買い・ドル売りが出た。

 ウォンは午前に金融当局の介入があったものの、午後再び上げ幅を拡大。956.20ウォンをつけ、8年5カ月ぶりの最高値を更新した。市場関係者の間では、一度崩れたドル買い心理を回復するのは困難との見方が支配的になっている。

 対円では午前に一時821.48をつけた後はもみ合いが続き、前日比2.25ウォンのウォン安・円高の820.25ウォンとなった。前日海外市場で急落した対ユーロ相場は前日比8.48ウォンのウォン安・ユーロ高の1ユーロ=1176.25ウォンとなった。


韓国の貿易依存度70%超過 史上初 2005年5月10日 朝鮮日報

韓国の貿易依存度が史上初めて70%を超えた。

 韓国貿易協会は去年韓国の貿易依存度が70.3%となり、輸出好調に後押しされ、史上初めて70%を超えたと10日明らかにした。

 韓国の貿易依存度は95年50.3%、2000年65%で、2003年は61.3%だった。

 貿易依存度は輸出入規模を国内総生産(GDP)で分けたもので、国家経済規模と比べる時、貿易規模がどれだけ大きいかを示す指標となる。

 このような韓国の貿易依存度は米国(19.5%)、日本(21.9%)の貿易依存度よりはるかに大きいもので、中国(70.0%)、台湾(112%)に比べると同じ水準か小さかった。


韓国のポスコが、同3位の新日本製鉄に追加出資を 要請する検討 3月10日 10秒で読む日経

●世界の鉄鋼5位、韓国のポスコが、同3位の新日本製鉄に追加出資を要請する検討に着手したことが9日、わかった。英紙フィナンシャル・タイムズによると、ポスコの幹部は8日、他社 からの買収に備えるため、新日鉄を引き受け手とする第三者割当増資を要請する可能性があると述べた。
 韓国企業が、外国企業にホワイトナイト(敵対的買収に対抗するため出資する友好的企業)役を求めるのは極めて異例。
              フジサンケイビジネスアイ 3月10日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      
★直接的な背景としては2つある。

・同業の世界最大手の蘭ミタル・スチールによる同2位アルセロールへの買収提案を受けて、下位メーカーは将来ありうる合従連衡にどう備えるかを決める必要があること。

・元政府系企業の韓国タバコ・人参公社(KT&G)がアメリカの投資家のアイカン・パートナーズとスチール・パートナーズに買収されるのではという話がでていて、同じ元政府系企業のPOSCOも他人事ではなくなったこと。

 韓国はもともと旧財閥が主要企業を支配していたが、その持株率は低く2001年以降の経済復活の中で外人持株比率が42%にまで高まってきている。

 外人持株比率は、最大手銀行のコクミン銀行で85.7%、KT&Gが63%、三星電子が54%。もう既に外資系企業になっている。


 そしてPOSCOの外人持株比率は68%だ。

 97年の韓国の経済危機以降、政府系企業の政府持株が民間に売却され金融機関があまり株式を保有しない中で国内に主要な投資家がいない中で外国のファンドが大株主になっている。

 外人持株比率の上昇と、世界的なM&Aの波が押し寄せているという点では日本も韓国も同じ。今後の韓国の動向は日本にとっても他人事ではない。


(私のコメント)
韓国のことについてはワイドショーなどが毎日のように韓流スターの話題を取り上げるなどしていますが、韓国経済の実態については報道番組でもあまり報道されない。中国経済などはNHKなどでも経済発展が著しいとよく報道しているのに比べて不自然だ。韓国がIT先進国で、サムスンがソニーを抜いたなどという話がネットでは見かけますが、そのサムスンの実態がよく分からない。

さいわい韓国の新聞の日本語版がネットで公開されているので、その情報を分析してみるとサムスンがウォン高で業績が大きく落ち込んでいるらしい。サムスンといえば韓国経済を代表するというよりも韓国経済そのもので、法人税の五分の一がサムスンであり、時価総額の四分の一がサムスンであり、貿易黒字の三分の一がサムスンが稼いでいるというほどだ。

そのサムスンが業績悪化すると韓国経済にも大きな影響が出てくることになる。ウォン高以外にも中国や台湾メーカーとの価格競争も厳しく、主力商品の液晶パネルの値崩れが激しいようだ。東京の大手家電店の大型液晶テレビなども30万円台だったのに今では15万円で買えるようになっている。値段も日本製と韓国製の差もあまりないから苦戦しているようだ。

また韓国は貿易依存度の比率も高くウォン高が韓国経済に大きく響いてくる構造になっている。日本や米国の貿易依存度は20%ほどなのに韓国は70%で、輸出が不振になると韓国経済に大きく影響する。チャートによれば2年前は95000円だった韓国製テレビが今は120000円で売らなければならない。

さらには中国がドル固定相場なのでウォン高の韓国は競争力が落ちてしまう。だから韓国企業は中国進出でウォン高を回避しようとしていますが、国内の生産の空洞化を招いてしまう。中国の元も同じくらいは高くなるべきなのでしょうが中国は必死に元高を阻止しているが、いずれは為替の自由化で韓国と同じ問題で悩む事になるだろう。

さらに円が1ドル117円ぐらいで安定しているので、アメリカ市場における日本製品との競走も不利になっている。このようなウォン高は外国の投機筋の買いによるものですが、中途半端な韓国の為替介入は投機筋にとっては絶好の稼ぎ場を提供している事になる。投機筋はドル売りを仕掛けても韓国が一定ラインで買ってくれるのだから確実に儲かる。

見方を変えれば今までのウォンが97年のアジア金融危機でウォンが暴落して安すぎたともいえる。このように通貨が急騰や暴落を繰り返していくうちに韓国企業は外資に買い占められて、四大銀行は7割以上も外資に買い占められ、サムスンも過半数が外資になり経済植民地になってしまった。

小泉・竹中内閣も現在の韓国のような状況にしたかったのでしょうが、思ったほどの成果は上がらなかったようだ。まずはバブルを崩壊させて銀行を倒産させて、次は円高で輸出企業を締め上げて15年もの不況に苦しみましたが、リストラもひと段落して円高対策も整えて企業の体力も回復してきた。日本の貿易依存度が低かったから切り抜けられてきたのだろう。

しかし韓国や中国や台湾などの貿易依存度の高いところはハゲタカファンドの餌食になりやすい。それだけの国内市場規模が小さいからだ。中国は巨大市場のように見えますが、富の偏在が激しくて車やハイテク製品を買える人はまだ一握りで、経済は輸出依存型だ。結局は一人当たりの所得が高くて消費者が大勢いないと国内の経済規模は大きくならない。

日本もゼロ金利でデフレは続いており消費は低迷していますが、円の安定で輸出企業が回復してきている。中国における生産コストの高騰で工場を日本に戻す動きも出てきている。液晶パネルなどはどうしても歩留まりが悪いとコスト高になるから日本で生産したほうがコストが安く出来るのだろう。ハゲタカファンドは再び円高を仕掛けてくることもあるでしょうが、そうしたら日本はユーロにヘッジしてしまえばドルの暴落でアメリカは自分で自分の首を絞めることになる。だから円買いを仕掛けるようなバカな真似はしないだろう。むしろ、バーナンキは金利を上げてドルの暴落を防ぐ方向のようだ。


今日も韓国ウォンはワロス曲線

  _, ,_  パーン      _, ,_  パーン      _, ,_ パーン       _, ,_   パーン
( ‘д‘)        ( ‘д‘)        ( ‘д‘)       ( ‘д‘)
  ⊂彡☆        ⊂彡☆       ⊂彡☆       ⊂彡☆
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        ワ      ロ     ス     曲     線 ..|   〉,  ヽ  |
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                                .    |    ∨∨  |




「小沢だけは嫌だ」と、どうしても嫌がっているのは、
実は小泉政権と、亡国の秘書官と自民党である


2006年4月5日 水曜日

<民主代表選>小沢、菅両氏が出馬の意向 一騎打ちの公算

前原誠司代表の辞任に伴う民主党の代表選びは4日、小沢一郎前副代表と菅直人元代表の2人が出馬の意向を固め、両氏の一騎打ちとなる見通しとなった。両氏は5日に正式表明する。後継問題で党内では小沢氏への「話し合い一本化」に向け支持が拡大していたが、菅氏は選挙で代表を選ぶ必要があると判断した。党所属国会議員による投票は7日、行われる。
(毎日新聞) - 4月5日1時9分更新


民主党主選びについて  4月5日 国際評論家小野寺光一

これは、私の提言です。
<話し合いでの一本化が一番良い>
私は、「話し合いでの一本化をやったほうがいい」と思うからです。今回は、話し合いでの一本化、つまり、純粋に「民主党議員だけ」で決めるべきだと思います。

<選挙にすると亡国秘書官が操作をしてくる>
理由は、選挙になるとこの政権の黒幕の亡国秘書官がおそらく、民主党の党首選に参戦してくるだろうと思うからです。

<小沢氏であれば、政権交代する>
本来の流れでいえば、満を持しての小沢登板となるでしょう。
おそらく、その後に、政権は交代するはずです。小沢氏が中心になれば、政権は交代します。景気や経済、金融について完璧に理解しており、必ず景気回復を成し遂げる随一の人物です。

<亡国秘書官>
亡国秘書官が、ユダヤ系外資と結託して行っているのは、国家資産の売却によってコミッションをもらうということです。

<法務大臣が森派のため、摘発されない>
ところが、現在、法務大臣は、森派であるため、どんなことを裏でやっていても摘発されません。決裁権を法務大臣が握っているからです。

<民主党は危険の領域にある>
私は、ここ最近の動向を見ていて、思いますが、民主党は、解体の危機にあります。「火事」のときには、通常の手続きは無視して、すぐにでもしかも万全に、処理を決めてしまうことが必要です。

<危険が身に迫っているときは、通常の手続きはとらず、即座に最善の措置をするべき>

危険が身に迫っているときに、「通常の手続き」(いわゆる不確実な投票)はとらないほうが賢明です。

「通常の手続き」のままやるべきときは、「平時」の時です。
解党という危険が身に迫っているときに、もし、投票によってほかの可能性の出てくる不確実なものに 身をあずけるでしょうか?ちょっと危険すぎるように思います。

「火事」のときに、のんびりいつもどおりに日常の手続きをしますか?即座にかつ万全に危険を処理するはずです。

<過去に民主党の代表戦は、必ず、外部からの妨害を受けてきた>
過去に民主党の代表戦は、必ず、亡国秘書官の謀略の前に、敗れてきました。今回も「投票を選ぶこと」で、おそらく、小沢一郎氏は選ばれなくなる可能性は高くなります。つまり今、半数以上が小沢氏を支持していたとしても、それが結果に反映されないということです。

亡国秘書官は金も使い、徹底して小沢一郎党首になることを妨害してくるはずです。2ちゃんねる掲示板を見ると異常なほど、小沢一郎氏に対する悪口を書いています。

<最も小沢アレルギーがあり、「小沢だけは嫌だ」と、どうしても嫌がっているのは、実は小泉政権と、亡国の秘書官と自民党である>

なぜか?というと、亡国の秘書官という金銭の亡者が最も恐れるのは、小沢一郎氏だからです。金の亡者が恐れるのは、彼のような本物の実力者です。有権者にとっては、別に、景気を良くする信頼を持つ政党なら、自民党以外でもいいわけです。

<政権交代するには、リーダーに支持されることが必要>
私が再三言ってきたことは、この世の中で、政権交代するには、リーダータイプに対してアピールせよということです。

<選挙操作>
今まで、民主党の代表戦では、鳩山氏と菅氏が、戦ったときには、案に相違して、鳩山氏に票が集中して、鳩山氏が勝利しました。これは後でわかりましたが、民主党員の票を自民党員が組織的に購入して、比較的くみしやすい鳩山氏にしたからです。前原氏が2票差で選ばれたときも組織的な選挙操作がなされていたはずです。

<代表を選ぶときには決して人気取りや民主的になってはいけない>
古来、もし、代表や首長を選ぶのであれば、決して「民主的」にはなってはいけませんと古代ギリシャの高名な哲学者は言っています。

もし、民主的に選ぶと、一般大衆は、見栄えのいい人を選ぶからです。つまり、今の流れで言えば、民主党の代表は、もし、話し合いで一本化をすれば、小沢一郎氏で決まり、もし、代表戦で決めようとすれば激し選挙妨害を受けるでしょう。

もしくは第三の候補の河村たかしかもしれません。河村たかし党首になる可能性も十分あります。もし、私が亡国秘書官であり、民主党の代表戦に対して影響力を発揮したいと考えたら、こう動きます。

<「話し合いで一本化」は、密室談合の、暗愚首相の森を選んだときと同じという宣伝を流す>
○ まず、新聞、テレビで、もし、「話し合いで一本化」を決めれば、それは「森を選んだときの密室談合と同じだ」とデマゴーグを流す。しかし、これは違います。あのとき、問題になったのは、森という史上最低の人物を首相に選らんだからです。
それにあのときは4〜5人だけで決めており、今回の民主党での話し合いは、全議員にコンセンサスをとっているでしょう。すでに半数以上は小沢氏でいいといっていると報道されています。これは密室談合ではありません。

<話し合いで一本化と投票の差>
つまり、「話し合いで一本化」と「投票」の差は、「話し合いで一本化」の場合、選んでいるのは民主党議員のみです。亡国秘書官が操作できません。そして民主党員という浮動票もいません。

<投票の場合は外部から操作可能>
しかし、「投票」の場合は、亡国秘書官が外部から結果を操作できるというわけです。民主党員という浮動票も入ります。これらはマスコミの影響を強く受けます。つまりスキャンダル報道によってコロコロ行動が変わります。操作されやすい人たちです。

<密室でも、もし森以外の人物を選んでいたら、問題にはならなかった>
もし、密室で選らんだとしても、森以外の人物であれば、問題はありませんでした。

<密室談合という批判に答えるつもりで、オープンに選んだら、最悪の小泉が選ばれた>
そして森の次は、代表選を「人気取り」のために、選挙権を自民党員にも拡大して、選出しました。すると「最悪の小泉」が選ばれました。森よりずっとひどい。彼は実は、話し合いでは絶対に選ばれない人物でした。これが自民党の崩壊の第一歩でした。

<亀井静香へのブラックPRを書かせたと言われている亡国秘書官>
実はこのときに、マスコミに、対抗馬の亀井静香氏のブラックな記事を書かせたのは、亡国秘書官であるといわれています。(亀井静香氏が指摘)

<マスコミ操作によるブラックPR>
つまりこのころから、亡国秘書官は、相手をマスコミ操作によるブラックPRで倒す手法を身に着けていたのです。

私も毎回民主党を応援していますが、残念なのは、いまいち、民主党に政権交代させようと力が入らないのです。それは恐らく景気対策への不信感にあります。景気対策がしっかりした政策が出てくれば恐らく政権交代するはずです。

<景気対策の切り札は小沢氏>
やはり、小沢氏は安定しています。おそらく日本中が熱狂してこの党首を迎えるでしょう。なんだか、小沢一郎氏が、党首になるかもしれない、総理大臣になるかもしれないと日本が考え始めただけでパーッと周りが明るくなりはじめるのを感じます。

最後の最後に、小沢一郎氏の夢だった「日本改造計画」を私は実現したらいいなと思っています。

<日本改造計画の夢>
彼がそこまでして成し遂げたかった夢とはなんだったのか?彼にとってはラストチャンスですし、日本人にとってもラストチャンスです。私は人間として、小沢一郎氏の国家を良くしたいという10年越しの夢の実現を見てみたいものです。


(私のコメント)
私自身は小沢一郎を評価しないのですが、自民党にとって一番いやな相手は小沢一郎だろう。それは自民党の闇の部分を知っているからであり、どぶ板選挙を知っているからだ。それに比べると今までの民主党代表は学歴経歴はぴか一なのですが、政治貴族的であり庶民派感覚に乏しい事が命取りになった。

その意味では小泉純一郎が誰よりも政治貴族的であり前原代表によく似ているのですが、小泉純一郎はあくまでも表の顔であり、実際に小泉内閣を仕切っているのは亡国のイージ○である。前原代表には闇の部分を仕切れる亡国のイージ○のような人物がいなかった事が命取りになった。

政治家には表向きの顔と裏の顔を使い分けられる能力が要りますが、小泉純一郎はこれを二人で分担してやってきたから長期政権を維持できた。表向きの顔だけでは政治闘争で敗れるし、裏の顔だけでは選挙にマイナスになり勝てない。その意味では小沢一郎は裏の顔の部分が大きくて表向きのイメージが悪い。

今までの日本の総理大臣で表の顔と裏の顔を両立できたのは吉田茂と佐藤栄作ぐらいだった。小泉純一郎は二人で分担する事で成功した。ならば他の政治家も裏の顔を担う人を雇えばいいと思うのですが、それくらいの有能で献身的な人物はなかなかいない。前原代表もあまりにも毛並みが良すぎるから裏を仕切る人物を使うのは難しいだろう。

小泉純一郎が他の政治家と違うのは、裏を仕切れる人物を信頼して表の顔に徹しているからですが、なかなか出来る事ではない。たとえば前原代表を小沢一郎が裏の部分を全面的にバックアップして、前原代表も小沢一郎に裏を全面的に任せる事ができれば理想的組み合わせになるのですが、実際にはそのような組み合わせはなかなか出来るものではない。

小沢一郎ならば偽メールに引っかかることはなかったのでしょうが、民主党の幹部は政治貴族ばかりだったから、簡単に陰謀に引っかかってしまった。これではとても民主党に政権を任せる事はできない。政治の世界は権謀術数と陰謀が渦巻く世界だからだ。

だから政治指導者と言うのは誰よりもクリーンなイメージを装いつつも、裏では誰よりも権謀術数に長けた陰謀家でなければ勤まらないのですが、清濁併せ持つ人物はなかなかいない。自民党政権が長く続いているのも、裏表の役割を分担している政党だからで、ハマコー先生は典型的な裏の政治家だった。

民主党の弱みはこのような裏の政治を仕切れる政治家がいないからで、小沢一郎は数少ない裏の政治家ですが、前原代表をバックアップする事はなかった。

小野寺氏が書いているように民主主義では一般大衆はどうしても見栄えの良い表の政治家が選ばれてしまう。だから自民党の小泉首相に対抗して民主党は若い前原氏を代表に選んだのでしょうが、簡単に謀略に引っかかって失脚してしまった。しかし前原氏はまだ若いから権謀術数を身に付ければ再起も出来るだろう。人相は少し悪くなるでしょうが。

私は最初に言ったように小沢一郎は評価できない。豪腕ではあるがワンマンであり人の意見を聞かず、暴走して自滅してきた。表の顔を出すならば人の意見を聞いて行動し、裏の顔を出すなら暴走しないで裏方に徹するべきなのだ。


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中国・韓国に「謝罪」を受け入れる意志はなく、
日本の謝罪目的は達成せず…米国人研究者が分析


2006年4月4日 火曜日

日本の謝罪目的達成せず、中韓に受け入れ意思なし  4月3日 産経新聞

【ワシントン=古森義久】
日本の戦後の対外的な謝罪をすべて記録し、分析した「第二次世界大戦への日本の謝罪」と題する珍しい学術書が米国で出版された。著者である米国人の 新進日本研究者は、現代の世界では主権国家が過去の行動について対外的 に謝罪することは極めてまれだとし、日本が例外的に謝罪を表明しても所定 の目的は達成していないと述べ、その理由として謝罪される側に謝罪を受け 入れる意思がないことを指摘した。

著者は、ミシガン州のオークランド大学講師で新進の日本研究学者のジェーン・ヤマザキ氏で、同書は今年初めに出版された。 米国の学術書としては、初めて一九六五年の日韓国交正常化以降の日本に よる国家レベルでの謝罪内容をすべて英文にして紹介し、日本の謝罪の異様で 不毛な側面を詳述した点で異色であり、三月末の時点でも米国の日本研究者の 間で注目され、活発な議論の対象となっている。

ヤマザキ氏は、二〇〇二年にミシガン州のウェイン州立大学で日本現代史研究 で博士号を得た学者で、日本留学や在住歴も長い。本人は日系ではなく、夫が 日系三世だという。

同書は、日本の「過去の戦争、侵略、植民地支配」に関する天皇、首相、閣僚 らによるさまざまな謝罪を紹介しながら、「主権国家が過去の自国の間違いや 悪事を認め、対外的に謝ることは国際的には極めてまれ」だと指摘している。

国家が過去の行動を謝罪しない実例として「米国の奴隷制、インディアン文化 破壊、フィリピンの植民地支配、ベトナムでの破壊、イギリスによるアヘン戦争、 南アフリカ、インド、ビルマ(現ミャンマー)などの植民地支配」などを挙げ、現代 世界では「国家は謝罪しないのが普通」だとし、過去の過誤を正当化し、道義上 の欠陥も認めないのが一般的だと記す。


その理由については「過去への謝罪は自国の立場を低くする自己卑下で、自国 への誇りを減らし、もはや自己を弁護できない先祖と未来の世代の両方の評判に 泥を塗る」と説明している。

同書は、日本が例外的に国家謝罪を重ねていることの動機として、
(1)特定の国との関係改善(対韓国のように過去を清算し、和解を達成して、 関係をよくするという目的)
(2)歴史の反省からの教訓(過去の過ちを認め、その教訓から新しい自己認識 を作るという目的)
(3)道義的原則の確認(過去の当事者はもういないが、新たな道義上の原則を 対外的に宣言し、誇示するという目的)-
などを挙げる一方、日本のこれまでの国家謝罪は国際的に日本がまだ十分に 謝罪していないという印象が強い点や、中国や韓国との関係がなお改善されな い点で失敗だと総括している。

同書はさらに、日本の謝罪の評価指針として「過ちの特定」「謝りの用語」「謝罪 表明の当事者選定」「謝罪への反応」などを挙げ、日本側にも問題があるとしな がらも、「謝罪が成功するには受け手がそれを受け入れる用意があることが 不可欠なのに、韓国や中国は謝罪受け入れの意思がなく、和解をする気がな い」という点を強調している。

同書は基本的に日本の過去の戦争関連行為が悪であり謝罪や反省は必要だと いう立場をとりながらも、日本国内の保守派に根強い謝罪反対にも理解を示し、 国家謝罪は
(1)その国家の政治的正当性に疑問を投げかける
(2)自国の先祖や伝統を傷つける
(3)現実の訴訟や賠償支払い義務の土壌をつくる-
などの点を指摘した。



会わないというのも問題 胡主席発言で谷垣財務相

谷垣禎一財務相は4日の閣議後記者会見で、中国の胡錦濤国家主席が日本の指導者が靖国神社を参拝しなければ首脳会談に応じる考えを表明したことについて「問題があったときには腹を割って話し合えることが大事。会わないというのも問題だ」と述べ、批判的な考えを示した。
 同時に、9月の自民党総裁選への影響について「自民党の総裁選だから、党員が党員としての主体性において選ぶものだ」と述べ、靖国問題を総裁選の争点としてクローズアップすべきではないとの考えを強調した。
 日中関係のあるべき姿については「非常に深くて広い関係がある。相互の腹を割った対話がないと不自然。そういう関係が出来上がるのが望ましい」と述べた。
(共同通信) - 4月4日10時47分更新


(私のコメント)
中国と韓国からの靖国参拝をめぐる問題に関しては、1965年の日韓基本条約と1978年の日中友好条約により過去の清算はなされたはずなのですが、中国と韓国はいまだに過去の歴史問題を蒸し返してきます。これに対して日本政府は27回も謝罪を繰り返してきましたが、中国の胡錦濤国家主席は相変わらず靖国参拝を止めなければ会わないと言う発言を繰り返しています。

これは4月2日にも書いたように国内世論の分断工作なのですが、このように中国の首脳に内政干渉されては、日本の世論をますます強硬にさせるだけであり、安倍氏や麻生氏のみならず谷垣氏も靖国参拝を理由に会わないというのも問題だという見解を表明しました。

このような問題は国際常識的に見ても異常であり、国家が過去のことで謝罪するのはきわめて異例だと指摘している。もし謝罪しなければならないのだとすればアメリカやイギリスは年がら年中謝罪し続けねければならなくなる。中国にしても周辺諸国に謝罪していたら、4000年の歴史の中で数限りなくあるだろう。

だから胡錦濤主席や李肇星外相の発言の意図はポスト小泉に対する牽制のためであり、露骨な首相選挙への内政干渉なのだ。このような中国の行動については日本のマスコミも一致団結して抗議しなければならないのですが、声を上げているのは産経新聞ぐらいだ。

朝日新聞こそが靖国参拝問題の火付け役なのですが、内閣が改造されるたびに新大臣に対して靖国参拝するのかと言う質問をしていたのも朝日新聞であり、朝日新聞こそが自国の先祖や歴史に批判を投げかけているのだ。もっとも朝日新聞は「あさひ」と読むのではなく「ちょうにち」と読む新聞らしい。つまり視点が日本ではなく中国や韓国からの視点で記事が書かれている。

アメリカの学者が指摘しているように中国や韓国に日本の謝罪を受け入れる意思がないのなら謝罪しても無駄なのだろう。無駄であるにもかかわらず日本政府は27回も謝罪してきたのですが、日本の政治家の態度はあまりにも卑屈だ。

分かりやすく言えば靖国問題を外交カードにして外交の主導権を持つためなのでしょうが、日本国民の世論が強硬になれば、今までのように政府が謝罪すればそれで済むという訳にはいかなくなる。謝罪を繰り返すということは先祖への侮辱であり、日本の歴史や伝統に対する侮辱でもあるのだ。

昨日も書いたように、中国の胡錦濤政権は中国包囲網を形成されてピンチに立たされている。経済成長を続けなければならないのに、海外からの投資や技術移転をはからなければならないのに、工作員を送り込んでは産業スパイを働いている。ようやく海外の産業資本も中国の状況が分かってきてEU諸国も中国から手を引き始めている。


労働集約型の魅力による中国進出ブームは去った ヘラルド・トリビューン 4月4日 宮崎正弘の国際ニュース

過日、小誌にも雑誌にも書いて講演でも提議したが、上海から外国企業ばかりか、中国企業が逃げ出してベトナムなどに向かっている。
先日も或る財界人の講演会で、そのことを指摘すると、さすがに驚いた経営者が多く「我々も工場のベトナム移転を検討中で、先日は経団連が団体でハノイのキャノン工場見学会までやった。ところが実態は中国企業も労賃急騰にネをあげているのですか!」。

 今朝(4月3日)のヘラルド・トリビューン紙の一面は、まさにこの記事である。
 上海、広東、福建省でそれぞれが30万から100万人の技術者が足りず、或るメーカーが五人の募集を新聞広告にだしてもひとりの応募者しかなかった。繊維、スポーツ用品、玩具の製造業がいまや成立しにくくなってバングラデシュへの移転が続いている云々。



(私のコメント)
このような記事を見れば胡錦濤国家主席が浮き足立ってしまっている理由が分かるでしょう。日本の政財界人を招いての会見も困った時の日本頼みであり、アメリカ資本やEUの資本が手を引いた後の尻拭いを日本企業がしてあげるのだろうか。美女や賄賂でずぶずぶになってしまった政財界人は日本を中国の道連れにするつもりなのだろう。




豪と中国、豪産ウラン輸出で保障措置協定に調印
しかしエネルギー資源による中国包囲網は出来つつある


2006年4月3日 月曜日

豪と中国、豪産ウラン輸出で保障措置協定に調印

【シドニー】オーストラリアと中国は3日、豪州産ウランの中国向け輸出を開始するため、ウランの利用を平和目的に限定する2国間の保障措置協定に調印した。

 キャンベラを訪れた温家宝・中国首相は記者会見で、「核拡散防止条約(NPT)の原則を遵守し、平和利用のための2国間協力を進めたい」と述べた。早ければ2010年にも中国向け輸出が本格的に始まる見通し。

 このほか、両国は自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉の促進、文化・芸能交流の強化などについても合意した。
(読売新聞) - 4月3日11時24分更新


ロシアのメディアが伝える中ロの不協和音 2006年3月28日 大紀元

【大紀元日本3月28日】ロシアのプーチン大統領は22日、中国訪問を終え帰国した。今回の訪問に先立ち、中国政府のメディアは大々的に報道し、友好ムードを宣揚していたのと対照的に、ロシアの主要メディアは双方の分岐を指摘した。

 ロシア「共青団真理新聞」は3月20日、「東に向いて歩んでいる我々の誤った選択」と題した文章の中で、「中国と協力して米国に対抗するという考え方は、最近の傾向の一つであるが、忘れてはいけないのは、私たちは中国との軋轢が西側諸国とのそれより、遥かに多いことである」と指摘した。

 中国移民に対する警戒

 最近、ロシアの極東地区には中国人の移民が急増している。調査資料によると、2050年には、ロシアの中国移民は少なくとも1千万人に達し、ロシアにおいて二番目に多い民族になるという。現在、サンクトペテルブルグで中華街を建設する計画があるという情報が流れており、さらにモスクワにも建設するという。大量の中国移民の存在は、北京がモスクワを左右する上で、有利な条件にもなりうるだろうと同報道は指摘している。

 この問題についてロシア移民局長は3月15日に「中国人がロシア極東地域へ大規模移民する現象はとても憂慮すべきことである。2006年6月以前、ロシア移民局は極東地区で専門会議を開き、この問題について討論した。情勢の正常化を図り、中国からの非合法の移民に対し対策を講ずることを考えている」と述べている。

 貿易の不均衡に不満の声

 モスクワと北京の双方間の経済貿易はとても不均衡である。中国人がロシアで商売をするのにいかなる制限もないが、ロシア人が中国で商売をするには様々な共産党による制限がある。また、中ロ貿易に関して、ロシアが中国へ輸出するのはほとんどが天然資源などの原材料であることにロシアの世論が不満の声をあげている。プーチン大統領は今回の中国訪問で、中国への大型機械設備の輸出契約を盛り込んでいることから、世論の不満の声に配慮したことがうかがえる。

 国際関係の明暗

 最近のイランの核問題に関しては、モスクワと北京は足並みを揃えた。しかし、イランの石油を緊急に必要としている中国にとっては都合が良いが、ロシアにとっては何の利益もなく、むしろイランの核兵器はロシアにとって極めて大きな脅威である。北京との協力でロシアはいったい何を得たかを考えるべき時になってきた。

 モスクワと北京は同盟国であり、高度に友好関係を発展させてきたと称しているが、実際、裏側では双方の間にまったく信頼はない。中国はロシアが超大国になることを望んでおらず、ロシアも中国が強大になるのを望んでいない。これが、双方のエネルギー協力関係の進展を妨げているとロシアの世論は指摘している。

 エネルギー協力の不調

 3月6日、ロシアの各主要メディアは、中国国家発展と改革委員会の副主任・張国宝の記者会見での言葉を引用し、中国はロシアのエネルギー協力体制に不満を抱いていると報じた。

 ロシアの代表的な政治評論ウェブサイトは「中国石油企業はロシアとの協議において、悲観視している」と報道した。この報道によると、中ロ間の天然ガスと石油供給において不調であり、ロシアの対中エネルギー供給価格が高すぎ、これが既に中ロ両国のこの領域での共同開発を妨げている。さらに、十数年来中国が期待してきた東シベリア石油パイプラインの接続が本当に実現できるかどうかは、断定できないと中国側は不満を漏らしている。

 2004年12月31日、ロシア政府は、「東シベリア石油パイプライン建設」に関して極東ルートを求める日本が提案した「太平洋ルート」の着工を正式決定したと発表したが、ロシアの首相・フラトコフの中国側を優先するという発言もあり、中国への輸出が優先されるかのようにみえた。本年3月21日には、プーチン大統領が訪中し、胡錦涛主席との会談でパイプライン建設では、中国への「支線」敷設に向けた調査実施を盛り込んだ協定書に署名するも支線の敷設は明言しておらず、ロシアは従来通り、日本と中国をてんびんにかけている。さらに、鉄路運輸で中国に輸出している石油量もかなり縮減したようである。

 天然ガスと電力の領域でも同じである。ロシアは口頭で中国に天然ガスを供給する用意があると示したが、実際にその計画は、現在に至るまで少しも進展していない。また、中国の電力不足は非常に深刻だが、電力に余裕のあるロシアとの協力は、未だ合意に至っていない。

 軍事協力の思惑

 ロシアはインドに空母、原子力潜水艦、長距離爆撃機などを輸出しているが、中国に対しては10−15年程度技術の遅れた常軌兵器しか輸出していない。

 中ロの合同軍事演習について、中国のマスメディアは大々的に宣伝し、まるでロシアが台湾海峡に出兵する可能性があるかのような報道ぶりだが、ロシア方面はこの軍事演習を毎年行なっている多国間合同演習のひとつに過ぎないと見ている。

 実際、プーチンが中国訪問する直前、ロシアの太平洋艦隊は、米ロ合同軍事演習のために既に予定の海域へ向かっていた。

(ロシア=大紀元記者・呉興)


(私のコメント)
二つのニュースを紹介しましたが、中国はエネルギー資源確保に苦労しているようだ。中露間においてはロシアには石油やウラン鉱石がたくさんあるが、ロシアは中国が強大になることを望んではいない。だからエネルギ−資源輸出に消極的であり、武器輸出もインドには最新鋭の武器は輸出しても、中国へはワンランク落ちるものを輸出しているようだ。

中国はオーストラリアのウランやアフリカの石油などに手を伸ばしていますが、東シナ海のガス田開発も日本とのエネルギー摩擦問題になっている。このように中国の経済発展はエネルギー確保がボトルネックになっており、経済発展を続けるには石油やウランなどの確保が欠かせない。

日本が幸運だったのは高度成長時代が石油の安かった時期であり、1バレル2ドルくらいだった。ところが現代では1バレル60ドル時代であり、エネルギー価格が30倍にも上がっており、量的にも確保が難しくなっていくだろう。

アメリカが超大国になれたのも国内に巨大油田があったからですが、中国国内には需要を賄えるようなエネルギー資源はない。中国には勤勉で豊富な労働力があってもエネルギー資源がなければ高度成長を続ける事は無理である。日本も例外ではなく中東から石油が来なくなれば江戸時代に逆戻りになるだろう。

ロシアやオーストラリアのような資源大国ならば中国に資源を買ってもらうことは喜ばしい事ですが、脅威を及ぼすような超大国になって欲しいとは思っていないだろう。アメリカにしても思いは同じであり、エネルギ−問題からも中国包囲網は出来上がりつつあるのですが、オーストラリアとのウラン協定は成り行きが注目されます。

中国包囲網に関してはインドの動向も注目されますが、投資先を中国からインドへ移す動きも見られます。アメリカとインドとの原子力協定や武器輸出などの話もまとまり、ロシアもインドへの協力は積極的だ。またインドは中東にも近くパキスタンを経由して石油パイプラインを引く計画もあり、インドは中国に対する牽制にもなり中国は世界から警戒されるようになった。

このように見れば中国包囲網は確実に形成されており、エネルギー面からも中国の孤立感は深まっている。昨日は日中問題を論じましたが、中国は困った時の日本頼みで日本からの友好使節団を招き入れた。天安門事件の時も世界各国から制裁を受けて孤立しましたが、日本に擦り寄って天皇陛下を招いて制裁を切り崩して行った。

胡錦濤国家主席が日本に歩み寄る姿勢をみせるのも、中国の超大国化が世界から警戒されて孤立感を深めているからですが、日中間だけを見ていると中国の思惑は分からない。だから靖国問題でも中国側から譲歩せざるを得ない状況も出てくるだろう。

このように中国は北と西はロシアに塞がれ、南はインドに塞がれ、残る東は日本とアメリカに塞がれているのですが、だからこそ一番の弱点である日本に分断工作を仕掛けて中国包囲網を破ろうとしている。オーストラリアにも資源外交で風穴を開けようというのでしょうが、アメリカがこれを許すだろうか。

ロシアと中国との関係も奇奇怪怪であり、ロシア国内には1000万人もの中国人が移住してきている。大都市にはチャイナタウンが作られ、シベリアは中国人労働者なしには成り立たなくなっている。アメリカやオーストラリアや日本でも中国人の数万人もの不法滞在者が増えて社会問題になって、別の意味でも中国は世界の脅威になっている。




中国は「靖国問題」を利用して、日本の体制の切り崩しを
図っており、日本の体制はいまやなし崩しにされつつある


2006年4月2日 日曜日

◆中国ではこのような美女に誘惑されないように気をつけましょう


友好増進へ「メディア重視」=「感謝の気持ち、伝達を」と中国主席−会談全容判明

【北京1日時事】中国の胡錦濤国家主席が3月31日に北京で橋本龍太郎元首相ら日中友好7団体会長らと会談した際、「友好事業の将来は明るい。誰も止めることはできない」と期待を表明、友好感情増進に向けて「指導者とマスメディアは(世論を)導く責任があり、役割は重要だ」と述べ、日本側を念頭に、正確な報道や適切な言論で両国国民感情の悪化を防ぐ必要性を指摘していたことが1日、分かった。会談記録や出席者の証言で判明した。胡主席は「私が1980年代に中日友好に携わって以降、20年が過ぎた。帰国したら感謝の気持ちをぜひ皆様に伝えてほしい」とも表明。同主席は小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題の解決とともに日中関係改善に向けた意欲を見せた。 
(時事通信) - 4月2日7時0分更新


【正論】中国には通じぬ「靖国参拝」の意味 - 中国軍事専門家 平松茂雄

去る3月7日、中国の李肇星外相が北京の人民大会堂での内外記者会見で、日本の政治指導者の靖国神社参拝を激しく非難するとともに,日中関係改善のカギは日本の政治指導者が誤った行動を正すことだと述べた。

 これに対して、外務省は謝罪を求めるため、王毅駐日大使に外務省に出頭するよう数回電話したにもかかわらず拒否され、電話で抗議した。また安倍官房長官は参議院予算委員会で李外相の発言を強く批判したと報道された。

 これは、我が国の国内政治に対する干渉であるにもかかわらず、この問題はそれで終わりになってしまったようである。

 9日付産経新聞社説「主張」は、「日中関係を改善したければ、『ポスト小泉』候補者は靖国参拝をするなと言わんばかりである」と不快感を表した。だが、「靖国問題」は、我が国と中国とでは全く異なる次元の問題であることを日本人ははっきりと認識する必要がある。

 日本人にとって「靖国参拝」は、国家の命で戦場に赴き、不幸にして戦死した人達を国家が慰霊することである。「靖国参拝」で、わが国では、戦没者の慰霊は当然ではないかとか、慰霊の仕方にはその国の伝統や文化の違いがあるといった論議がある。それはそれで間違いではない。だが中国にとって「靖国問題」の目的は、そのような処にはない。

 中国にとっては、「靖国参拝」は日本を動かすための戦術である。この点の認識が日本側に欠落している。それ故「靖国参拝」を日本人の問題として中国に説明しても、通じないのは当然なのである。中国が「靖国問題」を執拗に持ち出している背景には,何があるかをつかむことが必要である。

国家の分裂は"思うツボ"


 産経の「主張」は、中国に「自らの指導者選びにここまで露骨な干渉を許した」のは、「その意向に迎合する政治家などが存在するため」である、と指摘している。まさにその通りである。中国は「靖国問題」を利用して、日本の体制の切り崩しを図っており、日本の体制はいまやなし崩しにされつつある。

 筆者は、「靖国問題」を中国の良いように利用させている日本の体制の側に問題があることを指摘したい。だがそのような経験は今回が初めてではない。筆者は戦後の日中関係を、徳川家康の「大坂の陣」になぞらえて説明してきた。まず外堀を埋め、次に内堀を埋めれば、本丸は戦わずして陥ちる、と。

 この場合、外堀はわが国の共産党、社会党、総評を先頭とした労働組合、朝日新聞、雑誌「世界」などのマスコミを中心とする反体制勢力とそれを支持する「人民勢力」で、内堀は政府・与党、すなわち自民党とそれを支持する勢力、特に経済界である。

 戦後50余年の日中関係で、日本は「中国問題」で国論が真っ二つに割れたことが2回ある。

 1回目は1951年のサンフランシスコ平和会議で、この時、中国を代表する政府は中共か国府かで国論は割れた。2回目は72年の日中国交回復の時であるが、この時の伏線は、61年に毛沢東がわが国のある社会党議員との会談で述べた発言にある。毛沢東は、複数の親中国的な自民党議員の名前を挙げ、こう語ったという。

 「日本政府の内部は足並みが揃っていない。主流派があり、反主流があり、彼らは完全に一致していない。彼らの割れ目がもっと拡大して両者が対立し、衝突することは、中国にとっても日本の人民にとっても有利である」

生かされない過去の教訓


 その間の経緯は書く余裕がないが、日本は内堀を埋められ、自民党内では、佐藤内閣ではもはや中国問題が解決できないとする流れが支配的となり、「ポスト佐藤」をめぐって自民党総裁選挙に出馬を予定していた実力者が、中国問題で佐藤内閣を批判する言動をとるようになった。

 換言すれば中国問題の解決は「ポスト佐藤」の最重要課題になった。本丸は戦わずして陥ちたのである。

 現在の日本を見ると、内堀の中で浮き足立っている人達の姿が浮かびあがってくる。それは、首相の靖国参拝に注文をつけている自民党や経済界の首脳であり、マスコミ等々だ。内堀にいる人たちが、中国の利益を代弁し、国論が分裂し、政界が混沌としてきている。

 わが国にとって何よりも必要なことは、「靖国参拝」の意味を中国に説明することではなく、中国の意図を見抜くことである。

2006年03月17日 産経新聞13面記事


(私のコメント)
今日のテレビの報道番組でも安倍、麻生といった次期総裁候補が靖国問題について語っていました。これは中国が靖国問題を持ち出して日本の世論の分断工作を仕掛けているからですが、中国の意図を正しく分析しなければならない。胡錦濤国家主席が橋本元総理との会見でも述べているように、「指導者とマスメディアは(世論を)導く責任があり、役割は重要だ」と述べたように、日本の政治家とマスコミに猛烈な圧力をかけている。

産経を除く日本の新聞社などはそれに忠実に行動して靖国問題を中国よりに報道していますが、自民党の一部と多くのマスコミは中国との友好が大切であり、その為には日本が譲歩して靖国参拝を止めるように主張している。しかし中国が靖国参拝非難を止める方法もあるのであり、日本人なら中国の靖国非難を止めさせる主張をすべきだ。

中国が靖国問題を持ち出すのは内政干渉であり、次期総裁候補選びに対する干渉にもなるのですが、自民党の一部と経済界とマスコミは中国の意のままに動いている。おそらくは橋本元総理をはじめとして谷垣財務大臣も中国美女にそそのかされて中国公安に弱みを握られているようですが、経済界の多くも罠にはまっているようだ。

中国と言う国はまことに品位のない国であり、女や金で誘惑しては罠にはめ込んで意のままにしようとする。上海の領事館員もその罠にはまって公安に脅迫されて自殺しましたが、欧米諸国でそんなことをしたら国家の恥さらしなのですが、中国人にはそんな品位の事は問題ではないようだ。

イギリスではソ連の美人女スパイにプロヒューモ大臣が罠にかけられた事件がありましたが、大臣は辞任してマクミラン内閣も間もなく瓦解した。ソ連と言う国はそれほど品位のない国だったのですが、そのような国は内部から崩壊する。だから中国も先は長くないだろう。

橋本元総理は中国では女に嵌められ、日本では1億円をネコババしたりして品位に欠ける政治家であり日本の総理大臣だった。また、性格的にも切れやすく、このような政治家を選んできた選挙民にも責任はあるのですが、こうなってしまうのもマスコミに一番の責任がある。女スパイ事件でも週刊誌で始めて表ざたになった。

大手のマスコミは中国からの利権に動かされて中国に不利な報道はせず、結果的に中国の手先になっている。胡錦濤国家主席の会見でも明らかなように多くの政治家とマスコミは中国の手先であり、靖国参拝しないことが中国にとっての望ましい指導者であり、朝日毎日などの新聞も靖国参拝反対の記事を書いている。

おもな理由としては中国との友好のためですが、中国と友好的関係になりたければ靖国を参拝できないのであるならば、中国と友好的な関係にならなければいいのであり困るのは中国の方だ。多くの企業が中国に進出していますが、資本と技術を惜しげもなく中国に投入して、その分日本は確実に貧しくなっている。地方にあった工場などはみんな中国に企業は移してしまったからだ。

確かに人件費は安いし勤勉で手先も器用で能力は高いのですが、定着率は悪くストライキは激しいし、地方は勝手に税金を取り立ててくるので企業は内心では酷い目にあっているらしい。人件費も賃上げが激しくメリットはなくなって、技術はみんなパクラレてしまった。マスコミが中国進出キャンペーンを張り、大前研一氏は中国へ進出しない企業は潰れると言っていた。

3月31日にも書いたとおり、これはアメリカの戦略でもあり、アメリカの奥の院は中国に多額の投資をしているから、日本の技術や資本を中国に移したがっている。これは米中の利益ではあっても日本にとってはとんでもない事であり、アメリカや中国の意のままに動く政治家やマスコミが多すぎる。それこそ日本を売る行為であり売国奴だ。




ソクーロフ監督の話題の映画「太陽」 やはり日本人は
ドイツ人と違って「あの戦争」をいまだに総括できていない


2006年4月1日 土曜日

「あの戦争」を描いた映画  3月26日 しんいちろう茶屋ブログ

最近第二次大戦がらみの映画を何本か見たんですが、「男たちの大和」は空疎な映画でした。映画に背骨がなく、安手なセンチメンタリズムとヒロイズムが場当たり的にたれ流される客観的な視点を欠いた映画という印象。脚本家の野上龍雄が、「私が『男たちの大和』の脚本家を降りた理由」というタイトルで「シナリオ」誌で内部告発していましたが、もともとの設計図はもっと叙事的で冷徹な視点を持ったものだったようです。要はプロデューサーやらスポンサーやらがよってたかって圧力をかけて安手なものにしてしまったというのが真相のようです。
不思議なのはこの映画、玄人筋の評価も意外に高く、キネ旬のベスト10にも入っていたんですよね。福田和也が口を極めて絶賛していたのは角川春樹の友達だから仕方ないとはいえ(笑)。

対して「ヒトラー最後の12日間」はほんとうによくできた力作だと思いました。ヒトラーやゲッペルスの人物像には、ドイツ国内ではかなり批判の声もあがったみたいですが、ヒトラーをただの能面みたいに描くんじゃなくて、人間的な温かみのような部分も同時に描くことによって、人物造形がより具体的・立体的になっていたと思います。どんな悪党にだって鬼畜みたいな側面だけしか持たない人間なんているわけないのだから。秘書の女性にやさしいまなざしを向けるヒトラーを描くことによって、逆にこの人物の狂気というものも、より強いリアリティと陰影を持って表出されていたと思います。

この2本の映画を続けて見て改めて思ったのは、やはり日本人はドイツ人と違って「あの戦争」をいまだにきちんと総括できていないんだな。ということ。その不幸を改めて感じました。「ヒトラー最期の12日間」に比べて「男たちの大和」が扇情的なだけの卑俗な映画にしか見えない、その差異の根本的な理由も、そこにあるのではないでしょうか。あの戦争が何だったのか。国民的な合意形成がまったくされていないから、背骨のまったくない、お涙頂戴映画にしかつくりようがないのです。ぼくはあの戦争が100パーセント日本軍の侵略戦争だったという東京裁判史観にはまったく与していません。ただし、だからといって小林よしのりの「戦争論」みたいな行き方にも疑問があります。必要なのは叙事的で冷徹な視点ではないでしょうか?

ところで、日本ではおそらく公開は無理でオクラ入りになるだろうと噂される、昭和天皇を描いたソクーロフの「太陽」。このサイトで少し断片が見られますが、これは相当すごい映画になっているという予感を感じさせます。なんとか見る方法はないでしょうか?


太陽(Солнце) 監督:アレクサンドル・ソクーロフ デラシネ通信

(概略のストーリー)
 皇居の地下に掘られた退避壕(防空レジデンス)。天皇が独り食事をしているところからスタート。侍従たちがかいがいしく世話をしている。食事をしながら、天皇が「ラジオをつけてください」と言う。侍従がラジオをつける。威勢の良い軍歌。侍従はこれは良くないと思い、チャンネルを変える。今度は「ラジオ東京」の英語ニュース。「沖縄で多くの学生が最期まで戦う用意を表明し…」

天皇: 「消してください。」

 侍従が、今日の日程を伝える。

侍従: 「10時 御前会議 12時 海洋生物学の研究、14時に午餐、15時から16時まで午睡・・・」
天皇: 「アメリカ軍がここに来たらその日程はどうなるのかね?」
侍従長: 「日本人が一人でも生きている限り、アメリカ人はここに来ません。大正13年の日本国民を侮辱したアメリカ人など・・・」
天皇: 「あ、そう。」
天皇: 「日本に最後に残る人間が私一人になったらどうする?」
侍従長: 「お言葉ですが、陛下は天照大御神の天孫であり、人間であるとは存じませぬ」
天皇: 「私が神である証拠はどこにも何もない。この皮膚も他の人と同じではないか」
侍従長: 「・・・」
天皇: 「怒るな、まあ、いわゆる冗談だ」

 御前会議に備えて着替え。 侍従がシャツ、軍服の上着を着せる。

侍従: 「お痩せになりましたね」
天皇: 「誰も私のことを愛してくれていない。皇后と皇太子以外は。」
侍従: 「そんなことはございません。 皇室の方々、それに国民も愛していますとも。」
天皇: 「そうか。ところでローマ法王はなぜ私の手紙に答えてくれないのだろう。」
侍従: 「どうせ、枢機卿のところで止まっているに違いありません。」
天皇: 「そうか。(笑顔で)まあ、よかろう。」

(中略)

退避壕から地上に上がる。
 すでに白亜の洋館の庭には、米軍が用意した黒塗りの車が待っていた。米軍兵士から車に乗り込むよう、ぶっきらぼうに指図される。
 皇居を後にし、東京の町を車で走る。周りは悲惨な焼け野原。悪夢は現実だったのだ。
 マッカーサー司令官の待つアメリカ大使公邸に到着。
 部屋の前でドアが開けられるのを待つ。

米兵: 「なに、俺に開けてほしいのか」

 ドアが開けられ、部屋に入る。
 司令官が大声で「Your Majesty, Come in (陛下、お入りください)」。
 日系二世の通訳官が司令官に「天皇陛下に対して、そのような大声は失礼であります」と上官を咎める。
 司令官は「何をぬかす。お前は通訳だけしていれば良いのだ」

通訳官: 「(かしこまって)陛下、連合軍の決定について同意されますか?」
天皇: 「いかなる決定も受け入れる用意があります。」

 司令官が天皇をソファの方に手招きしながら、「今日はどうして着物ではないのですか?」と訊ねる。
 天皇は「着物は国民の祝日に着る物。今日は、私にとって Disgrace と Griefの日であるから着ないのです」と英語で答えた。
 ソファにかけながら、さらに天皇は英語で「私はドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語などをしゃべれるが」と続けた。
 通訳官が日本語で「陛下、英語でしゃべると、このアメリカ人と同じレベルになってしまいます。どうか日本語で話してください。」
 勝手に天皇と話している通訳官にマッカーサーは激怒し、「10日間の謹慎だ、もういい。去れ」。

天皇: 「あなたの召使が、ここはオフィシャルな場であるので、天皇は日本語で話すべきですと言いました。そういえばその通り、私は外交上の習慣を忘れていました」
司令官: 「彼は私の召使などではない。あなたの国には召使がたくさんいるようだが・・・(大声で)通訳官戻れ!!
 ところであなたの子供たちはどうしているのですか?」
天皇: 「子供たち? 昨日、天皇は皇太子に手紙を書きました。」
司令官: 「それで、天皇は何を書いたのですか?」
天皇: 「戦争の敗北について・・・ イルクーツクまで進軍するべきだと軍部は主張したが、私は押しとどめた。首相は国の財政状況を把握していなかった。」
司令官: 「今日はこれまで。皇居に送らせます。」
天皇: 「あ、そう」

 丁寧に白い手袋をはめ、帽子をかぶり、軽く一礼する。
 ドアのところで外をのぞきこむ。だれか開けてくれぬのか。
 恐る恐るドアノブを回し開けようとする、急に先ほどの兵士が開けてくれる。
 天皇はまた司令官の方を向き直り、軽く一礼する。

司令官: 「(通訳官方を向き、呆れた様子で)今のはなんだったのかね。」
通訳官: 「陛下はおそらく自伝の一部を読んでいたのではないかと察します。」
司令官: 「まるで子供みたいだ。状況を把握できるまで、心神耗弱による自宅軟禁扱いとする旨、ワシントンに報告しろ」

(中略)

 マッカーサーとの2回目の会談。1回目と同様、大使公邸にて。大広間でのディナー。
 天皇は美しい皿を観察している。

司令官: 「その皿は、打ち負かしたドイツから持ってきたものです。アジアでの勝利を祝うために。その皿の主(あるじ)のもには、あなたのお友達がよく訪ねてきたそうです。」
天皇: 「友達?」
司令官: 「ヒトラーのこと。あなたが同盟を組んだ相手です。」
天皇: 「私は会ったこともありません。」
司令官: 「・・・ハバナの葉巻はどうですか?」
天皇: 「私は結構。」
司令官: 「奇遇なものです。私の父は、この地に軍事アタッシェとして来ていました。父は米国大使から懇意にしてもらっていたので、ここによく来ていたとか。そこに私がこうしているのですから。」
天皇: 「そうですか。ただ、(あなたのお父様のことを)私は覚えていません。ところで、日本にとっての対連合国戦争での勝算は5割。そして、ドイツにとっての勝算は10割でした。」
司令官: 「何のことです?」
天皇: 「日本とドイツとの同盟のことです。」

 沈黙。

天皇: 「わたしもハバナの葉巻をもらいましょうか」

 司令官は葉巻を差し出す。
 天皇はロウソクの火で火をつけようとするが、つかない。
 司令官が「では、私の葉巻から火をおとりください」と言い、ソファへと誘う。
 司令官が火のついた葉巻を口にし、吸い込む。
 天皇がその葉巻に自分の葉巻をつけ、これも吸い込む。 天皇の葉巻にも火がついた。


司令官: 「(つぶやく)現人神(あらひとがみ)でいるのは疲れるでしょう。」
天皇: 「なんと言いましょうか。それは楽ではありません」

天皇はくつろいだ様子を見せる。

(後略)


(私のコメント)
この「太陽」と言うロシア映画は去年のロシアの映画祭でグランプリを獲得したそうですが、日本では公開されそううもなく、DVDで発売されないかと期待していますが、どうだろうか。海外からDVDを輸入すれば見られるのでしょうが、天皇の終戦前後を描いた映画と言うことで物議をかもしそうで、日本でもDVDの発売は難しいかもしれない。

だから私自身もまだ見ていないのですが、ストーリーの概略は映画を見た人によって公開されている。それによれば主演のイッセー尾形による喜劇仕立てになっているようだ。もちろんセリフなどはフィクションですが、よく調べられて書かれていると思う。しかし日本人の中にはユーモアを解さない人も多いから笑わない人も多いかもしれない。

いまだに現代でも天皇をタブー視して神格化するかのような扱いがありますが、それとは反対に小泉首相のように皇族の反対を押し切ってまでも皇室典範改正を行なおうとする事などもあった。対外的には天皇陛下は国家元首の扱いだから重要な問題なのですが首相一人の一存で2600年の伝統が変えられようとしていた。

ところが首相はもとより国民のほとんどが女性天皇と女系天皇の差も分からずにいる。天皇を神格化するのも間違いなら女系天皇も認めるような伝統の破壊も間違いだ。そして皇室問題そのものもタブー視しないで戦争責任の問題も含めて論ずるべきなのだ。

私自身も法律上の戦争責任はなくても天皇には道義的な責任はあるだろうと思う。だからある時期をもって責任をとる意味で退位も検討されるべきであった。しかし大東亜戦争そのものに対する評価もいまだに下せないような状況ではそれも無理だったのだろう。

このロシア映画の中での天皇のセリフで「大東亜戦争の原因のひとつについて語ろう。大正13年、アメリカは移民制限法を日本人にも適用し始めた。それが、日本国民、軍部を大いに刺激した。」と述べているそうですが、ロシア人の監督から見ても大東亜戦争は人種解放戦争でありアジアの植民地解放の戦争でもあったことを示唆している。

もしこのような大東亜戦争の評価が下されれば、天皇の戦争責任もまた違ったものになる。私が残念に思う事は昭和天皇自身の回顧録がないことであり、天皇自身しか知らない事も沢山あったことだろう。御前会議の様子も口伝で伝えられるだけで公開されたものはない。

マッカーサーとの会見も内容はいまだに公開されず、アメリカの公文書の公開も無理なのだろう。だから終戦前後の天皇の映画を製作する事は大変冒険なのですが、ロシア人だからこそ出来たともいえる。日本でもアメリカでも中国でも、政治的な思惑が入ってしまうから難しい。しかしロシアなら終戦間際まで中立国だったから比較的冷静に見られるのだろう。

その意味で戦争の遠因がアメリカの人種差別法があったことを指摘するロシアの見方は興味深い。原爆投下についても映画の中ではマッカーサーは「私の命令ではありません」と否定しているが、ルーズベルトとトルーマンの命令であり、マッカーサー自身は必要ないと思っていたのだろう。つまり日本への原爆投下は有色人種を使った人体実験だったのだ。

これはあくまでもロシア人の映画監督の見方であり、大東亜戦争にさほど関与していない国から見れば、このような見方は自然なのかもしれない。だから時間が経てば大東亜戦争に対する評価も、中国や韓国やアメリカがやいのやいのと言っても、歴史的には人種差別や殖民地からの開放戦争であったという見方が定着するだろう。

もし大東亜戦争が起きていなければ白人優位主義が定着して、アメリカでも黒人が虐げられていただろうし、アジアでも多くの国が植民地のままであったかもしれない。まさにそれらの国から見れば日本は「太陽」だったのだ。



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